JP2000004702A - 組織培養によるムラサキ科植物の大量増殖方法、および該方法によるシコニン誘導体の大量生産方法。 - Google Patents

組織培養によるムラサキ科植物の大量増殖方法、および該方法によるシコニン誘導体の大量生産方法。

Info

Publication number
JP2000004702A
JP2000004702A JP10181149A JP18114998A JP2000004702A JP 2000004702 A JP2000004702 A JP 2000004702A JP 10181149 A JP10181149 A JP 10181149A JP 18114998 A JP18114998 A JP 18114998A JP 2000004702 A JP2000004702 A JP 2000004702A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plant
medium
shoot
shoots
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10181149A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiro Omoto
俊郎 大本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
San Ei Gen FFI Inc
Original Assignee
San Ei Gen FFI Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by San Ei Gen FFI Inc filed Critical San Ei Gen FFI Inc
Priority to JP10181149A priority Critical patent/JP2000004702A/ja
Publication of JP2000004702A publication Critical patent/JP2000004702A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ムラサキ科植物の大量増殖方法を確立し、遺伝
的に同一なムラサキ科植物を簡便かつ短期間に、大量に
得る方法を提供することを目的とする。また、ムラサキ
科植物の大量増殖方法により、有用物質であるシコニン
誘導体を大量に生産する方法を提供することを目的とす
る。 【解決手段】ムラサキ科植物のシュートを暗黒下で培養
する。シコニン誘導体を大量に生産するための培地とし
てはB5培地が、ホルモンとしてはカイネチンが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、組織培養によるム
ラサキ科植物の大量増殖方法、および該方法によるシコ
ニン誘導体の大量生産方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ムラサキ科植物の大量増殖方法と
しては、種子によるものが多く、シュートによる培養は
これまでほとんど行われていなかった。そこで、簡便
で、かつ、再現性のあるムラサキ科植物の大量増殖方法
の確立が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ムラサキ科
植物の大量増殖方法を確立し、遺伝的に同一なムラサキ
科植物を簡便かつ短期間に、大量に得る方法を提供する
ことを目的とする。また、本発明は、ムラサキ科植物の
大量増殖方法により、有用物質であるシコニン誘導体を
大量に生産する方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来行わ
れてきた種子による増殖方法とは異なる、シュート培養
によるムラサキ科植物の大量増殖の作出条件を種々検討
した結果、シュートの増殖は暗黒下で行うことがよく、
さらに培地としてはWP培地が特に好ましく、ホルモン
としてはカイネチンを特定量使用することにより分枝が
盛んに生じ、より大量に増殖することを確認して、ムラ
サキ科植物を簡便かつ短期間に、大量増殖させる方法を
見出した。また、増殖したシュートを用い、B5培地に
カイネチンを添加することにより、シコニン誘導体の大
量生産も達成されることを確認して、本発明を完成する
に至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)組織培養による
ムラサキ科植物を大量増殖するに際し、暗黒下でシュー
トを増殖させることを特徴とするムラサキ科植物の大量
増殖方法、(2)組織培養によるムラサキ科植物を大量増
殖するに際し、0.001〜30mg/リットルのカイ
ネチンを含有する固体または液体培地でシュートを増殖
させることを特徴とするムラサキ科植物の大量増殖方
法、(3)上記(1)ないし(2)の方法において、培地をB
5培地とすることを特徴とする、シコニン誘導体を大量
生産する方法、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に係る大量増殖方法は、ム
ラサキ科植物の生組織を用い、所定量のIAAを含有す
る培地でシュートの形成、シュートの増殖を行い、つい
で、所定量以下のIAA含量ないしはIAAを含まない
培地でシュートの不定根の形成を行うことにより実施で
きる。培養組織としては、ムラサキ科植物の根頭部に多
数形成される芽部、特に、側芽の茎頂が主として用いら
れるが、これに限らず、葉えきに形成されるえき芽、根
頭部にきわめて近い部分の根のようなムラサキ科植物の
生組織、種子から得た無菌植物体を使用することもでき
る。以下、組織として茎頂を用いた場合を例に取り、本
発明の、組織培養によるムラサキ科植物の大量増殖方法
を、シュートの形成、シュートの増殖、シュートの不定
根の形成に分けて説明する。
【0007】(A)茎頂ムラサキ科植物の茎頂は、植物
の組織培養の分野で一般に採用されている方法で採取で
きる。ムラサキ科植物としては、1〜5年間栽培した株
で成分含有率が明らかな株の根頭部に数多く着生してい
る芽部の中で、主として直径1〜2cm、長さ2cm程
度の側芽を選んで用いるのが有利である。側芽は土壌の
中にあるため汚染程度が極めて高いことから、側芽の殺
菌は慎重を期す必要がある。例えば、側芽を根茎から鋭
利な刃物で切り取り、流水中で側芽の包葉を2枚程度剥
ぎ取り、十分に水洗しついで、水洗後の側芽を塩化ベン
ズアルコニウムの100倍液に20分間浸漬し、滅菌し
た濾紙で水分を拭き取る。この側芽を70%エタノール
を含浸させた濾紙の上で、側芽の包葉2枚をメスおよび
ピンセットを使用して剥ぎ取り、滅菌した100mlの
フラスコに10個程度の側芽を入れ70%エタノールに
1分間浸漬し、滅菌水で3回洗浄した後、有効塩素2%
の次亜塩素酸ナトリウム水溶液に10分間浸漬し、滅菌
水で3回洗浄する。上記の側芽より大きな側芽あるいは
小さな側芽を殺菌する場合は、各殺菌剤の使用濃度およ
び使用時間などは適宜決定する。このようにして殺菌し
たムラサキ科植物の側芽の操作以降は総て無菌的に行
う。このようにして殺菌した側芽から茎頂を摘出する
が、摘出する茎頂の大きさは高さ1〜2mm、直径0.
3〜1mmとし、メスおよびピンセットを使用して、実
体顕微鏡下で摘出操作を行うのがよい。かくして得られ
たムラサキ科植物の茎頂は、つぎの、シュートの形成の
ための培養に用いられる。
【0008】(B)シュートの形成ムラサキ科植物の側
芽から摘出した茎頂を培地に置床して培養することによ
って、シュートが形成される。培地としては植物の組織
培養で一般に用いられる培地を用いることができ、例え
ば、ムラシゲ−スクーグ(Murashige-Skoog)基本培地
(MS培地)[PHYSIOLOGIA PLANTRUM、第15巻、第4
73−479頁(1962年)]、あるいはその修正培
地であるリンスマイヤー−スクーグ(Linsmaier-Skoog)
基本培地[PHYSIOLOGIA PLANTRUM、第18巻、第100
−127頁(1965年)]、WP培地[Intnl. Plant P
ropag. Soc. CombdProc.、第30巻、421−427頁
(1980年)]などが挙げられるが、培地に加えられ
る有機物の種類が多く、かつ置床したシュートの初期成
長が良い点でWP培地が好ましい。培地に添加する炭素
源としてはショ糖が好適であった。培地のpHは、通常
のpH調整剤、例えば、水酸化カリウムおよび塩酸で、
5〜6.5、好ましくは、5.8に調整する。摘出した茎
頂は、培養用器、例えば試験管(径4cm×高さ13c
m)1本に1個を置床するのがよい。培養温度は明期で
は15〜28℃、好ましくは25℃、暗期では15〜2
8℃、好ましくは25℃とし、明期の時間は12〜24
時間、好ましくは14時間、照度は0〜6000ルック
ス、好ましくは1000ルックス程度とする。培養期間
は10〜60日であるが、通常約30日間培養すると、
置床した茎頂から1〜5個のシュートが形成される。か
くして得られたムラサキ科植物のシュートが、本発明に
係るシュートによる大量増殖方法に好適に用いられる。
【0009】(C)シュートの増殖得られたシュートを
固体または液体培地に移し培養することで、ムラサキ科
植物の大量増殖が達成される。培地としては上記のシュ
ートの形成に用いた培地と同じものを用いることもでき
るが、B5培地を用いることが最も好ましい。培地は固体
培地でも液体培地でもよいが、大量増殖の観点からは液
体培地がより好ましい。シュートの増殖は、約10〜6
0日間が好ましく、シコニン誘導体の生産効率の観点か
らは約5週間が好ましい。シュートの増殖のために用い
る培養用器は任意なものが利用でき、例えば三角フラス
コやバイオポット等を使用することができる。シュート
の培養温度は15〜30℃が好ましく、20〜27℃が
より好ましい。培地中に添加するホルモンとしては、カ
イネチンがもっとも好ましく、その添加量は0〜1mg
/リットルが大量増殖およびシコニン誘導体生産の観点
から好ましい。
【0010】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0011】実施例1 ムラサキ科植物の4年生株の根頭部の側芽を切り取り、
水道水でよく洗浄し、70%エタノールに1分間、つい
で有効塩素1%の次亞塩素酸ナトリウム溶液に10分間
浸漬して殺菌し、滅菌水で3回洗浄した後、実体顕微鏡
下で葉原基2〜3個を含む0.3〜0.4mmの茎頂を摘
出した。培地はB5培地にNAA0.5mg/リットル
とショ糖30g/リットル、寒天9g/リットルを添加
したものを用い、水酸化カリウムおよび塩酸でpH5.
8に調整し、試験管(径4cm×高さ13cm)に20
mlを分注した後、121℃で20分間滅菌した。茎頂
は試験管に1個を置床し、明期の温度は25℃、暗期の
温度は20℃、明期の時間は14時間、照度は3000
ルックスとし、培養は30日間行い、茎頂からシュート
を形成した。得られたシュート2cmをB5液体培地に
移し、暗黒下、25℃で5週間、ロータリーシェーカー
(60rpm)にて培養した。その結果、湿重量で0.
35g、乾燥重量で0.037gのムラサキ科植物が得
られた。この培養により液体培地中およびシュート中に
生産されたシコニン誘導体の含量は、シュートの乾燥重
量あたり1.8%であった。
【0012】比較例1 実施例1で茎頂から得られたシュート2cmを、実施例
1と同様にして、B5培地に代えてMS培地で培養した
ところ、湿重量で0.12g、乾燥重量で0.013gの
ムラサキ科植物が得られた。これは実施例1の場合に比
べ、それぞれ、34%、35%であった。この培養によ
り液体培地中およびシュート中に生産されたシコニン誘
導体の含量は、シュートの乾燥重量あたり0.6%であ
り、これは実施例1の場合に比べ33%であった。
【0013】実施例2 実施例1で茎頂から得られたシュート2cmを、カイネ
チン0.1mg/リットルを添加したB5固体培地に移
して、暗黒下、25℃で5週間培養した。その結果、湿
重量で0.18g、乾燥重量で0.017gのシュートが
得られた。また、培養中に生産されたシコニン誘導体の
含量は、シュートの乾燥重量あたり0.9%であった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組織培養によるムラサキ科植物を大量増
    殖するに際し、暗黒下でシュートを増殖させることを特
    徴とするムラサキ科植物の大量増殖方法。
  2. 【請求項2】 組織培養によるムラサキ科植物を大量増
    殖するに際し、暗黒下で0.001〜30mg/リット
    ルのカイネチンを含有する固体または液体培地でシュー
    トを増殖させることを特徴とするムラサキ科植物の大量
    増殖方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の方法において、培地
    をB5培地とすることを特徴とする、シコニン誘導体を
    大量生産する方法。
JP10181149A 1998-06-26 1998-06-26 組織培養によるムラサキ科植物の大量増殖方法、および該方法によるシコニン誘導体の大量生産方法。 Pending JP2000004702A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10181149A JP2000004702A (ja) 1998-06-26 1998-06-26 組織培養によるムラサキ科植物の大量増殖方法、および該方法によるシコニン誘導体の大量生産方法。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10181149A JP2000004702A (ja) 1998-06-26 1998-06-26 組織培養によるムラサキ科植物の大量増殖方法、および該方法によるシコニン誘導体の大量生産方法。

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000004702A true JP2000004702A (ja) 2000-01-11

Family

ID=16095748

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10181149A Pending JP2000004702A (ja) 1998-06-26 1998-06-26 組織培養によるムラサキ科植物の大量増殖方法、および該方法によるシコニン誘導体の大量生産方法。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000004702A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1649743A1 (en) * 2004-10-21 2006-04-26 Guru Jambheshwar University Method of direct regeneration, Shikonin induction in callus and Agrobacterium rhizogenes-mediated genetic transformation of Arnebia hispidissima
WO2007018252A1 (ja) * 2005-08-05 2007-02-15 Kirin Agribio Kabushiki Kaisha 植物苗の生産方法
JP2011217675A (ja) * 2010-04-09 2011-11-04 Wakanyaku Kenkyusho:Kk ムラサキの栽培方法
CN113545291A (zh) * 2021-08-12 2021-10-26 福建省中科生物股份有限公司 一种生蚝叶组培芽繁殖方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1649743A1 (en) * 2004-10-21 2006-04-26 Guru Jambheshwar University Method of direct regeneration, Shikonin induction in callus and Agrobacterium rhizogenes-mediated genetic transformation of Arnebia hispidissima
WO2007018252A1 (ja) * 2005-08-05 2007-02-15 Kirin Agribio Kabushiki Kaisha 植物苗の生産方法
JP2011217675A (ja) * 2010-04-09 2011-11-04 Wakanyaku Kenkyusho:Kk ムラサキの栽培方法
CN113545291A (zh) * 2021-08-12 2021-10-26 福建省中科生物股份有限公司 一种生蚝叶组培芽繁殖方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5143330B2 (ja) 藻類の培養のための改良法
CN100342778C (zh) 春兰种子组织培养育苗方法
Carra et al. Potential use of new diphenylurea derivatives in micropropagation of Capparis spinosa L.
US5840581A (en) Process for somatic embryogenesis of sweetgum
Maximova et al. Integrated system for propagation of Theobroma cacao L.
CN112616673B (zh) 一种用于花生耐盐体筛选的培养基以及筛选花生耐盐体的方法
CN109042330A (zh) 一种桃叶卫矛的组织培养方法
CN110476807B (zh) 一种建立油用牡丹‘凤丹’成熟种胚无菌培养体系的方法
JP2000004702A (ja) 組織培養によるムラサキ科植物の大量増殖方法、および該方法によるシコニン誘導体の大量生産方法。
Hirimburegama et al. Propagation of Bambusa vulgaris (yellow bamboo) through nodal bud culture
JPS6411250B2 (ja)
CN113475394A (zh) 一种明叶藓多倍体的培育方法
Banerjee et al. Recovery of in vitro cotton shoots through micrografting
JP2004000158A (ja) 四つ葉のクローバーの変種およびその作出方法
JP3154833B2 (ja) ギョウジャニンニクの組織培養による大量増殖法
JP2638768B2 (ja) フトモモ科植物の増殖及び発根苗化方法
Chen et al. In Vitro Sterilization Procedures For Micropropagating Silphium Integrifolium Michx.
JP3585050B2 (ja) ウイルスフリー化ホップ棒苗の製造方法
JP2000139251A (ja) ウイルスフリーのナス苗の生産方法
Germana et al. Encapsulation of in vitro-derived propagules of two genotypes of Capparis spinosa (L.) from Pantelleria Island
JP2000139254A (ja) 組織培養を利用したエゾリンドウおよび エゾオヤマリンドウの栄養繁殖方法
JPH09107831A (ja) 花卉植物の種苗の製造方法
EP1488689A1 (en) Method of producing cyclamen root tuber and method of proliferating cyclamen using the same
KR20010025127A (ko) 조직배양법에 의한 섬오갈피나무 묘종의 생산방법
Kumar et al. Explant dependent, high frequency, repetitive somatic embryogenesis and plant regeneration in Commiphora wightii.