JP2000019953A - 簡易全天画像表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】大規模な装置を使用すること無く、使用者が視
線の方向に対応した画像を見ているかのように視野画像
を表示する簡易全天画像表示装置を提供する。 【解決手段】上記の目的は、使用者の視線方向を決定す
るためのデータを採取する視野方向検出部と、使用者を
取り囲む仮想空間での画像データのうち使用者の視野に
相当する領域の画像データを抜き出す表示画像生成部、
および生成された画像を表示するための視野画像表示部
を設けることによって達成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ゲームシステム、
プレゼンテーションシステム、シミュレーションシステ
ム、および事務処理システムにおける画像処理技術およ
び方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】（１）全天に画像を表示するために、ド
ーム型筐体の内側にディスプレイ装置を多数配置し、そ
れぞれのディスプレイに対し画像を表示し、実際に全天
の画像を表示させることにより、使用者は観察したい方
向に体を向けることにより対象画像を見ることが出来
る。

【０００３】（２）特開平6-148564号公報「画像表示装
置」によると、画角が180度以上で、たる型歪曲を持つ
画像表示板と視野角が180度以上で、上記歪曲を相殺で
きる糸巻き型歪曲を持つ凸型のメニスカスレンズを組み
合わせ、観察者がこの画像処理装置内に入ることによ
り、観察者に全方位の画像を提供することが出来る。

【０００４】（３）特開平9-138637号公報「模擬視界装
置」によると、使用者の頭部の位置及び姿勢を検出する
頭部位置検出手段と、検出された頭部の位置と姿勢より
仮想空間内での使用者の視線を算出することにより、模
擬視界画像を提供することが出来る。

【０００５】（４）特開平9-146446号公報「座席動揺装
置」によると、特開平9-138637号公報「模擬視界装置」
と同様に、使用者の頭部に姿勢センサーを搭載したヘッ
ドマウントディスプレイを装着することにより、ヘッド
マウントディスプレイの姿勢を検知し、同ヘッドマウン
トディスプレイの画像制御を行うことが出来る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、以
下に述べるような問題点が有る。上記(1)の例では、使
用者の周りを取り囲むように多数の画像表示装置を配置
するために、使用者が視線を目的の方向に移動させるだ
けで、上下左右の画像を見ることが可能である。しか
し、多数の画像表示装置を使用者の周りに配置しなけれ
ばならないため、筐体が大きなものにならざるを得な
い。

【０００７】上記(2)の例では、使用者は装置内に入る
ことにより視線を移すだけで、上下左右の画像を見るこ
とが出来る。しかし、画角が180度以上でたる型歪曲を
持つ画像表示板と視野角が180度以上で、上記歪曲を相
殺できる糸巻き型歪曲を持つ凸型のメニスカスレンズと
いう特殊な装置が必要であり、また装置の規模も大きく
ならざるを得ない。

【０００８】上記(3)および(4)の例では、使用者が頭部
を動かすことにより上下左右の画像を見ることが可能で
ある。しかし、使用者の頭部の位置及び姿勢を検出する
頭部位置検出装置が必要となるため、システムが複雑な
ものにならざるを得ない。また、使用者の頭部に画像表
示装置や姿勢を検知するためのセンサー等を装着する必
要が有り、使用者に対し肉体的負担を強いざるを得な
い。また、頭部にヘッドマウントディスプレイを装着す
る方式では、使用者が眼鏡を使用している場合、ヘッド
マウントディスプレイの装着が困難となる場合が有る。

【０００９】そこで、本発明の目的は、複雑な装置や大
規模な装置を使用せず、また使用者の肉体的負担なるべ
くかけないようにし、なおかつ安価なパソコン用ディス
プレイなどの一般製品を使用して、使用者が視線の方向
に対応した画像を見ているかのように表示することにあ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の目的は、使用者の
視線方向を決定するためのデータを採取する視野方向検
出部と、使用者を取り囲む仮想空間での画像データのう
ち使用者の視野に相当する領域の画像データを抜き出す
表示画像生成部、および生成された画像を表示するため
の視野画像表示部を設けることによって達成される。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の実施の形態に関
わるブロック図である。この簡易全天画像表示装置は大
別して、視野方向検出部１、表示画像生成部２、視野画
像表示部３、およびディスプレイ装置４を有している。

【００１２】視野方向検出部1は、椅子５、回転角セン
サ６および仰角センサ７を有し、視野方向検出部が取り
付けられた椅子の上下左右の回転角度を検出し、椅子の
変位量１００を出力するものである。具体的には、使用
者の座る椅子は、図２の３０１に示すように、仰角を検
出するために視野方向検出部の取り付け部を支点として
上下方向に回転可能にする。また図の２の３０２に示す
ように、通常の回転椅子同様に左右に回転する。

【００１３】表示画像生成部２は、視点位置計算部７、
視野範囲計算部８、全天画像データ記憶部１０、および
視点位置データ記憶部１１を有しており、椅子の変位量
１００から使用者の視野範囲を計算し、全天画像の中か
ら視野範囲のデータを抜き出し、視野範囲画像データ１
０３を出力するものである。

【００１４】具体的に図１および図３を使用して説明す
る。現在の使用者の視点位置データ１０１は、視点位置
データ記憶部１１に格納されている。また、使用者を仮
想空間中で取り囲む全天画像データ２００は、２００を
作成する別の計算機より、全天画像データ記憶部１０に
格納される。視点位置計算部８では、椅子の変位量１０
０および視点位置データ１０１より、横方向の視点の変
位１１０および縦方向の変位１１１を計算し、視野方向
の変化後の新しい視点位置データ１０２を算出する。

【００１５】視野範囲計算部において、視点位置データ
１０２を重心として、視野となる範囲の番地の計算し、
全天画像データ記憶部１０より全天画像データをとの論
理和を取り、それを視野画像１０３として出力する。ま
た、新しい視点位置データ１０２は、視点位置データ記
憶部１１に送られ格納される。

【００１６】視野画像表示部３は、視野範囲画像データ
１０３を受け取り、ディスプレイ装置４が表示できるデ
ータ形式にデータを変換し、表示画像データ１０４を出
力し、ディスプレイ装置４で目的の画像を表示するもの
である。

【００１７】上記実施形態では、仰角センサ７を椅子の
回転軸に取り付け、椅子の仰角を検出し、回転角センサ
６の出力と合わせて椅子の変位量１００を算出したが、
椅子の背もたれの角度の変位を検知する角度センサを背
もたれに設置し、この出力と回転角センサ６の出力より
椅子の変位量１００を算出してもよい。

【００１８】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、使用者
が椅子を回転させることにより、大規模な装置を用いる
こと無く視点の位置の変化を採取し、ディスプレイ装置
に視点の変化に応じた画像を表示することが出来る。ま
た、使用者の頭部にセンサやディスプレイ装置を装着す
る方式に比べ、使用者に対する肉体的負担を軽くするこ
とが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に関わる簡易全天画像表示装
置の構成を示すブロック図。

【図２】同実施形態における回転椅子の上下左右方向へ
の動作を示す図。

【図３】同実施形態における視点の変位から新しい視野
画像を求める例を示す図。

【符号の説明】

１…視野方向検出部、 ２…表示画像生成部、 ３…視
野画像表示部、４…ディスプレイ装置、５…椅子、
６…回転角センサ、７…仰角センサ、 ８
…視点位置計算部、 ９…視野範囲計算部、１０…全天
画像データ記憶部、 １１…視点位置データ記憶部、１
００…椅子の変位量、 １０１…現在の使用者の
視点位置データ、１０２…新しい視点位置データ、１０
３…視野範囲画像データ、１０４…表示画像データ、
１１０…横方向への視点の変位、１１１…縦方向へ
の視点の変位、２００…全天画像を作成する計算機より
送られる、仮想空間内で使用者を取り囲む周囲の画像デ
ータ、３０１…椅子５の側面図および、上下方向の動き
を示す図、３０２…椅子５の上面図および、左右方向の
動きを示す図。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】あらかじめ、情報処理装置により生成され
   ている仮想空間の全天画像において、使用者の座ってい
   る椅子の横方向及び縦方向の回転角度および速度を検出
   する手段と、仮想空間における使用者の視点及び視野を
   算出する手段及び、算出された表示領域を実際に表示す
   るための手段を用い、使用者に対し視線の変動に対し適
   当と認識する画像の変位を出力する事を特徴とした簡易
   全天画像表示装置。
2. 【請求項２】請求項1において、上記全天画像は、撮影
   によって得られた画像の画像データであることを特徴と
   する簡易全天画像表示装置。
3. 【請求項３】請求項1において、縦方向の回転角の検知
   を、椅子の背もたれの角度の変位の検知により行うこと
   を特徴とした簡易全天画像表示装置。