JP4551096B2 - ストレージサブシステム - Google Patents
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Description
このストレージサブシステムにおいて、第1の記憶装置システムは、ホストからの入出力要求を処理し、かつ第2の記憶装置システムに対して入出力処理の結果、更新されたデータを送信し、第2の記憶装置システムは、第1の記憶装置システムからの受信したデータを更新ログデータとして保存し、ホストはアプリケーションの状態確定するコマンドをデータとして第1の記憶装置システムに送信し、第1の記憶装置システムはそのデータを第2の記憶装置システムに送信し、かつホストと第2の記憶装置システムは、コマンドに対応した識別子を双方で保持し、その識別子とログデータとを関連付ける。データを復元する場合に、ホストは任意の時点で識別子を指示することによって第2の記憶装置システムで任意の時点のデータを復元する。
好ましい例では、ホストは、リモートサイトにある第2の記憶装置システムに状態識別情報の入出力指示を発行する。リモートサイトにある第2の記憶装置システムは、ホストの状態識別情報の入出力指示を受領し、データの更新ログと識別情報を関連つけて記憶装置に記憶する。
図1は、一実施形態による計算機システムのブロック図を示す。
この計算機システムは、第1のホスト計算機1(以下、ホスト1という)と、第2のホスト計算機2(以下、ホスト2という)と、ホスト1に通信路5を介して接続される第1の記憶装置システム3(以下単に記憶装置システム3という)と、ホスト2に通信路7を介して接続されると共に、記憶装置システム3と通信路6を介して接続される第2の記憶装置システム4(以下単に記憶装置システム4という)と、記憶装置システム3に通信路11を介して接続される第1の記憶装置システム管理装置8と、記憶装置システム4に通信路12を介して接続される第2の記憶装置システム管理装置(以下、管理装置という)9と、これらの構成装置と通信路10を介して接続される計算機システム管理装置13を含んで構成される。記憶装置システム3,4は、例えばディスク装置或いはディスクアレイのような記憶装置21,22,23及びそれらの制御装置を有して構成される。ここで第2系の側はリモートサイトとして位置付けされる。
ホスト1は、計算機システムにおける所定の処理を実行する。即ち、ホスト1は情報処理に係る入出力処理に必要なコマンド及びデータを、記憶装置システム3との間で通信路5を用いて通信し、ホスト1で作成、変更したデータを記憶装置システム3に対してデータのライト要求を行い、また計算機処理に必要なデータのリード要求を行う。
記憶装置システム4の構成も記憶装置システム3と実質的に同じであるが、図1では複数の記憶装置22、23を有する点が相違する。詳しくは後述するが、2つある記憶装置の内一方の記憶装置22は記憶装置21のミラー用であり、他方の記憶装置23はログデータ記憶用に使用される。
システム管理者は、記憶装置システム3の保守・管理、記憶装置システム3が有する物理記憶装置の設定、及び記憶装置システム3と接続されるホスト1の設定等を行う場合に、管理装置8に設定したい内容を入力する。システム管理者が管理装置8に入力した内容は、通信路11、10を介して記憶装置システム3及びホスト1に送信される。
計算機システム管理装置13は、計算機システム全体の保守、管理を行うためのものであり、通常システムエンジニアにより操作され利用される。
通信路11及び通信路12は、記憶装置システム3や記憶装置システム4が、自身の障害、保守、構成、性能等の管理情報を管理装置8、9との間で転送するために使用される。
通信路10は、ホスト1、2が管理装置8、9から管理情報を取得する場合にコマンドを転送したり、及びに記憶装置システム3、4の障害、保守、構成、性能等の管理情報を管理装置8、9からホスト1に送信したり使用される。通信路10,11,12で使用されるケーブル及び通信プロトコルは、通信路5,6,7と同じでもよいし、異なっていてもよい。
記憶装置システム3は、記憶装置システム制御装置101と記憶装置21から構成され、記憶装置21の記憶領域はホスト1からの入出力のために提供される。即ち記憶装置システム3は、ホスト1が使用するデータやプログラムを格納し、ホスト1のI/O処理要求を受信し、I/O処理要求に対応した処理を行い、その結果を所定のホスト1に送信する。
尚、記憶制御装置101は、記憶装置システム3に複数存在しても良い。また記憶装置システム3の冗長性を確保するために、好ましくは、記憶制御装置101内の各構成要素への電源供給のための回路、記憶制御装置101内の各構成要素間でのデータの送受信を行う回路、キャッシュメモリ106、不揮発性制御メモリ107、記憶装置アダプタ108等を、それぞれ2重化された冗長構成とするのがよい。
キャッシュメモリ106は、ホスト1から記憶装置システム3に転送されるデータ又は記憶装置システム3からホスト1へ転送されるデータを一時的に格納する。
コマンド処理プログラム111は、ホスト1からのI/O処理要求をホストアダプタ102で受信すると、受信したI/O処理要求の内容を解析する。解析の結果に従って、I/O処理要求の内容がデータの読み出しI/O(以下「リードI/O」)要求やデータの書き込みI/O(以下「ライトI/O」)処理要求等を実行する。ライトI/O処理要求の場合、記憶制御装置101は、ホスト1からのライトI/O処理要求に対する応答処理、例えば実際にホスト1から転送されるデータを受領できる状態にあるかどうかの応答処理を行い、更に転送されてくる更新用のデータ(以下「ライトデータ」)をキャッシュメモリ106又は記憶装置109の指定された場所に書き込む。リードI/O処理要求の場合、記憶制御装置101は、リードI/O処理要求に対応するデータ(以下、「リードデータ」)を、キャッシュメモリ106もしくは記憶装置109の指定の場所から読み出してホスト1に転送する。またその他の処理、例えばホストとの入出力I/FがSCSIで、SCSIのInquiryコマンド(デバイスサーチを指示するコマンド)を受領した場合、ホストI/O処理プログラムは、コマンドで要求される処理内容に対応した動作の制御を行う。
尚、1つのM−VOLに対して、複数のR−VOLを設定し、作成することもできる。また、R−VOLを新たなM−VOLとして、新たなM−VOLとペアになるR−VOLを設定、作成することもできる。
また、ペア管理プログラム114は、ホスト1からのリストア要求に基づいて、指定された記憶装置109のデータをリストアする。尚、リストア処理の詳細は後述する。
一方、リモートサイト側の記憶装置システム4も、基本的には同様のプログラム及び情報を所有する。主な相違点を述べると、記憶装置22は、マスタサイトの記憶装置21のコピーデータを記憶するが、記憶装置23はマスタサイト側に発生したログデータを記憶する。もちろんマスタサイト側に発生したログデータは、マスタ側の記憶装置に記憶するようにしても良いが、図2の例では、そのログデータを通信路6を介してリモートの記憶装置システム4に送信して記憶装置23内の論理記憶装置140に格納するように構成される。尚、記憶装置22,23内の論理的記憶装置(ボリューム)139、140の構成は同様である。
しかしながら、リモートサイトの記憶装置23にログデータ及びその管理情報を格納し、管理情報に基いてログデータを復元処理すると言う特徴的な動作を行うために、不揮発メモリ137には、ログボリュームグループ管理プログラム146、使用量管理プログラム147、ログID管理プログラム148、Mark ID管理プログラム149、ログボリュームグループ構成情報154、ログボリュームグループ使用量管理情報155、ボリュームプール構成情報156、ログID管理情報157、Mark ID管理情報158が記憶される。これらのプログラム及び情報の機能、意味については、以後順次説明される。
ホスト1を例にして説明するが、ホスト2の構成も実質的にホスト1と同様である。
ホスト1は、所定のプログラムを実行するプロセッサ201、プロセッサ201が実行するOSやAP及びAPが使用するデータを格納するために使用されるメモリ202、OSやAP、APが使用するデータが格納されるディスク装置207、通信路5を接続するI/Oアダプタ205、通信路10を接続するネットワークアダプタ206、フロッピー(登録商標)ディスク等の可搬記憶メディアからのデータの読み出し等を制御するリムーバブル記憶ドライブ装置209、液晶表示装置のような表示器203、キーボード或いはマウスのような入力器204、及びこれらの構成ユニットを接続し、OSやAPのデータや制御データの転送に用いられるLocal I/Oネットワーク208とを有して構成される。
これらのプログラム210は、ホスト1のディスク装置207又はメモリ202に格納され、プロセッサ201で実行される。
ホスト1は、OS230の下で動作するAP233、データベースマネジメントソフトウエア(以下「DBMS」)232を有する。DBMS232は、OS230、ファイルシステム(FS)231、ボリュームマネージャ(VM)235等を介して記憶装置システム3にアクセスする。また、DBMS232は、ユーザが使用する他のAP233との間で、トランザクション処理等のI/O処理のやり取りを行う。情報処理の性能を上げる目的で、ホスト1のメモリ202を用いてプロセッサ201が情報処理を実行する。
図4において、記憶装置管理情報115は、ホスト1に提供される記憶装置21に関するアドレスを登録するエントリ301と、記憶装置システム3で記憶装置21を統一的に識別するための論理的なアドレスを登録するエントリ302を有するテーブルである。
エントリ301は、ホスト計算機に提供される記憶装置の識別子を登録するエントリ303、及びその内部アドレスを登録するエントリ304を有する。また、エントリ302は、記憶装置システム3で記憶装置を統一的に識別する記憶装置21内の論理記憶装置109の識別子305及びその内部アドレスを登録するエントリ306を有する。
更にエントリ401は、記憶装置システム3内で論理記憶装置109を統一的に識別する論理記憶装置番号を登録するエントリ404と、記憶装置に対応する内部アドレスを登録するエントリ405を有する。エントリ402は、記憶装置システム3内で論理記憶装置109を統一的に識別する論理記憶装置番号によって識別される論理記憶装置が配置されているRAID Groupを記憶装置システム3内で統一的に識別するRAID Group番号を登録するエントリ406と、RAID Groupを1つの記憶領域として扱った仮想空間の対応するアドレスを登録するエントリ407を有する。また、エントリ403は、RAID Groupを形成するディスクを記憶装置システム3内で統一的に識別するディスク番号を登録するエントリ407と、ディスク内部アドレスが登録されるエントリ408を有する。
Voluem構成情報117は記憶装置システム3におけるVolumeの構成に関する情報を登録するテーブルである。エントリ501には、記憶装置システム3内の論理記憶装置を統一的に扱う論理記憶装置番号が登録される。エントリ502には、ホストタイプが登録される。すなわち論理記憶装置に対して入出力を行うホストのOSが認識できる記憶装置のいずれに擬似化されている(エミュレートされる)かを示す情報、例えば、オープン系システムのOSが認識できる記憶装置であることを示す「OPEN」や、メインフレーム系のOSが認識できる記憶装置であることを示す「3990」等の情報が登録される。
エントリ504は、論理記憶装置の状態を登録するものであり、例えば論理記憶装置に障害が無く入出力が行えるノーマル状態(NORMAL)を示す情報や、障害などの理由で入出力が行えない状態(BLOCKED)を示す情報が登録される。更に障害情報としては、論理記憶装置が何らかの障害になったかどうかを示す情報が登録される。ここで、障害とは、主に論理記憶装置を構成する物理記憶装置の物理的障害や、管理者が意識的に記憶装置システムを閉塞状態にした場合等の論理的障害が含まれる。
論理記憶装置109がペアを形成している場合には、ペア情報を登録するエントリ506にペア番号が登録され、記憶装置内でのログデータを取得する場合にはログボリュームグループ番号を登録するエントリ507にログボリュームグループ番号が登録される。エントリ506に、有効な情報例えばログボリューム番号が在れば、論理記憶装置がログ取得の対象、すなわちジャーナルモードの対象であるかどうかを示す情報が登録される。
またエントリ508には論理記憶装置109の容量が登録される。
ペア管理情報118は、ペアを構成する正副の論理記憶装置の識別子を登録するテーブルである。すなわち、エントリ601にはペア番号が登録される。エントリ602には、ペアを形成するマスタ側の記憶装置システム3内の統一的な論理記憶装置(M−VOL)番号が登録される。エントリ603には、M−VOLとペアを形成するリモート側の記憶装置システム4に在る論理記憶装置(R−VOL)を識別する情報が登録される。例えばエントリ603には、通信路6で接続される入出力用ポートの識別子とこのポートからアクセス可能な記憶装置システム4内で統一的な記憶装置の番号が登録される。エントリ604には、ペアの状態、例えばペア状態、ペア作成中、ペア中断中、ペア再形成中を示す情報が登録される。
図8は、ログボリュームグループ構成情報154のテーブルの構成を示す図である。ログボリュームグループ構成情報154は、ログボリュームグループごとに用意される。カラム701にはログボリュームグループ毎を識別する情報が格納される。カラム702には、ログボリュームグループにグルーピングされた論理記憶装置の総数が格納される。カラム703には、ログボリュームグループにグルーピングされた論理記憶装置の容量の総和が格納される。
カラム710には、ログボリュームグループで使用するLog用Volumeの論理記憶装置の識別子711と、HOST TYPE712と、状態713と、容量714がログボリュームグループで使用するLog用Volumeの論理記憶装置の数分登録される。
Volume Pool構成情報156は、ログボリュームグループで使用するログデータを格納する記憶装置の容量が足りなくなった場合に容量を拡張しやすいように、予めパスが定義されていないものやリザーブ状態の論理記憶装置を一括管理するためのテーブルである。
エントリ801には、記憶装置システム4の論理記憶装置番号が登録される。エントリ802には、エントリ801の番号で識別される論理記憶装置のHOST TYPEが登録される。エントリ803には、同じくその論理記憶装置の状態が登録され、エントリ804には、その論理記憶装置のリザーブ情報が登録される。エントリ805にはその論理記憶装置の容量が登録される。
ログボリュームグループ使用量管理情報155は、ログボリュームグループごとに、ログデータを格納する記憶装置の使用量を監視するために用意される。エントリ901にはログボリュームグループ番号が登録され、エントリ902にはログボリュームグループ内の全空き容量が登録される。
エントリ906にはライト更新がかかっていない残り容量情報が格納される。エントリ907には、ログボリュームグループの全記憶容量に対する空き容量の割合を示す情報が格納される。
LOG ID管理情報157は、記憶装置システム3から送信されるライトI/Oによる更新データを記憶装置システム4で受信して、I/Oレベルのログを作成する時に、ログデータに付加される識別情報(ID)を管理するテーブルである。すなわち、LOG ID管理情報157のテーブルは、ログデータに付加されたログIDカウンタを管理するために、ログボリュームグループ毎に最も古いログデータのID値を格納するエントリ1001と、そのデータが作成された時間情報を格納するエントリ1002と、そのデータが格納されたログボリュームのアドレス情報を格納するエントリ1003と、最も新しいログデータのID値を格納するエントリ1011と、そのデータが作成された時間情報を格納するエントリ1012と、そのデータが格納されたログボリュームのアドレス情報格納するエントリ1013から構成される。
ログデータは、記憶装置システム4が記憶装置システム3からのライトI/OもしくはマークI/O処理要求を処理する毎にキャッシュメモリ136上に作成され、その後記憶装置140に格納される。ログデータは、その先頭にマークフラグ1201が付加される。マークフラグ1201は、ホスト1と記憶装置システム4でシステムの状態を一意に識別するMARK情報であるかを識別する識別子である。マークフラグ1201の後には、ログID(即ちログIDカウンタの値)1202と、タイマ値1203と、データ長1204のそれぞれのエントリと、更にライトデータ又はマークデータが格納されるエントリ1205を備えて構成される。
尚、ログデータの作成については図20を参照して後述する。
MARK ID管理情報158は、MARK ID情報を管理するテーブルであり、ログボリュームグループ毎に最も古いマークシーケンス番号の値を格納するエントリ1101と、そのデータを作成した時間情報を格納するエントリ1102と、そのデータが格納されたログボリュームのアドレス情報格納するエントリ1103と、最も新しいマークデータのID値を格納するエントリ1104と、そのデータを作成した時間情報を格納するエントリ1105と、そのデータが格納されたログボリュームのアドレス情報格納するエントリ1106を備えて構成される。
まず、全体の処理動作の概要について説明しておく。
本実施形態による計算機システムでは、記憶装置システム4において、記憶装置システム3の正論理記憶装置(M−VOL)のある時点のデータのバックアップデータ(以下「スナップショットデータ」)を有する副論理記憶装置(R−VOL)を作成し、保持する。スナップショットデータが作成された時点以降に、ホスト1から受領するライトI/O処理要求を実行する度に、記憶装置システム3で発生した更新データを記憶装置システム3から記憶装置システム4に送信する。記憶装置システム4では、ライトI/O処理後のデータ(即ちライト更新データ)をログデータとして記憶装置23に記録する。
記憶装置システム3は、ホスト1からペアの作成を指示するコマンドを受領する(1301)。するとコマンド処理プログラム111は、ペア管理プログラム114を呼び出し、ペア作成要求コマンドの内容を渡す。ペア管理プログラム114は、コマンド情報を参照して、ペア作成指示対象のデバイス(記憶装置)のチェックを行う(1302)。
ペア管理用の差分管理ビットマップ123のビットを全て「1」にして、コピーを行うためにコピーの進捗を管理するためのポインタを用意し、ペア管理差分ビットマップ908の先頭を設定する(1303,1304)。
そして、差分ビットマップ123が全て「0」かを判定して、もし全てがクリアされていれば(1322)、Pair管理テーブル118のペア状態604を“DUPLEX”に登録して(1323)、ホスト1にペア作成完了報告を返す(1324)。
ペア作成中にも記憶装置システム3はホスト1からデータの入出力及びその他システムの状態等を監視するコマンド等を随時受領している。この際のI/O処理要求を処理するコマンド処理プログラム111の動作を説明する。
また、ライトI/Oか否かの判定(1402)においてライトI/O処理以外の場合には、所定の処理を行い、ホスト1に処理終了報告を返す。例えばリード処理の場合には、リードI/Oの対象アドレスに対応するキャッシュメモリ又は記憶装置からデータを読み出して(1421)、ホスト1にリードデータを送信した後、完了報告を返す(1422)。
記憶装置システム3における記憶装置21と、第2の記憶装置システムにおける記憶装置22との間でペアを確立してDUPLEX状態になったら、ホスト1は、任意の契機で、被災のために誤ったデータがリモートに送信されても、リモート側のペアに即座に反映されないように、ペア中断コマンドとログデータ取得開始コマンドを送信する。
一方、ログ取得準備完了の応答ではなく(1503)、不具合な応答を受領した場合(1521)には、ホスト1にエラー報告をして処理を終わる(1522)。
リモート側の記憶装置システム4は、記憶装置システム3からペアサスペンドコマンド及びログデータ取得開始コマンドを受領すると(1601)、受領したコマンドを解析して、ペア管理プログラム145を呼び出してログボリュームグループ番号、ペア状態およびデバイスを確認する(1602)。
続いて、ボリューム構成情報テーブル152を参照してペア確認を行い、関連するペア管理情報テーブル153をサスペンドにして(1603)、ログボリューム用記憶装置(リザーブ)が用意されているかを確認する。この時、ログボリューム用リザーブが用意されていなければ、論理記憶装置140を割り当てる。その後ログボリュームグループ用のログシーケンスカウンタを初期化し(1604)、ログボリュームグループ情報フラグをONにして、完了報告を記憶装置システム3に応答する(1605)。
ホスト1と記憶装置システム4の両方で同一のマーク情報を保持するために、ホスト1から発行されたマークコマンドは、記憶装置システム3を通して記憶装置システム4に送信される。
記憶装置システム3のコマンド処理プログラム111は、ホスト1から送信されるマークコマンドを受領して(1705)、そのコマンドを解析する(1706)。解析の結果、もしそのコマンドがマークコマンドならば、ホスト1へReady応答を返す(1707)。
また、上記ステップ1709の判定で、ライトコマンドならば、キャッシュのヒット/ミスヒットを判定し(1720)、ライトデータを対応する記憶装置109及びキャッシュメモリ106に書き込み、非同期処理のキューに登録する(1721)。そしてリモート側へ送信すべき対象のデータか否かを判定し(1722)、送信すべきデータならばステップ1710へ移り、以後の処理を行う。リモート送信データで無ければ、完了報告をホスト1へ送信して終了する。
記憶装置システム4は、記憶装置システム3からコマンドを受領すると(1801)、マークコマンドかライトコマンドか、それともそれ以外かを判定する(1802)。マークコマンドを受領した場合には、マークコマンドに対するReady応答を記憶装置システム3に返す(1803)。
ログデータ作成処理では、まずログID管理情報テーブル157を参照しLOG Volumeのアドレスを設定し(1901)、ログIDカウンタ160及びタイマ161を参照してログIDとタイマ値を設定する(1902)。そしてログデータ格納用にキャッシュメモリ136内に領域を確保する(1903)。その後、図13(A)に示すようにマークデータ(マークID1211及びマーク時間1212等を含む)に、ログ情報(ログID1202及びログ時間1203等を含む)を付加したログデータをキャッシュメモリ136の領域に格納する(1904)。後で非同期処理にこのログデータ作成処理を追加する(1905)。即ち、非同期記憶装置I/O処理プログラムの実行によりキャッシュメモリ136の当該領域に格納されたログデータは、記憶装置23内の指定された論理記憶装置140に格納される。その後記憶装置システム3に完了報告を返して終了する。
ログボリュームグループ管理プログラム146は、ロググループ毎にログボリュームの使用量を監視する。ライトI/OもしくはマークI/Oによる更新が生じた場合には、図10に示すログボリューム使用量管理情報155に反映される。更にこの際に反映したログボリューム使用量管理情報155を参照して(2002)、ログボリュームの使用量が規定値以上の量を使用していないかを確認する(2003)。尚、この規定値は、ホスト1又は管理装置8,9もしくは計算機システム管理装置13を用いて設定されている。上記判定の結果、規定値以上の使用量であれば、通信路6を介して記憶装置システム3に対してログボリュームの容量不足の旨のAlertを出す(2004)。
この処理はホスト1、2と連携して行われる処理である。
まず、ホスト2のクラスタソフトウェアは、ホスト1のクラスタソフトウェアとの間で通信路10を介してハートビートの監視を行う(2101)。具体的には、所定の時間間隔に、決まったあるデータをホスト1とホスト2のクラスタソフトウェアは通信しあい、ある所定の時間内での応答を期待する。
この監視において、ハートビートに対する応答が所定回数無い場合には、相手方ホストの障害かネットワーク通信路の障害が想定されるので、ハートビート切れと判断して(2102)、交替系の通信路を使用して更にハートビートを行う(2103)。尚、交替系の通信路は、通常その機能を満たすためには、正常系の通信路と物理的に分かれていたほうが望ましい。
しかし、被災中のためホストの情報処理のためのメモリの状態が異常になるなどで誤ったデータを書き込む処理を行う可能性がある。この場合も記憶装置システム3は、記憶装置システム4へデータを投げる。以後、ホスト1又は2は記憶装置システム4を用いてシステムのリカバリを行う。
このリカバリ処理とは、記憶装置システム4がホスト2からリカバリリストア指示を受領して行うデータ回復のための処理をいう。尚、以下の処理は、記憶制御装置131が、コピーマネージャプログラム144とログID管理プログラムを実行することで行われる(2201)。
ホスト1のリカバリ処理を行うホスト2にとって、論理的不整合等の障害が起きる可能性があるデータを、記憶装置システム4が記憶装置システム3から受け取っている可能性がある。そこで、ホスト2からリカバリ処理を行う場合に、記憶装置システム3の記憶装置M−VOLとペアを構成している記憶装置システム4のR−VOL及びログ論理記憶装置140に格納されたデータを使用し、ホスト2から記憶装置システム4に対して、リストアすべき論理ボリュームの識別子とR−VOLとマークポイントを用いたリストア処理要求を送信する(2202)。
ここで、ホスト2のシステム管理者は、障害発生直前のマークIDではなく、マークID情報のリストから、任意のマークIDを選択することができる。これにより、システムのユーザは、任意のマークIDを選択することで、選択されたマークIDが作成された時点に記憶装置システム4のR−VOLの状態を復元することが出来る。
記憶装置21以外の他の記憶装置へデータをリストアする場合には、記憶制御装置131は、キャッシュメモリ136にデータ格納領域を確保する。その後、記憶制御装置131は、コピーマネージャプログラム144を実行して、R−VOLに対応するログボリュームの先頭から、順次ログデータをキャッシュメモリ136に確保された領域に読み出す(2207)。その際、読み出されたログデータにマーク情報が含まれるかどうかを確認する(2208)。即ちログデータのマークフラグがONになっているかどうかを確認する。
その後、記憶制御装置131は、ステップ2207に戻り、次のログデータを読出し処理する。以下、記憶制御装置131は、2207〜2211の処理を繰り返すことで、指示されたマークIDまでのログデータを指定された記憶装置のアドレスにリストアする。
ホスト2は、記憶装置システム4から終了報告を受領したら、ホスト2が指定したマークID時点までのデータが回復されたと判断して、他の処理を継続する。記憶装置システム4は、ホスト2からリカバリ処理の完了応答を受領すると(2212)、処理を終了する。
例えば上記実施例では、ログデータをリモートサイトの記憶装置システム4内に記憶するように構成している。しかし変形例では、リモートサイト側だけでなく、マスタサイトの記憶装置システム3内の記憶装置にもログデータを記憶するようにしてもよい。この場合には、図2に示した記憶装置システム4側に備えられたプログラムや情報は、マスタサイトの記憶装置システム3にも具備することは明らかある。
21,22,23:記憶装置、 109、139、140:記憶装置、
Claims (2)
- ホストと通信路を介して接続される第1の記憶装置システム及び第2の記憶装置システムを含み、該第1の記憶装置システムに記憶するデータのコピーを第2の記憶装置システムに記憶するストレージサブシステムにおいて、
該第1の記憶装置システムは、複数の論理記憶装置を有する記憶装置と、該記憶装置に入力又は出力されるデータを一時的に格納するキャッシュメモリと、少なくとも該論理記憶装置に関する管理情報、該第1の記憶装置システムと第2の記憶装置システムのペア関係の構成を規定する管理情報、および該ホストからのコマンドを処理するプログラムを格納するメモリと、該プログラムを実行するプロセッサとを有し、
該第2の記憶装置システムは、複数の論理記憶装置を有し、その内ある論理記憶装置はペアを構成する該第1の記憶装置システムの論理記憶装置に記憶されるデータのコピーを格納し、
他のある論理記憶装置は、該第1の記憶装置システムで生成されたログデータを記憶するために割当てられる記憶装置と、該記憶装置に入力又は出力されるデータを一時的に格納するキャッシュメモリと、少なくとも該論理記憶装置に関する管理情報、該第1の記憶装置システムと第2の記憶装置システムのペア関係の構成を規定する管理情報、ログボリュームグループごとにログボリュームグループ内の論理記憶装置に関する管理情報を登録するログボリュームグループ情報テーブル、ログデータを該論理記憶装置に格納されるときに付与されるログID、ログデータが取得された時のタイマ値を対応付けて管理情報として登録するログID管理情報テーブル、ログデータが該論理記憶装置に格納されるときに付与される、ホストから送信された識別情報、ログデータが格納される時のタイマ値を対応付けて管理情報として登録するマークID管理情報テーブル、および該ホストからのコマンドを処理するプログラムを格納するメモリと、該プログラムを実行するプロセッサとを有し、
該第1の記憶装置システムの該プロセッサは、該ホストから、コマンドを受信し、I/O処理コマンドの場合は、該キャッシュメモリのヒット又はミスヒットを判定し、ライトデータを該キャッシュメモリに書き込み、又は該キャッシュメモリからリードデータを読み出す処理を行い、さらに、ライトデータの場合、ライトデータ及び更新場所を示す情報を、I/O処理の単位毎にログデータとして該第2の記憶装置システムに送信し、
一方、該コマンドがリストアのための時点情報を含むマークコマンドの場合には、ログデータを作成して、該第2の記憶装置システムに送信し、
該第2の記憶装置システムにおける該論理記憶装置に格納されたログデータをある時点の状態に復旧する場合、該第2の記憶装置システムは、該ホストから送信されたデータの復旧要求を受信して、該時点情報に関して前記マークID管理情報テーブルに格納された情報を参照して該論理記憶装置に格納されたI/O処理要求単位毎のログデータを用いて、リストアすることを特徴とするデータストレージサブシステム。 - 該第1の記憶装置システムの該メモリ及び該第2の記憶装置システムの該メモリは、該ホストが識別できる該記憶装置のアドレスと、該記憶装置内の論理アドレスの対応を登録する記憶装置管理情報テーブルと、
該記憶装置内の論理アドレスと、該論理記憶装置が配置されているRAIDグループに関するアドレスと、該RAIDグループを形成するディスクに関するアドレスの対応を登録する記憶装置管理情報テーブルと、
論理記憶装置の番号に対応してボリューム構成情報を登録するボリューム構成情報テーブルと、
ペアを構成する該第1の記憶装置システム内の論理記憶装置の番号と該第2の記憶装置システム内の論理記憶装置番号の対応を登録するペア管理情報テーブルとを有することを特徴とする請求項1記載のストレージサブシステム。
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