JP2000021416A - 電極用活物質保持基板およびその製造方法、並びにその基板を用いたアルカリ二次電池の陽極 - Google Patents

電極用活物質保持基板およびその製造方法、並びにその基板を用いたアルカリ二次電池の陽極

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JP2000021416A
JP2000021416A JP10189495A JP18949598A JP2000021416A JP 2000021416 A JP2000021416 A JP 2000021416A JP 10189495 A JP10189495 A JP 10189495A JP 18949598 A JP18949598 A JP 18949598A JP 2000021416 A JP2000021416 A JP 2000021416A
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Koji Hoshino
孝二 星野
Yoshiyuki Mayuzumi
良享 黛
Saburo Wakita
三郎 脇田
Hirochika Ueno
博規 上野
Kazuhiko Tabei
和彦 田部井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ二次電池の陽極に使用される多孔質
焼結金属板と補強用金属板とを貼合わせて構成される活
物質保持基板において、多孔質焼結金属と補強用金属板
との接合強度が高く、剥離し難くする。 【解決手段】 金属粉末に界面活性剤および発泡剤を混
合してなる金属スラリーをキャリヤシート上に薄く敷い
てグリーンシートを形成し、続いて該グリーンシートを
発泡して、空隙を有しないスキン層15をもつ発泡シー
トを形成し、該発泡シートをキャリヤシートから剥離し
て焼結した後、該焼結体の前記スキン層15を補強用金
属板に重ね合わせて拡散接合することにより、前記焼結
体を前記多孔質焼結金属板として補強用金属板と接合す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質焼結金属板
と補強用金属板とが一体化されて構成される二次電池の
電極用活物質保持基板およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ニッケルー水素電池等のアルカリ二次電
池は、近年、ハイブリッド車のバッテリーにおいて使用
されるようになったことなどから、注目を集めている。
ニッケルー水素電池等の陽極としては、通常、水酸化ニ
ッケルを主成分とする活物質を含むニッケル電極が用い
られる。
【0003】該ニッケル電極の製造方法としては、大き
く分けて、焼結式のものと非焼結式のものとがある。焼
結式の製造方法は、通常、補強用金属板を用いるため導
電性と熱伝導性が良好であるという長所を有するのに対
し、非焼結式の製造方法は、導電性があるニッケル発泡
体等の基体に、導電性がない水酸化ニッケルを主成分と
する活物質を保持するという方式をとるため、該活物質
の充填密度を大きくできるという長所を有する。
【0004】これら焼結式と非焼結式の製造方法の両方
の長所を備えたものとして、例えば特開平8−1069
06号に示されているように、活物質を保持するニッケ
ル発泡体等の基体と該基体の補強のための補強用金属板
とを一体として焼結して成形した活物質保持基体を用い
る方法がある。この方法で製造された活物質保持基体で
は、活物質を多く保持することができるため、該保持基
体を用いた電池はその容量が大きく、また、通電性がよ
いため大きな電流を流すことができるという特徴を有す
る。
【0005】上述のようなニッケル発泡体等の基体と補
強用金属板とを一体として焼結して成形した活物質の保
持基体(以下、一体式活物質保持基板という。)の従来
の製造方法を示す。該製造方法は、(1)発泡性樹脂を
混練し、発泡樹脂柱を成形する工程、(2)該発泡樹脂
柱をスライスして薄膜を形成する工程、(3)補強用金
属板を芯材として該薄膜を該補強用金属板の片面あるい
は両面に接着剤で張り付け、ニッケル粉末含有溶液を塗
布した後、該発泡性樹脂、接着剤、等を焼成し熱分解除
去する工程、(4)該薄膜を焼結する工程、(5)該薄
膜の表面の酸化物を除去する工程、を基本的な製造手順
としている。このような方法によって製造された一体式
活物質保持基板では、活物質の充填密度を大きくし、ま
た、大きな電流を流すことが可能である。尚、通常電極
の製造は、該活物質保持基体に、活物質のスラリーを充
填した後、その充填された基体を乾燥し、さらに圧延し
て、緻密化することが行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な方法で製造された一体式活物質保持基板において、ニ
ッケル発泡体は、発泡樹脂柱をスライスして形成した発
泡性樹脂の薄膜の表面にニッケル粉末含有溶液を塗布し
て焼成されたものであるため、図6(a)、(b)に示
されているように、その表面はニッケル骨格31が突き
出た突起32で構成されている。また、ニッケル発泡体
が発泡性樹脂の表面にニッケル粉末含有溶液を塗布して
焼成されるものであるため、発泡性樹脂が占有していた
部分が焼成により中空となり、図6(b)において模式
的に示しているように、ニッケル骨格31はその内部に
中空部36を有している。そのため、補強用金属板33
の表面と接合されるのは、内部が中空の突起32の先端
32aであるため、ニッケル発泡体35と補強用金属板
33の間の接合強度は低い。また、このような表面を持
つニッケル発泡体では、ニッケル骨格間に広がる空隙の
表面側の開口部は、その内部の径の大きさが変わらない
ので、内部に一旦保持した活物質は容易に脱落し、活物
質の保持性は良くない。
【0007】さらに、前記焼結の際、補強用金属板33
の熱伸縮によるサイズの変化は無視できる程度なのに対
して、ニッケル発泡体35は大きく収縮する。このた
め、焼結時に、ニッケル発泡体35に割れがはいった
り、補強用金属板33にしわがよったりして、ニッケル
発泡体35が補強用金属板33から剥離し易いという問
題があった。
【0008】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、ニッケル発泡体等の多孔質焼結金属板と補強用金属
板とを貼合わせて構成される電極用活物質保持基板およ
びその製造方法において、多孔質焼結金属板と補強用金
属板との間の接合強度が高く、焼結時に多孔質焼結金属
板に割れはいったり、補強用金属板にしわが発生したり
せず、多孔質焼結金属板が補強用金属板から剥離し難
い、一体式の電極用活物質保持基板およびその製造方法
を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の製造方法は、多孔質焼結金属板と補強用金属板
とを貼合わせて構成される電極用活物質保持基板の製造
方法において、金属粉末に界面活性剤および発泡剤を混
合してなる金属スラリーをキャリヤシート上に薄く敷い
てグリーンシートを形成し、続いて該グリーンシートを
キャリヤシートにのせたまま発泡して、グリーンシート
のキャリヤシート側に空隙を有しないスキン層をもつ発
泡シートを形成し、該発泡シートをキャリヤシートから
剥離して焼結した後、該焼結体の前記スキン層を補強用
金属板に重ね合わせて拡散接合することにより、前記焼
結体を前記多孔質焼結金属板として補強用金属板と接合
することを特徴とする。この場合、補強用金属板に接合
される前記焼結体のスキン層は、空隙がない緻密な層で
その最表面は平坦であるため、スキン層と補強用金属板
との接合は緻密な平坦面同士の接合となり、接合強度が
高い。また、前記界面活性剤が、バインダー、可塑剤、
水からなる溶剤に対して0.5〜2重量%の量であり、
また、前記発泡が温度15〜65℃の高湿度雰囲気下
で、1〜60分間行えば、上述のような空隙のないスキ
ン層をもつ多孔質焼結金属板をつくるのに好適である。
また、離型剤を使用しないか、あるいは離型剤を、例え
ば、薄い樹脂被膜でマスキングするかすれば、空隙のな
いスキン層ができやすい。さらに、発泡シートだけ予め
焼結を行い焼結体とすることで、焼結後に行う拡散接合
の際の該焼結体の熱伸縮を小さくすることができる。従
って、焼結体と、本来熱伸縮の小さい補強用金属板との
間の熱伸縮差が小さくなり、該補強用金属板からの焼結
体の剥離を防止することができる。
【0010】前記補強用金属板として孔あきの金属板材
を用いれば、孔あき金属板材の両側の多孔質焼結金属板
が孔を通して接合し、多孔質焼結金属板と孔あき金属板
材である補強用金属板との接合が強くなる。
【0011】また、多孔質焼結金属板と補強用金属板と
が一体化されて構成される電極用活物質保持基板の製造
方法において、まず、金属粉末からなる金属スラリーを
キャリヤシート上に薄く敷いて第1のグリーンシートを
形成した後、該第1のグリーンシート上に、金属粉末に
発泡剤を混合してなる金属スラリーを薄く敷いた第2の
グリーンシートを重ね、これら両グリーンシートを積層
状態のまま加熱することにより、第2のグリーンシート
を発泡して、空隙を有しない下地層と空隙を有する発泡
層とを形成し、該発泡シートをキャリヤシートから剥離
して焼結して焼結体とした後、該焼結体の下地層側を補
強用金属板に重ね合わせて拡散接合することにより、前
記焼結体を多孔質焼結金属板として前記補強用金属板と
接合してもよい。
【0012】この場合、多孔質焼結金属板のうち、補強
用金属板と重ね合わされる下地層は、緻密で空隙のない
金属焼結体からなり、重ね合わされる面は平坦なので、
補強用金属板との接合強度が高い。また、この下地層の
厚さは任意に決められるので、用いる補強用金属板の性
質に合わせて最適な厚さを設定できる。
【0013】本発明の製造方法により製造した活物質保
持基板に水酸化ニッケルを主成分とする活物質を充填し
てなるアルカリ二次電池の陽極は、補強用金属板を有
し、該補強用金属板と多孔質焼結金属板との接合強度が
高いので、耐久性に優れているとともに大電流に耐える
ことができ、また、活物質を保持する表面の空隙が開口
部が狭く内部が広い構造をしているため、一旦内部に入
った活物質は脱落し難く、活物質の保持性に優れてい
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電極用活物質
保持基板の第1の製造方法の好適な実施の形態を図を参
照して詳細に説明する。
【0015】図1は、一体式の電極用活物質保持基板の
製造工程の概略を示す。まず、金属粉末、バインダー、
可塑剤等を溶媒に混合して、金属スラリーを作成する。
例えば、平均粒径2μmのニッケル粉末300g、バイ
ンダー兼増粘剤として水溶性メチルセルロース10g、
可塑剤としてグリセリン10g、溶媒として水180g
からなる配合組成を有するスラリーとし、該スラリーを
一昼夜混練した後、真空脱泡しながら、界面活性剤とし
てドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの50%水溶
液を1〜4g混合し、続いて発泡剤としてヘキサンを1
0g加えた金属スラリー1を作る。
【0016】次に該金属スラリー1を、公知のドクター
ブレード法により、図1(1)に示すように、キャリヤ
シート12上にシート状に成形して、グリーンシート2
を作る。この場合、例えば、ブレードギャップを0.3
mm、送り速度100mm/分という条件にする。この
とき、金属スラリー1がキャリヤシート12上に垂らさ
れて薄く広がったグリーンシート2において、金属スラ
リー1はキャリヤシート12の表面12aに平行に隙間
なく広がっているので、グリーンシート2のキャリヤシ
ート12に接触している面(以下、うら面という。一
方、キャリヤシート12に接触しない露出側の面をおも
て面という。)は、キャリヤシート12の表面12aと
同程度の平坦性を有する。
【0017】次に、グリーンシート2をキャリヤシート
12にのせたまま、例えば、湿度90%、温度40℃の
高湿度雰囲気で、1〜5分間保持して発泡を行い、図1
(2)に示すように、発泡シート3を作る。この発泡の
工程を高湿度に保って行うのは、グリーンシートが乾い
てから発泡すると割れが入りやすくなるからである。ヘ
キサンは、水よりも大きい蒸気圧を有するので、容易に
気化してガスとなり、微細で整寸の気泡が多数発生する
が、このような発泡条件の場合、おもて面からは発泡す
るが、うら面からは発泡するには至らない。したがっ
て、発泡シート3のうら面3aには、空隙のないスキン
層15(図2参照)が形成する。
【0018】発泡工程は、キャリヤシート12の平坦な
面12a上で行われているので、キャリヤシート12の
表面12aに実際に接触する、発泡シート3のスキン層
15は、キャリヤシート12の表面12aと同程度の平
坦性を有している。
【0019】次に、この発泡シート3は、遠赤外線を用
いて、雰囲気温度60℃で15分間保持して乾燥を行
う。さらに、大気雰囲気中で、600℃で15分間加熱
して、脱脂する。このとき、バインダー等は揮発され
る。
【0020】それから、この発泡シート3を5%水素含
有窒素中で800〜950℃の比較的低温域、例えば、
900℃で20分間保持して焼結を行い、図1(3)に
示すような、焼結体4を作る。この焼結体4は、図2に
示されているように、金属焼結体でできた骨格21と空
隙25からなり、補強用金属板5に重ね合わされるうら
面4aに、空隙のないスキン層15が形成されている。
このスキン層15は、焼結される前に発泡シート3が有
していた平坦性を保持している。そのため、焼結体のう
ら面は補強用金属板との接合に適している。
【0021】それから、図1(4)に示すように、該焼
結体4のスキン層15を補強用金属板5に重ね合わせて
一体の基体6とする。このとき、補強用金属板5として
は、例えば、表面にニッケルがめっきされた厚さ50μ
mの孔あきのものを用いる。この基体6の上に、図1
(5)に示すように、酸化アルミニウム等でできた重し
7をのせて、例えば、1平方cmあたり5〜10g重の
荷重で図1(6)に示す状態とし、それらを5%水素含
有窒素中で1000〜1200℃の高温域、例えば、1
000℃で10分間保持することで拡散接合を施す。こ
うして、焼結体4は多孔質焼結金属板8とされて、補強
用金属板5に接合され、図1(7)に示すような一体式
の電極用活物質保持基板9ができあがる。
【0022】次に、本発明に係る電極用活物質保持基板
の第2の製造方法の好適な実施の形態を図3を参照し
て、一体式の電極用活物質保持基板の製造工程の概略を
示す。この場合、まず、金属粉末に、バインダー、可塑
剤、水からなる溶剤、および界面活性剤を混合してな
る、発泡剤を含有しない金属スラリー41を、図3
(1)に示されているように、キャリヤシート12上に
薄く敷いて形成した第1のグリーンシート42aを乾燥
した後、該第1のグリーンシート42a上に、図3
(2)に示されているように、金属粉末に、バインダ
ー、可塑剤、水からなる溶剤、該溶剤に対して0.5〜
2重量%の量の界面活性剤、および発泡剤を混合してな
る金属スラリー1を薄く敷いた第2のグリーンシート4
2bを形成する。これら両グリーンシートを、図3
(3)に示されているように、キャリヤシートにのせた
まま発泡して、空隙を有しない下地層43aと空隙を有
する発泡層43bを形成し、次に、図3(4)に示され
ているように、該発泡シート43をキャリヤシート12
から剥離して焼結して、空隙を有しない下地層44aと
空隙を有する上部層44bとした後、図3(5)に示さ
れているように、該焼結体44の下地層44aのうら面
4aを補強用金属板5に重ね合わせて、図3(6)に示
されているような一体の基体46とし、それに重し7を
のせて、例えば、1平方cmあたり5〜10g重の荷重
で図3(7)に示す状態とし、それらを5%水素含有窒
素中で(1000〜1200℃)の高温域、例えば、1
000℃で10分間保持することで拡散接合を施す。こ
うして、焼結体44は多孔質焼結金属板48とされて、
補強用金属板5に接合され、図3(8)に示すような一
体式の電極用活物質保持基板9ができあがる。
【0023】この場合、多孔質焼結金属板48の上部層
48bと下地層48aのうち、下地層48aは緻密で空
隙を有しない金属焼結体からなり、うら面は平坦なの
で、補強用金属板との接合は、緻密な平坦面同士の接合
となり、接合強度が高い。
【0024】なお、焼結前の発泡シートを補強用金属板
に直接成形する特開平8−291304号に記載の製造
方法では、焼結を行う前の発泡シートは強度が低く脆弱
なため、焼結の際に該発泡シートが補強用金属板の重み
で潰れ易く、長尺による連続焼結を行うことは困難であ
るが、本発明に係る製造方法の場合、接合前に一旦焼結
を行うことで前記発泡シートは焼結されて焼結体となる
ことで強度が強くなり、長尺による連続焼結を行うこと
が可能になる。従って、本発明の製造方法は量産化に適
しており、大量生産による製造コストの削減が可能にな
る。
【0025】図4および図5は、前述の活物質保持基板
を量産する場合の接合工程を模式的に示したものであ
る。図4は、ロール状に巻かれている補強用金属板5を
巻戻しながら、その巻戻された部分の補強用金属板5の
両面に、図1(3)において示した焼結体4を貼合わせ
た後、荷重ベルト10で押圧しながら焼結炉11を通し
て拡散接合を行い接合するという工程を連続的に行う接
合工程の例を示している。図5は、焼結体をロール化し
た場合で、焼結体4と補強用金属板5を同じ速度で巻戻
しながら、図4の場合と同様に、補強用金属板5の両面
に貼合わせ、荷重ベルト10で押圧しながら焼結炉11
を通して拡散接合を行い接合する。このような工程によ
り、活物質保持基板を量産することが可能になる。
【0026】
【実験例】実際に電極を製造する場合、上述のような工
程で製造された活物質保持基板に活物質スラリーを充填
し、それを乾燥、圧延するという手順で行われる。そこ
で、本発明に係る方法により製造された活物質保持基板
について、補強用金属板からの、拡散接合後に多孔質焼
結金属板となる焼結体の剥離の状況を調べた。
【0027】活物質スラリーとしては、平均粒径10μ
mの水酸化ニッケル粉450g、平均粒径5μmの酸化
コバルト粉50g、テフロン分散溶液70g、水80g
を混合したものを用いた。電極は、ロール圧延して2.
0mmとした活物質保持基板に活物質スラリーを含ませ
た後、200℃で30分間乾燥し、次にロール圧延し
て、厚さ0.8mmの電極を製造した。
【0028】このようにして製造された電極では、補強
用金属板からの多孔質焼結金属板の剥離は確認できなか
った。ロール圧延により、外側の多孔質焼結金属板も内
部の補強用金属板も、同様に15%の伸びがみられた。
これは、多孔質焼結金属板と補強用金属板とが強く拡散
接合していることを示している。
【0029】一方、従来法(特開平8−106906
号)により製造された活物質保持基板の場合について
も、補強用金属板からの、拡散接合後に多孔質焼結金属
板となるニッケル発泡体の剥離の状況を調べた。このと
き、薄板状にスライスした発泡樹脂にニッケルめっきし
た厚さ1.3mmのニッケル発泡体を、補強用金属板に
接合した。
【0030】この場合は、多孔質焼結金属板は補強用金
属板から剥離していた。ロール圧延による内部の補強用
金属板の伸び率は4%であり、多孔質焼結金属板の伸び
率15%の3割弱程度である。このような伸び率の差異
が、剥離の直接的な原因であり、多孔質焼結金属板と補
強用金属板との拡散接合が本発明の場合に比べて弱い結
果である。
【0031】以上の実験結果より、焼結時における補強
用金属板からの多孔質焼結金属板の剥離を防止するため
の方法として、本発明の製造方法により製造した活物質
保持基板を使用することが有効であることが確認でき
た。
【0032】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る電極用活物質保持基板の製造方法および製造された活
物質保持基板によれば、以下に記載されるような効果を
奏する。
【0033】(1)請求項1から請求項3に記載の電極
用活物質保持基板の製造方法および製造された活物質保
持基板によれば、焼結体に形成されるスキン層は、空隙
が極めて少ない緻密な層でその最表面は平坦であるた
め、スキン層と補強用金属板との接合は緻密な平坦面同
士の接合となり、接合強度が高い。 (2)請求項4に記載の電極用活物質保持基板によれ
ば、補強用金属板として孔あきの金属板材を用いるの
で、孔を通して双方の多孔質焼結金属板が接合し、多孔
質焼結金属板と孔あき金属板材である補強用金属板との
接合強度が高い。 (3)請求項5に記載の電極用活物質保持基板の製造方
法によれば、補強用金属板と重ね合わされる多孔質焼結
金属板の下地層は、緻密で空隙のない金属焼結体からな
り、重ね合わされる面は平坦なので、補強用金属板との
接合強度が高い。また、この下地層の厚さは、任意に決
められるので、用いる補強用金属板の性質に合わせて最
適な厚さを設定できる。 (4)請求項6に記載の本発明の製造方法により製造し
た活物質保持基板に水酸化ニッケルを主成分とする活物
質を充填してなるアルカリ二次電池の陽極は、耐久性に
優れているとともに大電流に耐えることができ、また、
活物質を保持する表面の孔部が入口が狭く内部が広い構
造をしているため、活物質の保持性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法に係る第一の実施形態の概
略工程図である。
【図2】 本発明の製造方法で製造した焼結体の表面近
傍の構造の模式図である。
【図3】 本発明の製造方法に係る第二の実施形態の概
略工程図である。
【図4】 補強用金属板を連続的に供給しながら多孔質
焼結金属板と接合している工程を示す模式図である。
【図5】 焼結体をロール化して補強用金属板に供給し
ながら拡散接合している工程を示す接合している工程を
示す模式図である。
【図6】 (a)従来の製造方法で製造した場合のニッ
ケル発泡体の補強用金属板と重ね合わせる側の表面の構
造の模式図である。(b)(a)におけるY−Y線断面
の模式図である。
【符号の説明】
1 金属スラリー 2 グリーンシート 3 発泡シート 3a うら面 4 焼結体 4a うら面 5 補強用金属板(孔あき金属板材) 7 重し 8 多孔質焼結金属板 9 電極用活物質保持基板 10 荷重ベルト 11 焼結炉 12 キャリヤシート 15 スキン層 21 骨格 25 空隙 31 ニッケル骨格 32 突起 32a 先端 33 補強用金属板 35 ニッケル発泡体 36 中空部 41 金属スラリー 42 グリーンシート 42a 第1のグリーンシート 42b 第2のグリーンシート 43 発泡シート 43a 下地層 43b 発泡層 44 焼結体 44a 下地層 44b 上部層 48 多孔質焼結金属板 48a 下地層 48b 上部層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 脇田 三郎 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 (72)発明者 上野 博規 埼玉県桶川市上日出谷1230番地 三菱マテ リアル株式会社桶川製作所内 (72)発明者 田部井 和彦 東京都千代田区大手町一丁目5番1号 三 菱マテリアル株式会社内 Fターム(参考) 5H016 AA06 BB00 BB01 BB06 BB09 EE05 HH01 5H017 AA02 BB04 BB09 BB12 HH01 5H028 AA01 BB05 BB06 EE05 HH01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質焼結金属板と補強用金属板とが一
    体化されて構成される電極用活物質保持基板の製造方法
    において、 金属粉末に界面活性剤および発泡剤を混合してなる金属
    スラリーをキャリヤシート上に薄く敷いてグリーンシー
    トを形成し、続いて該グリーンシートをキャリヤシート
    にのせたまま発泡して、グリーンシートのキャリヤシー
    ト側に空隙を有しないスキン層をもつ発泡シートを形成
    し、該発泡シートをキャリヤシートから剥離して焼結し
    た後、該焼結体の前記スキン層を補強用金属板に重ね合
    わせて拡散接合することにより、前記焼結体を前記多孔
    質焼結金属板として補強用金属板と接合することを特徴
    とする電極用活物質保持基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記界面活性剤が、バインダー、可塑
    剤、水からなる溶剤に対して0.5〜2重量%の量であ
    り、また、前記発泡が温度15〜65℃の高湿度雰囲気
    下で、1〜60分間行われることを特徴とする請求項1
    に記載の電極用活物質保持基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 多孔質焼結金属板と補強用金属板とが一
    体化されて構成される電極用活物質保持基板において、 前記多孔質焼結金属板は、金属焼結体でできた骨格と空
    隙からなり、補強用金属板に重ね合わされる側に、空隙
    のないスキン層が形成されていることを特徴とする電極
    用活物質保持基板。
  4. 【請求項4】 前記補強用金属板が孔あきの金属板材で
    あることを特徴とする請求項3に記載の電極用活物質保
    持基板。
  5. 【請求項5】 多孔質焼結金属板と補強用金属板とが一
    体化されて構成される電極用活物質保持基板の製造方法
    において、 まず、金属粉末からなる金属スラリーをキャリヤシート
    上に薄く敷いて第1のグリーンシートを形成した後、該
    第1のグリーンシート上に、金属粉末に発泡剤を混合し
    てなる金属スラリーを薄く敷いた第2のグリーンシート
    を重ね、これら両グリーンシートを積層状態のまま加熱
    することにより、第2のグリーンシートを発泡して、空
    隙を有しない下地層と空隙を有する発泡層とを形成し、
    該発泡シートをキャリヤシートから剥離して焼結して焼
    結体とした後、該焼結体の下地層側を補強用金属板に重
    ね合わせて拡散接合することにより、前記焼結体を多孔
    質焼結金属板として前記補強用金属板と接合することを
    特徴とする電極用活物質保持基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3または請求項4に記載の電極用
    活物質保持基板に水酸化ニッケルを主成分とする活物質
    を充填してなるアルカリ二次電池の陽極。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1091013A1 (en) * 1999-10-04 2001-04-11 General Electric Company Method for forming a coating by use of an activated foam technique
KR100382067B1 (ko) * 2000-07-27 2003-04-26 삼성에스디아이 주식회사 리튬 이차전지와 이의 제조방법
CN114335411A (zh) * 2021-12-21 2022-04-12 贵州梅岭电源有限公司 一种提高锌银蓄电池电压的正极板制备方法

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