JP2000008301A - トングレールと床板摺動面に潤滑油を給油する加圧式 給油タンク。 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】トングレールの摺動面に潤滑油を給油する油圧
ポンプへ、加圧した潤滑油を送出するための加圧式給油
タンク。 【構成】本発明は、トングレールと床面の摺動部に潤滑
油を供給するための加圧式給油タンクで、給油タンク本
体を油圧シリンダーとし、重量のある上蓋をピストンと
して錘の機能を持たせ、潤滑油を加圧してトングレール
の油圧ポンプへ送出するための加圧式給油タンクであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】トングレールの転轍動作時に、床
面とトングレール摺動面の摩擦抵抗を軽減するため摺動
面に潤滑油を供給する必要がある。潤滑油の給油装置に
ついては、すでに平成１０年４月８日に当社より発明の
名称「トングレールと床板摺動面の潤滑油給油装置」 出願番号 特願平１０−１３２５１６号 で特許申請を行っているので、潤滑油の加圧装置につい
ては下記に概略を説明をする。潤滑油の加圧装置につい
ては、鉄道線路の外側に給油タンクを設置し、配管にて
トングレールの中間に設置した復動式油圧ポンプに給油
する。復動式油圧ポンプは構造上１個のピストンに対し
てピストンロットが両側に２本取り付けられている。
（図１） ピストンロットの先端は電気的に絶縁するために硬質絶
縁樹脂を取り付け、先端がトングレールの内側に軽く接
触する程度にピストンロットの長さを調整して取り付け
る。トングレールが左から右へ、右から左へと転轍動作
を行う際に、横移動のトルクを利用して復動の油圧ポン
プを作動させる。復動式油圧ポンプのピストンが左側に
移動する場合は、左側シリンダー内の潤滑油がピストン
より押し出されて、逆止弁を通過してトングレールの側
面に固定された油圧配管を通過して各枕木上の所定のト
ングレールと床板の摺動面に一定量の潤滑油を噴出す
る。この様に潤滑油をトングレールの所定の箇所に圧送
するためには、外部の給油タンクより復動式油圧ポンプ
へ潤滑油を圧送する必要がある。復動式油圧ポンプに潤
滑油を供給するための潤滑油貯蔵タンクは、線路外側の
列車の運行や保守点検に支障をきたさない位置に設置す
る。潤滑油は粘度が高いため復動式油圧ポンプに対し
て、潤滑油タンクより自然供給することについては問題
がある。即ち、復動式油圧ポンプが粘度の高い潤滑油を
自吸入するためには、ポンプのピストンに過大な荷重が
掛かり、その為に転轍作業に支障をきたす危険性があ
る。この様な危険性を回避するために、潤滑油の供給に
ついてはタンクより給油する場合に、ある程度加圧して
潤滑油を給油する必要がある。本発明は、上述の如く復
動式油圧ポンプに潤滑油を供給するための潤滑油の加圧
式給油タンクである。

【０００２】

【従来の技術】摺動面を移動するトングレールと床面に
潤滑油を供給する場合、線路の外側にある潤滑油の給油
タンクから復動式油圧ポンプに潤滑油を加圧して供給す
る必要がある。従来の技術は、給油タンクに加圧する場
合、潤滑油が減少すると油面が低下するので、油面の低
下分に応じた錘を外部より鎖で供給する方法を採ってい
るが、構造が複雑になり保守点検に支障をきたしてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】潤滑油を圧送する方法
として、加圧用のポンプを使用する方法も考えられる
が、外部電源や保守点検等に問題があり、停電時や災害
時を想定すれば、潤滑油の貯蔵タンク自体を加圧式とす
ることが理想である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、給油タンク内
の潤滑油に外圧を印可する方法として、タンクの内面を
研磨仕上げし、シリンダーの機能を持たせて重量のある
上蓋兼用の油圧ピストンで加圧する方法を開発した。上
蓋兼用の油圧ピストンには、蓋の重量で潤滑油が洩れな
いよううにピストンの上下２個所にＯリングを設け、潤
滑油の漏れを防止した。潤滑油の補給については、空気
抜き兼用のバルブを開放し附属の巻き上げ装置で蓋を巻
き上げると同時に、潤滑油を給油する。

【０００５】

【作用】本発明の加圧式給油タンクは、上述の条件を満
たすために潤滑油タンク自体を加圧タンクとして、潤滑
油タンク本体が油圧シリンダーの役目をするようにタン
クの内面を鏡面加工にした。上部の蓋が油圧ピストンと
加圧錘の役目をし、絶えず一定の圧力が潤滑油に掛かる
ように設計した。油圧ピストン兼用の上部蓋には、潤滑
油補給口兼空気抜き用のバルブを設け、上部蓋を持ち上
げるために蓋の中央にフック金具を取り付け、上部側面
に簡易型の手巻きウインチを設けた。潤滑油を補給する
場合は、空気抜きバルブを開放して、手巻きウインチで
上蓋を持ち上げて、空気抜き用のホースを外して補給を
する。タンク内に潤滑油の補給が完了すれば、空気抜き
用のホースを取り付け、ウインチを緩めて完了する。

【０００６】

【実施例】図１は、復動式油圧ポンプとトングレールを
示す。図２は、加圧式給油タンクの正面図を示す。図３
は、加圧式給油タンクの断面図を示す。図４は、加圧式
給油タンクの上面図を示す。本発明の加圧式給油タンク
の説明の前に、潤滑油の加圧装置及び、トングレールつ
いて概略説明をする。図１に示す如く、加圧式給油タン
クから圧送されてきた潤滑油は、給油側（８）より、復
動式油圧ポンプに供給される。トングレールの枕木の中
間に復動式油圧ポンプ（１）を固定する。復動式油圧ポ
ンプは構造上１個のピストンに対してピストンロット
（２）が両側に２本取り付けられている。ピストンロッ
トの先端は電気的に絶縁するために硬質絶縁樹脂（３）
を取り付け、先端がトングレール（４）の内側に軽く接
触する程度にピストンロットの長さを調整して取り付け
る。トングレールが図１の矢印方向ＡからＢへ、Ｂから
Ａへと転轍動作を行う際に、横移動のトルクを利用して
復動の油圧ポンプ（１）を作動させる。復動式油圧ポン
プ（１）のピストンがＡ側に移動する場合は、Ａ側シリ
ンダー内の潤滑油がピストンより押し出されて、Ａ側の
逆止弁（５）を通過してトングレールの側面に油圧配管
（６）を通過して各枕木上の所定のトングレールと床板
（７）の摺動面に潤滑油を供給する。復動式油圧ポンプ
（１）のピストンがＢ側に移動する場合は、Ｂ側シリン
ダー内の潤滑油がピストンより押し出されて、Ｂ側の逆
止弁（５）を通過してトングレールの側面に、固定され
た油圧配管（６）を通過して各枕木上の所定のトングレ
ールと床板（７）の摺動面に潤滑油を供給する。上述の
動作を繰り返し転轍作業が行われる場合、その都度、適
量の潤滑油をトングレールと床板の摺動面に供給するこ
とができる。本発明の加圧式給油タンク（１２）は、上
述の条件を満たすために潤滑油タンク本体を加圧タンク
とし、内径２５０ｍｍΦ、容積６２０リットルの潤滑油
タンク本体が油圧シリンダーの役目をするようにタンク
の内面に鏡面研磨を施した。上部の蓋（１４−１）（１
４−２）が油圧ピストンと加圧錘の役目をし、絶えず一
定の圧力が潤滑油（１１）に掛かるようにし、蓋の側面
上下にピストンリングとしてＯリング（１３）を取付け
潤滑油の洩れるのを防止した。加圧式給油タンクから復
動式油圧ポンプまでの距離が、最長で約２０ｍの距離が
あり、トングレールの稼働時に油圧ポンプのピストンに
過大な荷重が掛からなくするためには、油圧ポンプの吸
入側（８）で潤滑油の圧力が０．１５ｋｇ／ｃｍ^２以上
を必要とし、それ以下の油圧では転轍作業に支障をきた
す危険性がある。油圧ポンプの吸入側（８）で潤滑油の
油圧を０．１５ｋｇ／ｃｍ^２以上確保するためには、上
蓋（１４−１）（１４−２）の重量を約７０ｋｇにする
必要がある。本発明では、現地への搬入、設置時の作業
性を等を考慮して上蓋を２分割（１４−１）（１４−
２）とし、現場にて組み立てた。油圧ピストン兼用の上
部蓋には、潤滑油補給口（１５）、空気抜き用のバルブ
を（２０）設け、上部蓋を持ち上げるために蓋の中央に
フック金具（１７）を取り付け、上部側面に簡易型の手
巻きウインチ（荷重１００ｋｇ）（１９）を設けた。潤
滑油を補給する場合は、空気抜きバルブ（２０）を開放
して、手巻きウインチで上部蓋を持ち上げて、空気抜き
用のホース（１６）を外して潤滑油補給口（１５）より
補給する。タンク内に潤滑油の補給が完了すれば、空気
抜き用のホースを取り付け、ウインチを緩めて給油作業
は完了する。

【０００７】

【考案の効果】上述の様にトングレール摺動面に潤滑油
を供給する事に関して、本発明の加圧式給油タンクで、
潤滑油に一定の圧力を加えて復動式油圧ポンプに供給す
ることにより、トングレールの転轍操作に支障を来すこ
となく、安心して転轍操作が行われトングレール摺動面
に潤滑油を給油する事ができる。又、タンクの下部潤滑
油送出口に分配用コックを設けることにより、本発明の
加圧式給油タンク一台で複数のトングレールの油圧ポン
プに潤滑油を供給する事ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 復動式油圧ポンプとトングレールを示す。

【図２】 加圧式給油タンクの正面図を示す。

【図３】 加圧式給油タンクの断面図を示す。

【図４】 加圧式給油タンクの上面図を示す。

【符号の説明】

１ 復動式油圧ポンプ ２ ピストンロット ３ 硬質絶縁樹脂 ４ トングレール ５ 逆止弁 ６ 油圧配管 ７ 床板 ８ 油圧ポンプの潤滑油吸入側 ９ 枕木 １０ 配管支持金物 １１ 潤滑油 １２ 給油タンク（シリンダー） １３ Ｏリング １４−１ 上蓋 １４−２ 上蓋 １５ 潤滑油給油口 １６ 空気抜きホース １７ フック金物 １８ 巻上げワイヤー １９ 手巻きウインチ ２０ 空気抜きコック ２１ 潤滑油送出口 ２２ 架台

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トングレールと床板摺動面に潤滑油を給油
   するための給油タンクで、給油タンクの上蓋の自重を応
   用した加圧式給油タンク。