JP5343733B2 - 感放射線性樹脂組成物およびその用途、誘電体ならびに電子部品 - Google Patents
感放射線性樹脂組成物およびその用途、誘電体ならびに電子部品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5343733B2 JP5343733B2 JP2009152152A JP2009152152A JP5343733B2 JP 5343733 B2 JP5343733 B2 JP 5343733B2 JP 2009152152 A JP2009152152 A JP 2009152152A JP 2009152152 A JP2009152152 A JP 2009152152A JP 5343733 B2 JP5343733 B2 JP 5343733B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- resin composition
- meth
- sensitive resin
- acrylate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
(1)放射線(露光光)に対して高感度で、かつ低温焼成が可能であること。
(2)薄膜であっても高い誘電率および低い誘電正接を有し、かつ解像度および電気絶縁性に優れた誘電体を形成することが可能であること。
クロアルケニレン基を示し、A2はアルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニ
レン基、アリーレン基またはアルキレンアリーレン基を示す。A1およびA2はそれぞれ同一でも異なってもよく、またmが2以上の整数を示す場合、複数あるA1はそれぞれ同一
でも異なってもよい。mは1以上の整数を示す。]
[3]前記(F)成分が、前記(A)成分100重量部に対して、1〜100重量部の範囲で含まれる前記[1]または[2]に記載の感放射線性樹脂組成物。
6]の何れか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
本発明に係る感放射線性樹脂組成物は、(A)フェノール性水酸基を有する重合体(但し、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート由来の構成単位を有する重合体を除く。以下同じ。)と、(B)感放射線性酸発生剤と、(C)架橋剤と、(E)強誘電性無機粒子と、(F)カルボキシル基含有(メタ)アクリレート由来の構成単位を有する重合体とを含有する。
(A)フェノール性水酸基を有する重合体(以下「フェノール樹脂(A)」ともいう。)としては、アルカリ現像液に溶解する性質を有すれば特に限定されない。フェノール樹脂(A)としては、ノボラック樹脂、ヒドロキシスチレンの単独または共重合体、フェノール−キシリレングリコール縮合樹脂、クレゾール−キシリレングリコール縮合樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン縮合樹脂などが挙げられる。
(B)感放射線性酸発生剤(以下「酸発生剤(B)」ともいう。)は、放射線の照射により酸を発生する化合物である。この酸の触媒作用により、フェノール樹脂(A)と架橋剤(C)とが反応し、ネガ型のパターンを形成することができる。
ン酸化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物などが挙げられる。
架橋剤(C)は、フェノール樹脂(A)と反応する架橋成分(硬化成分)として作用する性質を有すれば特に限定されないが、(C1)アルキルエーテル化されたアミノ基を分子中に少なくとも2つ有する化合物(以下「架橋剤(C1)」ともいう。)、(C2)オキシラニル基含有化合物(以下「エポキシ樹脂(C2)」ともいう。)が好ましい。架橋剤(C)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
架橋剤(C1)は、アルキルエーテル化されたアミノ基を分子中に少なくとも2つ有する。架橋剤(C1)は、フェノール樹脂(A)と反応する架橋成分として作用する。架橋剤(C1)中のアルキルエーテル基とフェノール樹脂(A)中のフェノール性水酸基とが脱アルコールを伴って反応して、ネガ型のパターンを形成できる。
を意味する。
る誘電体の耐熱性が低下することがある。架橋剤(C1)の含有量が前記範囲を上回ると、形成される誘電体の解像度や電気絶縁性が低下することがある。
エポキシ樹脂(C2)は、特に限定されないが、例えばオキシラニル基(オキシラン環)を分子中に少なくとも2つ有する化合物である。エポキシ樹脂(C2)もまた、フェノール樹脂(A)と反応する架橋成分として作用する。
本発明に係る感放射線性樹脂組成物の取り扱い性を向上させる、あるいは粘度や保存安定性を調節するため、溶剤(D)を用いることが好ましい。
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテルなどのプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類;
ブチルカルビトールなどのカルビトール類;
乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピルなどの乳酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチルなどの他のエステル類;
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;γ−ブチロラクンなどのラクトン類が挙げられる。
(E)強誘電性無機粒子(以下「無機粒子(E)」ともいう。)は、誘電体形成用材料に用いられる無機粒子であれば特に限定されない。その誘電率は、30以上であることが好ましく、50以上であることがより好ましく、70以上であることがさらに好ましい。無機粒子(E)の誘電率は高い分には問題なく、上限値は特に限定されないが、通常は30000程度である。
ウム系、チタン酸カルシウム系の金属酸化物などが挙げられる。上記チタン系複酸化物の中では、ペロブスカイト型構造の金属酸化物が好ましく、具体的には、チタン酸バリウム系、チタン酸鉛系、チタン酸ストロンチウム系、チタン酸ビスマス系の金属酸化物が挙げられる。特に、チタン酸バリウム系金属酸化物およびチタン酸ストロンチウム系金属酸化物が好ましい。
をいう。
(F)カルボキシル基含有(メタ)アクリレート由来の構成単位を有する重合体(以下「(メタ)アクリレート樹脂(F)」ともいう。)を用いることにより、形成される誘電体の解像度が大幅に向上する。その理由は、(メタ)アクリレート樹脂(F)が無機粒子(E)と相互作用し、キレート配位するためであると推定される。
を有するカルボキシル基含有(メタ)アクリレート由来の構成単位を有する重合体であることがより好ましい。
カルボキシル基含有(メタ)アクリレートは、少なくとも一個、好ましくは一個のカルボキシル基と、少なくとも一個、好ましくは一個の(メタ)アクリロイル基とを分子中に有する化合物である。
よい。mは1以上の整数、好ましくは1〜5の整数を示す。)などが挙げられる。上記二価の有機基(X)の炭素数は、通常は1〜50、好ましくは1〜20である。
・2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマロン酸、
・2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、
・2−(メタ)アクリロイルオキシエチルグルタル酸、
・2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸(o,m,p−体)、
・2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸(o,m,p−体)、
・下記一般式(1a)で表されるカルボキシル基含有(メタ)アクリレート
が挙げられる。
のアルキレン基を示す。
ロアルケニレン基を示し、A2はアルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレ
ン基、アリーレン基またはアルキレンアリーレン基を示す。A1およびA2はそれぞれ同一
でも異なってもよく、またmが2以上の整数を示す場合、複数あるA1はそれぞれ同一で
も異なってもよい。前記アルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、アリーレン基またはアルキレンアリーレン基の炭素数は、通常は1〜20、好ましくは1〜10である。mは1以上の整数、好ましくは1〜5の整数である。
・2−(メタ)アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、
・2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、
・2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロフタル酸、
・2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、
・これらの位置異性体(o,m,p−体)
が挙げられる。
単環式脂肪族炭化水素基を有する単量体としては、シクロアルキル(メタ)アクリレート(例:シクロヘキシル(メタ)アクリレート)、ヒドロキシシクロアルキル(メタ)アクリレート(例:ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート)などが挙げられる。
他の単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル(但し、カルボキシル基含有(メタ)アクリレートおよび単環式脂肪族炭化水素基を有する単量体を除く。);(メタ)アクリル酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボン酸;スチレン、α−メチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニルフタル酸、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸などが挙げられる。他の単量体は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリレート樹脂(F)を製造する際には、重合開始剤を用いることが好ましい。重合開始剤としては、N,N'−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物;4
−アジドベンズアルデヒドなどのアジド化合物;ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、カンファーキノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−[4'−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−
プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのカルボニル化合物;ジt−ブチルパーオキサイド、ジt−ヘキシルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物などが挙げられる。重合開始剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
、形成される誘電体の解像性の観点から好ましい。単環式脂肪族炭化水素基を有するカルボキシル基含有(メタ)アクリレート由来の構成単位の含有量が上記範囲にあると、形成される誘電体の解像性および電気絶縁性の観点から好ましい。
本発明に係る感放射線性樹脂組成物は、フェノール樹脂(A)とは異なる(G)フェノール性低分子化合物(以下「フェノール化合物(G)」ともいう。)を含有することが好ましい。
本発明に係る感放射線性樹脂組成物は、密着助剤(H)を含有することが好ましい。密着助剤(H)としては、シラン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、ジルコネート系カップリング剤などが挙げられる。密着助剤(H)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有するシランカップリング剤をいう。
n−プロピルジエチルメトキシシラン、n−ブチルジエチルメトキシシラン、n−デシルジエチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルメトキシシラン、n−イコサンジエチルメトキシシランなどの飽和アルキルジエチルメトキシシラン類(a=1,m=1,n=2);
n−ブチルジプロピルメトキシシラン、n−デシルジプロピルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルメトキシシラン、n−イコサンジプロピルメトキシシランなどの飽和アルキルジプロピルメトキシシラン類(a=1,m=1,n=3);
n−プロピルジメチルエトキシシラン、n−ブチルジメチルエトキシシラン、n−デシルジメチルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルエトキシシラン、n−イコサンジメチルエトキシシランなどの飽和アルキルジメチルエトキシシラン類(a=1,m=2,n=1);
n−ブチルジプロピルエトキシシラン、n−デシルジプロピルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルエトキシシラン、n−イコサンジプロピルエトキシシランなどの飽和アルキルジプロピルエトキシシラン類(a=1,m=2,n=3);
n−プロピルジメチルプロポキシシラン、n−ブチルジメチルプロポキシシラン、n−デシルジメチルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルプロポキシシラン、n−イコサンジメチルプロポキシシランなどの飽和アルキルジメチルプロポキシシラン類(a=1,m=3,n=1);
n−プロピルジエチルプロポキシシラン、n−ブチルジエチルプロポキシシラン、n−デシルジエチルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルプロポキシシラン、n−イ
コサンジエチルプロポキシシランなどの飽和アルキルジエチルプロポキシシラン類(a=1,m=3,n=2);
n−プロピルメチルジメトキシシラン、n−ブチルメチルジメトキシシラン、n−デシルメチルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジメトキシシラン、n−イコサンメチルジメトキシシランなどの飽和アルキルメチルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n=1);
n−プロピルエチルジメトキシシラン、n−ブチルエチルジメトキシシラン、n−デシルエチルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジメトキシシラン、n−イコサンエチルジメトキシシランなどの飽和アルキルエチルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n=2);
n−ブチルプロピルジメトキシシラン、n−デシルプロピルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジメトキシシラン、n−イコサンプロピルジメトキシシランなどの飽和アルキルプロピルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n=3);
n−プロピルメチルジエトキシシラン、n−ブチルメチルジエトキシシラン、n−デシルメチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジエトキシシラン、n−イコサンメチルジエトキシシランなどの飽和アルキルメチルジエトキシシラン類(a=2,m=2,n=1);
n−ブチルプロピルジエトキシシラン、n−デシルプロピルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジエトキシシラン、n−イコサンプロピルジエトキシシランなどの飽和アルキルプロピルジエトキシシラン類(a=2,m=2,n=3);
n−プロピルメチルジプロポキシシラン、n−ブチルメチルジプロポキシシラン、n−デシルメチルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジプロポキシシラン、n−イコサンメチルジプロポキシシランなどの飽和アルキルメチルジプロポキシシラン類(a=2,m=3,n=1);
n−プロピルエチルジプロポキシシラン、n−ブチルエチルジプロポキシシラン、n−デシルエチルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジプロポキシシラン、n−イコサンエチルジプロポキシシランなどの飽和アルキルエチルジプロポキシシラン類(a=2,m=3,n=2);
n−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−イコサントリメトキシシランなどの飽和アルキルトリメトキシシラン類(a=3,m=1);
n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−イコサントリエトキシシランなどの飽和アルキルトリエトキシシラン類(a=3,m=2);
n−プロピルトリプロポキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n−デシルトリプロポキシシラン、n−ヘキサデシルトリプロポキシシラン、n−イコサントリプロポキシシランなどの飽和アルキルトリプロポキシシラン類(a=3,m=3)が挙げられる
。シランカップリング剤(4)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に係る感放射線性樹脂組成物は、可塑剤、分散剤、充填材、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、現像促進剤、増感剤、レベリング剤などの添加剤を含有してもよい。
本発明に係る感放射線性樹脂組成物は、上記各成分を、混練機(例:ロール混練機、ミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル)を用いて混練することにより調製することができる。本発明に係る感放射線性樹脂組成物は、誘電体形成用材料として好適に用いることができる。
本発明に係る誘電体は、上記感放射線性樹脂組成物から得られる。下記特性を有する誘電体は、上記感放射線性樹脂組成物を用いて、例えば後述する〔誘電体の形成方法〕の記載に従って製造できる。
本発明に係る誘電体は、例えば、[1]上記感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程(塗布工程)、[2]前記塗膜を露光する工程(露光工程)、[3]露光後の前記塗膜を現像してパターン化膜を形成する工程(現像工程)、および[4]前記パターン化膜を加熱処理して誘電体を形成する工程(硬化工程)を有する形成方法に従って製造できる。また、前記各工程中に、乾燥または予備反応の目的で、50〜300℃
の加熱工程を設けてもよい。
塗布工程では、例えば塗布機などを用いて、上記感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する。前記塗布機の好ましい具体例としては、スピナー、スクリーン印刷機、グラビアコート機、ロールコート機、バーコーターが挙げられる。前記基板の好ましい具体例としては、金属スパッタ膜を有するシリコンウエハ;プリント基板;ガラス、アルミナなどからなる板状部材が挙げられる。
露光工程では、上記塗膜を露光する。具体的には、[1]塗布工程において形成された塗膜の表面に、露光用マスクを介して放射線を選択的に照射(露光)し、好ましくは続いて加熱処理(以下、この加熱処理を「PEB」ともいう。)を行うことにより、塗膜にパターンの潜像を形成する。
現像工程では、露光後の上記塗膜を現像してパターン化膜を形成する。具体的には、[2]露光工程において露光、好ましくは続いてPEBされた塗膜を現像することにより、塗膜に形成されたパターンの潜像を顕在化させる。現像工程により、塗膜残留部と塗膜除去部とから構成されるパターン(露光用マスクに対応するパターン)が形成される。
ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニアなどの無機アルカリ性化合物;テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムハイドロキサイド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミンなどの有機アルカリ性化合物などが挙げられる。
硬化工程では、上記パターン化膜を加熱処理して誘電体を形成する。硬化工程により、上記パターン化膜を充分に硬化させることができ、上記特性を有する誘電体硬化物を形成することができる。
本発明に係る誘電体は、上記のように300℃以下という低温で加熱処理して得ることができ、好ましくは誘電率が10.0以上かつ誘電正接が0.1以下である。このため、前記誘電体を用いることにより、薄膜で静電容量の大きなコンデンサなどを形成できる。
重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、下記条件で測定した。
・測定方法:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法
・標準物質:ポリスチレン
・装置:東ソー(株)製、商品名:HLC−8020
・カラム:東ソー(株)製ガードカラムHXL−H、TSK gel G7000HXL、TSK gel GMHXL 2本、TSK gel G2000HXLを順次連結したもの
・溶媒:テトラヒドロフラン
・サンプル濃度:0.7%
・注入量:70μL
・流速:1mL/min
また、パターン化膜および誘電体硬化物の特性については、下記の方法で評価した。
4インチのシリコンウエハ上に実施例および比較例で得られた感放射線性樹脂組成物をスピンコートし、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱し、7μm厚の均一な塗膜を作製した。その後、アライナー(Suss Microtec社製 MA−200e)を用い、高圧水銀灯からの紫外線を波長350nmにおける露光量が100〜2000mJ/cm2となるように、露光用マスクを介して前記塗膜を露光した。
5cm角のSuss製基板上に実施例および比較例で得られた感放射線性樹脂組成物をスピンコートし、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱し、10μm厚の均一な塗膜を作製した。その後、アライナー(Suss Microtec社製 MA−200e)を用い、上記感度評価で最適露光量とした露光量で前記塗膜を露光した。
Rメーター(HP4248A、ヒューレットパッカード製)により1MHzでの誘電率および誘電正接を10点測定して、その平均値を求めた。
図1のように、基板1上にパターン状の銅箔2を有する絶縁性評価用の基材3上に、実施例および比較例で得られた感放射線性樹脂組成物を塗布し、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱し、銅箔2上に10μm厚の塗膜を有する基材を作製した。その後、対流式オーブンを用いて190℃で1時間加熱し、前記塗膜を硬化させて硬化膜を形成した。前記硬化膜が形成された試験基材をマイグレーション評価システム(タバイエスペック社製、型式「AEI,EHS−221MD」)に投入し、温度121℃、湿度85%、圧力1.2気圧、印加電圧5Vの条件で200時間処理した。次いで、この試験基材の抵抗値(Ω)を測定し、下記基準で電気絶縁性を評価した。
AA:1×1011Ω以上
BB:1×1011Ω未満
〔合成例1〕クレゾールノボラック樹脂(A−1)の合成
攪拌機、冷却管および温度計付きの3L三つ口セパラブルフラスコに、混合クレゾール
(m−クレゾール/p−クレゾール=60/40(モル比))840g、37%ホルムアルデヒド水溶液600gおよびシュウ酸0.36gを仕込んだ。
p−t−ブトキシスチレン100部をプロピレングリコールモノメチルエーテル150部に溶解させ、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、N,N'−アゾビスイソブ
チロニトリル4部を用いて10時間重合させた。
メチルメタクリレート30g、ラウリルメタクリレート40g、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロフタル酸(大阪有機化学社製、「ビスコート#2180」)30g、N,N'−アゾビスイソブチロニトリル5gをプロピレングリコールモノメチルエー
テル50gと混合・攪拌し、均一なアクリルモノマー溶液を得た。
合成例3において、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロフタル酸に代えてメタクリル酸を用いたこと以外は合成例3と同様にして、Mw=13000の(メタ)アクリレート樹脂(FR−1)を得た。
フェノール樹脂(A)、酸発生剤(B)、架橋剤(C)、溶剤(D)、無機粒子(E)、(メタ)アクリレート樹脂(F)、フェノール化合物(G)および密着助剤(H)をそれぞれ表1に示す量で秤量し、ビーズミルで混練した後、ステンレスメッシュ(500メッシュ)でフィルタリングすることにより、感放射線性樹脂組成物を調製した。前記感放射線性樹脂組成物を用いて、上記評価1〜3を行った。評価結果を表2に示す。
A−1:m−クレゾール/p−クレゾール=60/40(モル比)のクレゾールノボラック樹脂(Mw=6500、クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂)
A−2:p−ヒドロキシスチレン単独重合体(Mw=10000、Mw/Mn=3.5)
<酸発生剤(B)>
B−1:スチリル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
<架橋剤(C1)>
C1−1:ヘキサメトキシメチル化メラミン
(三井サイテック(株)製、商品名:サイメル300)
<エポキシ樹脂(C2)>
C2−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:EP−828)
<溶剤(D)>
D−1:乳酸エチル
D−2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<無機粒子(E)>
E−1:チタン酸ストロンチウム(ペロブスカイト型構造、誘電率=330、体積平均粒子径=500nm、日本化学工業(株)製)
<カルボキシル基含有(メタ)アクリレート樹脂(F)>
F−1:合成例3で合成した(メタ)アクリレート樹脂(Mw=15000)
FR−1:合成例4で合成した(メタ)アクリレート樹脂(Mw=13000)
<フェノール化合物(G)>
G−1:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタン
<密着助剤(H)>
H−1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(チッソ(株)製、商品名:S−510)
2・・・銅箔
3・・・絶縁性評価用の基材
Claims (13)
- (A)フェノール性水酸基を有する重合体(但し、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート由来の構成単位を有する重合体を除く。)と、
(B)感放射線性酸発生剤と、
(C)架橋剤と、
(E)強誘電性無機粒子と、
(F)カルボキシル基含有(メタ)アクリレート由来の構成単位を有する重合体と
を含有する感放射線性樹脂組成物。 - 前記(F)成分が、前記(A)成分100重量部に対して、1〜100重量部の範囲で含まれる請求項1または2に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 前記(A)成分として、ノボラック樹脂を少なくとも含有する請求項1〜3の何れか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 前記(C)成分として、
(C1)アルキルエーテル化されたアミノ基を分子中に少なくとも2つ有する化合物と、(C2)オキシラニル基含有化合物と
を少なくとも含有する請求項1〜4の何れか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。 - 前記オキシラニル基含有化合物(C2)が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である請求項5に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 前記(E)成分が、チタン系金属酸化物からなる無機粒子である請求項1〜6の何れか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 前記チタン系金属酸化物からなる無機粒子が、ペロブスカイト型構造の金属酸化物からなる無機粒子である請求項7に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 前記(E)成分の体積平均粒子径が、0.01〜3.0μmである請求項1〜8の何れか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
- (G)フェノール性低分子化合物
をさらに含有する請求項1〜9の何れか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。 - 誘電体形成用材料である請求項1〜10の何れか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 請求項1〜11の何れか1項に記載の感放射線性樹脂組成物から得られる誘電体。
- 請求項12に記載の誘電体を有する電子部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009152152A JP5343733B2 (ja) | 2009-06-26 | 2009-06-26 | 感放射線性樹脂組成物およびその用途、誘電体ならびに電子部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009152152A JP5343733B2 (ja) | 2009-06-26 | 2009-06-26 | 感放射線性樹脂組成物およびその用途、誘電体ならびに電子部品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011008074A JP2011008074A (ja) | 2011-01-13 |
JP5343733B2 true JP5343733B2 (ja) | 2013-11-13 |
Family
ID=43564809
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009152152A Expired - Fee Related JP5343733B2 (ja) | 2009-06-26 | 2009-06-26 | 感放射線性樹脂組成物およびその用途、誘電体ならびに電子部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5343733B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013122208A1 (ja) * | 2012-02-17 | 2013-08-22 | 日立化成株式会社 | 感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法及び電子部品 |
JP6048670B2 (ja) * | 2013-03-27 | 2016-12-21 | Jsr株式会社 | 感放射線性樹脂組成物 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4062087B2 (ja) * | 2002-01-28 | 2008-03-19 | Jsr株式会社 | 感光性誘電体形成用組成物、転写フィルム、誘電体および電子部品 |
JP2006309202A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-11-09 | Toray Ind Inc | 感光性樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 |
JP2007328090A (ja) * | 2006-06-07 | 2007-12-20 | Fujifilm Corp | 感光性組成物、感光性フィルム、パターン形成方法、及びプリント基板 |
JP4748324B2 (ja) * | 2007-03-22 | 2011-08-17 | Jsr株式会社 | 感放射線性樹脂組成物、層間絶縁膜およびマイクロレンズならびにそれらの製造方法 |
-
2009
- 2009-06-26 JP JP2009152152A patent/JP5343733B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011008074A (ja) | 2011-01-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5195428B2 (ja) | ネガ型感光性絶縁樹脂組成物及びその硬化物並びにそれを備える回路基板 | |
JP5077023B2 (ja) | 接着方法およびそれに用いられるポジ型感光性接着剤組成物、並びに電子部品 | |
JP4640037B2 (ja) | ポジ型感光性絶縁樹脂組成物およびその硬化物 | |
JP5035240B2 (ja) | 感放射線性絶縁樹脂組成物 | |
US20040110084A1 (en) | Photosensitive insulating resin composition and cured product thereof | |
JP5163494B2 (ja) | 感放射線性絶縁樹脂組成物、硬化体、及び電子デバイス | |
JP5093116B2 (ja) | 絶縁膜形成用感光性樹脂組成物及びその硬化膜並びにそれを備える電子部品 | |
JP2009047761A (ja) | ポジ型感光性絶縁樹脂組成物、その硬化物および回路基板 | |
JP2008077057A (ja) | 感光性絶縁樹脂組成物及びその硬化物並びにそれを備える電子部品 | |
JP2012256023A (ja) | 感光性組成物、硬化膜および電子部品 | |
US7214454B2 (en) | Positively photosensitive insulating resin composition and cured object obtained therefrom | |
JP4692219B2 (ja) | ポジ型感光性絶縁樹脂組成物およびその硬化物 | |
JP5176768B2 (ja) | ポジ型感光性絶縁樹脂組成物 | |
JP4106972B2 (ja) | 感光性誘電体形成用組成物、誘電体および電子部品 | |
JP2006154780A (ja) | ポジ型感光性絶縁樹脂組成物およびその硬化物 | |
JP4821602B2 (ja) | ネガ型感光性絶縁樹脂組成物およびその硬化物 | |
JP5531617B2 (ja) | 電極形成方法及び電極 | |
JP5343733B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物およびその用途、誘電体ならびに電子部品 | |
JP5493519B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物およびその用途、誘電体ならびに電子部品 | |
JP2003215795A (ja) | ポジ型感光性絶縁樹脂組成物およびその硬化物 | |
JP5402205B2 (ja) | 誘電体形成用感放射線性組成物、誘電体、誘電体の形成方法および電子部品 | |
JP2007056109A (ja) | 感光性絶縁樹脂組成物およびその硬化物 | |
JP5251471B2 (ja) | ポジ型感光性絶縁樹脂組成物及びその硬化物 | |
JPWO2018164233A1 (ja) | 感光性エレメント、半導体装置及びレジストパターンの形成方法 | |
JP2008163411A (ja) | 金属薄膜形成方法及び電子部品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20120228 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120406 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130716 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130729 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5343733 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |