JP2007056109A - 感光性絶縁樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に係る硬化物は、前記感光性絶縁樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする。
化膜にクラックが発生するまでのサイクル数が、1000サイクル以上であることが好ましい。
〔感光性絶縁樹脂組成物〕
本発明に係る感光性絶縁樹脂組成物は、(A)上記式(1)で示される構造単位(A1)10〜99モル%および上記式(2)で示される構造単位(A2)90〜1モル%を含有する共重合体(ただし、該共重合体(A)を構成する全構造単位の合計を100モル%とする)、(B)アルキルエーテル化されたアミノ基を含有する化合物(B1)および/またはエポキシ基を含有する化合物(B2)、(C)光感応性酸発生剤、(D)溶剤、(E)密着助剤、ならびに(F)架橋微粒子を含有する。また、前記感光性絶縁樹脂組成物は、必要に応じて、フェノール化合物(a)、増感剤、レベリング剤などのその他添加剤などを含有することもできる。
本発明に用いられる共重合体(A)は、上記式(1)で示される構造単位(A1)および上記式(2)で示される構造単位(A2)を含有し、アルカリ溶解性を示す共重合体である。
、R2は、水素原子またはメチル基を表す。mは1〜3の整数、nは0〜3の整数であり
、m+n≦5である。)
具体的には、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、m−イソプロペニルフェノール、o−イソプロペニルフェノールなどのフェノール性水酸基を有する芳香族ビニル化合物が挙げられ、このうち、p−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノールが好ましく用いられる。
また、構造単位(A1)を形成しうるモノマーとして、上記式(3)で表されるモノマーの水酸基を、たとえば、t−ブチル基、アセチル基などで保護したモノマーを用いることもできる。このようなモノマーを用いて共重合した場合、得られた共重合体を、公知の方法、たとえば酸触媒下で脱保護し、t−ブチル基、アセチル基などの保護基をヒドロキシル基に変換することにより構造単位(A1)を有する共重合体(A)を得ることができる。
、R4は、水素原子またはメチル基を表す。kは0〜3の整数である。)
具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレンなどの芳香族ビニル化合物が挙げられ、このうち、スチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレンが好ましく、スチレンが特に好ましい。
また、本発明では、前記共重合体(A)は、優れた電気絶縁性を示す硬化物が得られる点で、実質的に前記構成単位(A1)および前記構成単位(A2)のみからなることが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で、前記構造単位(A1)を形成し得るモノマーおよび前記構造単位(A2)を形成し得るモノマーに加えて、その他のモノマーを共重合させることもできる。
ドデカ−3−エン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン等;
不飽和カルボン酸類としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸等;
不飽和カルボン酸のエステル類としては、前記不飽和カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、i−プロピルエステル、n−ブチルエステル、i−
ブチルエステル、sec−ブチルエステル、t−ブチルエステル、n−アミルエステル、n−ヘキシルエステル、シクロヘキシルエステル、2−ヒドロキシエチルエステル、2−ヒドロキシプロピルエステル、3−ヒドロキシプロピルエステル、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルエステル、ベンジルエステル、イソボロニルエステル、トリシクロデカニルエステル、1−アダマンチルエステル等;
不飽和ニトリル類としては、(メタ)アクリロニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル、メサコンニトリル、シトラコンニトリル、イタコンニトリル等;
不飽和アミド類としては、(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド;
不飽和イミド類としては、マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等;
不飽和アルコール類としては、(メタ)アリルアルコール等
が挙げられる。さらに、N−ビニルアニリン、ビニルピリジン類、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾールなども挙げられる。
本発明に用いられる共重合体(A)は、これを構成する全構造単位の合計を100モル%とすると、前記構造単位(A1)が10〜99モル%であり、好ましくは20〜97モル%であり、より好ましくは30〜95モル%であり、前記構造単位(A2)が90〜1モル%であり、好ましくは80〜3モル%であり、より好ましくは70〜5モル%である。構造単位(A1)および(A2)が上記範囲にあると良好なパターニング特性(高解像度)を示し、得られた硬化物も著しく優れた熱衝撃性を示す。また、その他のモノマーを共重合させた場合、その他のモノマーから導かれる構成単位は、共重合体(A)を構成する全構成単位の合計を100モル%とすると、50モル%以下が好ましく、25モル%以下が好ましい。
本発明に係る感光性絶縁樹脂組成物において、上記共重合体(A)は、樹脂組成物全体(溶媒(D)を含む)に対して、通常5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%である。共重合体(A)の量が上記範囲にあると、組成物の取り扱い性が良好であり、容易に硬化物を形成することができる。
本発明に係る感光性絶縁樹脂組成物において、共重合体(A)のアルカリ溶解性が不十分な場合には、上記共重合体(A)以外のフェノール性水酸基を有する化合物(以下、「フェノール化合物(a)」という。)を併用することができる。
本発明に用いられるアルキルエーテル化されたアミノ基を含有する化合物(B1)およびエポキシ基を含有する化合物(B2)(以下、これらをまとめて「架橋剤(B)」ともいう。)は、前記共重合体(A)および前記フェノール化合物(a)と反応する架橋成分として作用する。
(式中、R5はアルキレン基(2価の炭化水素基)を示し、R6はアルキル基を示す。)
前記アルキルエーテル化アミノ基含有化合物(B1)としては、(ポリ)メチロール化メラミン、(ポリ)メチロール化グリコールウリル、(ポリ)メチロール化ベンゾグアナミン、(ポリ)メチロール化ウレアなどの窒素化合物中の活性メチロール基(CH2OH
基)の全部または一部(ただし、少なくとも2個)がアルキルエーテル化された化合物を挙げることができる。アルキルエーテルを構成するアルキル基は、メチル基、エチル基またはブチル基であり、アルキルエーテル化アミノ基含有化合物(B1)中に2個以上含まれるアルキルエーテルを構成するアルキル基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、アルキルエーテル化されていないメチロール基は、一分子内で自己縮合していてもよく、二分子間で縮合して、その結果オリゴマー成分が形成されてもよい。
本発明における架橋剤(B)の配合量は、前記共重合体(A)とフェノール化合物(a)との合計量100重量部に対して、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは2〜70重量部である。配合量が上記下限未満では、得られる硬化膜の耐薬品性が低下することがあり、上記上限を超えると解像性が低下することがある。
本発明において用いられる光感応性酸発生剤(以下、「酸発生剤(C)」ともいう。)は、放射線などの照射により酸を発生する化合物である。発生した酸の触媒作用により架橋剤(B)中のアルキルエーテル基またはエポキシ基と、前記共重合体(A)およびフェノール化合物(a)とが反応して硬化し、ネガ型のパターンを形成することができる。
定されないが、たとえば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物などを挙げることができる。以下、その具体例を示す。
オニウム塩化合物としては、たとえば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩などを挙げることができる。好ましいオニウム塩の具体例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムトリフリオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4,7−ジ−n−ブトキシナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフリオロメタンスルホネートなどを挙げることができる。
ハロゲン含有化合物としては、たとえば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物などを挙げることができる。好ましいハロゲン含有化合物の具体例としては、1,10−ジブロモ−n−デカン、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、スチリル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのs−トリアジン誘導体を挙げることができる。
ジアゾケトン化合物としては、たとえば、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物などを挙げることができ、具体例としてはフェノール類の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル化合物を挙げることができる。
スルホン化合物としては、たとえば、β−ケトスルホン化合物、β−スルホニルスルホン化合物およびこれらの化合物のα−ジアゾ化合物を挙げることができ、具体例としては、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェナシルスルホニル)メタンなどを挙げることができる。
スルホン酸化合物としては、たとえば、アルキルスルホン酸エステル類、ハロアルキルスルホン酸エステル類、アリールスルホン酸エステル類、イミノスルホネート類などを挙げることができる。好ましい具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルトリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルp−トルエンスルホネートなどを挙げることができる。
スルホンイミド化合物の具体例としては、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシ
イミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミドなどを挙げることができる。
ジアゾメタン化合物の具体例としては、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタンなどを挙げることができる。
本発明に用いられる溶剤(D)は、樹脂組成物の取り扱い性を向上させたり、粘度や保存安定性を調節するために添加される。このような溶剤(D)は特に制限されず、たとえば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、ブチルカルビトール等のカルビトール類;
乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類;
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;
N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;
γ−ブチロラクン等のラクトン類
などの有機溶媒を挙げることができる。これらの有機溶媒は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
対して、通常10〜80重量%、好ましくは30〜75重量%、より好ましくは40〜70重量%となる量である。
本発明に用いられる密着助剤(E)としては、官能性シランカップリング剤が好ましく、たとえば、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有するシランカップリング剤が挙げられる。具体的には、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、1,3,5−N−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
本発明に用いられる架橋微粒子(以下、「架橋微粒子(F)」ともいう)は、架橋微粒子を構成する重合体のガラス転移温度(Tg)のうちの少なくとも1つが0℃以下であることが好ましく、たとえば、不飽和重合性基を2個以上有する架橋性モノマー(以下、「架橋性モノマー」と称す。)と、この架橋性モノマーと共重合可能であって、架橋微粒子(F)を構成する共重合体のTgのうちの少なくとも1つが0℃以下となるように選択される1種以上のその他モノマー(以下、「その他モノマー(f)」ともいう。)との共重合体が好ましい。前記その他モノマー(c)としては、重合性基以外の官能基として、たとえばカルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基等の官能基を有するモノマーが好ましい。
(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−クロロメチルアクリロニトリル、α−メトキシアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、クロトン酸ニトリル、ケイ皮酸ニトリル、イタコン酸ジニトリル、マレイン酸ジニトリル、フマル酸ジニトリルなどの不飽和ニトリル化合物類;
(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、クロトン酸アミド、ケイ皮酸アミド等の不飽和アミド類;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類;
スチレン、α−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノールなどの芳香族ビニル化合物;
ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、グリコールのジグリシジルエーテルなどと(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどとの反応によって得られるエポキシ(メタ)アクリレート類;
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとポリイソシアナートとの反応によって得られるウレタン(メタ)アクリレート類;
グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有不飽和化合物;
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、コハク酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、マレイン酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、フタル酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸−β−(メタ)アクリロキシエチルなどの不飽和酸化合物;
ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリレート等のアミノ基含有不飽和化合物;
(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有不飽和化合物;
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和化合物など
を例示することができる。
本発明に係る感光性絶縁樹脂組成物には、増感剤、レベリング剤、その他の酸発生剤などの各種添加剤を、上記組成物の特性を損なわない程度に含有させることもできる。
本発明の感光性絶縁樹脂組成物の調製方法は特に限定されず、通常の調製方法を適用することができる。また、各成分をサンプル瓶に入れて完全に栓をした後、これをウェーブローターの上で撹拌することによっても調製できる。
本発明に係る感光性絶縁樹脂組成物を硬化してなる硬化物は、電気絶縁性、熱衝撃性、密着性などに優れている。したがって、本発明の感光性絶縁樹脂組成物は、特に、半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜などの材料として好適に使用することができる。
前記記感光性絶縁樹脂組成物を、たとえば、樹脂付き銅箔、銅張り積層板や金属スパッタ膜を付けたシリコンウエハーやアルミナ基板などの支持体に塗工し、乾燥により溶剤などを揮発させて塗膜を形成する。その後、所望のマスクパターンを介して露光し、さらに加熱処理(以下、この加熱処理を「PEB」という。)を行うことにより、共重合体(A)およびフェノール化合物(a)と架橋剤(B)との反応を促進させる。
アルカリ性現像液による現像方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法、パドル現像法などを挙げることができ、現像条件は、通常20〜40℃で1〜10分程度である。
℃の温度で、30分〜10時間程度加熱処理し、パターニングした塗膜を硬化させることができる。この現像後の加熱処理は、得られたパターン状の塗膜の硬化を十分に進行させたり、その変形を防止するために、二段階以上の工程で実施してもよい。たとえば、第一段階では50〜120℃の温度で5分〜2時間程度加熱し、第二段階では80〜200℃の温度で10分〜10時間程度加熱して、パターン状の塗膜を硬化させることもできる。このような硬化条件であれば、加熱設備としてホットプレート、オーブン、赤外線炉などを使用することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における部は特に断らない限り重量部の意味で用いる。
解像性:
6インチのシリコンウエハーに樹脂組成物をスピンコートし、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱し、10μm厚の均一な塗膜を作製した。その後、アライナー(Suss Mictotec社製 MA−100)を用い、パターンマスクを介して高圧水銀灯からの紫外線を波長350nmにおける露光量が8,000J/m2となるように露
光し、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱(PEB)した。次いで、2.38重量%テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液を用いて23℃で90秒間、浸漬現像した。得られたパターンの最小寸法を解像度とした。
SiNをスパッタしたシリコンウエハーに樹脂組成物を塗布し、ホットプレートで110℃、3分間加熱し、10μm厚の均一な樹脂塗膜を作製した。その後、対流式オーブンを用いて190℃で1時間加熱して樹脂塗膜を硬化させて硬化膜を得た。この硬化膜をプレッシャークッカー試験装置(タバイエスペック(株)製)で、温度121℃、湿度100%、圧力2.1気圧の条件下で168時間処理した。試験前後での密着性をJIS K
5400に準拠してクロスカット試験(碁盤目テープ法)を行い、評価した。
図1および図2に示すような基板2上にパターン状の銅箔1を有する熱衝撃性評価用基材3に、樹脂組成物を塗布し、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱し、銅箔1上での厚さが10μmである樹脂塗膜を作製した。その後、対流式オーブンで190℃、1時間加熱して樹脂塗膜を硬化させて硬化膜を有する基材を得た。この基材について、冷熱衝撃試験器(タバイエスペック(株)製)を用いて−65℃/30分〜150℃/30分を1サイクルとして耐性試験を行った。硬化膜にクラックなどの欠陥が発生するまでのサイクル数を100サイクル毎に確認した。
シリコン基板上に樹脂組成物を塗布して絶縁膜を形成し、その上に図3に示すようなパターン状の銅箔1を形成して電気絶縁性評価用基材3を作製した。この電気絶縁性評価用基材3に、さらに樹脂組成物を塗布し、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱し、銅箔4上での厚さが10μmである樹脂塗膜を作製した。その後、対流式オーブンを用いて190℃で1時間加熱して樹脂塗膜を硬化させて硬化膜を有する基材を得た。この基材をマイグレーション評価システム(タバイエスペック(株)製)に投入し、温度121℃、湿度85%、圧力:1.2気圧、印可電圧:5Vの条件で200時間処理した。その後、抵抗値(Ω)を測定し、上層の硬化膜の絶縁性を確認した。
(p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体の合成)
p−t−ブトキシスチレンとスチレンとをモル比80:20の割合で合計100重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル150重量部に溶解させ、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、アゾビスイソブチロニトリル4重量部を用いて10時間重合させた。その後、反応溶液に硫酸を加えて反応温度を90℃に保持して10時間反応させ、p−t−ブトキシスチレンを脱保護してヒドロキシスチレンに変換した。得られた共重合体に酢酸エチルを加え、水洗を5回繰り返し、酢酸エチル相を分取し、溶剤を除去して、p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体(以下、「共重合体(A−1)」という)を得た。
(p−ヒドロキシスチレン/スチレン/メタクリル酸メチル共重合体の合成)
p−t−ブトキシスチレン、スチレンおよびメタクリル酸メチルをモル比80:20:10の割合で合計100重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル150重量部に溶解させた以外は、合成例1と同様にして、p−ヒドロキシスチレン/スチレン/メタクリル酸メチル共重合体(以下、「共重合体(A−2)」という)を得た。
[合成例3]
(p−ヒドロキシスチレン単独重合体の合成)
p−t−ブトキシスチレンのみ100重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル150重量部に溶解させた以外は、合成例1と同様にして、p−ヒドロキシスチレン単独重合体(以下、「単独重合体(A−3)」という)を得た。
[合成例4]
(p−t−ブトキシスチレン/メタクリル酸/スチレン共重合体の合成)
p−t−ブトキシスチレン、メタクリル酸およびスチレンをモル比5:20:75の割合で合計100重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル150重量部に溶解させた以外は、合成例1と同様にして、p−ヒドロキシスチレン/メタクリル酸/スチレン共重合体(以下、「共重合体(A−4)」という)を得た。
[合成例5]
(p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体の合成)
p−t−ブトキシスチレンとスチレンとをモル比9:91の割合で合計100重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル150重量部に溶解させた以外は、合成例1と同様にして、p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体(以下、「共重合体(A−5)」という)を得た。
[合成例6]
(p−ヒドロキシスチレン/メタクリル酸共重合体の合成)
p−t−ブトキシスチレンとメタクリル酸とをモル比90:10の割合で合計100重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル150重量部に溶解させた以外は、合成例1と同様にして、p−ヒドロキシスチレン/メタクリル酸共重合体(以下、「共重合体(A−6)」という)を得た。
[合成例7]
(フェノール樹脂(a−1)の合成)
m−クレゾールとp−クレゾールとをモル比60:40の割合で混合し、これにホルマリンを加え、シュウ酸触媒を用いて常法により縮合して、Mwが6,500のクレゾールノボラック樹脂(以下、「フェノール樹脂(a−1)」という)を得た。
表1に示す、共重合体(A)、フェノール化合物(a)、架橋剤(B)、酸発生剤(C)、密着助剤(E)および架橋微粒子を溶剤(D)に、それぞれ表1に示す量で溶解させ、感光性絶縁樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を用いて、上記評価方法に記載の方法に従って硬化膜を作製した。
[比較例1〜6]
表1に示す成分からなる樹脂組成物およびその硬化膜を実施例1と同様に調製した。樹脂組成物およびその硬化膜の特性を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
A−1:p−ヒドロキシスチレン/スチレン=80/20(モル比)からなる共重合体
Mw=10,000、Mw/Mn=3.5
A−2:p−ヒドロキシスチレン/スチレン/メタクリル酸メチル=80/10/10
(モル比)からなる共重合体、Mw=10,000、Mw/Mn=3.5
A−3:p−ヒドロキシスチレンの単独重合体
Mw=10,000、Mw/Mn=3.2
A−4:p−ヒドロキシスチレン/メタクリル酸/スチレン=5/20/75(モル比
)からなる共重合体、Mw=10,000、Mw/Mn=3.6
A−5:p−ヒドロキシスチレン/スチレン=9/91(モル比)からなる共重合体
Mw=10,000、Mw/Mn=3.5
A−6:p−ヒドロキシスチレン/メタクリル酸=90/10(モル比)からなる共重
合体、Mw=10,000、Mw/Mn=3.7
フェノール化合物(a):
a−1:m−クレゾール/p−クレゾール=60/40(モル比)からなるクレゾール
ノボラック樹脂、Mw=6,500
a−2:4,4’−〔1−{4[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル
エチル]フェニル}エチリデン〕ビスフェノール
(本州化学工業(株)製、商品名:TrisP−PA)
架橋剤(B):
アルキルエーテル化アミノ基含有化合物(B1):
B−1:ヘキサメトキシメチルメラミン
(三井サイテック(株)製、商品名:サイメル300)
B−2:テトラメトキシメチルグリコールウリル
(三井サイテック(株)製、商品名:サイメル1174)
エポキシ基含有化合物(B2):
B−3:ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:EP−828)
B−4:プロピレングリコールジグリシジルエーテル
(共栄社(株)製、商品名:エポライト70P)
酸発生剤(C):
C−1:スチリル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
C−2:4,7−ジ−n−ブトキシナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロ
メタンスルホネート
溶剤(D):
D−1:乳酸エチル
D−2:2−ヘプタノン
密着助剤(E):
E−1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(日本ユニカー(株)製、商品名;A−187)
架橋微粒子(F):
F−1:ブタジエン/ヒドロキシブチルメタクリレート/メタクリル酸/ジビニルベン
ゼン=60/32/6/2(重量%)、Tg=−40℃、平均粒径=65nm
F−2:ブタジエン/スチレン/ヒドロキシブチルメタクリレート/ジビニルベンゼン
=60/24/14/2(重量%)、Tg=−35℃、平均粒径=70nm
2 基板
3 基材
Claims (12)
- (A)下記式(1)で示される構造単位(A1)10〜99モル%および下記式(2)で示される構造単位(A2)90〜1モル%を含有する共重合体(ただし、該共重合体(A)を構成する全構造単位の合計を100モル%とする)
(B)アルキルエーテル化されたアミノ基を含有する化合物(B1)および/またはエポキシ基を含有する化合物(B2)、
(C)光感応性酸発生剤、
(D)溶剤、
(E)密着助剤、ならびに
(F)架橋微粒子
を含有することを特徴とする感光性絶縁樹脂組成物。 - 前記共重合体(A)が、前記構造単位(A1)10〜99モル%および前記構造単位(A2)90〜1モル%のみからなる(ただし、前記構成単位(A1)と(A2)との合計を100モル%とする)ことを特徴とする請求項1に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
- 前記共重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が2,000〜200,000の範囲にあり、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.0〜10.0の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物。
- さらに、フェノール化合物(a)を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物。
- 前記共重合体(A)100重量部に対して、前記フェノール化合物(a)の含有量が1〜200重量部であることを特徴とする請求項5に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
- 前記共重合体(A)と前記フェノール化合物(a)との合計100重量部に対して、前記アルキルエーテル化されたアミノ基を含有する化合物(B1)と前記エポキシ基を含有する化合物(B2)との合計含有量が1〜100重量部、前記光酸発生剤(C)の含有量が0.1〜10重量部であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物。
- 前記架橋微粒子(F)の平均粒子径が30〜500nmであり、該架橋微粒子(F)を構成する共重合体の少なくとも1つのガラス転移温度が0℃以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物。
- 前記架橋微粒子(F)を構成する共重合体がスチレン−ブタジエン系共重合体であることを特徴とする請求項8に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
- 前記共重合体(A)と前記フェノール化合物(a)との合計100重量部に対して、前記架橋微粒子(F)の含有量が0.1〜50重量部であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
- (i)マイグレーション試験後の抵抗値が1010Ω以上であり、かつ
(ii)−65℃/30分〜150℃/30分を1サイクルとする冷熱衝撃試験において、硬化膜にクラックが発生するまでのサイクル数が、1000サイクル以上である
ことを特徴とする請求項11に記載の硬化物。
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