JP2000018389A - 樹脂部品のガスケットシール溝構造 - Google Patents

樹脂部品のガスケットシール溝構造

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JP2000018389A
JP2000018389A JP10179270A JP17927098A JP2000018389A JP 2000018389 A JP2000018389 A JP 2000018389A JP 10179270 A JP10179270 A JP 10179270A JP 17927098 A JP17927098 A JP 17927098A JP 2000018389 A JP2000018389 A JP 2000018389A
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gasket
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space
groove structure
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Kaneo Hamashima
兼男 浜島
Kazuhiro Uchida
和広 内田
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Toyota Motor Corp
Uchihama Kasei Co Ltd
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Uchihama Kasei Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F7/00Casings, e.g. crankcases or frames
    • F02F7/006Camshaft or pushrod housings

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  • Gasket Seals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスケットの的確な装着を保証するととも
に、同ガスケットの熱膨張時であれ樹脂部品自体の十分
な強度と耐久性を確保することのできるガスケットシー
ル溝構造を提供する 【解決手段】 シリンダヘッドカバー3の周縁部3aに
はシール溝3bが設けられている。シール溝3bは、そ
の奥部壁面を平坦とし、両横壁を周縁部3aの開口部か
ら奥部に向かって段状に切り欠いた形状として形成され
ている。シリンダヘッドカバー3のシリンダヘッド2へ
の装着の際には、T字型の断面形状を有するゴム製のガ
スケット6の突出した側をシール溝3bに挿入し、平坦
な他端をシリンダヘッド2の周縁部2aに接触させる。
ガスケット6のシール溝3bへの組付け後、シール溝の
開口部付近の空間32の一部は、ガスケット6が熱膨張
したときの逃げ空間として残される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば樹脂製シリ
ンダヘッドカバーとエンジンとのシール部等に採用して
好適な樹脂部品のガスケットシール溝構造に関する。
【0002】
【従来の技術】車載用エンジンのシリンダヘッドカバー
は、エンジンの頭部を覆うように装着され、オイルが外
部へ漏洩したり飛散するのを防止する機能を有するもの
である。このシリンダヘッドカバーの材質には、従来よ
りアルミ合金が広く用いられてきたが、最近では軽量且
つ安価な樹脂製のものも広く採用されるようになってき
ている。
【0003】例えば図7には、車載用エンジンのシリン
ダヘッドに装着された従来の樹脂製シリンダヘッドカバ
ーの一例を概略的に示す。同図に示すように、エンジン
10は、燃焼室(図示略)等をその内部に備えたエンジ
ンブロック1、吸排気バルブ(図示略)やカムシャフト
(図示略)の台座となるアルミ合金製のシリンダヘッド
2、及び樹脂製のシリンダヘッドカバー103等から構
成される。シリンダヘッドカバー103は、その周縁部
103aがシリンダヘッド2の頭部外周部2aと同輪郭
を有し,この周縁部103aを外周部2aに重ね合わせ
たのち、その接触部の複数箇所をボルト4により締め付
けてることにより内部の空間を外部から遮断し、密閉状
態に保持している。
【0004】図8には、図7のI−I断面、すなわちシ
リンダヘッド2の外周部2aとシリンダヘッドカバー1
03の周縁部103aとの接触部5を示し、図9にはこ
の接触部5を更に拡大して示す。
【0005】これら図8及び図9に示すように、シリン
ダヘッド2の外周部2aが平坦であるのに対し、シリン
ダヘッドカバー103の周縁部103aにはシール溝1
03bが形成され、このシール溝103bにリング状の
ゴム製ガスケット6が填め込まれている。そして、この
(ゴム製)ガスケット6を周縁部103aと外周部2a
とによって挟み、更にボルト4(図7)によって締め付
けることにより、内部空間7を密閉状態にする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な態様で接触部5の密閉を行うと、シール溝103bが
ガスケット6を押しつける力に対し、ガスケット6によ
るシール溝103bへの垂直方向への反力F1及び水平
方向への反力F2が生じる。これら反力F1及びF2
は、ガスケット6本来の弾性に加え、エンジン10の温
度が上昇したときに起こるガスケット6の熱膨張により
一層増大されることとなる。樹脂製シリンダヘッドカバ
ーの場合、従来の合金製シリンダヘッドカバーに比べ、
コスト低減や軽量化の面で有利ではあるものの、上記の
ような反力F1や反力F2に対する耐久性は樹脂製のも
のがやや劣ることとなるのは否めない。このため、図9
からも明らかなように、反力F1や反力F2は、シール
溝103b内壁の隅部103cを軸としたモーメントと
して、同隅部103cを裂くように作用するため、ガス
ケット6の熱膨張により反力F1及びF2が増大する
と、同隅部103cに亀裂が生じることもあった。
【0007】そこで、例えば図10に示すように、ガス
ケットの形状を部分的に変更することも考えられる。す
なわち、シール溝103bに填め込まれる突起部分のう
ち、基幹部Kの幅Hを細くしてガスケット106のよう
な形状とすれば、隅部103cにかかるモーメント(負
担)を半減させることができる。
【0008】ところが、上記ガスケット106のように
基幹部Kの幅Hを細くして隅部103cにかかる負担を
軽減しようとすれば、ガスケット106の形状保持に必
要な力が弱まり、例えば図11に示すように、接触部5
における締め付けを行う際、ガスケット106の突起部
がシール溝103bで変形しまい、この部位におけるシ
ール性が極端に低下することとなってしまう。
【0009】なお、上記シリンダヘッドカバーに限ら
ず、ガスケットを用いた的確なシールが望まれる樹脂部
品にあっては、こうした実情も概ね共通したものとなっ
ている。
【0010】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、ガスケットの的確な
装着を保証するとともに、同ガスケットの熱膨張時であ
れ樹脂部品自体の十分な強度と耐久性を確保することの
できるガスケットシール溝構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、樹脂部品の他部材との対
向面にあってそれら樹脂部品と他部材との間をシールす
るためのガスケットが填め込まれるガスケットシール溝
の構造であって、前記シール溝は、前記ガスケットが填
め込まれる嵌合空間と、同ガスケットの体積膨張を吸収
する逃げ空間とを有して構成されることを要旨とする。
【0012】同構成によれば、ガスケットの変形による
シール溝内部への圧迫が好適に緩和され、シール溝構造
としての信頼性及び耐久性が向上する。とくに、ガスケ
ットが高温に晒され膨張したときであれ、その体積膨張
分を逃げ空間が吸収することにより、溝構造が損傷する
こともない。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
樹脂部品のガスケットシール溝構造において、前記嵌合
空間は前記シール溝の底部に形成され、前記逃げ空間は
該嵌合空間の開口側にその開口幅を拡大する空間として
形成されることを要旨とする。
【0014】同構成によれば、ガスケットが嵌合空間に
確実に係止されることとなり、ガスケットの歪みも抑制
されるために、請求項1に記載した発明の作用、すなわ
ちシール構造としての信頼性が一層増す。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項2記載の
樹脂部品のガスケットシール溝構造において、前記逃げ
空間は前記嵌合空間の開口幅を段状に拡大する矩形空間
として形成されることを要旨とする。
【0016】同構成によれば、ガスケットの変形による
シール溝への圧迫を逃がす(吸収する)作用がより効果
的となり、とくに損傷の生じやすいシール溝奥部への負
担が軽減される。
【0017】請求項4に記載の発明は、請求項3記載の
樹脂部品のガスケットシール溝構造において、前記シー
ル溝全体の深さをh、前記逃げ空間の深さをh’、前記
嵌合空間の開口幅をw、前記逃げ空間の開口幅をw’と
するとき、それらh、h’、w、w’が、 0<(w’/w)<0.5 且つ 0<(h’/h)<0.8 なる関係に設定されることを要旨とする。
【0018】請求項5に記載の発明は、請求項3記載の
樹脂部品のガスケットシール溝構造において、前記シー
ル溝全体の深さをh、前記逃げ空間の深さをh’、前記
嵌合空間の開口幅をw、前記逃げ空間の開口幅をw’と
するとき、それらh、h’、w、w’が、 0.05<(w’/w)<0.4 且つ 0.1<(h’/h)<0.6 なる関係に設定されることを要旨とする。
【0019】上記請求項4又は5に記載した発明の構成
によれば、シール溝構造としてのシール性及び耐久性と
いう相反する作用が好適にバランスすることとなり、請
求項3記載の発明の作用が一層効果的となる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に係る樹脂部品のガスケッ
トシール溝構造を車載用ガソリンエンジンのシリンダヘ
ッドとシリンダヘッドカバーとのシール部に適用した一
実施の形態について図1〜図5を参照して説明する。
【0021】なお、本実施形態においても、これが適用
される車載用エンジン(以下、エンジンという)として
は、図7において説明したエンジン10と同一のものを
想定している。
【0022】図1(a)には、本実施形態に係るシリン
ダヘッドカバー3及びシリンダヘッド2間のシール構造
を、図9〜図11と同様に、図7のI−I断面の拡大図
として示す。
【0023】一方図1(b)は、図1(a)に示すシー
ル構造のうち、シリンダヘッドカバー3のみの拡大断面
を示すものである。図1(a)に示すように、シリンダ
ヘッドカバー3の周縁部3aにはシール溝3bが設けら
れている。シール溝3bは、その奥部壁面を平坦とし、
両横壁を周縁部3aの開口部から奥部に向かって段状に
切り欠いた形状として形成されている。ちなみに、この
シール溝3bの断面形状は、中心線Cに対し左右対称形
である。また、シリンダヘッド2の周縁部2aは平面状
に形成されている。
【0024】シリンダヘッドカバー3のシリンダヘッド
2への装着の際には、T字型の断面形状を有するゴム製
のガスケット6の突出した側を前記シール溝3bに挿入
し、平坦な他端をシリンダヘッド2の周縁部2aに接触
させる。そして、このガスケット6をシリンダヘッドカ
バー3及びシリンダヘッド2によって挟み込むととも
に、先の図7において示したようにボルト4により締め
付けることにより、内部空間7を外部から完全に密閉す
る。
【0025】ところで図1(b)に示すように、このシ
ール溝3bを、溝奥部(嵌合空間)31、溝開口端部
(逃げ空間)32、及び溝開口部33に区分すると、シ
リンダヘッドカバー3、シリンダヘッド2、及びガスケ
ット6の三部材を先の図1(a)のように組付けた状態
では、T字型のガスケット6の突出した側を溝奥部31
に填め込み固定され、少なくとも溝開口端部32の一部
は余剰空間として残されることとなる。
【0026】従来の樹脂製シリンダヘッドカバーにあっ
ては、エンジンが運転を開始し、その温度が上昇する
と、シリンダヘッドカバーの材質である樹脂に比し、ガ
スケットの材質であるゴムの熱膨張率が顕著に異なるこ
と(ゴムの熱膨張率>樹脂の熱膨張率)に起因し、ガス
ケットによるシリンダヘッドへの圧迫、すなわち先の図
9に示した反力F1や反力F2が増大してシリンダヘッ
ドのシール溝に亀裂が生じる懸念がある等、その耐久性
に不安があった。
【0027】この点、本実施形態では、シリンダヘッド
3、シリンダヘッド2、及びガスケット6の組付けに際
し、その組付け後にこのような余剰空間を残すことによ
って、エンジン1の温度が上昇しても、ガスケットが膨
張による体積増加分はこれら余剰空間(逃げ空間)に吸
収されることになるために、上記反力1や反力2は大幅
に軽減されることとなる。
【0028】なお、これも先の図10にて説明したよう
に、ガスケットの一部を削って上記のような組付け後の
余剰空間を形成すると、ガスケット自身がねじれや歪み
をおこし易くなってしまい、シリンダヘッドカバー及び
シリンダヘッド間のシール性に不安が生じてしまう。
【0029】この点においても、本実施形態では、T字
型のガスケット6の突出した側を溝奥部31に填め込ん
で固定することにより、その装着後の安定も良好であ
る。さらに、上記のように、シリンダヘッド3のシール
溝3bに余剰空間(溝開口端部)32を形成することに
より、ガスケットの圧迫によるシリンダヘッドの損傷に
係る不安は解消されるとして、そのような余剰空間32
を設けた場合に、シリンダヘッドカバー3及びガスケッ
ト6間のシール性が、余剰空間32とシール溝3bとの
相対的な関係に依存することが発明者らにより確認され
ている。
【0030】例えば、図1(a)に示したシリンダヘッ
ドカバー3、シリンダヘッド2及びガスケット6とそれ
ぞれ同形状の部材を適用し、ボルト4を用いて所定の締
結トルクでシールを行うとする。このとき、溝開口端部
32の幅w’に対するシール溝3bの全幅wの比率(幅
比率)(w’/w)と、溝開口端部32の高さ(部分
高)h’に対するシール溝3bの全高hの比率(高さ比
率)(h’/h)とを様々に変更すると、シール溝3b
内壁に対するガスケット6の平均的な面圧(以下、単に
面圧という)P及びシール溝3bの幅方向についてのガ
スケット6の歪み(以下、単に歪みという)εが変化す
る。
【0031】図2〜図5は、上記のように幅比率(h’
/h)及び高さ比率(h’/h)を変更した場合に、面
圧P及び歪みεがどのように変化するかを、それぞれ条
件を変えてグラフ上に示したものである。
【0032】先ず、図2には、高さ比率(h’/h)は
0.1(10%)に設定し、幅比率(w’/w)を0〜
1.0(0%〜100%)まで変化させたときの面圧P
(実線)及び歪みε(一点鎖線)を、同一横軸(幅比
率)上に示す。ただし、面圧P及び歪みεは、それぞれ
幅比率(w’/w)が0%である状態、すなわち余剰空
間〓及び〓’が全く存在しない状態での面圧P0及び歪
みε0を基準値(100%)として、これら基準値に対
する相対値としてそのスケール(縦軸)を設定してあ
る。
【0033】同図2に示すように、高さ比率(h’/
h)を10%に固定して幅比率(w’/w)を増加させ
ていくと、面圧Pは、幅比率(w’/w)が60%を越
えた付近で急激に降下する。一方、歪みεは、幅比率
(w’/w)を0%から5%程度まで増加させると顕著
に減少し、幅比率(w’/w)がおよそ10%を上回る
範囲においてはほぼ一定となる。
【0034】図1(a)からも明らかなように、ガスケ
ット6の面圧Pが大きいほど、又歪みεが小さいほど、
シリンダヘッドカバー3及びシリンダヘッド2間のシー
ル性は向上することとなる。
【0035】すなわち図2に示すデータによれば、高さ
比率(h’/h)を10%程度に設定した場合には、幅
比率(w’/w)が5%〜60%にある範囲R1でシリ
ンダヘッドカバー3及びシリンダヘッド2間のシール性
は好適に保持されることとなる。
【0036】次に、図3には、幅比率(w’/w)は
0.05(5%)に設定し、高さ比率(h’/h)を0
〜1.0(0%〜100%)まで変化させたときの面圧
P(実線)及び歪みε(一点鎖線)を、同一横軸(幅比
率)上に示す。
【0037】同図3に示すように、幅比率(w’/w)
を5%に固定して高さ比率(h’/h)を増加させてい
くと、面圧Pは、幅比率(w’/w)が60%を越えた
付近で急激に降下する。一方、歪みεは、幅比率(w’
/w)を0%から10%程度まで増加させると顕著に減
少し、幅比率(w’/w)がおよそ10%を上回る範囲
においてはほぼ一定となる。
【0038】すなわち同図3に示すデータによれば、幅
比率(w’/w)を5%程度に設定した場合には、高さ
比率(h’/h)が10%〜60%にある範囲R2でシ
リンダヘッドカバー3及びシリンダヘッド2間のシール
性は好適に保持されることとなる。
【0039】さらに、図4並びに図5に示すように、高
さ比率(h’/h)を60%に固定して幅比率(w’/
w)を増加させていった場合の面圧P及び歪みε、並び
に幅比率(w’/w)を40%に固定して高さ比率
(h’/h)を増加させていった場合の面圧P及び歪み
εについても、図2又は図3に示した面圧P及び歪みε
と同様の傾向が確認された。すなわち、幅比率(w’/
w)又は高さ比率(h’/h)を増加させると、面圧P
は所定比率を境に急落するのに対し、歪みεは所定比率
を越えると好適な値まで減少する。結果として、同図4
及び図5中、それぞれ範囲R3及びR4として示す範囲
がシール構造のシール性及び耐久性を両立する好適な範
囲であるといえる。
【0040】ちなみに、図2及び図4における高さ比率
(h’/h)の設定値10%及び60%、並びに図3及
び図5における幅比率(w’/w)の設定値5%及び4
0%は、本実施形態に係るシリンダヘッドカバーのシー
ル構造において、面圧Pの増大及び歪みεの低減を両立
するという点において顕著な効果を奏することのできる
下限値及び上限値である。
【0041】上記のような面圧Pの増大及び歪みεの低
減を両立するという点においては、シリンダヘッドカバ
ー3のシール溝3bは以下に示す条件(1)及び(2)
を満たすことで高いシール性及び高温条件も含めた広い
条件下での耐久性を両立することができる。
【0042】すなわち、 0<(w’/w)<0.5 …(1) 且つ、 0<(h’/h)<0.8 …(2) さらに、上記条件(1)及び(2)を以下の条件(3)
及び(4)に限定すれば、より好適な効果を得ることが
できる。 0.05<(w’/w)<0.4 …(3) 且つ、 0.1<(h’/h)<0.6 …(4) ただし、上記のように限定した数値範囲は、シール溝を
有する樹脂製のシール部材とゴム製のガスケットには広
く適用することができるものの、材質、サイズ、形状、
及びボルト4による締結トルク等により微妙に相違する
こととなる。
【0043】しかしながら、樹脂部品のガスケットシー
ル溝構造において、ガスケットの形状にあわせ、これを
確実に係止する嵌合空間を溝奥部に確保した上で、同ガ
スケットが温度上昇により膨張した場合であれ、その体
積膨張分を吸収してとくに溝奥部の隅部への負担を軽減
するようシール溝の開口部に逃げ空間を形成すれば、面
圧Pの増大及び歪みεの低減という本実施形態から得ら
れる効果がもっとも好適に両立する範囲を設定すること
は容易である。
【0044】以上詳述したように、本実施の形態によれ
ば、以下に示す効果が得られるようになる。 ・温度上昇によりガスケット6が膨張したときであれ、
その体積膨張分を溝開口端部(逃げ空間)32に吸収さ
せ、シール溝奥部に亀裂が入る等、シール溝の損傷を好
適に防止できるようになる。
【0045】・ガスケット6を溝奥部(嵌合空間)31
に確実に係止させたうえで、ガスケット6のシール溝3
b内壁への面圧P増大及びガスケットの歪みε低減を好
適に両立させ、シール構造としての信頼性及び耐久性を
一層向上させることができるようになる。
【0046】なお、本実施形態では、樹脂製シリンダヘ
ッドカバーとそのシール構造に本発明を適用したが、例
えばインテークマニホールドの連結部やエンジンのタイ
ミングチェーンカバー等、高温条件下で使用される如何
なる部材のシール構造に対しても、本発明を適用するこ
とはできる。
【0047】また、本実施形態では、シール溝3bを形
成する空間である溝奥部(嵌合空間)31や溝開口端部
(逃げ空間)32の断面(図1(b)参照)は、矩形と
した。これに対し、溝奥部31にあってはガスケットを
確実に固定し、溝開口端部32にあっては温度上昇によ
るガスケットの体積膨張分を吸収し、図9に示した反力
F1,F2を好適に軽減し、且つ十分なシール性を保持
できるものであれば、シール溝3bが全体としてどのよ
うな形状であってもよい。例えば、図6(a)〜(d)
に示すシリンダヘッドカバー3A〜3Dの有するシール
溝の形状であってもよい。さらに、溝奥部31は、ガス
ケットの突出部を確実に固定する形状が望ましいため、
ガスケットの形状次第では、シール溝3bを図6(e)
(シリンダヘッドカバー3E)に示すように形成しても
よい。これらのシール溝構造にあっても、本実施形態と
ほぼ同様の効果を奏することはできる。
【0048】さらに、本実施形態では、シール溝3bの
断面形状は中心線Cに対して対称であるとしたが、非対
称な形状であってもかまわない。
【0049】
【発明の効果】請求項1に記載した発明の構成によれ
ば、ガスケットの変形によるシール溝内部への圧迫が好
適に緩和され、シール溝構造としての信頼性及び耐久性
が向上する。とくに、ガスケットが高温に晒され膨張し
たときであれ、その体積膨張分を逃げ空間が吸収するこ
とにより、溝構造が損傷することもない。
【0050】請求項2に記載した発明の構成によれば、
ガスケットが嵌合空間に確実に係止されることとなり、
ガスケットの歪みも抑制されるために、請求項1に記載
した発明の作用、すなわちシール構造としての信頼性が
一層増す。
【0051】請求項3に記載した発明の構成によれば、
ガスケットの変形によるシール溝への圧迫を逃がす(吸
収する)作用がより効果的となり、とくに損傷の生じや
すいシール溝奥部への負担が軽減される。
【0052】請求項4又は5に記載した発明の構成によ
れば、シール溝構造としてのシール性及び耐久性という
相反する作用が好適にバランスすることとなり、請求項
3記載の発明の効果が一層顕著となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスケットシール溝構造の一実施
形態を示す一部断面図。
【図2】幅比率の変更に係る面圧及び歪みの変化態様の
一例を示すグラフ。
【図3】高さ比率の変更に係る面圧及び歪みの変化態様
の一例を示すグラフ。
【図4】幅比率の変更に係る面圧及び歪みの変化態様の
一例を示すグラフ。
【図5】高さ比率の変更に係る面圧及び歪みの変化態様
の一例を示すグラフ。
【図6】本発明に係るガスケットシール溝構造の一実施
形態を示す一部断面図。
【図7】シリンダヘッドカバーを備えたエンジンの概略
構成を示す平面図。
【図8】従来のシリンダヘッドカバーのシール溝構造を
示す平面図。
【図9】従来のシリンダヘッドカバーのシール溝構造を
示す平面図。
【図10】従来のシリンダヘッドカバーのシール溝構造
を示す平面図。
【図11】従来のシリンダヘッドカバーのシール溝構造
を示す平面図。
【符号の説明】
1…エンジン、1a…エンジンブロック、2…シリンダ
ヘッド、2a…周縁部、3…シリンダヘッドカバー、3
b…シール溝、4…ボルト、5…接触部、7…内部空
間、31…溝奥部(嵌合空間)、32…溝開口端部(逃
げ空間)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 和広 愛知県豊田市四郷町宮下河原1番地 内浜 化成株式会社内 Fターム(参考) 3J040 AA17 BA01 FA05 HA05 HA19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂部品の他部材との対向面にあってそれ
    ら樹脂部品と他部材との間をシールするためのガスケッ
    トが填め込まれるガスケットシール溝の構造であって、 前記シール溝は、前記ガスケットが填め込まれる嵌合空
    間と、同ガスケットの体積膨張を吸収する逃げ空間とを
    有して構成されることを特徴とする樹脂部品のガスケッ
    トシール溝構造。
  2. 【請求項2】前記嵌合空間は前記シール溝の底部に形成
    され、前記逃げ空間は該嵌合空間の開口側にその開口幅
    を拡大する空間として形成される請求項1記載の樹脂部
    品のガスケットシール溝構造。
  3. 【請求項3】前記逃げ空間は前記嵌合空間の開口幅を段
    状に拡大する矩形空間として形成される請求項2記載の
    樹脂部品のガスケットシール溝構造。
  4. 【請求項4】請求項3記載の樹脂部品のガスケットシー
    ル溝構造において、 前記シール溝全体の深さをh、前記逃げ空間の深さを
    h’、前記嵌合空間の開口幅をw、前記逃げ空間の開口
    幅をw’とするとき、それらh、h’、w、w’が、 0<(w’/w)<0.5 且つ 0<(h’/h)<0.8 なる関係に設定されることを特徴とする樹脂部品のガス
    ケットシール溝構造。
  5. 【請求項5】請求項3記載の樹脂部品のガスケットシー
    ル溝構造において、 前記シール溝全体の深さをh、前記逃げ空間の深さを
    h’、前記嵌合空間の開口幅をw、前記逃げ空間の開口
    幅をw’とするとき、それらh、h’、w、w’が、 0.05<(w’/w)<0.4 且つ 0.1<(h’/h)<0.6 なる関係に設定されることを特徴とする樹脂部品のガス
    ケットシール溝構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103562604A (zh) * 2011-05-26 2014-02-05 内山工业株式会社 密封构造
CN103770844A (zh) * 2013-12-19 2014-05-07 柳州正菱集团有限公司 一种长头卡车发动机罩防护胶垫

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103562604A (zh) * 2011-05-26 2014-02-05 内山工业株式会社 密封构造
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