JP2000001073A - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

可逆性感熱記録媒体

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JP2000001073A
JP2000001073A JP16897498A JP16897498A JP2000001073A JP 2000001073 A JP2000001073 A JP 2000001073A JP 16897498 A JP16897498 A JP 16897498A JP 16897498 A JP16897498 A JP 16897498A JP 2000001073 A JP2000001073 A JP 2000001073A
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layer
reversible thermosensitive
recording medium
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Kazumichi Shibuya
和道 渋谷
Kenji Kawamoto
憲治 河本
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、コントラストが高く、かつ画像の安
定性高い可逆性感熱記録媒体を提供することを目的とす
る。 【解決手段】非磁性材料からなる支持体11上に、少な
くともフレーク状磁性粉22と、これを分散してなる常
温において固相状態を示す分散媒23とを内包するマイ
クロカプセル15をバインダー16中に分散配置してな
る可逆性感熱/磁気記録層12を形成し、さらに、温度
に依存して透明度が可逆的に変化する可逆性感熱記録層
13と、保護層14を積層してなることを特徴とする可
逆性感熱記録媒体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明が属する技術分野】本発明は、磁気の印加と共
に、サーマルヘッド等で加熱を行うことにより画像を表
示する可逆性感熱記録媒体に係り、特にコントラストが
高く、画像の安定性に優れ、かつ印字濃度に変化をもた
すことができる可逆性感熱記録媒体に関するものであ
る。
【従来の技術】従来、磁気を利用した磁気記録体とし
て、例えば、特開昭48−56393号公報に記載され
ているように、着色分散媒中に磁性粒子が分散されたサ
スペンジョンに磁界を作用させることにより、磁性粒子
を移動させ着色分散媒の色を変化させて表示を行う方法
が知られている。
【0001】しかし、このような磁気記録体は、サスペ
ンジョンを2枚の基板間に封じこんで一方の基板から磁
気ペンで文字、模様を描いて磁気を作用させると、サス
ペンジョンの磁性粒子が吸引されて、その通りの文字や
模様が得られるが、磁性粒子の比重は分散媒のそれより
も極めて大きいので吸引された磁性粒子は、時間ととも
に沈降するため文字や模様を長時間保持できない欠点を
有する。
【0002】また、磁気ペンにより磁気を受けた磁性粒
子はすべて磁気ペンに吸引されるので、磁気ペンから離
れて存在していた磁性粒子まで吸引されるため、不鮮明
な文字や模様しか得られない欠点も有していた。磁性粒
子の沈降を防止するため、例えば磁性粒子を細かくする
か、磁性粒子に低比重のポリマー等を被覆して、磁性粒
子の見かけの比重を分散媒のそれと近似させると、磁性
粒子に働く磁気力が極端に小さくなるため、磁気ペンに
よって吸引されにくくなり、濃度の濃い、鮮明な文字や
模様が得られなくなるという欠陥を生じる。
【0003】また、磁性粒子の見かけの比重を分散媒の
それと近似させると、文字や模様を消去する際も、磁性
粒子が基板の反対側に吸引されにくくなり、完全に消去
できず、これを繰り返していると全体的に黒ずんでしま
い、実用的ではなかった。
【0004】これらの欠点を解決する形態として、例え
ば、特公昭57−27463号公報、特開昭62−53
359号公報に記載されているように、分散媒として、
一定値以上の降伏値を有する液体、あるいは、増稠剤を
用いることによって、ぼけのない鮮明でコントラストの
高い文字、画像が表示でき、その表示は長時間安定に保
持でき、かつ、消去を完全にきれいに行える磁気記録体
が知られている。
【0005】しかし、この磁気記録体は、透明プラスチ
ックシートの全面に、一辺および深さが各2mm程度の
ハニカム状のセルを設けるように成形して、そのセルの
中に、磁性粒子と白色顔料を分散媒に分散したサスペン
ジョンを注入し、これを透明シートで密封した形態であ
り、以下の欠点を有していた。即ち、ハニカム状のセル
の中で磁性粒子を裏面より表面に移動させて像を形成す
るため、像の解像度をハニカム状のセルより小さくする
ことは不可能である。また、ハニカム状のセルを成形す
ること、ハニカム状のセルを大型化、あるいは非常に小
型化すること、ハニカム状のセルにサスペンジョンを注
入する工程等が困難である。
【0006】別の形態として、例えば、特開平特開平2
−146082号公報、特開平4−233581号公報
に記載されているように、前記のようなハニカム状のセ
ルに磁性粒子と顔料を密封した磁気記録体とは異なり、
磁性粒子をマイクロカプセルに封入し、これを支持体上
に塗布した磁気記録体が知られている。この方法によれ
ば、マイクロカプセルの粒径を制御することにより、解
像度を高くすることができ、製造工程も容易である。ま
た、マイクロカプセルを塗布する基板に種々のフィルム
等の選択が可能となり、形状、大きさも自由に選択が可
能となる。
【0007】しかし、ここで示される画像形成は以下の
方法で行なわれる。まず永久磁石によってマイクロカプ
セル内の光吸収性の磁性粒子を磁気記録体の裏面側に吸
引し、それに伴い、光反射性の非磁性粒子が磁気記録体
の表面に残留することによって、表面が非磁性粒子の色
となり、消去状態となる。次に磁気記録体表面から永久
磁石によって磁気を印加・記録することにより、表面に
光吸収性の磁性粒子が磁気によって吸引され、所望の文
字、画像が形成される。従って、このような画像形成で
は、磁気粒子の吸引に時間がかかり、感度の劣る磁気記
録体となる。
【0008】さらに、マイクロカプセルを利用した別の
形態として、例えば、1−145637号公報、特開昭
63−153197号公報、特公平4−7518号公
報、特開平6−79986号公報、特開平6−9206
8号公報、あるいは、EyneS.Trumble
P.S.&E. 213(1963)に記載されてい
るように、光吸収性の磁性粒子と、光反射性の非磁性粒
子をマイクロカプセルに封入した磁気記録体が知られて
いる。
【0009】この形態の画像形成の方法は、まず磁気記
録体作製時に、塗布したカプセル中の磁性粒子をあらか
じめ磁気記録体平面に平行に配向させることにより入射
光を全部反射させ明るく見せておく。次に、磁気的な記
録をすることにより、磁性粒子が回転し入射光を散乱、
吸収するようになり、コントラストが生じ黒色の像が形
成される。
【0010】しかし、このようにして得た磁気記録体
は、磁気の力が広範囲に及ぶため、解像度が他の熱や光
による記録と比べ、非常に劣るものである。さらに、上
記磁気記録体は、磁気の力で容易に印字、消去が行える
ため、磁石に触れただけで、未印字部にかぶりを生じた
り、画像が消去されてしまったりとするように画像の安
定性が悪いという欠点を有する。
【0011】これに対して、発明者らは、少なくともフ
レーク状磁性粉と、これを分散してなる常温において固
相状態を示す分散媒とを内包するマイクロカプセルを記
録層中に分散配置した磁気記録体を提案した(特開平8
ー175059)。この方法によれば、マイクロカプセ
ル中の分散媒が常温において固体であるため、前述のよ
うに磁石にふれただけで、未印字部にかぶりを生じた
り、画像が消去されてしまったりということがなく、磁
力に対する画像の安定性がよい。また、冬場の暖房器具
や夏場の車の中等により不慮の熱が加わったとしても、
熱だけでは、磁性粉は動かないため、熱に対する画像の
安定性がよい。
【0012】この磁気記録体の記録方法として、例え
ば、(1)レーザ光などの熱変換が可能な光ヘッドと一
様な磁場の印加が可能な磁場形成手段を用いる方法、
(2)熱ヘッドと一様な磁場の印加が可能な磁場形成手
段を用いる方法、(3)磁気ヘッドと一様な熱印加可能
な熱印加手段を用いる方法、(4)熱と磁場ともにをラ
イン状に走査する方法、等があげられる。
【0013】しかし、この媒体は画像の安定性において
は優秀であるが、次に述べる透明/不透明型の可逆性感
熱記録媒体と比較して、コントラストがやや劣る問題を
有していた。
【0014】一方、熱により透明度が可逆的に変化する
可逆性感熱記録層として代表的なものに、有機低分子を
高分子マトリックス中に分散した組成が、例えば特開昭
54ー119377号、特開昭55ー154198号、
特開平2ー1363号等に記載されている。
【0015】この材料による画像の形成及び消去は、感
熱記録層の透明度の可逆的な変化を利用するもので、あ
る温度領域(T1〜T2、但しT1<T2))への加熱
後冷却により透明状態を示し、また、温度(T2)以上
への加熱後冷却により白濁状態を示す。つまり、初期状
態を透明状態にし、サーマルヘッド等でT2以上の温度
で加熱することによって、部分的に白濁状態を作り、文
字、模様を記録することができる。また、これとは逆
に、初期状態を白濁状態として、サーマルヘッド等でT
1〜T2の温度を加えることにより、部分的に透明化さ
せて記録しても良い。
【0016】この可逆性感熱記録媒体は、透明状態と不
透明状態のコントラスト差を大きくし、視認性を増すた
め目的で、記録層の下層に金属蒸着膜のような反射率の
高い反射層や染料や顔料等による着色層を設けたり、さ
らに、記録層と反射層あるいは着色層との間に低屈折率
層を設けたりする事が提案されている(特開平4ー22
0400、特開平5ー12163)。そして、このよう
な場合の、コントラストは磁気カプセル型の記録媒体よ
りも大きい。
【0017】しかしながら、この材料は、熱エネルギー
のみで、記録あるいは消去を行うものであるため冬場の
暖房器具や夏場の車の中、等により不慮の熱が加わった
場合には、記録が消去されたり、未印字部が発色したり
して、熱に対する画像保存性が悪いものであった。
【0018】また、この材料では、(A)透明(未印字
部)と白濁(記録部)で記録する方法、あるいは(B)
白濁(未印字部)と透明(印字部)で記録する方法があ
るが、いずれも透明か白濁の2つの状態での記録表現し
かできず、中間的な濃度での記録は困難であった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】以上から、従来の可逆
性記録媒体は、高解像度、高コントラスト、記録画像の
安定性の全ての特性を満足するものはなかった。そこで
本発明は、コントラストが高く、かつ画像の安定性高い
可逆性感熱記録媒体を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであり、請求項1に記載の発
明は、非磁性材料からなる支持体上に、少なくともフレ
ーク上磁性粉と、これを分散してなる常温において固相
状態を示す分散媒とを内包するマイクロカプセルをバイ
ンダー中に分散配置してなる可逆性感熱/磁気記録層を
形成し、さらに、温度に依存して透明度が可逆的に変化
する可逆性感熱記録層と、保護層を積層してなることを
特徴とする可逆性感熱記録媒体である。
【0021】請求項2の発明は、請求項1記載の可逆性
感熱記録媒体において、支持体と可逆性感熱/磁気記録
層との間に、着色層を設けたことを特徴とする。
【0022】請求項3の発明は、請求項1又は2記載の
可逆性感熱記録媒体において、可逆性感熱/磁気記録層
と透明不透明型感熱記録層との間に低屈折率層を設けた
ことを特徴とする。
【0023】請求項4の発明は、請求項1、2又は3の
いずれかに記載の可逆性感熱記録媒体において、透明不
透明型感熱記録層と保護層の合計膜厚が25μm以下で
あることを特徴とする。
【0024】請求項5の発明は請求項1、2又は3のい
ずれかに記載の可逆性記録媒体の裏面に磁気記録層を設
けたことを特徴とする。
【0025】
【作用】本発明の可逆性記録媒体は、画像保存性の高
い、フレーク状磁性粉と常温において固相状態を示す分
散媒とを内包するマイクロカプセルを含む可逆性感熱/
磁気記録層の上に、コントラストの高い透明不透明型の
可逆性感熱記録層を積層している。このため、コントラ
ストはそれぞれ単独の層を記録した場合より大きくな
り、視認性がよい。また、磁石等を近づけても、未印字
部にかぶりを生じたり画像が消去されてしまったりとい
うことがなく、磁力に対する画像の安定性がよい。さら
に、不慮の熱が加わったとしても、透明不透明型の可逆
性感熱記録層は消去されてしまうことがあるが、可逆性
感熱/磁気記録層は変化しないため、コントラストが相
対的に小さくなるが、記録が読めなくなることはない。
また、透明不透明型の可逆性感熱記録層のみ、あるいは
マイクロカプセルを利用した可逆性感熱/磁気記録層の
みに、それぞれ単独で記録することもできるため、それ
らを同時に記録した場合よりも低コントラストな、異な
る濃度の記録を行うことができる。特に、一見すると見
えない隠し文字のようなセキュリティー用途に応用する
ことも可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づき詳細に説明する。図1は、本発明の可逆性感熱記
録媒体の一実施例を示す断面図であり、図2は、本発明
で磁気記録層に用いられるマイクロカプセルの一実施例
を示す断面図であり、図3は、本発明の他の実施例にお
ける可逆性感熱記録媒体を示す断面図であり、図4は、
本発明の他の実施例における可逆性感熱記録媒体を示す
断面図である。また、図5は、本発明の可逆性感熱/磁
気記録層に対し平行にフレーク状磁性粉を配向し、磁気
記録体させてなる状態を示す説明図であり、図6は、本
発明の可逆性感熱記録媒体に記録を行った場合の説明図
であり、図7、図8は、本発明の可逆性感熱記録媒体の
透明不透明型の可逆性感熱記録層のみ記録した場合及び
可逆性感熱/磁気記録層のみを記録した場合の説明図で
ある。
【0027】図1は、本発明の磁気記録体1の構成を示
し、支持体11、フレーク状磁性粉等を含むマイクロカ
プセル15をバインダー16に分散してなる塗布材が塗
布される可逆性感熱/磁気記録層12、と透明不透明型
可逆性感熱記録媒体13に保護層14が順次積層されて
いる。
【0028】透明不透明型可逆性感熱記録層13とし
て、例えば、可逆性感熱記録層は、有機低分子物質を含
む高分子樹脂母材からなる組成が挙げられる。この樹脂
母材は有機低分子物質を均一に分散保持した層を形成す
るものであり、透明性が高く、機械的に安定で、かつ成
膜性に優れた樹脂が好ましい。また、可逆性感熱記録層
の耐熱強度を向上させるために、熱架橋してもよい。か
かる感熱性記録層に用いる樹脂母材としては、例えば、
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、
塩化ビニル−アクリル酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合体、エポキ
シ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などの塩化ビニ
ル系共重合体;エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、アクリ
ル樹脂などの熱可塑性樹脂あるいはその他の熱硬化性樹
脂などが挙げられる。これらの樹脂母材は単独、あるい
は2種以上を併用してもよい。
【0029】この樹脂母材の熱架橋に用いる架橋剤とし
ては、例えば、ヘキサメトキシメチルメラニン、ベンゾ
グアナミンおよび尿素樹脂のようなアミノ樹脂、2,4
−/2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネートのようなイソシアネー
ト類、ポリメチレンジアミン、ジアミノフェニルメタ
ン、ジアミノフェニルスルホン、o−トルイジン、ベン
ジルジメチルアミンのようなアミン類、トリグリシジル
イソシアネート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレー
ト、エポキシ化メラミン樹脂などのエポキシ化合物など
が挙げられる。その他、酸無水物、メチルアクリルアシ
ドグリコレートメチルエーテルなどを用いても良い。ま
た、これらの架橋剤は、反応促進のために触媒を共に用
いてもよい。
【0030】この樹脂母材に対する架橋剤の配合量は、
0.5〜50重量%であり、特に1. 0〜30重量%が
好ましい。架橋剤が0.5重量%未満の場合、架橋が不
十分で繰り返し利用に対する劣化防止効果が十分でな
い。また、50重量%より多い場合、架橋剤が可塑剤的
な作用を示すため、繰り返し利用によって白濁度が低下
し、ついには十分なコントラストが得られなくなるため
好ましくない。
【0031】また、本発明の透明不透明型可逆性感熱記
録層中に、配合される有機低分子物質としては、高級脂
肪酸、特に炭素16以上の高級脂肪酸の少なくとも1種
が用いられ、例えばパルミチン酸、マルガリン酸、ステ
アリン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、ヘンエイコサ
ン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ペンタコサン酸、セ
ロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、トリアコンタ
ン酸、ノナコ、メリシン酸、2−ヘプタデセン酸、2−
ヘキサデセン酸、トランス−2−オクタデセン酸、シス
−2−オクタデカン酸、トランス−4−オクタデセン
酸、トランス−3−ヘキサデセン酸、シス−6−オクタ
デセン酸、エライジン酸、バセニン酸、トランス−ゴン
ドイン酸、エルカ酸、ブラシン酸、ブラシジン酸、セラ
コレイン酸、トランス−セラコレイン酸、トランス−
8,トランス−10−オクタデカジエン酸、リノエライ
ジン酸、α−エレオステアリン酸、β−エレオステアリ
ン酸、プソイドエレオステアリン酸、12、20−ヘン
エイコサジエン酸などが挙げられる。
【0032】さらに、別の有機低分子物質としては、前
記樹脂母材に相溶する化合物が用いられる。それらの化
合物としては、脂肪族飽和ジカルボン酸が好ましい。脂
肪族ジカルボン酸[一般式HOOC(CH2)n-2COO
H]の具体例としては、つぎの化合物を挙げることがで
きる。すなわち、シュウ酸、ペンタデカン二酸、マロン
酸、ヘキサデカン二酸、コハク酸、ヘプタデカン二酸、
グルタル酸、オクタデカン二酸、アジピン酸、ノナデカ
ン二酸、ピメリン酸、エイコサン二酸、スベリン酸、ヘ
ンエイコサン二酸、アゼライン酸、ドコサン二酸、セバ
シン酸、トリコサン二酸、ウンデカン二酸テトラコサン
二酸、ドデカン酸、ヘキサコサン二酸、トリデカン二酸
ノナコサン二酸、テトラデカン二酸、ドトリアコンタン
二酸、等が挙げられる。
【0033】さらに、別の有機低分子として、脂環式ジ
カルボン酸類や、スルフィド系化合物を、透明化温度範
囲を拡大する目的で加えても良い。
【0034】また、透明不透明型可逆性感熱記録層中の
有機低分子と樹脂母材との配合比は、有機低分子1に対
して樹脂母材1〜10が好ましく、特に2〜5が好まし
い。有機低分子の量が少ないと、白濁濃度が落ち、実用
的なコントラストが得られない。また、多すぎると、繰
り返し記録消去を行った際に、安定して有機低分子を保
持する事ができず好ましくない。
【0035】また、透明不透明型可逆性感熱記録層は、
通常、有機溶剤に全部または一部を溶解して、塗設され
る。この時に用いられる有機溶剤としては、例えば、テ
トラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、トルエン、クロロホルム、ベンゼン、エタ
ノール等が挙げられる。
【0036】さらに、透明不透明型可逆性感熱記録層中
には、必要に応じて、滑剤、静電防止剤、可塑剤、界面
活性剤、フィラー、安定剤、等の各種添加剤を加えるこ
ともできる。
【0037】また、可逆性磁気/感熱記録層12は、マ
イクロカプセル15とバインダーからなる。
【0038】図2は、本発明で可逆性磁気/感熱記録層
12に用いられるマイクロカプセル15の一実施例を示
す断面図である。マイクロカプセル15は、フレーク状
磁性粉22が常温において固相状態を示す分散媒(例え
ばワックスなど有機化合物)23中に分散されたサスペ
ンジョンを主成分とする芯物質21を、ポリマー等より
なる殻物質24でカプセル化した構成である。
【0039】このフレーク状磁性粉22は、例えば鉄、
ニッケル、鉄・ニッケル、鉄・ニッケル・クロム等のス
テンレススチール、コバルト、コバルト・アルミニウム
やサマリウム・コバルト合金等の微粒子等をアトマイザ
ーやハンマーミル等でフレーク状としたものを用いるこ
とができる。とくに磁性粉を有機溶媒等との親和性を高
めるために、高級エステル処理、シランカップリング処
理、チタネート系カップリング処理等を施しておくとよ
い。本発明におけるフレーク状磁性粉22の大きさは、
磁気印加によるマイクロカプセル内での回転のしやす
さ、磁気記録層12の画像コントラスト等を考慮する
と、粒径が5μm〜30μm、厚さが0.1μm〜3μ
mの間であることが好ましい。また、フレーク状磁性粉
22の表面に着色層を設けてもよい。
【0040】分散媒23としては、常温(約10〜35
℃の範囲)で固体のもの(固相状態を示す)で、かつ常
温以上の温度(約40〜80℃の範囲)に加熱されると
なるものであればよく、例えば有機化合物で、パラフィ
ンワックス、カルナバワックスなどの天然或いは合成ワ
ックス、天然或いは合成樹脂、またはカルボン酸エステ
ルなど上記条件を満たす一般に公知であるものを単独、
或いは混合して適宜使用することができる。なお、光透
過性を妨げない範囲で着色してもよい。
【0041】上記したフレーク状磁性粉22、分散媒2
3などを主成分とする芯物質21をポリマー等の殻物質
24で覆い、マイクロカプセル化する。この殻物質24
として用いられる樹脂には、一般に用いられている樹
脂、例えばアクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリス
チレン、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウ
レア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、天然樹脂等
が挙げられ、これらを単独、あるいは2種以上混合して
使用することも可能である。
【0042】上述の殻物質を有するマイクロカプセル1
5の製造法としては、ポリマー溶液に分散させた芯物質
のまわりにポリマーの濃厚相を分離させる相分離法、ポ
リマー溶液中の芯物質のまわりにポリマーの硬化試験薬
等によりポリマーを硬化させる液中硬化被覆法、芯物質
を分散させたエマルジョンの内、あるいは外相のいずれ
か一方からモノマーや重合触媒を供給し芯物質の表面を
ポリマーで覆うインシチュー重合法、芯物質を分散させ
たエマルジョンの内相と外相の両方からモノマーを供給
する界面重合法等のマイクロカプセル化技法が好適であ
るが、これらの方法に限定されるものではない。
【0043】とくに、芯物質21であるフレーク状磁性
粉22を分散媒23に均一に分散させたサスペンジョン
の外相からモノマーを供給するインシチュー重合法、あ
るいは相分離法を用いて製造することにより、粒径の揃
った、かつフレーク状磁性粉22の移動が容易なマイク
ロカプセル15を製造することができる。ここで用いる
重合性モノマーは、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル、スチレンおよびその誘導体、イソシアネー
ト、各種アミン、エポキシ基を有する化合物等が好適で
ある。
【0044】また、マイクロカプセル15を分散するバ
インダー16としては、水系バインダー、溶剤系バイン
ダー、エマルション系バインダー等が適宜用いられる。
また、バインダーを各種公知の架橋材やUV硬化樹脂、
EB硬化樹脂等の光硬化型樹脂で架橋しても良い。
【0045】本発明の磁気記録体1は、支持体11上に
上述の構成を有するマイクロカプセル15をバインダー
16とともに塗布し可逆性感熱/磁気記録層12を形
成、さらに、透明不透明型可逆性感熱記録層13と保護
層14を積層することにより作製される。
【0046】支持体11はポリ塩化ビニル、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリ
スチレン,ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂
類、天然樹脂、紙、合成紙、金属、セラッミクスなどを
単独または組み合わせた複合体として用いることができ
る。またその形状もカード状あるいはシート状、フィル
ム状など用途に応じて選択でき、さらに用途に応じて要
求される物性、例えば強度、剛性、隠蔽性、光不透過性
等を考慮し、上記材料から適宜選択することができる。
【0047】保護層14としては、エポキシ樹脂、テト
ラフルオロエチレン等、またはポリ塩化ビニル、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、
ポリスチレン,ポリエチレンテレフタレート等の合成樹
脂、天然樹脂等が使用可能である。この保護層14は、
支持体11上に形成されたマイクロカプセル15を保持
するとともに、外部からマイクロカプセル15内のフレ
ーク状磁性粉22が見えるような光透過性を有している
必要があり、強度など必要な条件を満たすものであれば
用いることができる。
【0048】なお、保護層14は、下層の磁気記録層の
表示読み取りに影響しない範囲で着色してもよく、また
光透過性を有する着色層(図示しない)を設けてもよ
い。なお、保護層の着色には顔料又は染料を混合する
か、着色層(図示しない)を設ける場合は顔料又は染料
をバインダー等に分散、或いは溶解させたものを磁気記
録層12上に塗布形成する。顔料又は染料としては、顔
料単独、数種の顔料の混合物、顔料とポリマーからなる
混合物、染料単独、数種の染料の混合物などを用いるこ
とができる。例えば、顔料は一般に知られている二酸化
チタン、硫化亜鉛、チタン酸鉛、酸化ジルコニウム、鉛
白、カドミウム赤、カドミウム黄等の無機顔料、フタロ
シアニン系顔料等の有機顔料の微粒子、また染料はアゾ
染料、キノリン染料、フタロシアニン系染料など公知の
各種顔料、染料が用いられる。また、顔料或いは顔料と
ポリマーからなる混合物を用いる場合には、上述の顔料
或いは顔料とポリマーを混練後、粉砕する、または、顔
料或いは顔料を分散したモノマーを、乳化重合、懸濁重
合、分散重合等の方法を用い重合する等の方法が用いら
れる。この場合、ポリマーは架橋性のものとすることが
好ましい。これらの顔料又は染料を分散、溶解させるバ
インダーは、水系バインダー、溶剤系バインダー、エマ
ルジョン系バインダーなどが用いられる。
【0049】本発明の他の実施例における可逆性感熱記
録媒体は、支持体と上記可逆性感熱/磁気記録層との間
に、着色層を設けたことを特徴している。これにより、
記録時のコントラストが増し、視認性のよい画像を形成
することができる。この着色層は、黒、青、赤、緑、
紫、金、等の色で構成され、各種公知の染料、顔料とバ
インダー樹脂を用いて塗設あるいは貼着したり、金属等
を蒸着して形成される。また、支持体自体が着色物であ
る場合(例えば、黒色PETやAl板、等)は、特に着
色層を設けなくとも同様の効果が得られる。
【0050】本発明の他の実施例における可逆性感熱記
録媒体は、可逆性感熱/磁気記録層12と透明不透明型
感熱記録層13との間に低屈折率層を設けたことを特徴
としている。これにより、白濁時に透明不透明型感熱記
録層13と低屈折率層の界面で、散乱光が反射され、コ
ントラストが高まる。この低屈折率層の材料としては、
透明不透明型可逆性感熱記録層13に用いられるバイン
ダー樹脂よりも低い屈折率のものであれば何でも良い
が、例えば、四フッ化エチレン樹脂(n=1.35)、
フッ化ビニリデン樹脂(n=1.42)等のフッ素化合
物や水(n=1.33)等の液体、空気(n=1.0)
等の気体が挙げられる。特に空気等の気体を用いる場合
には、可逆性感熱/磁気記録層12と透明不透明型感熱
記録層13を部分的に接着したり、スペーサーを設けて
も良い。
【0051】本発明の他の実施例における可逆性感熱記
録媒体は、支持体の裏面に磁気記録層を設けて、情報を
磁気情報として書き込むことができる。また、磁気記録
層の他に、IC、光メモリー、等の情報記録部を設ける
こともできる。磁気記録層としては、通常用いられる、
酸化鉄、バリウムフェライト等とバインダー樹脂が用い
られる。
【0052】これらの可逆性感熱/磁気記録層12、透
明不透明型感熱記録層13、保護層14、着色層等の形
成方法は、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、
シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロール
塗布法、ナイフエッジ法などの塗布方式、等が挙げら
れ、特に可逆性感熱/磁気記録層12については上述の
マイクロカプセル15を混入した転写層に有する転写シ
ートによる転写方式、また上述のマイクロカプセル15
を混入したインキを基材に吹き付けるインキジェット方
式、支持体11と透明不透明型感熱記録層13との間に
上述のマイクロカプセル15を混入した溶液を充填する
方式などの形成方法により作成することができ、作成す
る情報記録媒体の用途、数量に応じて上述の方式から適
宜選択することができる。
【0053】次に、本発明の磁気記録体における表示画
像の形成方法を説明する。図3は、フレーク状磁性粉2
2が分散媒23である有機溶媒に分散されたサスペンジ
ンを内包したマイクロカプセル15を着色層18を設け
た支持体11上に塗布し、さらに、透明不透明型感熱記
録層13と保護層14を設けた本発明の可逆性記録媒体
1の断面の一部を拡大した説明図である。作製された当
初は、マイクロカプセル15内で、フレーク状磁性粉2
2は均一に分散された状態で分散媒23中に固定化され
ている。
【0054】図5は、可逆性感熱/磁気記録層12に対
し平行にマイクロカプセル15内のフレーク状磁性粉2
2を配向させて、かつ透明不透明型感熱記録層13が白
濁状態を示す説明図である。このような状態にするに
は、例えば、この可逆性記録媒体1を熱記録ヘッドによ
り加熱温度をT2以上で加熱すると透明不透明型感熱記
録層13は全面白濁化する。また、その温度は可逆性感
熱/磁気記録層12のマイクロカプセル内の分散媒の融
点よりも大幅に高いため、下層にあるマイクロカプセル
内の分散媒23が溶融状態になり、フレーク状磁性粉2
2が配向又は移動(回転)可能となる。そしてその配向
状態を磁気印加方向と同じにすることが可能になる。し
たがって、図中では可逆性記録媒体1を一様に加熱し、
かつ平行方向に磁気を印加することにより、マイクロカ
プセル15中のフレーク状磁性粉22は可逆性感熱/磁
気記録層12に平行に配向され、可逆性感熱/磁気記録
層12は、フレーク状磁性粉22により入射光の大部分
が反射される状態となり、上層の透明不透明型感熱記録
層13の白濁状態と光散乱効果との相乗効果で、より白
色に近い状態となる。さらに、図4のような低屈折率層
19を設けてある場合には、さらに白色度の高い状態と
なる。
【0055】図6を説明すると、可逆性感熱記録媒体1
に対して熱・磁気記録ヘッドにより部分的に加熱温度範
囲T1〜T2で加熱を行い、透明不透明型感熱記録層1
3を透明状態とすると共に、マイクロカプセル内の分散
媒23を溶融状態にして、フレーク状磁性粉22が移動
(回転)可能な状態となり、垂直方向に磁気を印加す
る。したがって、図中では可逆性感熱/磁気記録層12
のマイクロカプセル15中のフレーク状磁性粉22は層
に垂直方向に配向される。これにより入射光は、透明不
透明型感熱記録層13の透明状態をほとんど散乱されず
に通過し、さらにフレーク状磁性粉22によりほとんど
反射(又は吸収)されない状態となる。このため、未印
字部分の、白濁している透明不透明型感熱記録層13と
フレーク状磁性粉22が平行方向に配向されている可逆
性感熱/磁気記録層12の合わさった部分との反射の差
が大きく、すなわち高コントラストの画像を記録するこ
とができる。
【0056】また、上記とは逆に、一旦、T1〜T2の
温度範囲で加熱するとともに、垂直磁界をかけてるとに
より、透明不透明型感熱記録層13が透明状態でかつ可
逆性感熱/磁気記録層12のマイクロカプセル15中の
フレーク状磁性粉22が層に垂直方向に配向された消色
状態とし、部分的に、T2の温度と層に並行な磁界をか
けて、透明不透明型感熱記録層13が白濁状態でかつ可
逆性感熱/磁気記録層12のマイクロカプセル15中の
フレーク状磁性粉22が層に並行方向に配向された反射
状態として、記録することもできる。
【0057】また、上記のような、透明不透明型感熱記
録層13と可逆性感熱/磁気記録層12を同時に記録す
る方法の他に、図7、8に示すように、それぞれの層を
単独で記録することもできる。すなわち、透明不透明型
感熱記録層13のみを記録する場合は、記録部分を磁界
をかけずに熱ヘッド等で加熱すればよく、また、可逆性
感熱/磁気記録層12のみを記録するには、透明不透明
型感熱記録層13の透明化温度範囲の下限であるT1以
下の温度でかつマイクロカプセル内の分散媒23の融点
以上の温度で加熱するとともに、垂直あるいは並行な磁
界をかけることにより可能である。
【0058】このように、透明不透明型感熱記録層13
あるいは可逆性感熱/磁気記録層12を単独で記録する
場合には、両方の層を同時に記録した場合よりも、低コ
ントラストな記録となる。これを利用して、三段階の印
字濃度で記録することが可能となり、これらを組み合わ
せることにより、バラエティーに富んだ画像が表現可能
となる。また、これにより偽造防止効果も生まれる。
【0059】以下、具体的な実施例により本発明を説明
する。
【0060】<実施例1> 〔可逆性感熱/磁気記録層塗液の調製〕シランカップリ
ング処理を施した、フレーク状のニッケル粉60重量部
を、60℃に加熱し融解したパラフィンワックス80重
量部に均一に分散し、この分散液を60℃に加熱した1
0%ゼラチン水溶液200重量部中に、ホモジナイザー
を用いて、回転数2000rpmで平均粒径75μmと
なるように約5分間分散させた。得られた分散液に10
%アラビアゴム水溶液200重量部を混合し、さらに水
1000重量部を添加し、40℃に保ち、10%酢酸水
溶液を滴下し、pHを4に調節した。その後、液温を5
℃に冷却し、30%ホルマリン水溶液10重量部を加
え、10%水酸化ナトリウム水溶液を滴下しpHを9に
調節し、ゼラチン−アラビアゴム壁のマイクロカプセル
を作製した。このマイクロカプセルをポリビニルアルコ
ール液に分散して、可逆性感熱/磁気記録層塗液を得
た。
【0061】〔透明不透明型感熱記録層塗液の調製〕ベ
ヘン酸、ドデカン二酸、シクロヘキサンジカルボン酸を
有機低分子とし、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体を樹
脂母材としてテトラヒドロフラン中に溶解し、イソシア
ネートを樹脂母材比2%で添加し、透明不透明型感熱記
録層塗液とした。
【0062】〔可逆性感熱記録媒体の作成〕黒色ポリエ
チレンテレフタレート(PET)上に、上記可逆性感熱
/磁気記録層塗液を塗布、乾燥した後、上記透明不透明
型感熱記録層塗液を塗布乾燥して、更に、UV硬化型樹
脂を塗布後UV照射により硬化させて保護層を設けた。
それぞれの層の乾燥後厚みは、80μm、10μm、5
μmとした。
【0063】〔画像の記録〕上記記録媒体を120℃に
加熱すると共に、層に対して水平に磁界をかけて全面消
去状態とした。次に、層に対し垂直に磁界をかけた状態
で、記録する可視表示情報のパターンにあわせて熱ヘッ
ド等で透明不透明型感熱記録層の透明化温度範囲となる
ように加熱を行い、パターン部分を透明化すると共に、
マイクロカプセル内の磁性粉を垂直に配向させて二層記
録状態とした。また、消去状態の可逆性記録媒体に、磁
界をかけずに透明化温度範囲で加熱を行い、透明不透明
型感熱記録層のみを透明化して、上層だけの記録を行
い、上層記録状態とした。さらに、消去状態の可逆性記
録媒体を、60℃(透明化温度範囲以下で、ワックスの
融点以上)に加熱し、磁気ヘッドを用いて層に対して垂
直に磁界をかけ、マイクロカプセル中のフレーク状磁性
粉を垂直に配向させて、可逆性感熱/磁気記録層のみを
記録した下層記録状態とした。
【0064】<実施例2> 〔可逆性感熱/磁気記録層塗液の調製〕オレイン酸処理
を施した、フレーク状のコバルト・アルミニウム合金6
0重量部を、黄色染料2重量部を溶解した50℃に加熱
し融解したパラフィンワックスとフタル酸ジブチルの混
合溶媒80重量部に均一に分散し、この分散液を50℃
に加熱した5%ポリビニルアルコール200重量部中に
ホモジナイザーを用いて、回転数2000rpmで平均
粒径40μmとなるように約5分間分散させた。得られ
た分散液にメラミン−ホルマリンプレポリマー水溶液1
00重量部を加え、20%酢酸水溶液を滴下しpHを6
に調節した。その後、液温を65℃に昇温し30分間重
合反応を行い、メラミン−ホルマリン壁のマイクロカプ
セルを作製した。このカプセルをアクリル系エマルジョ
ン樹脂と混合して、可逆性感熱/磁気記録層塗液とし
た。
【0065】〔透明不透明型感熱記録層塗液の調製〕ベ
ヘン酸、セバシン二酸、シクロヘキサンジカルボン酸を
有機低分子とし、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体を樹
脂母材としてテトラヒドロフラン中に溶解し、イソシア
ネートを樹脂母材比5%で添加しさらにジオクチルフタ
レートを樹脂母材比5%で添加して、透明不透明型感熱
記録層塗液とした。
【0066】〔可逆性感熱記録媒体の作成〕黒色コート
紙上に、上記可逆性感熱/磁気記録層塗液を塗布、乾燥
した。次に上記透明不透明型感熱記録層塗液を9μmP
ET上の塗布乾燥し、更に、この塗布された9μmPE
Tと上記黒色コート紙をそれぞれの記録層が内側になる
ように部分的に接着して、2つの記録層間に空気層をも
つ可逆性記録媒体を作成した。それぞれの層の乾燥後厚
みは、40μm(可逆性感熱/磁気記録層)、1μm
(空気層)、10μm(透明不透明型感熱記録層)、9
μm(保護層PET)とした。
【0067】〔画像の記録〕上記記録媒体を120℃に
加熱すると共に、層に対して水平に磁界をかけて全面消
去状態とした。実施例1と同様に2つの記録層を同時に
記録状態として二層記録状態とした。また、消去状態の
可逆性記録媒体に、磁界をかけずに透明化温度範囲で加
熱を行い、透明不透明型感熱記録層のみを透明化して、
上層だけの記録を行い、上層記録状態とした。さらに、
消去状態の可逆性記録媒体を、60℃(透明化温度範囲
以下で、ワックスの融点以上)に加熱し、磁気ヘッドを
用いて層に対して垂直に磁界をかけ、マイクロカプセル
中のフレーク状磁性粉を垂直に配向させて、可逆性感熱
/磁気記録層のみを記録した下層記録状態とした。
【0068】<比較例1、2>透明不透明型感熱記録層
を設けなかった他は、実施例1、2と同様に可逆性感熱
記録媒体を作成し、記録した。
【0069】<比較例3、4>可逆性感熱/磁気記録層
を設けなかった他は実施例1、2と同様に感熱記録媒体
を作成し、記録した。
【0070】<比較例5>実施例1において、各層の厚
みを80μm(可逆性感熱/磁気記録層)、20μm
(透明不透明型感熱記録層)、5μm(保護層)として
作成した。
【0071】<比較例6>実施例2において、各層の厚
みを40μm(可逆性感熱/磁気記録層)、1μm(空
気層)、10μm(透明不透明型感熱記録層)、15μ
m(保護層)として作成した。
【0072】記録部のコントラストを表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】本発明の可逆性記録媒体(実施例1、2)
は、従来のもの(比較例1〜4)よりも高コントラスト
で、見やすいもの、また、本発明の可逆性記録媒体(実
施例1、2)では透明不透明型感熱記録層のみ、あるい
はを可逆性感熱/磁気記録層のみに記録して、二層同時
記録よりも低いコントラストで印字できる。比較例5で
は、保護層+透明不透明型感熱記録層の厚みが厚すぎ
て、可逆性感熱/磁気記録層に熱ヘッドの熱が伝わり難
くなり、記録コントラストが低くなった。また、比較例
6では、上記と同様に保護層+透明不透明型感熱記録層
の厚みが厚すぎて、可逆性感熱/磁気記録層に熱ヘッド
の熱が伝わり難く、さらに、保護層が厚いために透明不
透明型感熱記録層にも熱ヘッド熱が伝わり難くなり、よ
り記録コントラストとなった。また、熱に対する保存性
を調べた結果を表2に示す。
【0075】
【表2】
【0076】本発明の可逆性感熱記録媒体(実施例1、
2)は、比較例と比べて、保存後コントラストが同等以
上であった。
【0077】
【発明の効果】本発明の可逆性感熱記録媒体は、フレー
ク状磁性粉と常温において固相状態を示す分散媒とを内
包するマイクロカプセルを含む可逆性感熱/磁気記録層
の上に、透明不透明型の可逆性感熱記録層を積層してい
る。このため、コントラストはそれぞれ単独の層をもつ
記録媒体を記録した場合より大きくなり、しかも視認性
がよい。また、磁石等を近づけても、未印字部にかぶり
を生じたり画像が消去されてしまったりということがな
く、磁力に対する画像の安定性がよい。さらに、不慮の
熱が加わったとしても、透明不透明型の可逆性感熱記録
層は消去されてしまうことがあるが、可逆性感熱/磁気
記録層は変化しないため、コントラストが相対的に小さ
くなるが、記録が読めなくなることはない。また、透明
不透明型の可逆性感熱記録層のみ、あるいはマイクロカ
プセルを利用した可逆性感熱/磁気記録層に、それぞれ
単独で記録することもできるため、それらの二層を同時
に記録した場合よりも低コントラストな、異なる濃度の
記録を行うことができる。特に、下層であるマイクロカ
プセルを利用した可逆性感熱/磁気記録層のみを記録す
る場合は濃度が小さいため、一見すると見えない隠し文
字のようなセキュリティー用途に応用することも可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱記録媒体の一実施例を示す
断面図であ。
【図2】本発明で磁気記録層に用いられるマイクロカプ
セルの一実施例を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施例における可逆性感熱記録媒
体を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施例における可逆性感熱記録媒
体を示す断面図である。
【図5】本発明の可逆性感熱/磁気記録層に対し平行に
フレーク状磁性粉を配向し、磁気記録体の状態を示す説
明図である。
【図6】本発明の可逆性感熱記録媒体に記録を行った場
合の説明図である。
【図7】本発明の可逆性感熱記録媒体の透明不透明型の
可逆性感熱記録層のみ記録した場合の説明図である。
【図8】本発明の可逆性感熱記録媒体の可逆性感熱/磁
気記録層のみを記録した場合の説明図である。
【符号の説明】
1 ……可逆性感熱記録体 11……支持体 12……可逆性感熱/磁気記録層 13……透明不透明型可逆性感熱記録層 14……保護層 15……マイクロカプセル 16……バインダー 18……着色層 19……低屈折率層 21……芯物質 22……フレーク状磁性粉 23……分散媒 24……殻物質
フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA06 JA01 JA11 JA26 JC02 JC04 KA15 KA51 KA70 LA11 LB08 2H086 AA04 AA14 AA32 AA33 AA35 AA41 AA50 2H111 HA07 HA18 HA23 HA34 HA35

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性材料からなる支持体上に、少なくと
    もフレーク状磁性粉と、これを分散してなる常温におい
    て固相状態を示す分散媒とを内包するマイクロカプセル
    をバインダー中に分散配置してなる可逆性感熱/磁気記
    録層を形成し、さらに、温度に依存して透明度が可逆的
    に変化する透明不透明型可逆性感熱記録層と、保護層を
    積層してなることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】上記支持体が着色してなる支持体、もしく
    は、上記可逆性感熱/磁気記録層と支持体との間に、着
    色層を設けたことを特徴とする請求項1記載の可逆性感
    熱記録媒体。
  3. 【請求項3】上記可逆性感熱/磁気記録層と上記透明不
    透明型感熱記録層との間に低屈折率層を設けたことを特
    徴とする請求項1又は2記載の可逆性感熱記録媒体。
  4. 【請求項4】上記透明不透明型感熱記録層と保護層の合
    計膜厚が25μm以下であることを特徴とする請求項
    1、2又は3のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
  5. 【請求項5】上記支持体の裏面に磁気記録層を設けたこ
    とを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかに記載の
    可逆性感熱記録媒体。
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