近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められている中、現在汎用技術として用いられている光露光では、光源の波長に由来する本質的な解像度の限界に近づきつつある。レジストパターン形成の際に使用する露光光として、1980年代には水銀灯のg線(436nm)もしくはi線(365nm)を光源とする光露光が広く用いられた。更なる微細化のための手段として、露光波長を短波長化する方法が有効とされ、1990年代の64Mビット(加工寸法が0.25μm以下)DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)以降の量産プロセスには、露光光源としてi線(365nm)に代わって短波長のKrFエキシマレーザー(248nm)が利用された。
しかし、更に微細な加工技術(加工寸法が0.2μm以下)を必要とする集積度256M及び1G以上のDRAMの製造には、より短波長の光源が必要とされ、10年ほど前からArFエキシマレーザー(193nm)を用いたフォトリソグラフィーが本格的に検討されてきた。当初ArFリソグラフィーは180nmノードのデバイス作製から適用されるはずであったが、KrFエキシマリソグラフィーは130nmノードデバイス量産まで延命され、ArFリソグラフィーの本格適用は90nmノードからである。更に、NAを0.9にまで高めたレンズと組み合わせて65nmノードデバイスの検討が行われている。次の45nmノードデバイスには露光波長の短波長化が推し進められ、波長157nmのF2リソグラフィーが候補に挙がった。しかしながら、投影レンズに高価なCaF2単結晶を大量に用いることによるスキャナーのコストアップ、ソフトペリクルの耐久性が極めて低いためのハードペリクル導入に伴う光学系の変更、レジスト膜のエッチング耐性低下等の種々問題により、F2リソグラフィーの先送りと、ArF液浸リソグラフィーの早期導入が提唱された(非特許文献1)。
ArF液浸リソグラフィーにおいて、投影レンズとウエハーの間に水を含浸させることが提案されている。193nmにおける水の屈折率は1.44であり、NA(開口数)1.0以上のレンズを使ってもパターン形成が可能で、理論上はNAを1.44近くにまで上げることができる。当初、水温変化に伴う屈折率変化による解像性の劣化やフォーカスのシフトが指摘された。水温を1/100℃以内にコントロールすることと、露光によるレジスト膜からの発熱による影響もほぼ心配ないことが確認され、屈折率変化の問題が解決された。水中のマイクロバブルがパターン転写されることも危惧されたが、水の脱気を十分に行うことと、露光によるレジスト膜からのバブル発生の心配がないことが確認された。
1980年代の液浸リソグラフィーの初期段階では、ステージを全て水に浸ける方式が提案されていたが、高速スキャナーの動作に対応するために投影レンズとウエハーの間のみに水を挿入し、水の給排水ノズルを備えたパーシャルフィル方式が採用された。水を用いた液浸によって原理的にはNAが1以上のレンズ設計が可能になったが、従来の屈折率系による光学系では巨大なレンズになってしまい、レンズが自身の自重によって変形してしまう問題が生じた。よりコンパクトなレンズ設計のために反射屈折(Catadioptric)光学系が提案され、NA1.0以上のレンズ設計が加速された。NA1.2以上のレンズと強い超解像技術の組み合わせで45nmノードの可能性が示され(非特許文献2)、更にはNA1.35のレンズの開発も行われている。
32nmノードのリソグラフィー技術としては、波長13.5nmの真空紫外光(EUV)リソグラフィーが候補に挙げられている。EUVリソグラフィーの問題点としてはレーザーの高出力化、レジスト膜の高感度化、高解像度化、低ラインエッジラフネス(LWR)化、無欠陥MoSi積層マスク、反射ミラーの低収差化などが挙げられ、克服すべき問題が山積している。
NA1.35レンズを使った水液浸リソグラフィーの最高NAで到達できる解像度は40〜38nmであり、32nmには到達できない。そこで更にNAを高めるための高屈折率材料の開発が行われている。レンズのNAの限界を決めるのは投影レンズ、液体、レジスト膜の中で最小の屈折率である。水液浸の場合、投影レンズ(合成石英で屈折率1.5)、レジスト膜(従来のメタクリレート系で屈折率1.7)に比べて水の屈折率が最も低く、水の屈折率によって投影レンズのNAが決まっていた。最近、屈折率1.65の高透明な液体が開発されてきている。この場合、合成石英による投影レンズの屈折率が最も低く、屈折率の高い投影レンズ材料を開発する必要がある。LUAG(Lu3Al5O12)は屈折率が2以上であり、最も期待される材料ではあるが、複屈折率と吸収が大きい問題を持っている。また、屈折率1.8以上の投影レンズ材料が開発されたとしても屈折率1.65の液体ではNAは1.55止まりであり、32nmを解像できない。
32nmを解像するには屈折率1.8以上の液体が必要である。今のところ吸収と屈折率がトレードオフの関係にあり、このような材料は未だ見つかっていない。アルカン系化合物の場合、屈折率を上げるためには直鎖状よりは有橋環式化合物の方が好ましいが、環式化合物は粘度が高いために露光装置ステージの高速スキャンに追随できない問題も孕んでいる。また、屈折率1.8の液体が開発された場合、屈折率の最小がレジスト膜になるために、レジスト膜も1.8以上に高屈折率化する必要がある。
ここで最近注目を浴びているのは1回目の露光と現像でパターンを形成し、2回目の露光で1回目のパターンの丁度間にパターンを形成するダブルパターニングプロセスである(非特許文献3)。ダブルパターニングの方法としては多くのプロセスが提案されている。例えば、1回目の露光と現像でラインとスペースが1:3の間隔のフォトレジストパターンを形成し、ドライエッチングで下層のハードマスクを加工し、その上にハードマスクをもう1層敷いて1回目の露光のスペース部分にフォトレジスト膜の露光と現像でラインパターンを形成してハードマスクをドライエッチングで加工して初めのパターンのピッチの半分のラインアンドスペースパターンを形成する方法である。また、1回目の露光と現像でスペースとラインが1:3の間隔のフォトレジストパターンを形成し、ドライエッチングで下層のハードマスクをドライエッチングで加工し、その上にフォトレジスト膜を塗布してハードマスクが残っている部分に2回目のスペースパターンを露光しハードマスクをドライエッチングで加工する。いずれも2回のドライエッチングでハードマスクを加工する。
前述の方法では、ハードマスクを2回敷く必要があり、後者の方法ではハードマスクが1層で済むが、ラインパターンに比べて解像が困難なトレンチパターンを形成する必要がある。後者の方法では、トレンチパターンの形成にネガ型レジスト材料を使う方法がある。これだとポジパターンでラインを形成するのと同じ高コントラストの光を用いることができるが、ポジ型レジスト材料に比べてネガ型レジスト材料の方が溶解コントラストが低いために、ポジ型レジスト材料でラインを形成する場合に比較してネガ型レジスト材料で同じ寸法のトレンチパターンを形成した場合を比較するとネガ型レジスト材料を使った方が解像性が低い。後者の方法で、ポジ型レジスト材料を用いて広いトレンチパターンを形成してから、基板を加熱してトレンチパターンをシュリンクさせるサーマルフロー法や、現像後のトレンチパターンの上に水溶性膜をコートしてから加熱してレジスト膜表面を架橋させることによってトレンチをシュリンクさせるRELACS法を適用させることも考えられるが、プロキシミティーバイアスが劣化するという欠点やプロセスが更に煩雑化し、スループットが低下する欠点が生じる。
前者、後者の方法においても、基板加工のエッチングは2回必要なため、スループットの低下と2回のエッチングによるパターンの変形や位置ずれが生じる問題がある。
エッチングを1回で済ませるために、1回目の露光でネガ型レジスト材料を用い、2回目の露光でポジ型レジスト材料を用いる方法がある。1回目の露光でポジ型レジスト材料を用い、2回目の露光でポジ型レジスト材料が溶解しない炭素4以上の高級アルコールに溶解させたネガ型レジスト材料を用いる方法もある。これらの場合、解像性が低いネガ型レジスト材料を使う解像性の劣化が生じる。
ダブルパターニングにおいて最もクリティカルな問題となるのは、1回目のパターンと2回目のパターンの合わせ精度である。位置ずれの大きさがラインの寸法のバラツキとなるために、例えば32nmのラインを10%の精度で形成しようとすると3.2nm以内の合わせ精度が必要となる。現状のスキャナーの合わせ精度が8nm程度であるので、大幅な精度の向上が必要である。
スキャナーの合わせ精度の問題や、1つのパターンを2つに分割することが困難であるため、1回の露光でピッチを半分にする方法が検討されている。
ラインパターン両側の側壁に膜を付けてこれによってピッチを半分にする方法が提案されている(非特許文献4)。この側壁スペーサー法としては、レジスト下層のハードマスクとその側壁に付けた膜と膜の間のスペースに埋めこんだ膜とをエッチングパターンとして用いるスペーサースペース法と、レジスト下層のハードマスク側壁に付けた膜をエッチングパターンとして用いるスペーサーライン法が提案されている(非特許文献5)。どちらの方法に於いてもレジスト下のハードマスクの側壁に付けた膜をエッチングマスクとして用いている。レジストラインがターゲット寸法からずれるとスペーサースペーサー法ではエッチングマスクとして用いるラインCDがまちまちになるし、スペーサーライン法ではライン位置のばらつきにつながる。どちらの方法に於いても側壁スペーサーの膜厚制御と現像後のレジストパターンの寸法制御の両方の高精度化が必要である。側壁スペーサー法はいずれの方法を用いても1回の露光でピッチを半分に出来るが、ラインの端点はドーナツ状になり、最も端のラインが不必要だったりすることがあるため、これを消去するための露光が必要であり、少なくとも2回の露光が必要である。しかしながら、この場合の2回目の露光に於いてピッチを半分にするための非常に高精度なアライメントは必要ない。
ここで、非特許文献5に記載されている側壁スペーサー法のスペーサースペース法を図2に示し、工程を以下に示す。
基板21上に被加工層22、ハードマスク23を形成し、その上にレジスト膜を形成した後フォトレジストパターン24を得る(図2−1)。ハードマスク23にドライエッチングでフォトレジストパターン23’を転写し(図2−2)、得られたハードマスクパターン23’上に珪素酸化膜25をCVD法で形成する(図2−3)。ドライエッチングでハードマスクパターン23’上部とスペース部分27の珪素酸化膜を取りスペーサー26を形成し(図2−4)、スペース部分27にスペーサースペース28を埋め込み、ハードマスクパターン23’上部とスペーサー26の上部のスペーサースペースを取り(図2−5)、スペーサー26を除去して(図2−6)、被加工層22’を得る(図2−7)。このように、ハードマスクパターン23’の側壁に付いたスペーサー26がパターン反転されて被加工層22に転写され、被加工層22’を得る。
側壁スペーサー法のスペーサーラインプロセスを図3に示し、工程を以下に示す。
基板31上に被加工層32、ハードマスク33を形成し、その上にフォトレジスト膜を形成した後フォトレジストパターン34を得る(図3−1)。ハードマスク33にドライエッチングでレジストパターン34を転写し、ハードマスクパターン33’を得る(図3−2)。ハードマスクパターン33’上に珪素酸化膜35をCVD法で形成する(図3−3)。ドライエッチングでハードマスクパターン33’上部とスペース部分37の珪素酸化膜を取りスペーサー36を形成する(図3−4)。ハードマスクパターン33’を除去してスペーサーライン38を残し(図3−5)、これをマスクにして被加工層32を加工し、被加工層32’を得る(図3−6)。
ハードマスクとしては、SiO2、SiN、SiON、p−Si、TiN、カーボン膜などが用いられ、CVD法またはスピンコートで形成される。ハードマスクとフォトレジスト膜との間には有機反射防止膜を敷いてもよいし、反射防止膜機能を有するSOG膜とカーボン膜からなるトライレイヤーを形成していても良い。側壁スペーサー法では、スペーサーとしては、ハードマスクとその下の基板を加工するために、ハードマスクとは異なる材質が用いられる。
このような側壁スペーサー法は、ハードマスクの側壁だけに付けた膜を元にエッチングパターンとするために、ハードマスク上とスペーサーに付いた膜の除去を行わなければならない。スペーサースペース法では、スペース埋めこみ後に側壁パターンの除去が必要であり、スペースライン法ではハードマスクの側壁にスペースパターンを形成後、ハードマスクだけを除去しなければならない。エッチング加工と膜の除去工程数が多く、スループットが低く、高価なプロセスである
低温CVD(Chemical Vapor Deposition)でレジストパターン上に珪素酸化膜を形成してホールパターン径を縮小する方法が提案されており(非特許文献6)、レジストパターンに直接珪素酸化膜を付ける検討が進んでいる。原子層堆積法;ALD(Atomic Layer Deposition)法はCVD法の一種であり、原子レベルの酸化珪素を積層させていく方法である(非特許文献7)。ALD法の欠点はスループットが低いことであったが、大量のウェハーをバッチ処理することによって、時間当たりの処理能力が高くなってきている。
このように、CVD、ALD法を用いてベースポリマーのガラス転移点(Tg)温度以下の温度で珪素酸化膜を形成することで、レジストパターンに直接珪素酸化膜を付けることが可能になっている。CVD法やALD法で珪素酸化膜を形成するためのシリコンソースとなるガス種としては、クロロシラン、アルコキシシランが用いられている。一方、テトラキスジメチルアミノシランガスを用いる方法(特許文献1)、ビスジメチルアミノシラン等2つのアミノ基を有するシランガスを用いて珪素酸化膜を形成する方法(特許文献2、特許文献3)が報告されている。これらの中で、アミノシランガスを用いた場合、アルコキシシランを用いる場合よりも低温で珪素酸化膜形成が可能であることが記載されている。
しかしながら、珪素酸化膜付着後のレジストパターンの形状を観察すると、ラインウィドスラフネス(LWR)が増大するという問題が生じている。
珪素酸化膜の付着によってもフォトレジストパターンの変形やLWRの増大が生じないパターンの形成方法が求められているのである。
Proc. SPIE Vol. 4690 xxix
Proc. SPIE Vol. 5040 p724
Jpn. J. App. Phys. Vol.33(1994)p 6874−6877、Part 1, No.12B, December 1994)
J. Vac. Sci. Technol. B 17(6)、 Nov/Dec 1999
第4回液浸シンポジウム(2007年) 講演番号;PR−01、題名;Implementation of immersion lithography to NAND/CMOS lithography to NAND/CMOS device manufacturing
Proc. SPIE Vol.6923 p692333−1 (2008)
日立評論 2007年4月号45 nmノード対応縦型ALD成膜装置「ALDINNA」 Vertical Batch Atomic Layer Deposition Equipment ALDINNA for 45−nm Node Devices
特開平6−80413号
特開2006−286711号
特開2008−109093号
以下、本発明についてより具体的に説明する。
前述のように、フォトレジストパターンの側壁にスペーサーとして珪素酸化膜系の膜を形成し、このスペーサーを元に下地を加工する側壁スペーサー法において、レジストパターンに直接酸化膜を形成したときにレジストパターンの変形が生じ、フォトレジストパターン寸法が縮小したり、LWRが増大したりする問題が発生した。これらの問題は、フォトレジストパターンに直接珪素酸化膜を形成する際の温度や、原料のシランガスのフォトレジストパターンの付着速度が遅いために珪素酸化膜の成長速度が低下することに起因することを見出した。
そこで、本発明者は、基板上にフォトレジスト膜を成膜し、該フォトレジスト膜を高エネルギー線で露光し、現像液を用いて現像し、フォトレジストパターンを形成した後、該フォトレジストパターンの側壁にスペーサーを形成する方法により基板上にパターンを形成するパターン形成方法において、フォトレジストパターンの変形やLWRの増大を防ぐために、フォトレジストパターン上に、より低温で珪素酸化膜を形成し、珪素酸化膜形成時の十分な成長速度を確保することができるパターン形成方法の開発に着手した。
その結果、少なくとも、基板上にフォトレジスト膜を成膜し、該フォトレジスト膜を高エネルギー線で露光し、現像液を用いて現像し、フォトレジストパターンを形成した後、該フォトレジストパターンの側壁にスペーサーとして珪素酸化膜を形成する方法により基板上にパターンを形成するパターン形成方法において、少なくとも、前記珪素酸化膜は、CVD法またはALD法により、1分子内に少なくとも1つ以上のシラザン結合を有するシランガスを前記フォトレジストパターンに作用させ、酸化させることで得られた珪素酸化膜を用いる形成方法であれば、珪素酸化膜を形成した後のフォトレジストパターンの変形や、LWRの増大を防ぐことができることを見出し、本発明を完成したものである。
即ち、本発明は、CVD法やALD法でフォトレジストパターン上に直接珪素酸化膜を付ける側壁スペーサー法において、珪素酸化膜を形成するためのシランガスとして、分子内に少なくとも1つ以上のシラザン結合を有するシラン化合物を用い、このシランガスを酸化することによって珪素酸化膜を得ることにある。
この方法によって、より低温での珪素酸化膜形成が可能となり、珪素酸化膜を形成した後のフォトレジストパターンの変形や、LWRの増大を防ぐことができる。
1分子内に少なくとも1つ以上のシラザン結合を有するシラン化合物としては下記一般式(1)に示される。
(式中、R
1、R
2、R
3は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜12のアラルキル基、又は下記一般式(2)で表される置換基である。R
4、R
5は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜12のアラルキル基、又は一般式(3)で表される置換基である。R
2とR
4は結合して、シラザン結合を有する環を形成しても良い。
R
6、R
7は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜12のアラルキル基である。R
8、R
9、R
10は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜12のアラルキル基である。R
6とR
7は結合して環を形成しても良く、環の中に窒素原子、二重結合を含んでいても良い。)。
一般式(1)に示される化合物としては、具体的には下記に挙げることが出来る。すなわち、ジメチルアミノシラン、ジメチルアミノメチルシラン、ジメチルジメチルアミノシラン、アミノトリメチルシラン、ジメチルアミノトリメチルシラン、トリメチルシリル−1,2,4−トリアゾール、2−トリメチルシリル−1,2,3,−トリアゾール、ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン、1−トリメチルシリルイミダゾール、アリルアミノトリメチルシラン、ジエチルアミノジメチルシラン、ビス(エチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、トリメチルシリルピロール、トリメチルシリルピロリジン、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ジエチルアミノトリメチルシラン、メチルトリス(ジメチルアミノシラン)、ピペリジノトリメチルシラン、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン、アニリロトリメチルシラン、ビス(ジエチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ブチルアミノ)ジメチルシラン、メチルトリピペリジノシラン、テトラキス(ジエチルアミノ)シラン、ジアリニロジフェニルシラン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、ヘプタメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルシクロトリシラザン、トリス(トリメチルシリル)アミン、1,1−3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシラザンであり、これらから選ばれる1種あるいは2種以上の混合ガスであってもよい。またキャリアガスとしてN2、He、Ar、Kr等の不活性ガスを用いても良い。
上記の1分子内に少なくとも1つ以上のシラザン結合を有するシラン化合物を酸化させるためのガスとしては、H2O、D2O、O2、O3、H2O2、NO、NO2を挙げることが出来る。
酸化珪素膜基板、およびSi基板は表面がシラノールで覆われており、シラノールに対してクロロシラン、アルコキシシラン等のシランガスが吸着し、縮合反応によって珪素酸化膜が形成されていく。一方、フォトレジストにはクロロシラン、アルコキシシランと縮合反応を引き起こすような1級、2級のヒドロキシ基等の官能基が存在しない場合が多く、酸化珪素膜基板、およびSi基板に比べると珪素酸化膜が形成されるとっかかりがないために珪素酸化膜形成速度が遅い。
本発明のパターン形成方法に於いては、予めフォトレジストパターン上に1分子内に少なくとも1つ以上のアミノ基を有するアミノシラン化合物を吸着させ、その上に上記シラザン結合を有するシランガスによって珪素膜を形成することが出来る。フォトレジストパターンの表面は酸不安定基の部分脱保護によってカルボキシル基が存在しており、アミノ基を有するアミノシラン化合物はカルボキシル基に効率よく吸着する。アミノ基がレジスト側に吸着し、シラン化合物の加水分解によって珪素酸化膜が形成される。このように、シランガスのフォトレジストパターンへの吸着率を上げ、フォトレジストパターンのLWRを低減させるために、アミノシラン化合物を予めフォトレジストパターンに吸着させておくことは有効である。
このような、少なくとも1つ以上のアミノ基を有するアミノシラン化合物としては、下記一般式(4)または(4’)で示されるものが挙げられる。
(式中、R
11、R
12、R
11’、R
12’、R
13’は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数7〜12のアラルキル基で、アミノ基、エーテル基、エステル基、ヒドロキシ基を有していても良い。R
11とR
12、R
11’とR
12’、R
12’とR
13’、R
11’とR
13’は結合して環を形成してもよい。R
13、R
14’は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状、環状のアルキレン基で、エーテル基、エステル基、チオエーテル基、フェニレン基、ヒドロキシ基を有していても良く、R
14〜R
16、R
15’〜R
17’は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アリーロキシ基、アルケニロキシ基、アラルキロキシ基、ヒドロキシ基であり、R
14〜R
16、R
15’〜R
17’の内少なくとも一つがアルコキシ基、ヒドロキシ基である。X
−はヒドロキシイオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、アルキルカルボン酸イオン、アリールカルボン酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、アリールスルホン酸イオン等の陰イオンである。)
一般式(4)で示される化合物は具体的には、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリプロポキシシシラン、3−アミノプロピルトリヒドロキシシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリエトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリプロポキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリヒドロキシシシラン、イソプロピルアミノメチルトリメトキシシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリメトキシシラン、アリルロキシ−2−アミノエチルアミノメチルジメチルシラン、ブチルアミノメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、ピペリジノメチルトリメトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、4−メチルピペラジノメチルトリメトキシシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)ジエトキシメチルシラン、モルフォリノメチルトリメトキシシラン、4−アセチルピペラジノメチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルアミノトリメトキシシラン、2−ピペリジノエチルトリメトキシシラン、2−モルフォリノエチルチオメチルトリメトキシシラン、ジメトキシメチル−2−ピペリジノエチルシラン、3−モルフォリノプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシメチル−3−ピペラジノプロピルシラン、3−ピペラジノプロピルトリメトキシシラン、3−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ヂメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、3−[2−(2−アミノエチルアミノエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルベンジロキシジメチルシラン、3−(4−アセチルピペラジノプロピル)トリメトキシシラン、3−(3−メチルピペリジノプロピル)トリメトキシシラン、3−(4−メチルピペリジノプロピル)トリメトキシシラン、3−(2−メチルピペリジノプロピル)トリメトキシシラン、3−(2−モルフォリノエチルチオプロピル)トリメトキシシラン、ジメトキシメチル−3−(4−メチルピペリジノプロピル)シラン、3−シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ベンジルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−ピペリジノエチルチオプロピル)トリメトキシシラン、3−ヘキサメチレンイミノプロピルトリメトキシシラン、3−ピロリジノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。
一般式(4)で示されるアミノシラン化合物は単独で用いても良いし、2種以上のアミノシラン化合物をブレンドしても良い。また、アミノシラン化合物を加水分解縮合したものを用いても良い。
一般式(4)で示されるアミノシラン化合物として、下記一般式(5)に示されるオキシランを含有するシラン化合物とアミン化合物との反応生成物を挙げる事も出来る。
R
14〜R
16は前述の通りである。R
20は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜12のアルケニル基であり、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、アミノ基を有していても良い。R
21は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、環状のアルキレン基であり、エーテル基、エステル基、フェニレン基を有していても良く、p’は1又は2である。
一般式(4)で示されるアミノシランにおいて、特にはR
12が水素原子である2級のアミノ基を有するアミノシランあるいはR
11とR
12の両方が水素原子である1級のアミノ基を有するアミノシランと、オキシランを有するシラン化合物を混合した場合は、下記(5’)で示される反応によるシラン化合物が生成する。1級、2級のアミノ基を有するアミノシランと、オキシランを有するシラン化合物の混合物を用いた場合は、下記シラン化合物がフォトレジスト膜表面に吸着することになる。R
13〜R
16は前述の通りである。R
14’’〜R
16’’は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アリーロキシ基、アルケニロキシ基、アラルキロキシ基、ヒドロキシ基であり、R
14’’〜R
16’’の内少なくとも一つがアルコキシ基、ヒドロキシ基である。R
14’’〜R
16’’の内少なくとも一つがアルコキシ基、ヒドロキシ基である。R
21’は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、環状のアルキレン基であり、エーテル基、エステル基、フェニレン基を有していても良い。p’’は1又は2である。
ここで用いられるオキシラン含有シラン化合物の具体例として以下のものが挙げられる。
オキシランの代わりにオキセタンを有するシラン化合物を用いることも出来る。アミン化合物としては、1級あるいは2級アミン化合物が望ましい。1級のアミン化合物としては、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、エタノールアミン、N−ヒドロキシエチルエチルアミン、N−ヒドロキシプロピルエチルアミン等が例示され、2級のアミン化合物としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
アミノシラン化合物は、他のシラン化合物をブレンドすることも出来る。例えば特開2005−248169号にはアミノシランとエポキシ基を有するシランとのブレンドが示されている。
上記一般式(4’)で表されるアンモニウム塩を有するシラン化合物としては、3−トリメチルアンモニウムヒドロキシドプロピルトリエトキシシラン、3−トリメチルアンモニウムヒドロキシドプロピルトリメトキシシラン、3−トリメチルアンモニウムヒドロキシドプロピルトリプロポキシシラン、3−トリブチルアンモニウムヒドロキシドプロピルトリメトキシシラン、3−トリエチルアンモニウムヒドロキシドプロピルトリメトキシシラン、3−トリプロピルアンモニウムヒドロキシドプロピルトリメトキシシラン、3−トリメチルアンモニウムヒドロキシドベンジルエチルトリメトキシシランが挙げられる。上記アニオンとしてヒドロキシアニオンを挙げたが、塩素、臭素等のハロゲン原子、酢酸、ギ酸、シュウ酸、クエン酸、硝酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トシル酸、ベンゼンスルホン酸が挙げられるが、レジスト表面のカルボキシル基とのアニオンが交換でアンモニウムイオンが吸着するためには、X-は非求核性対向イオンとしては弱酸が好ましく、最も好ましいのはヒドロキシアニオンである。
また、アミノシランとブレンドして用いることが可能なシラン化合物は下記一般式(6)で示すことが出来る。
R25 m1R26 m2R27 m3Si(OR’)(4−m1−m2−m3) (6)
(R’は炭素数1〜3のアルキル基であり、R25、R26、R27はそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、又は炭素数1〜30の1価の有機基であり、m1、m2、m3は0又は1である。m1+m2+m3は0〜3、特に0又は1が好ましい。)
ここで、有機基は炭素を含む基の意味であり、更に水素を含み、また窒素、酸素、硫黄、ケイ素等を含んでもよい。R25、R26、R27の有機基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基等の非置換の1価炭化水素基、及びこれらの基の水素原子の1個又はそれ以上が、エポキシ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等で置換された基や、後述する一般式(7)で示される−O−,−CO−,−OCO−,−COO−,−OCOO−が介在された基、ケイ素−ケイ素結合を含む有機基等を挙げることができる。
一般式(6)で示されるモノマーのR25、R26、R27として好ましいものは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、2,2−ジエチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、エチニル基等のアルキニル基、更に光吸収性基フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニチル基等のアラルキル基が挙げられる。
例えば、m1=0、m2=0、m3=0であるテトラアルコキシシランとして、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシランをモノマーとして例示できる。好ましくは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランである。
例えば、m1=1、m2=0、m3=0であるトリアルコキシシランとして、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、ビニルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、i−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ−nプロポキシシラン、n−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチル−i−トリエトキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−プロポキシシラン、sec−ブチル−トリ−iso−プロポキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリ−nプロポキシシラン、t−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、シクロプロピルトリメトキシシラン、シクロプロピルトリエトキシシラン、シクロプロピル−トリ−n−プロポキシシラン、シクロプロピル−トリ−iso−プロポキシシラン、シクロブチルトリメトキシシラン、シクロブチルトリエトキシシラン、シクロブチル−トリ−n−プロポキシシラン、シクロブチル−トリ−iso−プロポキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロペンチル−トリ−n−プロポキシシラン、シクロペンチル−トリ−iso−プロポキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシル−トリ−n−プロポキシシラン、シクロヘキシル−トリ−iso−プロポキシシラン、シクロヘキセニルトリメトキシシラン、シクロヘキセニルトリエトキシシラン、シクロヘキセニル−トリ−n−プロポキシシラン、シクロヘキセニル−トリ−iso−プロポキシシラン、シクロヘキセニルエチルトリメトキシシラン、シクロヘキセニルエチルトリエトキシシラン、シクロヘキセニルエチル−トリ−n−プロポキシシラン、シクロヘキセニルエチルトリ−iso−プロポキシシラン、シクロオクタニルトリメトキシシラン、シクロオクタニルトリエトキシシラン、シクロオクタニル−トリ−n−プロポキシシラン、シクロオクタニル−トリ−iso−プロポキシシラン、シクロペンタジエニルプロピルトリメトキシシラン、シクロペンタジエニルプロピルトリエトキシシラン、シクロペンタジエニルプロピル−トリ−n−プロポキシシラン、シクロペンタジエニルプロピル−トリ−iso−プロポキシシラン、ビシクロヘプテニルトリメトキシシラン、ビシクロヘプテニルトリエトキシシラン、ビシクロヘプテニル−トリ−n−プロポキシシラン、ビシクロヘプテニル−トリ−iso−プロポキシシラン、ビシクロヘプチルトリメトキシシラン、ビシクロヘプチルトリエトキシシラン、ビシクロヘプチル−トリ−n−プロポキシシラン、ビシクロヘプチル−トリ−iso−プロポキシシラン、アダマンチルトリメトキシシラン、アダマンチルトリエトキシシラン、アダマンチル−トリ−n−プロポキシシラン、アダマンチル−トリ−iso−プロポキシシラン等を例示できる。また、光吸収性モノマーとして、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ベンジルトリ−n−プロポキシシラン、ベンジルトリ−iso−プロポキシシラン、トリルトリメトキシシラン、トリルトリエトキシシラン、トリルトリ−n−プロポキシシラン、トリルトリ−iso−プロポキシシラン、フェネチルトリメトキシシラン、フェネチルトリエトキシシラン、フェネチルトリ−n−プロポキシシラン、フェネチルトリ−iso−プロポキシシラン、ナフチルトリメトキシシラン、ナフチルトリエトキシシラン、ナフチルトリ−n−プロポキシシラン、ナフチルトリ−iso−プロポキシシラン等を例示できる。
例えば、m1=1、m2=1、m3=0であるジアルコキシシランとして、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、ジメチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジメチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジエチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジiso−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジエトキシシラン、ジt−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−t−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−シクロプロピルジメトキシシラン、ジ−シクロプロピルジエトキシシラン、ジ−シクロプロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−シクロプロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−シクロブチルジメトキシシラン、ジ−シクロブチルジエトキシシラン、ジ−シクロブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−シクロブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−シクロペンチルジメトキシシラン、ジ−シクロペンチルジエトキシシラン、ジ−シクロペンチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−シクロペンチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジ−シクロヘキシル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−シクロヘキシル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−シクロヘキセニルジメトキシシラン、ジ−シクロヘキセニルジエトキシシラン、ジシクロヘキセニル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−シクロヘキセニル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−シクロヘキセニルエチルジメトキシシラン、ジ−シクロヘキセニルエチルジエトキシシラン、ジ−シクロヘキセニルエチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−シクロヘキセニルエチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−シクロオクタニルジメトキシシラン、ジ−シクロオクタニルジエトキシシラン、ジシクロオクタニル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−シクロオクタニル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−シクロペンタジエニルプロピルジメトキシシラン、ジ−シクロペンタジエニルプロピルジエトキシシラン、ジ−シクロペンタジエニルプロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−シクロペンタジエニルプロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ビス−ビシクロヘプテニルジメトキシシラン、ビス−ビシクロヘプテニルジエトキシシラン、ビス−ビシクロヘプテニル−ジ−n−プロポキシシラン、ビス−ビシクロヘプテニル−ジ−iso−プロポキシシラン、ビス−ビシクロヘプチルジメトキシシラン、ビス−ビシクロヘプチルジエトキシシラン、ビス−ビシクロヘプチル−ジ−n−プロポキシシラン、ビス−ビシクロヘプチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ビス−アダマンチルジメトキシシラン、ビス−アダマンチルジエトキシシラン、ビス−アダマンチル−ジ−n−プロポキシシラン、ビス−アダマンチル−ジ−iso−プロポキシシラン等を例示できる。また、光吸収性モノマーとして、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニル−ジ−エトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジフェニル−ジ−nプロポキシシラン、ジフェニル−ジ−iso−プロポキシシラン等を例示できる。
例えば、m1=1、m2=1、m3=1であるモノアルコキシシランとして、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルエチルメトキシシラン、ジメチルエチルエトキシシラン等を例示できる。また、光吸収性モノマーとして、ジメチルフェニルメトキシシラン、ジメチルフェニルエトキシシラン、ジメチルベンジルメトキシシラン、ジメチルベンジルエトキシシラン、ジメチルフェネチルメトキシシラン、ジメチルフェネチルエトキシシラン等を例示できる。
上記R25、R26、R27で表される有機基の別の例として、炭素−酸素単結合又は炭素−酸素二重結合を1以上有する有機基を挙げることができる。具体的には、エポキシ基、エステル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基からなる群から選択される1以上の基を有する有機基である。一般式(6)中の炭素−酸素単結合、炭素−酸素二重結合の1以上を有する有機基は、例として次の一般式(7)で示されるものを挙げることができる。
(P−Q
1−(S
1)
v1−Q
2−)
u−(T)
v2−Q
3−(S
2)
v3−Q
4− (7)
(上記式中、Pは水素原子、ヒドロキシル基、下記一般式(8)で表されるエポキシ基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルカルボニルオキシ基、又は炭素数1〜6のアルキルカルボニル基であり、Q
1とQ
2とQ
3とQ
4は各々独立して−C
qH
(2q−p)P
p−(式中、Pは上記と同様であり、pは0〜3の整数であり、qは0〜10の整数(但し、q=0は単結合であることを示す。)である。)、uは0〜3の整数であり、S
1とS
2は各々独立して−O−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−OCOO−を表す。v1、v2、v3は、各々独立して0又は1を表す。これらとともに、Tはヘテロ原子を含んでもよい脂環又は芳香環からなる2価の基であり、Tの酸素原子等のヘテロ原子を含んでもよい脂環又は芳香環の例を以下に示す。TにおいてQ
2とQ
3と結合する位置は、特に限定されないが、立体的な要因による反応性や反応に用いる市販試薬の入手性等を考慮して適宜選択できる。)
一般式(6)中の炭素−酸素単結合又は炭素−酸素二重結合を1以上有する有機基の好ましい例として、以下のものが挙げられる。なお、下記式中において、(Si)はSiとの結合箇所を示すために記載した。
また、R25、R26、R27の有機基の例として、ケイ素−ケイ素結合を含む有機基を用いることもできる。具体的には下記のものを挙げることができる。
本発明のパターン形成方法に用いるアミノシラン化合物は、シランの縮合反応を促進させるために特開2006−65035号記載のチタン化合物と混合することも出来る。
フォトレジストパターン上にアミノシラン化合物を吸着させるためには、スピンコート法、ベーパープライム法、あるいはアミノシランガスを用いたCVD法、ALD法で行うことが出来る。スピンコート法の場合は、アミノシラン化合物を溶媒に溶解させる。溶媒としては、炭素数3〜8のアルコールおよび水あるいはこれらの混合溶液に溶解させることが好ましい。炭素数3〜8のアルコールにはポジ型レジスト用のベースポリマーが溶解しないために、レジストパターンのミキシング層の発生を抑える。炭素数3〜8のアルコールは、具体的にはn−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、tert−アミルアルコール、ネオペンチルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−ジエチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−3−ペンタノール、n−オクタノール、シクロヘキサノールが挙げられる。更にレジスト膜とのミキシングを防止するために上記の溶媒に加えて、水、重水、ジイソブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジ−n−ペンチルエーテル、メチルシクロペンチルエーテル、メチルシクロヘキシルエーテル、デカン、トルエン、キシレン、アニソール、ヘキサン、シクロヘキサン、2−フルオロアニソール、3−フルオロアニソール、4−フルオロアニソール、2,3−ジフルオロアニソール、2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、5,8−ジフルオロ−1,4−ベンゾジオキサン、2,3−ジフルオロベンジルアルコール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、2’,4’−ジフルオロプロピオフェノン、2,4−ジフルオロトルエン、トリフルオロアセトアルデヒドエチルヘミアセタール、トリフルオロアセトアミド、トリフルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエチルブチレート、エチルヘプタフルオロブチレート、エチルヘプタフルオロブチルアセテート、エチルヘキサフルオログルタリルメチル、エチル−3−ヒドロキシ−4,4,4−トリフルオロブチレート、エチル−2−メチル−4,4,4−トリフルオロアセトアセテート、エチルペンタフルオロベンゾエート、エチルペンタフルオロプロピオネート、エチルペンタフルオロプロピニルアセテート、エチルパーフルオロオクタノエート、エチル−4,4,4−トリフルオロアセトアセテート、エチル−4,4,4−トリフルオロブチレート、エチル−4,4,4−トリフルオロクロトネート、エチルトリフルオロスルホネート、エチル−3−(トリフルオロメチル)ブチレート、エチルトリフルオロピルベート、S−エチルトリフルオロアセテート、フルオロシクロヘキサン、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノール、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−7,7−ジメチル−4,6−オクタンジオン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタフルオロペンタン−2,4−ジオン、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−ペンタノール、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−ペンタノン、イソプロピル4,4,4−トリフルオロアセトアセテート、メチルパーフルオロデナノエート、メチルパーフルオロ(2−メチル−3−オキサヘキサノエート)、メチルパーフルオロノナノエート、メチルパーフルオロオクタノエート、メチル−2,3,3,3−テトラフルオロプロピオネート、メチルトリフルオロアセトアセテート、1,1,1,2,2,6,6,6−オクタフルオロ−2,4−ヘキサンジオン、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−デカノール、パーフルオロ(2,5−ジメチル−3,6−ジオキサンアニオニック)酸メチルエステル、2H−パーフルオロ−5−メチル−3,6−ジオキサノナン、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロノナン−1,2−ジオール、1H,1H,9H−パーフルオロ−1−ノナノール、1H,1H−パーフルオロオクタノール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタノール、2H−パーフルオロ−5,8,11,14−テトラメチル−3,6,9,12,15−ペンタオキサオクタデカン、パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリヘキシルアミン、パーフルオロ−2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサドデカン酸メチルエステル、パーフルオロトリペンチルアミン、パーフルオロトリプロピルアミン、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロウンデカン−1,2−ジオール、トルフルオロブタノール1,1,1−トリフルオロ−5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、3,3,3−トリフルオロ−1−プロパノール、1,1,1−トリフルオロ−2−プロピルアセテート、パーフルオロブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロ(ブチルテトラヒドロフラン)、パーフルオロデカリン、パーフルオロ(1,2−ジメチルシクロヘキサン)、パーフルオロ(1,3−ジメチルシクロヘキサン)、プロピレングリコールトリフルオロメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルトリフルオロメチルアセテート、トリフルオロメチル酢酸ブチル、3−トリフルオロメトキシプロピオン酸メチル、パーフルオロシクロヘキサノン、プロピレングリコールトリフルオロメチルエーテル、トリフルオロ酢酸ブチル、1,1,1−トリフルオロ−5,5−ジメチル−2,4−ヘキサンジオン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノール、2−トリフルオロメチル−2−プロパノール,2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、3,3,3−トリフルオロ−1−プロパノール、4,4,4−トリフルオロ−1−ブタノールなどの1種又は2種以上を混合して使用することができる。
水および重水の混合は、塗布後のアミノ基含有シラン化合物の加水分解縮合反応を加速させる。または水および重水添加による塗布前の溶液中での加水分解縮合によって予めシラン化合物をオリゴマー化させておくことも出来る。
この場合、上記炭素数3〜8のアルコールは、少なくとも一つのアミノ基を有する加水分解反応基をもつ珪素化合物を含むパターン表面コート材中、10質量%以上、好ましくは30〜99.9999質量%含有することが好ましい。また、上記アミノ基を有する加水分解反応基をもつ珪素化合物は、パターン表面コート材中、0.0001〜10.0質量%、特に0.001〜5質量%含有していることが好ましい。
水の添加量は、少なくとも一つのアミノ基を有する加水分解反応基をもつ珪素化合物を含むパターン表面コート材中、0.0001質量%以上、好ましくは0.001〜98質量%含有することが好ましい。
前述したように、本発明は、CVD法やALD法でフォトレジストパターン上に直接珪素酸化膜を付ける側壁スペーサー法において、珪素酸化膜を形成するためのシランガスとして、分子内に少なくとも1つ以上のシラザン結合を有するシラン化合物を用い、このシランガスを酸化することによって珪素酸化膜を得ることにあるが、フォトレジストパターンの変形やLWRの劣化を防ぐためにはより強固な膜を形成できるレジスト組成物が好ましく用いることが出来る。
この場合のフォトレジスト膜強度としてのハードネスは0.4GPa以上又はヤングモジュラスが9.2GPa以上の機械的強度を有する事が好ましい。この様なフォトレジスト材料としては、ラクトンのみを密着性基として有するベースポリマーでは達成できず、ラクトンに加えて、水素結合性を有する水酸基を密着性基として必要とする。これは、水酸基の水素結合によってポリマーのガラス転移点(Tg)および機械的強度が向上するためである。
水素結合性を有する密着性基としては、ヒドロキシ基、ヒドロキシナフチル基、カルボキシ基、2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル基を挙げることができる。これら繰り返し単位aのうち、これらの中ではヒドロキシナフチル基が最も好ましい。
ヒドロキシナフチル基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(a1)に示すことができる。
(式中、R
31は同一又は異種の水素原子又はメチル基を示す。Xは単結合、又は−C(=O)−O−であり、Yは単結合、又は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基で、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。mは1又は2である。)
ここで、炭素数1〜6のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、シクロペンチレン基、n−ヘキシレン基、シクロヘキシレン基が挙げられる。
一般式(a1)で示される繰り返し単位を得るためのモノマーとしては、下記一般式(Ma1)で示される。ここで、R
31、X、Y、mは前述と同じである。
一般式(Ma1)で示されるモノマーとしては、具体的には下記に例示することができる。
ヒドロキシ基、カルボキシ基を有する繰り返し単位を得るためのモノマーとしては下記に例示することができる。
2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル基を有する繰り返し単位としては以下に挙げることができる。
上記ヒドロキシ基、ヒドロキシナフチル基、カルボキシ基、2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル基に、加えてラクトン、エーテル基、カルボニル基、カーボネート基、スルホン酸アミドを有する繰り返し単位bを共重合することも出来る。
ラクトン及びエーテル基を有する繰り返し単位の中でも、下記一般式(b1)又は(b2)で示される7−オキサノルボルナン環を有する繰り返し単位は酸と熱によって架橋反応が起こり、これによって膜の機械強度を向上させる効果があるために好ましく用いることが出来る。
(式中、R
34、R
39は水素原子又はメチル基を示す。R
35、R
40は単結合、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基であり、エーテル基又はエステル基を有していてもよいが、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基の場合、式中のエステル基に連結した炭素原子は1級又は2級である。R
36、R
37、R
38、R
41、R
42、R
43、R
44は水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基である。)
7−オキサノルボルナン環を有する繰り返し単位を得るためのモノマーとしては、下記一般式(Mb1)、(Mb2)で示される。ここで、R
34〜R
44は前述と同じである。
繰り返し単位(b1)、(b2)を得るためのモノマーとしては、具体的に下記に挙げることができる。
(b1)、(b2)以外のラクトンまたはエーテル基を有するモノマーとしては、以下に挙げることが出来る。
ヒドロキシ基と、ラクトン環または環状エーテルの両方を有する繰り返し単位を共重合することも出来る。
スルホンアミドを有する繰り返し単位としては以下に挙げることが出来る。
カーボネートを有する繰り返し単位としては、以下に例示することが出来る。
このように、本発明のパターン形成方法に用いられるベースポリマーとしては、水素結合性を有するヒドロキシル基、ヒドロキシナフチル基、カルボキシ基、2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル基から選ばれる1以上の密着性基を有するものが挙げられる。水素結合によって膜の機械的強度が向上し、フォトレジストパターンに直接珪素酸化膜を形成した時のパターンの変形を抑えることができるためである。
また、波長200nm以下の照射によって、フェノール性の水酸基を有する化合物が架橋、硬化することはよく知られている。しかしながら、クレゾールノボラックやポリヒドロキシスチレンは、パターンを形成するための波長193nmのArFエキシマレーザーに極めて強い吸収を持つために、パターンを形成することができない。
一方、ヒドロキシナフチル基はフェノール性の水酸基を有するために波長200nm以下の照射による架橋を促進させる。また、ナフタレン環は波長193nmにおける吸収がそれほど大きくないために、ヒドロキシナフチルを密着性基として有する高分子化合物をベースポリマーとするフォトレジスト膜材料は、ArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいてパターン形成が可能である。
また、1級のヒドロキシ基とフェノール性水酸基は、酸と熱による架橋反応によって膜を硬化させる性質を有する。ナフトールの光照射による硬化反応と、光照射によって発生した酸と熱による1級のヒドロキシ基とナフトールの架橋反応を組み合わせることによって、より強固な膜を形成することができる。
このように、1級のヒドロキシ基又はフェノール性水酸基を含むヒドロキシ基、ヒドロキシナフチル基、カルボキシ基、2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル基は更に架橋性を有し、特にヒドロキシナフチル基は波長200nmの光照射によって架橋が進行することによってかなり強固な膜を形成することが可能である。
上記のベースポリマーとして、化学増幅型ポジ型フォトレジスト膜材料であれば、更に、ベース樹脂が酸不安定基を有する繰り返し単位を有することで、露光時に酸発生剤が発生する酸により酸不安定基を脱離させて、レジスト露光部を現像液に溶解させるように変換することにより、極めて高精度なパターンを得ることができる。
また、化学増幅型ポジ型レジスト材料として機能させるために添加するベースポリマーとしては、前記繰り返し単位a、bに加えて、下記一般式(c1)で示される酸不安定基を有する繰り返し単位cを有することが好ましい。
(式中、R
51は水素原子又はメチル基を示す。R
52は酸不安定基である。)
一般式(c1)で示される酸不安定基を有する繰り返し単位を得るためのモノマーとしては、下記一般式(Mc1)で示される。ここで、R
51、R
52は前述と同じである。
酸不安定基を有する繰り返し単位としては、特開2008−111103号公報(0083)〜(0104)、具体的には(0114)〜(0117)に記載されている。
ここで、a、b、cの共重合比率としては、0<a<0.9、0≦b<0.9、0<c<1.0、好ましくは0.05≦a≦0.8、0.1≦b≦0.8、0.1≦c≦0.8、より好ましくは0.1≦a≦0.7、0.2≦b≦0.7、0.12≦c≦0.7である。
本発明のパターン形成方法に用いられるレジストのベースポリマーとなる高分子化合物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が1,000〜500,000、特に2,000〜30,000であることが好ましい。重量平均分子量が小さすぎるとレジスト材料現像後の熱架橋における架橋効率が低下するものとなり、大きすぎるとアルカリ溶解性が低下し、パターン形成後に裾引き現象が生じ易くなる可能性がある。
更に、本発明のパターン形成方法に用いられるレジスト材料のベースポリマーとなる高分子化合物においては、分子量分布(Mw/Mn)が広い場合は低分子量や高分子量のポリマーが存在するために露光後、パターン上に異物が見られたり、パターンの形状が悪化したりするおそれがある。それ故、パターンルールが微細化するに従ってこのような分子量、分子量分布の影響が大きくなり易いことから、微細なパターン寸法に好適に用いられるレジスト材料を得るには、使用する多成分共重合体の分子量分布は1.0〜2.0、特に1.0〜1.5と狭分散であることが好ましい。
また、組成比率や分子量分布や分子量が異なる2つ以上のポリマーをブレンドすることも可能である。
これら高分子化合物を合成するには、1つの方法としては不飽和結合を有するモノマーを有機溶剤中、ラジカル開始剤を加え加熱重合を行う方法があり、これにより高分子化合物を得ることができる。重合時に使用する有機溶剤としては、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等が例示できる。重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等が例示でき、好ましくは50〜80℃に加熱して重合できる。反応時間としては2〜100時間、好ましくは5〜20時間である。酸不安定基は、モノマーに導入されたものをそのまま用いてもよいし、酸不安定基を酸触媒によって一旦脱離し、その後保護化あるいは部分保護化してもよい。なお、上記ベースポリマーを構成する高分子化合物は1種に限らず2種以上を添加することができる。複数種の高分子化合物を用いることにより、フォトレジスト膜材料の性能を調整することができる。
本発明のパターン形成に用いるフォトレジスト膜材料は、特に化学増幅ポジ型レジスト材料として機能させるために酸発生剤を含んでもよく、例えば、活性光線又は放射線に感応して酸を発生する化合物(光酸発生剤)を含有してもよい。光酸発生剤の成分としては、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であればいずれでも構わない。好適な光酸発生剤としてはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、オキシム−O−スルホネート型酸発生剤等がある。これらは単独であるいは2種以上混合して用いることができる。酸発生剤の具体例としては、特開2008−111103号公報(0122)〜(0142)段落に記載されている。
さらに、現像後に加熱を行うことによって、フォトレジスト膜材料を硬化するために熱酸発生剤を添加することができる。熱酸発生剤であるアンモニウム塩をフォトレジスト膜材料のベースポリマー100質量部に対して0.001〜20質量部、好ましくは0.01〜10質量部添加しておいて、加熱して酸を発生させることもできる。この場合、酸の発生と架橋反応は同時に進行する。加熱の条件は100〜300℃、特に130〜250℃の温度範囲で10〜300秒の範囲が好ましい。このような熱酸発生剤を使用した場合、機械的強度が向上したフォトレジスト膜が形成される。
なお、上記アンモニウム塩の熱酸発生剤としては、下記一般式(Pla−2)が挙げられる。
(式中、K
−はα位の少なくとも1つがフッ素化されたスルホン酸、又はパーフルオロアルキルイミド酸もしくはパーフルオロアルキルメチド酸である。R
101d、R
101e、R
101f、R
101gはそれぞれ水素原子、炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、オキソアルキル基又はオキソアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部がアルコキシ基によって置換されていてもよい。R
101dとR
101e、R
101dとR
101eとR
101fとは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R
101dとR
101e及びR
101dとR
101eとR
101fは炭素数3〜10のアルキレン基、又は式中の窒素原子を環の中に有する複素芳香族環を示す。)
K
−として具体的には、トリフレート、ノナフレート等のパーフルオロアルカンスルホン酸、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミド、ビス(パーフルオロブチルスルホニル)イミド等のイミド酸、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、トリス(パーフルオロエチルスルホニル)メチドなどのメチド酸、更には下記一般式(K−1)に示されるα位がフルオロ置換されたスルホネート、下記一般式(K−2)に示されるα位がフルオロ置換されたスルホネートが挙げられる。
一般式(K−1)中、R102は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアシル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基又はアリーロキシ基であり、エーテル基、エステル基、カルボニル基、ラクトン環を有していてもよく、又はこれらの基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい。一般式(K−2)中、R103は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基である。
本発明のレジスト材料は、更に、有機溶剤、塩基性化合物、溶解制御剤、界面活性剤、アセチレンアルコール類のいずれか1つ以上を含有することができる。
有機溶媒の具体例としては、特開2008−111103号公報(0144)〜(0145)、塩基性化合物としては(0146)〜(0164)、界面活性剤は(0165)〜(0166)、溶解制御剤としては特開2008−122932号公報(0155)〜(0178)、アセチレンアルコール類は(0179)〜(0182)に記載されている。
以下に本発明のパターン形成方法について詳述する。図1に本発明の工程を示し、以下に工程を説明する。
本発明では、基板1上に被加工層2を形成し、その上にカーボン膜3を形成する。その上に上述したフォトレジスト膜を形成し、露光、現像を経てフォトレジストパターン4を得る(図1−1)。現像後のフォトレジストパターン4の上に、予めアミノ基を有するアミノシラン化合物を吸着させ、その上にCVD法やAVD法によりシラザン結合を有するシランガスを作用させ、シランガスを酸化させることにより珪素酸化膜5を形成する(図1−2)。フォトレジスト上部7とスペース部分6の珪素酸化膜を除去してスペーサー8を形成し(図1−3)、スペーサー8をマスクにカーボン膜3を加工し(図1−4)、加工後のカーボン膜3’をマスクに被加工層2を加工し、被加工層2’を得る(図1−5)。出来上がるパターンは従来のハードマスクに直接珪素酸化膜を形成する図3のスペーサーライン法と同じパターンになるが、本発明のパターン形成方法は、従来のスペーサーライン法よりも、ハードマスクのエッチングが無い分だけプロセスが短縮できる。
本発明において、基板としては、シリコン基板が一般的に用いられる。基板上に形成される被加工層としては、SiO2、SiN、SiON、SiOC、p−Si、α−Si、TiN、WSi、BPSG、SOG、Cr、CrO、CrON、MoSi、低誘電膜及びそのエッチングストッパー膜が挙げられ、フォトレジスト膜とは異なる層が用いられる。
本発明では、被加工基板上にカーボン膜を形成することが好ましい。このカーボン膜はCVD法で形成してもよく、スピンコートで行っても良い。カーボン膜の炭素含有率は75重量%以上であり、好ましくは80重量%以上であり、更に好ましくは85重量%以上である。炭素の割合が80%以上の下層膜を適用する3層レジストプロセスによるパターン形成方法が特許3504247号に示されている。炭素密度の高い下層膜を用いることによって、エッチング中の下層膜パターンの変形や寸法変化が小さく被加工基板をエッチング加工できる。本発明のパターン形成方法に於いても、炭素密度の高い下層膜によって、被加工基板エッチングにおける寸法制御性の向上が期待できる。スピンコートによるカーボン膜としては特許3981825号、特開2005−128509号、同2006−293298号、同2007−199653号に開示されている。
カーボン膜とレジスト膜との間に有機反射防止膜を敷いても良い。カーボン膜は波長193nmでのk値が0.3以上のものが多く、カーボン膜からレジスト膜への基板反射が1%を超えてしまう。基板反射率が1%以上の基板では定在波の発生によりレジスト形状が劣化し、寸法均一性が劣化する。基板反射率を1%以下に抑えるためには、カーボン膜とレジストの間に、k値が0.05〜0.2に調整された有機反射防止膜を形成することは効果的である。カーボン膜と、有機反射防止膜の2層の反射防止膜による反射防止効果は優れており、1.0以上のNAを用いて入射角度が大きく反射率が高い液浸リソグラフィーに於いても1%以下の基板反射率に抑えることが出来る。
レジスト膜の厚さとしては、10〜1,000nm、特に20〜500nmであることが好ましい。このレジスト膜は、露光前に加熱(プリベーク)を行うが、この条件としては60〜180℃、特に70〜150℃で10〜300秒間、特に15〜200秒間行うことが好ましい。
次いで、露光を行う。ここで、露光は波長140〜250nmの高エネルギー線、その中でもArFエキシマレーザーによる193nmの露光が最も好ましく用いられる。露光は大気中や窒素気流中のドライ雰囲気でもよいし、水中の液浸露光であってもよい。ArF液浸リソグラフィーにおいては液浸溶媒として純水、又はアルカンなどの屈折率が1以上で露光波長に高透明の液体が用いられる。液浸リソグラフィーでは、プリベーク後のレジスト膜と投影レンズの間に、純水やその他の液体を挿入する。これによってNAが1.0以上のレンズ設計が可能となり、より微細なパターン形成が可能になる。液浸リソグラフィーはArFリソグラフィーを45nmノードまで延命させるための重要な技術である。液浸露光の場合は、レジスト膜上に残った水滴残りを除去するための露光後の純水リンス(ポストソーク)を行ってもよいし、レジスト膜からの溶出物を防ぎ、膜表面の滑水性を上げるために、プリベーク後のレジスト膜上に保護膜を形成させてもよい。液浸リソグラフィーに用いられるレジスト保護膜としては、例えば、水に不溶でアルカリ現像液に溶解する1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール残基を有する高分子化合物をベースとし、炭素数4以上のアルコール系溶剤、炭素数8〜12のエーテル系溶剤、及びこれらの混合溶媒に溶解させた材料が好ましい。フォトレジスト膜形成後に、純水リンス(ポストソーク)を行うことによって膜表面からの酸発生剤などの抽出、あるいはパーティクルの洗い流しを行ってもよいし、露光後に膜上に残った水を取り除くためのリンス(ポストソーク)を行ってもよい。
露光における露光量は1〜200mJ/cm2程度、好ましくは10〜100mJ/cm2程度となるように露光することが好ましい。次に、ホットプレート上で60〜150℃、1〜5分間、好ましくは80〜120℃、1〜3分間ポストエクスポジュアーベーク(PEB)する。
更に、0.1〜5質量%、好ましくは2〜3質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像することにより基板上に目的のパターンが形成される。
現像後のフォトレジストパターンの硬化には加熱処理、あるいは波長200nm以下の光照射をすることによって膜強度の向上につながる。加熱処理は、架橋反応を促進させ、現像後の光照射は波長200nm以下の高エネルギー線、具体的には、波長193nmのArFエキシマ光、波長172nmのXe2エキシマ光、157nmのF2エキシマ光、146nmのKr2エキシマ光、126nmのAr2エキシマ光が好ましく、露光量は光の場合は露光量10mJ/cm2〜10J/cm2の範囲である。波長200nm以下、特には193nm、172nm、157nm、146nm、122nmのエキシマレーザーや、エキシマランプの照射は、光酸発生剤からの酸の発生だけでなく、光照射による架橋反応を促進させる。
なお、波長180nm以下の光照射を大気中で行うと、オゾンの発生によりレジスト表面が酸化され、膜厚がかなり減少してしまう。光照射によるオゾン酸化は、基板に付着した有機物のクリーニングに用いられているので、レジスト膜もオゾンによってクリーニングされ、露光量が多いと膜が消失してしまう。そこで、波長172nm、157nm、146nm、122nmのエキシマレーザーや、エキシマランプを照射する場合は、窒素ガスや、Heガス、アルゴンガス、Krガスなどの不活性ガスでパージし、酸素や水分濃度が10ppm以下の雰囲気で光照射することが望ましい。
次に、上記のように形成されたフォトレジストパターンに、CVD法、ALD法で1分子内に少なくとも1つ以上のシラザン結合を有するシランガスを作用させ、酸化させることで珪素酸化膜を形成する。フォトレジストパターンとしては、機械的強度の高い膜の方が珪素酸化膜形成後のLWRの劣化が小さい。
レジスト膜の機械強度の測定方法としては、ナノインデンター法が好ましく用いることができる。ナノインデンターによる測定は、ダイヤモンドチップからなる正三角錐の圧子を薄膜に押しつけて圧子にかかる荷重から薄膜の強度を求める。レジスト膜の強度を測定する場合、Si基板にレジスト溶液を塗布し、プリベーク後膜厚200nm〜1000nmの範囲に調整した膜で測定を行う。レジストのパターニングは100nm程度の膜厚で行われるが、膜が薄すぎると基板の強度の情報も加わるために、測定すべき膜の本来の強度が求められない。そこで、パターニングするときよりも厚い膜で強度の測定を行う。
レジスト膜の機械的強度はナノインデンター法によるハードネス、あるいはヤングモジュラスとして表すことが出来る。この時、ハードネスが0.4GPa以下又はヤングモジュラスが9.2GPa以下のレジスト膜材料の側壁にシリコン酸化膜を形成するとレジストトップがシュリンクするなどのパターンの変形やラインウィドスラフネス(LWR)が大きくなったりし易い。前記問題点を解決するにはレジスト膜の強度としてはハードネス0.4GPa以上、ヤングモジュラス9.2GPa以上のものを用いるのが好ましいが、好ましくはハードネス0.42GPa以上、ヤングモジュラス9.5GPa以上、より好ましくはハードネス0.45GPa以上、ヤングモジュラス10.0GPa以上、更に好ましくはハードネス0.5GPa以上、ヤングモジュラス10.5GPa以上である。
CVD、ALDの方法としては特開2003−7700号、特開2005−197561号、特開2006−66587号に示されている方法を例示することが出来る。
CVD、ALD法によってSiO2、SiN、HfO2、Al2O3等各種金属酸化物や金属窒化物の膜を形成することができる。フォトレジストパターン上に直接製膜を行う場合はレジストパターンを変形させないためには200℃以下の低温での膜形成が必須であり、このため最も低温での製膜が可能な珪素酸化膜が好ましい。特に、ALD法は膜のコンフォーマル性、膜厚の均一性に優れ、サイドウォールスペーサー用の珪素酸化膜の形成に適していると考えられる。珪素酸化膜をALD法で形成する場合、本発明のシラザン結合を有するシランガスを提供し、フォトレジストパターンにシランモノマーを吸着させ、次にプラズマで励起された酸化系ガスによって珪素を酸化させる。このシランの吸着と酸化を繰り返し行い、1分子ずつ珪素酸化物を積み重ねるように成長させていく。酸化系ガスとしては、酸素、水、重水、オゾン、NO、NO2が用いられ、これらの混合ガスでも良く、N2、Ar、He等の不活性ガスを混合しても良い。各ステップ毎に残留ガスをクリーニングするためにN2、Ar、He等の不活性ガスを流しても良い。基板温度はレジストパターンの変形を抑えるには、200℃以下、好ましくは150℃以下、より好ましくは130℃以下である。
アミノ基を有するアミノシラン化合物のフォトレジストパターンへの吸着法としては、スピンコート法、バブリング法、CVD法、ALD法が挙げられる。スピンコート法では、有機溶媒に溶解させたアミノシラン化合物をフォトレジストパターン上に塗布し、場合によっては50〜200℃で3〜300秒間ベークし、更に場合によっては純水リンスにより余分なアミノシラン化合物を剥離しても良く、剥離後に50〜200℃で3〜300秒間ベークしてもよい。バブリング法は、アミノシラン溶液を窒素ガスなどの不活性ガスでバブリングしたガスをフォトレジストパターンに吹き付ける。CVD、ALD法では、シラザン結合を有するシランガスによる処理を行う前にアミノシランガスによる処理を行う。
1…基板、 2…被加工層、 3…カーボン膜、 3’…加工後のカーボン膜 4…フォトレジストパターン、 5…珪素酸化膜、 6…スペース部分、 7…フォトレジスト上部、 8…スペーサー、
21…基板、 22…被加工層、 22’…加工後の被加工層 23…ハードマスク、 23’…ハードマスクパターン、 24…フォトレジストパターン、 25…珪素酸化膜、 26…スペーサー、 27…スペース部分 28…スペーサースペース
31…基板、 32…被加工層、 32’…加工後の被加工層 33…ハードマスク、 33’…ハードマスクパターン、 34…フォトレジストパターン、 35…珪素酸化膜、 36…スペーサー、 37…スペース部分、 38…スペーサーライン。