JP2000018075A - ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置

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JP2000018075A
JP2000018075A JP10187393A JP18739398A JP2000018075A JP 2000018075 A JP2000018075 A JP 2000018075A JP 10187393 A JP10187393 A JP 10187393A JP 18739398 A JP18739398 A JP 18739398A JP 2000018075 A JP2000018075 A JP 2000018075A
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fuel injection
operation state
combustion
spray
pressure
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JP10187393A
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English (en)
Inventor
Akira Shirakawa
暁 白河
Tetsuya Uehara
哲也 上原
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 定常と過渡の違いや環境に関係なく、2つの
作動状態を精度良く切換えて、排気・燃焼騒音・スモー
クを最適に低減する。 【解決手段】 ノズル61では針弁リフトによりノズルシ
ート部が開いたとき噴孔から燃料噴射が行われる。作動
状態切換手段62では燃料噴射時のノズルシート部上流の
燃料圧力を略一定に保つことにより着火性の良い噴霧を
供給する作動状態と、同じく燃料噴射時のノズルシート
部上流の燃料圧力の時間的推移を略山型にすることによ
り着火性の悪い噴霧を供給する作動状態とを選択的に切
換可能に構成している。この場合に、前記2つの作動状
態の相違により燃焼率の変化の違いとして現れるパラメ
ータを検出手段63が検出し、この検出されたパラメータ
に基づいて前記2つの作動状態のいずれかを選択手段64
が選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ディーゼルエン
ジンの燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】蓄圧室式燃料噴射装置のインジェクタと
して、特開平9-158811号公報に示されるものがある。こ
のインジェクタの基本的な構成を図2を用いて説明す
る。
【0003】図2において蓄圧室の高圧燃料は供給通路
151からノズル室12に導かれるとともに、充填オリフィ
ス18を経てノズルピストン13の上部の圧力室14にも導か
れる。
【0004】圧力室14をドレン側と接続する電磁弁15が
閉状態にあるとき、針弁16は着座している。この状態か
ら電磁弁15が開弁すると、放出オリフィス17を介して圧
力室14の圧力が低下し、このためノズル室12に作用する
燃料圧力で針弁16が上方にリフトし、燃料が噴射され
る。電磁弁15が閉弁すると、圧力室14に充填オリフィス
18を介して高圧燃料が充填され、針弁12の受圧面積より
もその受圧面積を大きく設定したノズルピストン13によ
り、針弁16が押し下げられて着座し、燃料の噴射が停止
する。
【0005】リターンスプリング19はエンジン停止時等
にノズル室12の燃料が燃焼室内に漏れ出すことのないよ
うにするためのものであり、エンジン運転時には、針弁
16、ノズルピストン13にかかる油圧力により縮められ、
針弁16とノズルピストン13とが常に一体となって動く。
【0006】このようなインジェクタでは、圧力室14の
圧力とノズルピストン13の摺動部断面積の積である閉弁
方向の力と、ノズル室12の圧力と針弁16の受圧面積の積
である開弁方向の力のバランスにより、針弁16の動きが
決まる。この場合、ノズル室12は常に供給通路151を介
して蓄圧室と連通しているため、その圧力がほぼ一定で
あるのに対して、圧力室14の圧力は電磁弁15の開閉によ
り大きく変化する。ノズルピストン13の受ける油圧力
は、電磁弁15の開弁時に充填オリフィス18と放出オリフ
ィス17の各有効流路面積およびノズルピストン13の受圧
面積に、また電磁弁15の閉弁時に充填オリフィス18の有
効流路面積とノズルピストン13の受圧面積に影響され
る。これより、充填オリフィス18と放出オリフィス17の
各有効流路面積およびノズルピストン13径の3つのパラ
メータを変えることにより、針弁16の上昇、下降速度、
つまり噴射率を変えることができる。
【0007】噴射率は、噴射初期に着火遅れ期間中の噴
射量を減らすことに伴う燃焼騒音の低減とNOxの排出
抑制のため立ち上がりの勾配を緩く、また、噴射終期に
スモーク排出の抑制のため下降側の勾配を大きくするこ
とが一般的であることから(『内燃機関 』 Vol.31 No.
393 1992.7 p.21〜p.29参照)、上記3つのパラメータ
のマッチングにより、針弁16の上昇速度を遅く、下降速
度を速くしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】さて、噴霧の質が燃焼
状態に大きく影響することから、蓄圧室式燃料噴射装置
のインジェクタから噴射される噴霧が実際にどうなるか
を調べたところ、次のような知見を特願平10-116706号
の発明者が初めて得ている。これを説明すると、上記の
インジェクタでは、針弁16の上昇速度を遅くしているた
め、噴射初期は針弁リフトが低く、燃料がノズルシート
部の非常に狭いクリアランスを高速で通過したあとにノ
ズル噴孔に流入する。
【0009】図3にノズル先端部の断面図を示すと、こ
のタイプは、針弁16の着座時に針弁16のノズルシート部
16aにより噴孔20がふさがれる形状であることから、V
CO(Valve Covered Orifice)タイプといわれてい
る。
【0010】ここで、噴孔20の軸に垂直な断面内での燃
料流速分布をみてみると、理想的なノズルでは図4に示
すように、針弁16の中心軸に対し、左右対称な弱い流れ
が生じる。これは、ノズルシート部からまず噴孔20上部
に燃料が流入することに関連するためである。
【0011】しかしながら、実際のノズルにおいては、
針弁16に針弁摺動部のガタや製造精度の問題から若干の
偏心が生じてしまう。たとえば、図5(図3のA−A線
矢視図)に示したように左側への偏心が生じている場合
は、ノズルシート部に上下対称な右に向かう周方向流れ
(矢印で示す)が発生する。このような場合、流れの速
い部位に位置する噴孔である20aと20bの内部に図6(a)
(図5のB−B線矢視図)や図6(b)(図5のC−C線矢
視図)に示したように強力な旋回流が発生する。
【0012】こうした噴孔の軸に垂直な面での旋回流
は、針弁リフトが低いほうが、また、ノズル室圧が高い
ほうが強くなる。これはノズルシート部が狭く、ノズル
シート部の周方向の燃料流速が速くなるため、また、ノ
ズル室が高圧であるほうがノズルシート部の燃料流速が
速くなるためである。このように噴孔の軸に垂直な面で
の旋回流が大きいと、噴霧は、その噴射率の割には噴霧
円錐角が広く、ペネトレーションが弱く、また微粒化が
促進された噴霧(つまり着火性のよい噴霧)となる。こ
のような現象はVCOタイプのノズルで特に顕著であ
る。
【0013】こうした着火性のよい噴霧では、蒸発およ
び周囲空気との混合が促進されるため、従来からあるジ
ャーク式燃料噴射装置の噴霧(詳細は後述する)に比べ
着火遅れ期間が短くなる。したがって、燃焼初期の予混
合燃焼量が減り、燃焼騒音やNOxの排出が抑制される
というメリットがある。しかしながらその反面、高負荷
域等の空気過剰率が小さい運転域では、予混合燃焼割合
が減ることに加えて流動の弱い燃焼室中央付近に、初期
に噴射されたペネトレーションの弱い噴霧が残留してし
まうため、スモークの発生が多くなるというデメリット
がある。
【0014】これで、上記特願平10-116706号の発明者
による知見の説明を終える。
【0015】一方、ジャーク式燃料噴射装置は、プラン
ジャで燃料を急激に加圧し、発生させた圧力波を燃料噴
射管を通してノズル室に導き、ノズル室の燃料圧力を略
山型に推移させ、その圧力により、リターンスプリング
による針弁着座方向の力に逆らって針弁をリフトさせ、
燃料を噴射させるように構成される。このようなジャー
ク式燃料噴射装置では、噴射初期のノズル室圧が低いこ
と、また、針弁が急激にリフトするため、低針弁リフト
で燃料を噴射している期間が短いことから、高負荷域の
スモーク排出が少ない反面、燃焼騒音やNOx排出が多
いというデメリットがある。また、蓄圧式燃料噴射装置
で得られる噴霧に比べ、着火性が悪いため、特に冷機時
の失火を抑制するために冷機時の噴射時期をよりアドバ
ンスする必要があり、冷機時のNOx排出が多いという
デメリットもある。
【0016】このように、蓄圧式とジャーク式の各燃料
噴射装置にはそれぞれ一長一短があるので、要求の異な
る噴霧を得るためには、2つの燃料噴射装置を備えさ
せ、要求に応じて2つの燃料噴射装置のいずれかを選択
して用いることであるが、2つの燃料噴射装置を独立に
備えさせるのでは、コストアップとなるばかりか、装置
が大型化してしまう。
【0017】そこで、上記2つの燃料噴射装置を独立に
備えさせることなく、燃料噴射時のノズルシート部上流
の燃料圧力を略一定に保つことにより着火性の良い噴霧
を供給する作動状態と、同じく燃料噴射時のノズルシー
ト部上流の燃料圧力の時間的推移を略山型にすることに
より着火性の悪い噴霧を供給する作動状態とを切換可能
に構成することにより、装置の小型化を図るようにした
ものを上記の発明者が提案している(特願平10-116706
号)。このものを以下、先願装置という。
【0018】さて、着火性の良い噴霧が得られる作動状
態と着火性の悪い噴霧が得られる作動状態にはそれぞれ
短所と長所があり、両者を運転条件によって切換えるこ
とができれば、お互いの長所を引き出すことができる。
【0019】しかしながら、いずれの作動状態が適切か
は、それぞれの運転条件での排気(NOxとPM)・燃
焼騒音・スモークを計測して初めて分かるもので、着火
性の良い噴霧が得られる作動状態で運転する領域と着火
性の悪い噴霧が得られる作動状態で運転する領域との境
界を、エンジンの回転数や負荷によって一義に決められ
るものでない。
【0020】たとえば、同じ回転数・負荷でも、定常運
転と加速途中などの過渡運転とでは、噴射時期やEG
R、過給圧(過給機付きの場合)等は必ずしも一致しな
いので、いずれの作動状態で運転するのがよいのか、実
用上問題となる。
【0021】また、エンジンが運転される環境、たとえ
ば吸気温度・大気圧・吸気中の湿度により燃焼状態が時
々刻々で変化するため、これら因子でもいずれの作動状
態で運転したらよいのかは変わってくる。
【0022】そこで、上記2つの作動状態による燃焼の
違い(熱発生率の違い)を高回転、高負荷の運転条件で
比較してみたところ、図8(実験結果)に示したよう
に、〈1〉着火遅れ期間、〈2〉燃焼率の変化割合、
〈3〉燃焼期間、〈4〉初期燃焼割合(初期燃焼量)に
ついてそれぞれ相違がみられることを本願発明の発明者
が初めて見いだした。この場合、これら〈1〉〜〈4〉
は2つの作動状態の相違により燃焼率の変化の違いとし
て現れるパラメータであり、これらのパラメータの一つ
一つが満たすべき要求値は、定常運転ではエンジン回転
数やエンジン負荷毎に実験で明らかにすることが簡単で
ある。過渡運転や環境が変化した場合には、実際のパラ
メータをモニターして、どちらの作動状態が最適かを選
択すれば適正な燃焼を得ることができる。
【0023】これより本発明では、上記2つの作動状態
を切換可能な燃料噴射装置を備える場合に、上記4つの
パラメータのうち少なくとも1つを検出し、その検出さ
れたパラメータに基づいて2つの作動状態のいずれかを
選択することにより、定常運転と過渡運転の違いに関係
なく、また、エンジンが運転される環境にも関係なく、
2つの作動状態を精度良く切換えて、排気(NOxとP
M)・燃焼騒音・スモークを最適に低減することを目的
とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図36に
示すように、針弁リフトによりノズルシート部が開いた
とき噴孔から燃料噴射が行われるノズル61と、燃料噴射
時の前記ノズルシート部上流の燃料圧力を略一定に保つ
ことにより着火性の良い噴霧を供給する作動状態と、同
じく燃料噴射時の前記ノズルシート部上流の燃料圧力の
時間的推移を略山型にすることにより着火性の悪い噴霧
を供給する作動状態とを選択的に切換可能に構成した手
段62と、前記2つの作動状態の相違により燃焼率の変化
の違いとして現れるパラメータを検出する手段63と、こ
の検出されたパラメータに基づいて前記2つの作動状態
のいずれかを選択する手段64とを備える。
【0025】第2の発明では、第1の発明において前記
パラメータが着火遅れ期間であり、この着火遅れ期間が
判定値よりも短いとき、着火性の良い噴霧を供給する作
動状態を、また着火遅れ期間が判定値よりも長いとき、
着火性の悪い噴霧を供給する作動状態をそれぞれ選択す
る。
【0026】第3の発明では、第1の発明において前記
パラメータが初期燃焼割合であり、この初期燃焼割合が
判定値よりも小さいとき、着火性の良い噴霧を供給する
作動状態を、また初期燃焼割合が判定値よりも長いと
き、着火性の悪い噴霧を供給する作動状態をそれぞれ選
択する。
【0027】第4の発明では、第1の発明において前記
パラメータが燃焼期間であり、この燃焼期間が判定値よ
りも小さいとき、着火性の良い噴霧を供給する作動状態
を、また燃焼期間が判定値よりも長いとき、着火性の悪
い噴霧を供給する作動状態をそれぞれ選択する。
【0028】第5の発明では、第2から第4までのいず
れか一つの発明において前記判定値にヒステリシスを設
ける。
【0029】第6の発明では、第1の発明において前記
パラメータが燃焼率の変化であり、この燃焼率の変化が
判定値よりも小さいとき、着火性の良い噴霧を供給する
作動状態を保持し、この状態で燃焼率の変化が判定値よ
りも長くなると、着火性の悪い噴霧を供給する作動状態
を選択する。
【0030】第7の発明では、第6の発明において前記
燃焼率の変化として筒内圧の2階微分値を用いる。
【0031】
【発明の効果】第1、第5の各発明によれば、2つの作
動状態の相違により燃焼率の変化の違いとして現れるパ
ラメータに基づいて2つの作動状態のいずれかを選択す
るようにしたので、定常と過渡の違いに関係なく、ま
た、エンジンが運転される環境にも関係なく、2つの作
動状態を精度良く切換えることができる。
【0032】第2の発明によれば、噴射の初めと燃焼の
初めが分かればよいだけなので、安価なシステムでよ
く、これによってシステムが安価な割りにはいずれの作
動状態を選択すべきかの選択の精度がよく、かつ判定値
の適合も容易である。
【0033】第3の発明では、初期燃焼割合を演算する
ため精度のよいセンサが必要となるが、制御すべき制御
対象を直接に演算しているので、判定値の適合が容易で
あるとともに、いずれの作動状態を選択すべきかの選択
の精度が向上する。
【0034】第4の発明では、燃焼の初めと終わりが分
かればよいだけなので、安価なシステムでよく、また第
2の発明に比べれば比較的長い時間を計測するため時間
計測手段の精度もあまり必要でない。このためシステム
が安価な割りにはいずれの作動状態を選択すべきかの選
択の精度がよく、かつ判定値の適合も容易である。
【0035】第6、第7の各発明では、燃焼率の変化よ
り着火性の悪い噴霧を供給する作動状態に切換えるべき
かどうかを判定するので、燃焼率を検出するセンサのバ
ラツキによる出力のオフセットの影響を受けないで済
み、これによって比較的安価なセンサであっても、着火
性の悪い噴霧を供給する作動状態へと精度よく切換える
ことができる。
【0036】
【発明の実施の形態】図1は燃料供給系統の構成、図2
はインジェクタの概略断面図を示すものである。燃料供
給ポンプ1はエンジン回転に同期して回転駆動されるカ
ム2により往復運動するプランジャ3を備え、プランジャ
3の往復運動に伴い、燃料は吸入通路4から吸入され、逆
止弁5、吐出通路6を経由して蓄圧室7に高圧状態で蓄え
られる。
【0037】吸入通路4にはプランジャ3の有効ストロー
ク制御弁8が設けられ、プランジャ3の圧縮行程で有効
ストローク制御弁8が閉弁したときから燃料の圧送が開
始され、これに応じてポンプ吐出量が決まる。なお、蓄
圧室7には燃料圧力を検出する圧力センサ9が設けられ
る。
【0038】蓄圧室7の高圧燃料は供給通路10、インジ
ェクタ11の供給通路151を経てノズル室12に導かれると
ともに、充填オリフィス18を経てノズルピストン13の上
部の圧力室14に導かれる。
【0039】第1の作動状態(燃料噴射時のノズルシー
ト部上流の燃料圧力を略一定に保つ作動状態)では、ノ
ズルピストン13はリターンスプリング19とともに針弁16
を押し下げ、閉弁させているが、圧力室14をドレン側と
接続する電磁弁15が開弁すると、放出オリフィス17を介
して圧力室14の圧力が低下し、このためノズル室12に作
用する燃料圧力がリターンスプリング19に抗して針弁16
を上方にリフトさせ、燃料が噴射される。電磁弁15が閉
弁すると、圧力室14に充填オリフィス18を介して高圧燃
料が充填され、針弁12の受圧面積よりもその受圧面積を
大きく設定したノズルピストン13とリターンスプリング
19により、針弁16が押し下げられて着座し、燃料の噴射
が停止する。
【0040】したがって、電磁弁15への通電時期、期間
を制御することにより、燃料の噴射時期、噴射期間を自
由に制御することができる。
【0041】なお、先願装置でのリターンスプリング19
は従来の蓄圧室式燃料噴射装置のインジェクタに使われ
るリターンスプリングと同様、エンジン停止時の燃料漏
れ防止にも作用していることはもちろんであるが、それ
よりも、次の点が重要である。つまり、リターンスプリ
ング19は、後述するように、第2の作動状態(燃料噴射
時のノズルシート部上流の燃料圧力の時間的推移を略山
型にする作動状態)でノズル室12に加わる燃料圧力とバ
ランスさせる力を発生させるためのものであり、従来の
ジャーク式燃料噴射装置のインジェクタノズルのリター
ンスプリングと同様の役目を担っている。
【0042】蓄圧室7の燃料圧力を調整するためにコン
トロールユニット26が備えられ、圧力センサ9により検
出された圧力に応じてコントロールユニット26からの信
号により有効ストローク制御弁8の開閉時期が制御さ
れ、燃料供給ポンプ1の吐出量を変化させる。
【0043】有効ストローク制御弁8は、燃料吸入時、
つまりプランジャ3が下降しているときは開き、燃料を
吐出する上昇時(圧縮行程)に必要なストロークだけ閉
じることにより、燃料の吐出量を制御する。蓄圧室7の
燃料圧力が目標値よりも下がれば、有効ストローク量を
大きくすることで圧力は回復し、逆に高いときは、有効
ストローク量を小さくすることで、圧力を低下させられ
る。
【0044】コントロールユニット26には、エンジン気
筒判別のためのセンサ23、エンジン回転数、クランク角
度を検出するためのセンサ24、アクセル開度を検出する
センサ25などからの信号が入力し、これらアクセル開度
とエンジン回転数に基づいて目標蓄圧室圧力、目標燃料
噴射量、目標噴射時期を検索し、これら目標とする燃料
噴射量、噴射時期となるように、電磁弁15の開閉時期を
決定するとともに、蓄圧室7の燃料圧力が目標圧力とな
るように有効ストローク制御弁8の開閉時期を制御す
る。
【0045】上記蓄圧室7をバイパスして通路31が設け
られ、このバイパス通路31の分岐部と合流部にコントロ
ールユニット26からの信号により駆動される一対の三方
電磁弁32、33が設けられる。これら電磁弁32、33は、蓄
圧室7を経る通路とバイパス通路31とを選択的に切換え
るためのもので、たとえば電磁弁32、33のOFF時に電
磁弁32上流の吐出通路6とインジェクタ11とを蓄圧室7を
経る通路を介して連通しており、電磁弁32、33がともに
ONにされたときには、バイパス通路31を介して電磁弁
32上流の吐出通路6とインジェクタ11とが連通する。た
だし、電磁弁32、33をONにするときは電磁弁15が常に
開いた状態に保たれる。
【0046】電磁弁32、33のOFF時にはバイパス通路
31、電磁弁32、33ともないのと同じ状態(つまり従来の
蓄圧式燃料噴射装置そのもの)になり、本状態で前述し
た第1の作動状態が実現され、蓄圧室式燃料噴射装置特
有の着火性のよい噴霧が得られる。
【0047】これに対して、電磁弁32、33のON時にな
ると、今度は蓄圧室7がないのと同じになって燃料供給
ポンプ1からの吐出燃料が直接インジェクタ11に導か
れ、しかも電磁弁15が常に開状態とされているので、圧
力室14が低圧状態となっている。この状態では前述した
第2の作動状態が実現されるわけである。したがって、
この状態で燃料供給ポンプ1で圧送を行うと、圧送に伴
う圧力波がバイパス通路31を介してノズル室12に伝わ
る。針弁16に加わる着座方向の力は、リターンスプリン
グ19によるものが主であり、圧力波の伝播によりノズル
室12の圧力は、時間に対し略山型の変化をすることか
ら、ノズル室圧が開弁圧以上に達した瞬間に針弁16がリ
フトし始め噴射が行われる。このような作動はジャーク
式燃料噴射装置と同様であり、したがって、ジャーク式
燃料噴射装置特有の着火性の悪い噴霧を得ることができ
る。
【0048】なお、着火性の悪い噴霧を選択するときの
燃料噴射量は、有効ストローク制御弁8により、有効圧
送ストロークを変えることにより行う。また、蓄圧室7
の入口には、蓄圧室内の燃料圧力の脈動を抑制するた
め、オリフィス34を設けている。
【0049】このように、先願装置では、インジェクタ
11を、ノズルシート部径より摺動部径のほうを大きくし
た針弁16、針弁16を着座方向に付勢するリターンスプリ
ング19、針弁16をリフトさせる向きに作用する燃料圧力
が導かれるノズル室12、針弁16に連接しノズルボディと
の間で摺動しつつ針弁16と一体動する(または針弁16と
一体に形成される)とともに、針弁16とは反対側に針弁
16の受圧面積より大きな断面を有するノズルピストン1
3、このノズルピストン13の反対側に画成され燃料圧力
の導かれる圧力室14、この圧力室の燃料を逃がす手段と
から構成し、燃料噴射時のノズルシート部上流の圧力
を略一定の高圧に保つ作動状態では、主に圧力室14の圧
力とノズルピストン13の摺動部断面積の積である閉弁方
向の力と、ノズル室12の圧力と針弁16の受圧面積の積で
ある開弁方向の力のバランスにより、また、燃料噴射
時のノズルシート部上流の圧力を低い状態から略山型に
変化させる作動状態では、リターンスプリング19による
閉弁方向の力と、ノズル室12の圧力と針弁16の受圧面積
の積である開弁方向の力のバランスにより、それぞれ針
弁16の動きが決まるようにしたので、着火性の良い噴霧
を供給する作動状態と、着火性の悪い噴霧を供給する作
動状態とを電磁弁32、33のON、OFFにより選択的に
切換えることが可能となり、これによって上記2つの燃
料噴射装置を独立に備えさせる場合よりも、装置を小型
化することができる。
【0050】エンジンにはまた排気還流装置(EGR装
置)を備える。これを図7で説明すると、51はディーゼ
ルエンジンの本体、52は排気通路、53は排気通路、54は
排気通路53の排気の一部を吸気通路に還流するための通
路(EGR通路)である。
【0051】吸気通路52は吸入空気量を計測するための
エアフローメータ55が設置され、その下流に吸入空気を
2段階に絞り込む吸気絞り弁56が設けられる。この吸気
絞り弁56の下流側に前記したEGR通路54が接続され、
またEGR通路54の途中には排気還流量をコントロール
するための弁(EGR弁)57が介装される。
【0052】したがって、排気通路53から吸気通路52に
流れる排気の還流量は、吸気絞り弁56の開度に応じて発
生する吸入負圧と、排気通路53との排気圧力との差圧に
応じるとともに、そのときのEGR弁57の開度に対応し
て決定される。
【0053】前記吸気絞り弁56は負圧アクチュエータ56
aにより開度が2段階に制御され、負圧アクチュエータ5
6aには第1の電磁弁61を介して図示しないバキュームポ
ンプからの負圧を導く第1負圧通路62と、第2の電磁弁
63を介して同じく負圧を導く第2負圧通路64とが接続さ
れ、これら電磁弁61、62によって調圧された負圧によ
り、吸気絞り弁56の開度を2段階に制御し、その下流に
発生する吸入負圧をコントロールするようになってい
る。
【0054】たとえば、第1の電磁弁61が負圧導入をや
め、大気圧を導入し、第2の電磁弁63が負圧を導入して
いるときは、負圧アクチュエータ56aの負圧は弱く、吸
気絞り弁56の開度は比較的大きくなり、これに対して、
第1の電磁弁61も負圧を導入しているときは負圧が強
く、吸気絞り弁56の開度は小さくなる。また、第1、第
2の電磁弁61、62がともに大気圧を導入しているとき
は、吸気絞り弁26はリターンスプリングにより、全開位
置に保持される。
【0055】前記EGR弁57はステップモータ57aの回
転によってリフト量が変化し、その開度が調整され、こ
の開度に応じてEGR通路54を通って吸気中に流入する
排気還流量が増減する。なお、57bはEGR弁57の開度
を検出する手段である。
【0056】コントロールユニット26では、前記した第
1、第2電磁弁61、63とステップモータ57aの作動を制
御し、排気還流量を制御する。
【0057】さて、上記第1の作動状態と上記第2の作
動状態にはそれぞれ短所と長所があり、両者を運転条件
によって切換えることができれば、お互いの長所を引き
出すことができる。
【0058】しかしながら、いずれの作動状態が適切か
は、それぞれの運転条件での排気(NOxとPM)・音
振・スモークを計測して初めて分かるもので、第1の作
動状態で運転する領域と第2の作動状態で運転する領域
との境界を、回転数や負荷によって一義に決められるも
のでない。
【0059】たとえば、同じ回転数・負荷でも、定常運
転と過渡運転では、噴射時期やEGR、過給圧(過給機
付きの場合)等は必ずしも一致しないので、いずれの作
動状態で運転したらよいのか、実用上問題となる。
【0060】また、エンジンが運転される環境、たとえ
ば吸気温度・大気圧・吸気中の湿度により燃焼状態は時
々刻々で変化するため、これら因子でもいずれの作動状
態にしたらよいのかは変わってくる。
【0061】そこで、上記2つの作動状態による燃焼の
違い(熱発生率の違い)を高回転、高負荷の運転条件で
比較してみたところ、図8(実験結果)に示したよう
に、〈1〉着火遅れ期間、〈2〉燃焼率の変化割合、
〈3〉燃焼期間、〈4〉初期燃焼割合(初期燃焼量)に
ついてそれぞれ相違がみられることを本願発明の発明者
が初めて見いだした。
【0062】この場合、これらパラメータ(2つの作動
状態の相違により燃焼率の変化の違いとして現れるパラ
メータ)の一つ一つが満たすべき要求値は、定常運転で
はエンジン回転数やエンジン負荷毎に実験で明らかにす
ることが簡単である。過渡運転や環境が変化した場合に
は、実際の燃焼パラメータをモニターして、どちらの作
動状態が最適かを選択すれば適正な燃焼を得ることがで
きる。
【0063】これより本発明では、上記4つのパラメー
タのうち少なくとも1つを検出し、その検出されたパラ
メータに基づいて2つの作動状態のいずれかを選択す
る。
【0064】これをさらに説明すると、図9はエンジン
回転数が一定の条件で燃料噴射量Qfを変化させたとき、
作動状態の違いによりスモーク、筒内圧レベルCPL、
排気(NOxとPM)の各特性がどのように変化するか
を示したものである(実験結果)。同図より、スモー
ク、燃焼加振力との相関の高い筒内圧レベルCPL、排
気(NOxとPM)のすべてをバランス良く低減しなけ
ればならないことを考えると、基準値a3以下の噴射量領
域で第1の作動状態を採用することにより排気(NO
x、PM)と燃焼騒音(CPL)を同時に低減でき、ま
た基準値a3を超える噴射量領域になると、第2の作動状
態に切換えることで、排気(NOx、PM)とスモーク
を同時に低減できる。
【0065】なお、図9に示したa1、a2、a3の大小関係
は、運転条件(回転数・負荷・環境)によって変化す
る。どこに切換のタイミングをもってくるかは、何を優
先させるかによって決まり、たとえば、常用の低負荷運
転域では排気が、また急加速時等の中間負荷では騒音低
減が優先されるように切換タイミングを定めることがで
きる。したがって、a1、a2、a3の大小関係が変わる場合
も、どちらの作動状態を採用するかは一義に決まるもの
でない。車の性格や、排気規制への適合の難しさや騒音
規制適合の難しさによっていずれの作動状態を採用する
かは変わってくるものと思われる。また、図9におい
て、NOx、PMとも基準値a3で具合良く破線と実線が
交差しているが、破線と実線が交差する点がずれる場合
が存在する。この場合には、対象となる車両によって、
NOx、PMのいずれかを優先させることになる。
【0066】ここで、上記〈1〉の着火遅れ期間は、回
転数一定のとき図10上段のようにいずれの作動状態に
おいても燃料噴射量Qfに応じて大きくなるので、図10
上段において、基準値a3を横軸に採り、このa3に対する
第1の作動状態での着火遅れ期間をTinj crとすると、
このTinj crを着火遅れ期間についての作動状態切換の
ための判定値として定めればよい。
【0067】ただし、このTinj crは第1の作動状態か
ら第2の作動状態に切換える場合の判定値であり、第2
の作動状態から第1の作動状態に切換える場合の判定値
には、Tinj crより大きな値のTinj jkを採用する。
【0068】同様にして、上記〈4〉の初期燃焼量と上
記〈3〉の燃焼期間についても、図11、図12におい
て、基準値a3を横軸に採り、このa3に対する第1の作動
状態での初期燃焼量、燃焼期間をそれぞれTrcomb cr、K
Tcomb crとすると、Trcomb crを初期燃焼量の判定値、K
Tcomb crを燃焼期間の判定値として定めることができ
る。
【0069】また、Trcomb cr、KTcomb crは第1の作動
状態から第2の作動状態に切換える場合の判定値であ
り、第2の作動状態から第1の作動状態に切換える場合
の判定値には、Trcomb jk(Trcomb jk<Trcomb cr)、K
Tcomb jk(KTcomb jk<KTcomb cr)を採用する。
【0070】一方、上記〈2〉の燃焼率の変化の検出に
ついては次のようにする。
【0071】第1の作動状態では、初期燃焼のピークが
図13上段のように生じるので、筒内圧レベルの2階時
間微分値d2CPLを演算すると、筒内圧レベルの2階時間
微分値d2CPLは、図13下段のように幅の狭い正のパル
スとその後に生じる幅の狭い負のパルスとからなり、各
パルスの高さは燃料噴射量Qfが増えるほど大きくなる。
したがって、燃料噴射量Qfが基準値a3のときの正のパル
スの高さをTd2CPL crとすれば(または負のパルスの高
さをTd2CPL cr2とすれば)、このTd2CPL cr(Td2CPL cr
2)を第1の作動状態から第2の作動状態に切換える場
合の判定値として定めることができる。
【0072】なお、筒内圧レベルの変化率dCPL(図13
中段参照)でなく、2階時間微分値d2CPLを採用するの
は、このほうが差が拡大されるからである。
【0073】ただし、第2の作動状態では、初期燃焼の
ピークがないので、第2の作動状態から第1の作動状態
に切換える場合の判定値を定めることはできないが、こ
の場合には、着火遅れ期間、初期燃焼量、燃焼期間につ
いての判定値を用いればよい。
【0074】なお、図13には燃焼率に代えて、これと
相関を有する筒内圧レベルCPLを用いている。また、
筒内圧レベルCPLに代えて筒内圧Piを用いたものを図
33からの第4実施形態で後述する。
【0075】このようにして、2つの作動状態の相違に
より燃焼率の変化の違いとして現れるパラメータに基づ
いて2つの作動状態のいずれかを選択することで、定常
運転と過渡運転の違いに関係なく、また、エンジンが運
転される環境にも関係なく、2つの作動状態を精度良く
切換えることができるのである。
【0076】コントロールユニット22で実行されるこれ
ら制御の内容を、以下のフローチャートに従って説明す
る。
【0077】なお、以下では上記の〈1〉、〈4〉、
〈3〉、〈2〉の順に対応して各実施形態を構成してい
る(図14から図23までが第1実施形態、図24から
図28までが第2実施形態、図29から図32までが第
3実施形態、図33から図35までが第4実施形態であ
る)。
【0078】まず、図14は着火遅れ期間を演算するた
めのもので、Ref信号(クランク角の基準位置信号)の
入力毎に(つまりエンジン回転に同期したタイミング
で)実行する。
【0079】ステップ1では、エンジン回転数Neと燃料
噴射開始フラグを読み込む。
【0080】ここで、燃料噴射開始フラグは、燃料の噴
射開始時に“1”になるフラグである。噴射開始時期
は、インジェクタ11に針弁16のリフトセンサがついてい
る場合に、リフトセンサが針弁16のリフト開始時期を検
出したタイミングとする。針弁リフトセンサがついてい
ない場合は、第1の作動状態で電磁弁15の開弁時期を、
第2の作動状態でカム2のリフト始めをそれぞれ噴射開
始時期とする。
【0081】ステップ2では、燃料噴射開始フラグをみ
て、燃料噴射開始フラグ=1であれば燃料噴射が開始さ
れていると判断し、ステップ3に進んでタイマTmtdcomb
をセットする。このタイマTmtdcombは燃料噴射開始から
の経過時間を計測するためのものである。
【0082】ステップ4では筒内圧変化率dPiを読み込
む。この筒内圧変化率の演算については、図15により
説明する。
【0083】図15は噴射開始時より数クランク角毎に
実行するもので、燃料噴射が開始されると、ステップ12
で筒内圧センサ(図示しない)により得られる筒内圧Pi
を読み込み、ステップ13、14で所定サイクル前までの読
み込み値(サンプル値)のシフトを行い、噴射開始時か
らのサイクル数をカウントする。ステップ15では噴射開
始からのサイクル数カウント値と所定のサイクル数mを
比較し、サイクル数カウント値がmサイクル以上になる
と、ステップ16に進み、dPi=Pin−Pin-x(ただしxは
任意の整数)の式で筒内圧変化率dPiを計算する。
【0084】ここで、Pinは今回のサイクルでの筒内圧
サンプル値、Pin-xはxサイクル前の筒内圧サンプル値
である。たとえば、x=1のとき、dPiはn−1サイク
ル前(すなわち1サイクル前)のPiとの差分になる。
【0085】図15のサンプル処理は、数クランク角毎
にデータをサンプルする必要があるので、DSP(デジ
タルシグナルプロセッサ)などを用いて並列処理しなけ
ればならない。
【0086】図14に戻り、ステップ5ではエンジン回
転数Neと燃料噴射量Qfとから図16を内容とするマップ
を参照して着火判定値Mcombを求める。
【0087】ここで、着火判定値Mcombは、簡単には着
火したときの筒内圧変化率である。したがって、筒内圧
変化率dPiと着火判定値Mcombをステップ6において比較
し、またサイクル数カウント値とmを比較したとき、筒
内圧変化率dPiが着火判定値Mcombを超えておりかつサイ
クル数カウント値がm以上のときは着火したと判断し、
ステップ7に進んでそのときのタイマTmtdcombの値をTdc
ombに移すことで、着火遅れ期間を計測する。
【0088】これで着火遅れ期間Tdcombの演算を終了し
たので、ステップ8ではタイマTmtdcombをセットしたあ
と、ステップ9で
【0089】
【数1】Dca comb=(Ne×360/60)×(Tdcomb/1000) の式により着火遅れクランク角Dca combを演算する。着
火遅れクランク角Dca combはmsec単位で計測した着火遅
れ期間Tdcombをクランク角単位に変換するものである。
【0090】図17は2つの作動状態のいずれかを選択
するためのもので、図14と同じにRef信号の入力毎に
実行する。
【0091】ステップ21で着火遅れクランク角Dca comb
と作動状態フラグFinjを読み込む。ここで、作動状態フ
ラグはFinj=0のとき第1の作動状態であることを、ま
たFinj=1のとき第2の作動状態であることを表す。
【0092】ステップ22では作動状態フラグFinjをみ
て、第1の作動状態であるときは、ステップ23に進み、
エンジン回転数Neから図18を内容とするテーブルを参
照して着火遅れ期間判定値Tdinj crを求め、この着火遅
れ期間判定値Tdinj crと着火遅れクランク角Dca combと
をステップ24において比較する。
【0093】Tdinj cr>Dca combであり、かつTdinj cr
>Dca combである条件がsサイクル以上成立していると
きは、第1の作動状態を継続するため、ステップ25に進
んで作動状態フラグFinj=0とし、これ以外のとき(Td
inj cr≦Dca combであるときや、Tdinj cr>Dca combで
あってもTdinj cr>Dca combである条件がsサイクル未
満しか成立していないとき)は、第2の作動状態を選択
するため、ステップ28に進み、作動状態フラグFin
j=1とする。
【0094】一方、第1の作動状態でない(つまり第2
の作動状態にある)ときは、ステップ22よりステップ26
に進み、回転数Neから図19を内容とするテーブルを参
照して、着火遅れ期間判定値Tdinj jkを求め、この着火
遅れ期間判定値Tdinj jkと着火遅れクランク角Dca comb
とをステップ27において比較する。
【0095】Tdinj jk<Dca combであり、かつTdinj jk
<Dca combである条件がsサイクル以上成立していると
きは、第2の作動状態を継続するため、ステップ28に進
んで作動状態フラグFinj=1とし、これ以外のとき(Td
inj jk≧Dca combであるときや、Tdinj cr<Dca combで
あってもTdinj cr<Dca combである条件がsサイクル未
満しか成立していないとき)は、第1の作動状態を選択
するため、ステップ25に進み、作動状態フラグFinj=0
とする。
【0096】言い換えると、ステップ21で読み込む作動
状態フラグの値は、1Ref信号前にいずれの作動状態を
選択すべきかを決めた結果であり、今回のRef信号の入
力時にも、ステップ22、23、24、26、27でいずれの作動
状態を選択すべきかを判定し、その結果が違う場合に、
作動状態フラグを切換えるのである。
【0097】なお、図18、図19において同一のNeと
Qfで比較したとき、常にTdinj cr<Tdinj jkである。
【0098】ところで、燃料の噴射開始時期は、いずれ
の作動状態でも同じにする必要があるため、図20、図
21に示したように、第1の作動状態での噴射開始時期
Mit crと、第2の作動状態での噴射開始時期Mit jkとを
別々のマップで持たせている。図22は、回転数Neとア
クセル開度Clに対する燃料噴射量Qfのマップ特性図、図
23は、回転数Neと燃料噴射量Qfに対する目標EGR率
Megrのマップ特性図である。なお、作動状態の違いによ
り目標EGR率が変化する場合があり、この場合には、
作動状態別に目標EGR率Megrのマップを持たせる必要
がある。
【0099】ここで、第1実施形態の作用を、図10下
段を参照して説明すると、燃料噴射量Qfが小さい場合
は、第1の作動状態が選択される。
【0100】この状態から燃料噴射量Qfを徐々に大きく
していくと、着火遅れクランク角Dca combは破線をたど
って上昇し、やがて着火遅れ期間判定値Tdinj crと一致
したタイミングで第2の作動状態に切り換えられる。な
おも、燃料噴射量Qfを大きくしていくと、この切換以後
は実線をたどって着火遅れクランク角Dca combが上昇す
る。
【0101】一方、燃料噴射量Qfが大きく、第2の作動
状態にある場合に、燃料噴射量Qfを徐々に小さくしてい
くと、着火遅れクランク角Dca combが実線をたどって下
降し、やがて着火遅れ期間判定値Tdinj jkと一致したタ
イミングで第1の作動状態に切り換えられる。なおも、
燃料噴射量Qfを小さくしていくと、この切換以後は破線
をたどって着火遅れクランク角Dca combが下降する。
【0102】このように、本発明の第1実施形態では、
着火遅れ期間の検出のため噴射の初めと燃焼の初めが分
かればよいだけなので、安価なシステムでよい。したが
って、システムが安価な割りにはいずれの作動状態を選
択すべきかの選択の精度がよく、かつ判定値の適合も容
易である。
【0103】図24、図26は第2実施形態で、第1実
施形態の図14、図17にそれぞれ対応する。図24、
図26において図14、図17と同一部分には同一のス
テップ番号を付けている。
【0104】図24は初期燃焼量を演算するためのもの
で、1msec毎に実行する。
【0105】ステップ31では燃料噴射開始フラグ、クラ
ンク角センサからのクランク角信号CA、筒内圧レベル
CPLを読み込む。
【0106】ステップ2では燃料噴射開始かどうかを判
断し、燃料噴射開始中ならステップ32に進み、タイマTc
plをセットする。このタイマTcplは燃料の噴射開始から
の経過時間を計測するためのものである。
【0107】ステップ33ではそのときのクランク角信号
CAとシリンダ行程容積Vを用いて時々刻々のシリンダ
容積Vnを演算し、このシリンダ容積、筒内圧レベルを
用い、ステップ34で
【0108】
【数2】dQ=(Cv/(R×dCA))×〔(CPLn−CP
n-1)−CPLn((Vn/Vn+1)PN−1)〕×Vn ただし、Cv:比熱(定数) R:ガス定数 Vn:燃焼室容積 PN :圧縮行程中のポリとロープ指数 の式により熱発生率dQを演算する。
【0109】ここで数2式は、ライシャワー(Reisache
r)の式(MTZ 27/10 1966-10)であるが、他の演算式を
用いてもかまわない。
【0110】ステップ35ではこの熱発生率dQを積算す
る(積算値がQ)。ステップ36ではタイマTcplの値と燃焼
初期期間Tdpiを比較し、Tcplが燃焼初期期間Tdpiに達す
るまではステップ33、34、35を繰り返して熱発生率dQ
をQに加算し、やがてTcplが燃焼初期期間Tdpiに達した
ときは、ステップ37に進んで、Qの値を初期燃焼量Rcom
bに移す。
【0111】上記の燃焼初期期間Tdpiは図25に示した
ように、回転数Neに応じて予め設定した値である。回転
数Neが大きくなるほどTdpiの値を小さくしているのは、
回転数が大きくなるほど初期燃焼期間が短くなるからで
ある。
【0112】これで、初期燃焼量Rcombの演算を終了し
たので、ステップ38でタイマTcplと熱発生量Qをリセッ
トする。
【0113】図26は2つの作動状態のいずれかを選択
するためのもので、Ref信号の入力毎に実行する。
【0114】ステップ41では初期燃焼量Rcomb、噴射モ
ードフラグFinjを読み込む。ステップ22では作動状態フ
ラグをみて第1の作動状態であるときは、ステップ42に
進み、図27を内容とするテーブルを参照して初期燃焼
量の判定値Trcomb crを求める。ステップ43では初期燃
焼量Rcombとこの判定値Trcomb crを比較し、Rcomb>Trc
omb crでありかつRcomb>Trcomb crである条件が所定サ
イクルu以上成立したときは、第2の作動状態を選択す
るためステップ28に進み、それ以外のとき(Rcomb≦Trc
omb crであるときや、Rcomb>Trcomb crである条件が所
定サイクルu以上成立しないとき)は、現在の作動状態
を維持するためステップ25に進む。
【0115】一方、第1の作動状態でないときは、ステ
ップ22よりステップ44に進み、図28を内容とするテー
ブルを参照して初期燃焼量の判定値Trcomb jkを求め
る。ステップ44では初期燃焼量Rcombとこの判定値Trcom
b jkを比較し、Rcomb<Trcomb jkでありかつRcomb<Trco
mb jkである条件が所定サイクルu以上成立したとき
は、第1の作動状態を選択するためステップ25に進み、
それ以外のとき(Rcomb≧Trcomb jkであるときや、Rcom
b<Trcomb jkである条件が所定サイクルu以上成立しな
いとき)は、現在の作動状態を維持するためステップ28
に進む。
【0116】このように第2実施形態では、初期燃焼量
を演算するため精度のよい筒内圧センサが必要となる
が、制御すべき制御対象を直接に演算しているので、判
定値Trcomb cr、Trcomb jkの適合が容易であるととも
に、いずれの作動状態を選択すべきかの選択の精度が向
上する。
【0117】図29、図30は本発明の第3実施形態
で、第2実施形態の図24、図26に対応する。図2
9、図30において図24、図26と同一部分には同一
のステップ番号を付けている。
【0118】図29は燃焼期間を演算するためのもの
で、1msec毎に実行する。
【0119】第2実施形態の図24と相違する部分を主
に説明すると、ステップ51では、熱発生率dQと判定値K
qcomb(一定値)を比較する。燃焼が終了すると、熱発生
率は小さくなる。したがって、dQ≦Kqcombになると、
燃焼が終了したと判断してステップ52に進み、タイマTc
plの値を燃焼期間Tcombに移す。
【0120】図30は2つの作動状態のいずれかを選択
するためのもので、Ref信号の入力毎に実行する。
【0121】ここでも、第2実施形態の図26と相違す
る部分を主に説明すると、第1の作動状態であるとき
は、ステップ62に進み、図31を内容とするテーブルを
参照して燃焼期間の判定値KTcomb crを求める。ステッ
プ63では燃焼期間Tcombとこの判定値KTcomb crを比較
し、Tcomb>KTcomb crである条件が成立したときは、第
2の作動状態を選択するためステップ28に進み、Tcomb
≦KTcomb crであるときは、現在の作動状態を維持する
ためステップ25に進む。
【0122】一方、第1の作動状態でないときは、ステ
ップ22よりステップ64に進み、図32を内容とするテー
ブルを参照して燃焼期間の判定値KTcomb jkを求める。
ステップ65では燃焼期間Tcombとこの判定値KTcomb jkを
比較し、Tcomb<KTcomb jkである条件が成立したとき
は、第1の作動状態を選択するためステップ25に進み、
Tcomb≧KTcomb jkであるときは、現在の作動状態を維持
するためステップ28に進む。
【0123】このように第3実施形態では、燃焼期間を
検出するため燃焼の初めと終わりが分かればよいだけな
ので、安価なシステムでよく、また第1実施形態に比べ
れば比較的長い時間を計測するためタイマの精度もあま
り必要でない。このためシステムが安価な割りにはいず
れの作動状態を選択すべきかの選択の精度がよく、かつ
判定値KTcomb cr、KTcomb jkの適合も容易である。
【0124】図33、図34は第4実施形態で、第1実
施形態の図14、図17に対応する。図33、図34に
おいて図14、図17と同一部分には同一のステップ番
号を付けている。また、図33において第2実施形態の
図24と同一と同一部分にも同一のステップ番号を付け
ている。
【0125】図33は筒内圧の2階時間微分値d2Pi2お
よび初期燃焼量Rcombを演算するためのもので、1msec
毎に実行する。
【0126】第1実施形態と相違する部分を主に説明す
ると、筒内圧変化率dPiの演算のためにはデータサンプ
リングを数クランク角毎に行う必要があるので、Ref信
号の入力毎である図14のほうでは行うことができなか
ったが、図33は1msec毎であるため、第4実施形態で
は、こちらのほうで筒内圧変化率dPiの演算を行ってい
る(ステップ72、73)。
【0127】続くステップ74ではd2Pi2=dPin−dPin-x
(ただしxは任意の整数)の式で筒内圧の2階時間微分
値d2Pi2を計算する。
【0128】ここで、dPinは今回のサイクルでの筒内圧
変化率、dPin-xはxサイクル前の筒内圧変化率である。
たとえば、x=1のとき、d2Pi2はn−1サイクル前
(すなわち1サイクル前)の筒内圧変化率との差分にな
る。
【0129】筒内圧の2階時間微分値d2Pi2の計算はタ
イマTcplの値が燃焼初期期間Tdpiとなるまで繰り返し、
Tcpl>Tdpiとなったタイミングでステップ36よりステッ
プ37以降に進む。
【0130】図34は2つの作動状態のいずれかを選択
するためのもので、Ref信号の入力毎に実行する。
【0131】ステップ91では筒内圧変化率dPi、筒内圧
2階時間微分値d2pi2、作動状態フラグFinj、初期燃焼
量Rcombを読み込む。
【0132】第1の作動状態であるときは、ステップ22
よりステップ92に進み、エンジン回転数Neから図35を
内容とするテーブルを参照して筒内圧変化率dPiと筒内
圧2階時間微分値d2pi2の各判定値TdPi cr、Td2pi2 cr
を求め、筒内圧変化率dPiとその判定値TdPi crを、筒内
圧2階時間微分値d2pi2とその判定値Td2pi2 crをステッ
プ93においてそれぞれ比較する。
【0133】dPi>TdPi crかつd2pi2>Td2pi2 crである
ときは、第2の作動状態を選択するため、ステップ28に
進み、これ以外のとき(dPi≦>TdPi crであるときやd2
pi2≦Td2pi2 crであるとき)は現在の作動状態を継続す
るため、ステップ25に進む。
【0134】一方、第1の作動状態でないときは、第2
実施形態と同じである。
【0135】このように、第4実施形態では、第1の作
動状態において筒内圧の2階時間微分値d2pi2より第2
の作動状態にすべきかどうかを判定するので、筒内圧セ
ンサのバラツキによる出力のオフセットの影響を受ける
ことがない。したがって、比較的安価な筒内圧センサで
あっても、第1の作動状態から第2の作動状態へと精度
よく切換えることができる。
【0136】実施形態では、図1に示す構成により、着
火性の良い噴霧を供給する作動状態着火性の悪い噴霧を
供給する作動状態とを選択的に切換える場合で説明した
が、噴霧の着火性を切換えることが可能な燃料噴射装置
は、これに限られるものでなく、たとえばノズルの噴孔
径、針弁の最大リフトあるいは針弁の偏心量を選択的に
切換えるものでも可能であり、このような構成の装置を
用いても、着火性に応じた本発明の制御を適用すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の燃料供給系統を示す構成
図。
【図2】燃料噴射インジェクタの概略断面図。
【図3】VCOタイプのノズルの先端部の断面図。
【図4】理想的ノズルの噴孔内における燃料流速分布を
示す図。
【図5】図2のA−A線矢視図。
【図6】図4のB−B線、C−C線の各矢視図。
【図7】EGR制御システム図。
【図8】作動状態の違いによる燃焼への影響を示す波形
図。
【図9】作動状態の違いによるスモーク、CPL、排気
(NOx、PM)の各特性図。
【図10】着火遅れ期間の判定値を説明するための特性
図。
【図11】初期燃焼量の判定値を説明するための特性
図。
【図12】燃焼期間の判定値を説明するための特性図。
【図13】燃焼率の変化の判定値を説明するための特性
図。
【図14】第1実施形態の着火遅れ期間の演算を説明す
るためのフローチャート。
【図15】筒内圧変化率の演算を説明するためのフロー
チャート。
【図16】着火判定値の特性図。
【図17】作動状態の選択を説明するためのフローチャ
ート。
【図18】判定値Tdinj crの特性図。
【図19】判定値Tdinj jkの特性図。
【図20】第1の作動状態での噴射時期の特性図。
【図21】第2の作動状態での噴射時期の特性図。
【図22】基本噴射量の特性図。
【図23】目標EGR率の特性図。
【図24】第2実施形態の初期燃焼量の演算を説明する
ためのフローチャート。
【図25】燃焼初期期間の特性図。
【図26】第2実施形態の作動状態の選択を説明するた
めのフローチャート。
【図27】判定値Trcomb crの特性図。
【図28】判定値Trcomb jkの特性図。
【図29】第3実施形態の燃焼期間の演算を説明するた
めのフローチャート。
【図30】第3実施形態の作動状態の選択を説明するた
めのフローチャート。
【図31】判定値KTcomb crの特性図。
【図32】判定値KTcomb jkの特性図。
【図33】第4実施形態の筒内圧2階時間微分値および
初期燃焼量の演算を説明するためのフローチャート。
【図34】第4実施形態の作動状態の選択を説明するた
めのフローチャート。
【図35】判定値TdPi cr、Td2Pi2 crの特性図。
【図36】第1の発明のクレーム対応図。
【符号の説明】
1 燃料供給ポンプ 7 燃料蓄圧室 11 インジェクタ 12 ノズル室 13 ノズルピストン 14 圧力室 16 針弁 19 リターンスプリング 26 コントロールユニット 31 バイパス通路 32、33 三方電磁弁
フロントページの続き Fターム(参考) 3G066 AA07 AA13 AC09 BA22 BA24 BA51 CA38 CB00 CB07U CB11 CB12 CC06U CC08U CC10 CC14 CC53 CC64U CC70 DA00 DA04 DA06 DA08 DA15 DA16 DB06 DB15 DB16 DC01 DC04 DC05 DC09 DC11 DC18 DC26 3G084 AA01 BA11 BA14 BA15 CA04 CA05 DA04 DA10 DA39 EA00 EA11 EA13 EB02 EC02 EC03 FA19 FA21 FA38 3G301 HA02 HA13 JA20 JA24 JA37 KA06 KA13 KA21 LA00 LB06 LB11 LC01 MA18 MA27 NA00 NA05 NA08 NB03 NB06 NE03 NE08 NE16 NE23 NE26 PA01Z PA17Z PB03Z PB08A PB08Z PC00Z PC01Z PD15Z PE01Z PE03Z PE05Z PF03Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】針弁リフトによりノズルシート部が開いた
    とき噴孔から燃料噴射が行われるノズルと、 燃料噴射時の前記ノズルシート部上流の燃料圧力を略一
    定に保つことにより着火性の良い噴霧を供給する作動状
    態と、同じく燃料噴射時の前記ノズルシート部上流の燃
    料圧力の時間的推移を略山型にすることにより着火性の
    悪い噴霧を供給する作動状態とを選択的に切換可能に構
    成した手段と、 前記2つの作動状態の相違により燃焼率の変化の違いと
    して現れるパラメータを検出する手段と、 この検出されたパラメータに基づいて前記2つの作動状
    態のいずれかを選択する手段とを備えることを特徴とす
    るディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】前記パラメータは着火遅れ期間であり、こ
    の着火遅れ期間が判定値よりも短いとき、着火性の良い
    噴霧を供給する作動状態を、また着火遅れ期間が判定値
    よりも長いとき、着火性の悪い噴霧を供給する作動状態
    をそれぞれ選択することを特徴とする請求項1に記載の
    ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。
  3. 【請求項3】前記パラメータは初期燃焼割合であり、こ
    の初期燃焼割合が判定値よりも小さいとき、着火性の良
    い噴霧を供給する作動状態を、また初期燃焼割合が判定
    値よりも長いとき、着火性の悪い噴霧を供給する作動状
    態をそれぞれ選択することを特徴とする請求項1に記載
    のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。
  4. 【請求項4】前記パラメータは燃焼期間であり、この燃
    焼期間が判定値よりも小さいとき、着火性の良い噴霧を
    供給する作動状態を、また燃焼期間が判定値よりも長い
    とき、着火性の悪い噴霧を供給する作動状態をそれぞれ
    選択することを特徴とする請求項1に記載のディーゼル
    エンジンの燃料噴射制御装置。
  5. 【請求項5】前記判定値にヒステリシスを設けることを
    特徴とする請求項2から4までのいずれか一つに記載の
    ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。
  6. 【請求項6】前記パラメータは燃焼率の変化であり、こ
    の燃焼率の変化が判定値よりも小さいとき、着火性の良
    い噴霧を供給する作動状態を保持し、この状態で燃焼率
    の変化が判定値よりも長くなると、着火性の悪い噴霧を
    供給する作動状態を選択することを特徴とする請求項1
    に記載のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。
  7. 【請求項7】前記燃焼率の変化として筒内圧の2階微分
    値を用いることを特徴とする請求項6に記載のディーゼ
    ルエンジンの燃料噴射制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014037834A (ja) * 2012-08-17 2014-02-27 Ge Jenbacher Gmbh & Co Ohg 内燃機関の運用方法
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