JP2000000724A - 焼締めボルトの加熱方法と加熱治具 - Google Patents

焼締めボルトの加熱方法と加熱治具

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JP2000000724A
JP2000000724A JP10179698A JP17969898A JP2000000724A JP 2000000724 A JP2000000724 A JP 2000000724A JP 10179698 A JP10179698 A JP 10179698A JP 17969898 A JP17969898 A JP 17969898A JP 2000000724 A JP2000000724 A JP 2000000724A
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bolt
combustion gas
hole
axis
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Sadayuki Momotake
貞幸 百武
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Toshiba Plant Construction Corp
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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23PMETAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; COMBINED OPERATIONS; UNIVERSAL MACHINE TOOLS
    • B23P19/00Machines for simply fitting together or separating metal parts or objects, or metal and non-metal parts, whether or not involving some deformation; Tools or devices therefor so far as not provided for in other classes
    • B23P19/04Machines for simply fitting together or separating metal parts or objects, or metal and non-metal parts, whether or not involving some deformation; Tools or devices therefor so far as not provided for in other classes for assembling or disassembling parts
    • B23P19/06Screw or nut setting or loosening machines
    • B23P19/067Bolt tensioners
    • B23P19/068Bolt tensioners by using heating means

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボルトおよびナットにより被締結材を焼締め
するための、簡便で且つ均一で効率的な加熱方法を実現
すると共に、燃焼ガスの処理について、作業環境の確保
や、周辺機器への影響に万全を期すことができる加熱治
具を提供すること。 【解決手段】 加熱用の燃焼ガスをボルトの軸線上に穿
設された加熱孔に導くと共に、その加熱孔の出口に、流
路がL字状に湾曲した排気ダクトの入口側を着脱自在に
止着する。そして、加熱を終えた加熱孔からの燃焼ガス
の噴流を拡大された管で捕捉・減速し、その拡大管の軸
心回りに回動自在の湾曲されたベンド管によって自在の
向きにその燃焼ガスをを排出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボルトの締結手段
として用いられる焼締め方式における、ボルトの加熱方
法および加熱治具に関する。
【0002】
【従来の技術】焼締めボルトは、一般に大径で、頻繁に
使われるものではない。可能ならば焼締めではなく、ス
パナなどの通常工具を用いて締結したい。しかし、格別
に大径の締結工具を保有しても使用頻度は少なく、それ
が用意されたとして長尺アームを回転させるスペースが
あるか否かは、その都度違う。仮にスペースがあったと
しても、大トルクを加える作業や、その大きさの管理
は、甚だ厄介である。焼締めは、こうした背景のもとで
採用される締結手段である。しかし、焼締め作業につい
ては、締め代δに相当するナットの回転角度αは理論的
に容易に算出され、加熱さえすれば伸びも得られて、回
転角度αを誤らぬことだけが課題、とする見方があっ
た。その焼締めの具体的手段は、ボルトの軸線上に加熱
孔を貫通し、その加熱孔の一端開口に溶接用のバーナの
先端を位置し、加熱孔の他端開口に反射体を位置して、
そのボルトを加熱していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】加熱孔の出口から排出
される燃焼ガスは、その一部が反射体で加熱孔の入口側
に反射される。しかしながら、他の燃焼ガスは四方に飛
散し、被締結材を加熱ししてボルトの実質伸びに誤差を
生じさせたり、ボルトの局部的加熱を起こさせ、或いは
周辺の機器に悪影響を与えるおそれがあった。さらには
狭隘場所での燃焼ガスの飛散は安全上にも好ましくな
い。なお、燃焼ガスの処置につき、作業環境の確保など
の必要性に応じて、ガスの直撃を避け、向きを変えるこ
とも考えられるが、その取扱い性が良く安全性を確保で
きるものは存在しなかった。そこで、理論通りの施工
を、迅速に且つ高度の信頼性をもって経済的に実施する
ことの必要性が求められる。本発明は上記の事情に鑑み
てなされたもので、局部加熱に基づく欠陥を徹底的に排
除してボルトを均一に加熱するとともに、高レベルの熱
伝達率を保ちながら迅速かつ経済的に加熱する具体的方
法、および排熱処理に関しても、作業環境の確保のみな
らず、周辺機器への影響にも万全を期した加熱治具を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めの請求項1に記載の発明は、ボルト5の軸心に沿って
長手方向に貫通して設けられた加熱孔51に、ガスバー
ナ4等の燃焼ガス41を送通して該ボルト5を内部から
加熱して、その軸線方向にボルト5が伸張された状態で
ナットを締結方向に螺回することにより、その冷却に伴
いそのナットとボルトで被締結物を締結することとした
ボルトの焼締め方法において、前記加熱孔51の出口側
で、前記ボルトの一端の外周または、その一端に螺着さ
れたナットの外周に着脱自在に排気ダクト3の入口端を
取付け、その排気ダクト3の出口端を前記加熱孔51に
対して半径方向外方に向け定置させたことを特徴とする
焼締めボルトの加熱方法である。この発明によれば、排
気ダクトの入口端がボルトまたはナットに着脱されるも
のであるから、その着脱が容易でかつその出口端を適宜
方向に向けることができる。そのため周辺機器等に排気
熱による熱的悪影響が生じるのを防止できる。
【0005】請求項2記載の本発明は、請求項1の加熱
方法に用いる加熱治具としての前記排気ダクト3であっ
て、その排気ダクト3の入口端が前記ナットの外周にほ
ぼ整合する開口に形成され、その開口部外面のボルト貫
通孔にダクト取付用のビス3bまたはボルトが螺着さ
れ、そのダクト3の排気通路が前記軸線方向から半径方
向に湾曲している焼締めボルトの加熱治具である。この
発明によれば、ダクト取付用のビス3bまたは、それに
代わるボルトにより更に迅速且つ確実に排気ダクト3の
着脱および、その出口の向きを任意に定めることができ
る。
【0006】請求項3記載の本発明は、請求項1の加熱
方法において、燃焼ガス41が加熱孔51内を旋回しな
がら進むように、その燃焼ガス噴出部に燃焼ガスの旋回
室22を介して燃焼ガスを前記加熱孔51に供給したこ
とを特徴とする焼締めボルトの加熱方法である。上記の
発明によれば、燃焼ガス41が加熱孔51内を旋回しな
がら進むので、加熱孔51の断面の半径方向に流れの混
合が促進されて、高レベルの熱伝達率を維持した焼締め
ボルトの加熱方法を実施できる。
【0007】請求項4に記載の発明は、請求項3の加熱
方法に使用する加熱治具において、ガスバーナ4の火焔
が前記軸心の回りに速度のモーメントを持つ向きに入射
される旋回室22と、その旋回室22の旋回中心のほぼ
軸線上に一端が開口し、他端が前記加熱孔51に開口し
て、燃焼ガス41を加熱孔51に送入するための燃焼ガ
ス導入孔21とで構成された旋回ノズル2を具備するこ
とを特徴とする焼締めボルトの加熱治具である。上記の
発明によれば、ガスバーナ4の火焔が、加熱孔51の軸
心回りに速度のモーメントを持つ向きに入射される旋回
室22と、燃焼ガス41を加熱孔51に供給するための
燃焼ガス導入孔21と、を備えたので、加熱孔51にお
ける局部過熱の恐れが完全に排除され、加熱孔51内の
流れに大きな循環( circulation)、すなわち、自由う
ず型の旋回を与えることが可能となり、高レベルの熱伝
達率を維持した焼締めボルトの加熱方法を提供できる。
【0008】請求項5に記載の発明は、請求項4におい
て、前記ボルト5の加熱孔51の入口側に前記旋回ノズ
ル2の燃焼ガス導入孔21が嵌合部52を介して連通さ
れることを特徴とする焼締めボルトの加熱方法である。
上記の発明によれば、ボルト5が旋回ノズル2の位置を
正確に定める嵌合部52を備えたので、燃焼ガス導入孔
21と加熱孔51との接続部の流路が完全に滑らかに接
続され、加熱孔51の入口端51aで流れの剥離を生ず
ることがない。すなわち、確実に高レベルの熱伝達率を
維持した焼締めボルトの加熱方法を提供できる。
【0009】請求項6に記載の発明は、ボルト5の軸心
に沿って長手方向に貫通して設けられた加熱孔51に、
ガスバーナ4等の燃焼ガス41を送通して該ボルト5を
加熱するボルトの焼締め作業において、加熱孔51の出
口に配置されて、燃焼ガス41の噴流を捕捉し、減速さ
せる拡大管31と、該拡大管31の軸心回りに回動自在
に取り付けられて、流れの向きを半径方向に転じさせ、
軸心回りの自在の向きに排出できるベンド管32とによ
って構成される排気ダクト3を具備することを特徴とす
る焼締めボルトの加熱治具である。上記の発明によれ
ば、加熱孔51の出口端51bから放出された燃焼ガス
41の噴流を捕捉し、これを減速させる拡大管31と、
排出の向きをボルト5の軸心回りに自由に制御できるベ
ンド管32とを備えたので、燃焼ガスの影響から周辺機
器や作業環境を守ることができる。
【0010】
【発明の実施の第一の形態】以下、本発明の実施の形態
を図面に基づいて説明する。図1は本発明の焼締めボル
トの加熱治具の一例を示す一部破断正面図である。この
例における被締結材は、一対のフランジ6a,6bであ
り、それらの間をボルト5とその両端に螺着された一対
のナット5a,5bによって締結するものである。この
ボルト5はその軸線上に加熱孔51が貫通し、その入口
端51aから燃焼ガス41が導かれ、ボルト5の内部を
流通してその出口端51bより排気ダクト3に捕捉され
て、それの出口側開口端から外部にその燃焼ガス41が
放出されるものである。この際に用いられる本発明の加
熱治具である排気ダクト3は、その軸線が1/4円とな
るエルボ状に形成され、その入口側端部に拡開部3aが
設けられ、それがナット5bの外周に整合する。この拡
開部3aは、横断面内周を六角に形成することが好まし
いが、それに替えて円筒状に形成してもよい。拡開部3
aの外面にはビス挿通用の貫通孔が穿設され、そこにナ
ットが溶接固定されると共に、そのナットにダクト取付
け用のビス3bが螺着されている。なお、この拡開部3
aの根元部はテーパに形成されている。そこで、この排
気ダクト3の拡開部3aをナット5bに被嵌した状態で
ビス3bを締結する。なお、排気ダクト3の出口側先端
はフランジ6の半径方向外方等に向けられ、その燃焼ガ
スの廃熱による影響が各種機器に及ばない方向に導かれ
る。
【0011】そして図1の如く一対のナット5a,5b
をボルト5の両端部に螺着し、夫々のナット端面がフラ
ンジ6a,6bの外面に接するように位置させる。な
お、ボルト5の外周と一対のフランジ6a,6bのボル
ト挿通孔との間には、断熱シート53が介装される。次
いで、ガスバーナによる燃焼ガス41をボルト5の加熱
孔51に導き、それを排気ダクト3を介して特定方向に
排出する。そしてボルト5を熱膨張させ、フランジ6の
端面とナット5a,5bの端面との間に僅かな隙間を形
成させる。その状態で少なくとも一方のナット5a,5
bを所定角度回転して、各ナット端面とフランジ外面と
の間を密着させる。そして燃焼ガス41の放出を止めボ
ルト5を冷却し、膨張した長さ分だけそれを縮小させる
ことにより、一対のナット5a,5bにより一対のフラ
ンジ6a,6b間を締結固定する。
【0012】
【発明の実施の第二の形態】次に、図2は本発明の焼締
めボルトの加熱治具の他の例であり、この例は排気ダク
ト3がボルト5の先端に螺着されたものである。そして
その排気ダクト3の出口端51bが所定方向に向くよう
に、その螺着角度が調整される。この排気ダクト3は、
排気路がL字状に形成されたベンド管32とその入口に
設けられた拡大管31とを有する。この拡大管31はベ
ルマウス状に形成され、ベンド管32に向かってその直
径が拡大する。
【0013】
【発明の実施の第三の形態】次に、図3は本発明の焼締
めボルトの加熱方法と加熱治具(以下本発明と呼ぶ)の
他の実施態様を示す一部破断正面図で、旋回ノズル2と
排気ダクト3とが、焼締めされるボルト5の両端に配置
された状況を示す。また図4は、図3におけるA−A断
面の矢視図で、ガスバーナ4の火焔が、円形断面の旋回
室22の接線方向に入射されている状況を示す。図5
は、加熱孔51を進む燃焼ガス41の混合状況を模式的
に示す断面図、図6は、旧来の方法により、ガスバーナ
4が加熱孔51の入口端51aに係止されて、火焔が放
射される場合の管路の流動状況を巨視的に示す断面図で
ある。
【0014】図3において、2つのフランジ6a,6b
が、ボルト5、ナット5a,5bによって締結されよう
としている。ボルト5は、断熱シート53によってフラ
ンジ6から隔離されている。この例の発明は、燃焼ガス
41がボルト5の加熱孔51内を旋回しながら進むこと
を第1の特徴とする加熱方法・加熱治具であって、旋回
ノズル2と、排気の向きを調節できる排気ダクト3と、
で構成されている。旋回ノズル2は、あらかじめボルト
5に設けられた嵌合部52により、直径dの加熱孔51
の入口端51aに段差なく接続される。なお、この嵌合
部52は雄ネジと雌ネジによる螺着型を採用してもよ
い。また、燃焼ガス導入孔21の上流には、直径D(図
4)の旋回室22を備え、その接線方向にバーナ設置孔
23を備えている。旋回ノズル2の全体は断熱材24で
被覆され、熱の散逸が防がれている。いっぽう、加熱孔
51の出口端51bには、断熱シール33を介して燃焼
ガス41の噴流を捕捉し、減速させる拡大管31と、該
拡大管31の軸心回りに回動自在に取り付けられ、流れ
の向きを転じ、軸心の回りの自在の向きに排出できるベ
ンド管32と、によって構成される排気ダクト3を備え
ている。
【0015】次に、作用について説明する。まず、全体
の概要は次の通りである。図4に示すように本発明にお
いては、バーナ設置孔23が、円形断面の旋回室22の
上流端で、旋回室22の接線方向に開口している。旋回
室22の下流端には、直径が滑らかに絞られた燃焼ガス
導入孔21が配設され、加熱孔51に接続されている。
すなわち、旋回室22で旋回しながら燃焼した燃焼ガス
41は、加熱孔51内を旋回しつつ進行し、出口端51
bから旋回噴流となって放出される。この放出噴流は、
断熱シール33を介して配設された拡大管31の入口で
捕捉されて減速され、方向を転じられて排気ダクト3の
出口から外気に排出することができる。然るに、排気ダ
クト3の出口を構成するベンド管32は、拡大管31の
軸心の回りに回動自在に構成されている。従って、燃焼
ガス41が周辺機器を加熱しないように、あるいは作業
性を阻害しないように、任意の向きに放出することがで
きる。
【0016】各種あるボルト締結方法のうち、焼締め方
式が採用されるのは、次のような理由に基づいている。
そもそも、焼締めが行われるのは大径ボルトについてで
ある。可能なら、ナットにトルクを与えて締結したいの
である。しかし、一般に、大径ボルトの締結には、巨大
なトルクを与えるための作業工具を調達する上での困難
さと、トルク管理上の困難さとが伴うからである。トル
ク管理の困難さは実績の乏しさに起因している。すなわ
ち、通常サイズのボルトでは、呼び径ごとに所要の締結
トルクが明きらかにされていて、トルク管理が広く有効
に機能している。それは、加えた全トルクのうち、座面
の摩擦によるもの、ネジ面の摩擦によるもの、リード角
の大きさによるもの、の比率が、経験的に、おおよそ知
られているからできることである。
【0017】しかし、実績の乏しい大径ボルトにおいて
は、まず、その延長線上での適用の可否、信頼性の問題
があり、また、作業を容易にするために座面を磨き、潤
滑をも考慮して、無用の大トルクを軽減したい実態の問
題がある。しかるに、座面の摩擦に基づくトルクは、一
般に全体トルクの約50%を占める。この一部を除去す
れば上記延長線上での信頼性はまったく失われ、トルク
管理は不可能となる。過度の締め込みに起因して、使用
中にボルトの損壊事故を起こしかねないのである。締結
にはボルトの伸びを管理する方法もある。しかし、この
場合にも締結工具の問題は同様であり、マイクロメータ
で長さを計測するにも、締結ボルトの全数に計測スペー
スの制約がないことが必要である。焼締め方式は、大が
かりな工具を必要とせず、ナットの回転角度の管理によ
って施工が可能で、一見して簡便に見える。しかし、信
頼性を確保するには慎重を期す必要がある。
【0018】すなわち、焼締めによる締結力の管理は、
理論的には明快でも、正しく施工することは決して容易
ではない。設計上、対象機器の使用温度や、ボルトに加
わる最大荷重に配慮して、常温を基準にしたボルトの締
め代δ、すなわち、ナットの回転角度αを算出すること
は、材料力学的には容易な作業である。しかし、常温で
ナットを緩く締めて隙をなくし、ボルトもフランジも応
力が零となる基準の状態を確認することが難しいのであ
る。機器サイズが大きいためにフランジ面、ネジ面、あ
るいは座面、の相互の接触部における形状誤差、うねり
や表面粗さ等のための局部的な塑性変形が、予想以上に
大きいのである。これを見落とせば、締結力が著しく不
足する事態が起こり得る。対象ボルトのすべてについ
て、仮締めと、緩めの操作を慎重に繰り返し、接触面の
なじみの状態を確認して基準状態を定めることが肝心で
ある。
【0019】各ボルト5について、締め代δ(ナットの
回転角度α)の基準状態を確認できれば、本発明の加熱
治具が取り付けられて加熱が開始される。加熱作業にお
いて第一の課題は、局所的な加熱を避け、均一な温度上
昇を図ることである。また、一気に加熱することも避け
るべき点である。これらはボルト5に局部的に巨大な熱
応力を発生させ、亀裂など、強度上の欠陥を残す可能性
がある。上昇温度の不均一性は、加熱開始後の経過時間
に対応するボルト5の温度や伸びの計測値をばらつかせ
る。ナットに所要の回転角度αを与え得る伸びが得られ
たか否か、を事前に予測するための計測データの信頼性
を低下させる。予測通りなら、回転角度αを一度に設定
することができて誤ることがない。単調な昇温作業をテ
ンポ良く、予測通りに進行させることは、単に作業効率
を高め、燃料ガスの消費量を低減させるのみならず、回
転角度αについての錯覚や誤認の可能性を低減させる意
味から重要である。加熱孔51からの一様で効率的な加
熱は、焼締め作業において信頼性を確保するための基本
要件である。
【0020】ある断面形状の管路に一様に流入した流体
の流れは、一般にレイノルズ数Re(vd/ν、v:平
均流速、d:管路内径、ν動粘性係数)に相応しい流速
分布をやがて形成して安定する。これは、その流体の粘
性によるもので、管路の壁面を起点とする剪断力の影響
が流れの中心にまで及ぶからである。また、上記Re数
の大きさに従って、流れは層流、あるいは乱流となり、
流れの様相は著しく変わる。すなわち、流れに起こる混
合の様子や、上記安定に至るまでの入口長さと呼ばれる
管路長さ、さらには管壁への熱伝達の係数が変わる。然
るに、多くの焼締めボルトの加熱孔51において、レイ
ノルズ数Reは層流と乱流との境界近傍に分布してお
り、加熱孔51の長さは上記の入口長さに至らぬ場合が
多い。すなわち、加熱孔51の入口端51aにバーナ4
を係止して燃焼させる旧来の加熱方法によれば、燃焼に
よって加熱孔内の流れの混合が盛んで、熱伝達には好都
合かに思われる。
【0021】しかし、旧来の方法では、図6(a)に見
るように、バーナ4の位置と向きとを管路軸心に一致さ
せることは、現実問題として難しい。一致させ得れば、
管路の流れは軸心回りに対象性が得られる。しかし、背
後から吸い込まれた低温外気が燃焼ガス41の外周を覆
い、燃焼ガス41の熱伝達を著しく妨げる。すなわち管
路中心部の高温の燃焼ガス41は、管壁への熱伝達を十
分に果たし得ぬままに排出される。また図6(b)に見
るように、バーナ4の設置の向きが傾けば、燃焼ガス4
1の流れは、たとえば、A点からの噴流がB点で管壁に
衝突し、左右対象の2つの流れに分岐されてC点でぶつ
かり合い、それ以降は、管路を左右に分けた半円の中を
左右対象に渦巻く2つの流れとなって進行しようとす
る。これに低温外気の流れが重畳される。すなわち、加
熱の経路が特定され、均一かつ効率的な加熱を期待する
ことは不可能である。さらに、火炎が加熱孔51を実際
に満たす位置は、加熱孔全長のうち、入口端51aから
相当に奥にある。この区間は、つねに常温に曝されて直
に加熱されることがない。均一な加熱には程遠い状況が
ある。
【0022】然るに本発明において、直径Dの旋回室2
2で燃焼ガス41が得た角運動量は、燃焼ガス導入孔2
1においても、直径dの加熱孔51においても、原理的
に保存される。すなわち、管路の中心部ほど旋回角速度
ωの大きな自由うずが形成される。管軸に沿い、かつ大
きな旋回角速度ωを持つ流れは、管壁との摩擦のために
速度を低下させた外側の流れが、旋回速度の大きな内側
の流れと積極的に置き換えられる。すなわち、図5に、
管路に無数に連続する螺旋管を想定し、その1つの中の
流れを模式的に示す。外側の低温化した燃焼ガス41は
内側に、内側の高温燃焼ガス41は管壁側に、積極的に
混合されながら螺旋状に進行する。加熱孔51への効率
的な熱伝達には理想的な流れが形成されている。もちろ
ん、粘性に起因して、管路との流体摩擦のみならず、激
しい混合による内部摩擦のために、流れの角運動量は逐
次減少し、かつ強制うずと化す。しかし本発明によれ
ば、通常の長さを有する加熱孔51には十分な自由うず
を、旋回ノズル2によって形成することができる。かく
して、高レベルの熱伝達率を維持できるのみならず、加
熱孔51の入口端51aから出口端51bまで局部加熱
がなく、一様で極めて効率的な加熱を行うことができ
る。
【0023】嵌合52を全てのボルトに設けることは確
かに不経済である。しかし、流れが旋回成分を持つとは
云え、燃焼ガス導入孔21と加熱孔51の入口端51a
との接続部に段差があることは、加熱孔51内の軸流速
度が毎秒数メートルに達することから広範囲の剥離領域
を形成して、均一加熱や熱伝達を大きく妨げる。焼締め
ボルト5の端面は、昇温時の伸びを計測するために、も
ともと丹念に加工されるものである。その際、上記段差
を避けるための嵌合52を併せ設けることは、最も確か
な、経済的な心出し手段を提供するものである。同一加
工工程の中で、この加工を追加するための費用は、ボル
ト全体に占める割合から見れば微細であるとも云える。
【0024】燃焼ガス導入孔21を組立式とすること
は、本発明の経済性、汎用性を著しく高めるものであ
る。ボルト5を均一かつ効率的に加熱するには、燃焼ガ
ス導入孔21の口径は、加熱孔51の口径と同一である
ことが不可欠である。しかるに、加熱孔51のサイズは
ボルト5のサイズに従って、或いはボルト5の設計条件
に従って変わり得るものである。こうした場合に、組立
式なら燃焼ガス導入孔21だけを新たに用意すればよ
く、経済的である。複数個を必要とすることを考慮すれ
ば、経済性はいっそう明白である。焼締めボルトは、ほ
とんど常に、複数個が一組で用いられる。複数個の焼締
め作業を並行してできれば好都合である。また、燃焼ガ
ス導入孔21や旋回室22は、夫々に高温・高速の燃焼
ガス41に長時間曝されて損傷を受けやすい。損耗に対
処するにも経済的である。
【0025】排気ダクト3により、加熱孔51の出口端
51bから噴出する燃焼ガス41を適切に処理すること
は、狭隘な場所で作業環境を確保し、安全性や、作業結
果の信頼性を保ち、或いは周辺機器を含めて意図せぬ加
熱によるトラブルを防ぐ意味からも極めて重要である。
拡大管31は旋回噴流を捕捉・減速し、ベンド管32は
拡大管31の軸心回りに自在に回動して、燃焼ガス41
を任意の向きに排出することができる。必要に応じ、ブ
リキ等を巻いた即席の導管を繋ぐこともできるように構
成されている。
【0026】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、排気ダクトの入口端がボルトまたはナットに着脱さ
れるものであるから、その着脱が容易でかつその出口端
を適宜方向に向けることができる。そのため周辺機器等
に燃焼ガスの排気熱による熱的悪影響が生じるのを防止
できる。請求項2記載の本発明によれば、ダクト取付用
のビス3bまたは、それに代わるボルトにより更に迅速
且つ確実にダクトの着脱および、その出口の向きを任意
に定めることができる。請求項3に記載の加熱方法によ
れば、燃焼ガス41が加熱孔51内を旋回しながら進む
ので、加熱孔51の断面において半径方向の流れの混合
が促進され、高レベルの熱伝達率を維持した、熱効率の
良い焼締めボルトの加熱方法を実施できる。
【0027】請求項4の発明によれば、請求項3におい
て、燃焼ガス41を加熱孔51に送入するための燃焼ガ
ス導入孔21と、ガスバーナ4の火焔が加熱孔51の軸
心回りに速度モーメントを持つ向きに入射される旋回室
22と、で構成される旋回ノズル2を備えた。このた
め、ガスバーナ4を加熱孔51の入口端51aに係止す
る従来方法に比べて、火焔による局部過熱の恐れが完全
に排除され、ガスバーナ背後の非加熱部分も排除され
て、加熱孔51の全長にわたる一様な加熱が可能となっ
た。また、常温の吸い込み外気が燃焼ガス41を覆い、
加熱孔51への熱伝達を妨げる問題も排除され、専用の
バーナ設置孔23からの外気吸入を防ぐことも、記述は
省略したが容易に実現できる。さらに、旋回ノズル2の
働きにより、加熱孔51内の流れを大きな循環を有する
自由うず型の旋回流とすることにより、加熱孔51の全
長にわたる高レベルの熱伝達率の維持が可能となり、熱
効率のよい加熱治具を提供することが可能となった。
【0028】請求項5の発明によれば、請求項4におい
て、ボルト5が旋回ノズル2の取付位置を定める嵌合部
52を備えた。このため、旋回ノズル2と加熱孔51と
が同心に接続され、段差のない滑らかな管路の接続が実
現されて、加熱孔51の入口部での流れの剥離を未然に
防ぐことが可能となった。これにより、請求項4に記載
の優れた機能を確実に実現できる加熱治具を提供するこ
とが可能となった。請求項6の発明によれば、排気ダク
ト3は、放出される燃焼ガスの旋回噴流を捕捉・減速し
て、ボルト5の軸心回りの自在の向きに排出できる拡大
管31とベンド管32を備える。燃焼ガス41の適切な
処理は、作業環境の確保や、周辺機器への悪影響を回避
するために不可欠であり、信頼性のある基本機能を備え
た焼締めボルトの加熱治具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼締めボルトの加熱治具の一例を示す
一部破断正面図。
【図2】本発明の焼締めボルトの加熱治具の他の例を示
す一部破断正面図。
【図3】本発明の焼締めボルトの加熱治具のさらに他の
例を示す一部破断正面図。
【図4】図3におけるA−A断面の矢視図。
【図5】加熱孔51を進む燃焼ガス41の混合状況を模
式的に示す断面図。
【図6】旧来の方法による流動状況を巨視的に示す断面
図。
【符号の説明】
2 旋回ノズル 21 燃焼ガス導入孔 22 旋回室 23 バーナ設置孔 24 断熱材 3 排気ダクト 3a 拡開部 3b ビス 31 拡大管 32 ベンド管 33 断熱シール 4 ガスバーナ 41 燃焼ガス 5 ボルト 5a ナット 5b ナット 51 加熱孔 51a 入口端 51b 出口端 52 嵌合部 53 断熱シート 6 フランジ 6a フランジ 6b フランジ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボルト5の軸心に沿って長手方向に貫通
    して設けられた加熱孔51に、ガスバーナ4等の燃焼ガ
    ス41を送通して該ボルト5を内部から加熱して、その
    軸線方向にボルト5が伸張された状態でナットを締結方
    向に螺回することにより、その冷却に伴いそのナットと
    ボルトで被締結物を締結することとしたボルトの焼締め
    方法において、 前記加熱孔51の出口側で、前記ボルト5の一端の外周
    または、その一端に螺着されたナット5bの外周に着脱
    自在に排気ダクト3の入口端を取付け、 その排気ダクト3の出口端を前記加熱孔51に対して半
    径方向外方に向け定置させたことを特徴とする焼締めボ
    ルトの加熱方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の加熱方法に用いる加熱治具と
    しての前記排気ダクト3であって、 その排気ダクト3の入口端が前記ナット5bの外周にほ
    ぼ整合する開口に形成され、その開口部外面のボルト貫
    通孔にダクト取付用のビス3bまたはボルトが螺着さ
    れ、そのダクト3の排気通路が前記軸線方向から半径方
    向に湾曲している焼締めボルトの加熱治具。
  3. 【請求項3】 請求項1の加熱方法において、 燃焼ガス41が加熱孔51内を旋回しながら進むよう
    に、その燃焼ガス噴出部に燃焼ガスの旋回室22を介し
    て燃焼ガスを前記加熱孔51に供給したことを特徴とす
    る焼締めボルトの加熱方法。
  4. 【請求項4】 請求項3の加熱方法に使用する加熱治具
    において、 ガスバーナ4の火焔が前記軸心の回りに速度のモーメン
    トを持つ向きに入射される旋回室22と、 その旋回室22の旋回中心のほぼ軸線上に一端が開口
    し、他端が前記加熱孔51に開口して、燃焼ガス41を
    加熱孔51に送入するための燃焼ガス導入孔21とで構
    成された旋回ノズル2を具備することを特徴とする焼締
    めボルトの加熱治具。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記ボルト5の加熱孔51の入口側に前記旋回ノズル2
    の燃焼ガス導入孔21が嵌合部52を介して連通される
    ことを特徴とする焼締めボルトの加熱方法。
  6. 【請求項6】 ボルト5の軸心に沿って長手方向に貫通
    して設けられた加熱孔51に、ガスバーナ4等の燃焼ガ
    ス41を送通して該ボルト5を加熱するボルトの焼締め
    作業において、 加熱孔51の出口に配置されて、燃焼ガス41の噴流を
    捕捉し、減速させる拡大管31と、該拡大管31の軸心
    回りに回動自在に取り付けられて、流れの向きを半径方
    向に転じさせ、軸心回りの自在の向きに排出できるベン
    ド管32と、によって構成される排気ダクト3、を具備
    することを特徴とする焼締めボルトの加熱治具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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