JP2000019303A - プラスチックレンズの紫外線防止加工方法及び紫外線防止加工レンズ - Google Patents

プラスチックレンズの紫外線防止加工方法及び紫外線防止加工レンズ

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JP2000019303A
JP2000019303A JP10181179A JP18117998A JP2000019303A JP 2000019303 A JP2000019303 A JP 2000019303A JP 10181179 A JP10181179 A JP 10181179A JP 18117998 A JP18117998 A JP 18117998A JP 2000019303 A JP2000019303 A JP 2000019303A
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ultraviolet
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Kazunori Miyashita
和典 宮下
Katsuyoshi Takeshita
克義 竹下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】眼鏡レンズの紫外線防止加工への要望は年々高
まってきている。しかし、従来の紫外線吸収剤分散溶液
への浸漬・含浸方法では、面アレ、色ムラ等の品質不良
が発生しやすく、かつ、処理溶液の管理、処理後の洗浄
等作業効率が悪く、生産コスト面でも問題があった。 【解決手段】紫外線吸収剤を気相状態にした後、基材表
層に含浸させる。その結果、プラスチックレンズの紫外
線防止加工が簡便な方法で、高効率かつ高品質に実施で
き、かつ極めて柔軟性に富んだ生産工程が構築できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックレン
ズの紫外線防止加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズの紫外線防止加工方
法としては、従来より様々な方法が提案されている。
【0003】例えば、特許第2701116号公報のよ
うに、レンズ基材に紫外線吸収特性を有する共重合体を
用いる方法、また、特許第1634474号公報、特開
平07−92301号公報、特開昭52−150492
号公報、特開昭50−144452号公報のように、レ
ンズ基材に紫外線吸収剤を練り込む方法、さらに、特開
平01−230003号公報、特開平05−10577
2号公報、特開平07−92301号公報、特開平09
−145901号公報、特開平03−144416号公
報、特許第2503068号公報、および特開平09−
269401号公報のように、紫外線吸収剤等を溶解ま
たは分散させた温水または有機溶剤に、レンズ基材また
はハードコート付きレンズ基材を浸漬またはその液をレ
ンズ基材に塗布・加熱する事により、紫外線吸収剤をレ
ンズ基材に含浸させる方法、等様々な方法が提案されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、オゾン層の破壊
により地上に到達する紫外線量が増加し、人体に対する
有害性が指摘されている。人体の中でも、特に眼は紫外
線の影響を受けやすい部位であり、長期にわたり、必要
以上に紫外線を浴びた場合、白内障になり易くなると言
われている。
【0005】紫外線は約180nm〜400nmの電磁
波である。このうち、380nm以下の短波長領域の紫
外線は、微量の紫外線吸収剤の添加で十分吸収でき、プ
ラスチックレンズ基材の劣化防止を主目的とした従来技
術でも十分対応可能である。
【0006】しかし、380nm〜400nmの長波長
領域の紫外線は透過率が高く眼に到達してしまう。
【0007】現在、紫外線防止加工には、このような長
波長領域を含む全ての紫外線全部を吸収・反射等により
遮断する事が強く要望されている。
【0008】しかしながら、従来技術は以下のような問
題があった。まず、レンズ基材に紫外線吸収特性を有す
る共重合体を用いる方法は、利用できる素材が極めて限
定されてしまうため、屈折率・強度等様々なバリエーシ
ョンが要求される眼鏡レンズとしては事実上使用できな
い。
【0009】また、レンズ基材に紫外線吸収剤を練り込
む方法は、レンズの原料調合段階から、紫外線防止加工
の有無、すなわち、従来通りのレンズ基材の劣化防止を
主目的とした微量の紫外線吸収剤を添加した原料と長波
長領域を含む全ての紫外線全部を遮断できる紫外線防止
加工用の原料を別々に調合する必要がある。
【0010】このように、原料系を二種類とした場合、
技術上の製造条件だけでなく、生産管理上の問題から全
く個別のプロセスを構築する必要が生じ、著しいコスト
アップを引き起こし、好ましくない。
【0011】さらに、紫外線吸収剤等を溶解または分散
させた温水または有機溶剤に、レンズ基材を浸漬、また
は、その液をレンズ基材に塗布・加熱する事により、紫
外線吸収剤をレンズ基材に含浸させる方法(以下、浸漬
・含浸法と称す。)は現状最も一般的に用いられている
紫外線防止加工方法の一つであるが、この方法について
も以下のような問題がある。
【0012】まず、含浸時にレンズ基材またはハードコ
ート表面が含浸液中の紫外線吸収剤及び/または紫外線
吸収剤分散用キャリアーに犯され、面アレ、ムラ等の不
良を発生させる原因となっている。
【0013】また、一般的に、浸漬・含浸法による紫外
線吸収剤の含浸は効率が低く、充分な紫外線防止効果を
得るためには、長時間の浸漬を要するだけでなく、処理
後のレンズ洗浄が不可欠であるため作業性が極めて悪
い。
【0014】さらに、紫外線防止加工と分散染料による
カラー化の両方を施す場合に大きな問題を生ずる。この
浸漬・含浸法のメカニズムは、分散染料による染色を全
く同じである。つまり、紫外線防止加工の後に染色した
場合は、含浸した紫外線吸収剤が染色液中に脱落し、紫
外線防止効果が著しく低下してしまう。一方、染色後に
紫外線防止加工をした場合は、脱色され所望の色からず
れてしまう。このように、浸漬・含浸法による紫外線防
止加工においてもまた品質、コスト面で大きな問題があ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の紫外線防止加工方法は、紫外線吸収剤を気
相状態にした後、プラスチックレンズ基材表層に含浸さ
せることを特徴とする。
【0016】紫外線吸収剤を気相状態、すなわち気化さ
せるということは、紫外線吸収剤を分子レベルの状態に
まで微細化することに他ならない。これにより、従来技
術の浸漬・含浸法の場合に、溶液中で紫外線吸収剤等が
凝集し、基材表面に付着する事により発生した面アレ・
ムラは全く発生し得なくなる。
【0017】紫外線吸収剤を気相状態にする方法は、減
圧、加熱等何ら制限はないが、装置が簡素でかつ簡便な
方法としては加熱により紫外線吸収剤を蒸発または昇華
させ気化させる方法が最も望ましい。
【0018】この場合の加熱温度は、60℃から180
℃が望ましい。60℃以下の場合は充分な紫外線吸収剤
の充分な気化が望めず、かつ基材温度が低すぎて気化し
た紫外線吸収剤の分子を基材中に取り込むことができな
い。一方、180℃以上では、プラスチックレンズ基材
の熱により黄変・割れ等が発生し、望ましくない。
【0019】さらに望ましくは、プラスチックレンズ基
材の耐熱性と紫外線吸収剤分子の気化特性のバランスの
とれる80℃から150℃が望ましい。
【0020】ここで、本発明で用いることのできる基材
の素材は、プラスチックレンズ素材、もしくはその表面
にハードコート被膜を形成したものどちらでも良く、紫
外線吸収剤分子が含浸・定着するものであれば特に限定
されるものではない。しかし、本発明の方法は、染色性
が悪く従来の浸漬・含浸法では長時間を要するもの、及
び、面アレ、ムラの発生しやすいレンズ基材である場
合、より顕著な効果が得られる。
【0021】また、本発明は、本発明の方法で紫外線吸
収剤を含浸させる前後どちらのタイミングでプラスチッ
クレンズ基材またはハードコート付きプラスチックレン
ズ基材を分散染料により着色してもかまわない。また、
染色においては、キャリアー剤を併用することも何ら問
題はない。
【0022】本発明の紫外線防止加工方法は溶液中への
浸漬工程がないため、分散染料による染色のメカニズム
とは全く異なる。その結果、染色によるカラー化の後に
本発明の紫外線防止加工を施しても当然染色剤分子の脱
落(脱色)現象は起こり得ず、ほとんど色変化無く加工
できる。
【0023】本発明の紫外線防止加工方法で用いること
のできる紫外線吸収剤は、加熱・減圧により気相状態と
なりうるものであれば特に限定されない。しかしなが
ら、気相状態により移行しやすい特性を有するものが望
ましい。より望ましくは、融点が100℃以下のものが
適当である。具体的には、2,2’−ジヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オク
トキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−t
−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾ−ル、エチル−
2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレ−ト等があ
る。
【0024】なお、本発明の方法で紫外線防止加工を施
した後に、ハードコート被膜及び/または無機物からな
る反射防止膜を設ける場合は、従来の加工方法及び条件
が、何ら制約無く適用できる。
【0025】具体的には、ハードコート被膜を設ける場
合に基材レンズと被膜の密着性向上を目的として、基材
表面を予めアルカリ処理、酸処理、界面活性剤処理、無
機あるいは有機の微粒子による剥離・研磨処理、プライ
マー処理またはプラズマ処理をおこなうことも可能であ
る。
【0026】また、ハードコート被膜の表面に、無機物
質からなる反射防止膜を形成する方法としては、真空蒸
着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、等
が挙げられる。真空蒸着法においては、蒸着中にイオン
ビームを同時に照射するイオンビームアシスト法を用い
てもよい。また、膜構成としては、単層反射防止膜もし
くは多層反射防止膜のどちらを用いてもかまわない。
【0027】その際使用される無機物質の具体例として
は、SiO2、SiO、TiO2、TiO、Ti23、Z
rO2、Al23、Ta25、CeO2、MgO、Y2
3、SnO2、MgF2、WO3等が挙げられる。これら
の無機物質は単独もしくは2種以上を混合して用いる。
【0028】また、反射防止膜を形成する際には、ハー
ドコート膜の表面処理をおこなうことが望ましい。この
表面処理の具体例としては、酸処理、アルカリ処理、紫
外線照射処理、アルゴン等の不活性ガスもしくは酸素雰
囲気中での高周波放電によるプラズマ処理、アルゴン等
の不活性ガスもしくは酸素などのイオンビーム照射処理
等が挙げられる。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、実施例により本発明をさら
に具体的に説明するが、本発明は、これによって制限さ
れるものではない。
【0030】(実施例1)図1は、本発明の紫外線防止
加工方法を実施するための装置の一実施例を示す概略図
である。装置は加熱用ヒーター5と撹拌用ファン6を備
えた一種の温風炉である。温風は9の方向に循環し、し
きり板7はその循環を阻害しないように網状の構造にな
っている。
【0031】レンズは1の位置に温風の流れを阻害しな
い構造を持ったレンズ固定部材2によりレンズ端面が固
定されている。その下方に紫外線吸収剤格納容器3に入
った紫外線吸収剤4がセットされている。炉内部は所望
の温度に保持できるようになっている。
【0032】(1)紫外線防止加工 プラスチックレンズ(セイコーエプソン(株)製、セイ
コールーシャス用レンズ生地)を図1の装置を用いて処
理した。処理条件は次の通りとした。 <処理条件> (A)紫外線吸収剤;サイアソーブUV24(白石カル
シウム(株)製) (B)処理温度;120℃ (C)処理時間;15分 (D)処理枚数;30枚 (2)評価 上記の処理により得られた紫外線防止加工レンズについ
て、次の評価を実施した。評価結果は表1に示す。
【0033】UVカット率 得られたレンズを分光光度計DOT−3(株式会社 村
上色彩色彩技術研究所製)を用いて分光透過率を測定
し、波長400nmの透過率(以下、T400と称す)
をもってUVカット率とした。評価は次の3段階とし
た。 ◎;T400≦15% ○;T400≦25% △;T400≦35% ×;T400≦45% 外観 得られたレンズを目視評価により、面あれ、色むら等を
観察した。評価は不良発生枚数でおこなった。
【0034】(実施例2)実施例1の<処理条件>にお
いて、(C)処理温度を140℃、(D)処理時間を1
0分にした以外は全く同様の条件で紫外線防止加工を施
し、評価した。評価結果は表1に示す。
【0035】(実施例3)ハードコート付きプラスチッ
クレンズ(セイコーエプソン(株)製、セイコークレア
用レンズにセイコークレア用ハードコートを被覆したも
の)を実施例1と同様の条件で紫外線防止加工を施し、
評価した。評価結果は表1に示す。
【0036】(実施例4)プラスチックレンズ(セイコ
ーエプソン(株)製、セイコールーシャス用レンズ生
地)を次の条件で染色した。
【0037】(1)レンズの染色 染色液の調製 90℃に加熱した水1リットルに、Dianix Bl
ue AC−E(三菱化成ヘキスト株式会社製)1.4
g、Miketon Polyester Red4B
F#300(三井東圧染料株式会社製)0.1g、およ
びMiketon Fast Brown3R(三井東
圧染料株式会社製)0.6g、界面活性剤としてNES
−203(日光ケミカルズ(株)製)3cc、を添加、
撹拌し、染色液とした。
【0038】染色 調製した染色液を撹拌しながら20分放置後、プラスチ
ックレンズを染色液に5分浸漬し、染色レンズを得た。
【0039】(2)紫外線防止加工 得られた染色レンズを実施例1と同様の方法で紫外線防
止加工を施した。
【0040】(3)評価 上記(1)、(2)の操作で得られた紫外線防止染色レ
ンズを以下の方法で評価した。評価結果は表1に示す。
【0041】染色変化 紫外線防止加工前後の染色レンズの分光透過率を分光光
度計DOT−3(株式会社 村上色彩技術研究所製)を
用いて測定した。また目視評価により色調・濃度の変化
を評価した。評価結果は次の4段階で評価した。 ◎;色調・濃度ともにほとんど変化していない。 ○;色調・濃度ともにわずかに変化している。 △;色調・濃度ともに変化している。 ×;色調・濃度ともに大きく変化している。 また、UVカット率、外観についても実施例1と同様の
方法で評価した。
【0042】(実施例5)ハードコート付きプラスチッ
クレンズ(セイコーエプソン(株)製、セイコークレア
用レンズにセイコークレア用ハードコートを被覆したも
の)を次の条件で染色した。
【0043】(1)レンズの染色 染色液の調製 90℃に加熱した水1リットルに、Dianix Bl
ue AC−E(三菱化成ヘキスト株式会社製)1.4
g、Miketon Polyester Red4B
F#300(三井東圧染料株式会社製)0.1g、およ
びMiketon Fast Brown3R(三井東
圧染料株式会社製)0.6g、界面活性剤としてNES
−203(日光ケミカルズ(株)製)3cc、キャリア
ーとしてベンジルアルコール10ccを添加、撹拌し、
染色液とした。
【0044】染色 調製した染色液を撹拌しながら20分放置後、プラスチ
ックレンズを染色液に5分浸漬し、染色レンズを得た。
【0045】(2)紫外線防止加工 得られた染色レンズを実施例1と同様の方法で紫外線防
止加工を施した。
【0046】(3)評価 上記(1)、(2)の操作で得られた染色された紫外線
防止染色レンズを実施例4と同様の方法で評価した。評
価結果は表1に示す。
【0047】(実施例6)実施例1と同様のプラスチッ
クレンズを用い、かつ実施例1と同様の方法・条件で紫
外線防止加工を施し、その後、実施例4と同様の方法で
染色加工した。得られた、紫外線防止染色レンズのUV
カット率を実施例1と同様の方法で評価し、また、染色
性を以下の方法で評価した。評価結果は表1に示す。
【0048】染色性 目視評価により、ムラ等が無く均一に染まっているもの
を良とした。
【0049】(実施例7)実施例3と同様のハードコー
ト付きプラスチックレンズを用い、かつ実施例3と同様
の方法・条件で紫外線防止加工を施し、その後、実施例
5と同様の方法で染色加工した。得られた、紫外線防止
ハードコート付き染色レンズを実施例6と同様の方法で
評価した。評価結果は表1に示す。
【0050】(実施例8)実施例1で得られた紫外線防
止加工レンズにハードコート膜(セイコーエプソン
(株)製、セイコールーシャス用ハードコート膜)及び
無機物質の酸化珪素、酸化ジルコニウムからなる反射防
止膜(セイコーエプソン(株)製、セイコールーシャス
用反射防止膜)を真空蒸着法で多層被覆し、ハードコー
ト、反射防止付きレンズを得た。得られたレンズは、以
下の方法で耐久品質を評価した。結果は表1に示す。
【0051】耐擦傷性 ボンスター#0000スチールウール(日本スチールウ
ール株式会社製)で1kgの加重をかけ、10往復表面
を摩擦し、傷の付いた程度を目視により次の段階に分け
て評価した。 A:摩擦した範囲に、全く傷が認められない。 B:上記範囲内に、1〜10本傷がついた。 C:上記範囲内に、10〜20本傷がついた。 D:無数の傷がついているが、平滑な面が残っている。 E:無数の傷がついていて、平滑な面が残っていない。
【0052】密着性 JISD−0202に準じてクロスカットテープ試験に
よって評価した。すなわち、ナイフを用い基材表面に1
mm間隔に切れ目を入れ、マス目を100個形成する。
次に、その上へセロファン粘着テープ(ニチバン株式会
社製;商品名「セロテープ」)を強く押しつけた後、表
面から90度方向へすばやく引っ張り剥離した後、コー
ト被膜の残っているマス目の数を持って密着性評価指標
とした。
【0053】(実施例9)実施例3で得られた紫外線防
止加工ハードコート付きプラスチックレンズ(セイコー
エプソン(株)製、セイコークレア用レンズにセイコー
クレア用ハードコートを被覆したもの)に無機物質の酸
化珪素、酸化ジルコニウムからなる反射防止膜(セイコ
ーエプソン(株)製、セイコークレア用反射防止膜)を
真空蒸着法で多層被覆し、ハードコート、反射防止付き
レンズを得た。得られたレンズは、実施例5と同様の方
法で耐久品質を評価した。結果は表1に示す。
【0054】(比較例1)プラスチックレンズ(セイコ
ーエプソン(株)製、セイコールーシャス用レンズ生
地)を浸漬・含浸法により、次の条件で紫外線防止加工
した。
【0055】(1)紫外線防止加工 処理液の調製 90℃に加熱した水1リットルに、紫外線吸収剤(白石
カルシウム(株)製、商品名「サイアソーブUV2
4」)5g、キャリアー(大和化学(株)製、商品名
「DK−CN」)3.0g、 界面活性剤としてエマー
ル40ペースト((株)花王製)16g、を添加、撹拌
し、染色液とした。
【0056】染色 調製した処理液を撹拌しながら20分放置後、プラスチ
ックレンズ2枚を一組として15分浸漬し、染色レンズ
を得た。以上の操作を処理枚数が30枚になるまで(す
なわち15回)繰り返し、紫外線防止加工レンズを得
た。
【0057】(2)評価 上記の処理により得られた紫外線防止加工レンズについ
て、実施例1と同様の評価を実施した。評価結果は表1
に示す。
【0058】(比較例2)ハードコート付きプラスチッ
クレンズ(セイコーエプソン(株)製、セイコークレア
用レンズにセイコークレア用ハードコートを被覆したも
の)を浸漬・含浸法により、次の条件で紫外線防止加工
した。
【0059】(1)紫外線防止加工 処理液の調製 90℃に加熱した水1リットルに、紫外線吸収剤(白石
カルシウム(株)製、商品名「サイアソーブUV2
4」)4g、 界面活性剤としてネオノール((株)花
王製)10cc、を添加、撹拌し、染色液とした。
【0060】染色 調製した処理液を撹拌しながら20分放置後、プラスチ
ックレンズ2枚を一組として16分浸漬し、染色レンズ
を得た。以上の操作を処理枚数が30枚になるまで(す
なわち15回)繰り返し、紫外線防止加工レンズを得
た。
【0061】(2)評価 上記の処理により得られた紫外線防止加工レンズについ
て、実施例1と同様の評価を実施した。評価結果は表1
に示す。
【0062】(比較例3)ハードコート、反射防止付き
プラスチックレンズ(セイコーエプソン(株)製、商品
名「セイコールーシャス」)を実施例5と同様の方法で
耐久品質を評価した。結果は表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、プ
ラスチックレンズの紫外線防止加工が簡便な方法で、高
効率かつ高品質に実施できる。
【0065】また、レンズ成形およびハードコート加工
後に需要に応じ紫外線防止加工が可能であるため、極め
て柔軟性に富んだ生産工程が構築できる。
【0066】さらには、染色レンズにおいては、紫外線
防止加工による色変化を小さく抑えることができる。
【0067】このように、本発明の紫外線防止加工方法
は、種々のプラスチックレンズ素材に適用可能であり、
その効果はプラスチック眼鏡レンズに限らず、民生ある
いは産業用に広く適用可能であり、その効果は多大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紫外線防止加工方法を実施するための
装置の一実施例を示す概略図。
【符号の説明】
1、レンズ 2、レンズ固定部材 3、紫外線吸収剤格納容器 4、紫外線吸収剤 5、加熱用ヒーター 6、撹拌用ファン 7、しきり板 8、断熱材 9、温風循環方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H006 BA01 BA03 BA06 2K009 AA00 AA02 AA15 BB11 CC03 CC06 CC14 DD01 DD03 DD04 DD06 EE01 4F006 AA11 AA31 AB64 AB65 AB74 BA02 BA03 BA14 CA05 DA00 DA01 EA01 EA03 EA04 EA05 4F213 AB12 AB14 AH74 WA14 WA54 WA57 WA58 WA73 WB01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックレンズに紫外線防止加工を施
    す方法において、紫外線吸収剤を気相状態にした後、プ
    ラスチックレンズ基材表層に含浸させることを特徴とす
    るプラスチックレンズの紫外線防止加工方法。
  2. 【請求項2】前記プラスチックレンズ基材が、予め分散
    染料により着色されていることを特徴とする請求項1記
    載のプラスチックレンズの紫外線防止加工方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載のプラスチックレンズの紫外
    線防止加工方法において、プラスチックレンズ基材表層
    に、前記紫外線吸収剤を含浸させた後、該プラスチック
    レンズ基材を分散染料により着色することを特徴とする
    プラスチックレンズの紫外線防止加工方法。
  4. 【請求項4】プラスチックレンズに紫外線防止加工を施
    す方法において、紫外線吸収剤を気相状態にした後、プ
    ラスチックレンズ基材表面に設けたハードコート被膜表
    層に、前記紫外線吸収剤を含浸させることを特徴とする
    プラスチックレンズの紫外線防止加工方法。
  5. 【請求項5】前記プラスチックレンズ基材表面に設けた
    ハードコート被膜表層が、予め分散染料により着色され
    ていることを特徴とする請求項4記載のプラスチックレ
    ンズの紫外線防止加工方法。
  6. 【請求項6】請求項4記載のプラスチックレンズの紫外
    線防止加工方法において、プラスチックレンズ基材表面
    に設けたハードコート被膜表層に前記紫外線吸収剤を含
    浸させた後、分散染料により着色することを特徴とする
    プラスチックレンズの紫外線防止加工方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラ
    スチックレンズの紫外線防止加工方法によって得られる
    プラスチックレンズにハードコート被膜を設けることを
    特徴とする紫外線防止加工レンズ。
  8. 【請求項8】請求項4〜6のいずれか1項に記載のプラ
    スチックレンズの紫外線防止加工方法によって得られる
    紫外線防止加工ハードコートレンズ。
  9. 【請求項9】請求項7または8記載の紫外線防止プラス
    チックレンズのハードコート被膜上に、さらに無機物か
    らなる反射防止膜を設けることを特徴とする紫外線防止
    加工レンズ。
JP10181179A 1998-06-26 1998-06-26 プラスチックレンズの紫外線防止加工方法及び紫外線防止加工レンズ Withdrawn JP2000019303A (ja)

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