JPH09270301A - 抵抗器、その製造方法、それを用いた電子銃構体および電子管 - Google Patents

抵抗器、その製造方法、それを用いた電子銃構体および電子管

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JPH09270301A
JPH09270301A JP7754696A JP7754696A JPH09270301A JP H09270301 A JPH09270301 A JP H09270301A JP 7754696 A JP7754696 A JP 7754696A JP 7754696 A JP7754696 A JP 7754696A JP H09270301 A JPH09270301 A JP H09270301A
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Japan
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insulating substrate
terminal
resistor
electrode
electrode layer
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JP7754696A
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Sadao Matsumoto
貞雄 松本
Yoshihisa Kaminaga
善久 神長
Hiroshi Tokue
寛 徳江
Yoshiaki Ouchi
義昭 大内
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本願の発明は絶縁基板にマイクロクラックを生
じさせることなく端子を絶縁基板に確実に固定すること
ができる信頼性に優れた抵抗器を提供することを課題と
する。 【解決手段】互いに対向する一対の側面の間を貫通する
スルーホール32を有する絶縁基板31と、この絶縁基
板31の一方の側面に形成された抵抗体層34と、絶縁
基板31の一方の側面に抵抗体層34と接続される電極
層33と、絶縁基板31の一方の側面側からスルーホー
ル32に挿通されて絶縁基板31の他方の側面にて押圧
固定される固定部36aおよび電極層と電気的に接続す
る電極接続部36bを有する端子36と、絶縁基板31
の一方の側面に電極層34と重ねて配置され端子36の
電極接続部36aを受ける導電性および衝撃を緩和する
性質を有する座体37と具備することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子管に内蔵される
抵抗器、その製造方法、それを用いた電子銃構体および
電子管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子管例えばカラーテレビジョン
受像機に用いられるカラーブラウン管において、カラー
ブラウン管内の電子銃に供給される電圧には陽極電圧以
外にコンバージェンス電極やフォーカス電極等に供給さ
れる高電圧が必要とされるものがある。この場合、カラ
ーブラウン管のステム部より高電圧を供給すると、耐電
圧の面から問題を生じるので、カラーブラウン管内に電
子銃と共に分圧用の抵抗器を電子管内蔵用抵抗器として
組み込み、この抵抗器によって陽極電圧を分圧して、夫
々の電極に高電圧を供給する方式が採用されている。
【0003】図4はこのような電子管内蔵用抵抗器が組
み込まれたカラーブラウン管の一例を示している。図4
において、1は真空容器であり、この真空容器1に形成
されたネック部1aの内部には電子銃構体Aが配置され
ている。この電子銃構体Aには3個のカソードに対し、
共通に第1グリッド電極G1、第2グリッド電極G2、
第3グリッド電極G3、第4グリッド電極G4、第5グ
リッド電極G5、第6グリッド電極G6、第7グリッド
電極G7、第8グリッド電極G8が順次同軸上に配置さ
れている。グリッド電極G8の後段には、コンバージェ
ンス電極2が配置されている。
【0004】各グリッド電極G1、G2、G3、G4、
G5、G6、G7およびG8は、相互に所定の位置関係
を維持して、ビードガラス3によって機械的に保持され
ている。また、第3グリッド電極G3と第5グリッド電
極G5とは、導線4によって電気的に接続されており、
さらにコンバージェンス電極2は、第8グリッド電極G
8と溶接により電気的に接続されている。
【0005】このような電子銃構体Aには電子管内蔵用
抵抗器5が取付けられている。この抵抗器5には高圧の
電極取出し用の端子6a、6b、6cが設けられ、これ
ら各端子6a、6b、6cは第7グリッド電極G7、第
6グリッド電極G6、第5グリッド電極G5に接続され
ている。
【0006】また、抵抗器5に設けられた取出し端子7
はコンバージェンス電極2と接続され、さらに抵抗器5
に設けられたアース側の取出し端子8はアース電極ピン
9に接続されている。
【0007】一方、真空容器1に形成されたファンネル
部1bの内壁には、前記ネック部1aの内壁まで伸びる
グラファイト導電膜10が被着されており、ファンネル
部1bに設けられた高電圧供給ボタン(陽極ボタンで図
中では示していない)を通じて陽極電圧が供給される。
【0008】そして、コンバージェンス電極2には、導
電ばね11が設けられており、導電ばね11がグラファ
イト導電膜10と接触することにより、コンバージェン
ス電極2、第8グリッド電極G8、および電子管内蔵用
抵抗器5のコンバージェンス端子7に陽極電圧が供給さ
れ、高圧の端子6a、6b、6cに発生する分圧電圧
が、第7グリッド電極G7、第6グリッド電極G6、お
よび第5グリッド電極G5に供給される。
【0009】このカラーブラウン管に内蔵される電子管
内蔵用抵抗器5は、図5ないし図7に示すように構成さ
れている。図5は従来の形態の抵抗器を外表部を形成す
る絶縁層を透過して示す平面図、図6は図5に示す抵抗
器の平面図のC−C′に沿って切断した場合の断面図、
図7は各端子を絶縁基板に固定した部分を拡大して示す
図である。
【0010】すなわち、酸化アルミニウムを主成分とし
た絶縁基板21の表面21aに、例えば酸化ルテニウム
を含む金属酸化物とほう硅酸鉛系のガラスよりなる電極
材料を印刷、乾燥、焼成して形成した5個の端子用電極
層22A〜22Eが間隔を存して形成されている。
【0011】これら各端子用電極層22A〜22Eの間
の絶縁基板21の表面には酸化ルテニウムを含む金属酸
化物とほう硅酸鉛系のガラスよりなる抵抗材料を所定の
抵抗値が得られるような形状で印刷、乾燥、焼成して抵
抗体層23が形成されており、この抵抗体層23は各端
子用電極層22A〜22Eに夫々接続されている。抵抗
体層23は絶縁層24により覆われている。
【0012】図7に示すように絶縁基板21における各
端子用電極層22が形成された部分には、夫々表面21
aと裏面21bに貫通するスルーホール25が形成され
ている。絶縁基板21の両端部に位置する2個の端子用
電極層22A、22Bには、端子26A、26B(図4
の端子7、8に相当する。)が接触して配置されてい
る。また、絶縁基板21において端子26A、26Bに
挟まれて並ぶ3個の端子用電極層22C〜22Eには端
子26C〜26E(図4の端子6a〜6cに相当す
る。)が接触して配置されている。
【0013】各端子26A〜26Eは夫々筒状部26a
と鍔部26bを有しており、各鍔部26bは端子用電極
層22C〜22Eに接触され、各筒状部26aは夫々ス
ルーホール25に挿入されて絶縁基板21の裏面側に突
出されて裏面21bにかしめられている。これにより各
端子26A〜26Eは絶縁基板21に固定されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来の電子管内蔵用抵
抗器において、端子を絶縁基板に固定するためには、前
述したように端子の筒状部を絶縁基板の表面側からスル
ーホールに通し、スルーホールから突出した筒状部の端
部を、応力を加えて押し潰し絶縁基板の裏面上でかしめ
るという構成を採用している。
【0015】しかし、この構成では、端子が絶縁基板の
裏面に衝撃力をもって当り、この結果絶縁基板にマイク
ロクラックを生じることがある。、そして、このマイク
ロクラックが原因となって絶縁基板が欠けたり、破損す
ることがある。マイクロクラックを生じた絶縁基板は信
頼性の点から使用できず、抵抗器を製造する上で歩留ま
りを低下させることになる。
【0016】最近電子銃が小型化するに伴い、電子管内
蔵用抵抗器に対しても絶縁基板を薄肉化することが要求
されている。ところが、このような薄肉の絶縁基板は機
械的強度が低く、端子のかしめによる衝撃力を受けてマ
イクロクラックを生じる割合いが大きい。
【0017】そこで、絶縁基板にマイクロクラックが発
生することを阻止するために、かしめる様に端子に加え
る応力を小さくすると、端子を絶縁基板に固定する強度
が低下し、また端子が絶縁基板の電極層と接触する圧力
が低下して接触不良となり、抵抗器としての重要特性で
ある所定の分割比精度が得られない。
【0018】本願の発明は前記事情に基づいてなされた
もので、絶縁基板におけるマイクロクラックの発生を低
減して端子を絶縁基板に確実に固定することができ、特
に絶縁基板を薄肉化する場合における端子の固定の問題
を解決した信頼性に優れた抵抗器を提供することを課題
とする。
【0019】また、本願の発明は、絶縁基板におけるマ
イクロクラックの発生を低減して端子を絶縁基板に確実
に固定することができる信頼性に優れた抵抗器を製造で
きる製造方法を提供することを課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の抵抗器
は、互いに対向する一対の側面の間を貫通するスルーホ
ールを有する絶縁基板と、この絶縁基板の一方の側面に
形成された抵抗体層と、前記絶縁基板の一方の側面に形
成された前記抵抗体層と接続される電極層と、前記絶縁
基板の一方の側面側から前記スルーホールに挿通されて
前記絶縁基板の他方の側面にて押圧固定される固定部お
よび前記電極層と電気的に接続する電極接続部を有する
端子と、前記絶縁基板の一方の側面に前記電極層と重ね
て配置され前記端子の電極接続部を受ける導電性および
衝撃を緩和する性質を有する座体と具備することを特徴
とする。
【0021】この構成によれば、端子の固定部を絶縁基
板の一方の側面側からスルーホールに通して他方の側面
側へ突出させ固定部に力を加えて押圧変形させることに
より固定される、すなわち固定部を固定するに際して、
端子の固定部に加わる力を絶縁基板で端子の接続部を受
けている座体が受け止める。衝撃を緩和する性質を有す
る座体は、端子の固定部に加わる応力を緩和して端子か
ら絶縁基板に加わる力を低減する。このため、端子の固
定部を絶縁基板に押圧固定するに際して、絶縁基板が端
子に加わる力を受けてマイクロクラックが発生すること
を抑制することができる。
【0022】従って、絶縁基板にマイクロクラックを生
じさせることなく端子を絶縁基板に確実に固定すること
ができる。そして、絶縁基板におけるマイクロクラック
の発生を抑制するために、端子を絶縁基板に押圧固定す
るために端子に加える力を低下する必要がなく、押圧固
定に要する圧力を低下することによる端子固定強度の低
下、および端子と電極層との接触不良という事態の発生
を回避することができる。
【0023】特に絶縁基板を薄肉化した場合にも絶縁基
板にマイクロクラックが発生することを抑制して端子を
固定することが可能となり、絶縁基板を薄肉化する上で
の障害を取り除いて、信頼性のある薄肉の絶縁基板を有
する抵抗器を得ることができる。
【0024】請求項2の発明の抵抗器は、座体を導電性
を有する多孔質体により形成したことを特徴とする。こ
の発明によれば、座体が多孔質体であるため、端子を押
圧固定する際の衝撃および応力を緩衝および緩和するこ
とが可能となり、導電性および緩衝性に優れ、かつ耐久
性および製造性をも優れた座体を得ることができる。
【0025】請求項3の発明の抵抗器は、端子の押圧固
定を、絶縁基板の他方の側面より端子の固定部をかしめ
ることを特徴とする。この発明により、容易に端子を電
極部に固定することができる。
【0026】請求項4の発明の抵抗器の製造方法は、ス
ルーホールを有する絶縁基板の一方の側面に抵抗体層と
電極層を夫々形成し、次いで導電性および衝撃を緩和す
る性質を有する座体を、前記記絶縁基板の一方の側面に
前記電極層と接触して配置し、次いで固定部および電極
接続部を有する端子を用意し、この端子の固定部を前記
絶縁基板の一方の側面側から前記スルーホールに挿通す
るとともに、前記端子の電極接続部を前記座体に重ね、
次いで前記端子の固定部を前記絶縁基板の他方の側面に
て押圧して固定することを特徴とする。
【0027】この発明の製造方法によれば、端子を絶縁
基板にかしめ等により押圧固定するに際して、端子から
絶縁基板へ加わる応力の度合を緩和してマイクロクラッ
クの発生を抑制し、絶縁基板を傷付けることなく端子を
絶縁基板に固定することができる。
【0028】請求項5の発明の電子銃構体は、電子銃
と、前記電子銃に接続された請求項1の発明の抵抗器を
有することを特徴とする。この発明により、信頼性の高
い電子銃構体を得ることができる。
【0029】請求項6の発明の電子管は、請求項1の発
明の抵抗器を有することを特徴とする。この発明によ
り、信頼性の高い電子管を得ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】本願の発明の第一の実施の形態の
一例について図1ないし図3を参照して説明する。図1
は本実施の形態の抵抗器において、外表部を形成する絶
縁層を透過して示す平面図、図2は図1に示す抵抗器の
平面図のA−A´に沿って切断した場合の断面図、図3
は各端子を絶縁基板に固定した部分を拡大して示す図で
あり、図3(a)はその平面図、図3(b)はB−B′
に沿って切断した場合の断面図である。
【0031】図中31は例えば酸化アルミニウムを主成
分として形成された短冊形をなす絶縁基板で、これは図
2に示すように一方の側面が表面31aとされ、他方の
側面が裏面31bとされている。絶縁基板31には後述
する端子36を固定するための断面円形をなす複数のス
ルーホール32が基板長さ方向に並べて形成されてい
る。これらは各スルーホール32は絶縁基板31の表面
31aと裏面31bとの間を貫通するものである。
【0032】絶縁基板31の表面31aには、各スルー
ホール32の開口を囲んで電極層33が夫々形成されて
いる。これら電極層33は例えば酸化ルテニウムを含む
金属酸化物とほう硅酸鉛系のガラスよりなる電極材料を
印刷、乾燥、焼成して形成されている。
【0033】また、絶縁基板31の表面31aには、基
板の長さ方向に延びる抵抗体層34が所定の抵抗値が得
られるような形状で形成されており、この抵抗体層34
の両方の端部および中間部は対向する各電極層33に夫
々接続されている。この抵抗体層34は例えば酸化ルテ
ニウムを含む金属酸化物とほう硅酸鉛系のガラスよりな
る抵抗材料を所定の分割比の抵抗値が得られるような形
状で印刷、乾燥、焼成して形成されている。
【0034】絶縁基板31の表面31aには、抵抗体層
34を覆い且つ電極層33の部分を避けて絶縁層35が
形成されている。この絶縁層35は例えば遷移金属酸化
物とほう硅酸鉛を主成分とする材料を印刷、乾燥、焼成
して形成される。
【0035】絶縁基板31の表面31aには、各スルー
ホール32毎に電極取出し用の端子36が配置されてお
り、この端子36は後述する構成により絶縁基板21に
固定されている。端子36を絶縁基板31に固定する構
成について説明する。
【0036】端子36は、導電性を有するステンレス系
の金属で形成されており、図3に示すように固定部36
aと、電極接続部36bと、リード部36cとが一体に
形成されたものである。固定部36aは円筒状をなすも
ので、絶縁基板31のスルーホール32に挿通して例え
ば、かしめ等により裏面31bへ固定部36bの端部を
押し潰すことにより端子36を絶縁基板31に押圧固定
するものである。このため、固定部36aは、絶縁基板
31のスルーホール32の長さと、かしめに要する長さ
と、電極層33の厚さおよび後述する座体37の厚さの
和に相当する長さとを加えた長さを有し、且つスルーホ
ール32に密に挿入できる外径を有している。
【0037】電極接続部36bは、固定部36aにおけ
るスルーホール挿入側端部とは反対側の端部に形成され
た例えば円板形をなすもので、絶縁基板31の表面31
aに形成した電極層33に外側から接触するようになっ
ている。なお、電極接続部36bの円板は電極層33よ
り小形となっている。
【0038】上記絶縁基板31,電極層33,抵抗体層
34,絶縁層35,端子36を構成する材料および形
成,製造方法は、上記に記載した例に限らず、常法の材
料および形成,製造方法を採用することができる。
【0039】図3において37は座体で、これは絶縁基
板31の表面31aに形成された電極層33と重ねて配
置され,固定部36aをスルーホール33に挿入してか
しめた状態にある端子36の電極接続部36bを受け止
めることにより、電極接続部36bと電極層33とを電
気的に接続するとともに、固定部36aをかしめる時に
端子36から絶縁基板31に加わる衝撃力を緩和して低
減するものである。
【0040】このため、この座体37は導電性および衝
撃を緩和する性質を有する材料で形成されている。座体
37を形成する適切な形態としては導電性を有する多孔
質体が挙げられる。これは、座体を多孔質体で形成する
ことにより、密度が高いものあるいは溶解により得られ
たものに比較し圧縮方向における弾性を有しているため
に、端子を押圧固定する際の衝撃および応力を緩衝およ
び緩和することが可能となり、導電性および緩衝性に優
れ、かつ耐久性および製造性をも優れた座体を得ること
ができるためである。なお、本発明においては、上記多
孔質体に限らず、本発明の目的を達成するための性質を
有しているものであれば何等その形態を限定されるもの
ではない。具体的には、平均粒径が2〜3μmのニッケ
ル微粉末を所定座体形状の治具に充填して水素雰囲気中
で焼結して形成した焼結体、あるいはシート状に焼結し
た焼結体をプレスなどの所定座体形状に切断したものが
挙げられる。なお、ここで前記焼結体としては、焼結時
の温度を低温で焼結あるいは短時間で焼結することによ
り仮焼結の状態である物、いわゆる仮焼体が、本発明の
目的を達成するためには好ましい。その他の座体37を
形成する適切な材料としてはニッケルを主成分とする合
金微粉末が挙げられる。座体37は、電極層33と重ね
て配置されて、端子36の固定部36aをスルーホール
33に挿通することを可能とするために、スルーホール
33に対応した孔を有するリング形をなしている。
【0041】端子36を絶縁基板31に固定するために
は、座体37を絶縁基板31における各電極層33に重
ねて配置する。そして、端子36を絶縁基板31の表面
側に配置して、端子36の固定部36aを絶縁基板31
の表面側からスルーホール32に通して裏面側へ突出さ
せ、固定部36に圧力を加えて裏面側へ突出した固定部
36aを押圧変形させる、すなわち固定部36aを絶縁
基板31の裏面31bにてかしめる。
【0042】ここで、端子36にかしめ時の圧力による
応力が加わると、固定部36aが絶縁基板31に裏面3
1bの外側から強く押圧すると共に、電極接続部36b
が電極層33に表面31aの外側から強く押圧されるこ
とによりやはり絶縁基板31を押圧する。これら絶縁基
板31に加わる応力を、座体37は受け止める。座体3
7は衝撃および応力を緩和する性質を有するので、端子
36の固定部36aが絶縁基板31に加える応力および
電極接続部36bが電極層33に加える応力を緩和し
て、端子36から絶縁基板31に加わる力を低減する。
このため、端子36の固定部36aを絶縁基板31にか
しめるに際して、絶縁基板31が端子36に加わる力を
受けてマイクロクラックが発生することを抑制すること
ができる。
【0043】また、端子36にかしめ時の圧力による応
力を加えると、電極接続部36bが座体37を外側から
押圧して電極層33に接触させる。このため、端子36
の電極接続部36bと絶縁基板31の電極層33とは導
電性を有する座体37を介して電気的に確実に接続され
る。この場合、座体37は電極接続部36bと電極層3
3に均一に接触して電極接続部36bと電極層33が安
定して電気的に接続される。
【0044】このような抵抗器は次に述べる製造方法に
より製造する。まず、酸化アルミニウムを主成分とし、
且つ厚さ0.6mmの薄肉の絶縁基板31を用意する。
この絶縁基板31の表面31aに、酸化ルテニウムを含
む金属酸化物とほう硅酸鉛ガラスよりなる電極ペースト
材を印刷、乾燥、焼成して電極層33を形成する。
【0045】次に、絶縁基板31の表面31aに、ほう
硅酸鉛系のガラスを含むルテニウム系の抵抗ペーストを
スクリーン印刷法により所定の分割比が得られるような
形状に印刷し、さらに乾燥、焼成して抵抗体層34を形
成する。形成された抵抗体層34が抵抗器として要求さ
れる所定の分割比率から外れている場合は、各抵抗部に
設けられているトリミング部34aをサンドブラスト法
などで削って分割比率を調整する。
【0046】次に、端子36の固定部36aを絶縁基板
31のスルーホール32に挿入してかしめて端子36を
絶縁基板31に固定するとともに、電極接続部36bを
絶縁基板31の表面31aの電極層33に接触させる。
次に、絶縁基板31の表面31aに、絶縁基板31およ
び抵抗体層33を覆うように遷移金属酸化物とほう硅酸
鉛を主成分とする材料をスクリーン印刷により所定の形
状に印刷し、さらに乾燥、焼成して絶縁層35を形成す
る。
【0047】こうして製造した得られた抵抗器は全抵抗
値で1000MΩの値を有し、夫々端子部分の分割比率
は、±0.2%の精度であった。ところで、この抵抗器
は、絶縁基板31の表面31aに電極層33と重ねて配
置され端子36の電極接続部36bを受ける導電性およ
び衝撃を緩和する性質を有する座体37を設けている。
このため、端子36の固定部36aを絶縁基板31にか
しめるに際して、絶縁基板31が端子36に加わる応力
を受けてマイクロクラックが発生することを抑制するこ
とができる。
【0048】従って、絶縁基板31にマイクロクラック
を生じさせることなく端子36を絶縁基板31に確実に
固定することができる。そして、絶縁基板31における
マイクロクラックの発生を抑制するために、端子36を
絶縁基板31にかしめるために端子36に加える圧力を
低下する必要がなく、かしめに要する圧力を低下するこ
とによる端子固定強度の低下、および端子と電極層との
接触不良という事態の発生を回避することができる。
【0049】特に絶縁基板31を0.5mm程度に薄肉
化した場合にも,絶縁基板31にマイクロクラックが発
生することを抑制して端子を固定することが可能とな
り、絶縁基板31を薄肉化する上での障害を取り除い
て、信頼性のある薄肉の絶縁基板31を有する抵抗器を
得ることができる。
【0050】そして、座体37が多孔質体であるため、
端子36を絶縁基板31に押圧固定する際の衝撃および
応力を緩衝および緩和することが可能となり、導電性お
よび緩衝性に優れ、かつ耐久性および製造性をも優れた
座体を得ることができる。
【0051】また、この製造方法によれば、端子36を
絶縁基板31にかしめにより固定するに際して、端子3
6から絶縁基板31へ加わる応力の度合を緩和してマイ
クロクラックの発生を抑制し、絶縁基板31を傷付ける
ことなく端子36を絶縁基板31に固定することができ
る。
【0052】このように本実施の形態の抵抗器は、端子
36の固定強度が大であり、および電極層33との電気
的接続が良好で、従来に見られた絶縁基板31のマイク
ロクラックの発生がほとんどなく、高い信頼性を得るこ
とができる。従って、この抵抗器は電子管に内蔵するも
のとして最も適切なものである。
【0053】さらに、前述した製造方法によれば、端子
36を絶縁基板31に固定するに際して、端子36に加
えられた圧力が端子36から絶縁基板31に作用する度
合を緩和して、絶縁基板31にマイクロクラックが生じ
ることを防止して信頼性が高い抵抗器の製造することが
できる。
【0054】上記本発明の抵抗器を、図4に示す電子銃
構体に使用される抵抗器に使用したところ、信頼性の高
い電子銃構体が得られたと共に、さらにこれら本発明の
抵抗器を用いた電子銃構体をカラーブラウン管に使用さ
れる電子銃構体として使用したところ、信頼性の高い電
子管が得られた。
【0055】なお、本願の発明は前述した実施の形態に
限定されるものではなく、種々変形して実施することが
できる。例えば本願発明の抵抗器は、ブラウン管に限ら
ず抵抗器を必要とするその他の電子管にも適用が可能で
ある。
【0056】
【発明の効果】請求項1の発明の抵抗器によれば、端子
の固定部を絶縁基板のスルーホールに通してかしめるに
際して、端子の固定部に加わる応力を絶縁基板で端子の
接続部を受けている座体が受け止める。座体は、衝撃を
緩和する性質を有するために、端子の固定部に加わる衝
撃力を緩和して端子から絶縁基板に加わる応力を低減す
る。このため、端子の固定部を絶縁基板にかしめるに際
して、絶縁基板が端子に加わる力を受けてマイクロクラ
ックが発生することを抑制することができる。
【0057】従って、絶縁基板にマイクロクラックの発
生を抑制して端子を絶縁基板に確実に固定することがで
きる。そして、絶縁基板におけるマイクロクラックの発
生を抑制するために、端子を絶縁基板にかしめるために
端子に加える圧力を低下する必要がなく、かしめに要す
る圧力を低下することによる端子固定強度の低下、およ
び端子と電極層との接触不良という事態の発生を回避す
ることができる。
【0058】特に絶縁基板を薄肉化した場合にも絶縁基
板にマイクロクラックが発生することを抑制して端子を
固定することが可能となり、絶縁基板を薄肉化する上で
の障害を取り除いて、信頼性のある薄肉の絶縁基板を有
する抵抗器を得ることができる。
【0059】請求項2の発明によれば、導電性および緩
衝性に優れ、且つ耐久性および製造性にも優れた座体を
得ることができる。請求項3の発明の抵抗器は、端子の
押圧固定を、絶縁基板の他方の側面より端子の固定部を
かしめることにより、容易に端子を電極部に固定するこ
とができる。
【0060】請求項4の発明の抵抗器の製造方法によれ
ば、端子を絶縁基板にかしめ等により押圧することによ
り固定するに際して、端子から絶縁基板へ加わる応力の
度合を緩和してマイクロクラックの発生を抑制し、絶縁
基板を傷付けることなく端子を絶縁基板に固定すること
ができる。
【0061】請求項5の発明の電子銃構体によれば、請
求項1の発明の抵抗器を電子銃構体に用いることによ
り、信頼性の高い電子銃構体を得ることができる。請求
項6の発明の電子管によれば、請求項1の発明の抵抗器
を電子管用いることにより、信頼性の高い電子管を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第一の実施の形態の抵抗器を絶縁層
から透過して示す平面図。
【図2】同実施の形態の抵抗器を示す断面図。
【図3】同実施の形態において端子を絶縁基板に固定し
た部分を拡大して示す図。
【図4】抵抗器を内蔵した電子管を示す断面図。
【図5】従来の形態の抵抗器を絶縁層から透過して示す
断面図
【図6】同従来の形態の抵抗器を示す断面図
【図7】同従来の形態の抵抗器において端子を絶縁基板
に固定した部分を拡大して示す図。
【符号の説明】
31…絶縁基板、 31a…表面、 31b…裏面、 32…スルーホール、 33…電極層、 34…抵抗体層、 35…絶縁層、 36…端子、 36a…固定部、 36b…電極接続部、 36c…リード部、 37…座体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大内 義昭 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する一対の側面の間を貫通す
    るスルーホールを有する絶縁基板と、この絶縁基板の一
    方の側面に形成された抵抗体層と、前記絶縁基板の一方
    の側面に形成された前記抵抗体層と接続される電極層
    と、前記絶縁基板の一方の側面側から前記スルーホール
    に挿通されて前記絶縁基板の他方の側面にて押圧固定さ
    れる固定部および前記電極層と電気的に接続する電極接
    続部を有する端子と、前記絶縁基板の一方の側面に前記
    電極層と重ねて配置され前記端子の電極接続部を受ける
    導電性および衝撃を緩和する性質を有する座体とを具備
    することを特徴とする抵抗器。
  2. 【請求項2】 座体は導電性を有する多孔質体からなる
    ものである請求項1に記載の抵抗器
  3. 【請求項3】 端子の押圧固定は、絶縁基板の他方の側
    面より端子の固定部をかしめるものである請求項1記載
    の抵抗器。
  4. 【請求項4】 スルーホールを有する絶縁基板の一方の
    側面に抵抗体層と電極層を夫々形成し、次いで導電性お
    よび衝撃を緩和する性質を有する座体を、前記絶縁基板
    の一方の側面に前記電極層と接触して配置し、次いで固
    定部および電極接続部を有する端子を用意し、この端子
    の固定部を前記絶縁基板の一方の側面側から前記スルー
    ホールに挿通するとともに、前記端子の電極接続部を前
    記座体に重ね、次いで前記端子の固定部を前記絶縁基板
    の他方の側面にて押圧して固定することを特徴とする抵
    抗器の製造方法。
  5. 【請求項5】 電子銃と、前記電子銃に接続された請求
    項1の抵抗器を有することを特徴とする電子銃構体。
  6. 【請求項6】 請求項1の抵抗器を有することを特徴と
    する電子管。
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