JP2000006215A - 光学成形品の射出圧縮成形方法 - Google Patents

光学成形品の射出圧縮成形方法

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JP2000006215A
JP2000006215A JP10963999A JP10963999A JP2000006215A JP 2000006215 A JP2000006215 A JP 2000006215A JP 10963999 A JP10963999 A JP 10963999A JP 10963999 A JP10963999 A JP 10963999A JP 2000006215 A JP2000006215 A JP 2000006215A
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injection
cavity
resin
molding
compression
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Masahito Goto
聖人 後藤
Hiromi Ichioka
博己 市岡
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Teijin Chemicals Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/46Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould
    • B29C45/56Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould using mould parts movable during or after injection, e.g. injection-compression moulding
    • B29C45/561Injection-compression moulding
    • B29C2045/567Expelling resin through the gate

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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はウエルドラインや光学歪、面不良が
ほとんどない優れた光学成形品を安定して成形する方法
を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂からなる光学成形品を射出
圧縮成形する方法において、(1)目的とする光学成形
品の容積よりもキャビティの容積を拡大させ、(2)そ
のキャビティ内に溶融熱可塑性樹脂を射出シリンダーを
通じて充填し、(3)射出シリンダーの樹脂圧が39M
Pa以上の設定値に達した後、(4)次いで拡大された
キャビティを成形品の規定の厚みまで圧縮させ、(5)
前圧縮により生じた余剰の熱可塑性樹脂を射出シリンダ
ーに戻し、(6)溶融熱可塑性樹脂がキャビティ内で目
的とする成形品が形成するまで保持し、次いで、(7)
得られた成形品をキャビティから取り出す、ことを特徴
とする光学成形品の射出圧縮成形方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は射出圧縮成形法によ
り光学成形品の生産を行う場合に適する。更に詳しくは
眼鏡レンズ等の高精度の光学成形品を容易に作成する射
出圧縮成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチックレンズの需要が大きく
進展している。プラスチックレンズには注型熱硬化型の
アリル樹脂や射出成形法によって製造されるポリカーボ
ネート樹脂、ポリアクリル樹脂等の透明熱可塑性樹脂レ
ンズに大別される。
【0003】特に最近は射出成形方法によって製造する
ことができ、高屈折率で、軽くて、紫外線吸収性能が良
く、耐衝撃性のある安全性の高い眼鏡レンズとしてポリ
カーボネート樹脂レンズが注目され数多く使用されるよ
うになってきた。
【0004】射出成形方法によって眼鏡レンズを製造す
る方法は数多く提案されている。公知の方法によれば射
出成形方法によってセミフィニッシュレンズを成形し、
その後切削研磨によって目的の光学的な形状に仕上げる
方法、さらには単一の射出成形方法でフィニッシュレン
ズとして光学的な形状を有するレンズを得る方法があ
る。特に後者の場合はレンズ形状による基本的な問題と
して凹レンズを射出成形する場合、キャビティ内におい
てはレンズの外周部に相当する部分が厚いのでゲートか
ら流入した溶融樹脂の流れは外周部が早く、中心部は薄
いので遅く流れる。
【0005】射出成形でフィニッシュレンズを成形した
場合、冷却固化による樹脂の収縮により光学歪(ヒケ)
や面精度の低下を引き起こしやすい。この現象は肉厚差
の大きな成形品で収縮差が大きいレンズほど顕著であ
る。冷却固化による収縮差を解消する方法として代表的
な方法は、特公平6−71755号公報に記載された様
な予め収縮量に相当する樹脂量を充填しておいて多段圧
縮方法する方法がある。しかし、このような方法では面
精度が十分でなく光学成形品のバラツキが起き易い。こ
こで述べている面精度とは、面の曲率および平面度等が
設計されている規格範囲内に収まるがどうかのことを意
味する。
【0006】これらの公知の射出圧縮成型法では、以下
に述べる2つの欠点がある。1つめは、射出時キャビテ
ィーに樹脂を充満させ十分に射出樹脂圧をかけないた
め、光学成形品の面精度および光学歪に重大な影響を及
ぼす。即ち光学成形品表面層の形成する射出完了時に、
十分な射出樹脂圧がかからない。そのため光学歪や面不
良を引き起こす。かかる光学歪は、肉眼で容易に確認で
き光学歪、レンズ表面に写る蛍光灯の反写像で確認でき
る光学歪、偏光板により薄くリング状に確認される光学
歪等がある。偏光板による観察が最もこの様な不良現象
を発見しやすい。
【0007】これらはレンズとして使用するにあたり致
命的な欠陥である。これらの不良現象は、プラスレンズ
ではレンズの中央部、マイナスレンズではレンズ周辺部
に発生しやすい。この原因は、ともにレンズの表面層が
形成される射出完了時にキャビティー内に十分な樹脂圧
力がかけられないことによって主として発生する。
【0008】2つめは、射出成型機の射出工程における
樹脂の充填状態は、射出工程でのバラツキや計量工程で
のバラツキを含み、圧縮前のキャビティー内における樹
脂の状態が成形ショット毎に大きく異なることが多い。
そのため、光学成形品の品質管理上から許容できる範囲
を超えるバラツキを発生することが多い。これまでの射
出圧縮成形では、このバラツキの影響を大きく受ける。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】即ち、本発明の目的の
は、光学歪の無い優れた光学成形品を品質管理上バラツ
キが少ない成形方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の如き
従来法の欠点を解決する方法について鋭意研究した結
果、熱可塑性樹脂からなる光学成形品を射出圧縮成形す
る方法において、(1)目的とする光学成形品の容積よ
りもキャビティの容積を拡大させ、(2)そのキャビテ
ィ内に溶融熱可塑性樹脂を射出シリンダーを通じて充填
し、(3)射出シリンダーの樹脂圧が39MPa以上の
設定値に達した後、(4)次いで拡大されたキャビティ
を成形品の規定の厚みまで圧縮させ、(5)前圧縮によ
り生じた余剰の熱可塑性樹脂を射出シリンダーに戻し、
(6)溶融熱可塑性樹脂がキャビティ内で目的とする成
形品が形成するまで保持し、次いで、(7)得られた成
形品をキャビティから取り出す、ことを特徴とする光学
成形品の射出圧縮成形方法、によって、達成される。
【0011】本発明者らは、従来の射出成形技術では不
適切と考えられていた射出シリンダーに溶融樹脂を戻す
と言う手段を敢えて検討し、圧縮前にキャビティー内の
樹脂に十分に圧力を掛けることにより、肉厚さの大きい
レンズであっても光学歪がなく面精度の良く、しかも製
品間の品質のバラツキが極めて小さい光学成形品が得ら
れることを見出された。つまり前記範囲の樹脂圧とする
ことにより、高品質の光学成形品を安定して成形するこ
とが可能となる。
【0012】ここで述べる光学成形品とは、光の屈折お
よび反射を利用して物体の像をつくり、光線束を発散さ
せたり、或いは収束させたりする光学系およびレーザー
光線の位相差による干渉現象や発散を利用した光学成形
品をさす。その具体的例を示すと、例えばプラスチック
製の眼鏡レンズやプロジェクターレンズ等があげられ
る。特に、ポリカーボネート樹脂製の眼鏡レンズの成形
に本発明は好適である。
【0013】以下本発明成形方法をさらに詳細に説明す
る。本発明に用いる射出成形機は特に制限を受けない
が、光学成形品の射出成形の基本として必要な型締め力
を有し射出、圧縮、保圧等は数段階で高精度に制御可能
な機構を有していることが望ましい。スクリュー機構は
逆流防止機構付きのものであれば特に形状は問わない。
この成形機にはインラインスクリュー、プランジャー式
等のどの様な射出成形機でもよい。
【0014】本発明に用いる金型は圧縮成形に対応する
物であれば特に制限はなく、例えばプラテン(金型を取
付ける板)の開閉を利用した型締め圧縮法や成形機プラ
テンの圧縮シリンダー、ボールネジ等を利用したコア圧
縮法のどちらでも利用可能であるが、ウエルドラインを
完全に解消するためにはキャビティを大きく開く必要が
ありコア圧縮法が望ましい。
【0015】前記型締め圧縮法とは、固定側および可動
側のそれぞれの金型パーティング面を所定の間隔だけ開
いた状態にし、樹脂を射出し、その後型締め力によりパ
ーティング面を接触させ圧縮する手法をさす。また、前
記コア圧縮法とは、射出前の型締めでは金型のそれぞれ
のパーティング面を接触させ、所定の型締め力をかけて
樹脂を射出しその後圧縮する手段をさす。射出後圧縮す
る工程では、成型機、金型等に設置され圧縮機構により
可動側鏡面をキャビティーの容積が縮小される方向に前
進させ圧縮させる。ここでいう圧縮機構とは、油圧シリ
ンダーやボールネジ等をさす。
【0016】本発明に使用する熱可塑性樹脂はポリカー
ボネート樹脂、ポリアクリル樹脂、変性ポリオレフィン
樹脂等の透明樹脂が使用できる。中でも光学樹脂レンズ
素材としてはポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
【0017】本発明に用いることができるポリカーボネ
ート樹脂は界面重合法又はエステル交換法によって得ら
れる粘度平均分子量17、000〜40、000迄のも
ので更に好ましくは20、000〜30、000のもの
が良い。眼鏡レンズは精密成形であり、金型の鏡面を正
確に転写して規定の曲率、度数を付与することが重要で
あり、溶融流動性のよい低粘度の樹脂が望ましいが、あ
まりに低粘度過ぎるとポリカーボネート樹脂の特徴であ
る衝撃強度が保持できない。なお、ここで言う粘度平均
分子量(M)は、オストワルド粘度計を用いて、塩化メ
チレンを溶媒として20℃で測定した溶液の極限粘度
[η]を求め、下記Schnellの粘度式 [η]=1.23×10-40.83 から求められる。
【0018】ポリカーボネート樹脂を製造するためのビ
スフェノール類にはビスフェノールAが特に好ましいが
その他公知のフェノール類から重合されたポリカーボネ
ート樹脂でも制限はない。
【0019】本発明で用いるポリカーボネート樹脂は、
二価フェノールとカーボネート前駆体を反応させて得ら
れる芳香族ポリカーボネート樹脂である。ここで用いる
二価フェノールの具体例としては、例えば2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノ
ールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブ
チルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェ
ニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカ
ン類;1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロペン
タン、1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン等のビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン
類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエ
ーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類;4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒ
ドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等
のジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒド
ロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等
のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロ
キシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒ
ドロキシジアリールスルホン類等があげられる。これら
二価フェノールは単独で用いても、二種以上併用しても
よい。
【0020】前記二価フェノールのうち、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール
A)を主たる二価フェノール成分とするのが好ましく、
特に全二価フェノール成分中、70モル%以上、特に8
0モル%以上がビスフェノールAであるものが好まし
い。最も好ましいのは、二価フェノール成分が実質的に
ビスフェノールAである芳香族ポリカーボネート樹脂で
ある。
【0021】ポリカーボネート樹脂を製造する界面重合
法およびエステル交換法について簡単に説明する。カー
ボネート前駆体としてホスゲンを用いる界面重合法で
は、通常酸結合剤および有機溶媒の存在下に二価フェノ
ール成分とホスゲンとの反応を行う。酸結合剤としては
例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ
金属の水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用い
られる。有機溶媒としては例えば塩化メチレン、クロロ
ベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また反
応促進のために例えば第三級アミンや第四級アンモニウ
ム塩等の触媒を用いることができ、分子量調節剤として
例えばフェノールやp−tert−ブチルフェノールの
ようなアルキル置換フェノール等の末端停止剤を用いる
ことが望ましい。反応温度は通常0〜40℃、反応時間
は数分〜5時間、反応中のpHは10以上に保つのが好
ましい。
【0022】カーボネート前駆体として炭酸ジエステル
を用いるエステル交換法(溶融法)は、不活性ガスの存
在下に所定割合の二価フェノール成分と炭酸ジエステル
とを加熱しながら攪拌し、生成するアルコールまたはフ
ェノール類を留出させる方法である。反応温度は生成す
るアルコールまたはフェノール類の沸点等により異なる
が、通常120〜330℃の範囲である。反応はその初
期から減圧にして生成するアルコールまたはフェノール
類を留出させながら反応させる。また反応を促進するた
めに通常のエステル交換反応触媒を用いることができ
る。このエステル交換反応に用いる炭酸ジエステルとし
ては例えばジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボ
ネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、ジブチルカーボネート等があげられ、特にジフェニ
ルカーボネートが好ましい。
【0023】本発明のポリカーボネート樹脂には離型剤
を配合することができ、こうすることは好ましい結果を
与える。離型剤としては飽和脂肪酸エステルが一般的で
あり、例えばステアリン酸モノグリセライド等のモノグ
リセライド類、ステアリン酸ステアレート等の低級脂肪
酸エステル類、セバシン酸ベヘネート等の高級脂肪酸エ
ステル類、ペンタエリスリトールテトラステアレート等
のエリスリトールエステル類が使用される。離型剤はポ
リカーボネート樹脂100重量部当り0.03〜1重量
部用いられる。また、必要に応じて亜燐酸エステル系の
熱安定剤をポリカーボネート樹脂100重量部当り0.
001〜0.1重量部配合してもよい。亜燐酸エステル
系の熱安定剤としてはトリス(ノニルフェニル)ホスフ
ァイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−
ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラ
キス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,
4’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス−(2,6−
ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエ
リスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−
tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ
−ホスファイト、トリス(エチルフェニル)ホスファイ
ト、トリス(ブチルフェニル)ホスファイトおよびトリ
ス(ヒドロキシフェニル)ホスファイト等が好ましく、
トリス(ノニルフェニル)ホスファイトおよびテトラキ
ス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,
4’−ビフェニレンジホスホナイトが特に好ましい。
【0024】耐候性の向上および有害な紫外線をカット
する目的で、本発明のポリカーボネート樹脂には更に紫
外線吸収剤を配合することができる。かかる紫外線吸収
剤としては、例えば2,2’−ジヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノンに代表されるベンゾフェノン系紫外
線吸収剤;例えば2−(3−tert−ブチル−5−メ
チル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2
−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−
テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾー
ル−2−イル)フェノール]、2−[2−ヒドロキシ−
3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]
−2H−ベンゾトリアゾールおよび2−(3,5−ジ−
tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾト
リアゾールに代表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤が例示され、これらは単独で用いても、二種以上併
用してもよい。これら紫外線吸収剤のうち、ベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
【0025】また、本発明のポリカーボネート樹脂には
更にポリカーボネート樹脂や紫外線吸収剤に基づくレン
ズの黄色味を打ち消すためにブルーイング剤を配合する
ことができる。ブルーイング剤としてはポリカーボネー
ト樹脂に使用されるものであれば、特に支障なく使用す
ることができる。一般的にはアンスラキノン系染料が入
手容易であり好ましい。
【0026】次に本発明の圧縮成形法につて、図1〜図
3を用いて具体的に説明する。図1は射出前に成形品容
積より大きく拡大されたキャビティを示す。図2は拡大
されたキャビティに溶融樹脂を充填した状態を示す。図
3は規定の厚みまで圧縮して、余剰の溶融樹脂を射出シ
リンダーに返していることを示す。
【0027】すなわち、前記成形方法では、キャビティ
を拡大しておいて溶融熱可塑性樹脂を充満した後、キャ
ビティーが樹脂で満たされ、射出シリンダーの油圧を油
圧射出シリンダー径とスクリュー径の二乗の比より換算
した樹脂圧もしくは圧力センサーにより測定された樹脂
圧の値が39MPa以上(好ましくは39〜150MP
a)の設定した圧力に達した後、圧縮工程に移行する。
更に好ましくは、60〜120MPaの範囲である。射
出樹脂圧に換算した値が39Mpa未満であると成形品
に光学歪が生じやすい。この時の設定される圧力は、光
学成形品の形状、金型形状、使用する樹脂、成形機等に
より異なる。
【0028】そこで、射出前にキャビティを拡大し、こ
の比を後述するようにウエルドライン、光学歪や面不良
がほとんど発生しない限度レベルまでキャビティを拡大
しておいて溶融樹脂を前記樹脂圧で充満した後、余剰の
樹脂を射出シリンダーに戻してやれば光学成形品、例え
ば焦点距離の短い凹レンズでもウエルドラインや光学
歪、面不良がほとんど無いレンズが得られる。この樹脂
がシリンダーに戻されることは、射出ユニットに取り付
けられた射出ストローク測定機器の測定値が、樹脂の射
出と反対方向に増加することにより確認できる。
【0029】キャビティの圧縮量は光学成形品の形式や
代表厚み(例えば凹レンズの場合、中心部分の厚み)の
設計値およびシリンダー温度や金型温度等の成形条件お
よび使用する成形機、金型等によって異なるが、光学成
形品の代表的例である凹レンズを成形する場合において
は、焦点距離が短いほど大きく取る必要がある。レンズ
容積に対して射出時の拡大されたキャビティの容積は光
学成形品の面精度(面の変形等)、光学特性(焦点距
離、収差等)、成形の容易さより、下記式で計算された
拡大容積率が110〜500%の範囲が好ましい。より
好ましくは120〜400%の範囲であり、特に好まし
くは150〜350%の範囲である。500%を越える
と排出する樹脂量が多いので必要とする圧縮圧力が高く
なったり、溶融樹脂の耐熱性が悪化したり、成形不良を
誘発することがある。この圧縮によって起こる圧縮量と
は圧縮前の光学成形品と圧縮後の光学成形品の代表厚み
の差を指す。 拡大容積率(%)=100×(拡大されたキャビティ量
/圧縮後のキャビティ量) ここで、拡大されたキャビティ量および圧縮後のキャビ
ティ量の単位はmlで表わす。
【0030】前記拡大容積率の好ましい範囲は、凹レン
ズを成形する場合、前記肉厚の比によって左右される。
例えば、拡大容積率は、肉厚比が小さい場合(例えば3
00%以下の場合)は110〜200%の範囲が望まし
く、一方肉厚比がそれより大きい場合は200〜500
%の範囲が有利である。
【0031】本発明の成形方法において、ウエルドライ
ンや光学歪の発生しないか又は許容できる限度までキャ
ビティを拡大させることである。圧縮前に一旦発生した
ウエルドラインや光学歪はいかなる手段を用いても完全
解消することは困難である。
【0032】前記したように射出シリンダーにおける樹
脂圧を前記範囲とすることによって、圧縮前にある設定
圧に達した後圧縮工程に移行するので、成形品の表面層
の固化時に十分圧力がかかり、圧縮前のキャビティー内
樹脂の圧力状態にバラツキが少なく、成形品である光学
成形品に光学歪が無く、またバラツキも少なくなる。
【0033】圧縮は射出完了後に樹脂圧の設定を圧縮に
よるキャビ圧より低く設定し、拡大されたキャビティー
を規定の厚さまで圧縮させることによってキャビティ容
積が減少し規定の厚さまで圧縮する。余剰の溶融樹脂は
ゲートからランナーおよびスプルーを経由して射出シリ
ンダー内に逆流し、次サイクルで可塑化された樹脂と混
練して再射出する。余剰の樹脂がシリンダーに戻される
ことは、射出ユニットに取り付けられた射出ストローク
測定機器の測定値が、樹脂の射出と反対方向に増加する
ことにより確認できる。
【0034】ここで述べる規定の厚さとは、光学成形品
の品質管理上代表される厚みの規格範囲内にある厚みの
ことを指す。例えばレンズ中心部の厚み、ミラー面にお
ける平均厚み等である。
【0035】圧縮は射出完了後に樹脂圧を圧縮によるキ
ャビティ圧より低くし、圧縮させることによってキャビ
ティ容積が減少し、余剰の溶融樹脂はゲートからランナ
ーおよびスプルーを経由して射出シリンダー内に逆流す
る。この逆流した樹脂は次サイクルで可塑化された樹脂
と混練して再射出する。圧縮完了後は保圧をかけて溶融
樹脂の収縮量を補償しながら冷却を行い成形品を得る。
【0036】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を詳
細に説明する。尚、本発明の実施例および比較例の特性
評価は以下の方法で行った。
【0037】(1)レンズの屈折力 レンズの屈折力とはJIS T7313に定められてい
る内側頂点屈折力を指す。測定には自動レンズメーター
(ニデック製 LM−820A)を使用した。
【0038】(2)光学歪 光学歪の状態は、偏光歪み計(理研計器社製PSー5)
を使用し評価した。偏光歪み計とは、図4のごとく蛍光
灯(30W環状蛍光灯)を光源として、磨りガラスによ
り拡散された光を、間隔がおよそ15cm程度の偏光面
が互いにほぼ直行する2枚の偏光板の間に光学成形品を
おき、光学成形品に光学歪の有無を評価した。
【0039】(3)ウエルドライン長 光学歪の観察と同様な条件で偏光歪み計の観察下で、ウ
エルドライン長さをノギス(ミツトヨ製 CS−S15
M)を使用し(図5参照)測定した。
【0040】[実施例1]ビスフェノールAとホスゲン
から合成された粘度平均分子量22500のポリカーボ
ネート樹脂100重量部に紫外線吸収剤2−(2’−ヒ
ドロキシ−5’−t−オクチル)−ベンゾトリアゾール
0.3重量部、熱安定剤トリス(ノニルフェニル)ホス
ファイト0.03重量部および離型剤ステアリン酸モノ
グリセライド0.2重量部を配合し、住友重機(株)製
の射出成形機(SYCAPSG220)にコア圧縮金型
を用いて下記の眼鏡用凹レンズの射出圧縮成形を行っ
た。 前面曲率半径 293.00mm 後面曲率半径 −73.25mm 中心厚み 1.5 mm コバ厚み 10.0 mm レンズ外径 77.5 mm 後面頂点焦点距離 −166.67mm この時の主要な成形条件は、下記の通りであった。 シリンダー温度 280℃〜300℃ 金型温度 125℃ 成形サイクル 240秒 圧縮前樹脂圧 56.84MPa
【0041】可動側レンズモールドを後退させ、射出前
にキャビティをレンズ中心厚み7.6mm(拡大容積率
約215%)まで拡大し、次いでキャビティに樹脂を充
填したのち、樹脂圧が56.8MPaになった時可動側
レンズモールドを図6に示すようよ圧縮量調整ロッドが
ダイセットと接触しレンズ中心厚み1.5mmになるま
で圧縮し、余剰の樹脂は射出シリンダーに返した。余剰
の樹脂がシリンダーに戻ったことは、射出ストローク測
定機器の測定値が射出時と反対方向に増加することによ
り確認した。この後、冷却が完了後に凹レンズ(マイナ
スレンズ)成形品を取り出した。
【0042】偏光板での観察で面不良や光学歪、ウエル
ドライン等の欠陥はなく高精度の眼鏡レンズであった。
レンズ屈折力Diopterの標準偏差は0.003と良好で
あった。
【0043】[比較例1]実施例1において射出前のキ
ャビティをレンズ中心厚み1.6mmとし、余剰の樹脂
を射出シリンダーに戻さずに圧縮する条件を用いた以外
は実施例1と同様な条件で同品種の凹レンズを圧縮成形
した。蛍光灯反射映像で線の乱れがあり、レンズ外周部
に光学歪が観察された。また、ウエルドラインも25〜
35mm確認された。屈折力Diopterの標準偏差も0.
062となっていた。レンズとしては劣った品質のもの
であった。
【0044】[実施例2]実施例1において以下の下記
条件の凸レンズを成形する他は実施例1と同様な条件で
成形した。 前面曲率半径 97.67mm 後面曲率半径 −146.50mm 中心厚み 3.7mm コバ厚み 1.0mm レンズ外径 77.5mm 後面頂点焦点距離 500.0mm 圧縮前射出樹脂圧 56.8MPa
【0045】可動側レンズモールドを後退させ、射出前
にキャビティをレンズ中心厚み5.1mm(拡大容積率
約160%)まで拡大し、次いでキャビティに樹脂を充
填したのち、樹脂圧が56.8MPaになった時可動側
レンズモールドを図6に示すようよ圧縮量調整ロッドが
ダイセットと接触しレンズ中心厚み3.7mmになるま
で圧縮し、余剰の樹脂は射出シリンダーに返した。余剰
の樹脂がシリンダーに戻ったことは、射出ストローク測
定機器の測定値が射出時と反対方向に増加することによ
り確認した。
【0046】この後、保圧を掛けながら冷却し凸レンズ
成形品を取り出した。得られた凸レンズは偏光板でレン
ズ中心部の光学歪、面不良等の欠陥は観察されなかっ
た。また、屈折力Diopter標準偏差も0.004と良好
であった。高精度の凸レンズが得られた。
【0047】[比較例2]実施例2において射出前のキ
ャビティをレンズ中心厚み3.8mmとし、余剰の樹脂
を射出シリンダーに戻さずに圧縮する条件を用いた以外
は、実施例2と同様な条件で同品種の凸レンズを圧縮成
形した。得られた凸レンズは、偏光板の観察でゲート付
近に過大な歪みや樹脂の流線に沿った模様が観察され、
中心部に光学歪が観察された。屈折力Diopterの標準偏
差も0.072となっており、品質に問題があった。
【0048】
【発明の効果】上記、発明の詳細な説明および実施例、
比較例等で明らかなように本発明の射出圧縮成形方法は
極めて簡単な金型構造および成形方法でウエルドライン
や光学歪、面不良が無く、品質の安定性に優れた光学成
形品を製造することができるので、眼鏡レンズの射出圧
縮成形等に好適に使用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】射出前に光学成形品容積より大きく拡大された
キャビティを示す概略図。
【図2】拡大されたキャビティに溶融熱可塑性樹脂を充
填した状態を示す概略図。
【図3】拡大されたキャビティを規定の厚さ(中心厚
み)まで圧縮して、余剰の溶融熱可塑性樹脂を射出シリ
ンダーに返していることを示す概略図。
【図4】歪み測定器の構造を示す概略図。
【図5】ウエルドラインの発生したレンズの模式図。
【図6】金型構造および圧縮の状態を示す概略図。
【符号の説明】
1.拡大されたキャビティー 2.固定側鏡面 3.可動側鏡面 4.溶融樹脂 5.スクリュー 6.圧縮されたキャビティー 7.互いに偏光面が直行した偏光板 8.試料(光学成形品) 9.磨りガラス 10.蛍光灯 11.試料(マイナス眼鏡レンズ) 12.ウエルドライン長さ 13.圧縮量調整ロッド 14.ダイセット 15.可動側鏡面 16.拡大されたキャビティー 17.固定側鏡面 18.圧縮されたキャビティー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなる光学成形品を射出
    圧縮成形する方法において、(1)目的とする光学成形
    品の容積よりもキャビティの容積を拡大させ、(2)そ
    のキャビティ内に溶融熱可塑性樹脂を射出シリンダーを
    通じて充填し、(3)射出シリンダーの樹脂圧が39M
    Pa以上の設定値に達した後、(4)次いで拡大された
    キャビティを成形品の規定の厚みまで圧縮させ、(5)
    前圧縮により生じた余剰の熱可塑性樹脂を射出シリンダ
    ーに戻し、(6)溶融熱可塑性樹脂がキャビティ内で目
    的とする成形品が形成するまで保持し、次いで、(7)
    得られた成形品をキャビティから取り出す、ことを特徴
    とする光学成形品の射出圧縮成形方法。
  2. 【請求項2】 光学成形品がポリカーボネート樹脂製の
    眼鏡レンズである請求項1記載の光学成形品の射出圧縮
    成形方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004325511A (ja) * 2003-04-21 2004-11-18 Sumitomo Dow Ltd 眼鏡レンズ
EP3354439B1 (en) * 2017-01-27 2023-01-25 Essilor International Method for injection molding weld line free minus power lens elements

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