JP2000002744A - 回転機のコイル絶縁診断方法及びその装置 - Google Patents
回転機のコイル絶縁診断方法及びその装置Info
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- JP2000002744A JP2000002744A JP10181677A JP18167798A JP2000002744A JP 2000002744 A JP2000002744 A JP 2000002744A JP 10181677 A JP10181677 A JP 10181677A JP 18167798 A JP18167798 A JP 18167798A JP 2000002744 A JP2000002744 A JP 2000002744A
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- Japan
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- heat conduction
- coil
- insulation layer
- probe
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- Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)
- Testing Relating To Insulation (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】電気的特性や、物理化学的特性の測定による絶
縁診断では不可能であった、非破壊でかつ簡便に実施で
きる回転機コイルの絶縁診断方法及びその装置を提供す
ることにある。 【解決手段】コイル絶縁層の熱伝導の状態を、特にコイ
ル表面に熱線法による測定を行なうためのプローブを密
着させて測定し、その値から、コイルの残存絶縁破壊電
圧を推定して絶縁診断を行なう診断方法及びその装置で
ある。
縁診断では不可能であった、非破壊でかつ簡便に実施で
きる回転機コイルの絶縁診断方法及びその装置を提供す
ることにある。 【解決手段】コイル絶縁層の熱伝導の状態を、特にコイ
ル表面に熱線法による測定を行なうためのプローブを密
着させて測定し、その値から、コイルの残存絶縁破壊電
圧を推定して絶縁診断を行なう診断方法及びその装置で
ある。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転機のコイル絶
縁の劣化診断法及びその装置に関するものである。
縁の劣化診断法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】回転機の絶縁診断方法としては、従来か
らコイルの絶縁抵抗、部分放電、誘電正接などの電気的
特性による試験が一般に行われている。また、コイル絶
縁の絶縁層から試料を採取し、機器分析等の手段を用い
て材料の劣化程度を直接診断する方法も提案されてい
る。一般に、回転機の運転時間と絶縁破壊電圧の関係
は、図8で示すように、運転時間とともに絶縁破壊電圧
が減少し、やがて寿命に到達する。したがって絶縁診断
を行った時点での残存破壊電圧がわかれば、そこから残
存寿命が推定できることになる。ここで、絶縁診断を行
う際に残存破壊電圧を測定することは不可能であるの
で、その他の間接的な測定値、たとえば電気的な特性
や、物理化学的な特性等の測定値から、残存破壊電圧を
推定する方法が広く行われている。
らコイルの絶縁抵抗、部分放電、誘電正接などの電気的
特性による試験が一般に行われている。また、コイル絶
縁の絶縁層から試料を採取し、機器分析等の手段を用い
て材料の劣化程度を直接診断する方法も提案されてい
る。一般に、回転機の運転時間と絶縁破壊電圧の関係
は、図8で示すように、運転時間とともに絶縁破壊電圧
が減少し、やがて寿命に到達する。したがって絶縁診断
を行った時点での残存破壊電圧がわかれば、そこから残
存寿命が推定できることになる。ここで、絶縁診断を行
う際に残存破壊電圧を測定することは不可能であるの
で、その他の間接的な測定値、たとえば電気的な特性
や、物理化学的な特性等の測定値から、残存破壊電圧を
推定する方法が広く行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電気的
特性試験では鉄心スロット部の巻線絶縁層が劣化診断の
対象となり、コイルエンド部等の絶縁劣化の程度は、把
握されない。また測定状態での汚損度や、湿度などの条
件によって測定値が左右され易く、測定値に対する正し
い評価が出来ない場合があるなどの問題点がある。
特性試験では鉄心スロット部の巻線絶縁層が劣化診断の
対象となり、コイルエンド部等の絶縁劣化の程度は、把
握されない。また測定状態での汚損度や、湿度などの条
件によって測定値が左右され易く、測定値に対する正し
い評価が出来ない場合があるなどの問題点がある。
【0004】一方、巻線を構成している絶縁材料そのも
の、あるいは、一部を採取し熱分析、赤外分光分析など
の機器分析によって、材料そのものの劣化程度を推定
し、そのデータから絶縁の劣化診断を行なう方法があ
る。この方法では、絶縁材料の直接的な劣化度が判定で
きることや、汚損や湿度等の環境要因に測定値が左右さ
れ難いという特徴があるものの、微量とはいえ、絶縁層
等から直接試料を採取する必要があり、部分的な破壊検
査になる。したがって、本手法が採用できるのは、採取
によって絶縁性能に影響を及ぼさない個所が存在する機
種や、高圧機など絶縁層が比較的厚く、採取後の補修作
業によって絶縁性能を回復できる機種に限定される。
の、あるいは、一部を採取し熱分析、赤外分光分析など
の機器分析によって、材料そのものの劣化程度を推定
し、そのデータから絶縁の劣化診断を行なう方法があ
る。この方法では、絶縁材料の直接的な劣化度が判定で
きることや、汚損や湿度等の環境要因に測定値が左右さ
れ難いという特徴があるものの、微量とはいえ、絶縁層
等から直接試料を採取する必要があり、部分的な破壊検
査になる。したがって、本手法が採用できるのは、採取
によって絶縁性能に影響を及ぼさない個所が存在する機
種や、高圧機など絶縁層が比較的厚く、採取後の補修作
業によって絶縁性能を回復できる機種に限定される。
【0005】その他、あらかじめ絶縁層内部あるいは近
傍に光センサーや光ファイバー等の特殊なセンサーを埋
め込み、絶縁層の色相や、部分放電を観測する手段も提
案されている。これらの方法は運転中でも絶縁診断が可
能であるという特徴があるが、回転機製造時にセンサー
などを埋め込んでおく必要があり、コストが上昇すると
いう問題がある。以上の様に、従来からの絶縁診断方法
及びその装置では、種々の問題を含んでいるため、非破
壊でかつ現場で簡便に行なえる絶縁診断方法及びその装
置が望まれている。本発明は上述した点に鑑みて創案さ
れたもので、その目的とするところは、これらの欠点を
解決し、絶縁層の熱伝導を測定することによって、非破
壊で簡便に絶縁診断が行なえる回転機のコイル絶縁診断
方法及びその装置を提供することにある。
傍に光センサーや光ファイバー等の特殊なセンサーを埋
め込み、絶縁層の色相や、部分放電を観測する手段も提
案されている。これらの方法は運転中でも絶縁診断が可
能であるという特徴があるが、回転機製造時にセンサー
などを埋め込んでおく必要があり、コストが上昇すると
いう問題がある。以上の様に、従来からの絶縁診断方法
及びその装置では、種々の問題を含んでいるため、非破
壊でかつ現場で簡便に行なえる絶縁診断方法及びその装
置が望まれている。本発明は上述した点に鑑みて創案さ
れたもので、その目的とするところは、これらの欠点を
解決し、絶縁層の熱伝導を測定することによって、非破
壊で簡便に絶縁診断が行なえる回転機のコイル絶縁診断
方法及びその装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】つまり、その目的を達成
するための手段は、 (1)請求項1において、回転機のコイル絶縁層の熱伝
導を測定するコイル絶縁診断方法において、加熱線と熱
電対を備えたプローブをコイル絶縁層の部分に密着さ
せ、コイル絶縁層の熱伝導を計測し、このことによって
絶縁層の熱伝導の変化を算出することを特徴とする回転
機のコイル絶縁診断方法である。
するための手段は、 (1)請求項1において、回転機のコイル絶縁層の熱伝
導を測定するコイル絶縁診断方法において、加熱線と熱
電対を備えたプローブをコイル絶縁層の部分に密着さ
せ、コイル絶縁層の熱伝導を計測し、このことによって
絶縁層の熱伝導の変化を算出することを特徴とする回転
機のコイル絶縁診断方法である。
【0007】(2)請求項2において、回転機のコイル
絶縁層の熱伝導を測定するコイル絶縁診断装置におい
て、加熱線と熱電対を備えたプローブをコイル絶縁層の
部分に密着させる計測手段によって、コイル絶縁層の熱
伝導を計測し、このことによって絶縁層の熱伝導の変化
を算出することを特徴とする回転機の熱伝導率を測定す
る回転機のコイル絶縁診断装置である。
絶縁層の熱伝導を測定するコイル絶縁診断装置におい
て、加熱線と熱電対を備えたプローブをコイル絶縁層の
部分に密着させる計測手段によって、コイル絶縁層の熱
伝導を計測し、このことによって絶縁層の熱伝導の変化
を算出することを特徴とする回転機の熱伝導率を測定す
る回転機のコイル絶縁診断装置である。
【0008】ここで、絶縁層の熱伝導、あるいは伝熱の
状態を把握する手段としては、レーザーフラッシュ法、
熱線法、巻線導体に電流を流して絶縁層の温度上昇を熱
電対、放射温度計、サーモビュア等の温度計測手段で計
測する方法、絶縁層表面に局部的に加熱できるヒーター
を設置して、その周辺に伝わる温度上昇を計測する方法
などが考えられるが、装置が簡便で、測定時間も短く、
現場で容易に計測できる手段として、熱線法による測定
が最も望ましい。
状態を把握する手段としては、レーザーフラッシュ法、
熱線法、巻線導体に電流を流して絶縁層の温度上昇を熱
電対、放射温度計、サーモビュア等の温度計測手段で計
測する方法、絶縁層表面に局部的に加熱できるヒーター
を設置して、その周辺に伝わる温度上昇を計測する方法
などが考えられるが、装置が簡便で、測定時間も短く、
現場で容易に計測できる手段として、熱線法による測定
が最も望ましい。
【0009】熱線法とは、無限に大きな物体中に無限に
細い加熱線を直線状に埋め込み、加熱線に一定電力を供
給していると、物体中の任意の点における温度は、図9
に示すように、時間の経過に伴って上昇する。この時の
時間t1とt2における温度をそれぞれT1、T2(°
C)とすると、加熱線に流した電流値I(A)と加熱線
の電気抵抗R(Ω/m)から、熱伝導率λ(W/m・
K)は、(1)式で示される。 λ=(I・I)・(R/4π)・{2.303log(t2/t1)/(T2 −T1)} −−−−−−−−−(1) 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳述する。
細い加熱線を直線状に埋め込み、加熱線に一定電力を供
給していると、物体中の任意の点における温度は、図9
に示すように、時間の経過に伴って上昇する。この時の
時間t1とt2における温度をそれぞれT1、T2(°
C)とすると、加熱線に流した電流値I(A)と加熱線
の電気抵抗R(Ω/m)から、熱伝導率λ(W/m・
K)は、(1)式で示される。 λ=(I・I)・(R/4π)・{2.303log(t2/t1)/(T2 −T1)} −−−−−−−−−(1) 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳述する。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例を示す説
明図、図2は他の実施例を説明するための説明図であ
る。(1)式に示す測定法は、図6に示すように、同質
な2個の試料片1の間に加熱線2と熱電対4をはさんで
密着させて測定する。さらに簡便な測定法として、図7
に示すごとく、熱伝導率が既知で、断熱性が良く、弾力
性のある基材7の表面に加熱線9と熱電対8を配置した
プローブ6を試料の平面部分に密着させて、試料の熱伝
導率を測定する方法である。この場合の、熱伝導率の算
出は、(1)式のR/4πを含め、熱伝導率既知の基材
7を用いるために生じる定数K及びHを導入して、
(2)式で示される。 λ=K・(I・I)・{2.303log(t2/t1)/(T2−T1)} −H −−−−−−−−−−−−(2)
明図、図2は他の実施例を説明するための説明図であ
る。(1)式に示す測定法は、図6に示すように、同質
な2個の試料片1の間に加熱線2と熱電対4をはさんで
密着させて測定する。さらに簡便な測定法として、図7
に示すごとく、熱伝導率が既知で、断熱性が良く、弾力
性のある基材7の表面に加熱線9と熱電対8を配置した
プローブ6を試料の平面部分に密着させて、試料の熱伝
導率を測定する方法である。この場合の、熱伝導率の算
出は、(1)式のR/4πを含め、熱伝導率既知の基材
7を用いるために生じる定数K及びHを導入して、
(2)式で示される。 λ=K・(I・I)・{2.303log(t2/t1)/(T2−T1)} −H −−−−−−−−−−−−(2)
【0011】図7はプローブの一例を示すが、この場合
には、熱伝導率が既知で安定な、石英、シリコンゴム、
発泡スチロールなど3〜4種類のリファレンスプレート
を用いて、プローブを検定し、K及びHの値を求めてお
く必要がある。一般に、回転機のコイル絶縁層は劣化し
ていくに従って、絶縁層内にボイドや剥離等の欠陥が生
ずるために、絶縁層の熱伝導率は劣化とともに低下して
いく。このようなプローブ6を、コイルエンド部分ある
いは、楔の上部から、絶縁層表面に密着させて、温度上
昇を計測し熱伝導を求める。この時、測定される熱伝導
とは、絶縁層、コイル導体、鉄心、コイル形状等の複合
化された値が計測されるが、通常、劣化が進行して熱伝
導の状態が変化するのは絶縁層に限られるため、計測さ
れた値の変化には絶縁層の熱伝導の変化が反映されるこ
とになる。
には、熱伝導率が既知で安定な、石英、シリコンゴム、
発泡スチロールなど3〜4種類のリファレンスプレート
を用いて、プローブを検定し、K及びHの値を求めてお
く必要がある。一般に、回転機のコイル絶縁層は劣化し
ていくに従って、絶縁層内にボイドや剥離等の欠陥が生
ずるために、絶縁層の熱伝導率は劣化とともに低下して
いく。このようなプローブ6を、コイルエンド部分ある
いは、楔の上部から、絶縁層表面に密着させて、温度上
昇を計測し熱伝導を求める。この時、測定される熱伝導
とは、絶縁層、コイル導体、鉄心、コイル形状等の複合
化された値が計測されるが、通常、劣化が進行して熱伝
導の状態が変化するのは絶縁層に限られるため、計測さ
れた値の変化には絶縁層の熱伝導の変化が反映されるこ
とになる。
【0012】従って、前述の方法によって得られた熱伝
導の値の絶対値に意味はないが、同一機種、同一形状の
コイルの劣化に伴う熱伝導の相対的な比較を行なうこと
によって、絶縁層の劣化度が判定できる。測定に当たっ
ては、プローブ6とコイル表面が密着するようにするこ
とが重要であるが、表面が平滑でなかったり、直接密着
させることが困難な状況下においては、グリースを薄く
塗布したり、スペーサーとして薄いシリコーンゴムシー
ト等の弾性を持った材料をコイルの絶縁層表面とプロー
ブの間に介在させて測定することも可能である。この場
合、グリースの塗布法や、スペーサーの形状は一定に保
ち、毎回測定条件が同一になるようにすることが肝要で
ある。また、スペーサーを挟み込む変わりに、測定部分
に段差などが存在して測定が困難な場合には、コイル表
面が密着するよう熱伝導既知の基材7を、測定部分の形
状に合うように加工して用いることも可能である。
導の値の絶対値に意味はないが、同一機種、同一形状の
コイルの劣化に伴う熱伝導の相対的な比較を行なうこと
によって、絶縁層の劣化度が判定できる。測定に当たっ
ては、プローブ6とコイル表面が密着するようにするこ
とが重要であるが、表面が平滑でなかったり、直接密着
させることが困難な状況下においては、グリースを薄く
塗布したり、スペーサーとして薄いシリコーンゴムシー
ト等の弾性を持った材料をコイルの絶縁層表面とプロー
ブの間に介在させて測定することも可能である。この場
合、グリースの塗布法や、スペーサーの形状は一定に保
ち、毎回測定条件が同一になるようにすることが肝要で
ある。また、スペーサーを挟み込む変わりに、測定部分
に段差などが存在して測定が困難な場合には、コイル表
面が密着するよう熱伝導既知の基材7を、測定部分の形
状に合うように加工して用いることも可能である。
【0013】図1においては、誘導電動機固定子コイル
の部分的な概略図で、プローブ6の設置箇所1 0および
11の部分が、代表的なプローブ6の密着位置である。
つまり、設置箇所1 0の位置は鉄心12に挿入された部
分のコイル絶縁層の熱伝導を測定する場合であり、コイ
ルエンド部分の熱伝導を測定する場合には設置箇所11
で示される個所にプローブ6を設置する。なお、13は
楔、14はコイルエンドである。
の部分的な概略図で、プローブ6の設置箇所1 0および
11の部分が、代表的なプローブ6の密着位置である。
つまり、設置箇所1 0の位置は鉄心12に挿入された部
分のコイル絶縁層の熱伝導を測定する場合であり、コイ
ルエンド部分の熱伝導を測定する場合には設置箇所11
で示される個所にプローブ6を設置する。なお、13は
楔、14はコイルエンドである。
【0014】図2においては、一般に、鉄心挿入部分の
コイル絶縁層の熱伝導を測定しようとした場合、鉄心1
5と楔16の間に段差があるために、プローブ6を直接
密着できない場合が多い。このような場合、図3に示す
ように、プローブ20と楔22の間にスペーサー21を
挿入し、スペーサー21および楔22と共に絶縁層の熱
伝導を測定する。なお、19は鉄心、23はコイル絶縁
層、24はコイル導体である。
コイル絶縁層の熱伝導を測定しようとした場合、鉄心1
5と楔16の間に段差があるために、プローブ6を直接
密着できない場合が多い。このような場合、図3に示す
ように、プローブ20と楔22の間にスペーサー21を
挿入し、スペーサー21および楔22と共に絶縁層の熱
伝導を測定する。なお、19は鉄心、23はコイル絶縁
層、24はコイル導体である。
【0015】図4はコイルエンド部分の測定を行なう場
合のプローブ設定の概略図で、コイル表面が平滑である
場合にはスペーサー26を挟む必要はないが、通常のコ
イルでは、ガラステープ等の薄葉材料を最外層に巻回し
てある場合が多く、表面に段差が生じているため、プロ
ーブ25とコイルエンド28の表面との密着が困難であ
る場合が多い。その場合にはスペーサー26を挟み込
み、必要によってはコイルエンド28の表面とスペーサ
ー26の間に少量のグリースを塗布して熱の伝達を良好
にして測定する。なお、27は楔、29は鉄心である。
以上説明したごとく、本発明によって、絶縁の劣化診断
を行なう場合は、あらかじめ、同一機種、同一形状、同
一構成の絶縁コイルによってその劣化と絶縁層の熱伝導
低下度の関係を測定しておくことが望ましい。また、従
来からの、電気的特性試験、材料分析法等の手段を合わ
せて絶縁層の状態を測定することによってその診断をよ
り確実なものとすることが出来る。
合のプローブ設定の概略図で、コイル表面が平滑である
場合にはスペーサー26を挟む必要はないが、通常のコ
イルでは、ガラステープ等の薄葉材料を最外層に巻回し
てある場合が多く、表面に段差が生じているため、プロ
ーブ25とコイルエンド28の表面との密着が困難であ
る場合が多い。その場合にはスペーサー26を挟み込
み、必要によってはコイルエンド28の表面とスペーサ
ー26の間に少量のグリースを塗布して熱の伝達を良好
にして測定する。なお、27は楔、29は鉄心である。
以上説明したごとく、本発明によって、絶縁の劣化診断
を行なう場合は、あらかじめ、同一機種、同一形状、同
一構成の絶縁コイルによってその劣化と絶縁層の熱伝導
低下度の関係を測定しておくことが望ましい。また、従
来からの、電気的特性試験、材料分析法等の手段を合わ
せて絶縁層の状態を測定することによってその診断をよ
り確実なものとすることが出来る。
【0016】次にその作用について説明する。コイル絶
縁層に剥離、ボイド等が生成し、次第にコイル絶縁層の
熱伝導が低下する事に着目し、絶縁層の熱伝導を測定す
ることによって、絶縁層の劣化状態を判定する。モデル
コイルを通電熱劣化させて、一定時間ごとに試料を取り
出して、その絶縁破壊電圧、およびコイルエンド部分の
絶縁層の熱伝導を測定した結果は、図5に示すような特
性を得た。すなわち、破線で示しているように、絶縁破
壊電圧の低下とともに、コイル絶縁層の熱伝導が低下し
ていることがわかる。したがって、両者の間には相関が
あり、コイル絶縁層の熱伝導を測定することによって、
コイルの残存破壊電圧、つまり劣化状態が判定でき、残
存寿命も推定可能なことが判る。
縁層に剥離、ボイド等が生成し、次第にコイル絶縁層の
熱伝導が低下する事に着目し、絶縁層の熱伝導を測定す
ることによって、絶縁層の劣化状態を判定する。モデル
コイルを通電熱劣化させて、一定時間ごとに試料を取り
出して、その絶縁破壊電圧、およびコイルエンド部分の
絶縁層の熱伝導を測定した結果は、図5に示すような特
性を得た。すなわち、破線で示しているように、絶縁破
壊電圧の低下とともに、コイル絶縁層の熱伝導が低下し
ていることがわかる。したがって、両者の間には相関が
あり、コイル絶縁層の熱伝導を測定することによって、
コイルの残存破壊電圧、つまり劣化状態が判定でき、残
存寿命も推定可能なことが判る。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、コ
イル絶縁層の熱伝導の状態を測定することによって、従
来の方法では困難であった回転機の簡便かつ迅速なコイ
ルの劣化診断が、また現場で容易に計測が行なえ、本発
明の回転機のコイル絶縁診断方法及びその装置は、実用
上、極めて有用性の高いものである。
イル絶縁層の熱伝導の状態を測定することによって、従
来の方法では困難であった回転機の簡便かつ迅速なコイ
ルの劣化診断が、また現場で容易に計測が行なえ、本発
明の回転機のコイル絶縁診断方法及びその装置は、実用
上、極めて有用性の高いものである。
【図1】本発明の一実施例を示す説明図である。
【図2】本発明の他の実施例を説明するための説明図で
ある。
ある。
【図3】プローブの設置位置の関係を示す図である。
【図4】プローブの設置位置の関係を示す図である。
【図5】劣化時間と残存破壊電圧、絶縁層の熱伝導との
関係を示す図である。
関係を示す図である。
【図6】熱線法を説明するための説明図である。
【図7】プローブの斜視図である。
【図8】運転時間と残存破壊電圧の関係を示す図であ
る。
る。
【図9】熱線法における物体中の任意の点における時間
と温度の関係を示す図である。
と温度の関係を示す図である。
1 試料片 2 加熱線 3,5 電圧検出線 4 熱電対 6 プローブカバー 7 熱伝導既知の基材 8 熱電対 9 加熱線 10,11 プローブ設置個所 12,15,19,29 鉄心 13,16,22,27 楔 14,28 コイルエンド 17,23 コイル絶縁層 18,24 コイル導体 20,25 プローブ 21,26 スペーサー
Claims (2)
- 【請求項1】 回転機のコイル絶縁層の熱伝導を測定す
るコイル絶縁診断方法において、加熱線と熱電対を備え
たプローブをコイル絶縁層の部分に密着させ、コイル絶
縁層の熱伝導を計測し、このことによって絶縁層の熱伝
導の変化を算出することを特徴とする回転機のコイル絶
縁診断方法。 - 【請求項2】 回転機のコイル絶縁層の熱伝導を測定す
るコイル絶縁診断装置において、加熱線と熱電対を備え
たプローブをコイル絶縁層の部分に密着させる計測手段
によって、コイル絶縁層の熱伝導を計測し、このことに
よって絶縁層の熱伝導の変化を算出することを特徴とす
る回転機の熱伝導率を測定する回転機のコイル絶縁診断
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10181677A JP2000002744A (ja) | 1998-06-12 | 1998-06-12 | 回転機のコイル絶縁診断方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10181677A JP2000002744A (ja) | 1998-06-12 | 1998-06-12 | 回転機のコイル絶縁診断方法及びその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000002744A true JP2000002744A (ja) | 2000-01-07 |
Family
ID=16104949
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10181677A Pending JP2000002744A (ja) | 1998-06-12 | 1998-06-12 | 回転機のコイル絶縁診断方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000002744A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2825471A1 (fr) * | 1999-12-01 | 2002-12-06 | Moric Kabushiki Kaisha | Procede et dispositif pour tester et echauffer par alimentation une bobine de stator |
JP2007232517A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Hitachi Ltd | インバータ駆動モータの絶縁評価方法及びその方法を利用した設計方法、検査方法、診断方法並びにそれらの装置 |
JP2011158479A (ja) * | 2011-02-28 | 2011-08-18 | Hitachi Automotive Systems Ltd | インバータ駆動モータの検査診断方法 |
JP2014215189A (ja) * | 2013-04-26 | 2014-11-17 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | 回転電気の絶縁診断方法 |
-
1998
- 1998-06-12 JP JP10181677A patent/JP2000002744A/ja active Pending
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