JP2000007443A - セラミックス成形方法及びその成形助剤 - Google Patents

セラミックス成形方法及びその成形助剤

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JP2000007443A
JP2000007443A JP10169726A JP16972698A JP2000007443A JP 2000007443 A JP2000007443 A JP 2000007443A JP 10169726 A JP10169726 A JP 10169726A JP 16972698 A JP16972698 A JP 16972698A JP 2000007443 A JP2000007443 A JP 2000007443A
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polyalkylene oxide
ceramic
copolymer
polycarboxylic acid
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JP10169726A
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Akira Kobayashi
亮 小林
Hiroaki Shimizu
博昭 清水
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックス乾式プレス成形におけるスラリ
ー粘度の安定性、顆粒の加圧成形性向上に効果があり、
製品品質の安定性、信頼性の向上に有効なセラミックス
成形助剤を提供すること。 【解決手段】 側鎖にカルボキシル基とポリアルキレン
のオキサイド構造を有するポリカルボン酸系重合体とP
VAからなるセラミックス成形助剤であり、該ポリカル
ボン酸系重合体がポリアルキレンオキサイドアルケニル
エーテルと無水マレイン酸の共重合体、あるいはその加
水分解物及び/又は加水分解物の塩であるセラミックス
成形助剤。及び、セラミックス粉体に該セラミックス成
形助剤と溶媒を添加し湿式混合によりスラリーを調整
後、該スラリーを噴霧乾燥する事により得られる顆粒を
加圧成形するセラミックス成型方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックス乾式
プレス成形方法及びその成形助剤に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】近年、セラミックス成形分野に
おいては製品品質の安定性、信頼性の向上に対する要求
が高まっている。その中で乾式プレス成形は広く実施さ
れている成形方法である。その工程は、セラミックス原
料と添加剤及び溶媒をボールミル等の湿式方法により混
合しスラリーを調整する工程、スラリーから噴霧乾燥に
より顆粒を作成する工程、顆粒を加圧成形し成形体を得
る工程、成形体を焼成し焼結体を得る工程からなる。乾
式プレス成形では分散剤、バインダー、可塑剤、滑剤、
消泡剤等の各種添加剤が使用されるが、これら添加剤の
効果は成形工程の全工程における作業性、成形性、そし
て得られる製品の品質と密接に関係する為、要求される
種々の物性をバランスよく満たすことが必要である。
【0003】従来は、この乾式プレス成形においては分
散剤としてポリアクリル酸系分散剤とバインダーとして
ポリビニルアルコール(以下「PVA」という。)系バ
インダーが併用されてきた。ところが、ポリアクリル酸
系分散剤は添加量の僅かな変動によりスラリー粘度が大
きく変化する性質があり、スラリー粘度が変化する為に
安定品質の顆粒が得られ難く、成形体品質の再現性を低
下させるといった問題があった。また、ポリアクリル酸
系分散剤及びPVA系バインダーは硬いポリマー性状で
あり、得られる顆粒が硬くなりすぎる為、顆粒が変形し
難く顆粒間の気孔が欠陥として残存する為に均質な成形
体が得られ難いといった問題がある。更には成形体密度
が高くなり難く、スプリングバックが大きい為、寸法安
定性が悪く歩留まりが低い、成形圧、離型圧が高くなる
為金型の消耗を促進しコスト的に好ましくないといった
問題があった。
【0004】このような問題点を改良するには可塑剤に
よる顆粒強度の調整や、滑剤による離形性の改良が必要
であり、PVAからなる顆粒中のバインダー相を可塑化
する目的でポリアルキレングリコール系可塑剤が使用さ
れている。しかしながら、成形性の改善に必要な量を使
用してもPVAとの相容性が良い可塑剤はなく、得られ
る顆粒の金型への流動性が悪い為に複雑形状物に対応で
きない、配合が複雑になり現場作業が煩雑になる上に、
これら有機系添加剤のセラミックス原料に対する総使用
量が非常に多くなる等の問題を有していた。以上、従来
の乾式プレス成形用添加剤はスラリー調整から成形に至
る各工程の再現性と成形性に問題があり、製品の品質安
定性、信頼性に問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、乾式プレス
成形において、より低い成形圧力においても安定した高
密度の成形体を得ることを可能とし、乾式プレス成形に
おける各工程の再現性と成形性の向上に有効なセラミッ
クス成形方法、その成形助剤及びセラミックスの成形体
を開発することを課題とする。
【0006】
【発明を解決するための手段】本発明者は、特定のポリ
カルボン酸系重合体とPVAからなるセラミックス成形
助剤が、スラリー粘度の安定性、顆粒の加圧成形性に優
れ、更に工程上の変動要因に伴うこれら物性の変動が小
さい事を見出し本発明に至った。
【0007】即ち本発明は、側鎖にカルボキシル基とポ
リアルキレンオキサイド構造を有するポリカルボン酸系
重合体(以下「ポリカルボン酸系重合体」という。)と
PVAからなるセラミックス成形助剤であり、またセラ
ミックス粉体に溶媒、ポリカルボン酸系重合体及びPV
Aを添加し、スラリーを調整後、該スラリーより得られ
る顆粒を加圧成形するセラミックス成形方法であり、ま
たセラミックス粉体、側鎖にカルボキシル基とポリアル
キレンオキサイド構造を有するポリカルボン酸系重合体
及びポリビニルアルコールを含有するセラミックスの成
形体である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において使用されるポリカルボン酸系重合体とし
ては、例えば特開平6−256054号公報、特公平6
−88818号公報、特公平6−88817号公報等記
載のビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、オレフ
ィン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体等の不飽和ビニル系モノマーと不飽和ジカ
ルボン酸共重合体のアルキレンオキサイド系化合物によ
るエステル化物がある。
【0009】また、特公昭61−21486号公報、特
公昭62−25163号公報、特公昭58−38380
号公報、特公昭59−18338号公報、特公平1−3
8408号公報、特公平1−36486号公報、特公平
1−36487号公報、特公平1−36488号公報、
特開昭59−162157号公報、特開昭59−195
565号公報、特開昭61−77652号公報、特公平
4−68323号公報、特公平2−7898号公報、特
開昭63−117036号公報、特開平8−48852
号公報等記載の、不飽和基として(メタ)アクリル酸エ
ステル基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、メタ
リル基等の官能基を有し、重合に関与しない末端基とし
て水酸基、アルコキシ基等を有する、直鎖構造あるいは
分岐構造のポリアルキレンオキサイド誘導体からなる単
量体と、不飽和モノカルボン酸あるいは不飽和ジカルボ
ン酸といった不飽和カルボン酸系単量体を必須成分とす
る共重合体がある。
【0010】また、特開平6−271347号公報、特
開平6−298555号公報、特開平6−298556
号公報、特開平7−157348号公報、特開平7−1
57349号公報、特開平7−187742号公報等記
載の、不飽和基としてビニルエーテル基あるいはアリル
エーテル基を有するポリアルキレンオキサイド誘導体と
無水マレイン酸からなる共重合体のポリアルキレンオキ
サイド系化合物のエステル化物がある。
【0011】更に、特開平8−12396号公報、特開
昭62−216950号公報、特開平1−226757
号公報、特開平6−206750号公報等記載の不飽和
基として(メタ)アクリル酸エステル基を有するポリア
ルキレンオキサイド誘導体と、不飽和モノカルボン酸又
は不飽和ジカルボン酸と、アリルスルホン酸、メタリル
スルホン酸等のスルホン酸基を有する単量体の共重合体
がある。
【0012】そして、特開平7−53249号公報、特
開平7−215746号公報、特開平8−165157
号公報、特開平7−232945号公報等記載のポリオ
キシアルキレン誘導体からなる単量体と、カルボキシル
基を含有する単量体を必須成分とする共重合体が挙げら
れる。
【0013】これらの中でも、一般式(1)で示される
ポリアルキレンオキサイドアルケニルエーテルと無水マ
レイン酸からなる共重合体、あるいはその加水分解物及
び/又は加水分解物の塩が好ましい。
【0014】
【化4】
【0015】(R1はビニル基、アリル基、AOは炭素
数2〜4のオキシアルキル基、nは1〜200の整数、
R2は水素又は炭素数1〜4のアルキル基)
【0016】前記一般式(1)で示されるポリオキシア
ルキレンアルケニルエーテルとしては、AOで示される
炭素数1〜4のオキシアルキレン基の単独重合物からな
る1種以上、あるいはオキシエチレン基、オキシプロピ
レン基、オキシテトラメチレン基等のオキシアルキレン
基の共重合物からなる1種以上を使用できる。得られる
共重合体の水溶性の観点からはオキシエチレン基の付加
物の使用が好ましい。オキシアルキレン基の付加モル数
nは1〜200モルの範囲で使用でき、より好ましくは
3〜100モルの範囲で使用される。1モル以下では充
分な分散効果が得られず、200モルを越える範囲では
ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルの生産性が低
下する事に加えて、重合性が低下する為に共重合体の生
産性も低下しコスト的に好ましくない。
【0017】R1で示される官能基としてはビニル基、
アリル基が挙げられるが、無水マレイン酸との共重合性
が高いビニル基がより好ましい。R2は水素又は炭素数
1〜5のアルキル基又は複素環式化合物の残基である。
アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル
基等が挙げられる。複素環式化合物の残基としては、フ
ラン類の残基、ピロール類の残基、オキサジン類の残基
が挙げられる。これらの中でも、共重合体の水溶性と製
造コストの観点からはメチル基、フルフリル基、テトラ
ヒドロフルフリル基、モルホリニル基の使用が好まし
い。
【0018】ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル
と無水マレイン酸からなる共重合体は、その共重合モル
比が1/2〜2/1の範囲が望ましく、より好ましくは
1/1.2〜1.2/1である。また、共重合体の分子量
は、水系GPCで測定したポリエチレングリコール換算
重量平均分子量でが3,000〜5×105の範囲がス
ラリー調整行程において充分な分散効果を得るために好
ましく、特に好ましくは3,000〜1×105の範囲
である。
【0019】なお、共重合体の水溶性を損なわない範囲
で、他の共重合モノマーとしてスチレン、フェニルマレ
イミド等のマレイミド類、α−オレフィン等のオレフィ
ン類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、
プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等の低
級アルキルビニルエーテル類等を使用することもでき
る。
【0020】共重合体の製造方法には、公知のラジカル
重合法を適用しうる。例えば特開昭64−109号公報
や特開平8−46652号公報記載の方法により、水溶
媒中、有機溶媒溶媒中あるいは無溶媒バルクの条件下
で、ラジカル開始剤を使用してラジカル重合することに
より製造可能である。
【0021】ポリカルボン酸系重合体は、加水分解した
酸型の状態でも、必要に応じてカルボン酸基の一部又は
全部をアルカリ塩としても使用できる。アルカリ塩とし
てはアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウ
ム塩、有機アミン類との塩等が挙げられるが、金属不純
物の混入が好ましくない事からアンモニウム、トリエチ
ルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類との
塩が好ましい。
【0022】本発明で使用されるPVAとしては市販の
物をそのまま使用することができる。市販されているP
VAには重合度が200〜3500の範囲のものがあ
り、それらはいずれも使用することができるが、重合度
が2000以上では顆粒の強度が高くなり成形性が低下
し、重合度200以下では顆粒強度が低下するので、重
合度が200〜2000のものが中でも好ましい。また
部分ケン化タイプの方が水への溶解性が高いので好まし
い。
【0023】本発明では酢酸ビニル重合体を部分的にケ
ン化して得られるPVAが使用できるが、この他に、酢
酸ビニルと他の単量体からなる共重合体をケン化して得
られるPVAも使用可能である。他の単量体としては、
プロピオン酸ビニル、蟻酸ビニル、ピバリン酸ビニル等
の脂肪酸ビニルエステル、エチレン、プロピレン等のオ
レフィン、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イ
ソクロトン酸等の重合性モノカルボン酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸等の重合性ジカルボン酸、これら
重合性のモノカルボン酸及びジカルボン酸のエステルや
塩、アクリルアミド、メタクリルアミド等の重合性カル
ボン酸アミド、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタ
クリル酸エステル、塩化ビニル、フッ化ビニルなどのハ
ロゲン化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等
のハロゲン化ビニリデン、アリルグリシジルエーテル、
グルシジルメタクリレート等のグリシジル基を有する単
量体、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテ
ル等のアルキルビニルエーテル、ポリエチレングリコー
ルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコール等
のアルキレンオキサイドビニルエーテルなどが挙げられ
る。
【0024】本発明のセラミックス成形助剤はポリカル
ボン酸系重合体及びPVAを含有するものであり、その
割合はポリカルボン酸系重合体100重量部に対してP
VA10重量部〜400重量部、より好ましくは20重
量部〜300重量部である。ポリカルボン酸系重合体に
対するPVA使用量が400部を超えると成形体密度の
低下を招き、10重量部未満では成形体強度が低下し好
ましくない。
【0025】本発明のセラミックス成形助剤の使用量は
セラミックス粉体に対して0.5重量部〜6重量部、よ
り好ましくは1重量部〜4重量部である。0.5重量部
未満では十分な顆粒強度が得られず、6重量部を越えて
使用してもそれ以上の効果は得られず、成形体中の有機
物含有量が増加し、経済性も低下するため好ましくな
い。
【0026】本発明のセラミックス成形方法においてポ
リカルボン酸系重合体とPVAは個別に添加することも
できるし、本発明のセラミックス成形助剤の様に、ポリ
カルボン酸系重合体とPVAを混合して添加することも
できる。セラミックス成形助剤として添加する場合の添
加量は添加するセラミックス成形助剤中のポリカルボン
酸系重合体及びPVAの量が本発明のセラミックス成形
方法において添加されるポリカルボン酸系重合体及びP
VAの添加量の範囲であることが好ましい。
【0027】本発明のセラミックス成形方法において使
用される溶媒としては水が使用できるが、更に水と可溶
のアルコール、エステル、ケトン等を併用することもで
きる。
【0028】本発明において消泡剤をセラミックス成形
助剤に配合した状態で使用できる。特に溶媒として水を
使用するスラリーでは気泡が生じやすく、乾燥時に噴霧
が乱れる原因となり安定した品質の顆粒が得られ難くな
る事から、予め消泡剤を配合した使用が好ましい。消泡
剤としては、低級アルコール類、油脂類、脂肪酸類、脂
肪酸エステル類、リン酸エステル類、ポリオキシアルキ
レン誘導体からなる高分子系消泡剤等が公知のものが使
用できる。但し、アルカリ金属を含む消泡剤の使用は好
ましくない。
【0029】本発明のセラミックス成形助剤を使用し成
形しうるセラミックス粉体は特に制限はなく、例えばア
ルミナ、シリカ、ジルコニア等の酸化物、フェライト、
ムライト、チタン酸バリウム等の複合酸化物に好適に使
用され、また炭化物、窒化物、ケイ化物、アパタイト、
硫化物等に使用できる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。
【0031】(実施例1、比較例1)アルミナ製サンド
ミル用容器にアルミナ粉末、水、ポリカルボン酸系重合
体を表1の組成になるように計量し、混合後のスラリー
とほぼ等容積量の直径1mmアルミナビーズを添加後、
アルミナ製円盤形ディスクを取り付けたサンドミルミキ
サーにセットし、1500rpmで15分攪拌した。得
られた混合物からアルミナビーズを篩いにより除去し、
温度20〜24℃のスラリーを得た。得られたスラリー
の粘度を回転粘度計にて測定し表1に記載した。ここ
で、分散剤及びバインダーの添加率は、各々ポリマー固
形分としてのアルミナ粉末に対する重量%が表1記載の
量になるように計量した。また、添加する水の重量は、
分散剤及びバインダーに含まれるポリマー分を含めたス
ラリー全受領中のアルミナ粉体含有率が表1記載の値に
なるように計量した。
【0032】(使用材料) 水 :水道水、20℃ アルミナ :市販易焼結アルミナ、中心粒子径0.4μ
m 消泡剤 :市販PEG型非イオン系消泡剤共重合体
:メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル−
マレイン酸共重合体のアンモニウム塩と消泡剤の混合水
溶液(pH7)、n=10、重量平均分子量2.3万 共重合体:メトキシポリエチレングリコールビニルエ
ーテル−マレイン酸共重合体(a),(b)2種の重量
比1/1混合物のアンモニウム塩と消泡剤の混合水溶液
(pH7)、共重合体(a) n=10、重量平均分子
量2.3万、共重合体(b) n=45、重量平均分子
量2.2万 共重合体:メトキシポリエチレングリコールビニルエ
ーテル−マレイン酸共重合体のアンモニウム塩と消泡剤
の混合水溶液(pH7)、n=45、重量平均分子量
2.2万市販品 :市販ポリアクリル酸アンモニウム PVA500 :市販PVAと消泡剤の混合水溶液、重合度
500、ケン化度88mol% 共重合体:テトラヒドロフルフリロキシポリエチレン
グリコール−マレイン酸共重合体のアンモニウム塩と消
泡剤の混合水溶液(pH7)、n=10、重量平均分子
量2.3万
【0033】
【表1】
【0034】表1に示したように、市販ポリカルボン酸
系重合体品分散剤/PVA併用系と比較し、本発明の成
形助剤は、分散剤添加率の微量変動に対するスラリー粘
度の変化が小さく、また、分散剤添加率に対するスラリ
ー粘度が安定する領域のスラリー粘度が低く分散効果が
高い事が判る。
【0035】(実施例2、比較例2)実施例1と同様の
方法で、表2記載の配合になるようにスラリーを調整し
た。得られたスラリーの粘度を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2記載したように本発明の成形助剤は分
散効果が高く、市販品分散剤/PVA併用系よりもスラ
リー高濃度化に効果がある事が判る。
【0038】(実施例3、比較例3)ポリカルボン酸系
共重合体100重量部に対してPVA100重量部から
なるセラミックス成形助剤をアルミナ粉体に対して2.
0%添加し、実施例1と同様の方法でスラリー調整し
た。得られたスラリーをスプレードライヤーにて噴霧乾
燥し顆粒とした後、150μm以上の凝集物を除去する
ために顆粒を篩にかけ、安息角26°〜35°の流動性
が良好な顆粒を得た。得られた顆粒を直径約15mmの円
筒形金型に流し込み、表4記載の成形圧力にて静圧一分
間保持し、直径約15mm×厚み約7mmの成形体を得た。
この時、金型から成形体を脱型するのに要した最大荷重
をテンシロンにより測定し離型圧力を求め、加圧時の成
形体体積と脱型後の成形体容積からスプリングバッグ
を、成形体重量から成型助剤重量を差し引いた値と成形
体の容積から成形体密度を算出した。また、成形体にテ
ンシロンにて圧縮加重を加えた際の降伏点の値から圧縮
強度を求めた。更に、得られた成形体内部の顆粒のつぶ
れ方と緻密性を走査型電子顕微鏡により観察し目視判定
した。結果を表3に記載した。
【0039】
【表3】
【0040】(注)緻密性:成形体内部の組織を走査型
電子顕微鏡にて目視観察 ○:顆粒が均一につぶれており、欠陥が非常に少ない △:部分的に顆粒が均一につぶれていない所があり、部
分的に欠陥がある ×:顆粒のつぶれ方が不均一であり、欠陥が非常に多い
【0041】表3に記載したように、本発明の成形助剤
を添加した顆粒は、成形圧力による成形体密度、離形圧
力、スプリングバックの変動が小さく、工程上の成形条
件の変動に対して成形体品質が変動し難い事が判る。
【0042】(実施例4、比較例4)セラミックス成形
助剤の組成と添加量を表4および表5に示すように変量
して試験した以外は、実施例3と同様の方法で成形体を
作成し、各物性値を測定した。結果を表4および表5に
記載する。
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】表4に記載したように、本発明の成形助剤
を添加した成形体は市販品/PVA併用系と比較し、成
形体密度を高密度化でき、離形圧力及びスプリングバッ
クも小さい事から成形性に優れており、金型の損傷も低
減でき低コスト化の点でも優れている事が判る。
【0046】(実施例5)実施例3の表3記載の成形圧
力1tにて作成した成形体をマッフル炉、空気雰囲気下
で700℃×2時間加熱した時の体積収縮率を測定し
た。その結果、体積収縮率は市販品/PVA併用系が
0.52Vol%であったのに対して、本発明の共重合体
/PVA併用系では0.42Vol%、共重合体/PVA
併用系では僅か0.33Vol%であった。重量減少率はい
ずれも2.0%であり、添加した分散剤、PVAは全て
脱脂されている事も確認された。加熱後の成形体の状態
は亀裂等もなく良好な状態であった。
【0047】
【本発明の効果】本発明のセラミックス成形助剤は、ス
ラリー高濃度化、スラリー粘度の安定性向上、加圧成形
時の成形性向上、更には各工程の変動要因に対するこれ
ら物性の安定性に効果がある。また、成形体の高密度化
が容易であり、可塑剤、滑剤等他の成形助剤を用いなく
とも高密度成形体が得られる事から、有機系添加物のト
ータル使用量を低減でき、得られる製品の品質、信頼性
の向上に効果がある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C08L 55/00 29:04) Fターム(参考) 4G030 AA08 AA10 AA16 AA17 AA27 AA36 AA37 AA41 AA44 AA48 AA55 AA67 GA05 GA15 GA22 4J002 BE02X BH00W CH05W DE096 DE116 DE146 DE186 DF016 DJ016 FD016 4J027 AC02 AC03 AC04 AC07 AJ01 AJ02 BA02 BA03 BA04 BA05 BA13 CB01 CD01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】側鎖にカルボキシル基とポリアルキレンオ
    キサイド構造を有するポリカルボン酸系重合体100重
    量部とポリビニルアルコールを10重量部〜400重量
    部含有するセラミックス成形助剤。
  2. 【請求項2】側鎖にカルボキシル基とポリアルキレンオ
    キサイド構造を有するポリカルボン酸系重合体が、一般
    式(1)で示されるポリアルキレンオキサイドアルケニ
    ルエーテルと無水マレイン酸からなる共重合体である請
    求項1記載のセラミックス成形助剤。 【化1】 (R1はビニル基、アリル基、AOは炭素数2〜4のオ
    キシアルキル基、nは1〜200の整数、R2は水素又
    は炭素数1〜5のアルキル基又は複素環式化合物の残
    基)
  3. 【請求項3】請求項2においてポリアルキレンオキサイ
    ドビニルエーテルと無水マレイン酸からなる共重合体の
    R1がビニル基である請求項2に記載のセラミックス成
    形助剤。
  4. 【請求項4】側鎖にカルボキシル基とポリアルキレンオ
    キサイド構造を有するポリカルボン酸系重合体およびポ
    リビニルアルコールを含有するセラミックスの成形体で
    あって、側鎖にカルボキシル基とポリアルキレンオキサ
    イド構造を有するポリカルボン酸系重合体100重量部
    に対してポリビニルアルコールが10重量部〜400重
    量部の割合である、セラミックスの成形体。
  5. 【請求項5】側鎖にカルボキシル基とポリアルキレンオ
    キサイド構造を有するポリカルボン酸系重合体が、一般
    式(1)で示されるポリアルキレンオキサイドアルケニ
    ルエーテルと無水マレイン酸からなる共重合体である請
    求項4記載のセラミックスの成形体。 【化2】 (R1はビニル基、アリル基、AOは炭素数2〜4のオ
    キシアルキル基、nは1〜200の整数、R2は水素又
    は炭素数1〜4のアルキル基)
  6. 【請求項6】請求項5においてポリアルキレンオキサイ
    ドビニルエーテルと無水マレイン酸からなる共重合体の
    R1がビニル基である請求項5記載のセラミックスの成
    形体。
  7. 【請求項7】セラミックス粉体に溶媒、側鎖にカルボキ
    シル基とポリアルキレンオキサイド構造を有するポリカ
    ルボン酸系重合体およびポリビニルアルコールからなる
    セラミックス成型助剤を添加しスラリーとし、該スラリ
    ーから得た顆粒を加圧成形して請求項4に記載のセラミ
    ックスの成形体を得るセラミックス成形方法。
  8. 【請求項8】側鎖にカルボキシル基とポリアルキレンオ
    キサイド構造を有するポリカルボン酸系重合体が、一般
    式(1)で示されるポリアルキレンオキサイドアルケニ
    ルエーテルと無水マレイン酸からなる共重合体である請
    求項7記載のセラミックス成形方法。 【化3】 (R1はビニル基、アリル基、AOは炭素数2〜4のオ
    キシアルキル基、nは1〜200の整数、R2は水素又
    は炭素数1〜4のアルキル基)
  9. 【請求項9】請求項8においてポリアルキレンオキサイ
    ドビニルエーテルと無水マレイン酸からなる共重合体の
    R1がビニル基である請求項8記載のセラミックス成形
    方法。
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