JP2000011845A - 雷防護方法及び装置 - Google Patents

雷防護方法及び装置

Info

Publication number
JP2000011845A
JP2000011845A JP10177036A JP17703698A JP2000011845A JP 2000011845 A JP2000011845 A JP 2000011845A JP 10177036 A JP10177036 A JP 10177036A JP 17703698 A JP17703698 A JP 17703698A JP 2000011845 A JP2000011845 A JP 2000011845A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
communication device
commercial power
lightning
circuit
line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10177036A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahito Mizukami
雅人 水上
Hidefumi Ohashi
英史 大橋
Kazuo Murakawa
一雄 村川
Toru Kishimoto
亨 岸本
Hiroo Nose
博夫 能勢
Takahiro Kobayashi
敬博 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP10177036A priority Critical patent/JP2000011845A/ja
Publication of JP2000011845A publication Critical patent/JP2000011845A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Breakers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、雷防護方法及び装置において雷害
故障防護の高信頼化を比較的低コストで実現するととも
に通信機器自体及びそれに保持された情報を雷から保護
することを目的とする。 【解決手段】 通信機器に接続された通信線及び商用
電源線の少なくとも一方から前記通信機器に侵入する雷
電流又は雷電圧を検出し、検出された雷電流又は雷電圧
を、前記通信機器の過電圧耐力又は過電流耐力を考慮し
て予め定められたしきい値と比較し、検出された雷電流
又は雷電圧が前記しきい値を超えた場合に、前記商用電
源線を所定の遮断器を用いて前記通信機器から物理的に
切り離すとともに、所定の予備電源から前記通信機器に
予備電力を供給し、前記商用電源線を通信機器から物理
的に切り離した後で前記商用電源線を通信機器に自動的
に再び接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば家庭用電話
機,ファクシミリ,コンピュータネットワーク機器,構
内用交換機などの通信線及び商用電源線の両方が接続さ
れる各種通信機器を落雷による故障から防護するための
雷防護方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インターネット等を利用した各種
情報サービスが、企業や家庭に急速に普及し始めてお
り、通信事業者が敷設するネットワークだけでなく、企
業内LANや家庭内などのユーザ系の情報通信ネットワ
ークの構築が盛んに進められている。
【0003】そのようなネットワーク上では、家庭用電
話機,コンピュータ,モデム機器,コンピュータネット
ワーク機器,構内用交換機などのように通信線と商用電
源線の両方が接続される通信機器が多く利用される。ま
た、一般家庭の電話機,ファクシミリなども機器自体の
高機能化のために比較的大きな電力を消費するIC,L
SI等の電子回路を多数搭載する必要があり、商用電源
を利用するものが大部分となっている。
【0004】上記のような通信線と商用電源線の両方が
接続される各種通信機器においては、落雷などにより発
生するサージが通信線または商用電源線から侵入する。
そしてサージ電圧が通信機器の耐圧を超えると、通信機
器内の回路を破壊しながら侵入ルートの反対側に抜けて
いくので通信機器に故障が発生する。例えば、通信線か
らサージが侵入する場合、通信機器内の一部分で絶縁を
破壊してサージは商用電源線側に抜ける。また、商用電
源線からサージが侵入する場合、通信機器内の一部分で
絶縁を破壊してサージは通信線側に抜ける。
【0005】このため、従来より通信機器の雷防護技術
が各種検討されてきた。従来の雷防護技術について、図
5を参照して説明する。図5の(a)はバイパスアレス
タ法と呼ばれる技術を示している。この技術では、雷電
流によって生じる過電圧により通信線と商用電源線に取
付けたバイパスアレスタが動作し、通信線と商用電源線
間の電圧を機器の破壊電圧以下におさえるため、通信機
器に対する過電圧印加が防止される。バイパスアレスタ
としては、避雷管やバリスタが用いられる。
【0006】図5の(b)は共通接地法と呼ばれる技術
を示している。この技術では、通信線の接地側ラインと
商用電源線の接地側ラインとを大地アースに共通に接続
する。従って、通信線と商用電源線との間に大きな電位
差が生じないので、通信機器に過電圧が印加されるのを
防止できる。図5の(c),(d)は絶縁法と呼ばれる
技術を示している。この技術では、通信線又は商用電源
線と通信機器との間に絶縁トランスを挿入することによ
り、通信機器と通信線又は商用電源線とを電気的に確実
に絶縁し、通信機器に過電圧が印加されるのを防止す
る。
【0007】ところで、最近の通信機器の多くは様々な
情報を内蔵されたメモリに保持している。また、雷害発
生時に停電等が発生すると、通信機器のメモリに保持さ
れた情報が消去又は破壊される場合が多い。従って、雷
の影響については通信機器自体の故障だけでなく、それ
に保持された情報の破壊も重要な問題になる。停電に対
して情報が破壊されるのを防止するために、従来より通
信機器には蓄電池などのバックアップ電源が搭載されて
いる。そして、停電が発生すると、商用電源からバック
アップ電源に自動的に切り換える。従って、停電が発生
しても一定時間は通信機器に対する電力の供給が継続さ
れ、情報の破壊は防止される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】雷による通信機器の防
護のために上記のバイパスアレスタ法を用いる場合に
は、落雷発生時に通信線または商用電源線から侵入した
電流がバイパスアレスタに流れる場合であっても、通信
線と商用電源線との間には当然電位差が発生し、機器の
破壊電圧近傍まで電圧が機器に印加されることが本質的
に避けられない。
【0009】また、既存住宅で利用される通信機器に上
記共通接地法を適用しようとすると、住宅の改修工事を
必要とするため高いコストが必要になる。さらに、絶縁
トランスを用いる絶縁法については、絶縁トランス自体
が高価であるし、比較的大きな設置スペースが必要にな
るため、一般住宅の通信機器には導入が困難である。
【0010】また、停電時の記憶情報の破壊を防止する
ためにバックアップ電源を搭載している場合であって
も、停電が起きる前に、落雷の影響で通信機器内部に保
持された情報が破壊される場合がある。従って、バック
アップ電源を搭載するだけでは通信機器に保持された情
報を雷から防護できない。本発明は、雷防護方法及び装
置において、雷害故障防護の高信頼化を比較的低コスト
で実現するとともに、通信機器自体及びそれに保持され
た情報を雷から保護することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1は、通信線及び
商用電源線が接続される通信機器の雷防護方法におい
て、通信機器に接続された通信線及び商用電源線の少な
くとも一方から前記通信機器に侵入する雷電流又は雷電
圧を検出し、検出された雷電流又は雷電圧を、前記通信
機器の過電圧耐力又は過電流耐力を考慮して予め定めら
れたしきい値と比較し、検出された雷電流又は雷電圧が
前記しきい値を超えた場合に、前記商用電源線を所定の
遮断器を用いて前記通信機器から物理的に切り離すとと
もに、所定の予備電源から前記通信機器に予備電力を供
給し、前記商用電源線を通信機器から物理的に切り離し
た後で前記商用電源線を通信機器に自動的に再び接続す
ることを特徴とする。
【0012】請求項1の発明によれば、通信機器にしき
い値を超える雷電流又は雷電圧が侵入すると、遮断器に
よって商用電源線が通信機器から物理的に切り離され
る。従って、通信線又は商用電源線に雷電流が現れた場
合に、雷電流の通過ルートが遮断され、しかも通信機器
の通信線接続部分と商用電源線接続部分との間に過大な
電位差が生じるのを避けることができるので、通信機器
を雷から確実に防護できる。
【0013】また、商用電源線を通信機器から物理的に
切り離す時には、予備電源から通信機器に予備電力を供
給するので、この予備電力により通信機器の情報を保持
できる。しかも、商用電源線を通信機器から物理的に切
り離した後で商用電源線を通信機器に自動的に再び接続
するので、限られた予備電力が消耗する前に商用電源線
の電力を利用でき、情報の破壊を確実に防止できる。故
障につながる大きな雷電流が現れるのは一瞬に過ぎない
ので、商用電源線を長時間に渡って切り離す必要はな
い。
【0014】請求項2は、通信線及び商用電源線が接続
される通信機器の雷防護装置において、通信機器に接続
された通信線及び商用電源線の少なくとも一方から前記
通信機器に侵入する雷電流のレベル及び波形に応じた信
号を検出する雷電流検出回路と、前記雷電流検出回路が
検出した信号を、前記通信機器の過電圧耐力又は過電流
耐力を考慮して予め定められるしきい値と比較する比較
回路と、前記比較回路の比較結果に応じて、前記通信機
器に接続された商用電源線を前記通信機器から切り離す
スイッチ回路と、前記通信機器から商用電源線が切り離
されたときに、前記通信機器に予備電力を供給する予備
電源供給回路と、前記通信機器から商用電源線が切り離
された後で、前記商用電源線を通信機器に自動的に再び
接続する自動復旧回路とを設けたことを特徴とする。
【0015】請求項2の発明によれば、通信機器にしき
い値を超える雷電流が侵入すると、スイッチ回路が作動
して商用電源線が通信機器から切り離される。従って、
通信線又は商用電源線に雷電流が現れた場合に、雷電流
の通過ルートが遮断され、しかも通信機器の通信線接続
部分と商用電源線接続部分との間に過大な電位差が生じ
るのを避けることができるので、通信機器を雷から確実
に防護できる。
【0016】また、雷電流検出回路が侵入する雷電流の
レベル及び波形に応じた信号を検出するので、雷電流と
それ以外のノイズとの区別が可能であり、誤動作が生じ
にくい。更に、通信線と商用電源線のアースを共通化す
る必要がなく、絶縁トランスも不要であるため比較的低
コストで実現できる。また、商用電源線を通信機器から
物理的に切り離す時には、予備電源供給回路が通信機器
に予備電力を供給するので、この予備電力により通信機
器の情報が保持される。
【0017】しかも、商用電源線を通信機器から物理的
に切り離した後で、自動復旧回路が商用電源線を通信機
器に自動的に再び接続するので、予備電源供給回路の限
られた電力が消耗する前に商用電源線の電力を再び利用
でき、情報の破壊が確実に防止される。故障につながる
大きな雷電流が現れるのは一瞬に過ぎないので、商用電
源線を長時間に渡って切り離す必要はない。
【0018】請求項3は、請求項2記載の雷防護装置に
おいて、前記通信機器から商用電源線が切り離されてか
ら所定時間が経過したときに前記商用電源線を通信機器
に自動的に再び接続するタイマ回路を前記自動復旧回路
に設けたことを特徴とする。雷電流の波形は、立ち上が
りが早く、立ち下がりは比較的緩やかである。従って、
雷電流が現れるとそのレベルはすぐにピークレベルに達
し、その後比較的なだらかに減衰する。通信機器に故障
や情報の破壊が生じるのは、雷電流のレベルがピークレ
ベルに近い時である。従って、大電流(又は電圧)の検
出により通信機器から商用電源線を切り離してから所定
時間を経過した時には、雷電流のレベルは通信機器の動
作に支障をきたさないレベルまで減衰しているはずであ
る。
【0019】請求項3によれば、タイマ回路を設けるこ
とにより、雷電流の影響を受けなくなったときに自動的
に電源を商用電源に切り換えて通常の動作に復旧するこ
とができる。しかも低コストで自動復旧回路を実現でき
る。請求項4は、請求項2記載の雷防護装置において、
前記雷電流検出回路に積分回路を設け、前記比較回路が
前記積分回路の出力する信号を前記しきい値と比較する
ことを特徴とする。
【0020】請求項4によれば、積分回路を用いること
により、雷電流以外の高周波ノイズや高周波信号などに
反応して誤動作するのを防止できる。また、実際に通信
機器を雷電流から防護する必要がある場合だけ前記スイ
ッチ回路を遮断できる。
【0021】
【発明の実施の形態】実施の形態の雷故障防護装置につ
いて、図1〜図4を参照して説明する。この形態は全て
の請求項に対応する。
【0022】図1は実施の形態の雷防護装置の構成を示
すブロック図である。図2は雷防護ブレーカ20の積分
回路22の特性を測定する回路の構成を示す電気回路図
である。図3は雷防護ブレーカ20の積分回路22の特
性測定結果を示すグラフである。図4は実施の形態の雷
防護装置の動作を示すタイムチャートである。この形態
では、請求項2の雷電流検出回路,比較回路,スイッチ
回路,予備電源供給回路及び自動復旧回路は、それぞれ
変流器21,コンパレータ23,リレー24,予備電源
ユニット40及びタイマ回路26に対応する。
【0023】また、請求項3のタイマ回路はタイマ回路
26に対応し、請求項4の積分回路は積分回路22に対
応する。図1に示す雷防護装置は、雷防護ブレーカ20
と予備電源ユニット40とで構成されている。図1に示
すように、通信機器10の通信線接続端子11及び商用
電源線接続端子12には、それぞれ通信線51及び商用
電源線52が接続されている。
【0024】また、商用電源線接続端子12と商用電源
線52との間に雷防護ブレーカ20が挿入してある。予
備電源ユニット40の出力は、通信機器10の商用電源
線接続端子12と接続されている。雷防護ブレーカ20
は、変流器21,積分回路22,コンパレータ23,リ
レー24,タイマ回路26及びリセットスイッチ27を
備えている。また、コンパレータ23にはしきい値調整
器25が接続されている。
【0025】リレー24の電気接点は通常は閉じている
ので、通常は商用電源線52が通信機器10の商用電源
線接続端子12と接続されている。落雷などによって生
じた雷電流が商用電源線52に現れると、変流器21の
一次側巻線に流れる雷電流によって変流器21の二次側
巻線に電圧V1が誘起される。この電圧V1が積分回路
22に印加される。
【0026】この例では、積分回路22は抵抗R1とコ
ンデンサC1とで構成されている。積分回路22が出力
する積分出力電圧Vcは、コンデンサC1の端子間電圧
である。コンパレータ23は、しきい値調整器25によ
って予め調整されたしきい値電圧と積分出力電圧Vcと
のレベルを比較して、その結果を示す2値信号を出力す
る。
【0027】コンパレータ23が出力する2値信号によ
ってリレー24がオン/オフ制御される。すなわち、積
分出力電圧Vcがしきい値を超えると、リレー24に内
蔵された駆動コイルに通電され、リレー24の電気接点
が開く。これにより、商用電源線接続端子12と商用電
源線52とが物理的に遮断される。雷防護ブレーカ20
は、商用電源線52に現れる雷電流の電流波形を積分回
路で平滑化して検出するため、商用電源線52に現れる
交流電流や誘導ノイズなどに反応して誤動作しないとい
う特長がある。
【0028】すなわち、変流器21の二次側巻線に現れ
る電圧V1を積分回路22で積分することにより、雷電
流のピークレベルに比例する積分出力電圧Vcが得られ
る。商用電源線52に通常現れる交流電流や誘導ノイズ
などに対しては、積分出力電圧Vcはほとんど0であ
る。そして、雷電流波形のピーク値がコンパレータ23
にセットされたしきい値を超えた場合にのみ、リレー2
4が作動して商用電源線接続端子12と商用電源線52
とを物理的に遮断する。
【0029】タイマ回路26の出力によって制御される
リセットスイッチ27(リレーなど)の電気接点は、通
常は開いている。タイマ回路26は、コンパレータ23
が出力する信号28によってトリガされる。すなわち、
積分出力電圧Vcがしきい値を超えてリレー24の電気
接点を開く時にタイマ回路26は計時を開始する。タイ
マ回路26がトリガされてから所定時間Taが経過する
と、タイマ回路26はパルス信号を出力してリセットス
イッチ27の電気接点を一時的に閉じる。
【0030】リセットスイッチ27の電気接点が閉じる
と、コンデンサC1の端子間が短絡されるので、コンデ
ンサC1に蓄積された電荷が放電し、積分出力電圧Vc
が0[V]に近いレベルにリセットされる。従って、コ
ンパレータ23の出力する信号28のレベルが反転し、
リレー24の電気接点が自動的に閉じ、商用電源の遮断
状態は解除される。
【0031】一方、予備電源ユニット40は蓄電池41
及びスイッチ回路42を備えている。スイッチ回路42
は、雷防護ブレーカ20からの信号28に従って動作
し、蓄電池41から商用電源線接続端子12への電力供
給をオン/オフ制御する。通常は、スイッチ回路42は
蓄電池41から商用電源線接続端子12への電力供給を
遮断する。そして、積分出力電圧Vcがしきい値を超え
て雷防護ブレーカ20がリレー24の電気接点を開く時
には、信号28によってスイッチ回路42の状態が切り
替わり、蓄電池41に蓄積された予備電力がスイッチ回
路42を介して商用電源線接続端子12に供給される。
【0032】また、時間Taが経過してタイマ回路26
及びリセットスイッチ27により積分出力電圧Vcがリ
セットされると、信号28のレベルが反転するので、そ
れに応答してスイッチ回路42の状態が切り替わり、予
備電源ユニット40から商用電源線接続端子12への電
力供給は遮断される。この時には、リレー24の電気接
点が閉じるので、商用電源線52から商用電源線接続端
子12に電力が供給される。
【0033】図1に示す雷防護ブレーカ20及び予備電
源ユニット40の動作の概略は図4に示すとおりであ
る。図2(a)に示す回路を用いて、図1の積分回路2
2の特性をシミュレーションにより測定した。この測定
により得られた、抵抗R1の抵抗値が10KΩの場合の
測定結果を図3に示す。
【0034】図2(a)の回路においては、電圧V1を
発生するために雷サージ発生回路30を用いた。この雷
サージ発生回路30は、図2(b)に示すような波形の
電圧V1を発生する。具体的には、電圧V1のピークレ
ベルは約100[V]、立ち上がり時間は0.1[μs]、立
ち下がり時間は40[μs]である。これは、約60[A]の
雷電流が流れたことに相当する状態を模擬したものであ
る。
【0035】図3に示す特性に基づいて、コンデンサC
1の容量を0.11[μF]に定めれば、図2の電圧V1に対
して約3[V]の積分出力電圧Vcが得られる。その場
合、コンパレータ23のしきい値レベルを3[V]より少
し低いレベルに定めれば、60[A]程度の雷電流を検出
したときにリレー24を制御して、商用電源線52を商
用電源線接続端子12から切り離すことができる。
【0036】実際には、通信機器10の耐圧などを考慮
してコンパレータ23のしきい値レベルを調整すること
により、通信機器10は雷電流による故障から確実に保
護される。
【0037】リレー24を用いて商用電源線52を商用
電源線接続端子12から物理的に切り離すので、商用電
源線52から侵入した雷電流が通信線51側に漏れるこ
とはない。しかも、商用電源線52を通信線接続端子1
1から切り離す際には、予備電源ユニット40から商用
電源線接続端子12に予備電力が供給されるので、この
予備電力により通信機器10の内部メモリの情報はその
まま保持され、情報の消滅や破壊は防止される。
【0038】図1に示す雷防護装置を実際に試作して実
験を行った結果、シミュレーションと同様の結果が得ら
れた。つまり、本発明の方法及び装置により、雷電流発
生時に商用電源線52を商用電源線接続端子12から物
理的に切り離すことができ、通信機器10側に過電圧が
かからず、通信機器10のハードウェア及びそれに保持
される情報の防護が可能なことが確認できた。
【0039】なお、図1に示す雷防護装置においては、
電気接点が1つのリレー24を用いて商用電源線52の
1つのラインだけを遮断するように構成してあるが、複
数の電気接点が連動して動作するリレーを用いて、電源
の2つ以上のラインを同時に遮断するように構成しても
良い。また、図1に示す雷防護装置においては商用電源
線52の雷電流を検出するために変流器21を用いた
が、非接触の電流プローブを変流器21の代わりに用い
ても良い。
【0040】また、図1の実施の形態では商用電源線5
2と商用電源線接続端子12との間に雷防護ブレーカ2
0を挿入する場合を示したが、雷防護ブレーカ20の検
出要素である変流器21を通信線51に配置しても良
い。また、雷防護ブレーカ20の検出要素である変流器
21を商用電源線52及び通信線51の両方に設けて、
通信線51及び商用電源線52の少なくとも一方で雷電
流を検出した場合に商用電源線52を遮断するように構
成しても良い。
【0041】更に、図1の実施の形態では、予備電源ユ
ニット40から商用電源線接続端子12への予備電力供
給のオン/オフを信号28により制御する場合を示した
が、例えば商用電源線接続端子12の電圧を監視して、
この電圧の低下を検知した場合に予備電源ユニット40
から商用電源線接続端子12への予備電力の供給を自動
的に開始するように構成しても良い。
【0042】また、図1の実施の形態ではタイマ回路2
6を用いて予備電源から商用電源への復旧を自動的に制
御しているが、同様の制御を実現できるものであれば、
タイマ回路26以外の回路を用いても良い。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の雷防護
方法によれば、雷電流を検出して商用電源線を切り離す
ので、商用電源線から通信線へ、又は商用電源線から通
信線へ抜ける雷電流が阻止され、通信機器の雷故障防護
の高信頼化が実現する。しかも、商用電源線を切り離す
際には予備電力が通信機器に供給されるので、通信機器
が保持する情報の破壊が防止される。
【0044】また、請求項2の雷防護装置によれば、請
求項1の効果を達成する装置を安価に実現できるので、
実用化に際して極めて効果的である。また、請求項3は
雷防護装置のコストを低減するのに効果的である。更
に、請求項4の雷防護装置によれば、積分回路を設ける
ので雷電流とそれ以外のノイズとが区別され誤動作の発
生が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の雷防護装置の構成を示すブロック
図である。
【図2】雷防護ブレーカ20の積分回路22の特性を測
定する回路の構成を示す電気回路図である。
【図3】雷防護ブレーカ20の積分回路22の特性測定
結果を示すグラフである。
【図4】実施の形態の雷防護装置の動作を示すタイムチ
ャートである。
【図5】従来の雷防護技術の構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
10 通信機器 11 通信線接続端子 12 商用電源線接続端子 20 雷防護ブレーカ 21 変流器 22 積分回路 23 コンパレータ 24 リレー 25 しきい値調整器 26 タイマ回路 27 リセットスイッチ 28,29 信号 30 雷サージ発生回路 40 予備電源ユニット 41 蓄電池 42 スイッチ回路 51 通信線 52 商用電源線 R0,R1 抵抗 C1 コンデンサ V1 電圧 Vc 積分出力電圧
フロントページの続き (72)発明者 村川 一雄 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 岸本 亨 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 能勢 博夫 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 小林 敬博 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5G030 XX03 YY11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通信線及び商用電源線が接続される通信
    機器の雷防護方法において、 通信機器に接続された通信線及び商用電源線の少なくと
    も一方から前記通信機器に侵入する雷電流又は雷電圧を
    検出し、 検出された雷電流又は雷電圧を、前記通信機器の過電圧
    耐力又は過電流耐力を考慮して予め定められたしきい値
    と比較し、 検出された雷電流又は雷電圧が前記しきい値を超えた場
    合に、前記商用電源線を所定の遮断器を用いて前記通信
    機器から物理的に切り離すとともに、所定の予備電源か
    ら前記通信機器に予備電力を供給し、 前記商用電源線を通信機器から物理的に切り離した後で
    前記商用電源線を通信機器に自動的に再び接続すること
    を特徴とする雷防護方法。
  2. 【請求項2】 通信線及び商用電源線が接続される通信
    機器の雷防護装置において、 通信機器に接続された通信線及び商用電源線の少なくと
    も一方から前記通信機器に侵入する雷電流のレベル及び
    波形に応じた信号を検出する雷電流検出回路と、 前記雷電流検出回路が検出した信号を、前記通信機器の
    過電圧耐力又は過電流耐力を考慮して予め定められるし
    きい値と比較する比較回路と、 前記比較回路の比較結果に応じて、前記通信機器に接続
    された商用電源線を前記通信機器から切り離すスイッチ
    回路と、 前記通信機器から商用電源線が切り離されたときに、前
    記通信機器に予備電力を供給する予備電源供給回路と、 前記通信機器から商用電源線が切り離された後で、前記
    商用電源線を通信機器に自動的に再び接続する自動復旧
    回路とを設けたことを特徴とする雷防護装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の雷防護装置において、前
    記通信機器から商用電源線が切り離されてから所定時間
    が経過したときに前記商用電源線を通信機器に自動的に
    再び接続するタイマ回路を前記自動復旧回路に設けたこ
    とを特徴とする雷防護装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の雷防護装置において、前
    記雷電流検出回路に積分回路を設け、前記比較回路が前
    記積分回路の出力する信号を前記しきい値と比較するこ
    とを特徴とする雷防護装置。
JP10177036A 1998-06-24 1998-06-24 雷防護方法及び装置 Pending JP2000011845A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10177036A JP2000011845A (ja) 1998-06-24 1998-06-24 雷防護方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10177036A JP2000011845A (ja) 1998-06-24 1998-06-24 雷防護方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000011845A true JP2000011845A (ja) 2000-01-14

Family

ID=16024035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10177036A Pending JP2000011845A (ja) 1998-06-24 1998-06-24 雷防護方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000011845A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103069788A (zh) * 2010-08-26 2013-04-24 佳能株式会社 传真通信设备及其控制方法
CN112834808A (zh) * 2020-12-31 2021-05-25 广东电网有限责任公司电力科学研究院 一种雷电侵入波监测方法和系统

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103069788A (zh) * 2010-08-26 2013-04-24 佳能株式会社 传真通信设备及其控制方法
CN103069788B (zh) * 2010-08-26 2015-09-02 佳能株式会社 传真通信设备及其控制方法
CN112834808A (zh) * 2020-12-31 2021-05-25 广东电网有限责任公司电力科学研究院 一种雷电侵入波监测方法和系统
CN112834808B (zh) * 2020-12-31 2023-02-17 广东电网有限责任公司电力科学研究院 一种雷电侵入波监测方法和系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2683429C (en) Voltage surge and overvoltage protection
US8295017B2 (en) Electrical wiring device
US6229682B1 (en) Transient voltage surge suppressor
US8953289B2 (en) Electrical wiring device
CN103733457A (zh) 用于电弧减轻系统的自适应光检测
US7239491B1 (en) Protective device with miswire protection
JP2000503516A (ja) 接続装置、特にttおよびtn回路網に対する差し込み装置
CZ42298A3 (cs) Oddělovací zařízení pro svodič přepětí
US6671149B1 (en) Systems and methods for protecting vulnerable micro electro-mechanical system (MEMS) and electronic relay devices
JP4756991B2 (ja) 自動投入機構を備えたサージ保護装置
CA2656319C (en) System and method for mitigating an electrical arc fault
KR200312397Y1 (ko) 자동복귀형 누전차단기
US6683768B2 (en) Circuit topology for protecting vulnerable micro electro-mechanical system (MEMS) and electronic relay devices
JP2000011845A (ja) 雷防護方法及び装置
JP4196026B2 (ja) 襲雷検出回路
WO2004054062A1 (ja) 雷害保護装置
JP2001197679A (ja) 雷防護機能付無停電電源装置
JP4182517B2 (ja) 雷害保護装置
JPH09180069A (ja) 盗難防止装置を備えたカーラジオ
JP4048495B2 (ja) 雷防護装置
JP2000076984A (ja) 雷害故障防護用ブレーカ回路
JPH11339627A (ja) 雷害故障防護方法及び装置
KR200203518Y1 (ko) 다기능 매립형 콘센트
JPH1028322A (ja) 地絡保護用保安器
CN110435457A (zh) 带有小电流注入功能的便携式电动汽车充电器