JP2011237316A - イオンクロマトグラフ用試料処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】試料を加熱分解して得られた試料ガス中の分析対象成分である硫黄および/またはハロゲンを吸収液に回収するイオンクロマトグラフ用試料処理装置であって、装置構成を簡素化でき、イオンクロマトグラフによる一層高精度な分析が可能な試料処理装置を提供する。
【解決手段】イオンクロマトグラフ用試料処理装置は、試料中の分析対象成分を前処理として回収する試料処理装置であって、水分存在下に試料を加熱分解して試料ガスを生成する試料加熱装置と、試料ガスから分析対象成分を吸収する吸収液が収容された吸収カラム2と、分析対象成分に影響を与えることのない成分の補充液を吸収カラム2に注入する補充液供給装置3とを備え、補充液供給装置3は、吸収カラム2における全液量が最初の吸収液の液量以上で且つ一定量となるように補充液を注入する機能を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、イオンクロマトグラフ用試料処理装置に関するものであり、詳しくは、イオンクロマトグラフィーによる硫黄やハロゲンの分析において試料の前処理に使用される試料処理装置に関するものである。特に、本発明は、試料の供給または加熱処理からイオンクロマトグラフィーまでの一連の工程が自動化された自動分析装置に好適である。
イオンクロマトグラフィーによる硫黄やハロゲンの定量分析においては、予め、試料を加熱分解し、ガス化された分析対象成分を吸収液に回収した後、これをイオンクロマトグラフに導入する。例えば、有機化合物中の全ハロゲン及び全硫黄を同時に分析する装置として、試料を燃焼分解して試料ガスとしてハロゲン化物および硫黄酸化物を生成する試料燃焼装置(加熱装置)、得られた試料ガスを吸収液に接触させて当該吸収液に前記ハロゲン化物などをイオンとして吸収させる吸収カラム(吸収瓶)、および、吸収液の成分を分離して定量するイオンクロマトグラフから構成された自動分析装置が開示されている。そして、斯かる分析装置においては、吸収カラムにおける吸収液の変動に対応するため、規定濃度のリン酸液を内部標準として吸収液に一定量添加している(特許文献1参照)。
なお、試料の前処理を行う試料燃焼装置としては、例えば、外周側から加熱可能になされた反応管と、当該反応管の内部に挿通される試料供給用のボートとを備え、反応管の内部へ水蒸気を導入して水分存在下に試料を加熱し、有機物試料は酸素の存在下での燃焼分解し、無機試料は熱加水分解し、得られた試料ガスを吸収カラムの吸収液に接触させるようにした試料加熱装置が挙げられる(特許文献2参照)。
特開平8−262000号公報 特許第3977218号公報
ところで、上記のような分析においては、吸収カラム内の吸収液の量を正確に把握していなければならないが、吸収液の量は、最初に一定量を正確に注入するにせよ、試料ガスの吹き込みによる気散や飛散、あるいは、試料加熱装置での加熱分解の際の水分添加によって変動する。更に、自動化された装置では、一つの吸収カラムを洗浄をしながら繰り返して使用するため、吸収カラムに付着した洗浄水が誤差要因となる。これに対し、内部標準法は、内部標準成分と分析対象成分との比率を測定するため、上記のような吸収カラムにおける液量変化の影響を受けることがなく、イオンクロマトグラフに導入する直前の吸収液の量を正確に特定できる優れた方法と言える。また、内部標準法によれば、イオンクロマトグラフの計量管へのサンプリング誤差を低減でき、感度の経時変化に対する補正を行うことができる。
しかしながら、上記の内部標準法では、内部標準イオンとして例えばリン酸を使用するが、試料中にリンが存在した場合には、内部標準として添加したリン酸イオンの濃度が変化するため、吸収液の量を正確に算出できなくなる。換言すれば、内部標準成分と同じ成分が試料に含まれている場合には正確な分析ができないと言う問題がある。また、吸収カラムに一定量の内部標準を添加する操作には相当の熟練と手間を要する。更に、分析装置の完全な自動化を図ろうとすると、1回の分析毎に一定量の内部標準を添加するための機構が必要となり、装置構成が複雑化すると言う問題がある。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、試料を加熱分解して得られた試料ガス中の分析対象成分を吸収液に回収するイオンクロマトグラフ用試料処理装置であって、装置構成を簡素化でき、しかも、イオンクロマトグラフによる一層高精度な分析が可能な試料処理装置を提供することにある。
本発明は、イオンクロマトグラフィーの前処理としての試料の加熱分解で得られる試料ガス中の分析対象成分を吸収液に回収した場合、気散や飛散による吸収液の量の変動に拘わらず、吸収液中の分析対象成分の絶対量に殆ど変動がないことに着目してなされたものであり、本発明では、イオンクロマトグラフに吸収液を導入するに当たり、吸収液または同種の液体もしくは純水などの分析対象成分に影響を与えることのない成分の補充液を吸収カラムに補填し、吸収カラムの液量を常に一定に保持することにより、吸収液における分析対象成分の濃度を正確に測定できるようにした。
すなわち、本発明の要旨は、試料に含まれる硫黄および/またはハロゲンをイオンクロマトグラフィーにより定量分析するに当たり、試料中の分析対象成分を前処理として回収する試料処理装置であって、水分存在下に試料を加熱分解して試料ガスを生成する試料加熱装置と、試料ガスから前記の分析対象成分を吸収する吸収液が収容され且つ試料加熱装置から導入された試料ガスを吸収液に接触可能に構成された吸収カラムと、分析対象成分に影響を与えることのない成分の補充液を吸収カラムに注入する補充液供給装置とを備え、かつ、当該補充液供給装置は、吸収カラムにおける全液量が最初の吸収液の液量以上で且つ一定量となるように補充液を注入する機能を備えていることを特徴とするイオンクロマトグラフ用試料処理装置に存する。
本発明のイオンクロマトグラフ用試料処理装置によれば、補充液供給装置から吸収カラムに対してその全液量が一定量となるように補充液を注入することにより、イオンクロマトグラフにおいて常に一定量の吸収液に対する分析対象成分の濃度を測定できるため、吸収液の気散や飛散、加湿用の水分や洗浄水の混入によって影響を受けることなく、試料中の分析対象成分を正確に定量することができる。そして、内部標準を添加する機構を設ける必要がなく、装置構成を簡素化できる。従って、本発明は、特に自動化された分析装置に好適である。
本発明に係るイオンクロマトグラフ用試料処理装置の主要部の構成を示すフロー図である。 本発明に係るイオンクロマトグラフ用試料処理装置の全体構造を示すフロー図である。
本発明に係るイオンクロマトグラフ用試料処理装置(以下、「試料処理装置」と言う。)の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の試料処理装置は、試料に含まれる硫黄および/またはハロゲンをイオンクロマトグラフィーにより定量分析するに当たり、試料中の分析対象成分、換言すれば目的成分を前処理として回収するための試料処理装置である。本発明において、試料としては、医薬、農薬、有機合成品、石油製品、樹脂など、有機や無機の種々の試料が挙げられる。そして、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などの全ハロゲン及び全硫黄が分析対象とされる。
本発明の試料処理装置は、図2に示すように、水分存在下に試料を加熱分解して試料ガスを生成する試料加熱装置1と、試料ガスから上記の分析対象成分を吸収する吸収液が収容され且つ試料加熱装置1から導入された試料ガスを吸収液に接触可能に構成された吸収カラム2と、吸収カラム2に補充液を注入する補充液供給装置3(図1参照)とを備えている。
試料加熱装置1としては、酸素を供給することなく無機試料を熱加水分解する場合の態様と、有機物試料を酸素の存在下で燃焼分解する場合の態様とが挙げられるが、これら2つの態様の構造上の違いは、熱加水分解を行う装置では後述する内管13に相当する1本の管で反応管が構成されている点である。図2に例示した試料加熱装置1は、有機物試料を燃焼分解する装置である。
図2に示す試料加熱装置1は、酸素を供給可能に構成され且つ加熱手段12によって外周側から加熱可能になされた外套管11と、キャリアガスを供給可能に構成され且つ外套管11の基端から当該外套管内部に挿入された内管13と、当該内管の基端側から内管内部に挿通される試料供給用のボート14とを備えている。すなわち、上記の試料加熱装置1においては、外套管11と内管13によって反応管が構成されている。なお、通常、外套管11、内管13、ボート14は、石英によって構成されている。
反応管である外套管11及び内管13を加熱する加熱手段12としては、通常は0.7〜1.5kw程度の円筒型の電気炉が使用される。換言すれば、外套管11は、電気炉の筒内に挿通されている。外套管11の基端部には、当該外套に酸素を供給するための酸素導入管61が接続されており、図示しないが、酸素導入管61は、酸素容器から伸長され且つ途中に流量コントローラーを備えている。また、外套管11の先端部には、加熱分解により得られた試料ガスを取り出すための試料ガス取出管63が設けられており、斯かる試料ガス取出管63は、吸収カラム2のガス吹き込み管に接続されている。なお、通常、外套管11の内部の先端側には、燃焼を安定化させるための石英綿が充填されている(図示省略)。
内管13は、試料の加熱分解により生成された試料ガスを外套管11へ導くための導管であり、その先端開口部(図2において左側の端部)は、生成されたガスの燃焼を促進するため、外套管11の長さの略中央に相当する位置に挿入されている。内管13の基端側、すなわち、外套管11に挿入されていない部位(図2において右側の約半分の長さの部分)は、外套管11の基端から外側に露出している。内管13の基端部には、アルゴン等のキャリアガスを供給するためのキャリアガス導入管62が接続されており、図示しないが、キャリアガス導入管62は、キャリアガス容器から伸長され且つ途中に流量コントローラーを備えている。また、内管13の外套管11から露出する部分には、試料投入口15が付設されており、試料投入口15は、内管13に設けられた開口の外周を蓋付きのケーシングで覆う構造を備えている。
試料供給用のボート14は、内管13の内部において、試料を搭載して上記の試料投入口15と内管13の先端部近傍との間を往復移動する小皿であり、例えば、浅底扁平な細長の箱状に形成されている。上記のボート14は、ボートコントローラ16よって往復移動する操作ロッドの先端に設けられている。具体的には、操作ロッドの基端には、内管13の内周部に緩く嵌合する短軸円柱状の金属片が取付けられ、内管13の外周部には、当該内管に緩く嵌合するリング状の磁石または電磁石から成り且つボートコントローラ16の駆動機構(例えばサーボモータ及びラック機構などで構成された駆動機構)によって直線移動する移動が配置され、操作ロッドは、移動の動きに追従して内管13の内部を移動する様になされている。
また、図示を省略するが、試料加熱装置1においては、十分な水蒸気を内管13に供給するため、外套管11の基端部に相当する位置の内管13の外周部には、外部から水を供給可能に構成され且つ加熱手段12の余熱によって水蒸気を生成するジャケット構造の水蒸気発生部が設けられている。一方、水平状態に配置された内管13の上面側に相当する壁面には、水蒸気導入用の穴が設けられている。そして、斯かる穴を通じ、水蒸気発生部で生成された水蒸気を内管13の反応領域に導くように構成されている。
外套管11の先端の試料ガス取出管63は、吸収カラム2のガス吹き込み管に接続されている。吸収カラム2は、ガラス等の透明性材料で構成された内容積20〜100cm程度の容器であり、吸収カラム2の内部には、前述の分析対象成分を吸収する吸収液として、通常は濃度0.001〜1%の過酸化水素水が収容されている。吸収カラム2の上端は、吸収液の飛散を防止するための蓋で封止されており、斯かる蓋には、上記の試料ガス取出管63に繋げられたガス吹き込み管、イオンクロマトグラフ4へ吸収液を導入するための吸収液取出管65、および、補充液供給装置3の補充液注入管67が挿通されている。なお、図2中の符号64は、使用済みの吸収液および洗浄水を排出するための排水管を示す。
イオンクロマトグラフ4は、イオン交換樹脂を使用して吸収液(溶離液)中のイオンや極性分子などを分離し、吸収液の電気伝導度または吸光度を検出して陰イオンや陽イオンの分析を行う周知の装置であり、ポンプ、恒温槽内の分離カラム(計量管)、検出器から主に構成されている。あるいは、上記の分離カラムと検出器の間に更にバックグランド減少用のサプレッサーを設けて構成されている。なお、吸収カラム2からイオンクロマトグラフ4へ至る吸収液取出管65には、イオンクロマトグラフ4の作動制御に応じて開閉する試料導入弁としての6方弁が配置されている。
補充液供給装置3(図1参照)は、分析対象成分に影響を与えることのない成分の補充液を吸収カラム2に注入する装置であり、吸収カラム2における全液量が最初の吸収液の液量以上で且つ一定量となるように補充液を注入する機能を備えている。本発明において、分析対象成分に影響を与えることのない成分の補充液とは、分析対象成分を含まず且つ当該分析対象成分を溶解可能な水系溶媒を言い、斯かる補充液としては、吸収カラム2のものと同様の吸収液または同種の液体もしくは純水が使用される。通常は、各種の吸収液に共通して使用するため、純水が使用される。これにより、従来の内部標準を使用することなく、吸収液中の分析対象成分の濃度を正確に検出できる。
吸収カラム2の液量を検出する方法としては、液面の高さを検出するのが容易である。また、液面の検出方法としては、電極を挿入して電極間の電気伝導度を測定する方法、あるいは、静電容量型のセンサーを液面に接触させて液面高さを検出する方法などが挙げられるが、吸収カラム2にセンサーを挿入した場合には構造が一層複雑化する。そこで、本発明においては、吸収カラム2の外側に配置されたフォトセンサーを使用し、液量に代えて、吸収カラム2の液面高さを検出する。
具体的には、図1に示すように、補充液供給装置3は、補充液を収容する補充液容器31と、当該補充液容器からポンプ32を介して吸収カラム2へ至る補充液の流路と、当該流路のポンプ32よりも下流側に設けられた仕切弁33とを備えている。補充液容器31の内容積は、分析回数を勘案して決定すればよいが、補充液の充填頻度などの観点から、通常は100〜4000cm程度に設計されている。ポンプ32としては、吸収カラム2の液量を正確に制御するため、電磁ポンプ、ダイアフラムポンプ、チューブポンプ等の定容量ポンプが使用されている。
補充液容器31から吸収カラム2へ至る上記の流路は、ポンプ32の吸入側に接続され且つ補充液容器31の補充液を取り出す補充液抜出し管66、および、ポンプ32の吐出側に接続され且つ取り出された補充液を吸収カラム2に注入する前述の補充液注入管67から構成されており、仕切弁33は、補充液注入管67に介装されている。そして、補充液供給装置3は、吸収カラム2の液量を検出する手段として、吸収カラム2の液面を検出する液面センサー34を備えている。
上記の液面センサー34は、発光ダイオード、半導体レーザー等の光源34a、吸収カラム2を通過した光源34aの光の強度を検出するフォトダイオード、光アレイ等の受光素子34bから成るフォトセンサーで構成されている。そして、図示しないが、液面センサー34、受光素子34bの出力信号を増幅する増幅器、前記の出力信号をデジタル化する信号変換器、および、得られたデジタル信号を演算処理する演算処理手段により、吸収カラム2の液面検出手段が構成されている。なお、上記の演算処理手段は、後述する制御装置5に設けられている。
本発明においては、イオンクロマトグラフ4へ吸収液を導入するに際し、吸収カラム2における全液量を一定量とするため、図1に示すように、補充液供給装置3は、上記の液面センサー34からの信号に基づき、吸収カラム2の液面が一定高さとなるように補充液の注入を制御可能に構成されている。
具体的には、液面センサー34は、吸収カラム2に対して一定の高さに配置されており、上記の制御装置5は、所定のプログラムが搭載されたコンピュータで構成され、液面センサー34の出力信号の処理および補充液供給装置3の制御を行う機能を備えており、そして、液面センサー34の信号に基づいて仕切弁33の作動を制御するように構成されている。すなわち、制御装置5は、吸収カラム2への試料ガスの導入を停止した際、換言すれば、試料加熱装置1におけるキャリアガスの送気を停止した際、仕切弁33を開放し且つポンプ32を作動させることにより、吸収カラム2に補充液を注入し、そして、液面センサー34で吸収カラム2の液面を検出した際、仕切弁33を閉止し且つポンプ32を停止することにより、補充液の注入を停止するよう構成されている。これにより、液量が常に一定量に維持された吸収カラム2から吸収液をイオンクロマトグラフ4へ導入できる。
次に、本発明の試料処理装置の使用方法の一例として、有機物試料を燃焼分解して試料中の硫黄およびハロゲンを定量分析する方法について説明する。斯かる分析では、先ず、図2に示す試料加熱装置1において、試料投入口15からボート14に試料を載せ、ボートコントローラ16によりボート14を内管13の先端部側へ移動させる。次いで、内管13にキャリアガスとしてアルゴンを一定流量で供給し、外套管11に燃焼用の酸素を一定流量で供給すると共に、加熱手段12によって外套管11及び内管13を所定温度に加熱する。そして、内管13の外周部の水蒸気発生部にキャリアガスと共に一定流量で水を供給し、加熱手段12の余熱によって生成した水蒸気を内管13の反応領域に導入する。
試料加熱装置1においては、内管13において試料を熱分解し、水蒸気と共に分解ガスをキャリアガスによって外套管11へ送り出す。その結果、外套管11において、加熱分解された試料が水蒸気の存在下で燃焼する。そして、外套管11で発生した燃焼ガスは、試料ガスとして、試料ガス取出管63及びその先端のガス吹き込み管を通じて吸収カラム2に導入し、吸収液に接触させる。これにより、試料ガス中のハロゲン化水素や硫黄酸化物を吸収液に吸収させる。
続いて、試料加熱装置1の稼働を停止し、補充液供給装置3を作動させる。補充液供給装置3においては、仕切弁33を開放し且つポンプ32を作動させ、補充液抜出し管66、補充液注入管67を通じ、補充液容器31の補充液、例えば純水を吸収カラム2に注入する。そして、吸収カラム2の吸収液の液面が上昇し、液面センサー34が吸収カラム2の液面を検出された際、制御装置5の働きにより、仕切弁33を閉止し且つポンプ32を停止し、補充液の注入を停止する。次いで、イオンクロマトグラフ4を稼働させ、試料導入弁41を開放し、吸収液取出管65を通じてイオンクロマトグラフ4の分離カラムに吸収カラム2の吸収液を導入する。そして、イオンクロマトグラフ4において、吸収液中の分析対象成分である硫黄およびハロゲンを定量する。
上記のように、本発明においては、イオンクロマトグラフ4による分析に際して、分析対象成分に影響を与えることのない成分の補充液を吸収カラム2に補填し、当該吸収カラムの液量を常に一定に保持する。これにより、吸収液における分析対象成分の濃度を正確に測定できるようにしている。換言すれば、補充液供給装置3から吸収カラム2に対してその全液量が一定量となるように補充液を注入することにより、イオンクロマトグラフ4において常に一定量の吸収液に対する分析対象成分の濃度を測定できる。その結果、本発明によれば、吸収液の気散や飛散、加湿用の水分や洗浄水の混入によって影響を受けることなく、試料中の分析対象成分を正確に定量することができる。そして、本発明によれば、内部標準を添加する機構を設ける必要がなく、装置構成を一層簡素化できる。従って、本発明は、特に自動化された分析装置に好適である。
因に、ベンジルチウロニウムクロライドを試料として、試料中の塩素および硫黄の含有量をイオンクロマトグラフィーにより分析した。その場合、本発明の試料処理装置を使用した分析方法と、内部標準としてリン酸液を吸収液に添加する従来の分析方法とを実施し、これら2つの分析方法における分析結果の違いについて確認した。なお、上記の2つの分析においては、何れも、試料加熱装置として、三菱化学アナリテック社製の「AQF−2100H型燃焼装置」(商品名)を使用し、イオンクロマトグラフとして、Dionex社製の「ICS2000」(商品名)を使用した。その結果、次表に示す通り、本発明の試料処理装置を使用した場合も、内部標準を使用した従来法と同程度の精度で分析できることが確認された。
Figure 2011237316
1 :試料加熱装置
11:外套管
12:加熱手段
13:内管
14:ボート
2 :吸収カラム
3 :補充液供給装置
31:補充液容器
32:ポンプ
33:仕切弁
34:液面センサー
34a:光源
34b:受光素子
4 :イオンクロマトグラフ
5 :制御装置
63:試料ガス取出管
65:吸収液取出管
66:補充液抜出し管
67:補充液注入管

Claims (4)

  1. 試料に含まれる硫黄および/またはハロゲンをイオンクロマトグラフィーにより定量分析するに当たり、試料中の分析対象成分を前処理として回収する試料処理装置であって、水分存在下に試料を加熱分解して試料ガスを生成する試料加熱装置と、試料ガスから前記の分析対象成分を吸収する吸収液が収容され且つ試料加熱装置から導入された試料ガスを吸収液に接触可能に構成された吸収カラムと、分析対象成分に影響を与えることのない成分の補充液を吸収カラムに注入する補充液供給装置とを備え、かつ、当該補充液供給装置は、吸収カラムにおける全液量が最初の吸収液の液量以上で且つ一定量となるように補充液を注入する機能を備えていることを特徴とするイオンクロマトグラフ用試料処理装置。
  2. 補充液供給装置は、吸収カラムの液面を検出する液面センサーを含み、当該液面センサーからの信号に基づき、吸収カラムの液面が一定高さとなるように補充液の注入を制御可能に構成されている請求項1に記載の試料処理装置。
  3. 液面センサーが、フォトセンサーで構成されている請求項2に記載の試料処理装置。
  4. 補充液供給装置は、補充液を収容する補充液容器と、当該補充液容器からポンプを介して吸収カラムへ至る補充液の流路と、当該流路のポンプよりも下流側に設けられた仕切弁とを備え、液面センサーの信号に基づいて仕切弁の作動を制御するように構成されている請求項2又は3に記載の試料処理装置。
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