JP2007122908A - フラッシュランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明のフラッシュランプは、アルミナ(Al2O3)からなる発光管11内に一対のタングステンよりなる電極12を具備してなるフラッシュランプ10において、電極12および発光空間内に含有される水素濃度の総和が2.5×10−4(pa・m3/本)以下であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
フラッシュランプは、放射強度の大きな光が高い効率で得られる点で有利であり、1回の発光に要する時間が極めて短く、発光管内部の温度は、例えば1000℃というレベルの高温に達する。
このため、発光管の材料はアルミナ(Al2O3)が注目されており、石英ガラスよりも耐熱性が優れているものである。
発光管の材料にアルミナ(Al2O3)を用いた先行文献として、特開2003−109537号公報、特開2005−044635号公報がある。
先ず初めに、アルミナ(Al2O3)からなる発光管の内表面にできた黒化物を分析し、黒化物の組成がいかなるものであるのか特定することにした。
具体的には、発光管の内表面をX線光電子分光分析方法(XPS分析方法)で黒化物を分析すると、黒化物はAl2O3−xで示される還元種であることが判明した。
フラッシュランプを用いたランプアニールにおいては、フラッシュランプは短いパルス幅であって照射エネルギーを高くして点灯する方が被処理物に対して良好な結果が得られるため、短パルス化し照射エネルギーを大きくしている。
この結果、フラッシュランプを点灯した直後では、発光管の内表面は極めて高温状態になっており、例えば1000℃以上となっている。
すなわち、発光管の黒化は、発光空間に水素が存在することによって発生することをつきとめた。
発光空間内に存在する物質として、最も支配的な物質は電極である。
電極はタングステンからなり、水素中、3000℃の高温でタングステンを焼結させて電極を製造するものである。
さらに、焼結して製造された電極は、その表面に酸化層が形成されており、この酸化層を除去するために、さらに、水素中で加熱を行い還元処理を施すものである。
つまり、このようにして製造された電極には、水素が吸蔵(含有)されてしまうものである。
つまり、発光空間には、電極から放出された水素、なんらかの要因で混入した水素が存在することになる。
つまり、1本のフラッシュランプにおいて、発光管の内表面を還元して黒化させる要因となる水素は、発光管内に存在する電極に吸蔵(含有)されている水素と、発光空間に存在する水素の両方の水素である。
図1は本発明に係るフラッシュランプ装置を示す。
本発明のフラッシュランプ10は直管状の発光管11を有する。発光管11の内部には一対のモリブデンからなる電極12が電極棒13に支持されて対向配置されている。発光管11の両端には、多結晶アルミナ焼結体よりなる円柱状の封止部材14が挿入されている。発光管11と封止部材14の間は封着ガラス15によって気密に封着されている。
封止部材14には電極棒13が発光管11の軸方向に伸びるように貫通して設けられている。電極棒13と封止部材14も封着ガラス15によって気密に封着されている。
発光管11の内部は発光空間を形成するとともに、放電発光ガスとして、例えば、キセノンガスが封入されている。
この発光管11は、外径13mm、肉厚1.3mm、電極間の発光長が250mmである。
なお、図示略ではあるが、発光管11の外表面にはトリガワイヤが設けられている。
そして、本発明のフラッシュランプ10にリード線16とフラッシュランプに電力を給電するための給電装置17がつながり本発明のフラッシュランプ装置を構成している。
ここで言う照射エネルギーとは、発光時間中のエネルギーのことで、点灯時の管壁負荷(J/cm2)をパルス幅(μs)で割った値である。
電極はタングステンからなり、水素中、3000℃の高温でタングステンを焼結させる。次に、焼結して製造された電極の表面が酸化して酸化層になっているので、この酸化層を除去するために、さらに、水素中で加熱を行い還元処理を施し、酸化層を除去する。
その後、電極の脱水素処理を行う。脱水素処理とは、電極に吸蔵(含有)された水素を放出させるために、真空中で加熱処理するものである。この処理において、真空度と加熱温度と加熱時間を調整することにより、電極に吸蔵(含有)された水素の放出量を調整する。
実際には、真空度が高く、加熱温度が高く、加熱時間が長くなるほど、電極に含有される水素量を低くすることができる。
そして、得られた水素のガス分圧(pa)を発光空間の内容積(m3)を掛け合わせることで、ランプ1本あたりの含有水素濃度(pa・m3/本)として規定したものである。
なお、発光空間の内容積は、放電空間において、電極と電極棒の体積を除いたものである。
実験条件と結果を表2に示す。
この実験で用いたフラッシュランプは、図1に示すフラッシュランプと同様の構造であって、パルス幅が100μs、照射エネルギー100kW/cm2で点灯したものであり、10万回点灯後の発光管の外観状態を調べたものである。結果を表2に示す。
この結果、パルス幅が200μs以下、照射エネルギーが75kW/cm2以上で点灯するフラッシュランプ装置においては、電極および発光空間内に含有される水素の合計濃度が2.5×10−4(pa・m3/本)以下である本願発明のフラッシュランプを用いることにより、水素濃度を少なくでき、発光管の黒化溶融の現象を極めて効果的に抑制することができるものである。
11 発光管
12 電極
13 電極棒
14 封止部材
15 封着ガラス
16 リード線
17 給電装置
Claims (2)
- アルミナ(Al2O3)からなる発光管内に一対のタングステンよりなる電極を具備してなるフラッシュランプにおいて、
前記電極および発光空間内に含有される水素の合計濃度が、フラッシュランプ1本あたり、2.5×10−4(pa・m3/本)以下であることを特徴とするフラッシュランプ。 - 請求項1に記載のフラッシュランプと、当該フラッシュランプを点灯させるための給電装置からなるフラッシュランプ装置において、
前記フラッシュランプは、パルス幅が200μs以下で、照射エネルギーが75kW/cm2以上で点灯することを特徴とするフラッシュランプ装置。
Priority Applications (1)
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JP2005309703A JP2007122908A (ja) | 2005-10-25 | 2005-10-25 | フラッシュランプ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016502884A (ja) * | 2012-12-21 | 2016-02-01 | ダグラス メイヤー, | 延在カテーテル本体テレスコープを有する回転可能超音波撮像カテーテル |
Citations (4)
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JP2001189146A (ja) * | 1999-10-18 | 2001-07-10 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 高圧放電ランプ、ランプユニットおよび高圧放電ランプの製造方法、ならびに電球 |
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JP2004247127A (ja) * | 2003-02-13 | 2004-09-02 | Ushio Inc | 超高圧放電ランプ |
JP2005044635A (ja) * | 2003-07-22 | 2005-02-17 | Ushio Inc | フラッシュランプおよびフラッシュランプ装置 |
-
2005
- 2005-10-25 JP JP2005309703A patent/JP2007122908A/ja active Pending
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