JP2009016396A - 波長走査型ファイバレーザ光源 - Google Patents

波長走査型ファイバレーザ光源 Download PDF

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Abstract

【課題】狭帯域のスペクトルを持つ光源の波長を広い帯域で高速、且つ連続的に走査でき、しかも、必要とする光アイソレータの数を削減し、光アイソレータにおける光損失によるノイズの上昇を小さくした波長走査型のレーザ光源を提供する。
【解決手段】近接したFSR(Free spectral range)を有する2台のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11A,11Bと発振波長に利得を有する光増幅器12と出力光を取り出すための光学カップ等14とを光ファイバ接続して構成したレーザ発振の光路と、一方のファブリペロー共振器の共振器長を一定範囲で周期的に変化させる共振器長制御部15とを備え、電気光学結晶を内在するファブリペロー共振器を共焦点となるように各凹面鏡の曲率を設定した共焦点のファブリペロー電気光学変調器からなり、上記共振器長制御部15により与えられる周期的な走査信号により通過する光を光変調する。
【選択図】図1

Description

本発明は、単光性の光を発生してその発光波長を周期的に走査する波長走査型ファイバレーザ光源に関する。
従来、光を測定対象に照射し測定対象を分析する分析装置の光源として、広帯域の光源が用いられている。分光分析では広帯域の光を測定対象に投光し、その反射光や透過光を回折格子等で波長成分に空間的に分解したり、干渉計で周波数成分にフーリエ変換して分析する手法が広く用いられている。このような光源としては、例えば白色光源やエルビウムドープドファイバ(EDF)を用いたASE光源等があった。しかしこのような分光分析では、波長に対する光出力強度密度が低いため、分光において利用できる光のレベルが小さい。そのためフーリエ変換の分析をしても検出光信号がノイズに埋もれてしまい、分析が難しいという欠点があった。
分析装置の光源として、強いレベルの単一スペクトルの光を所望の帯域で変化させる波長可変型の光源を用いる方法もある。これは単光性の強い光の波長を変化させて測定対象に照射し、測定対象を透過したり、又は反射する光をそのまま受光素子で受光するものである。この方法では、光源の波長に対する光強度密度が高いので、検出光のレベルと信号対ノイズ比が十分に高く、十分な測定精度を実現できる。
従来の波長可変型の光源には外部共振器型レーザやファイバーリングレーザー、レーザ素子内に波長可変機構を設けたタイプがある。外部共振器型レーザは、ゲイン媒質、例えば半導体レーザを用い、その半導体レーザの一方の端面と外部のミラーとの間で外部共振器を形成し、外部共振器の中に回折格子等による波長可変フィルタを設けることによって発振波長を変化させ、波長可変型の光源を得るようにしたものである。
外部共振器型レーザ光源では、外部共振器長は例えば50mmと比較的小さく、縦モード間隔は例えば3GHzとなる。従って単に波長可変フィルタの波長を変えただけでは、縦モードの間で不安定になる。例えばモード間では不連続なモードホップが生じたり、マルチモードで発振することもある。そのため単一モードで連続的に波長を可変し、しかも出力を安定とするためには、外部共振器長をピエゾ素子等を用いて微妙に制御しなければならず、複雑な制御が必要となる。また、機械的な動作を伴い、波長と外部共振器長とを同期させて制御するため、高速で波長を変化させることが難しいという欠点があった。
従来より、狭帯域のスペクトルを持つ光源の波長を広い帯域で高速、且つ連続的に走査できるようにした波長走査型のファイバレーザ光源として、光ファイバーループに発振波長にゲインを有するゲイン媒体と光サーキュレータを設け、光サーキュレータで取り出された光をコリメートレンズで拡大し、その光軸上に設けたポリゴンミラーを回転させ、ポリゴンミラーで反射された光の受光位置に入射光と同一方向に光を反射するリトロー構成とした回折格子を設けた構成の波長走査型ファイバレーザ光源が提案されている。この波長走査型ファイバレーザ光源では、回折格子への入射角度によって選択波長が変化し、2回の入射により選択度が増すので、高速でポリゴンミラーを回転させて選択波長を変化させても、狭帯域のままで発振波長を変化させることができる(例えば、特許文献1参照)。
また、従来より、エルビウムドープドファイバを用いたリングレーザによる波長可変光源も提案されている。この波長可変光源1000は、例えば図23に示すように、エルビウムドープドファイバ(EDF)をゲイン媒体とするファイバアンプ1112を用い、その光ファイバーループ1113内に波長可変型のバンドパスフィルタ1114を設けて、このバンドパスフィルタ1114の波長を変化させることによって、光ファイバーループ1113に接続した光カップラ1115を介して取り出されるレーザ光の波長を可変するようにしたものである。この場合には光ファイバーループ1113の共振器長を例えば30mと長くできるため、縦モード間隔を狭くすることができる。そのため共振器長を変化させることなく、モードホップの影響をなくすることができる。従って厳密には単一モード発振ではないが、バンドパスフィルタ1114の選択波長を変化させるだけで、擬似的に連続して波長可変を行うことができる(例えば、非特許文献1参照)。
さらに、レーザ素子内に波長可変機構を設けたタイプでは、利得を生み出す活性領域と、回折格子による反射を生み出すDBR領域とが、同一レーザ素子内に形成されたDBR−LD(Distributed Bragg reflector laser diode)が提案されている。このDBR−LDの波長可変範囲は、最高でも10nm程度である。また、利得を生み出す活性領域とこれを前方と後方で挟むDBR領域とが同一レーザ素子内に形成された、不均一回折格子を用いたDBR−LDが提案されている。前方と後方のDBR領域は、不均一回折格子によって多数の反射ピークが発生し、かつ反射ピークの間隔が前方と後方で僅かにずれている。この構造によっていわゆる「バーニア効果」が得られるので、極めて広い波長可変が可能となる。この不均一回折格子を用いたDBR−LDでは、100nmを越える波長可変動作が実現されている。この不均一回折格子を用いたDBR−LDでは、100nmを越える波長可変動作及び40nmの準連続波長可変動作が実現されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−237359号公報 特開2006−278770号公報 YAMASHITA ET AL., IEEE JOURAL ON SELECTED TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS, VOL.7, NO.1 JANUARY/FEBRUARY 2001, PP41〜43
ところで、波長可変光源を分析装置の光源として用いる場合には、高速で波長を変化させること、及び発振スペクトルの幅を狭くすることが必要であり、これに応じた特性がバンドパスフィルタにも要求される。例えば光コヒーレンストモグラフィ(OCT)において、高速の波長走査が利用可能になると、高速の画像処理、血流観測、酸素飽和濃度の変化等の動的な解析が可能となるので、このような装置が要求されている。
上記特許文献1の開示技術を採用した製品として、例えば、santec株式会社より、最高20kHzのスキャンレートで波長を繰り返し走査することのできる波長スキャニングレーザー光源HSL−2000が提供されている。しかし現状では、波長走査の周期として20kHzが実用化になっているに過ぎない。
これでは光コヒーレンストモグラフィ(OCT)により立体画像を得るのに数秒の時間を必要としてしまう。
また、上記特許文献2に記載されているように、DBR−LDでは、DBR領域にキャリア注入を行うことにより、この部分での屈折率を変化させて、波長可変動作を実現している。このため、電流注入により結晶欠陥が増殖すると、電流注入に対する屈折率変化の割合が著しく変動するので、長期に渡り安定な波長でのレーザ発振を維持することが難しい。更に、現状の化合物半導体のプロセス技術では、2インチ以上のインチアップは不可能である。そのため、複雑化してサイズの大きくなったレーザ素子では、現状以上の価格低減が難しい。だからといって1mm以下の小型な素子だと縦モード間隔が大きく、例えば100GHzであり、高速で波長を変化させるような単に波長可変フィルタの波長を変えただけだと縦モード間隔ごとのとびとびの波長可変動作となる。このような大きなとびとびの波長可変動作は光コヒーレンストモグラフィへの応用としては大きすぎる。さらに単に波長可変フィルタの波長を変えただけでは、縦モードの間で不安定になる。例えばモード間では不連続なモードホップが生じたり、マルチモードで発振することもある。
さらに、上記特許文献2の開示技術では、リング型の光共振器で複数の光共振器を波長フィルタに採用した構成であり、バーニア効果によって波長可変が可能であるが、ヒータによる波長可変であり、高速走査に適していない。また同じ基板上にある複数のリング型の光共振器の共振器長をそれぞれ調整することが難しい。またリング型の光共振器を含むレーザ全体の長さが短いので単に波長可変フィルタの波長を変えただけでは、縦モードの間で不安定になる。例えばモード間では不連続なモードホップが生じたり、マルチモードで発振することもある。
そこで、本件出願人は、狭帯域のスペクトルを持つ光源の波長を広い帯域で高速、且つ連続的に走査できるようにした波長走査型のレーザ光源として、例えば、図24に基本的な構成を示すように、レーザ発振の光路となる光ファイバーループ1011と、上記光ファイバーループ1011内に設けられ、発振する波長に利得を有する光増幅器1012と、上記光ファイバーループ1011内に設けられ、近接したFSR(Free spectral range)を有する2台のファブリペロー共振器1013A,1013Bと、上記光ファイバーループ1011に接続され、当該光ファイバーループ1011を通過する光の一部を取り出す光学カップラ1014と、上記近接したFSRを有する2台のファブリペロー共振器1013A,1013Bの内の少なくとも一方、ここではファブリペロー共振器1013Aの共振器長を一定範囲で周期的に変化させる共振器長制御部1015とを備えてなる波長走査型ファイバレーザ光源1000を特願2007−18168として先に提案している。
なお、レーザ発振の光路となる光ファイバーループ1011を通過する光の偏光の状態を決定するために偏光子がループ内に挿入される。
この波長走査型ファイバレーザ光源1000において、近接したFSRを有する2台のファブリペロー共振器1013A,1013Bは、それぞれ波長選択フィルタとして機能する。そして、上記2台のファブリペロー共振器1013A,1013Bの内の少なくとも一方、ここではファブリペロー共振器1013Aは、共振器長を可変することにより選択波長を可変することができるようになっている。
そして、上記近接したFSRを有する2台のファブリペロー共振器1013A,1013Bは、一方のファブリペロー共振器1013Aの共振器長を可変することにより、そのバーニア効果により選択波長を可変することのできる狭帯域の波長選択特性を有するバンドパスフィルタとして機能する。
この波長走査型ファイバレーザ光源1000では、光ファイバーループ1011内に設けられた上記近接したFSRを有する2台のファブリペロー共振器1013A,1013Bによるバンドパスフィルタを通過した光が発振波長に利得を有する光増幅器1012で増幅され、上記光ファイバーループ1011を介して帰還されることによって発振する。そして、この波長走査型ファイバレーザ光源1000では、上記ファブリペロー共振器1013Aの共振器長を共振器長制御部1015により一定範囲で周期的に変化させることによって、発振波長が周期的に変化し、光学カップラ1014を介して取り出されるレーザ光の波長が周期的に変化するようになっている。
なお、上記光ファイバーループ1011からレーザ光を取り出す光学カップラ14は、光増幅器1012の後に設けられているが、光増幅器1012の前、あるいは、2台のファブリペロー共振器1013A,1013Bの間に設けられていてもよい。
このような構成の波長走査型ファイバレーザ光源100では、光ファイバーループ1011の共振器長を長くすることができ、光ファイバーループ1011の共振器長を例えば1000mとすることにより、レーザ全体の縦モード間隔を例えば200kHz程度に狭くすることができる。これにより、上記レーザ全体の縦モード間隔は各ファブリペロー共振器1013A,1013Bの一つ一つのモードの帯域幅(FSR/フィネス、例えば2.5GHz/50=50MHz)よりも十分狭くできるので、そのため共振器長を変化させることなく、モードホップの影響をなくすることができる。従って厳密には単一モード発振ではないが、バンドパスフィルタの選択波長を変化させるだけで、擬似的に連続して波長可変を行うことができる。
ここで、通常の光共振器の透過スペクトルを図25の(A),(B)に示す。横軸は光の周波数であり、FSR=1として規格化して、100×FSRの範囲をしめしている。FSR毎の100本のモードが見て取れる。なお、図25の(B)は、図25の(A)の拡大図である。
図26の(A)〜(G)は、FSRが1%異なる光共振器を2台縦列接続した場合の透過スペクトルを示している。それぞれの横軸は図25の(A)と同じであるが、2台の光共振器のそれぞれのモード間隔が異なるためにバーニア効果を起こして、FSRが小さなモードで構成させるスペクトルの包絡線はFSRが大きな光共振器と同等になる。1%のFSRの違いはモアレ縞の包絡線のFSRを100倍にする。また、共振器長を波長程度変えると、ピークがモアレ縞の包絡線のFSRだけ変化することがわかる。なお、図26の一部の拡大図を図27に示す。
したがって、FSRの小さい光共振器を用いたとしても2台の光共振器のスペクトルのバーニア現象を利用すれば、モアレ縞の包絡線のFSRは、2台の光共振器のFSRの違いに反比例して、大きくなる。
すなわち、FSRの小さい光共振器を用いたとしても2台の光共振器のスペクトルのバーニア現象を利用することにより、波長可変レーザ光源を構成することができる。
この場合、2台の光共振器のFSRに相当する間隔でレーザの波長はFSR(例えば2.5GHz)ごとのとびとびになるが、光CT等の応用の場合、深さ方向の測定範囲がc/FSR(約10cm)よりも十分狭い範囲であれば擬似的に連続して波長可変と見なすことができる。
また、光共振器にLN(LiNbO)等の電気的に屈折率可変な材料で構築したファブリペロー共振器に電極を付けた構造のファブリペロー電気光学変調器(または 光コム発生器)と呼ばれる変調器を用いることで電気光学効果により波長可変が行える。電気的な変調であるのでリニアリティーや再現性も優れている。
そこで、上記波長走査型ファイバレーザ光源1000における共振器長が可変されるファブリペロー共振器1013Aには、ファブリペロー電気光学変調器が用いられる。そして、ファブリペロー電気光学変調器に上記共振器長制御部1015により鋸歯状波等の周期的な信号を与えて光変調することで、上記波長走査型ファイバレーザ光源1000の発振波長を高精度に且つ高速に走査することができる。
上記2台のファブリペロー共振器1013A,1013Bにファブリペロー電気光学変調器1013A’,1013B’を用いた波長走査型ファイバレーザ光源1000の実際の構成例を図28に示す。
現在市販されているファブリペロー電気光学変調器は反射があるので、図28に示す波長走査型ファイバレーザ光源1000では、アイソレータ1017A,1017B,1017C,1017Dを挿入している。また、遅延線1018を挿入している。例えば遅延線は1kmのファイバである。これにより光ファイバーループ1011を光が一周する時間は5μsとなるので、200kHzの周期でのモード間隔になる。この波長走査型ファイバレーザ光源1000全体の系は偏波保存で構築され、レーザ発振の光路となる光ファイバーループ1011を通過する光の偏光の状態を決定するために偏光子1019が光増幅器1012とアイソレータ1017Cと間に挿入されている。なお、遅延にはファラデーミラーとSMファイバとPBSカップラを用いても可能である。走査周波数はこの200kHzの整数倍で可能になる。
ここで、上記波長走査型ファイバレーザ光源1000における光増幅器1012、ファブリペロー共振器1013A’,1013B’、光カップラ1014として、波長1.5μm帯用の、光ファイバアンプEFDA、2台のコム発生器モジュールOFCG1,OFCG2、光カップラPCを使用して、図29に示すファイバーリングレーザーを構成し、コム発生器モジュールOFCG1へのバイアス電圧による波長可変特性を測定したところ、高速波長走査可能な走査型レーザ光源として機能しており、図30に示すような結果が得られた。
しかしながら、上述の如き構成の波長走査型ファイバレーザ光源2000では、2台の導波路型ファブリペロー電気光学変調器2013A’,2013B’を必要とし、各導波路型ファブリペロー電気光学変調器2013A’,2013B’の入出力に光アイソレータ1017A,1017B,1017Cを設けて、反射光の影響を防止しなければならず、また、光アイソレータにおける光損失により、ノイズが大きくなってしまうという問題点があった。
また、光アイソレータが機能を発揮する帯域の問題があった。すなわち、アイソレーションが有効に働く帯域に制限があるため、より広い波長範囲で波長可変を行うとき、アイソレーションが劣化した帯域で光コムから反射があると干渉が起こってノイズが大きくなってしまう、あるいは波長が正確に可変できなくなってしまう。
そこで、本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、狭帯域のスペクトルを持つ光源の波長を広い帯域で高速、且つ連続的に走査でき、しかも、必要とする光アイソレータの数を削減し、光アイソレータにおけるノイズの上昇を小さくした波長走査型のレーザ光源を提供することを目的とする。
本発明の更に他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下に説明される実施の形態の説明から一層明らかにされる。
本発明に係る波長走査型ファイバレーザ光源は、互いに近接したFSR(Free spectral range)を有する空間のファブリペロー共振器に電気光学結晶を内在させてなる2台のファブリペロー電気光学変調器と発振波長に利得を有する光増幅器と出力光を取り出すための光学素子とを光ファイバ接続して構成したレーザ発振の光路と、上記近接したFSRを有する2台のファブリペロー共振器の内の少なくとも一方のファブリペロー共振器の共振器長を一定範囲で周期的に変化させる共振器長制御部とを備え、上記2台のファブリペロー電気光学変調器の内の少なくとも一方で上記共振器長制御部により与えられる周期的な走査信号により通過する光を光変調することを特徴とする。
本発明に係る波長走査型ファイバレーザ光源は、空間のファブリペロー共振器に電気光学結晶を内在させてなるファブリペロー電気光学変調器と発振波長に利得を有する光増幅器と上記ファブリペロー電気光学変調器から出射させた光の偏光方向を90°回転させる偏光変換素子と出力光を取り出すための光学素子とを光ファイバ接続して構成したレーザ発振の光路と、上記ファブリペロー電気光学変調器の共振器長を一定範囲で周期的に変化させる共振器長制御部とを備え、上記ファブリペロー電気光学変調器は、互いに直交する偏光成分の光それぞれに対して近接したFSR(Free spectral range)を有する2台のファブリペロー共振器として機能し、上記共振器長制御部により与えられる周期的な走査信号により、互いに直交する偏光成分の光それぞれを変調することを特徴とする。
本発明に係る波長走査型ファイバレーザ光源において、上記2台のファブリペロー電気光学変調器は、例えば、それぞれ、電気光学結晶を内在するファブリペロー共振器でリング型共振を得るようにしたリング型共振ファブリペロー電気光学変調器からなる。
また、本発明に係る波長走査型ファイバレーザ光源において、上記ファブリペロー共振器は、例えば、それぞれ、電気光学結晶を内在するファブリペロー共振器でV型共振を得るようにしたV型共振ファブリペロー電気光学変調器からなる。
また、本発明に係る波長走査型ファイバレーザ光源において、上記ファブリペロー電気光学変調器は、それぞれ、電気光学結晶を内在するファブリペロー共振器を共焦点となるように各凹面鏡の曲率を設定した共焦点のファブリペロー電気光学変調器からなる。
さらに、本発明に係る波長走査型ファイバレーザ光源において、上記ファブリペロー電気光学変調器は、例えば、ファブリペロー共振器を構成する凹面鏡間にC軸が直交するように2つの電気光学結晶を配置してなる。
本発明では、狭帯域のスペクトルを持つ光源の波長を広い帯域で高速、且つ連続的に走査でき、しかも、必要とする光アイソレータの数を削減し、光アイソレータによるノイズの上昇を小さくした波長走査型のレーザ光源を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
本発明に係る波長走査型ファイバレーザ光源10は、先に提案している波長走査型ファイバレーザ光源を改良したものであって、その基本的な構成を図1に示すように、近接したFSR(Free spectral range)を有する2台のファブリペロー共振器11A,11Bと、発振波長に利得を有する光増幅器12と、この光増幅器12に偏光子19とアイソレータ13を介して光ファイバ接続された光学カップラ14と、上記2台のファブリペロー共振器11A,11Bの内の少なくとも一方、ここではファブリペロー共振器11Aの共振器長を一定範囲で周期的に変化させる共振器長制御部15とを備え、上記光学カップラ14が光共振器の共振モードにマッチングするように設計されたコリメータと凸レンズからなる入射側光学系16Aを介して一方のファブリペロー共振器11Aにファイバ接続され、一方のファブリペロー共振器11Aが光共振器の共振モードにマッチングするように設計された凸レンズとコリメータからなる出射側光学系16Bと光共振器の共振モードにマッチングするように設計されたコリメータと凸レンズからなる入射側光学系17Aを介して他方のファブリペロー共振器11Bにファイバ接続され、さらに、他方のファブリペロー共振器11Bがコリメータの機能を有する出射側光学系17Bを介して上記光増幅器12にファイバ接続されたレーザ発振の光路となる光ファイバーループを有するファイバーリングレーザーを構成したものである。
ここで、偏光子19は、レーザ発振の光路となる光ファイバーループを通過する光の偏光の状態を決定するためのものであって、基本的にループ内のどの位置に挿入してもよい。
そして、この波長走査型ファイバレーザ光源10では、上記2台のファブリペロー共振器11A,11Bには、例えば、図2に示すように、電気光学結晶110を内在するファブリペロー共振器を共焦点となるように各凹面鏡111,112の曲率を設定することでリング型の共振を得るようにしたリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11がそれぞれ用いられている。
このように各凹面鏡111,112の曲率を共焦点となるように設定したリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11では、入射光Linに対する直接の反射光Lrは入射側に戻らないので、光アイソレータを必要としない。
そこで、この波長走査型ファイバレーザ光源10では、入射光Linに対する直接の反射光Lrが入射側に戻らない共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11を上記近接したFSRを有する2台のファブリペロー共振器11A,11Bを用いることにより、各ファブリペロー共振器11A,11Bの入出力部分の光アイソレータを省略することができ、光増幅器12の入力側のみにアイソレータ13が設けられている。
すなわち、この波長走査型ファイバレーザ光源10では、上述の如く近接したFSRを有する2台のファブリペロー共振器11A,11Bとして入射光Linに対する直接の反射光Lrが入射側に戻らない共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11を用いているので、反射の影響は低いのであるが、リング型レーザの右回りか左回りかの発振方向を決めるために上記光増幅器12の入力側のみにアイソレータ13を挿入している。このアイソレータ13は、従来反射のあるファブリペロー電気光学変調器からの反射の影響を低減するためのものと目的が異なり、右回りか左回りかの利得の差を与えられればいいだけの性能しか要求されない。したがって、この発明で課題としているアイソレータの問題点は解決される。また、このアイソレータ13は、基本的にはループ内のどの位置に挿入してもよい。
この波長走査型ファイバレーザ光源10において、近接したFSRを有する2台のファブリペロー共振器11A,11Bは、それぞれ波長選択フィルタとして機能する。そして、上記2台のファブリペロー共振器11A,11Bの内の少なくとも一方、ここではファブリペロー共振器11Aは、共振器長制御部15により共振器長を可変することで選択波長を可変することのできるようになっている。
そして、上記近接したFSRを有する2台のファブリペロー共振器11A,11Bは、一方のファブリペロー共振器11Aの共振器長を可変することにより、そのバーニア効果により選択波長を可変することのできる狭帯域の波長選択特性を有するバンドパスフィルタとして機能する。
この波長走査型ファイバレーザ光源10では、光ファイバーループ内に設けられた上記近接したFSRを有する2台のファブリペロー共振器11A,11Bによるバンドパスフィルタを通過した光が光増幅器12で増幅され、上記光ファイバーループを介して帰還されることによって発振する。そして、この波長走査型ファイバレーザ光源10では、上記ファブリペロー共振器11Aの共振器長を共振器長制御部15により一定範囲で周期的に変化させることによって、発振波長が周期的に変化し、光学カップラ14を介して取り出されるレーザ光の波長が周期的に変化するようになっている。
なお、上記光ファイバーループからレーザ光を取り出す光学カップラ14は、光増幅器12の後に設けられているが、光増幅器12の前、あるいは、2台のファブリペロー共振器11A,11Bの間に設けられていてもよい。
このような構成の波長走査型ファイバレーザ光源10では、光ファイバーループの共振器長を長くすることができ、光ファイバーループの共振器長を例えば1000mとすることにより、レーザ全体の縦モード間隔を例えば200kHz程度に狭くすることができる。これにより、上記レーザ全体の縦モード間隔は各ファブリペロー共振器11A,11Bの一つ一つのモードの帯域幅(FSR/フィネス、例えば2.5GHz/50=50MHz)よりも十分狭くできるので、そのため共振器長を変化させることなく、モードホップの影響をなくすることができる。従って厳密には単一モード発振ではないが、バンドパスフィルタの選択波長を変化させるだけで、擬似的に連続して波長可変を行うことができる。
この波長走査型ファイバレーザ光源10では、狭帯域のスペクトルを持つ光源の波長を広い帯域で高速、且つ連続的に走査でき、しかも、入射光Linに対する直接の反射光Lrが入射側に戻らない共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11を上記2台のファブリペロー共振器11A,11Bを用いているので、各ファブリペロー共振器11A,11Bの入出力部分のアイソレータを省略することができ、光アイソレータにおける光損失によるノイズの上昇を小さくすることができる。
ここで、導波路型のファブリペロー電気光学変調器は、研磨によって長さ調整が行なえ、それぞれ温度制御を行なうことで正確に共振器長を制御できるので、共振器長の絶対値を温度制御を行うことで希望する範囲に1ppmで制御が可能である。したがって、例えばFSR=2.5GHzのファブリペロー電気光学変調器と、1/4000だけFSRの異なるファブリペロー電気光学変調器を用いて、バーニア効果によって4000倍の10THzのFSRの波長選択素子が容易に実現できる。しかし、凹面鏡を用いる空間型のファブリペロー電気光学変調器では、研磨によって長さ調整を高精度に行なうことは難しいので、凹面鏡の位置を数ミクロンの精度で調整して、2台の光共振器を高精度に温度調整する必要がある。
また、共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11のFSR(Free spectral range)は、通常媒質の群屈折率をngとすると、
FSR=c/(4ng・L)
となる。ここで、cは真空中の光速、Lは共振器長である。
そして、電気光学変調によく用いられるニオブ酸リチウム(LN:LiNbO3)では常光の群屈折率をnogと異常光の群屈折率をnegは両方とも2程度の値であるが、差が4%ある。
したがって、電気光学結晶(LN)110により常光を変調するようにした共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11のFSRは、
FSR1=c/(4nog・L)
となり、また、電気光学結晶(LN)110により異常光を変調するようにした共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11のFSRは、
FSR2=c/(4neg・L)
となる。
また、図3に示すように、共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11中に、長さL1の電気光学結晶(LN)110Aと長さL2の電気光学結晶(LN)110Bを挿入して、C軸が直交するように配置することにより、長さL1の電気光学結晶(LN)110Aにより常光を変調し、長さL2の電気光学結晶(LN)110Bにより異常光を変調するようにした共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11のFSRは、
FSR1=c/(4nog・L1+4neg・L2)
となり、長さL1の電気光学結晶(LN)110Aにより異常光を変調し、長さL2の電気光学結晶(LN)110Bにより常光を変調するようにした共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11のFSRは、
FSR2=c/(4neg・L1+4nog・L2)
となる。
この場合、L1=L2であれば、FSR1=FSR2であり、電気光学結晶(LN)110A,110Bの長さL1,L2の差でFSR1,FSR2の差を細かく設定することができる。
なお、ここでは、リング型共振ファブリペロー電気光学変調器11のFSRについて、原理説明のために空間部分を無視して、結晶長と共振器長さが同じものとして計算式を示した。
このように1台のファブリペロー共振器に2個の結晶を挿入すると、全体の共振器長さを共有している。本来、バーニア効果で重要なのは2つのFSRの差とFSRとの比が重要になるので、長さの絶対値は本質的には重要ではなく、2個の結晶の長さの差が重要になる。2個の結晶の長さの差は、研磨により調整できる。外付けのミラーの位置の多少のズレは無視することができる。
ここで、上記波長走査型ファイバレーザ光源10では、上記バンドパスフィルタを構成する2台のファブリペロー共振器11A,11Bの内の一方のファブリペロー共振器11Aの共振器長を共振器長制御部15により一定範囲で周期的に変化させることによって、光学カップラ14を介して取り出されるレーザ光の波長を周期的に走査するようにしたが、例えば図4に示す波長走査型ファイバレーザ光源10における共振器長制御部15のように、周期的な走査信号として鋸歯状波信号発生器150により発生された鋸歯状波信号をファブリペロー共振器11Bには直接供給し、ファブリペロー共振器11Aには反転増幅器151を介して直接供給する構成とし、2台のファブリペロー共振器11A,11B内の電気光学変調器の両方に対して、反転した走査信号を与えて、上記各ファブリペロー共振器の共振器長を相反的に変化させることで変調電圧を半分にでき、また、ファブリペロー光振器内の電気光学変調器に電圧を加えたときに生じる位相の変化は相殺されるので、波長の走査をより高精度且つ安定に行うことができる。
また、波長走査型ファイバレーザ光源10において、中心波長はそれぞれのファブリペロー電気光学変調器の温度差に極めて敏感であるので、図4に示す波長走査型ファイバレーザ光源10における共振器長制御部15では、光学カップラ14を介して取り出されるレーザ光、すなわち、中心波長を透過するバンドフィルタを通過した光の一部を光学カップラ14’からバンドパスフィルタ16を介して光検出器152に導いて該光検出器152により検出し、そのタイミングと周期的な走査信号の位相差をロックインアンプ153で検出して、その位相差が一定値になるように制御信号を周期的な信号に重畳させてフィードバックすることによって、中心波長を制御するようになっている。これにより、常に一定な波長で変調が可能になる。
また、図3に示すように、共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11中に、長さL1の電気光学結晶(LN)110Aと長さL2の電気光学結晶(LN)110Bを挿入して、C軸が直交するように配置する場合、図5に示すように、2つの電気光学結晶(LN)110A,110Bの電極130A,130Bを並列に接続して変調信号を与えて変調するようにすると、それぞれ電圧が結晶のC軸に対して反対になるようにすることで偏光方向に対し相対的に光学距離が変化する。
したがって、結晶を一回透過する間に生じる光学距離の変化は、電気光学定数γ33、γ31、結晶長さL1、L2、結晶厚さdとすると、FSR1側の偏光に対しては(γ31・L1−γ33・L2)・V/dとなり、また、FSR2側の偏光に対しては(γ33・L1−γ31・L2)・V/dとなり、両者の差として(γ31−γ33)・(L1+L2)・V/dだけの、光学距離の変調が行われる。
すなわち、2台のファブリペロー電気光学変調器を用いる場合であっても、電極を入れ替えられるのであれば、反転増幅器151は必要なくなる。
結晶の選択方法はγ33とγ31の差の大きな結晶を選ぶことで、例えばLNやLTなどの場合、一致溶融組成結晶よりも定比組成結晶のほうが有利である。
ここで、1台のファブリペロー共振器に2個の電気光学結晶を挿入した共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11は、例えば、次のようにして図6に示すような構造のモノリシック型のファブリペロー電気光学変調器として作製する。
まず、図7の(A)に示すように、C軸が光線方向と直交し互いに直交するようにした長尺な結晶1101,1102とC軸が光線方向になるようにした薄目の結晶1201,1202を作製し、光線方向と直交する各端面を研磨し、電気光学結晶(LN)1101の長さをL1、電気光学結晶(LN)1102の長さをL2に調整する。
次に、図7の(B)に示すように、長さL1の電気光学結晶(LN)1101と長さL2の電気光学結晶(LN)1102を各C軸が直交する状態で屈折率のマッチした接着剤、あるいはオプティカルコンタクトで接着して、さらに、その両端に薄目のC軸が光線方向になるようにした結晶1201,1201を接着し、全体がLの長さの接合体1000を作製する。なお、両端の薄目のC軸が光線方向になるようにした結晶1201,1202は光線に対して等方的な媒質である。
そして、図7の(C)に示すように、上記接合体1000をダイシングしてモノリシック型のファブリペロー電気光学変調器11の基体1001とする。
次に、図7の(D)に示すように、このようにして作製した電気光学結晶(LN)110A,110B及び両端の結晶120A,120Bからなる基体1001の上記両端の結晶120A,120Bを共焦点になるような曲率Rで凸面研磨する。
次に、図7の(E)に示すように、上記曲率Rで凸面研磨した上記基体1001の両端面に蒸着によりコーティングしてファブリペロー共振器を構成する相対向する共焦点の凹面鏡111,112を形成する。ここで、片側の結晶120Aの端面には100%未満、反対側の結晶120Bの端面には100%でコーティングして各凹面鏡111,112を形成する。全体の長さをLとするとき曲率Rは、
R=(no/ne−1)・(L1+L2)/2+L
である。
そして、図7の(F)に示すように、上記凹面鏡111,112が両端面に形成された基体1001の各電気光学結晶(LN)110A,110Bの各C軸と直交する側面に蒸着により電極130A,130Bを形成することにより、図6に示すような構造のモノリシック型のファブリペロー電気光学変調器11を作製する。
なお、モノリシック型のファブリペロー電気光学変調器11の場合コリメータに比べ結晶サイズが小さくなるので、入出射光学系16A,16Bとして2個のコリメータを並べるのは難しいため、例えば、図8に示すように、プリズム型ミラー16Cを入力面においた構造の入出射光学系16A,16Bとしたり、あるいは、図9に示すように、2芯のフェルールにファイバを搭載して、プリズム16Dで2芯のフェルールに搭載したファイバとリング型共振器を結合させる構造の入出射光学系16とする。
ここで、上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11は、双方向の電気光学変調器として使用することができるので、例えば図10に示す波長走査型ファイバレーザ光源10’のように、図1に示した波長走査型ファイバレーザ光源10における光増幅器12として、どちらの偏光に対しても、どちらの方向に対しても増幅できるSOA等の方向光増幅器12’を用い、上記光学カップラ14に替えて全反射ミラー14Aとハーフミラー14Bを設け、上述の近接したFSRを有する2台のファブリペロー共振器11A,11Bをそれぞれ双方向の電気光学変調器として機能する上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11にて構成とすることによって、光ファイバーループを1周する間に2度光増幅を行うようにすることができる。
この波長走査型ファイバレーザ光源10’では、一方のファブリペロー共振器11Aから入出射光学系16A’を介して出射される光が全反射ミラー14Aで全反射されて上記入出射光学系16A’を介して当該ファブリペロー共振器11Aに入射され、このファブリペロー共振器11Aから入出射光学系16B’を介して出射された光が入出射光学系17A’を介して他方のファブリペロー共振器11Bに入射され、このファブリペロー共振器11Bから入出射光学系17B’を介して出射された光が双方向光増幅器12’により増幅される。そして、この双方向光増幅器12’により増幅された光から偏光子19を介して取り出される所定の偏光成分の光がハーフミラー14Bで反射されて上記偏光子19を介して当該双方向光増幅器12’に入射され、上記偏光子19を通過する所定の偏光成分の光が上記双方向光増幅器12’により増幅されて、上記入出射光学系17B’を介して当該ファブリペロー共振器11Bに入射され、このファブリペロー共振器11Bから入出射光学系を介して出射された光が入出射光学系を介して上記ファブリペロー共振器11Aに入射され、上記ハーフミラー14Bを介してレーザ光が取り出される。
このような構成の波長走査型ファイバレーザ光源10’では、光がファイバーループを一周する間に、それぞれ共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11からなるFSR1のファブリペロー共振器11AとFSR2のファブリペロー共振器11Bを2回ずつ通過するので、バーニア効果としての光フィルタの分解能を向上させることができ、波長の選択がより強まり、線幅の狭い、コヒーレントレングスの長くすることができる。なお、双方向光増幅器12はループ中のどの位置に挿入してもよい。
また、上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11は、偏光方向によってFSRが異なり、また、c軸方向の偏光に対して電気光学変調が強くかかるので、図11に示す波長走査型ファイバレーザ光源20のように、偏光成分を分離して合成する光学系18を設けることにより、1台の共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11を上記近接したFSRを有する2台のファブリペロー共振器11A,11Bとして機能させることができる。
すなわち、図11に示す波長走査型ファイバレーザ光源20は、図1に示した波長走査型ファイバレーザ光源10を改良したものであって、光ファイバーループ内に設けられた1台の共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11、発振波長に利得を有する光増幅器12、この光増幅器12にアイソレータ13を介して光ファイバ接続された光学カップラ14、上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11のP偏光及びS偏光の相対的共振器長を一定範囲で周期的に変化させる共振器長制御部15、上記光増幅器12及び光学カップラ14と入射側光学系16A及び出射側光学系16Bの間に設けられた偏光成分を分離して合成する光学系18などからなる。
上記光学系18は、上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11からの出射光が出射側光学系16Bを介して入射される第1のPBSカップラ181、このPBSカップラ181により上記出射光から分離されたP偏光成分の光が入射される第1の偏光変換器182、上記PBSカップラ181により上記出射光から分離されたS偏光成分の光が入射される第2の偏光変換器183、上記光学カップラ14を介してS偏光成分の光が入射される第2のPBSカップラ184からなる。
この光学系18において、第1のPBSカップラ181は、上記出射側光学系16Bを介して入射される上記リング型共振ファブリペロー電気光学変調器11からのP偏光成分の光とS偏光成分の光に分離する。この第1のPBSカップラ181により上記出射光から分離されたP偏光成分の光は第1の偏光変換器182に入射され、また、S偏光成分の光は第2の偏光変換器183に入射される。
第1の偏光変換器182は、上記第1のPBSカップラ181により上記出射光から分離されたP偏光成分の光の偏光方向を90°回転させてS偏光成分の光に変換する。この第1の偏光変換器182により変換されたS偏光成分の光は、上記光増幅器12に入射される。
そして、この波長走査型ファイバレーザ光源20では、第1の偏光変換器182を介して入射されるS偏光成分の光が発振波長に利得を有する上記光増幅器12により増幅され、アイソレータ17及び光学カップラ14を介して第2のPBSカップラ184に入射される。
また、第2の偏光変換器183は、上記第1のPBSカップラ181により上記出射光から分離されたS偏光成分の光の偏光方向を90°回転させてP偏光成分の光に変換する。この第2の偏光変換器183により変換されたP偏光成分の光は、上記第2のPBSカップラ184に入射される。
ここで、上記第1及び第2の偏光変換器182,183は、ファラデー素子、波長板などが使えるほか、PMファイバを光学素子につなげるところで、PMの軸を適時選択することで偏光方向を90度回転させる構造とすることもできる。
第2のPBSカップラ184は、上記光学カップラ14を介して入射されるS偏光成分の光と上記第2の偏光変換器183を介して入射されるP偏光成分の光を合成する。
そして、この第2のPBSカップラ184による合成光は、入射側光学系16を介して入射光として上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11に入射される。
なお、上記第1及び第2のPBSカップラ181,184の代わりにサーキュレータを用いるようにしても良い。
この波長走査型ファイバレーザ光源20において、上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11は、偏光方向によってFSRが異なり、また、c軸方向の偏光に対して電気光学変調が強くかかるので、入射光すなわち上記合成光を構成しているP偏光成分の光とS偏光成分の光に対して、近接したFSRp、FSRsで変調度の異なる2台のファブリペロー共振器として機能する。
この波長走査型ファイバレーザ光源10において、近接したFSRp、FSRsで変調度の異なる2台のファブリペロー共振器として機能する1台の共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11は、波長選択フィルタとして機能し、P偏光及びS偏光の相対的共振器長を可変することにより、そのバーニア効果により選択波長を可変することのできる狭帯域の波長選択特性を有するバンドパスフィルタとして機能する。
そして、この波長走査型ファイバレーザ光源20では、光ファイバーループ内に設けられた上記近接したFSRp,FSRsを有する1台の共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11によるバンドパスフィルタを通過した光、すなわち、上記リング型共振ファブリペロー電気光学変調器11の出射光が上記第1のPBSカップラ181によりP偏光成分の光とS偏光成分の光に分離され、上記第1のPBSカップラ181により上記出射光から分離されたP偏光成分の光が第1の偏光変換器182によりS偏光成分の光に変換されて光増幅器12で増幅され、上記光ファイバーループを介して帰還されるとともに、上記第1のPBSカップラ181により上記出射光から分離されたS偏光成分の光が第2の偏光変換器183によりP偏光成分の光に変換されて帰還されることによって発振する。そして、この波長走査型ファイバレーザ光源10では、上記1台の共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11のP偏光及びS偏光の相対的共振器長を共振器長制御部15により一定範囲で周期的に変化させることによって、発振波長が周期的に変化し、光学カップラ14を介して取り出されるレーザ光の波長が周期的に変化する。
この波長走査型ファイバレーザ光源20では、入射光Linに対する直接の反射光Lrが入射側に戻らない1台の共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11を用いて、極めてノイズの小さい単光性の光を発生する狭帯域のスペクトルを持つ光源の波長を広い帯域で高速、且つ連続的に走査できる。
ここで、上述の如く、2台のファブリペロー共振器の場合
FSR1=c/(4ng・L1)
FSR2=c/(4ng・L2)
であるので近似的に
(FSR1−FSR2)/FSR = (L2−L1)/L
であり、例えば1/1000の差をつけようとすると、L1とL2の差は1000分の1の差にするために、研磨で長さをLの1/1000以下の精度でそろえ、温度差でFSRの差を維持することを行なう必要があるが、1台のファブリペロー共振器の場合
FSR1=c/(4nog・L1+4neg・L2)
FSR2=c/(4neg・L1+4nog・L2)
であるので近似的に
(FSR1−FSR2)/FSR =(L2−L1)/L (nog−neg)/ng
であり、(nog−neg)/ngは約0.04であるので同じ研磨精度であったとしても、長さの差をLの1/40にすれば良いことになる。研磨精度が1/1000程度なので、研磨だけでFSRの差を1/1000±1/40000以下の精度で実現できる。この際、2台の結晶を熱的に結合しておくことは近接しているから可能であり、研磨で得られたFSRの差の精度は温度制御していなくても保つことができ、導波路型で用いたようなFSRの差を一定にするための温度制御が必要が無くなる。したがって、温度コントローラー2台分不要になり、コストメリットがある。
また、上述の如く共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11は、双方向の電気光学変調器として使用することができるので、例えば図12に示す波長走査型ファイバレーザ光源20’のように、図11に示した波長走査型ファイバレーザ光源20における光増幅器12として、どちらの偏光に対しても、どちらの方向に対しても増幅できるSOA等の双方向光増幅器12’を用い、上記光学カップラ14に替えて全反射ミラー14Aとハーフミラー14Bを設け、上述の近接したFSRp、FSRsで変調度の異なる2台のファブリペロー共振器として機能する1台の共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11を双方向で使用する構成とすることもできる。
この波長走査型ファイバレーザ光源20’では、共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11から入出射側光学系16A’を介して取り出される光が第2のPBSカップラ184を通過して全反射ミラー14Aに入射され、この全反射ミラー14Aにより反射された光が上記第2のPBSカップラ184を通過して上記入出射側光学系16A’を介して上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11に入射され、また、上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11から入出射側光学系16B’を介して取り出される光が第1のPBSカップラ181及び第1及び偏光変換器182を通過して双方向光増幅器12’に入射され、この双方向光増幅器12’により増幅された光がハーフミラー14Bに入射され、このハーフミラー14Bで反射された光が上記双方向光増幅器12’に入射され、この双方向光増幅器12’により増幅された光が上記第1及び偏光変換器182及び第1のPBSカップラ181を介して上記入出射側光学系16B’から上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11に入射されることにより発振し、上記ハーフミラー14Bを介してレーザ光が取り出される。
このような構成の波長走査型ファイバレーザ光210’では、上述の近接したFSRp、FSRsで変調度の異なる2台のファブリペロー共振器として機能する1台の共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11を双方向で使用することにより、光がファイバーループを一周する間に、共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11からなるFSR1のファブリペロー共振器とFSR2のファブリペロー共振器を2回ずつ通過することになり、バーニア効果としての光フィルタの分解能を向上させることができ、波長の選択がより強まり、線幅の狭い、コヒーレントレングスの長くすることができる。なお、双方向光増幅器12はループ中のどの位置に挿入してもよく、例えば、第2の偏光変換器183の前段又は後段に挿入すれば、光がファイバーループを一周する間、すなわち、共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11からなるFSR1のファブリペロー共振器とFSR2のファブリペロー共振器を2回ずつ通過する間に2回光増幅できるので、SN的に有利になる。
また、上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11は、双方向の電気光学変調器として使用することができるので、例えば図13に示す波長走査型ファイバレーザ光源30のように、近接したFSRp,FSRsを有する1台の共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11に対して入出射側光学系16A’及び入出射側光学系36Bを介して光を入出射するようにして、入出射側光学系16A’を介して出射された光は第1の光ファイバーループ31を介して上記入出射側光学系16A’に入射し、入出射側光学系16B’を介して出射された光は第2の光ファイバーループ32を介して上記入出射側光学系16B’に入射する構成とすることもできる。
この波長走査型ファイバレーザ光源30では、上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11から入出射側光学系16A’を介して出射された光が、第1のPBSカップラ311によりP偏光成分の光とS偏光成分の光に分離され、分離されたP偏光成分の光が第1の偏光変換器312により偏光方向を90°回転されS偏光成分の光に変換されて光増幅器12に入射され、この光増幅器12により増幅されたS偏光成分の光がアイソレータ13及び光学カップラ14を介して上記第1のPBSカップラ311に戻されるように上記第1の光ファイバーループ31が構成されており、上記第1のPBSカップラ311から上記入出射側光学系16A’を介して上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11に入射される。また、上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11から入出射側光学系16B’を介して出射された光が、第2のPBSカップラ321によりP偏光成分の光とS偏光成分の光に分離され、分離されたP偏光成分の光とS偏光成分の光を第2の偏光変換器322により偏光方向を90°回転させて、上記第2のPBSカップラ321により合成するように第2の光ファイバーループ32が構成されており、上記第2のPBSカップラ321による合成光が上記入出射側光学系16B’を介して上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11に入射される。
すなわち、この波長走査型ファイバレーザ光源30では、上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11の入出射側光学系16A’を介して出射された光が、上記第1の光ファイバーループ31において光増幅器12により増幅されて上記入出射側光学系16A’を介して上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11に入射され、上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11から入出射側光学系16B’を介して出射された光が上記第2の光ファイバーループにおいて偏光方向が90°回転されて上記入出射側光学系16B’を介して上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11に入射されるように光ファイバーループが構成されている。
この波長走査型ファイバレーザ光源30では、入射光Linに対する直接の反射光Lrが入射側に戻らない1台の共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11を双方向の電気光学変調器として用いて、極めてノイズの小さい単光性の光を発生する狭帯域のスペクトルを持つ光源の波長を広い帯域で高速、且つ連続的に走査できる。
なお、上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11から入出射側光学系16B’を介して出射された光の偏光方向を90°回転させて上記入出射側光学系16B’を介して上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11に戻す上記第1の光ファイバーループに替えて、図14に示す波長走査型ファイバレーザ光源30’のように、ファラデーローテータ323と全反射ミラー324を用いることもできる。
この波長走査型ファイバレーザ光源30’は、図13に示した波長走査型ファイバレーザ光源30を改良したものであって、第2の光ファイバーループ32をファラデーローテータ323と全反射ミラー324に置き換えた以外は、上記波長走査型ファイバレーザ光源30と同様であるので、同一の構成要素に同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この波長走査型ファイバレーザ光源30’では、上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11から入出射側光学系16B’を介して出射された光がファラデーローテータ323により偏光方向が45°回転されて全反射ミラー324に入射され、この全反射ミラー324で全反射された光が上記ファラデーローテータ323によりさらに偏光方向が45°回転されて上記入出射側光学系16B’から上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11に入射される。
この波長走査型ファイバレーザ光源30’においても、入射光Linに対する直接の反射光Lrが入射側に戻らない1台の共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11を双方向の電気光学変調器として用いて、極めてノイズの小さい単光性の光を発生する狭帯域のスペクトルを持つ光源の波長を広い帯域で高速、且つ連続的に走査できる。
さらに、例えばSOA等の光増幅器はどちらの偏光に対しても、どちらの方向に対しても増幅できるので、例えば、図15に示す波長走査型ファイバレーザ光源40のように、SOA等の双方向光増幅器31を備えることにより、光ファイバーループを1周する間に2度光増幅を行うことができる。
この図15に示す波長走査型ファイバレーザ光源40は、図14に示した波長走査型ファイバレーザ光源30’を改良したものであって、第1の光ファイバーループ31を双方向光増幅器41とファラデーローテータ42とハーフミラー43に置き換えた以外は、上記波長走査型ファイバレーザ光源30’と同様であるので、同一の構成要素に同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この波長走査型ファイバレーザ光源40では、上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11から入出射側光学系16A’を介して出射された光が双方向光増幅器41により増幅され、ファラデーローテータ42により偏光方向が45°回転されてとハーフミラー43に入射され、このハーフミラー43により反射された光がファラデーローテータ42により偏光方向がさらに45°回転されて双方向光増幅器41に入射され、この双方向光増幅器41により増幅された光が上記入出射側光学系16A’から上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11に入射されることより発振し、上記ハーフミラー43を介してレーザ光が取り出される。
また、共焦点の共振ファブリペロー電気光学変調器では、入射光の入射方向を調整することにより、V字共振を得ることができ、例えば図16に示す共焦点のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51のように、電気光学結晶510を内在するファブリペロー共振器を共焦点となるように各凹面鏡511,512の曲率を設定するとともに、入射光Linの入射方向を調整することで、入射光Linの直接反射光Lrが入射方向に戻ることなく、出射光Loutが入射方向に戻るようにしたV字共振を得ることができる。
そこで、入射光の直接反射光が入射方向に戻ることなく、出射光が入射方向に戻るようにしたV字共振を得ることができる共焦点のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51を用いることにより、例えば図17に示すようなリニヤ共振型の波長走査型ファイバレーザ光源50を構成することができる。
この波長走査型ファイバレーザ光源50は、2台の共焦点のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51A,51Bと、一方のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51Aに入出射側光学系52Aを介して光ファイバ接続された双方向光増幅器53と、他方のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51Bに入出射側光学系52Bを介して光ファイバ接続された光カップラ54と、上記2台のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51A,51Bの内の一方、ここではV型共振ファブリペロー電気光学変調器51Aの共振器長を一定範囲で周期的に変化させる共振器長制御部55とを備え、上記双方向光増幅器53と光カップラ54とが光ファイバ接続されている。
上記2台の共焦点のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51A,51Bは、近接したFSR(Free spectral range)を有するもので、それぞれ波長選択フィルタとして機能する。そして、上記2台の共焦点のV型ファブリペロー共振器51A,51Bの内の少なくとも一方、ここではファブリペロー共振器51Aは、共振器長を可変することにより選択波長を可変することのできるようになっている。
そして、上記近接したFSRを有する2台のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51A,51Bは、一方のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51Aの共振器長を可変することにより、そのバーニア効果により選択波長を可変することのできる狭帯域の波長選択特性を有するバンドパスフィルタとして機能する。
この波長走査型ファイバレーザ光源50では、上記近接したFSRを有する2台のV型ファブリペロー共振器51A,51Bによるバンドパスフィルタを通過した光が、上記V型ファブリペロー共振器51A,51Bの間を往復する際に発振波長に利得を有する双方向光増幅器53で増幅されることによって発振する。そして、この波長走査型ファイバレーザ光源50では、上記V型ファブリペロー共振器51Aの共振器長を共振器長制御部55により一定範囲で周期的に変化させることによって、発振波長が周期的に変化し、光学カップラ54を介して取り出されるレーザ光の波長が周期的に変化するようになっている。
このような構成の波長走査型ファイバレーザ光源50では、光ファイバ接続された光路を長くすることで共振長を長くすることができ、これによりレーザ全体の縦モード間隔を狭くして、共振長を変化させることなく、モードホップの影響をなくすることができ、厳密には単一モード発振ではないが、バンドパスフィルタの選択波長を変化させるだけで、擬似的に連続して波長可変を行うことができる。
この波長走査型ファイバレーザ光源50では、狭帯域のスペクトルを持つ光源の波長を広い帯域で高速、且つ連続的に走査でき、しかも、入射光Linに対する直接の反射光Lrが入射側に戻らない共焦点のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51をファブリペロー共振器51A,51Bに用いているので、アイソレータを省略することができ、光アイソレータにおける光損失によるノイズの上昇を小さくすることができる。
上記共焦点のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51においても、上記共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器51と同様に、凹面鏡間にC軸が直交するように2つの電気光学結晶を配置することによって、長さの差でFSRの差を細かく設定することができる。
また、上記共焦点のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51は、偏光方向によってFSRが異なり、また、c軸方向の偏光に対して電気光学変調が強くかかるので、例えば、図18に示すように、1台の共焦点のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51でリニヤ共振型の波長走査型ファイバレーザ光源60を構成することができる。
この波長走査型ファイバレーザ光源60は、図17に示した波長走査型ファイバレーザ光源50を改良したもので、1台の共焦点のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51と、このV型共振ファブリペロー電気光学変調器51に入出射側光学系52を介して光ファイバ接続された双方向光増幅器53と、この双方向光増幅器53に光ファイバ接続されたファラデーローテータ64と、このファラデーローテータ64に光ファイバ接続されたハーフミラー65を備える。
この波長走査型ファイバレーザ光源60では、上記共焦点のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51から入出射側光学系52を介して出射された光が双方向光増幅器53により増幅され、ファラデーローテータ64により偏光方向が45°回転されてとハーフミラー65に入射され、このハーフミラー65により反射された光がファラデーローテータ65により偏光方向がさらに45°回転されて双方向光増幅器53に入射され、この双方向光増幅器53により増幅された光が上記入出射側光学系52から上記共焦点のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51に入射される。
この波長走査型ファイバレーザ光源50において、上記共焦点のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51は、偏光方向によってFSRが異なり、また、c軸方向の偏光に対して電気光学変調が強くかかるので、入射光すなわち上記合成光を構成しているP偏光成分の光とS偏光成分の光に対して、近接したFSRp、FSRsで変調度の異なる2台のファブリペロー共振器として機能する。
上記近接したFSRp、FSRsで変調度の異なる2台のファブリペロー共振器として機能する1台の共焦点のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51は、波長選択フィルタとして機能し、P偏光及びS偏光の相対的共振器長を可変することにより、そのバーニア効果により選択波長を可変することのできる狭帯域の波長選択特性を有するバンドパスフィルタとして機能する。
この波長走査型ファイバレーザ光源60では、上記共焦点のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51の出射光が、上記ハーフミラー65により反射されて当該共焦点のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51に戻され、発振波長に利得を有する双方向光増幅器53で増幅されることによって発振する。そして、この波長走査型ファイバレーザ光源60では、上記V型共振ファブリペロー電気光学変調器51のP偏光及びS偏光の相対的共振器長を共振器長制御部55により一定範囲で周期的に変化させることによって、発振波長が周期的に変化し、上記ハーフミラーを介して取り出されるレーザ光の波長が周期的に変化するようになっている。
このような構成の波長走査型ファイバレーザ光源60では、光ファイバ接続された光路を長くすることで共振長を長くすることができ、これによりレーザ全体の縦モード間隔を狭くして、共振長を変化させることなく、モードホップの影響をなくすることができ、厳密には単一モード発振ではないが、バンドパスフィルタの選択波長を変化させるだけで、擬似的に連続して波長可変を行うことができる。
したがって、この波長走査型ファイバレーザ光源60では、入射光Linに対する直接の反射光Lrが入射側に戻らない1台の共焦点のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51を用いて、極めてノイズの小さい単光性の光を発生する狭帯域のスペクトルを持つ光源の波長を広い帯域で高速、且つ連続的に走査できる。
ここで、以上説明した発明の実施の形態では、共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器11(11A,11B)、あるいは、共焦点のV型共振ファブリペロー電気光学変調器51(51A,51B)を用いて構成した波長走査型レーザ光源について説明したが、リング型共振ファブリペロー電気光学変調器11(11A,11B)やV型共振ファブリペロー電気光学変調器51(51A,51B)では、単一横モードに光をカップルさせることができれば原理的には共焦点でなくてもよい。
すなわち、上記リング型共振ファブリペロー電気光学変調器11(11A,11B)やV型共振ファブリペロー電気光学変調器51(51A,51B)として、空間のファブリペロー電気光学変調器を用いることもできる。
空間のファブリペロー電気光学変調器を用いるとロスが減り、フィネスが大きくなる利点がある。光導路ではロスは1台あたり7dB程度あり、フィネスは50程度が最大であるが、空間型でロスは1dB程度、フィネスは400程度が可能となる。この場合、ロスの低減によるSN比の向上がはかられ、フィネスの向上は波長フィルタとしての分解能を高めるので、波長可変レーザのコヒーレントレングスを大きくすることができる。
そして、上記空間のファブリペロー電気光学変調器を「リング型」あるいは「V字型」とすることで直接反射を防ぐことができ、これによりアイソレータの数を減らすことができる。
「リング型」あるいは「V字型」のファブリペロー電気光学変調器は、単一横モードに光をカップルさせることができれば原理的には共焦点でなくても可能であるが、共焦点でない場合、わずかな調整の不備で単一横モードに光をカップルさせることができないと、不要な横モードが現れ、それが希望するモードの周波数と異なるので、バーニア効果を乱すことになる。共焦点の「リング型」あるいは「V字型」のファブリペロー電気光学変調器では、横モードの共振周波数が縮退するので、調整の不備があったとしても不要なモードが現れることなく使用することができる。
ここで、図19に示すような測定系200を構築して、バーニア効果による波長走査型光源10から出力されるレーザ光の波長を干渉計210にて測定して、上記バンドパスフィルタを構成する2台のファブリペロー共振器11A,11Bの内の一方のファブリペロー共振器11Aの共振器長を変化させる共振器長制御部15により与える走査信号電圧とレーザ周波数との関係を求めた結果を図20の(A)に示し、また、その測定値の直線近似値からのずれ量をプロットした結果を図20の(B)に示す。図20の(A)、(B)の各横軸は走査信号電圧であり、図20の(A)の縦軸は測定結果として得られた波長に対応するレーザ周波数であり、図20の(B)の縦軸はそのレーザ周波数測定値の直線近似値からのずれ量である。
また、上記共振器長制御部15がファブリペロー共振器11Aに与える走査信号の波形と干渉計210にて得られる干渉信号の波形を観測したところ、図21の(A)、(B),(C)に示すように、走査信号の波形(三角波、正弦波、鋸歯状波)に追従した干渉信号の波形が得られた。
ここで、上記図19に示した測定系200では、波長走査型ファイバレーザ光源10の光増幅器12にはSOA(半導体光アンプ)を用い、また、遅延線18として1kmのSMファイバーとファラデーミラーとPBSカップラを用いた遅延線を挿入した。さらに、同期したファンクションジェネレーター2チャンネルを共振器長制御部15として用いて、それぞれのファブリペロー共振器11A,11Bに対して任意の波形で変調ができるようにした。
この測定系200では、光増幅器12にSOAを用いたことで波長可変範囲が大きくなっている。すなわち、図20の(A)は一方のファブリペロー共振器11Aのバイアスに電圧を加えてレーザの周波数(波長)変化を測定した結果を示しているが、データをみると波長可変が10THzに達したことがわかる。10THzはおよそ80nmであり、これは図29の系で得た図30の実験データ33nmよりも大きい。ここでは、温度の条件として2台のファブリペロー共振器11A,11Bの温度差が8度に設定されている。
また、この測定系200では、波長走査型ファイバレーザ光源10に遅延線18を入れることにより100kHzの整数倍で変調が可能になっている。1kmのSMファイバーとファラデーミラーとPBSカップラを用いた遅延線の場合、光がファイバーを往復するので、2kmの遅延線と等価になる。図21のデータは走査周波数200kHzでのデータであり、温度の条件も同じ8度とした。走査範囲は10THzである。
さらにこのとき、同期した2チャンネルのファンクションジェネレーターを共振器長制御部15として用いて、それぞれのファブリペロー共振器11A,11Bに対して反転した走査信号を加えることにより、波長の変化の方向にかかわらず図21のように良好な変調が得られた。一方のファブリペロー共振器11Aだけに100kHzを超える走査信号を加えた場合、波長の変化の方向によって光強度が異なったり、レーザー発振しなくなるなど不具合が生じたりしましたが、それぞれのファブリペロー共振器11A,11Bに対して反転した走査信号を加えることで、それらの不具合の程度は格段に減少した。これにより走査周波数は少なくとも1MHzまでは確認できた。
なお、それぞれのファブリペロー共振器11A,11Bに対して反転した走査信号を加える場合、特に高速走査周波数(1MHzぐらい)では、2台のファブリペロー共振器11A,11Bの間の距離を無視できないので、それぞれのファブリペロー共振器11A,11Bに対して加える反転した走査信号の間の位相差を調整する必要がある。
上記測定結果から明らかなように、バーニア効果による波長走査型光源10におけるレーザ周波数は、共振器長制御部15による走査信号電圧にほぼ比例する。
すなわち、バーニア効果による波長走査型光源10は、その光の波長が入力電圧信号に比例する。したがって、例えば入力電気信号として直線的な鋸歯状波などで変調すれば、鋸歯状の波長の変調が可能である。特に電気的なEO効果によって波長を操作することができるので、機械的な変調で起こるヒステリシスなどもない。
また、バーニア効果による波長走査型光源10は、電気的信号を調整し非線形なノコギリ波にすることで、波数について時間的に等間隔であるような、ノコギリ波状の変調が可能である。
すなわち、αを定数とすると、電圧Vに対する波長は、
λ=α・V+λ
である。一方、光の波数Kは、
K=2π/λ=2π/(α・V+λ)
であるので、任意の時間に対する関数K(t)である波数を実現するには電圧の時間に対する関数V(t)を
V(t)=(2π/K(t)−λ)/α
とすればよい。
そこで、上記波長走査型ファイバレーザ光源10では、上記バンドパスフィルタを構成する2台のファブリペロー共振器11A,11Bの内の少なくとも一方のファブリペロー共振器11Aの共振器長を共振器長制御部15により一定範囲で周期的に変化させることによって、光学カップラ14を介して取り出されるレーザ光の波長を周期的に走査するにあたり、予め、上記共振器長制御部15が上記ファブリペロー共振器11Aに与える走査信号の波形を調整し、光カップラ14を介して取り出されるレーザ光の波数が時間に対して線形になるように校正することによって、波数が時間に対して線形なレーザ光を光カップラ14を介して得ることができる。
例えば、図22に示す波長走査型ファイバレーザ光源10のように、波数が時間に対して線形なレーザ光を得るための校正データを共振器長制御部15がROM15Aから読み出して走査信号の波形を生成する構成とすることにより、波数が時間に対して線形なレーザ光を光カップラ14を介して得ることができる。
また、各波長走査型ファイバレーザ光源10’,20,20’,30,30’,40,50,60においても、走査信号の波形を調整し、光学素子を介して取り出されるレーザ光の波数が時間に対して線形になるように校正することによって、波数が時間に対して線形なレーザ光を得ることができる。
本発明に係る共焦点のファブリペロー電気光学変調器を2台備える波長走査型レーザ光源の基本的な構成を示すブロック図である。 上記波長走査型レーザ光源に使用される共焦点のリング型共振ファブリペロー電気光学変調器の構造を模式的に示す断面図である。 凹面鏡間にC軸が直交するように2つの電気光学結晶を配置してなる共焦点のファブリペロー電気光学変調器の構造を模式的に示す断面図である。 2つのファブリペロー共振器で構成されるバンドパスフィルタの中心波長を制御するようにした共振器長制御部の構成例を示すブロック図である。 凹面鏡間にC軸が直交するように2つの電気光学結晶を配置してなる共焦点のファブリペロー電気光学変調器の変調信号の供給するための接続構造を模式的に示す図である。 モノリシック型のファブリペロー電気光学変調器の作製例を模式的に示す図である。 上記モノリシック型のファブリペロー電気光学変調器の作製過程を模式的に示す図である。 モノリシック型のファブリペロー電気光学変調器の作製例を模式的に示す図である。プリズム型ミラーを入力面においた構造の入出射光学系を備えるモノリシック型のファブリペロー電気光学変調器を模式的に示す図である。 プリズムで2芯のフェルールに搭載したファイバとリング型共振器を結合させる構造の入出射光学系を備えるモノリシック型のファブリペロー電気光学変調器を模式的に示す図である。 本発明に係る共焦点のファブリペロー電気光学変調器を2台備える波長走査型レーザ光源の他の構成例を示すブロック図である。 本発明に係る共焦点のファブリペロー電気光学変調器を1台備える波長走査型レーザ光源の基本的な構成を示すブロック図である。 本発明に係る共焦点のファブリペロー電気光学変調器を1台備える波長走査型レーザ光源の他の構成例を示すブロック図である。 本発明に係る共焦点のファブリペロー電気光学変調器を1台備える波長走査型レーザ光源の他の構成例を示すブロック図である。 本発明に係る共焦点のファブリペロー電気光学変調器を1台備える波長走査型レーザ光源の他の構成例を示すブロック図である。 本発明に係る共焦点のファブリペロー電気光学変調器を1台備える波長走査型レーザ光源の他の構成例を示すブロック図である。 本発明に係る波長走査型レーザ光源に使用される共焦点のV型共振ファブリペロー電気光学変調器の構造を模式的に示す断面図である。 本発明に係る共焦点のV型共振ファブリペロー電気光学変調器を2台用いて構成したリニヤ共振型の波長走査型ファイバレーザ光源の構成を示すブロック図である。 本発明に係る共焦点のV型共振ファブリペロー電気光学変調器を1台用いて構成したリニヤ共振型の波長走査型ファイバレーザ光源の構成を示すブロック図である。 本発明に係る波長走査型レーザ光源における走査信号電圧とレーザ周波数との関係を測定した結果を示す図である。 上記走査信号電圧とレーザ周波数との関係を測定するための測定系の構成を示すブロック図である 上記共振器長制御部がファブリペロー共振器に与える走査信号の波形と干渉計にて得られる干渉信号の波形の観測結果を示す図である。 波数が時間に対して線形なレーザ光を光カップラを介して得ることができる波長走査型ファイバレーザ光源の構成例を示すブロック図である。 従来から提案されている波長可変光源の原理的な構成を示すブロック図である。 先に提案した波長走査型レーザ光源の基本的な構成を示すブロック図である。 通常の光共振器の透過スペクトルを示す図である。 FSRが1%異なる光共振器を2台縦列接続した場合の透過スペクトルを示す図である。 図21に示した透過スペクトルの一部を拡大して示した図である。 上記2台のファブリペロー共振器にファブリペロー電気光学変調器を用いた波長走査型レーザ光源の実際の構成例を示すブロック図である。 波長1.5μm帯用の、光ファイバアンプ、2台のコム発生器モジュール、光カップラを使用したファイバーリングレーザーの構成を示すブロック図である。 上記ファイバーリングレーザーの測定結果を示す図である。
符号の説明
10,10’,20,20’,30,30’,40,50,60 波長走査型ファイバレーザ光源
11,11A,11B リング型共振ファブリペロー電気光学変調器
12 光増幅器
12’ 双方向光増幅器
13 アイソレータ
14,14’,54 光カップラ
14A 全反射ミラー
14B ハーフミラー
15 共振器長制御部
15A ROM
16A,17A 入射側光学系
16B,17B 出射側光学系
16A’,16B’,52,52A,52B, 入出射側光学系
18 偏光成分を分離して合成する光学系
31,32 光ファイバーループ
41,53 双方向光増幅器
42,64,323 ファラデーローテータ
43,65 ハーフミラー
51,51A,51B V型共振ファブリペロー電気光学変調器
110,110A,110B,510 電気光学結晶
111,112,511,512, 凹面鏡
181,184,311,321 PBSカップラ
182,183,312,322 偏光変換素子
324 全反射ミラー

Claims (11)

  1. 互いに近接したFSR(Free spectral range)を有する空間のファブリペロー共振器に電気光学結晶を内在させてなる2台のファブリペロー電気光学変調器と発振波長に利得を有する光増幅器と出力光を取り出すための光学素子とを光ファイバ接続して構成したレーザ発振の光路と、
    上記近接したFSRを有する2台のファブリペロー共振器の内の少なくとも一方のファブリペロー共振器の共振器長を一定範囲で周期的に変化させる共振器長制御部とを備え、
    上記2台のファブリペロー電気光学変調器の内の少なくとも一方で上記共振器長制御部により与えられる周期的な走査信号により通過する光を光変調することを特徴とする波長走査型ファイバレーザ光源。
  2. 上記2台のファブリペロー電気光学変調器は、それぞれ、電気光学結晶を内在するファブリペロー共振器でリング型共振を得るようにしたリング型共振ファブリペロー電気光学変調器からなることを特徴とする請求項1記載の波長走査型ファイバレーザ光源。
  3. 上記2台のファブリペロー共振器は、それぞれ、電気光学結晶を内在するファブリペロー共振器でV型共振を得るようにしたV型共振ファブリペロー電気光学変調器からなることを特徴とする請求項1記載の波長走査型ファイバレーザ光源。
  4. 上記2台のファブリペロー電気光学変調器は、それぞれ、電気光学結晶を内在するファブリペロー共振器を共焦点となるように各凹面鏡の曲率を設定した共焦点のファブリペロー電気光学変調器からなることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の波長走査型ファイバレーザ光源。
  5. 上記ファブリペロー電気光学変調器は、ファブリペロー共振器を構成する凹面鏡間にC軸が直交するように2つの電気光学結晶を配置してなることを特徴とする請求項1記載の波長走査型ファイバレーザ光源。
  6. 空間のファブリペロー共振器に電気光学結晶を内在させてなるファブリペロー電気光学変調器と発振波長に利得を有する光増幅器と上記ファブリペロー電気光学変調器から出射させた光の偏光方向を90°回転させる偏光変換素子と出力光を取り出すための光学素子とを光ファイバ接続して構成したレーザ発振の光路と、
    上記ファブリペロー電気光学変調器の共振器長を一定範囲で周期的に変化させる共振器長制御部とを備え、
    上記ファブリペロー電気光学変調器は、互いに直交する偏光成分の光それぞれに対して近接したFSR(Free spectral range)を有する2台のファブリペロー共振器として機能し、上記共振器長制御部により与えられる周期的な走査信号により、互いに直交する偏光成分の光それぞれを変調することを特徴とする波長走査型ファイバレーザ光源。
  7. 上記ファブリペロー電気光学変調器は、上記電気光学結晶を内在するファブリペロー共振器でリング型共振を得るようにしたリング型共振ファブリペロー電気光学変調器からなることを特徴とする請求項6記載の波長走査型ファイバレーザ光源。
  8. 上記ファブリペロー共振器は、上記電気光学結晶を内在するファブリペロー共振器でV型共振を得るようにしたV型共振ファブリペロー電気光学変調器からなることを特徴とする請求項6記載の波長走査型ファイバレーザ光源。
  9. 上記ファブリペロー電気光学変調器は、電気光学結晶を内在するファブリペロー共振器を共焦点となるように各凹面鏡の曲率を設定した共焦点のファブリペロー電気光学変調器からなることを特徴とする請求項7又は請求項8記載の波長走査型ファイバレーザ光源。
  10. 上記ファブリペロー電気光学変調器は、ファブリペロー共振器を構成する凹面鏡間にC軸が直交するように2つの電気光学結晶を配置してなることを特徴とする請求項6記載の波長走査型ファイバレーザ光源。
  11. 上記共振器長制御部が上記ファブリペロー共振器に与える上記周期的な走査信号の波形を調整することにより、上記光学素子を介して取り出されるレーザ光の波数が時間に対して線形になるように校正されていることを特徴とする請求項6記載の波長走査型ファイバレーザ光源。
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