JP2000001071A - 偽造防止印刷物、真偽判別具及び真偽判別方法 - Google Patents

偽造防止印刷物、真偽判別具及び真偽判別方法

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JP2000001071A JP17001298A JP17001298A JP2000001071A JP 2000001071 A JP2000001071 A JP 2000001071A JP 17001298 A JP17001298 A JP 17001298A JP 17001298 A JP17001298 A JP 17001298A JP 2000001071 A JP2000001071 A JP 2000001071A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単かつ確実に、真偽判別を行うことができ
る偽造防止印刷物、真偽判別具及び真偽判別方法を提供
する。 【解決手段】 基材11と、基材11の上の少なくとも
一部の領域に形成され、入射した光のなかから、左回り
偏光又は右回り偏光のいずれか一方の光のみを反射する
1又は2以上の判別部13とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、商品券、証券、株
券、定期券その他の金券類や、各種証明書類などの使用
に適した偽造防止印刷物、真偽判別具及び真偽判別方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近時、高精細かつ高色彩に再現すること
ができるカラーコピー装置の普及に伴って、定期券、証
券等の偽造が問題となってきている。従来から、この種
の金券類等の偽造防止を図るために、見る角度によっ
て、色彩が変化する色彩変化部を設けた偽造防止印刷物
が普及してきている。このような色彩変化部は、例え
ば、パールインキなどのように、見る角度によって色彩
が変化する色彩変化インキを印刷することで形成してい
る。パールインキは、薄膜状の金属粒子などを顔料とし
て含んでおり、この金属粒子によって光を多重反射す
る。この反射された光は、金属粒子の厚さによって、光
の波長、すなわち色が決まり、この光が互いに干渉しあ
うことで、色彩変化を生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
の印刷物では、同一の色彩変化を生じるものを作製する
ことは、困難であった。すなわち、パールインキによる
色彩変化は、前述の通り、金属粒子の厚さよって決まる
反射光の干渉作用によって生じるので、光が干渉するよ
うに金属粒子の厚さは、近似しながらも、ある程度ばら
ついていることが必要である。そのばらつき具合が異な
ると、色彩変化具合も異なる。
【0004】ところが、金属粒子の厚さのばらつき具合
が同程度のものを安定して供給することは困難であり、
生産ロット等が変わると、そのばらつき具合も変わって
しまうことが多いので、同一の色彩変化を生じるものを
作製することは、困難であった。そのため、真正品であ
るにもかかわらず、色彩変化具合が異なるために、偽造
品であると判別されてしまう可能性があった。
【0005】本発明の課題は、簡単かつ確実に、真偽判
別を行うことができる偽造防止印刷物、真偽判別具及び
真偽判別方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下のような
解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容
易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付
して説明するが、これに限定されるものではない。前記
課題を解決するために、請求項1の発明は、基材(1
1)と、基材(11)の上の少なくとも一部の領域に形
成され、入射した光のなかから、左回り偏光又は右回り
偏光のいずれか一方の光のみを反射する1又は2以上の
判別部(13)とを有する偽造防止印刷物である。
【0007】請求項2の発明は、基材(11)と、基材
(11)の上の少なくとも一部の領域に形成され、入射
した光のなかから、左回り偏光又は右回り偏光のいずれ
か一方の光のみを反射する1又は2以上の第1の判別部
(13)と、第1の判別部(13)が反射する光以外の
光を反射する1又は2以上の第2の判別部(14)とを
有することを特徴とする偽造防止印刷物である。
【0008】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
に記載の偽造防止印刷物において、前記判別部は、複数
並べられて、コードを形成していることを特徴とする偽
造防止印刷物である。
【0009】請求項4の発明は、請求項2に記載の偽造
防止印刷物において、第1の判別部(13)は、判別情
報を形成して、第2の判別部(14)は、一定距離ずれ
て前記判別情報と同一の情報を形成することを特徴とす
る偽造防止印刷物である。
【0010】請求項5の発明は、請求項1から請求項4
までのいずれか1項に記載の偽造防止印刷物において、
少なくとも前記判別部の下に、その判別部で反射する光
以外の光を吸収する光吸収層(12)をさらに有するこ
とを特徴とする偽造防止印刷物である。
【0011】請求項6の発明は、請求項1から請求項5
までのいずれか1項に記載の偽造防止印刷物の真偽判別
を行う真偽判別具であって、前記判別部が反射した左回
り偏光又は右回り偏光のいずれか一方の光のみを透過す
ることを特徴とする真偽判別具である。
【0012】請求項7の発明は、請求項1から請求項5
までのいずれか1項に記載の偽造防止印刷物の真偽判別
を行う真偽判別方法であって、前記判別部が反射した左
回り偏光又は右回り偏光のいずれか一方の光のみを透過
する真偽判別具をあてた場合に、消えて目視確認できな
くなる領域があるときは、真正品であって、そのような
領域がないときは、偽造品であると判別することを特徴
とする真偽判別方法である。
【0013】請求項8の発明は、請求項1から請求項5
までのいずれか1項に記載の偽造防止印刷物の真偽判別
を行う真偽判別具であって、前記判別部が反射した光を
直線偏光に変換する位相板(21)と、位相板(21)
が変換した直線偏光のうち、特定の偏光面を有する直線
偏光のみを透過する偏光子(22)とを有することを特
徴とする真偽判別具である。
【0014】請求項9の発明は、請求項1から請求項5
までのいずれか1項に記載の偽造防止印刷物の真偽判別
を行う真偽判別方法であって、前記判別部が反射した光
を直線偏光に変換する位相板(21)と、位相板(2
1)が変換した直線偏光のうち、特定の偏光面を有する
直線偏光のみを透過する偏光子(22)とを有する真偽
判別具をあてた場合に、消えて目視確認できなくなる領
域があるときは、真正品であって、そのような領域がな
いときは、偽造品であると判別することを特徴とする真
偽判別方法である。
【0015】請求項10の発明は、請求項1から請求項
5までのいずれか1項に記載の偽造防止印刷物の真偽判
別を行う真偽判別方法であって、左回り偏光又は右回り
偏光のいずれか一方の光を前記判別部に照射した場合
に、その判別部で反射する光が機械読み取り可能なとき
は真正品であって、機械読み取り不可能なときは偽造品
であると判別することを特徴とする真偽判別方法であ
る。
【0016】請求項11の発明は、請求項4に記載の偽
造防止印刷物の真偽判別を行う真偽判別具であって、第
1の判別部(13)が反射した光を透過して、第2の判
別部(14)が反射した光を透過しない第1の光透過部
(23a)と、第2の判別部(14)が反射した光を透
過して、第1の判別部(13)が反射した光を透過しな
い第2の光透過部(23b)を有し、第1の光透過部
(23a)を一方の目に、第2の光透過部(23b)を
他方の目に当てて、前記判別情報を見るときに、その判
別情報を立体的に目視可能とすることを特徴とする真偽
判別具である。
【0017】請求項12の発明は、請求項4に記載の偽
造防止印刷物の真偽判別を行う真偽判別方法であって、
第1の判別部(13)が反射した光を透過して第2の判
別部(14)が反射した光を透過しない第1の光透過部
(23a)を一方の目に、第2の判別部(14)が反射
した光を透過して第1の判別部(13)が反射した光を
透過しない第2の光透過部(23b)を他方の目に当て
て、前記判別情報を見た場合に、その判別情報が立体的
に見えるときは真正品であって、立体的に見えないとき
は偽造品であると判別することを特徴とする真偽判別方
法である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面等を参照して、本発明
の実施の形態について、さらに詳しく説明する。 (第1実施形態)図1は、本発明による偽造防止印刷物
の第1実施形態を示す図である。図中、(A)は、平面
図、(B)は、(A)のB−B断面図、(C)は、
(A)のC部拡大図である。本実施形態では、商品券と
して使用される偽造防止印刷物の例を挙げて説明する。
偽造防止印刷物10は、基材11と、光吸収層12と、
第1判別部13と、第2判別部14と、通常印刷部15
とを有する。
【0019】基材11は、この偽造防止印刷物10の担
体となる基材である。基材11は、その材料として、上
質紙、アート紙、コート紙、ミラーコート紙、コンデン
サー紙、パラフィン紙その他の紙、ポリエステル、PE
T、ポリプロピレン、セロファンアセテート、塩化ビニ
ル、ポリカーボネート、アクリルその他のプラスチック
フィルム、銅、アルミその他の金属などを組み合わせた
複合体等を使用することができる。
【0020】光吸収層12は、第1判別部13又は第2
判別部14が反射する光以外の光を吸収する層であり、
基材11の上に形成されている。光吸収層12は、暗色
彩インキ(例えば、ザ・インクテック社製墨インキ)な
どを印刷して、形成することができる。
【0021】第1判別部13は、入射した光のなかか
ら、左回り偏光を反射する部分であって、光吸収層12
の上に形成されている。第1判別部13は、左回り偏光
を反射するコレステリック液晶(cholesteri
c liquid crystal(以下、「CLC」
という。))インキを用いて、次のような印刷方法で形
成することができる。例えば、凸版印刷、グラビア印刷
法などの凹版印刷、オフセット方式などの平版印刷、ス
クリーン印刷及びインクジェット方式その他の通常用い
られる印刷方法である。左回り偏光を反射するCLCイ
ンキは、左回り偏光を反射するCLC顔料と、ビヒクル
と、補助剤とを含んでいる。インキに含まれるCLC顔
料は、反射効率及び印刷適性などを考慮して、粒径及び
顔料濃度を適宜選択する必要がある。なお、CLCイン
キは、入射した光のなかから、左回り偏光又は右回り偏
光のいずれか一方の光を反射する性質を有するが、その
理由については後述する。
【0022】第1判別部13は、第2判別部14と同じ
色である。そのため、第1判別部13と第2判別部14
は、見分けにくい。また、図1(C)に示すように、第
1判別部13の全面は、白抜きの印刷に「DN」の細か
い文字16が形成されている。
【0023】第2判別部14は、入射した光のなかか
ら、右回り偏光を反射する部分であって、光吸収層12
の上であって、第1判別部13が形成されていない部分
に、形成されている。第2判別部14は、第1判別部1
3と同様の印刷方法で、右回り偏光を反射するCLCイ
ンキを印刷して、形成することができる。また、第2判
別部14の全面にも、第1判別部13と同様に、白抜き
の印刷にて、「DN」の細かい文字16が形成されてい
る。このように、「DN」の細かい文字パターンを形成
することで、人間の目は、「DN」の文字を認識し、第
1判別部13と第2判別部14との境界をごまかすこと
ができる。
【0024】通常印刷部15は、この偽造防止印刷物1
0の用途等を表示する印刷部であって、第1判別部1
3、第2判別部14の上に形成されている。本実施形態
では、「商品券」、「一万円」、「DNデパート」の文
字が通常用いられる印刷方法で印刷されている。
【0025】図2は、本発明による偽造防止印刷物に使
用するCLC顔料の構造を示す模式図である。ここで、
CLCインキが、入射した光のなかから、左回り偏光又
は右回り偏光のいずれか一方の光のみを反射する理由に
ついて、説明する。CLC顔料を構成する分子は、液晶
の分子軸を基準に数度ずつ回転して積み上げられた状態
になり、その回転方向によって、右又は左螺旋の構造の
液晶分子となる(図2)。
【0026】液晶分子の螺旋構造と同じ回転方向の光が
入射した場合は、光が反射し、液晶分子の螺旋構造と逆
の回転方向の光が入射した場合は、光が透過する。自然
光50は、左回り偏光51と右回り偏光52の両方の光
を含むので、液晶分子の螺旋構造と同じ回転方向の偏光
のみが反射され、逆の回転方向の偏光は、透過する。
【0027】図3は、本発明による偽造防止印刷物の真
偽判別を説明する図である。真偽判別具20を使用し
て、偽造防止印刷物10の真偽判別を行う。真偽判別具
20は、位相板21と、偏光子22とを有する。
【0028】位相板21は、入射光に位相差を与えるた
めの光学板であって、本実施形態では、いわゆる1/4
波長板を使用している。1/4波長板は、円偏光を直線
偏光に、また、直線偏光を円偏光に、変換する性質を有
する光学板である。位相板21は、第1判別部13で反
射された左回り偏光51を透過させて、上下方向の偏光
面を有する直線偏光61に変換する。
【0029】偏光子22は、通常は自然光を直線偏光に
変換する素子であり、また、直線偏光が入射されたとき
は、特定の偏光面を有するもののみを透過するという性
質を有する。偏光子22aは、上下方向の偏光面を有す
る直線偏光を透過する偏光子であって、直線偏光61を
透過する。偏光子22bは、左右方向の偏光面を有する
直線偏光を透過する偏光子であって、直線偏光61を透
過しない。
【0030】自然光50が、偽造防止印刷物10の第1
判別部13に入射すると、以下のようになる。 (1)第1判別部13に入射した自然光50のうち、左
回り偏光51は、反射される。一方、右回り偏光52
は、透過して、第1判別部13の下層に設けられた光吸
収層12に吸収される。 (2)(1)において反射した左回り偏光51は、位相
板21を透過して、直線偏光61に変換される。 (3)(2)において変換された直線偏光61は、偏光
子が、偏光子22aのときは、透過できるが、偏光子2
2bのときは、透過できない。
【0031】また、自然光50が、偽造防止印刷物10
の第2判別部14に入射すると、以下のようになる。 (1)第2判別部14に入射した自然光50のうち、右
回り偏光52は、反射される。一方、左回り偏光51
は、透過して、第2判別部14の下層に設けられた光吸
収層12に吸収される。 (2)(1)において反射した右回り偏光52は、位相
板21を透過して、左右方向の偏光面を有する直線偏光
62に変換される。 (3)(2)において変換された直線偏光62は、偏光
子が、偏光子22bのときは、透過できるが、偏光子2
2aのときは、透過できない。
【0032】このようにして、第1判別部13及び第2
判別部14で反射した光は、位相板21及び偏光子22
を透過できたり、できなかったりする。
【0033】(使用方法)図4は、本発明による偽造防
止印刷物の真偽判別を示す図である。偽造防止印刷物1
0及び真偽判別具20は、以下のように使用する。 (1)判別者は、真偽判別を行う前に、偽造防止印刷物
10を確認する。このとき、第1判別部13は、第2判
別部14と同じ色であって、かつ、第1判別部13及び
第2判別部14は、何も印刷しないで抜かれている「D
N」の細かい文字16を有するので、見分けることがで
きない。
【0034】(2)判別者は、上下方向の偏光面を有す
る直線偏光を透過する偏光子22aを備える真偽判別具
20aを偽造防止印刷物10にあてる。すると、判別者
は、第1判別部13で反射した光は目視できるが、第2
判別部14で反射した光は目視できないので、第1判別
部13の形状を確認することができる。
【0035】(3)判別者は、左右方向の偏光面を有す
る直線偏光を透過する偏光子22bを備える真偽判別具
20bを偽造防止印刷物10にあてる。すると、判別者
は、第2判別部14で反射した光は目視できるが、第1
判別部13で反射した光は目視できないので、第1判別
部13の形状を確認することができる。なお、いずれの
真偽判別具をあてても、通常印刷部15は、目視でき
る。
【0036】(4)カラーコピー装置で偽造した偽造品
では、真偽判別具をあてても上記のような変化が生じな
いので、判別者は、この印刷物が真正品でないことが分
かる。
【0037】本実施形態によれば、偽造防止印刷物10
は、第1判別部13及び第2判別部14を備えるので、
真偽判別具20a、20bをあてるだけで、簡単に真偽
判別することができる。
【0038】(第2実施形態)図5は、本発明による偽
造防止印刷物の第2実施形態を示す図である。なお、以
下に示す各実施形態では、前述した第1実施形態と同様
の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複す
る説明を適宜省略する。偽造防止印刷物10は、「D
N」の文字を形成する第1判別部13と、左右方向にず
れて、同一の「DN」の文字を形成する第2判別部14
とを有する。真偽判別具20は、左目に位相板21と偏
光子22aとを備える第1光透過部23aを有して、右
目に位相板21と偏光子22bとを備える第2光透過部
23bを有するメガネ形の真偽判別具である。
【0039】(使用方法)判別者は、真偽判別具20を
掛けて偽造防止印刷物10を見る。このとき、判別者
は、左目で、第1判別部13を見ることができるが、第
2判別部14を見ることはできない。また、右目で、第
2判別部14を見ることができるが、第1判別部13を
見ることはできない。第1判別部13と第2判別部14
は、同一の「DN」の文字が左右方向にずれて形成され
ているので、いわゆる立体写真の原理によって、判別者
は、「DN」の文字を立体像として見ることができる。
このようにして、判別者は、この印刷物が真正品である
ことを確認できる。
【0040】本実施形態によれば、第1判別部13と第
2判別部14は、同一の情報が、左右方向にずれて形成
されているので、真偽判別具20を掛けて見た場合に、
真正品のときは、その情報を立体像として見ることがで
きるため、簡単に真偽判別することができる。
【0041】(第3実施形態)図6は、本発明による偽
造防止印刷物の第3実施形態を示す図である。偽造防止
印刷物10は、バーコードシンボルのバー(通常のバー
コードシンボルの黒色部)を形成する第2判別部14
と、バーコードシンボルのスペース(通常のバーコード
シンボルの白色部)を形成する第1判別部13とを有す
る。このバーコードの読み取るバーコードスキャナー3
0は、レーザーを1/4波長板に透過させて左回り偏光
に変換した光を発光して、その反射光を受光する装置で
ある。
【0042】(使用方法) (1)判別者は、偽造防止印刷物10を見る。このと
き、第1判別部13と第2判別部14は、同じ色である
ので、見分けがつかない。 (2)判別者は、バーコードスキャナー30を用いて、
バーコードを読み取る。このとき、バーコードシンボル
のバーは、第2判別部14で形成されているので、バー
コードスキャナー30が発光する光を反射しないで、吸
収する。バーコードシンボルのスペースは、第1判別部
13で形成されているので、バーコードスキャナー30
が発光する光を反射する。このため、バーコードスキャ
ナー30は、このバーコードを読み取ることができる。
このようにして、判別者は、この印刷物が真正品である
ことを機械的に確認することができる。
【0043】本実施形態によれば、第1判別部13と第
2判別部14は、バーコードシンボルを形成するので、
目視確認することができないため、第三者にバーコード
があることを認識されない。また、そのバーコードシン
ボルは、バーコードスキャナー30で読み取ることがで
きるが、カラーコピー装置による偽造品では、読み取る
ことができないので、高速かつ正確に真偽判別すること
ができる。
【0044】(変形形態)以上説明した実施形態に限定
されることなく、種々の変形や変更が可能であって、そ
れらも本発明の均等の範囲内である。例えば、証券番号
の1桁ごとに第1判別部13と、第2判別部14とを交
互に設けてもよい(図7)。このようにすれば、第三者
は、この証券に判別部が設けられていることが分からな
い。判別者は、真偽判別具20をあてるだけで、簡単に
真偽判別することができる。
【0045】また、証券会社名に第1判別部13又は第
2判別部14のいずれか一方の判別部を設けてもよい
(図8)。このようにすれば、CLCインキは、1種類
しか使用しないので、安価に作製することができる。
【0046】さらに、第1実施形態において、第1判別
部13及び第2判別部14は、網点で形成しても、見分
けにくいので、好適である。
【0047】さらにまた、第3実施形態において、バー
コードシンボルのスペースを通常のインキで形成しても
よい。このようにしても、そのバーコードシンボルは、
バーコードスキャナー30が発光する光を反射するの
で、バーコードを読み取ることができ、また、通常のイ
ンキで形成しているので、安価である。また、コード
は、バーコードのみならず、2次元シンボルコードその
他のコードであってもよい。
【0048】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、請求項1の
発明によれば、入射した光のなかから左回り偏光又は右
回り偏光のいずれか一方の光のみを反射する1又は2以
上の判別部を有するので、簡単に真偽判別することがで
きる。
【0049】請求項2の発明によれば、入射した光のな
かから、左回り偏光又は右回り偏光のいずれか一方の光
のみを反射する1又は2以上の第1の判別部と、その第
1の判別部が反射する光以外の光を反射する1又は2以
上の第2の判別部とを有するので、容易に真偽判別する
ことができる。
【0050】請求項3の発明によれば、判別部は、複数
並べられて、バーコードを形成しているので、読み取り
装置を使用して、高速かつ正確に、真偽判別することが
できる。
【0051】請求項4の発明によれば、第1の判別部
は、判別情報を形成して、第2の判別部は、その判別情
報と同一の情報を左右方向にずらして形成するので、真
偽判別具を使用して、判別情報を立体像として確認する
ことができる。
【0052】請求項5の発明によれば、少なくとも判別
部の下に、その判別部で反射する光以外の光を吸収する
光吸収層を有するので、判別時に、判別部を見やすい。
【0053】請求項6の発明によれば、真偽判別具は、
偽造防止印刷物の判別部が反射した左回り偏光又は右回
り偏光のいずれか一方の光のみを透過するので、簡単に
真偽判別することができる。
【0054】請求項7の発明によれば、偽造防止印刷物
の判別部が反射した左回り偏光又は右回り偏光のいずれ
か一方の光のみを透過する真偽判別具をあてた場合に、
消えて目視確認できなくなる領域があるときは、真正品
であって、そのような領域がないときは、偽造品である
と判別するので、容易に真偽判別することができる。
【0055】請求項8の発明によれば、真偽判別具は、
偽造防止印刷物の判別部が反射した光を直線偏光に変換
する位相板と、その位相板が変換した直線偏光のうち、
特定の偏光面を有する直線偏光のみを透過する偏光子と
を有するので、簡単に真偽判別することができる。ま
た、真偽判別具は、容易に作製することができる。
【0056】請求項9の発明によれば、偽造防止印刷物
の判別部が反射した光を直線偏光に変換する位相板と、
その位相板が変換した直線偏光のうち、特定の偏光面を
有する直線偏光のみを透過する偏光子とを有する真偽判
別具をあてた場合に、消えて目視確認できなくなる領域
があるときは、真正品であって、そのような領域がない
ときは、偽造品であると判別するので、容易に真偽判別
することができる。
【0057】請求項10の発明によれば、左回り偏光又
は右回り偏光のいずれか一方の光を偽造防止印刷物の判
別部に照射した場合に、その判別部で反射する光が機械
読み取り可能なときは真正品であって、機械読み取り不
可能なときは偽造品であると判別するので、高速かつ正
確に真偽判別することができる。
【0058】請求項11の発明によれば、真偽判別具
は、偽造防止印刷物の第1の判別部が反射した光を透過
して、第2の判別部が反射した光を透過しない第1の光
透過部と、第2の判別部が反射した光を透過して、第1
の判別部が反射した光を透過しない第2の光透過部とを
有するので、第1の光透過部を一方の目に、第2の光透
過部を他方の目に当ててることで、判別情報を立体的に
目視することができるため、簡単に真偽判別することが
できる。
【0059】請求項12の発明によれば、偽造防止印刷
物の第1の判別部が反射した光を透過して、第2の判別
部が反射した光を透過しない第1の光透過部を一方の目
に、第2の判別部が反射した光を透過して、第1の判別
部が反射した光を透過しない第2の光透過部を他方の目
に当てて、判別情報を見た場合に、その判別情報が立体
的に見えるときは真正品であって、立体的に見えないと
きは偽造品であると判別するので、容易に真偽判別する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による偽造防止印刷物の第1実施形態を
示す図である。
【図2】本発明による偽造防止印刷物に使用するCLC
顔料の構造を示した模式図である。
【図3】本発明による偽造防止印刷物の真偽判別を説明
する図である。
【図4】本発明による偽造防止印刷物の真偽判別を示す
図である。
【図5】本発明による偽造防止印刷物の第2実施形態を
示す図である。
【図6】本発明による偽造防止印刷物の第3実施形態を
示す図である。
【図7】本発明による偽造防止印刷物の第1変形形態を
示す図である。
【図8】本発明による偽造防止印刷物の第2変形形態を
示す図である。
【符号の説明】
10 偽造防止印刷物 11 基材 12 光吸収層 13 第1判別部 14 第2判別部 15 通常印刷部 20、20a、20b 真偽判別具 21 位相板 22、22a、22b 偏光子 30 バーコードスキャナー 50 自然光 51 左回り偏光 52 右回り偏光 61、62 直線偏光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA02 HB10 JA15 JB11 JB40 LA22 LB15 2H113 AA06 BA01 BA03 BA05 BA09 BB02 BB08 BB10 BB22 BB32 BC00 BC09 CA00 CA37 CA39 DA43 DA47 DA57 DA58 3E041 AA01 AA03 BA09 BB03 DB01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、 前記基材の上の少なくとも一部の領域に形成され、入射
    した光のなかから、左回り偏光又は右回り偏光のいずれ
    か一方の光のみを反射する1又は2以上の判別部とを有
    する偽造防止印刷物。
  2. 【請求項2】 基材と、 前記基材の上の少なくとも一部の領域に形成され、入射
    した光のなかから、左回り偏光又は右回り偏光のいずれ
    か一方の光のみを反射する1又は2以上の第1の判別部
    と、 前記第1の判別部が反射する光以外の光を反射する1又
    は2以上の第2の判別部とを有することを特徴とする偽
    造防止印刷物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の偽造防止
    印刷物において、 前記判別部は、複数並べられて、コードを形成している
    ことを特徴とする偽造防止印刷物。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の偽造防止印刷物におい
    て、 前記第1の判別部は、判別情報を形成して、 前記第2の判別部は、一定距離ずれて前記判別情報と同
    一の情報を形成することを特徴とする偽造防止印刷物。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれか1
    項に記載の偽造防止印刷物において、 少なくとも前記判別部の下に、その判別部で反射する光
    以外の光を吸収する光吸収層をさらに有することを特徴
    とする偽造防止印刷物。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5までのいずれか1
    項に記載の偽造防止印刷物の真偽判別を行う真偽判別具
    であって、 前記判別部が反射した左回り偏光又は右回り偏光のいず
    れか一方の光のみを透過することを特徴とする真偽判別
    具。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項5までのいずれか1
    項に記載の偽造防止印刷物の真偽判別を行う真偽判別方
    法であって、 前記判別部が反射した左回り偏光又は右回り偏光のいず
    れか一方の光のみを透過する真偽判別具をあてた場合
    に、消えて目視確認できなくなる領域があるときは、真
    正品であって、そのような領域がないときは、偽造品で
    あると判別することを特徴とする真偽判別方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項5までのいずれか1
    項に記載の偽造防止印刷物の真偽判別を行う真偽判別具
    であって、 前記判別部が反射した光を直線偏光に変換する位相板
    と、 前記位相板が変換した直線偏光のうち、特定の偏光面を
    有する直線偏光のみを透過する偏光子とを有することを
    特徴とする真偽判別具。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項5までのいずれか1
    項に記載の偽造防止印刷物の真偽判別を行う真偽判別方
    法であって、 前記判別部が反射した光を直線偏光に変換する位相板
    と、その位相板が変換した直線偏光のうち、特定の偏光
    面を有する直線偏光のみを透過する偏光子とを有する真
    偽判別具をあてた場合に、消えて目視確認できなくなる
    領域があるときは、真正品であって、そのような領域が
    ないときは、偽造品であると判別することを特徴とする
    真偽判別方法。
  10. 【請求項10】 請求項1から請求項5までのいずれか
    1項に記載の偽造防止印刷物の真偽判別を行う真偽判別
    方法であって、 左回り偏光又は右回り偏光のいずれか一方の光を前記判
    別部に照射した場合に、その判別部で反射する光が機械
    読み取り可能なときは真正品であって、機械読み取り不
    可能なときは偽造品であると判別することを特徴とする
    真偽判別方法。
  11. 【請求項11】 請求項4に記載の偽造防止印刷物の真
    偽判別を行う真偽判別具であって、 前記第1の判別部が反射した光を透過して、前記第2の
    判別部が反射した光を透過しない第1の光透過部と、 前記第2の判別部が反射した光を透過して、前記第1の
    判別部が反射した光を透過しない第2の光透過部とを有
    し、 前記第1の光透過部を一方の目に、前記第2の光透過部
    を他方の目に当てて、前記判別情報を見るときに、その
    判別情報を立体的に目視可能とすることを特徴とする真
    偽判別具。
  12. 【請求項12】 請求項4に記載の偽造防止印刷物の真
    偽判別を行う真偽判別方法であって、 前記第1の判別部が反射した光を透過して前記第2の判
    別部が反射した光を透過しない第1の光透過部を一方の
    目に、前記第2の判別部が反射した光を透過して前記第
    1の判別部が反射した光を透過しない第2の光透過部を
    他方の目に当てて、前記判別情報を見た場合に、その判
    別情報が立体的に見えるときは真正品であって、立体的
    に見えないときは偽造品であると判別することを特徴と
    する真偽判別方法。
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