JPH08505734A - Ｃｒｔ用のグレア防止／静電防止被覆 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、図２および３で最もよく図解される陰極線管（ＣＲＴ）（１０）用の改良グレア防止/静電防止被覆（３２）を考察します。（ＣＲＴ）（１０）用のグレア防止／静電防止被覆（３２）は、ＣＲＴの画板（１４）の外側表面に適用され、浸漬、スピニング、および吹きつけ法で適用されるシラン、水、硫酸、およびアルコール混合物から成る第一の内側吸湿層（３４）を含みます。被覆は更に、第一の内側層の上にスプレーされるアルコール混合物でバランスを保たれたシラン、水、酸、およびカップリング剤から成る第二の外側層（３６）を含みます。接地された第一の内側層は、静電防止用の高導電率を有し、一方ガラス状の特長を有する第二の外側層は、画板の反射率を減少することでグレア防止を提供します。多孔質の被覆として乾燥する第二の外側層は、スクラッチに対する抵抗があり、水蒸気の第一外側吸湿層への侵入を許し、その高導電率を維持することができます。

Description

【発明の詳細な説明】 ＣＲＴ用のグレア防止／静電防止被覆 発明の分野 本発明は、一般に陰極線管（ＣＲＴ）に関連するもので、特にＣＲＴのガラス 画板用のグレア防止および静電気防止の被覆および同画板への適用方法に向けら れます。発明の背景 ＣＲＴのガラス画板は、誘導体物質から成り、ＣＲＴに高電圧が適用される結 果として静電荷が蓄積する際に、キャパシタとして働きます。安全のために、こ の電荷は接地してブリードする必要があります。ＣＲＴの画板には、その表面上 に電荷を放出させるための静電気防止被覆が提供されます。現在使用されている 静電気防止被覆は、一般に３つの異なる方法に基づきます。一つの方法は、ケイ 酸リチウムなどの導電性イオンを被覆に採用します。もう一つの方法は、酸化ス ズなどから成る半導体を採用します。更にもう一つ別の方法は、物質に導電性を 与える水蒸気に吸収する傾向があるイオンを含む吸湿性物質の使用によるもので す。この最後の方法の長所は、低原価があり、ＣＲＴの画板に適用することが容 易なことです。この種の静電防止被覆が直面する問題は、低湿度で起こります。 例えば、低湿度ではブリード抵抗が減少し、ＣＲＴの画板上に大量の電荷の蓄積 を許し、その結果不安定な状態になります。更に、特に相対湿度が低い時、これ らの吸湿性被覆はスクラッチされ易くなります。 もう一つの別のＣＲＴの性能の特長は、そのガラス画板の反射率に関連します 。画板上の反射光でCＲＴによって生成されたビデオ映像の視聴が困難になりま す。反射光の散乱が原因となるＣＲＴ画板のグレアによる映像コントラストのロ スを減らすために、各種の方法が開発されてきました。２つの基本的な方法が、 画板グレアを減少するために採用されてきました。１つは反射防止被覆に関連す る方法で、他はグレア防止被覆を使用する方法です。反射防止被覆はマイナス反 射光 干渉に基づいており、そこでは被覆の表面および被覆の下のガラス表面から生じ る反射光が相殺して、光の反射を最少限にします。この種の被覆の長所は、解像 度のロスは事実上皆無であることですが、短所は指紋に対して高度に敏感である 点です。グレア防止被覆は、反射光の散乱を減少することを目標にします。この 種の被覆は、ビデオ映像の解像度がある程度ロスされる結果になりますが、指紋 に対しては敏感ではありません。 従来の技術は、これら２つの方法を組み合わせて、ＣＲＴの画板に酸化スズの 細かい粒子の層を適用して、グレアおよび静電荷を減少します。酸化スズ粒子は 、直径が約５０ｎｍで、ケイ酸エチルおよびエタノールの溶液中に浮遊していま す。ＣＲＴにグレア防止および／または静電防止の被覆を提供する他の方法は、 米国特許第4,563,612、3,689,312、および4,785,217で開示されています。これ らのおよびその他の従来の技術による方法の主な短所は、ＣＲＴの画板に１層以 上の被覆を準備、処理、適用する費用が比較的高いことです。 本発明は、ＣＲＴのビデオ映像の視聴を改良し、且つより安全なＣＲＴの操作 を提供するために、ＣＲＴの画板の外側表面上で使用する２層のグレア防止／静 電防止被覆を提供することで、従来の技術の前述の限界に取り組みます。発明の目的および概要 従って、本発明の目的は、ＣＲＴの画板用の改良グレア防止／静電防止被覆を 提供することにあります。 本発明のもう一つ別の目的は、グレア防止および静電防止の両方の保護を提供 するＣＲＴのガラス画板の外側表面上に２層の被覆を適用する新しい方法を提供 することです。 本発明の更に別の目的は、静電防止用に高導電率を持つ内側の吸湿層、および スクラッチ抵抗を持ち且つ画板の反射率を減少させると同時にその高導電率を維 持するため、水分の内側層への侵入を許す硬いガラス状の多孔質層から成る多層 被覆を、ＣＲＴ画板に提供することにあります。 本発明のこれらの目的は、ＣＲＴのガラス画板の外側表面上の多層被覆によっ て達成され、且つ従来の技術によるＣＲＴの短所が除かれます。多層被覆は以下 のもので構成されます：画板の外表面上に配置された第一の導電性の接地された 内側の導電性被覆。そこでは外側被覆は吸湿性があり、水蒸気を吸収して内側被 覆の高導電率を維持し、画板上の静電荷を接地へ方向づけます。および、第一の 内側被覆上に配置された第二の硬いガラス状の外側被覆。これは、第一の内側被 覆をスクラッチから保護し、且つ画板からの反射光の散乱を減少させます。第二 の外側被覆には複数の気孔があり、それに水蒸気が侵入して、第一の内側被覆で の高導電率の維持が可能になります。実施例 図１を参照して、本発明の基本に従ってグレア防止／静電防止を組み入れたカ ラーＣＲＴ１０の断面図が表示されています。ＣＲＴ１０は、前面画板、または ディスプレー画面１４、後部ネック部分１８、および中間ロート部分１６から成 る密封されたガラスエンベロープ１２を含みます。ガラス画板１４の内側表面上 に配置されているのが螢光体画面２４です。それは複数の離散型蛍光体デポジッ トまたは素子で構成され、電子ビームがそこに入射する時、傾向体素子が光を放 射し、画板１４上にビデオ映像が生成されます。ＣＲＴのガラスエンベロープ１ ２のネック部分１８に配置されているのが、複数の電子銃２０です。それは、複 数の電子ビーム２２を蛍光体画面２４へ方向づけるため、普通は一列に配列され ています。電子ビーム２２は、簡略化のために図面には表示されていない磁界偏 向ヨークによって、蛍光体画面２４の端から端まで、垂直方向および水平方向に 一致して偏向されます。蛍光体画面２４から間隔を置いて配置されているのが、 シャドーマスク２６です。シャドーマスクは、複数の電子ビーム通過開口２６ａ およびその周辺のスカート部分２８から成ります。シャドーマスクのスカート部 分２８は、シャドーマスクの末端でシャドーマスク取付け具３０に固着されます 。シャドーマスク取付け具３０は、ＣＲＴのガラスエンベロープ１２の内側表面 に取付けられ、図面の簡略化のために表示されていませんが、マスク付着枠およ び取付けスプリングなどの従来の着装および位置設定構造を含む可能性がありま す。熔接物およびガラスベースのフリットなどの従来の手段で、シャドーマスク 取付け具３０をＣＲＴのガラスエンベロープ１２に内表面に着装し、且つシャド ーマ スク２６を取付け具に着装することができます。 本発明に従って、および図２の断面図も参照して、グレア防止／静電防止被覆 ３２は、ＣＲＴのガラス画板１４の外表面に配置されます。ガラス画板１４の内 側表面に配置されるのは、前述の蛍光体画面２４です。グレア防止／静電防止の 被覆３２は、第一の内側静電防止層、または被覆３４、および第二の外側グレア 防止層３６から成ります。第一の内側静電防止層３４の優先的な組成は、シラン １−８重量％（テトラアルキルシラン、テトラアーリルシラン、およびハロゲン 化シランから成る）、水０.１−２０重量％、硫酸０.１−５重量％、およびｎ＝ １から４である一般式Ｃ_nＨ_2n＋１ＯＨによるアルコール混合物で構成され、第 一の静電防止層のバランスを保ちます。第一の内層３４の静電防止の属性は、層 の内部の硫酸の吸湿性から生じるもので、それが水蒸気を吸収し、高導電率を示 します。その反面、第一の内側静電防止層３４内の硫酸によって、それはスクラ ッチされ易くなり、ＣＲＴのガラス画板１４に表示されるビデオ映像の質が低下 します。ＣＲＴの画板１４に効果的な静電防止能力を提供するには、第一の内側 静電防止層３４は、単位領域当たり10⁹ohms（オームメートル）の抵抗率を表示 します。 ＣＲＴのガラス画板１４に第一の内側静電防止層３４を適用する際、先ず画板 を酸化セリウムなどの従来の洗浄剤で洗浄したあと、水で完全に洗います。次に 、画板の外側表面に内側静電防止層３４を適用する前に、画板６０−１００℃の 範囲の温度に予備加熱します。第一の内側静電防止層３４を、浸漬、スピニング 、または吹きつけ法のいずれかの方法で、画板１４に被覆を適用します。第一の 内側静電防止層３４は、画板の周囲に配置された接地インプロージョン保護帯と 接触するように、画板の外側表面に適用されます。もう一つ別の実施例では、伝 導テープを使用して、静電防止層を接地する目的でインプロージョン保護帯に、 第一の内側静電防止層３４を電気的に接続します。静電防止層をインプロージョ ン保護帯に電気的接続するためのインプロージョン保護帯も、または伝導テープ のいずれも、従来の意匠および操作であるため、本発明で使用するために考案さ れた部品としては図面で表示されていません。 第一の内側静電防止層３４を画板の外側表面に適用したあと、被覆された画板 は、室温かまたは６０−１００℃の範囲に保たれた温度で、乾燥し硬化させます 。その後、第二の外側グレア防止層３６は、室温かまたは６０−１００℃の範囲 の温度で、従来の吹きつけ法を使用して、第一の内側静電防止層３４の上に適用 されます。第二の外側静電防止層３６の優先の組成は、重量％で、シラン０.１ −８（テトラアルキルシラン、テトラアーリルシラン、およびハロゲン化シラン を含む）、水０.１−５０、硝酸０.１−３.０、塩酸０.１−７、硫酸０.１−２. ０、有機エポキシ樹脂０.１−２.０、カップリング剤０.１−０.５（ベータ（エ ポキシサイクロヘキシル３、４）エチルトリメトキシシランなど）、およびｎ＝ １から４の場合のＣ_nＨ_2n＝１ＯＨのアルコール混合物で、静電防止層のバラン スが保たれます。第二の外側グレア防止層３６を、第一の内側静電防止層３４の 上に適用したあと、画板および被覆は、１５−６０分間１００−１８０℃の範囲 の温度でポスト焼成されます。被覆された画板はその後、室温になるまで空中冷 却されます。第二の外側グレア防止層３６は、ＣＲＴのガラス画板１４および第 一の内側静電防止層３４からの反射光の散乱を減少し、且つ第一の内側静電防止 層をスクラッチから保護する高度な磨耗抵抗を与えます。 画板１４、静電防止およびグレア防止層３４と３６がポスト焼成される際、第 二外側グレア防止層３６に、図３のグレア防止／静電防止被覆３２の平面図で示 される顕微鏡で見える微細な気孔が形成されます。顕微鏡で見える微細な気孔３ ８により第一内側静電防止層３４の一部が大気に露出され、吸湿性のある静電防 止層が大気から水蒸気を吸収することが可能になります。吸収された水蒸気が、 第一の内側静電防止層３４の高導電率を維持するため、低相対湿度においてさえ も、ＣＲＴの画板１４上の静電荷を効果的に接地します。上記の静電防止層およ びグレア防止層で被覆されたＣＲＴ画板は、約１０⁷−１０⁸ohmsの電気抵抗、お よび４５−５５％の光沢値を提示します。相対湿度２１％の大気で２８８時間に 渡る画板環境テストの後でも、これらの値を得ることができました。電気抵抗率 は９６時間後に安定し、テストを一貫して約１０⁹ohmsにとどまりました。 このように、ＣＲＴの画板の外側表面に適用されたＣＲＴのグレア防止／静電 防止被覆が、静電荷を接地に安全に放出し、且つ画板からの反射光の散乱を減少 させることで、ビデオ映像の視聴が改良されたことが示されました。グレア防止 ／静電防止の被覆は、画板の外側表面上に配置された第一の内側静電防止層、お よび内側静電防止層の上に配置された第二の外側グレア防止層から成ります。第 一の内側静電防止層は、静電防止保護に高導電率を維持するための水蒸気を吸収 する傾向がある吸湿性物質から成ります。第二の外側のグレア防止層は、軟らか い静電防止層を被覆する硬いガラス状被覆を提供して、静電防止層をスクラッチ 傷から保護し且つ画板の反射率を減少させることでグレア防止を提供します。第 二の外側グレア防止層は、硬い多孔質の被覆として乾燥し、スクラッチに抵抗し 、且つ第一の内側吸湿性層に水蒸気の侵入を許してその高導電率を維持します。 本発明の特定の具体化の実施例が示され説明されましたが、更に広範囲にわた る局面で本発明から離れずに各種の偏向および修正を行なうことが可能であるこ とは、この技術の熟練した方々には明白でありましょう。従って、付随の特許請 求における目的は、本発明の真髄および範囲内に当たるそのような全ての変更お よび修正を網羅します。前述の説明および付随の図面で述べられた事柄は、説明 の手段としてのみ提供され、限定として提供されるものではありません。本発明 の実際の範囲の意図することは、従来の技術に基づいて正当な視野で本請求項が 検討される時、特許請求項で定義されます。図面の簡単な説明 付随の特許請求で、発明の特長である要点が説明されます。しかし、発明その ものは、その詳細な目的および長所の他に、付随の図面と共に実施された具体化 例の以下の詳しい説明を参照することで、最もよく理解することができます。図 面では同様の参照文字によって、各種の図面全体を通して同様の要素が認識され ます。 【図１】は、本発明の基本に従って、グレア防止／静電防止被覆を組み入れた カラー陰極線管の断面図です。 【図２】は、本発明に従ってＣＥＲの画板の外側表面上に配置されたグレア防 止／静電防止の被覆を示す部分断面図です。 【図３】は、本発明の創意に富んだグレア防止／静電防止の一部分の簡略化さ れた平面図です。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．以下で構成される多層被覆から成る陰極線管の画板： つまり、該画板の外側表面上に配置された第一の接地された導電性内側被覆 。そこでは内側被覆は、画板上の静電荷を接地へ方向づける該内側被覆の高導電 率を維持するために水蒸気を吸収する吸湿性があります。 および、該第一の内側被覆をスクラッチから保護し、且つ画板からの反射光 の散乱を減少させる第二の硬いガラス状の外側被覆。該第二の外側被覆は、該第 一の内側被覆に水蒸気の侵入を許す複数の気孔を含み、その高導電率を維持しま す。 ２．請求項１の陰極線管画板。そこでは該第一の内側被覆は、硫酸を含み、該第 一の内側被覆に吸湿性を提供します。 ３．請求項２の陰極線管画板。そこでは該第一の内側被覆は、更に、シラン、水 、およびアルコールを含みます。 ４．請求項３の陰極線管画板。そこでは該第一の内側被覆は、シラン１−８重量 ％、水０.１−２０重量％、硫酸０.１−５重量％を含み、且つそこでは該被覆が アルコール混合物によ均衡を保ちます。 ５．請求項４の陰極線管画板。そこでは該シランは、テトラアルキルシラン、テ トラアーリルシラン、およびハロゲン化シランを含み、且つそこでは該アルコー ル混合物はｎ＝１〜４であるＣ_nＨ_2n＋１０Ｈを含みます。 ６．請求項１の陰極線管画板。そこでは該第二の外側被覆は、シラン、水、硝酸 、塩酸、硫酸、有機エポキシ樹脂、カップリング剤、およびアルコール混合物を 含み、該第二の外側被覆の均衡を保ちます。 ７．請求項６の陰極線管画板。そこでは該第二の外側被覆は、シラン０.１−８ 重量％、水０.１−５０重量％、硝酸０.１−３.０重量％、塩酸０.１−７重量％ 、硫酸０.１−２.０重量％、有機エポキシ樹脂０.１−２.０重量％、カップリン グ剤０.１−０.５重量％、およびｎ＝１〜４であるＣ_nＨ_2n＋１０Ｈのアルコー ル混合物を含みます。 ８．請求項７の陰極線管画板。そこでは該シランは、テトラアルキルシラン、テ トラアーリルシラン、およびハロゲン化シランから成り、且つ該カップリング剤 は、ベータ（３，４−エポキシサイクロヘキシル）エチルトリメトキシシランか ら成ります。 ９．グレア防止／静電気防止の被覆を陰極線管（ＣＲＴ）の画板の外側表面に適 用する方法。該方法は以下の手順から成ります： 該画板の外側表面を洗浄します。 第一の高温で該画板を予備加熱します。 導電吸湿被覆の第一層を該画板の外側表面に適用し、且つ該第一層 を中性の接地電位に接続します。そこでは、高導電率を維持するための水蒸気を 吸収する該吸湿性被覆が採用されます。 該第一層を乾燥させる。 第二の高温で該画板を加熱して該第一層に硬いガラス状の第二層を 適用します。そこでは、該ガラス状被覆が該第一層をスクラッチから保護し、且 つ該画板からの反射光の散乱を減少させます。 該画板および画板上の該第一と第二の被覆層を第三の高温で加熱し て、該第一層の高導電率を維持するための水蒸気の侵入を許す気孔を該第二層を 形成します。 10．請求項９の方法。そこでは、該画板の外側表面の洗浄手順は、酸化セリウム で画板を洗浄してから、水で洗い落とします。 11．請求項１０の方法。そこでは、該画板を第一の高温で予備加熱する手順には 、６０〜１００℃の範囲の温度に予備加熱することが含まれます。 12．請求項１１の方法。そこでは、該第一層を乾かすための手順には、該画板を 加熱して、６０〜１００℃の範囲の温度に該画板および第一層を熱することが含 まれます。 13．請求項１２の方法。そこでは、該第二の高温は、６０〜１００℃の範囲にあ ります。 14．請求項１３の方法。そこでは、該画板および該第一および第二の被覆層を第 三の高温に加熱する手順には、１００〜１８０℃の範囲の温度に１５〜６０分間 加熱することが含まれます。 15．請求項１の方法。そこでは、吸湿性被覆の該第一層は、浸漬、スピニング、 または吹きつけ法で適用されます。 16．請求項１５の方法。そこでは、硬いガラス状被覆の該第二層は吹きつけ法で 適用されます。