JP2000009073A - 多層式真空ポンプ及びその組み立て方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 組立が簡単で加工及び組立精度コントロール
が優れた多層式真空ポンプを提供することである。 【解決手段】 真空ポンプが回転軸セットとそれぞれ連
続するカバーと隔板を含み、回転軸セットの回転軸とロ
ーターは一体構成される。カバーと隔板セットで連続す
る圧縮空間を構成し、その隔板は対称の板体で構成す
る。また隔板の適当な所に環溝を設けて、そこに弾性体
を取り付ける。組み立てる時、カバーは隔板上の弾性体
を圧迫し、ローターと隔板間の隙間をコントロールして
同時に密封する。その組立て方法は、先に高圧端軸受台
と伝動軸及びローターを組立て、同時に高圧端軸受台の
端板とローターの間隔値をコントロールしてから、カバ
ーを取り付けて層圧縮空間を形成する。次に隔板とカバ
ーを取り付けて層圧縮空間を形成し、同時に隔板で隣り
合う圧縮空間を分け、前述ステップを繰り返して各層圧
縮空間の構成を完成し、組立を容易にする目的を達成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は多層式真空ポンプの
技術に関し、特に組立が簡単で組立て精度と加工精度コ
ントロールが優れた多層式真空ポンプに関する。

【０００２】

【従来の技術】半導体製造設備で真空システムは非常に
幅広く応用されている。例えば薄膜沈積、ドライエッチ
ング（Dry etching）、イオン注入（Ion implantatio
n）及び微撮影等に使用する高価な主要製造工程設備は
全て真空システム環境で使用される。真空技術において
真空ポンプは真空システムの心臓というべきところで、
真空ポンプの性能が真空システムの優劣を決定する。真
空ポンプの性能はその製造と組立て精度に関係し、多層
式真空ポンプで隙間コントロールは非常に厳しいものが
要求される。特に軸上のローターの位置精度を正確にし
なければならず、各層圧縮空間中のローターと隣り合う
板体との隙間は非常に小さい。アメリカ特許第５、０１
３、２２７号の多層式ローター真空ポンプは優れた組立
精度を有するけれども、そのパーツは多すぎてコストが
比較的大きかった。また製造工程がとても複雑な欠点も
あった。また従来のものには、ローターと回転軸が一体
構成された真空ポンプがある。その真空ポンプの圧縮空
間は二つの対称なカバーにより形成され、パーツが少な
く組立が簡単だけれども、その隙間の精度をコントロー
ルするのが難しい欠点があった。そのため組立てが簡単
で、精度コントロールが優れた多層式真空ポンプを提供
することが課題であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
組立が簡単で加工及び組立精度コントロールが優れた多
層式真空ポンプを提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】真空ポンプが回転軸セッ
トとそれぞれ連続するカバーと隔板を含み、回転軸セッ
トの回転軸とローターは一体構成される。カバーと隔板
セットで連続する圧縮空間を構成し、その隔板は対称の
板体で構成する。また隔板の適当な所に環溝を設けて、
そこに弾性体を取り付ける。組み立てる時、カバーは隔
板上の弾性体を圧迫し、ローターと隔板間の隙間をコン
トロールして同時に密封する。その組立て方法は、先に
高圧端軸受台と伝動軸及びローターを組立て、同時に高
圧端軸受台の端板とローターの間隔値をコントロールし
てから、カバーを取り付けて層圧縮空間を形成する。次
に隔板とカバーを取り付けて層圧縮空間を形成し、同時
に隔板で隣り合う圧縮空間を分け、前述ステップを繰り
返して各層圧縮空間の構成を完成し、組立を容易にする
目的を達成する。

【０００５】

【発明の実施の形態】図１と図２に示すように、本発明
の真空ポンプは回転軸セット及びそれぞれ連続したカバ
ー１２と隔板１３を含み、回転軸セットの回転軸１１と
ローター１８は一体構成されている。圧縮空間１５はそ
れぞれカバー１２を形成し、真空ポンプは定時歯車１４
で駆動される。ローター１８は１：１の回転速度を維持
し、気体に対して搬送、圧縮、排気などを行い、空気を
抜く効果を達成する。真空ポンプの性能とその製造及び
組立精度との間には大きな関係があり、多層式真空ポン
プの隙間コントロールには厳格さがとても要求され、特
にローター軸上の位置に正確な精度が求められる。アメ
リカ特許第５、０１３、２２７号の多層式ルートポンプ
（Multistage roots pump）の各層圧縮空間中のロータ
ーと回転軸は、ローターがネジで軸上に固定されるた
め、組み立てる時、そのローターの軸方向の隙間に対し
て優れた精度コントロールを有する。しかし、組み立て
るパーツが多かったため、組立て工程が複雑な欠点があ
った。

【０００６】本発明は組立が簡単なように、その回転軸
を構成するローター１８と回転軸１１を一体にして、多
層式真空ポンプの回転軸１１の軸上隙間のコントロール
精度を非常に正確にする。そのため本発明は組立が容易
になるだけでなく回転軸１１の軸方向の隙間コントロー
ルも達成することができる。図３に示すように、真空ポ
ンプを組み立てる時、高圧の圧縮空間１５（Ｈ５）から
低圧の圧縮空間１５（Ｌ１）へ順番に組み立てる。１個
目の圧縮空間１５（Ｈ５）を組み立てる時、その端板１
６及び回転軸セットを先に組み立て、圧縮空間１５（Ｈ
５）の一端の軸方向基面を端板１６にする。適当な調整
により端板１６と回転軸を組立て、圧縮空間１５（Ｈ
５）のローター１８と端板１６の軸方向間隔の精度は容
易にコントロールできるため組立の問題が無くなる。上
に順番に形成する圧縮空間１５は間隔Ｉのコントロール
が難しいが、組立てる時に隔板１３の弾性体を利用し
て、ローターの軸方向の隙間をコントロールして容易に
組立ができるようにする。

【０００７】図４と図５に示すのは、各層圧縮空間のカ
バーと隔板の斜視図と断面図で、各層の圧縮空間１５は
カバー１２と隔板１３で形成され、カバー１２の中空１
２１は圧縮空間１５の空間を分ける。軸距離は予め設定
したＤ間距で、孔１２２は各層気体を搬送、圧縮、排気
する進出口である。隔板１３は対称板体で、対称板体を
回転軸１１上に嵌めて隔板１３を形成し、各層の圧縮空
間１５を隔離し、隔板１３は適当な所に環溝を有し、そ
こに弾性体１７を設ける。隔板１３の厚さはカバー１２
中空部が形成する軸距離Ｊの間隔距離と同じにして、カ
バー１２で隔板１３を蓋する時、組立の問題を無くして
密封を達成する。

【０００８】機械加工の製造工程にとって、これらカバ
ー１２と隔板１３の形成は、カバー１２が隔板１３凹槽
の間隔Ｊを覆うという以外に、そのサイズにより優れた
精度コントロールを達成することができる。圧縮空間１
５軸方向の間距Ｄはカバー１２の高さＡから隔板１３の
高さＢを引いた距離と同じもので、また回転軸セットは
一体構成され、各層圧縮空間１５のカバー１２と隔板１
３を形成する。組立てる時、その密封と間隔値の精度コ
ントロールを簡単にするため、隔板１３をカバー１２の
凹槽間隔Ｊに入れ、隔板端面１３１とカバー端面１２３
を合わせ、カバー１２と隔板１３の端面との間隔コント
ロールと密封問題をなくす。そして端部の間隔値のコン
トロールが良くない組立上の問題をなくすため、本発明
は隔板１３に設けた、弾力特性を有し変形する弾性体１
７を利用する。カバー１２の凹槽間距離Ｊの精度コント
ロールは、間距離Ｊを隔板１３の厚さＢより少し大きく
する。組み立てる時、隔板１３とカバー１２の圧迫によ
り弾性体１７を押し、弾性体１７の弾力により、隔板１
３はカバー１２のカバー端面１２３を押し、カバー端面
１２３と平面が揃う。このように間距Ｊの精度コントロ
ールと隙間調整が難しい組立上の問題をなくし、密封を
達成して各層の圧縮空間１５を形成する。各層圧縮空間
１５を組立てた後、従来のローター定位、隙間調整及び
密封式モーター組立て技術により真空ポンプの組立を完
成する。

【０００９】本発明の多層式真空ポンプの組立て方法
は、下記のステップによる。 （a）高圧端軸受台と高圧端板を組み立てる。 （b）伝動軸及びローターを高圧端軸受台に取り付け
る。 （c）高圧端板上にカバーを取り付け、同時に層圧縮空
間（Ｈ５）を形成する。 （d）対称板体の隔板を回転軸上に取り付け、カバーで
層圧縮空間を形成する。 （e）dのステップを繰り返して各層の圧縮空間を形成す
る。 （f）低圧端板及び軸受を組み立てる。 （g）ローターの方向を定め、歯車を取り付ける。 （h）ローター軸方向の隙間調整。 （i）モーター軸受、密封室モーター及び気管アダプタ
ーを取り付ける。 上述のステップで、多層式真空ポンプは回転軸が一体構
成され、各層圧縮空間内ローター軸方向の間隔調整は従
来の技術のため本発明では説明を省略した。しかし、圧
縮空間のカバーと隔板間の関係を詳しく説明した。本発
明はローター軸方向間隔調整が、端板と軸受台の間にた
だ一回のワッシャー調整を加えるだけで、各層のロータ
ー軸方向間隔調整を完成する。このように組立が簡単
で、且つローターの軸方向間隔コントロールと密封を達
成した。

【００１０】

【発明の効果】本発明は隔板に弾性体を設けて、ロータ
ーと隔板間の隙間をコントロールすることにより、組立
が簡単で且つローターの軸方向間隔コントロールを達成
して密封効果も達成する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の多層式真空ポンプの断面図である。

【図２】本発明の圧縮空間部分の横断面図である。

【図３】本発明の圧縮空間部分の縦断面図である。

【図４】本発明の各層圧縮空間のカバーと隔板の分解斜
視図である。

【図５】本発明の各層圧縮空間のカバーと隔板の断面図
である。

【符号の説明】

１１ 回転軸 １２ カバー １３ 隔板 １４ 歯車 １５ 圧縮空間 １６ 端板 １７ 弾性体 １８ ローター １２１ 中空 １２２ 孔 １２３ カバー端面 １３１ 隔板端面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 簡榮禎 台湾 新竹縣竹北市十興里22鄰安▲けい▼ 寮10号 (72)発明者 林宗信 台湾 新竹市振興路85巷２号11楼

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】それぞれ連続するカバー、隔板、回転軸及
   びローターで構成された多層式真空ポンプ及びその組立
   方法において、回転軸とローターが一体形成され、各層
   の圧縮空間がそれぞれ別のカバーにより形成され、各層
   圧縮空間を分ける隔板が対称板体で形成することを特徴
   とする多層式真空ポンプ及びその組み立て方法。
2. 【請求項２】カバーと隔板を組合せて圧縮空間を形成す
   ることを特徴とする請求項１記載の多層式真空ポンプ及
   びその組み立て方法。
3. 【請求項３】隔板の適当な所に弾性体を設け、組合せる
   時カバーが弾性体を押し、隔板端面とカバー端面を合わ
   せて平面にして、ローターと隔板の隙間をコントロール
   して密封効果を達成することを特徴とする請求項１また
   は請求項２記載の多層式真空ポンプ及びその組み立て方
   法。
4. 【請求項４】カバーが一体形成された中空カバーで、そ
   の中空部頂縁から軸方向間距までが圧縮空間の空間体
   で、圧縮空間の空間体から中空部底縁までが隔板を入れ
   る空間体であることを特徴とする請求項１記載の多層式
   真空ポンプ及びその組み立て方法。
5. 【請求項５】弾性体がＯ形であることを特徴とする請求
   項３記載の多層式真空ポンプ及びその組み立て方法。
6. 【請求項６】弾性体がゴム材質であることを特徴とする
   請求項５記載の多層式真空ポンプ及びその組み立て方
   法。
7. 【請求項７】真空ポンプがそれぞれ連続するカバーと隔
   板を含み、回転軸セットは一体構成され、その各層の圧
   縮空間はそれぞれ別のカバーにより形成され、隔板が各
   層の圧縮空間を分け、その組立ステップが、（a）高圧
   端軸受台と高圧端板を組み立て、（b）伝動軸及びロー
   ターを高圧端軸受台に取り付け、（c）高圧端板上にカ
   バーを取り付け、同時に層圧縮空間（Ｈ５）を形成し、
   （d）対称板体の隔板を回転軸上に取り付け、カバーで
   層圧縮空間を形成し、（e）dのステップを繰り返して各
   層の圧縮空間を形成し、（f）低圧端板及び軸受を組み
   立て、（g）ローターの方向を定めて、歯車を取り付
   け、（h）ローター軸方向の隙間調整をして、(i) モー
   ター軸受、密封室モーター及び気管アダプターを取り付
   けることを特徴とする多層式真空ポンプ及びその組み立
   て方法。
8. 【請求項８】前記ローターの軸方向の間隔調整が、端板
   と軸受台の間にただ一回のワッシャー調整を加えるだけ
   で、各層のローター軸方向の間隔調整をすることができ
   ることを特徴とする請求項７記載の多層式真空ポンプ及
   びその組み立て方法。