JP2000003663A - 微小電界放出冷陰極装置 - Google Patents

微小電界放出冷陰極装置

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JP2000003663A
JP2000003663A JP18559598A JP18559598A JP2000003663A JP 2000003663 A JP2000003663 A JP 2000003663A JP 18559598 A JP18559598 A JP 18559598A JP 18559598 A JP18559598 A JP 18559598A JP 2000003663 A JP2000003663 A JP 2000003663A
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gate electrode
electrode
emitter electrode
substrate
shaped
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JP18559598A
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English (en)
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Koji Tsukada
浩司 塚田
Tokuo Fujitsuka
徳夫 藤塚
Hirobumi Funabashi
博文 船橋
Takahiro Ozawa
隆弘 小澤
Motofumi Suzuki
基史 鈴木
Yasunori Taga
康訓 多賀
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】微小電界放出冷陰極装置において、高周波特性
を向上させること。 【解決手段】ゲート電極16を単数を含む複数の棒状ゲ
ート電極13により構成し、同じく単数を含む複数の支
持棒14でそのゲート電極16を支え、そのゲート電極
の一部がエミッタ電極12の先端周囲に位置するよう配
置する。このゲート電極16の構成によると、基板11
と対向する面積が小さくなるため、静電容量Cが低減す
る。また、ゲート電極16直下は略空隙となるので、そ
の誘電率は約1となり、静電容量Cが低減する。その結
果、静電容量Cに逆比例する遷移周波数が高くなり高周
波特性が向上する。また、エミッタ電極12が複数形成
される場合には、ゲート電極16を形成するその棒状ゲ
ート電極13を互いに連結させる。これにより、1つの
制御信号で大電流を流すことができる。従って、高周波
特性の向上に加え大電流化も実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エミッタ電極・ゲ
ート電極・アノード電極がマイクロマシニング技術によ
って作成される微小電界放出冷陰極装置に関する。特
に、ゲート電極を棒状あるいは格子状にして静電容量を
低減し、高周波特性を向上させた微小電界放出冷陰極装
置に関する。本発明は、例えば高周波用トランジスタあ
るいは先の尖ったエミッタ電極をマトリクス状に配列
し、アノード電極を蛍光板とした平面ディスプレイに適
用できる。
【0002】
【従来の技術】微小電界放出冷陰極装置は、3極真空管
の原理を微小固体素子に応用したものである。簡単に説
明すると、図7に示すように、導電性基板51上に先の
尖ったエミッタ電極52と、その先端周囲にゲート電極
53を形成し、さらにアノード電極55を図示しない絶
縁膜を挟んでエミッタ電極52およびゲート電極53に
対向するように形成したものである。
【0003】ゲート電極53に制御電圧がかけられる
と、エミッタ電極52から電子が真空中に放出される。
放出された電子は、エミッタ電極・アノード電極間に掛
けられた強電界に沿って飛行しアノード電極に取り込ま
れる。その放出量すなわちアノード電流をゲ−ト電圧に
よって制御しようとする素子である。尚、上記ゲート電
圧は約50V、アノード電圧は約500Vである。この
ゲート電極に高周波制御信号を印加することで、高周波
増幅器、高速応答素子等が得られる。この微小電界放出
冷陰極装置は、トランジスタやアノード電極側に蛍光塗
料が塗布された平面ディスプレイ等への応用が期待さ
れ、その高周波動作が要求されている。
【0004】従来例として、例えば特開平6ー3494
02号公報あるいはC.A.Spint らによる論文(JVSTB,vo
l11(2),p468(1993) )に記載の微小電界放出冷陰極装置
が知られている。これは、エッチング技術、成膜技術等
のLSI製造技術によって作成される所謂スピント型と
言われ、基板軸に対する斜め方向からの蒸着と基板の回
転を利用して、円錐形状にエミッタ電極が形成されるも
のである。具体的には、図6に示すように先ず基板上に
抵抗層、絶縁膜および開口を有したゲ−ト電極が順次形
成される。その後、開口よりエミッタ電極の形成予定部
分の絶縁膜をエッチングして凹部が形成され、その凹部
内にモリブデン等を斜め蒸着させることにより円錐形状
のエミッタ電極が形成される。このようにして、微小電
界放出冷陰極装置は形成されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構造をとる微小電界放出冷陰極装置は高周波動作に
限界があった。なぜなら、ゲート電極にかけられる高周
波制御電流がゲート電極と基板間の静電容量Cにより直
接基板側にリークし、十分な電界がエミッタ電極先端に
発生しないからである。換言すれば、トランジスタにお
いてゲート電極と基板間の静電容量Cと限界動作周波数
である遷移周波数(遮断周波数)fT は、fT =gm/
2π・Cの逆比例の関係にあるからである。ここで、g
mは相互コンダクタンスと呼ばれ、エミッタ電極の物
性、先端形状等による制御電圧に対する放出電子量の比
例係数である。つまり、遷移周波数fT は上式によって
規定されている。
【0006】例えば、従来の微小電界放出冷陰極装置の
遷移周波数fT は、gmを数十μ((S)、静電容量C
を1×10-15 (F)とすると、その遷移周波数fT
数GHz程度であった。また、クオーツ基板上に作成し
たSpint らの報告(J.Vac.Sci.Technol.B,11(2) ,p4
68-473(1993)) によっても、gmが1×10-3(S),
Cが1×10-13 (F)程度でその遷移周波数fT は1
GHz程度である。そのため、さらなる高周波化のため
にはこのゲート電極と基板間の静電容量を下げる必要が
あり、様々な静電容量Cの低減化が試みられている。
【0007】例えば、特開平6ー349402号公報で
は、ゲート電極と基板間にさらに第2絶縁層を設け静電
容量の低減化を図っている。それは、ゲート電極と基板
間の絶縁層に新たに0.5μm厚の窒化シリコンを付加
するものである。しかしながら、窒化シリコンの比誘電
率を考え合わせても、その効果は高々数分の1程度しか
なく、飛躍的に静電容量Cを低減させるものではなかっ
た。また、上記ゲート電極上に微小孔をあけ上記窒化シ
リコン層をエッチングにより取り除き空隙にする提案が
ある。これは、空隙にすることにより比誘電率を1と
し、上記静電容量を低減させようとするものである。し
かしながら、この場合は第2絶縁層を設ける工程に加
え、さらにその第2絶縁層に微孔を開け空隙にする複雑
な工程が加わるので、コスト高になるという問題があっ
た。また、性能も安定するものではなかった。
【0008】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであり、上記静電容量は比誘電率と絶縁膜厚
およびゲート電極と基板の面積に依存することに着目
し、ゲート電極の形状を棒状とし、かつゲート電極下に
空隙を持たせることにより静電容量を低減させ微小電界
放出冷陰極装置の高周波特性を高めることである。
【0009】
【課題を解決するための手段・作用・効果】この目的を
達成するために本発明の請求項1記載の微小電界放出冷
陰極装置は、基板上に形成された先の尖ったエミッタ電
極とこのエミッタ電極先端部の周囲に形成され真空中の
電子放出を制御するゲート電極とエミッタ電極の先端部
と対向するアノード電極とを有する微小電界放出冷陰極
装置であって、ゲート電極は単数を含む複数の棒状ゲー
ト電極からなり、基板上に立設された単数を含む複数の
絶縁体からなる支持棒によってそのゲート電極の一部が
エミッタ電極の先端周囲に保持されている。ここで、エ
ミッタ電極が平面上に格子状に複数形成される場合に
は、そのゲート電極は互いに連結され格子状に形成され
るのが望ましい。
【0010】ゲート電極と基板間には静電容量が発生す
る。この静電容量は、比誘電率とゲート電極の面積に比
例し基板との離間距離に反比例する。上述の様にゲート
電極は、単数を含む複数の棒状ゲート電極から構成され
ているため、従来の板状ゲート電極よりその面積が小さ
い。これは上記静電容量を低減させる効果がある。ま
た、ゲート電極は単数を含む複数の絶縁体からなる支持
棒によって保持されている。そのため、ゲート電極・基
板間はほとんど空隙である。従って、上記誘電率は略真
空の誘電率であり、従来の絶縁膜の誘電率より小さい。
これも、上記静電容量を低減させる効果がある。この両
効果により、請求項1の微小電界放出冷陰極装置の静電
容量は従来より大きく低減せられる。トランジスタ等の
本素子の動作限界周波数を示す遷移周波数はこの静電容
量に反比例する。従って、従来より遷移周波数が高くな
り高周波特性が向上する。
【0011】また、エミッタ電極を平面上に格子状に複
数形成される場合には、ゲート電極は互いに連結されて
いる。よって、1つの制御信号で多数のエミッタから電
子を放出させることができる。従って、従来に比べて高
周波特性の改善と大電流化の両方を実現する優れた微小
電界放出冷陰極装置となる。
【0012】請求項2記載の微小電界放出冷陰極装置
は、基板上に形成された先の尖ったエミッタ電極とこの
エミッタ電極先端部の周囲に形成され、電子放出を制御
するゲート電極とエミッタ電極の先端部と対向するアノ
ード電極とを有する微小電界放出冷陰極装置であって、
基板に立設された楔形エミッタ電極と、その楔形エミッ
タ電極に隣接して立設された単数を含む複数の絶縁部材
と、その絶縁部材で支持され、楔形エミッタ電極先端部
に沿って形成された棒状ゲート電極を備えている。な
お、前記絶縁部材は板状に立設されても、棒状に立設さ
れていも良い。絶縁部材が板状の場合には、板の上部に
棒状ゲート電極が配設され、絶縁部材が棒状の場合に
は、棒状ゲート電極は請求項1と同様にT字状に支持さ
れることになる。前記棒状ゲート電極は前記エミッタ電
極を挟んで両側に立設されるのが望ましい。
【0013】上述のように、先の尖ったエミッタ電極に
代えて楔形エミッタ電極が形成されているので、従来よ
り多くの電子を放出することができる。よって、従来に
比べてさらに大電流を得ることができる。また、絶縁部
材が楔形エミッタ電極に隣接して立設され、その絶縁部
材上部に棒状ゲート電極が形成されている。棒状ゲート
電極と基板間の静電容量は、その絶縁部材の高さによっ
て決められる。従って、これを調整することにより、高
周波特性を高めることができる。又、絶縁部材を棒状と
することで、棒状ゲート電極の下部を真空とすることが
できる。よって、大電流化とともに高周波特性を高めた
優れた微小電界放出冷陰極装置となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。尚、本発明は下記実施例に限定され
るものではない。 (第1実施例)図1に本発明の微小電界放出冷陰極装置
の構成図を示す。本発明による微小電界放出冷陰極装置
10は、基板11、その基板11上に形成された先の尖
ったエミッタ電極12、エミッタ電極12の先端を取り
囲む複数の棒状ゲート電極13からなる格子状のゲート
電極16、格子状のゲート電極16と基板11の離間距
離を規定する絶縁体からなる複数の支持棒14およびそ
れらに対向して設けられたアノード電極15から構成さ
れる。尚、基板11は導電性を有する基板である。
【0015】上記構成要素は、リソグラフィによるパタ
ーンニング技術、エッチング技術、エピタキシャル成膜
技術を中心とした所謂プレ−ナ技術で形成される。製造
方法について、簡単に説明する。例えば、先ず表面が平
坦に研磨されたn伝導型単結晶シリコンからなる基板1
1上に、図示しない犠牲層を所定厚さに作成する。これ
は、ゲート電極16と基板11間に所定の離間距離を確
保するためである。次に、エッチング技術等で支持棒1
4が形成される箇所に微小孔を形成し、その後、成膜技
術等でその中に支持棒14を形成する。次いで、成膜技
術等でその上に格子状のゲート電極16を形成する。次
に、同じくエッチング技術等でエミッタ電極12が形成
される箇所に微小孔を形成する。その後同様に成膜技術
等で、その微小孔中にエミッタ電極12を形成する。最
後に犠牲層をエッチング技術等で取り除き、先の尖った
エミッタ電極12,支持棒14に支えられた格子状のゲ
ート電極16が形成される。そして、最後にアノード電
極15が図示しないスペーサによって支持され、その全
体がガラス容器等に真空封入されて完成される。
【0016】このように、微小電界放出冷陰極装置は作
成されるが、本発明の微小電界放出冷陰極装置では、ゲ
ート電極16が棒状ゲート電極13によって構成されて
おり、かつ支持棒14によって支えられているため、エ
ミッタ電極12と導電基板間の静電容量Cが極めて小さ
く構成されるのが特徴である。
【0017】一般に、ゲート電極と基板が対向する構造
を持つ微小電界放出冷陰極装置は、ゲート電極と基板間
に静電容量Cが発生する。そして、それにより高周波動
作が制限される。この静電容量Cは次式によって決定さ
れる。
【数1】C=εε0 S/d …(1) ここで、εは両電極間の比誘電率、ε0 は真空の誘電
率、Sは両電極の重なり合う面積(以下、対向面積とい
う)dは両電極の離間距離である。この静電容量Cが大
きくなると、高周波動作時には低インピーダンスとな
り、高周波制御電流がゲート電極から基板へリークす
る。その結果、高周波領域での増幅率が制限される。特
に、増幅率1の場合は上述のように遷移周波数は、関係
式fT =gm/2π・Cで規定される。つまり、高周波
特性は相互コンダクタンスgm、静電容量Cの両方で規
定される。特に静電容量Cを決定する比誘電率ε、対向
面積S、両電極の離間距離dを選択すれば、大きく高周
波特性を向上させる事ができる。
【0018】例えば、10GHz以上の遷移周波数が必
要な場合は、相互コンダクタンスgmを2×10
-5(S)とした場合、図2の遷移周波数fT とgm、C
のグラフより静電容量Cは5×10-16 (F)以下を選
択すれば良いことが分かる。そのため、本発明では、ゲ
ート電極16を棒状ゲート電極13により構成し、その
対向面積Sを従来の1/5に低減した。また、ゲート電
極16と基板11間を支持棒14を除いて空隙とするこ
とにより誘電率を約1/2とした。さらに、エミッタ電
極12、支持棒14の高さをそれぞれ2倍とすることに
よって、合計、従来の1/20とし上記静電容量Cを
0.5×10-14 (F)とした。これにより、遷移周波
数fT は、従来の1GHzに対して20GHzとなり高
周波特性を向上させる事ができた。
【0019】(第2実施例)図3に本発明による微小電
界放出冷陰極装置の第2実施例を示す。図は構成図であ
る。本発明による微小電界放出冷陰極装置20は、導電
性を有するn型シリコン基板21、そのn型シリコン基
板21上に立設された楔形エミッタ電極22、楔形エミ
ッタ電極22を挟んで隣接され、同じくn型シリコン基
板21上に立設された絶縁板(絶縁部材)23、その絶
縁板23上部に形成された棒状ゲート電極25、楔形エ
ミッタ電極22に対向して形成されたアノード電極26
およびそのアノード電極26を支える絶縁層24から構
成される。図4に楔形エミッタ電極22と絶縁板23お
よび棒状ゲート電極25の詳細正面図を示す。棒状ゲー
ト電極25は、楔形エミッタ電極22の先端より上方に
楔形エミッタ電極22に沿って平行に配置されている。
エミッタ電極22の上部には第1アノード電極26aと
第2アノード電極26bとが形成されている。その2つ
のアノード電極26a、26bは両端が接合されてお
り、エミッタ電極22の上部には楔型の真空内室27が
形成されている。尚、上記構成要素も第1実施例と同
様、リソグラフィによるパターンニング技術、エッチン
グ技術、エピタキシャル成膜技術によって作成される。
【0020】第1実施例と異なる所は、先の尖った円錐
形のエミッタ電極12に代えて楔形エミッタ電極22を
採用したことである。電子が放出される先端部が直線状
に伸びているので、放出面積が増加し、相互コンダクタ
ンスgmが2倍に向上している。実測によると、約2×
10-3(S)であった。従って、この形状は第1実施例
や、従来例に比べて、2倍の電流を流すことを可能にし
ている。また、相互コンダクタンスが2倍となるので、
その効果だけ考慮すると、上式(1)よりその遷移周波
数fT を2倍に向上させることができる。よって、大電
流化と高周波動作を同時に可能とする優れた微小電界放
出冷陰極装置となる。次に、棒状ゲート電極25を絶縁
板23の上部に形成し、その高さを従来の5倍の5μm
とした。従来が約1μmであるので、これは静電容量C
を1/5に低減させる効果がある。又、棒状ゲート電極
25の幅Wを0.5μmとした。この幅は、従来例のゲ
ート電極の幅が3μmであるので、その幅Wは1/6と
なる。この棒状ゲート電極25の幅と高さとにより、従
来例よりも、ゲート電極とエミッタ電極間の静電容量
は、1/30となる。これに、相互コンダクタンスが2
倍になったことを考慮すると、遷移周波数についてはf
T を60倍の60GHzに向上させることができる。
【0021】さらに、絶縁板23の幅Wをより小さく、
すなわち棒状ゲート電極25の幅をさらに小さくするこ
とによって対向面積を減少させ、静電容量Cをさらに低
減させることも可能である。その場合は、さらに遷移周
波数fT を向上させることができる。従って、大電流化
と、さらなる高周波動作を同時に可能とする微小電界放
出冷陰極装置となる。
【0022】尚、基板21とエミッタ電極22とをシリ
コンで形成し、エミッタ電極22の高さを4μm以上、
エミッタ電極22の幅We を0.5μm以下、アノード
電極26が金メッキで構成し、厚さ、3μm以上、真空
内室27の下部の幅Wr を2.5μm以下とすること
で、遷移周波数を拡大することができる。
【0023】(変形例)以上、本発明を表わす1実施例
を示したが、他にさまざまな変形例が考えられる。例え
ば、第1実施例において直方体の棒状ゲート電極13を
用いたが、これに限定するものではなく、断面形状が円
形,楕円形,三角形など自由に選択できる。また、第1
実施例においては、棒状ゲート電極13はその端部がエ
ミッタ電極12を取り囲むように対向して設けられてい
るが、図5の上視図に示すように棒状ゲート電極13の
側面が対向するようにエミッタ電極12の先端を取り囲
んでも良い。
【0024】また、第1実施例においてエミッタ電極1
2が複数の場合、棒状ゲート電極13連結し、四角形を
基本とする格子状のゲート電極16を用いて説明した
が、この形状に特に限定する必要はなく、エミッタ電極
の配置に応じて三角形、六角形など様々な形状が取られ
る。また、第1実施例においてエミッタ電極12の形状
を円錐形としたが、上部を円錐形とし下部を円柱形とし
ても差し支えない。
【0025】また、第2実施例ではn型シリコン基板2
1を用いたが、これに代えてガラス基板に金、アルミ等
を蒸着した導電性基板を用いてもよい。また、第2実施
例において、絶縁板23に代えて、棒状の絶縁部材とし
ても良い。これにより、棒状ゲート電極25の下を真空
とすることができ、静電容量をさらに低下させることが
できる。また、第2実施例では単数の楔形エミッタ電極
を用いたが、これを列設し、さらに大電流化を実現して
も良い。
【0026】また、第1実施例および第2実施例におい
て、エミッタ電極をそれぞれモリブデン、シリコンとし
たがそれらに限定するものではなく、チタン等他の材料
でもよい。エミッタ電極を構成する材料の仕事関数が所
定の値であれば特に限定するものではない。
【0027】また、第1実施例の円錐形状のエミッタ電
極および第2実施例の楔形エミッタ電極において、それ
ら先端部に負の電子親和力を有するダイヤモンド薄膜を
形成してもよい。ダイヤモンド薄膜は、上記相互コンダ
クタンスgmを向上させる効果がある。これにより、大
電流化と高周波特性の向上をさらに図ってもよい。
【0028】その他様々な変形例が考えられるが、微小
電界放出冷陰極装置においてゲート電極と基板との静電
容量を低減するため、ゲート電極を対向面積の小さい棒
状ゲート電極によって構成するとともにそのゲート電極
を支持棒によって支え、その直下を略空隙とし、その結
果微小電界放出冷陰極装置の高周波特性を向上させる本
発明の主旨に沿うものであればその方式は問わない。
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る微小電界放出冷陰極
装置の斜視図。
【図2】遷移周波数fT と相互コンダクタンスgmと静
電容量Cの関係を表すグラフ。
【図3】本発明の第2実施例に係る微小電界放出冷陰極
装置の斜視図。
【図4】本発明の第2実施例にかかる楔形エミッタ電極
と絶縁板と棒状ゲート電極の関係を表す詳細正面図。
【図5】本発明の第1実施例に係るゲート電極とエミッ
タ電極の位置関係の変形例を示す上面図。
【図6】従来のスピント型による製造方法を示した工程
図。
【図7】従来の微小電界放出冷陰極装置の構成図。
【符号の説明】
11 基板 12 エミッタ電極 13 棒状ゲート電極 14 支持棒 15 アノード 16 ゲート電極 21 n型シリコン基板 22 楔形エミッタ電極 23 絶縁板 24 絶縁層 25 棒状ゲート電極 26 アノード
フロントページの続き (72)発明者 船橋 博文 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 小澤 隆弘 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 鈴木 基史 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 多賀 康訓 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された先の尖ったエミッタ電
    極とこのエミッタ電極先端部の周囲に形成され真空中の
    電子放出を制御するゲート電極とエミッタ電極の先端部
    と対向するアノード電極とを有する微小電界放出冷陰極
    装置において、 前記ゲート電極は単数を含む複数の棒状ゲート電極から
    なり、前記基板上に立設された単数を含む複数の絶縁体
    からなる支持棒によって該ゲート電極の一部がエミッタ
    電極の先端周囲に保持されたことを特徴とする微小電界
    放出冷陰極装置。
  2. 【請求項2】基板上に形成された先の尖ったエミッタ電
    極とこのエミッタ電極先端部の周囲に形成され電子放出
    を制御するゲート電極とエミッタ電極の先端部と対向す
    るアノード電極とを有する微小電界放出冷陰極装置であ
    って、 前記基板に立設された楔形エミッタ電極と、 該楔形エミッタ電極に隣接して立設された単数を含む複
    数の絶縁部材と、 前記絶縁部材で支持され、前記楔形エミッタ電極先端部
    に沿って形成された棒状ゲート電極とを備えたことを特
    徴とする微小電界放出冷陰極装置。
JP18559598A 1998-06-15 1998-06-15 微小電界放出冷陰極装置 Pending JP2000003663A (ja)

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