WO2025126972A1 - 弾性波装置 - Google Patents
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Definitions
- the present invention relates to an elastic wave device.
- acoustic wave devices have been widely used in filters for mobile phones and the like.
- an acoustic wave device using bulk waves in thickness shear mode has been proposed, as described in Patent Document 1 below.
- an intermediate layer is provided on a support substrate.
- a piezoelectric layer is provided on the intermediate layer.
- a functional electrode is provided on the piezoelectric layer.
- the functional electrode has multiple pairs of electrode fingers. The electrode fingers in each pair face each other on the piezoelectric layer and are connected to different potentials. By applying an AC voltage between the electrode fingers, bulk waves in thickness shear mode are excited.
- ⁇ 8> The elastic wave device according to any one of ⁇ 1> to ⁇ 7>, wherein the piezoelectric layer is made of lithium niobate or lithium tantalate, and the Euler angles ( ⁇ , ⁇ , ⁇ ) of the lithium niobate or lithium tantalate constituting the piezoelectric layer are within the range of the following formula (1), formula (2), or formula (3).
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Abstract
電気的特性の劣化を抑制することができる、弾性波装置を提供する。 本発明の弾性波装置10は、支持基板3と、支持基板3上に設けられている中間層5と、中間層5上に設けられている圧電体層6と、圧電体層6上に設けられており、複数の電極指を有するIDT電極7とを備える。圧電体層6におけるIDT電極7が設けられている部分の厚みをd、隣り合う電極指同士の中心間距離をpとしたときに、d/pが0.5以下である。圧電体層6及び支持基板3の間に空洞部2aが設けられている。空洞部2aは、平面視においてIDT電極7と重なっている。弾性波装置10は、少なくとも一部が支持基板3及び中間層5の間に設けられており、空洞部2a及び中間層5のうち少なくとも一方を挟み圧電体層6と対向している、窒化ケイ素膜4、アモルファスシリコン膜及び多結晶シリコン膜のうちいずれかの膜をさらに備える。
Description
本発明は、弾性波装置に関する。
従来、弾性波装置が、携帯電話機のフィルタなどに広く用いられている。近年においては、下記の特許文献1に記載のような、厚み滑りモードのバルク波を用いた弾性波装置が提案されている。この弾性波装置においては、支持基板上に中間層が設けられている。中間層上に圧電層が設けられている。圧電層上に機能電極が設けられている。機能電極は複数対の電極指を有する。対となる電極指は圧電層上において互いに対向しており、かつ互いに異なる電位に接続される。上記電極指間に交流電圧を印加することにより、厚み滑りモードのバルク波を励振させている。
中間層には凹部が設けられている。圧電層は該凹部を覆っている。これにより、圧電層及び支持基板の間に空間部が設けられている。空間部は、平面視において、機能電極と重なる部分に位置している。
特許文献1においては、中間層の材料の例として酸化ケイ素が挙げられている。支持基板の材料の例としてSiが挙げられている。これらのような材料からなる支持基板及び中間層が積層されている場合、中間層に含まれる電荷や、支持基板の界面において界面準位に捕獲される電荷によって、低抵抗の層が形成されることがある。
もっとも、特許文献1の弾性波装置においては、圧電層における機能電極が設けられている部分と、支持基板との間には、空洞部が設けられている。すなわち、厚み滑りモードのバルク波が生じる部分と、支持基板との間には、空洞部が設けられている。そのため、低抵抗の層が形成されたとしても、弾性波装置の電気的特性に対する影響は抑制されるとも考えられる。これに対して、本発明者は、空洞部が設けられている場合においてもなお、低抵抗の層が形成されることによって、弾性波装置の電気的特性が劣化するおそれがあることを見出した。
本発明の目的は、電気的特性の劣化を抑制することができる、弾性波装置を提供することにある。
本発明に係る弾性波装置は、支持基板と、前記支持基板上に設けられている中間層と、前記中間層上に設けられている圧電体層と、前記圧電体層上に設けられており、複数の電極指を有するIDT電極とを備え、前記圧電体層における前記IDT電極が設けられている部分の厚みをd、隣り合う前記電極指同士の中心間距離をpとしたときに、d/pが0.5以下であり、前記圧電体層及び前記支持基板の間に空洞部が設けられており、前記空洞部が、平面視において前記IDT電極と重なっており、少なくとも一部が前記支持基板及び前記中間層の間に設けられており、前記空洞部及び前記中間層のうち少なくとも一方を挟み前記圧電体層と対向している、窒化ケイ素膜、アモルファスシリコン膜及び多結晶シリコン膜のうちいずれかの膜をさらに備える。
本発明に係る弾性波装置によれば、電気的特性の劣化を抑制することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
なお、本明細書に記載の各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る弾性波装置の略図的正面断面図である。図1においては、後述するIDT(Interdigital Transducer)電極を、矩形に2本の対角線を加えた略図により示す。図1以外の略図的正面断面図においても同様である。
本実施形態の弾性波装置10は、複数の共振子を有するフィルタ装置である。具体的には、弾性波装置10の複数の共振子は、いずれも弾性波共振子1である。もっとも、これに限定されるものではない。弾性波装置10の複数の共振子は、少なくとも1つの弾性波共振子1を含んでいればよい。
なお、本発明に係る弾性波装置は、例えば、弾性波共振子を含む複数の共振子を有し、フィルタ装置の一部として用いられる素子であってもよい。あるいは、本発明に係る弾性波装置は、1つの弾性波共振子のみからなっていてもよい。
以下において、弾性波装置10の具体的な構成を説明する。図1に示すように、弾性波装置10は、圧電性基板2と、複数のIDT電極7とを有する。圧電性基板2は圧電性を有する基板である。具体的には、圧電性基板2は、支持基板3と、窒化ケイ素膜4と、中間層5と、圧電体層6とを含む。支持基板3上に窒化ケイ素膜4が設けられている。窒化ケイ素膜4上に中間層5が設けられている。中間層5上に圧電体層6が設けられている。
支持基板3は、本実施形態ではシリコン基板である。なお、支持基板3の材料はシリコンに限定されず、例えば、水晶やガラスなどを用いることもできる。中間層5は、本実施形態では酸化ケイ素層である。なお、中間層5の材料は酸化ケイ素に限定されず、例えば、酸化タンタルなどを用いることもできる。圧電体層6は、例えば、LiNbO3などのニオブ酸リチウム、またはLiTaO3などのタンタル酸リチウムからなる。本明細書において、ある部材がある材料からなるとは、弾性波装置の電気的特性が大きく劣化しない程度の微量な不純物が含まれる場合を含む。
中間層5には、複数の空洞部2aが設けられている。具体的には、各空洞部2aは、中間層5に設けられた中空部である。空洞部2aが設けられている部分においては、窒化ケイ素膜4及び圧電体層6は、中間層5及び空洞部2aの双方を挟み互いに対向している。もっとも、空洞部2aは、例えば、中間層5に設けられた凹部が、圧電体層6及び窒化ケイ素膜4のうち一方により塞がれていることによって構成されていてもよい。あるいは、空洞部2aは、中間層5に設けられた貫通孔が、圧電体層6及び窒化ケイ素膜4の双方により塞がれていることによって構成されていてもよい。なお、空洞部2aの一部は、貫通孔などにより、外部に接続されていてもよい。
図1に示すように、空洞部2aが設けられている部分においては、窒化ケイ素膜4及び圧電体層6は、中間層5及び空洞部2aの双方を挟み互いに対向している。一方で、空洞部2aが設けられていない部分においては、窒化ケイ素膜4及び圧電体層6は、中間層5を挟み互いに対向している。これらのように、本実施形態では、窒化ケイ素膜4及び圧電体層6は、少なくとも中間層5を挟み互いに対向している。
もっとも、上記のように、空洞部2aは、中間層5に設けられた貫通孔が、圧電体層6及び窒化ケイ素膜4の双方により塞がれていることによって構成されていてもよい。この場合、空洞部2aが設けられている部分において、窒化ケイ素膜4及び圧電体層6は、中間層5を挟まず、空洞部2aを挟み互いに対向している。本発明においては、窒化ケイ素膜4及び圧電体層6は、空洞部2a及び中間層5のうち少なくとも一方を挟み互いに対向していればよい。
なお、本発明においては、窒化ケイ素膜4に相当する膜が、アモルファスシリコン膜であってもよく、あるいは、多結晶シリコン膜であってもよい。
圧電体層6は第1の主面6a及び第2の主面6bを有する。第1の主面6a及び第2の主面6bは互いに対向している。第1の主面6a及び第2の主面6bのうち、第2の主面6bが支持基板3側に位置している。
圧電体層6の第1の主面6aに、複数のIDT電極7が設けられている。平面視において、複数のIDT電極7がそれぞれ、圧電性基板2における空洞部2aと重なっている。本明細書において平面視とは、図1における上方に相当する方向から、圧電性基板2における各層としての、支持基板3及び圧電体層6などの積層方向に沿って見ることをいう。なお、図1においては、例えば、支持基板3側及び圧電体層6側のうち、圧電体層6側が上方である。さらに、本明細書において平面視は、主面対向方向から見ることと同義であるとする。主面対向方向とは、圧電体層6の第1の主面6a及び第2の主面6bが対向し合う方向である。より具体的には、主面対向方向は、例えば、第1の主面6aの法線方向である。
それぞれのIDT電極7は、別々の空洞部2aと平面視において重なっている。なお、複数のIDT電極7が同じ空洞部2aと平面視において重なっていてもよい。
各弾性波共振子1は、圧電性基板2及びIDT電極7により構成されている。IDT電極7の具体的な構成を、以下において説明する。
図2は、第1の実施形態における弾性波共振子の模式的平面図である。なお、図2においては、後述する誘電体膜や配線を省略している。
IDT電極7は、1対のバスバーと、複数の電極指とを有する。1対のバスバーは、具体的には、第1のバスバー16及び第2のバスバー17である。第1のバスバー16及び第2のバスバー17は互いに対向している。複数の電極指は、具体的には、複数の第1の電極指18及び複数の第2の電極指19である。複数の第1の電極指18の一端はそれぞれ、第1のバスバー16に接続されている。複数の第2の電極指19の一端はそれぞれ、第2のバスバー17に接続されている。複数の第1の電極指18及び複数の第2の電極指19は互いに間挿し合っている。第1の電極指18及び第2の電極指19は、互いに異なる電位に接続される。IDT電極7は、単層の金属膜からなっていてもよく、あるいは、積層金属膜からなっていてもよい。
以下においては、第1の電極指18及び第2の電極指19をまとめて、単に電極指と記載することがある。複数の電極指が延びる方向を電極指延伸方向とし、電極指延伸方向と直交する方向を電極指直交方向とする。
弾性波共振子1は、厚み滑りモードのバルク波を利用可能に構成されている。より具体的には、電極指直交方向から見たときに、隣り合う電極指同士が重なり合う領域であり、かつ隣り合う電極指同士の中心間の領域が、励振領域Cである。弾性波共振子1は複数の励振領域Cを含む。図2では、複数の励振領域Cのうち1つを一点鎖線により示している。IDT電極7に交流電圧を印加することにより、各励振領域Cにおいて、厚み滑りモードのバルク波が励振される。なお、励振領域Cは、IDT電極7の構成に基づいて定義される、圧電体層6の領域である。
圧電体層6におけるIDT電極7が設けられている部分の厚みをd、隣り合う電極指同士の中心間距離をpとした場合、d/pが0.5以下である。これにより、厚み滑りモードのバルク波が好適に励振される。図1に示す各弾性波共振子1が、厚み滑りモードのバルク波を利用可能に構成されている。なお、複数の弾性波共振子1同士においては、所望の特性に応じて、IDT電極7に係る設計パラメータや厚みdなどが互いに異なっていてもよい。
圧電体層6の第1の主面6aには、複数の配線13が設けられている。複数のIDT電極7同士は、配線13により電気的に接続されている。複数の配線13はそれぞれ、積層金属膜からなる。具体的には複数の配線13はそれぞれ、第1の配線層13a及び第2の配線層13bを有する。圧電体層6の第1の主面6aに第1の配線層13aが設けられている。第1の配線層13a上に第2の配線層13bが設けられている。なお、複数の配線13における層数は2層に限定されない。複数の配線13はそれぞれ、3層以上の積層金属膜からなっていてもよく、あるいは単層の金属膜からなっていてもよい。
少なくとも1本の配線13は、パッド部14を含む。本実施形態では、パッド部14は、圧電体層6の第1の主面6aに直接的に設けられている。パッド部14は、第2の配線層13bからなる。なお、パッド部14は、第1の配線層13a及び第2の配線層13bの積層金属膜からなっていてもよい。
パッド部14上に、パッド電極15が設けられている。パッド電極15上にはバンプ9が設けられている。バンプ9はAuからなる。もっとも、バンプ9の材料はAuに限定されない。あるいは、バンプ9の代わりに、導電性接着剤などが設けられていてもよい。
なお、図示しない部分にも、少なくとも1箇所のパッド部14、少なくとも1つのパッド電極15及び少なくとも1つのバンプ9が設けられている。弾性波装置10は、配線13、パッド電極15及びバンプ9を介して外部に電気的に接続される。
圧電体層6の第1の主面6aには、複数のIDT電極7を覆うように、誘電体膜8が設けられている。これにより、複数のIDT電極7が保護される。よって、複数のIDT電極7が破損し難い。本実施形態においては、誘電体膜8は、複数の配線13における第1の配線層13aの一部を覆っている。もっとも、誘電体膜8は、第1の配線層13aに接触していなくともよい。誘電体膜8の材料としては、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素または酸窒化ケイ素などを用いることができる。なお、誘電体膜8は必ずしも設けられていなくともよい。
図1に示すように、空洞部2aに至るように、圧電性基板2の一部及び誘電体膜8に貫通孔が設けられている。具体的には、中間層5における、空洞部2a及び圧電体層6の間の部分に貫通孔5cが設けられている。圧電体層6に貫通孔6cが設けられている。誘電体膜8に貫通孔8cが設けられている。貫通孔5c、貫通孔6c及び貫通孔8cが連通した貫通孔が、空洞部2aに至っている。なお、弾性波装置10における図示しない部分にも、同様に貫通孔が設けられている。これらの貫通孔は、弾性波装置10の製造に際し、エッチングにより空洞部2aを形成するために設けられている。もっとも、これらの貫通孔は、必ずしも設けられていなくともよい。
本発明の特徴は、以下の構成を有することにある。1)圧電体層6及び支持基板3の間に空洞部2aが設けられており、空洞部2aが、平面視においてIDT電極7と重なっていること。2)窒化ケイ素膜4が、支持基板3及び中間層5の間に設けられており、かつ空洞部2a及び中間層5のうち少なくとも一方を挟み圧電体層6と対向していること。なお、窒化ケイ素膜4の代わりに、アモルファスシリコン膜または多結晶シリコン膜が設けられていてもよい。上記の構成によって、弾性波装置10の電気的特性の劣化を抑制することができる。この詳細を、第1の実施形態の変形例と、第1の比較例とを比較することにより、以下において説明する。
図3は、第1の実施形態の変形例に係る弾性波装置の模式的正面断面図である。図4は、第1の比較例の弾性波装置の模式的正面断面図である。
図3に示す第1の実施形態の変形例に係る弾性波装置10Aは、2ポート型の弾性波共振子である。弾性波装置10Aにおいては、圧電性基板2Aの積層構成は、第1の実施形態における圧電性基板2の積層構成と同じである。圧電性基板2Aにおける圧電体層6の第1の主面6aに、IDT電極7A及びIDT電極7Bが設けられている。IDT電極7A及びIDT電極7Bは、平面視において、空洞部2aと重なっている。
図4に示す第1の比較例は、窒化ケイ素膜4が設けられていない点において、第1の実施形態の変形例と異なる。第1の実施形態の変形例及び第1の比較例において、位相特性を比較した。
図5は、第1の比較例における位相特性を示す図である。図6は、第1の実施形態の変形例における位相特性を示す図である。
図5に示すように、第1の比較例では、1250MHz以上、7500MHz以下において、位相が-90°から大きく離れた値になっていることがわかる。これに対して、図6に示す第1の実施形態の変形例では、1250MHz以上、7500MHz以下において、位相が-90°に近い値であることがわかる。このように、本変形例においては、電気的特性の劣化が抑制されている。本変形例と同様に、図1に示す第1の実施形態の各弾性波共振子1においても、電気的特性の劣化を抑制することができる。
図4に示す第1の比較例の弾性波装置では、平面視においてIDT電極7A及びIDT電極7Bと重なっている部分には、空洞部2aが設けられている。この場合、IDT電極7A及びIDT電極7Bと支持基板3との間における、電子の移動の経路が空洞部2aにより遮断されている。そのため、厚み滑りモードのバルク波が励振される際などには、低抵抗の層が形成されたとしても、電気的特性に対する影響は抑制されるようにも考えられる。
これに対して、本発明者は、低抵抗の層が形成されると、空洞部2aに溜まった電荷が中間層5を介して移動することにより、弾性波共振子の電気的特性を劣化させるおそれがあることを見出した。すなわち、本発明者は、図5に示す第1の比較例の電気的特性の劣化は、上記の電荷の移動に起因することを見出した。そして、図1及び図3に示す第1の実施形態及びその変形例においては、支持基板3及び中間層5の間に、窒化ケイ素膜4が設けられている。それによって、支持基板3及び中間層5の間に低抵抗の層が形成されることを抑制することができる。これにより、弾性波装置の電気的特性の劣化を抑制することができる。
加えて、図1に示す各弾性波共振子1では、IDT電極7及び空洞部2aが平面視において重なっていることにより、弾性波のエネルギーを圧電体層6側に効果的に閉じ込めることができる。従って、各弾性波共振子1において、Q値を効果的に高くすることができる。第1の実施形態の変形例においても同様に、Q値を効果的に高くすることができる。
なお、窒化ケイ素膜4の代わりに、アモルファスシリコン膜または多結晶シリコン膜が設けられている場合にも、支持基板3及び中間層5の間に低抵抗の層が形成されることを抑制することができる。本発明においては、窒化ケイ素膜4、アモルファスシリコン膜及び多結晶シリコン膜のうちいずれかの膜が、支持基板3及び中間層5の間に設けられており、かつ空洞部2a及び中間層5のうち少なくとも一方を挟み圧電体層6と対向していればよい。それによって、電気的特性の劣化を抑制することができ、かつQ値を効果的に高くすることができる。
図7は、第2の実施形態に係る弾性波装置の略図的正面断面図である。
本実施形態は、圧電性基板22において、窒化ケイ素膜4が空洞部22aに面している点で第1の実施形態と異なる。本実施形態では、空洞部22aは、中間層5に設けられた凹部を塞ぐように、窒化ケイ素膜4が設けられていることにより構成されている。上記の点以外においては、本実施形態の弾性波装置20は第1の実施形態の弾性波装置10と同様の構成を有する。
第2の実施形態から窒化ケイ素膜4を除いた構成を想定した場合、IDT電極7と平面視において重なっている部分では、支持基板3及び中間層5が積層されていない。本発明者は、このような場合においても、空洞部2aに溜まった電荷が、該空洞部2aに面している中間層5の部分を介して移動することにより、弾性波共振子の電気的特性を劣化させるおそれがあることを見出した。
これに対して、第2の実施形態においては、窒化ケイ素膜4が、支持基板3及び中間層5の間に設けられており、かつ空洞部2a及び中間層5のうち少なくとも一方を挟み圧電体層6と対向している。それによって、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、弾性波装置20の電気的特性の劣化を抑制することができる。加えて、Q値を効果的に高くすることができる。
以下において、本発明における好ましい構成を、図1を用いて説明する。もっとも、以下の好ましい構成は、第1の実施形態以外の本発明の構成にも適用することができる。
窒化ケイ素膜4の応力が、-300MPa以上、50MPa以下であることが好ましい。弾性波装置10は、例えば、複数の弾性波素子が構成されたウエハを分割することによって得られる。ウエハが分割されて、複数の圧電性基板2となる。よって、弾性波装置10を製造する際に用いられるウエハは、圧電性基板2と同様に、窒化ケイ素膜4を有する。そして、窒化ケイ素膜4の応力が上記の範囲内である場合には、ウエハの反りを抑制することができる。よって、弾性波装置10の製造工程において、ウエハを好適に搬送することができ、生産性を高くすることができる。
加えて、窒化ケイ素膜4の応力が-300MPa以上、50MPa以下である場合には、弾性波装置10全体において応力を制御し易い。
窒化ケイ素膜4の厚みが、30nm以上、250nm以下であることが好ましい。それによって、窒化ケイ素膜4の応力をより確実に、-300MPa以上、50MPa以下とすることできる。窒化ケイ素膜4の厚みが、50nm以上、250nm以下であることがより好ましく、50nm以上、200nm以下であることがさらに好ましい。この場合には、生産性をより確実に高くすることができる。加えて、弾性波装置10全体において応力をより一層制御し易い。
さらに、窒化ケイ素膜4自体の強度が高いため、窒化ケイ素膜4の厚みが上記の範囲内である場合には、支持基板3または支持基板3以外の厚みを薄くすることにより弾性波装置10を低背化した場合にも、弾性波装置10の強度を十分に高くすることができる。なお、窒化ケイ素膜4の膜中において、Si/N組成比は、0.95以上であることが望ましい。この場合、膜厚及び応力の制御が容易になる。ここで、Si/N組成比とは、元素の組成比であって、SiのNに対する組成比である。
第1の実施形態や第2の実施形態では、圧電体層6におけるIDT電極7が設けられている部分の厚みをd、隣り合う電極指同士の中心間距離をpとした場合、d/pが0.5以下である。なお、d/pが0.24以下であることが好ましい。それによって、厚み滑りモードのバルク波がより好適に励振され、かつ弾性波共振子の比帯域の値を十分に大きくすることができる。比帯域は、共振周波数をfr、反共振周波数をfaとしたときに、(|fa-fr|/fr)×100[%]により表される。
図8は、d/pと、弾性波共振子の比帯域との関係を示す図である。
図8から明らかなように、d/p>0.5である場合には、比帯域は5%未満である。これに対して、d/p≦0.5である場合には、比帯域を5%以上にすることができる。よって、厚み滑りモードのバルク波の電気機械結合係数を大きくすることができる。d/p≦0.24である場合には、比帯域を7%以上にすることができる。よって、厚み滑りモードのバルク波の電気機械結合係数を効果的に大きくすることができる。
励振領域Cに対する、電極指のメタライゼーション比をMRとしたときに、MR≦1.75(d/p)+0.075を満たすことが好ましい。この場合には、弾性波共振子の比帯域の値が大きくなりすぎず、共振周波数及び反共振周波数の間においてスプリアスが生じることを抑制できる。この詳細を以下において示す。
なお、本明細書では、励振領域Cに対する電極指のメタライゼーション比MRは、平面視したときに、圧電体層6が電極指を構成する金属により被覆されている部分が、励振領域Cにおいて占める割合である。具体的には、平面視したときの、励振領域Cの面積に対する、励振領域C内における第1の電極指18及び第2の電極指19の面積の比が、メタライゼーション比MRとなる。なお、励振領域C内に位置する電極指の幅が一定である場合には、励振領域C内に位置する電極指の幅の合計を、励振領域Cの電極指直交方向に沿う寸法により割ることによって、メタライゼーション比MRを算出することもできる。なお、電極指の幅は、電極指の電極指直交方向に沿う寸法である。
図9は、弾性波共振子における比帯域と、規格化されたスプリアスの大きさとの関係を示す図である。図9では、圧電体層の厚みや電極指の寸法を変化させることにより、比帯域を変化させる毎に、スプリアスの位相回転量を測定した結果を示す。なお、図9における規格化されたスプリアスの大きさは、具体的には、スプリアスのインピーダンスの位相回転量が、180°により規格化された値である。図9に示す結果は、ZカットのLiNbO3からなる圧電体層を用いた場合の結果であるが、他のカット角の圧電体層を用いた場合においても、同様の傾向となる。
図9中の楕円Eにより囲まれている領域では、共振周波数及び反共振周波数の間における規格化されたスプリアスの大きさが、1.0となっている。弾性波共振子の比帯域が17%を超えると、規格化された該スプリアスの大きさが、1.0以上となり得る。このことから、比帯域は17%以下であることが好ましい。それによって、共振周波数及び反共振周波数の間におけるスプリアスを抑制することができる。
図10は、d/pと、メタライゼーション比MRと、比帯域との関係を示す図である。図10では、d/p及びメタライゼーション比MRを異ならせる毎に、比帯域を算出した結果を示す。
図10中において、ハッチングを付して示した部分は、比帯域が17%以下の領域である。このハッチングを付した領域と、付していない領域との境界は、おおよそ破線Gにより表される。破線Gは、MR=1.75(d/p)+0.075により表される。そして、MR≦1.75(d/p)+0.075であることが好ましい。この場合には、比帯域を17%以下とし易い。
一方で、図10中の一点鎖線G1により、d/pの変化に対するメタライゼーション比MRの変化の傾きが、破線Gの該傾きと同じであり、かつ全ての範囲において比帯域が17%以下となる境界を示す。一点鎖線G1は、MR=1.75(d/p)+0.05により表される。そして、MR≦1.75(d/p)+0.05であることがより好ましい。この場合には、比帯域をより確実に17%以下にすることができる。
図11は、d/pを限りなく0に近づけた場合のLiNbO3のオイラー角(0°,θ,ψ)に対する比帯域のマップを示す図である。図11のハッチングを付して示した部分が、少なくとも5%以上の比帯域が得られる領域であり、当該領域の範囲を近似すると、下記の式(1)、式(2)及び式(3)により表される範囲となる。
(0°±10°,0°~20°,任意のψ) …式(1)
(0°±10°,20°~80°,0°~60°(1-(θ-50)2/900)1/2) または (0°±10°,20°~80°,[180°-60°(1-(θ-50)2/900)1/2]~180°) …式(2)
(0°±10°,[180°-30°(1-(ψ-90)2/8100)1/2]~180°,任意のψ) …式(3)
(0°±10°,20°~80°,0°~60°(1-(θ-50)2/900)1/2) または (0°±10°,20°~80°,[180°-60°(1-(θ-50)2/900)1/2]~180°) …式(2)
(0°±10°,[180°-30°(1-(ψ-90)2/8100)1/2]~180°,任意のψ) …式(3)
圧電体層6を構成しているニオブ酸リチウムのオイラー角(φ,θ,ψ)が、上記式(1)、式(2)または式(3)の範囲にあることが好ましい。それによって、弾性波共振子の比帯域を十分に広くすることができる。圧電体層6がタンタル酸リチウムからなる場合も同様である。
以下において、本発明に係る弾性波装置の形態の例をまとめて記載する。
<1>支持基板と、前記支持基板上に設けられている中間層と、前記中間層上に設けられている圧電体層と、前記圧電体層上に設けられており、複数の電極指を有するIDT電極と、を備え、前記圧電体層における前記IDT電極が設けられている部分の厚みをd、隣り合う前記電極指同士の中心間距離をpとしたときに、d/pが0.5以下であり、前記圧電体層及び前記支持基板の間に空洞部が設けられており、前記空洞部が、平面視において前記IDT電極と重なっており、少なくとも一部が前記支持基板及び前記中間層の間に設けられており、前記空洞部及び前記中間層のうち少なくとも一方を挟み前記圧電体層と対向している、窒化ケイ素膜、アモルファスシリコン膜及び多結晶シリコン膜のうちいずれかの膜をさらに備える、弾性波装置。
<2>前記窒化ケイ素膜を備え、前記窒化ケイ素膜の厚みが30nm以上、250nm以下である、<1>に記載の弾性波装置。
<3>前記窒化ケイ素膜を備え、前記窒化ケイ素膜の応力が-300MPa以上、50MPa以下である、<1>または<2>に記載の弾性波装置。
<4>前記中間層が酸化ケイ素層である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の弾性波装置。
<5>前記支持基板がシリコン基板である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の弾性波装置。
<6>d/pが0.24以下である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の弾性波装置。
<7>前記複数の電極指が延びている方向と直交する方向を電極指直交方向としたときに、隣り合う前記電極指同士が前記電極指直交方向において重なり合っている領域であり、かつ隣り合う前記電極指の中心間の領域が励振領域であり、前記励振領域に対する、前記電極指のメタライゼーション比をMRとしたときに、MR≦1.75(d/p)+0.075を満たす、<1>~<6>のいずれか1つに記載の弾性波装置。
<8>前記圧電体層がニオブ酸リチウムまたはタンタル酸リチウムからなり、前記圧電体層を構成しているニオブ酸リチウムまたはタンタル酸リチウムのオイラー角(φ,θ,ψ)が、以下の式(1)、式(2)または式(3)の範囲にある、<1>~<7>のいずれか1つに記載の弾性波装置。
(0°±10°,0°~20°,任意のψ) …式(1)
(0°±10°,20°~80°,0°~60°(1-(θ-50)2/900)1/2) または (0°±10°,20°~80°,[180°-60°(1-(θ-50)2/900)1/2]~180°) …式(2)
(0°±10°,[180°-30°(1-(ψ-90)2/8100)1/2]~180°,任意のψ) …式(3)
(0°±10°,0°~20°,任意のψ) …式(1)
(0°±10°,20°~80°,0°~60°(1-(θ-50)2/900)1/2) または (0°±10°,20°~80°,[180°-60°(1-(θ-50)2/900)1/2]~180°) …式(2)
(0°±10°,[180°-30°(1-(ψ-90)2/8100)1/2]~180°,任意のψ) …式(3)
1…弾性波共振子
2,2A…圧電性基板
2a…空洞部
3…支持基板
4…窒化ケイ素膜
5…中間層
5c…貫通孔
6…圧電体層
6a,6b…第1,第2の主面
6c…貫通孔
7,7A,7B…IDT電極
8…誘電体膜
8c…貫通孔
9…バンプ
10,10A…弾性波装置
13…配線
13a,13b…第1,第2の配線層
14…パッド部
15…パッド電極
16,17…第1,第2のバスバー
18,19…第1,第2の電極指
20…弾性波装置
22…圧電性基板
22a…空洞部
C…励振領域
2,2A…圧電性基板
2a…空洞部
3…支持基板
4…窒化ケイ素膜
5…中間層
5c…貫通孔
6…圧電体層
6a,6b…第1,第2の主面
6c…貫通孔
7,7A,7B…IDT電極
8…誘電体膜
8c…貫通孔
9…バンプ
10,10A…弾性波装置
13…配線
13a,13b…第1,第2の配線層
14…パッド部
15…パッド電極
16,17…第1,第2のバスバー
18,19…第1,第2の電極指
20…弾性波装置
22…圧電性基板
22a…空洞部
C…励振領域
Claims (8)
- 支持基板と、
前記支持基板上に設けられている中間層と、
前記中間層上に設けられている圧電体層と、
前記圧電体層上に設けられており、複数の電極指を有するIDT電極と、
を備え、
前記圧電体層における前記IDT電極が設けられている部分の厚みをd、隣り合う前記電極指同士の中心間距離をpとしたときに、d/pが0.5以下であり、
前記圧電体層及び前記支持基板の間に空洞部が設けられており、前記空洞部が、平面視において前記IDT電極と重なっており、
少なくとも一部が前記支持基板及び前記中間層の間に設けられており、前記空洞部及び前記中間層のうち少なくとも一方を挟み前記圧電体層と対向している、窒化ケイ素膜、アモルファスシリコン膜及び多結晶シリコン膜のうちいずれかの膜をさらに備える、弾性波装置。 - 前記窒化ケイ素膜を備え、
前記窒化ケイ素膜の厚みが30nm以上、250nm以下である、請求項1に記載の弾性波装置。 - 前記窒化ケイ素膜を備え、
前記窒化ケイ素膜の応力が-300MPa以上、50MPa以下である、請求項1または2に記載の弾性波装置。 - 前記中間層が酸化ケイ素層である、請求項1~3のいずれか1項に記載の弾性波装置。
- 前記支持基板がシリコン基板である、請求項1~4のいずれか1項に記載の弾性波装置。
- d/pが0.24以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の弾性波装置。
- 前記複数の電極指が延びている方向と直交する方向を電極指直交方向としたときに、隣り合う前記電極指同士が前記電極指直交方向において重なり合っている領域であり、かつ隣り合う前記電極指の中心間の領域が励振領域であり、
前記励振領域に対する、前記電極指のメタライゼーション比をMRとしたときに、MR≦1.75(d/p)+0.075を満たす、請求項1~6のいずれか1項に記載の弾性波装置。 - 前記圧電体層がニオブ酸リチウムまたはタンタル酸リチウムからなり、
前記圧電体層を構成しているニオブ酸リチウムまたはタンタル酸リチウムのオイラー角(φ,θ,ψ)が、以下の式(1)、式(2)または式(3)の範囲にある、請求項1~7のいずれか1項に記載の弾性波装置。
(0°±10°,0°~20°,任意のψ) …式(1)
(0°±10°,20°~80°,0°~60°(1-(θ-50)2/900)1/2) または (0°±10°,20°~80°,[180°-60°(1-(θ-50)2/900)1/2]~180°) …式(2)
(0°±10°,[180°-30°(1-(ψ-90)2/8100)1/2]~180°,任意のψ) …式(3)
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2023-210251 | 2023-12-13 | ||
| JP2023210251 | 2023-12-13 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| WO2025126972A1 true WO2025126972A1 (ja) | 2025-06-19 |
Family
ID=96057045
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| PCT/JP2024/043207 Pending WO2025126972A1 (ja) | 2023-12-13 | 2024-12-06 | 弾性波装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| WO (1) | WO2025126972A1 (ja) |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6984800B1 (ja) * | 2020-03-16 | 2021-12-22 | 株式会社村田製作所 | 弾性波装置 |
| WO2023002824A1 (ja) * | 2021-07-20 | 2023-01-26 | 株式会社村田製作所 | 弾性波装置 |
| WO2023140327A1 (ja) * | 2022-01-19 | 2023-07-27 | 株式会社村田製作所 | 弾性波装置 |
-
2024
- 2024-12-06 WO PCT/JP2024/043207 patent/WO2025126972A1/ja active Pending
Patent Citations (3)
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|---|---|---|---|---|
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| WO2023002824A1 (ja) * | 2021-07-20 | 2023-01-26 | 株式会社村田製作所 | 弾性波装置 |
| WO2023140327A1 (ja) * | 2022-01-19 | 2023-07-27 | 株式会社村田製作所 | 弾性波装置 |
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