WO2024122082A1 - 定量分析用溶液の調製方法と調製装置 - Google Patents

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検量線を用いて試料中に含まれる濃度が未知の成分を定量分析するにあたり、分析装置に導入する被分析溶液の液量を測定し管理する手間をなくし、高精度な分析を行えるようにする。 検量線を用いて試料中に含まれる未知成分を定量分析するにあたり、吸収管にガスを吸収する吸収液を入れ、前記未知成分を含む試料を加熱分解して生成される試料ガスを前記吸収液に吸収させて前記試料の被分析溶液を調製することと、検量線溶液を調製することとを同じ吸収管を用いて行い、それぞれ吸収管に希釈液を注入して定容な溶液とし、これを分析装置に導入して分析する。

Description

定量分析用溶液の調製方法と調製装置
 本発明は、イオンクロマトグラフ分析装置などの検量線を用いて試料中に含まれる、濃度が未知の成分(以下、単に「未知成分」ともいう。)を定量分析するにあたり、前記未知成分を検出する装置に導入する検量線溶液を含む被分析溶液を調製する方法と調製装置に関する。
 イオンクロマトグラフ(以下、「IC」ともいう。)による試料中の硫黄やハロゲンの定量分析においては、試料を加熱分解し、ガス化された分析対象成分を吸収液に回収した後、試料ガスを吸収した吸収液を被分析溶液としてIC分析装置に導入する。
 試料中の分析対象成分を前処理として回収し、これをIC分析装置に導入する試料処理装置として、試料を加熱分解して試料ガスを生成する試料加熱装置と、前記試料ガス吸収する吸収液が収容され且つ試料加熱装置から導入された試料ガスを吸収液に接触可能に構成された吸収管と、希釈液を吸収管に注入する希釈液供給装置とを備えた試料処理装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2011-237316号公報
 前記構成の試料処理装置を用いてIC分析装置で試料の定量分析を行う場合、例えば以下のような処理を通じて行うことができる。
 先ず、事前に濃度が既知の検量線原液から検量線溶液を調製し、これをIC分析装置に導入してIC測定を行う。
 続いて、同じく前記検量線原液から前記とは濃度を異ならせて検量線溶液を調製し、これをIC分析装置に導入してIC測定を行い、溶液濃度とピーク面積から検量線を作成する。
 次いで、濃度が未知の未知試料を前記構成の試料処理装置に投入し、試料加熱装置で加熱分解して試料ガスを生成し、生成した試料ガスを吸収管に収容された吸収液に吸収させ、希釈液を吸収管に注入して一定量にした後、これをIC分析装置に導入してIC測定を行う。
 そして、IC測定により未知試料のピーク面積を求め、前記作成した検量線から前記未知試料を加熱分解して試料ガスに回収された目的成分量を求め、導入した試料量と検出された成分量から未知試料中の濃度を求める処理を通じて試料の定量分析が行われる。
 上記のような試料の定量分析の処理にあっては、IC分析装置に導入する、試料ガスを吸収させた吸収液の最終液量を正確に把握しておく必要がある。そのための、試料ガスを吸収した吸収液量を精密に測定し管理するのに手間を要し、最終的な吸収液の液量を把握する処理が大変であった。
 また、検量線溶液と吸収液をIC分析装置に自動で導入する装置では、検量線溶液の導入流路となるノズルと、吸収液の導入流路となるノズルとを切り替える機構が必要となり、装置構造の簡素化が図れないという問題もある。
 本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑み、検量線を用いて試料中に含まれる成分を定量分析するにあたり、分析装置に導入する被分析溶液の液量を測定し管理する手間をなくし、高精度な定量分析を自動で行えるようにすることを課題とする。
 前記課題を解決するため本発明は、検量線を用いて試料中に含まれる未知成分を定量分析するにあたり、前記未知成分を検出する装置に導入する被分析溶液を調製する方法であって、
 吸収管にガスを吸収する吸収液を入れ、前記未知成分を含む試料を加熱分解して生成される試料ガスを前記吸収液に吸収させて前記試料の被分析溶液を調製することと、
 前記と同じ吸収管を用い、この吸収管に既知濃度溶液を入れて検量線溶液を調製することと、
 を含むことを特徴とする定量分析用溶液の調製方法である。
 また、本発明は前記の調製方法において、吸収管に希釈液を入れて試料の被分析溶液の調製と検量線溶液の調製が行われることを特徴とする。
 前記吸収管への希釈液の注入は、吸収管に設けられた液面センサーで検出される量まで入れるようにして行うことができ、また、定量ポンプにより希釈液を所定の量だけ吸収管に入れられるようして行うこともできる。
 図1は本発明の調製方法による溶液を調製する処理の概要を示している。
 本発明は、試料を燃焼し加熱分解して試料ガスを生成する機構(装置)と、吸収管とを備えた調製処理系の下、これらを用いて被分析溶液の調製を行うものである。
 同図に示されるように、濃度が未知の未知試料はこれを加熱分解して試料ガスを生成し、これを吸収管に入れられた吸収液に吸収させ、希釈液を加えて定量にして未知成分を分析するための溶液が調製される。
 また、検量線を作成するための検量線溶液は、前記と同じ吸収管を用い、これに成分と濃度が既知の既知濃度溶液を入れ、希釈液を加えて定量にして調製される。
 前記吸収管内で調製された被分析溶液は、吸収管から自動又は手動で分析装置に導入されて溶液に含まれる成分の分析が行われる。前記調製された溶液を吸収管から別の容器に入れてこれを保管場所に移送し、分析装置による分析が行われるまでの間、調製溶液が保管されるようにしてしてもよい。
 前記吸収管への吸収液や既知濃度溶液の注入は溶液を送出するポンプを使って自動で行っても手作業で行ってもよい。また、希釈液の注入も自動又は手作業で行うことができる。希釈液をポンプを使って吸収管に送出する場合、吸収管に液面センサーを配置して管内の総液量の検出が行われるようにすれば、吸収管への希釈液の送出量を確認しなくとも、吸収管内に調製された溶液の液量を一定量にすることができる。一方、希釈液を定量ポンプを使って吸収管に送出する場合は、吸収管に入れた吸収液の量と定量ポンプから送出された希釈液の量から、吸収管内に調製された溶液の最終液量を求めることができる。
 このように、濃度が未知の成分を含む試料を加熱分解し、これにより生成されたガスを吸収して得られる試料の吸収液と、既知濃度溶液から得られる検量線溶液を同一の吸収管を用いて調製することで、検量線を作成するために既知濃度の試料を燃焼させるなどの手間が省かれ、また、また、吸収管に注入される各種溶液をポンプにより自動で送出する機構や、吸収管に注入された溶液の量を検出する仕組みや機構が装備されていれば、前記吸収液と検量線溶液の最終的な液量の調整をしたり確認したりする手間が省け、分析作業を迅速に行うことが可能である。
 また、本発明は、検量線を用いて試料中に含まれる未知成分を定量分析するにあたり、前記未知成分を検出する装置に導入する被分析溶液を調製する定量分析用の溶液調製装置であって、
 溶液の調製が行われる吸収管と、
 前記未知成分を含む試料を加熱分解して試料ガスを生成する試料加熱手段と、
 前記吸収管に希釈液を注入する希釈液注入手段と、
 前記吸収管に既知濃度溶液を注入する既知濃度溶液注入手段と、
 前記吸収管内に入れられた吸収液に前記試料加熱手段により生成された試料ガスを吸収させるとともに吸収管に希釈液を注入して前記試料の被分析溶液を調製する機能と、
 前記吸収管に既知濃度溶液を注入するとともに希釈液を注入して検量線溶液を調製する機能と、を備えることを特徴とする。
 前記構成の装置は、さらに吸収管に液面センサーが設けられた構成とすることができる。
 また、未知成分を検出するための装置に、前記吸収管内で調製された溶液を自動で導入する機能を具備させることができる。
 この場合、前記未知成分を検出するための装置としては、例えばイオンクロマトグラフ分析装置を用いることができる。
 例えば本発明の溶液調製装置を用いて試料に含まれる未知成分をIC分析装置に導入して定量分析する処理は以下のようにして行われる。
 先ず、既知濃度溶液と希釈液を吸収管に入れて検量線溶液を調製し、調製した溶液をIC分析装置に導入してIC測定を行う、
 具体的には、所定濃度(例えば10ppm)の既知濃度溶液を、所定量(例えば1mL)を既知濃度溶液注入手段から吸収管に注入する。次いで、液面センサーまで希釈液を吸収管に注入して一定容(XmL)とし、これを検量線溶液としてIC分析装置に導入してIC測定を行う。
 続いて、前記の既知濃度溶液(10ppm)を前記とは液量を異ならせて(例えば2mL)、既知濃度溶液注入手段から吸収管に注入し、希釈液を液面センサーまで注入して一定容(XmL)とし、これを検量線溶液としてIC分析装置に導入してIC測定を行い、先の測定とこの測定の結果から検量線を作成する。
 そして、前記と同じ吸収管に所定量(例えば5mL)の吸収液を収容しておき、成分が未知の試料を試料加熱手段で加熱分解して試料ガスを生成し、生成した試料ガスを前記吸収液に吸収させる。次いで、吸収管に希釈液を液面センサーまで注入して一定容(XmL)とした後、これをIC分析装置に導入してIC測定を行う。
 この測定結果と先に作成した検量線から未知試料の濃度を測定する。
 本発明の定量分析用溶液の調製方法によれば、未知成分を含む試料の加熱分解により生成されたガスを吸収して得られる試料の吸収液と、既知濃度溶液から得られる検量線溶液を同一の吸収管を用いて調製することで、検量線を作成するために既知濃度の試料を燃焼させて既知濃度の吸収液を生成する手間を省くことができる。また、吸収液の最終的な液量の調整をしたり確認したりする手間が省け、分析作業を迅速に行うことが可能である。
 また、本発明の溶液処理装置によれば、これを用いた測定において、吸収管に設けられた液面センサーまでの液量が不明でも未知試料中の目的成分の濃度と成分量の計算をすることが可能であり、従来、手間が要して面倒であった定量な被分析溶液を得るための液量の測定及び管理は不要であり、未知試料が液体であるか固体であるかにかかわりなく、高精度な定量分析を自動で行うことが可能である。
本発明の溶液調製方法による溶液を調製する処理の概要を示した図である。 本発明の溶液調製装置の一実施形態の概略構成を示した図である。 図2の吸収管の概略構成を示した図である。
 以下、本発明の溶液調製装置の好適な一実施形態を図面に基づいて説明する。
 図1はIC分析装置により試料中に含まれる未知成分を定量分析する装置の概略構成を示しており、図中、符号1はIC分析装置、2はIC分析装置に導入する検量線溶液を含む被分析溶液を調製する本発明の溶液調製装置である。
 IC分析装置1は、イオン交換樹脂を使用して被分析溶液中のイオンや極性分子などを分離し、当該溶液の電気伝導度又は吸光度を検出して陰イオンや陽イオンの分析を行う周知の装置であり、ポンプ、恒温槽内の分離カラム(計量管)、検出器などを構成されている。或いは、上記の分離カラムと検出器の間にさらにバックグランド減少用のサプレッサーを設けて構成されている。
 後述する溶液収容管からIC分析装置1へ至る溶液取出管71には試料導入弁11が配置されている。
 溶液調製装置2は、被分析溶液が貯留され且つ前記IC分析装置1に前記被分析溶液を送出する吸収管3と、前記試料を加熱分解して試料ガスを生成する試料加熱手段4と、前記吸収管3に希釈液を注入する希釈液注入手段5と、前記吸収管3に既知成分及び濃度の溶液を注入する既知濃度溶液注入手段6とを備えて構成されている。
 吸収管3は、ガラスなどの透光性を有する材料からなる、内容積が10~100cm程度の円筒形の容器である。後述するように、試料加熱手段4で試料を加熱し、その試料ガスを回収する処理において、吸収管3内に前記試料ガスを吸収する吸収液が収容される。吸収液は、例えば濃度0.001~1%の過酸化水素水や希アルカリ溶液、水などが用いられる。吸収管への吸収液の注入は図示されない溶液送出ポンプにより行われる。手作業により吸収液を注入するようにしてもよい。
 吸収管3の上端は、被分析溶液の飛散を防止するための蓋で封止されており、この蓋には、前記溶液取出管71と、既知濃度溶液注入手段6に接続した既知濃度溶液注入管79が挿通されている。
 また、吸収管3の外周面にはガス吹き込み管75が接続され、後述する試料加熱手段4で生成された試料ガスがガス吹き込み管75から管内に導入されて、吸収管3内に収容された吸収液に吸収せしめられるようになっている。また、希釈液注入手段5から送出される希釈液もガス吹き込み管75から吸収管3内に注入されるようになっている。吸収管3内の使用済みの吸収液や洗浄水などは、排水管77から管外に排出されるようになっている。
 試料加熱手段4は、酸素を供給可能に構成され且つ加熱手段12によって外周側から加熱可能になされた外套管41と、キャリアガスを供給可能に構成され且つ外套管41の基端から当該外套管内部に挿入された内管43と、内管43の基端側から内管内部に挿通される試料供給用のボート44とを備える。試料料加熱手段4においては、外套管41と内管43によって反応管が構成されている。通常、外套管41、内管43、ボート44は石英によって構成される。
 反応管である外套管41及び内管43を加熱する加熱手段42としては、通常は0.7~1.5kw程度の円筒型の電気炉が使用される。換言すれば、外套管41は、電気炉の筒内に挿通されている。外套管41の基端部には、当該外套に酸素を供給するための酸素導入管72が接続されており、図示しないが、酸素導入管72は、酸素容器から伸長され且つ途中に流量コントローラーを備えている。また、外套管41の先端部には、加熱分解により得られた試料ガスを取り出すための試料ガス取出管74が設けられており、この試料ガス取出管74は前記ガス吹き込み管75に接続されている。通常、外套管41の内部の先端側には、燃焼を安定化させるための石英綿が充填されている(図示省略)。
 内管43は、試料の加熱分解により生成された試料ガスを外套管41へ導くための導管であり、その先端開口部(図2において左側の端部)は、生成されたガスの燃焼を促進するため、外套管41の長さの略中央に相当する位置に挿入されている。内管43の基端側、すなわち、外套管41に挿入されていない部位(図2において右側の約半分の長さの部分)は、外套管41の基端から外側に露出している。内管43の基端部には、アルゴン等のキャリアガスを供給するためのキャリアガス導入管73が接続されており、図示しないが、キャリアガス導入管73は、キャリアガス容器から伸長され且つ途中に流量コントローラーを備えている。また、内管43の外套管41から露出する部分には、試料投入口45が付設されており、試料投入口45は、内管43に設けられた開口の外周を蓋付きのケーシングで覆う構造を備えている。
 試料供給用のボート44は、内管43の内部において、試料を搭載して上記の試料投入口45と内管43の先端部近傍との間を往復移動する小皿であり、例えば、浅底扁平な細長の箱状に形成されている。上記のボート44は、ボートコントローラ46よって往復移動する操作ロッドの先端に設けられている。具体的には、操作ロッドの基端には、内管43の内周部に緩く嵌合する短軸円柱状の金属片が取付けられ、内管43の外周部には、当該内管に緩く嵌合するリング状の磁石または電磁石から成り且つボートコントローラ46の駆動機構(例えばサーボモータ及びラック機構などで構成された駆動機構)によって直線移動する移動が配置され、操作ロッドは、移動の動きに追従して内管43の内部を移動する様になされている。
 また、試料加熱手段4は、十分な水蒸気を内管43に供給するため、外套管41の基端部に相当する位置の内管43の外周部には、給水手段に接続した供水管76が接続されて外部から水を供給可能に構成されて、加熱手段42の余熱によって水蒸気を生成するジャケット構造の水蒸気発生部を備えている。水平状態に配置された内管43の上面側に相当する壁面には、水蒸気導入用の孔(図示せず)が設けられ、この孔を通じて水蒸気発生部で生成された水蒸気を内管43の反応領域に導くように構成されている。
 希釈液注入手段5は、希釈液である水を溶液収容管3に注入する手段であり、希釈液注入手段5から送出される希釈液は希釈液送出管78及び前記ガス吹き込み管75を通して吸収管3に注入される。希釈液注入手段5は、希釈液を送水するポンプを用いることができる。例えばシリンジポンプなどの定量ポンプを用いて吸収管3に希釈液を送水してもよい。
 既知濃度溶液注入手段6は、成分及び濃度が既知の既知試料溶液を吸収管3に注入する手段であり、既知濃度溶液は既知濃度溶液注入管79を通して溶液収容管3に注入される。既知濃度溶液注入手段6として、任意量を吸収管3に注入することができる、例えばシリンジポンプなどを用いることができる。
 既知濃度溶液は、測定成分の既知量が溶解された溶液であり、市販の標準線溶液や認証物質、物資と溶液を適宜に調製してつくったものなどを用いることができる。
 図3に示されるように、吸収管3に設けられる液面センサー8,8は、例えば、発光ダイオード、半導体レーザー等の光源、溶液収容管3を通過した前記光源の光の強度を検出するフォトダイオード、光アレイ等の受光素子からなるフォトセンサーにより構成することができる。
 図示されないが、液面センサー8,8の出力信号を増幅する増幅器、出力信号をデジタル化する信号変換器及び得られたデジタル信号を演算処理する演算処理手段により、吸収カラム2の液面検出手段が構成されている。前記演算処理手段は、後述する図示されない制御装置に設けられている。
 本形態の溶液調製装置2は、前記希釈液注入手段5と既知濃度溶液注入手段6が送水ポンプにより構成され、吸収管3への希釈液と既知濃度溶液の注入が自動で行われるようになっている。吸収管3への吸収液の注入も図示されない送水ポンプにより吸入液貯留部から自動で注入される。また、吸収管3内で調製された被分析溶液のIC装置1への導入も図示されない送水ポンプにより自動で行われるようになっている。
 溶液調製装置2を構成する前記試料加熱手段4や希釈液注入手段5、既知濃度溶液注入手段6、前記仕切弁などの弁体、液面センサー8,8を含む前記各部材は、所定のプログラムが搭載されたコンピュータで構成される制御装置によりその動作が制御され、吸収管3内に入れられた吸収液に前記試料加熱手段2により生成された試料ガスを吸収させるとともに吸収管3に希釈液を注入して前記試料の被分析溶液を調製する機能や、吸収管3に既知濃度溶液を注入するとともに希釈液を注入して検量線溶液を調製する機能などの定量分析用の溶液を調製する機能を奏するように設けられている。
 すなわち、未知成分の試料を加熱分解して被分析溶液を調製する工程において、制御装置により制御されて吸収管への吸収液の注入、試料の加熱分解が自動で行われて加熱分解により生成された試料ガスが前記吸収液に吸収せしめられ、次いで、希釈液注入手段5から希釈液が吸収管3内に注入され、吸収管3内の溶液が液面センサー8,8に達したならば、液面センサー8,8からの信号に基づき制御装置は希釈液注入手段5の動作を停止させて、吸収管3内で調製された被分析溶液を一定容にする。
 また、既知濃度溶液から検量線溶液を調製する工程において、制御装置により制御されて既知濃度溶液注入手段6から既知濃度溶液が吸収管3内に注入され、注入量が所定量に達したならば制御装置は既知濃度溶液注入手段6の溶液注入動作を停止せしめる。次いで、制御装置は希釈液注入手段5を作動させて希釈液を吸収管3内に注入させ、吸収管3内の溶液が液面センサー8,8に達したならば、液面センサー8,8からの信号に基づき制御装置は希釈液注入手段5の動作を停止させて、吸収管3内で所定の濃度に調製された検量線溶液を一定容にする。
 吸収管3内で一定容に調製された前記被分析溶液と検量線溶液は、制御装置により図示されない送水ポンプを作動させて、IC分析装置1に導入されてIC測定が行われる。
 このように構成された本形態の溶液調製装置2を用いた未知成分を含む試料を定量分析する処理は、例えば以下のようにして行われる。
 先ず、既知濃度溶液を吸収管3に入れて検量線溶液を調製し、調製した溶液をIC分析装置1に導入してIC測定を行う、
 具体的には、所定量の既知濃度溶液を既知濃度溶液注入手段6から吸収管3に注入する。次いで、希釈液注入手段5から液面センサー8,8まで希釈液を吸収管3に注入して一定容とし、これを検量線溶液としてIC分析装置1に導入してIC測定を行う。なお、図示しないが、吸収管3内には酸素ガスとアルゴンガスが供給されるように設けられており、前記既知濃度溶液の注入は両ガスの供給を一旦停止した状態で行われ、さらに希釈液が注入された後に両ガスを吸収管3内に供給することで、吸収管3内で既知濃度溶液と希釈液が混合されるようになっている。
 続いて、前記とは液量を異ならせて既知濃度溶液を既知濃度溶液注入手段6から吸収管3に注入し、希釈液注入手段5から希釈液を液面センサー8,8まで注入して一定容とし、これを検量線溶液としてIC分析装置1に導入してIC測定を行い、先の測定とこの測定の結果から検量線を作成する。
 そして、前記吸収管3に所定量の吸収液を収容しておき、濃度が未知の試料を試料加熱手段4で加熱分解して試料ガスを生成し、生成した試料ガスを前記吸収液に吸収させ、次いで、前記酸素ガスとアルゴンガスの供給を停止した状態で吸収管3内に、希釈液注入手段5から希釈液を液面センサー8,8まで注入して一定容とした後、前述した両ガスの吸収管3内への供給によって溶液を混合し、これをIC分析装置1に導入してIC測定を行う。
 この測定結果と先に作成した検量線から未知試料の濃度を測定する。
 このように構成された溶液調製装置によれば、前記吸収管に設けられた液面センサーまでの液量が不明でも未知試料中の目的成分の濃度と成分量の計算をすることが可能であり、従来、手間が要して面倒であった定量な被分析溶液を得るための液量の測定及び管理は不要となって、未知試料が液体であるか固体であるかにかかわりなく、高精度な定量分析を自動で行うことが可能である。
 さらに、以下の具体的な実用上の効果を得ることが可能である。
 すなわち、自動で検量線原液である既知濃度溶液を希釈する機能を備えるので、調製した検量線溶液を事前に準備する必要がない。
 検量線溶液と未知成分を含む試料の試料ガスを吸収した吸収液にそれぞれ希釈液を加え、同じ吸収管に設けられた液面センサーで一定容にするので液面センサーまでの液量を求める必要がない。
 また、吸収液を吸収管に注入する機能が検量線溶液を作るときにも利用できるので、検量線溶液にも未知試料の試料ガスを吸収した吸収液を加えて調液することができ、未知試料の被分析溶液と検量線溶液とを同じ組成にしてIC分析装置に導入し。測定することができる。
 検量線を作成するにあたり、IC分析装置に導入する検量線溶液の導入液量を変える場合、導入液量が変わるとベースラインが変化する問題がある。前記構成の溶液調製装置では、IC分析装置に導入する液量は変えずに一定容であり、検量線溶液の溶液濃度を変えだけなので、ベースラインが変動せず、分析精度を低下させる虞はない。また、IC分析装置に導入する液量を変えて検量線を作成する場合と比較して、既知濃度溶液の希釈率を大きくできるので広い濃度範囲で検量線を作成することが可能である。
 また、事前に検査線溶液を準備してIC測定を行い、次いで未知試料を燃焼吸収させた吸収液をIC測定する方法を、溶液をIC測定装置に自動で導入する機構を備えた装置を用いて行う場合、検量線溶液を吸引するノズルと、同じく前記試料ガスを吸引して調製された被分析溶液を吸引するノズルを切り替えるバルブが必要となるが、前記図示した構成の溶液調製装置によれば、同じ吸収管に検量線溶液と前記未知試料の被分析溶液が収容されてそれぞれIC分析装置に導入することができるので、切り替えバルブが不要となる。
 本発明の定量分析用溶液の調製方法の実効性を、試料を定量分析して確認した。
 (4-クロロ-3-トリフルオロメチル)フェニルチオ尿素のエタノール溶液(F:179.8μg/mL、Cl:111.8μg/mL、S:101.1μg/mL)を試料として、試料中のふっ素、塩素及び硫黄の含有量を燃焼イオンクロマトグラフ分析装置により分析した。
 前記形態の溶液調製装置の吸収管内で調製した検量線溶液を用いてIC分析する方法と、メスフラスコにて、個別に手調製した検量線溶液を用いた従来のIC分析の方法とを実施し、これら二つ分析方法における分析結果の違いについて確認した。それぞれの方法で三つの溶液(試料)を調製してIC分析を行った。その結果を表1に示す。
 表1に示されるように、本発明を適用した分析方法を使用した場合でも、従来の分析方法と同等の分析結果が得られ、本発明によっても従来法と同程度の精度で分析できることを確認した。
 以上、説明し図示した溶液調製装置の構成や構成部材の形態は一例であり、本発明は説明し図示した構成や形態のものに限定されず、他の適宜な構成や形態のものとすることが可能である。
 本発明は、イオンクロマトグラフ分析装置を含む、検量線を用いて試料中に含まれる未知成分を定量分析する各種分析装置の溶液を調製する方法、装置として適用が可能である。
 1 IC分析装置、2 溶液調製装置、3 吸収管、4 試料加熱手段、5 希釈液注入手段、6 既知濃度溶液注入手段、8 液面センサー

Claims (8)

  1.  検量線を用いて試料中に含まれる未知成分を定量分析するにあたり、前記未知成分を検出する装置に導入する被分析溶液を調製する方法であって、
     吸収管にガスを吸収する吸収液を入れ、前記未知成分を含む試料を加熱分解して生成される試料ガスを前記吸収液に吸収させて前記試料の被分析溶液を調製することと、
     前記と同じ吸収管を用い、この吸収管に既知濃度溶液を入れて検量線溶液を調製することと、
     を含む定量分析用溶液の調製方法。
  2.  吸収管に希釈液を入れて試料の被分析溶液の調製と検量線溶液の調製が行われる請求項1に記載の定量分析用溶液の調製方法。
  3.  希釈液は吸収管に設けられた液面センサーで検出される量まで入れられる請求項2に記載の定量分析用溶液の調製方法。
  4.  希釈液は定量ポンプにより、一定量が吸収管に入れられる請求項2に記載の定量分析用溶液の調製方法。
  5.  検量線を用いて試料中に含まれる未知成分を定量分析するにあたり、前記未知成分を検出する装置に導入する被分析溶液を調製する溶液調製装置であって、
     溶液の調製が行われる吸収管と、
     前記未知成分を含む試料を加熱分解して試料ガスを生成する試料加熱手段と、
     前記吸収管に希釈液を注入する希釈液注入手段と、
     前記吸収管に既知濃度溶液を注入する既知濃度溶液注入手段と、
     前記吸収管内に入れられた吸収液に前記試料加熱手段により生成された試料ガスを吸収させるとともに吸収管に希釈液を注入して前記試料の被分析溶液を調製する機能と、
     前記吸収管に既知濃度溶液を注入するとともに希釈液を注入して検量線溶液を調製する機能と、
     を備える定量分析用の溶液調製装置。
  6.  吸収管に液面センサーが設けられてなる請求項5に記載の定量分析用の溶液調製装置。
  7.  未知成分を検出するための装置に、吸収管内で調製された溶液を自動で導入する機能を備える請求項5又は6に記載の定量分析用の溶液調製装置。
  8.  未知成分を検出するための装置はイオンクロマトグラフ分析装置である請求項7に記載の定量分析用の溶液調製装置。
     
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