JP2010527929A - カンナビノイド受容体リガンドとしての新規な化合物 - Google Patents
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Abstract
本願は、式(I)のチアゾリリデン含有化合物に関するものであり、式中においてR1、R2、R3およびR4は明細書で定義の通りである。本願はさらに、そのような化合物を含む組成物ならびにそのような化合物および組成物を用いる状態および障害の治療方法に関するものでもある。
Description
本願は、チアゾリリデン含有化合物、そのような化合物を含む組成物、ならびにそのような化合物および組成物を用いる状態および障害の治療方法に関するものである。
マリファナの主要な精神活性成分である(−)−Δ9−テトラヒドロカンナビノール(Δ9−THC)は、2種類のカンナビノイド(CB)受容体サブタイプであるCB1およびCB2とのそれの相互作用を介して、非常に広い範囲の効果を示す。CB1受容体は、中枢神経系で非常に強く発現され、心血管系および消化管系の各種組織における末梢ではそれより発現程度が低い。対照的に、CB2受容体は、複数のリンパ臓器ならびに脾臓、胸腺、扁桃腺、骨髄、膵臓および肥満細胞などの免疫系の細胞において最も豊富に発現される。
Δ9−THCおよび他の非選択的CB作働薬によって引き起こされる向精神的作用には、CB1受容体が介在している。陶酔感、鎮静、低体温、強直症および不安などのこれらのCB1受容体が介在する効果が、非選択的CB作働薬の開発および臨床用途を制限してきた。最近の研究で、CB2調節剤がCB1受容体活性化に関連する副作用を起こすことなく、侵害受容性疼痛および神経障害性疼痛の前臨床モデルで鎮痛性であることが明らかになった。従って、CB2受容体を選択的に標的とする化合物は、新規な鎮痛剤の開発における魅力的なアプローチである。
疼痛は、疾患の最も一般的な症状であり、患者が医師に表す最も高頻度の愁訴である。疼痛は一般に、期間(急性と慢性)、強度(軽度、中等度および重度)および種類(侵害受容性と神経障害性)によって分けられる。
侵害受容性疼痛は最も知られた種類の疼痛であり、損傷部位で侵害受容器によって検出される組織損傷によって引き起こされる。その損傷後、その部位が継続的な疼痛および圧痛の発生源となる。この疼痛および圧痛は「急性」侵害受容性疼痛と考えられる。この疼痛および圧痛は、治癒が進行するに連れて徐々に軽減し、治癒が完了すると消失する。急性侵害受容性疼痛の例には、外科手術(術後疼痛)および骨折などがある。永久的な神経損傷がなくとも、疼痛が6ヶ月を越えると、一部の状態から「慢性」侵害受容性疼痛が生じる。慢性侵害受容性疼痛の例には、骨関節炎、関節リウマチおよび筋骨格状態(例:腰痛)、癌疼痛などがある。
神経障害性疼痛は、国際疼痛学会が「神経系における原発病変または機能不全によって開始または発生する疼痛」と定義している。神経障害性疼痛は侵害受容刺激に関連していないが、最終的に脳によって疼痛として知覚される神経インパルスの通過は侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛の両方で同じである。神経障害性疼痛という用語は、多様な病因の広い範囲の疼痛症状を包含している。神経障害の性質の最も一般に診断される疼痛の3つの種類は、糖尿病性神経症、癌性神経症およびHIV疼痛である。さらに、神経障害性疼痛は、三叉神経痛、ヘルペス後神経痛、外傷性神経痛、幻肢などの非常に広範囲の他の障害ならびに起源が曖昧であるか不明である多くの他の障害などの患者で診断される。
疼痛病因の範囲の管理が公衆衛生上の主要な問題として残っており、患者と臨床関係者の両方が有効に疼痛を管理する改善された戦略を模索している。現在利用可能な療法および薬剤で、全ての種類の侵害受容性および神経障害性疼痛状態を効果的に治療するものはない。本発明の化合物は、侵害受容性疼痛および神経障害性疼痛などの疼痛を治療する上で有用な新規なCB2受容体調節剤である。
免疫細胞の表面上のCB2受容体の位置は、免疫調節および炎症でのこれら受容体の役割を示唆している。最近の研究で、CB2受容体リガンドが免疫調節性および抗炎症性を有することが明らかになっている。従って、CB2受容体と選択的に相互作用する化合物は、免疫障害および炎症障害の治療におけるユニークな薬物療法を提供するものである。
(要旨)
本願の一実施形態は、下記式(I)の化合物またはそれの製薬上許容される塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩もしくは組み合わせを提供する。
本願の一実施形態は、下記式(I)の化合物またはそれの製薬上許容される塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩もしくは組み合わせを提供する。
R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキルまたはフェニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリールおよび複素環からなる群から選択される単環式環であり;前記単環式環のそれぞれは独立に、置換されていないかTによって表される1、2、3、4もしくは5個の置換基で置換されており、各Tは独立にアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、−CN、オキソ、−G1、−NO2、−ORa、−OC(O)Ra、−OC(O)N(Rb)(Rc)、−SRa、−S(O)2Rd、−S(O)2N(Rb)(Rc)、−C(O)Ra、−C(O)ORa、−C(O)N(Rb)(Rc)、−N(Rb)(Rc)、−N(Rb)C(O)Ra、−N(Rb)S(O)2Rd、−N(Rb)C(O)O(Ra)、−N(Rb)C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−NO2、−(CReRf)r−ORa、−(CReRf)r−OC(O)Ra、−(CReRf)r−OC(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−SRa、−(CReRf)r−S(O)2Rd、−(CReRf)r−S(O)2N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−C(O)Ra、−(CReRf)r−C(O)ORa、−(CReRf)r−C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−N(Rb)C(O)Ra、−(CReRf)r−N(Rb)S(O)2Rd、−(CReRf)r−N(Rb)C(O)O(Ra)、−(CReRf)r−N(Rb)C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)rG1、−(CReRf)r−CN、ハロアルキル、−O−(CReCRf)r−C(O)N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)r−C(S)N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)r−S(O)2N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)s−N(Rb)(Rc)、−O−(CReRf)s−N(Rb)C(O)Ra、−O−(CReRf)s−N(Rb)S(O)2Rdおよび−O−(CReCRf)r−CNからなる群から選択され;隣接する置換基Tのうちの2個が、それらが結合している原子とともに、フェニル、複素環およびヘテロアリールからなる群から選択される単環式環を形成していても良く、各環は独立にアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、−CN、オキソ、−G1、−NO2、−ORa、−OC(O)Ra、−OC(O)N(Rb)(Rc)、−SRa、−S(O)2Rd、−S(O)2N(Rb)(Rc)、−C(O)Ra、−C(O)ORa、−C(O)N(Rb)(Rc)、−N(Rb)(Rc)、−N(Rb)C(O)Ra、−N(Rb)S(O)2Rd、−N(Rb)C(O)O(Ra)、−N(Rb)C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−NO2、−(CReRf)r−ORa、−(CReRf)r−OC(O)Ra、−(CReRf)r−OC(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−SRa、−(CReRf)r−S(O)2Rd、−(CReRf)r−S(O)2N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−C(O)Ra、−(CReRf)r−C(O)ORa、−(CReRf)r−C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−N(Rb)C(O)Ra、−(CReRf)r−N(Rb)S(O)2Rd、−(CReRf)r−N(Rb)C(O)O(Ra)、−(CReRf)r−N(Rb)C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−G1、−(CReRf)r−CNおよびハロアルキルからなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基でさらに置換されていても良く;
R2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、G2、−C(O)Ra、−S(O)2−Rd、−O(G1)、−O−(CReRf)r−G1、−(CReRf)s−O−G1、−(CReRf)s−O−(CReRf)s−G1、−(CReRf)r−C(O)−Ra、−(CReRf)r−SO2−Rd、−(CReRf)s−N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−G2、−(CReRf)r−G3、−(CReRf)s−N(Rb)SO2Rd、−(CReRf)s−N(Rb)CORa、−(CReRf)s−N(Rb)CON(Rb)(Rc)、−(CReRf)s−N(Rb)SO2N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−SO2N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−CN、ハロアルキルまたはハロアルコキシアルキルであり;
R3およびR4は、それらが結合している原子とともに、5から8員の単環式複素環またはスピロ複素環を形成しており;前記単環式複素環は、1個の酸素原子、0もしくは1個の窒素原子および0もしくは1個の別の二重結合を含み;前記単環式複素環の2個の隣接しない原子は、2から4個の炭素原子のアルケニレン架橋によって連結されていても良いか、1から4個の炭素原子のアルキレン架橋によって連結されていても良く、前記アルケニレンもしくは前記アルキレン架橋のメチレン基のうちの1個が、O、S、S(O)、S(O)2、N(H)またはN(アルキル)によって置き換わっていても良く;前記単環式複素環またはスピロ複素環は、置換されていないか独立にオキソ、アルキル、ハロゲン、−OH、−O(アルキル)およびハロアルキルからなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されていることができ;
Ra、RcおよびRc1は各場合でそれぞれ独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、G1または−(CReRf)r−G1であり;
RbおよびRb1は各場合でそれぞれ独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキルまたはハロアルコキシアルキルであり;
Rb1およびRc1は、それらが両方結合している窒素原子とともに、4から7員の単環式複素環を形成していても良く;前記単環式複素環は0もしくは1個の別のヘテロ原子、0もしくは1個の二重結合を含み、独立にアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシおよびオキソからなる群から選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されていても良く;
Rdは各場合で独立に、アルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、シアノアルキル、G1または−(CReRf)r−G1であり;
ReおよびRfは各場合でそれぞれ独立に、水素、アルキル、ハロゲンまたはハロアルキルであり;
rは各場合で独立に、1、2、3、4、5または6であり;
sは各場合で独立に、2、3、4、5または6であり;
G1は各場合で独立に、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニルまたは複素環であり;
G2は各場合で独立に、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはシクロアルケニルであり;
G3は、1もしくは2個の窒素原子および0もしくは1個の硫黄原子を含む単環式複素環であり;G1、G2またはG3によって表される前記環はそれぞれ独立に、置換されていないか独立にアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、=N−CN、=N−ORn、−CN、オキソ、−NO2、−ORm、−OC(O)Rm、−OC(O)N(Rm)2、−SRm、−S(O)2R”、−S(O)2N(Rm)2、−C(O)Rm、−C(O)ORm、−C(O)N(Rm)2、−N(Rm)2、−N(Rm)C(O)Rm、−N(Rm)S(O)2Rn、−N(Rm)C(O)O(Rm)、−N(Rm)C(O)N(Rm)2、−(CReRf)r−NO2、−(CReRf)r−ORm、−(CReRf)r−OC(O)Rm、−(CReRf)r−OC(O)N(Rm)2、−(CReRf)r−SRm、−(CReRf)r−S(O)2Rn、−(CReRf)r−S(O)2N(Rm)2、−(CReRf)r−C(O)Rm、−(CReRf)r−C(O)ORm、−(CReRf)r−C(O)N(Rm)2、−(CReRf)r−N(Rm)2、−(CReRf)r−N(Rm)C(O)Rm、−(CReRf)r−N(Rm)S(O)2Rn、−(CReRf)r−N(Rm)C(O)O(Rm)、−(CReRf)r−N(Rm)C(O)N(Rm)2、−(CReRf)r−CNおよびハロアルキルからなる群から選択される1、2、3、4もしくは5個の置換基で置換されており;
Rmは各場合で独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキルまたはハロアルコキシアルキルであり;2個のRmが同一の窒素原子に結合している場合、4から7員の単環式複素環を形成していても良く;前記単環式複素環は、0もしくは1個の別のヘテロ原子、0もしくは1個の二重結合を含み、独立にアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシおよびオキソからなる群から選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されていても良く;
Rnは各場合で独立に、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシアルキルまたはシアノアルキルである。
本発明の別の実施形態は、製薬上許容される担体と組み合わせて治療上有効量の本発明の化合物またはそれの製薬上許容される塩を含む医薬組成物に関するものである。
さらに別の実施形態は、哺乳動物に対して、治療上有効量の本発明の化合物またはそれの製薬上許容される塩を単独でまたは1以上の製薬上許容される担体と組み合わせて投与する段階を有する、処置を必要とする哺乳動物での疼痛(侵害受容性疼痛および神経因性疼痛などがあるが、これらに限定されるものではない)を治療する方法に関するものである。
さらに別の実施形態は、哺乳動物に対して、治療上有効量の本発明の化合物またはそれの製薬上許容される塩を単独でまたは1以上の製薬上許容される担体と組み合わせて投与する段階を有する、処置を必要とする哺乳動物での炎症障害、免疫障害、神経障害、免疫系の癌、呼吸器障害および心血管障害からなる群から選択される障害の治療方法を提供する。
さらに別の実施形態は、哺乳動物に対して、治療上有効量の本発明の化合物またはそれの製薬上許容される塩を単独でまたは1以上の製薬上許容される担体と組み合わせて投与する段階を有する、処置を必要とする哺乳動物での神経保護を提供する方法を提供する。
さらに本発明は、単独でまたは1以上の製薬上許容される担体と組み合わせての、上記の疾患状態の治療のための医薬製造における本発明の化合物またはそれの製薬上許容される塩の使用を提供する。
本発明の以上の目的および他の目的について、下記の段落で説明する。これらの目的は、本発明の範囲を狭めるものと考えるべきではない。
(詳細な記述)
本発明においては、下記式(I)の化合物が開示される。
本発明においては、下記式(I)の化合物が開示される。
各種実施形態において、本発明は、いずれかの置換基または本発明の化合物または本明細書中の他のいずれかの式において複数回使用される少なくとも一つの可変要素を提供する。各場合での可変要素の定義は、別の場合におけるそれの定義から独立である。さらに、置換基の組み合わせは、そのような組み合わせによって安定な化合物となる場合にのみ許容される。安定な化合物とは、反応混合物から単離可能な化合物である。
a.定義
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、逆の内容が記載されていない限りは、下記の用語は、ここの示した意味を有する。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、逆の内容が記載されていない限りは、下記の用語は、ここの示した意味を有する。
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、2から10個の炭素を含み、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含む直鎖もしくは分岐の炭化水素鎖を意味する。「C2−C4アルケニル」という用語は、2から4個の炭素を含み、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含む直鎖もしくは分岐の炭化水素鎖を意味する。「C3−C7アルケニル」という用語は、3から7個の炭素を含み、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含む直鎖もしくは分岐の炭化水素鎖を意味する。アルケニルの代表例には、エテニル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、3−ブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニル、2−ヘプテニル、2−メチル−1−ヘプテニルおよび3−デセニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
「アルケニレン」という用語は、2から4個の炭素原子の直鎖もしくは分岐の炭化水素から誘導される2価の基を指し、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含む。アルキレンの代表例には、−CH=CH−および−CH2CH=CH−などがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いられる「アルコキシ」という用語は、酸素原子を介して親分子部分に結合している本明細書で定義のアルキル基を意味する。アルコキシの代表例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシなどがあるが、それらに限定されるものではない。
本明細書で用いられる「アルコキシアルキル」という用語は、本明細書で定義のアルキレン基を介して親部分に結合した本明細書で定義のアルコキシ基を意味する。
本明細書中で用いられる「アルキル」という用語は、1から10個の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐の飽和炭化水素鎖を意味する。「低級アルキル」または「C1−C6アルキル」という用語は、1から6個の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐の炭化水素を意味する。「C1−C4アルキル」という用語は、1から4個の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐の炭化水素を意味する。「C3−C7アルキル」という用語は、3から7個の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐の炭化水素を意味する。アルキルの代表例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニルおよびn−デシルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
「アルキレン」という用語は、直鎖もしくは分岐の1から10個の炭素原子の炭化水素から誘導される2価の基を指す。アルキレンの代表例には、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−および−CH2CH(CH3)CH2−などがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いられる「アルキニル」という用語は、炭素原子2から10個および少なくとも1個の炭素−炭素三重結合とを含む直鎖または分岐の炭化水素基を意味する。本明細書で使用される「C2−C4アルキニル」という用語は、2から4個の炭素原子を含み、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含む直鎖もしくは分岐の炭化水素基を意味する。本明細書で使用される「C3−C7アルキニル」という用語は、3から7個の炭素原子を含み、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含む直鎖もしくは分岐の炭化水素基を意味する。アルキニルの代表例としては、アセチレニル、1−プロピニル、2−プロピニル、3−ブチニル、2−ペンチニルおよび1−ブチニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いられる「アリール」という用語は、フェニルまたは二環式アリールを意味する。二環式アリールはナフチル、または単環式シクロアルキルに縮合したフェニル、または単環式シクロアルケニルに縮合したフェニルである。アリールの代表例には、ジヒドロインデニル、インデニル、ナフチル、ジヒドロナフタレニルおよびテトラヒドロナフタレニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。その二環式アリールは、その二環式環系内に含まれるいずれかの炭素原子を介して親分子部分に結合している。本発明のアリール基は、置換されていないか置換されていることができる。
本明細書で使用される「シアノアルキル」という用語は、本明細書で定義のアルキレン基を介して親部分に結合したCN基を意味する。
本明細書で使用される「シクロアルキル」または「シクロアルカン」という用語は、単環式、二環式または三環式シクロアルキルを意味する。単環式シクロアルキルは、3から8個の炭素原子、0個のヘテロ原子および0個の二重結合を含む炭素環環系である。単環式環系の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルなどがある。二環式シクロアルキルの例としては、単環式シクロアルキル環に縮合した単環式シクロアルキル環または単環式環の2個の隣接しない炭素原子が1、2、3もしくは4個の炭素原子を含むアルキレン架橋によって連結されている架橋単管式環系がある。二環式環系の代表例には、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.3.1]ノナンおよびビシクロ[4.2.1]ノナンなどがあるが、これらに限定されるものではない。三環式シクロアルキルの例としては、単環式シクロアルキルに縮合した二環式シクロアルキルまたは環系の2個の隣接しない炭素原子が二環式シクロアルキル環の1から4個の炭素原子のアルキレン架橋によって連結されている二環式シクロアルキルがある。三環式環系の代表例には、トリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン(オクタヒドロ−2,5−メタノペンタレンまたはノルアダマンタン)およびトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン(アダマンタン)などがあるが、これらに限定されるものではない。「C3−C6シクロアルキル」という用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを意味する。C3−C6シクロアルキル、単環式、二環式および三環式シクロアルキルは、置換されていなくても置換されていても良く、環系内に含まれるいずれか置換可能な原子を介して親分子部分に結合している。
本明細書で用いられる「シクロアルキルアルキル」という用語は、本明細書で定義のアルキレン基を介して親分子部分に結合した本明細書で定義のシクロアルキル基を意味する。
本明細書で用いられる「シクロアルケニル」または「シクロアルケン」という用語は、単環式または二環式炭化水素環系を意味する。単環式シクロアルケニルは、4、5、6、7もしくは8個の炭素原子および0個のヘテロ原子を有する。4員の環系は1個の二重結合を有し、5員もしくは6員の環系は1個もしくは2個の二重結合を有し、7員もしくは8員の環系は1、2もしくは3個の二重結合を有する。単環式シクロアルケニル基の代表例には、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルおよびシクロオクテニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。二環式シクロアルケニルは、単環式シクロアルキル基に縮合した単環式シクロアルケニルまたは単環式シクロアルケニル基に縮合した単環式シクロアルケニルである。単環式または二環式シクロアルケニル環は、それぞれ1、2もしくは3個の炭素原子からなり、それぞれ環系の2個の隣接しない炭素原子を連結している1個もしくは2個のアルキレン架橋を含むことができる。二環式シクロアルケニル基の代表例には、4,5,6,7−テトラヒドロ−3aH−インデン、オクタヒドロナフタレニルおよび1,6−ジヒドロ−ペンタレンなどがあるが、これらに限定されるものではない。単環式および二環式シクロアルケニルは、環系内に含まれるいずれか置換可能な原子を介して親分子部分に結合していることができ、置換されていなくても置換されていても良い。
本明細書で使用される「エチレンジオキシ」という用語は、−O(CH2)2O−基を意味し、エチレンジオキシ基の酸素原子はフェニルまたはナフチルの2個の隣接する炭素原子を介してそのフェニルまたはナフチルに結合して、6員環を形成している。
本明細書で用いられる「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、Cl、Br、IまたはFを意味する。
本明細書で用いられる「ハロアルキル」という用語は、1、2、3、4、5もしくは6個の水素原子がハロゲンによって置き換わっている本明細書で定義のアルキル基を意味する。ハロアルキルの代表例には、クロロメチル、2−フルオロエチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ペンタフルオロエチルおよび2−クロロ−3−フルオロペンチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いられる「複素環」または「複素環式」という用語は、単環式複素環、二環式複素環または三環式複素環を意味する。単環式複素環は、独立にO、NおよびSからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む3、4、5、6、7もしくは8員の環である。3もしくは4員環は、0もしくは1個の二重結合ならびにO、NおよびSからなる群から選択される1個のヘテロ原子を含む。5員環は、0もしくは1個の二重結合およびO、NおよびSからなる群から選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む。6員環は、0、1もしくは2個の二重結合およびO、NおよびSからなる群から選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む。7員もしくは8員環は、0、1、2もしくは3個の二重結合およびO、NおよびSからなる群から選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む。単環式複素環の代表例には、アゼチジニル、アゼパニル、アジリジニル、ジアゼパニル、1,3−ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、1,3−ジチオラニル、1,3−ジチアニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキシドチオモルホリニル(チオモルホリンスルホン)、チオピラニルおよびトリチアニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。二環式複素環は、フェニル基に縮合した単環式複素環、または単環式シクロアルキルに縮合した単環式複素環、または単環式シクロアルケニルに縮合した単環式複素環、または単環式複素環に縮合した単環式複素環、または環の2個の隣接しない原子が1、2、3もしくは4個の炭素原子を含むアルキレン架橋によって連結されている架橋単環式複素環系である。二環式複素環の代表例には、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾチエニル、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタンおよび2,3−ジヒドロ−1H−インドリルなどがあるが、これらに限定されるものではない。三環式複素環の例としては、フェニル基に縮合した二環式複素環、または単環式シクロアルキルに縮合した二環式複素環、または単環式シクロアルケニルに縮合した二環式複素環、または単環式複素環に縮合した二環式複素環、または二環式環の2個の隣接しない原子が1、2、3もしくは4個の炭素原子からなるアルキレン架橋によって連結されている二環式複素環がある。三環式複素環の例には、オクタヒドロ−2,5−エポキシペンタレン、ヘキサヒドロ−2H−2,5−メタノシクロペンタ[b]フラン、ヘキサヒドロ−1H−1,4−メタノシクロペンタ[c]フラン、1−アザトリシクロ[3.3.1.13,7]デカンなどのアザ−アダマンタンおよび2−オキサトリシクロ[3.3.1.13,7]デカンなどのオキサ−アダマンタンなどがあるが、これらに限定されるものではない。単環式、二環式および三環式複素環は、その環内に含まれるいずれか置換可能な炭素原子またはいずれか置換可能な窒素原子を介して親分子部分に連結されており、置換されていなくても置換されていても良い。
本明細書で用いられる「ハロアルコキシ」という用語は、1、2、3、4、5もしくは6個の水素原子がハロゲンによって置き換わっている本明細書で定義のアルコキシ基を意味する。ハロアルキルの代表例には、トリフルオロメトキシおよび2,2−ジフルオロエトキシなどがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いられる「ハロアルコキシアルキル」という用語は、アルキレン基を介して親分子部分に結合した本明細書で定義のハロアルコキシ基を意味する。
本明細書で用いられる「ヘテロアリール」という用語は、単環式ヘテロアリールまたは二環式ヘテロアリールを意味する。単環式ヘテロアリールは、5員もしくは6員環である。5員環は、2個の二重結合を含む。5員環は、OもしくはSから選択される1個のヘテロ原子;または1、2、3もしくは4個の窒素原子および適宜に1個の酸素もしくは硫黄原子を含むことができる。6員環は、3個の二重結合および1、2、3もしくは4個の窒素原子を含む。単環式ヘテロアリールの代表例には、フラニル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、1,3−オキサゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピロリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、1,3−チアゾリル、チエニル、トリアゾリルおよびトリアジニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。二環式ヘテロアリールは、フェニルに縮合した単環式ヘテロアリール、または単環式シクロアルキルに縮合した単環式ヘテロアリール、または単環式シクロアルケニルに縮合した単環式ヘテロアリール、または単環式ヘテロアリールに縮合した単環式ヘテロアリール、または単環式複素環に縮合した単環式ヘテロアリールからなる。二環式ヘテロアリール基の代表例には、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、6,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、イソキノリニル、ナフチリジニル、ピリドイミダゾリル、キノリニル、チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル、チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルおよび5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−イルなどがあるが、これらに限定されるものではない。本発明の単環式および二環式ヘテロアリール基は、置換されていても置換されていなくても良く、環系内に含まれるいずれかの炭素原子またはいずれかの窒素原子を介して親分子部分に連結されている。
本明細書で使用される「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素または硫黄原子を意味する。
本明細書で使用される「メチレンジオキシ」という用語は、−OCH2O−基を意味し、そのメチレンジオキシの酸素原子はフェニルもしくはナフチルの2個の隣接する炭素原子を介してそのフェニルもしくはナフチルに結合して、5員環を形成している。
本明細書で使用される「オキソ」という用語は、=O基を意味する。
本明細書で使用される「スピロ複素環」という用語は、1個の酸素原子、0もしくは1個の窒素原子および0もしくは1個の二重結合を含む5、6、7もしくは8員の単環式複素環を意味し、同一炭素原子上の置換基のうちの2個が4、5もしくは6員の単環式シクロアルキルを形成しており、そのシクロアルキルは1、2、3、4もしくは5個のアルキル基で置換されていても良い。スピロ複素環の1例には、5−オキサスピロ[3.4]オクタンがある。
b.化合物
本発明の化合物は、上記の式(I)を有する。
本発明の化合物は、上記の式(I)を有する。
式(I)の化合物における可変の基の特定の具体例は下記の通りである。そのような具体例は、前記または後述で定義の他の具体例、定義、特許請求の範囲または実施形態のいずれかとともに適宜に用いることができる。
式(I)の化合物について上記で記載したように、R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキルまたはフェニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリールおよび複素環からなる群から選択される単環式基であり、これらの環のそれぞれは独立に、置換されていないか(要旨)に記載のように置換されている。
ある種の実施形態においてR1は、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはハロアルキルである。
ある種の実施形態においてR1は、フェニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリールおよび複素環からなる群から選択される置換されているか置換されていない単環式環である。好ましい化合物には、R1が置換されていないか置換されているフェニルであるものなどがある。フェニル基が置換されている場合、それがTによって表される1、2もしくは3個の置換基で置換されていることが好ましく、より好ましくは2個の置換基によって置換されている。
R1によって表される単環式環上の適宜の置換基(T)の例には、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、−CN、オキソ、−G1、−NO2、−ORa、−OC(O)Ra、−OC(O)N(Rb)(Rc)、−SRa、−S(O)2Rd、−S(O)2N(Rb)(Rc)、−C(O)Ra、−C(O)ORa、−C(O)N(Rb)(Rc)、−N(Rb)(Rc)、−N(Rb)C(O)Ra、−N(Rb)S(O)2Rd、−N(Rb)C(O)O(Ra)、−N(Rb)C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−NO2、−(CReRf)r−ORa、−(CReRf)r−OC(O)Ra、−(CReRf)r−OC(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−SRa、−(CReRf)r−S(O)2Rd、−(CReRf)r−S(O)2N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−C(O)Ra、−(CReRf)r−C(O)ORa、−(CReRf)r−C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−N(Rb)C(O)Ra、−(CReRf)r−N(Rb)S(O)2Rd、−(CReRf)r−N(Rb)C(O)O(Ra)、−(CReRf)r−N(Rb)C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−G1、−(CReRf)r−CN、ハロアルキル、−O−(CReCRf)r−C(O)N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)r−C(S)N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)r−S(O)2N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)s−N(Rb)(Rc)、−O−(CReRf)s−N(Rb)C(O)Ra、−O−(CReRf)s−N(Rb)S(O)2Rdおよび−O−(CReCRf)r−CNなどがあるが、これらに限定されるものではなく;Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、r、s、Rb1、Rc1およびG1は、(要旨)および本明細書における実施形態に記載の通りである。ある種の実施形態には、Tが−C(O)Ra、−C(O)ORa、−C(O)N(Rb)(Rc)、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、−CN、−G1、−ORa、−N(Rb)(Rc)、−N(Rb)C(O)Ra、−N(Rb)S(O)2Rd、−N(Rb)C(O)N(Rb)(Rc)、−O−(CReCRf)r−C(O)N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)r−C(S)N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)r−S(O)2N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)s−N(Rb)(Rc)、−O−(CReRf)s−N(Rb)C(O)Ra、−O−(CReRf)s−N(Rb)S(O)2Rd、−O−(CReCRf)r−CNまたはハロアルキルである化合物などがあり;Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、r、s、Rb1およびRc1は、(要旨)および本明細書における実施形態に記載の通りである。
他の実施形態において、TはC1−4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、−CN、−ORa、−O−(CReCRf)r−C(O)N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)r−S(O)2N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)s−N(Rb)(Rc)、−O−(CReCRf)r−CNまたはC1−4ハロアルキルであり;Ra、Rb、Rc、Re、Rf、r、s、Rb1およびRc1は、(要旨)および本明細書における実施形態に記載の通りである。
さらに他の実施形態において、TはC1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ハロゲン、−CN、−ORa、−O−(CH2)r−C(O)N(Rb1)(Rc1)、−O−(CH2)s−N(Rb)(Rc)、−O−(CH2)r−CNまたはC1−4ハロアルキルであり;Ra、Rb、Rc、r、s、Rb1およびRc1は、(要旨)および本明細書における実施形態に記載の通りである。
さらに他の実施形態において、Tは−ORa、ハロゲン、−CNまたはトリフルオロメチルであり;Raはメチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルまたは2−フルオロエチルである。
ある種の実施形態において、RaおよびRcはそれぞれ独立に水素、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、G1または−(CReRf)r−G1である。他の実施形態において、RaおよびRcはそれぞれ独立に水素、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、G1または−(CH2)r−G1である。さらに他の実施形態において、Raはメチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルまたは2−フルオロエチルである。G1、Re、Rfおよびrは、(要旨)および本明細書における実施形態に記載の通りである。
Rbは、(要旨)に記載の具体的形態を有する。ある種の実施形態において、Rbは水素、C1−C4アルキル、C3−C6シクロアルキル、C1−C4ハロアルキルまたはメトキシエチルである。他の実施形態において、Rbは水素、C1−C4アルキル、C3−C6シクロアルキルまたはメトキシエチルである。
Rb1およびRc1は、(要旨)に記載の具体的形態を有する。ある種の実施形態において、Rb1は水素、C1−C4アルキル、C3−C6シクロアルキル、C1−C4ハロアルキルまたはメトキシエチルであり;Rc1は水素、C1−C4アルキル、C3−C6シクロアルキルまたはC1−C4ハロアルキルであり;Rb1およびRc1はそれらがいずれも結合している窒素原子とともに(要旨)に記載の4から7員単環式複素環を形成していても良い。他の実施形態において、Rb1は水素、C1−C4アルキル、C3−C6シクロアルキルまたはメトキシエチルであり;Rc1は水素、C1−C4アルキルまたはC3−C6シクロアルキルである。
Rdは(要旨)に記載の具体的形態を有する。ある種の実施形態において、Rdは各場合で独立に、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、アルコキシアルキル、シアノアルキル、G1または−(CReRf)r−G1である。ReおよびRfはそれぞれ独立に水素またはメチルである。他の実施形態において、Rdは各場合で独立にC1−C4アルキル、G1または−(CReRf)r−G1である。G1、r、ReおよびRfは(要旨)および本明細書における実施形態に記載の通りである。
ReおよびRfは、(要旨)に記載の具体的形態を有する。ある種の実施形態において、ReおよびRfはそれぞれ独立に水素またはメチルである。ある種の実施形態において、rは1、2、3または4であり、sは2、3または4である。
R2は、(要旨)に記載の具体的形態を有する。R2の例には、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(CReRf)s−O−G1、−(CReRf)s−O−(CReRf)r−G1、−(CReRf)r−C(O)−Ra、−(CReRf)r−SO2−Rd、−(CReRf)s−N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−G2、−(CReRf)r−G3、−(CReRf)s−N(Rb)SO2Rd、−(CReRf)s−N(Rb)CORa、−(CReRf)s−N(Rb)CON(Rb)(Rc)、−(CReRf)s−N(Rb)SO2N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−SO2N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−CN、ハロアルキルおよびハロアルコキシアルキルなどがあるが、これらに限定されるものではなく;Re、Rf、G1、G2、G3、s、Ra、Rb、Rc、Rdおよびrは(要旨)および本明細書における実施形態に記載の通りである。特に、R2の例には、C3−C7アルキル、C3−C7アルケニル、C3−C7アルキニル、−(CReRf)s−O−G1、−(CReRf)s−O−(CReRf)r−G1、−(CReRf)r−C(O)−Ra、−(CReRf)s−N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−G2、−(CReRf)r−G3、−(CReRf)s−N(Rb)SO2Rd、−(CReRf)r−SO2N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−CNおよびC3−C7ハロアルキルなどがあるが、これらに限定されるものではない。さらに詳細には、R2の例には、C3−C7アルキル、C3−C7アルケニル、C3−C7アルキニル、−(CH2)s−O−G1、−(CH2)s−O−(CH2)r−G1、−(CH2)r−G2、−(CH2)r−G3、−(CH2)s−N(Rb)SO2Rd、−(CH2)r−SO2N(Rb)(Rc)、−(CH2)r−CNおよびC3−C7ハロアルキルなどがあるが、これらに限定されるものではない。ある種の実施形態において、R2はn−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、−(CH2)−G2、−(CH2)2−CN、−(CH2)3−CNまたは−(CH2)4−CNである。ある種の実施形態において、R2はC3−C7アルキルまたは−(CH2)−G2である。他の実施形態において、R2はC3−C7アルキルまたは−(CH2)−G2であり、G2は置換されていないか(要旨)で記載のように置換されているシクロアルキル(例:C3−C6シクロアルキル)である。さらに他の実施形態において、R2は−(CH2)−G2であり、G2は置換されていないか(要旨)で記載のように置換されているアリール(例:フェニル)である。さらに他の実施形態において、R2は−(CReRf)r−CNであり、ReおよびRfはそれぞれ独立に水素またはメチルであり、rは2、3または4である。
G1は(要旨)で記載の通りである。ある種の実施形態において、G1は置換されていないか置換されているヘテロアリール、複素環またはシクロアルキルである。他の実施形態において、G1は単環式ヘテロアリール、単環式複素環または単環式シクロアルキル(例:C3−C6シクロアルキル)であり;それらはそれぞれ(要旨)および本明細書における実施形態に記載のように置換されていても良い。
G2は(要旨)で記載の通りである。ある種の実施形態において、G2は置換されていても良いアリール(例:フェニル)である。他の実施形態において、G2は単環式ヘテロアリールまたは単環式シクロアルキル(例:C3−C6シクロアルキル)であり、それらはそれぞれ置換されていても良い。さらに他の実施形態において、G2はシクロプロピル、シクロブチルまたはシクロペンチルであり、それらはそれぞれ独立に置換されていないか置換されている。
G1、G2およびG3の任意選択の置換基は、(要旨)で記載の通りである。例には、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、=N−CN、=N−ORn、−CN、オキソ、−NO2、−ORm、−OC(O)Rm、−OC(O)N(Rm)2、−SRm、−S(O)2R”、−S(O)2N(Rm)2、−C(O)Rm、−C(O)ORm、−C(O)N(Rm)2、−N(Rm)2、−N(Rm)C(O)Rm、−N(Rm)S(O)2Rn、−N(Rm)C(O)O(Rm)、−N(Rm)C(O)N(Rm)2、ハロアルキルおよび−(CReRf)r−O(ハロアルキル)などがあるが、これらに限定されるものではなく、Rm、Rn、Re、Rfおよびrは、(要旨)および本明細書における実施形態に記載の通りである。ある種の実施形態において、適宜の置換基はそれぞれ独立に、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ハロゲン、=N−CN、=N−ORn、−CN、オキソ、−NO2、−ORm、−OC(O)Rm、−OC(O)N(Rm)2、−SRm、−S(O)2Rn、−S(O)2N(Rm)2、−C(O)Rm、−C(O)ORm、−C(O)N(Rm)2、−N(Rm)2、−N(Rm)C(O)Rm、−N(Rm)S(O)2Rn、−N(Rm)C(O)O(Rm)、−N(Rm)C(O)N(Rm)2および−(CReRf)r−O(ハロアルキル)からなる群から選択され、Rm、Rn、Re、Rfおよびrは(要旨)および本明細書における実施形態に記載の通りである。他の実施形態において、適宜の置換基はそれぞれ独立にC1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ハロゲン、−CN、オキソ、−ORm、−S(O)2Rn、−S(O)2N(Rm)2、−C(O)Rm、−C(O)N(Rm)2、−N(Rm)2、−N(Rm)C(O)Rm、−N(Rm)S(O)2Rn、−N(Rm)C(O)N(Rm)2および−(CReRf)r−O(ハロアルキル)からなる群から選択され;Rm、Rn、Re、Rfおよびrは(要旨)および本明細書における実施形態に記載の通りである。
RmおよびRnは、(要旨)に記載の具体的形態を有する。ある種の実施形態において、Rmは独立に、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、アルコキシアルキル、C3−C6シクロアルキルまたはハロアルコキシアルキルであり;2個のRmが同一の窒素原子に結合している場合、4から7員単環式複素環を形成していても良く;前記単環式複素環は、0もしくは1個の別のヘテロ原子、0もしくは1個の二重結合を含み、独立にアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシおよびオキソからなる群から選択される1、2または3個の置換基で置換されていても良い。Rnは各場合で独立に、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C3−C6シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシアルキルまたはシアノアルキルである。
R3およびR4は、(要旨)に記載の具体的形態を有する。ある種の実施形態において、R3およびR4は、それらが結合している原子とともに、置換されていないか(要旨)に記載のように置換されている5から8員のスピロ複素環を形成している。
他の実施形態において、R3およびR4はそれらが結合している原子とともに、5から8員の単環式複素環を形成している。
さらに他の実施形態において、単環式複素環は5員または6員複素環である。さらに他の実施形態において、その5員または6員複素環は1個の酸素原子、0個の窒素原子、0個の別の二重結合を含み、アルケニレンやアルキレン架橋を持たず、置換されていないか(要旨)に記載のように置換されている。
さらに他の実施形態において、単環式複素環は、1個の酸素原子、0個の窒素原子、0個の別の二重結合、2個の炭素原子のアルケニレンもしくはアルキレン架橋を含む6員複素環であり、置換されていないか(要旨)に記載のように置換されている。
R3、R4およびそれらが結合している炭素原子によって形成される環上の任意選択の置換基には、アルキル(例:C1−C4アルキル)、オキソおよびヒドロキシなどがあるが、これらに限定されるものではない。
R3、R4およびそれらが結合している炭素原子が前述の段落で記載の環を形成している式(I)の化合物の例には、下記式(II)および(III)のものなどがある。
X1はCH2であり、X2はOであり、pは1もしくは2であり;または
X1はCH2CH2であり、X2はOであり、pは1であり;または
X1はOであり、X2はCH2であり、pは2であり;
qは0、1、2、3もしくは4であり;
−−−−は単結合または二重結合であり;
Rxは、環内のいずれか置換可能な炭素に結合している適宜の置換基であり、オキソ、アルキル(例:C1−C4アルキル)、ハロゲン、−OH、−O(アルキル)およびハロアルキルからなる群から選択され;R1およびR2は(要旨)および上記の実施形態に記載の通りである。
本発明が、特定の、より詳細なおよび好ましい実施形態などの上記の実施形態と組み合わせた式(I)の化合物を想到するものであることは明らかである。
従って、本発明の1態様は、R1が置換されていても良いフェニルであり、その置換基およびR2が(要旨)および本明細書において上記の実施形態に記載の通りである具体的形態を有する式(I)、(II)または(III)の化合物を提供する。
例えば、本発明は、下記式(IV)または(V)の化合物を提供する。
X1はCH2であり、X2はOであり、pは1もしくは2であり;または
X1はCH2CH2であり、X2はOであり、pは1であり;または
X1はOであり、X2はCH2であり、pは2であり;
qは0、1、2、3もしくは4であり;
−−−−は単結合または二重結合であり;
Rxは、環のいずれか置換可能な炭素原子に結合している適宜の置換基であり、オキソ、アルキル、ハロゲン、−OH、−O(アルキル)およびハロアルキルからなる群から選択され;
T1は、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ハロゲン、−CN、−ORa、−O−(CReCRf)r−C(O)N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)r−S(O)2N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)s−N(Rb)(Rc)、−O−(CReCRf)r−CNまたはC1−4ハロアルキルであり;
T2は、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ハロゲン、−CNまたはC1−C4ハロアルキルであり;
R2は、C3−C7アルキル、C3−C7アルケニル、C3−C7アルキニル、−(CReRf)s−O−G1、−(CReRf)s−O−(CReRf)r−G1、−(CReRf)r−C(O)−Ra、−(CReRf)s−N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−G2、−(CReRf)r−G3、−(CReRf)s−N(Rb)SO2Rd、−(CReRf)r−SO2N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−CNまたはC3−C7ハロアルキルであり;
RaおよびRcはそれぞれ独立に、水素、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、G1または−(CReRf)r−G1であり;
Rbは、水素、C1−C4アルキル、C3−C6シクロアルキル、C1−C4ハロアルキルまたはメトキシエチルであり;
Rb1は、水素、C1−C4アルキル、C3−C6シクロアルキル、C1−C4ハロアルキルまたはメトキシエチルであり;
Rc1は、水素、C1−C4アルキル、C3−C6シクロアルキルまたはC1−C4ハロアルキルであり;
Rb1およびRc1が、それら両方が結合している窒素原子とともに、4から7員単環式複素環を形成していても良く;前記単環式複素環は0もしくは1個の別のヘテロ原子、0もしくは1個の二重結合を含み、独立にアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシおよびオキソからなる群から選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されていても良く;
Rdは各場合で独立に、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、アルコキシアルキル、シアノアルキル、G1または−(CReRf)r−G1であり;
ReおよびRfはそれぞれ独立に水素またはメチルであり;
G1は、単環式ヘテロアリール、単環式複素環または単環式シクロアルキルであり;
G2は、単環式ヘテロアリールまたは単環式シクロアルキルであり;
G3は、1もしくは2個の窒素原子および0もしくは1個の硫黄原子を含む単環式複素環であり;
G1、G2またはG3によって表される環はそれぞれ独立に、置換されていないか独立にC1−4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ハロゲン、=N−CN、=N−ORn、−CN、オキソ、−NO2、−ORm、−OC(O)Rm、−OC(O)N(Rm)2、−SRm、−S(O)2Rn、−S(O)2N(Rm)2、−C(O)Rm、−C(O)ORm、−C(O)N(Rm)2、−N(Rm)2、−N(Rm)C(O)Rm、−N(Rm)S(O)2Rn、−N(Rm)C(O)O(Rm)、−N(Rm)C(O)N(Rm)2および−(CReRf)r−O(ハロアルキル)からなる群から選択される1、2、3、4もしくは5個の置換基で置換されており;
Rmは各場合で独立に、水素、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、アルコキシアルキル、C3−C6シクロアルキルまたはハロアルコキシアルキルであり;2個のRmが同一の窒素原子に結合している場合、それは4から7員の単環式複素環を形成していても良く;前記単環式複素環は0もしくは1個の別のヘテロ原子、0もしくは1個の二重結合を含み、独立にアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシおよびオキソからなる群から選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されていても良く;
Rnは各場合で独立に、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C3−C6シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシアルキルまたはシアノアルキルであり;
rは1、2、3または4であり;
sは2、3または4である。
含まれる他の化合物は、
X1がCH2であり、X2がOであり、pが1もしくは2であり;または
X1がCH2CH2であり、X2がOであり、pが1であり;または
X1がOであり、X2がCH2であり、pが2であり;
qが0、1、2、3もしくは4であり;
−−−−が単結合または二重結合であり;
Rxが、環のいずれか置換可能な炭素原子に結合している適宜の置換基であり、オキソ、アルキル、ハロゲン、−OH、−O(アルキル)およびハロアルキルからなる群から選択され;
T1が、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ハロゲン、−CN、−ORa、−O−(CH2)r−C(O)N(Rb1)(Rc1)、−O−(CH2)s−N(Rb)(Rc)、−O−(CH2)r−CNまたはC1−4ハロアルキルであり;
T2が、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ハロゲン、−CNまたはC1−C4ハロアルキルであり;
R2が、C3−C7アルキル、C3−C7アルケニル、C3−C7アルキニル、−(CH2)s−O−G1、−(CH2)s−O−(CH2)r−G1、−(CH2)r−G2、−(CH2)r−G3、−(CH2)s−N(Rb)SO2Rd、−(CH2)r−SO2N(Rb)(Rc)、−(CH2)r−CNまたはC3−C7ハロアルキルであり;
RaおよびRcがそれぞれ独立に、水素、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、G1または−(CH2)r−G1であり;
Rbが、水素、C1−C4アルキル、C3−C6シクロアルキルまたはメトキシエチルであり;
Rb1が、水素、C1−C4アルキル、C3−C6シクロアルキルまたはメトキシエチルであり;
Rc1が、水素、C1−C4アルキルまたはC3−C6シクロアルキルであり;
Rdが各場合で独立に、C1−C4アルキル、G1または−(CReRf)r−G1であり;
ReおよびRfがそれぞれ独立に水素またはメチルであり;
G1が、単環式ヘテロアリール、単環式複素環またはC3−C6シクロアルキルであり;
G2が、単環式ヘテロアリールまたはC3−C6シクロアルキルであり;
G1、G2またはG3によって表される環はそれぞれ独立に、置換されていないか独立にC1−4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ハロゲン、−CN、オキソ、−ORm、−S(O)2Rn、−S(O)2N(Rm)2、−C(O)Rm、−C(O)N(Rm)2、−N(Rm)2、−N(Rm)C(O)Rm、−N(Rm)S(O)2Rn、−N(Rm)C(O)N(Rm)2および−(CReRf)r−O(ハロアルキル)からなる群から選択される1、2、3、4もしくは5個の置換基で置換されており;
Rmが各場合で独立に、水素、C1−C4アルキルまたはC3−C6シクロアルキルであり;
Rnが各場合で独立に、C1−C4アルキルまたはC3−C6シクロアルキルであり;
rが1、2、3または4であり;
sが2、3または4である式(IV)または(V)を有するものである。
X1がCH2であり、X2がOであり、pが1もしくは2であり;または
X1がCH2CH2であり、X2がOであり、pが1であり;または
X1がOであり、X2がCH2であり、pが2であり;
qが0、1、2、3もしくは4であり;
−−−−が単結合または二重結合であり;
Rxが、環のいずれか置換可能な炭素原子に結合している適宜の置換基であり、オキソ、アルキル、ハロゲン、−OH、−O(アルキル)およびハロアルキルからなる群から選択され;
T1が、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ハロゲン、−CN、−ORa、−O−(CH2)r−C(O)N(Rb1)(Rc1)、−O−(CH2)s−N(Rb)(Rc)、−O−(CH2)r−CNまたはC1−4ハロアルキルであり;
T2が、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ハロゲン、−CNまたはC1−C4ハロアルキルであり;
R2が、C3−C7アルキル、C3−C7アルケニル、C3−C7アルキニル、−(CH2)s−O−G1、−(CH2)s−O−(CH2)r−G1、−(CH2)r−G2、−(CH2)r−G3、−(CH2)s−N(Rb)SO2Rd、−(CH2)r−SO2N(Rb)(Rc)、−(CH2)r−CNまたはC3−C7ハロアルキルであり;
RaおよびRcがそれぞれ独立に、水素、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、G1または−(CH2)r−G1であり;
Rbが、水素、C1−C4アルキル、C3−C6シクロアルキルまたはメトキシエチルであり;
Rb1が、水素、C1−C4アルキル、C3−C6シクロアルキルまたはメトキシエチルであり;
Rc1が、水素、C1−C4アルキルまたはC3−C6シクロアルキルであり;
Rdが各場合で独立に、C1−C4アルキル、G1または−(CReRf)r−G1であり;
ReおよびRfがそれぞれ独立に水素またはメチルであり;
G1が、単環式ヘテロアリール、単環式複素環またはC3−C6シクロアルキルであり;
G2が、単環式ヘテロアリールまたはC3−C6シクロアルキルであり;
G1、G2またはG3によって表される環はそれぞれ独立に、置換されていないか独立にC1−4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ハロゲン、−CN、オキソ、−ORm、−S(O)2Rn、−S(O)2N(Rm)2、−C(O)Rm、−C(O)N(Rm)2、−N(Rm)2、−N(Rm)C(O)Rm、−N(Rm)S(O)2Rn、−N(Rm)C(O)N(Rm)2および−(CReRf)r−O(ハロアルキル)からなる群から選択される1、2、3、4もしくは5個の置換基で置換されており;
Rmが各場合で独立に、水素、C1−C4アルキルまたはC3−C6シクロアルキルであり;
Rnが各場合で独立に、C1−C4アルキルまたはC3−C6シクロアルキルであり;
rが1、2、3または4であり;
sが2、3または4である式(IV)または(V)を有するものである。
含まれるさらに他の化合物は、
X1がCH2であり、X2がOであり、pが1もしくは2であり;または
X1がCH2CH2であり、X2がOであり、pが1であり;または
X1がOであり、X2がCH2であり、pが2であり;
qが0、1、2、3もしくは4であり;
−−−−が単結合または二重結合であり;
Rxがオキソ、メチルおよび−OHからなる群から選択され;
T1が−ORaであり;
T2がハロゲン、−CNまたはトリフルオロメチルであり;
R2が、n−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、−(CH2)−G2、−(CH2)2−CN、−(CH2)3−CNまたは−(CH2)4−CNであり;
Raが、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルまたは2−フルオロエチルであり;
G2が、シクロプロピル、シクロブチルまたはシクロペンチルであり、それらのそれぞれが概説し、上記の本明細書での実施形態に記載ように置換されていても良い式(IV)または(V)を有するものである。
X1がCH2であり、X2がOであり、pが1もしくは2であり;または
X1がCH2CH2であり、X2がOであり、pが1であり;または
X1がOであり、X2がCH2であり、pが2であり;
qが0、1、2、3もしくは4であり;
−−−−が単結合または二重結合であり;
Rxがオキソ、メチルおよび−OHからなる群から選択され;
T1が−ORaであり;
T2がハロゲン、−CNまたはトリフルオロメチルであり;
R2が、n−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、−(CH2)−G2、−(CH2)2−CN、−(CH2)3−CNまたは−(CH2)4−CNであり;
Raが、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルまたは2−フルオロエチルであり;
G2が、シクロプロピル、シクロブチルまたはシクロペンチルであり、それらのそれぞれが概説し、上記の本明細書での実施形態に記載ように置換されていても良い式(IV)または(V)を有するものである。
本発明の化合物は、不斉もしくはキラル中心が存在する立体異性体として存在することができる。これらの立体異性体は、キラル炭素原子周囲の置換基の配置に依存して「R」もしくは「S」である。本明細書中で用いられる「R」および「S」という用語は、IUPAC(IUPAC 1974 Recommendations for Section E, Fundamental Stereochemistry, Pure Appl. Chem., 1976, 45: 13-30)において定義される配置である。
本発明では様々な立体異性体(エナンチオマーおよびジアステレオマーなど)およびそれらの混合物が想到される。本発明の化合物の個々の立体異性体は、不斉中心もしくはキラル中心を含む市販の出発物質から合成的に製造することができるか、ラセミ混合物を製造し、続いて当業者にとって公知の方法を用いる個々の立体異性体の分割を行うことにより製造できる。分割方法の例には、例えば(i)キラル助剤へのエナンチオマー混合物の付加、再結晶もしくはクロマトグラフィーによる得られたジアステレオマー混合物の分離と、それに続く光学的に純粋な生成物の遊離、または(ii)エナンチオマーもしくはジアステレオマーの混合物のキラルクロマトグラフィーカラムでの分離がある。
本発明の化合物では、幾何異性体が存在し得る。本発明は、炭素−炭素二重結合、炭素−窒素二重結合、シクロアルキル基または複素環基周囲の置換基の配置から生じる各種幾何異性体およびそれらの混合物を想到するものである。炭素−炭素二重結合または炭素−窒素結合周囲の置換基はZまたはE配置と称され、シクロアルキルまたは複素環周囲の置換基はシスまたはトランス配置と称される。
本発明の範囲内において、理解すべき点として、本明細書に開示の化合物は互変異性の現象を示す場合がある。
従って、本明細書に含まれる式の図は、可能な互変異型または立体異性体型のうちの一つのみを表すことができるものである。理解すべき点として、本発明は、あらゆる互変異型または立体異性体型ならびにそれらの混合物を包含するものであり、化合物または式の図の呼称の範囲内で用いられるいずれか一つの互変異型または立体異性体型にのみ限定されるものではない。
c.生物データ
(i)イン・ビトロ方法−CB 2 およびCB 1 放射性リガンド結合アッセイ
本明細書に記載のCB1およびCB2放射性リガンド結合アッセイを用いて、CB1受容体と比較したCB2受容体への結合に関する本願の化合物の選択性を確認する。
(i)イン・ビトロ方法−CB 2 およびCB 1 放射性リガンド結合アッセイ
本明細書に記載のCB1およびCB2放射性リガンド結合アッセイを用いて、CB1受容体と比較したCB2受容体への結合に関する本願の化合物の選択性を確認する。
ヒトCB2受容体を安定に発現するHEK293細胞を、密集単層が形成されるまで増殖させた。すなわち、細胞を回収し、ポリトロンを用いてプロテアーゼ阻害薬存在下での10秒間のバーストを2回行ってTE緩衝液(50mMトリス−HCl、1mM MgCl2および1mM EDTA)中で均質化し、次に45000×gで20分間遠心した。最終的な膜ペレットを保存緩衝液(50mMトリス−HCl、1mM MgCl2および1mM EDTAおよび10%ショ糖)中で再度均質化してから、使用時まで−78℃で冷凍した。アッセイ緩衝液(50mMトリス、2.5mM EDTA、5mM MgCl2および0.5mg/mL脂肪酸非含有BSA、pH7.4)中の[3H]CP−55940(120Ci/mmol、トクリス(Tocris)から市販されている非選択的CB作働薬)が入った深ウェルプレートのウェルに膜取得物(ヒトCB2についてタンパク質濃度5μg/ウェル)を加えることで、飽和結合反応を開始した。30℃で90分間のインキュベーション後、300μL/ウェルの冷アッセイ緩衝液を加えることで結合反応を停止し、次にユニフィルター(UniFilter)−96GF/Cフィルタープレート(1mg/mL BSA中に2時間浸漬しておいたもの)によって急速に減圧濾過した。結合活性を、マイクロシンチ(Microscint)−20を用いるトップカウント(TopCount)でカウントした。0.01から8nMの範囲の12種類の濃度の[3H]CP−55940を用いて飽和実験を行った。0.5nM [3H]CP−55940および5種類の濃度(1nMから10μM)の置換リガンドを用いて、競争実験を行った。10μMの未標識CP−55940(Tocris, Ellisvill, MO)を加えることで、非特異的結合を評価した。
本発明の化合物の大半が、約1000nM未満、好ましくは400nM未満、より好ましくは200nM未満、最も好ましくは100nM未満のアフィニティ(Ki)でCB2受容体に結合した。
HEK293ヒトCB1膜をパーキン・エルマー(Perkin Elmer)から購入した。[3H]CP−55940(120Ci/mmol、Perkin Elmer, Boston, MA)および十分な容量のアッセイ緩衝液(50mMトリス、2.5 mM EDTA、5mM MgCl2および0.5mg/mL脂肪酸非含有BSA、pH7.4)の入ったウェル(サイエンスウェア(Scienceware)96ウェル深ウェルプレート、VWR, West Chester, PA)に膜(8から12μg/ウェル)を加えて合計容量を250μLとすることで、結合を開始した。インキュベーション(30℃で90分間)後、300μL/ウェルの冷アッセイ緩衝液を加え、ユニフィルター(UniFilter)−96GF/Cフィルタープレート(Perkin Elmer, Boston, MA)(0.3%PEIに少なくとも3時間浸漬しておいたもの)によって急速に減圧濾過して(FilterMate Cell Harvester, Perkin Elmer, Boston, MA)結合を終了させ、次に冷アッセイ緩衝液で5回洗浄した。結合活性を、マイクロシンチ−20を用いるトップカウント(いずれもPerkin Elmer, Boston, MA)でカウンティングした。1nM [3H]CP−55940および5種類の濃度(1nMから10μM)の置換リガンドを用いて、競争実験を行った。10μMの未標識CP−55940(Tocris, Ellisvill, MO)を加えることで、非特異的結合を評価した。CB1結合に関して調べた本願の化合物の大半が、CB2に関するKiの10倍から1000倍高いアフィニティ(Ki)でCB1受容体に結合した。これらの結果は、本願の化合物がCB2受容体に好ましく結合することから、CB2受容体に対する選択的リガンドであることを示している。
ii)イン・ビボデータ
動物
雄成体スプレーグ−ドーリーラット(体重250から300g、Charles River Laboratories, Portage, MI)を用いる。動物の取り扱いおよび実験プロトコールは、アボット・ラボラトリーズの社内動物ケア・使用委員会(IACUC)が承認したものである。全ての外科手術について、動物はイソフルラン麻酔(誘導に4から5%、維持に1から3%)下に維持し、手術の前後で、切開部位を10%ポビドン−ヨウ素溶液を用いて消毒する。
動物
雄成体スプレーグ−ドーリーラット(体重250から300g、Charles River Laboratories, Portage, MI)を用いる。動物の取り扱いおよび実験プロトコールは、アボット・ラボラトリーズの社内動物ケア・使用委員会(IACUC)が承認したものである。全ての外科手術について、動物はイソフルラン麻酔(誘導に4から5%、維持に1から3%)下に維持し、手術の前後で、切開部位を10%ポビドン−ヨウ素溶液を用いて消毒する。
術後疼痛の切開モデル
術後疼痛の皮膚切開モデルを、既報の手順を用いて作った(Brennan et al., 1996, Pain, 64, 493)。いずれのラットにも、ノーズ・コーンを介して投与したイソフルオランによって麻酔を施した。右後足切開を、滅菌手順後に行った。左後足の足底面は、無菌のプラスチック製ドレープに設けた穴を通して置いた。長手方向1cmの切開を、後足の足底面の皮膚および筋膜を通って行い、踵の近位縁部から0.5cmから開始し、つま先方向に伸ばし、足底筋を持ち上げ、長手方向に切開し、筋肉の開始部位および挿入箇所は無傷で残した。次に、皮膚を2本のマットレス縫合糸(5−0ナイロン)で閉じた。手術後、動物を2時間にわたって回復させ、その時点で接触性アロディニアを下記の方法に従って評価した。抗侵害受容作用を評価するため、皮膚切開から90分後に媒体または試験化合物を、動物に腹腔内投与し、化合物投与から30分後に接触性アロディニアを評価した。
術後疼痛の皮膚切開モデルを、既報の手順を用いて作った(Brennan et al., 1996, Pain, 64, 493)。いずれのラットにも、ノーズ・コーンを介して投与したイソフルオランによって麻酔を施した。右後足切開を、滅菌手順後に行った。左後足の足底面は、無菌のプラスチック製ドレープに設けた穴を通して置いた。長手方向1cmの切開を、後足の足底面の皮膚および筋膜を通って行い、踵の近位縁部から0.5cmから開始し、つま先方向に伸ばし、足底筋を持ち上げ、長手方向に切開し、筋肉の開始部位および挿入箇所は無傷で残した。次に、皮膚を2本のマットレス縫合糸(5−0ナイロン)で閉じた。手術後、動物を2時間にわたって回復させ、その時点で接触性アロディニアを下記の方法に従って評価した。抗侵害受容作用を評価するため、皮膚切開から90分後に媒体または試験化合物を、動物に腹腔内投与し、化合物投与から30分後に接触性アロディニアを評価した。
接触性アロディニアは、既報の方法(Chaplan, S.R., F.W. Bach, J.W. Pogrel, J.M. Chung and T.L. Yaksh, 1994, Quantitative assessment of tactile allodynia in the rat paw, J. Neurosci. Methods 53, 55)に従って、較正フォン・フレイフィラメント(von Frey filamments, Stoelting, Wood Dale, IL)に従って測定した。上が吊り下げたワイヤメッシュ格子の上に乗せた上下逆の個々のプラスチックケージ(20×12.5×20cm)にラットを入れ、試験チャンバに20分間馴致させた。フォン・フレイフィラメントは、ケージの下からワイヤメッシュの床にある開口を通って切開の1から3mm以内の領域(直接隣接)に直接、垂直方向に設け、フィラメントを軽く曲げるだけの力で約8秒間その位置に保持した。陽性応答には、刺激からの後足の突然の引き込みまたは刺激除去直後のたじろぎ行動などがあった。50%引き込み閾値を、上げ下げ法を用いて求めた(Dixon, WJ., 1980, Efficient analysis of experimental observations, Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol. 20, 441)。
本願の代表的化合物は、術後疼痛の切開モデルにおいて約300ミクロモル/kg未満で、生理食塩水媒体と比較して足引き込み待ち時間に統計的に有意な変化を示した。より好ましい実施形態では、本願の化合物は、術後疼痛の切開モデルにおいて約50ミクロモル/kg未満で効力を示した。
神経障害性疼痛の脊髄神経結紮モデル
最初にキムおよびチャン(Kim, S.H. and J.M. Chung, 1992, Pain 50, 355)が報告している脊髄神経結紮誘発(SNLモデル)神経障害性疼痛のモデルを用いて、本願の化合物を調べることができる。ラットの左L5およびL6脊髄神経を、脊椎に隣接して分離し、DRGに対して遠位の5−0絹縫合糸で強く結紮し、L4脊髄神経に損傷がないように気を付ける。擬似ラットについて同じ手順を行うが、神経結紮は行わない。全ての動物を少なくとも1週間回復させ、3週間以内に接触性アロディニアの評価を行う。
最初にキムおよびチャン(Kim, S.H. and J.M. Chung, 1992, Pain 50, 355)が報告している脊髄神経結紮誘発(SNLモデル)神経障害性疼痛のモデルを用いて、本願の化合物を調べることができる。ラットの左L5およびL6脊髄神経を、脊椎に隣接して分離し、DRGに対して遠位の5−0絹縫合糸で強く結紮し、L4脊髄神経に損傷がないように気を付ける。擬似ラットについて同じ手順を行うが、神経結紮は行わない。全ての動物を少なくとも1週間回復させ、3週間以内に接触性アロディニアの評価を行う。
接触性アロディニアは、既報の方法(Chaplan, S.R., F.W. Bach, J.W. Pogrel, J.M. Chung and T.L. Yaksh, 1994, Quantitative assessment of tactile allodynia in the rat paw, J. Neurosci. Methods 53, 55)に従って、較正フォン・フレイフィラメント(von Frey filamments, Stoelting, Wood Dale, IL)を用いて測定する。上が吊り下げたワイヤメッシュ格子の上に乗せた上下逆の個々のプラスチック容器(20×12.5×20cm)にラットを入れ、試験チャンバに20分間馴致させる。フォン・フレイフィラメントは、選択した後足の底表面に対して垂直に配置し、フィラメントを軽く曲げるだけの力で約8秒間その位置に保持する。陽性応答には、刺激からの後足の突然の引き込みまたは刺激除去直後のたじろぎ行動などがある。50%引き込み閾値を、上げ下げ法を用いて求める(Dixon, WJ., 1980, Efficient analysis of experimental observations, Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol. 20, 441)。本試験では、基底線閾値スコアが4.25g未満であるラットのみを用い、運動障害を示す動物は除外する。接触性アロディニア閾値は、実験未使用動物、擬似手術および生理食塩水注入動物などのいくつかの対照群ならびに神経損傷ラットの対側足でも評価する。
カプサイシン誘発二次機械的過敏
ラットを、1時間にわたって試験室に馴致させた。動物を短時間拘束し、右後足の中心への足底注射によってカプサイシンを10μg/媒体10μL(10%エタノールおよび2−ヒドロキシプロピルシクロデキストリン)で投与した。カプサイシン投与から180分後に、注射部位から離れた踵で二次機械的痛覚過敏を測定した(Joshi et al., 2006, Neuroscience 143, 587-596)。化合物は、試験30分前(カプサイシン投与から150分)に、化合物を注射した(腹腔内)。
ラットを、1時間にわたって試験室に馴致させた。動物を短時間拘束し、右後足の中心への足底注射によってカプサイシンを10μg/媒体10μL(10%エタノールおよび2−ヒドロキシプロピルシクロデキストリン)で投与した。カプサイシン投与から180分後に、注射部位から離れた踵で二次機械的痛覚過敏を測定した(Joshi et al., 2006, Neuroscience 143, 587-596)。化合物は、試験30分前(カプサイシン投与から150分)に、化合物を注射した(腹腔内)。
接触性アロディニアを上記の方法に従って測定した。
本願の代表的な化合物は、二次機械的痛覚過敏のカプサイシンモデルにおいて約300μM/kg未満で、生理食塩水媒体と比較して足引き込み待ち時間に統計的に有意な変化を示した。より好ましい実施形態では、本願の化合物は、二次機械的痛覚過敏のカプサイシンモデルにおいて約50μM/kg未満の効力を示した。
d.化合物の使用方法
本発明の一実施形態は、処置を必要とする哺乳動物(ヒトなど)での疼痛(例えば、神経因性疼痛または侵害受容性疼痛)の治療方法を提供する。その方法は、治療上有効量の本明細書に記載のいずれかの化合物またはそれの製薬上許容される塩を哺乳動物に投与する段階を有する。ある種の実施形態において、その方法は、1以上の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)と組み合わせて治療上有効量の本明細書に記載のいずれかの化合物またはそれの製薬上許容される塩を哺乳動物に投与する段階を有する。
本発明の一実施形態は、処置を必要とする哺乳動物(ヒトなど)での疼痛(例えば、神経因性疼痛または侵害受容性疼痛)の治療方法を提供する。その方法は、治療上有効量の本明細書に記載のいずれかの化合物またはそれの製薬上許容される塩を哺乳動物に投与する段階を有する。ある種の実施形態において、その方法は、1以上の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)と組み合わせて治療上有効量の本明細書に記載のいずれかの化合物またはそれの製薬上許容される塩を哺乳動物に投与する段階を有する。
本発明のさらに別の実施形態は、処置を必要とする哺乳動物での神経保護を提供する方法に関するものである。その方法は、治療上有効量の本発明の化合物またはそれの製薬上許容される塩を哺乳動物に投与する段階を有する。
本明細書に含まれるデータ以外に、いくつかの系統の証拠が、CB2受容体が鎮痛において役割を果たすという考え方を裏付けている。HU−308は、持続的疼痛のラットホルマリンもであるにおける抗侵害受容応答を誘発することが確認された最初の非常に選択的なCB2作働薬の一つである(Hanus, L., et al., Proc. Nat. Acad. Sci., 1999, 96, 14228-14233)。CB2選択的カンナビノイドリガンドAM−1241は、急性熱痛(Malan, T. P., et al., Pain, 2001, 93, 239-245; Ibrahim, M. M., et al., Proc. Nat. Acad. Sci., 2005, 102(8), 3093-3098)、持続性疼痛(Hohmann, A. G., et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 2004, 308, 446-453)、炎症疼痛(Nackley, A. G., et al., Neuroscience, 2003, 119, 747-757; Quartilho, A. et al., Anesthesiology, 2003, 99, 955-60)および神経障害性疼痛(Ibrahim, M. M., et al., Proc. Nat. Acad. Sci., 2003, 100, 10529-10533)の動物モデルにおいて確実な鎮痛効力を示す。L768242とも称されるCB2選択的部分作働薬GW405833は、神経障害性、切開性ならびに慢性および急性の両方の炎症疼痛の齧歯類モデルで有効である(Valenzano, K. J., et al., Neuropharmacology, 2005, 48, 658-672 and Clayton, N., et al., Pain, 2002, 96, 253-260)。
CB2受容体は、免疫機能関連の組織および細胞種に存在し、CB2受容体mRNAがヒトB細胞、ナチュラルキラー細胞、単球、好中球およびT細胞によって発現される(Galiegue et al., Eur. J. Biochem., 1995, 232, 54-61)。CB2ノックアウトマウスを用いた試験で、免疫系調節におけるCB2受容体の役割が示唆されている(Buckley, N. E., et al., Eur. J. Pharmacol. 2000, 396, 141-149)。免疫細胞の発達および分化はノックアウト動物と野生型動物で同様であるが、CB2受容体ノックアウトマウスにはΔ9−THCの免疫抑制効果がなく、免疫調節におけるCB2受容体の関与を示す証拠を提供するものである。従って、選択的CB2調節剤は、多発性硬化症、関節リウマチ、全身性狼瘡、重症筋無力症、I型糖尿病、過敏性腸症候群、乾癬、乾癬性関節炎および肝炎など(これらに限定されるものではない)の自己免疫疾患;ならびに臓器移植における組織拒絶、グルテン過敏性腸疾患(セリアック病)、喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺気腫、気管支炎、急性呼吸窮迫症候群、アレルギー、アレルギー性鼻炎、皮膚炎およびシェーグレン症候群などの(これらに限定されるものではない)免疫関連障害の治療において有用である。
小グリア細胞は、それらが免疫応答の開始および進行を調節する中枢神経系(CNS)の免疫細胞であると考えられる。小グリア細胞上でのCB2受容体発現は、炎症状態に依存するものであり、休止性もしくは完全活性化小グリア細胞と比較して高レベルのCB2が初回刺激を受けた増殖性で移動性の小グリア細胞において認められる(Carlisle, S. J., et al. Int. Immunopharmacol., 2002, 2, 69)。神経炎症は、小グリア細胞の形態に多くの変化を誘発し、エンドカンナビノイド系のCB2受容体および他の要素の上昇がある。神経炎症は、いくつかの神経変性疾患で起こり、小グリア細胞CB2受容体の誘発が認められている(Carrier, E. J., et al., Current Drug Targets - CNS & Neurological Disorders, 2005, 4, 657-665)。従って、CB2リガンドは、神経炎症の治療において臨床的に有用となり得る。
多発性硬化症は、脱髄および軸索損傷によってニューロンがインパルスを伝える能力が障害されているCNSの一般的な免疫介在疾患である。脱髄は、慢性炎症の結果として起こり、最終的には予想できない形で変化し、一般的には加齢とともに悪化する広範囲の臨床症状に至る。それには、疼痛性筋痙攣、振戦、運動失調、運動麻痺、括約筋機能障害および言語障害などがある(Pertwee, R. G., Pharmacol. Ther. 2002, 95, 165-174)。CB2受容体は、実験的自己免疫脳炎(EAE)時に活性化小グリア細胞で上昇する(Maresz, K., et al., J. Neurochem. 2005, 95, 437-445)。CB2受容体活性化は、白血球などの炎症細胞のCNS中への召集を防止し(Ni, X., et al., Multiple Sclerosis, 2004, 10, 158-164)、多発性硬化症進行における非常に重要な特徴である実験的な進行性脱髄において保護的役割を果たす(Arevalo-Martin, A.; et al., J. Neurosci., 2003, 23(7), 2511-2516)。従って、CB2受容体調節剤は、脱髄性の病気へのユニークな治療を提供するものである。
アルツハイマー病は、最も一般的な形態の老人性認知症の主因である慢性神経変性障害である。最近の研究で、CB2受容体発現がアルツハイマー病患者の脳から神経突起プラーク関連小グリア細胞に上昇があることが明らかになっている(Benito, C, et al., J. Neurosci., 2003, 23(35), 11136-11141)。CB2作働薬JWH−133をイン・ビトロで投与するとβ−アミロイド誘発小グリア細胞活性化および神経毒性が抑止され、それらの効果はCB2拮抗薬SR144528によって遮断することができる(Ramirez, B. G., et al., J. Neurosci. 2005, 25(8), 1904-1913)。CB2調節剤は、抗炎症作用と神経保護作用の両方を有することから、神経炎症の治療およびアルツハイマー病の進行に関連する神経保護を提供する上で臨床的に有用である。
上皮CB2受容体発現のレベル上昇がヒト炎症性腸疾患組織で認められる(Wright, K., et al., Gastroenterology, 2005, 129, 437-453)。ラットにおいて内毒素炎症を誘発した後に、CB2受容体の活性化によって正常な消化管通過が再確立された(Mathison, R., et al., Br. J. Pharmacol. 2004, 142, 1247-1254)。ヒト結腸上皮細胞系におけるCB2受容体活性化によって、TNF−α誘発インターロイキン−8(IL−8)放出が阻害された(Ihenetu, K. et al., Eur. J. Pharmacol. 2003, 458, 207-215)。好中球化学化学誘引物質IL−8などの上皮から放出されるケモカイン類が、炎症性腸疾患で上昇する(Warhurst, A. C, et al., Gut, 1998, 42, 208-213)。従って、CB2受容体調節剤の投与は、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、分泌性下痢、潰瘍性大腸炎、クローン病および逆流性食道炎(GERD)など(これらに限定されるものではない)の消化管の炎症および障害の治療における新規なアプローチを代表することができる。
肝線維症は、慢性肝臓損傷に対する応答として起こり、最終的に肝硬変に至るもので、肝硬変は門脈圧亢進症、肝不全および肝細胞癌の重度の合併症による世界的に主要な健康上の問題となっている(Lotersztajn, S., et al., Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol., 2005, 45, 605-628)。CB2受容体は正常なヒト肝臓では検出されなかったが、CB2受容体は肝硬変患者からの肝臓生検検体で発現された。培養肝臓筋線維芽細胞でのCB2受容体の活性化によって、強力な抗線維形成効果が生じた(Julien, B., et al., Gastroenterology, 2005, 128, 742-755)。さらに、CB2ノックアウトマウスは、野生型マウスと比較して四塩化炭素の慢性投与後に、亢進した肝線維症を発症した。CB2受容体調節剤の投与は、肝線維症の治療におけるユニークなアプローチを代表することができる。
咳は、喘息、慢性閉塞性肺疾患、ウィルス感染および肺線維症などの多くの炎症性肺疾患の主要かつ持続的な症状である(Patel, H. J., et al., Brit. J. Pharmacol., 2003, 140, 261-268)。最近の研究で、気道におけるニューロンCB2受容体の存在を示す証拠が得られており、咳抑制におけるCB2受容体活性化に関する役割が明らかになっている(Patel, H. J., et al., Brit. J. Pharmacol., 2003, 140, 261-268 and Yoshihara, S., et al., Am. J. Respir. Crit. Care Med., 2004, 170, 941-946)。外因性および内因性の両方のカンナビノイドリガンドが、CB2受容体を介してのC−線維の活性化を阻害し、気道組織における神経原性炎症反応を軽減する(Yoshihara, S., et al., J. Pharmacol. Sci. 2005, 98(1), 77-82; Yoshihara, S., et al., Allergy and Immunology, 2005, 138, 80-87)。従って、CB2選択的調節剤は、肺炎症、慢性咳および喘息、慢性閉塞性肺疾患および肺線維症など(これらに限定されるものではない)の各種気道炎症疾患の治療において鎮咳薬として有用となり得る。
骨量密度に対してかなりの遺伝的寄与があり、CB2受容体遺伝子がヒト骨粗鬆症に関連している(Karsak, M., et al., Human Molecular Genetics, 2005, 14(22), 3389-3396)。破骨細胞および骨芽細胞が、骨の吸収と合成が関与する再構築と呼ばれるプロセスを介して骨の構造および機能の維持において大きく寄与している(Boyle, W. J., et al., Nature, 2003, 423, 337-342)。CB2受容体発現が、破骨細胞および骨芽細胞前駆細胞上で検出されており、マウスにおけるCB2作働薬の投与によって、骨形成における用量依存的上昇が生じた(Grotenhermen, F. and Muller-Vahl, K., Expert Opin. Pharmacother., 2003, 4(12), 2367-2371)。CB2選択的逆作働薬SR144528などのカンナビノイド逆作働薬が、破骨細胞活性および閉経後骨粗鬆症に関するモデルであるマウスでの逆卵巣切除誘発骨損失を阻害することが明らかになっている(Ralston, S. H., et al., Nature Medicine, 2005, 11, 774-779)。従って、CB2調節剤は、骨粗鬆症、骨関節炎および骨障害の治療および予防において有用となり得る。
アテローム性動脈硬化は慢性炎症疾患であり、心疾患および卒中の第一の原因である。CB2受容体がヒトおよびマウスの両方のアテローム斑で検出されている。アポリポタンパク質Eノックアウトマウスで比較的低用量のTHCを投与することで、アテローム性動脈硬化症の進行が遅延され、これらの効果はCB2選択的拮抗薬SR144528によって阻害された(Steffens, S., et al., Nature, 2005, 434, 782-786)。従って、CB2受容体で活性を有する化合物は、アテローム性動脈硬化の治療において臨床的に有用となり得る。
CB2受容体は、免疫系の悪性細胞上で発現され、アポトーシスを誘発するためのCB2受容体ターゲティングが、免疫系の悪性腫瘍を治療する上での新規なアプローチを構成し得る。選択的CB2作働薬は、悪性神経膠腫(Sanchez, C, et al., Cancer Res., 2001, 61, 5784-5789)、皮膚癌(Casanova, M. L., et al., J. Clin. Invest., 2003, 111, 43-50)およびリンパ腫(McKallip, R. J., et al., Blood, 2002, 15(2), 637-634)の退行を誘発する。従って、CB2調節剤は、免疫起源の腫瘍に対する抗癌剤として有用となり得る。
CB2受容体の活性化が、虚血および再潅流の有害効果に対して心臓を保護することが明らかになっている(Lepicier, P., et al., Brit. J. Pharm. 2003, 139, 805-815; Bouchard, J.-F., et al., Life Sci. 2003, 72, 1859-1870; Filippo, C. D., et al., J. Leukoc. Biol. 2004, 75, 453-459)。従って、CB2調節剤は、心血管疾患ならびに心筋梗塞進行の治療または予防において有用となり得る。
本発明の医薬組成物における有効成分の実際の用量レベルを変動させて、特定の患者、組成物および投与形態において所望の治療応答を得る上で有効な活性化合物量を得るようにすることができる。選択される用量レベルは、特定の化合物の活性、投与経路、治療対象の状態の重度、治療を受ける患者の状態および病歴によって決まる。しかしながら、所望の治療効果を得るのに必要なレベルより低いレベルで化合物の用量を開始し、所望の効果が得られるまで用量を徐々に増加させることは、当業界の技術の範囲内である。
本発明の化合物は、1以上の製薬上許容される担体と組み合わせて対象化合物を含む医薬組成物として投与することもできる。本発明の化合物の「治療上有効量」という表現は、あらゆる医学的処置に適用可能な妥当な利益/リスク比で、障害を治療する上で十分な量の化合物を意味する。しかしながら、本発明の化合物および組成物の総1日用量は、妥当な医学的判断の範囲内で担当医が決定することは明らかであろう。特定の患者における具体的な治療上有効な用量レベルは、治療対象の障害およびその障害の重度;使用する具体的な化合物の活性;使用する具体的な組成物;患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別および食事;使用される具体的化合物の投与時刻、投与経路および排泄速度;投与の期間;使用される具体的化合物との併用でもしくは同時に使用される薬剤;ならびに医学の分野で公知の同様の要素などの各種要素によって決まるものである。例えば、所望の治療効果を得るのに必要なレベルより低いレベルで化合物の用量を開始し、所望の効果が得られるまで用量を徐々に増加させることは、当業界の技術の範囲内である。
ヒトその他の動物に対して投与される本発明の化合物の総1日用量は、約0.1mg/kgから約100mg/kgの範囲である。より好ましい用量は、約0.3mg/kgから約30mg/kgの範囲とすることができる。所望に応じて、その有効1日用量を、投与に関して複数の用量に分割することができる。結果的に、単一用量組成物には、1日用量を構成する量またはその部分量を含有させることができる。
e.医薬組成物
本発明はさらに、本発明の化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物を提供する。その医薬組成物は、1以上の無毒性の製薬上許容される担体とともに製剤することができる本発明の化合物を含む。
本発明はさらに、本発明の化合物またはそれの製薬上許容される塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物を提供する。その医薬組成物は、1以上の無毒性の製薬上許容される担体とともに製剤することができる本発明の化合物を含む。
本発明の別の態様は、本発明の化合物もしくはそれの製薬上許容される塩および1以上の製薬上許容される担体を、単独または1以上の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)と組み合わせて含む医薬組成物である。
本発明の医薬組成物は、ヒトおよび他の哺乳動物に、経口投与、直腸投与、非経口投与、大槽内投与、膣投与、腹腔内投与、局所投与(例えば粉剤、軟膏もしくは滴剤による)、口腔内投与することができるか、経口もしくは鼻腔内噴霧剤として投与することができる。本明細書で使用される「非経口」という用語は、静脈、筋肉、腹腔内、皮下および関節内注射および注入を含む投与方式を指す。
本明細書で使用される「製薬上許容される担体」という用語は、あらゆる種類の無毒性で不活性の固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、カプセル形成材料または製剤助剤を意味する。製薬上許容される担体として使用可能な材料の例を一部挙げると、乳糖、グルコースおよびショ糖などの糖類しかし、これらに限定されない);デンプン、例えばトウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン(これらに限定されるものではない);カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロースおよびそれの誘導体(これらに限定されるものではない);トラガカントガム粉末;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオバターおよび坐剤ロウなどの賦形剤(これらに限定されるものではない);落花生油、綿実油、紅花油、ごま油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油などのオイル類(これらに限定されるものではない);プロピレングリコールなどのグリコール類;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル類(これらに限定されるものではない);寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤(これらに限定されるものではない);アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコールおよびリン酸緩衝溶液、ならびに製剤者の判断に従って、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの他の無毒性で適合性の潤滑剤(これらに限定されるものではない)、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および芳香剤、保存剤および酸化防止剤がある。
非経口注射用の本発明の医薬組成物には、製薬上許容される無菌の水系もしくは非水系溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、ならびに使用直前に無菌注射用溶液もしくは分散液で再生する無菌粉剤などがある。好適な水系および非水系の担体、希釈剤、溶媒または媒体の例には、水、エタノール、多価アルコール(グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、植物油(オリーブ油など)、注射用有機エステル(オレイン酸エチルなど)およびこれらの好適な混合物などがある。適切な流動性は、例えばレシチンなどのコーティング材の使用により、分散液の場合には必要粒径の維持により、そして界面活性剤の使用によって維持することができる。
これらの組成物は、保存剤、湿展剤、乳化剤および分散剤などの補助剤も含有し得る。微生物の活動防止は、各種の抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含有させることによって確保することができる。糖類、塩化ナトリウムなどの等張剤を含めることが望ましい場合もある。モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収を遅らせる薬剤を含有させることで、注射用医薬製剤の長期吸収をもたらすことができる。
場合によっては、薬物の作用を持続させるために、皮下または筋肉注射からの薬物の吸収を遅らせることが望ましい。これは、水溶性が低い結晶材料もしくは非晶質材料の懸濁液を用いることで行うことができる。この時、薬物の吸収速度は、それの溶解速度によって決まり、その溶解速度は結晶の大きさおよび結晶形態によって決まり得る。あるいは、オイル媒体に薬物を溶解または懸濁させることによって、非経口製剤の遅延吸収が行われる。
注射用デポー製剤は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生体分解性ポリマー中の薬物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって製造される。ポリマーに対する薬物の比率および利用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度を制御することができる。他の生体分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)類およびポリ(無水物)などがある。デポー注射製剤は、身体組織と適合性であるリポソームまたはマイクロエマルジョンに薬物を閉じ込めることによっても調製される。
注射用製剤は、細菌保持フィルターによる濾過によって、または使用直前に無菌水その他の無菌注射用媒体に溶解もしくは分散させることができる無菌固体組成物の形態で滅菌剤を配合することによって滅菌することができる。
経口投与用の固体製剤には、カプセル、錠剤、丸薬、粉剤および粒剤などがある。こうした固体製剤では、活性化合物を、少なくとも1種類の不活性な製薬上許容される担体もしくは賦形剤、例えばクエン酸ナトリウムもしくはリン酸二ナトリウムおよび/またはa)デンプン、乳糖、ショ糖、グルコース、マンニトールおよびケイ酸などの充填剤もしくは増量剤;b)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖およびアカシアなどの結合剤;c)グリセリンなどの保湿剤;d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;e)パラフィンなどの溶解遅延剤;f)4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;g)セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセリンなどの湿展剤;h)カオリンおよびベントナイトクレーなどの吸収剤;およびi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール類、ラウリル硫酸ナトリウムなどの潤滑剤、ならびにこれらの混合物と混合することができる。カプセル、錠剤および丸薬の場合には、製剤は緩衝剤の含むこともできる。
ラクトースまたは乳糖のような担体ならびに高分子量ポリエチレングリコール類などを使用する軟および硬充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として、同様の種類の固体組成物を利用することもできる。
コーティング剤およびシェル剤、例えば腸溶コーティング剤および医薬製剤の分野において公知である他のコーティング剤を用いて、錠剤、糖衣錠、カプセル、丸薬および粒剤の固体製剤を製造することができる。これらは、場合により不透明化剤を含有してもよく、場合によっては遅延的に腸管のある部分のみで、またはその部分で優先的に有効成分を放出するような組成のものであってもよい。使用することができる包埋組成物の例には、高分子物質およびロウ類などがある。
活性化合物は、適切な場合には上述の担体のうちの1種類以上とともにマイクロカプセル化形態としたものであることもできる。
経口投与用の液体製剤には、製薬上許容される乳濁剤、液剤、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤などがある。活性化合物に加えて、液体製剤は、例えば水その他の溶媒、可溶化剤および乳化剤などの当業界で一般に使用される不活性希釈剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、オイル類(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセリン、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール類およびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物を含有してもよい。
不活性希釈剤に加えて、前記経口組成物は、湿展剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤および芳香剤などの補助剤も含有し得る。
懸濁液は、活性化合物に加えて、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル類、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、トラガカントおよびこれらの混合物のような懸濁剤を含有することができる。
好ましくは、直腸投与または膣投与用の組成物は、室温では固体であるが体温では液体であることから、直腸もしくは膣腔内で融解して活性化合物を放出するカカオ脂、ポリエチレングリコールもしくは坐剤ワックスなどの好適な非刺激性担体と本発明の化合物を混合することによって調製することができる坐剤である。
本発明の化合物は、リポソームの形態で投与することもできる。当業界で公知のように、リポソームは、リン脂質その他の液体物質から誘導される。リポソームは、水系媒体に分散されている単ラメラまたは多ラメラ水和液晶によって形成される。リポソームを形成することができる無毒性で生理的に許容される代謝可能な脂質であればいかなるものも使用可能である。リポソーム形態の本発明の組成物は、本発明の化合物に加えて、安定剤、保存剤、賦形剤などを含有することができる。好ましい液体は、別個にまたは一緒に使用される天然および合成のリン脂質およびホスファチジルコリン類(レシチン類)である。
リポソームを形成するための方法は当業界で公知である(例えば、Prescott, Ed., Methods in Cell Biology, Volume XIV, Academic Press, New York, N. Y. (1976), p. 33 et seq.参照)。
本発明の化合物の局所投与用の製剤には、粉剤、噴霧剤、軟膏および吸入剤などがある。活性化合物を、滅菌条件下で製薬上許容される担体および要求され得る必要な保存剤、緩衝液もしくは推進剤と混合することができる。眼科用製剤、眼軟膏、粉剤および液剤も本発明の範囲に包含されることが想到される。
本発明の化合物は、無機酸もしくは有機酸から誘導される製薬上許容される塩の形態で用いることができる。「製薬上許容される塩」という表現は、妥当な医学的判断の範囲内で、不適当な毒性、刺激、アレルギー応答などを生じることなく、ヒトおよび下等動物の組織と接触して使用するのに好適であり、妥当な利益/リスク比を有する塩を指す。
製薬上許容される塩は当業界では公知である。例えば、バージら(S. M. Berge et al.)は、報告(J. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66: 1 et seq.)で製薬上許容される塩について記載している。その塩は、本発明の化合物の最終単離および精製時にイン・サイツで、あるいは遊離塩基官能基を好適な有機酸と別個に反応させることで製造することができる。代表的な酸付加塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イソチオン酸塩)、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩(palmitoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびウンデカン酸塩などがあるが、これらに限定されるものではない。さらに、塩基性窒素含有基を、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、プロピルおよびブチルなど(これらに限定されるものではない)のハロゲン化低級アルキル;硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミルなどの硫酸ジアルキル;塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルなど(これらに限定されるものではない)の長鎖ハロゲン化物;臭化ベンジルおよび臭化フェネチルなどのハロゲン化アリールアルキルその他の薬剤を用いて4級化することができる。そうすることで、水溶性または油溶性あるいは水分散性または油分散性の製剤が得られる。製薬上許容される酸付加塩を形成するのに用いることができる酸の例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸などの無機酸、ならびに酢酸、フマル酸、マレイン酸、4−ベンゼンスルホン酸、コハク酸およびクエン酸などの有機酸などがある。
カルボン酸含有部分を、製薬上許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩もしくは重炭酸塩などの好適な塩基と、あるいはアンモニアまたは有機1級、2級もしくは3級アミンと反応させることで、本発明の化合物の最終単離および精製時にイン・サイツで塩基付加塩を製造することができる。製薬上許容される塩には、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびアルミニウム塩など(これらに限定されるものではない)のアルカリ金属またはアルカリ土類金属系の陽イオンならびにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミンなどの無毒性の4級アンモニアおよびアミン陽イオンなどがあるが、これらに限定されるものではない。塩基付加塩形成に有用な他の代表的な有機アミンには、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジンおよびピペラジンなどがある。
本明細書で用いられる「製薬上許容されるプロドラッグ」または「プロドラッグ」という用語は、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答などを起こすことなく、ヒトおよびそれより下等な動物の組織と接触する使用に好適であり、妥当な利益/リスク比を有し、所期の用途に有効である本発明の化合物のプロドラッグを表す。
本発明では、合成手段によって形成されるか、プロドラッグのイン・ビボ生体内変換によって形成される本発明の化合物が想到される。
本発明の化合物は、非溶媒和型、ならびに半水和物などの水和型などの溶媒和型で存在することができる。一般に、特に水およびエタノールなどの製薬上許容される溶媒との溶媒和型は、本発明に関しては非溶媒和型と等価である。
f.一般合成
本発明は、合成プロセスまたは代謝プロセスによって製造した場合の本発明の化合物を包含するものである。代謝プロセスによる化合物の製造には、ヒトまたは動物身体で起こるもの(イン・ビボ)またはイン・ビトロで起こるプロセスなどがある。
本発明は、合成プロセスまたは代謝プロセスによって製造した場合の本発明の化合物を包含するものである。代謝プロセスによる化合物の製造には、ヒトまたは動物身体で起こるもの(イン・ビボ)またはイン・ビトロで起こるプロセスなどがある。
本発明の化合物は、この種類の化合物の製造に関して公知の各種方法によって製造することができる。例えば、別段の断りがない限り、基R1、R2、R3およびR4が(要旨)に記載の意味を有する本発明の化合物は、図式1から7に示した方法に従って合成することができる。
下記の図式および実施例の記載で使用した略称は、DMAP:4−(ジメチルアミノ)ピリジン、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、DMSO:ジメチルスルホキシド、EDCI:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、EtOAc:酢酸エチル、CHCl3:クロロホルム、CH2Cl2:ジクロロメタン、CH3CN:アセトニトリル、HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物、MeOH:メタノール、THF:テトラヒドロフラン、BOC:tert−ブトキシカルボニル、およびDMSO:ジメチルスルホキシドである。
一般式(I)の化合物は、図式1に示した一般手順を用いて製造することができる。
約50℃から約150℃で加熱しながら、適宜にN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサンまたはテトラヒドロフランなどの溶媒存在下に、式(1)のチアゾールを、式R2X101の化合物(X101はハライド、メシレートまたはトシレートなど(これらに限定されるものではない)の良好な脱離基である)で処理すると、式(2)の化合物が得られる。場合によっては、3級アミン(例えば、トリエチルアミン)または炭酸カリウムもしくは水素化ナトリウムなどの無機塩基などの塩基の存在が有用であることができる。テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルまたはジクロロメタンなど(これらに限定されるものではない)の溶媒中、トリエチルアミンまたは4−ジメチルアミノピリジンなど(これらに限定されるものではない)の塩基の存在下に、式R1COX102の酸ハロゲン化物(X102はクロリドまたはブロマイドである)で処理すると、式(2)の化合物を一般式(I)の化合物に変換することができる。あるいは、標準的なアミド結合形成条件を用いて、(2)を式R1COOHのカルボン酸とカップリングさせることができる。
あるいは、一般式(I)の化合物は、図式2に示した一般手順を用いて製造することもできる。
式(1)のチアゾールを、図式1での(2)から(1)への変換についての反応条件を用いて式R1COOHの酸または式R1COX102の酸ハライドで処理して、式(3)の化合物を得ることができる。図式1における(1)から(2)への変換についての反応条件を用いて、式(3)の化合物を式R2X101の化合物で処理することで、一般式(I)の化合物に変換することができる。
R3およびR4が単環式環を形成している式(1)のチアゾールは、図式3に示した方法に従って製造することができる。
Aが一般式(I)で定義の単環式環である式(6)のチアゾールは、(a)式(4)の適切なケトンをシクロヘキサン中にてピロリジンで処理し、(b)メタノールおよびエタノールなど(これらに限定されるものではない)の溶媒中、約0℃から約50℃の温度で、段階(a)から得られた式(5)のエナミンを硫黄およびシアナミドで処理することで製造することができる。段階(a)は、硫酸マグネシウムまたはモレキュラーシーブスなどの脱水剤の存在下に、あるいは触媒量のp−トルエンスルホン酸の存在下に加熱しながらディーン−スタークトラップを用いて行う。
X3がClまたはBrである式(7)の適切なハロケトンをチオ尿素で処理すると、式(6)のチアゾールが得られる。その反応は、トリエチルアミンなど(それに限定されるものではない)の塩基の存在下に、エタノールなど(これに限定されるものではない)の溶媒中、約25℃から約100℃の温度で行う。
Jがアルキレンまたは置換アルキレンである式(10)のチアゾールは、図式4に示した2段階法を用いて製造することができる。Pがテトラヒドロピラニル、t−ブチルジメチルシリル、トリイソプロピルシリルまたはメトキシメチルなど(これらに限定されるものではない)の酸素保護基である式(8)のチアゾールを、(a)テトラヒドロフランまたはジエチルエーテルなどの溶媒中、過剰の(少なくとも2当量)リチウムジイソプロピルアミドと反応させ;(b)段階(a)から得られた中間体を、式R101C(O)R102の適切なアルデヒドまたはケトン(R101およびR102は同一でも異なっていても良く、独立に水素、アルキルまたはハロアルキルであり、あるいはR101とR102が置換されていても良い単環式シクロアルキル環を形成していても良い)で処理することで、式(9)の化合物に変換することができる。ほぼ室温から約100℃の温度で、(9)を塩酸など(これに限定されるものではない)の酸で処理することで、窒素および酸素保護基を脱離させ、生成した中間体を環化させることで、式(10)のチアゾールを得る。別法として、最初に酸素保護基を脱離させ、次に酸素を相当するハライドまたはメシレートとして活性化してから環化を行う段階的反応によって、(9)を(10)に変換することができる。さらに別の方法は、当業者には公知であるミツノブ条件を用いるか、ジシクロヘキシルカルボジイミド条件での環化の実施であると考えられる。
式(13)のチアゾール中間体は、図式5に示した2段階法を用いて製造することができる。Pがアルキル、ベンジルまたはアリルである式(11)のチアゾールを、テトラヒドロフランまたはジエチルエーテルなどの溶媒中にて過剰の(少なくとも2当量)リチウムジイソプロピルアミドと反応させ、次に式R101C(O)R102(R101およびR102は上記で定義の通りである)の適切なアルデヒドまたはケトンと反応させることで、式(12)の中間体を得ることができる。この中間体を、ほぼ室温で塩酸またはトリフルオロ酢酸など(これらに限定されるものではない)の酸で脱保護することで、式(13)のチアゾールが得られる。
R3およびR4がそれらが結合している炭素原子とともにオキソで置換されているテトラヒドロピラニル環を形成しており、式(I)に記載の1以上の別の置換基を含んでいても良い式(2)の中間体は、図式6に示した方法に従って製造することができる。
R103がアルキル、ハロゲン、−OH、−O(アルキル)またはハロアルキルから選択され、tが0、1、2、3、4または5である式(14)の5−ヒドロキシ−2H−ピラン−3(6H)−オンまたはナトリウム塩などの相当する塩を、DMSO/塩酸の存在下に、ほぼ室温から約120℃の範囲の温度で、式(15)のチオ尿素で処理することで、式(16)の化合物を得ることができる。その反応は、ジオキサンもしくはテトラヒドロフランまたはそれらの混合物など(これらに限定されるものではない)の溶媒中で行うことができる。
(16)の(17)への変換は、図式1に記載の反応条件を用いて行うことができる。
R3およびR4が、それらが結合している炭素原子とともにテトラヒドロピラニル環を形成している一般式(I)の化合物は、図式7に記載の一般法を用いて製造することができる。
R103およびtが図式6に開示の通りである式(17)の化合物を、四塩化チタンおよびジアルキル亜鉛で処理して、式(18)の化合物を得ることができる。
その変換は、溶媒中、例えばジクロロメタン中にて、約0℃から約50℃の範囲の温度で行うことができる。
式(17)の化合物を、ほぼ室温から約120℃の温度にてトリエチルシランおよびトリフルオロ酢酸で処理すると、式(19)の化合物が得られる。
合成図式および実施例の部で示されている具体的な実施例は例示的なものであり、添付の特許請求の範囲で定義されている本発明の範囲を限定するものと読むものではないことは明らかであろう。合成方法の別形態、変形形態および均等物ならびに具体的な実施例はいずれも、特許請求の範囲に含まれるものである。
各個々の段階についての至適な反応条件および反応時間は、用いられる特定の反応ならびに使用される反応物中に存在する置換基に応じて変わり得る。別段の断りがない限り、溶媒、温度および他の反応条件は、当業者であれば容易に選択することができる。具体的な手順を実施例の部に提供している。反応は、従来の方法で後処理することができ、例えば残留物から溶媒を除去し、結晶化、蒸留、抽出、磨砕およびクロマトグラフィーなど(これらに限定されるものではない)の当業界で公知の方法に従ってさらに精製することで行うことができる。別段の記載がない限り、原料および試薬は市販されているか、化学文献に記載の方法を用いて市販の材料から当業者が製造することができる。
反応条件、試薬および合成手順の適切な操作、反応条件に適合できない化学官能基の保護とその方法の反応手順中の好適な時点での脱保護などの通常の実験法は、本発明の範囲に含まれるものである。好適な保護基ならびにそのような好適な保護基を用いる各種置換基の保護および脱保護の方法は当業者には公知である。それの例は、グリーンらの著作(T. Greene and P. Wuts, Protecting Groups in Chemical Synthesis (3rd ed), John Wiley & Sons, NY (1999))(参照によってその全体が本明細書に組み込まれるものとする)に記載されている。本発明の化合物の合成は、上記で記載の合成図式および具体的実施例に記載の方法と同様の方法によって行うことができる。
原料が市販されていない場合は、標準的な有機化学的技術、既知で構造的に類似した化合物の合成に類似した技術、または上記の図式または合成例の部に記載の手順に類似の技術から選択される手順によって製造することができる。
光学活性型の本発明の化合物が必要とされる場合には、光学活性原料(例えば、好適な反応段階の不斉誘導によって製造される)を用いて本明細書に記載の手順のいずれかを行うことで、あるいは標準的な手順(クロマトグラフィー分離、再結晶または酵素分割など)を用いる化合物または中間体の立体異性体の混合物の分割によってそれを得ることができる。
同様に、本発明の化合物の純粋な幾何異性体が必要とされる場合、原料として純粋な幾何異性体を用いて上記のいずれかの手順を行うことで、あるいはクロマトグラフィー分離などの標準的な手順を用いて化合物および中間体の幾何異性体の混合物を分割することでそれを得ることができる。
g.実施例
下記の実施例を参照することで、本願の化合物および方法についての理解が深まるが、これら実施例は本願を説明するものであって、本願の範囲に限定を加えるものではない。本願の化合物は、ACD/ChemSketchバージョン5.01(Advanced Chemistry Development, Inc., Toronto, ON, Canadaが開発)によって命名したか、ACD命名法と一致する名称を与えた。
下記の実施例を参照することで、本願の化合物および方法についての理解が深まるが、これら実施例は本願を説明するものであって、本願の範囲に限定を加えるものではない。本願の化合物は、ACD/ChemSketchバージョン5.01(Advanced Chemistry Development, Inc., Toronto, ON, Canadaが開発)によって命名したか、ACD命名法と一致する名称を与えた。
(実施例1)
N−[(2Z)−3−ブチル−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
N−[(2Z)−3−ブチル−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例1A
4−ブロモ−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3(2H)−オン
2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3(2H)−オン(アルドリッチ(Aldrich))(10.0g、0.07mol)のジクロロメタン(100mL)中溶液に、臭素(3.6mL、0.07mol)を室温で滴下した。反応混合物を2時間撹拌したところ、その間に褐色反応混合物が透明溶液となった。NaHCO3粉末を少量ずつ加えることで反応混合物を反応停止し、濾過し、濃縮して、標題化合物を粘稠油状物として得た(14.1g、90%)。
4−ブロモ−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3(2H)−オン
2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3(2H)−オン(アルドリッチ(Aldrich))(10.0g、0.07mol)のジクロロメタン(100mL)中溶液に、臭素(3.6mL、0.07mol)を室温で滴下した。反応混合物を2時間撹拌したところ、その間に褐色反応混合物が透明溶液となった。NaHCO3粉末を少量ずつ加えることで反応混合物を反応停止し、濾過し、濃縮して、標題化合物を粘稠油状物として得た(14.1g、90%)。
実施例1B
4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2−アミン
実施例1A(10.0g、0.045mol)のエタノール(100mL)中溶液に、チオ尿素(3.8g、0.05mol)およびトリエチルアミン(6.3mL、0.045mol)を加えた。反応混合物を終夜還流させ、冷却し、減圧下に濃縮した。残留物を水(25mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(50mLで3回)。合わせた有機抽出液を脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(SiO2、0%から5%メタノール/ジクロロメタン)によって精製して、標題化合物1.3g(15%)を得た。MS(ESI+)m/z199(M+H)+。
4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2−アミン
実施例1A(10.0g、0.045mol)のエタノール(100mL)中溶液に、チオ尿素(3.8g、0.05mol)およびトリエチルアミン(6.3mL、0.045mol)を加えた。反応混合物を終夜還流させ、冷却し、減圧下に濃縮した。残留物を水(25mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(50mLで3回)。合わせた有機抽出液を脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(SiO2、0%から5%メタノール/ジクロロメタン)によって精製して、標題化合物1.3g(15%)を得た。MS(ESI+)m/z199(M+H)+。
実施例1C
3−ブチル−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イミン
実施例1B(1.0g、5mmol)に、1−ブロモブタン(アルドリッチ)(3.0g、22mmol)を加え、120℃で終夜加熱した。反応混合物を冷却し、水(20mL)に溶かし、酢酸エチルで洗浄した(25mLで2回)。水層をNaHCO3で塩基性とし、酢酸エチルで抽出した(50mLで3回)。有機抽出液を合わせ、脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮して、標題化合物0.51g(40%)を粘稠油状物として得た。MS(ESI+)m/z255(M+H)+。
3−ブチル−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イミン
実施例1B(1.0g、5mmol)に、1−ブロモブタン(アルドリッチ)(3.0g、22mmol)を加え、120℃で終夜加熱した。反応混合物を冷却し、水(20mL)に溶かし、酢酸エチルで洗浄した(25mLで2回)。水層をNaHCO3で塩基性とし、酢酸エチルで抽出した(50mLで3回)。有機抽出液を合わせ、脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮して、標題化合物0.51g(40%)を粘稠油状物として得た。MS(ESI+)m/z255(M+H)+。
実施例1D
5−クロロ−2−メトキシベンゾイルクロリド
トルエン(20mL)中の5−クロロ−2−メトキシ安息香酸(11.3g、60.56mmol)およびSOCl2(9mL、123.7mmol)をゆっくり加熱したところ、その間に激しいガス発生が生じた。ガス発生が停止した後、反応液を1.5時間加熱還流し、冷却し、室温で終夜撹拌した。揮発分を減圧下に留去し、残った取得物をトルエンで処理し、留去を行って(2回)、過剰のSOCl2を除去した。得られた白色固体を、それ以上精製せずに次の段階に直接用いた。1H NMR(300MHz、CDCl3)δ3.92(s、3H)、6.95(d、1H)、7.53(dd、1H)、8.03(d、1H)。
5−クロロ−2−メトキシベンゾイルクロリド
トルエン(20mL)中の5−クロロ−2−メトキシ安息香酸(11.3g、60.56mmol)およびSOCl2(9mL、123.7mmol)をゆっくり加熱したところ、その間に激しいガス発生が生じた。ガス発生が停止した後、反応液を1.5時間加熱還流し、冷却し、室温で終夜撹拌した。揮発分を減圧下に留去し、残った取得物をトルエンで処理し、留去を行って(2回)、過剰のSOCl2を除去した。得られた白色固体を、それ以上精製せずに次の段階に直接用いた。1H NMR(300MHz、CDCl3)δ3.92(s、3H)、6.95(d、1H)、7.53(dd、1H)、8.03(d、1H)。
実施例1E
N−[(2Z)−3−ブチル−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例1C(0.5g、2.0mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)中溶液に、トリエチルアミン(0.5mL)、4−ジメチルアミノピリジン(25.0mg)および実施例1D(0.45g、2.2mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、酢酸エチル(20mL)で希釈し、1M NaHCO3(20mL)で洗浄し、層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出した(20mLで2回)。合わせた有機抽出液を脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物を、アナロギクス(Analogix;登録商標)インテリフラッシュ(Intelliflash)280(商標名)(アナロギクス(登録商標)IT280(商標名))(SiO2、0%から100%酢酸エチル/ヘキサン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物86mg(10%)を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.95(t、J=7.46Hz、3H)1.36−1.46(m、2H)1.48(s、6H)1.56(s、6H)1.73−1.86(m、2H)3.80(s、3H)4.04(t、J=6.95Hz、2H)7.13(d、J=8.82Hz、1H)7.48(dd、J=8.82、2.71Hz、1H)7.73(d、J=3.05Hz、1H);MS(ESI+)m/z423(M+H)+。C21H27ClN2O3Sの元素分析計算値:C、59.63;H、6.43;N、6.62。実測値:C、59.77;H、6.44;N、6.67。
N−[(2Z)−3−ブチル−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例1C(0.5g、2.0mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)中溶液に、トリエチルアミン(0.5mL)、4−ジメチルアミノピリジン(25.0mg)および実施例1D(0.45g、2.2mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、酢酸エチル(20mL)で希釈し、1M NaHCO3(20mL)で洗浄し、層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出した(20mLで2回)。合わせた有機抽出液を脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物を、アナロギクス(Analogix;登録商標)インテリフラッシュ(Intelliflash)280(商標名)(アナロギクス(登録商標)IT280(商標名))(SiO2、0%から100%酢酸エチル/ヘキサン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物86mg(10%)を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.95(t、J=7.46Hz、3H)1.36−1.46(m、2H)1.48(s、6H)1.56(s、6H)1.73−1.86(m、2H)3.80(s、3H)4.04(t、J=6.95Hz、2H)7.13(d、J=8.82Hz、1H)7.48(dd、J=8.82、2.71Hz、1H)7.73(d、J=3.05Hz、1H);MS(ESI+)m/z423(M+H)+。C21H27ClN2O3Sの元素分析計算値:C、59.63;H、6.43;N、6.62。実測値:C、59.77;H、6.44;N、6.67。
(実施例2)
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(2,4−ジフルオロベンジル)−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(2,4−ジフルオロベンジル)−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例2A
5−クロロ−2−メトキシ−N−(4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2−イル)ベンズアミド
実施例1B、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンおよび実施例1Dを、実施例1Eに記載の方法に従って処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z367(M+H)+。
5−クロロ−2−メトキシ−N−(4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2−イル)ベンズアミド
実施例1B、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンおよび実施例1Dを、実施例1Eに記載の方法に従って処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z367(M+H)+。
実施例2B
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(2,4−ジフルオロベンジル)−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例2A(0.3g、0.8mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン(1:4、10mL)中溶液に、カリウムt−ブトキシド(0.11g、1.0mmol)および1−(ブロモメチル)−2,4−ジフルオロベンゼン(アルドリッチ)(0.21g、1.0mmol)を加えた。反応液を80℃で終夜撹拌し、酢酸エチル(10mL)で希釈した。混合物を1M NaHCO3で洗浄し、この水層を酢酸エチルで抽出した(20mLで2回)。合わせた有機抽出液を脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)IT280(商標名)(SiO2、0%から100%酢酸エチル/ヘキサン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物20mg(5%)を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm1.47(s、6H)1.52(s、6H)3.72(s、3H)5.35(s、2H)7.07(d、3H)7.32(d、1H)7.37(d、J=2.71Hz、1H)7.40−7.50(m、J=8.81Hz、1H);MS(ESI+)m/z493(M+H)+。
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(2,4−ジフルオロベンジル)−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例2A(0.3g、0.8mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン(1:4、10mL)中溶液に、カリウムt−ブトキシド(0.11g、1.0mmol)および1−(ブロモメチル)−2,4−ジフルオロベンゼン(アルドリッチ)(0.21g、1.0mmol)を加えた。反応液を80℃で終夜撹拌し、酢酸エチル(10mL)で希釈した。混合物を1M NaHCO3で洗浄し、この水層を酢酸エチルで抽出した(20mLで2回)。合わせた有機抽出液を脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)IT280(商標名)(SiO2、0%から100%酢酸エチル/ヘキサン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物20mg(5%)を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm1.47(s、6H)1.52(s、6H)3.72(s、3H)5.35(s、2H)7.07(d、3H)7.32(d、1H)7.37(d、J=2.71Hz、1H)7.40−7.50(m、J=8.81Hz、1H);MS(ESI+)m/z493(M+H)+。
(実施例3)
N−[(2Z)−1−ブチル−4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
N−[(2Z)−1−ブチル−4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例3A
{2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}酢酸エチル
JP06345736に記載の手順を用い、2−(2−アミノチアゾール−4−イル)酢酸エチル(アルドリッチから購入)から標題化合物を得た。粗生成物を、精製せずに次の段階で用いた。MS(ESI+)m/z287(M+H)+。
{2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}酢酸エチル
JP06345736に記載の手順を用い、2−(2−アミノチアゾール−4−イル)酢酸エチル(アルドリッチから購入)から標題化合物を得た。粗生成物を、精製せずに次の段階で用いた。MS(ESI+)m/z287(M+H)+。
実施例3B
tert−ブチル4−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イルカーバメート
粗実施例3Aのテトラヒドロフラン(100mL)中溶液を冷却し、それに水素化ホウ素リチウム(100mL、2Mのテトラヒドロフラン中溶液)を0℃で加えた。反応混合物を終夜還流させ、氷浴で冷却し、水で反応停止し、酢酸エチルで抽出した(100mLで3回)。合わせた有機抽出液を脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)IT280(商標名)(SiO2、0%から5%メタノール/ジクロロメタン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物6.3g(26%)を得た。MS(ESI+)m/z245(M+H)+。
tert−ブチル4−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イルカーバメート
粗実施例3Aのテトラヒドロフラン(100mL)中溶液を冷却し、それに水素化ホウ素リチウム(100mL、2Mのテトラヒドロフラン中溶液)を0℃で加えた。反応混合物を終夜還流させ、氷浴で冷却し、水で反応停止し、酢酸エチルで抽出した(100mLで3回)。合わせた有機抽出液を脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)IT280(商標名)(SiO2、0%から5%メタノール/ジクロロメタン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物6.3g(26%)を得た。MS(ESI+)m/z245(M+H)+。
実施例3C
tert−ブチル4−[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)エチル]−1,3−チアゾール−2−イルカーバメート
実施例3B(6.3g、27.4mmol)のジクロロメタン(100mL)中溶液に、市販の3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(アルドリッチから購入)(21g、250mmol)およびピリジニウム−p−トルエンスルホン酸(アルドリッチから購入)(3.5g、14.0mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、ジクロロメタンで希釈し、水で洗浄し、脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)IT280(商標名)(SiO2、0%から100%酢酸エチル/ヘキサン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物7.4g(82%)を得た。MS(ESI+)m/z329(M+H)+。
tert−ブチル4−[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)エチル]−1,3−チアゾール−2−イルカーバメート
実施例3B(6.3g、27.4mmol)のジクロロメタン(100mL)中溶液に、市販の3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(アルドリッチから購入)(21g、250mmol)およびピリジニウム−p−トルエンスルホン酸(アルドリッチから購入)(3.5g、14.0mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、ジクロロメタンで希釈し、水で洗浄し、脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)IT280(商標名)(SiO2、0%から100%酢酸エチル/ヘキサン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物7.4g(82%)を得た。MS(ESI+)m/z329(M+H)+。
実施例3D
tert−ブチル5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−4−[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)エチル]−1,3−チアゾール−2−イルカーバメート
ジイソプロピルアミン(9.5mL、67.2mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)中溶液に、ブチルリチウム(42mL、1.6Mのヘキサン中溶液、67.2mmol)を−78℃で滴下し、30分間撹拌した。そうして得られたリチウムジイソプロピルアミド溶液を、カニューレにより直ちに、実施例3C(7.36g、22.4mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)中溶液に−78℃で加え、同じ温度で30分間撹拌した。次に、脱水アセトン(8.2mL、112mmol、アクロス(Acros))をゆっくり加え、反応混合物を低温浴から外し、撹拌を終夜続けながら室温まで昇温させた。反応混合物を飽和NH4Cl水溶液(100mL)で反応停止し、水層を酢酸エチルで抽出した(100mLで3回)。合わせた有機抽出液を脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)IT280(商標名)(SiO2、0%から100%酢酸エチル/ヘキサン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物4.6g(53%)を得た。MS(ESI+)m/z387(M+H)+。
tert−ブチル5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−4−[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)エチル]−1,3−チアゾール−2−イルカーバメート
ジイソプロピルアミン(9.5mL、67.2mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)中溶液に、ブチルリチウム(42mL、1.6Mのヘキサン中溶液、67.2mmol)を−78℃で滴下し、30分間撹拌した。そうして得られたリチウムジイソプロピルアミド溶液を、カニューレにより直ちに、実施例3C(7.36g、22.4mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)中溶液に−78℃で加え、同じ温度で30分間撹拌した。次に、脱水アセトン(8.2mL、112mmol、アクロス(Acros))をゆっくり加え、反応混合物を低温浴から外し、撹拌を終夜続けながら室温まで昇温させた。反応混合物を飽和NH4Cl水溶液(100mL)で反応停止し、水層を酢酸エチルで抽出した(100mLで3回)。合わせた有機抽出液を脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)IT280(商標名)(SiO2、0%から100%酢酸エチル/ヘキサン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物4.6g(53%)を得た。MS(ESI+)m/z387(M+H)+。
実施例3E
4,4−ジメチル−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−アミン
実施例3D(4.6g、11mmol)のテトラヒドロフラン中溶液に、濃HCl(6.9mL)を加えた。反応混合物を終夜還流させ、冷却して室温とした。混合物を5N NaOH(17mL)で塩基性とし、酢酸エチルで抽出した(50mLで3回)。合わせた有機抽出液を脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)IT280(商標名)(SiO2、0%から10%メタノール/ジクロロメタン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物1.04g(51%)を得た。MS(ESI+)m/z185(M+H)+。
4,4−ジメチル−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−アミン
実施例3D(4.6g、11mmol)のテトラヒドロフラン中溶液に、濃HCl(6.9mL)を加えた。反応混合物を終夜還流させ、冷却して室温とした。混合物を5N NaOH(17mL)で塩基性とし、酢酸エチルで抽出した(50mLで3回)。合わせた有機抽出液を脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)IT280(商標名)(SiO2、0%から10%メタノール/ジクロロメタン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物1.04g(51%)を得た。MS(ESI+)m/z185(M+H)+。
実施例3F
5−クロロ−N−(4,4−ジメチル−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イル)−2−メトキシベンズアミド
実施例3E、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンおよび実施例1Dを、実施例1Eに記載の方法に従って処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z353(M+H)+。
5−クロロ−N−(4,4−ジメチル−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イル)−2−メトキシベンズアミド
実施例3E、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンおよび実施例1Dを、実施例1Eに記載の方法に従って処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z353(M+H)+。
実施例3G
N−[(2Z)−1−ブチル−4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例3F、1−ブロモブタン(アルドリッチから購入)およびカリウムt−ブトキシドを、実施例2Bについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.93(t、J=7.46Hz、3H)1.28−1.38(m、2H)1.45(s、6H)1.63−1.78(m、2H)2.69(t、J=5.42Hz、2H)3.79(s、3H)3.97(t、J=5.42Hz、2H)4.07−4.17(m、2H)7.11(d、J=8.81Hz、1H)7.46(dd、J=8.81、2.71Hz、1H)7.69(d、J=2.71Hz、1H);MS(ESI+)m/z409(M+H)+。C20H25ClN2O3Sの元素分析計算値:C、58.74;H、6.16;N、6.85。実測値:C、58.53;H、6.30;N、6.83。
N−[(2Z)−1−ブチル−4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例3F、1−ブロモブタン(アルドリッチから購入)およびカリウムt−ブトキシドを、実施例2Bについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.93(t、J=7.46Hz、3H)1.28−1.38(m、2H)1.45(s、6H)1.63−1.78(m、2H)2.69(t、J=5.42Hz、2H)3.79(s、3H)3.97(t、J=5.42Hz、2H)4.07−4.17(m、2H)7.11(d、J=8.81Hz、1H)7.46(dd、J=8.81、2.71Hz、1H)7.69(d、J=2.71Hz、1H);MS(ESI+)m/z409(M+H)+。C20H25ClN2O3Sの元素分析計算値:C、58.74;H、6.16;N、6.85。実測値:C、58.53;H、6.30;N、6.83。
(実施例4)
5−クロロ−N−[(2Z)−1−(シクロブチルメチル)−4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例3F、(ブロモメチル)シクロブタン(アルドリッチから購入)およびカリウムt−ブトキシドを、実施例2Bに記載の手順に従って処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm1.45(s、6H)1.75−1.92(m、4H)1.92−2.05(m、2H)2.68(t、J=5.43Hz、2H)2.74−2.88(m、1H)3.79(s、3H)3.97(t、J=5.26Hz、2H)4.20(d、J=7.12Hz、2H)7.12(d、J=8.82Hz、1H)7.46(dd、J=8.99、2.88Hz、1H)7.68(d、J=3.05Hz、1H);MS(ESI+)m/z421(M+H)+。C21H25ClN2O3Sの元素分析計算値:C、59.92;H、5.99;N、6.65。実測値:C、59.68;H、6.06;N、6.56。
5−クロロ−N−[(2Z)−1−(シクロブチルメチル)−4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例3F、(ブロモメチル)シクロブタン(アルドリッチから購入)およびカリウムt−ブトキシドを、実施例2Bに記載の手順に従って処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm1.45(s、6H)1.75−1.92(m、4H)1.92−2.05(m、2H)2.68(t、J=5.43Hz、2H)2.74−2.88(m、1H)3.79(s、3H)3.97(t、J=5.26Hz、2H)4.20(d、J=7.12Hz、2H)7.12(d、J=8.82Hz、1H)7.46(dd、J=8.99、2.88Hz、1H)7.68(d、J=3.05Hz、1H);MS(ESI+)m/z421(M+H)+。C21H25ClN2O3Sの元素分析計算値:C、59.92;H、5.99;N、6.65。実測値:C、59.68;H、6.06;N、6.56。
(実施例5)
N−[(2Z)−3−ブチル−6,6−ジメチル−4−オキソ−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
N−[(2Z)−3−ブチル−6,6−ジメチル−4−オキソ−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例5A
tert−ブチル6,6−ジメチル−4−オキソ−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2−イルカーバメート
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)チアゾール−4−カルボン酸メチル(コンビ−ブロックス(Combi-Blocks)から購入)、ジイソプロピルアミン、ブチルリチウムおよび脱水アセトン(アクロス(Acros)から購入)を、実施例3Dに記載の手順に従って処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z285(M+H)+。
tert−ブチル6,6−ジメチル−4−オキソ−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2−イルカーバメート
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)チアゾール−4−カルボン酸メチル(コンビ−ブロックス(Combi-Blocks)から購入)、ジイソプロピルアミン、ブチルリチウムおよび脱水アセトン(アクロス(Acros)から購入)を、実施例3Dに記載の手順に従って処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z285(M+H)+。
実施例5B
2−アミノ−6,6−ジメチルフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−4(6H)−オン
実施例5A(7.4g、26.0mmol)のジクロロメタン(20mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(20.0mL、260mmol)を0℃でゆっくり加えた。反応混合物を氷浴から外し、放置して室温とし、3時間撹拌した。反応混合物を濃縮乾固し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和NaHCO3溶液で中和した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した(100mLで5回)。合わせた有機抽出液を脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮して、生成物4.8g(99%)を白色固体として得た。MS(ESI+)m/z185(M+H)+。
2−アミノ−6,6−ジメチルフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−4(6H)−オン
実施例5A(7.4g、26.0mmol)のジクロロメタン(20mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(20.0mL、260mmol)を0℃でゆっくり加えた。反応混合物を氷浴から外し、放置して室温とし、3時間撹拌した。反応混合物を濃縮乾固し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和NaHCO3溶液で中和した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した(100mLで5回)。合わせた有機抽出液を脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮して、生成物4.8g(99%)を白色固体として得た。MS(ESI+)m/z185(M+H)+。
実施例5C
5−クロロ−N−(6,6−ジメチル−4−オキソ−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2−イル)−2−メトキシベンズアミド
実施例5B、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンおよび実施例1Dを、実施例1Eについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z353(M+H)+。
5−クロロ−N−(6,6−ジメチル−4−オキソ−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2−イル)−2−メトキシベンズアミド
実施例5B、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンおよび実施例1Dを、実施例1Eについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z353(M+H)+。
実施例5D
N−[(2Z)−3−ブチル−6,6−ジメチル−4−オキソ−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例5C、1−ブロモブタン(アルドリッチから購入)およびカリウムt−ブトキシドを、実施例2Bについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.93(t、J=7.46Hz、3H)1.26−1.44(m、2H)1.71(s、6H)1.75−1.89(m、2H)3.82(s、3H)4.29(t、J=7.12Hz、2H)7.17(d、J=8.82Hz、1H)7.53(dd、J=8.82、2.71Hz、1H)7.78(d、J=3.05Hz、1H);MS(ESI+)m/z409(M+H)+。C19H21ClN2O4Sの元素分析計算値:C、55.81;H、5.18;N、6.85。実測値:C、55.88;H、4.96;N、6.70。
N−[(2Z)−3−ブチル−6,6−ジメチル−4−オキソ−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例5C、1−ブロモブタン(アルドリッチから購入)およびカリウムt−ブトキシドを、実施例2Bについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.93(t、J=7.46Hz、3H)1.26−1.44(m、2H)1.71(s、6H)1.75−1.89(m、2H)3.82(s、3H)4.29(t、J=7.12Hz、2H)7.17(d、J=8.82Hz、1H)7.53(dd、J=8.82、2.71Hz、1H)7.78(d、J=3.05Hz、1H);MS(ESI+)m/z409(M+H)+。C19H21ClN2O4Sの元素分析計算値:C、55.81;H、5.18;N、6.85。実測値:C、55.88;H、4.96;N、6.70。
(実施例6)
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(シクロブチルメチル)−6,6−ジメチル−4−オキソ−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例5C、(ブロモメチル)シクロブタン(アルドリッチから購入)およびカリウムt−ブトキシドを、実施例2Bについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm1.71(s、6H)1.78−1.91(m、4H)1.91−2.08(m、2H)2.80−3.03(m、1H)3.73−3.97(m、3H)4.35(s、2H)7.17(d、J=9.16Hz、1H)7.53(dd、J=8.82、2.71Hz、1H)7.75(d、J=2.71Hz、1H);MS(ESI+)m/z421(M+H)+。C20H21ClN2O4Sの元素分析計算値:C、57.07;H、5.03;N、6.66。実測値:C、57.07;H、4.82;N、6.55。
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(シクロブチルメチル)−6,6−ジメチル−4−オキソ−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例5C、(ブロモメチル)シクロブタン(アルドリッチから購入)およびカリウムt−ブトキシドを、実施例2Bについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm1.71(s、6H)1.78−1.91(m、4H)1.91−2.08(m、2H)2.80−3.03(m、1H)3.73−3.97(m、3H)4.35(s、2H)7.17(d、J=9.16Hz、1H)7.53(dd、J=8.82、2.71Hz、1H)7.75(d、J=2.71Hz、1H);MS(ESI+)m/z421(M+H)+。C20H21ClN2O4Sの元素分析計算値:C、57.07;H、5.03;N、6.66。実測値:C、57.07;H、4.82;N、6.55。
(実施例7)
N−[(2′Z)−3′−ブチル−4′−オキソ−4′H−スピロ[シクロブタン−1,6′−フロ[3,4−d][1,3]チアゾール]−2′(3′H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
N−[(2′Z)−3′−ブチル−4′−オキソ−4′H−スピロ[シクロブタン−1,6′−フロ[3,4−d][1,3]チアゾール]−2′(3′H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例7A
tert−ブチル4′−オキソ−4′H−スピロ[シクロブタン−1,6′−フロ[3,4−d][1,3]チアゾール]−2′−イルカーバメート
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)チアゾール−4−カルボン酸メチル(コンビ−ブロックスから購入)、ジイソプロピルアミン、ブチルリチウムおよびシクロブタノン(アルドリッチから購入)を、実施例3Dについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z297(M+H)+。
tert−ブチル4′−オキソ−4′H−スピロ[シクロブタン−1,6′−フロ[3,4−d][1,3]チアゾール]−2′−イルカーバメート
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)チアゾール−4−カルボン酸メチル(コンビ−ブロックスから購入)、ジイソプロピルアミン、ブチルリチウムおよびシクロブタノン(アルドリッチから購入)を、実施例3Dについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z297(M+H)+。
実施例7B
2′−アミノ−4′H−スピロ[シクロブタン−1,6′−フロ[3,4−d][1,3]チアゾール]−4′−オン
実施例7Aおよびトリフルオロ酢酸を、実施例5Bについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z197(M+H)+。
2′−アミノ−4′H−スピロ[シクロブタン−1,6′−フロ[3,4−d][1,3]チアゾール]−4′−オン
実施例7Aおよびトリフルオロ酢酸を、実施例5Bについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z197(M+H)+。
実施例7C
5−クロロ−2−メトキシ−N−(4′−オキソ−4′H−スピロ[シクロブタン−1,6′−フロ[3,4−d][1,3]チアゾール]−2′−イル)ベンズアミド
実施例7B、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンおよび実施例1Dを、実施例1Eについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z365(M+H)+。
5−クロロ−2−メトキシ−N−(4′−オキソ−4′H−スピロ[シクロブタン−1,6′−フロ[3,4−d][1,3]チアゾール]−2′−イル)ベンズアミド
実施例7B、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンおよび実施例1Dを、実施例1Eについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z365(M+H)+。
実施例7D
N−[(2′Z)−3′−ブチル−4′−オキソ−4′H−スピロ[シクロブタン−1,6′−フロ[3,4−d][1,3]チアゾール]−2(3′H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例7C、1−ブロモブタン(アルドリッチから購入)およびカリウムt−ブトキシドを、実施例2Bについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.92(t、J=7.29Hz、3H)1.24−1.43(m、2H)1.73−1.86(m、2H)1.84−1.95(m、1H)1.96−2.11(m、1H)2.53−2.64(m、2H)2.67−2.82(m、2H)3.83(s、3H)4.30(t、J=7.12Hz、2H)7.17(d、J=9.15Hz、1H)7.54(dd、J=8.81、2.71Hz、1H)7.81(d、J=2.71Hz、1H);MS(ESI+)m/z421(M+H)+。;C20H21ClN2O4Sの元素分析計算値:C、57.07;H、5.03;N、6.66。実測値:C、57.06;H、4.59;N、6.47。
N−[(2′Z)−3′−ブチル−4′−オキソ−4′H−スピロ[シクロブタン−1,6′−フロ[3,4−d][1,3]チアゾール]−2(3′H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例7C、1−ブロモブタン(アルドリッチから購入)およびカリウムt−ブトキシドを、実施例2Bについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.92(t、J=7.29Hz、3H)1.24−1.43(m、2H)1.73−1.86(m、2H)1.84−1.95(m、1H)1.96−2.11(m、1H)2.53−2.64(m、2H)2.67−2.82(m、2H)3.83(s、3H)4.30(t、J=7.12Hz、2H)7.17(d、J=9.15Hz、1H)7.54(dd、J=8.81、2.71Hz、1H)7.81(d、J=2.71Hz、1H);MS(ESI+)m/z421(M+H)+。;C20H21ClN2O4Sの元素分析計算値:C、57.07;H、5.03;N、6.66。実測値:C、57.06;H、4.59;N、6.47。
(実施例8)
N−[(2Z)−3−ブチル−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
N−[(2Z)−3−ブチル−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例8A
6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2−アミン
ジヒドロ−2H−ピラン−3(4H)−オン(JW−PharmLabから購入)(5.0g、50mmol)のシクロヘキサン(100mL)中溶液に、ピロリジン(4.3mL、52mmol)およびp−トルエンスルホン酸・1水和物(0.05g)を加えた。反応混合物を、ディーン−スタークトラップを用いて3時間還流させ、冷却し、濃縮した。残留物をメタノール(80mL)に溶かし、次に硫黄(1.66g、52mmol)を加えた。その混合物に、シアナミド(2.52g、52mmol)のメタノール(20mL)中溶液を0℃で加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、濾過し、濃縮し、アナロギクス(登録商標)IT280(商標名)(SiO2、0%から5%メタノール/ジクロロメタン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物0.4g(5%)を得た。MS(ESI+)m/z157(M+H)+。
6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2−アミン
ジヒドロ−2H−ピラン−3(4H)−オン(JW−PharmLabから購入)(5.0g、50mmol)のシクロヘキサン(100mL)中溶液に、ピロリジン(4.3mL、52mmol)およびp−トルエンスルホン酸・1水和物(0.05g)を加えた。反応混合物を、ディーン−スタークトラップを用いて3時間還流させ、冷却し、濃縮した。残留物をメタノール(80mL)に溶かし、次に硫黄(1.66g、52mmol)を加えた。その混合物に、シアナミド(2.52g、52mmol)のメタノール(20mL)中溶液を0℃で加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、濾過し、濃縮し、アナロギクス(登録商標)IT280(商標名)(SiO2、0%から5%メタノール/ジクロロメタン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物0.4g(5%)を得た。MS(ESI+)m/z157(M+H)+。
実施例8B
5−クロロ−N−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2−イル−2−メトキシベンズアミド
実施例8A、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンおよび実施例1Dを、実施例1Eについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z325(M+H)+。
5−クロロ−N−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2−イル−2−メトキシベンズアミド
実施例8A、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンおよび実施例1Dを、実施例1Eについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z325(M+H)+。
実施例8C
N−[(2Z)−3−ブチル−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例8B、1−ブロモブタン(アルドリッチから購入)およびカリウムt−ブトキシドを、実施例2Bについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.92(t、J=7.29Hz、3H)1.20−1.45(m、2H)1.56−1.83(m、2H)2.67(t、J=5.26Hz、2H)3.79(s、3H)3.91(t、J=5.42Hz、2H)3.97−4.12(m、2H)4.70(s、2H)7.12(d、J=8.81Hz、1H)7.46(dd、J=8.81、2.71Hz、1H)7.73(d、J=2.71Hz、1H);MS(ESI+)m/z380(M+H)+。C18H21ClN2O3Sの元素分析計算値:C、56.76;H、5.56;N、7.35。実測値:C、56.74;H、5.29;N、7.25。
N−[(2Z)−3−ブチル−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例8B、1−ブロモブタン(アルドリッチから購入)およびカリウムt−ブトキシドを、実施例2Bについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.92(t、J=7.29Hz、3H)1.20−1.45(m、2H)1.56−1.83(m、2H)2.67(t、J=5.26Hz、2H)3.79(s、3H)3.91(t、J=5.42Hz、2H)3.97−4.12(m、2H)4.70(s、2H)7.12(d、J=8.81Hz、1H)7.46(dd、J=8.81、2.71Hz、1H)7.73(d、J=2.71Hz、1H);MS(ESI+)m/z380(M+H)+。C18H21ClN2O3Sの元素分析計算値:C、56.76;H、5.56;N、7.35。実測値:C、56.74;H、5.29;N、7.25。
(実施例9)
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(シクロブチルメチル)−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(シクロブチルメチル)−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例9A
3−(シクロブチルメチル)−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イミン
実施例8Aおよび(ブロモメチル)シクロブタン(アルドリッチから購入)を、実施例1Cに記載の手順に従って処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z225(M+H)+。
3−(シクロブチルメチル)−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イミン
実施例8Aおよび(ブロモメチル)シクロブタン(アルドリッチから購入)を、実施例1Cに記載の手順に従って処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z225(M+H)+。
実施例9B
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(シクロブチルメチル)−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例9A、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンおよび実施例1Dを、実施例1Eについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm1.75−1.88(m、4H)1.89−2.02(m、2H)2.67(t、J=5.34Hz、2H)2.72−2.88(m、1H)3.80(s、3H)3.91(t、J=5.34Hz、2H)4.12(d、J=7.32Hz、2H)4.68(s、2H)7.12(d、J=8.85Hz、1H)7.12(d、J=8.85Hz、1H)7.46(dd、J=8.85、2.75Hz、1H);MS(ESI+)m/z393(M+H)+。
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(シクロブチルメチル)−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例9A、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンおよび実施例1Dを、実施例1Eについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm1.75−1.88(m、4H)1.89−2.02(m、2H)2.67(t、J=5.34Hz、2H)2.72−2.88(m、1H)3.80(s、3H)3.91(t、J=5.34Hz、2H)4.12(d、J=7.32Hz、2H)4.68(s、2H)7.12(d、J=8.85Hz、1H)7.12(d、J=8.85Hz、1H)7.46(dd、J=8.85、2.75Hz、1H);MS(ESI+)m/z393(M+H)+。
(実施例10)
N−[(2Z)−3−ブチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
ナトリウム5−オキソ−5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−3−オレート(Wenke et al., J. Org. Chem., 2006, 71, 1725-1727)(1.36g、10.0mmol)およびn−ブチルチオ尿素(トランス・ワールド(Trans World))(1.32g、10.0mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)中混合物に、DMSO(2.1mL)および12N HCl(2.5mL)の混合物を加えた。反応混合物を40℃で終夜加熱し、冷却した。混合物を酢酸エチルで希釈し、重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機抽出液を脱水し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。残留物を12時間真空乾燥し、テトラヒドロフラン(40mL)に溶かした。その溶液に、5−クロロ−2−メトキシ−安息香酸(1.86g、10.0mmol)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.91g、10.0mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.35g、10.0mmol)およびトリエチルアミン(3.5mL、3.5mmol)を加えた。混合物を80℃で終夜撹拌し、冷却して室温とした。混合物を酢酸エチルで希釈し、1M NaHCO3水溶液で洗浄し、脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)IT280(商標名)(SiO2、0%から75%酢酸エチル/ヘキサン)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物412mgを得た。1H NMR(300MHz、CDCl3)δppm1.03(t、J=7.46Hz、3H)1.38−1.52(m、2H)1.77−1.90(m、2H)3.93(s、3H)4.16(t、J=7.46Hz、2H)4.32(s、2H)4.90(s、2H)6.94(d、J=8.82Hz、1H)7.40(dd、J=8.99、2.88Hz、1H)8.11(d、J=2.71Hz、1H);MS(ESI+)m/z395(M+H)+。
N−[(2Z)−3−ブチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
ナトリウム5−オキソ−5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−3−オレート(Wenke et al., J. Org. Chem., 2006, 71, 1725-1727)(1.36g、10.0mmol)およびn−ブチルチオ尿素(トランス・ワールド(Trans World))(1.32g、10.0mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)中混合物に、DMSO(2.1mL)および12N HCl(2.5mL)の混合物を加えた。反応混合物を40℃で終夜加熱し、冷却した。混合物を酢酸エチルで希釈し、重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機抽出液を脱水し(MgSO4)、濾過し、濃縮した。残留物を12時間真空乾燥し、テトラヒドロフラン(40mL)に溶かした。その溶液に、5−クロロ−2−メトキシ−安息香酸(1.86g、10.0mmol)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.91g、10.0mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.35g、10.0mmol)およびトリエチルアミン(3.5mL、3.5mmol)を加えた。混合物を80℃で終夜撹拌し、冷却して室温とした。混合物を酢酸エチルで希釈し、1M NaHCO3水溶液で洗浄し、脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)IT280(商標名)(SiO2、0%から75%酢酸エチル/ヘキサン)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物412mgを得た。1H NMR(300MHz、CDCl3)δppm1.03(t、J=7.46Hz、3H)1.38−1.52(m、2H)1.77−1.90(m、2H)3.93(s、3H)4.16(t、J=7.46Hz、2H)4.32(s、2H)4.90(s、2H)6.94(d、J=8.82Hz、1H)7.40(dd、J=8.99、2.88Hz、1H)8.11(d、J=2.71Hz、1H);MS(ESI+)m/z395(M+H)+。
(実施例11)
N−[(2Z)−3−ブチル−7,7−ジメチル−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
TiCl4(アルドリッチから購入)(1Mのジクロロメタン中溶液0.62mL、0.62mmol)のジクロロメタン(4mL)中溶液に、ジメチル亜鉛(アルドリッチ、2Mのトルエン中溶液0.31mL、0.62mmol)を−30℃で滴下し、同じ温度で10分間撹拌した。次に、実施例10(82mg、0.21mmol)のジクロロメタン(2mL)中溶液を反応混合物に滴下し、撹拌を継続しながら反応液を終夜にわたって徐々に室温に戻した。反応混合物を2%NH4OH水溶液5mLで反応停止し、セライトで濾過し、酢酸エチルで洗浄した(10mLで3回)。濾液に、飽和NaHCO310mLを加え、層を分離した。水層を酢酸エチル(15mL)で抽出した。合わせた有機抽出液を脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)IT280(商標名)(SiO2、0%から100%酢酸エチル/ヘキサン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物52mg(60%)を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.92(t、J=7.34Hz、3H)1.23(s、6H)1.25−1.41(m、2H)1.57−1.79(m、J=7.34、7.34Hz、2H)3.60(s、2H)3.79(s、3H)3.93−4.07(m、2H)4.70(s、2H)7.11(d、J=9.12Hz、1H)7.46(dd、J=9.12、2.78Hz、1H)7.69(d、J=2.78Hz、1H);MS(ESI+)m/z409(M+H)+。C20H25ClN2O3Sの元素分析計算値:C、58.74;H、6.16;N、6.85。実測値:C、58.45;H、6.02;N、6.92。
N−[(2Z)−3−ブチル−7,7−ジメチル−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
TiCl4(アルドリッチから購入)(1Mのジクロロメタン中溶液0.62mL、0.62mmol)のジクロロメタン(4mL)中溶液に、ジメチル亜鉛(アルドリッチ、2Mのトルエン中溶液0.31mL、0.62mmol)を−30℃で滴下し、同じ温度で10分間撹拌した。次に、実施例10(82mg、0.21mmol)のジクロロメタン(2mL)中溶液を反応混合物に滴下し、撹拌を継続しながら反応液を終夜にわたって徐々に室温に戻した。反応混合物を2%NH4OH水溶液5mLで反応停止し、セライトで濾過し、酢酸エチルで洗浄した(10mLで3回)。濾液に、飽和NaHCO310mLを加え、層を分離した。水層を酢酸エチル(15mL)で抽出した。合わせた有機抽出液を脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)IT280(商標名)(SiO2、0%から100%酢酸エチル/ヘキサン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物52mg(60%)を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.92(t、J=7.34Hz、3H)1.23(s、6H)1.25−1.41(m、2H)1.57−1.79(m、J=7.34、7.34Hz、2H)3.60(s、2H)3.79(s、3H)3.93−4.07(m、2H)4.70(s、2H)7.11(d、J=9.12Hz、1H)7.46(dd、J=9.12、2.78Hz、1H)7.69(d、J=2.78Hz、1H);MS(ESI+)m/z409(M+H)+。C20H25ClN2O3Sの元素分析計算値:C、58.74;H、6.16;N、6.85。実測値:C、58.45;H、6.02;N、6.92。
(実施例12)
N−[(2Z)−3−ブチル−3,4,7,8−テトラヒドロ−2H−4,7−エポキシシクロヘプタ[d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
N−[(2Z)−3−ブチル−3,4,7,8−テトラヒドロ−2H−4,7−エポキシシクロヘプタ[d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例12A
7,8−ジヒドロ−4H−4,7−エポキシシクロヘプタ[d][1,3]チアゾール−2−アミン
封管に入れたシクロヘキサン(3mL)中の8−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−6−エン−2−オン(文献(Vogel et al., Tetrahedron 1993, 49(8), 1649-1664)に記載の方法に従って製造)(0.5g、4.0mmol)に、ピロリジン(1.7mL、20.1mmol)と次にMgSO4(4.8g、40.3mmol)を加えた。管を密閉し、混合物を昇温させて100℃とし、16時間撹拌した。反応混合物を冷却して室温とし、濾過し、濾液を減圧下に濃縮した。残留物をメタノール10mLに溶かし、硫黄(0.13g、4.0mmol)を加え、混合物を20分間撹拌した。シアナミド(0.17g、4.0mmol)を加え、混合物を48時間室温で撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、50%ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得た(90mg、0.5mmol、収率12%)。1H NMR(300MHz、CDCl3)δppm2.30(d、J=16.3Hz、1H)3.21(ddd、J=16.4、6.0、1.0Hz、1H)4.64−4.77(m、2H)5.12(dd、J=5.9、1.9Hz、1H)5.25−5.29(m、J=1.9、1.9Hz、1H)6.00(dd、J=5.9、1.9Hz、1H)6.63(dd、J=5.6、1.5Hz、1H);MS(DCI/NH3)m/z181(M+H)+。
7,8−ジヒドロ−4H−4,7−エポキシシクロヘプタ[d][1,3]チアゾール−2−アミン
封管に入れたシクロヘキサン(3mL)中の8−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−6−エン−2−オン(文献(Vogel et al., Tetrahedron 1993, 49(8), 1649-1664)に記載の方法に従って製造)(0.5g、4.0mmol)に、ピロリジン(1.7mL、20.1mmol)と次にMgSO4(4.8g、40.3mmol)を加えた。管を密閉し、混合物を昇温させて100℃とし、16時間撹拌した。反応混合物を冷却して室温とし、濾過し、濾液を減圧下に濃縮した。残留物をメタノール10mLに溶かし、硫黄(0.13g、4.0mmol)を加え、混合物を20分間撹拌した。シアナミド(0.17g、4.0mmol)を加え、混合物を48時間室温で撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、50%ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得た(90mg、0.5mmol、収率12%)。1H NMR(300MHz、CDCl3)δppm2.30(d、J=16.3Hz、1H)3.21(ddd、J=16.4、6.0、1.0Hz、1H)4.64−4.77(m、2H)5.12(dd、J=5.9、1.9Hz、1H)5.25−5.29(m、J=1.9、1.9Hz、1H)6.00(dd、J=5.9、1.9Hz、1H)6.63(dd、J=5.6、1.5Hz、1H);MS(DCI/NH3)m/z181(M+H)+。
実施例12B
3−ブチル−3,4,7,8−テトラヒドロ−2H−4,7−エポキシシクロヘプタ[d][1,3]チアゾール−2−イミン
実施例12Aの生成物(90mg、0.5mmol)に、1−ブロモブタン(2mL)を加えた。この混合物を昇温させて85℃とし、16時間撹拌した。この時点で、不溶物が認められたので、N,N−ジメチルホルムアミド1mLを反応混合物に加え、混合物を85℃でさらに4時間撹拌した。混合物を冷却して室温とし、減圧下に濃縮した。粗取得物を、カラムクロマトグラフィー(SiO2、10%MeOH/酢酸エチル、次に9:1:0.1CH2Cl2:メタノール:NH4OH)によって精製して、標題化合物およびN,N−ジメチルホルムアミドとの反応から生じたイミニウムイオンの混合物を得た。この混合物は分離せずに、次に用いた。MS(DCI/NH3)m/z237(M+H)+およびm/z292(イミニウムイオン)。
3−ブチル−3,4,7,8−テトラヒドロ−2H−4,7−エポキシシクロヘプタ[d][1,3]チアゾール−2−イミン
実施例12Aの生成物(90mg、0.5mmol)に、1−ブロモブタン(2mL)を加えた。この混合物を昇温させて85℃とし、16時間撹拌した。この時点で、不溶物が認められたので、N,N−ジメチルホルムアミド1mLを反応混合物に加え、混合物を85℃でさらに4時間撹拌した。混合物を冷却して室温とし、減圧下に濃縮した。粗取得物を、カラムクロマトグラフィー(SiO2、10%MeOH/酢酸エチル、次に9:1:0.1CH2Cl2:メタノール:NH4OH)によって精製して、標題化合物およびN,N−ジメチルホルムアミドとの反応から生じたイミニウムイオンの混合物を得た。この混合物は分離せずに、次に用いた。MS(DCI/NH3)m/z237(M+H)+およびm/z292(イミニウムイオン)。
実施例12C
N−[(2Z)−3−ブチル−3,4,7,8−テトラヒドロ−2H−4,7−エポキシシクロヘプタ[d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例12Bの生成物(40mg、約0.17mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)中溶液に、トリエチルアミン(0.71μL、0.19mmol)と次にテトラヒドロフラン3mL中の実施例1Dをカニューレによって加えた。混合物を昇温させて50℃とし、2時間撹拌した。混合物を冷却して室温とし、飽和NaHCO3水溶液5mLで反応停止し、酢酸エチル5mLで3回抽出し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。混合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、30%ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得た(14mg、0.035mmol、収率21%)。1H NMR(300MHz、CDCl3)δppm1.02(t、J=7.3Hz、3H)1.36−1.51(m、2H)1.70−1.89(m、2H)2.31(d、J=16.7Hz、1H)3.19(dd、J=16.5、6.5Hz、1H)3.90(s、3H)4.10−4.32(m、2H)5.21(dd、J=6.1、1.8Hz、1H)5.38(s、1H)6.13(dd、J=5.9、2.0Hz、1H)6.57(dd、J=5.9、1.2Hz、1H)6.90(d、J=8.7Hz、1H)7.33(dd、J=9.1、2.8Hz、1H)8.02(d、J=2.8Hz、1H)。MS(DCI/NH3)m/z405(M+H)+。C20H21ClN2O3Sの元素分析計算値:C、59.33;H、5.23;N、6.92;実測値:C、59.50;H、5.38;N、6.77。
N−[(2Z)−3−ブチル−3,4,7,8−テトラヒドロ−2H−4,7−エポキシシクロヘプタ[d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例12Bの生成物(40mg、約0.17mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)中溶液に、トリエチルアミン(0.71μL、0.19mmol)と次にテトラヒドロフラン3mL中の実施例1Dをカニューレによって加えた。混合物を昇温させて50℃とし、2時間撹拌した。混合物を冷却して室温とし、飽和NaHCO3水溶液5mLで反応停止し、酢酸エチル5mLで3回抽出し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。混合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、30%ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得た(14mg、0.035mmol、収率21%)。1H NMR(300MHz、CDCl3)δppm1.02(t、J=7.3Hz、3H)1.36−1.51(m、2H)1.70−1.89(m、2H)2.31(d、J=16.7Hz、1H)3.19(dd、J=16.5、6.5Hz、1H)3.90(s、3H)4.10−4.32(m、2H)5.21(dd、J=6.1、1.8Hz、1H)5.38(s、1H)6.13(dd、J=5.9、2.0Hz、1H)6.57(dd、J=5.9、1.2Hz、1H)6.90(d、J=8.7Hz、1H)7.33(dd、J=9.1、2.8Hz、1H)8.02(d、J=2.8Hz、1H)。MS(DCI/NH3)m/z405(M+H)+。C20H21ClN2O3Sの元素分析計算値:C、59.33;H、5.23;N、6.92;実測値:C、59.50;H、5.38;N、6.77。
(実施例13)
N−[(2Z)−3−ブチル−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−4,7−エポキシシクロヘプタ[d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
N−[(2Z)−3−ブチル−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−4,7−エポキシシクロヘプタ[d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例13A
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−4,7−エポキシシクロヘプタ[d][1,3]チアゾール−2−アミン
シクロヘキサン(10mL)中の8−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2−オン(文献(Vogel et al., Tetrahedron 1993, 49(8), 1649-1664)に記載の方法に従って製造)(1.1g、9.0mmol)に、ピロリジン(0.78mL、9.4mmol)およびp−TsOH・H2O(0.085g、0.45mmol)を加えた。フラスコに、予めシクロヘキサンで満たしたディーン・スタークトラップを取り付けた。混合物を昇温させて還流させ、ディーン・スタークトラップを用いて18時間撹拌した。この混合物を濃縮し、メタノール(15mL)に再溶解させた。硫黄(0.29g、9.0mmol)を加え、混合物を15分間撹拌した。シアナミド(0.38g、9.0mmol)を加え、混合物を室温で72時間撹拌した。粗混合物を減圧下に濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、20%ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得た(0.75g、4.1mmol、収率46%)。MS(DCI/NH3)m/z183(M+H)+。
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−4,7−エポキシシクロヘプタ[d][1,3]チアゾール−2−アミン
シクロヘキサン(10mL)中の8−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2−オン(文献(Vogel et al., Tetrahedron 1993, 49(8), 1649-1664)に記載の方法に従って製造)(1.1g、9.0mmol)に、ピロリジン(0.78mL、9.4mmol)およびp−TsOH・H2O(0.085g、0.45mmol)を加えた。フラスコに、予めシクロヘキサンで満たしたディーン・スタークトラップを取り付けた。混合物を昇温させて還流させ、ディーン・スタークトラップを用いて18時間撹拌した。この混合物を濃縮し、メタノール(15mL)に再溶解させた。硫黄(0.29g、9.0mmol)を加え、混合物を15分間撹拌した。シアナミド(0.38g、9.0mmol)を加え、混合物を室温で72時間撹拌した。粗混合物を減圧下に濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、20%ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得た(0.75g、4.1mmol、収率46%)。MS(DCI/NH3)m/z183(M+H)+。
実施例13B
3−ブチル−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−4,7−エポキシシクロヘプタ[d][1,3]チアゾール−2−イミン
実施例13Aの生成物(0.4g、2.2mmol)および1−ブロモブタン(1.9mL、17.6mmol)の混合物を昇温させて85℃とし、1時間撹拌したところ、固体の凝集が認められ、少量のN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)を加えた。混合物を85℃でさらに18時間撹拌し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、10%メタノール/酢酸エチル、次に9:1:0.1CH2Cl2:メタノール:NH4OH)によって精製した。2種類の生成物が得られ、標題化合物およびN,N−ジメチルホルムアミド由来のイミニウムイオンであった。後者を、飽和NaHCO3水溶液10mLで洗浄し、酢酸エチル5mLで3回抽出することで標題化合物に変換した。標題化合物の総収量は0.18gであった(0.76mmol、収率34%)。MS(DCI/NH3)m/z239(M+H)+。
3−ブチル−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−4,7−エポキシシクロヘプタ[d][1,3]チアゾール−2−イミン
実施例13Aの生成物(0.4g、2.2mmol)および1−ブロモブタン(1.9mL、17.6mmol)の混合物を昇温させて85℃とし、1時間撹拌したところ、固体の凝集が認められ、少量のN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)を加えた。混合物を85℃でさらに18時間撹拌し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、10%メタノール/酢酸エチル、次に9:1:0.1CH2Cl2:メタノール:NH4OH)によって精製した。2種類の生成物が得られ、標題化合物およびN,N−ジメチルホルムアミド由来のイミニウムイオンであった。後者を、飽和NaHCO3水溶液10mLで洗浄し、酢酸エチル5mLで3回抽出することで標題化合物に変換した。標題化合物の総収量は0.18gであった(0.76mmol、収率34%)。MS(DCI/NH3)m/z239(M+H)+。
実施例13C
N−[(2Z)−3−ブチル−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−4,7−エポキシシクロヘプタ[d][1,3]チアゾール−1−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例13Bの生成物(0.18g、0.76mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)中溶液に、トリエチルアミン(0.32mL、2.3mmol)と次にN,N−ジメチルピリジン−4−アミン(9.2mg、0.076mmol)を加えた。この混合物に、テトラヒドロフラン3mL中の実施例1Dをカニューレによって加えた。混合物を昇温させて50℃とし、4時間撹拌した。混合物を冷却して室温とし、飽和NaHCO3水溶液5mLで反応停止し、酢酸エチル10mLで3回抽出し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。混合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、30%ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得た(0.16g、0.39mmol、収率52%)。1H NMR(300MHz、CDCl3)δppm1.01(t、J=7.3Hz、3H)1.46(dd、J=15.1、7.5Hz、2H)1.71−1.88(m、3H)2.03−2.13(m、1H)2.16−2.37(m、3H)3.17(dd、J=15.9、4.8Hz、1H)3.88−3.92(m、3H)3.93−4.03(m、1H)4.24−4.37(m、1H)4.81−4.90(m、1H)5.05(d、J=5.6Hz、1H)6.90(d、J=8.7Hz、1H)7.33(dd、J=9.1、2.8Hz、1H)8.03(d、J=2.8Hz、1H)。MS(DCI/NH3)m/z407(M+H)+。C20H23ClN2O3Sの元素分析計算値:C、59.03;H、5.70;N、6.88;実測値:C、58.99;H、5.35;N、6.80。
N−[(2Z)−3−ブチル−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−4,7−エポキシシクロヘプタ[d][1,3]チアゾール−1−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例13Bの生成物(0.18g、0.76mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)中溶液に、トリエチルアミン(0.32mL、2.3mmol)と次にN,N−ジメチルピリジン−4−アミン(9.2mg、0.076mmol)を加えた。この混合物に、テトラヒドロフラン3mL中の実施例1Dをカニューレによって加えた。混合物を昇温させて50℃とし、4時間撹拌した。混合物を冷却して室温とし、飽和NaHCO3水溶液5mLで反応停止し、酢酸エチル10mLで3回抽出し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。混合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、30%ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得た(0.16g、0.39mmol、収率52%)。1H NMR(300MHz、CDCl3)δppm1.01(t、J=7.3Hz、3H)1.46(dd、J=15.1、7.5Hz、2H)1.71−1.88(m、3H)2.03−2.13(m、1H)2.16−2.37(m、3H)3.17(dd、J=15.9、4.8Hz、1H)3.88−3.92(m、3H)3.93−4.03(m、1H)4.24−4.37(m、1H)4.81−4.90(m、1H)5.05(d、J=5.6Hz、1H)6.90(d、J=8.7Hz、1H)7.33(dd、J=9.1、2.8Hz、1H)8.03(d、J=2.8Hz、1H)。MS(DCI/NH3)m/z407(M+H)+。C20H23ClN2O3Sの元素分析計算値:C、59.03;H、5.70;N、6.88;実測値:C、58.99;H、5.35;N、6.80。
(実施例14)
5−クロロ−N−[(2Z)−1−イソブチル−4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例3F(1.0g、2.8mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン(1:4、20mL)中溶液に、カリウムtert−ブトキシド(0.35g、3.1mmol、アルドリッチ)、1−ブロモ−2−メチルプロパン(0.43g、3.1mmol、アルドリッチ)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.1g、0.3mmol、アルドリッチ)を加えた。80℃で16時間撹拌後、反応混合物を冷却して室温とし、飽和NaHCO3水溶液(20mL)で反応停止した。水層を酢酸エチルで抽出した(20mLで3回)。合わせた有機抽出液を無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)インテリフラッシュ280(商標名)(SiO2、0%から100%酢酸エチル/ヘキサン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物90mg(29%)を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.81−0.88(m、3H)、0.91(s、3H)、1.46(s、6H)、2.29(t、1H)、2.67(t、J=5.4Hz、2H)、3.79(s、3H)、3.88−4.11(m、4H)、7.12(d、J=9.1Hz、1H)、7.46(dd、J=8.7、2.8Hz、1H)、7.67(d、J=3.2Hz、1H);MS(ESI+)m/z409(M+H)+。C01H25ClN3O3Sの元素分析計算値:C、58.74;H、60.16;N、6.85。実測値:C、58.80;H、5.97;N、6.88。
5−クロロ−N−[(2Z)−1−イソブチル−4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例3F(1.0g、2.8mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン(1:4、20mL)中溶液に、カリウムtert−ブトキシド(0.35g、3.1mmol、アルドリッチ)、1−ブロモ−2−メチルプロパン(0.43g、3.1mmol、アルドリッチ)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.1g、0.3mmol、アルドリッチ)を加えた。80℃で16時間撹拌後、反応混合物を冷却して室温とし、飽和NaHCO3水溶液(20mL)で反応停止した。水層を酢酸エチルで抽出した(20mLで3回)。合わせた有機抽出液を無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)インテリフラッシュ280(商標名)(SiO2、0%から100%酢酸エチル/ヘキサン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物90mg(29%)を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.81−0.88(m、3H)、0.91(s、3H)、1.46(s、6H)、2.29(t、1H)、2.67(t、J=5.4Hz、2H)、3.79(s、3H)、3.88−4.11(m、4H)、7.12(d、J=9.1Hz、1H)、7.46(dd、J=8.7、2.8Hz、1H)、7.67(d、J=3.2Hz、1H);MS(ESI+)m/z409(M+H)+。C01H25ClN3O3Sの元素分析計算値:C、58.74;H、60.16;N、6.85。実測値:C、58.80;H、5.97;N、6.88。
(実施例15)
N−[(2Z)−3−ブチル−7−ヒドロキシ−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例10(50mg、0.13mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)中溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(5.8mg、0.15mmol、アルドリッチ)を加えた。反応混合物を室温で6時間撹拌し、飽和NH4Cl水溶液で反応停止した。水層をEtOAcで抽出した(10mLで2回)。合わせた有機抽出液を無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)インテリフラッシュ280(商標名)(SiO2、0%から5%メタノール/メチレンクロリド)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物20mg(40%)を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.93(t、J=7.3Hz、3H)、1.24−1.45(m、2H)、1.59−1.77(m、2H)、3.72(dd、J=11.7、4.2Hz、1H)、3.80(s、3H)、3.84−3.93(m、1H)、3.99−4.10(m、J=7.1Hz、2H)、4.56(d、J=5.2Hz、1H)、4.58−4.84(m、2H)、5.70(d、J=5.9Hz、1H)、7.12(d、J=8.7Hz、1H)、7.44−7.50(m、1H)、7.75(d、J=2.8Hz、1H);MS(ESI+)m/z397(M+H)+。
N−[(2Z)−3−ブチル−7−ヒドロキシ−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例10(50mg、0.13mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)中溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(5.8mg、0.15mmol、アルドリッチ)を加えた。反応混合物を室温で6時間撹拌し、飽和NH4Cl水溶液で反応停止した。水層をEtOAcで抽出した(10mLで2回)。合わせた有機抽出液を無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)インテリフラッシュ280(商標名)(SiO2、0%から5%メタノール/メチレンクロリド)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物20mg(40%)を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.93(t、J=7.3Hz、3H)、1.24−1.45(m、2H)、1.59−1.77(m、2H)、3.72(dd、J=11.7、4.2Hz、1H)、3.80(s、3H)、3.84−3.93(m、1H)、3.99−4.10(m、J=7.1Hz、2H)、4.56(d、J=5.2Hz、1H)、4.58−4.84(m、2H)、5.70(d、J=5.9Hz、1H)、7.12(d、J=8.7Hz、1H)、7.44−7.50(m、1H)、7.75(d、J=2.8Hz、1H);MS(ESI+)m/z397(M+H)+。
(実施例16)
N−[(2Z)−3−ブチル−7−ヒドロキシ−7−メチル−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
メチルリチウム(0.8mL、1.3mmol、1.6Mのテトラヒドロフラン中溶液、アルドリッチ)のテトラヒドロフラン(10mL)中溶液に、実施例10(0.25g、0.63mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)中溶液を−78℃でゆっくり加えた。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、室温に戻した。反応混合物を水(10mL)で反応停止し、EtOAcで抽出した(20mLで2回)。合わせた有機抽出液を無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)インテリフラッシュ280(商標名)(SiO2、0%から5%メタノール/メチレンクロリド)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物92mg(35%)を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.93(t、J=7.3Hz、3H)、1.24−1.37(m、2H)、1.39(s、3H)、1.56−1.76(m、2H)、3.64−3.70(m、J=3.4Hz、2H)、3.79(s、3H)、3.92−4.13(m、2H)、4.55−4.80(m、2H)、5.57(s、1H)、7.12(d、J=9.2Hz、1H)、7.46(dd、J=9.0、2.9Hz、1H)、7.73(s、1H));MS(ESI+)m/z411(M+H)+。
N−[(2Z)−3−ブチル−7−ヒドロキシ−7−メチル−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
メチルリチウム(0.8mL、1.3mmol、1.6Mのテトラヒドロフラン中溶液、アルドリッチ)のテトラヒドロフラン(10mL)中溶液に、実施例10(0.25g、0.63mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)中溶液を−78℃でゆっくり加えた。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、室温に戻した。反応混合物を水(10mL)で反応停止し、EtOAcで抽出した(20mLで2回)。合わせた有機抽出液を無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)インテリフラッシュ280(商標名)(SiO2、0%から5%メタノール/メチレンクロリド)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物92mg(35%)を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.93(t、J=7.3Hz、3H)、1.24−1.37(m、2H)、1.39(s、3H)、1.56−1.76(m、2H)、3.64−3.70(m、J=3.4Hz、2H)、3.79(s、3H)、3.92−4.13(m、2H)、4.55−4.80(m、2H)、5.57(s、1H)、7.12(d、J=9.2Hz、1H)、7.46(dd、J=9.0、2.9Hz、1H)、7.73(s、1H));MS(ESI+)m/z411(M+H)+。
(実施例17)
N−[(2Z)−3−ブチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
N−[(2Z)−3−ブチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例17A
3−ブチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d]チアゾール−2(3H)−イミン
ジヒドロフラン−3(2H)−オン(0.5g、6.0mmol、Small Molecules Inc.)のアセトニトリル(10mL)中溶液に、モレキュラーシーブス(0.5g)およびブタン−1−アミン(0.4g、5.5mmol、アルドリッチ)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、濾過した。濾液に、チオシアン酸カリウム(0.7g、7.3mmol、アルドリッチ)を加えた。温度を50℃に調節し、固体が溶解するまで混合物を撹拌した。次に、ヨウ素(2.8g、10.9mmol、EMD Chemicals)を混合物に加え、50℃で終夜撹拌した。反応混合物を冷却し、濃縮し、EtOAc(15mL)に溶かした。その溶液を、20%メタ重亜硫酸Na(15mL)で、層を30分間混合することで洗浄した。有機層を1N HCl(15mL)で2回洗浄した。水層(重亜硫酸塩およびHCl)を合わせ、NH4OHを加えることでpHをpH約9に調節した。生成物をEtOAcで抽出した(20mLで4回)。合わせた有機抽出液を脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮して、標題化合物の粗生成物(0.22g)を得た。MS(ESI+)m/z199(M+H)+。
3−ブチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d]チアゾール−2(3H)−イミン
ジヒドロフラン−3(2H)−オン(0.5g、6.0mmol、Small Molecules Inc.)のアセトニトリル(10mL)中溶液に、モレキュラーシーブス(0.5g)およびブタン−1−アミン(0.4g、5.5mmol、アルドリッチ)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、濾過した。濾液に、チオシアン酸カリウム(0.7g、7.3mmol、アルドリッチ)を加えた。温度を50℃に調節し、固体が溶解するまで混合物を撹拌した。次に、ヨウ素(2.8g、10.9mmol、EMD Chemicals)を混合物に加え、50℃で終夜撹拌した。反応混合物を冷却し、濃縮し、EtOAc(15mL)に溶かした。その溶液を、20%メタ重亜硫酸Na(15mL)で、層を30分間混合することで洗浄した。有機層を1N HCl(15mL)で2回洗浄した。水層(重亜硫酸塩およびHCl)を合わせ、NH4OHを加えることでpHをpH約9に調節した。生成物をEtOAcで抽出した(20mLで4回)。合わせた有機抽出液を脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮して、標題化合物の粗生成物(0.22g)を得た。MS(ESI+)m/z199(M+H)+。
実施例17B
N−[(2Z)−3−ブチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例17A(220mg、0.56mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)中溶液に、5−クロロ−2−メトキシ安息香酸(114mg、0.61mmol、アルドリッチ)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(93mg、0.61mmol、アルドリッチ)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩(117mg、0.61mmol)およびトリエチルアミン(0.23mL、1.7mmol、アルドリッチ)を加えた。反応混合物を80℃で2時間撹拌し、冷却し、飽和NaHCO3(10mL)で反応停止した。水層をEtOAcで抽出した(20mLで3回)。合わせた有機抽出液を無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)インテリフラッシュ280(商標名)(SiO2、0%から100%EtOAc/ヘキサン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物60mg(30%)を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.92(t、J=7.3Hz、3H)、1.33(t、2H)、1.74(t、2H)、3.80(s、3H)、4.10(t、J=7.3Hz、2H)、4.87−5.08(m、J=1.7Hz、4H)、7.13(d、J=8.8Hz、1H)、7.47(dd、J=8.8、3.1Hz、1H)、7.75(d、J=3.1Hz、1H);MS(ESI+)m/z367(M+H)+。C17H19ClN2O3Sの元素分析計算値:C、55.66;H、5.22;N、7.64。実測値:C、55.46;H、5.03;N、7.74。
N−[(2Z)−3−ブチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例17A(220mg、0.56mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)中溶液に、5−クロロ−2−メトキシ安息香酸(114mg、0.61mmol、アルドリッチ)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(93mg、0.61mmol、アルドリッチ)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩(117mg、0.61mmol)およびトリエチルアミン(0.23mL、1.7mmol、アルドリッチ)を加えた。反応混合物を80℃で2時間撹拌し、冷却し、飽和NaHCO3(10mL)で反応停止した。水層をEtOAcで抽出した(20mLで3回)。合わせた有機抽出液を無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)インテリフラッシュ280(商標名)(SiO2、0%から100%EtOAc/ヘキサン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物60mg(30%)を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.92(t、J=7.3Hz、3H)、1.33(t、2H)、1.74(t、2H)、3.80(s、3H)、4.10(t、J=7.3Hz、2H)、4.87−5.08(m、J=1.7Hz、4H)、7.13(d、J=8.8Hz、1H)、7.47(dd、J=8.8、3.1Hz、1H)、7.75(d、J=3.1Hz、1H);MS(ESI+)m/z367(M+H)+。C17H19ClN2O3Sの元素分析計算値:C、55.66;H、5.22;N、7.64。実測値:C、55.46;H、5.03;N、7.74。
(実施例18)
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(シクロブチルメチル)−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(シクロブチルメチル)−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例18A
3−(シクロブチルメチル)−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d]チアゾール−2(3H)−イミン
市販のジヒドロフラン−3(2H)−オン(Small Molecules Inc.)、トリエチルアミン、シクロブチルメタンアミン塩酸塩(WO2005075464に記載の方法に従ってシクロブタンカルボニトリルから製造)、チオシアン酸カリウム(アルドリッチ)およびヨウ素(EMD Chemicals)を、実施例17Aに記載の方法を用いて処理して、標題化合物を得た。LC/MS(ESI+)m/z211(M+H)+。
3−(シクロブチルメチル)−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d]チアゾール−2(3H)−イミン
市販のジヒドロフラン−3(2H)−オン(Small Molecules Inc.)、トリエチルアミン、シクロブチルメタンアミン塩酸塩(WO2005075464に記載の方法に従ってシクロブタンカルボニトリルから製造)、チオシアン酸カリウム(アルドリッチ)およびヨウ素(EMD Chemicals)を、実施例17Aに記載の方法を用いて処理して、標題化合物を得た。LC/MS(ESI+)m/z211(M+H)+。
実施例18B
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(シクロブチルメチル)−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例18A、5−クロロ−2−メトキシ−安息香酸(アルドリッチ)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよびトリエチルアミンを、実施例17Bについて記載の方法に従って処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm1.59−1.93(m、4H)、1.90−2.11(m、2H)、2.73−2.89(m、1H)、3.81(s、3H)、4.16(d、J=7.5Hz、2H)、4.88−5.05(m、4H)、7.13(d、J=8.7Hz、1H)、7.48(dd、J=8.7、2.8Hz、1H)、7.73(d、J=2.8Hz、1H);MS(ESI+)m/z379(M+H)+。C18H19ClN2O3Sの元素分析計算値:C、57.06;H、5.05;N、7.39。実測値:C、56.89;H、4.84;N、7.36。
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(シクロブチルメチル)−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例18A、5−クロロ−2−メトキシ−安息香酸(アルドリッチ)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよびトリエチルアミンを、実施例17Bについて記載の方法に従って処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm1.59−1.93(m、4H)、1.90−2.11(m、2H)、2.73−2.89(m、1H)、3.81(s、3H)、4.16(d、J=7.5Hz、2H)、4.88−5.05(m、4H)、7.13(d、J=8.7Hz、1H)、7.48(dd、J=8.7、2.8Hz、1H)、7.73(d、J=2.8Hz、1H);MS(ESI+)m/z379(M+H)+。C18H19ClN2O3Sの元素分析計算値:C、57.06;H、5.05;N、7.39。実測値:C、56.89;H、4.84;N、7.36。
(実施例19)
5−クロロ−N−[(2Z)−3−イソブチル−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
5−クロロ−N−[(2Z)−3−イソブチル−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例19A
3−イソブチル−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d]チアゾール−2(3H)−イミン
市販の2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3(2H)−オン(アルドリッチ)、2−メチルプロパン−1−アミン(アルドリッチ)、チオシアン酸カリウム(アルドリッチ)およびヨウ素(EMD Chemicals)を、実施例17Aに記載の方法を用いて処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z255(M+H)+。
3−イソブチル−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d]チアゾール−2(3H)−イミン
市販の2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3(2H)−オン(アルドリッチ)、2−メチルプロパン−1−アミン(アルドリッチ)、チオシアン酸カリウム(アルドリッチ)およびヨウ素(EMD Chemicals)を、実施例17Aに記載の方法を用いて処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z255(M+H)+。
実施例19B
5−クロロ−N−[(2Z)−3−イソブチル−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例19A、5−クロロ−2−メトキシ−安息香酸(アルドリッチ)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよびトリエチルアミンを、実施例17Bについて記載の方法に従って処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.92(d、J=6.8Hz、6H)、1.48(s、6H)、1.55(s、6H)、2.53−2.68(m、1H)、3.80(s、3H)、3.89(d、J=7.5Hz、2H)、7.13(d、J=8.8Hz、1H)、7.48(dd、J=8.8、3.1Hz、1H)、7.68(d、J=3.1Hz、1H);MS(ESI+)m/z423(M+H)+。C21H27ClN2O3Sの元素分析計算値:C、59.63;H、6.43;N、6.62。実測値:C、59.69;H、6.46;N、6.59。
5−クロロ−N−[(2Z)−3−イソブチル−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例19A、5−クロロ−2−メトキシ−安息香酸(アルドリッチ)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよびトリエチルアミンを、実施例17Bについて記載の方法に従って処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.92(d、J=6.8Hz、6H)、1.48(s、6H)、1.55(s、6H)、2.53−2.68(m、1H)、3.80(s、3H)、3.89(d、J=7.5Hz、2H)、7.13(d、J=8.8Hz、1H)、7.48(dd、J=8.8、3.1Hz、1H)、7.68(d、J=3.1Hz、1H);MS(ESI+)m/z423(M+H)+。C21H27ClN2O3Sの元素分析計算値:C、59.63;H、6.43;N、6.62。実測値:C、59.69;H、6.46;N、6.59。
(実施例20)
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(シクロブチルメチル)−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(シクロブチルメチル)−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例20A
3−(シクロブチルメチル)−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d]チアゾール−2(3H)−イミン
市販の2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3(2H)−オン(アルドリッチ)、トリエチルアミン、シクロブチルメタンアミン塩酸塩(WO2005075464に記載の方法に従ってシクロブタンカルボニトリルから製造)、チオシアン酸カリウム(アルドリッチ)およびヨウ素(EMD Chemicals)を、実施例17Aに記載の方法を用いて処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z267(M+H)+。
3−(シクロブチルメチル)−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d]チアゾール−2(3H)−イミン
市販の2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3(2H)−オン(アルドリッチ)、トリエチルアミン、シクロブチルメタンアミン塩酸塩(WO2005075464に記載の方法に従ってシクロブタンカルボニトリルから製造)、チオシアン酸カリウム(アルドリッチ)およびヨウ素(EMD Chemicals)を、実施例17Aに記載の方法を用いて処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z267(M+H)+。
実施例20B
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(シクロブチルメチル)−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例20A、5−クロロ−2−メトキシ−安息香酸(アルドリッチ)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよびトリエチルアミンを、実施例17Bについて記載の方法に従って処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm1.48(s、6H)、1.55(s、6H)、1.73−1.87(m、2H)、1.89−2.07(m、4H)、2.80−3.00(m、1H)、3.81(s、3H)、4.13(d、J=7.1Hz、2H)、7.13(d、J=8.8Hz、1H)、7.40−7.55(m、1H)、7.70(d、J=2.7Hz、1H);MS(ESI+)m/z435(M+H)+。C22H27ClN2O3Sの元素分析計算値:C、60.75;H、6.26;N、6.44。実測値:C、60.75;H、6.30;N、6.38。
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(シクロブチルメチル)−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例20A、5−クロロ−2−メトキシ−安息香酸(アルドリッチ)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよびトリエチルアミンを、実施例17Bについて記載の方法に従って処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm1.48(s、6H)、1.55(s、6H)、1.73−1.87(m、2H)、1.89−2.07(m、4H)、2.80−3.00(m、1H)、3.81(s、3H)、4.13(d、J=7.1Hz、2H)、7.13(d、J=8.8Hz、1H)、7.40−7.55(m、1H)、7.70(d、J=2.7Hz、1H);MS(ESI+)m/z435(M+H)+。C22H27ClN2O3Sの元素分析計算値:C、60.75;H、6.26;N、6.44。実測値:C、60.75;H、6.30;N、6.38。
(実施例21)
5−クロロ−N−[(2Z)−1−(シクロブチルメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
5−クロロ−N−[(2Z)−1−(シクロブチルメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例21A
(Z)−5−クロロ−N−(6,7−ジヒドロ−1H−ピラノ[4,3−d]チアゾール−2(4H)−イリデン)−2−メトキシベンズアミド
市販の6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[4,3−d]チアゾール−2−アミン(1.73g、11.1mmol、JW−Pharmalab)のテトラヒドロフラン/N,N−ジメチルホルムアミド(5:1、60mL)中溶液に、5−クロロ−2−メトキシ安息香酸(2.27g、12.2mmol、アルドリッチ)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.9g、12.2mmol、アルドリッチ)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩(2.3g、12.2mmol、アルドリッチ)およびトリエチルアミン(4.6mL、33.2mmol)を加えた。60℃で16時間撹拌後、反応混合物を冷却し、EtOAc(50mL)で希釈し、飽和NaHCO3(50mL)で反応停止した。水層をEtOAcで抽出した(50mLで2回)。合わせた有機抽出液をブライン(50mL)で洗浄し、脱水し(Na2SO4)、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)インテリフラッシュ280(商標名)(SiO2、0%から5%メタノール/メチレンクロリド)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製した。MS(ESI+)m/z325(M+H)+。
(Z)−5−クロロ−N−(6,7−ジヒドロ−1H−ピラノ[4,3−d]チアゾール−2(4H)−イリデン)−2−メトキシベンズアミド
市販の6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[4,3−d]チアゾール−2−アミン(1.73g、11.1mmol、JW−Pharmalab)のテトラヒドロフラン/N,N−ジメチルホルムアミド(5:1、60mL)中溶液に、5−クロロ−2−メトキシ安息香酸(2.27g、12.2mmol、アルドリッチ)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.9g、12.2mmol、アルドリッチ)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩(2.3g、12.2mmol、アルドリッチ)およびトリエチルアミン(4.6mL、33.2mmol)を加えた。60℃で16時間撹拌後、反応混合物を冷却し、EtOAc(50mL)で希釈し、飽和NaHCO3(50mL)で反応停止した。水層をEtOAcで抽出した(50mLで2回)。合わせた有機抽出液をブライン(50mL)で洗浄し、脱水し(Na2SO4)、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)インテリフラッシュ280(商標名)(SiO2、0%から5%メタノール/メチレンクロリド)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製した。MS(ESI+)m/z325(M+H)+。
実施例21B
5−クロロ−N−[(2Z)−1−(シクロブチルメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例21A、(ブロモメチル)シクロブタン(アルドリッチ)およびカリウムt−ブトキシドを、実施例2Bについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm1.76−1.91(m、4H)、1.91−2.09(m、2H)、2.68−2.78(m、2H)、2.77−2.89(m、J=7.8Hz、1H)、3.80(s、3H)、3.95(t、J=5.4Hz、2H)、4.21(d、J=7.5Hz、2H)、4.58(s、2H)、7.12(d、J=8.8Hz、1H)、7.46(dd、J=8.8、2.7Hz、1H)、7.71(d、J=3.1Hz、1H);MS(ESI+)m/z393(M+H)+。C19H21ClN2O3Sの元素分析計算値:C、58.08;H、5.39;N、7.13。実測値:C、58.32;H、5.19;N、7.01。
5−クロロ−N−[(2Z)−1−(シクロブチルメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例21A、(ブロモメチル)シクロブタン(アルドリッチ)およびカリウムt−ブトキシドを、実施例2Bについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm1.76−1.91(m、4H)、1.91−2.09(m、2H)、2.68−2.78(m、2H)、2.77−2.89(m、J=7.8Hz、1H)、3.80(s、3H)、3.95(t、J=5.4Hz、2H)、4.21(d、J=7.5Hz、2H)、4.58(s、2H)、7.12(d、J=8.8Hz、1H)、7.46(dd、J=8.8、2.7Hz、1H)、7.71(d、J=3.1Hz、1H);MS(ESI+)m/z393(M+H)+。C19H21ClN2O3Sの元素分析計算値:C、58.08;H、5.39;N、7.13。実測値:C、58.32;H、5.19;N、7.01。
(実施例22)
N−[(2Z)−1−ブチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例21A、1−ブロモブタン(アルドリッチ)およびカリウムt−ブトキシドを、実施例2Bについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.93(t、3H)、1.22−1.46(m、2H)、1.60−1.84(m、2H)、2.75(t、J=5.6Hz、2H)、3.79(s、3H)、3.96(t、J=5.4Hz、2H)、4.12(t、2H)、4.59(s、2H)、7.12(d、J=9.2Hz、1H)、7.46(dd、J=8.8、2.7Hz、1H)、7.73(d、J=3.1Hz、1H);MS(ESI+)m/z381(M+H)+。C18H21ClN2O3Sの元素分析計算値:C、56.76;H、5.56;N、7.35。実測値:C、56.74;H、5.32;N、7.24。
N−[(2Z)−1−ブチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例21A、1−ブロモブタン(アルドリッチ)およびカリウムt−ブトキシドを、実施例2Bについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.93(t、3H)、1.22−1.46(m、2H)、1.60−1.84(m、2H)、2.75(t、J=5.6Hz、2H)、3.79(s、3H)、3.96(t、J=5.4Hz、2H)、4.12(t、2H)、4.59(s、2H)、7.12(d、J=9.2Hz、1H)、7.46(dd、J=8.8、2.7Hz、1H)、7.73(d、J=3.1Hz、1H);MS(ESI+)m/z381(M+H)+。C18H21ClN2O3Sの元素分析計算値:C、56.76;H、5.56;N、7.35。実測値:C、56.74;H、5.32;N、7.24。
(実施例23)
5−クロロ−N−[(2Z)−1−イソブチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
5−クロロ−N−[(2Z)−1−イソブチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例23A
1−イソブチル−6,7−ジヒドロ−1H−ピラノ[4,3−d]チアゾール−2(4H)−イミン
市販のジヒドロ−2H−ピラン−4(3H)−オン(アルドリッチ)、2−メチルプロパン−1−アミン(アルドリッチ)、チオシアン酸カリウム(アルドリッチ)およびヨウ素(EMD Chemicals)を、実施例17Aに記載の方法を用いて処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z213(M+H)+。
1−イソブチル−6,7−ジヒドロ−1H−ピラノ[4,3−d]チアゾール−2(4H)−イミン
市販のジヒドロ−2H−ピラン−4(3H)−オン(アルドリッチ)、2−メチルプロパン−1−アミン(アルドリッチ)、チオシアン酸カリウム(アルドリッチ)およびヨウ素(EMD Chemicals)を、実施例17Aに記載の方法を用いて処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z213(M+H)+。
実施例23B
5−クロロ−N−[(2Z)−1−イソブチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例23A、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンおよび実施例1Dを、実施例1Eについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.90(d、J=6.7Hz、6H)、2.26(d、1H)、2.73(d、2H)、3.79(s、3H)、3.96(t、J=5.9Hz、2H)、3.95(d、J=6.7Hz、2H)、4.60(s、2H)、7.12(d、J=8.7Hz、1H)、7.42−7.53(m、1H)、7.70(d、J=3.2Hz、1H);MS(ESI+)m/z381(M+H)+。C18H21ClN2O3Sの元素分析計算値:C、56.76;H、5.56;N、7.35。実測値:C、56.79;H、5.17;N、7.28。
5−クロロ−N−[(2Z)−1−イソブチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例23A、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンおよび実施例1Dを、実施例1Eについて記載の手順を用いて処理して、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.90(d、J=6.7Hz、6H)、2.26(d、1H)、2.73(d、2H)、3.79(s、3H)、3.96(t、J=5.9Hz、2H)、3.95(d、J=6.7Hz、2H)、4.60(s、2H)、7.12(d、J=8.7Hz、1H)、7.42−7.53(m、1H)、7.70(d、J=3.2Hz、1H);MS(ESI+)m/z381(M+H)+。C18H21ClN2O3Sの元素分析計算値:C、56.76;H、5.56;N、7.35。実測値:C、56.79;H、5.17;N、7.28。
(実施例24)
5−クロロ−N−[(2Z)−1−(3−シアノプロピル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例21Aおよび4−ブロモブタンニトリル(アルドリッチ)を、実施例2Bについて記載の手順を用いて処理して(カリウムt−ブトキシドに代えて水素化ナトリウム使用)、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm1.99−2.19(m、2H)、2.61(t、J=7.1Hz、2H)、2.76(t、J=5.6Hz、2H)、3.80(s、3H)、3.97(t、J=5.4Hz、2H)、4.13−4.27(m、2H)、4.58(s、2H)、7.12(d、J=8.8Hz、1H)、7.45(dd、J=8.8、2.7Hz、1H)、7.71(d、J=3.1Hz、1H);MS(ESI+)m/z392(M+H)+。C18H18N3O3Sの元素分析計算値:C、55.17;H、4.63;N、10.72。実測値:C、54.83;H、4.58;N、10.60。
5−クロロ−N−[(2Z)−1−(3−シアノプロピル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−2−メトキシベンズアミド
実施例21Aおよび4−ブロモブタンニトリル(アルドリッチ)を、実施例2Bについて記載の手順を用いて処理して(カリウムt−ブトキシドに代えて水素化ナトリウム使用)、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm1.99−2.19(m、2H)、2.61(t、J=7.1Hz、2H)、2.76(t、J=5.6Hz、2H)、3.80(s、3H)、3.97(t、J=5.4Hz、2H)、4.13−4.27(m、2H)、4.58(s、2H)、7.12(d、J=8.8Hz、1H)、7.45(dd、J=8.8、2.7Hz、1H)、7.71(d、J=3.1Hz、1H);MS(ESI+)m/z392(M+H)+。C18H18N3O3Sの元素分析計算値:C、55.17;H、4.63;N、10.72。実測値:C、54.83;H、4.58;N、10.60。
(実施例25)
N−[(2Z)−1−ブチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−シアノ−2−メトキシベンズアミド
N−[(2Z)−1−ブチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−シアノ−2−メトキシベンズアミド
実施例25A
5−シアノ−2−メトキシ安息香酸メチル
MeOH(100mL)中の市販の3−ブロモ−4−メトキシベンゾニトリル(10g、47mmol、アルドリッチ)を、メチレンクロリド中のトリエチルアミン(9.1g、12.5mL、90mmol)および[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1.0g)で処理した。混合物を、100℃で、CO下に約0.41MPa(60psi)で4時間にわたり加熱し、濾過し、濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)インテリフラッシュ280(商標名)(SiO2、0%から50%EtOAc/ヘキサン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物8.2g(93%)を得た。1H NMR(500MHz、クロロホルム−d)δppm3.92(s、3H)3.98(s、3H)7.06(d、J=8.54Hz、1H)7.76(dd、J=8.54、2.14Hz、1H)8.10(d、J=2.14Hz、1H)。
5−シアノ−2−メトキシ安息香酸メチル
MeOH(100mL)中の市販の3−ブロモ−4−メトキシベンゾニトリル(10g、47mmol、アルドリッチ)を、メチレンクロリド中のトリエチルアミン(9.1g、12.5mL、90mmol)および[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1.0g)で処理した。混合物を、100℃で、CO下に約0.41MPa(60psi)で4時間にわたり加熱し、濾過し、濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)インテリフラッシュ280(商標名)(SiO2、0%から50%EtOAc/ヘキサン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物8.2g(93%)を得た。1H NMR(500MHz、クロロホルム−d)δppm3.92(s、3H)3.98(s、3H)7.06(d、J=8.54Hz、1H)7.76(dd、J=8.54、2.14Hz、1H)8.10(d、J=2.14Hz、1H)。
実施例25B
5−シアノ−2−メトキシ安息香酸
実施例25A(6.1g、31.9mmol)および水酸化リチウム・1水和物(5.36g、128mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)およびH2O(50mL)中混合物を室温で3時間撹拌した。反応pHを3N HClでpH=3に調節し、混合物をイソプロパノール/CH2Cl2(1:3)で2回抽出した。有機層を合わせ、脱水し(MgSO4)、濾過し、濃縮して、標題化合物5.6g(99%)を得た。1H NMR(500MHz、クロロホルム−d)δppm4.15(s、3H)7.17(d、J=8.85Hz、1H)7.86(dd、J=8.85、2.44Hz、1H)8.47(d、J=2.14Hz、1H)。
5−シアノ−2−メトキシ安息香酸
実施例25A(6.1g、31.9mmol)および水酸化リチウム・1水和物(5.36g、128mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)およびH2O(50mL)中混合物を室温で3時間撹拌した。反応pHを3N HClでpH=3に調節し、混合物をイソプロパノール/CH2Cl2(1:3)で2回抽出した。有機層を合わせ、脱水し(MgSO4)、濾過し、濃縮して、標題化合物5.6g(99%)を得た。1H NMR(500MHz、クロロホルム−d)δppm4.15(s、3H)7.17(d、J=8.85Hz、1H)7.86(dd、J=8.85、2.44Hz、1H)8.47(d、J=2.14Hz、1H)。
実施例25C
(Z)−5−シアノ−N−(6,7−ジヒドロ−1H−ピラノ[4,3−d]チアゾール−2(4H)−イリデン)−2−メトキシベンズアミド
市販の6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[4,3−d]チアゾール−2−アミン(アルドリッチ)、実施例25B、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよびトリエチルアミンを、実施例21Aについて記載の方法に従って処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z316(M+H)+。
(Z)−5−シアノ−N−(6,7−ジヒドロ−1H−ピラノ[4,3−d]チアゾール−2(4H)−イリデン)−2−メトキシベンズアミド
市販の6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[4,3−d]チアゾール−2−アミン(アルドリッチ)、実施例25B、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよびトリエチルアミンを、実施例21Aについて記載の方法に従って処理して、標題化合物を得た。MS(ESI+)m/z316(M+H)+。
実施例25D
N−[(2Z)−1−ブチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−シアノ−2−メトキシベンズアミド
実施例21Aおよび1−ブロモブタン(アルドリッチ)を、実施例2Bについて記載の手順を用いて処理して(カリウムt−ブトキシドに代えて水素化ナトリウムを使用)、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.83−1.05(m、J=14.9Hz、3H)、1.20−1.52(m、2H)、1.63−1.92(m、2H)、2.65−2.85(m、2H)、3.89(s、3H)、3.97(t、J=5.4Hz、2H)、4.06−4.28(m、2H)、4.59(s、2H)、7.28(d、J=8.8Hz、1H)、7.90(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、8.10(d、J=2.4Hz、1H));MS(ESI+)m/z372(M+H)+。C19H21N3O3Sの元素分析計算値:C、61.44;H、5.70;N、11.31。実測値:C、60.90;H、5.56;N、11.07。
N−[(2Z)−1−ブチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−シアノ−2−メトキシベンズアミド
実施例21Aおよび1−ブロモブタン(アルドリッチ)を、実施例2Bについて記載の手順を用いて処理して(カリウムt−ブトキシドに代えて水素化ナトリウムを使用)、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.83−1.05(m、J=14.9Hz、3H)、1.20−1.52(m、2H)、1.63−1.92(m、2H)、2.65−2.85(m、2H)、3.89(s、3H)、3.97(t、J=5.4Hz、2H)、4.06−4.28(m、2H)、4.59(s、2H)、7.28(d、J=8.8Hz、1H)、7.90(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、8.10(d、J=2.4Hz、1H));MS(ESI+)m/z372(M+H)+。C19H21N3O3Sの元素分析計算値:C、61.44;H、5.70;N、11.31。実測値:C、60.90;H、5.56;N、11.07。
(実施例26)
N−[(2Z)−1−ブチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[3,2−d][1,3]チアゾール−2(1H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
N−[(2Z)−1−ブチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[3,2−d][1,3]チアゾール−2(1H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例26A
6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[3,2−d]チアゾール−2−アミン
ジヒドロ−2H−ピラン−3(4H)−オン(0.5g、5.0mmol、Small Molecules Inc)、ピペリジン(0.5mL、5.0mmol、アルドリッチ)およびp−トルエンスルホン酸・1水和物(10mg、0.05mmol)のシクロヘキサン(20mL)中混合物を、ディーン−スタークトラップを用いて6時間還流させた。反応混合物を減圧下に濃縮した。残留物をメタノール(10mL)に溶かした。上記の溶液に、硫黄(0.16g、5.0mmol)およびシアナミド(0.21g、5.0mmol)のメタノール(3mL)中溶液を0℃で加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、減圧下に濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)インテリフラッシュ280(商標名)(SiO2、0%から5%メタノール/メチレンクロリド)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、2種類の位置異性体を含む生成物(6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d]チアゾール−2−アミン(実施例8A)および標題化合物6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[3,2−d]チアゾール−2−アミン(3:1))60mgを得た。MS(ESI+)m/z157(M+H)+。
6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[3,2−d]チアゾール−2−アミン
ジヒドロ−2H−ピラン−3(4H)−オン(0.5g、5.0mmol、Small Molecules Inc)、ピペリジン(0.5mL、5.0mmol、アルドリッチ)およびp−トルエンスルホン酸・1水和物(10mg、0.05mmol)のシクロヘキサン(20mL)中混合物を、ディーン−スタークトラップを用いて6時間還流させた。反応混合物を減圧下に濃縮した。残留物をメタノール(10mL)に溶かした。上記の溶液に、硫黄(0.16g、5.0mmol)およびシアナミド(0.21g、5.0mmol)のメタノール(3mL)中溶液を0℃で加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、減圧下に濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)インテリフラッシュ280(商標名)(SiO2、0%から5%メタノール/メチレンクロリド)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、2種類の位置異性体を含む生成物(6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d]チアゾール−2−アミン(実施例8A)および標題化合物6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[3,2−d]チアゾール−2−アミン(3:1))60mgを得た。MS(ESI+)m/z157(M+H)+。
実施例26B
5−クロロ−N−(6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[3,2−d]チアゾール−2−イル)−2−メトキシベンズアミド
実施例26A(異性体の混合物)(60mg、0.19mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)中溶液に、実施例1D(40mg、0.19mmol)、トリエチルアミン(0.08mL、0.58mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(1mg)を加えた。60℃で14時間撹拌後、反応混合物を冷却し、飽和NaHCO3(10mL)で反応停止した。水層をEtOAcで抽出した(15mLで3回)。合わせた有機抽出液を無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)インテリフラッシュ280(商標名)(SiO2、0%から50%EtOAc/ヘキサン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、5−クロロ−N−(6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d]チアゾール−2−イル)−2−メトキシベンズアミドおよび標題化合物5−クロロ−N−(6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[3,2−d]チアゾール−2−イル)−2−メトキシベンズアミド(3:1)を含む生成物80mgを得た。MS(APCI)m/z325(M+H)+。
5−クロロ−N−(6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[3,2−d]チアゾール−2−イル)−2−メトキシベンズアミド
実施例26A(異性体の混合物)(60mg、0.19mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)中溶液に、実施例1D(40mg、0.19mmol)、トリエチルアミン(0.08mL、0.58mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(1mg)を加えた。60℃で14時間撹拌後、反応混合物を冷却し、飽和NaHCO3(10mL)で反応停止した。水層をEtOAcで抽出した(15mLで3回)。合わせた有機抽出液を無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)インテリフラッシュ280(商標名)(SiO2、0%から50%EtOAc/ヘキサン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、5−クロロ−N−(6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d]チアゾール−2−イル)−2−メトキシベンズアミドおよび標題化合物5−クロロ−N−(6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[3,2−d]チアゾール−2−イル)−2−メトキシベンズアミド(3:1)を含む生成物80mgを得た。MS(APCI)m/z325(M+H)+。
実施例26C
N−[(2Z)−1−ブチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[3,2−d][1,3]チアゾール−2(1H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例26Bからの生成物(混合物)のN,N−ジメチルホルムアミドおよびテトラヒドロフラン(1:4)(10mL)中溶液に、カリウムt−ブトキシド(21mg、0.18mmol)および1−ブロモブタン(25mg、0.18mmol)を加えた。80℃で16時間撹拌後、反応混合物を冷却して室温とし、飽和NaHCO3水溶液(10mL)で反応停止した。水層を酢酸エチルで抽出した(20mLで3回)。合わせた有機抽出液を無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)インテリフラッシュ280(商標名)(SiO2、0%から50%酢酸エチル/メチレンクロリド)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、単一の位置異性体としての標題化合物3mgを得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.94(t、J=7.3Hz、3H)、1.28−1.42(m、2H)、1.73(t、2H)、2.06(t、2H)、2.67(t、J=6.3Hz、2H)、3.79(s、3H)、4.06−4.13(m、2H)、4.18−4.25(m、2H)、7.11(d、J=8.8Hz、1H)、7.45(dd、J=8.8、3.1Hz、1H)、7.71(d、J=3.1Hz、1H);MS(ESI+)m/z381(M+H)+。
N−[(2Z)−1−ブチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[3,2−d][1,3]チアゾール−2(1H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
実施例26Bからの生成物(混合物)のN,N−ジメチルホルムアミドおよびテトラヒドロフラン(1:4)(10mL)中溶液に、カリウムt−ブトキシド(21mg、0.18mmol)および1−ブロモブタン(25mg、0.18mmol)を加えた。80℃で16時間撹拌後、反応混合物を冷却して室温とし、飽和NaHCO3水溶液(10mL)で反応停止した。水層を酢酸エチルで抽出した(20mLで3回)。合わせた有機抽出液を無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、アナロギクス(登録商標)インテリフラッシュ280(商標名)(SiO2、0%から50%酢酸エチル/メチレンクロリド)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、単一の位置異性体としての標題化合物3mgを得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δppm0.94(t、J=7.3Hz、3H)、1.28−1.42(m、2H)、1.73(t、2H)、2.06(t、2H)、2.67(t、J=6.3Hz、2H)、3.79(s、3H)、4.06−4.13(m、2H)、4.18−4.25(m、2H)、7.11(d、J=8.8Hz、1H)、7.45(dd、J=8.8、3.1Hz、1H)、7.71(d、J=3.1Hz、1H);MS(ESI+)m/z381(M+H)+。
Claims (28)
- 下記式(I)の化合物または該化合物の製薬上許容される塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩もしくは組み合わせ
R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、またはフェニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリールおよび複素環からなる群から選択される単環式環であり;前記単環式環のそれぞれは独立に、置換されていないかTによって表される1、2、3、4もしくは5個の置換基で置換されており、各Tは独立にアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、−CN、オキソ、−G1、−NO2、−ORa、−OC(O)Ra、−OC(O)N(Rb)(Rc)、−SRa、−S(O)2Rd、−S(O)2N(Rb)(Rc)、−C(O)Ra、−C(O)ORa、−C(O)N(Rb)(Rc)、−N(Rb)(Rc)、−N(Rb)C(O)Ra、−N(Rb)S(O)2Rd、−N(Rb)C(O)O(Ra)、−N(Rb)C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−NO2、−(CReRf)r−ORa、−(CReRf)r−OC(O)Ra、−(CReRf)r−OC(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−SRa、−(CReRf)r−S(O)2Rd、−(CReRf)r−S(O)2N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−C(O)Ra、−(CReRf)r−C(O)ORa、−(CReRf)r−C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−N(Rb)C(O)Ra、−(CReRf)r−N(Rb)S(O)2Rd、−(CReRf)r−N(Rb)C(O)O(Ra)、−(CReRf)r−N(Rb)C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)rG1、−(CReRf)r−CN、ハロアルキル、−O−(CReCRf)r−C(O)N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)r−C(S)N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)r−S(O)2N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)s−N(Rb)(Rc)、−O−(CReRf)s−N(Rb)C(O)Ra、−O−(CReRf)s−N(Rb)S(O)2Rdおよび−O−(CReCRf)r−CNからなる群から選択され;
隣接する置換基Tの2個が、それらが結合している原子とともに、フェニル、複素環およびヘテロアリールからなる群から選択される単環式環を形成していても良く、各環は独立にアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、−CN、オキソ、−G1、−NO2、−ORa、−OC(O)Ra、−OC(O)N(Rb)(Rc)、−SRa、−S(O)2Rd、−S(O)2N(Rb)(Rc)、−C(O)Ra、−C(O)ORa、−C(O)N(Rb)(Rc)、−N(Rb)(Rc)、−N(Rb)C(O)Ra、−N(Rb)S(O)2Rd、−N(Rb)C(O)O(Ra)、−N(Rb)C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−NO2、−(CReRf)r−ORa、−(CReRf)r−OC(O)Ra、−(CReRf)r−OC(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−SRa、−(CReRf)r−S(O)2Rd、−(CReRf)r−S(O)2N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−C(O)Ra、−(CReRf)r−C(O)ORa、−(CReRf)r−C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−N(Rb)C(O)Ra、−(CReRf)r−N(Rb)S(O)2Rd、−(CReRf)r−N(Rb)C(O)O(Ra)、−(CReRf)r−N(Rb)C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−G1、−(CReRf)r−CNおよびハロアルキルからなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基でさらに置換されていても良く;
R2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、G2、−C(O)Ra、−S(O)2−Rd、−O(G1)、−O−(CReRf)r−G1、−(CReRf)s−O−G1、−(CReRf)s−O−(CReRf)s−G1、−(CReRf)r−C(O)−Ra、−(CReRf)r−SO2−Rd、−(CReRf)s−N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−G2、−(CReRf)r−G3、−(CReRf)s−N(Rb)SO2Rd、−(CReRf)s−N(Rb)CORa、−(CReRf)s−N(Rb)CON(Rb)(Rc)、−(CReRf)s−N(Rb)SO2N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−SO2N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−CN、ハロアルキルまたはハロアルコキシアルキルであり;
R3およびR4は、それらが結合している原子とともに、5から8員の単環式複素環またはスピロ複素環を形成しており;前記単環式複素環は、1個の酸素原子、0もしくは1個の窒素原子および0もしくは1個の別の二重結合を含み;前記単環式複素環の2個の隣接しない原子は、2から4個の炭素原子のアルケニレン架橋によって連結されていても良いか、1から4個の炭素原子のアルキレン架橋によって連結されていても良く、前記アルケニレンもしくは前記アルキレン架橋のメチレン基のうちの1個が、O、S、S(O)、S(O)2、N(H)またはN(アルキル)によって置き換わっていても良く;前記単環式複素環またはスピロ複素環は、置換されていないか独立にオキソ、アルキル、ハロゲン、−OH、−O(アルキル)およびハロアルキルからなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されていることができ;
Ra、RcおよびRc1は各場合でそれぞれ独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、G1または−(CReRf)r−G1であり;
RbおよびRb1は各場合でそれぞれ独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキルまたはハロアルコキシアルキルであり;
Rb1およびRc1は、それらが両方結合している窒素原子とともに、4から7員の単環式複素環を形成していても良く;前記単環式複素環は0もしくは1個の別のヘテロ原子、0もしくは1個の二重結合を含み、ならびに独立にアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシおよびオキソからなる群から選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されていても良く;
Rdは各場合で独立に、アルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、シアノアルキル、G1または−(CReRf)r−G1であり;
ReおよびRfは各場合でそれぞれ独立に、水素、アルキル、ハロゲンまたはハロアルキルであり;
rは各場合で独立に、1、2、3、4、5または6であり;
sは各場合で独立に、2、3、4、5または6であり;
G1は各場合で独立に、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニルまたは複素環であり;
G2は各場合で独立に、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはシクロアルケニルであり;
G3は、1もしくは2個の窒素原子および0もしくは1個の硫黄原子を含む単環式複素環であり;
G1、G2またはG3によって表される前記環はそれぞれ独立に、置換されていないか独立にアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、=N−CN、=N−ORn、−CN、オキソ、−NO2、−ORm、−OC(O)Rm、−OC(O)N(Rm)2、−SRm、−S(O)2R”、−S(O)2N(Rm)2、−C(O)Rm、−C(O)ORm、−C(O)N(Rm)2、−N(Rm)2、−N(Rm)C(O)Rm、−N(Rm)S(O)2Rn、−N(Rm)C(O)O(Rm)、−N(Rm)C(O)N(Rm)2、−(CReRf)r−NO2、−(CReRf)r−ORm、−(CReRf)r−OC(O)Rm、−(CReRf)r−OC(O)N(Rm)2、−(CReRf)r−SRm、−(CReRf)r−S(O)2Rn、−(CReRf)r−S(O)2N(Rm)2、−(CReRf)r−C(O)Rm、−(CReRf)r−C(O)ORm、−(CReRf)r−C(O)N(Rm)2、−(CReRf)r−N(Rm)2、−(CReRf)r−N(Rm)C(O)Rm、−(CReRf)r−N(Rm)S(O)2Rn、−(CReRf)r−N(Rm)C(O)O(Rm)、−(CReRf)r−N(Rm)C(O)N(Rm)2、−(CReRf)r−CNおよびハロアルキルからなる群から選択される1、2、3、4もしくは5個の置換基で置換されており;
Rmは各場合で独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキルまたはハロアルコキシアルキルであり;2個のRmが同一の窒素原子に結合している場合、4から7員の単環式複素環を形成していても良く;前記単環式複素環は、0もしくは1個の別のヘテロ原子、0もしくは1個の二重結合を含み、ならびに独立にアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシおよびオキソからなる群から選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されていても良く;ならびに
Rnは各場合で独立に、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシアルキルまたはシアノアルキルである。]。 - R1がフェニルであり、該フェニルは、独立に置換されていないかTによって表される1、2、3、4もしくは5個の置換基によって置換されており、各Tが独立にアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、−CN、オキソ、−G1、−NO2、−ORa、−OC(O)Ra、−OC(O)N(Rb)(Rc)、−SRa、−S(O)2Rd、−S(O)2N(Rb)(Rc)、−C(O)Ra、−C(O)ORa、−C(O)N(Rb)(Rc)、−N(Rb)(Rc)、−N(Rb)C(O)Ra、−N(Rb)S(O)2Rd、−N(Rb)C(O)O(Ra)、−N(Rb)C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−NO2、−(CReRf)r−ORa、−(CReRf)r−OC(O)Ra、−(CReRf)r−OC(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−SRa、−(CReRf)r−S(O)2Rd、−(CReRf)r−S(O)2N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−C(O)Ra、−(CReRf)r−C(O)ORa、−(CReRf)r−C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−N(Rb)C(O)Ra、−(CReRf)r−N(Rb)S(O)2Rd、−(CReRf)r−N(Rb)C(O)O(Ra)、−(CReRf)r−N(Rb)C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−G1、−(CReRf)r−CN、ハロアルキル、−O−(CReCRf)r−C(O)N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)r−C(S)N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)r−S(O)2N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)s−N(Rb)(Rc)、−O−(CReRf)s−N(Rb)C(O)Ra、−O−(CReRf)s−N(Rb)S(O)2Rdおよび−O−(CReCRf)r−CNからなる群から選択される請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
- R3およびR4がそれらが結合している原子とともに5員単環式複素環を形成している請求項2の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
- 5員単環式複素環が、1個の酸素原子、0個の窒素原子、0個の別の二重結合を含み、アルケニレンおよびアルキレン架橋は持たず、ならびに置換されていないか1、2、3もしくは4個のC1−C4アルキル基で置換されている請求項3の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
- R2がC3−C7アルキルまたは−(CH2)−G2であり;ならびに
G2がC3−C6シクロアルキルである
請求項4の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。 - R2が−(CH2)−G2であり、ならびにG2がアリールである請求項4の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
- 5員単環式複素環が、1個の酸素原子、0個の窒素原子、0個の別の二重結合を含み、アルケニレンおよびアルキレン架橋は持たず、ならびに1個のオキソ基および0、1もしくは2個のC1−C4アルキル基で置換されている請求項3に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
- R2がC3−C7アルキルである請求項7に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
- R2が−(CH2)−G2であり、ならびにG2がC3−C6シクロアルキルである請求項7に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
- R3およびR4がそれらが結合している原子とともにスピロ複素環を形成している請求項2に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
- R3およびR4がそれらが結合している原子とともに6員単環式複素環を形成している請求項2に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
- 6員単環式複素環が、1個の酸素原子、0個の窒素原子、0個の別の二重結合を含み、アルケニレンおよびアルキレン架橋は持たず、ならびに置換されていないか独立にアルキルおよび−OHからなる群から選択される1、2、3もしくは4個の置換基で置換されている請求項11に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
- R2がC3−C7アルキルまたは−(CH2)−G2であり;ならびに
G2がC3−C6シクロアルキルである
請求項12に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。 - R2が−(CReRf)r−CNであり;
ReおよびRfがそれぞれ独立に、水素またはメチルであり;ならびに
rが2、3もしくは4である
請求項12に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。 - 6員単環式複素環が、1個の酸素原子、0個の窒素原子、0個の別の二重結合を含み、アルケニレンおよびアルキレン架橋は持たず、ならびに1個のオキソ基で置換されている請求項11に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
- R2がC3−C7アルキルまたは−(CH2)−G2であり;ならびに
G2がC3−C6シクロアルキルである
請求項15に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。 - R3およびR4がそれらが結合している原子とともに6員単環式複素環を形成しており、前記単環式複素環の2個の隣接しない原子が2個の炭素原子のアルケニレン架橋によって連結されているか、2個の炭素原子のアルキレン架橋によって連結されている請求項2に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
- R2がC3−C7アルキルまたは−(CH2)−G2であり;ならびに
G2がC3−C6シクロアルキルである
請求項17に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。 - N−[(2Z)−3−ブチル−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド、
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(2,4−ジフルオロベンジル)−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド、
N−[(2Z)−1−ブチル−4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド、
5−クロロ−N−[(2Z)−1−(シクロブチルメチル)−4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−2−メトキシベンズアミド、
N−[(2Z)−3−ブチル−6,6−ジメチル−4−オキソ−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド、
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(シクロブチルメチル)−6,6−ジメチル−4−オキソ−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド、
N−[(2′Z)−3′−ブチル−4′−オキソ−4′H−スピロ[シクロブタン−1,6′−フロ[3,4−d][1,3]チアゾール]−2′(3′H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド、
N−[(2Z)−3−ブチル−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド、
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(シクロブチルメチル)−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド、
N−[(2Z)−3−ブチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド、
N−[(2Z)−3−ブチル−7,7−ジメチル−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド、
N−[(2Z)−3−ブチル−3,4,7,8−テトラヒドロ−2H−4,7−エポキシシクロヘプタ[d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド、
N−[(2Z)−3−ブチル−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−4,7−エポキシシクロヘプタ[d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド、
5−クロロ−N−[(2Z)−1−イソブチル−4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−2−メトキシベンズアミド、
N−[(2Z)−3−ブチル−7−ヒドロキシ−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド、
N−[(2Z)−3−ブチル−7−ヒドロキシ−7−メチル−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド、
N−[(2Z)−3−ブチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド、
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(シクロブチルメチル)−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド、
5−クロロ−N−[(2Z)−3−イソブチル−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド、
5−クロロ−N−[(2Z)−3−(シクロブチルメチル)−4,4,6,6−テトラメチル−4,6−ジヒドロフロ[3,4−d][1,3]チアゾール−2(3H)−イリデン]−2−メトキシベンズアミド、
5−クロロ−N−[(2Z)−1−(シクロブチルメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−2−メトキシベンズアミド、
N−[(2Z)−1−ブチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド、
5−クロロ−N−[(2Z)−1−イソブチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−2−メトキシベンズアミド、
5−クロロ−N−[(2Z)−1−(3−シアノプロピル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−2−メトキシベンズアミド、
N−[(2Z)−1−ブチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラノ[4,3−d][1,3]チアゾール−2−イリデン]−5−シアノ−2−メトキシベンズアミドおよび
N−[(2Z)−1−ブチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[3,2−d][1,3]チアゾール−2(1H)−イリデン]−5−クロロ−2−メトキシベンズアミド
からなる群から選択される請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。 - R1が、Tによって表される1、2、3、4もしくは5個の置換基によって置換されたフェニルであり、各Tが独立に−C(O)Ra、−C(O)ORa、−C(O)N(Rb)(Rc)、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、−CN、−G1、−ORa、−N(Rb)(Rc)、−N(Rb)C(O)Ra、−N(Rb)S(O)2Rd、−N(Rb)C(O)N(Rb)(Rc)、−O−(CReCRf)r−C(O)N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)r−C(S)N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)r−S(O)2N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)s−N(Rb)(Rc)、−O−(CReRf)s−N(Rb)C(O)Ra、−O−(CReRf)s−N(Rb)S(O)2Rd、−O−(CReCRf)r−CNおよびハロアルキルからなる群から選択され;
R2が、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(CReRf)s−O−G1、−(CReRf)s−O−(CReRf)r−G1、−(CReRf)r−C(O)−Ra、−(CReRf)r−SO2−Rd、−(CReRf)s−N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−G2、−(CReRf)r−G3、−(CReRf)s−N(Rb)SO2Rd、−(CReRf)s−N(Rb)CORa、−(CReRf)s−N(Rb)CON(Rb)(Rc)、−(CReRf)s−N(Rb)SO2N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−SO2N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−C(O)N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−CN、ハロアルキルまたはハロアルコキシアルキルであり;
G1が、ヘテロアリール、複素環またはシクロアルキルであり;
G1、G2またはG3によって表される環が、それぞれ独立に置換されていないか独立にアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、=N−CN、=N−ORn、−CN、オキソ、−NO2、−ORm、−OC(O)Rm、−OC(O)N(Rm)2、−SRm、−S(O)2Rn、−S(O)2N(Rm)2、−C(O)Rm、−C(O)ORm、−C(O)N(Rm)2、−N(Rm)2、−N(Rm)C(O)Rm、−N(Rm)S(O)2Rn、−N(Rm)C(O)O(Rm)、−N(Rm)C(O)N(Rm)2、ハロアルキルおよび−(CReRf)r−O(ハロアルキル)からなる群から選択される1、2、3、4もしくは5個の置換基で置換されており;
rが1、2、3または4であり;ならびに
sが2、3または4である
式(II)もしくは式(III)を有する請求項20に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。 - 下記式(IV)もしくは(V)を有する請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩
X1はCH2であり、X2はOであり、ならびにpは1もしくは2であり;または
X1はCH2CH2であり、X2はOであり、ならびにpは1であり;または
X1はOであり、X2はCH2であり、ならびにpは2であり;
qは0、1、2、3もしくは4であり;
−−−−は単結合または二重結合であり;
Rxは、オキソ、アルキル、ハロゲン、−OH、−O(アルキル)およびハロアルキルからなる群から選択される任意選択の置換基であり;
T1は、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ハロゲン、−CN、−ORa、−O−(CReCRf)r−C(O)N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)r−S(O)2N(Rb1)(Rc1)、−O−(CReCRf)s−N(Rb)(Rc)、−O−(CReCRf)r−CNまたはC1−4ハロアルキルであり;
T2は、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ハロゲン、−CNまたはC1−C4ハロアルキルであり;
R2は、C3−C7アルキル、C3−C7アルケニル、C3−C7アルキニル、−(CReRf)s−O−G1、−(CReRf)s−O−(CReRf)r−G1、−(CReRf)r−C(O)−Ra、−(CReRf)s−N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−G2、−(CReRf)r−G3、−(CReRf)s−N(Rb)SO2Rd、−(CReRf)r−SO2N(Rb)(Rc)、−(CReRf)r−CNまたはC3−C7ハロアルキルであり;
RaおよびRcはそれぞれ独立に、水素、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、G1または−(CReRf)r−G1であり;
Rbは、水素、C1−C4アルキル、C3−C6シクロアルキル、C1−C4ハロアルキルまたはメトキシエチルであり;
Rb1は、水素、C1−C4アルキル、C3−C6シクロアルキル、C1−C4ハロアルキルまたはメトキシエチルであり;
Rc1は、水素、C1−C4アルキル、C3−C6シクロアルキルまたはC1−C4ハロアルキルであり;
Rb1およびRc1が、それら両方が結合している窒素原子とともに、4から7員単環式複素環を形成していても良く;前記単環式複素環は0もしくは1個の別のヘテロ原子、0もしくは1個の二重結合を含み、ならびに独立にアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシおよびオキソからなる群から選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されていても良く;
Rdは各場合で独立に、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、アルコキシアルキル、シアノアルキル、G1または−(CReRf)r−G1であり;
ReおよびRfはそれぞれ独立に水素またはメチルであり;
G1は、単環式ヘテロアリール、単環式複素環または単環式シクロアルキルであり;
G2は、単環式ヘテロアリールまたは単環式シクロアルキルであり;
G3は、請求項1で定義の通りであり;
G1、G2またはG3によって表される環はそれぞれ独立に、置換されていないか独立にC1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ハロゲン、=N−CN、=N−ORn、−CN、オキソ、−NO2、−ORm、−OC(O)Rm、−OC(O)N(Rm)2、−SRm、−S(O)2Rn、−S(O)2N(Rm)2、−C(O)Rm、−C(O)ORm、−C(O)N(Rm)2、−N(Rm)2、−N(Rm)C(O)Rm、−N(Rm)S(O)2Rn、−N(Rm)C(O)O(Rm)、−N(Rm)C(O)N(Rm)2および−(CReRf)r−O(ハロアルキル)からなる群から選択される1、2、3、4もしくは5個の置換基で置換されており;
Rmは各場合で独立に、水素、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、アルコキシアルキル、C3−C6シクロアルキルまたはハロアルコキシアルキルであり;2個のRmが同一の窒素原子に結合している場合4から7員の単環式複素環を形成していても良く;前記単環式複素環は0もしくは1個の別のヘテロ原子、0もしくは1個の二重結合を含み、ならびに独立にアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシおよびオキソからなる群から選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されていても良く;
Rnは各場合で独立に、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C3−C6シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシアルキルまたはシアノアルキルであり;
rは1、2、3または4であり;ならびに
sは2、3または4である。]。 - T1が、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ハロゲン、−CN、−ORa、−O−(CH2)r−C(O)N(Rb1)(Rc1)、−O−(CH2)s−N(Rb)(Rc)、−O−(CH2)r−CNまたはC1−C4ハロアルキルであり;
R2が、C3−C7アルキル、C3−C7アルケニル、C3−C7アルキニル、−(CH2)s−O−G1、−(CH2)s−O−(CH2)rG1、−(CH2)r−G2、−(CH2)r−G3、−(CH2)s−N(Rb)SO2Rd、−(CH2)r−SO2N(Rb)(Rc)、−(CH2)r−CNまたはC3−C7ハロアルキルであり;
RaおよびRcがそれぞれ独立に、水素、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、G1または−(CH2)r−G1であり;
Rbが、水素、C1−C4アルキル、C3−C6シクロアルキルまたはメトキシエチルであり;
Rb1が、水素、C1−C4アルキル、C3−C6シクロアルキルまたはメトキシエチルであり;
Rc1が、水素、C1−C4アルキルまたはC3−C6シクロアルキルであり;
Rdが各場合で独立に、C1−C4アルキル、G1または−(CReRf)r−G1であり;
G1が、単環式ヘテロアリール、単環式複素環またはC3−C6シクロアルキルであり;
G2が、単環式ヘテロアリールまたはC3−C6シクロアルキルであり;
G1、G2またはG3によって表される環がそれぞれ独立に、置換されていないか独立にC1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ハロゲン、−CN、オキソ、−ORm、−S(O)2Rn、−S(O)2N(Rm)2、−C(O)Rm、−C(O)N(Rm)2、−N(Rm)2、−N(Rm)C(O)Rm、−N(Rm)S(O)2Rn、−N(Rm)C(O)N(Rm)2および−(CReRf)r−O(ハロアルキル)からなる群から選択される1、2、3、4もしくは5個の置換基で置換されており;
Rmが各場合で独立に、水素、C1−C4アルキルまたはC3−C6シクロアルキルであり;ならびに
Rnが各場合で独立に、C1−C4アルキルまたはC3−C6シクロアルキルである
式(IV)もしくは(V)を有する請求項22に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。 - Rxが、オキソ、メチルおよび−OHからなる群から選択され;
T1が、−ORaであり;
T2が、ハロゲン、−CNまたはトリフルオロメチルであり;
R2が、n−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、−(CH2)−G2、−(CH2)2−CN、−(CH2)3−CNまたは−(CH2)4−CNであり;
Raが、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルまたは2−フルオロエチルであり;ならびに
G2が、シクロプロピル、シクロブチルまたはシクロペンチルである
式(IV)もしくは(V)を有する請求項22に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。 - 製薬上許容される担体と組み合わせて、治療上有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物または該化合物の製薬上許容される塩を含む医薬組成物。
- 哺乳動物に対して、治療上有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物または該化合物の製薬上許容される塩を投与する段階を含む、処置を必要とする哺乳動物での神経因性疼痛、侵害受容性疼痛または炎症性疼痛の治療方法。
- 哺乳動物に対して、治療上有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物または該化合物の製薬上許容される塩を投与する段階を含む、処置を必要とする哺乳動物での炎症性障害、免疫障害、神経障害、免疫系の癌、呼吸器障害および心血管障害からなる群から選択される障害の治療方法。
- 哺乳動物に対して、治療上有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物または該化合物の製薬上許容される塩を投与する段階を含む、処置を必要とする哺乳動物で神経保護を提供する方法。
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