JPWO2009133734A1 - 光学的検査装置、電磁波検出方法、電磁波検出装置、生態観察方法、顕微鏡、および、内視鏡並びに光断層画像生成装置 - Google Patents

光学的検査装置、電磁波検出方法、電磁波検出装置、生態観察方法、顕微鏡、および、内視鏡並びに光断層画像生成装置 Download PDF

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Abstract

光発生手段2と、光発生手段2から発生された光を検査対象4に照射する光照射手段3と、光照射手段3による光の照射により検査対象4から得られる信号光を光電変換する光検出手段6とを有し、光検出手段6の出力に基づいて検査対象4を検査する光学的検査装置1において、検査対象4から得られる信号光を増幅する光増幅手段5を設ける。これにより、検査対象に照射する光の強度を高めたり、高価な低雑音高感度の光検出器を用いたりすることなく、安価な構成で、検査対象からの信号光を高感度かつ迅速に光電変換できる光学的検査装置を提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2008年5月2日に出願された日本国特許出願2008−120331号、2008年5月2日に出願された日本国特許出願2008−120293号および2009年3月4日に出願された日本国特許出願2009−051172号の優先権を主張するものであり、これらの先の出願の開示全体をここに参照のために取り込む。
本発明は、光学的検査装置、電磁波検出方法、電磁波検出装置、生態観察方法、顕微鏡、および、内視鏡等に関する。さらに、本発明は、波長が時間的に変化する光を検査対象に照射して、検査対象の断層画像を生成する光断層画像生成装置に関するものである。
一般に、画像観察、センサ、セキュリティ、レーザレーダ等の光を利用する様々なシステムにおいて、所望の光を検出する技術はその性能を大きく左右する基本的かつ重要な要素となっている。特に、高速かつ高感度な検出技術に対するニーズは高い。
例えば、生体に光を照射し、その透過光、反射光、あるいは散乱光を検出して、検出された信号光から生体内の情報を抽出するという光学的検査方法は、古くから広く行われてきている。なかでも、検査部位を光により2次元走査して、得られた信号光の情報を画像として表示する光学イメージング技術は、医学分野に多大な貢献をもたらしている。
また、近年では、レーザ技術の発展に伴い、レーザ走査型顕微鏡やレーザ走査型顕微内視鏡などのレーザ走査型イメージングを用いた生物学・医学の研究が活発になっている。特に、レーザ走査型蛍光イメージング法は、高い信号対雑音比で生細胞の経時的な観察を可能にすることから、生物学・医学の研究にとって必要不可欠なツールになっている。なかでも、蛍光を得る際に多光子励起を用いる多光子蛍光イメージング法は、生体の深部観察を可能とすることから、新しい蛍光イメージング法として注目を集めている(例えば、非特許文献1,2参照)。
また、最近では、コヒーレント・アンチ−ストークス・ラマン散乱(Coherent anti-Stokes Raman Scattering:CARS)イメージング(例えば、非特許文献3参照)や、高周波発生イメージング(非特許文献4参照)などの生体中での非線形光学効果を利用したレーザ走査型イメージング法の研究開発も盛んになり始めている。この非線形光学効果を利用したレーザ走査型イメージング法は、蛍光イメージング法と比較して、蛍光タンパクや蛍光色素などといった蛍光物質で観察試料を染色する必要がないので、生体本来の状態を観察できる利点がある。
ところで、生体を対象とする、レーザ走査型イメージングを含む光学イメージングでは、生体試料中における光散乱効果や光吸収効果の影響などにより、生体試料から得られる光信号は、通常は微弱である。特に、多光子蛍光イメージングやCARSイメージングなどの非線形光学効果を利用するイメージング法では、励起光から信号光への変換効率が本質的に低いため、生体から得られる光信号は非常に微弱である。このため、明瞭な画像を得ることが困難である。
この問題を解決する方法として、生体に照射する励起光強度を高くすることが考えられる。しかしながら、生体に過度に高強度な光を照射すると、生体に損傷を与えるおそれがあることから、励起光強度には上限がある。このため、多くの場合、明瞭な画像を得ることが難しい。
そこで、通常は、低雑音で高感度の光検出器を用いて、より明瞭な画像を得るようにしている。
現在用いられている代表的な光検出素子には、PMT(Photo multiplier tube)、APD(Avalanche photo diode)、PD(Photo diode)がある。PMTおよびAPDは、検出素子内にて電子増倍を行うので、高感度な光検出を実現できる。一方、PDは、非常に高速な応答速度を実現できるものの、検出素子内に電子増倍機能を持たないため、通常は、電気増幅器を用いて信号を増幅するようにしている。つまり、PMT、APD、PDは、いずれの素子も電気段にて信号増幅を行い、感度の向上を図っている。
また、代表手的な二次元光検出器として、CCD(Charged coupled device)、CMOS(complementary metal Oxide semiconductor)、EM−CCD(Electron multiplying-CCD)、EB−CCD(Electron bombardment-CCD)、I−CCD(Intensified-CCD)がある。CCDまたはCMOSを用いて微弱光を検出する際には感度向上のために、PDと同様に後段に電気増幅器を配置する必要がある。EM−CCDおよびEB−CCDは、APDと同様に検出素子内に電子増倍機能を持ち、高感度化を実現している。I−CCDは、CCDの前に光増幅器(Image intensifier、以下I.I.とする)を配置した構成をとる。I.I.は、入射光信号を一旦電気信号に変換し、I.I.に内蔵されているMCP(Micro channel plate)内において電子増倍を行った後、増倍された電子を蛍光板に衝突させることにより、増倍電子信号を再度光に変換するものである。つまりI−CCDも電気段にて信号増幅を行うことで高感度な光検出を実現している。
しかし、低雑音かつ高感度な光検出器は、特殊なものであり、非常に高価である。また、上述の電気段での信号増幅を用いる従来型の光検出技術では、光検出器から発生する雑音の大きさと、光検出器による信号光の積算時間は反比例の関係、すなわち、トレードオフの関係にあり、低雑音の検出信号を得るためには、十分長い積算時間が必要となる。その結果、微弱な信号光を検出して明瞭な画像を得ようとすると、十分長い積算時間を要することとなって、画像取得時間が長くなる。このため、時々刻々と変化する生体の様子を正しく観察したいというニーズに対しては、リアルタイム性に欠け、光学イメージング利用者の基本的な要求を阻害することが懸念される。従って、現状では、検出速度と検出感度とのいずれかを犠牲にして光検出を行わざるをえない状況にある。
なお、このような問題は、光学イメージング法に限らず、流体中の微細な粒子を光学的に分析するフローサイトメータや、溶液中の蛍光標識された生体分子の運動を光学的に分析する蛍光相関分光法(FCS)や、固体基板表面上に固定された生体関連分子同士の結合状態を光学的に分析する表面プラズモン共鳴法(SPR)や、溶液中の生体関連分子同士の結合状態を光学的に分析するラテックス免疫凝集検定法(LPIA)や、溶液中の免疫反応を蛍光標識の有無により検出する蛍光免疫測定法(FIA)といった、光学的測定方法においても、同様に生じるものである。
一方、従来、長距離光通信分野を中心に、光ファイバを光伝達手段として用いる光増幅器の開発が盛んに進められてきている。電気増幅器と比較すると、光増幅器は非常に高速・広帯域な動作が可能なうえ、構成によっては、非常に低雑音で高利得な光増幅が可能になるという特性を有している。そこで、このような光増幅器を高速な光電変換素子の前段に配置することで、高速かつ高感度な光検出ができることが期待される(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の要旨は、所定の角度に配置された2本の光ファイバの一方のファイバから光照射し、他方のファイバから光検出することにより、観察対象の深度方向の分解能(axial resolution)を向上するというものである。
また、光増幅器からは、ASE(Amplified spontaneous emission)が発生し、これが光増幅器を用いた場合の光検出時の支配的な雑音原因になる。そのため、光増幅器を用いた高速・高感度光検出を実現するためには、光増幅器が低雑音であることが必須である。光増幅器は、入力される信号光強度が高ければ高い程、光増幅後の信号対雑音比(signal to noise ratio、以下SNRとする)が向上し、光検出感度が向上する。
また、長距離光通信分野で用いられる低雑音光増幅器は、単一モード光ファイバで構成されている。この単一モード光ファイバの構成が用いられる理由は、伝送路との整合性が優れていること等に加え、光増幅器の雑音が光増幅器を構成する利得ファイバの伝播モードに比例して増大することにある。このため、長距離光通信分野では、利得ファイバとして単一モード光ファイバを利用することが光増幅器の低雑音性に大きく寄与している。
しかしながら、このような単一モード光ファイバから成る長距離光通信用の低雑音光増幅器でさえ、光電変換素子の前段に用いるには、次のような課題がある。すなわち、生体観察、センサ、セキュリティ、レーザレーダ等の分野で検出される信号光は散乱光である場合や、波面が乱れた光である場合がほとんどである。このような光は、単一モードファイバへの結合効率が非常に低く、光増幅器に取り込むことのできる光信号は、全体の中の限られた一部分の微弱な信号となる。このため、SNRが劣化するので高い受光感度を得ることができない。
これに対し、散乱光や波面が乱れた光を高効率で集めるため、コア径の大きな多モード光ファイバ増幅器を光電変換素子直前に配置することも考えられる。しかし、コア径を大きくしたことによる空間モード数の増大に伴い、光増幅器中で発生する光雑音が増大してしまうため、この場合もSNRが劣化するので高い受光感度を得ることはできない。
なお、上記において、光を検出する場合を例に取り説明したが、ミリ波やマイクロ波等の光以外の電磁波を検出する場合も、同様の課題を有すると考えられる。
一方、従来光コヒーレンストモグラフィ(Optical coherence tomography:OCT)と呼ばれる光を用いた生体断層画像計測技術が知られている(例えば、非特許文献5参照)。このOCT技術によると、生体の深さ1mm〜2mmまでの断層画像を、解像度1μm〜10μm程度で計測することが可能である。
OCT技術は、大別して、時間領域(Time-domain:TD)OCT、周波数領域(Frequency-domain:FD)OCT(例えば、非特許文献6参照)、波長走査(Swept source:SS)OCT(例えば、非特許文献7参照)の三つの手法がある。なかでも、波長が時間的に変化する光を用いるSSOCTは、もっとも高速かつ高感度に生体断層画像の計測が可能であり、現在活発に技術開発が進められている。
しかしながら、OCTで得られる断層像の深達度は、現状では、高々1mm〜2mm程度であるため、例えば、癌の早期発見に欠かせない癌の浸潤度診断では、性能が不十分である。そのため、適用範囲が限定的となっている。
OCTの深達度が向上しない原因は、生体中における光散乱効果や光吸収効果の影響によって、生体深部から体表へと戻ってくる光信号が微弱であるために、検出過程で生じるショット雑音、熱雑音、量子化雑音などの雑音に、生体深部からの信号が埋もれてしまうことに起因する。特に、SSOCTの場合は、アナログ−デジタルコンバータ(ADC)における量子化雑音(量子化誤差)が、深達度制限要因になっている。
すなわち、SSOCTでは、光電変換後のアナログ信号は、生体深部では高周波数となり、生体浅部では低周波数となるが、その信号強度は、通常、生体浅部からの信号の方が、生体深部からの信号よりも桁違いに高い。このため、このような信号をADCで量子化すると、例えば14ビットの比較的広いダイナミックレンジを有するADCを用いても、生体深部からの情報を持った微小な振幅を持つ高周波成分は、量子化雑音に埋没して、深部情報を取り出すことができなくなってしまう。
米国特許第6423956 W. Denk et al., Science 248, 73 (1990) J. Jung and M. J. Schnitzer, Opt. Lett. 28, 902 (2003) A. Zumbusch et al., Phys. Rev. Lett. 82, 4142 (1999) I. Freund et al., Biophys. J. 50, 693 (1986) D.Huang et al.,Science 254,1178(1991) R.Leitgeb et al.,Opt.Lett.25,820(2000) S.R.Chinn et al.,Opt.Lett.22,340(1997)
したがって、上述した点に鑑みてなされた本発明の目的は、観察対象に照射する光の強度を高めたり、高価な低雑音高感度の光検出器を用いたりすることなく、安価な構成で、対象から届く被検出信号が微弱な場面であっても、低雑音な検出信号を高効率で収集することができる光学的検査装置を提供することにある。また、本発明の目的は、被検出電磁波(非検出信号)が生体等により散乱された電磁波や、波面が乱れた電磁波であっても、高速かつ高感度に検出することができる電磁波検出方法および電磁波検出装置、並びに、生体観察方法、顕微鏡および内視鏡を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、SSOCTによる検査対象の深部からの情報を、量子化雑音に埋没することなく、高精度でデジタル信号に変換でき、断層像の深達度を向上できる光断層画像生成装置を提供することにある。
本願発明では、非検出信号、または、非検出電磁波を電気段で増幅するのではなく、それら信号を光または電磁波から電気信号に変換する前に、光増幅手段または電磁波増幅手段により増幅をするという基本的な構成に基づくものである。また、本発明の複数の観点においては、増幅手段の前段にモード調整手段を設けて、非検出信号または非検出電磁波の信号モードを増幅手段の増幅空間モードと略一致させる。さらに、本発明の他の複数の観点では、光増幅手段を用いる本願の光学的検査装置の構成を、光断層画像生成装置に適用する。以下に、本願の各観点に係る課題を解決するための手段を説明する。
上記目的を達成する第1の観点に係る光学的検査装置の発明は、光発生手段と、該光発生手段から発生された光を検査対象に照射する光照射手段と、該光照射手段による光の照射により前記検査対象から得られる信号光を光電変換する光検出手段とを有し、前記光検出手段の出力に基づいて前記検査対象を検査する光学的検査装置において、
前記検査対象から得られる信号光を増幅する光増幅手段を設けた、ことを特徴とするものである。
第2の観点に係る発明は、第1の観点に係る光学的検査装置において、前記光増幅手段は、導波路型光増幅器を有する、ことを特徴とするものである。
第3の観点に係る発明は、第2の観点に係る光学的検査装置において、前記導波路型光増幅器は、半導体光増幅器からなる、ことを特徴とするものである。
第4の観点に係る発明は、第2の観点に係る光学的検査装置において、前記導波路型光増幅器は、ファイバ型光増幅器からなる、ことを特徴とするものである。
第5の観点に係る発明は、第1〜4の観点いずれかに係る光学的検査装置において、前記光増幅手段は、前記信号光として、前記検査対象に照射する光の波長とは異なる波長の光を増幅する、ことを特徴とするものである。
第6の観点に係る発明は、第5の観点に係る光学的検査装置において、前記光増幅手段は、前記信号光として、前記検査対象から発生する蛍光または燐光を増幅する、ことを特徴とするものである。
第7の観点に係る発明は、第5の観点に係る光学的検査装置において、前記光増幅手段は、前記信号光として、前記検査対象中における非線形光学効果によって発生する光を増幅する、ことを特徴とするものである。
第8の観点に係る発明は、第1〜7の観点のいずれかに係る光学的検査装置において、前記光増幅手段への前記信号光の入射タイミングに同期して、該光増幅手段の増幅率を制御する増幅率制御手段を有する、ことを特徴とするものである。
第9の観点に係る発明は、第1〜8の観点のいずれかに係る光学的検査装置において、前記光増幅手段は、増幅する光の波長帯域が、入射する前記信号光の波長帯域よりも狭い、ことを特徴とするものである。
第10の観点に係る発明は、第1〜9の観点のいずれかに係る光学的検査装置において、前記光増幅手段の入力側に、該光増幅手段から前記検査対象への戻り光を防止する戻り光防止手段を設けた、ことを特徴とするものである。
第11の観点に係る発明は、第1〜10の観点のいずれかに係る光学的検査装置において、前記光増幅手段と前記光検出手段との間に、前記光検出手段で光電変換する信号光の波長を選択する波長選択手段を設けた、ことを特徴とするものである。
第12の観点に係る発明は、第1〜11の観点のいずれかに係る光学的検査装置において、前記検査対象と前記光増幅手段とを光学的に共役に結合する光学系を有する、ことを特徴とするものである。
第13の観点に係る発明は、第1〜12の観点のいずれかに係る光学的検査装置において、前記検査対象は生体であり、前記光増幅手段は、前記信号光として、前記生体で変調された光を増幅する、ことを特徴とするものである。
第14の観点に係る発明は、第1〜13の観点のいずれかに係る光学的検査装置において、前記光発生手段はレーザ光を発生する、ことを特徴とするものである。
第15の観点に係る発明は、第1〜14の観点のいずれかに係る光学的検査装置において、
前記光検出手段の出力に基づいて画像を表示する画像表示手段を有し、
前記光照射手段は、前記検査対象に照射する光を、少なくとも2次元方向に走査する光走査手段を有し、
前記光検出手段の出力に基づいて、前記光走査手段による前記検査対象の走査領域の画像を前記画像表示手段に表示する、ことを特徴とするものである。
上記目的を達成する第16の観点に係る電磁波検出装置の発明は、
多モードの入射電磁波のモード状態を調整するモード調整手段と、
前記モード調整手段から出力される前記モード状態が調整された前記電磁波を増幅する増幅手段と、
前記増幅手段から出力される前記増幅された電磁波を電気信号に変換する変換手段とを備え、
前記モード調整手段は、前記多モードの入射電磁波を、エネルギーのモード分布を変換して、前記増幅手段による増幅空間モードと略一致するモードに調整するように構成されていることを特徴とするものである。
第17の観点に係る発明は、第16の観点に係る電磁波検出装置において、
前記モード調整手段は、入射電磁波の空間モード数を減らすように構成されていることを特徴とするものである。
第18の観点に係る発明は、第16の観点に係る電磁波検出装置において、
前記モード調整手段は、入射電磁波の空間モード間のエネルギー比率を変化させるように構成されていることを特徴とするものである。
第19の観点に係る発明は、第16の観点に係る電磁波検出装置検出装置において、
前記入射電磁波は光であり、前記モード調整手段は、光導波路で構成されることを特徴とするものである。
第20の観点に係る発明は、第19の観点に係る電磁波検出装置において、
前記光導波路は、光ファイバで構成されることを特徴とするものである。
第21の観点に係る発明は、第20の観点に係る電磁波検出装置において、
前記光ファイバは、テーパード光ファイバで構成されることを特徴とするものである。
第22の観点に係る発明は、第19の観点に係る電磁波検出装置において、
前記光導波路は、光導波路長手方向に不均一な屈折率分布を有する屈折率分布型導波路で構成されるか、または、光導波路長手方向に不均一な応力分布、若しくは、不均一な温度分布の印加により、前記モード状態の調整を行うように構成されていることを特徴とするものである。
第23の観点に係る発明は、第16の観点に係る電磁波検出装置において、
前記入射電磁波は光であり、前記増幅手段は、ファイバ型光増幅器であることを特徴とするというものである。
第24の観点に係る発明は、第23の観点に係る電磁波検出装置において、
前記ファイバ型光増幅器は、希土類添加ファイバ型光増幅器であることを特徴とするものである。
第25の観点に係る発明は、第24の観点に係る電磁波検出装置において、
前記希土類添加ファイバ型光増幅器は、希土類添加フッ化物ファイバ型光増幅器であることを特徴とするものである。
第26の観点に係る発明は、第23の観点に係る電磁波検出装置において、
前記ファイバ型光増幅器は、誘導ラマン散乱効果を利用したファイバ型光増幅器であることを特徴とするものである。
第27の観点に係る発明は、第16の観点に係る電磁波検出装置において、
前記入射電磁波は光であり、前記増幅手段は、半導体型光増幅器であることを特徴とするものである。
第28の観点に係る発明は、第16の観点に係る電磁波検出装置において、
前記入射電磁波は光であり、前記増幅手段は、色素を含む光増幅器であることを特徴とするものである。
第29の観点に係る発明は、第16の観点に係る電磁波検出装置において、
前記増幅手段は、前記入射電磁波の入射するタイミングに応じて、増幅率を変化させることを特徴とするものである。
第30の観点に係る発明は、第16の観点に係る電磁波検出装置において、
前記電磁波検出手段は、前記モード調整手段の前段に、前記入射電磁波を集波させて前記モード調整手段に入射させる集波手段を備えることを特徴とするものである。
第31の観点に係る発明は、第30の観点に係る電磁波検出装置において、
前記電磁波検出手段は、前記モード調整手段の前段に、前記入射電磁波を並列的に集波させて前記モード調整手段に入射させる複数の集波手段を備えることを特徴とするものである。
第32の観点に係る発明は、第31の観点に係る電磁波検出装置において、
前記複数の集波手段から出力される複数の電磁波を合波する合波手段を備え、該合波手段から出力される電磁波が前記モード調整手段に入力されることを特徴とするものである。
上記目的を達成する第33の観点に係る電磁波検出装置の発明は、
並列的に入射する多モードの入射電磁波のモード状態をそれぞれ調整する複数のモード調整手段と、
前記複数のモード調整手段から出力される前記モード状態が調整された複数の電磁波を合波する合波手段と、
前記合波手段から出力される前記複数の電磁波が合波された電磁波を増幅する増幅手段と、
前記増幅手段から出力される前記増幅された電磁波を電気信号に変換する変換手段とを備え、
前記モード調整手段は、前記多モードの入射電磁波を、エネルギーのモード分布を変換して、前記増幅手段による増幅空間モードと略一致するモードに調整するように構成されていることを特徴とするものである。
上記目的を達成する第34の観点に係る電磁波検出装置の発明は、
並列的に入射する多モードの入射電磁波のモード状態をそれぞれ調整する複数のモード調整手段と、
前記それぞれのモード調整手段から出力される前記モード状態が調整された複数の前記電磁波を増幅する複数の増幅手段と、
前記複数の増幅手段のそれぞれから出力される前記増幅された複数の電磁波を並列に電気信号へ変換する並列変換手段とを備え、
前記モード調整手段は、前記多モードの入射電磁波を、エネルギーのモード分布を変換して、前記増幅手段による増幅空間モードと略一致するモードに調整するように構成されていることを特徴とするものである。
上記目的を達成する第35の観点に係る電磁波検出方法の発明は、
多モードの入射電磁波のモード状態を調整するモード調整ステップと、
前記モード状態が調整された前記電磁波を増幅する増幅ステップと、
前記増幅された前記電磁波を電気信号に変換する変換ステップとを含み、
前記調整ステップは、前記多モードの入射電磁波を、エネルギーのモード分布を変換して、前記増幅ステップにおける増幅空間モードと略一致するモードに調整することを特徴とするものである。
上記目的を達成する第36の観点に係る生体観察方法の発明は、
電磁波を生体に照射する照射ステップと、
前記電磁波の照射により前記生体から得られる被検出電磁波を、請求項16乃至35のいずれか一項に記載の電磁波検出装置で検出する検出ステップとを含み、
前記検出ステップで得られる電気信号に基づいて前記生体を観察することを特徴とするものである。
上記目的を達成する第37の観点に係る顕微鏡の発明は、
観察試料からの被検出電磁波を検出する顕微鏡であって、
請求項16乃至35のいずれか一項に記載の電磁波検出装置を有し、
前記観察試料からの前記被検出電磁波を前記電磁波検出装置により検出するように構成したことを特徴とするものである。
上記目的を達成する第38の観点に係る内視鏡の発明は、
体腔内からの被検出電磁波を検出して、前記体腔内を観察する内視鏡であって、
請求項16乃至35のいずれか一項に記載の電磁波検出装置を有し、
前記体腔内からの前記被検出電磁波を前記電磁波検出装置により検出するように構成したことを特徴とするものである。
第39の観点に係る発明は、第1の観点に係る光学的検査装置において、
前記光発生手段からの光を検査光と参照光とに分波して、前記検査光を前記光照射手段により前記検査対象に照射し、前記参照光を光反射部に導くとともに、前記検査光が前記検査対象で反射・散乱されて得られる反射検査光を、前記光増幅手段により増幅し、該増幅された反射検査光と前記参照光が前記光反射部で反射されて得られる反射参照光とを合波して干渉光を生成する光分合波部と、
前記光検出手段から得られる光電変換信号の低周波成分を、高周波成分に対して相対的に減衰するアナログ信号処理部と、
前記アナログ信号処理部のアナログ出力信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換部と、
前記アナログ−デジタル変換部のデジタル出力信号を処理して光断層画像を生成する画像処理部とを備え、
前記光発生手段は、波長が時間的に変化する光を出射する波長可変光源部であり、
前記光検出手段は、前記光分合波部で生成された干渉光を受光して光電変換する光電変換部であることを特徴とするものである。
第40の観点に係る発明は、第39の観点に係る光学的検査装置において、
前記光増幅手段と前記光分合波部との間に、光雑音を除去する光フィルタを設けたことを特徴とするものである。
第41の観点に係る発明は、第40の観点に係る光学的検査装置において、
前記光フィルタは、透過中心波長が可変のバンドパスフィルタからなり、前記透過中心波長を、前記波長可変光源部から出射される光の波長の時間的変化と同期して変化させるように構成したことを特徴とするものである。
上記目的を達成する第42の観点に係る光断層画像生成装置の発明は、
請求項39乃至41のいずれか一項に記載の前記光学的検査装置を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、検査対象から得られる信号光を光増幅手段で増幅してから、光検出手段で光電変換するので、検査対象に照射する光の強度を高めたり、光検出手段として高価な低雑音高感度の光検出器を用いたりすることなく、安価な構成で、検査対象からの信号光を高感度かつ迅速に光電変換することが可能となる。
本発明の光学的検査装置の基本的構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第1実施の形態に係る光学的検査装置の構成を示す機能ブロック図である。 図2に示した光増幅手段として使用可能なファイバ型光増幅器の二つの例を示す図である。 本発明の第2実施の形態に係る光学的検査装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第3実施の形態に係る光学的検査装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第4実施の形態に係る光学的検査装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第5実施の形態に係る電磁波検出装置の概略構成を示すブロック図である。 モード調整手段におけるモードの調整を説明する図である。 本発明の第6実施の形態に係る硬性内視鏡型血管イメージング装置の概略構成を示す図である。 テーパードファイバのコア部分縦断面の概略形状を示す図である。 Er添加フッ化物ファイバ型光増幅器の概略構成図である。 本発明の第7実施の形態に係る電磁波検出装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第8実施の形態に係る硬性内視鏡型血管イメージング装置の概略構成を示す図である。 本発明の第9実施の形態に係る電磁波検出装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第10実施の形態に係る高感度内視鏡の概略構成を示す図である。 本発明の第11実施の形態に係る電磁波検出装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第12実施の形態に係る硬性内視鏡型血管イメージング装置の概略構成を示す図である。 本発明の第13実施の形態に係る電磁波検出装置を用いたレーザ走査型多光子蛍光顕微鏡の概略構成を示す図である。 本発明の第14実施の形態に係る電磁波検出装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第15実施の形態に係る硬性内視鏡型血管イメージング装置の概略構成を示す図である。 本発明の第16実施の形態に係る電磁波検出装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第17実施の形態に係る硬性内視鏡型血管イメージング装置の概略構成を示す図である。 本発明の第1参考例に係る光断層画像生成装置の基本的構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第1参考例に係る光断層画像生成装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第18実施の形態に係る光断層画像生成装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第19実施の形態に係る光断層画像生成装置の構成を示す機能ブロック図である。
符号の説明
1 光学的検査装置
2 光発生手段
3 光照射手段
4 検査対象
5 光増幅手段
6 光検出手段
11 脂肪
12 血管
15 可動台
16 投光レンズ
17 集光レンズ
21 コンピュータ
22 可動台制御装置
25 単一モード光ファイバ
26 半導体レーザ(LD)
27 ファンクションジェネレータ
28 LDドライバ
31 多モード光ファイバ
32 光増幅手段
33 バンドパスフィルタ
34 光検出手段
35 トランスインピーダンス増幅器
36 ロックインアンプ
37 アナログ−デジタル(A/D)変換器
38 モニタ
41 励起光源
42 合波素子
43 希土類添加光ファイバ
44 励起光除去素子
45,46 光アイソレータ
47 石英系光ファイバ
51 レーザ走査型共焦点蛍光顕微鏡
52 He−Neレーザ
53 光強度調整装置
54 ダイクロイックミラー
55 X−Yガルバノミラー
56 瞳投影レンズ
57 結像レンズ
58 対物レンズ
60 生細胞試料
61 光アイソレータ
62 集光レンズ
63 光増幅手段
64 光電子増倍管
65 コンピュータ
66 モニタ
71 レーザ走査型多光子蛍光顕微鏡
72 チタン・サファイヤレーザ
73 増幅率制御手段
81 レーザ走査型CARS顕微鏡
82 2波長パルス光源
83 生細胞試料
84 バンドパスフィルタ
110 モード調整手段
111 テーパードファイバ
111a テーパードファイバのコア部分
112 テーパード導波路
120 増幅手段
121 Er添加フッ化物ファイバ型光増幅器
122 半導体光増幅器(SOA)
123 半導体光増幅器(SOA)
130 変換手段
131 PIN−PD
132 CCDカメラ
133 PIN−PD
140 合波手段
141 ファイバカプラ
142 多モードファイバカプラ
150 集波手段
151 集光用レンズ
152 集光用レンズ
161 Er添加フッ化物ファイバレーザ
162 アイソレータ
163 SMF
164a コリメータ
164b 照明用レンズ
165 走査マウント
166 レーザドライバ
167 電気増幅器
168 AD変換器
169 コンピュータ
170 表示モニタ
171 ドライバ
172 ドライバ
1173a、173b アイソレータ
174 WDMカプラ
175 Er添加フッ化物ファイバ
176 光フィルタ
177 LD
178 ハウジング
179 レーザドライバ
180 LD
181 アイソレータ
182a、182b MMF
183 照明用レンズ
184a、184b アイソレータ
185 BPF
186 ドライバ
187 チタン・サファイヤレーザ
188 光強度調整装置
189 X−Yガルバノミラー
190 瞳投影レンズ
191 結像レンズ
192 ダイクロイックミラー
193 対物レンズ
200 生体試料
201 生細胞試料
202 アイソレータ
203 増幅率制御手段
301 波長可変光源部
302 画像処理部
303 波長制御部
305 光分合波部
306 参照側光伝送部
307 検査側光伝送部
308,310 レンズ
309 光反射部
311 検査対象
312 光電変換部
313 アナログ信号処理部
314 アナログ−デジタル(A/D)変換部
315 表示部
321 周波数領域モード同期レーザ(FDML)
322 画像処理部
323 フィルタ制御部
324 光サーキュレータ
325 3dBカプラ
326,331 単一モード光ファイバ(SMF)
327 偏波制御器
328,332,334 レンズ
329 光減衰器
330 反射鏡
333 ガルバノスキャナミラー
335 検査対象
336 スキャナドライバ
337 デュアルバランスレシーバ
338 ハイパスフィルタ(HPF)
339 増幅器
340 A/D変換部
341 モニタ
345,346 3dBカプラ
347,348 光サーキュレータ
351 光増幅器
352 光バンドパスフィルタ(BPF)
353 フィルタ制御部
先ず、本発明の実施の形態の説明に先立って、本発明の光学的検査装置の基本的構成について説明する。
図1は、本発明の光学的検査装置の基本的構成を示す機能ブロック図である。本発明の光学的検査装置1は、光発生手段2、光照射手段3、光増幅手段5および光検出手段6を有する。光発生手段2は、検査対象から信号光を得るための光を発生するもので、検査の種別に応じて所定の波長の光、あるいは所定波長帯域の光を発生する。この光発生手段2で発生された光は、光照射手段3により検査対象4に照射し、これにより検査対象4から信号光を発生させる。ここで、検査対象4への光照射によって、検査対象4から発生させる信号光は、検査の種別に応じて、例えば、照射光の透過光や反射光、照射光により励起して発生させる蛍光や燐光、あるいは非線形光学効果によって発生させる光がある。
光増幅手段5は、検査対象4から得られる検査種別に応じた信号光を入力し、その入力信号光を増幅して、光検出手段6に出力する。光検出手段6は、光増幅手段5で増幅された信号光を受光して光電変換する。この光検出手段6で光電変換された電気信号は、図示しない信号処理回路において検査種別に応じて処理し、これにより検査対象4を検査する。
このように、検査対象4から得られる信号光を、光増幅手段5で増幅してから、光検出手段6で光電変換するようにすれば、検査対象4から得られる信号光が微弱であっても、検査対象4に照射する光の強度を高めたり、光検出手段6を高価な低雑音高感度の光検出器を用いて構成したりすることなく、信号光を高感度で、かつ迅速に光電変換することができる。
次に、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図2は、本発明の第1実施の形態に係る光学的検査装置の構成を示す機能ブロック図である。この光学的検査装置は、硬性内視鏡を体内に挿入し、脂肪に覆われた胃などの臓器へアプローチする際に、脂肪11に埋まった血管12の走行状態を可視化する装置である。これにより、血管12の誤切断による出血を避けながらの鏡視下手術を可能とする。
このため、図2に示す光学的検査装置では、図示しない硬性内視鏡の挿入先端部に、挿入方向と直交する平面内で2次元方向に移動可能に可動台15を設け、この可動台15に検査対象へ光を照射するための投光レンズ16および検査対象からの信号光を集光するための集光レンズ17を、例えば約10mm程度の間隔で設ける。可動台15は、コンピュータ21により可動台制御装置22を介して2次元方向に駆動して、検査対象に照射する光を走査する。したがって、本実施の形態では、可動台15、コンピュータ21、および可動台制御装置22により光走査手段を構成している。
投光レンズ16は、単一モード光ファイバ25を介して光発生手段である半導体レーザ(LD)26に結合する。半導体レーザ26は、例えば、出力50mW、スペクトル幅1nm、中心波長980nmの光を発生するものを用いる。なお、波長980nmの光は、生体の脂肪11では光吸収率が低く、赤血球中のヘモグロビンでは光吸収が高い光である。この半導体レーザ26は、ファンクションジェネレータ27からの周波数fmの正弦波変調信号に基づいてLDドライバ28により駆動する。これにより、半導体レーザ26から周波数fmで強度変調された光を発生させ、この強度変調された光を、単一モード光ファイバ25を介して投光レンズ16に導き、投光レンズ16で平行光にして生体に照射する。したがって、この光学的検査装置では、単一モード光ファイバ25および投光レンズ16により光照射手段を構成している。
投光レンズ16により生体に照射された光は、脂肪11中で、透過、反射もしくは散乱し、脂肪11中に血管12が走行している場合は、血管12中を流れる赤血球で吸収されて振幅変調される。このように、半導体レーザ26からの光を生体に照射することによって、生体から得られる信号光は、集光レンズ17により集光し、その集光した信号光を、多モード光ファイバ31を介して光増幅手段32で増幅する。光増幅手段32は、本実施の形態では、半導体光増幅器あるいはファイバ型光増幅器等の導波路型光増幅器を用いて、波長980nm帯において、増幅帯域3nm、利得約13dBを有するように構成し、これにより、受光した信号光の光強度を約20倍まで増幅して出力する。
光増幅手段32で増幅した信号光は、バンドパスフィルタ33を経て光検出手段(PD)34で受光し、光電変換する。バンドパスフィルタ33は、例えば、中心波長980nm、通過帯域幅約1nmの誘電体多層膜型のものを用い、光検出手段34は、例えば、InGaAs/PINフォトダイオードを用いる。
光検出手段34で光電変換した出力は、トランスインピーダンス増幅器35で電圧に変換して、ロックインアンプ36に入力する。ロックインアンプ36は、ファンクションジェネレータ27からの周波数fmの正弦波変調信号を参照信号として、トランスインピーダンス増幅器35からの入力電圧信号から、参照信号に同期した電圧信号を抽出する。このロックインアンプ36で抽出されたアナログ出力信号は、アナログ−デジタル(A/D)変換器37でデジタル信号に変換してコンピュータ21に供給する。
コンピュータ21は、可動台16の2次元駆動による光走査によって、A/D変換器37から得られる生体の各点のデジタル信号を処理して、モニタ38に画像を表示する。
本実施の形態によると、集光レンズ17で集光される生体からの信号光を、多モード光ファイバ31を介して光増幅手段32で増幅してから、光検出手段34で光電変換するようにしたので、生体から得られる信号光が微弱であっても、半導体レーザ26の出力を高めることなく、光検出手段34を安価な光検出器を用いて構成して、信号光を高感度かつ迅速に光電変換することができる。そして、ロックインアンプ36からは、脂肪11の走査領域内において、血管が走行している走査点では、血管が走行していない走査点におけるよりも、低い出力電圧が得られる。これにより、例えば、脂肪厚4mmの下に埋まっている直径約3mmの血管の走行を可視化することができる。したがって、モニタ38に表示された画像を観察することにより、血管を避けながら、すなわち血管切断による出血を防止しながら、鏡視下手術が可能になる。
図3は、図2に示した光増幅手段32として使用可能なファイバ型光増幅器の二つの例を示すもので、図3(a)は、希土類添加光ファイバ型光増幅器の構成を示し、図3(b)は、ラマン光増幅器の構成を示す。
図3(a)に示す希土類添加光ファイバ型光増幅器は、励起光源41、ダイクロイックミラー等の合波素子42、希土類添加光ファイバ43、および励起光除去素子44を有するとともに、光増幅器のレーザ発振を防止するために、入力端および出力端にそれぞれ光アイソレータ45および46を有する。希土類添加光ファイバ43は、光ファイバに、Nd,Yb,Er,TmやPrなどの希土類を添加したものを用いる。
図3(a)において、光アイソレータ45を経て入力される波長λsの信号光は合波素子42において、励起光源41から発せられる波長λpの励起光と合波して、希土類添加光ファイバ43に入力させる。これにより、励起光によって励起された希土類添加光ファイバ43中の誘導放出を利用して、信号光を増幅する。希土類添加光ファイバ43の出力光は、励起光除去素子44に入射させ、ここで残留励起光を除去して、信号光のみを透過させ、励起光除去素子44を透過した信号光を、光アイソレータ46を介して出力する。
この希土類添加光ファイバ型光増幅器により、図2に示したように、波長980nmの信号光を増幅する場合は、各構成要素として、例えば以下の特性のものを用いる。すなわち、励起光源41は、波長915nm、光出力50mW、スペクトル幅1nmのものを用いる。合波素子42は、光ファイバ型波長多重カプラを利用する。希土類添加光ファイバ43は、Yb添加量が低濃度で、長さが1mのシングルクラッド・多モードYb添加光ファイバまたはシングルクラッド・単一モードYb添加光ファイバを使用する。励起光除去素子44は、波長915nmの励起光を除去し、波長980nmの信号光を透過させる誘電体多層膜フィルタを利用する。光アイソレータ45および46は、動作波長980nm、アイソレーション帯域30nm程度、反射減衰量30dBのものを用いる。これにより、低雑音で高感度な波長980nm帯のYb添加光ファイバ型光増幅器を実現することができる。
図3(b)に示すラマン光増幅器は、図3(a)に示した希土類添加光ファイバ型光増幅器の構成において、希土類添加光ファイバ43に代えて石英系光ファイバ47を用い、この石英系光ファイバ47を励起光で励起することにより、誘導ラマン散乱効果を利用して信号光を増幅するようにしたもので、その他の構成および動作は、希土類添加光ファイバ型光増幅器と同様である。したがって、同一構成要素には、同一参照符号を付して説明を省略する。
このラマン光増幅器により、図2に示したように、波長980nmの信号光を増幅する場合は、例えば、励起光源41は、波長940nm、光出力300mW、スペクトル幅6nmのものを用いる。石英系光ファイバ47は、コア径6μm、長さ2kmの多モード光ファイバまたは単一モード光ファイバを利用する。また、励起光除去素子44は、波長940nmの励起光を除去し、波長980nmの信号光を透過させる誘電体多層膜フィルタを利用する。その他の構成要素は、図3(a)に示した希土類添加光ファイバ型光増幅器で説明した特性のものを用いる。これにより、低雑音で高感度な波長980nm帯のラマン光増幅器を実現することができる。
なお、図3(a)および(b)に示した構成では、希土類添加光ファイバ43および石英系光ファイバ47中を、励起光を信号光と同方向に伝搬させる前方励起構成としたが、励起光を信号光と対向する方向に伝搬させる後方励起構成、もしくは双方向励起構成とすることもできる。
(第2実施の形態)
図4は、本発明の第2実施の形態に係る光学的検査装置の構成を示す機能ブロック図である。本実施の形態は、レーザ走査型共焦点蛍光顕微鏡51を構成するもので、光発生手段として波長543nmで連続発振するHe−Neレーザ52を有する。He−Neレーザ52から出射されたレーザ光は、例えば音響光学変調器(acousto-optic modulator:AOM)等の光強度調整装置53により光強度を調整して、ダイクロイックミラー54、X−Yガルバノミラー55、瞳投影レンズ56、結像レンズ57および対物レンズ58を経て、検査対象である生細胞試料60に集光して照射する。したがって、このレーザ走査型共焦点蛍光顕微鏡51では、光強度調整装置53、ダイクロイックミラー54、X−Yガルバノミラー55、瞳投影レンズ56、結像レンズ57および対物レンズ58により、光照射手段を構成している。また、X−Yガルバノミラー55は、光走査手段を構成する。
なお、生細胞試料60として、蛍光色素で染色された検査対象物や、蛍光タンパクが発現している検査対象物を用いる。ここでは、蛍光タンパクDsRedが発現している検査対象物質を用いるものとする。したがって、He−Neレーザ52からのレーザ光が、生細胞試料60に照射されると、DsRedが励起されて波長約570nm〜650nmの蛍光が発生する。
生細胞試料60から発生した蛍光は、対物レンズ58、結像レンズ57、瞳投影レンズ56およびX−Yガルバノミラー55を経てダイクロイックミラー54に導く。ダイクロイックミラー54は、波長543nmの光は透過させ、波長570nmより長波長の光は反射させるように構成する。これにより、生細胞試料60で発生した波長約570nm〜650nmの蛍光を、ダイクロイックミラー54で反射させる。
ダイクロイックミラー54で反射された蛍光は、光アイソレータ61を経て集光レンズ62により集光して、半導体光増幅器またはファイバ型光増幅器を有する光増幅手段63で増幅し、その増幅された蛍光を光検出手段である光電子増倍管(photomultiplier tube:PMT)64で受光して、光電変換する。光増幅手段63は、例えば、利得約10dB、波長620nm〜650nmの利得帯域を有するように構成する。
レーザ走査型共焦点蛍光顕微鏡51は、全体をコンピュータ65で制御する。これにより、He−Neレーザ52からのレーザ光を、X−Yガルバノミラー55により偏向して、生細胞試料60を対物レンズ58の光軸と直交する平面内で2次元走査し、その各走査点において光電子増倍管64から得られる光電変換出力を処理して、モニタ66に蛍光画像を表示する。
本実施の形態によれば、He−Neレーザ52からのレーザ光の照射によって、生細胞試料60から発生する蛍光を、光増幅手段63で増幅してから、光電子増倍管64で光電変換するようにしたので、生細胞試料60から得られる信号光である蛍光が微弱でも、生細胞試料60に照射するレーザ光の強度を高めることなく、安価な光電子増倍管64を用いて、蛍光を高感度かつ迅速に光電変換することができる。
しかも、光増幅手段63の入力側には、光アイソレータ61を配置したので、生細胞試料60への戻り光を阻止することができる。これにより、生細胞試料60への過剰な光照射による損傷や信号光へ及ぼす変化を防止することができる。この理由を以下に述べる。一般に、光増幅器を用いて光を増幅する場合、自然放出光ノイズ(amplified spontaneous emission(ASE)noise)の付加が避けられない。このため、図4の構成の場合は、光増幅手段63で発生したASEの一部が生細胞試料60側に戻り、その過剰な光照射によって生細胞試料60を損傷したり、生細胞試料60から発せられる信号光に変化を及ぼしたりするおそれがある。しかし、本実施の形態では、光増幅手段63の入射側に光アイソレータ61を配置したので、ASEの生細胞試料60への戻り光を防止することができ、生細胞試料60の損傷や信号光の変化を防止することができる。
(第3実施の形態)
図5は、本発明の第3実施の形態に係る光学的検査装置の構成を示す機能ブロック図である。本実施の形態は、レーザ走査型多光子蛍光顕微鏡71を構成するもので、図4に示したレーザ走査型共焦点蛍光顕微鏡51の構成と比較して、主として、光発生手段としてチタン・サファイヤレーザ72を用いた点、光増幅手段63の増幅率をコンピュータ65により増幅率制御手段73を介して制御するようにした点、および、ダイクロイックミラー54を結像レンズ57と対物レンズ58との間に配置するとともに、その光学特性をチタン・サファイヤレーザ72からの出射光の波長に対応させた点が異なるものである。
本実施の形態では、チタン・サファイヤレーザ72から、繰り返し周波数80MHz、パルス幅150fs、発振波長1000nmの超短光パルスを発生させる。このチタン・サファイヤレーザ72からの超短光パルスは、光強度調整装置53により平均光強度を500mWに調整して、X−Yガルバノミラー55、瞳投影レンズ56、結像レンズ57、ダイクロイックミラー54および対物レンズ58を経て、検査対象である生細胞試料60に集光して照射し、これにより生細胞試料60中の例えばDsRedを多光子励起(例えば、2光子励起)して蛍光を発生させる。
生細胞試料60から発生した蛍光は、対物レンズ58を経てダイクロイックミラー54に導く。ダイクロイックミラー54は、チタン・サファイヤレーザ72からの波長1000nmの光は透過させ、波長700nm以下の短波長の光は反射させるように構成する。これにより、生細胞試料60で発生した波長約570nm〜650nmの蛍光を、ダイクロイックミラー54で反射させる。
ダイクロイックミラー54で反射された蛍光は、光アイソレータ61を経て集光レンズ62により集光して、光増幅手段63で増幅し、その増幅された蛍光を光電子増倍管64で受光して、光電変換する。
ここで、チタン・サファイヤレーザ72からの励起光パルスにより、例えば2光子励起されて生細胞試料60から発生する蛍光は、数ns程度持続する。すなわち、生細胞試料60から発生する蛍光は、チタン・サファイヤレーザ72からの励起光パルスに同期したパルス光となる。そこで、本実施の形態では、このパルス状の蛍光が、光増幅手段63に入射するタイミングに同期して、光増幅手段63の増幅率を、蛍光が入射するタイミングで大きくするように、コンピュータ65により増幅率制御手段73を介して制御する。
なお、光増幅手段63の増幅率は、半導体光増幅器を用いた場合は、その駆動電流を増減またはオン/オフして制御し、ファイバ型光増幅器を用いた場合には、励起光源からの励起光の強度を増減したり、励起光をオン/オフしたりして制御する。
本実施の形態によれば、チタン・サファイヤレーザ72からの励起光パルスにより多光子励起されて生細胞試料60から発生する蛍光を、光増幅手段63で増幅してから、光電子増倍管64で光電変換するようにしたので、生細胞試料60から得られる信号光である蛍光が微弱でも、生細胞試料60に照射するレーザ光の強度を高めることなく、安価な光電子増倍管64を用いて、2光子励起による蛍光を高感度かつ迅速に光電変換することができる。
しかも、光増幅手段63の増幅率を、光増幅手段63への蛍光の入射タイミングに同期して制御するようにしたので、蛍光が入射しない期間でのASEノイズの混入を低減でき、S/Nを向上することができる。
(第4実施の形態)
図6は、本発明の第4実施の形態に係る光学的検査装置の構成を示す機能ブロック図である。本実施の形態は、レーザ走査型CARS顕微鏡81を構成するもので、光発生手段として、2波長パルス光源82を有する。2波長パルス光源82は、例えば、波長1064nmおよび波長816nmの光を、それぞれパルス幅約5ps、繰り返し周波数80MHzで発生するように構成する。2波長パルス光源82からの2波長のパルス光は、光強度調整装置53により、それぞれ平均光強度を数10mWに調整して、X−Yガルバノミラー55、瞳投影レンズ56、結像レンズ57および対物レンズ58を経て、検査対象である無染色の生細胞試料83に集光して照射し、これにより生細胞試料83からCARS光を発生させる。
生細胞試料83からのCARS光を含む透過光は、集光レンズ62により集光して、光増幅手段63で増幅し、その出力光をバンドパスフィルタ84に入射させて、所望の波長成分のCARS光を抽出し、このバンドパスフィルタ84を透過したCARS光を光電子増倍管64で受光して、光電変換する。
すなわち、本実施の形態では、生細胞試料83からのCARS光を含む透過光を、CARS光の波長帯域よりも広い利得帯域を持つ光増幅手段63で増幅し、その後、バンドパスフィルタ84で所望の波長成分のCARS光を抽出して、光電子増倍管64で受光する。例えば、生細胞試料83から発生するCARS光の波長が約660nmの場合は、光増幅手段63は、その利得帯域を波長650nmから波長670nmとして、当該利得帯域の透過光を例えば10dB増幅するように構成し、バンドパスフィルタ84は、中心波長が660nmで透過帯域幅が約10nmの誘電体多層膜フィルタで構成する。また、生細胞試料83から発生するCARS光は、2波長パルス光源82からの励起光パルス列と同じ繰り返し周波数で、数ps程度の持続時間で発生するので、CARS光の発生タイミングに同期して、第3実施の形態と同様にして、光増幅手段63の増幅率を、CARS光の入射タイミングで大きくするように、コンピュータ65により増幅率制御手段73を介して制御する。
なお、レーザ走査型CARS顕微鏡81は、第3実施の形態と同様に、全体をコンピュータ65で制御し、これにより、2波長パルス光源82からの励起光パルスを、X−Yガルバノミラー55により偏向して、生細胞試料60を対物レンズ58の光軸と直交する平面内で2次元走査し、その各走査点において光電子増倍管64から得られる光電変換出力を処理して、モニタ66に蛍光画像を表示する。
本実施の形態によれば、無染色の生細胞試料83から発生するCARS光を、光増幅手段63で増幅してから、光電子増倍管64で光電変換するようにしたので、生細胞試料83から得られる信号光であるCARS光が微弱でも、生細胞試料83に照射するレーザ光の強度を高めることなく、安価な光電子増倍管64を用いて、CARS光を高感度かつ迅速に光電変換することができる。
しかも、光増幅手段63の出力光からバンドパスフィルタ84により所望の波長成分のCARS光を抽出するとともに、光増幅手段63の増幅率を、生細胞試料83から発生するCARS光の入射タイミングに同期して制御するようにしたので、光増幅手段63の利得帯域内で、かつ所望の波長帯域外の不所望なASEノイズを効果的に除去することができ、S/Nを向上することができる。
(第5実施の形態)
図7は、本発明の第5実施の形態に係る電磁波検出装置の概略構成を示すブロック図である。この電磁波検出装置は、観察対象の試料から放出される被検出電磁波を増幅して、電気信号として信号処理系へ受け渡すためのものである。本実施の形態では、生物発光、化学発光、生物発光エネルギー転移による蛍光等の自然放出される電磁波の観察にも用いられるので、第1〜第4実施の形態とは異なり、光発生手段および光照射手段は必須の構成要件ではない。
本実施の形態に係る電磁波検出装置は、入射した多モードの被検出電磁波のモード状態を調整するモード調整手段110と、モード調整手段110でモード状態を調整された電磁波を増幅する増幅手段120と、増幅手段120により増幅された電磁波を電気信号に変換して信号処理系へ出力する変換手段130とを備える。増幅手段120は、特定の増幅空間モードに対して、SNRの優れた増幅特性を有し、モード調整手段110は、多モードの入射電磁波を、エネルギーのモード分布を変換して、増幅手段120による増幅空間モードと略一致するモードに調整する。
図8は、モード調整手段110におけるモードの調整を説明する図である。モード調整手段110は、入射側において多モードの電磁波の入射を許容し、一方、出射側では、後段の増幅手段120の増幅空間モードと略一致した、すなわち、整合性の高いエネルギーのモード分布となるように調整を行うように構成されている。図8(a)は、モード調整手段の入射側における入射電磁波のエネルギーのモード分布の例である。この例では、モード番号1で示される基本モードと、モード番号2〜7で示される高次モードにエネルギーが分布している。図8(b)および図8(c)は、それぞれ異なるケースにおけるモード調整手段110の出射側における電磁波のエネルギーのモード分布を示す図である。図8(b)では、許容されるモードはモード番号1および2で示される2つのモードのみであり、モード調整手段110の入射側における各モードのエネルギーが、低損失でこれら2つのモードに変換される。また、図8(c)は、モード調整手段の出射側でのエネルギーのモード分布として、入射側と同じモード番号1〜7の各モードが許容されるが、エネルギーのモード分布が変化して、モード番号1および2の2つのモードの分布が特に高くなる例を示している。すなわち、図8(c)では、擬似的に空間モード数を低減している。モード調整手段110は、図8(b)のようにモード数そのものを減少させるものと、図8(c)のようにエネルギーの分布を変化させるものとのいずれであっても良い。
図7の概略構成により、散乱波または波面が乱れた波である被検出電磁波は、モード調整手段110の入射側で許容されるモードに従ってモード調整手段110に入射する。その際、より多くの高次モードが許容されるほど、被検出電磁波とモード調整手段110との結合効率が高くなる。その後、被検出光は、モード調整手段110によるモード調整を受け、増幅手段120に出射される。このとき、モード調整手段110から出射される被検出電磁波のエネルギーのモード分布と、増幅手段120による増幅空間モードとは略一致するので、モードの不整合によるエネルギーの損失が低減される。さらに、被検出電磁波は、増幅手段120により増幅されて変換手段130に出射され、変換手段130で電気信号に変換される。変換手段130から出力される電気信号は、後段に続く信号処理系により所望のデータに変換される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、多モードの入射電磁波を、エネルギーのモード分布を変換して、増幅手段120による増幅空間モードと略一致するモードに調整するモード調整手段110を、増幅手段及び変換手段の前に配置したので、被検出電磁波が散乱された電磁波や波面の乱れた電磁波であっても、この被検出電磁波を高効率で集めることができ、高速かつ高感度な光検出が可能になる。
(第6実施の形態)
図9は、本発明の第6実施の形態に係る硬性内視鏡型血管イメージング装置の概略構成を示す図である。この装置は、レーザ光を照射して得られる被検出信号光を検出して、脂肪下に存在する血管位置を可視化するものである。
この硬性内視鏡型血管イメージング装置は、生体試料200を走査しつつ照明用のレーザ光を照射し、生体試料200の表面及び内部で反射または散乱された光を、図7に示した構成を有する電磁波検出装置により検出して電気信号に変換し、この電気信号を信号処理系により処理して画像を表示するように構成されている。
この硬性内視鏡型血管イメージング装置は、波長543nm、出力2mWの単一モードファイバ(single mode fiber: SMF)出力型Er添加フッ化物ファイバレーザ161、アイソレータ162、単一モードファイバ(single mode fiber: SMF)163およびコリメータ164を照明光学系として備え、Er添加フッ化物ファイバレーザ161を出射したレーザ光が、アイソレータ162およびSMF163を介してコリメータ164により略平行光として生体試料200の所望の観察位置へ照射されるように構成されている。
さらに、Er添加フッ化物ファイバレーザ161を駆動するレーザドライバ166が設けられており、Er添加フッ化物ファイバレーザ161は、このレーザドライバ166を介して、この硬性内視鏡型血管イメージング装置全体を制御する後述するコンピュータ169からの制御により、出力状態を制御されるように構成されている。
また、生体試料200からの信号光を検出するため、図9に示した硬性内視鏡型血管イメージング装置は、図7に示す電磁波検出装置のモード調整手段110、増幅手段120および変換手段130のそれぞれに対応する構成として、テーパードファイバ111、Er添加フッ化物ファイバ型光増幅器121およびシリコンPIN−PD(PIN photo diode)131を備える。さらに、PIN−PD131の後段には、PIN−PD131から出力された電気信号を増幅する電気増幅器167、電気増幅器167で増幅されたアナログ電気信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル(analog-to-digital: AD)変換器168を設けている。
テーパードファイバとは、入力側から出力側にかけて光が導波するコア部分の径が変化する構造を有する光ファイバのことである。テーパードファイバ111の入射面は、生体試料200に面してコリメータ164と近接した位置に配置され、コリメータ164とともに走査マウント165上に固定される。図10にコア部分の縦断面の概略形状を示すように、テーパードファイバ111は、入力側のコア径が出力側のコア径よりも大きなテーパ状となっている。本実施の形態では、入力側及び出力側のコア径が、それぞれ50μmおよび4μmで、長さが1.0mのものを使用する。
また、Er添加フッ化物ファイバ型光増幅器121は、構成図を図11に示すように、アイソレータ173a、173b、波長分割多重(wavelength divisional multiplexing:WDM)カプラ174、Er添加フッ化物ファイバ175、光フィルタ176、半導体レーザ(laser Diode: LD)177を含んで構成する。
アイソレータ173aおよび173bは、Er添加フッ化物ファイバ型光増幅器121の入力側および出力側に配置され、戻り光を抑止する。LD177は、Er添加フッ化物ファイバ175の励起光源であり、波長975nm、出力100mWの半導体レーザを使用する。また、LD177に接続されたLD177を駆動するドライバ172が設けられている。WDMカプラ174は、LD177からの励起光と入射側のアイソレータ173aを出射した信号光とを合波し、Er添加フッ化物ファイバ175へ出力するように構成される。Er添加フッ化物ファイバ175は、コア径4μmの単一モードEr添加フッ化物ファイバであり、励起光により信号光を増幅するとともに、残留励起光およびASEを出力する。光フィルタ176は、Er添加フッ化物ファイバ175の出射側に設けられ、残留励起光及びASEを除去して信号光のみを出射する。この信号光は、アイソレータ173bを介してEr添加フッ化物ファイバ型光増幅器121から出射される。このEr添加フッ化物ファイバ型光増幅器121は、テーパードファイバ111の出力を約15dB増幅することができる。
また、本実施の形態の硬性内視鏡型血管イメージング装置は、図9に示すように、装置各部を制御するとともに、AD変換器168から出力されたデジタル信号の処理を行うコンピュータ169を備える。コンピュータ169は、レーザドライバ166、ドライバ171およびドライバ172と接続され、それぞれEr添加フッ化物ファイバレーザ161、Er添加フッ化物ファイバ型光増幅器121、および、走査マウント165を制御するとともに、AD変換器168の出力信号とEr添加フッ化物ファイバレーザ161の出力、Er添加フッ化物ファイバ型光増幅器121の増幅率および走査マウント165の位置の各情報とを関連付けて信号処理を行い、その結果を表示モニタ170に表示するように構成される。
以上のような構成によって、本実施の形態に係る硬性内視鏡型血管イメージング装置では、生体試料の観察を行う際、コンピュータ169は、ドライバ171を介して走査マウント165を走査させるとともに、レーザドライバ166を介して、Er添加フッ化物ファイバレーザ161を駆動して、コリメータ164から生体試料200にレーザ光を照射させる。このレーザ光は、生体試料200の表面及び内部で反射または散乱されて、波長543nmの信号光としてテーパードファイバ111に入射する。
ここで、テーパードファイバ111の入射側のコア径は50μmなので、4μmのコア径のファイバと比べると、入射面の面積が大きく空間的に広範囲の信号を集めることができるとともに、基本モードの他多くの高次モードが入射することができる。一方、テーパードファイバの出射側では、コア径が4μmと小さく、モード間のエネルギーの分布が調整されて基本モードに集中する。
モード調整を受けた信号光は、Er添加フッ化物ファイバ型光増幅器121に入射し、図11に示した増幅空間モードが基本モードであるコア径4μmの単一モードEr添加フッ化物ファイバ175に入射する。テーパードファイバの出射側のモード分布と、Er添加フッ化物ファイバ175の増幅空間モードとが、略一致しているので、両者の接合部分における結合効率が高くなる。このため、テーパードファイバ111に入射した信号光のエネルギーの損失を抑えることができ、かつ、Er添加フッ化物ファイバ型光増幅器121において略単一モードでの増幅ができるので、ASEの発生が抑えられ、SNRの高い信号光を得ることができる。
さらに、Er添加フッ化物ファイバ型光増幅器121を出射した信号光は、図9に示すように、PIN−PD131で電気信号に変換され、電気増幅器167で増幅され、AD変換器168でデジタル信号に変換され、コンピュータ169に送信される。コンピュータ169は、この電気信号とドライバ171から得られる走査位置情報等とを関連づけることにより信号処理を行い、血管画像を生成してモニタ170に表示する。このようにして、脂肪下に存在する血管位置を高速度に画像化することが可能になる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、テーパードファイバ111をEr添加フッ化物ファイバ型光増幅器121の前段に配置することで、受光面を広くすることができ、さらに、入射側の許容空間モード数が大きいので、被検出信号光が散乱光や波面の乱れた光であっても、多くの信号光を入射させることができる。また、テーパードファイバ111により、増幅空間モード数の少ないEr添加フッ化物ファイバ型光増幅器121の増幅空間モードと略一致するモードに、エネルギーのモード分布を変換させたので、ASEを低減することができ、SNRの高い光増幅が可能になる。さらに、テーパードファイバ111を用いたことによって、少ないエネルギー損失でモード調整を行うことができる。したがって、被検出信号光が散乱光や波面の乱れた光であっても、信号光強度は高く、雑音光強度は低い光増幅が可能になる。従って、この光増幅器をPIN−PD131の前に配置することで高速かつ高感度な光検出が可能になる。
また、モード調整手段110として、光ファイバの一種であるテーパードファイバ111を利用することで、長尺な空間モード調整導波路を安定的に実現することができる。長尺化することにより、断熱的な空間モード調整が可能になり、より低損失な空間モード調整を実現することができる。また、光ファイバを用いることにより空間光学系の微調整などが不要になるため、使用上の自由度が向上する。さらに、テーパードファイバ111は、設計の自由度が非常に高いので、検出光の状態に適したモード調整手段を実現することが可能になる。また、テーパードファイバ111は比較的容易に作製可能なため、低価格な光検出装置を提供することができる。
また、増幅手段120として、Er添加フッ化物ファイバ型光増幅器121を用いたので、高利得および低雑音性で高い増幅効率の増幅をすることができる。さらに、石英系ファイバ型光増幅器では動作できない波長帯域でも光増幅が可能になり、特に、可視帯での効率的な光増幅が可能になる。
(第7実施の形態)
図12は、本発明の第7実施の形態に係る電磁波検出装置の概略構成を示すブロック図である。この電磁波検出装置は、図7に記載の電磁波検出装置の構成において、モード調整手段110を複数設けるとともに、モード調整手段110と増幅手段120との間に、合波手段140を設けている。
この構成により、被検出電磁波は、複数のモード調整手段110に入力され、それぞれのモード調整手段110において、空間モードの調整が行われる。その後、複数のモード調整手段110からの出力電磁波は、合波手段140に入力され、合波される。合波手段140より出力された被検出信号電磁波は増幅手段120によって増幅され、さらに変換手段130によって電気信号に変換される。変換手段130から出力される電気信号は後段に続く信号処理系にて所望のデータに変換される。
本実施の形態によれば、第一実施の形態の効果に加え、並列に入射する多モードの入射電磁波のモード調整を行う複数のモード調整手段110を、増幅手段120及び変換手段130の前に配置したので、被検出信号電磁波が散乱された電磁波や波面の乱れた電磁波であっても、信号波を高効率で集めることができ、高速かつ高感度な電磁波検出が可能になる。さらに、複数のモード調整手段110から出力される複数の電磁波を合波する合波手段140を備えるので、入射電磁波をモード数を少なくして合波させることにより、装置全体の動作安定性を更に向上させることができる。
(第8実施の形態)
図13は、図12に示した電磁波検出装置を用いた本発明の第8実施の形態に係る硬性内視鏡型血管イメージング装置の概略構成を示す図である。この硬性内視鏡型血管イメージング装置は、図9に示した硬性内視鏡型血管イメージング装置において、コリメータ164aに代えて、照明用レンズ164bを使用するとともに、テーパードファイバ111を並列に複数本設け、それらの出射側に合波手段140としてファイバカプラ141を設けている。また、走査マウント165に照明用レンズ164bと複数のテーパードファイバ111の入射面とが、生体試料200に面するように固定されている。
照明用レンズ164bは、図9に示したコリメータ164aとは異なり、SMF163を伝播してきたレーザ光を拡散させて、テーパードファイバ111の入射面に面した生体試料200の領域に照射させる。このレーザ光は、生体試料200の表面及び内部で反射または散乱されて、複数のテーパードファイバ111に多モードの光として入射する。各テーパードファイバ111に入射した信号光は、モード間のエネルギー分布が調整された後、基本モードを含む少ないモード数の光としてファイバカプラ141に入射して合波される。その後、ファイバカプラ141で合波された信号光は、Er添加フッ化物ファイバ型光増幅器121に入射する。その他の構成および作用は第6実施の形態と同様であるので、同一構成要素には同一参照符号を付して説明を省略する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、第6実施の形態の効果に加え、テーパードファイバ111を複数有することにより、より多くの信号光を集光することができる。また、一般に、空間モード数の少ない素子ほど動作が安定しているので、信号光の空間モード数を少なくして合波手段を使用して合波させることにより、装置全体の動作安定性を更に向上させることができる。
(第9実施の形態)
図14は、本発明の第9実施の形態に係る電磁波検出装置の概略構成を示すブロック図である。この電磁波検出装置は、図7に記載の電磁波検出装置の構成において、モード調整手段110と増幅手段120とを、各1個を一組として複数並列に設けるとともに、それぞれの増幅手段120からの出力を、これら出力を並列に処理することのできる変換手段130に入力されるように構成したものである。
上記の構成において、被検出電磁波は、複数のモード調整手段110に入力され、それぞれのモード調整手段110において、空間モードの調整が行われる。その後、複数のモード調整手段110からの出力電磁波は、対応する増幅手段120に入力されて増幅され、さらに変換手段130によって並列に電気信号に変換される。変換手段130から出力される電気信号は後段に続く信号処理系にて所望のデータに変換される。
本実施の形態によれば、並列に入射する多モードの入射電磁波を、エネルギーのモード分布を変換して、増幅手段120による増幅空間モードと略一致するモードに調整する複数のモード調整手段110を、それぞれ対応する増幅手段120及び変換手段130の前に配置したので、被検出信号電磁波が散乱された電磁波や波面の乱れた電磁波であっても、これを高効率で集めることができ、高速かつ高感度な光検出が可能になる。さらに、複数のモード調整手段110及びそれに対応する複数の増幅手段120を有し、それぞれの増幅手段120からの電磁波出力を並列に電気信号に変換することで、同時に画像情報等の複数点の情報を得ることができる。
(第10実施の形態)
図15は、図14に示した電磁波検出装置を用いた本発明の第10実施の形態に係る高感度内視鏡の概略構成を示す図である。この高感度内視鏡は、照明用のレーザ光を照射し、生体試料200の表面及び内部で反射または散乱された光を、図14の電磁波検出装置により検出して電気信号に変換し、この電気信号を信号処理系により処理して内視鏡画像を表示するように構成されている。
生体試料200に照明用のレーザ光を照射する光学系として、この高感度内視鏡では、波長635nm、出力20mWのLD180、アイソレータ181、多モードファイバ(multi-mode fiber: MMF)182a、および、照明用レンズ183を備え、光源であるLD180の出力はアイソレータ181およびMMF182aを介して、照明用レンズ183から空間に出力され、生体試料200へ照射されるように構成される。
また、LD180を駆動するレーザドライバ179が設けられ、LD180は、レーザドライバ179を介して、この高感度内視鏡の全体を制御するコンピュータ169によって、出力を制御されるように構成されている。
また、生体試料200からの被検出光を検出する電磁波検出装置は、モード調整手段110として128×128本のテーパードファイバ111を、増幅手段120として各テーパードファイバ111に対応する128×128個の半導体光増幅器(semiconductor optical amplifier:SOA)122を、変換手段130として128×128個の画素を有するCCDカメラ132を、それぞれ用いる。また、各テーパードファイバ111と対応するSOA122との間には、それぞれアイソレータ184aを、各SOA122とCCDカメラ132との間にはアイソレータ184bとASE除去用の光バンドパスフィルタ(band-pass filter: BPF)185とを設ける。CCDカメラ132の後段には、アナログ電気信号をデジタル信号に変換するアナログ-デジタル(analog-to-digital: AD)変換器168を設ける。
なお、テーパードファイバ111としては、入力側及び出力側のコア径がそれぞれ50μm及び9μmで、長さは1.0mのものを用い、その入射面は、生体試料200に面し、照明用レンズ183からのレーザ光の照射により、生体試料200のそれぞれ異なる位置からの信号光が入射するように配置され、照明用レンズ183とともにハウジング178に固定される。また、SOA122は、ドライバ186を介してコンピュータ169にて制御されるように構成されている。
これによって、生体試料200の表面及び内部で反射もしくは散乱された波長635nmの信号光は、各テーパードファイバ111に入力され、モードが調整される。テーパードファイバ111のそれぞれの出力はアイソレータ184を介して対応するSOA122へ入力され、約18dB増幅される。各SOA122の出力は、対応するアイソレータ184を経由して対応するBPF185に入射してASEが除去される。各BPF185の出力は、128×128ピクセルのCCDカメラ132の各ピクセルに対応するように入力され、電気信号に変換される。さらに、CCDカメラ132により電気信号に変換された信号出力は、AD変換器168においてデジタル信号へ変換される。
また、本実施の形態に係る高感度内視鏡では、装置各部を制御するとともに、AD変換器168から出力されたデジタル信号の処理を行うコンピュータ169が設けられている。コンピュータ169は、レーザドライバ179、および、ドライバ186とそれぞれ接続されて、LD180およびSOA122を制御するとともに、AD変換器168の出力信号とLD180の出力およびSOA122の増幅率とを関連付けて信号処理を行い、その結果を表示モニタ170に、例えば、内視鏡画像として表示する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、第6実施の形態と同様の効果を得ることができ、従来よりも高速かつ高感度に内視鏡画像を得ることができる。また、本実施の形態では、複数のテーパードファイバ111及びそれに対応する複数のSOA122を設け、それぞれのSOA122からの光出力を並列に電気信号に変換することにより、同時に生体試料200の複数点に関する情報を得ることができる。したがって、特に二次元画像などを生成する際に有効である。
さらに、増幅手段120としてSOA122を用いることでコンパクトかつ低価格な光検出系を構築することが可能になるうえ、複数の半導体光増幅器やフォトダイオード(PD)など他の半導体素子との集積化が可能になる。また、供給電力が少なくてよいという利点も兼ね備えている。さらに、SOAは、ファイバ型光増幅器と比較すると、動作波長帯域が広いため、様々な被検出光に対応することができる。
(第11実施の形態)
図16は、本発明の第11実施の形態に係る電磁波検出装置の概略構成を示すブロック図である。この電磁波検出装置は、図7に記載の電磁波検出装置の構成において、モード調整手段110の前に、被検出電磁波を集めるための集波手段150を設けている。これによって、請求項16に記載の発明の効果に加えて、検出できる信号電磁波の量をより一層高めることができる。
(第12実施の形態)
図17は、図16に示した電磁波検出装置を用いた本発明の第12実施の形態に係る硬性内視鏡型血管イメージング装置の概略構成を示す図である。この硬性内視鏡型血管イメージング装置は、図9に示した硬性内視鏡型血管イメージング装置において、テーパードファイバ111の入射面の前に集光用レンズ151を設けたものである。テーパードファイバ111の前に集光用レンズ151を設けることにより、生体試料200の表面及び内部で反射または散乱された光の中の、より多くの部分をテーパードファイバ111に取り込むことができる。また、検出対象の深部ないし遠方に存在する被検物質に対しても、高感度かつ高いSNRで検出できるという利点を有する。
(第13実施の形態)
図18は、本発明の第13実施の形態に係るレーザ走査型多光子顕微鏡の概略構成を示す図である。本実施の形態は、レーザ走査型多光子顕微鏡において、図16に示した電磁波検出装置を、生細胞試料からの信号光の検出に使用したものである。
図18に示すように、本実施の形態に係るレーザ走査型多光子顕微鏡は、チタン・サファイヤレーザ187、光強度変調装置188、X−Yガルバノミラー189、瞳投影レンズ190、結像レンズ191、ダイクロイックミラー192、対物光学系を構成する対物レンズ193、アイソレータ202、集光用レンズ152、テーパード導波路112、SOA123、PIN−PD133、電気増幅器167、AD変換器168、および、増幅率制御手段203を含んで構成されている。
チタン・サファイヤレーザ187は、繰り返し周波数80MHz、パルス幅150fs、発振波長1060nmの超短光パルスを発生させる光源である。このチタン・サファイヤレーザ187からの超短光パルスは、光強度調整装置188により平均光強度を100mWに調整され、X−Yガルバノミラー189、瞳投影レンズ190、結像レンズ191、ダイクロイックミラー192および対物レンズ193を経て、検査対象である生細胞試料201に集光して照射されるように構成される。その際、X−Yガルバノミラー189を駆動して、レーザ光の試料上の照射位置を走査させる。これにより生細胞試料201中の所望の領域において、例えば赤色蛍光タンパク質(DsRed)を多光子励起(例えば、2光子励起)して蛍光を発生させることができる。
また、対物レンズ193は、生細胞試料201から発生した蛍光を、ダイクロイックミラー192に導く。ダイクロイックミラー192は、チタン・サファイヤレーザ187からの波長1060nmの光は透過させ、波長700nm以下の短波長の光は反射させるように構成される。これにより、生細胞試料201で発生した波長約570nm〜650nmの蛍光を、ダイクロイックミラー192で反射させる。
集光用レンズ152、テーパード導波路112、SOA123およびPIN−PD133は、それぞれ、図16に示した電磁波検出装置の集波手段150、モード調整手段110、増幅手段120および変換手段130に相当する。ダイクロイックミラー192で反射された蛍光は、アイソレータ202を経て集光用レンズ152により集光され、テーパード導波路112へ入力される。テーパード導波路112は、入射側の空間モードが8であり、モード調整によって出射側のモード数が2まで減少するように構成されている。テーパード導波路112から出力された蛍光は、増幅率制御手段203を介して外部のコンピュータ169により制御されるSOA123に入射して増幅され、シリコンPIN−PD133により電気信号に変換される。SOA123は、入射する信号光のモード数を減じたことにより、ASEの発生を抑制して高いSNRで増幅することができる。
さらに、PIN−PD133から出力された電気信号は電気増幅器167で増幅され、AD変換器168でデジタル信号に変換され、外部のコンピュータ169に送信される。コンピュータ169は、AD変換器168から受信した信号と、X−Yガルバノミラー189から得られる走査位置情報等とを関連付けて信号処理を行い、その結果をモニタ170に顕微鏡画像として表示する。
なお、上記のレーザ走査型多光子蛍光顕微鏡では、チタン・サファイヤレーザ187からの励起光パルスにより、例えば、2光子励起されて生細胞試料201から発生する蛍光は、数ns程度持続する。すなわち、生細胞試料201から発生する蛍光は、チタン・サファイヤレーザ187からの励起光パルスに同期したパルス光となる。そこで、本実施の形態では、このパルス状の蛍光がSOA123に入射するタイミングに同期させて、SOA123の増幅率を、蛍光が入射するタイミングで大きくするように、コンピュータ169により制御する。
本実施の形態によれば、チタン・サファイヤレーザ187からの励起光パルスにより多光子励起されて生細胞試料201から発生する蛍光を、テーパード導波路112を用いて空間モード数を減少させるようにモード調整を行い、SOA123で増幅してから、シリコンPIN−PD133で光電変換するようにしたので、生細胞試料201に照射するレーザ光の強度を過度に高めることなく、生細胞試料201から得られる信号光である蛍光が微弱でも、2光子励起による蛍光を高感度かつ高速に光電変換することができる。
また、SOA123の増幅率を、SOA123への蛍光の入射タイミングに同期して制御するようにしたので、蛍光が入射しない期間に光増幅器に電力を供給することにより発生するASEの混入を低減することができ、SNRを向上することができる。さらに、SOA123の増幅率を変化させることによって、検出信号レベルを簡単に調整することができる。
(第14実施の形態)
図19は、本発明の第14実施の形態に係る電磁波検出装置の概略構成を示すブロック図である。この電磁波検出装置は、図7に記載の電磁波検出装置の構成において、モード調整手段110の前段に、複数の集波手段150と、該複数の集波手段150からの検出電磁波を合波する合波手段140とを設けたものである。
上記の構成において、被検出電磁波は、複数の集波手段150によって集光され、合波手段140に入力される。合波手段140は、入力された複数の被検出光を合波し、モード調整手段110に出力する。その他の作用は、図7の電磁波検出装置と同様である。
本実施の形態によれば、請求項16に記載の発明の効果に加えて、複数の集波手段150を備えることによって、複数箇所からの信号電磁波を一括で取得することができ、さらに、複数箇所からの信号電磁波を合波手段140でまとめることにより、増幅手段120に入力される信号電磁波のエネルギーを増大させ、SNRをさらに向上させることができる。
(第15実施の形態)
図20は、図19に示した電磁波検出装置を用いた本発明の第15実施の形態に係る硬性内視鏡型血管イメージング装置の概略構成を示す図である。この硬性内視鏡型血管イメージング装置は、図9に示した硬性内視鏡型血管イメージング装置において、コリメータ164aに代えて、照明用レンズ164bを使用するとともに、テーパードファイバ111の前段に、複数の集光用レンズ151とこの集光用レンズ151に結合した多モードファイバ(multi-mode fiber: MMF)182bと、各MMF182bからの信号光を合波する多モードファイバカプラ142とを設けている。なお、集光用レンズ151および多モードファイバカプラ142は、それぞれ、図19の集波手段150および合波手段140に相当する。
また、走査マウント165に、照明用レンズ164bと各集光用レンズ151とが、試料100に面するように固定されている。さらに、照明用レンズ164bは、図9に示したコリメータ164aとは異なり、SMF163を伝播してきたレーザ光を拡散させて、各集光用レンズ151の入射面に面した生体試料200の領域に照射させるように構成されている。
これにより、照明用レンズ164bを出射したレーザ光は、生体試料200の表面及び内部で反射または散乱されて、複数の集光用レンズ151で集光され、MMF182bを介して多モードファイバカプラ142で合波され、テーパードファイバ111に多モードの光として入射する。その他の、構成および作用は第6実施の形態と同様であるので、同一構成要素には同一参照符号を付して説明を省略する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、複数の集光用レンズ151を設けたので、複数箇所からの信号光を一括で取得することができ、検出できる信号光量をより一層高めることが可能になる。また、複数箇所からの信号光を多モードファイバカプラ142でまとめることにより、後段に続くテーパードファイバ111、Er添加フッ化物ファイバ型光増幅器121、および、PIN−PD131の数量を一つに減らすことができる。また、複数箇所からの信号光をまとめることで、Er添加フッ化物ファイバ型光増幅器121に入力される信号光エネルギーを増大させることができる。したがって、より高速かつ高感度に内視鏡画像を得ることが可能になる。
(第16実施の形態)
図21は、本発明の第16実施の形態に係る電磁波検出装置の概略構成を示すブロック図である。この電磁波検出装置は、図14に記載の電磁波検出装置の構成において、各モード調整手段110の前段に、集波手段150を設けたものである。これによって、第9実施の形態に係る電磁波検出装置の有する効果に加え、より多くの被検出電磁波を、モード調整手段110に導くことが可能になる。
(第17実施の形態)
図22は、図21に示した電磁波検出装置を用いた本発明の第17実施の形態に係る硬性内視鏡型血管イメージング装置の概略構成を示す図である。この硬性内視鏡型血管イメージング装置は、図15に示した第10実施の形態に係る硬性内視鏡型血管イメージング装置において、複数のテーパードファイバ111の前に集光用レンズ152を設けたものである。テーパードファイバ111の前に集光用レンズ152を設けることにより、生体試料200の表面及び内部で反射または散乱された光の中の、より多くの部分を各テーパードファイバ111に取り込むことができる。その他の構成および作用は、第10実施の形態と同様であるので、同一構成要素には同一参照符号を付して説明を省略する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、テーパードファイバ111の前に集光用レンズ152を設けたので、検出できる信号光量をより一層高めることが可能になる。したがって、より高速かつ高感度に内視鏡画像を得ることが可能になる。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、第2実施の形態に示したレーザ走査型共焦点蛍光顕微鏡51および第3実施の形態に示したレーザ走査型多光子蛍光顕微鏡71は、それぞれ反射型に限らず、透過型として構成することもできる。同様に、第4実施の形態に示したレーザ走査型CARS顕微鏡81は、透過型に限らず、反射型として構成することもできる。
また、モード調整手段としては、テーパードファイバ111またはテーパード導波路112を使用したが、これに限られず、テーパードフォトニック結晶導波路、長周期ファイバブラッググレーティングや屈折率変調平面導波路などを使用することができる。
例えば、第13実施の形態において、テーパード導波路112に代えて、導波路長手方向に不均一な屈折率の分布を有する屈折率分布型導波路等を使用するか、または、導波路長手方向に不均一な応力の分布もしくは不均一な温度の分布を与えた導波路を使用することができる。この場合、光導波路中の屈折率、応力、もしくは温度の揺らぎにより、空間モード間においてエネルギーのやり取りが発生する。この屈折率、応力、もしくは温度の揺らぎを意図的に光導波路中に与えることにより、空間モード間のエネルギー比率の変化を誘導することができる。
また、第5〜第17実施の形態における増幅手段120としては、Er添加フッ化物ファイバ型光増幅器またはSOAを使用したがこれに限られない。例えば、これらの増幅器に代えて、誘導ラマン散乱効果を利用したファイバ型光増幅器を使用することができる。希土類添加ファイバ型光増幅器の動作波長帯域は非常に離散的なため、光増幅効果を得ることができない波長領域が存在するが、誘導ラマン散乱効果は動作波長帯域を選ばないため、これを利用することで、任意の波長領域において光増幅が可能になる。また、他のファイバ型光増幅器、例えば、ファイバ型ブリルアン光増幅器、ファイバ型パラメトリック光増幅器などを使用することもできる。さらに、色素増幅器を使用することもできる。ファイバ型光増幅器や半導体光増幅器と比較すると、色素の増幅帯域は広いので、色素増幅器を使用すると、広帯域な信号を増幅することが可能になる。さらに色素の設計次第で、様々な波長での光増幅が可能になる。
また、変換手段130としては、PIN−PDまたはCCDカメラを使用したが、これに限られず、たとえば、APD、PMT、CMOS、EM−CCDまたはEB−CCDを使用することもできる。
合波手段140としては、ファイバカプラまたは多モードファイバカプラを使用したがこれに限られず、例えば、平面導波路型光カプラ、空間型ビームコンバイナ、偏波合成カプラ、波長合成カプラなどを使用することもできる。
集波手段としては、集光用レンズを使用したがこれに限られず、例えば、GRIN(Gradient Index)レンズや、レンズドファイバなどを使用することもできる。
また、本発明は、上記実施の形態で示したイメージング装置や内視鏡等に限らず、上述したフローサイトメータや、FCS、SPR、LPIA、FIA等の光学的測定方法を実施する場合にも有効に適用することができる。
なお、上記第5〜第17実施の形態で説明したように、本願の第16〜38の観点に係る発明は、以下の効果を有している。
また、本願の第16の観点に係る発明によれば、多モードの入射電磁波を、エネルギーのモード分布を変換して、増幅手段による増幅空間モードと略一致するモードに調整するモード調整手段を、増幅手段及び変換手段の前に配置したので、被検出電磁波が散乱された電磁波や波面の乱れた電磁波であっても、この被検出電磁波を高効率で集めることができ、高速かつ高感度な電磁波検出が可能になる。
さらに、本願の第17の観点に係る発明によれば、請求項16に記載の発明の効果に加えて、モード調整手段が入射電磁波の空間モード数を減らすので、低損失にて空間モード数を減らすことができ、増幅手段にて高いSNRの電磁波増幅が可能になる。
また、本願の第18の観点に係る発明によれば、請求項16に記載の発明の効果に加えて、入射電磁波の空間モード間のエネルギー比率を変化させるので、空間モード間のエネルギー比率を変化させることができる。これにより、一部の空間モードに多くのエネルギーを集中させることで、擬似的に空間モード数の低減を実現することができる。
さらに、本願の第19の観点に係る発明によれば、請求項16に記載の発明の効果に加えて、モード調整手段に導波路を利用することで、安定度の高い空間モードの変化を実現できる。
また、本願の第20の観点に係る発明によれば、請求項19に記載の発明の効果に加えて、導波路を光ファイバとすることで、長尺な空間モード調整導波路が安定的に実現できる。長尺化することで、断熱的な空間モード調整が可能になり、より低損失な空間モード調整が実現できる。また、光ファイバ化することで空間光学系の微調整などが不要になるため、使用上の自由度が向上する。
さらに、本願の第21の観点に係る発明によれば、請求項20に記載の発明の効果に加えて、光ファイバとして、設計の自由度が非常に高いテーパード光ファイバをモード調整手段として用いることで、検出光の状態に適したモード調整手段を実現することが可能になる。また、テーパードファイバは、比較的容易に作製可能なため、低価格な光検出装置を提供できる。
また、本願の第22の観点に係る発明によれば、請求項19に記載の発明の効果に加えて、屈折率、応力、もしくは温度の揺らぎを意図的に光導波路中に与えることにより、空間モード間のエネルギー比率の変化を誘導することができる。
さらに、本願の第23の観点に係る発明によれば、請求項16に記載の発明の効果に加えて、ファイバ型光増幅器を増幅手段として用いることで、高利得かつ低雑音な光増幅が可能になる。
また、本願の第24の観点に係る発明によれば、請求項23に記載の発明の効果に加えて、ファイバ型光増幅器として希土類添加ファイバ型光増幅器を用いることで、高利得、低雑音そして高効率な光増幅が可能になる。
さらに、本願の第25の観点に係る発明によれば、請求項24に記載の発明の効果に加えて、希土類添加ファイバ型光増幅器として希土類添加フッ化物ファイバ型光増幅器を用いることで、石英系ファイバ型光増幅器では動作できない波長帯域でも光増幅を行うことが可能になる。特に、可視帯での効率的な光増幅が可能になる。
また、本願の第26の観点に係る発明によれば、請求項23に記載の発明の効果に加えて、ファイバ型増幅器として誘導ラマン散乱効果を利用したファイバ型光増幅器を使用することによって、任意の波長領域において光増幅が可能になる。
さらに、本願の第27の観点に係る発明によれば、請求項16に記載の発明の効果に加えて、増幅手段として半導体光増幅器を用いることで、コンパクトかつ低価格な光検出系を構築することが可能になる。
また、本願の第28の観点に係る発明によれば、請求項16に記載の発明の効果に加えて、増幅手段として色素を含む光増幅器を使用することによって、広帯域な信号を増幅することが可能になる。さらに色素の設計次第で、様々な波長での光増幅が可能になる。
さらに、本願の第29の観点に係る発明によれば、請求項16に記載の発明の効果に加えて、入射電磁波の入射するタイミングに応じて、増幅手段が、増幅率を変化させることによって、間欠的な信号光を検出する場合に、その信号光に同期して光増幅器をオン/オフして過剰雑音の混入を防ぐことができる。
また、本願の第30の観点に係る発明によれば、請求項16に記載の発明の効果に加えて、モード調整手段の前に集波手段を用いることで、検出できる入射電磁波の量をより一層高めることができる。
さらに、本願の第31の観点に係る発明によれば、請求項16に記載の発明の効果に加えて、複数の集波手段を備えることによって、複数箇所からの入射電磁波を一括で取得することができ、検出できる入射電磁波の量をより高めることが可能になる。
また、本願の第32の観点に係る発明によれば、請求項31に記載の発明の効果に加えて、複数箇所からの入射電磁波を合波手段でまとめることにより、後段に続くモード調整手段、増幅手段、そして変換手段の数量を減らすことができる。また、複数箇所からの入射電磁波をまとめることで、増幅手段に入力される入射電磁波のエネルギーを増大させることができる。
さらに、本願の第33の観点に係る発明によれば、並列に入射する多モードの入射電磁波を、エネルギーのモード分布を変換して、増幅手段による増幅空間モードと略一致するモードに調整する複数のモード調整手段を、増幅手段及び変換手段の前に配置したので、入射電磁波が散乱された電磁波や波面の乱れた電磁波であっても、信号波を高効率で集めることができ、高速かつ高感度な光検出が可能になる。さらに、複数のモード調整手段から出力される複数の電磁波を合波する合波手段を備えるので、モード数を少なくして合波させることにより、装置全体の動作安定性を更に向上させることができる。
また、本願の第34の観点に係る発明によれば、並列に入射する多モードの入射電磁波を、エネルギーのモード分布を変換して、増幅手段による増幅空間モードと略一致するモードに調整する複数のモード調整手段を、それぞれ対応する増幅手段及び変換手段の前に配置したので、入射電磁波が散乱された電磁波や波面の乱れた電磁波であっても、信号波を高効率で集めることができ、高速かつ高感度な光検出が可能になる。さらに、複数のモード調整手段及びそれに対応する複数の増幅手段を有し、それぞれの増幅手段からの電磁波出力を並列に電気信号に変換することで、同時に画像情報等の複数点の情報を得ることができる。
さらに、本願の第35の観点に係る発明によれば、多モードの入射電磁波を、エネルギーのモード分布を変換して、増幅ステップにおける増幅空間モードと略一致するモードに調整するので、入射電磁波が散乱された電磁波や波面の乱れた電磁波であっても、この入射電磁波を高効率で集めることができ、高速かつ高感度な電磁波の検出が可能になる。
また、本願の第36の観点に係る発明によれば、生体から得られる被検出電磁波を請求項16乃至35のいずれか一項に記載の電磁波検出装置で検出するので、被検出電磁波が散乱された電磁波や波面の乱れた電磁波であっても、これを高効率で集めることができ、高速かつ高感度な電磁波検出による生体観察が可能になる。
さらに、本願の第37の観点に係る発明によれば、請求項16乃至35のいずれか一項に記載の電磁波検出装置を有するので、被検出電磁波が散乱された電磁波や波面の乱れた電磁波であっても、これを高効率で集めることができ、高速かつ高感度な電磁波検出による顕微鏡観察が可能になる。
また、本願の第38の観点に係る発明によれば、請求項16乃至35のいずれか一項に記載の電磁波検出装置を使用するので、被検出電磁波が散乱された電磁波や波面の乱れた電磁波であっても、これを高効率で集めることができ、高速かつ高感度な電磁波検出による内視鏡画像の生成が可能になる。
以下において、本願の第1の観点に係る光学的検査装置を光断層画像生成装置に適用する例について説明する。まず、本願発明に係る光断層画像生成装置の説明に先立ち、本願発明と共に開発した光断層生成装置の参考例について説明する。
(第1参考例)
図23は、本願の第1参考例に係る光断層画像生成装置の基本的構成を示す機能ブロック図である。この光断層画像生成装置は、射出する光の波長を制御可能な波長可変光源部301を有する。波長可変光源部301は、パーソナルコンピュータを有する画像処理部302により、波長制御部303を介して制御し、これにより波長可変光源部301から、図23に示すように、光強度変化が滑らかで、波長が時間的に変化する光を出射させる。
波長可変光源部301は、光分合波部305の一端に接続する。光分合波部305は、波長可変光源部301からの光を2つに分波し、一方は参照光として参照側光伝送部306に入射させ、他方は検査光として検査側光伝送部307に入射させる。参照側光伝送部306に入射させた参照光は、参照側光伝送部306から出射させてレンズ308を経て光反射部309で反射させ、その反射参照光は再びレンズ308を経て参照側光伝送部306を伝搬させて光分合波部305に入射させる。
一方、光分合波部305で分波して検査側光伝送部307に入射させた検査光は、検査側光伝送部307から出射させて、レンズ310を経て生体等の検査対象311に照射する。検査対象311に照射された検査光は、対象表面および内部にて反射・散乱される。この反射・散乱される検査光は、その一部を反射検査光としてレンズ310を経て再び検査側光伝送部307に入射させて、該検査側光伝送部307を伝搬させ、再び光分合波部305へ入射させる。
光分合波部305は、参照側光伝送部306および検査側光伝送部307からそれぞれ入射する反射参照光および反射検査光を合波して、図23に示すような干渉光を生成する。この光分合波部305で生成された干渉光は、光電変換部312で受光して光電変換する。
光電変換部312から出力される光電変換信号は、アナログ信号処理部313に供給し、該アナログ信号処理部313において、光電変換信号の低周波成分を、高周波成分に対して相対的に減衰する。すなわち、アナログ信号処理部313において、例えば、光電変換信号の低周波成分をハイパスフィルタ(High-Pass Filter:HPF)やバンドパスフィルタ(Band-Pass Filter:BPF)により除去したり、高周波成分のみを高周波増幅器により増幅したり、あるいは、低周波成分を低減するとともに高周波成分を増幅したり、する。このアナログ信号処理部313のアナログ出力信号は、アナログ−デジタル(A/D)変換部314でデジタル信号に変換して画像処理部302に供給する。
画像処理部302は、A/D変換部314からのデジタル出力信号をフーリエ変換して、周波数を空間的距離に変換する。したがって、この情報は、検査側光伝送部307から検査対象311に検査光が照射された位置において、各深さで反射・散乱された光信号に対応する。画像処理部302は、検査側光伝送部307から検査対象311へ検査光が照射される位置が変化する毎に、各位置において、上述のように各深さからの情報を得、それらの情報に基づいて検査対象311の断層画像を生成し、表示部315に表示する。
このように、光電変換部312から得られる反射参照光および反射検査光の干渉光の光電変換信号を、A/D変換部314でデジタル信号に変換するのに先立って、アナログ信号処理部313で低周波成分を高周波成分に対して相対的に減衰することにより、検査対象311の深部からの情報を強調することができる。したがって、その後、アナログ信号処理部313のアナログ出力信号を、A/D変換部314でデジタル信号に変換する際に、検査対象311の深部からの情報を、量子化雑音に埋没することなく、高精度でデジタル信号に変換することができるので、断層像の深達度を向上することができる。
次に、第1参考例の具体的な実施の形態について、図を参照して説明する。
図24は、本発明の第1参考例に係る光断層画像生成装置の構成を示す機能ブロック図である。本実施の形態では、波長可変光源部として、周波数領域モード同期レーザ(Fourier domain mode locked laser:FDML)321を用いる。このFDML321は、例えば米国特許第2006/0187537号明細書に開示されているように、半導体光増幅器(semiconductor optical amplifier:SOA)、ファイバ・ファブリ・ペロー型波長可変フィルタ(fiber Fabry-Perot wavelength tunable filter:FFPTF)、光アイソレータ、単一モード光ファイバ(single-mode fiber:SMF)および出力用光ファイバカプラから構成する。SMFは、複数種類使用して、合計長を約4.3kmとし、かつレーザ共振器全体の波長分散はほぼ零になるように構成する。
本実施の形態では、パーソナルコンピュータを有する画像処理部322によりフィルタ制御部323を介して、FDML321のFFPTFを制御し、これによりFDML321から、掃引波長範囲1010nm〜1090nm、繰り返し周波数50kHz、平均光強度約5mWの光を出力する。
FDML321の出力端は、第1ポート24a〜第3ポート24cを有する光サーキュレータ324の第1ポート24aに接続する。光サーキュレータ324は、第1ポート24aから入力された光を、第2ポート24bへ出力し、第2ポート24bに入力された光を第3ポート24cから出力する。
光サーキュレータ324の第2ポート324bは、第1ポート325a〜第4ポート325dを有する光分合波部としての3dBカプラ325の第1ポート325aに接続して、該第1ポート325aに入力された光を、3dBカプラ325により、第3ポート325cおよび第4ポート325dにそれぞれ強度比50:50で分波する。
3dBカプラ325の第3ポート325cは、参照側光伝送部としての単一モード光ファイバ(sigle-mode fiber:SMF)326に接続して、3dBカプラ325で分波された光を参照光としてSMF326に入力する。SMF326には、途中に、偏波制御器327を配置して、参照光の偏波方向を調整する。SMF326を伝搬した参照光は、レンズ328により平行光に変換して空気中に射出し、その射出された参照光を、光減衰器329で所望の光強度に減衰した後、反射鏡330で反射させる。この反射鏡330で反射された参照光は、反射参照光として、再び光減衰器329およびレンズ328を介してSMF326に入射させて、3dBカプラ325の第3ポート325cに入力する。
一方、3dBカプラ325の第4ポート325dは、検査側光伝送部としてのSMF331に接続して、3dBカプラ325で分波された光を検査光としてSMF331に入力する。SMF331を伝搬した検査光は、レンズ332で平行光に変換して空気中に射出し、その射出された検査光を、ガルバノスキャナミラー333で、伝搬方向を二次元的にスキャンして、レンズ334により生体等の検査対象335上に集光させる。なお、ガルバノスキャナミラー333は、画像処理部322によりスキャナドライバ336を介して制御する。検査対象335の表面および内部で反射・散乱された検査光は、反射検査光として、再びレンズ334、ガルバノスキャナミラー333、レンズ332およびSMF331を伝搬させて、3dBカプラ325の第4ポート325dに入力する。
3dBカプラ325の第3ポート325cに入力する反射参照光および第4ポート325dに入力する反射検査光は、3dBカプラ325において干渉させて、干渉光として第1ポート325aおよび第2ポート325bから出力する。ここで、第1ポート325aから出力される干渉光と、第2ポート325bから出力される干渉光とは、逆位相となる。
3dBカプラ325の第1ポート325aから出力される干渉光は、光サーキュレータ324の第2ポート324bおよび第3ポート324cを経て、光電変換部としてのデュアルバランスレシーバ(Dual-balanced receiver)337の第1ポート337aに入力する。また、3dBカプラ325の第2ポート325bから出力される干渉光は、デュアルバランスレシーバ337の第2ポート337bに入力する。これにより、デュアルバランスレシーバ337で、第1ポート337aおよび第2ポート337bにそれぞれ入力する干渉光を光電変換して、直流成分をキャンセルした、干渉成分(交流成分)のみのアナログ信号を得る。デュアルバランスレシーバ337は、電気応答帯域が、例えば80MHzのものを用いる。なお、参照側光伝送部に設けた偏波制御器327は、デュアルバランスレシーバ337から得られるアナログ信号が大きくなるように、すなわち、反射参照光と反射検査光とが適切に干渉するように、参照光の偏波方向を調整する。
デュアルバランスレシーバ337から出力されるアナログ信号は、アナログ信号処理部としてのハイパスフィルタ(HPF)338に入力して低周波成分を除去する。このHPF338からのアナログ出力信号は、増幅器339で約10dB増幅した後、A/D変換部340に入力してデジタル信号に変換する。なお、A/D変換部340は、例えば、14ビット、100MS/sのものを用いる。
A/D変換部340のデジタル出力信号は、画像処理部322に入力する。画像処理部322は、A/D変換部340からのデジタル出力信号をフーリエ変換して電力スペクトルを算出し、その周波数は、FDML321の波長掃引速度から検査対象335の深さ方向の空間的距離に変換し、電力は、検査対象335中の各深度における反射・散乱光強度に変換する。このようにして、画像処理部322は、ガルバノスキャナミラー333の設定値毎、ずなわち、検査対象335への検査光の照射位置毎に、深さ方向の空間的距離−反射・散乱光強度分布を計算して取得し、これらのデータに基づいて検査対象335の断層画像を生成して、モニタ341に表示する。
このように、本実施の形態では、デュアルバランスレシーバ337から得られる反射参照光および反射検査光の干渉光の光電変換信号を、HPF338に入力して低周波成分を除去し、その低周波成分が除去されたアナログ出力信号を増幅器339で増幅してA/D変換部340でデジタル信号に変換するようにしたので、検査対象335の深部からの情報を、量子化雑音に埋没することなく、強調してデジタル信号に変換することができ、断層像の深達度を向上することができる。
(第18実施の形態)
図25は、本発明の第18実施の形態に係る光断層画像生成装置の構成を示す機能ブロック図である。本実施の形態は、第1参考例において、検査対象335から得られる反射検査光を増幅してから、反射参照光と干渉させるようにしたものである。このため、本実施の形態では、図24に示した構成において、光分合波部を、光分波用の3dBカプラ345と、光合波用の3dBカプラ346とにより構成する。以下の説明では、図24に示した要素と同一作用を成す要素には、同一参照符号を付して、詳細な説明を省略する。
図25において、FDML321の出力端は、光分波用の3dBカプラ345の第1ポート345aに接続して、該第1ポート345aに入力するFDML321からの光を、3dBカプラ345により、第3ポート345cおよび第4ポート345dにそれぞれ強度比50:50で参照光と検査光とに分波する。
3dBカプラ345の第3ポート345cは、光サーキュレータ347の第1ポート347aに接続して、3dBカプラ345からの参照光を光サーキュレータ347の第2ポート347bから出力する。また、3dBカプラ345の第4ポート345dは、光サーキュレータ348の第1ポート348aに接続して、3dBカプラ345からの検査光を、光サーキュレータ348の第2ポート348bから出力する。なお、3dBカプラ345の第2ポート345bは、フリーとする。
参照光側の光サーキュレータ347の第2ポート347bは、SMF326に接続して、第2ポート347bから出力される参照光を、第1参考例と同様に、偏波制御器327で偏波方向を調整して、レンズ328および光減衰器329を経て反射鏡330で反射させる。この反射鏡330で反射された反射参照光は、再び光減衰器329およびレンズ328を介してSMF326に入射させて、光サーキュレータ347の第2ポート347bに入力して、該光サーキュレータ347の第3ポート347cから出力する。
一方、検査光側の光サーキュレータ348の第2ポート348bは、SMF331に接続して、第2ポート348bからSMF331を介して出力される検査光を、第1参考例と同様に、レンズ332、ガルバノスキャナミラー333およびレンズ334を経て検査対象335に集光する。また、検査対象335への検査光の照射により、検査対象335で反射・散乱された検査光は、その一部を反射検査光として、再び、レンズ334、ガルバノスキャナミラー333、レンズ332およびSMF331を経て、光サーキュレータ348の第2ポート348bに入力して、該光サーキュレータ348の第3ポート348cから出力する。
本実施の形態では、光サーキュレータ348の第3ポート348cから出力される検査対象335からの反射検査光を、光増幅器351で、例えば10dB増幅する。光増幅器351は、希土類添加光ファイバを用いる希土類添加光ファイバ型光増幅器や、石英系光ファイバを用いるラマン光増幅器等のファイバ型光増幅器、あるいは、半導体光増幅器を用いる。
参照光側の光サーキュレータ347の第3ポート347cは、光合波用の3dBカプラ346の第1ポート346aに接続する。また、検査光側の光サーキュレータ348の第3ポート348cは、光合波用の3dBカプラ346の第2ポート346bに接続する。これにより、光合波用の3dBカプラ346において、第1ポート346aに入力する反射参照光と、第2ポート346bに入力する反射検査光とを干渉させて、第3ポート346cおよび第4ポート346dから出力する。
3dBカプラ346の第3ポート346cおよび第4ポート346dは、デュアルバランスレシーバ337の第1ポート337aおよび第2ポート337bにそれぞれ接続して、デュアルバランスレシーバ337により直流成分をキャンセルした、干渉成分(交流成分)のみのアナログ信号を得る。その他の構成および動作は、第1参考例と同様である。
本実施の形態によれば、検査対象335から得られる反射検査光を、光増幅器351で増幅してから、反射参照光と干渉させるようにしたので、検査対象335の深部からの情報をより高感度で抽出することができ、断層像の深達度を更に向上することができる。
(第19実施の形態)
図26は、本発明の第19実施の形態に係る光断層画像生成装置の構成を示す機能ブロック図である。本実施の形態は、図25に示した第18実施の形態の構成において、光増幅器351と、光合波用の3dBカプラ346の第2ポート346bとの間に、光バンドパスフィルタ(BPF)352を配置する。光BPF352は、例えば、透過波長帯域幅が1nmの誘電体多層膜を有し、入射光軸に対する該誘電体多層膜の角度を変化させることにより、透過中心波長を可変に構成する。この光BPF352は、画像処理部322によりフィルタ制御部353を介して、入射光軸に対する誘電体多層膜の角度を制御して、透過中心波長を、FDML321から出力される掃引波長の時間的変化に同期して変化させる。すなわち、光BPF352の透過中心波長を、FDML321から掃引されて出力される波長と同じ波長となるように制御する。その他の構成および動作は、第18実施の形態と同様であるので、図25に示した要素と同一作用を成す要素には、同一参照符号を付して、詳細な説明を省略する。
このように、本実施の形態では、検査対象335から得られる反射検査光を、光増幅器351で増幅した後、透過波長が可変の光BPF352により、掃引される波長の反射検査光のみを通過させるようにしたので、反射参照光と合波させる反射検査光の低雑音化が可能となる。したがって、検査対象335の深部からの情報を、より高精度で抽出することができる。
なお、第18および第19実施の形態において開示した本願発明は、幾多の変形または変更が可能である。例えば、増幅器339は、デュアルバランスレシーバ337とHPF338との間に配置することができる。また、アナログ信号処理部は、HPF338に限らず、BPFを用いて構成することもできる。さらに、第1〜3実施の形態において、HPF338および増幅器339に代えて、低周波帯域では増幅率が低く、高周波帯域では増幅率が高い高周波増幅器を用いることもできる。
また、上記第18および第19実施の形態で説明したように、本願の第39の観点に係る発明によれば、SSOCTによる反射検査光と反射参照光との干渉光の光電変換信号をアナログ信号処理部に供給し、該アナログ信号処理部で光電変換信号の低周波成分を高周波成分に対して相対的に減衰してから、アナログ−デジタル変換部でデジタル信号に変換して光断層画像を生成するようにしたので、生体等の検査対象の深部からの情報を、量子化雑音に埋没することなく、高精度でデジタル信号に変換でき、断層像の深達度を向上することができる。

Claims (42)

  1. 光発生手段と、該光発生手段から発生された光を検査対象に照射する光照射手段と、該光照射手段による光の照射により前記検査対象から得られる信号光を光電変換する光検出手段とを有し、前記光検出手段の出力に基づいて前記検査対象を検査する光学的検査装置において、
    前記検査対象から得られる信号光を増幅する光増幅手段を設けた、ことを特徴とする光学的検査装置。
  2. 前記光増幅手段は、導波路型光増幅器を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の光学的検査装置。
  3. 前記導波路型光増幅器は、半導体光増幅器からなる、ことを特徴とする請求項2に記載の光学的検査装置。
  4. 前記導波路型光増幅器は、ファイバ型光増幅器からなる、ことを特徴とする請求項2に記載の光学的検査装置。
  5. 前記光増幅手段は、前記信号光として、前記検査対象に照射する光の波長とは異なる波長の光を増幅する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学的検査装置。
  6. 前記光増幅手段は、前記信号光として、前記検査対象から発生する蛍光または燐光を増幅する、ことを特徴とする請求項5に記載の光学的検査装置。
  7. 前記光増幅手段は、前記信号光として、前記検査対象中における非線形光学効果によって発生する光を増幅する、ことを特徴とする請求項5に記載の光学的検査装置。
  8. 前記光増幅手段への前記信号光の入射タイミングに同期して、該光増幅手段の増幅率を制御する増幅率制御手段を有する、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学的検査装置。
  9. 前記光増幅手段は、増幅する光の波長帯域が、入射する前記信号光の波長帯域よりも狭い、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学的検査装置。
  10. 前記光増幅手段の入力側に、該光増幅手段から前記検査対象への戻り光を防止する戻り光防止手段を設けた、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学的検査装置。
  11. 前記光増幅手段と前記光検出手段との間に、前記光検出手段で光電変換する信号光の波長を選択する波長選択手段を設けた、ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学的検査装置。
  12. 前記検査対象と前記光増幅手段とを光学的に共役に結合する光学系を有する、ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の光学的検査装置。
  13. 前記検査対象は生体であり、前記光増幅手段は、前記信号光として、前記生体で変調された光を増幅する、ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の光学的検査装置。
  14. 前記光発生手段はレーザ光を発生する、ことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の光学的検査装置。
  15. 前記光検出手段の出力に基づいて画像を表示する画像表示手段を有し、
    前記光照射手段は、前記検査対象に照射する光を、少なくとも2次元方向に走査する光走査手段を有し、
    前記光検出手段の出力に基づいて、前記光走査手段による前記検査対象の走査領域の画像を前記画像表示手段に表示する、ことを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の光学的検査装置。
  16. 多モードの入射電磁波のモード状態を調整するモード調整手段と、
    前記モード調整手段から出力される前記モード状態が調整された前記電磁波を増幅する増幅手段と、
    前記増幅手段から出力される前記増幅された電磁波を電気信号に変換する変換手段とを備え、
    前記モード調整手段は、前記多モードの入射電磁波を、エネルギーのモード分布を変換して、前記増幅手段による増幅空間モードと略一致するモードに調整するように構成されていることを特徴とする電磁波検出装置。
  17. 前記モード調整手段は、入射電磁波の空間モード数を減らすように構成されていることを特徴とする請求項16に記載の電磁波検出装置。
  18. 前記モード調整手段は、入射電磁波の空間モード間のエネルギー比率を変化させるように構成されていることを特徴とする請求項16に記載の電磁波検出装置。
  19. 前記入射電磁波は光であり、前記モード調整手段は、光導波路で構成されることを特徴とする請求項16に記載の電磁波検出装置検出装置。
  20. 前記光導波路は、光ファイバで構成されることを特徴とする請求項19に記載の電磁波検出装置。
  21. 前記光ファイバは、テーパード光ファイバで構成されることを特徴とする請求項20に記載の電磁波検出装置。
  22. 前記光導波路は、光導波路長手方向に不均一な屈折率分布を有する屈折率分布型導波路で構成されるか、または、光導波路長手方向に不均一な応力分布、若しくは、不均一な温度分布の印加により、前記モード状態の調整を行うように構成されていることを特徴とする請求項19に記載の電磁波検出装置。
  23. 前記入射電磁波は光であり、前記増幅手段は、ファイバ型光増幅器であることを特徴とする請求項16に記載の電磁波検出装置。
  24. 前記ファイバ型光増幅器は、希土類添加ファイバ型光増幅器であることを特徴とする請求項23に記載の電磁波検出装置。
  25. 前記希土類添加ファイバ型光増幅器は、希土類添加フッ化物ファイバ型光増幅器であることを特徴とする請求項24に記載の電磁波検出装置。
  26. 前記ファイバ型光増幅器は、誘導ラマン散乱効果を利用したファイバ型光増幅器であることを特徴とする請求項23に記載の電磁波検出装置。
  27. 前記入射電磁波は光であり、前記増幅手段は、半導体型光増幅器であることを特徴とする請求項16に記載の電磁波検出装置。
  28. 前記入射電磁波は光であり、前記増幅手段は、色素を含む光増幅器であることを特徴とする請求項16に記載の電磁波検出装置。
  29. 前記増幅手段は、前記入射電磁波の入射するタイミングに応じて、増幅率を変化させることを特徴とする請求項16に記載の電磁波検出装置。
  30. 前記電磁波検出手段は、前記モード調整手段の前段に、前記入射電磁波を集波させて前記モード調整手段に入射させる集波手段を備えることを特徴とする請求項16に記載の電磁波検出装置。
  31. 前記電磁波検出手段は、前記モード調整手段の前段に、前記入射電磁波を並列的に集波させて前記モード調整手段に入射させる複数の集波手段を備えることを特徴とする請求項16に記載の電磁波検出装置。
  32. 前記複数の集波手段から出力される複数の電磁波を合波する合波手段を備え、該合波手段から出力される電磁波が前記モード調整手段に入力されることを特徴とする請求項31に記載の電磁波検出装置。
  33. 並列的に入射する多モードの入射電磁波のモード状態をそれぞれ調整する複数のモード調整手段と、
    前記複数のモード調整手段から出力される前記モード状態が調整された複数の電磁波を合波する合波手段と、
    前記合波手段から出力される前記複数の電磁波が合波された電磁波を増幅する増幅手段と、
    前記増幅手段から出力される前記増幅された電磁波を電気信号に変換する変換手段とを備え、
    前記モード調整手段は、前記多モードの入射電磁波を、エネルギーのモード分布を変換して、前記増幅手段による増幅空間モードと略一致するモードに調整するように構成されていることを特徴とする電磁波検出装置。
  34. 並列的に入射する多モードの入射電磁波のモード状態をそれぞれ調整する複数のモード調整手段と、
    前記それぞれのモード調整手段から出力される前記モード状態が調整された複数の前記電磁波を増幅する複数の増幅手段と、
    前記複数の増幅手段のそれぞれから出力される前記増幅された複数の電磁波を並列に電気信号へ変換する並列変換手段とを備え、
    前記モード調整手段は、前記多モードの入射電磁波を、エネルギーのモード分布を変換して、前記増幅手段による増幅空間モードと略一致するモードに調整するように構成されていることを特徴とする電磁波検出装置。
  35. 多モードの入射電磁波のモード状態を調整するモード調整ステップと、
    前記モード状態が調整された前記電磁波を増幅する増幅ステップと、
    前記増幅された前記電磁波を電気信号に変換する変換ステップとを含み、
    前記調整ステップは、前記多モードの入射電磁波を、エネルギーのモード分布を変換して、前記増幅ステップにおける増幅空間モードと略一致するモードに調整することを特徴とする電磁波検出方法。
  36. 電磁波を生体に照射する照射ステップと、
    前記電磁波の照射により前記生体から得られる被検出電磁波を、請求項16乃至35のいずれか一項に記載の電磁波検出装置で検出する検出ステップとを含み、
    前記検出ステップで得られる電気信号に基づいて前記生体を観察することを特徴とする生体観察方法。
  37. 観察試料からの被検出電磁波を検出する顕微鏡であって、
    請求項16乃至35のいずれか一項に記載の電磁波検出装置を有し、
    前記観察試料からの前記被検出電磁波を前記電磁波検出装置により検出するように構成したことを特徴とする顕微鏡。
  38. 体腔内からの被検出電磁波を検出して、前記体腔内を観察する内視鏡であって、
    請求項16乃至35のいずれか一項に記載の電磁波検出装置を有し、
    前記体腔内からの前記被検出電磁波を前記電磁波検出装置により検出するように構成したことを特徴とする内視鏡。
  39. 前記光発生手段からの光を検査光と参照光とに分波して、前記検査光を前記光照射手段により前記検査対象に照射し、前記参照光を光反射部に導くとともに、前記検査光が前記検査対象で反射・散乱されて得られる反射検査光を、前記光増幅手段により増幅し、該増幅された反射検査光と前記参照光が前記光反射部で反射されて得られる反射参照光とを合波して干渉光を生成する光分合波部と、
    前記光検出手段から得られる光電変換信号の低周波成分を、高周波成分に対して相対的に減衰するアナログ信号処理部と、
    前記アナログ信号処理部のアナログ出力信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換部と、
    前記アナログ−デジタル変換部のデジタル出力信号を処理して光断層画像を生成する画像処理部とを備え、
    前記光発生手段は、波長が時間的に変化する光を出射する波長可変光源部であり、
    前記光検出手段は、前記光分合波部で生成された干渉光を受光して光電変換する光電変換部である請求項1に記載の光学的検査装置。
  40. 前記光増幅手段と前記光分合波部との間に、光雑音を除去する光フィルタを設けたことを特徴とする請求項39に記載の光学的検査装置。
  41. 前記光フィルタは、透過中心波長が可変のバンドパスフィルタからなり、前記透過中心波長を、前記波長可変光源部から出射される光の波長の時間的変化と同期して変化させるように構成したことを特徴とする請求項40に記載の光学的検査装置。
  42. 請求項39乃至41のいずれか一項に記載の前記光学的検査装置を有する光断層画像生成装置。
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