WO2016072294A1 - 遠赤外線用光学系,撮像光学装置及びデジタル機器 - Google Patents
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Abstract
遠赤外線用光学系は、物体側から順に、物体側に凸のメニスカス形状を有する第1レンズと、像側に凸形状を有する正パワーの第2レンズとからなり、第1レンズがポリエチレンで構成され、第2レンズがシリコンで構成され、条件式:0<|FL/f1|<0.2(FL:全系の焦点距離、f1:第1レンズの焦点距離)を満足する。
Description
本発明は、遠赤外線用光学系,撮像光学装置及びデジタル機器に関するものである。例えば、遠赤外線領域(波長8~14μm帯)で使用される撮影光学系であって、特に画角2ωが40度以上の広角でもレンズ枚数が2枚と少なく収差補正が良好に行われており、安価なカメラシステムに使用可能な遠赤外線用光学系と、遠赤外線用光学系により得られた遠赤外線映像を撮像素子で取り込む撮像光学装置と、遠赤外線用光学系を搭載した画像入力機能付きデジタル機器と、に関するものである。
近年、監視カメラや防犯カメラの普及に伴い、安価で小型の遠赤外線カメラが必要とされている。また、監視カメラ等の用途には広い範囲を撮影できる広角レンズへの要望が根強くある。しかし、遠赤外線用光学系の広角化と低コスト化を共に達成することは困難である。例えば、遠赤外線用のレンズ材料としてよく使用されているGe(ゲルマニウム)には、屈折率が高く遠赤外線の透過率も比較的高いという特長がある。その反面、いわゆるレアメタルの一種であるため材料コストが高く、熱変形温度が高く成形が困難であるため加工コストが高い、といった問題がある。遠赤外線カメラが普及しない原因の1つには、このようなレンズコストの問題があり、コストを低減しつつ広角化することが望まれている。
特許文献1には、レンズ2枚で構成された赤外線光学系が提案されており、特許文献2には、レンズ3枚で構成された赤外線光学系が提案されている。特許文献1に記載の赤外線光学系では、Geの代わりにカルコゲナイドガラスを使用することで材料コストを抑えようとしており、特許文献2に記載の赤外線光学系では、3枚のうちの1枚を樹脂レンズで構成することでコストを抑えようとしている。
特許文献1に記載の赤外線光学系の場合、カルコゲナイドガラスがモールドで加工できるため加工コストの低減はある程度可能であるが、Ge等を多く含むため材料コストを大幅に抑えることは困難である。また、第1レンズのパワーが比較的強いため、全長は短くなるが、第1レンズと第2レンズとの間隔もそれに伴って狭くなるため、面間反射が発生しやすいという課題がある。
特許文献2に記載の赤外線光学系の場合、レンズ3枚で構成されているため、レンズ2枚構成と比較してコストが高くなることは避けられない。また、レンズの保持を含めて構成要素が増えることになるため、製造バラツキが大きくなるという課題がある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、2枚という少ないレンズ枚数でも高い光学性能を保持しながら広角化が達成され、Ge等を含まない光学材料を使用することや特別な加工を必要としないことで低コスト化が達成された遠赤外線用光学系、それを備えた撮像光学装置及びデジタル機器を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明の遠赤外線用光学系は、物体側から順に、物体側に凸のメニスカス形状を有する第1レンズと、像側に凸形状を有する正パワーの第2レンズとからなり、前記第1レンズがポリエチレンで構成され、前記第2レンズがシリコンで構成され、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする。
0<|FL/f1|<0.2 …(1)
ただし、
FL:全系の焦点距離、
f1:第1レンズの焦点距離、
である。
0<|FL/f1|<0.2 …(1)
ただし、
FL:全系の焦点距離、
f1:第1レンズの焦点距離、
である。
第2の発明の遠赤外線用光学系は、上記第1の発明において、前記第2レンズが球面レンズであることを特徴とする。
第3の発明の遠赤外線用光学系は、上記第1又は第2の発明において、前記第2レンズが物体側に凹のメニスカス形状を有することを特徴とする。
第4の発明の遠赤外線用光学系は、上記第1~第3のいずれか1つの発明において、前記第1レンズの少なくとも1面に非球面が配置されていることを特徴とする。
第5の発明の遠赤外線用光学系は、上記第1~第4のいずれか1つの発明において、以下の条件式(2)を満足することを特徴とする。
0.2mm<t1<0.7mm …(2)
ただし、
t1:第1レンズの芯厚、
である。
0.2mm<t1<0.7mm …(2)
ただし、
t1:第1レンズの芯厚、
である。
第6の発明の遠赤外線用光学系は、上記第1~第5のいずれか1つの発明において、前記第1レンズの両面に非球面が配置されていることを特徴とする。
第7の発明の遠赤外線用光学系は、上記第6の発明において、前記第1レンズの物体側面が中心から周辺に行くに従い曲率が強くなる非球面であることを特徴とする。
第8の発明の遠赤外線用光学系は、上記第1~第7のいずれか1つの発明において、以下の条件式(3)を満足することを特徴とする。
0.9<f2/FL<1.1 …(3)
ただし、
FL:全系の焦点距離、
f2:第2レンズの焦点距離、
である。
0.9<f2/FL<1.1 …(3)
ただし、
FL:全系の焦点距離、
f2:第2レンズの焦点距離、
である。
第9の発明の遠赤外線用光学系は、上記第1~第8のいずれか1つの発明において、前記第1レンズが正パワーを有することを特徴とする。
第10の発明の遠赤外線用光学系は、上記第1~第9のいずれか1つの発明において、前記第1レンズと前記第2レンズとの間に絞りが配置されていることを特徴とする。
第11の発明の撮像光学装置は、上記第1~第10のいずれか1つの発明に係る遠赤外線用光学系と、撮像面上に形成された遠赤外線光学像を電気的な信号に変換する撮像素子と、を備え、前記撮像素子の撮像面上に被写体の遠赤外線光学像が形成されるように前記遠赤外線用光学系が設けられていることを特徴とする。
第12の発明のデジタル機器は、上記第11の発明に係る撮像光学装置を備えることにより、被写体の静止画撮影,動画撮影のうちの少なくとも一方の機能が付加されたことを特徴とする。
第13の発明の遠赤外線用カメラシステムは、上記第1~第10のいずれか1つの発明に係る遠赤外線用光学系を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、2枚という少ないレンズ枚数でも高い光学性能を保持しながら広角化が達成され、Ge等を含まない光学材料を使用することや特別な加工を必要としないことで低コスト化が達成された遠赤外線用光学系及び撮像光学装置を実現することができる。そして、本発明に係る遠赤外線用光学系又は撮像光学装置を、暗視装置,サーモグラフィー,携帯端末,カメラシステム(例えば、デジタルカメラ,監視カメラ,防犯カメラ,車載カメラ)等のデジタル機器に用いることによって、デジタル機器に対し高性能の遠赤外線画像入力機能を安価でコンパクトに付加することが可能となる。
以下、本発明に係る遠赤外線用光学系,撮像光学装置,デジタル機器等を説明する。本発明に係る遠赤外線用光学系は、物体側から順に、物体側に凸のメニスカス形状を有する第1レンズと、像側に凸形状を有する正パワーの第2レンズとからなり、前記第1レンズがポリエチレンで構成され、前記第2レンズがシリコンで構成されている。そして、以下の条件式(1)を満足することを特徴としている。なお、後述する第1~第7の実施の形態及びそれらに対応する実施例1~7のように、第1レンズが正パワーを有する場合には、条件式(1)は以下の条件式(1A)に限定される。
0<|FL/f1|<0.2 …(1)
0<FL/f1<0.2 …(1A)
ただし、
FL:全系の焦点距離、
f1:第1レンズの焦点距離、
である。
0<|FL/f1|<0.2 …(1)
0<FL/f1<0.2 …(1A)
ただし、
FL:全系の焦点距離、
f1:第1レンズの焦点距離、
である。
上記遠赤外線用光学系は、遠赤外線領域(波長8~14μm帯)で使用される撮影光学系であって、物体側から順に、第1レンズ及び第2レンズの2枚で構成された広角のレンズ構成を有するものであり、そのなかでも半画角ωが20°以上の広角撮影に適したレンズ構成を想定したものである。遠赤外線領域は物質の温度を検知できる波長範囲であり、温度測定,暗闇での人検知,セキュリティ等、応用できるものは多い。しかし、遠赤外線を透過するレンズ材料が高価な希少金属を含む材料であったり加工が難しい材料であったりして、それらを数枚以上使用したレンズ系にするとコスト高になってしまうため、現在のところ遠赤外線カメラは広く普及していない。最近では遠赤外線センサーの製造技術が進み、安価なサーモパイルや非冷却式マイクロボロメータ等も製造されるようになり、これらと適合するような安価なレンズ系が望まれている。そこで、本発明に係る遠赤外線用光学系では、安価なレンズ材料からなる2枚構成を採用することにより、材料コスト・加工コストを低減して安価なレンズ系を提供することを可能としている。
第1レンズの形状を物体側に凸のメニスカス形状にすることで、広角レンズであっても第1レンズの物体側面に対する軸外光束の入射角が小さくなるため、そこでの収差発生量を減らすことができる。また、第2レンズの形状を像側に凸の形状にすることで、主点をレンズの像側に配置することができる。その結果、広角系であっても十分なバックフォーカスを確保することができる。
通常、負正のパワー配置であるレトロフォーカスを採用した場合、バックフォーカスを確保しつつ焦点距離を短くする効果が得られる。また、正正のパワー配置を採用した場合、バックフォーカスは短くなるが全長を短縮する効果が得られる。それを踏まえると、条件式(1)の上限を上回った場合、第1レンズの正のパワーが強くなって全長が短くなるが、それにつれて第1レンズと第2レンズとの間隔も狭くなる。第1レンズと第2レンズは互いに凹面(又は凹面と平面)を向けて配置されているため、この間隔が狭くなりすぎると面間反射が発生しやすくなる。
ポリエチレンを使用することで、非球面や回折面を配置することが容易に可能となる。非球面を配置することにより球面収差等の補正を良好に行うことが可能となり、回折面を配置することにより色収差等の補正を良好に行うことが可能となる。また、ポリエチレンを使用することで、モールド成形が可能となるため大量生産が容易になり、その結果、コスト低減効果が得られる。シリコンは、遠赤外用レンズで通常使用されているGeのようなレアメタル材料ではない。そのため、Ge等と比較して大量生産に向く材料といえる。
上記特徴的構成によると、2枚という少ないレンズ枚数でも高い光学性能を保持しながら広角化が達成され、Ge等を含まない光学材料を使用することや特別な加工を必要としないことで低コスト化が達成された遠赤外線用光学系及びそれを備えた撮像光学装置を実現することができる。そして、その遠赤外線用光学系又は撮像光学装置を、暗視装置,サーモグラフィー,携帯端末,カメラシステム(例えば、デジタルカメラ,監視カメラ,防犯カメラ,車載カメラ)等のデジタル機器に用いることによって、デジタル機器に対し高性能の遠赤外線画像入力機能を安価でコンパクトに付加することが可能となる。上記のような広角化及び低コスト化を高性能化と両立させながらレンズ2枚でも可能にするうえで望ましい条件設定等を以下に説明する。
以下の条件式(1a)を満足することが更に望ましい。なお、後述する第1~第7の実施の形態及びそれらに対応する実施例1~7のように、第1レンズが正パワーを有する場合には、条件式(1a)は以下の条件式(1Aa)に限定される。
0.08<|FL/f1|<0.17 …(1a)
0.08<FL/f1<0.17 …(1Aa)
この条件式(1a)は、前記条件式(1)が規定している条件範囲のなかでも、前記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。したがって、好ましくは条件式(1a)を満たすことにより、上記効果をより一層大きくすることができる。この条件式(1a)の下限を下回ると、第1レンズのパワーが弱くなってバックフォーカスは確保しやすくなるが、全長は肥大化傾向となる。条件式(1a)を満たすことにより、バックフォーカスを確保しながら全長も抑えることが可能となる。
0.08<|FL/f1|<0.17 …(1a)
0.08<FL/f1<0.17 …(1Aa)
この条件式(1a)は、前記条件式(1)が規定している条件範囲のなかでも、前記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。したがって、好ましくは条件式(1a)を満たすことにより、上記効果をより一層大きくすることができる。この条件式(1a)の下限を下回ると、第1レンズのパワーが弱くなってバックフォーカスは確保しやすくなるが、全長は肥大化傾向となる。条件式(1a)を満たすことにより、バックフォーカスを確保しながら全長も抑えることが可能となる。
前記第2レンズは球面レンズであることが望ましい。シリコンからなる第2レンズを球面レンズにすれば、通常のガラス球面レンズと同様、一般的な研磨加工で加工可能となるため、特殊な設備が無くても加工を行うことができる。また、シリコンはGeのようにレアメタルではなく、材料的にはありふれたものである。したがって、第2レンズをシリコン製の球面レンズで構成することにより、材料的にも加工的にも大量生産することができる。その結果、材料コスト・加工コストを低減することができる。
前記第2レンズは物体側に凹のメニスカス形状を有することが望ましい。第2レンズを物体側に凹のメニスカスレンズにすれば、非点収差及び像面湾曲を効果的に補正することが可能である。
前記第1レンズの少なくとも1面に非球面が配置されていることが望ましい。例えば、第1レンズの像側面に、中心から周辺に行くに従い曲率が強くなる非球面を配置することにより、2枚といった少ない枚数で、かつ、第2レンズが球面のみという構成であっても、球面収差と非点収差とをバランス良く補正することができる。
以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
0.2mm<t1<0.7mm …(2)
ただし、
t1:第1レンズの芯厚、
である。
0.2mm<t1<0.7mm …(2)
ただし、
t1:第1レンズの芯厚、
である。
ポリエチレンは、遠赤外線領域での透過率が比較的低いので、レンズ材料として使用するためには芯厚を薄く保つ必要がある。条件式(2)の上限を上回ると、透過率が低下して鮮明な画像を得ることが困難になる。条件式(2)の下限を下回ると、強度が不足して歪・変形等により安定した形状を保つことが困難になる。これらの観点から、以下の条件式(2a)を満足することが更に望ましい。
0.4mm<t1<0.6mm …(2a)
0.4mm<t1<0.6mm …(2a)
前記第1レンズの両面に非球面が配置されていることが望ましい。第1レンズを両面非球面にすることにより、中心から周辺までレンズを厚くすることなく、第1レンズの物体側面の非球面で収差を補正することができる。さらに、第1レンズの物体側面を、中心から周辺に行くに従い曲率が強くなる非球面にすることにより、周辺まで第1レンズの肉厚を薄くすることができる。その結果、第1レンズを比較的透過率の低い材料であるポリエチレンで構成しても、高い透過率を維持することができる。
以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
0.9<f2/FL<1.1 …(3)
ただし、
FL:全系の焦点距離、
f2:第2レンズの焦点距離、
である。
0.9<f2/FL<1.1 …(3)
ただし、
FL:全系の焦点距離、
f2:第2レンズの焦点距離、
である。
条件式(3)の下限を下回ると、第2レンズの正のパワーが強くなり、それにともなって像側面の曲率が強くなる。そのため、非点収差等の発生量が増大し、第1レンズでの負担が増えて球面収差と非点収差を同時に補正することが困難になる。また、第1レンズのパワーが弱いため、条件式(3)の上限を上回ると、光学系の全長が増大してしまう。
前記第1レンズは正パワーを有することが望ましい。第1レンズに正のパワーを持たせることで、第2レンズの正のパワーを小さくすることができ、第2レンズの収差補正の負担を軽減することができる。
前記第1レンズと前記第2レンズとの間に絞りが配置されていることが望ましい。絞りを第1レンズの物体側に配置すると、絞りと第2レンズとの間の距離が長くなり、絞りを通過した軸外光束が第2レンズで光軸から離れた位置を通過することになるため、第2レンズ径が大きくなる。また、絞りを第2レンズの像側に配置すると、絞りと像面との間の距離が短くなり、像面に対する軸外光束の入射角度が大きくなる。センサーに対して軸外光束が斜めに入射することになるので、画面周辺で光量低下が発生することとなる。遠赤外線用光学系の場合、光量が低下するとS/N比が低下して温度検知精度が低下するので、解像力自体の低下を招くことになる。絞りを第1レンズと第2レンズとの間に配置すると、レンズ径を抑えつつ像面への入射角度を小さくすることができるので、上記のような問題を回避することができる。
本発明に係る遠赤外線用光学系は、遠赤外線画像入力機能付きデジタル機器(例えば携帯端末,ドライブレコーダー等)用の撮像光学系としての使用に適しており、これを撮像用の遠赤外線センサー等と組み合わせることにより、被写体の遠赤外線映像を光学的に取り込んで電気的な信号として出力する遠赤外線用撮像光学装置を構成することができる。撮像光学装置は、被写体の静止画撮影や動画撮影に用いられるカメラの主たる構成要素を成す光学装置であり、例えば、物体(すなわち被写体)側から順に、物体の遠赤外線光学像を形成する遠赤外線用光学系と、その遠赤外線用光学系により形成された遠赤外線光学像を電気的な信号に変換する撮像素子(遠赤外線センサー)と、を備えることにより構成される。そして、撮像素子の受光面(すなわち撮像面)上に被写体の遠赤外線光学像が形成されるように、前述した特徴的構成を有する遠赤外線用光学系が配置されることにより、小型・低コストで高い性能を有する撮像光学装置やそれを備えたデジタル機器を実現することができる。
遠赤外線画像入力機能付きデジタル機器の例としては、赤外線カメラ,監視カメラ,防犯カメラ,車載カメラ,航空機カメラ,デジタルカメラ,ビデオカメラ,テレビ電話用カメラ等のカメラシステムが挙げられ、また、パーソナルコンピューター,暗視装置,サーモグラフィー,携帯用デジタル機器(例えば、携帯電話,スマートフォン(高機能携帯電話),タブレット端末,モバイルコンピューター等の小型で携帯可能な情報機器端末),これらの周辺機器(スキャナー,プリンター,マウス等),その他のデジタル機器(ドライブレコーダー,防衛機器等)等に内蔵又は外付けによりカメラ機能が搭載されたものが挙げられる。これらの例から分かるように、遠赤外線用の撮像光学装置を用いることにより赤外線カメラシステムを構成することができるだけでなく、その撮像光学装置を各種機器に搭載することにより赤外線カメラ機能,暗視機能,温度測定機能等を付加することが可能である。例えば、赤外線カメラ付きスマートフォン等の遠赤外線画像入力機能を備えたデジタル機器を構成することが可能である。
遠赤外線画像入力機能付きデジタル機器の一例として、図15にデジタル機器DUの概略構成例を模式的断面で示す。図15に示すデジタル機器DUに搭載されている撮像光学装置LUは、物体(すなわち被写体)側から順に、物体の遠赤外線光学像(像面)IMを形成する遠赤外線用光学系LN(AX:光軸)と、遠赤外線用光学系LNにより受光面(撮像面)SS上に形成された光学像IMを電気的な信号に変換する撮像素子(遠赤外線センサー)SRと、を備えており、必要に応じて平行平面板(撮像素子SRのカバーガラス、必要に応じて配置される光学フィルター等に相当する。)も配置される。この撮像光学装置LUで画像入力機能付きデジタル機器DUを構成する場合、通常そのボディ内部に撮像光学装置LUを配置することになるが、カメラ機能を実現する際には必要に応じた形態を採用することが可能である。例えば、ユニット化した撮像光学装置LUをデジタル機器DUの本体に対して着脱可能又は回動可能に構成することが可能である。
遠赤外線用光学系LNは、物体側から順に、第1レンズ及び第2レンズの2枚の単レンズで構成された2枚構成の単焦点レンズであり、前述したように、撮像素子SRの受光面SS上に遠赤外線からなる光学像IMを形成する構成になっている。撮像素子SRとしては、例えば複数の画素(例えば、数千~数十万画素)を有し、8~14μm程度の波長を利用する遠赤外線用のイメージセンサー(サーモセンサー等)が用いられる。遠赤外線用光学系LNは、撮像素子SRの光電変換部である受光面SS上に被写体の光学像IMが形成されるように設けられているので、遠赤外線用光学系LNによって形成された光学像IMは、撮像素子SRによって電気的な信号に変換される。
撮像素子SRの具体例としては、焦電センサー,マイクロボロメータ,サーモパイル等が挙げられる。焦電センサーは、チタン酸ジルコン酸鉛等を含むセラミックが温度の変化によって自発分極する焦電効果を使ったものであり、ほとんどの場合単一の受光面を持ち、安価な温度センサーである。マイクロボロメータは、アモルファスシリコンや酸化バナジウム等の感熱材料を微細加工技術によって2次元配列した受光面を持ち、温度上昇によって抵抗値が変化することを検知する温度センサーである。現在使用されている一般的なマイクロボロメータは画素数が80×80,320×240,640×480等である。従来は温度分解能を十分発揮させるため、センサーの周囲を液体窒素等で冷却するものがほとんどであったが、近年では製造技術が進み、冷却しなくてもある程度温度検知能力の高いものが製造されてきている。サーモパイルは、熱を電気エネルギーに変換することのできる熱電対を直列又は並列に並べてセンサー面とした温度センサーで、焦電センサーに次いで安価なものである。
デジタル機器DUは、撮像光学装置LUの他に、信号処理部1,制御部2,メモリー3,操作部4,表示部5等を備えている。撮像素子SRで生成した信号は、信号処理部1で所定のデジタル画像処理や画像圧縮処理等が必要に応じて施され、デジタル映像信号としてメモリー3(半導体メモリー,光ディスク等)に記録されたり、場合によってはケーブルを介したり赤外線信号等に変換されたりして他の機器に伝送される(例えば携帯電話の通信機能)。制御部2はマイクロコンピューターからなっており、撮影機能(静止画撮影機能,動画撮影機能等),画像再生機能等の機能の制御;フォーカシング等のためのレンズ移動機構の制御等を集中的に行う。例えば、被写体の静止画撮影,動画撮影のうちの少なくとも一方を行うように、制御部2により撮像光学装置LUに対する制御が行われる。表示部5は液晶モニター等のディスプレイを含む部分であり、撮像素子SRによって変換された画像信号あるいはメモリー3に記録されている画像情報を用いて画像表示を行う。操作部4は、操作ボタン(例えばレリーズボタン),操作ダイヤル(例えば撮影モードダイヤル)等の操作部材を含む部分であり、操作者が操作入力した情報を制御部2に伝達する。
図1,図3,…,図13に、無限遠合焦状態にある遠赤外線用光学系LNの第1~第7の実施の形態を光学断面でそれぞれ示す。第1~第7の実施の形態のいずれについても、遠赤外線用光学系LNは、物体側より順に、正パワーを有する第1レンズL1と、正パワーを有する第2レンズL2と、からなっている(パワーについてはすべて近軸での値とする。)。第1レンズL1はポリエチレンで構成され、物体側に凸の正メニスカス形状を有し、両面に非球面が配置されている。第2レンズL2はシリコンで構成され、物体側に凹の正メニスカス形状を有し、両面とも球面からなっている。
第1,第6の実施の形態では、第1レンズL1の物体側面に回折面が配置されているが、第2~第5,第7の実施の形態に回折面は配置されていない。第1~第6の実施の形態では、第1レンズL1と第2レンズL2との間に開口絞りSTが配置されており、第7の実施の形態では、第1レンズL1の物体側に開口絞りSTが配置されている。なお、上記すべての実施の形態において、最も物体側に位置する第1レンズL1の外側には、耐傷・耐薬品等を考慮して遠赤外線を通過するカバー部材又は窓材を配置してもよい。
以下、本発明を実施した遠赤外線用光学系の構成等を、実施例のコンストラクションデータ等を挙げて更に具体的に説明する。ここで挙げる実施例1~7(EX1~7)は、前述した第1~第7の実施の形態にそれぞれ対応する数値実施例であり、第1~第7の実施の形態を表すレンズ構成図(図1,図3,…,図13)は、対応する実施例1~7のレンズ断面形状,レンズ配置等をそれぞれ示している。
各実施例のコンストラクションデータでは、面データとして、左側の欄から順に、面番号,近軸における曲率半径R(mm),軸上面間隔d(mm),波長10μmでの屈折率N10,及び波長8~12μmに対する分散値νを示す。分散値νは分散の性質を表し、ν=(N10-1)/(N8-N12)で定義される(ただし、N8:波長8μmでの屈折率,N10:波長10μmでの屈折率,N12:波長12μmでの屈折率である。)。表1に、ポリエチレンとシリコンの屈折率N8,N10,N12及び分散値νを示す。
面番号に*が付された面は非球面であり、その面形状は面頂点を原点とするローカルな直交座標系(x,y,z)を用いた以下の式(AS)で定義される。非球面データとして、非球面係数等を示す。なお、各実施例の非球面データにおいて表記の無い項の係数は0であり、すべてのデータに関してE-n=×10-nである。
z=(C・h2)/[1+√{1-(1+K)・C2・h2}]+Σ(Ai・hi) …(AS)
ただし、
h:z軸(光軸AX)に対して垂直な方向の高さ(h2=x2+y2)、
z:高さhの位置での光軸AX方向のサグ量(面頂点基準)、
C:面頂点での曲率(近軸曲率半径Rの逆数)、
K:円錐定数、
Ai:i次の非球面係数(Σはiについて4次から∞次の総和を表す。)、
である。
z=(C・h2)/[1+√{1-(1+K)・C2・h2}]+Σ(Ai・hi) …(AS)
ただし、
h:z軸(光軸AX)に対して垂直な方向の高さ(h2=x2+y2)、
z:高さhの位置での光軸AX方向のサグ量(面頂点基準)、
C:面頂点での曲率(近軸曲率半径Rの逆数)、
K:円錐定数、
Ai:i次の非球面係数(Σはiについて4次から∞次の総和を表す。)、
である。
面番号に#が付された面は回折面であり、その回折構造は、非球面と同様に面頂点を原点とするローカルな直交座標系(x,y,z)を用いた以下の式(DS)で定義される。回折格子は光軸に対して回転対称な格子であって、波長10μmに対する1次の回折が使用され、形状は波長10μmに対する位相差Pzで与えられる。回折面データとして、位相係数を示す。なお、各実施例の回折面データにおいて表記の無い項の係数は0であり、すべてのデータに関してE-n=×10-nである。
Pz=Σ(Bj・hj) …(DS)
ただし、
h:z軸(光軸AX)に対して垂直な方向の高さ(h2=x2+y2)、
Pz:位相差、
Bj:j次の位相係数(Σはjについて2次から∞次の総和を表す。)、
である。
Pz=Σ(Bj・hj) …(DS)
ただし、
h:z軸(光軸AX)に対して垂直な方向の高さ(h2=x2+y2)、
Pz:位相差、
Bj:j次の位相係数(Σはjについて2次から∞次の総和を表す。)、
である。
表2に、各種データとして、全系の焦点距離FL(mm),Fナンバー(Fno),半画角ω(°),レンズ全長TL(mm),バックフォーカスfB(mm),像高Y’(mm),第1レンズL1の焦点距離f1(mm),第2レンズL2の焦点距離f2(mm)を示し、表3に各実施例の条件式対応値を示す(いずれも波長10μmでの値である。)。表2中のバックフォーカスfBは、レンズ最終面から近軸像面までの距離を空気換算長により表記しており、レンズ全長TLは、レンズ最前面からレンズ最終面までの距離にバックフォーカスfBを加えたものであるが、最も物体側の面が絞りSTである場合(EX7)、レンズ全長TLは絞りSTから近軸像面IMまでの距離である。
図2,図4,…,図14は、実施例1~7(EX1~7)にそれぞれ対応する収差図であり、(A)は球面収差図、(B)は非点収差図、(C)は歪曲収差図である。球面収差図は、実線で示す設計波長(評価波長)10μmにおける球面収差量、一点鎖線で示す波長8μmにおける球面収差量、破線で示す波長14μmにおける球面収差量を、それぞれ近軸像面からの光軸AX方向のズレ量(mm)で表しており、縦軸はFナンバー、縦軸目盛は瞳への入射高さをその最大高さで規格化した値(すなわち相対瞳高さ)を表している。非点収差図において、破線Tは設計波長10μmにおけるタンジェンシャル像面、実線Sは設計波長10μmにおけるサジタル像面を、近軸像面からの光軸AX方向のズレ量(mm)で表しており、縦軸は半画角ω(°)を表している。歪曲収差図において、横軸は設計波長10μmにおける歪曲(%)を表しており、縦軸は半画角ω(°)を表している。
実施例1
単位:mm
面データ
面番号 R d N10 ν
1(物面) ∞ ∞
2 * # 6.475 0.536 1.523 15.1
3 * 7.305 1.614
4(絞り) ∞ 2.702
5 -68.759 4.000 3.418 1860
6 -16.815 8.284
7(像面) ∞
単位:mm
面データ
面番号 R d N10 ν
1(物面) ∞ ∞
2 * # 6.475 0.536 1.523 15.1
3 * 7.305 1.614
4(絞り) ∞ 2.702
5 -68.759 4.000 3.418 1860
6 -16.815 8.284
7(像面) ∞
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
2 0 -1.646E-03 1.205E-03 -2.271E-04
A10 A12 A14
1.963E-05 -9.115E-07 1.756E-08
面番号 K A4 A6 A8
2 0 -1.646E-03 1.205E-03 -2.271E-04
A10 A12 A14
1.963E-05 -9.115E-07 1.756E-08
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
3 0 3.912E-06 1.111E-03 -2.248E-04
A10 A12 A14
2.052E-05 -1.016E-06 2.113E-08
面番号 K A4 A6 A8
3 0 3.912E-06 1.111E-03 -2.248E-04
A10 A12 A14
2.052E-05 -1.016E-06 2.113E-08
回折面データ
面番号 B2
2 2.97E-04
面番号 B2
2 2.97E-04
実施例2
単位:mm
面データ
面番号 R d N10 ν
1(物面) ∞ ∞
2 * 7.129 0.551 1.523 15.1
3 * 8.504 1.600
4(絞り) ∞ 2.800
5 -70.136 4.000 3.418 1860
6 -17.015 8.142
7(像面) ∞
単位:mm
面データ
面番号 R d N10 ν
1(物面) ∞ ∞
2 * 7.129 0.551 1.523 15.1
3 * 8.504 1.600
4(絞り) ∞ 2.800
5 -70.136 4.000 3.418 1860
6 -17.015 8.142
7(像面) ∞
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
2 0 -2.916E-03 1.545E-03 -2.498E-04
A10 A12 A14
1.981E-05 -8.445E-07 1.488E-08
面番号 K A4 A6 A8
2 0 -2.916E-03 1.545E-03 -2.498E-04
A10 A12 A14
1.981E-05 -8.445E-07 1.488E-08
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
3 0 -1.292E-03 1.464E-03 -2.484E-04
A10 A12 A14
2.057E-05 -9.272E-07 1.748E-08
面番号 K A4 A6 A8
3 0 -1.292E-03 1.464E-03 -2.484E-04
A10 A12 A14
2.057E-05 -9.272E-07 1.748E-08
実施例3
単位:mm
面データ
面番号 R d N10 ν
1(物面) ∞ ∞
2 * 11.890 0.540 1.523 15.1
3 * 18.357 0.626
4(絞り) ∞ 1.955
5 -41.236 7.932 3.418 1860
6 -16.136 8.946
7(像面) ∞
単位:mm
面データ
面番号 R d N10 ν
1(物面) ∞ ∞
2 * 11.890 0.540 1.523 15.1
3 * 18.357 0.626
4(絞り) ∞ 1.955
5 -41.236 7.932 3.418 1860
6 -16.136 8.946
7(像面) ∞
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
2 0 8.737E-04 2.901E-04 -7.171E-05
A10 A12 A14
5.770E-06 -2.547E-07 4.885E-09
面番号 K A4 A6 A8
2 0 8.737E-04 2.901E-04 -7.171E-05
A10 A12 A14
5.770E-06 -2.547E-07 4.885E-09
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
3 0 2.887E-03 -1.546E-05 -1.849E-05
A10 A12 A14
7.064E-07 -5.679E-09 6.346E-11
面番号 K A4 A6 A8
3 0 2.887E-03 -1.546E-05 -1.849E-05
A10 A12 A14
7.064E-07 -5.679E-09 6.346E-11
実施例4
単位:mm
面データ
面番号 R d N10 ν
1(物面) ∞ ∞
2 * 6.725 0.573 1.523 15.1
3 * 8.491 1.469
4(絞り) ∞ 2.657
5 -41.381 2.275 3.418 1860
6 -14.114 7.470
7(像面) ∞
単位:mm
面データ
面番号 R d N10 ν
1(物面) ∞ ∞
2 * 6.725 0.573 1.523 15.1
3 * 8.491 1.469
4(絞り) ∞ 2.657
5 -41.381 2.275 3.418 1860
6 -14.114 7.470
7(像面) ∞
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
2 0 -1.378E-03 1.386E-03 -2.682E-04
A10 A12 A14
2.476E-05 -1.278E-06 2.748E-08
面番号 K A4 A6 A8
2 0 -1.378E-03 1.386E-03 -2.682E-04
A10 A12 A14
2.476E-05 -1.278E-06 2.748E-08
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
3 0 1.309E-03 9.799E-04 -2.017E-04
A10 A12 A14
1.907E-05 -1.07E-06 2.590E-08
面番号 K A4 A6 A8
3 0 1.309E-03 9.799E-04 -2.017E-04
A10 A12 A14
1.907E-05 -1.07E-06 2.590E-08
実施例5
単位:mm
面データ
面番号 R d N10 ν
1(物面) ∞ ∞
2 * 6.323 0.580 1.523 15.1
3 * 8.204 1.391
4(絞り) ∞ 2.610
5 -30.744 1.236 3.418 1860
6 -12.288 6.999
7(像面) ∞
単位:mm
面データ
面番号 R d N10 ν
1(物面) ∞ ∞
2 * 6.323 0.580 1.523 15.1
3 * 8.204 1.391
4(絞り) ∞ 2.610
5 -30.744 1.236 3.418 1860
6 -12.288 6.999
7(像面) ∞
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
2 0 -1.660E-03 1.741E-03 -3.763E-04
A10 A12 A14
3.917E-05 -2.284E-06 5.510E-08
面番号 K A4 A6 A8
2 0 -1.660E-03 1.741E-03 -3.763E-04
A10 A12 A14
3.917E-05 -2.284E-06 5.510E-08
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
3 0 1.849E-03 1.076E-03 -2.546E-04
A10 A12 A14
2.777E-05 -1.83E-06 5.125E-08
面番号 K A4 A6 A8
3 0 1.849E-03 1.076E-03 -2.546E-04
A10 A12 A14
2.777E-05 -1.83E-06 5.125E-08
実施例6
単位:mm
面データ
面番号 R d N10 ν
1(物面) ∞ ∞
2 * # 6.684 0.523 1.523 15.1
3 * 6.764 2.097
4(絞り) ∞ 3.712
5 -156.874 4.000 3.418 1860
6 -20.567 9.668
7(像面) ∞
単位:mm
面データ
面番号 R d N10 ν
1(物面) ∞ ∞
2 * # 6.684 0.523 1.523 15.1
3 * 6.764 2.097
4(絞り) ∞ 3.712
5 -156.874 4.000 3.418 1860
6 -20.567 9.668
7(像面) ∞
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
2 0 -2.142E-03 7.746E-04 -1.088E-04
A10 A12 A14
6.747E-06 -2.126E-07 2.740E-09
面番号 K A4 A6 A8
2 0 -2.142E-03 7.746E-04 -1.088E-04
A10 A12 A14
6.747E-06 -2.126E-07 2.740E-09
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
3 0 -1.370E-03 8.127E-04 -1.213E-04
A10 A12 A14
7.955E-06 -2.642E-07 3.596E-09
面番号 K A4 A6 A8
3 0 -1.370E-03 8.127E-04 -1.213E-04
A10 A12 A14
7.955E-06 -2.642E-07 3.596E-09
回折面データ
面番号 B2
2 9.60E-04
面番号 B2
2 9.60E-04
実施例7
単位:mm
面データ
面番号 R d N10 ν
1(物面) ∞ ∞
2(絞り) ∞ 1.113
3 * 9.323 0.500 1.523 15.1
4 * 13.902 2.584
5 -20.341 4.000 3.418 1860
6 -12.139 9.008
7(像面) ∞
単位:mm
面データ
面番号 R d N10 ν
1(物面) ∞ ∞
2(絞り) ∞ 1.113
3 * 9.323 0.500 1.523 15.1
4 * 13.902 2.584
5 -20.341 4.000 3.418 1860
6 -12.139 9.008
7(像面) ∞
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
3 0 -3.936E-04 1.761E-04 -9.802E-05
A10 A12 A14
9.484E-06 -4.29E-07 7.526E-09
面番号 K A4 A6 A8
3 0 -3.936E-04 1.761E-04 -9.802E-05
A10 A12 A14
9.484E-06 -4.29E-07 7.526E-09
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
4 0 2.130E-03 -2.736E-04 -1.880E-05
A10 A12 A14
2.389E-06 -9.735E-08 1.536E-09
面番号 K A4 A6 A8
4 0 2.130E-03 -2.736E-04 -1.880E-05
A10 A12 A14
2.389E-06 -9.735E-08 1.536E-09
DU デジタル機器
LU 撮像光学装置
LN 遠赤外線用光学系
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
ST 開口絞り(絞り)
SR 撮像素子(遠赤外線センサー)
SS 受光面(撮像面)
IM 像面(光学像)
AX 光軸
1 信号処理部
2 制御部
3 メモリー
4 操作部
5 表示部
LU 撮像光学装置
LN 遠赤外線用光学系
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
ST 開口絞り(絞り)
SR 撮像素子(遠赤外線センサー)
SS 受光面(撮像面)
IM 像面(光学像)
AX 光軸
1 信号処理部
2 制御部
3 メモリー
4 操作部
5 表示部
Claims (13)
- 物体側から順に、物体側に凸のメニスカス形状を有する第1レンズと、像側に凸形状を有する正パワーの第2レンズとからなり、前記第1レンズがポリエチレンで構成され、前記第2レンズがシリコンで構成され、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする遠赤外線用光学系;
0<|FL/f1|<0.2 …(1)
ただし、
FL:全系の焦点距離、
f1:第1レンズの焦点距離、
である。 - 前記第2レンズが球面レンズであることを特徴とする請求項1記載の遠赤外線用光学系。
- 前記第2レンズが物体側に凹のメニスカス形状を有することを特徴とする請求項1又は2記載の遠赤外線用光学系。
- 前記第1レンズの少なくとも1面に非球面が配置されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の遠赤外線用光学系。
- 以下の条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の遠赤外線用光学系;
0.2mm<t1<0.7mm …(2)
ただし、
t1:第1レンズの芯厚、
である。 - 前記第1レンズの両面に非球面が配置されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の遠赤外線用光学系。
- 前記第1レンズの物体側面が中心から周辺に行くに従い曲率が強くなる非球面であることを特徴とする請求項6記載の遠赤外線用光学系。
- 以下の条件式(3)を満足することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の遠赤外線用光学系;
0.9<f2/FL<1.1 …(3)
ただし、
FL:全系の焦点距離、
f2:第2レンズの焦点距離、
である。 - 前記第1レンズが正パワーを有することを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の遠赤外線用光学系。
- 前記第1レンズと前記第2レンズとの間に絞りが配置されていることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の遠赤外線用光学系。
- 請求項1~10のいずれか1項に記載の遠赤外線用光学系と、撮像面上に形成された遠赤外線光学像を電気的な信号に変換する撮像素子と、を備え、前記撮像素子の撮像面上に被写体の遠赤外線光学像が形成されるように前記遠赤外線用光学系が設けられていることを特徴とする撮像光学装置。
- 請求項11記載の撮像光学装置を備えることにより、被写体の静止画撮影,動画撮影のうちの少なくとも一方の機能が付加されたことを特徴とするデジタル機器。
- 請求項1~10のいずれか1項に記載の遠赤外線用光学系を備えたことを特徴とする遠赤外線用カメラシステム。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014-225125 | 2014-11-05 | ||
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
PCT/JP2015/079949 WO2016072294A1 (ja) | 2014-11-05 | 2015-10-23 | 遠赤外線用光学系,撮像光学装置及びデジタル機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
WO (1) | WO2016072294A1 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020531860A (ja) * | 2017-07-24 | 2020-11-05 | テラカリス | テラヘルツ波を用いて画像を構成するための多画素センサを備えたイメージング装置 |
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- 2015-10-23 WO PCT/JP2015/079949 patent/WO2016072294A1/ja active Application Filing
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