JP2007056109A - 感光性絶縁樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

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淳史 伊藤
Kenichi Yokoyama
健一 横山
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伸一郎 岩永
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Abstract

【課題】 半導体素子の層間絶縁膜、表面保護膜などの用途に適した感光性絶縁樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 (A)下記式(1)で示される構造単位および下記式(2)で示される構造単位を含有する共重合体
Figure 2007056109

(B)アルキルエーテル化されたアミノ基を含有する化合物(B1)および/またはエポキシ基を含有する化合物(B2)、(C)光感応性酸発生剤、(D)溶剤、(E)密着助剤、ならびに(F)架橋微粒子を含有することを特徴とする感光性絶縁樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体素子などの表面保護膜(オーバーコート膜)や層間絶縁膜(パッシベーション膜)などに用いられる感光性絶縁樹脂組成物およびそれを硬化してなる絶縁性硬化物に関する。より詳細には、永久膜レジストとして解像性に優れているとともに、電気絶縁性、熱衝撃性、密着性等の特性に優れた硬化物、およびそのような硬化物が得られる感光性絶縁樹脂組成物に関する。
従来、電子機器の半導体素子に用いられる層間絶縁膜、表面保護膜などには、耐熱性、機械的特性などに優れたポリイミド系樹脂やポリベンゾオキサゾール系樹脂が広く使用されていた。また、生産性の向上や膜形成精度の向上などのために、感光性を付与した感光性ポリイミドや感光性ポリベンゾオキサゾール系樹脂の検討が数多くなされている。たとえば、特許文献1(特開平5−5996号公報)や特許文献2(特開2000−98601号公報)などには、ポリイミド前駆体とキノンジアジド化合物とからなるポジ型感光性樹脂組成物が記載されており、特許文献3(特開平11−237736号公報))などには、ポリベンゾオキサゾール前駆体とキノンジアジド化合物とからなるポジ型感光性樹脂組成物が記載されている。また、ポリイミド前駆体にエステル結合またはイオン結合により光架橋基を導入したネガ型感光性樹脂組成物も実用化されている。しかしながら、これらの感光性樹脂組成物は、硬化後の膜減り(体積収縮率)や硬化時の多段階ベークの必要性、雰囲気制御などの問題点を抱えており、工業的には実施しにくいという問題が指摘されている。
さらに、特許文献4(特開2001−33964号公報)などにはポリフェニレンオキシド系樹脂を用いたネガ型感光性絶縁樹脂組成物も記載されている。しかしながら、この感光性絶縁樹脂組成物は、解像度、電気絶縁性、熱衝撃性、密着性など各性能のバランスの点で問題があった。
そこで、上記のような問題点を解決するために、ノボラック樹脂やポリヒドロキシスチレンなどのフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂を用いた感光性絶縁樹脂組成物が提案されている(たとえば、特許文献5(特開2002−139835号公報)、特許文献6(特開2003−215802号公報)、特許文献7(特開平5−45879号公報)、特許文献8(特開平6−130666号公報)および特許公報9(特開平7−146556号公報))。これらの樹脂組成物で用いられているアルカリ可溶性樹脂は、アルカリ水溶液による現像を可能にするために使用されているものである。たとえば、特許文献5および6には、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂を用いて形成された膜がアルカリ水溶液による十分な現像性を有することは記載されている。また、アルカリ可溶性樹脂の分子量が、得られる絶縁膜の解像性、熱衝撃性、耐熱性に影響を及ぼすことも示唆されている。しかしながら、これらの特許文献には、上記特性以外の特性をアルカリ可溶性樹脂により改善できることは示唆されておらず、まして、アルカリ可溶性樹脂の種類による効果については何ら示唆されていない。特に、電気絶縁性については架橋剤の量によりコントロールすること、熱衝撃性については架橋微粒子を添加して改善することが記載されている。しかしながら、従来の感光性樹脂組成物では、架橋微粒子を添加しても熱衝撃性がわずかに向上する程度であった。
特開平5−5996号公報 特開2000−98601号公報 特開平11−237736号公報 特開2001−33964号公報 特開2002−139835号公報 特開2003−215802号公報 特開平5−45879号公報 特開平6−130666号公報 特開平7−146556号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、解像度、電気絶縁性、熱衝撃性、密着性等の特性に優れた硬化物を提供することを目的としている。また、このような硬化物を得ることができ、半導体素子の層間絶縁膜、表面保護膜などの用途に適した感光性絶縁樹脂組成物を提供することも目的としている。
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意研究し、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂の中でも、特定の構造および構成比を有する樹脂を感光性絶縁樹脂組成物に使用することによって、得られた硬化物の電気絶縁性および熱衝撃性が著しく向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る感光性絶縁樹脂組成物は、(A)下記式(1)で示される構造単位(A1)10〜99モル%および下記式(2)で示される構造単位(A2)90〜1モル%を含有する共重合体(ただし、該共重合体(A)を構成する全構造単位の合計を100モル%とする)
Figure 2007056109
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基またはアリール基を表し、R2は、水素原子またはメチル基を表し、mは1〜3の整数、nは0〜3の整数であり、m+n≦5である)
Figure 2007056109
(式中、R3は炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基またはアリール基を表し、R4は、水素原子またはメチル基を表し、kは0〜3の整数である)、(B)アルキルエーテル化されたアミノ基を含有する化合物(B1)および/またはエポキシ基を含有する化合物(B2)、(C)光感応性酸発生剤、(D)溶剤、(E)密着助剤、ならびに(F)架橋微粒子を含有することを特徴とする。
前記共重合体(A)は、前記構造単位(A1)10〜99モル%および前記構造単位(A2)90〜1モル%のみからなる(ただし、前記構成単位(A1)と(A2)との合計を100モル%とする)ことが好ましい。
前記構造単位(A2)は、下記式(2’)で示されることが好ましい。
Figure 2007056109
前記共重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は2,000〜200,000の範囲にあり、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は1.0〜10.0の範囲にあることが好ましい。
前記感光性絶縁樹脂組成物は、さらに、フェノール化合物(a)を含有することガ好ましく、前記共重合体(A)100重量部に対して、前記フェノール化合物(a)の含有量が1〜200重量部であることが好ましい。
前記共重合体(A)と前記フェノール化合物(a)との合計100重量部に対して、前記アルキルエーテル化されたアミノ基を含有する化合物(B1)と前記エポキシ基を含有する化合物(B2)との合計含有量は1〜100重量部、前記光酸発生剤(C)の含有量は0.1〜10重量部であることが好ましい。
前記架橋微粒子(F)は、その平均粒子径が30〜500nmであり、該架橋微粒子(F)を構成する共重合体の少なくとも1つのガラス転移温度が0℃以下であることが好ましく、該架橋微粒子(F)を構成する共重合体はスチレン−ブタジエン系共重合体であることが好ましい。
前記共重合体(A)と前記フェノール化合物(a)との合計100重量部に対して、前記架橋微粒子(F)の含有量は0.1〜50重量部であることが好ましい。
本発明に係る硬化物は、前記感光性絶縁樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする。
前記硬化物は、(i)マイグレーション試験後の抵抗値が1010Ω以上であり、かつ(ii)−65℃/30分〜150℃/30分を1サイクルとする冷熱衝撃試験において、硬
化膜にクラックが発生するまでのサイクル数が、1000サイクル以上であることが好ましい。
本発明に係る感光性絶縁樹脂組成物を用いると、解像度、絶縁性、熱衝撃性、密着性などに優れた硬化物を形成することができ、この硬化物は、半導体素子の層間絶縁膜、表面保護膜などの永久膜レジストとして有用である。
以下、本発明にかかる感光性絶縁樹脂組成物およびその硬化物について具体的に説明する。
〔感光性絶縁樹脂組成物〕
本発明に係る感光性絶縁樹脂組成物は、(A)上記式(1)で示される構造単位(A1)10〜99モル%および上記式(2)で示される構造単位(A2)90〜1モル%を含有する共重合体(ただし、該共重合体(A)を構成する全構造単位の合計を100モル%とする)、(B)アルキルエーテル化されたアミノ基を含有する化合物(B1)および/またはエポキシ基を含有する化合物(B2)、(C)光感応性酸発生剤、(D)溶剤、(E)密着助剤、ならびに(F)架橋微粒子を含有する。また、前記感光性絶縁樹脂組成物は、必要に応じて、フェノール化合物(a)、増感剤、レベリング剤などのその他添加剤などを含有することもできる。
(A)共重合体:
本発明に用いられる共重合体(A)は、上記式(1)で示される構造単位(A1)および上記式(2)で示される構造単位(A2)を含有し、アルカリ溶解性を示す共重合体である。
このような共重合体(A)は、たとえば、上記式(1)で示される構造単位(A1)を形成し得るモノマーと、上記式(2)で示される構造単位(A2)を形成し得るモノマーとを共重合させることによって得ることができる。
上記式(1)で示される構造単位(A1)を形成し得るモノマーとしては、下記式(3)で表されるモノマーが挙げられる。
Figure 2007056109
(式中、R1は炭素数1〜4であり、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基を表し
、R2は、水素原子またはメチル基を表す。mは1〜3の整数、nは0〜3の整数であり
、m+n≦5である。)
具体的には、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、m−イソプロペニルフェノール、o−イソプロペニルフェノールなどのフェノール性水酸基を有する芳香族ビニル化合物が挙げられ、このうち、p−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノールが好ましく用いられる。
これらのモノマーは、それぞれ1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、構造単位(A1)を形成しうるモノマーとして、上記式(3)で表されるモノマーの水酸基を、たとえば、t−ブチル基、アセチル基などで保護したモノマーを用いることもできる。このようなモノマーを用いて共重合した場合、得られた共重合体を、公知の方法、たとえば酸触媒下で脱保護し、t−ブチル基、アセチル基などの保護基をヒドロキシル基に変換することにより構造単位(A1)を有する共重合体(A)を得ることができる。
上記式(2)で示される構造単位(A2)を形成し得るモノマーとしては、下記式(4)で表されるモノマーが挙げられる。
Figure 2007056109
(式中、R3は炭素数1〜4であり、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基を表し
、R4は、水素原子またはメチル基を表す。kは0〜3の整数である。)
具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレンなどの芳香族ビニル化合物が挙げられ、このうち、スチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレンが好ましく、スチレンが特に好ましい。
これらのモノマーは、それぞれ1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、本発明では、前記共重合体(A)は、優れた電気絶縁性を示す硬化物が得られる点で、実質的に前記構成単位(A1)および前記構成単位(A2)のみからなることが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で、前記構造単位(A1)を形成し得るモノマーおよび前記構造単位(A2)を形成し得るモノマーに加えて、その他のモノマーを共重合させることもできる。
このようなその他のモノマーとしては、たとえば、脂環式骨格を有する化合物、不飽和カルボン酸類またはその酸無水物類、不飽和カルボン酸のエステル類、不飽和ニトリル類、不飽和アミド類、不飽和イミド類、不飽和アルコール類などが挙げられる。
より具体的には、たとえば、脂環式骨格を有する化合物としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(ノルボルネン)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
ドデカ−3−エン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン等;
不飽和カルボン酸類としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸等;
不飽和カルボン酸のエステル類としては、前記不飽和カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、i−プロピルエステル、n−ブチルエステル、i−
ブチルエステル、sec−ブチルエステル、t−ブチルエステル、n−アミルエステル、n−ヘキシルエステル、シクロヘキシルエステル、2−ヒドロキシエチルエステル、2−ヒドロキシプロピルエステル、3−ヒドロキシプロピルエステル、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルエステル、ベンジルエステル、イソボロニルエステル、トリシクロデカニルエステル、1−アダマンチルエステル等;
不飽和ニトリル類としては、(メタ)アクリロニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル、メサコンニトリル、シトラコンニトリル、イタコンニトリル等;
不飽和アミド類としては、(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド;
不飽和イミド類としては、マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等;
不飽和アルコール類としては、(メタ)アリルアルコール等
が挙げられる。さらに、N−ビニルアニリン、ビニルピリジン類、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾールなども挙げられる。
これらのモノマーは、それぞれ1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明に用いられる共重合体(A)は、これを構成する全構造単位の合計を100モル%とすると、前記構造単位(A1)が10〜99モル%であり、好ましくは20〜97モル%であり、より好ましくは30〜95モル%であり、前記構造単位(A2)が90〜1モル%であり、好ましくは80〜3モル%であり、より好ましくは70〜5モル%である。構造単位(A1)および(A2)が上記範囲にあると良好なパターニング特性(高解像度)を示し、得られた硬化物も著しく優れた熱衝撃性を示す。また、その他のモノマーを共重合させた場合、その他のモノマーから導かれる構成単位は、共重合体(A)を構成する全構成単位の合計を100モル%とすると、50モル%以下が好ましく、25モル%以下が好ましい。
前記共重合体(A)において、前記構造単位(A1)と前記構造単位(A2)と、前記その他のモノマーから形成される構造単位との配列は特に限定されるものではなく、共重合体(A)はランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれでも構わない。
共重合体(A)が前記構造単位から構成され、特に前記構造単位(A2)が上記式(2’)で示される構造単位であり、かつ各構造単位の含有量が上記範囲にあると、解像度、電気絶縁性、熱衝撃性、密着性等の諸特性に優れた硬化物、特に電気絶縁性および熱衝撃性が共に優れた硬化物を形成することができる。
共重合体(A)の分子量は特に限定されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、たとえば200,000以下、好ましくは2,000〜200,000、さらに好ましくは2,000〜10,000である。また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は1.0〜10.0が好ましく、1.0〜8.0がより好ましい。Mwが上記下限未満では硬化物の耐熱性や伸びなどの物性が低下することがあり、上記上限を超えると他の成分との相溶性が低下したり、パターニング特性が低下することがある。また、Mw/Mnが上記上限を超えると硬化物の耐熱性が低下したり、他成分との相溶性が低下したり、パターニング特性が低下することがある。なお、MnおよびMwは、東ソー社製GPCカラム(G2000HXL:2本、G3000HXL:1本)を用い、流量:1.0ml/分、溶出溶剤:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準物質として示差屈折計により測定した。
上記共重合体(A)は、構造単位(A1)を形成しうるモノマーまたはその水酸基を保護したモノマーと、構造単位(A2)を形成しうるモノマーと、必要に応じてその他のモノマーとを開始剤の存在下、溶剤中で重合させることにより得ることができる。重合方法は特に限定されるものではないが、上記範囲の分子量を有する共重合体を得るためにはラジカル重合またはアニオン重合などが好適に用いられる。
通常、構造単位(A1)を形成しうるモノマーとしては、水酸基が保護されたモノマーを用いる。水酸基が保護されたモノマーを用いた場合、重合後に、溶媒中、塩酸、硫酸などの酸触媒下、温度50〜150℃で1〜30時間反応させて脱保護することにより、水酸基が保護された構造単位がフェノール性水酸基を含有する構造単位(A2)に変換される。
本発明に係る感光性絶縁樹脂組成物において、上記共重合体(A)は、樹脂組成物全体(溶媒(D)を含む)に対して、通常5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%である。共重合体(A)の量が上記範囲にあると、組成物の取り扱い性が良好であり、容易に硬化物を形成することができる。
(フェノール化合物(a))
本発明に係る感光性絶縁樹脂組成物において、共重合体(A)のアルカリ溶解性が不十分な場合には、上記共重合体(A)以外のフェノール性水酸基を有する化合物(以下、「フェノール化合物(a)」という。)を併用することができる。
前記フェノール化合物(a)としては、前記共重合体(A)以外のフェノール性水酸基を有する樹脂(以下、「フェノール樹脂」という)、フェノール性水酸基を有する低分子量化合物などが挙げられる。
前記フェノール樹脂としては、フェノール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、フェノール−ナフトール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、ヒドロキシスチレン単独重合体などが挙げられる。
前記フェノール性水酸基含有低分子量化合物としては、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,3−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどが挙げられる。
上記フェノール樹脂とフェノール性水酸基含有低分子量化合物は併用してもよいが、通常、いずれか一方が用いられる。本発明の感光性絶縁樹脂組成物において、フェノール化合物(a)の量は、上記共重合体(A)100重量部に対して、1〜200重量部が好ましく、5〜100重量部がより好ましく、10〜50重量部が最も好ましい。フェノール化合物(a)を上記範囲で含有する樹脂組成物は、十分なアルカリ溶解性を発現することができる。
また、本発明の感光性絶縁樹脂組成物において、共重合体(A)とフェノール化合物(2)との合計量は、組成物中の溶剤(D)以外の成分の合計100重量部に対して、通常40〜95重量部、好ましくは50〜80重量部である。
(B)架橋剤:
本発明に用いられるアルキルエーテル化されたアミノ基を含有する化合物(B1)およびエポキシ基を含有する化合物(B2)(以下、これらをまとめて「架橋剤(B)」ともいう。)は、前記共重合体(A)および前記フェノール化合物(a)と反応する架橋成分として作用する。
前記アルキルエーテル化されたアミノ基を含有する化合物(B1)(以下、「アルキルエーテル化アミノ基含有化合物(B1)」という)は分子中に少なくとも2つのアルキルエーテル化されたアミノ基を有する。このアルキルエーテル化されたアミノ基とは、たとえば下記式で示される基である。
−NHR5−O−R6
(式中、R5はアルキレン基(2価の炭化水素基)を示し、R6はアルキル基を示す。)
前記アルキルエーテル化アミノ基含有化合物(B1)としては、(ポリ)メチロール化メラミン、(ポリ)メチロール化グリコールウリル、(ポリ)メチロール化ベンゾグアナミン、(ポリ)メチロール化ウレアなどの窒素化合物中の活性メチロール基(CH2OH
基)の全部または一部(ただし、少なくとも2個)がアルキルエーテル化された化合物を挙げることができる。アルキルエーテルを構成するアルキル基は、メチル基、エチル基またはブチル基であり、アルキルエーテル化アミノ基含有化合物(B1)中に2個以上含まれるアルキルエーテルを構成するアルキル基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、アルキルエーテル化されていないメチロール基は、一分子内で自己縮合していてもよく、二分子間で縮合して、その結果オリゴマー成分が形成されてもよい。
このようなアルキルエーテル化アミノ基含有化合物(B1)として、具体的には、ヘキサメトキシメチル化メラミン、ヘキサブトキシメチル化メラミン、テトラメトキシメチル化グリコールウリル、テトラブトキシメチル化グリコールウリルなどを用いることができる。
前記エポキシ基を含有する化合物(B2)(以下、「エポキシ基含有化合物(B2)」という)としては、エポキシ基を分子内に含有している化合物であれば特に制限されないが、具体的には、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、テトラフェノール型エポキシ樹脂、フェノール−キシリレン型エポキシ樹脂、ナフトール−キシリレン型エポキシ樹脂、フェノール−ナフトール型エポキシ樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂などが挙げられる。
これらの架橋剤(B)は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明における架橋剤(B)の配合量は、前記共重合体(A)とフェノール化合物(a)との合計量100重量部に対して、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは2〜70重量部である。配合量が上記下限未満では、得られる硬化膜の耐薬品性が低下することがあり、上記上限を超えると解像性が低下することがある。
(C)光感応性酸発生剤:
本発明において用いられる光感応性酸発生剤(以下、「酸発生剤(C)」ともいう。)は、放射線などの照射により酸を発生する化合物である。発生した酸の触媒作用により架橋剤(B)中のアルキルエーテル基またはエポキシ基と、前記共重合体(A)およびフェノール化合物(a)とが反応して硬化し、ネガ型のパターンを形成することができる。
酸発生剤(C)としては、放射線などの照射により酸を発生する化合物であれば特に限
定されないが、たとえば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物などを挙げることができる。以下、その具体例を示す。
オニウム塩化合物:
オニウム塩化合物としては、たとえば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩などを挙げることができる。好ましいオニウム塩の具体例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムトリフリオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4,7−ジ−n−ブトキシナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフリオロメタンスルホネートなどを挙げることができる。
ハロゲン含有化合物:
ハロゲン含有化合物としては、たとえば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物などを挙げることができる。好ましいハロゲン含有化合物の具体例としては、1,10−ジブロモ−n−デカン、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、スチリル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのs−トリアジン誘導体を挙げることができる。
ジアゾケトン化合物:
ジアゾケトン化合物としては、たとえば、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物などを挙げることができ、具体例としてはフェノール類の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル化合物を挙げることができる。
スルホン化合物:
スルホン化合物としては、たとえば、β−ケトスルホン化合物、β−スルホニルスルホン化合物およびこれらの化合物のα−ジアゾ化合物を挙げることができ、具体例としては、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェナシルスルホニル)メタンなどを挙げることができる。
スルホン酸化合物:
スルホン酸化合物としては、たとえば、アルキルスルホン酸エステル類、ハロアルキルスルホン酸エステル類、アリールスルホン酸エステル類、イミノスルホネート類などを挙げることができる。好ましい具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルトリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルp−トルエンスルホネートなどを挙げることができる。
スルホンイミド化合物:
スルホンイミド化合物の具体例としては、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシ
イミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミドなどを挙げることができる。
ジアゾメタン化合物:
ジアゾメタン化合物の具体例としては、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタンなどを挙げることができる。
本発明においては、これらの酸発生剤(C)を1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。また、酸発生剤(C)の配合量は、本発明に係る樹脂組成物の感度、解像度、パターン形状などを確保する観点から、前記共重合体(A)とフェノール化合物(a)との合計量100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.3〜5重量部である。配合量が上記下限以上にあると組成物が十分に硬化して硬化物の耐熱性が向上し、配合量が上記上限以下にあると組成物が放射線に対して良好な透明性を有し、パターン形状の劣化が起こりにくくなる。
(D)溶剤:
本発明に用いられる溶剤(D)は、樹脂組成物の取り扱い性を向上させたり、粘度や保存安定性を調節するために添加される。このような溶剤(D)は特に制限されず、たとえば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、ブチルカルビトール等のカルビトール類;
乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類;
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;
N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;
γ−ブチロラクン等のラクトン類
などの有機溶媒を挙げることができる。これらの有機溶媒は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における溶剤(D)の量は、組成物の用途や用いる塗布方法に応じて適宜選択され、組成物を均一な状態にすることができれば特に制限されないが、通常、組成物全体に
対して、通常10〜80重量%、好ましくは30〜75重量%、より好ましくは40〜70重量%となる量である。
(E)密着助剤:
本発明に用いられる密着助剤(E)としては、官能性シランカップリング剤が好ましく、たとえば、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有するシランカップリング剤が挙げられる。具体的には、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、1,3,5−N−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
(F)架橋微粒子:
本発明に用いられる架橋微粒子(以下、「架橋微粒子(F)」ともいう)は、架橋微粒子を構成する重合体のガラス転移温度(Tg)のうちの少なくとも1つが0℃以下であることが好ましく、たとえば、不飽和重合性基を2個以上有する架橋性モノマー(以下、「架橋性モノマー」と称す。)と、この架橋性モノマーと共重合可能であって、架橋微粒子(F)を構成する共重合体のTgのうちの少なくとも1つが0℃以下となるように選択される1種以上のその他モノマー(以下、「その他モノマー(f)」ともいう。)との共重合体が好ましい。前記その他モノマー(c)としては、重合性基以外の官能基として、たとえばカルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基等の官能基を有するモノマーが好ましい。
なお、上記架橋微粒子(F)を構成する共重合体のTgとは、架橋微粒子の分散液を凝固、乾燥した後、セイコーインスツールメンツSSC/5200HのDSCを用いて−100℃〜150℃の範囲で昇温速度10℃/minで測定した値ある。
前記架橋性モノマーとしては、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの重合性不飽和基を複数有する化合物を挙げることができる。なかでも、ジビニルベンゼンが好ましい。
前記その他モノマー(f)しては、ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン、クロロプレン、1,3−ペンタジエンなどのジエン化合物;
(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−クロロメチルアクリロニトリル、α−メトキシアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、クロトン酸ニトリル、ケイ皮酸ニトリル、イタコン酸ジニトリル、マレイン酸ジニトリル、フマル酸ジニトリルなどの不飽和ニトリル化合物類;
(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、クロトン酸アミド、ケイ皮酸アミド等の不飽和アミド類;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類;
スチレン、α−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノールなどの芳香族ビニル化合物;
ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、グリコールのジグリシジルエーテルなどと(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどとの反応によって得られるエポキシ(メタ)アクリレート類;
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとポリイソシアナートとの反応によって得られるウレタン(メタ)アクリレート類;
グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有不飽和化合物;
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、コハク酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、マレイン酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、フタル酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸−β−(メタ)アクリロキシエチルなどの不飽和酸化合物;
ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリレート等のアミノ基含有不飽和化合物;
(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有不飽和化合物;
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和化合物など
を例示することができる。
これらの中では、ブタジエン、イソプレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、スチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類などが好ましく、ブタジエンが特に好ましい。
前記架橋微粒子(F)を構成する架橋性モノマーとその他のモノマー(f)との割合は、共重合に用いる全モノマーに対して、架橋性モノマーが1〜20重量%かつその他のモノマー(f)が80〜99重量%、好ましくは架橋性モノマーが2〜10重量%かつその他のモノマー(f)が90〜98重量%の量で用いられることが望ましい。特に、その他のモノマー(f)としてジエン化合物、特にブタジエンを、共重合に用いる全モノマーに対して、好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%用いると、ゴム状の軟らかい架橋微粒子が得られ、特に得られる硬化膜にクラック(割れ)が生ずるのを防止でき、耐久性に優れた硬化膜を得ることができる。また、その他のモノマー(f)としてスチレンとブタジエンとを併用すると誘電率が低い硬化膜を得ることができる。
前記架橋微粒子(F)の平均粒子径は通常30〜500nmであり、好ましくは40〜200nmであり、さらに好ましくは50〜120nmである。架橋微粒子の粒径コントロール方法は、特に限定されるものではないが、乳化重合により架橋微粒子を合成する場合であれば、使用する乳化剤の量により、乳化重合中のミセルの数を制御し、粒径をコントロールする方法を例示できる。なお、上記平均粒子径は、大塚電子製の光散乱流動分布測定装置LPA−3000を用い、架橋微粒子の分散液を常法にしたがって希釈して測定した値である。
また、架橋微粒子(F)の配合量は、前記共重合体(A)と前記フェノール化合物(a)との合計100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部であり、好ましくは1〜20重量部である。配合量が0.1重量部未満では、得られる硬化膜の熱衝撃性が低下することがあり、50重量部を越えると耐熱性が低下したり、他成分との相溶性(分散性)が低下することがある。
その他の添加剤:
本発明に係る感光性絶縁樹脂組成物には、増感剤、レベリング剤、その他の酸発生剤などの各種添加剤を、上記組成物の特性を損なわない程度に含有させることもできる。
(組成物の調製方法)
本発明の感光性絶縁樹脂組成物の調製方法は特に限定されず、通常の調製方法を適用することができる。また、各成分をサンプル瓶に入れて完全に栓をした後、これをウェーブローターの上で撹拌することによっても調製できる。
〔硬化物〕
本発明に係る感光性絶縁樹脂組成物を硬化してなる硬化物は、電気絶縁性、熱衝撃性、密着性などに優れている。したがって、本発明の感光性絶縁樹脂組成物は、特に、半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜などの材料として好適に使用することができる。
本発明に係る硬化物(硬化膜)は、たとえば、以下のようにして硬化物を形成することができる。
前記記感光性絶縁樹脂組成物を、たとえば、樹脂付き銅箔、銅張り積層板や金属スパッタ膜を付けたシリコンウエハーやアルミナ基板などの支持体に塗工し、乾燥により溶剤などを揮発させて塗膜を形成する。その後、所望のマスクパターンを介して露光し、さらに加熱処理(以下、この加熱処理を「PEB」という。)を行うことにより、共重合体(A)およびフェノール化合物(a)と架橋剤(B)との反応を促進させる。
次いで、アルカリ性現像液により現像して、未露光部を溶解、除去することにより所望のパターンを得ることができる。その後、さらに加熱処理を行うことにより、絶縁膜特性を有する硬化膜を得ることができる。
ここで、樹脂組成物を支持体に塗工する方法としては、たとえば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、またはスピンコート法などの塗布方法を用いることができる。また、塗布の厚さは、塗布手段、組成物の固形分濃度や粘度を調節することにより、適宜制御することができる。
露光に用いられる放射線としては、たとえば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、g線ステッパー、i線ステッパーなどの紫外線や電子線、レーザー光線などが挙げられる。露光量は、使用する光源や樹脂膜厚などによって適宜選定されるが、たとえば高圧水銀灯からの紫外線照射の場合、樹脂膜厚が10〜50μmであれば、1,000〜50,000J/m2程度である。
露光後のPEB処理条件は、樹脂組成物の配合量や使用膜厚などによって異なるが、通常70〜150℃、好ましくは80〜120℃で、1〜60分程度である。
アルカリ性現像液による現像方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法、パドル現像法などを挙げることができ、現像条件は、通常20〜40℃で1〜10分程度である。
前記アルカリ性現像液としては、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンなどのアルカリ性化合物を水に溶解して濃度が1〜10重量%程度になるように調製したアルカリ性水溶液を挙げることができる。前記アルカリ性水溶液には、たとえばメタノール、エタノールなどの水溶性の有機溶剤や界面活性剤などを適量添加することもできる。なお、アルカリ性現像液で現像した後、パターニングした塗膜を水で洗浄し、乾燥させる。
現像後の加熱処理条件は、特に制限されないが、硬化物の用途に応じて、50〜200
℃の温度で、30分〜10時間程度加熱処理し、パターニングした塗膜を硬化させることができる。この現像後の加熱処理は、得られたパターン状の塗膜の硬化を十分に進行させたり、その変形を防止するために、二段階以上の工程で実施してもよい。たとえば、第一段階では50〜120℃の温度で5分〜2時間程度加熱し、第二段階では80〜200℃の温度で10分〜10時間程度加熱して、パターン状の塗膜を硬化させることもできる。このような硬化条件であれば、加熱設備としてホットプレート、オーブン、赤外線炉などを使用することができる。
本発明に係る硬化物は電気絶縁性に優れ、そのマイグレーション試験後の抵抗値は好ましくは108Ω以上であり、より好ましくは109Ω以上、さらに好ましくは1010Ω以上である。ここで、前記マイグレーション試験とは、具体的には以下のように行われる試験をいう。
樹脂組成物を図3に示す評価基板に塗布し、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱し、銅箔上での厚さが10μmである樹脂塗膜を作製する。その後、対流式オーブンを用いて190℃で1時間加熱して樹脂塗膜を硬化させて硬化膜を得る。この硬化膜付き評価基板をマイグレーション評価システム(タバイエスペック(株)製AEI,EHS−221MD)に投入し、温度121℃、湿度85%、圧力1.2気圧、印可電圧5Vの条件で200時間処理した後、評価基板の抵抗値(Ω)を測定する。
また、本発明に係る硬化物は熱衝撃性に優れ、−65℃/30分〜150℃/30分を1サイクルとする冷熱衝撃試験において、硬化物にクラックが発生するまでのサイクル数は、好ましくは1000サイクル以上、より好ましくは1500サイクル以上、さらに好ましくは2000以上である。ここで、本発明において前記冷熱衝撃試験とは、具体的には以下のように行われる試験をいう。
樹脂組成物を図1および図2に示す評価基板に塗布し、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱し、銅箔上での厚さが10μmである樹脂塗膜を作製する。その後、対流式オーブンを用いて190℃で1時間加熱して硬化膜を得る。この硬化膜付き評価基板を冷熱衝撃試験器(タバイエスペック(株)製TSA−40L)で−65℃/30分〜150℃/30分を1サイクルとして耐性試験を行う。硬化膜にクラックなどの欠陥が発生するまでのサイクル数を100サイクル毎に確認する。したがって、硬化膜にクラックなどの欠陥が発生するまでのサイクル数が多いほど、その硬化膜は熱衝撃性に優れている。
[実施例]
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における部は特に断らない限り重量部の意味で用いる。
また、硬化物の各特性については、下記の方法で評価した。
解像性:
6インチのシリコンウエハーに樹脂組成物をスピンコートし、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱し、10μm厚の均一な塗膜を作製した。その後、アライナー(Suss Mictotec社製 MA−100)を用い、パターンマスクを介して高圧水銀灯からの紫外線を波長350nmにおける露光量が8,000J/m2となるように露
光し、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱(PEB)した。次いで、2.38重量%テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液を用いて23℃で90秒間、浸漬現像した。得られたパターンの最小寸法を解像度とした。
密着性:
SiNをスパッタしたシリコンウエハーに樹脂組成物を塗布し、ホットプレートで110℃、3分間加熱し、10μm厚の均一な樹脂塗膜を作製した。その後、対流式オーブンを用いて190℃で1時間加熱して樹脂塗膜を硬化させて硬化膜を得た。この硬化膜をプレッシャークッカー試験装置(タバイエスペック(株)製)で、温度121℃、湿度100%、圧力2.1気圧の条件下で168時間処理した。試験前後での密着性をJIS K
5400に準拠してクロスカット試験(碁盤目テープ法)を行い、評価した。
熱衝撃性:
図1および図2に示すような基板2上にパターン状の銅箔1を有する熱衝撃性評価用基材3に、樹脂組成物を塗布し、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱し、銅箔1上での厚さが10μmである樹脂塗膜を作製した。その後、対流式オーブンで190℃、1時間加熱して樹脂塗膜を硬化させて硬化膜を有する基材を得た。この基材について、冷熱衝撃試験器(タバイエスペック(株)製)を用いて−65℃/30分〜150℃/30分を1サイクルとして耐性試験を行った。硬化膜にクラックなどの欠陥が発生するまでのサイクル数を100サイクル毎に確認した。
電気絶縁性:
シリコン基板上に樹脂組成物を塗布して絶縁膜を形成し、その上に図3に示すようなパターン状の銅箔1を形成して電気絶縁性評価用基材3を作製した。この電気絶縁性評価用基材3に、さらに樹脂組成物を塗布し、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱し、銅箔4上での厚さが10μmである樹脂塗膜を作製した。その後、対流式オーブンを用いて190℃で1時間加熱して樹脂塗膜を硬化させて硬化膜を有する基材を得た。この基材をマイグレーション評価システム(タバイエスペック(株)製)に投入し、温度121℃、湿度85%、圧力:1.2気圧、印可電圧:5Vの条件で200時間処理した。その後、抵抗値(Ω)を測定し、上層の硬化膜の絶縁性を確認した。
[合成例1]
(p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体の合成)
p−t−ブトキシスチレンとスチレンとをモル比80:20の割合で合計100重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル150重量部に溶解させ、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、アゾビスイソブチロニトリル4重量部を用いて10時間重合させた。その後、反応溶液に硫酸を加えて反応温度を90℃に保持して10時間反応させ、p−t−ブトキシスチレンを脱保護してヒドロキシスチレンに変換した。得られた共重合体に酢酸エチルを加え、水洗を5回繰り返し、酢酸エチル相を分取し、溶剤を除去して、p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体(以下、「共重合体(A−1)」という)を得た。
この共重合体(A−1)の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したところ、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が10,000、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.5であった。また、13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレンとスチレンとの共重合モル比は80:20であった。
[合成例2]
(p−ヒドロキシスチレン/スチレン/メタクリル酸メチル共重合体の合成)
p−t−ブトキシスチレン、スチレンおよびメタクリル酸メチルをモル比80:20:10の割合で合計100重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル150重量部に溶解させた以外は、合成例1と同様にして、p−ヒドロキシスチレン/スチレン/メタクリル酸メチル共重合体(以下、「共重合体(A−2)」という)を得た。
この共重合体(A−2)のMwは10,000、Mw/Mnは3.5、p−ヒドロキシスチレン:スチレン:メタクリル酸メチルの共重合モル比は80:10:10であった。
[合成例3]
(p−ヒドロキシスチレン単独重合体の合成)
p−t−ブトキシスチレンのみ100重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル150重量部に溶解させた以外は、合成例1と同様にして、p−ヒドロキシスチレン単独重合体(以下、「単独重合体(A−3)」という)を得た。
この単独重合体(A−3)のMwは10,000、Mw/Mnは3.2であった。
[合成例4]
(p−t−ブトキシスチレン/メタクリル酸/スチレン共重合体の合成)
p−t−ブトキシスチレン、メタクリル酸およびスチレンをモル比5:20:75の割合で合計100重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル150重量部に溶解させた以外は、合成例1と同様にして、p−ヒドロキシスチレン/メタクリル酸/スチレン共重合体(以下、「共重合体(A−4)」という)を得た。
この共重合体(A−4)のMwは10,000、Mw/Mnは3.6、p−ヒドロキシスチレン:メタクリル酸:スチレンの共重合モル比は5:20:75であった。
[合成例5]
(p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体の合成)
p−t−ブトキシスチレンとスチレンとをモル比9:91の割合で合計100重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル150重量部に溶解させた以外は、合成例1と同様にして、p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体(以下、「共重合体(A−5)」という)を得た。
この共重合体(A−5)のMwは10,000、Mw/Mnは3.5、p−ヒドロキシスチレン:スチレンの共重合モル比は9:91であった。
[合成例6]
(p−ヒドロキシスチレン/メタクリル酸共重合体の合成)
p−t−ブトキシスチレンとメタクリル酸とをモル比90:10の割合で合計100重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル150重量部に溶解させた以外は、合成例1と同様にして、p−ヒドロキシスチレン/メタクリル酸共重合体(以下、「共重合体(A−6)」という)を得た。
この共重合体(A−6)のMwは10,000、Mw/Mnは3.7、p−ヒドロキシスチレン:メタクリル酸の共重合モル比は90:10であった。
[合成例7]
(フェノール樹脂(a−1)の合成)
m−クレゾールとp−クレゾールとをモル比60:40の割合で混合し、これにホルマリンを加え、シュウ酸触媒を用いて常法により縮合して、Mwが6,500のクレゾールノボラック樹脂(以下、「フェノール樹脂(a−1)」という)を得た。
[実施例1〜4]
表1に示す、共重合体(A)、フェノール化合物(a)、架橋剤(B)、酸発生剤(C)、密着助剤(E)および架橋微粒子を溶剤(D)に、それぞれ表1に示す量で溶解させ、感光性絶縁樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を用いて、上記評価方法に記載の方法に従って硬化膜を作製した。
樹脂組成物および硬化膜の特性を上記評価方法にしたがって測定した。結果を表2に示す。
[比較例1〜6]
表1に示す成分からなる樹脂組成物およびその硬化膜を実施例1と同様に調製した。樹脂組成物およびその硬化膜の特性を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
Figure 2007056109
(共)重合体(A):
A−1:p−ヒドロキシスチレン/スチレン=80/20(モル比)からなる共重合体
Mw=10,000、Mw/Mn=3.5
A−2:p−ヒドロキシスチレン/スチレン/メタクリル酸メチル=80/10/10
(モル比)からなる共重合体、Mw=10,000、Mw/Mn=3.5
A−3:p−ヒドロキシスチレンの単独重合体
Mw=10,000、Mw/Mn=3.2
A−4:p−ヒドロキシスチレン/メタクリル酸/スチレン=5/20/75(モル比
)からなる共重合体、Mw=10,000、Mw/Mn=3.6
A−5:p−ヒドロキシスチレン/スチレン=9/91(モル比)からなる共重合体
Mw=10,000、Mw/Mn=3.5
A−6:p−ヒドロキシスチレン/メタクリル酸=90/10(モル比)からなる共重
合体、Mw=10,000、Mw/Mn=3.7
フェノール化合物(a):
a−1:m−クレゾール/p−クレゾール=60/40(モル比)からなるクレゾール
ノボラック樹脂、Mw=6,500
a−2:4,4’−〔1−{4[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル
エチル]フェニル}エチリデン〕ビスフェノール
(本州化学工業(株)製、商品名:TrisP−PA)
架橋剤(B):
アルキルエーテル化アミノ基含有化合物(B1):
B−1:ヘキサメトキシメチルメラミン
(三井サイテック(株)製、商品名:サイメル300)
B−2:テトラメトキシメチルグリコールウリル
(三井サイテック(株)製、商品名:サイメル1174)
エポキシ基含有化合物(B2):
B−3:ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:EP−828)
B−4:プロピレングリコールジグリシジルエーテル
(共栄社(株)製、商品名:エポライト70P)
酸発生剤(C):
C−1:スチリル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
C−2:4,7−ジ−n−ブトキシナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロ
メタンスルホネート
溶剤(D):
D−1:乳酸エチル
D−2:2−ヘプタノン
密着助剤(E):
E−1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(日本ユニカー(株)製、商品名;A−187)
架橋微粒子(F):
F−1:ブタジエン/ヒドロキシブチルメタクリレート/メタクリル酸/ジビニルベン
ゼン=60/32/6/2(重量%)、Tg=−40℃、平均粒径=65nm
F−2:ブタジエン/スチレン/ヒドロキシブチルメタクリレート/ジビニルベンゼン
=60/24/14/2(重量%)、Tg=−35℃、平均粒径=70nm
Figure 2007056109
本発明に係る感光性絶縁樹脂組成物を用いると、解像性、絶縁性、熱衝撃性、密着性などに優れた硬化物を形成することができ、特に、解像性、絶縁性、熱衝撃性、密着性などに優れた、半導体素子の層間絶縁膜、表面保護膜を得ることができる。
図1は、熱衝撃性評価用基材の断面図である。 図2は、熱衝撃性評価用基材の上面図である。 図3は、電気絶縁性の評価用基材の上面図である。
符号の説明
1 銅箔
2 基板
3 基材

Claims (12)

  1. (A)下記式(1)で示される構造単位(A1)10〜99モル%および下記式(2)で示される構造単位(A2)90〜1モル%を含有する共重合体(ただし、該共重合体(A)を構成する全構造単位の合計を100モル%とする)
    Figure 2007056109
    (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基またはアリール基を表し、R2は、水素原子またはメチル基を表し、mは1〜3の整数、nは0〜3の整数であり、m+n≦5である)
    Figure 2007056109
    (式中、R3は炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基またはアリール基を表し、R4は、水素原子またはメチル基を表し、kは0〜3の整数である)、
    (B)アルキルエーテル化されたアミノ基を含有する化合物(B1)および/またはエポキシ基を含有する化合物(B2)、
    (C)光感応性酸発生剤、
    (D)溶剤、
    (E)密着助剤、ならびに
    (F)架橋微粒子
    を含有することを特徴とする感光性絶縁樹脂組成物。
  2. 前記共重合体(A)が、前記構造単位(A1)10〜99モル%および前記構造単位(A2)90〜1モル%のみからなる(ただし、前記構成単位(A1)と(A2)との合計を100モル%とする)ことを特徴とする請求項1に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
  3. 前記構造単位(A2)が、下記式(2’)で示されることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
    Figure 2007056109
  4. 前記共重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が2,000〜200,000の範囲にあり、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.0〜10.0の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物。
  5. さらに、フェノール化合物(a)を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物。
  6. 前記共重合体(A)100重量部に対して、前記フェノール化合物(a)の含有量が1〜200重量部であることを特徴とする請求項5に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
  7. 前記共重合体(A)と前記フェノール化合物(a)との合計100重量部に対して、前記アルキルエーテル化されたアミノ基を含有する化合物(B1)と前記エポキシ基を含有する化合物(B2)との合計含有量が1〜100重量部、前記光酸発生剤(C)の含有量が0.1〜10重量部であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物。
  8. 前記架橋微粒子(F)の平均粒子径が30〜500nmであり、該架橋微粒子(F)を構成する共重合体の少なくとも1つのガラス転移温度が0℃以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物。
  9. 前記架橋微粒子(F)を構成する共重合体がスチレン−ブタジエン系共重合体であることを特徴とする請求項8に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
  10. 前記共重合体(A)と前記フェノール化合物(a)との合計100重量部に対して、前記架橋微粒子(F)の含有量が0.1〜50重量部であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
  12. (i)マイグレーション試験後の抵抗値が1010Ω以上であり、かつ
    (ii)−65℃/30分〜150℃/30分を1サイクルとする冷熱衝撃試験において、硬化膜にクラックが発生するまでのサイクル数が、1000サイクル以上である
    ことを特徴とする請求項11に記載の硬化物。
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