JP2004064582A - 放送コンテンツ著作権保護システム - Google Patents
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Abstract
【課題】放送コンテンツを配信するシステムにおいて、この放送コンテンツの著作権を保護することができるシステムを提供する。
【解決手段】放送コンテンツ著作権保護システムであって、放送コンテンツの放送送信機1a、放送コンテンツの放送受信機2b、放送コンテンツの2次コンテンツを監視するネットワーク監視装置3a、2次コンテンツを視聴する2次視聴端末4b、2次コンテンツの流通を認識する通報受付装置5a,5bなどを有し、電子透かし挿入設備11a,11bは放送送信機1a、放送受信機2bに設け、電子透かし抽出設備16a,16bはネットワーク監視装置3a、2次視聴端末4bに設ける。特に、放送コンテンツはアナログ出力あるいは内蔵ディスク経由で出力され、識別情報はアナログ耐性を持つ電子透かしを用いて埋め込むようにし、さらに識別情報には装置、利用者の特定情報などが含まれている。
【選択図】 図6
【解決手段】放送コンテンツ著作権保護システムであって、放送コンテンツの放送送信機1a、放送コンテンツの放送受信機2b、放送コンテンツの2次コンテンツを監視するネットワーク監視装置3a、2次コンテンツを視聴する2次視聴端末4b、2次コンテンツの流通を認識する通報受付装置5a,5bなどを有し、電子透かし挿入設備11a,11bは放送送信機1a、放送受信機2bに設け、電子透かし抽出設備16a,16bはネットワーク監視装置3a、2次視聴端末4bに設ける。特に、放送コンテンツはアナログ出力あるいは内蔵ディスク経由で出力され、識別情報はアナログ耐性を持つ電子透かしを用いて埋め込むようにし、さらに識別情報には装置、利用者の特定情報などが含まれている。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放送コンテンツを配信するシステムに関し、特に、電子透かしを用いて放送コンテンツの著作権が保護される配信システム、サービス、媒体に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者が検討したところによれば、放送コンテンツを配信するシステムに関しては、以下のような技術が考えられる。
【0003】
例えば、放送のデジタル化に伴って、周波数帯域の有効利用が可能となり、多くのチャンネルにおいて高精細かつ高音質のコンテンツを放送できるようになってきた。また、デジタル録画、双方向、データ放送などの多様な新サービスの提供が可能になってきた。一方、DVDなどの大容量媒体を用いた映像や音声の流通が進むと共に、インターネットの広帯域化によって、ネットワークを通じた映像や音声の配信サービスも可能になってきた。このように、デジタル化技術、それを用いた放送、媒体、ネットワーク技術の発展により、多種多様なコンテンツサービスが可能となっている。
【0004】
ところが、これらの技術の負の側面として、高画質、高音質の放送コンテンツを不正にコピーし、媒体やインターネットを通じて配布することが容易になっている。そのため、放送局や番組制作会社および素材提供会社などの著作権が侵害されることが懸念されている。
【0005】
この問題を解決するために、現在、暗号、認証および耐タンパーハードウェアを組み合わせたCAS(Conditional Access System:限定受信システム)などの著作権保護技術が放送受信機に適用され、一定の効果を上げている。
【0006】
しかしながら、放送受信機は、デジタル録画機への出力、アナログSD(標準品位)およびHD(高品位)出力など多様な出力があり、不正コピーの抜け道が広がっている。また、著作権保護技術を装着していない放送受信機および周辺機器が既に普及しているという事実もある。これらを考えると、現在利用されている著作権保護技術だけで充分とは言い切れない。
【0007】
一方、著作権保護のための新しい要素技術として、コンテンツに著作権情報を埋め込む電子透かし技術の実用化が進んでおり、DVD上の映像や音楽への適用検討が進んでいる。電子透かしを用いることで、現在の著作権保護技術を補えるという期待がある。
【0008】
放送の手続きには、例えば図7に示したように、次の著作権侵害に関する脅威がある。(A)放送局が放送コンテンツを送信し、放送視聴者がこれを受信するフェーズにおいて、ライセンスを取得していない第3者が勝手に受信し、電波を解析してコンテンツを利用する。(B)放送局が放送視聴者に放送コンテンツの利用ライセンスを許諾・付与するフェーズにおいて、放送視聴者が契約で定めた範囲外(指定期限後あるいは指定端末以外での視聴など)に利用する。(C)放送局が放送視聴者に利用料金を請求・回収するフェーズにおいて、放送視聴者が料金をごまかす。(D)放送視聴者が放送コンテンツを視聴・蓄積するフェーズにおいて、視聴時に暗号解除されたコンテンツ、あるいは、蓄積されたコンテンツを放送視聴者が不正コピーし、再配布する。
【0009】
もしも、前記(D)の脅威により、不正コピーコンテンツが作成された場合、例えば図8に示したように、以下の過程を経て実害に至る。(E)2次配信者が不正コピーコンテンツを配信する。(F)2次視聴者が不正コピーコンテンツを視聴する。
【0010】
従来技術においては、まず、脅威(A),(B),(C)は、CASによって対策している。CASは、放送を視聴できる受信者を限定するシステムである。例えば、BSデジタル放送のCAS(B−CAS)では、放送コンテンツに暗号化処理(スクランブル)を行って送出する。ICカードに入れて放送視聴者に配布したマスター鍵に基づき、ワーク鍵、スクランブル鍵の管理を通じて、正当な視聴者が契約通りに視聴する場合のみ暗号の解除を可能とする。
【0011】
このCASでは、放送コンテンツが暗号によって保護され、暗号の鍵のうちワーク鍵およびスクランブル鍵はマスター鍵によって保護され、マスター鍵はICカードによって保護される。ICカードは耐タンパー処理と呼ばれる技術により、内部への侵入を防止可能となっている。このように、CASは確立された技術であり、その著作権保護機能は強固である。そこで、残る脅威である(D)(視聴時に暗号解除されたコンテンツあるいは蓄積されたコンテンツの不正コピー)が問題となる。
【0012】
放送受信機において、不正コピーの脅威となる経路は、(D−1)装置のこじ開け、(D−2)デジタル信号出力経由、(D−3)内蔵ディスク経由、(D−4)アナログ信号出力経由、の4個所ある。
(D−1)装置のこじ開け
装置をこじ開けて、LSIの内部端子にプローブを接続し、動作中の波形をリアルタイムで記録したり、内部バスのデータを読み出す攻撃などが想定される。これらの脅威に対して、放送受信機で耐タンパー処理を設けている。耐タンパー処置は確立された技術であり、強固な保護が可能である。
(D−2)デジタル信号出力経由
放送受信機のデジタル信号出力に対して、モニタを接続する替わりに録画機を接続して、放送コンテンツを不正にコピーするなどの方法が脅威として存在する。これらの脅威に対して、DTCP、HDCPなどの規約によって対策している。
【0013】
DTCPは、IEEE 1394を介した不正コピーを防止するための規格である。DTCPでは、データ毎に、「コピーフリー」、「コピー不可」、「一世代コピー可」、「これ以上コピー不可」のいずれかを識別、管理する。また、データの出力先機器が規格に則った機器であることを確認する。さらに、機器の種別を認識することで、データ送信の可否を判断する。例えば、コピー不可の放送コンテンツをデジタル信号出力から出力する場合には、出力先機器がモニタか録画機かを認証を通じて識別し、モニタであれば出力し、録画機であれば出力しないという制御を行う。更に、送信時にはデータを暗号化することで、通信路での盗用を防止する。
【0014】
HDCPは、コンテンツのデジタル信号をデジタルモニタに出力するうえでの認証や暗号化などを定義した仕様である。DTCPおよびHDCPは確立された技術であり、強固な保護が可能である。
(D−3)内蔵ディスク経由
放送受信機の中には、ディスクを内蔵したPVR(Personal Video Recorder)の機能を持つものがある。ディスクに放送コンテンツを蓄積することにより、好きな時に再生視聴できるなどのユーザメリットがある。この内蔵ディスクを解析して放送コンテンツを不正コピーされるという脅威がある。
【0015】
この脅威への対策として、PVRでは、ディスク格納時に、放送コンテンツを暗号化しておくことが規定されている。すなわち、仮にデータを取り出せても、そのデータがコンテンツとして視聴できないようにしている。
(D−4)アナログ信号出力経由
SDおよびHDのアナログ信号出力を録画されるという脅威がある。
【0016】
まず、SDアナログ信号出力での脅威に対しては、疑似シンクパルスが最も一般的な対策である。この技術は、映像信号の一部に特殊な信号を埋め込んでおくことにより、閲覧制御を行うものである。しかし、疑似シンクパルスによる不正防止は一定の効果はあるものの、万全ではない。
【0017】
一方、HDアナログ信号出力での脅威に対しては、コピー世代管理システムCGMS−A(Copy Generation Management System on Analog Interface)規格がある。CGMS−Aでは、信号にコピー制御情報(コピー可、一世代コピー可、コピー不可など)を埋め込んで出力することにより、受け取る周辺機器側でのコピー制御を可能にする。
【0018】
以上のように、コンテンツの正規の流れにおいて想定された(A),(B),(C)の不正行為は、CASにより防止できる。しかしながら、(D)の不正行為、特に、アナログ出力を介した不正コピー(D−4)に対しては、不正コピー対策が万全ではない。
【0019】
では、暗号、認証などの従来技術の延長で、不正コピーを防止できるだろうか。そのためには、周辺機器側で暗号、認証技術などの標準装備が必要となる。この装備により、例えば、コピー不可映像の放送を受信した時、放送受信機のアナログ出力に接続された機器がモニタか録画機かを機器認証を通じて識別し、モニタであれば出力し、録画機であれば出力しないといった制御を行うことができる。
【0020】
しかし、周辺機器は、放送用途だけでなく、他分野にも使われているため、新しい標準化規約を強制することは困難である。更に、既に使われている周辺機器を、機器認証に応じない機器として使用できなくするのは、ユーザメリットに反するため、市場に受け入れられにくい。従って、暗号、認証などの従来技術の延長では、不正コピーを完全に防止することは難しい。
【0021】
一方、電子透かしは、映像や音楽などのコンテンツに情報を埋め込み、また、コンテンツから情報を検出する技術である。情報の埋め込みでは、コンテンツに微少な変更を加えることで情報を埋め込む。すなわち、変更した場所と変更内容によって情報を表わす。従って、オリジナルコンテンツと情報埋め込みコンテンツは、人間の視覚や聴覚には同じに感じられるが、わずかに異なっている。情報の検出では、コンテンツに加えられた変更を読み取ることで、埋め込んだ情報を検出する。
【0022】
この電子透かしは、例えば“インターネット時代の情報セキュリティー暗号と電子透かし”(2000)に記載されているように、以下の特徴を有する。情報をコンテンツのヘッダーなどに記述するのではなく、コンテンツ自体に埋め込むので、情報をコンテンツから容易には除去できない。電子透かしの方式によっては、JPEG、MPEGなどの非可逆圧縮、平滑化などのフィルタリング、一部切り取りなどの様々な画像処理を加えた後でも、埋め込んだ情報を検出可能である。また、一旦アナログ信号に変換した後でも、再デジタル化することで埋め込んだ情報を検出できる方式もある。
【0023】
また、この電子透かしにおいて、情報を埋め込んだコンテンツは埋め込まないコンテンツと同じ形式である。従って、情報の埋め込みおよび検出時のみ特殊なシステムが必要であるが、コンテンツの記録、転送、処理においては特殊なシステムを必要としない。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記のような放送コンテンツを配信するシステムについて、本発明者が検討した結果、以下のようなことが明らかとなった。
【0025】
例えば、放送コンテンツの視聴者から、対価を正当に権利者に返すシステム作りは、放送コンテンツの制作者への制作動機を促し、ポジティブフィードバックにより放送文化全体を拡大しうる。しかし、従来の著作権保護技術では、放送受信機のアナログ出力からの不正コピーを完全に防止できないという問題点があった。そのため、著作権保護は大きな課題となっている。
【0026】
この問題に対して、電子透かしは要素技術として、従来技術を補完する役割を担うことが期待されている。特に、不正コピーの作成および配信を検知、通報するために、有効利用することが可能である。しかしながら、電子透かしの利用方法、及び、放送コンテンツの著作権保護方法、及び著作権保護システム、及びそれを利用したサービスについて、これまで、具体的には、何も開示された情報がなかった。
【0027】
そこで、本発明の目的は、放送コンテンツを配信するシステムにおいて、この放送コンテンツの著作権を保護することができるシステムを提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明の前記目的は、次のような手段によって達成される。すなわち、本発明における放送コンテンツの著作権保護システムは、放送コンテンツを送信する放送送信機、放送コンテンツを受信する放送受信機、放送コンテンツの2次コンテンツを監視するネットワーク監視装置、放送コンテンツの2次コンテンツを視聴する2次視聴端末などを有し、これらの構成装置内に、電子透かしの挿入手段、電子透かしの抽出手段を任意に設けるものである。さらに、電子透かしの抽出結果を受け付け、2次コンテンツの流通を認識する通報受付装置をさらに有するものである。
【0029】
例えば、本発明の放送コンテンツの著作権保護システムにおいては、電子透かしの挿入手段は放送送信機、放送受信機に設け、電子透かしの抽出手段はネットワーク監視装置、2次視聴端末に設けるようにしたものである。特に、放送コンテンツはアナログ出力で出力され、この放送コンテンツの著作権を識別するための識別情報はアナログ耐性を持つ電子透かし(アナログ変換を含む画像処理に耐える手法)を用いて埋め込むようにし、さらに識別情報には装置、その利用者を特定するための特定情報(ID、マスター鍵、ライセンス鍵)などを含むようにしたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0031】
本発明の望ましい実施の形態において、放送コンテンツの著作権保護システムは、例えば図1に示すように、放送送信機1、放送受信機2、ネットワーク監視装置3、2次視聴端末4、通報受付装置5などから構成される。このシステムにおいて、放送送信機1、放送受信機2、ネットワーク監視装置3、2次視聴端末4の装置内には、電子透かしを埋め込むための挿入手段、電子透かしを検出するための抽出手段が任意に設けられる。また、2次コンテンツが検知された場合には通報受付装置5に通報され、然るべき対抗処置が取られる。
【0032】
具体的には、(1)放送送信機1で電子透かしを挿入し、ネットワーク監視装置3で検出する場合(実施の形態1)、(2)放送送信機1で電子透かしを挿入し、2次視聴端末4で検出する場合(実施の形態2)、(3)放送受信機2で電子透かしを挿入し、ネットワーク監視装置3で検出する場合(実施の形態3)、(4)放送受信機2で電子透かしを挿入し、2次視聴端末4で検出する場合(実施の形態4)、(5)前記を組み合わせた場合(実施の形態5)、の5つの例が考えられる。以下において、それぞれの場合を順に説明する。
【0033】
なお、本実施の形態において用いる主な用語について、放送コンテンツ:放送で流す映像・音声などのコンテンツ、放送視聴者:放送コンテンツを視聴する主体、2次コンテンツ:放送コンテンツをコピーおよび編集してネットワークや可搬媒体を通じて流通させるコンテンツ、2次配信者:2次コンテンツを配信する主体、2次視聴者:2次コンテンツを視聴する主体、をそれぞれ意味する。
【0034】
また、本実施の形態において、電子透かしは、アナログ変換を含む画像処理に耐える手法を用いる。このアナログ耐性を持つ電子透かしとは、ある情報を埋め込んだデジタルコンテンツを一旦アナログ信号に変換した後、再度デジタイズしたコンテンツから、その情報が抽出できるような電子透かしを言う。この変換過程をDA/AD(デジタル−アナログ/アナログ−デジタル)変換と言う。このDA/AD変換においては、コンテンツは平滑化、スケール変換などの画像処理、音響処理を受けることとなる。このため、アナログ耐性のない電子透かしは変換過程において欠落する可能性があるが、アナログ耐性のある電子透かしは、変換後もコンテンツ内に残り、埋め込み情報を検出できる。
【0035】
このアナログ耐性を持つ電子透かしを、放送コンテンツに適用することは技術的に実現可能である。なぜなら、放送コンテンツとして用いられる映像(動画)データは、基本的には連続した静止画であるフレームデータと、それに同期した音声・音楽データからなる。従って、映像データについても、既存の静止画に対するアナログ耐性のある電子透かしの技術(例えば“印刷画像に対する電子透かし方式の検討”、電子情報通信学会論文誌、’99/7 Vol.J82−A No.7、pp.1156−1159(2000))、既存の音声・音楽データに対するアナログ耐性のある電子透かしの技術(例えば“電子透かしの基礎”、森北出版株式会社(1998))をそれぞれ組み合わせることにより、アナログ耐性を持つ電子透かしとすることができる。
【0036】
また、文献「W.Bender,D.Gruhl,N.Morimoto:Techniques for data hiding,Proc.SPIE,Vol.2020,pp.2420−2440(1995)」や、「日経エレクトロニクス,1997.2.24(no.683),電子透かしを支えるデータ・ハイディング技術(上)」によると、電子透かしを実装する具体的方法について記載がある。この方法によると、画像の中から抽出した2点の輝度を繰り返し人為的に変更することにより、統計量として電子透かし情報を埋め込むことができる。平滑化フィルタや解像度変換のような、画像全体に対して均質にかかる画像処理において、この統計量は原理上普遍的である。ただし、アナログコピーを重ね、鑑賞に堪えられないくらいまで画像処理を行った場合、電子透かしが残らない可能性もあり得る。例えば、平滑化を非常に数多く繰り返せば、全ての色が混じった灰色一色の絵になると考えられるが、もはや、電子透かしはもとより、原画の価値も残っていない。上記文献の方法によると、原画を損ねることなく電子透かしを分離することは不可能で、この原理を応用すれば、充分なアナログ耐性のある電子透かしを容易に実現することができる。
【0037】
この放送コンテンツの場合、まず放送受信機からアナログ出力端子あるいは内蔵ディスクを経由してモニタに放送コンテンツが出力される過程で、DA変換を受ける。次に、モニタに替わり、ビデオキャプチャシステムなどを接続するなどして、不正コピーが行われた場合、再デジタル化によりAD変換を受ける。このとき、DA/AD変換における画像処理、音響処理に対する耐性は、既存のアナログ耐性(平滑化、スケール変換などへの耐性)と技術的に等価である。よって、本実施の形態においては、放送コンテンツにアナログ耐性を持つ電子透かしの手法を用いる。
【0038】
(実施の形態1)
図2により、本発明の実施の形態1の放送コンテンツ著作権保護システムの構成の一例を説明する。図2は本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムの構成図を示し、(a)は電子透かしの挿入場所と抽出場所を概念的に示した図で、(b)は具体的に示した図である。
【0039】
本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムは、例えば放送送信機で電子透かしを挿入し、ネットワーク監視装置で検出する場合に適用され、放送送信機1a、放送受信機2a、2次配信サーバ6a、2次視聴端末4a、ネットワーク監視装置3a、通報受付装置5aなどから構成され、2次配信サーバ6a、2次視聴端末4a、ネットワーク監視装置3aはネットワークを介して接続されている。
【0040】
この放送コンテンツ著作権保護システムにおいて、放送送信機1aから放送受信機2aへは、正規の放送経路により電波信号が送信/受信される。放送受信機2aから2次配信サーバ6aを経由して2次視聴端末4aへは、ネットワークを通じた海賊版の流通経路となる。なお、2次配信サーバ6aから2次視聴端末4aへは、ネットワークを介することなく、可搬媒体による流通経路も考えられるが、これについては後述する、2次視聴端末4aに電子透かしの抽出場所を設ける場合の例で対応することができる。
【0041】
放送送信機1aは、放送コンテンツを送信する機能を含む装置である。この放送送信機1aには、電子透かしを埋め込むための挿入手段である電子透かし挿入設備11が設けられ、オリジナル放送コンテンツ12に、このオリジナル放送コンテンツ12の著作権を識別するための識別情報13が電子透かし挿入設備11によって埋め込まれ、電子透かし入り放送コンテンツ14として送信される。なお、電子透かしとして挿入する識別情報13には、オリジナル放送コンテンツ12の著作権者や放送送信機1aなどを特定する情報を用いることができる。この電子透かし挿入設備11における電子透かしの埋め込みは、例えば所定のアルゴリズムにより行われる。
【0042】
放送受信機2aは、放送コンテンツを受信する機能を含む装置である。この放送受信機2aでは、放送送信機1aから送信された電子透かし入り放送コンテンツ14が受信され、放送視聴者により視聴される。この電子透かし入り放送コンテンツ14は、放送受信機2aからアナログ出力あるいは内蔵ディスク経由で出力される。
【0043】
2次配信サーバ6aは、放送コンテンツの2次コンテンツを配信する機能を含む装置である。この2次配信サーバ6aには、例えば放送受信機2aにより受信した電子透かし入り放送コンテンツ14に対して不正コピーを行う放送視聴者がいた場合、電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)15が海賊版として流出される。この電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)15が2次コンテンツとなる。
【0044】
2次視聴端末4aは、放送コンテンツの2次コンテンツを視聴する機能を含む装置である。この2次視聴端末4aでは、例えば2次コンテンツである電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)15が流出された場合に、2次視聴者によって不正に視聴される。
【0045】
ネットワーク監視装置3aは、放送コンテンツの2次コンテンツを監視する機能を含む装置である。このネットワーク監視装置3aには、電子透かしを検出するための抽出手段である電子透かし抽出設備16が設けられ、2次コンテンツに対して電子透かし検出処理を行い、2次コンテンツに埋め込まれた識別情報13が電子透かし抽出設備16によって検出される。このネットワーク監視装置3aでは、例えば電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)15に埋め込まれた識別情報13の抽出結果により、2次配信サーバ6aが海賊版の2次コンテンツを配信していることを検知した場合に通報受付装置5aに通報する。この電子透かし抽出設備16における電子透かし検出処理は、例えば所定のアルゴリズムにより行われる。
【0046】
通報受付装置5aは、電子透かしの抽出結果を受け付け、2次コンテンツの流通を認識する機能を含む装置である。この通報受付装置5aでは、ネットワーク監視装置3aからの通報により、海賊版の2次コンテンツを配信している2次配信者に対して配信停止を促すなどの対抗処置が取られる。
【0047】
次に、本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムにおける動作手順を説明する。
【0048】
まず、例えば放送局などの放送送信機1aにおいて、オリジナル放送コンテンツ12に対して、電子透かし挿入設備11により、オリジナル放送コンテンツ(あるいは放送局)の識別情報13を埋め込む。さらに、放送送信機1aから、オリジナル放送コンテンツ12に識別情報13が埋め込まれた電子透かし入り放送コンテンツ14を送信する。そして、放送受信機2aで、送信されてきた電子透かし入り放送コンテンツ14を受信し、放送視聴者は電子透かし入り放送コンテンツ14を視聴する。ここまでが、正規の放送経路となる。
【0049】
このとき、例えば不正コピーを行う放送視聴者がいた場合、電子透かし入り放送コンテンツ14は、電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)15の2次コンテンツとして2次配信サーバ6aへ流出する。そして、この流出された海賊版の2次コンテンツは、ネットワークを通じて2次視聴端末4aに配信され、2次視聴端末4aにより更に2次視聴者によって不正に視聴されうる。
【0050】
しかし、ネットワークに接続されたネットワーク監視装置3aにおいて、電子透かし抽出設備16が電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)15の2次コンテンツに対して電子透かし検出処理を適用し、流通されたことを検知して埋め込んだ識別情報13を抽出する。この抽出した識別情報13によって、ある2次配信サーバ6aが2次コンテンツを配信していることを検知した場合、通報受付装置5aに通報し、2次配信者に対して配信停止を促すなどの対抗処置を取ることができる。
【0051】
以上により、本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムによれば、放送送信機1aで電子透かしを挿入し、ネットワーク監視装置3aで検出することにより、以下のような効果を得ることができる。
(1)コストが極めて小さい。なぜなら、電子透かし挿入設備11は、放送送信機1aを持つ放送局などに少なくとも一個所あればよく、電子透かし抽出設備16はネットワーク監視装置3aに少なくとも一個所あればよいからである。ここで言うコストとは、電子透かしを利用するシステムの導入にかかる設備費および人件費を指す。
(2)他の業界との連携や制約を受けるところもないため、実現性も極めて高い。ここで言う実現性は、システムの導入に伴う社会的な摩擦の少なさのことを指す。例えば、放送業界に閉じたシステムは、関与者の利害関係がおよそ一致しているために実現性が高いが、他業界に関わる部分が多いと、関与者間での調整が必要となるため、実現性が低くなる。
(3)予防・回復の効果がある。例えば、放送局などでは放送コンテンツを特定する情報を埋め込むことができる。従って、ネットワーク監視装置3aで不正コピーを検知できる。
【0052】
(実施の形態2)
図3により、本発明の実施の形態2の放送コンテンツ著作権保護システムの構成の一例を説明する。図3は本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムの構成図を示し、(a)は電子透かしの挿入場所と抽出場所を概念的に示した図で、(b)は具体的に示した図である。
【0053】
本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムは、例えば放送送信機で電子透かしを挿入し、2次視聴端末で検出する場合に適用され、前記実施の形態1と同様に、放送送信機1a、放送受信機2a、2次配信サーバ6a、2次視聴端末4b、ネットワーク監視装置3b、通報受付装置5bなどから構成され、前記実施の形態1との相違点は、ネットワーク監視装置に代えて、2次視聴端末4bに電子透かしを検出するための抽出手段である電子透かし抽出設備16を設けるようにした点である。
【0054】
すなわち、本実施の形態の2次視聴端末4bには、電子透かし抽出設備16が設けられ、2次コンテンツに対して電子透かし検出処理を行い、2次コンテンツに埋め込まれた識別情報13が電子透かし抽出設備16によって検出される。よって、本実施の形態においては、ネットワーク監視装置3bは必ずしも必要な装置ではない。
【0055】
以上の構成において、本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムにおける動作手順は、前記実施の形態1と同様に、例えば放送局などの放送送信機1aから送信されてきた電子透かし入り放送コンテンツ14を放送受信機2aで受信し、例えば不正コピーを行う放送視聴者がいた場合、電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)15の2次コンテンツが2次配信サーバ6aへ流出し、さらにネットワークを通じて2次視聴端末4bに配信され、2次視聴者によって不正に視聴されうる。
【0056】
しかし、本実施の形態においては、2次視聴端末4bが電子透かし抽出設備16を備えているので、この電子透かし抽出設備16が電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)15の2次コンテンツに対して電子透かし検出処理を適用し、流通されたことを検知して埋め込んだ識別情報13を抽出する。この抽出した識別情報13によって、ある2次配信サーバ6aが2次コンテンツを配信していることを検知した場合、2次視聴者が通報受付装置5bに通報し、2次配信者に対して配信停止を促すなどの対抗処置を取ることができる。
【0057】
なお、本実施の形態のように、2次視聴端末4bに電子透かし抽出設備16を設ける場合には、ネットワークを介することなく、可搬媒体により流通された電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)15の2次コンテンツに対しても電子透かし検出処理を適用して流通されたことを検知することができるので、同様に2次配信者に対して対抗処置を取ることが可能となる。
【0058】
以上により、本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムによれば、放送送信機1aで電子透かしを挿入し、2次視聴端末4bで検出することにより、以下のような効果を得ることができる。
(1)2次視聴端末4bの台数分のコストで済むため、コストが小さい。
(2)他の業界との連携や制約を受けるところが少ないため、実現性も高い。
(3)予防・回復の効果がある。例えば、放送局などでは放送コンテンツを特定する情報を埋め込むことができる。従って、2次視聴端末4bで不正コピーを検知できる。2次視聴端末4bでの検知は、前記実施の形態1のようなネットワーク監視装置の検知能力より高い。
【0059】
(実施の形態3)
図4により、本発明の実施の形態3の放送コンテンツ著作権保護システムの構成の一例を説明する。図4は本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムの構成図を示し、(a)は電子透かしの挿入場所と抽出場所を概念的に示した図で、(b)は具体的に示した図である。
【0060】
本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムは、例えば放送受信機で電子透かしを挿入し、ネットワーク監視装置で検出する場合に適用され、前記実施の形態1と同様に、放送送信機1b、放送受信機2b、2次配信サーバ6a、2次視聴端末4a、ネットワーク監視装置3a、通報受付装置5aなどから構成され、前記実施の形態1との相違点は、放送送信機に代えて、放送受信機2bに電子透かしを埋め込むための挿入手段である電子透かし挿入設備11を設けるようにした点である。
【0061】
すなわち、本実施の形態の放送受信機2bには、電子透かし挿入設備11が設けられ、受信したオリジナル放送コンテンツ12に、このオリジナル放送コンテンツ12の著作権を識別するための識別情報13が電子透かし挿入設備11によって埋め込まれ、電子透かし入り放送コンテンツ14として送信される。よって、本実施の形態においては、電子透かしとして挿入する識別情報13に、放送受信機2bや放送視聴者個人などを特定する情報を用いることもできる。例えば、装置あるいは個人毎に付与されたID、マスター鍵、ライセンス鍵などの属性情報がある。
【0062】
以上の構成において、本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムにおける動作手順は、まず、例えば放送局などの放送送信機1bから、オリジナル放送コンテンツ12を送信する。そして、放送受信機2bでオリジナル放送コンテンツ12を受信し、放送視聴者はオリジナル放送コンテンツ12を視聴するとともに、オリジナル放送コンテンツ12に対して、電子透かし挿入設備11によって識別情報13を埋め込み、電子透かし入り放送コンテンツ14として送信する。
【0063】
このとき、例えば不正コピーを行う放送視聴者がいた場合、前記実施の形態1と同様に、電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)15の2次コンテンツとして2次配信サーバ6aへ流出し、さらにネットワークを通じて2次視聴端末4aに配信されて2次視聴者によって不正に視聴されうるが、ネットワーク監視装置3aの電子透かし抽出設備16が埋め込んだ識別情報13を抽出し、ある2次配信サーバ6aが2次コンテンツを配信していることを検知した場合、通報受付装置5aに通報し、2次配信者に対して配信停止を促すなどの対抗処置を取ることができる。
【0064】
以上により、本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムによれば、放送受信機2bで電子透かしを挿入し、ネットワーク監視装置3aで検出することにより、以下のような効果を得ることができる。
(1)放送受信機2bの台数分のコストで済むため、コストが小さい。
(2)他の業界との連携や制約を受けるところがないため、実現性も極めて高い。
(3)放送視聴者の特定情報(例えば受信機などの番号)を埋め込むことができるため、不正行為者を特定できる。すなわち、不正コピーの作成行為に対する予防・回復の効果が極めて大きい。
【0065】
(実施の形態4)
図5により、本発明の実施の形態4の放送コンテンツ著作権保護システムの構成の一例を説明する。図5は本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムの構成図を示し、(a)は電子透かしの挿入場所と抽出場所を概念的に示した図で、(b)は具体的に示した図である。
【0066】
本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムは、例えば放送受信機で電子透かしを挿入し、2次視聴端末で検出する場合に適用され、前記実施の形態2と同様に、放送送信機1b、放送受信機2b、2次配信サーバ6a、2次視聴端末4b、ネットワーク監視装置(必ずしも必要ではない)3b、通報受付装置5bなどから構成され、前記実施の形態2との相違点は、放送送信機に代えて、放送受信機2bに電子透かしを埋め込むための挿入手段である電子透かし挿入設備11を設けるようにした点である。
【0067】
すなわち、本実施の形態は、前記実施の形態2の電子透かし抽出設備16が設けられた2次視聴端末4bと、前記実施の形態3の電子透かし挿入設備11が設けられた放送受信機2bとを組み合わせた構成となっている。よって、動作手順も、前記実施の形態2と前記実施の形態3を組み合わせた動作となる。
【0068】
以上により、本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムによれば、放送受信機2bで電子透かしを挿入し、2次視聴端末4bで検出することにより、以下のような効果を得ることができる。
(1)不正コピーの作成行為に対する予防・回復の効果が極めて大きい。放送視聴者の特定情報(例えば受信機などの番号)を埋め込むことができるため、2次視聴端末4bで不正コピー作成者を検知できる。2次視聴端末4bでの検知は、ネットワーク監視装置の検知能力より高い。
【0069】
(実施の形態5)
図6により、本発明の実施の形態5の放送コンテンツ著作権保護システムの構成の一例を説明する。図6は本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムの構成図を示し、(a)は電子透かしの挿入場所と抽出場所を概念的に示した図で、(b)は具体的に示した図である。
【0070】
本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムは、例えば放送送信機と放送受信機で電子透かしを挿入し、ネットワーク監視装置と2次視聴端末で検出する場合に適用され、前記実施の形態1と同様に、放送送信機1a、放送受信機2b、2次配信サーバ6b、2次視聴端末4b、ネットワーク監視装置3a、通報受付装置5a,5bなどから構成され、前記実施の形態1との相違点は、放送送信機1aと放送受信機2bに電子透かしを埋め込むための挿入手段である電子透かし挿入設備11a,11bを設け、ネットワーク監視装置3aと2次視聴端末4bに電子透かしを検出するための抽出手段である電子透かし抽出設備16a,16bを設けるようにした点である。
【0071】
すなわち、本実施の形態は、前記実施の形態1の電子透かし挿入設備11aを設けた放送送信機1aおよび電子透かし抽出設備16aを設けたネットワーク監視装置3aと、前記実施の形態4の電子透かし挿入設備11bを設けた放送受信機2bおよび電子透かし抽出設備16bを設けた2次視聴端末4bの組み合わせ、あるいは前記実施の形態2の電子透かし挿入設備11aを設けた放送送信機1aおよび電子透かし抽出設備16bを設けた2次視聴端末4bと、前記実施の形態3の電子透かし挿入設備11bを設けた放送受信機2bおよび電子透かし抽出設備16aを設けたネットワーク監視装置3aを組み合わせた構成となっている。
【0072】
よって、動作手順も、前記実施の形態を組み合わせた動作となる。例えば、放送局などの放送送信機1aにおいて、オリジナル放送コンテンツ12に対して、電子透かし挿入設備11aにより、オリジナル放送コンテンツ(あるいは放送局)の識別情報13aを埋め込む。さらに、放送受信機2bでは、電子透かし入り放送コンテンツ14に対して、電子透かし挿入設備11bにより、放送受信機2bや放送視聴者個人を特定する識別情報13bを埋め込み、2種類電子透かし入り放送コンテンツ17として送信する。
【0073】
そして、例えば、ネットワーク監視装置3aの電子透かし抽出設備16aが2種類電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)18に対して電子透かし検出処理を適用し、2次コンテンツを掲載している装置を検知した場合、通報受付装置5aに通報し、2次配信者に対して配信停止を促すなどの対抗処置を取ることができる。また、2次視聴端末4bの電子透かし抽出設備16bが2種類電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)18に対して電子透かし検出処理を適用し、2次コンテンツを配信している装置を検知した場合、2次視聴者が通報受付装置5bに通報し、2次配信者に対して配信停止を促すなどの対抗処置を取ることができる。
【0074】
以上により、本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムによれば、前記実施の形態1〜4を組み合わせることにより、前記実施の形態1〜4の優れている点を効果として得ることができるので、より強固な著作権の保護が実現できる。
【0075】
なお、本実施の形態のように、前記実施の形態1〜4を組み合わせる場合には、図6の構成に限らず、放送送信機と放送受信機に電子透かし挿入設備を設けてネットワーク監視装置にのみ電子透かし抽出設備を設ける場合、放送送信機と放送受信機に電子透かし挿入設備を設けて2次視聴端末にのみ電子透かし抽出設備を設ける場合、放送送信機にのみ電子透かし挿入設備を設けてネットワーク監視装置と2次視聴端末に電子透かし抽出設備を設ける場合、放送受信機にのみ電子透かし挿入設備を設けてネットワーク監視装置と2次視聴端末に電子透かし抽出設備を設ける場合、などの組み合わせなども可能である。この場合にも同様に、前記実施の形態1〜4の優れている点を効果として得ることができる。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、アナログ変換を含む画像処理に耐える電子透かしは、不正コピーの作成および配信を検知通報することができ、(1)放送送信機で電子透かしを挿入し、ネットワーク監視装置で検出する構成、(2)放送送信機で電子透かしを挿入し、2次視聴端末で検出する構成、(3)放送受信機で電子透かしを挿入し、ネットワーク監視装置で検出する構成、(4)放送受信機で電子透かしを挿入し、2次視聴端末で検出する構成、(5)これらを組み合わせた構成、の5種類のシステム構成にて放送コンテンツの著作権を保護することができる。特に、これらの組み合わせにより、より強固な著作権保護が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の望ましい実施の形態における放送コンテンツの著作権保護システムを示す概略構成図である。
【図2】(a),(b)は本発明の実施の形態1の放送コンテンツ著作権保護システムを示す構成図である。
【図3】(a),(b)は本発明の実施の形態2の放送コンテンツ著作権保護システムを示す構成図である。
【図4】(a),(b)は本発明の実施の形態3の放送コンテンツ著作権保護システムを示す構成図である。
【図5】(a),(b)は本発明の実施の形態4の放送コンテンツ著作権保護システムを示す構成図である。
【図6】(a),(b)は本発明の実施の形態5の放送コンテンツ著作権保護システムを示す構成図である。
【図7】本発明の前提として検討した、放送コンテンツ保護の技術とその脅威を示す説明図である。
【図8】本発明の前提として検討した、放送コンテンツの海賊版の流通を示す説明図である。
【符号の説明】
1,1a,1b…放送送信機、2,2a,2b…放送受信機、3,3a,3b…ネットワーク監視装置、4,4a,4b…2次視聴端末、5,5a,5b…通報受付装置、6,6a,6b…2次配信サーバ、11,11a,11b…電子透かし挿入設備、12…オリジナル放送コンテンツ、13,13a,13b…識別情報、14…電子透かし入り放送コンテンツ、15…電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)、16,16a,16b…電子透かし抽出設備、17…2種類電子透かし入り放送コンテンツ、18…2種類電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、放送コンテンツを配信するシステムに関し、特に、電子透かしを用いて放送コンテンツの著作権が保護される配信システム、サービス、媒体に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者が検討したところによれば、放送コンテンツを配信するシステムに関しては、以下のような技術が考えられる。
【0003】
例えば、放送のデジタル化に伴って、周波数帯域の有効利用が可能となり、多くのチャンネルにおいて高精細かつ高音質のコンテンツを放送できるようになってきた。また、デジタル録画、双方向、データ放送などの多様な新サービスの提供が可能になってきた。一方、DVDなどの大容量媒体を用いた映像や音声の流通が進むと共に、インターネットの広帯域化によって、ネットワークを通じた映像や音声の配信サービスも可能になってきた。このように、デジタル化技術、それを用いた放送、媒体、ネットワーク技術の発展により、多種多様なコンテンツサービスが可能となっている。
【0004】
ところが、これらの技術の負の側面として、高画質、高音質の放送コンテンツを不正にコピーし、媒体やインターネットを通じて配布することが容易になっている。そのため、放送局や番組制作会社および素材提供会社などの著作権が侵害されることが懸念されている。
【0005】
この問題を解決するために、現在、暗号、認証および耐タンパーハードウェアを組み合わせたCAS(Conditional Access System:限定受信システム)などの著作権保護技術が放送受信機に適用され、一定の効果を上げている。
【0006】
しかしながら、放送受信機は、デジタル録画機への出力、アナログSD(標準品位)およびHD(高品位)出力など多様な出力があり、不正コピーの抜け道が広がっている。また、著作権保護技術を装着していない放送受信機および周辺機器が既に普及しているという事実もある。これらを考えると、現在利用されている著作権保護技術だけで充分とは言い切れない。
【0007】
一方、著作権保護のための新しい要素技術として、コンテンツに著作権情報を埋め込む電子透かし技術の実用化が進んでおり、DVD上の映像や音楽への適用検討が進んでいる。電子透かしを用いることで、現在の著作権保護技術を補えるという期待がある。
【0008】
放送の手続きには、例えば図7に示したように、次の著作権侵害に関する脅威がある。(A)放送局が放送コンテンツを送信し、放送視聴者がこれを受信するフェーズにおいて、ライセンスを取得していない第3者が勝手に受信し、電波を解析してコンテンツを利用する。(B)放送局が放送視聴者に放送コンテンツの利用ライセンスを許諾・付与するフェーズにおいて、放送視聴者が契約で定めた範囲外(指定期限後あるいは指定端末以外での視聴など)に利用する。(C)放送局が放送視聴者に利用料金を請求・回収するフェーズにおいて、放送視聴者が料金をごまかす。(D)放送視聴者が放送コンテンツを視聴・蓄積するフェーズにおいて、視聴時に暗号解除されたコンテンツ、あるいは、蓄積されたコンテンツを放送視聴者が不正コピーし、再配布する。
【0009】
もしも、前記(D)の脅威により、不正コピーコンテンツが作成された場合、例えば図8に示したように、以下の過程を経て実害に至る。(E)2次配信者が不正コピーコンテンツを配信する。(F)2次視聴者が不正コピーコンテンツを視聴する。
【0010】
従来技術においては、まず、脅威(A),(B),(C)は、CASによって対策している。CASは、放送を視聴できる受信者を限定するシステムである。例えば、BSデジタル放送のCAS(B−CAS)では、放送コンテンツに暗号化処理(スクランブル)を行って送出する。ICカードに入れて放送視聴者に配布したマスター鍵に基づき、ワーク鍵、スクランブル鍵の管理を通じて、正当な視聴者が契約通りに視聴する場合のみ暗号の解除を可能とする。
【0011】
このCASでは、放送コンテンツが暗号によって保護され、暗号の鍵のうちワーク鍵およびスクランブル鍵はマスター鍵によって保護され、マスター鍵はICカードによって保護される。ICカードは耐タンパー処理と呼ばれる技術により、内部への侵入を防止可能となっている。このように、CASは確立された技術であり、その著作権保護機能は強固である。そこで、残る脅威である(D)(視聴時に暗号解除されたコンテンツあるいは蓄積されたコンテンツの不正コピー)が問題となる。
【0012】
放送受信機において、不正コピーの脅威となる経路は、(D−1)装置のこじ開け、(D−2)デジタル信号出力経由、(D−3)内蔵ディスク経由、(D−4)アナログ信号出力経由、の4個所ある。
(D−1)装置のこじ開け
装置をこじ開けて、LSIの内部端子にプローブを接続し、動作中の波形をリアルタイムで記録したり、内部バスのデータを読み出す攻撃などが想定される。これらの脅威に対して、放送受信機で耐タンパー処理を設けている。耐タンパー処置は確立された技術であり、強固な保護が可能である。
(D−2)デジタル信号出力経由
放送受信機のデジタル信号出力に対して、モニタを接続する替わりに録画機を接続して、放送コンテンツを不正にコピーするなどの方法が脅威として存在する。これらの脅威に対して、DTCP、HDCPなどの規約によって対策している。
【0013】
DTCPは、IEEE 1394を介した不正コピーを防止するための規格である。DTCPでは、データ毎に、「コピーフリー」、「コピー不可」、「一世代コピー可」、「これ以上コピー不可」のいずれかを識別、管理する。また、データの出力先機器が規格に則った機器であることを確認する。さらに、機器の種別を認識することで、データ送信の可否を判断する。例えば、コピー不可の放送コンテンツをデジタル信号出力から出力する場合には、出力先機器がモニタか録画機かを認証を通じて識別し、モニタであれば出力し、録画機であれば出力しないという制御を行う。更に、送信時にはデータを暗号化することで、通信路での盗用を防止する。
【0014】
HDCPは、コンテンツのデジタル信号をデジタルモニタに出力するうえでの認証や暗号化などを定義した仕様である。DTCPおよびHDCPは確立された技術であり、強固な保護が可能である。
(D−3)内蔵ディスク経由
放送受信機の中には、ディスクを内蔵したPVR(Personal Video Recorder)の機能を持つものがある。ディスクに放送コンテンツを蓄積することにより、好きな時に再生視聴できるなどのユーザメリットがある。この内蔵ディスクを解析して放送コンテンツを不正コピーされるという脅威がある。
【0015】
この脅威への対策として、PVRでは、ディスク格納時に、放送コンテンツを暗号化しておくことが規定されている。すなわち、仮にデータを取り出せても、そのデータがコンテンツとして視聴できないようにしている。
(D−4)アナログ信号出力経由
SDおよびHDのアナログ信号出力を録画されるという脅威がある。
【0016】
まず、SDアナログ信号出力での脅威に対しては、疑似シンクパルスが最も一般的な対策である。この技術は、映像信号の一部に特殊な信号を埋め込んでおくことにより、閲覧制御を行うものである。しかし、疑似シンクパルスによる不正防止は一定の効果はあるものの、万全ではない。
【0017】
一方、HDアナログ信号出力での脅威に対しては、コピー世代管理システムCGMS−A(Copy Generation Management System on Analog Interface)規格がある。CGMS−Aでは、信号にコピー制御情報(コピー可、一世代コピー可、コピー不可など)を埋め込んで出力することにより、受け取る周辺機器側でのコピー制御を可能にする。
【0018】
以上のように、コンテンツの正規の流れにおいて想定された(A),(B),(C)の不正行為は、CASにより防止できる。しかしながら、(D)の不正行為、特に、アナログ出力を介した不正コピー(D−4)に対しては、不正コピー対策が万全ではない。
【0019】
では、暗号、認証などの従来技術の延長で、不正コピーを防止できるだろうか。そのためには、周辺機器側で暗号、認証技術などの標準装備が必要となる。この装備により、例えば、コピー不可映像の放送を受信した時、放送受信機のアナログ出力に接続された機器がモニタか録画機かを機器認証を通じて識別し、モニタであれば出力し、録画機であれば出力しないといった制御を行うことができる。
【0020】
しかし、周辺機器は、放送用途だけでなく、他分野にも使われているため、新しい標準化規約を強制することは困難である。更に、既に使われている周辺機器を、機器認証に応じない機器として使用できなくするのは、ユーザメリットに反するため、市場に受け入れられにくい。従って、暗号、認証などの従来技術の延長では、不正コピーを完全に防止することは難しい。
【0021】
一方、電子透かしは、映像や音楽などのコンテンツに情報を埋め込み、また、コンテンツから情報を検出する技術である。情報の埋め込みでは、コンテンツに微少な変更を加えることで情報を埋め込む。すなわち、変更した場所と変更内容によって情報を表わす。従って、オリジナルコンテンツと情報埋め込みコンテンツは、人間の視覚や聴覚には同じに感じられるが、わずかに異なっている。情報の検出では、コンテンツに加えられた変更を読み取ることで、埋め込んだ情報を検出する。
【0022】
この電子透かしは、例えば“インターネット時代の情報セキュリティー暗号と電子透かし”(2000)に記載されているように、以下の特徴を有する。情報をコンテンツのヘッダーなどに記述するのではなく、コンテンツ自体に埋め込むので、情報をコンテンツから容易には除去できない。電子透かしの方式によっては、JPEG、MPEGなどの非可逆圧縮、平滑化などのフィルタリング、一部切り取りなどの様々な画像処理を加えた後でも、埋め込んだ情報を検出可能である。また、一旦アナログ信号に変換した後でも、再デジタル化することで埋め込んだ情報を検出できる方式もある。
【0023】
また、この電子透かしにおいて、情報を埋め込んだコンテンツは埋め込まないコンテンツと同じ形式である。従って、情報の埋め込みおよび検出時のみ特殊なシステムが必要であるが、コンテンツの記録、転送、処理においては特殊なシステムを必要としない。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記のような放送コンテンツを配信するシステムについて、本発明者が検討した結果、以下のようなことが明らかとなった。
【0025】
例えば、放送コンテンツの視聴者から、対価を正当に権利者に返すシステム作りは、放送コンテンツの制作者への制作動機を促し、ポジティブフィードバックにより放送文化全体を拡大しうる。しかし、従来の著作権保護技術では、放送受信機のアナログ出力からの不正コピーを完全に防止できないという問題点があった。そのため、著作権保護は大きな課題となっている。
【0026】
この問題に対して、電子透かしは要素技術として、従来技術を補完する役割を担うことが期待されている。特に、不正コピーの作成および配信を検知、通報するために、有効利用することが可能である。しかしながら、電子透かしの利用方法、及び、放送コンテンツの著作権保護方法、及び著作権保護システム、及びそれを利用したサービスについて、これまで、具体的には、何も開示された情報がなかった。
【0027】
そこで、本発明の目的は、放送コンテンツを配信するシステムにおいて、この放送コンテンツの著作権を保護することができるシステムを提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明の前記目的は、次のような手段によって達成される。すなわち、本発明における放送コンテンツの著作権保護システムは、放送コンテンツを送信する放送送信機、放送コンテンツを受信する放送受信機、放送コンテンツの2次コンテンツを監視するネットワーク監視装置、放送コンテンツの2次コンテンツを視聴する2次視聴端末などを有し、これらの構成装置内に、電子透かしの挿入手段、電子透かしの抽出手段を任意に設けるものである。さらに、電子透かしの抽出結果を受け付け、2次コンテンツの流通を認識する通報受付装置をさらに有するものである。
【0029】
例えば、本発明の放送コンテンツの著作権保護システムにおいては、電子透かしの挿入手段は放送送信機、放送受信機に設け、電子透かしの抽出手段はネットワーク監視装置、2次視聴端末に設けるようにしたものである。特に、放送コンテンツはアナログ出力で出力され、この放送コンテンツの著作権を識別するための識別情報はアナログ耐性を持つ電子透かし(アナログ変換を含む画像処理に耐える手法)を用いて埋め込むようにし、さらに識別情報には装置、その利用者を特定するための特定情報(ID、マスター鍵、ライセンス鍵)などを含むようにしたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0031】
本発明の望ましい実施の形態において、放送コンテンツの著作権保護システムは、例えば図1に示すように、放送送信機1、放送受信機2、ネットワーク監視装置3、2次視聴端末4、通報受付装置5などから構成される。このシステムにおいて、放送送信機1、放送受信機2、ネットワーク監視装置3、2次視聴端末4の装置内には、電子透かしを埋め込むための挿入手段、電子透かしを検出するための抽出手段が任意に設けられる。また、2次コンテンツが検知された場合には通報受付装置5に通報され、然るべき対抗処置が取られる。
【0032】
具体的には、(1)放送送信機1で電子透かしを挿入し、ネットワーク監視装置3で検出する場合(実施の形態1)、(2)放送送信機1で電子透かしを挿入し、2次視聴端末4で検出する場合(実施の形態2)、(3)放送受信機2で電子透かしを挿入し、ネットワーク監視装置3で検出する場合(実施の形態3)、(4)放送受信機2で電子透かしを挿入し、2次視聴端末4で検出する場合(実施の形態4)、(5)前記を組み合わせた場合(実施の形態5)、の5つの例が考えられる。以下において、それぞれの場合を順に説明する。
【0033】
なお、本実施の形態において用いる主な用語について、放送コンテンツ:放送で流す映像・音声などのコンテンツ、放送視聴者:放送コンテンツを視聴する主体、2次コンテンツ:放送コンテンツをコピーおよび編集してネットワークや可搬媒体を通じて流通させるコンテンツ、2次配信者:2次コンテンツを配信する主体、2次視聴者:2次コンテンツを視聴する主体、をそれぞれ意味する。
【0034】
また、本実施の形態において、電子透かしは、アナログ変換を含む画像処理に耐える手法を用いる。このアナログ耐性を持つ電子透かしとは、ある情報を埋め込んだデジタルコンテンツを一旦アナログ信号に変換した後、再度デジタイズしたコンテンツから、その情報が抽出できるような電子透かしを言う。この変換過程をDA/AD(デジタル−アナログ/アナログ−デジタル)変換と言う。このDA/AD変換においては、コンテンツは平滑化、スケール変換などの画像処理、音響処理を受けることとなる。このため、アナログ耐性のない電子透かしは変換過程において欠落する可能性があるが、アナログ耐性のある電子透かしは、変換後もコンテンツ内に残り、埋め込み情報を検出できる。
【0035】
このアナログ耐性を持つ電子透かしを、放送コンテンツに適用することは技術的に実現可能である。なぜなら、放送コンテンツとして用いられる映像(動画)データは、基本的には連続した静止画であるフレームデータと、それに同期した音声・音楽データからなる。従って、映像データについても、既存の静止画に対するアナログ耐性のある電子透かしの技術(例えば“印刷画像に対する電子透かし方式の検討”、電子情報通信学会論文誌、’99/7 Vol.J82−A No.7、pp.1156−1159(2000))、既存の音声・音楽データに対するアナログ耐性のある電子透かしの技術(例えば“電子透かしの基礎”、森北出版株式会社(1998))をそれぞれ組み合わせることにより、アナログ耐性を持つ電子透かしとすることができる。
【0036】
また、文献「W.Bender,D.Gruhl,N.Morimoto:Techniques for data hiding,Proc.SPIE,Vol.2020,pp.2420−2440(1995)」や、「日経エレクトロニクス,1997.2.24(no.683),電子透かしを支えるデータ・ハイディング技術(上)」によると、電子透かしを実装する具体的方法について記載がある。この方法によると、画像の中から抽出した2点の輝度を繰り返し人為的に変更することにより、統計量として電子透かし情報を埋め込むことができる。平滑化フィルタや解像度変換のような、画像全体に対して均質にかかる画像処理において、この統計量は原理上普遍的である。ただし、アナログコピーを重ね、鑑賞に堪えられないくらいまで画像処理を行った場合、電子透かしが残らない可能性もあり得る。例えば、平滑化を非常に数多く繰り返せば、全ての色が混じった灰色一色の絵になると考えられるが、もはや、電子透かしはもとより、原画の価値も残っていない。上記文献の方法によると、原画を損ねることなく電子透かしを分離することは不可能で、この原理を応用すれば、充分なアナログ耐性のある電子透かしを容易に実現することができる。
【0037】
この放送コンテンツの場合、まず放送受信機からアナログ出力端子あるいは内蔵ディスクを経由してモニタに放送コンテンツが出力される過程で、DA変換を受ける。次に、モニタに替わり、ビデオキャプチャシステムなどを接続するなどして、不正コピーが行われた場合、再デジタル化によりAD変換を受ける。このとき、DA/AD変換における画像処理、音響処理に対する耐性は、既存のアナログ耐性(平滑化、スケール変換などへの耐性)と技術的に等価である。よって、本実施の形態においては、放送コンテンツにアナログ耐性を持つ電子透かしの手法を用いる。
【0038】
(実施の形態1)
図2により、本発明の実施の形態1の放送コンテンツ著作権保護システムの構成の一例を説明する。図2は本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムの構成図を示し、(a)は電子透かしの挿入場所と抽出場所を概念的に示した図で、(b)は具体的に示した図である。
【0039】
本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムは、例えば放送送信機で電子透かしを挿入し、ネットワーク監視装置で検出する場合に適用され、放送送信機1a、放送受信機2a、2次配信サーバ6a、2次視聴端末4a、ネットワーク監視装置3a、通報受付装置5aなどから構成され、2次配信サーバ6a、2次視聴端末4a、ネットワーク監視装置3aはネットワークを介して接続されている。
【0040】
この放送コンテンツ著作権保護システムにおいて、放送送信機1aから放送受信機2aへは、正規の放送経路により電波信号が送信/受信される。放送受信機2aから2次配信サーバ6aを経由して2次視聴端末4aへは、ネットワークを通じた海賊版の流通経路となる。なお、2次配信サーバ6aから2次視聴端末4aへは、ネットワークを介することなく、可搬媒体による流通経路も考えられるが、これについては後述する、2次視聴端末4aに電子透かしの抽出場所を設ける場合の例で対応することができる。
【0041】
放送送信機1aは、放送コンテンツを送信する機能を含む装置である。この放送送信機1aには、電子透かしを埋め込むための挿入手段である電子透かし挿入設備11が設けられ、オリジナル放送コンテンツ12に、このオリジナル放送コンテンツ12の著作権を識別するための識別情報13が電子透かし挿入設備11によって埋め込まれ、電子透かし入り放送コンテンツ14として送信される。なお、電子透かしとして挿入する識別情報13には、オリジナル放送コンテンツ12の著作権者や放送送信機1aなどを特定する情報を用いることができる。この電子透かし挿入設備11における電子透かしの埋め込みは、例えば所定のアルゴリズムにより行われる。
【0042】
放送受信機2aは、放送コンテンツを受信する機能を含む装置である。この放送受信機2aでは、放送送信機1aから送信された電子透かし入り放送コンテンツ14が受信され、放送視聴者により視聴される。この電子透かし入り放送コンテンツ14は、放送受信機2aからアナログ出力あるいは内蔵ディスク経由で出力される。
【0043】
2次配信サーバ6aは、放送コンテンツの2次コンテンツを配信する機能を含む装置である。この2次配信サーバ6aには、例えば放送受信機2aにより受信した電子透かし入り放送コンテンツ14に対して不正コピーを行う放送視聴者がいた場合、電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)15が海賊版として流出される。この電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)15が2次コンテンツとなる。
【0044】
2次視聴端末4aは、放送コンテンツの2次コンテンツを視聴する機能を含む装置である。この2次視聴端末4aでは、例えば2次コンテンツである電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)15が流出された場合に、2次視聴者によって不正に視聴される。
【0045】
ネットワーク監視装置3aは、放送コンテンツの2次コンテンツを監視する機能を含む装置である。このネットワーク監視装置3aには、電子透かしを検出するための抽出手段である電子透かし抽出設備16が設けられ、2次コンテンツに対して電子透かし検出処理を行い、2次コンテンツに埋め込まれた識別情報13が電子透かし抽出設備16によって検出される。このネットワーク監視装置3aでは、例えば電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)15に埋め込まれた識別情報13の抽出結果により、2次配信サーバ6aが海賊版の2次コンテンツを配信していることを検知した場合に通報受付装置5aに通報する。この電子透かし抽出設備16における電子透かし検出処理は、例えば所定のアルゴリズムにより行われる。
【0046】
通報受付装置5aは、電子透かしの抽出結果を受け付け、2次コンテンツの流通を認識する機能を含む装置である。この通報受付装置5aでは、ネットワーク監視装置3aからの通報により、海賊版の2次コンテンツを配信している2次配信者に対して配信停止を促すなどの対抗処置が取られる。
【0047】
次に、本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムにおける動作手順を説明する。
【0048】
まず、例えば放送局などの放送送信機1aにおいて、オリジナル放送コンテンツ12に対して、電子透かし挿入設備11により、オリジナル放送コンテンツ(あるいは放送局)の識別情報13を埋め込む。さらに、放送送信機1aから、オリジナル放送コンテンツ12に識別情報13が埋め込まれた電子透かし入り放送コンテンツ14を送信する。そして、放送受信機2aで、送信されてきた電子透かし入り放送コンテンツ14を受信し、放送視聴者は電子透かし入り放送コンテンツ14を視聴する。ここまでが、正規の放送経路となる。
【0049】
このとき、例えば不正コピーを行う放送視聴者がいた場合、電子透かし入り放送コンテンツ14は、電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)15の2次コンテンツとして2次配信サーバ6aへ流出する。そして、この流出された海賊版の2次コンテンツは、ネットワークを通じて2次視聴端末4aに配信され、2次視聴端末4aにより更に2次視聴者によって不正に視聴されうる。
【0050】
しかし、ネットワークに接続されたネットワーク監視装置3aにおいて、電子透かし抽出設備16が電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)15の2次コンテンツに対して電子透かし検出処理を適用し、流通されたことを検知して埋め込んだ識別情報13を抽出する。この抽出した識別情報13によって、ある2次配信サーバ6aが2次コンテンツを配信していることを検知した場合、通報受付装置5aに通報し、2次配信者に対して配信停止を促すなどの対抗処置を取ることができる。
【0051】
以上により、本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムによれば、放送送信機1aで電子透かしを挿入し、ネットワーク監視装置3aで検出することにより、以下のような効果を得ることができる。
(1)コストが極めて小さい。なぜなら、電子透かし挿入設備11は、放送送信機1aを持つ放送局などに少なくとも一個所あればよく、電子透かし抽出設備16はネットワーク監視装置3aに少なくとも一個所あればよいからである。ここで言うコストとは、電子透かしを利用するシステムの導入にかかる設備費および人件費を指す。
(2)他の業界との連携や制約を受けるところもないため、実現性も極めて高い。ここで言う実現性は、システムの導入に伴う社会的な摩擦の少なさのことを指す。例えば、放送業界に閉じたシステムは、関与者の利害関係がおよそ一致しているために実現性が高いが、他業界に関わる部分が多いと、関与者間での調整が必要となるため、実現性が低くなる。
(3)予防・回復の効果がある。例えば、放送局などでは放送コンテンツを特定する情報を埋め込むことができる。従って、ネットワーク監視装置3aで不正コピーを検知できる。
【0052】
(実施の形態2)
図3により、本発明の実施の形態2の放送コンテンツ著作権保護システムの構成の一例を説明する。図3は本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムの構成図を示し、(a)は電子透かしの挿入場所と抽出場所を概念的に示した図で、(b)は具体的に示した図である。
【0053】
本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムは、例えば放送送信機で電子透かしを挿入し、2次視聴端末で検出する場合に適用され、前記実施の形態1と同様に、放送送信機1a、放送受信機2a、2次配信サーバ6a、2次視聴端末4b、ネットワーク監視装置3b、通報受付装置5bなどから構成され、前記実施の形態1との相違点は、ネットワーク監視装置に代えて、2次視聴端末4bに電子透かしを検出するための抽出手段である電子透かし抽出設備16を設けるようにした点である。
【0054】
すなわち、本実施の形態の2次視聴端末4bには、電子透かし抽出設備16が設けられ、2次コンテンツに対して電子透かし検出処理を行い、2次コンテンツに埋め込まれた識別情報13が電子透かし抽出設備16によって検出される。よって、本実施の形態においては、ネットワーク監視装置3bは必ずしも必要な装置ではない。
【0055】
以上の構成において、本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムにおける動作手順は、前記実施の形態1と同様に、例えば放送局などの放送送信機1aから送信されてきた電子透かし入り放送コンテンツ14を放送受信機2aで受信し、例えば不正コピーを行う放送視聴者がいた場合、電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)15の2次コンテンツが2次配信サーバ6aへ流出し、さらにネットワークを通じて2次視聴端末4bに配信され、2次視聴者によって不正に視聴されうる。
【0056】
しかし、本実施の形態においては、2次視聴端末4bが電子透かし抽出設備16を備えているので、この電子透かし抽出設備16が電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)15の2次コンテンツに対して電子透かし検出処理を適用し、流通されたことを検知して埋め込んだ識別情報13を抽出する。この抽出した識別情報13によって、ある2次配信サーバ6aが2次コンテンツを配信していることを検知した場合、2次視聴者が通報受付装置5bに通報し、2次配信者に対して配信停止を促すなどの対抗処置を取ることができる。
【0057】
なお、本実施の形態のように、2次視聴端末4bに電子透かし抽出設備16を設ける場合には、ネットワークを介することなく、可搬媒体により流通された電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)15の2次コンテンツに対しても電子透かし検出処理を適用して流通されたことを検知することができるので、同様に2次配信者に対して対抗処置を取ることが可能となる。
【0058】
以上により、本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムによれば、放送送信機1aで電子透かしを挿入し、2次視聴端末4bで検出することにより、以下のような効果を得ることができる。
(1)2次視聴端末4bの台数分のコストで済むため、コストが小さい。
(2)他の業界との連携や制約を受けるところが少ないため、実現性も高い。
(3)予防・回復の効果がある。例えば、放送局などでは放送コンテンツを特定する情報を埋め込むことができる。従って、2次視聴端末4bで不正コピーを検知できる。2次視聴端末4bでの検知は、前記実施の形態1のようなネットワーク監視装置の検知能力より高い。
【0059】
(実施の形態3)
図4により、本発明の実施の形態3の放送コンテンツ著作権保護システムの構成の一例を説明する。図4は本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムの構成図を示し、(a)は電子透かしの挿入場所と抽出場所を概念的に示した図で、(b)は具体的に示した図である。
【0060】
本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムは、例えば放送受信機で電子透かしを挿入し、ネットワーク監視装置で検出する場合に適用され、前記実施の形態1と同様に、放送送信機1b、放送受信機2b、2次配信サーバ6a、2次視聴端末4a、ネットワーク監視装置3a、通報受付装置5aなどから構成され、前記実施の形態1との相違点は、放送送信機に代えて、放送受信機2bに電子透かしを埋め込むための挿入手段である電子透かし挿入設備11を設けるようにした点である。
【0061】
すなわち、本実施の形態の放送受信機2bには、電子透かし挿入設備11が設けられ、受信したオリジナル放送コンテンツ12に、このオリジナル放送コンテンツ12の著作権を識別するための識別情報13が電子透かし挿入設備11によって埋め込まれ、電子透かし入り放送コンテンツ14として送信される。よって、本実施の形態においては、電子透かしとして挿入する識別情報13に、放送受信機2bや放送視聴者個人などを特定する情報を用いることもできる。例えば、装置あるいは個人毎に付与されたID、マスター鍵、ライセンス鍵などの属性情報がある。
【0062】
以上の構成において、本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムにおける動作手順は、まず、例えば放送局などの放送送信機1bから、オリジナル放送コンテンツ12を送信する。そして、放送受信機2bでオリジナル放送コンテンツ12を受信し、放送視聴者はオリジナル放送コンテンツ12を視聴するとともに、オリジナル放送コンテンツ12に対して、電子透かし挿入設備11によって識別情報13を埋め込み、電子透かし入り放送コンテンツ14として送信する。
【0063】
このとき、例えば不正コピーを行う放送視聴者がいた場合、前記実施の形態1と同様に、電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)15の2次コンテンツとして2次配信サーバ6aへ流出し、さらにネットワークを通じて2次視聴端末4aに配信されて2次視聴者によって不正に視聴されうるが、ネットワーク監視装置3aの電子透かし抽出設備16が埋め込んだ識別情報13を抽出し、ある2次配信サーバ6aが2次コンテンツを配信していることを検知した場合、通報受付装置5aに通報し、2次配信者に対して配信停止を促すなどの対抗処置を取ることができる。
【0064】
以上により、本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムによれば、放送受信機2bで電子透かしを挿入し、ネットワーク監視装置3aで検出することにより、以下のような効果を得ることができる。
(1)放送受信機2bの台数分のコストで済むため、コストが小さい。
(2)他の業界との連携や制約を受けるところがないため、実現性も極めて高い。
(3)放送視聴者の特定情報(例えば受信機などの番号)を埋め込むことができるため、不正行為者を特定できる。すなわち、不正コピーの作成行為に対する予防・回復の効果が極めて大きい。
【0065】
(実施の形態4)
図5により、本発明の実施の形態4の放送コンテンツ著作権保護システムの構成の一例を説明する。図5は本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムの構成図を示し、(a)は電子透かしの挿入場所と抽出場所を概念的に示した図で、(b)は具体的に示した図である。
【0066】
本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムは、例えば放送受信機で電子透かしを挿入し、2次視聴端末で検出する場合に適用され、前記実施の形態2と同様に、放送送信機1b、放送受信機2b、2次配信サーバ6a、2次視聴端末4b、ネットワーク監視装置(必ずしも必要ではない)3b、通報受付装置5bなどから構成され、前記実施の形態2との相違点は、放送送信機に代えて、放送受信機2bに電子透かしを埋め込むための挿入手段である電子透かし挿入設備11を設けるようにした点である。
【0067】
すなわち、本実施の形態は、前記実施の形態2の電子透かし抽出設備16が設けられた2次視聴端末4bと、前記実施の形態3の電子透かし挿入設備11が設けられた放送受信機2bとを組み合わせた構成となっている。よって、動作手順も、前記実施の形態2と前記実施の形態3を組み合わせた動作となる。
【0068】
以上により、本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムによれば、放送受信機2bで電子透かしを挿入し、2次視聴端末4bで検出することにより、以下のような効果を得ることができる。
(1)不正コピーの作成行為に対する予防・回復の効果が極めて大きい。放送視聴者の特定情報(例えば受信機などの番号)を埋め込むことができるため、2次視聴端末4bで不正コピー作成者を検知できる。2次視聴端末4bでの検知は、ネットワーク監視装置の検知能力より高い。
【0069】
(実施の形態5)
図6により、本発明の実施の形態5の放送コンテンツ著作権保護システムの構成の一例を説明する。図6は本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムの構成図を示し、(a)は電子透かしの挿入場所と抽出場所を概念的に示した図で、(b)は具体的に示した図である。
【0070】
本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムは、例えば放送送信機と放送受信機で電子透かしを挿入し、ネットワーク監視装置と2次視聴端末で検出する場合に適用され、前記実施の形態1と同様に、放送送信機1a、放送受信機2b、2次配信サーバ6b、2次視聴端末4b、ネットワーク監視装置3a、通報受付装置5a,5bなどから構成され、前記実施の形態1との相違点は、放送送信機1aと放送受信機2bに電子透かしを埋め込むための挿入手段である電子透かし挿入設備11a,11bを設け、ネットワーク監視装置3aと2次視聴端末4bに電子透かしを検出するための抽出手段である電子透かし抽出設備16a,16bを設けるようにした点である。
【0071】
すなわち、本実施の形態は、前記実施の形態1の電子透かし挿入設備11aを設けた放送送信機1aおよび電子透かし抽出設備16aを設けたネットワーク監視装置3aと、前記実施の形態4の電子透かし挿入設備11bを設けた放送受信機2bおよび電子透かし抽出設備16bを設けた2次視聴端末4bの組み合わせ、あるいは前記実施の形態2の電子透かし挿入設備11aを設けた放送送信機1aおよび電子透かし抽出設備16bを設けた2次視聴端末4bと、前記実施の形態3の電子透かし挿入設備11bを設けた放送受信機2bおよび電子透かし抽出設備16aを設けたネットワーク監視装置3aを組み合わせた構成となっている。
【0072】
よって、動作手順も、前記実施の形態を組み合わせた動作となる。例えば、放送局などの放送送信機1aにおいて、オリジナル放送コンテンツ12に対して、電子透かし挿入設備11aにより、オリジナル放送コンテンツ(あるいは放送局)の識別情報13aを埋め込む。さらに、放送受信機2bでは、電子透かし入り放送コンテンツ14に対して、電子透かし挿入設備11bにより、放送受信機2bや放送視聴者個人を特定する識別情報13bを埋め込み、2種類電子透かし入り放送コンテンツ17として送信する。
【0073】
そして、例えば、ネットワーク監視装置3aの電子透かし抽出設備16aが2種類電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)18に対して電子透かし検出処理を適用し、2次コンテンツを掲載している装置を検知した場合、通報受付装置5aに通報し、2次配信者に対して配信停止を促すなどの対抗処置を取ることができる。また、2次視聴端末4bの電子透かし抽出設備16bが2種類電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)18に対して電子透かし検出処理を適用し、2次コンテンツを配信している装置を検知した場合、2次視聴者が通報受付装置5bに通報し、2次配信者に対して配信停止を促すなどの対抗処置を取ることができる。
【0074】
以上により、本実施の形態の放送コンテンツ著作権保護システムによれば、前記実施の形態1〜4を組み合わせることにより、前記実施の形態1〜4の優れている点を効果として得ることができるので、より強固な著作権の保護が実現できる。
【0075】
なお、本実施の形態のように、前記実施の形態1〜4を組み合わせる場合には、図6の構成に限らず、放送送信機と放送受信機に電子透かし挿入設備を設けてネットワーク監視装置にのみ電子透かし抽出設備を設ける場合、放送送信機と放送受信機に電子透かし挿入設備を設けて2次視聴端末にのみ電子透かし抽出設備を設ける場合、放送送信機にのみ電子透かし挿入設備を設けてネットワーク監視装置と2次視聴端末に電子透かし抽出設備を設ける場合、放送受信機にのみ電子透かし挿入設備を設けてネットワーク監視装置と2次視聴端末に電子透かし抽出設備を設ける場合、などの組み合わせなども可能である。この場合にも同様に、前記実施の形態1〜4の優れている点を効果として得ることができる。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、アナログ変換を含む画像処理に耐える電子透かしは、不正コピーの作成および配信を検知通報することができ、(1)放送送信機で電子透かしを挿入し、ネットワーク監視装置で検出する構成、(2)放送送信機で電子透かしを挿入し、2次視聴端末で検出する構成、(3)放送受信機で電子透かしを挿入し、ネットワーク監視装置で検出する構成、(4)放送受信機で電子透かしを挿入し、2次視聴端末で検出する構成、(5)これらを組み合わせた構成、の5種類のシステム構成にて放送コンテンツの著作権を保護することができる。特に、これらの組み合わせにより、より強固な著作権保護が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の望ましい実施の形態における放送コンテンツの著作権保護システムを示す概略構成図である。
【図2】(a),(b)は本発明の実施の形態1の放送コンテンツ著作権保護システムを示す構成図である。
【図3】(a),(b)は本発明の実施の形態2の放送コンテンツ著作権保護システムを示す構成図である。
【図4】(a),(b)は本発明の実施の形態3の放送コンテンツ著作権保護システムを示す構成図である。
【図5】(a),(b)は本発明の実施の形態4の放送コンテンツ著作権保護システムを示す構成図である。
【図6】(a),(b)は本発明の実施の形態5の放送コンテンツ著作権保護システムを示す構成図である。
【図7】本発明の前提として検討した、放送コンテンツ保護の技術とその脅威を示す説明図である。
【図8】本発明の前提として検討した、放送コンテンツの海賊版の流通を示す説明図である。
【符号の説明】
1,1a,1b…放送送信機、2,2a,2b…放送受信機、3,3a,3b…ネットワーク監視装置、4,4a,4b…2次視聴端末、5,5a,5b…通報受付装置、6,6a,6b…2次配信サーバ、11,11a,11b…電子透かし挿入設備、12…オリジナル放送コンテンツ、13,13a,13b…識別情報、14…電子透かし入り放送コンテンツ、15…電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)、16,16a,16b…電子透かし抽出設備、17…2種類電子透かし入り放送コンテンツ、18…2種類電子透かし入り放送コンテンツ(海賊版)。
Claims (10)
- 放送コンテンツを送信する放送送信機、または/および、放送コンテンツを受信する放送受信機を有し、
前記放送送信機または/および前記放送受信機は、前記放送コンテンツに、前記放送コンテンツの著作権を識別するための識別情報を電子透かしによって埋め込む挿入手段を有することを特徴とする放送コンテンツ著作権保護システム。 - 請求項1記載の放送コンテンツ著作権保護システムにおいて、
前記放送コンテンツの2次コンテンツを監視するネットワーク監視装置、または/および、前記放送コンテンツの2次コンテンツを視聴する2次視聴端末をさらに有し、
前記ネットワーク監視装置または/および前記2次視聴端末は、前記2次コンテンツに対して電子透かし検出処理を行い、前記2次コンテンツに埋め込まれた前記識別情報を検出する抽出手段を有することを特徴とする放送コンテンツ著作権保護システム。 - 放送コンテンツの2次コンテンツを監視するネットワーク監視装置、または/および、放送コンテンツの2次コンテンツを視聴する2次視聴端末を有し、
前記ネットワーク監視装置または/および前記2次視聴端末は、前記2次コンテンツに対して電子透かし検出処理を行い、前記2次コンテンツに埋め込まれた前記放送コンテンツの著作権を識別するための識別情報を検出する抽出手段を有することを特徴とする放送コンテンツ著作権保護システム。 - 請求項3記載の放送コンテンツ著作権保護システムにおいて、
前記放送コンテンツを送信する放送送信機、または/および、前記放送コンテンツを受信する放送受信機をさらに有し、
前記放送送信機または/および前記放送受信機は、前記放送コンテンツに、前記識別情報を電子透かしによって埋め込む挿入手段を有することを特徴とする放送コンテンツ著作権保護システム。 - 請求項2または4記載の放送コンテンツ著作権保護システムにおいて、
前記放送コンテンツは、前記放送送信機または/および前記放送受信機からアナログ出力で出力されるコンテンツであり、
前記挿入手段は、前記識別情報をアナログ耐性を持つ電子透かしによって埋め込むことを特徴とする放送コンテンツ著作権保護システム。 - 請求項2または4記載の放送コンテンツ著作権保護システムにおいて、
前記識別情報は、前記放送送信機または/および前記放送受信機、あるいは前記放送送信機または/および前記放送受信機の利用者を特定するための特定情報をさらに含むことを特徴とする放送コンテンツ著作権保護システム。 - 請求項6記載の放送コンテンツ著作権保護システムにおいて、
前記特定情報は、前記放送送信機または/および前記放送受信機、あるいは前記放送送信機または/および前記放送受信機の利用者に設定されたID、マスター鍵、ライセンス鍵であることを特徴とする放送コンテンツ著作権保護システム。 - 請求項2または4記載の放送コンテンツ著作権保護システムにおいて、
前記抽出手段による抽出結果を受け付け、前記2次コンテンツの流通を認識する通報受付装置をさらに有することを特徴とする放送コンテンツ著作権保護システム。 - 請求項8記載の放送コンテンツ著作権保護システムにおいて、
前記2次コンテンツは、ネットワークを通じて流通されることを特徴とする放送コンテンツ著作権保護システム。 - 請求項8記載の放送コンテンツ著作権保護システムにおいて、
前記2次コンテンツは、可搬媒体を通じて流通されることを特徴とする放送コンテンツ著作権保護システム。
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