JP2001324730A - 磁気記録体 - Google Patents

磁気記録体

Info

Publication number
JP2001324730A
JP2001324730A JP2001087543A JP2001087543A JP2001324730A JP 2001324730 A JP2001324730 A JP 2001324730A JP 2001087543 A JP2001087543 A JP 2001087543A JP 2001087543 A JP2001087543 A JP 2001087543A JP 2001324730 A JP2001324730 A JP 2001324730A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic recording
magnetic
flake
recording medium
recording layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001087543A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiko Matsumoto
美子 松本
Harumi Matsumoto
陽美 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2001087543A priority Critical patent/JP2001324730A/ja
Publication of JP2001324730A publication Critical patent/JP2001324730A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、解像度が高く、鮮明で、さらに画像
の安定性に優れた、可逆表示可能な磁気記録体を提供す
る。 【解決手段】磁気記録体1は、支持体2上にフレーク状
磁性粉22と常温において固相状態を示す分散媒とを内
包するマイクロカプセル15を含む磁気記録層12を有
し、加熱とともに磁気記録層12に対して平行又は垂直
方向の磁気印加によるフレーク状磁性粉22の配向から
得られる反射光のコントラストにより画像情報が表示さ
れ、またフレーク状磁性粉22の配向を平行又は垂直方
向のいずれか一方とすることにより画像情報が消去され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱とともに磁気
の印加により画像を表示する磁気記録体に係り、とくに
解像度及び画像の安定性に優れた可逆表示可能な磁気記
録体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気を利用した磁気記録体とし
て、例えば、特開昭48−56393号公報に記載され
ているように、着色分散媒中に磁性粒子が分散されたサ
スペンジョンに磁界を作用させることにより、磁性粒子
を移動させ、着色分散媒の色を変化させて表示を行う方
法が知られている。
【0003】しかし、このような磁気記録体は、サスペ
ンジョンを2枚の基板間に封じこんで一方の基板から磁
気ペンで文字、模様を描いて磁気を作用させると、サス
ペンジョンの磁性粒子が吸引されて、その通りの文字や
模様が得られるが、磁性粒子の比重は分散媒のそれより
も極めて大きいので吸引された磁性粒子は、時間ととも
に沈降するため文字や模様を長時間保持できない欠点を
有する。
【0004】また、磁気ペンにより磁気を受けた磁性粒
子はすべて磁気ペンに吸引されるので、磁気ペンから離
れて存在していた磁性粒子まで吸引されるため、不鮮明
な文字や模様しか得られない欠点も有していた。磁性粒
子の沈降を防止するため、例えば磁性粒子を細かくする
か、磁性粒子に低比重のポリマー等を被覆して、磁性粒
子の見かけの比重を分散媒のそれと近似させると、磁性
粒子に働く磁気力が極端に小さくなるため、磁気ペンに
よって吸引されにくくなり、濃度の濃い、鮮明な文字や
模様が得られなくなるという欠陥を生じる。
【0005】さらに、磁性粒子の見かけの比重を分散媒
のそれと近似させると、文字や模様を消去する際も、磁
性粒子が基板の反対側に吸引されにくくなり、完全に消
去できず、これを繰り返していると全体的に黒ずんでし
まい、実用的ではなかった。
【0006】これらの欠点を解決する形態として、例え
ば、特公昭57−27463号公報、特開昭62−53
359号公報に記載されているように、分散媒として、
一定値以上の降伏値を有する液体、あるいは、増稠剤を
用いることによって、ぼけのない鮮明でコントラストの
高い文字、画像が表示でき、その表示は長時間安定に保
持でき、かつ、消去を完全にきれいに行える磁気記録体
が知られている。
【0007】しかし、この磁気記録体は、透明プラスチ
ックシートの全面に、一辺および深さが各2mm程度の
ハニカム状のセルを設けるように成形して、そのセルの
中に、磁性粒子と白色顔料を分散媒に分散したサスペン
ジョンを注入し、これを透明シートで密封した形態であ
り、以下の欠点を有していた。即ち、ハニカム状のセル
の中で磁性粒子を裏面より表面に移動させて像を形成す
るため、像の解像度をハニカム状のセルより小さくする
ことは不可能である。また、ハニカム状のセルを成形す
ること、ハニカム状のセルを大型化、あるいは非常に小
型化すること、ハニカム状のセルにサスペンジョンを注
入する工程等が困難である。
【0008】別の形態として、例えば、特開平特開平2
−146082号公報、特開平4−233581号公報
に記載されているように、前記のようなハニカム状のセ
ルに磁性粒子と顔料を密封した磁気記録体とは異なり、
磁性粒子をマイクロカプセルに封入し、これを支持体上
に塗布した磁気記録体が知られている。この方法によれ
ば、マイクロカプセルの粒径を制御することにより、解
像度を高くすることができ、製造工程も容易である。ま
た、マイクロカプセルを塗布する基板に種々のフィルム
等の選択が可能となり、形状、大きさも自由に選択が可
能となる。
【0009】しかし、ここで示される画像形成は以下の
方法で行なわれる。まず永久磁石によって、マイクロカ
プセル内の光吸収性の磁性粒子を磁気記録体の裏面側に
吸引し、それに伴い、光反射性の非磁性粒子が磁気記録
体の表面に残留することによって、表面が非磁性粒子の
色となり、消去状態となる。次に磁気記録体表面から永
久磁石によって磁気を印加・記録することにより、表面
に光吸収性の磁性粒子が磁気によって吸引され、所望の
文字、画像が形成される。従って、このような画像形成
では、磁気粒子の吸引に時間がかかり、感度の劣る磁気
記録体となる。
【0010】さらに、マイクロカプセルを利用した別の
形態として、例えば、1−145637号公報、特開昭
63−153197号公報、特公平4−7518号公
報、特開平6−79986号公報、特開平6−9206
8号公報、あるいは、EyneS.Trumble
P.S.&E.7 213(1963)に記載されてい
るように、光吸収性の磁性粒子と、光反射性の非磁性粒
子をマイクロカプセルに封入した磁気記録体が知られて
いる。
【0011】この形態の画像形成の方法は、まず磁気記
録体作製時に、塗布したカプセル中の磁性粒子をあらか
じめ磁気記録体平面に平行に配向させることにより入射
光を全部反射させ明るく見せておく。次に、磁気的な記
録をすることにより、磁性粒子が回転し入射光を散乱、
吸収するようになり、コントラストが生じ黒色の像が形
成される。
【0012】しかし、このようにして得た磁気記録体
は、磁気の力が広範囲に及ぶため、解像度が他の熱や光
による記録と比べ、非常に劣るものである。さらに、上
記磁気記録体は、磁気の力で容易に印字、消去が行える
ため、磁石に触れただけで、未印字部にかぶりを生じた
り、画像が消去されてしまったりとするように画像の安
定性が悪いという欠点を有する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上から従来の磁性体
を表示手段として利用した磁気記録体は、高い解像度の
画像を表示することができず、また外部からの磁気の影
響により表示した画像の部分的又は判読が不可能な状態
に画像が消去或いは未印字部にかぶりを生じるため、安
定した記録を行うことができなった。また内包される磁
性粉の移動性、すなわち記録の反応性の良さと記録画像
の安定性の両方を備える磁気記録体は存在していなかっ
た。そこで、本発明は磁気印加した部分と、無印加の部
分とが異なる明暗を示し、かつ解像度が高く、鮮明で、
さらに画像の安定性に優れた、可逆表示可能な磁気記録
体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであり、請求項1に記載の発
明は、非磁性材料からなる支持体上に、少なくともフレ
ーク状磁性粉と、これを分散してなる常温において固相
状態を示す分散媒とを内包するマイクロカプセルをバイ
ンダー中に分散配置してなる磁気記録層を形成したこと
を特徴とする磁気記録体である。
【0015】請求項2の発明は、請求項1に記載の磁気
記録体において、分散媒が融点35℃以上80℃以下の
有機化合物であることを特徴とするものである。
【0016】請求項3の発明は、請求項1に記載の磁気
記録体において、マイクロカプセルの平均粒径が10μ
mから1000μmの間にあることを特徴とするもので
ある。
【0017】請求項4の発明は、請求項1に記載の磁気
記録体において、フレーク状磁性粉の平均粒径が1μm
から50μmの間にあることを特徴とするものである。
【0018】請求項5の発明は、請求項1に記載の磁気
記録体において、フレーク状磁性粉が着色磁性粉である
ことを特徴とするものである。
【0019】請求項6の発明は、請求項1に記載の磁気
記録体において、磁気記録層上に保護層を形成してなる
ことを特徴とするものである。
【0020】
【作用】本発明の磁気記録体は、支持体間にフレーク状
磁性粉と常温において固相状態を示す分散媒とを内包す
るマイクロカプセルを含む磁気記録層を有しており、加
熱とともに磁気記録層に対して平行な磁気印加によりフ
レーク状磁性粉の平行方向への配向による入射光の磁気
記録層での反射と、また加熱とともに磁気記録層に対し
て垂直方向の磁気印加によりフレーク状磁性粉の垂直方
向へのに配向による入射光の散乱・吸収、或いは入射光
の磁気記録層透過・支持体表面の反射とのコントラスト
により可視情報の表示が行なわれる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。図1は本発明の磁気記録体の一実施例を示す断面図
であり、図2は本発明で磁気記録層に用いられるマイク
ロカプセルの一実施例を示す断面図であり、図3は本発
明の磁気記録体の作製時の状態を示す説明図であり、図
4は本発明の磁気記録体の磁気記録層に対し平行にフレ
ーク状磁性粉を配向させてなる状態を示す説明図であ
り、図5は本発明の磁気記録体の磁気記録層に対し垂直
方向にフレーク状磁性粉を配向させてなる状態を示す説
明図である。
【0022】図1は、本発明の磁気記録体1の構成を示
し、支持体11、フレーク状磁性粉等を含むマイクロカ
プセル15をバインダー16に分散してなる塗布材が塗
布される磁気記録層12、保護層14が順次積層されて
いる。
【0023】また、図2は本発明で磁気記録層12に用
いられるマイクロカプセル15の一実施例を示す断面図
である。マイクロカプセル15は、フレーク状磁性粉2
2が常温において固相状態を示す分散媒(例えばワック
スなど有機化合物)23中に分散されたサスペンジョン
を主成分とする芯物質21を、ポリマー等よりなる殻物
質24でカプセル化した構成である。
【0024】フレーク状磁性粉22は、例えば鉄、ニッ
ケル、鉄・ニッケル、鉄・ニッケル・クロム等のステン
レススチール、コバルト、コバルト・アルミニウムやサ
マリウム・コバルト合金等の微粒子等をアトマイザーや
ハンマーミル等でフレーク状としたものを用いることが
できる。とくに磁性粉を有機溶媒等との親和性を高める
ために、高級エステル処理、シランカップリング処理、
チタネート系カップリング処理等を施しておくとよい。
本発明におけるフレーク状磁性粉22の大きさは、磁気
印加によるマイクロカプセル内での回転のしやすさ、磁
気記録層12の画像コントラスト等を考慮すると粒径が
5μmから30μm、厚さが0.1μmから3μmの間
であることが好ましい。また、フレーク状磁性粉22の
表面に着色層を設けてもよい。
【0025】分散媒23としては、常温(約10〜35
℃の範囲)で固体のもの(固相状態を示す)で、かつ常
温以上の温度(約40〜80℃の範囲)に加熱されると
流動状態になるものであればよく、例えば有機化合物
で、パラフィンワックス、カルナバワックスなどの天然
或いは合成ワックス、天然或いは合成樹脂、またはカル
ボン酸エステルなど上記条件を満たす一般に公知である
ものを単独、或いは混合して適宜使用することができ
る。なお、光透過性を妨げない範囲で着色してもよい。
【0026】上記したフレーク状磁性粉22、分散媒2
3などを主成分とする芯物質21をポリマー等の殻物質
24で覆い、マイクロカプセル化する。この殻物質24
として用いられる樹脂には、一般に用いられている樹
脂、例えばアクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリス
チレン、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウ
レア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、天然樹脂等
が挙げられ、これらを単独、あるいは2種以上混合して
使用することも可能である。
【0027】上述の殻物質を有するマイクロカプセル1
5の製造法としては、ポリマー溶液に分散させた芯物質
のまわりにポリマーの濃厚相を分離させる相分離法、ポ
リマー溶液中の芯物質のまわりにポリマーの硬化試験薬
等によりポリマーを硬化させる液中硬化被覆法、芯物質
を分散させたエマルジョンの内、あるいは外相のいずれ
か一方からモノマーや重合触媒を供給し芯物質の表面を
ポリマーで覆うインシチュー重合法、芯物質を分散させ
たエマルジョンの内相と外相の両方からモノマーを供給
する界面重合法等のマイクロカプセル化技法が好適であ
るが、これらの方法に限定されるものではない。
【0028】とくに芯物質21であるフレーク状磁性粉
22を分散媒24に均一に分散させたサスペンジョンの
外相からモノマーを供給するインシチュー重合法、ある
いは相分離法を用いて製造することにより、粒径の揃っ
た、かつフレーク状磁性粉22の移動が容易なマイクロ
カプセル15を製造することができる。ここで用いる重
合性モノマーは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、スチレンおよびその誘導体、イソシアネート、
各種アミン、エポキシ基を有する化合物等が好適であ
る。
【0029】本発明の磁気記録体1は、支持体11上に
上述の構成を有するマイクロカプセル15をバインダー
16とともに塗布し磁気記録層12を形成、さらに保護
層14を積層することにより作製される。
【0030】支持体11はポリ塩化ビニル、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリ
スチレン,ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂
類、天然樹脂、紙、合成紙、金属、セラッミクスなどを
単独または組み合わせた複合体として用いることができ
る。またその形状もカード状あるいはシート状、フィル
ム状など用途に応じて選択でき、さらに用途に応じて要
求される物性、例えば強度、剛性、隠蔽性、光不透過性
等を考慮し、上記材料から適宜選択することができる。
【0031】また、マイクロカプセル15を分散するバ
インダー16としては、水系バインダー、溶剤系バイン
ダー、エマルション系バインダー等が適宜用いられる。
さらに、保護層14としては、エポキシ樹脂、テトラフ
ルオロエチレン等、またはポリ塩化ビニル、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリ
スチレン,ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂、
天然樹脂等が使用可能である。この保護層14は、支持
体11上に形成されたマイクロカプセル15を保持する
とともに、外部からマイクロカプセル15内のフレーク
状磁性粉22が見えるような光透過性を有している必要
があり、強度など必要な条件を満たすものであれば用い
ることができる。
【0032】なお、保護層14は、下層の磁気記録層の
表示読み取りに影響しない範囲で着色してもよく、また
光透過性を有する着色層(図示しない)を設けてもよ
い。なお保護層の着色には顔料又は染料を混合するか、
着色層(図示しない)を設ける場合は顔料又は染料をバ
インダー等に分散、或いは溶解させたものを磁気記録層
12上に塗布形成する。顔料又は染料としては、顔料単
独、数種の顔料の混合物、顔料とポリマーからなる混合
物、染料単独、数種の染料の混合物などを用いることが
できる。例えば、顔料は一般に知られている二酸化チタ
ン、硫化亜鉛、チタン酸鉛、酸化ジルコニウム、鉛白、
カドミウム赤、カドミウム黄等の無機顔料、フタロシア
ニン系顔料等の有機顔料の微粒子、また染料はアゾ染
料、キノリン染料、フタロシアニン系染料など公知の各
種顔料、染料が用いられる。また、顔料或いは顔料とポ
リマーからなる混合物を用いる場合には、上述の顔料或
いは顔料とポリマーを混練後、粉砕する、または、顔料
或いは顔料を分散したモノマーを、乳化重合、懸濁重
合、分散重合等の方法を用い重合する等の方法が用いら
れる。この場合、ポリマーは架橋性のものとすることが
好ましい。これらの顔料又は染料を分散、溶解させるバ
インダーは、水系バインダー、溶剤系バインダー、エマ
ルジョン系バインダーなどが用いられる。
【0033】これらの磁気記録層12、保護層14、着
色層(図示しない)の形成方法は、例えばオフセット印
刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周
知の印刷方式や、ロール塗布法、ナイフエッジ法などの
塗布方式、上述のマイクロカプセル15を混入した転写
層に有する転写シートによる転写方式、また上述のマイ
クロカプセル15を混入したインキを基材に吹き付ける
インキジェット方式、支持体11と保護層14との間に
上述のマイクロカプセル15を混入した溶液を充填する
方式などの形成方法により作成することができ、作成す
る情報記録媒体の用途、数量に応じて上述の方式から適
宜選択することができる。
【0034】次に、本発明の磁気記録体における表示画
像の形成方法を説明する。図3は、フレーク状磁性粉2
2が分散媒23である有機溶媒に分散されたサスペンジ
ョンを内包したマイクロカプセル15を支持体11上に
塗布した本発明の磁気記録体1の一部を拡大した断面図
を表す説明図である。作製された当初は、マイクロカプ
セル15内で、フレーク状磁性粉22は均一に分散され
た状態で分散媒23中に固定化されている。
【0035】図4は、磁気記録層12に対し平行にマイ
クロカプセル15内のフレーク状磁性粉22を配向させ
てなる状態を示す説明図である。この磁気記録層12を
熱・磁気記録ヘッド30により加熱すると、マイクロカ
プセル内の分散媒23が溶融状態になり、フレーク状磁
性粉22が配向又は移動(回転)可能となる。そしてそ
の配向状態が磁気印加方向と同じになる。したがって、
図中では磁気記録層12を一様に加熱・平行方向に印加
された磁気により、マイクロカプセル15中のフレーク
状磁性粉22は磁気記録層12に平行に配向される。こ
れにより、磁気記録体表面は、フレーク状磁性粉22に
より入射光の大部分が反射される均一な色調となる。
【0036】図5は、磁気記録体1の磁気記録層12に
対して熱・磁気記録ヘッドによる部分的に加熱し、マイ
クロカプセル内の分散媒23が溶融状態とするととも
に、フレーク状磁性粉22が移動(回転)可能となり、
その配向状態は磁気印加方向と同じとなる。したがっ
て、図中では磁気記録層12のマイクロカプセル15中
のフレーク状磁性粉22は磁気記録層12に垂直方向に
配向される。これにより入射光は、フレーク状磁性粉2
2によりほとんど反射(又は吸収)されない状態となる
ため、磁気記録層12に平行方向に配向されたフレーク
状磁性粉22と垂直方向に配向されたフレーク状磁性粉
22との反射の差、すなわちコントラストが得られ、こ
れにより可視表示情報を記録することができる。熱・磁
気ヘッド30は、例えば全体に一様な磁場を形成した後
記録箇所のみに熱を印加して記録を行なう方法、全体に
一様に熱を印加した後記録箇所のみに磁場を形成して記
録を行なう方法があり、(1)具体的にはレーザ光など
の熱変換が可能な光ヘッドと一様な磁場の印加が可能な
磁場形成手段、(2)熱ヘッドと一様な磁場の印加が可
能な磁場形成手段、(3)磁気ヘッドと一様な熱印加可
能な熱印加手段などがあり、また熱と磁場をライン状に
走査する構成としてもよく、用途に応じて適宜選択する
ことができる。とくに熱印加する加熱手段はワックス、
有機化合物など上記した分散媒23を溶融させるだけの
加熱能力を有していればよい。
【0037】この画像形成は、磁気と分散媒の粘度を低
下させる程度の低エネルギーの熱による単純なものであ
るため、記録が容易であり、マイクロカプセルの粒径を
制御することにより、解像度の高い像形成が可能であ
る。また熱・磁気ヘッドで形成された画像は、分散媒が
常温に戻ると同時に固定状態となるため、その記録安定
性がよく、しかも、溶融状態以外では磁気のみでの画像
形成が行えないため、磁石に触れてかぶりを生ずること
がない。本発明による磁気記録体は内包されるフレーク
状磁性粉の記録時の移動性、すなわち記録の反応性の良
さと記録画像の安定性の両方を備えるものである。ま
た、磁気記録層に対してフレーク状磁性粉の配向状態が
平行方向又は垂直方向の何れか一方をベースとし、部分
的に他方とすることにより情報を記録することができる
ため、上記とは逆にフレーク状磁性粉の配向状態が垂直
方向にあるのをベースとし、部分的に平行方向に配向状
態を変化させて可視表示情報の記録をを行なうようにし
てもよい。
【0038】さらに、マイクロカプセルはバインダーに
混ぜることで塗液化することができるため、様々な支持
体に塗布することができ、また、様々な形状に加工する
ことが可能であり、製造工程も簡単であることから、用
途範囲を広げることができる。特に紙上に塗布した場合
は家庭用ファックス等の情報記録紙として使用でき、熱
と磁気の印加により、印字・消去が容易にかつ可逆的に
行えるため、リサイクルペーパーとして用いることが可
能である。
【0039】以下、本発明の具体的な実施例を挙げて、
詳細に説明する。 <実施例1>シランカップリング処理を施した、フレー
ク状のニッケル粉60重量部を、60℃に加熱し融解し
たパラフィンワックス80重量部に均一に分散し、この
分散液を60℃に加熱した10%ゼラチン水溶液200
重量部中に、ホモジナイザーを用いて、回転数2000
rpmで平均粒径75μmとなるように約5分間分散さ
せた。得られた分散液に10%アラビアゴム水溶液20
0重量部を混合し、さらに水1000重量部を添加し、
40℃に保ち、10%酢酸水溶液を滴下し、pHを4に
調節した。その後、液温を5℃に冷却し、30%ホルマ
リン水溶液10重量部を加え、10%水酸化ナトリウム
水溶液を滴下しpHを9に調節し、ゼラチン−アラビア
ゴム壁のマイクロカプセルを作製した。
【0040】次に黒色のポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム上に、上記マイクロカプセルをポリ
ビニルアルコールに分散した塗液を塗布し磁気記録層を
設け、さらにアクリル樹脂からなる保護層を順次形成し
本発明の磁気記録体を得た。この磁気記録体の全面を加
熱し、外部から磁気記録層に平行となる磁界を印加し、
マイクロカプセル中のフレーク状磁性粉を磁気記録層に
対して平行となるように配向させ、次に記録する可視表
示情報に合わせて部分的に加熱するとともに磁気記録層
に垂直方向に磁界を印加しフレーク状磁性粉を磁気記録
層に対して垂直となるように配向させることにより支持
体からの反射光とフレーク状磁性粉の反射光とのコント
ラストから鮮明な画像が得られた。
【0041】<実施例2>オレイン酸処理を施した、フ
レーク状のコバルト・アルミニウム合金60重量部を、
黄色染料2重量部を溶解した50℃に加熱し融解したパ
ラフィンワックスとフタル酸ジブチルの混合溶媒80重
量部に均一に分散し、この分散液を50℃に加熱した5
%ポリビニルアルコール200重量部中にホモジナイザ
ーを用いて、回転数2000rpmで平均粒径750μ
mとなるように約5分間分散させた。得られた分散液に
メラミン−ホルマリンプレポリマー水溶液100重量部
を加え、20%酢酸水溶液を滴下しpHを6に調節し
た。その後、液温を65℃に昇温し30分間重合反応を
行い、メラミン−ホルマリン壁のマイクロカプセルを作
製した。
【0042】次に黒色コート紙上に、上記マイクロカプ
セルをアクリル系エマルジョン樹脂に分散した塗液を塗
布し磁気記録層を設け、さらに磁気記録層上にアクリル
樹脂からなる保護層を順次形成し本発明の磁気記録体を
得た。この磁気記録体の全面を加熱し、外部から磁気記
録層に平行となる磁界を印加し、マイクロカプセル中の
フレーク状磁性粉を磁気記録層に対して平行となるよう
に配向させ、次に記録する可視表示情報に合わせて部分
的に加熱するとともに磁気記録層に垂直方向に磁界を印
加しフレーク状磁性粉を磁気記録層に対して垂直となる
ように配向させることにより支持体からの反射光とフレ
ーク状磁性粉の反射光とのコントラストから鮮明な画像
が得られた。
【0043】
【発明の効果】本発明の磁気記録体は、フレーク状磁性
粉と、これを分散し常温で固相状態を示す分散媒を内包
するマイクロカプセルを含む磁気記録層を有し、加熱に
よりマイクロカプセル内の分散媒を溶融状態として、こ
のフレーク状磁性粉を磁気記録層に対し平行又は垂直に
配向させることにより、反射光のコントラストから画像
情報の記録表示ができる。また、フレーク状磁性粉の配
向状態を磁気記録層に対し平行又は垂直の何れか一方に
配向させることにより画像情報を消去することができ
る。
【0044】すなわち、本発明は磁気を印加した部分と
無印加の部分とが明確に異なるように明暗がはっきりと
し、かつ解像度の高く、鮮明で、さらに画像の安定性に
優れた記録消去可能な磁気記録体である。
【0045】また本発明の磁気記録体は、低温度の加熱
と磁気の印加により簡易に像形成を行うことができるた
め、低エネルギー消費であり、記録層にマイクロカプセ
ルを用いることにより、マイクロカプセルの粒径を制御
することで解像度を高めることができる。しかもマイク
ロカプセル内で磁性粉が常温で固相状態を示す分散媒に
分散され、記録消去時以外は固定されているため、情報
記録後に外部から磁石などの磁気が印加されても、マイ
クロカプセル内の磁性粉に移動を生じることがなく、安
定した記録が得られる。加熱・磁気印加された部分のみ
に磁性粉の移動(配向)をほぼ限定できるため、解像度
が高く、常温で固相状態を示す分散媒を用いることで画
像の安定性も優れる。
【0046】またマイクロカプセルを含む塗液を塗布す
る工程とすることができるため、磁気記録体の製造工程
を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録体の一実施例の断面図であ
る。
【図2】本発明の磁気記録体の磁気記録層に用いられる
マイクロカプセルの一実施例を示す断面図である。
【図3】本発明の磁気記録体の作製時の状態を示す説明
図である。
【図4】本発明の磁気記録体の磁気記録層に対し平行に
フレーク状磁性粉を配向させてなる状態を示す説明図で
ある。
【図5】本発明の磁気記録体の磁気記録層に対し垂直方
向にフレーク状磁性粉を配向させてなる状態を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 磁気記録体 11 支持体 12 磁気記録層 14 保護層 15 マイクロカプセル 16 バインダー 21 芯物質 22 フレーク状磁性粉 23 分散媒 24 殻物質 30 熱・磁気ヘッド

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性材料からなる支持体上に、少なくと
    もフレーク状磁性粉と、これを分散してなる常温におい
    て固相状態を示す分散媒とを内包するマイクロカプセル
    をバインダー中に分散配置してなる磁気記録層を形成し
    たことを特徴とする磁気記録体。
  2. 【請求項2】前記分散媒が融点35℃以上80℃以下の
    有機化合物であることを特徴とする請求項1記載の磁気
    記録体。
  3. 【請求項3】前記マイクロカプセルの平均粒径が10μ
    mから1000μmの間にあることを特徴とする請求項
    1記載の磁気記録体。
  4. 【請求項4】前記フレーク状磁性粉の平均粒径が1μm
    から50μmの間にあることを特徴とする請求項1記載
    の磁気記録体。
  5. 【請求項5】前記フレーク状磁性粉の表面を着色してな
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気記録体。
  6. 【請求項6】前記磁気記録層上に保護層を形成してなる
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録体。
JP2001087543A 2001-03-26 2001-03-26 磁気記録体 Pending JP2001324730A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001087543A JP2001324730A (ja) 2001-03-26 2001-03-26 磁気記録体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001087543A JP2001324730A (ja) 2001-03-26 2001-03-26 磁気記録体

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6325789A Division JPH08175059A (ja) 1994-12-27 1994-12-27 磁気記録体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001324730A true JP2001324730A (ja) 2001-11-22

Family

ID=18942776

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001087543A Pending JP2001324730A (ja) 2001-03-26 2001-03-26 磁気記録体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001324730A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1262817A1 (en) Photochromic gyricon display
WO2002093245A1 (en) Electrophoretic displays containing magnetic particles
US20020018044A1 (en) Magnetic display device
JP2015505622A (ja) 磁性粒子を用いた表示方法、フィルムおよび表示装置
JP3572045B2 (ja) 磁気ディスプレー
JP3277796B2 (ja) 磁気記録体
JPH0971042A (ja) 磁気記録体及びその記録方法
JPH08314396A (ja) 磁気記録体
JP2850056B2 (ja) 磁気ディスプレーシステム
JP2000043301A (ja) 磁気記録体の情報記録方法および情報消去方法
JP2001324730A (ja) 磁気記録体
JPH09160511A (ja) 磁気記録体及びその記録方法
JPH08175059A (ja) 磁気記録体
JPH0990887A (ja) 磁気記録体及び磁気記録体の記録消去方法並びに磁気記録体の記録消去装置
JP4925003B2 (ja) 手書き込みが可能な表示媒体、表示装置および表示方法
JP2000185489A (ja) 磁気記録体
JP2000225788A (ja) 熱磁気記録体の製造方法及び熱磁気記録体
JPH07104685A (ja) 磁気記録体
JPH07129104A (ja) 磁気記録体
JPH08179706A (ja) 磁気記録体
JPH0729145A (ja) 磁気記録体及び磁気記録体の記録方法並びに磁気記録体の記録消去方法
JPH0729146A (ja) 磁気記録体及び磁気記録体の記録方法並びに磁気記録体の記録消去方法
JPH07104684A (ja) 磁気表示用ディスプレー及び磁気表示装置
JPH07261684A (ja) 磁気表示用ディスプレー及び磁気表示装置
JPH08179705A (ja) 磁気表示媒体