JP2000008149A - ジルコニウム合金用の防護粗粒化アニ―ル - Google Patents

ジルコニウム合金用の防護粗粒化アニ―ル

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JP2000008149A
JP2000008149A JP11085144A JP8514499A JP2000008149A JP 2000008149 A JP2000008149 A JP 2000008149A JP 11085144 A JP11085144 A JP 11085144A JP 8514499 A JP8514499 A JP 8514499A JP 2000008149 A JP2000008149 A JP 2000008149A
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zircaloy
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デイル・フレデリック・テイラー
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高圧蒸気に暴露されたときのジルコニウム合金
をノジュラー腐食に対して免疫態化しかつ耐性を改善す
べく、ジルコニウム合金を処理する方法。 【解決手段】温度Tc(平衡状態でノジュラー腐食に耐
えるのに十分な溶質がジルコニウム合金のα−マトリッ
クス中に存在する温度)をその下限とし、かつそのジル
コニウム合金に固有の(α+β+析出物)/(α+β)
変態点の温度をその上限とする温度範囲内の温度にジル
コニウム合金管の表面を加熱し、上記表面の温度を上記
温度範囲内に2秒間よりも長く維持し、次いで、α−マ
トリックスからの溶質濃度の実質的損失を防ぐのに十分
速い速度で上記表面の温度を下げることを含んでなる、
ジルコニウム合金管の表面のノジュラー腐食耐性を増大
させる方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はジルコニウム合金の
金属プロセスに関するものであり、より具体的には高圧
蒸気に暴露されたときのジルコニウム合金をノジュラー
腐食に対して免疫態化しかつ耐性を改善すべく、ジルコ
ニウム合金を処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉は水/蒸気を反応炉の冷却材とし
てだけでなく、蒸気タービンに動力を与えて電気エネル
ギーを供給するためのエネルギー源としても利用してい
る。原子炉は、通例、核燃料を水/蒸気から隔離すべく
核分裂性物質を概してジルコニウム製の密封被覆管に収
容している。ジルコニウムとその合金は、好都合なこと
に中性子吸収断面積が小さく、約398℃未満(運転中
の原子炉のおおよその炉心温度)で非反応性であるとと
もに、重要な点として脱塩水又は蒸気の存在下で他の金
属合金に比べて高い耐食性を有するので、核燃料被覆材
として広く使用されている。2種類の広く使用されてい
るジルコニウム合金(「ジルカロイ」)が「ジルカロイ
−2」及び「ジルカロイ−4」であり、上記の化学組成
のジルコニウム合金に係るWestinghouse
Electric Corporationの商品名で
ある。Zr−Sn−Ni−Fe−Crであるジルカロイ
−2は一般に略1.2〜1.7%のスズ、0.13〜
0.20%の鉄、0.06〜0.15%のクロム及び
0.05〜0.08%のニッケルを含んでいる(重量
%)。ジルカロイ−4は実質的にニッケルを有しておら
ず、鉄は約0.2%であるが、その他の点ではジルカロ
イ−2と実質的に同じである。ジルカロイ−2は広く使
用されており、現在も原子炉に使用され続けている。ジ
ルカロイ−4は、高温での水素吸収後に室温に冷却した
とき(原子炉停止時)にジルカロイ−2が脆化してしま
うという水素化物の析出に伴う問題を低減するためにジ
ルカロイ−2の改良版として開発されたものである。
【0003】ジルコニウム合金は、核分裂炉からの放射
線が存在しないとき原子炉運転温度(398℃未満、通
例290℃)で蒸気に暴露されたときに最も耐食性の高
い材料である。中性子衝撃不在下での腐食速度は非常に
低く、腐食生成物は均一な黒色ZrO2酸化物膜/層で
あって高温蒸気に暴露されるジルカロイの外表面上に形
成される(均一腐食)。ZrO2の黒色酸化物層は普通
僅かに(非化学量論的)過剰のジルコニウムを含んでお
り、それ自体で過剰の電子を含んでいて黒色又は灰色と
なる。この層は蒸気に暴露されるジルコニウム又はジル
カロイ表面に対して密着性が高い。
【0004】こうした比較的高い耐食性にもかかわら
ず、ジルカロイが燃料被覆として使用され原子炉内の高
い中性子束に暴露されると、腐食速度は一般に増大し、
燃料被覆の腐食が加圧水型原子炉(PWR)及び特に沸
騰水型原子炉において潜在的な問題となる。その場合、
腐食は上述の均一腐食の増大、或いは第二の形式、すな
わちノジュラー腐食という2つの形式で起こる。ノジュ
ラー腐食は極めて有害な白色の化学量論的ZrO2酸化
物層(「ブルーム」)であり、被覆の表面に形成され
る。これはジルカロイ表面に小さな斑点(「ノジュール
(nodules)」又は「プステル(pustules)」)として形成
される傾向にある。今日、原子炉を高「バーンアップ(b
urn up)」で(すなわち、核燃料がほぼ完全に消費され
るまで)運転するのが次第に一般化している。こうした
条件下では、被覆は中性子束に長期にわたって暴露さ
れ、そのため一般にノジュラー腐食の激しさが増す傾向
にある。こうしてノジュラー腐食が増すと、管被覆の耐
用年数が短くなる(集中したノジュラー腐食が銅イオン
のようなある種の不純物と一緒に作用すると、局部的な
スポーリング及び最終的には被覆の貫通が起こる可能性
があるので)だけでなく、原子炉の効率的運転に悪影響
を生じる。特に、黒色ZrO2よりも密着性に劣る白色
ZrO2は被覆管からのスポーリングもしくは剥離を起
こし易く、炉水に入り込んで悪影響を生じる。一方、仮
に白色ノジュラー腐食生成物が剥離せずに管に残るとす
ると、ジルカロイ管外表面の次第に大部分を低密度の白
色ZrO2酸化物層が覆ったときにジルカロイ管を通し
ての水冷却媒への熱伝達の速さの減少が起こり、原子炉
の熱効率が落ちる。そのため、ジルカロイ管が高「バー
ンアップ」条件で長期にわたり原子炉内に残る状況の下
では、ノジュラー腐食はジルカロイ被覆の重大な問題と
なるおそれがある。
【0005】核燃料棒の被覆に使用されるジルカロイは
その製造中に様々な熱処理を受けるとともに管状被覆の
形成時に様々なアニールを受ける。ジルカロイビレット
の形成に用いられる各種の熱処理及び急冷方法がすべて
個々のジルカロイ管のノジュラー腐食に対する抵抗力に
影響をもつことが知られており、化学組成が同一であっ
ても、あるジルカロイが他よりもノジュラー腐食に対す
る耐性に優れることがある。例えば、微結晶粒等軸αジ
ルカロイ−2は、1010℃に加熱して18℃/hrの
速度で600℃に徐冷した後急冷すると、標準蒸気試験
(510℃,1500psig,24時間)においてノ
ジュラー腐食に対して高い感受性を示す。逆説的に、同
じ材料を、単に1010℃から急冷するか、或いは95
0℃までしか加熱せずに18℃/hrという同じ速度で
600℃に冷却した後急冷すると、同じ標準蒸気試験で
高い耐食性を示す。
【0006】ジルコニウム合金製核燃料管の製造プロセ
ス中のジルコニウム合金の構造特性における実際の物理
的変化はほとんど理解されておらず、そのため、本発明
以前には、かかる燃料管をノジュラー腐食に対して免疫
態化するための最良の方法を案出するのは困難であっ
た。本願と同一の発明者による1998年3月30日出
願の「ノジュラー腐食に対する核燃料被覆の腐食感受性
の測定方法」と題する米国特許出願第09/05021
4号には、1010℃に加熱して急冷することにより形
成した非常に小さな析出物をもつαジルカロイ−2がノ
ジュラー腐食に対して高い耐性を示すことが開示されて
いる。残念なことに、ジルカロイ金属マトリックス中の
微小析出物が被覆軸方向に亀裂伝播の危険性を増大する
可能性があることが幾つかの研究で示唆された[例え
ば、共に本願出願人に譲渡された「亀裂伝播に対して高
い耐性を有するジルカロイ管」と題する米国特許出願第
08/052793号(米国特許第5519748号)
並びに「亀裂伝播に対して高い耐性を有するジルカロイ
管の製造方法」と題する米国特許出願第08/0527
91号(米国特許第5437747号)参照]。そのた
め、ノジュラー腐食に対して優れた耐性をもつジルコニ
ウム合金管を製造し得るものの、αジルカロイ−2管の
軸割れの発生率を減らすための目的など、さらに別の目
的を達成するためにさらにアニール熱処理を加えること
が往々にして必要とされる。残念なことに、本発明並び
に1998年3月30日出願の「ノジュラー腐食に対す
る核燃料被覆の腐食感受性の測定方法」と題する米国特
許出願第09/050214号に開示された臨界温度T
cの概念の理解に至るまでは、そうした他のアニール処
理はジルコニウム合金管のノジュラー腐食に対する抵抗
力に悪影響を与えることが多かった。実際、本発明に至
るまでは、何故ある種のアニール処理が現実にノジュラ
ー腐食に対する管の感受性を高める効果をもつのかほと
んど理解されていなかった。したがって、本発明以前に
は、ノジュラー腐食に対して高い耐性をもつジルコニウ
ム合金の管にその管の軸割れに対する耐性を増大させる
ためさらにアニールを施したときに、かかるジルコニウ
ム合金のもつ長所を確実に保持するにはどうすればよい
か知られていなかった。また、本発明以前には、ノジュ
ラー腐食に対して完全に免疫態化するためジルコニウム
合金(アニール前はノジュラー腐食に対して感受性であ
ってもよい)にアニールを確実に施すにはどうすればよ
いかも知られていなかった。
【0007】
【発明の概要】本発明は、ジルカロイの公知の金属組
織、すなわちα及びβ結晶格子構造についての理解が必
要であり、これらはジルカロイのアニール処理中のある
温度範囲において単独で或いは一緒に存在する。様々な
温度範囲で存在する特殊なα又はβ金属組織は共に個々
のジルカロイに特有の等温変態図(「TTT図」)と呼
ばれる時間−温度プロットに示される。特に、こうした
図には「β相」について記載されているが、これはジル
コニウム合金では体心立方結晶格子構造の結晶ジルコニ
ウムであって、約825℃を上回る温度で存在し、約9
85℃を超える温度では唯一存在する。こうした図には
α−マトリックス相、すなわち「α相」についても記載
されている。ジルカロイ−2のα−マトリックス相は最
密充填六方格子構造からなり、約825℃未満の温度で
は唯一存在する。ジルカロイのα相とβ相は約825〜
985℃の温度範囲では各々同時に存在し得る。
【0008】析出物(以下、ギリシャ文字χで総称す
る)もジルカロイ中に存在しており、一般に合金元素F
e及びCr又はNiを高濃度で含む合金中の粒子であ
る。これらの合金元素は、固溶体ではα及びβマトリッ
クス中に低濃度で存在しており、概して約855℃未満
の温度で固溶体から析出し始め析出物を形成する。ジル
カロイにみられる析出物はZr(Fe,Cr)2及びZr
2(Fe,Ni)のような化学式で表される。
【0009】約885℃未満のある所定の温度[すなわ
ち、TTT図での(α+β)/(α+β+析出物)変態点の
温度未満のある所定の温度]において、平衡ではα−マ
トリックス中の合金元素Fe、Cr及びNi(溶質)の
濃度は該所定温度でのα−マトリックス中でのそれらの
溶解度の限界を上回ることはない。温度を下げると、こ
れらの溶質はα−マトリックスから析出して析出物を形
成するか及び/又はその温度でβ相が存在していれば残
留β相に移動する。
【0010】ジルカロイのノジュラー腐食に対する免疫
はα−マトリックス中に存在する溶質に由来するとの公
準が立てられるが、α−マトリックスは原子炉が運転さ
れる温度(すなわち200〜390℃の範囲)で存在す
る金属組織である。比較的高温(例えば950℃)[か
かるα−マトリックス中に大量の溶質が存在することが
できるとともに、後で急速に冷却したときに溶質がα−
マトリックス中に閉じ込められたまま残る場合]から急
速に冷却されたジルカロイは高いノジュラー腐食耐性を
有するが、これはこうした公準を支持するものである。
同じくかかる公準を支持する証拠として、950℃から
ジルカロイを徐冷し、かくしてかかるα−マトリックス
中の所定濃度の溶質にその冷却期間中に例えば析出物へ
の析出などによって該マトリックスから出ていく機会が
与えられると、200から390℃の温度でα−マトリ
ックス相を有するジルカロイを生じるが、これはノジュ
ラー腐食に対して感受性が高いという事実がある。
【0011】今般、かかるα−マトリックス内で溶質の
臨界濃度Ccが存在し、かくしてα−マトリックス中の
溶質濃度がかかる臨界濃度Ccを超えるとα−マトリッ
クスはノジュラー腐食に対する免疫をもち、溶質濃度が
かかる臨界濃度Cc未満であるとα−マトリックスは蒸
気に暴露された時にノジュラー腐食を非常に受け易いと
思料される。本発明者の行った実験による試験から、平
衡にあるとき、ジルカロイについて(α+β)/(α+β+
χ)変態点未満(すなわち約885℃未満)で(α+β+
χ)/(α+χ)変態点を超える(すなわち約825℃を上
回る)領域内、すなわちTTT図の(α+β+χ)領域内
に存在する特定の臨界温度Tcで、溶質の臨界濃度Cc
達するとの結論を得るに至った。特に、ジルカロイ−2
で行った実験の結果、この臨界温度は837〜841℃
の範囲内にあり、おそらく約840℃であることが示さ
れた。かかる温度において、濃度Ccの溶質を含むα−
マトリックスは溶質飽和β−相と平衡状態で存在する。
【0012】ジルカロイ管の軸割れがもう一つの問題と
して認識されている。かかる管の表面での軸割れは局部
的応力集中を招くとともにかかる亀裂における腐食を増
大させ、管の割れをもたらし、かくして放射性燃料によ
る原子炉冷却材の汚染を招く。原子炉内で水/蒸気に暴
露されるジルコニウム管の表面に約855℃未満の温度
で[すなわちTTT図で析出物の形成される領域、すな
わちα+β、α+β+χ及びα+χ領域内の温度で]、
ただし臨界温度を上回る温度でアニールを施すと、ノジ
ュラー腐食に対して免疫態化するとともに、かかる温度
未満で合金中で形成された析出物の粗大化を引き起こす
(すなわち、粒度が大きく成長する)が、これはかかる
管の表面での管の軸割れの発生率を低下させるという有
益な結果を有する(以下、「粗粒化アニール」と呼
ぶ)。
【0013】Tcの概念を用いることで、ジルコニウム
合金の臨界温度Tcを上回るが析出物の形成する約88
5℃未満(すなわち、そのジルコニウム合金の(α+β
+析出物)/(α+β)変態点未満)の温度でジルコニウム
合金をアニール処理すると、後で急速に冷却した時に、
粗大化した析出物を有すると同時にノジュラー腐食に対
する耐性/免疫をもつ合金が得られることが今回理解さ
れた。同様に、Tcの概念を用いて、あるジルコニウム
合金の臨界温度Tcを上回るが(α+β+析出物)/(α+
β)変態点未満の温度でジルコニウム合金をアニール処
理すると、元来ノジュラー腐食に対する免疫をもってい
なかったジルコニウム合金でも、金属間化合物結晶粒組
織の粗大化によってノジュラー腐食に対する免疫をもつ
ようになることが今回判明した。
【0014】したがって、本発明では、その一つの広い
態様において、高圧蒸気に暴露されるジルコニウム合金
管の表面をノジュラー腐食に対して免疫態化する及び/
又は該表面のノジュラー腐食耐性を増大させる方法を教
示する。本発明は、その別の広い態様において、アニー
ル処理中に形成される析出物を粗粒化すると同時に、ジ
ルコニウム合金管の表面をノジュラー腐食に対して免疫
態化する及び/又は該表面のノジュラー腐食耐性を増大
させる方法を教示する。
【0015】より具体的には、本発明は、その一つの広
い態様において、 i) 温度Tc(すなわち平衡状態でノジュラー腐食に
耐えるのに十分な溶質がそのジルコニウム合金のα−マ
トリックス中に存在する温度)をその下限とし、かつそ
のジルコニウム合金に固有の(α+β+析出物)/(α+
β)変態点の温度をその上限とする温度範囲内の温度に
ジルコニウム合金管の表面を加熱し、 ii) 上記表面の温度を上記温度範囲内に時間維持し、
かつ iii) 後で、α−マトリックスからの溶質濃度の実質的
損失を防ぐのに十分速 い速度で上記表面の温度を下げることを含んでなる、ジ
ルコニウム合金管の表面のノジュラー腐食耐性を増大さ
せる方法を教示する。
【0016】本発明は、その別の広い態様において、 i) 温度Tc(すなわち平衡状態でノジュラー腐食に
耐えるのに十分な溶質がそのジルコニウム合金のα−マ
トリックス中に存在する温度)をその下限とし、かつそ
のジルコニウム合金についての等温変態温度図上での
(α+β+析出物)/(α+β)変態点の温度をその上限と
する温度範囲内の温度にジルコニウム合金管の表面を加
熱し、 ii) 上記表面の合金中で形成された金属間化合物粒子
の一部の平均粒度が増すのに十分な時間、上記表面を上
記温度範囲内に維持し、かつ iii) 後で、α−マトリックス中での溶質濃度の実質的
損失を防ぐのに十分速い速度で上記表面の温度を下げる
ことを含んでなる、ジルコニウム合金管の表面のノジュ
ラー腐食耐性を増大させる方法を教示する。
【0017】本発明のさらに別の広い態様では、ジルコ
ニウム合金管について教示するが、当該管は、 i) 温度Tc(すなわち平衡状態でノジュラー腐食に
耐えるのに十分な溶質が上記ジルコニウム合金のα−マ
トリックス中に存在する温度)をその下限とし、かつそ
のジルコニウム合金についての等温変態温度図上での
(α+β+析出物)/(α+β)変態点の温度をその上限と
する温度範囲内の温度に加熱しておいた表面を含んでな
り、かつ ii) 上記表面が、上記表面内で形成された金属間化合
物粒子の粒度が増すのに十分な時間上記温度範囲内に維
持され、しかる後に冷却されたものである。
【0018】本発明の上記3つの各態様において、ジル
コニウム合金は、ジルコニウムと以下に示すおおよその
重量百分率の金属:すなわち、1.2〜1.7%のス
ズ、0.13〜0.20%の鉄、0.06〜0.15%
のクロム及び0.05〜0.08%のニッケルからなる
ジルカロイ−2であり、その臨界温度Tcは約837〜
841℃の範囲内、好ましくは約840℃であり、(α
+β+析出物)/(α+β)変態点は約855℃である。
【0019】表面を上記温度範囲内に維持すべき滞留時
間は2秒を超える時間から約20時間以上までの範囲で
変えることができる。例えば、滞留時間は20秒超とす
ることも、30秒超とすることも、1分超とすること
も、20時間以内或いは20時間以上とすることもでき
る。好ましくは、金属間化合物粒子の粒度が増大しかつ
ノジュラー腐食に対して免疫態化するのに十分な時間を
与えるべく、滞留時間は約30分〜2時間の範囲にあ
る。典型的には、かかる温度に暴露した後の温度降下の
段階は急冷により表面を冷却することを含んでなる。急
冷の間、温度は1℃/sec以上の速度、典型的には3
℃/sec以上の速度で降下する。
【0020】本発明の特殊な防護アニールは、等温変態
温度図上での(α+β+析出物)/(α+β)変態点を超え
ない温度範囲で実施されるため、元々存在する析出物で
ノジュラー腐食に対する耐性を高めることができる。T
cだけでなく(α+β+析出物)/(α+β)変態点をも上回
る高温アニールでのアニール処理は、かかる変態点を超
えると析出物が全く存在し得ないので析出物をすべて再
溶解してしまう。こうしたものを冷却すると、ごく少量
の新析出物の分布が残り、本発明の場合のようなさらに
望ましい大きな粒度の析出物(これはジルカロイ−2管
の割れに対する感受性を低下させると思料される)を生
じない。
【0021】 〔発明の詳細な説明〕本発明の実施形態について詳述す
るに当たり、添付図面について述べておく。図1はジル
コニウム合金、すなわち、重量%換算で1.5%Sn、
0.15%Fe、0.1%Cr及び0.5%Niを含む
ジルカロイ−2、の典型的なTTT図である。図1は様
々な温度域で存在するジルカロイのミクロ組織相を冷却
時間の関数として示したものであり、β相はおよそ98
5℃を超える温度で存在し、α+β相は共に典型的には
855〜985℃の範囲の温度で存在し、α相とβ相と
析出物χ相は約825〜855℃の範囲で存在する。
【0022】本発明の方法は、α相とβ相と析出物相が
存在する温度範囲の温度に合金の表面を加熱することを
含んでなるが、かかる温度範囲は、析出物相が平衡状態
で存在する最高温度、すなわち長い暴露時間での(α+
β+析出物)/(α+β)変態点の温度をその上限とする。
かかる上限温度はジルコニウム合金ジルカロイ−2につ
いては図1にみられる通り約855℃である。上記温度
範囲は、今般理解された臨界温度Tc、すなわち平衡状
態でノジュラー腐食に耐えるのに十分な溶質がジルコニ
ウム合金のα−マトリックス中に存在する温度をその下
限とする。特に、平衡状態において、α−ジルコニウム
マトリックス(α+β+χ領域中に存在するミクロ組織
相の一つで、その他の相がβ−マトリックス相と析出物
χである)中の溶質濃度は温度に関連する。温度が上が
るとα−マトリックスがその中に保持し得る溶質の量は
増大し、温度が下がるとα−マトリックス中の析出物χ
としての溶質濃度は減少し、α−マトリックスからの溶
質の拡散又は析出を起こす。ノジュラー腐食に対するジ
ルコニウム合金の免疫はα−ジルコニウムマトリックス
内に存在する溶質に由来するものと思われる。実験結果
(後述)の結論として、ノジュラー腐食に耐えるのに必
要な溶質の臨界濃度Cc(及びα−マトリックス中に溶
質が必要な濃度で存在し得る対応温度Tc)が存在する
と考えられる。こうした実験は、溶質が十分な濃度で存
在する対応温度Tcがα+β+χ相域、すなわち(α+
χ)/(α+β+χ)変態点と(α+β)/(α+β+析出物)
変態点との中間の相域(図1参照)に存在することを示
す。
【0023】ジルカロイ−2についての臨界温度Tc
求めるために用いた実験手順を以下に述べる。
【0024】
【実施例】例1 管ロット2054−06からのジルコニウムライナー付
きジルカロイ−2核燃料被覆を使用した。かかる被覆
は、1.31のSn、0.15〜0.17のFe、0.
09〜0.10のCr、0.06〜0.07のNi、
0.12〜0.13のOを含み(すべて重量%)、40
ppm未満のN、97〜112ppmのSi及び132
〜154ppmのCという故意にSi及びCを加えた市
販のジルカロイ−2の親インゴットUX2700LBか
ら得た。
【0025】使用したアニール(加熱)炉は、半径方向
に対称な発熱体の列の中を垂直に通り抜けた直径25m
mの石英管を含んでいた。304ステンレス鋼製フック
に、1本の10mmジルカロイ管切片を高温帯の中心に
その軸がほぼ水平になるように吊り下げた。2つの3m
mステンレス鋼製熱電対さやの先端が各々懸垂フックの
両側で管切片の外表面の中心部と接触していて、ジルカ
ロイ試験片の近傍に対照用及びモニター用熱電対を保持
した。研究用銘柄のアルゴンガスを60cc/minの
一定流速で流し、石英管のアニール帯に到達する前に8
00℃のZr−Ti合金削り屑のゲッターに通した。
【0026】加熱は、平均約40℃/minの一定速度
で最大温度まで加熱することを含んでいた。後記の「徐
冷」はプログラム制御を含んでいて、0.005℃/s
ec(18℃/hr)の許容冷却速度からなるものであ
った。後記の「炉内冷却」は発熱体をそのまま元の場所
において炉の電力を切ったときの自然な冷却速度であ
り、約0.7℃/sec〜0.6℃/secであった。
「ファン冷却」は加熱チャンバーを開放して石英管をフ
ァン冷却することからなるもので、典型的には約3℃/
secの速度で始まる急冷速度を与えたが、ただし50
0℃に達するまでには1℃/secに落ちた。「徐冷」
から「炉内冷却」又は「ファン冷却」への変化は急激か
つ正確なものであったが、「炉内冷却」から「徐冷」へ
の移行にはアンダーシュート(負の行き過ぎ)を避ける
ため漸進的アプローチが必要とされた。
【0027】上記ジルカロイ管の多数の環状切断片を試
験片とした。各々の試験片は後で体積比10:9:1の
水、70%硝酸、50%弗化水素酸の溶液中で60秒間
穏やかに撹拌することでエッチングした。次いで、各々
類似してはいるが個々のケースでそれぞれ異なる加熱・
冷却管理様式に付した。具体的には、試料は各々高温
(TTT図のβ相領域、すなわち1010℃)に加熱
し、830℃又は840℃のいずれか(Tf<825℃
の場合は前者、Tf>825℃の場合は後者)に炉内冷
却し、温度Tfに徐冷し、かかる温度に時間「t」維持
し、しかる後にファン冷却した。使用した維持時間
「t」はt=0、2、5、18及び48時間であった。
Tfは、t=0(急冷、すなわちファン冷却前の維持時
間なし)の場合は3℃、t=2時間、5時間及び18時
間の場合は2℃、t=48時間の場合は1℃の増分で変
えた。使用した維持温度Tfは840℃〜808℃の間
であった。したがって、各試験片について用いた加熱/
冷却パターンは「1010℃/830℃への炉内冷却
(Tf<825℃)又は840℃への炉内冷却(Tf>8
25℃)/Tfへの徐冷/t時間維持/ファン冷却」で
あった。
【0028】ファン冷却後の各試験片を再度エッチング
し、標準蒸気試験に暴露した。かかる蒸気試験は、51
0℃の10.4MP(1500psig)蒸気に24時
間暴露することによるものであった。熱対流炉で1リッ
トル316ステンレス鋼製オートクレーブ内部の温度を
くまなく±1℃以内の恒温に保った。周囲条件下で窒素
飽和により酸素を除去した後、計量型ポンプで18MΩ
-cm水の流速を20cc/minに保った。
【0029】図2は得られた結果を表にしたもので、試
験片がノジュラー腐食に感受性となるか否かを複数の温
度における維持時間と関連づけるものである。これから
分かる通り、時間が増すと、ノジュラー腐食が起きた温
度が812℃(0時間)から838℃(48時間)へと
移動した。この期間の時間が長いほど平衡化状態に近づ
き、その温度での溶解度の限界のため溶質がα−マトリ
ックス中に残ることができなければα−マトリックス内
部の過剰の溶質がマトリックス外に移動する時間を有し
ていたものと思料される。したがって、ノジュラー腐食
が存在した温度は平衡状態での臨界温度Tcと考えられ
る温度に接近したが、この臨界温度未満ではα−マトリ
ックス中での溶解度限界はノジュラー腐食に耐えるのに
十分な濃度の溶質を維持するには不十分である。
【0030】図3は、図2で得られた結果から得たノジ
ュラー腐食の開始温度、すなわちt=0時間(812
℃)、t=2時間(825℃)、t=5時間(826
℃)、t=18時間(833℃)、及びt=48時間
(837℃)をグラフにして表したものである。図3か
ら分かる通り、時間が増すとともに、ノジュラー腐食の
起こる温度はある決まった極限に近づくようにみえる。
cの実際の値はさらに長い維持時間を用いてさらに実
験を行うことで容易かつより正確に測定し得るが、得ら
れた値からTcについての明確な数学的結論を計算する
のは十分に容易である。
【0031】より具体的には、これらのデータの漸近的
性質に一致する最も単純な関数は(1−e-x)である。
分析表示には3つのフィッティングパラメーター、T0
(維持時間ゼロt=0での切片)、TL(長い維持時間
での極限値、これがTcとなる)及び維持時間の任意係
数「j」を必要とする。得られる経験式: T=TL−(TL−T0)e-jt (1) は、これらのパラメーターを決定するための少なくと3
点を要する。図3に2つの漸近曲線を示すが、このよう
に2つの曲線の各々に3点が必要とされる。最初の曲線
(812℃、825℃及び826℃(t=0時間、2時
間及び5時間)の3点を有するもの)は、干渉する相転
移のために、Tcを求めるのには不適当であった。2点
(t=18時間でのT=833℃と、t=48時間での
T=837℃)しか有さない二番目の曲線については、
3番目の点を与えることが必要とされた。曲線はT=8
26℃〜827℃でt=5時間とt=18時間の間を横
切らなければならないので、3番目の点を選択すること
ができる。以下の3点: T=826℃ t=5時間 T=833℃ t=18時間 T=837℃ t=48時間 を用いて、上記の式(1)でTL(すなわちTc)について
解くと、試験したジルカロイ−2試験片について837
〜838℃の範囲内のTc値を与える。
【0032】例2 本発明の方法で与えられる防護粗粒化アニールの効果を
検証するため、ジルカロイ−2管(外径1.46イン
チ)の4つの試験片(A、B、C及びDと呼ぶ)を得
た。こうした4つの試験片は燃料管製造プロセスの最初
の「ブレークダウンパス」後に得たもので、インプロセ
ス熱処理は全く用いられていない。4つの試験片の各々
は、それらについて本発明の方法を実施する前に、62
1℃で1.5時間の標準アニールに付した。
【0033】しかる後に、対照試験片として用いた試験
片Aを除いて、残る3つの試験片の各々を温度841℃
(この温度は、ジルカロイ−2について求めた温度Tc
の840℃を僅かに上回るが、かかるジルカロイの(α
+β+析出物)/(α+β)変態点である約855℃をちょ
うど下回る)に加熱し、841℃に0.5時間(試験片
B)、1.0時間(試験片C)及び2.0時間(試験片
D)維持した。
【0034】上記時間経過後、3つの試験片を各々空気
(ファン)急冷/冷却により室温にした。4つの試験片
を次いで3つの断片に切断し、各1片を、走査電子顕微
鏡検査が行えるように、マウントし、研磨し、100Å
の金でスパッター被覆した。図4〜7に4つの試料(そ
れぞれ試験片A〜D)の表面組織の写真を示す。2枚の
画像(写真)A及びBは各々倍率2000で、各々の試
料について各試料の異なる領域から採取したものであ
る。例えば、図5Aと5Bは試料Bの2枚の走査電子顕
微鏡写真であり、図6A及び6Bは試料Cの2枚の走査
電子顕微鏡写真である。
【0035】本発明の粗粒化アニールを施した試験片
B、C及びDの写真(図5A&5B、6A&6B並びに
7A&7B)を比べると、各試料内で形成された金属間
化合物析出物の平均粒度は、本発明の防護粗粒化アニー
ルを施していない試験片A(図4A&4B参照)のもの
よりも格段に大きいことが分かるであろう。粗粒化アニ
ールの有効性をさらに検討するため、4つの管切片A〜
Dの各々についての2番目の断片を、透過電子顕微鏡検
査の可能な壁体中央近くでダイヤモンド鋸で薄片(約
0.01インチ厚)にウェハーカットした。それぞれの
切片からカットした管切片の各々について行った金属間
化合物粒子の粒度測定の結果を以下の表1にまとめた。
【0036】
【表1】
【0037】上記の結果から分かる通り、本発明の方法
の実施の効果は金属間化合物粒子の粒度を成長させるこ
とである。上記から明らかに、増大した粒度は概して防
護粗粒化アニール時間の長さに比例している(本発明の
温度範囲内の温度での場合)。さらに、例1で得られた
結果から理解される通り、840℃を上回る温度でのア
ニールの効果は試料表面をノジュラー腐食に対して免疫
態化する。この点に関して、試料A、B、C及びDの3
番目の断片で標準蒸気試験を行った。具体的には、試料
A、B、C及びDの3番目の試験片の各々を510℃の
1500psig蒸気に24時間暴露した。試料A〜D
の試験結果を図8に示す。
【0038】図8にみられる通り、試料A(対照試料)
の3番目の試験片には中程度乃至大量のノジュールの皮
膜が発生したが、上述の本発明の方法に付した試料B、
C及びDの試験片は光沢のある黒色酸化物で覆われ、ノ
ジュラー腐食は全く検出されなかった。例3 同様にA、B及びCと名付けたジルカロイ−2管(外径
1.46インチ)の3つの試験片を、この場合も燃料管
製造プロセスの最初の「ブレークダウンパス」(そこで
インプロセス熱処理は全く用いられていない)後に、同
じようにして得た。3つの試験片の各々は、それらにつ
いて本発明の方法を実施する前に、750℃で24時間
のアニールに付した。
【0039】しかる後に、対照試験片として用いた試験
片Aを除いて、残る2つの試験片の各々を温度842℃
に加熱し、842℃に0.5時間(試験片B)及び1.
0時間(試験片C)維持した。試料A、B及びCの各々
で標準蒸気試験を同様に行った。具体的には、試料A〜
Cの各々を510℃の1500psig蒸気に24時間
暴露した。試料A〜Cの試験結果を図9に示す。
【0040】図9にみられる通り、試料A(対照試料)
では大量の白色ノジュールの皮膜が発生したが、上述の
本発明の方法に付した試料B及びCは光沢のある黒色酸
化物で覆われ、ノジュラー腐食は全く検出されなかっ
た。以上の開示内容は本発明の好ましい実施形態を説明
し例示するものであるが、本発明はこうした具体的実施
形態に限定されるものではない。多数の変更及び修正が
当業者には自明であろう。本発明を定めるに当たって
は、特許請求の範囲を参照すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、1050℃に加熱した後のジルコニ
ウム合金ジルカロイ−2についての温度の関数としての
温度と物理構造の典型的な等温変態図であり、様々な温
度範囲及び時間での合金内部のミクロ結晶組織を確認し
たものである[G.Ostberg, Jerkont
orets Annaler, 145(1961),
p.119]。
【図2】 図2は、等軸αジルカロイ−2を1010℃
から840/830℃に炉内冷却した後840〜808
℃の所定温度域まで徐冷し、その温度に時間「t」維持
した後、急冷し、1500psigの510℃の蒸気に
24時間暴露してノジュラー腐食が起こるか否かを調べ
るという、本明細書中に詳述した各実験の結果を表にし
たものである。
【図3】 図3は、図2で表にした結果から作成した、
ノジュラー腐食の観察された最高温度を示すグラフであ
る。
【図4】 図4A及び4Bは、本発明の方法に付さなか
ったジルカロイ−2試験片[表1の試験片A]の倍率2
000倍の走査電子顕微鏡写真である。
【図5】 図5A及び5Bは、841℃の温度に0.5
時間付した後のジルカロイ−2試験片[表1の試験片
B]の倍率2000倍の走査電子顕微鏡写真である。
【図6】 図6A及び6Bは、841℃の温度に1.0
時間付した後のジルカロイ−2試験片[表1の試験片
C]の倍率2000倍の走査電子顕微鏡写真である。
【図7】 図7A及び7Bは、841℃の温度に2.0
時間付した後のジルカロイ−2試験片[表1の試験片
D]の倍率2000倍の走査電子顕微鏡写真である。
【図8】 図8は、例2に詳述した諸段階で処理した後
の試験片A〜Dを絵に表したものである。
【図9】 図9は、例3に詳述した諸段階で処理した後
の試験片A〜Dを絵に表したものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 692 C22F 1/00 692A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジルコニウム合金管の表面のノジュラー
    腐食耐性を増大させる方法であって、 i) 温度Tc(すなわち平衡状態でノジュラー腐食に
    耐えるのに十分な溶質が上記ジルコニウム合金のα−マ
    トリックス中に存在する温度)をその下限とし、かつそ
    のジルコニウム合金に固有の(α+β+析出物)/(α+
    β)変態点の温度をその上限とする温度範囲内の温度に
    上記管の表面を加熱し、 ii) 上記表面の温度を上記温度範囲内に2秒間よりも
    長く維持し、かつ iii) 次いで、α−マトリックスからの溶質濃度の実質
    的損失を防ぐのに十分速い速度で上記表面の温度を下げ
    ることを含んでなる、方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法で製造されたジルコ
    ニウム合金管。
  3. 【請求項3】 ジルコニウム合金管の表面のノジュラー
    腐食耐性を増大させる方法であって、 i) 温度Tc(すなわち平衡状態でノジュラー腐食に
    耐えるのに十分な溶質が上記ジルコニウム合金のα−マ
    トリックス中に存在する温度)をその下限とし、かつそ
    のジルコニウム合金に固有の(α+β+析出物)/(α+
    β)変態点の温度をその上限とする温度範囲内の温度に
    上記管の表面を加熱し、 ii) 上記合金中の金属間化合物粒子の一部の平均粒度
    が増すのに十分な時間、上記表面の温度を上記温度範囲
    内に維持し、かつ iii) 次いで、α−マトリックスからの溶質濃度の実質
    的損失を防ぐのに十分速い速度で上記表面の温度を下げ
    ることを含んでなる、方法。
  4. 【請求項4】 温度Tc(すなわち平衡状態でノジュ
    ラー腐食に耐えるのに十分な溶質が上記ジルコニウム合
    金のα−マトリックス中に存在する温度)をその下限と
    し、かつそのジルコニウム合金に固有の(α+β+析出
    物)/(α+β)変態点の温度をその上限とする温度範囲内
    の温度に加熱しておいた表面を含んでなるジルコニウム
    合金管であって、 上記表面が、上記表面内で形成された金属間化合物粒子
    の粒度が増すのに十分な時間上記温度範囲内に維持さ
    れ、しかる後に冷却されたものである、ジルコニウム合
    金管。
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