JP2000002317A - プーリ - Google Patents

プーリ

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JP2000002317A
JP2000002317A JP10168684A JP16868498A JP2000002317A JP 2000002317 A JP2000002317 A JP 2000002317A JP 10168684 A JP10168684 A JP 10168684A JP 16868498 A JP16868498 A JP 16868498A JP 2000002317 A JP2000002317 A JP 2000002317A
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JP
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nylon
weight
pulley
glass fiber
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JP10168684A
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Magozo Hamamoto
孫三 浜本
Toshimi Takagi
敏己 高城
Ryoichi Yamazaki
涼一 山崎
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Pulleys (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】合成樹脂材料の射出成形により内部に転がり軸
受を一体化させた状態で形成されているプーリの、機械
的強度および耐熱性を保持しながら塩化カルシウム耐性
を高くする。 【解決手段】射出成形に使用する材料として、ナイロン
A(ナイロン66)とナイロンB(ナイロン612)と
の混合ポリマーであって、ナイロンBの含有率が10〜
50重量%であり、ポリマーに対するガラス繊維の含有
率が20〜50重量%である材料を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂材料の射
出成形により、内部に転がり軸受を一体化させた状態で
形成されているプーリに関し、特に、自動車のエンジン
補機(オルタネータ等)の駆動用ベルトの案内用プー
リ、テンショナ用プーリ、アイドラプーリなどとして好
適に使用される合成樹脂製プーリに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジン補機駆動ベルト用のプ
ーリは、高温、高振動、高衝撃の過酷な環境下で使用さ
れるとともに、雨水や凍結防止剤として道路に散布され
る塩化カルシウム(CaCl2 )の影響を受ける。その
ため、このような用途のプーリには、ベルト案内面の寸
法精度やベルト張力に耐えることのできる機械的強度、
および連続負荷使用によって発生する熱に耐えられる耐
熱性に加えて、塩化カルシウムに対する耐性が要求され
る。
【0003】近年、この用途のプーリは、合成樹脂材料
の射出成形により内部に転がり軸受を一体化させた状態
で形成されており、合成樹脂材料としては、耐熱性と機
械的強度の点から、ナイロン66、ナイロン610、ナ
イロン612等のナイロンにガラス繊維を15〜40重
量%含有させた強化ナイロン、あるいはポリフェニレン
サルファイド(PPS)に無機系強化材(無機系の繊維
やフィラー)を含有させたものが使用されている(特開
平7−63249号公報等参照)。
【0004】また、寸法精度の点からは、射出成形時の
溶融金属の流入経路として金型に設けられるゲートの配
置を工夫することにより、プーリの内外周面の真円度を
高くすることが提案されている(特開平7−63249
号公報、特開平8−4883号公報等参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、合成樹
脂製プーリの塩化カルシウム耐性についての検討は、こ
れまでに特になされていない。
【0006】本発明は、合成樹脂材料の射出成形により
内部に転がり軸受を一体化させた状態で形成されている
プーリにおいて、寸法精度、機械的強度、耐熱性、およ
び塩化カルシウム耐性の全ての点で良好なものを提供す
ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、合成樹脂材料の射出成形により、内部に
転がり軸受を一体化させた状態で形成されているプーリ
において、下記の化学式(1)で表されて(X+1)≦
6であるナイロンと、下記の化学式(2)で表されてY
≦6であるナイロンと、下記の化学式(2)で表されて
(Z+2)≦6であるナイロンをナイロンAに分類し、
下記の化学式(1)で表されて(X+1)≧7であるナ
イロンと、下記の化学式(2)で表されてY≧7である
ナイロンと、下記の化学式(2)で表されて(Z+2)
≧7であるナイロンをナイロンBに分類したときに、
【0008】
【化2】
【0009】ナイロンAとナイロンBとの混合ポリマー
を主成分とし、ナイロンAとナイロンBとの合計重量に
対するナイロンBの重量の比率が10重量%以上である
合成樹脂材料を用いて形成されたものであることを特徴
とするプーリを提供する。
【0010】ナイロンAの具体例としては、化学式
(1)で表されるナイロン6、化学式(2)で表される
ナイロン66およびナイロン46等が挙げられる。ナイ
ロンBの具体例としては、化学式(1)で表されるナイ
ロン11およびナイロン12、化学式(2)で表される
ナイロン612およびナイロン610等が挙げられる。
【0011】ナイロン成形体は、分子中のアミド基の含
有率が高いほど吸水率が高いことは知られているが、本
発明者等の研究により、吸水率が高いナイロン成形体ほ
ど塩化カルシウム耐性が低いことが判明した。すなわ
ち、ナイロン成形体の分子間に水が入ることにより分子
間距離が広がり、その広がった分子間に塩化カルシウム
が取り込まれる。その後、分子間に入った水は温度上昇
等に伴って蒸発することもあるが、塩化カルシウムはそ
のまま分子間に残る。このようにして吸水性の高いナイ
ロン成形体に塩化カルシウムが蓄積されると、徐々に分
子間距離が広がって、最終的には成形体にクラックが生
じる。
【0012】一方、ナイロン成形体は、分子中のアミド
基の含有率が高いほど耐熱性が高いことが知られてい
る。したがって、本発明では、軸受一体型プーリをなす
合成樹脂材料の主成分を、分子中のアミド基の含有率が
比較的高いナイロンAと、分子中のアミド基の含有率が
比較的低いナイロンBとの混合ポリマーとすることによ
り、塩化カルシウム耐性と耐熱性を両立させる。そし
て、ナイロンBの重量の比率を10重量%以上とするこ
とにより、所定性能以上の塩化カルシウム耐性を得るこ
とができる。ナイロンBの重量の比率は20重量%以上
であることが好ましい。また、ナイロンBの重量の比率
の上限値は必要とされる耐熱性に応じて設定されるが、
80重量%以下であることが好ましく、50重量%以下
であることがより好ましい。
【0013】すなわち、ナイロンAとナイロンBとの合
計重量に対するナイロンBの重量の比率は10〜80重
量%であることが好ましく、10〜50重量%であるこ
とがより好ましく、20〜50重量%であることがさら
に好ましい。
【0014】また、本発明のプーリを形成する合成樹脂
材料は、ナイロンAとナイロンBとの混合ポリマーを主
成分とし、20〜50重量%の含有率でガラス繊維を含
有するものであることが好ましい。ガラス繊維の含有率
が20重量%未満であると十分な機械的強度が得られな
い。ガラス繊維の含有率が50重量%を超えると射出成
形による成形性が悪くなる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1は本発明の一実施形態に相当するプーリ
を示す正面図であり、図2は図1のA−A線断面図であ
る。
【0016】このプーリ1は、円筒状のボス11と、円
筒状のリム12と、両者の間の円環部13と、円環部1
3の両面に放射状に形成された多数のリブ14とで構成
されており、リム12の外周面がベルト案内面12aと
なっている。また、ボス11の内側に転がり軸受2が一
体化されている。
【0017】このプーリ1を、金型内に転がり軸受2を
配置した状態で、表1に示す No.1〜13の各組成の合
成樹脂材料を射出成形することにより形成した。射出成
形の金型には、ボス11の一端面側となるキャビティの
面に、円周方向に沿って等間隔で多数のゲートを設けて
ある。図1の符号3はそのゲート跡を示す。射出成形条
件は以下の通りである。
【0018】樹脂溶融温度:280〜300℃ 金型温度:75〜85℃ 射出圧力:90〜120MPa この実施形態では、ナイロンAに相当するナイロンとし
てナイロン66を、ナイロンBに相当するナイロンとし
て、サンプル No.1〜12はナイロン612を、 No.1
3はナイロン12を選択し、これらにガラス繊維を各種
割合で含有する材料を以下のようにして用意した。
【0019】No.1については、ガラス繊維強化された
ナイロン66として、デュポンジャパン(株)製の「ザ
イデル(商品名)70G−33L(ガラス繊維33重量
%含有)」を用意した。また、ガラス繊維強化されたナ
イロン612として、デュポンジャパン(株)製の「ザ
イデル(商品名)77G−33L(ガラス繊維33重量
%含有)」を用意した。これらを重量比でA(70G−
33L):B(77G−33L)=15:85の割合で
混合したものを射出成形材料とした。したがって、この
材料は、ナイロンAとナイロンBとの合計重量に対する
ナイロンBの重量の比率(ナイロンBの含有率)が85
重量%となり、ガラス繊維の含有率は33重量%とな
る。
【0020】No.2については、 No.1と同じガラス繊
維強化されたナイロン66およびナイロン612をA
(70G−33L):B(77G−33L)=20:8
0の割合で混合したものを射出成形材料とした。したが
って、この材料は、ナイロンBの含有率が80重量%と
なり、ガラス繊維の含有率は33重量%となる。
【0021】No.3については、 No.1と同じガラス繊
維強化されたナイロン66およびナイロン612をA
(70G−33L):B(77G−33L)=50:5
0の割合で混合したものを射出成形材料とした。したが
って、この材料は、ナイロンBの含有率が50重量%と
なり、ガラス繊維の含有率は33重量%となる。
【0022】No.4については、 No.1と同じガラス繊
維強化されたナイロン66およびナイロン612をA
(70G−33L):B(77G−33L)=80:2
0の割合で混合したものを射出成形材料とした。したが
って、この材料は、ナイロンBの含有率が20重量%と
なり、ガラス繊維の含有率は33重量%となる。
【0023】No.5については、 No.1と同じガラス繊
維強化されたナイロン66およびナイロン612をA
(70G−33L):B(77G−33L)=90:1
0の割合で混合したものを射出成形材料とした。したが
って、この材料は、ナイロンBの含有率が10重量%と
なり、ガラス繊維の含有率は33重量%となる。
【0024】No.6については、ガラス繊維強化された
ナイロン66として、デュポンジャパン(株)製の「ザ
イデル(商品名)70G−13L(ガラス繊維13重量
%含有)」を用意した。また、ガラス繊維強化されたナ
イロン612としては、デュポンジャパン(株)製の
「ザイデル(商品名)77G−33L(ガラス繊維33
重量%含有)」と、デュポンジャパン(株)製の「ザイ
デル(商品名)158L(ガラス繊維含有率0)」を用
意し、B1(77G−33L):B2(158L)=
1:2に混合した。このB1およびB2の混合物BとA
(70G−13L)とをA:B=1:1の割合で混合し
たものを射出成形材料とした。したがって、この材料
は、ナイロンBの含有率が50重量%となり、ガラス繊
維の含有率は12重量%となる。
【0025】No.7については、ガラス繊維強化された
ナイロン66として、 No.6と同じ「ザイデル(商品
名)70G−13L(ガラス繊維13重量%含有)」を
用意した。また、ガラス繊維強化されたナイロン612
として、 No.1と同じ「ザイデル(商品名)77G−3
3L(ガラス繊維33重量%含有)」を用意した。これ
らをA(70G−13L):B(77G−33L)=
1:1の割合で混合したものを射出成形材料とした。し
たがって、この材料は、ナイロンBの含有率が50重量
%となり、ガラス繊維の含有率は23重量%となる。
【0026】No.8については、ガラス繊維強化された
ナイロン66として、デュポンジャパン(株)製の「ザ
イデル(商品名)70G−43L(ガラス繊維43重量
%含有)」を用意した。また、ガラス繊維強化されたナ
イロン612として、デュポンジャパン(株)製の「ザ
イデル(商品名)77G−43L(ガラス繊維43重量
%含有)」を用意した。これらを重量比でA(70G−
43L):B(77G−43L)=1:1の割合で混合
したものを射出成形材料とした。したがって、この材料
は,ナイロンBの含有率が50重量%となり、ガラス繊
維の含有率は43重量%となる。
【0027】No.9については、 No.8と同じガラス繊
維強化されたナイロン66およびナイロン612をA
(70G−43L):B(77G−43L)=1:1の
割合で混合した。この混合物にガラス繊維を追加混合し
て、ガラス繊維の含有率が50重量%となるようにし
た。したがって、この材料のナイロンBの含有率は50
重量%であり、ガラス繊維の含有率は50重量%であ
る。
【0028】No.10については、 No.8と同じガラス
繊維強化されたナイロン66およびナイロン612をA
(70G−43L):B(77G−43L)=1:1の
割合で混合した。この混合物にガラス繊維を追加混合し
て、ガラス繊維の含有率が60重量%となるようにし
た。したがって、この材料のナイロンBの含有率は50
重量%であり、ガラス繊維の含有率は60重量%であ
る。
【0029】No.11については、 No.1と同じガラス
繊維強化されたナイロン66「ザイデル(商品名)70
G−33L(ガラス繊維33重量%含有)」をそのまま
射出成形材料とした。したがって、この材料は、ナイロ
ンBの含有率が0重量%となり、ガラス繊維の含有率は
33重量%となる。
【0030】No.12については、 No.1と同じガラス
繊維強化されたナイロン612「ザイデル(商品名)7
7G−33L(ガラス繊維33重量%含有)」をそのま
ま射出成形材料とした。したがって、この材料は、ナイ
ロンBの含有率が100重量%となり、ガラス繊維の含
有率は33重量%となる。なお、この材料を用いた場合
の射出成形条件のうち、金型温度および射出圧力につい
ては前記と同じとするが、溶融樹脂温度は240〜26
0℃とする。
【0031】No.13については、宇部興産(株)の
「ナイロン66−SRGX−1」(ナイロン66:ナイ
ロン12=80:20(重量比)の混合ポリマーで、ガ
ラス繊維30重量%含有)をそのまま射出成形材料とし
た。したがって、この材料は、ナイロンBの含有率が2
0重量%となり、ガラス繊維の含有率は30重量%とな
る。
【0032】このようにして作製された No.1〜5およ
び No.11〜13の軸受一体型プーリを用い、以下のよ
うにして塩化カルシウム耐性を調べる試験を行った。先
ず、軸受一体型プーリを、80℃の熱水中に2時間浸漬
して吸水させた後、塩化カルシウム50%水溶液に浸漬
する。次に、この軸受一体型プーリをラジアル荷重負荷
装置に取り付けて試験荷重を負荷し、恒温槽内に入れ
る。
【0033】ここで使用したラジアル荷重負荷装置を図
3(正面図)および図4(側面図)に示す。このラジア
ル荷重負荷装置4は、サポート軸5と圧縮コイルバネ6
を備えており、このサポート軸5に浸漬軸受一体型プー
リPを取り付けて固定した後に、圧縮コイルバネ6を介
して試験荷重150kgfを負荷した。この状態でラジ
アル荷重負荷装置4を恒温槽内に入れ、恒温槽内の温度
を図5に示すように変化させる。
【0034】すなわち、20℃から110℃まで30分
かけて昇温した後、110℃で2時間保持し、さらに3
0分かけて20℃まで温度を下げた後、20℃に1時間
保持する。これを1サイクルとして繰り返し、2サイク
ル毎に、軸受一体型プーリを塩化カルシウム50%水溶
液に浸漬する。
【0035】これを繰り返して、合計10サイクルの試
験を行った後、試験装置から取り出してプーリ1にクラ
ックが生じているかどうかを目視にて検査する。クラッ
ク発生有りの場合を「×」、無しの場合を「○」とす
る。
【0036】各サンプルについての塩化カルシウム耐性
の試験結果を表1に示す。ナイロンAのみからなるポリ
マーにガラス繊維が含有された材料で成形された No.1
1のプーリのみにクラックが発生した。それ以外のプー
リにはクラックが発生しなかった。この結果から、ナイ
ロンBの含有率が10重量%以上である材料を用いるこ
とにより、所定の塩化カルシウム耐性が得られることが
分かる。また、塩化カルシウム耐性の高い材料は吸水率
が低いため、寸法安定性にも優れている。
【0037】また、プーリ1の機械的強度を調べるため
に、 No.1〜13の射出成形材料を用い、プーリの場合
と同一条件で射出成形を行うことにより、図6に示すよ
うな円筒状試験体7を作製した。
【0038】この試験体7は、内径45mm、外径60
mm、軸方向の長さ15mmの円筒体である。射出成形
の金型には、円筒体の一端面側となるキャビティの面
に、円周方向に沿って等間隔に8個のゲートを設けた。
図6の符号3はそのゲート跡を示す。図7および8に示
すように、この試験体7に一対の引っ張り治具8を取り
付けて引っ張り強度を測定する。図8は図7のB−B線
断面図に相当する。
【0039】引っ張り治具8は、試験体7の内部に挿入
される略半円筒状の内挿部81と、試験体7の一端面に
当接させる面を有する板状の引っ張り部82とが一体に
形成されたものである。内挿部81の周面は、試験体7
の内周面に所定の隙間で嵌合する形状になっており、引
っ張り部82は、内装部81からL字状に試験体7の外
側に向けて延びる形状になっている。
【0040】この引っ張り治具8の内挿部81を、二つ
の引っ張り治具8の対向面(両内挿部81の平面)8a
が平行となり、この対向面8a間の外側に試験体7のウ
エルド部71が配置されるように、試験体7の内部に挿
入して、引っ張り部82の裏面を試験体7の端面に当接
させる。この状態で、両引っ張り治具8の引っ張り部8
2を引っ張り試験装置の上下の各チャックに取り付け
て、所定の引っ張り速度で引っ張り試験を行い、試験体
7が破断するまでの最大応力を引っ張り強度として測定
した。なお、図8の符号E,Fは、各引っ張り治具8の
引っ張り方向を示す。
【0041】各サンプルについての引っ張り強度測定値
を表1に示す。また、射出成形材料中のガラス繊維含有
率と引っ張り強度測定値との関係を図9にグラフで示
す。図9のグラフから分かるように、射出成形材料中の
ガラス繊維含有率が20〜50重量%である(図9のH
の範囲)と引っ張り強度が1200kgf/cm2 以上
となり、十分な機械的強度が得られる。
【0042】
【表1】
【0043】また、前記と同様の試験体7を、ナイロン
A(ナイロン66)のみからなるポリマー、ナイロンB
(ナイロン612)のみからなるポリマー、ナイロンA
(ナイロン66)とナイロンB(ナイロン612)との
混合ポリマーであってナイロンBの含有率が50重量
%、80重量%、90重量%であるものに対して、ガラ
ス繊維が33重量%含有されている材料を用いて作製
し、以下のようにして加速試験を行うことにより長期耐
熱特性を調べた。
【0044】先ず、130℃に保持された恒温槽内に各
試験体7を入れ、所定時間(500時間、1000時
間、1500時間、2000時間)放置した後に恒温槽
から取り出して、前記と同様にして引っ張り強度を測定
した。次に、得られた各時間経過後の引っ張り強度測定
値(M)と、加速試験前の引っ張り強度測定値(M0
とから、強度保持率(%)=((M0 −M)/M0 )×
100を算出した。その結果を図10にグラフで示す。
【0045】このグラフから分かるように、ナイロンB
の含有率が80重量%以下であると1500時間で70
%以上の高い強度保持率が得られ、プーリの長期耐熱性
が高くなることが分かる。また、ナイロンBの含有率が
50重量%以下であると2000時間で70%以上の非
常に高い強度保持率が得られ、プーリの長期耐熱性が非
常に高くなることが分かる。
【0046】以上の各試験結果を総合すると、軸受一体
型プーリを、塩化カルシウム耐性(寸法安定性)、機械
的強度、耐熱性の全て点で良好なものとするためには、
射出成形材料をなすナイロン中のナイロンBの含有率が
10〜80重量%であることが好ましく、10〜50重
量%であることがより好ましく、20〜50重量%であ
ることがさらに好ましいことが分かる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
合成樹脂材料の射出成形により内部に転がり軸受を一体
化させた状態で形成されているプーリにおいて、寸法精
度(寸法安定性)、機械的強度、耐熱性、および塩化カ
ルシウム耐性の全ての点で良好なものが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に相当するプーリを示す正
面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】実施形態において、プーリの塩化カルシウム耐
性を調べるために使用した試験装置を示す概略構成図で
ある。
【図4】図3の側面図である。
【図5】実施形態において、プーリの塩化カルシウム耐
性を調べるために行った試験で使用した温度サイクルパ
ターンを示すグラフである。
【図6】実施形態において、プーリの引っ張り強度を調
べるために作製した試験体を示す正面図である。
【図7】実施形態において、プーリの引っ張り強度を調
べるために使用した引っ張り治具を示す正面図である。
【図8】図7のB−B線断面図である。
【図9】実施形態で測定したプーリの引っ張り強度と、
プーリの射出成形材料中のガラス繊維含有率との関係を
示すグラフである。
【図10】実施形態で測定した加速試験による試験体の
強度保持率と、加速試験時間との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 プーリ 11 ボス 12 リム 13 円環部 14 リブ 2 転がり軸受 3 ゲート跡 4 ラジアル荷重負荷装置 5 サポート軸 6 圧縮コイルバネ 7 試験体 71 ウエルド部 8 引っ張り試験治具 81 内挿部 82 引っ張り部 P 軸受一体型プーリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 涼一 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3J031 BC05 BC10 4F206 AA29A AB25 AD03 AH12 JA07 JB12 4J002 CL01W CL01X CL03W CL03X DL006 FA046 GN00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂材料の射出成形により、内部に
    転がり軸受を一体化させた状態で形成されているプーリ
    において、 下記の化学式(1)で表されて(X+1)≦6であるナ
    イロンと、下記の化学式(2)で表されてY≦6である
    ナイロンと、下記の化学式(2)で表されて(Z+2)
    ≦6であるナイロンをナイロンAに分類し、 下記の化学式(1)で表されて(X+1)≧7であるナ
    イロンと、下記の化学式(2)で表されてY≧7である
    ナイロンと、下記の化学式(2)で表されて(Z+2)
    ≧7であるナイロンをナイロンBに分類したときに、 【化1】 ナイロンAとナイロンBとの混合ポリマーを主成分と
    し、ナイロンAとナイロンBとの合計重量に対するナイ
    ロンBの重量の比率が10重量%以上である合成樹脂材
    料を用いて形成されたものであることを特徴とするプー
    リ。
JP10168684A 1998-06-16 1998-06-16 プーリ Pending JP2000002317A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0228254A (ja) * 1988-03-17 1990-01-30 Toray Ind Inc ポリアミド系樹脂組成物およびその成形品
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