JPWO2014038541A1 - 赤外線用撮像光学系 - Google Patents

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Abstract

赤外線用撮像光学系は、絞りと、物体側の面が物体側に凸の樹脂レンズと、撮像素子と、を含み、F値は1.4以下である。光軸を含む面において、正の入射角θで該光学系に入射する平行光束のうち、入射面上で光軸から最も離れた位置に入射する光線を上光線とし、該上光線が入射面を通過する前に光軸となす反時計回りの角度をθ0U、該上光線が入射面を通過した後に光軸となす角度をθ1U、Δθ1U=θ1U−θ0Uとして、Δθ1Uが、θ0の全範囲で負であり、最大値の60%以下の範囲で単調に減少する。該平行光束のうち、該上光線から最も離れた位置に入射する光線を下光線とし、該下光線が入射面を通過する前に光軸となす反時計回りの角度をθ0L、該下光線が入射面を通過した後に光軸となす角度をθ1L、Δθ1L=θ1L−θ0として、θ0が0でΔθ1Lが正であり、θ0が増加するとΔθ1Lが負となる。

Description

本発明は、樹脂材料からなるレンズを使用した赤外線用撮像光学系に関する。
サーモグラフィ、ナイトスコープ、セキュリティシステムなどには、数マイクロメータから数十マイクロメータの波長範囲の電磁波用の撮像装置が使用される。上記の波長範囲の電磁波は、遠赤外線と呼称される。遠赤外線を利用する撮像装置においては、赤外線検出素子をアレイ状に配列した撮像素子によって遠赤外線のデータが取得される。赤外線検出素子には、赤外線が集光した場合の温度変化による起電力を利用するサーモパイル型、温度変化による電気抵抗値の変化を利用するボロメータ型、温度変化による帯電量の変化を利用する焦電型、あるいは光子の吸収による電子のエネルギー準位遷移を利用した量子検出型などがある。いずれの検出素子を使用する場合にも、撮像光学系によって赤外線を効率的に撮像素子上に集光する必要がある。
光学レンズの材料には主にガラスや樹脂が使用される。特に樹脂は射出成型等の手法を用いて低コストで光学レンズを生産できるという利点がある。しかし、一般的に、遠赤外線に対する樹脂材料の透過率は、可視光に対する樹脂材料の透過率と比較して低いので、遠赤外線用撮像光学系に可視光用撮像光学系と同様の樹脂レンズを使用することはできない。換言すれば、遠赤外線用撮像光学系に可視光用撮像光学系と同様の樹脂レンズを使用すると、樹脂レンズの遠赤外線の吸収により光量が不足する。
そこで、従来の遠赤外線用撮像光学系のレンズには、遠赤外線の吸収の少ない材料として、ゲルマニウムやカルコゲナイトのような高価な材料、あるいはシリコンのように加工方法が切削に限られコストが高くなる材料が主に使用されている(特許文献1及び特許文献2)。
このように、十分な光量を得ることのできる、樹脂レンズを使用した遠赤外線用撮像光学系は開発されていない。
特開2002−014283号公報 特開平11−326757号公報
したがって、十分な光量を得ることのできる、樹脂レンズを使用した遠赤外線用撮像光学系に対するニーズがある。
本発明による赤外線用撮像光学系は、物体側から像側に配置された、絞りと、物体側の面が近軸において物体側に凸の樹脂材料からなるレンズと、撮像素子と、を含み、5マイクロメータ以上の波長の赤外線に使用され、光軸上のF値は1.4以下である。前記絞りの中心と前記樹脂材料からなるレンズの中心とを通る直線を光軸として、光軸を含む面において、反時計回りの方向を正として、正の入射角θで前記赤外線用撮像光学系に入射する平行光束のうち、前記樹脂材料からなるレンズの入射面上で光軸から最も離れた位置に入射する光線を上光線とし、該上光線が入射面を通過する前に光軸となす反時計回りの角度をθ0U、該上光線が入射面を通過した後に光軸となす反時計回りの角度をθ1U、Δθ1U=θ1U−θ0Uとして、θが0から最大値までの範囲で、Δθ1Uが負であり、最大値の60%以下の範囲で、Δθ1Uが単調に減少するように構成されている。また、該平行光束のうち、該上光線から最も離れた位置に入射する光線を下光線とし、該下光線が入射面を通過する前に光軸となす反時計回りの角度をθ0L、該下光線が入射面を通過した後に光軸となす角度をθ1L、Δθ1L=θ1L−θ0Lとして、θが0において、Δθ1Lが正であり、θが増加するとΔθ1Lが負となるように構成されている。
本発明による赤外線用撮像光学系において、上光線に対して、θが0から最大画角に至るまで、入射面及び出射面は正の屈折力を有し、かつ、θが増加するにしたがって入射面の屈折力は増加する。この結果、出射面の屈折力を相対的に抑制し、面のサグ量を抑えることでレンズ厚さを抑えることが可能となる。レンズ厚さを抑えることで赤外線の吸収を減少させることができる。
本発明による赤外線用撮像光学系において、下光線に対して、θが低い範囲では入射面及び出射面は、正の屈折力を有するため、レンズの焦点距離は短くなり、F値が小さくなる。θが増加するにしたがって、入射面が負の屈折力を持ち、さらに負の屈折力を増加させている。この結果、大きなθに対する集光角は大きくなる。
本発明による赤外線用撮像光学系において、光軸上のF値は1.4以下である。また、前記樹脂材料からなるレンズの厚さを抑えることで赤外線の吸収を減少させている。したがって、本発明による赤外線用撮像光学系は、樹脂材料からなるレンズを使用しながら十分な光量を得ることができる。
本発明の一実施形態による赤外線用撮像光学系においては、前記樹脂材料からなるレンズが高密度ポリエチレンからなる。
本実施形態によれば、レンズの材料に高密度ポリエチレンを使用することにより、赤外線の吸収が比較的小さいレンズを低コストで生産することが出来る。
本発明の他の実施形態による赤外線用撮像光学系においては、絞り面と前記樹脂材料からなるレンズの入射面と間の光軸上の距離t0と焦点距離fの比t0/fが0.2以上である。
本実施形態によれば、所定の画角に対する、入射面上の入射位置の差は大きくなるので、画角の広い範囲の光線を、入射面の形状によって制御しやすくなる。
本発明の他の実施形態による赤外線用撮像光学系は、前記樹脂材料からなるレンズの像側面がフレネル面を含む。
本実施形態によれば、出射面をフレネル面とすることにより、出射面のサグ量を抑制してレンズ厚をさらに小さくすることができ、樹脂材料からなるレンズの赤外線の吸収を減少させることができる。
本発明の他の実施形態による赤外線用撮像光学系は、θの0から最大値までの範囲の80%以上の範囲に対して撮像面における集光全角が50°以上であるように構成されている。
したがって、本実施形態の赤外線用撮像光学系は、θの広い範囲にわたり十分な光量を得ることができる。なお、「θの0から最大値までの範囲の80%以上の範囲」としたのは、最大値付近など特異の領域を除くためである。
本発明の他の実施形態による赤外線用撮像光学系は、全角の最大画角が60°以上である。
本実施形態によれば、樹脂材料からなるレンズを使用しながら十分な光量を得ることができる、高画角の赤外線用撮像光学系が提供される。
本発明の他の実施形態による赤外線用撮像光学系は、無機材料からなるレンズをさらに含む。
本実施形態によれば、赤外線の吸収が少ない無機材料からなるレンズと、加工が容易で低コストの樹脂材料からなるレンズを組み合わせることにより、より大きな光量を得ることのできる赤外線用撮像光学系が提供される。
本発明の他の実施形態による赤外線用撮像光学系は、レンズとして樹脂材料からなるもののみを含む。
本実施形態によれば、より低コストの赤外線用撮像光学系を実現することができる。
本発明の一実施形態による赤外線用撮像光学系の構成を示す図である。 レンズに入射する光線を説明するための図である。 レンズに入射する平行な光束を説明するための図である。 種々の画角の平行な光束に対する、レンズの機能を説明するための図である。 本発明の他の実施形態による赤外線用撮像光学系の構成を示す図である。 フレネル面の段差部における光線の挙動を示す図である。 実施例1による赤外線用撮像光学系の構成を示す図である。 実施例1による赤外線用撮像光学系について、相対画角と入射面及び出射面における上光線の角度変化との関係を示す図である。 実施例1による赤外線用撮像光学系について、相対画角と入射面及び出射面における下光線の角度変化との関係を示す図である。 実施例1による赤外線用撮像光学系について、相対画角と集光全角との関係を示す図である。 実施例1による赤外線用撮像光学系について、相対画角と相対照度との関係を示す図である。 実施例2による赤外線用撮像光学系の構成を示す図である。 実施例2による赤外線用撮像光学系について、相対画角と入射面及び出射面における上光線の角度変化との関係を示す図である。 実施例2による赤外線用撮像光学系について、相対画角と入射面及び出射面における下光線の角度変化との関係を示す図である。 実施例2による赤外線用撮像光学系について、相対画角と集光全角との関係を示す図である。 実施例2による赤外線用撮像光学系について、相対画角と相対照度との関係を示す図である。 実施例3による赤外線用撮像光学系の構成を示す図である。 実施例3による赤外線用撮像光学系について、相対画角と入射面及び出射面における上光線の角度変化との関係を示す図である。 実施例3による赤外線用撮像光学系について、相対画角と入射面及び出射面における下光線の角度変化との関係を示す図である。 実施例3による赤外線用撮像光学系について、相対画角と集光全角との関係を示す図である。 実施例3による赤外線用撮像光学系について、相対画角と相対照度との関係を示す図である。 比較例1による赤外線用撮像光学系の構成を示す図である。 比較例1による撮像光学系について、相対画角と入射面及び出射面における上光線の角度変化との関係を示す図である。 比較例1による撮像光学系について、相対画角と入射面及び出射面における下光線の角度変化との関係を示す図である。 比較例1による撮像光学系について、相対画角と集光全角との関係を示す図である。 比較例1による撮像光学系について、相対画角と相対照度との関係を示す図である。 フレネル面を備えた出射面の段差高さ及びピッチを説明するための図である。
図1は、本発明の一実施形態による赤外線用撮像光学系の構成を示す図である。赤外線用撮像光学系においては、物体側から像側に、絞り101、レンズ103、保護板105、及び像面107が配置されている。レンズ103の入射面(物体側の面)は、物体側に凸であるように構成されている。絞り101の中心及びレンズ103の中心を通る直線を光軸とする。
図2は、レンズ103Aに入射する光線を説明するための図である。光軸を含む面において、光軸と直交するr軸を定める。物体から像へ向かう方向を光軸の正の方向とする。上記面において、レンズ103Aに入射する光線が入射前に光軸となす反時計回りの角度をθ0とする。本実施形態ではθ0は光学系に入射する光線が入射前に光軸となす反時計回りの角度θと一致する。この光学系に入射する光線が光軸と成す角度θを半角の画角とも呼称する。また、上記の光線がレンズ103Aに入射後に入射面において光軸となす反時計回りの角度をθ1とし、上記の光線がレンズ103Aから出射後に出射面において光軸となす反時計回りの角度をθ2とする。
図3は、レンズ103Aに入射する平行な光束を説明するための図である。図3は光軸を含む断面を示す図である。図3において、レンズ103Aに入射する光線が入射前に光軸となす反時計回りの角度は正である。上記の平行な光束の中で、レンズ103Aの入射面において光軸から最も離れた位置に入射する光線L1を上光線と呼称する。また、上記の平行な光束の中で、レンズ103Aの入射面において上光線L1から最も離れた位置に入射する光線L3を下光線と呼称する。なお、上記の平行な光束の中で、絞り101Aの中心を通過する光線L2は主光線である。
図4は、種々の画角の平行な光束に対する、レンズ103の機能を説明するための図である。図4(a)は画角が0である場合、図4(b)は画角が比較的小さい正の値である場合、図4(c)は画角が比較的大きい正の値である場合を示す図である。図4によれば、絞りと入射面間に距離があることで、各画角における光線をレンズ入射面の異なる位置へ入射させ、光線の制御を容易にしていることがわかる。
図5は、本発明の他の実施形態による赤外線用撮像光学系の構成を示す図である。赤外線用撮像光学系においては、物体側から像側に、絞り101B、レンズ103B、及び像面107Bが配置されている。レンズ103Bの入射面(物体側の面)は、物体側に凸であるように構成されている。また、レンズ103Bの出射面はフレネル面である。出射面をフレネル面とすることにより、出射面のサグ量を抑制してレンズ厚をさらに小さくすることができる。なお、レンズの材料の屈折率をn、フレネル面法線に対しフレネル面への入射光線が成す角をθFとすると、フレネル面での全反射を防ぐために任意の光線に対し|n*sin(θF)|が1以下であることが望ましい。また、一般的に、フレネル面の段差部において迷光が発生し像面での光量が低下する可能性があるが、フレネル面に入射する光線の角度、あるいは出射する光線の角度に合わせて段差部の角度を設定することで、光量低下を抑制することができる。
図6は、フレネル面の段差部における光線の挙動を示す図である。Aは、入射光線を示し、Bは出射光線を示す。
一般的に、フレネル面の段差部は光軸に対して平行、あるいは製造上の都合により抜き勾配をつけるが、段差部の勾配によっては迷光が発生し像面での光量が低下する可能性がある。フレネル面に入射する光線の角度、あるいは出射する光線の角度に合わせて段差部の角度を設定することで、光量低下の抑制を期待できる。
たとえば、図6(a)のように段差部の勾配が大きいと、画角の小さい光線が段差面で屈折してしまう。このような場合は、図6(b)のように当該光線の入射角度に合わせて勾配を設定する。また、勾配が小さいと、図6(c)のように出射光線が段差部に当たって再度屈折する。このような場合には、図6(d)のように当該光線の出射角度に合わせて勾配を設定する。
なお、全ての画角の光線に適合するような調整が困難な場合は、光量を必要とする画角の光線を優先して段差部形状を決定する。
なお、フレネル面の段差部分を通過する光線は段差部以外の部分を通過する光線と異なる挙動を示す。以下の記述は段差部を通過しない光線に関するものとする。
以下において、本発明による赤外線用撮像光学系の実施例及び比較例を説明する。実施例及び比較例のレンズ(2個の場合は像側のレンズ)の材料は、高密度ポリエチレン(HDPE)であり、屈折率は、1.51(波長8um)である。
また、レンズの面形状は、以下の式で表される。
Figure 2014038541
ここで、rは光軸からの距離であり、c は曲率、Rは曲率半径であり、kはコーニック係数であり、Aiは非球面係数である。
また、撮像面前の保護板の材料はシリコンであり、屈折率は、3.42(波長8um)である。保護板は、撮像素子を汚染や破損などから保護するためのものである。
なお、実施例及び比較例の表における長さの単位はミリメータである。
実施例1
図7は、実施例1による赤外線用撮像光学系の構成を示す図である。赤外線用撮像光学系においては、物体側から像側に、絞り1101、レンズ1103、保護板1105、及び像面1107が配置されている。レンズ1103の入射面(物体側の面)は、近軸において物体側に凸であるように構成されている。絞り1101の中心及びレンズ1103の中心を通り、絞り1101の面に垂直な直線を光軸とする。
光軸上において、絞り1101とレンズ1103の入射面間の距離をt0、レンズ1103の芯厚をt1、レンズ1103と撮像面1107間の距離をt2とする。レンズ1103の有効径端での光軸方向の厚さをEtとする。また、入射瞳径をEPD、光学系の焦点距離をfとする。保護板1105の両側面は平面であり、厚さは0.625mmである。
表1は、実施例1による赤外線用撮像光学系の寸法を示す表である。
Figure 2014038541
ここで、F値をFで表すと以下の式が成立する。
F=f/EPD
本実施例におけるレンズの芯厚t1と入射瞳径EPDの比t1/EPDは0.683である。
入射瞳径が大きいほど取り込み光量は大きくなり、レンズの芯厚t1が薄いほど吸収量が少なくなるため、得られる像は明るくなる。したがって、t1/EPDが小さいほど像は明るくなる。
本実施例における、絞り1101とレンズ1103の入射面間の距離t0と焦点距離fの比t0/fは、0.220である。
図4を参照すると、絞りとレンズの入射面間の距離が大きいほど、種々の画角に対する、入射面上の入射位置の差は大きくなる。このように、入射面上の入射位置の差を大きくすると、画角の広い範囲の光線を、入射面の形状によって制御しやすくなる。したがって、絞りとレンズの入射面間の距離を焦点距離で規格化したt0/fが大きいほどレンズの入射面の形状による光線の制御に都合がよい。
表2は、レンズ1103の入射面及び出射面の式(1)の係数の値を示す表である。レンズ1103の入射面は非球面であり、出射面は球面である。
Figure 2014038541
実施例1による赤外線用撮像光学系の全角の最大画角は80°である。以下において、レンズ1103の機能を説明する。
図8は、実施例1による赤外線用撮像光学系について、相対画角と入射面及び出射面における上光線の角度変化との関係を示す図である。図8の横軸は相対画角を示す。相対画角とは、画角を最大画角で割った値であり、無名数である。図8の縦軸は、角度変化Δθ1及びΔθ2を示す。Δθ1及びΔθ2は、それぞれ、入射面及び出射面において、所定の相対画角でレンズ1103に入射する光線の角度変化の値であり、以下の式で表せる。以下の式におけるθ0、θ1及びθ2は、図2を使用して定義したものである。
Δθ1 = θ1-θ0
Δθ2 = θ2-θ1
上光線に対しては角度変化が正の場合は負の屈折力(光線が拡散)、負の場合は正の屈折力(光線が集光)に相当する。画角が0から最大画角に至るまで、入射面及び出射面は正の屈折力を有し、かつ、画角が増加するにしたがって特に入射面が正の屈折力を増加させている。この結果、出射面の屈折力を相対的に抑制し、面のサグ量を抑えることでレンズ厚さを抑えることが可能となる。レンズ厚さを抑えることで赤外線の吸収を減少させることができる。
図9は、実施例1による赤外線用撮像光学系について、相対画角と入射面及び出射面における下光線の角度変化との関係を示す図である。図9の横軸は相対画角を示す。図9の縦軸は、角度変化Δθ1及びΔθ2を示す。
下光線に対しては角度変化が負の場合は負の屈折力(光線が拡散)、正の場合は正の屈折力(光線が集光)に相当する。画角が低い範囲では入射面及び出射面は、正の屈折力を有するため、レンズの焦点距離は短くなり、F値が小さくなる。画角が増加するにしたがって、入射面が負の屈折力を持ち、さらに負の屈折力を増加させている。この結果、光線は出射面で大きく屈折して集光するため、大きな画角に対する像面での集光角は大きくなる。
図10は、実施例1による赤外線用撮像光学系について、相対画角と集光全角との関係を示す図である。図10の横軸は相対画角を示し、縦軸は入射面(S1面)、出射面(S2面)及び像面における集光全角を示す。ここで、入射面における集光全角、出射面における集光全角及び像面における集光全角について説明する。上光線が入射面を通過する前に光軸となす反時計回りの角度をθ0U、入射面を通過した後に光軸となす反時計回りの角度をθ1U、出射面を通過した後に光軸となす反時計回りの角度をθ2U、下光線が入射面を通過する前に光軸となす反時計回りの角度をθ0L、入射面を通過した後に光軸となす反時計回りの角度をθ1L、出射面を通過した後に光軸となす反時計回りの角度をθ2Lとして、入射面における集光全角、出射面における集光全角及び像面における集光全角は、それぞれ
θ0L-θ0U
θ1L-θ1U
θ2L-θ2U
である。
図10によれば、全ての相対画角に対して、像面の集光全角は50°以上である。また、画角0度の場合の集光全角、すなわち、光軸上での集光全角は57.2°であり、F値は、1.001である。
図11は、実施例1による赤外線用撮像光学系について、画角と相対照度との関係を示す図である。図11の横軸は画角を示し、縦軸は相対照度を示す。画角の単位は度である。相対照度は、照度を照度の最大値で割った値であり、無名数である。画角が0の場合の照度が最大値を示す。図11によれば、全ての画角に対して、相対照度は0.8以上である。
実施例2
図12は、実施例2による赤外線用撮像光学系の構成を示す図である。赤外線用撮像光学系においては、物体側から像側に、絞り2101、レンズ2103、保護板2105、及び像面2107が配置されている。レンズ2103の入射面(物体側の面)は、近軸において物体側に凸であるように構成されている。図12には図示していないが、レンズ2103の出射面はフレネル形状である。絞り2101の中心及びレンズ2103の中心を通り、絞り2101の面に垂直な直線を光軸とする。
光軸上において、絞り2101とレンズ2103の入射面間の距離をt0、レンズ2103の芯厚をt1、レンズ2103と撮像面2107間の距離をt2とする。レンズ2103の有効径端での光軸方向の厚さをEtとする。また、入射瞳径をEPD、光学系の焦点距離をfとする。保護板2105の両側面は平面であり、厚さは0.625mmである。
表3は、実施例2による赤外線用撮像光学系の寸法を示す表である。
Figure 2014038541
本実施例におけるレンズ芯厚と入射瞳径の比t1/EPDは0.385である。
本実施例における、絞り2101とレンズ2103の入射面間の距離t0と焦点距離fの比t0/fは、0.492である。
表4は、レンズ2103の入射面及び出射面の式(1)の係数の値を示す表である。レンズ2103の入射面は非球面であり、出射面のベース形状及びフレネル形状も非球面である。
Figure 2014038541
出射面の形状は、ベース面のサグ量とフレネル面のサグ量との和によって定まる。
図27は、フレネル面を備えた出射面の段差高さ及びピッチを説明するための図である。本実施例では、段差高さを一定とするようにピッチを定めている。代替的に、ピッチごとに段差高さを変化させても良い。図において、レンズは斜線部で示される。
表5は、フレネル面を備えた出射面の段差高さ及びピッチの値を示す表である。なお、最も外側の輪帯のピッチは、最も外側の段差位置からレンズの有効領域端部までの距離である。
Figure 2014038541
実施例2による赤外線用撮像光学系の全角の最大画角は64°である。以下において、レンズ2103の機能を説明する。
図13は、実施例2による赤外線用撮像光学系について、相対画角と入射面及び出射面における上光線の角度変化との関係を示す図である。図13の横軸は相対画角を示す。相対画角とは、画角を最大画角で割った値であり、無名数である。図13の縦軸は、角度変化Δθ1及びΔθ2を示す。Δθ1及びΔθ2は、それぞれ、入射面及び出射面において、所定の相対画角でレンズ2103に入射する光線の角度変化の値であり、以下の式で表せる。
Δθ1 = θ1-θ0
Δθ2 = θ2-θ1
上光線に対しては角度変化が正の場合は負の屈折力(光線が拡散)、負の場合は正の屈折力(光線が集光)に相当する。画角が0から最大画角に至るまで、入射面及び出射面は正の屈折力を有する。入射面について、相対画角が0.9までは、画角が増加するにしたがって正の屈折力は増加する。この結果、出射面の屈折力を相対的に抑制し、面のサグ量を抑えることでレンズ厚さを抑えることが可能となる。また、相対画角1.0付近では入射面の屈折力が弱まり、出射面の屈折力が増加している。この結果、像面での集光角が増加する。
図14は、実施例2による赤外線用撮像光学系について、相対画角と入射面及び出射面における下光線の角度変化との関係を示す図である。図14の横軸は相対画角を示す。図14の縦軸は、角度変化Δθ1及びΔθ2を示す。
下光線に対しては角度変化が負の場合は負の屈折力(光線が拡散)、正の場合は正の屈折力(光線が集光)に相当する。画角が低い範囲では入射面及び出射面は、正の屈折力を有するため、レンズの焦点距離は短くなり、F値が小さくなる。画角が増加するにしたがって、入射面が負の屈折力を持ち、さらに負の屈折力を増加させている。この結果、光線は出射面で大きく屈折して集光するため、大きな画角に対する像面での集光角は大きくなる。
図15は、実施例2による赤外線用撮像光学系について、相対画角と集光全角との関係を示す図である。図15の横軸は相対画角を示し、縦軸は入射面(S1面)、出射面(S2面)及び像面における集光全角を示す。図15によれば、全ての相対画角に対して、像面の集光全角は59°以上である。また、画角0度の場合の集光全角、すなわち、光軸上での集光全角は59°であり、F値は、1.039である。
図16は、実施例2による赤外線用撮像光学系について、画角と相対照度との関係を示す図である。図16の横軸は画角を示し、縦軸は相対照度を示す。画角の単位は度である。相対照度は、照度を照度の最大値で割った値であり、無名数である。画角が32°(最大値)の場合の照度が最大値を示す。図16によれば、全ての相対画角に対して、相対照度は0.8以上である。
実施例3
図17は、実施例3による赤外線用撮像光学系の構成を示す図である。赤外線用撮像光学系においては、物体側から像側に、第1のレンズ3109、絞り3101、第2のレンズ3103、保護板3105、及び像面3107が配置されている。第2のレンズ3103の入射面(物体側の面)は、近軸において物体側に凸であるように構成されている。図17には図示していないが、第2のレンズ3103の出射面はフレネル形状である。絞り3101の中心及び第2のレンズ3103の中心を通り、絞り3101の面に垂直な直線を光軸とする。
光軸上において、第1のレンズ3109の芯厚をts1、第1のレンズ3109の出射面と絞り絞り3101との距離をts2、絞り3101と第2のレンズ3103の入射面間の距離をt0、第2のレンズ3103の芯厚をt1、第2のレンズ3103と撮像面3107間の距離をt2とする。第2のレンズ3103の有効径端での光軸方向の厚さをEtとする。また、入射瞳径をEPD、光学系の焦点距離をfとする。保護板3105の両側面は平面であり、厚さは0.625mmである。
表6は、実施例3による赤外線用撮像光学系の寸法を示す表である。
Figure 2014038541
本実施例におけるレンズ芯厚と入射瞳径の比t1/EPDは0.25である。
本実施例における、絞り3101と第2のレンズ3103の入射面間の距離t0と焦点距離fとの比t0/fは1.137である。
表7は、第1のレンズ3109の出射面の式(1)の係数の値を示す表である。第1のレンズ3109の入射面は平面であり、出射面は球面である。第1のレンズ3109の材料はシリコンであり、屈折率は、3.42(波長8um)である。
Figure 2014038541
表8は、第2のレンズ3103の入射面及び出射面の式(1)の係数の値を示す表である。第2のレンズ3103の入射面は非球面であり、出射面のベース形状及びフレネル形状も非球面である。
Figure 2014038541
出射面の形状は、ベース面のサグ量とフレネル面のサグ量との和によって定まる。本実施例では、段差高さを一定とするようにピッチを定めている。
表9は、フレネル面を備えた出射面の段差高さ及びピッチの値を示す表である。
Figure 2014038541
実施例3による赤外線用撮像光学系の全角の最大画角は80°である。以下において、第2のレンズ3103の機能を説明する。
図18は、実施例3による赤外線用撮像光学系について、相対画角と入射面及び出射面における上光線の角度変化との関係を示す図である。図18の横軸は相対画角を示す。相対画角とは、画角を最大画角で割った値であり、無名数である。図13の縦軸は、角度変化Δθ1及びΔθ2を示す。Δθ1及びΔθ2は、それぞれ、入射面及び出射面において、所定の相対画角で第2のレンズ3103に入射する光線の角度変化の値であり、以下の式で表せる。
Δθ1 = θ1-θ0
Δθ2 = θ2-θ1
上光線に対しては角度変化が正の場合は負の屈折力(光線が拡散)、負の場合は正の屈折力(光線が集光)に相当する。画角が0から最大画角に至るまで、入射面及び出射面は正の屈折力を有する。入射面について、相対画角が0.6までは、画角が増加するにしたがって正の屈折力は増加する。この結果、出射面の屈折力を相対的に抑制し、面のサグ量を抑えることでレンズ厚さを抑えることが可能となる。また、相対画角が0.7から0.8の範囲では入射面の屈折力が弱まり、出射面の屈折力が増加している。この結果、像面での集光角が増加する。
図19は、実施例3による赤外線用撮像光学系について、相対画角と入射面及び出射面における下光線の角度変化との関係を示す図である。図19の横軸は相対画角を示す。図19の縦軸は、角度変化Δθ1及びΔθ2を示す。
下光線に対しては角度変化が負の場合は負の屈折力(光線が拡散)、正の場合は正の屈折力(光線が集光)に相当する。画角が低い範囲では入射面及び出射面は、正の屈折力を有するため、レンズの焦点距離は短くなり、F値が小さくなる。画角が増加するにしたがって、入射面が負の屈折力を持ち、さらに負の屈折力を増加させている。この結果、出射面の屈折力が相対的に増大し、大きな画角に対する像面での集光角は大きくなる。
図20は、実施例3による赤外線用撮像光学系について、相対画角と集光全角との関係を示す図である。図20の横軸は相対画角を示し、縦軸は入射面(S1面)、出射面(S2面)及び像面における集光全角を示す。図20によれば、全ての相対画角に対して、像面の集光全角は45°以上である。また、相対画角の80%以上の範囲において、像面の集光全角は50°以上である。さらに、画角0度の場合の集光全角、すなわち、光軸上での集光全角は60°であり、F値は、0.501である。
図21は、実施例3による赤外線用撮像光学系について、画角と相対照度との関係を示す図である。図21の横軸は画角を示し、縦軸は相対照度を示す。画角の単位は度である。相対照度は、照度を照度の最大値で割った値であり、無名数である。画角が約12°の場合の照度が最大値を示す。図21によれば、全ての相対画角に対して、相対照度は0.9以上である。
比較例1
図22は、比較例1による赤外線用撮像光学系の構成を示す図である。撮像光学系においては、物体側から像側に、絞り9101、レンズ9103、保護板9105、及び像面9107が配置されている。絞り9101の中心及びレンズ9103の中心を通り、絞り9101の面に垂直な直線を光軸とする。レンズ9103は高密度ポリエチレンからなり、保護板9105はシリコンからなる。
ここで、レンズ9103は、可視光領域における単一レンズ撮像系の一般的な設計にしたがって、入射面を凹面とし、出射面を凸面とした。
光軸上において、絞り9101とレンズ9103の入射面間の距離をt0、レンズ9103の芯厚をt1、レンズ9103と撮像面9107間の距離をt2とする。レンズ9103の有効径端での光軸方向の厚さをEtとする。また、入射瞳径をEPD、光学系の焦点距離をfとする。保護板9105の両側面は平面であり、厚さは0.625mmである。
表10は、比較例1による可視光線用撮像光学系の寸法を示す表である。
Figure 2014038541
本比較例におけるレンズ芯厚と入射瞳径の比t1/EPDは0.697である。
本比較例における、絞り9101とレンズ9103の入射面間の距離t0と焦点距離fとの比t0/fは0.00729である。
表11は、レンズ9103の入射面及び出射面の式(1)の係数の値を示す表である。レンズ1103の入射面及び出射面は非球面である。
Figure 2014038541
比較例1による可視光線用撮像光学系の全角の最大画角は80°である。以下において、レンズ9103の機能を説明する。
図23は、比較例1による撮像光学系について、相対画角と入射面及び出射面における上光線の角度変化との関係を示す図である。図23の横軸は相対画角を示す。相対画角とは、画角を最大画角で割った値であり、無名数である。図23の縦軸は、角度変化Δθ1及びΔθ2を示す。Δθ1及びΔθ2は、それぞれ、入射面及び出射面において、所定の相対画角でレンズ9103に入射する光線の角度変化の値であり、以下の式で表せる。
Δθ1 = θ1-θ0
Δθ2 = θ2-θ1
上光線に対しては角度変化が正の場合は負の屈折力(光線が拡散)、負の場合は正の屈折力(光線が集光)に相当する。相対画角が0から0.6の範囲で入射面の角度変化は正であり、入射面は負の屈折力を有する。この結果、レンズ9103の焦点距離は長くなり、F値が増加する。また、相対画角が0.6以上の範囲においては入射面が正の屈折力を有するが、全体的に正の屈折力は出射面が担っている。この結果、出射面の曲率が大きくなり、面のサグ量が増加する。レンズ厚さは実施例1とほぼ同じであるが、出射面端での傾斜角度は70°以上ある。また正の屈折力をほぼ出射面のみで担うため、充分な集光力が得られず、像面外周での集光角及び相対照度が低下する。
図24は、比較例1による撮像光学系について、相対画角と入射面及び出射面における下光線の角度変化との関係を示す図である。図24の横軸は相対画角を示す。図24の縦軸は、角度変化Δθ1及びΔθ2を示す。
下光線に対しては角度変化が負の場合は負の屈折力(光線が拡散)、正の場合は正の屈折力(光線が集光)に相当する。
図25は、比較例1による撮像光学系について、相対画角と集光全角との関係を示す図である。図25の横軸は相対画角を示し、縦軸は入射面(S1面)、出射面(S2面)及び像面における集光全角を示す。図25によれば、画角0度の場合の集光全角、すなわち、光軸上での集光全角は53.9°であり、F値は、1.647である。
図26は、比較例1による撮像光学系について、相対画角と相対照度との関係を示す図である。図26の横軸は相対画角を示し、縦軸は相対照度を示す。相対照度は、照度を照度の最大値で割った値であり、無名数である。画角が0の場合の照度が最大値を示す。図26によれば、相対照度は相対画角が増加するにしたがって減少し、相対画角が1のときの相対照度は0.72である。
実施例1乃至3と比較例の比較
実施例1乃至3のF値は、1.1以下であるが、比較例のF値は1.647である。一般的に、F値が1.4以下であれば、赤外線用でも十分な明るさが確保できる。
実施例1乃至3の光軸上の集光全角は57°以上であるが、比較例の光軸上の集光全角は53.9°である。
実施例1乃至3の集光全角は、0から最大画角までの画角の範囲の80%以上の領域で50°以上であるが、比較例の集光全角は、0から最大画角までの画角の範囲の35%以上の領域で50°未満である。
実施例1乃至3の像面における相対照度は、0から最大画角までの画角の全範囲で0.8以上であるが、比較例1の像面における相対照度は、0から最大画角までの画角の20%の範囲で0.8未満である。
このように、本発明によれば、F値が小さく、0から最大画角までの画角の範囲において明るさが維持される撮像光学系が提供される。
なお、実施例1乃至3では全角の最大画角が60°以上である場合について説明した。一般的に最大画角がより大きな光学系は、より小さな光学系に使用することができるので、本発明は、最大画角がより小さな光学系、たとえば画角45°の標準的な撮像光学系にも適用することができる。
本発明による赤外線用撮像光学系は、物体側から像側に配置された、絞りと、物体側の面が近軸において物体側に凸の樹脂材料からなる1枚のみのレンズと、撮像素子と、を含む、5マイクロメータ以上の波長の赤外線に使用される赤外線用撮像光学系であって、F値は1.4以下であり、前記レンズの芯厚と入射瞳径との比が、0.683以下である。前記絞りの中心と前記樹脂材料からなるレンズの中心とを通る直線を光軸として、光軸を含む面において、反時計回りの方向を正として、正の入射角θで前記赤外線用撮像光学系に入射する平行光束のうち、前記樹脂材料からなるレンズの入射面上で光軸から最も離れた位置に入射する光線を上光線とし、該上光線が入射面を通過する前に光軸となす反時計回りの角度をθ0U、該上光線が入射面を通過した後に光軸となす反時計回りの角度をθ1U、Δθ1U=θ1U−θ0Uとして、θが0から最大値までの範囲で、Δθ1Uが負であり、最大値の60%以下の範囲で、Δθ1Uが単調に減少するように構成されている。また、該平行光束のうち、該上光線から最も離れた位置に入射する光線を下光線とし、該下光線が入射面を通過する前に光軸となす反時計回りの角度をθ0L、該下光線が入射面を通過した後に光軸となす角度をθ1L、Δθ1L=θ1L−θ0Lとして、θが0において、Δθ1Lが正であり、θが増加するとΔθ1Lが負となるように構成されている。

本発明の第1の参考形態による赤外線用撮像光学系は、無機材料からなるレンズをさらに含む。
参考形態によれば、赤外線の吸収が少ない無機材料からなるレンズと、加工が容易で低コストの樹脂材料からなるレンズを組み合わせることにより、より大きな光量を得ることのできる赤外線用撮像光学系が提供される。
なお、本明細書において、「実施例3」は「参考例」と読み替えるものとする。
本実施例におけるレンズ芯厚と入射瞳径の比t1/EPDは0.400である。

Claims (8)

  1. 物体側から像側に配置された、絞りと、物体側の面が近軸において物体側に凸の樹脂材料からなるレンズと、撮像素子と、を含む、5マイクロメータ以上の波長の赤外線に使用される赤外線用撮像光学系であって、F値は1.4以下であり、
    前記絞りの中心と前記樹脂材料からなるレンズの中心とを通る直線を光軸として、光軸を含む面において、反時計回りの方向を正として、正の入射角θで前記赤外線用撮像光学系に入射する平行光束のうち、前記樹脂材料からなるレンズの入射面上で光軸から最も離れた位置に入射する光線を上光線とし、該上光線が入射面を通過する前に光軸となす反時計回りの角度をθ0U、該上光線が入射面を通過した後に光軸となす反時計回りの角度をθ1U、Δθ1U=θ1U−θ0Uとして、θが0から最大値までの範囲で、Δθ1Uが負であり、最大値の60%以下の範囲で、Δθ1Uが単調に減少するように構成され、
    該平行光束のうち、該上光線から最も離れた位置に入射する光線を下光線とし、該下光線が入射面を通過する前に光軸となす反時計回りの角度をθ0L、該下光線が入射面を通過した後に光軸となす角度をθ1L、Δθ1L=θ1L−θ0Lとして、θが0において、Δθ1Lが正であり、θが増加するとΔθ1Lが負となるように構成された赤外線用撮像光学系。
  2. 前記樹脂材料からなるレンズが高密度ポリエチレンからなる請求項1に記載の赤外線用撮像光学系。
  3. 絞り面と前記樹脂材料からなるレンズの入射面と間の光軸上の距離t0と焦点距離fの比t0/fが0.2以上である請求項1または2に記載の赤外線用撮像光学系。
  4. 前記樹脂材料からなるレンズの像側面がフレネル面を含む請求項1から3のいずれかに記載の赤外線用撮像光学系。
  5. θの0から最大値までの範囲の80%以上の範囲に対して撮像面における集光全角が50°以上であるように構成された請求項1から4のいずれかに記載の赤外線用撮像光学系。
  6. 全角の最大画角が60°以上である請求項1から5のいずれかに記載の赤外線用撮像光学系。
  7. 無機材料からなるレンズをさらに含む請求項1から6のいずれかに記載の赤外線用撮像光学系。
  8. レンズとして樹脂材料からなるもののみを含む請求項1から7のいずれかに記載の赤外線用撮像光学系。
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