WO2024090226A1 - 膜形成装置、積層体製造方法、及び半導体デバイス製造方法 - Google Patents

膜形成装置、積層体製造方法、及び半導体デバイス製造方法 Download PDF

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哲雄 奥山
桂也 ▲徳▼田
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【課題】膜形成の際に作業環境の汚染を抑制しつつ均一膜厚化が可能な膜形成装置を提供する。 【解決手段】製膜チャンバー2と、複数のノズル孔を有し、膜原料を含有しないガスを前記複数のノズル孔から前記製膜チャンバー2に導入するように構成される第一導入機構IM1と、膜原料を含有するガス12を前記製膜チャンバー2に導入することにより第一部材ME上に膜20を形成するように構成される第二導入機構IM2とを含むことを特徴とする、膜形成装置10。

Description

膜形成装置、積層体製造方法、及び半導体デバイス製造方法
 本発明は、膜形成装置、積層体製造方法、及び半導体デバイス製造方法に関する。
 太陽電池デバイス等の半導体デバイスにおいて、所定の膜を被処理部材(例えば基板)に形成する種々の方法が知られている(特許文献1~5)。
 特許文献1は、ミスト発生装置を用いたミストの塗布方法がブース内で行われることを開示する(図1)。特許文献2には、誘電体膜の製造方法に用いる成膜装置として、チャンバー内に基板を置き、ミスト発生器をこのチャンバーに接続した装置が記載されている(図1)。特許文献3は、プロセスチャンバー内に、基板を載せる回転ステージと、ミスト噴出手段とを備える誘電体薄膜形成装置を開示する(図1)。特許文献4には、ミスト化した被膜材料溶液を被処理部材の表面に塗布する成膜方法が処理室内で行われることが教示されている(図2)。特許文献5は、チャンバー内に、ミスト散布部と、基板設置部とを備えるパターン形成装置を有することを開示する(図1)。
特開平3-26370号公報 特開平10-92802号公報 特開平11-131238号公報 特開2003-273097号公報 特開2007-27536号公報
 特許文献1~5において、膜を形成する際の問題点として、作業環境が汚染されること、膜形成材料が基板以外に付着すること、基板及び基板に形成される膜が汚損されること、並びに、形成される膜の均一化が容易でないこと等が知られている。より具体的には次の通りである。
 スプレー塗布においてはノズル孔から概略放射状に気体の強い流れがあり、その流れの方向に液滴は運動する。このため、ノズル形状と複数のノズルの配置によって塗布される領域、膜厚は決定される。一旦この気体の流れが壁面などによって変わった後の液滴は製膜に寄与することはなかった。ミストを使った膜形成においては、広い面積の膜で均一な膜厚を得るために、線上のノズルと基板とを相対運動させることが試みられてきた。ここで、デバイスを作る基本として、基板に異物(パーティクルとも称する。)が付着していることは、デバイス欠陥の原因となり避けなければならない。しかしながら、このような膜形成を行う装置では、当該相対運動を可能とする為の可動部分が多く、膜形成中に基板の近傍で動く機械部分があると、異物の原因となりやすい。
 そこで、本発明は、膜形成の際に作業環境の汚染を抑制しつつ均一膜厚化が可能な、膜形成装置、積層体製造方法、及び半導体デバイス製造方法を提供することを目的とする。膜形成中に可動な機械部分を設ける必要がないため、コストも低減され得る。本発明によると、膜形成において、ごく薄い膜厚でも均一な膜厚の膜を多くの原料を無駄にすることなく形成することが可能となり得る。これにより、材料の消費の抑制も可能となり得る。
 本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、乱流を作ってこれにミストを加えることで膜を形成する手段を採用することにより、乱流と気体の製膜チャンバー内の循環によるミスト均一化が進み、膜形成の際の基板全体での均一膜厚化が改善されることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、次に記載の態様を含み得る。
[1]製膜チャンバーと、複数のノズル孔を有し、膜原料を含有しないガスを前記複数のノズル孔から前記製膜チャンバーに導入するように構成される第一導入機構と、膜原料を含有するガスを前記製膜チャンバーに導入することにより第一部材上に膜を形成するように構成される第二導入機構とを備えることを特徴とする、膜形成装置。
[2]前記膜原料を含有するガスが、膜形成材料又は膜形成材料の前駆体を含む溶液をミスト化したものを含む、ことを特徴とする[1]に記載の膜形成装置。
[3]前記第一導入機構は、前記製膜チャンバーに前記膜原料を含有しないガスを導入するときのレイノルズ数を30以上3000以下にするように構成される、ことを特徴とする[1]又は[2]に記載の膜形成装置。
[4]前記第二導入機構は、前記製膜チャンバーに導入する前記膜原料を含有するガスの流速を、前記第一導入機構が前記製膜チャンバーに導入する前記膜原料を含有しないガスの流速の1/2以下にするように構成される、ことを特徴とする[1]~[3]のいずれか一項に記載の膜形成装置。
[5]前記第一導入機構の複数のノズル孔では、隣り合う2つのノズル孔の間隔が10mm以上である、ことを特徴とする[1]~[4]のいずれか一項に記載の膜形成装置。
[6]前記膜の形成の際に前記第一部材を加熱する加熱ステーションをさらに備えることを特徴とする、[1]~[5]のいずれか一項に記載の膜形成装置。
[7]前記第一導入機構による前記膜原料を含有しないガスの前記導入の間に、前記第二導入機構は、前記膜原料を含有するガスの前記導入を開始するように構成される、ことを特徴とする、[1]~[6]のいずれか一項に記載の膜形成装置。
[8]前記製膜チャンバーは開口部を有し、前記開口部を前記第一部材の一方主面内に当接させることにより、前記製膜チャンバーと前記第一部材とに囲まれた領域からなる成膜室を形成する、ように構成される制御部をさらに備えることを特徴とする、[1]~[7]のいずれか一項に記載の膜形成装置。
[9]第一部材と前記第一部材上の膜とを含む積層体の製造方法であって、複数のノズル孔を有する第一導入機構を用いて、前記第一部材の一方主面側の少なくとも一部が露出している製膜チャンバー内に、前記複数のノズル孔から膜原料を含有しないガスを導入する工程と、第二導入機構を用いて、膜原料を含有するガスを前記製膜チャンバー内に導入することにより前記第一部材上に前記膜を形成する工程とを含むことを特徴とする積層体製造方法。
[10]前記膜原料を含有しないガスの前記導入の間に、前記膜原料を含有するガスの前記導入が開始される、ことを特徴とする、[9]に記載の積層体製造方法。
[11]前記製膜チャンバーは開口部を有し、前記開口部を前記第一部材の前記一方主面内に当接させることにより、前記製膜チャンバーと前記第一部材とに囲まれた領域からなる成膜室を形成する工程をさらに備え、前記膜原料を含有しないガスの前記導入、及び、前記膜原料を含有するガスの前記導入は、前記成膜室が形成されている間に行われる、ことを特徴とする、[9]又は[10]に記載の積層体製造方法。
[12][9]~[11]のいずれか一項に記載の積層体製造方法を用いて半導体デバイスを製造することを特徴とする、半導体デバイス製造方法。
 [13]前記膜は、導電層、電子輸送層、電極層、光起電力層、ホール輸送層、保護層、p型半導体層、n型半導体層、絶縁層、ガスバリア層、及び接着剤層のうちのいずれかとして機能する、ことを特徴とする[1]~[8]のいずれか一項に記載の膜形成装置。前記膜が、太陽電池デバイス等の半導体デバイスに使用されてもよい。
 本発明によれば、製膜チャンバー内に膜形成中に可動な機械部分を設ける必要なく、数メートルオーダーの基板にも膜厚均一に膜堆積することができる。また、膜形成中に可動な機械部分が必要とされないことで、異物低減の効果を十分に発揮できる。より具体的には、膜形成中に可動な機械部分の稼働速度の安定性は膜厚に影響があるため、安定した動きを必要とするが、本発明によれば、精密な動きを必要としないため、コストの低減が可能となり得、当該動作に伴う作業環境の汚染の抑制も可能となり得る。
 さらに、本発明によれば次の効果も奏され得る。特許文献1~5の膜形成では、例えば基板を装置内に移送して基板を当該装置内で位置合わせする手順等を要するため、また、膜を複数形成する場合に当該装置を複数設置することを要するため、膜形成に要する時間が長く、得られる膜の生産性にも問題がある。本発明によると、膜の生産性も改善され得る。さらに、実用の観点から、太陽電池デバイス等の半導体デバイスの製造では、高価な原料を使い、積層された膜に凹凸パターンを形成する為、メタルマスク、エッチングを使用することが知られている。メタルマスク、エッチングは、膜形成の作業環境とは異なる作業環境で使用される場合が多く、作業工程が煩雑となり、かかる点でも膜形成に要する時間が長くなっていた。また、メタルマスク、エッチングに必要な部材も増えコストがかかっていた。本発明によると、例えばメタルマスク及びエッチングを必要とせず、ゆえに膜形成効率も改善され得る。
 さらに、本発明では、例えば、2種類のガス導入口が用いられ、例えば、細いノズル孔を有するガス導入口からはミストを噴出させないようにすることにより、ノズル孔にミストが付着してパーティクルが発生することを抑えて、ミストを均一に分布させることが可能となり得る。
図1は、本発明の実施形態に係る膜形成装置の概略構成を示す。 図2は、本発明の実施形態に係る膜形成装置の製膜チャンバーの構成の一例を説明するための図である。 図3は、本発明の実施形態に係る積層体の製造方法を用いたデバイス製造工程を説明するための図である。 図4は、本発明の実施形態に係る膜形成装置の、膜原料を含有しないガスの導入に用いられるガス導入口の複数のノズル孔の配置のいくつかの例を示す図である。 図5は、本発明の実施形態に係る膜形成装置において、膜原料を含有しないガスの導入に用いられるガス導入口が2つ設けられた例を示す図である。
 以下、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
<膜形成装置の全体構成>
 図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係る膜形成装置10の基本構成を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る膜形成装置10の概略構成を示す。図2は本発明の実施形態に係る膜形成装置10の製膜チャンバー2の構成の一例を示す。
 膜形成装置10は、第一部材ME上に膜20を形成するのに用いられる装置であって、第一部材MEを保持する保持具3と、第一部材MEと外部を遮断するように設けられる製膜チャンバー2と、製膜チャンバーへのガス導入を行う導入機構IM1(本明細書では、第一導入機構とも称され得る。)及び導入機構IM2(本明細書では第二導入機構とも称され得る。)と、制御部CTRとを備える。保持具3は、図1では参照を容易とするため省略されているが、図2に示されている。第一部材MEは、基板1であってもよいし、基板1と、基板1上に積層された1以上の層と、からなる積層体であってもよい。本明細書では、基板1上に膜20が形成される場合を例に挙げて説明するが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、以下の説明では、基板1を第一部材MEに読み替え可能であり得る。
 製膜チャンバー2は、図2に示されるように開口部9を有してもよい。図2の(C)及び(D)では、開口部9が保持具3に接触されることにより、製膜チャンバー2と保持具3とで囲まれた領域からなる成膜室Rが形成されている状態が示されている。製膜チャンバー2は、例えば分離して、基板1の上に製膜チャンバー2の一部(当該部分を製膜チャンバー2と称してもよい。)が覆い被さる形態でもよい。この場合、形成される成膜室Rは、製膜チャンバー2と基板1とで囲まれた領域からなる。製膜チャンバー2が分割する等して上述のように基板1に被さる形態の場合によれば、製膜チャンバー2が基板1に当接する形状に沿った膜形成が可能である。例えば、基板1の一方主面内に当接する開口部9の内側全面に膜20が形成される場合もあり得る。当該一方主面が被成膜面である。このような膜形成ではメタルマスク及びエッチングを必要とせず、膜形成効率を改善することができる。また、製膜チャンバー2が分割する等して基板に被さる形態の場合によれば、コストの低減及び作業環境の汚染の抑制が可能とされ得る。
 膜形成装置10は、ガス導入口4と、ガス排出口5と、ガス導入口4とは別個のガス導入口6とを含む。ガス導入口4及び5と、導入機構IM1及びIM2との関係について説明する。導入機構IM1は、ガス導入口6、及び、ガス導入口6から製膜チャンバー2へのガス導入に係る調整等を行う制御機構を含む。導入機構IM2は、ガス導入口4、及び、ガス導入口4から製膜チャンバー2へのガス導入に係る調整等を行う制御機構を含む。
 ガス導入口4は、ガス導入機構IM2により膜原料を含有するガス(以下、膜原料含有ガスとも称され得る。)12を製膜チャンバー2に導入するのに用いられる。ガス排出口5は、製膜チャンバー2内のガスを製膜チャンバー2から排出するのに用いられる。ガス導入口6は、ガス導入機構IM1により膜原料を含有しないガスを製膜チャンバー2に導入するのに用いられる。膜原料を含有しないガスは、膜原料を実質的に含有しないガスのことを指す。より具体的には、或る膜を形成する際に製膜チャンバー2に導入される膜原料を含有しないガス中の膜原料として寄与し得る成分の質量は、例えば、当該膜の形成のために製膜チャンバー2に導入される膜原料含有ガス12に含まれる膜原料の質量の1/100以下であり、より好ましくは1/1000以下である。
 ガス導入口6は複数のノズル孔を有する。本明細書では、ノズル孔が円形であるとして説明するが、ノズル孔の形状は必ずしも円形である必要はない。ガス導入口6では、当該複数のノズル孔の各々を通って製膜チャンバー2にガスが導入される。当該複数のノズル孔は、図4(A)に示されるように、例えば、基板1の被成膜面と平行となるように、及び/又は、製膜チャンバー2の開口部9が含まれる2次元平面と平行となるように、一列に並んでいてもよい。図4(A)の上側の図は、基板1の被成膜面に垂直な方向からガス導入口6を見た場合についての図であり、図4(A)の下側の図は、基板1の被成膜面に平行かつガス導入口6に向かう方向からガス導入口6を見た場合についての図である。当該複数のノズル孔では、隣り合う2つのノズル孔の間隔が、例えば10mm以上50mm以下であり、さらに望ましくは20mm以上30mm以下である。ここで、当該間隔は、一方のノズル孔の外周と他方のノズル孔の外周との最も近接する箇所での間隔を指す。ノズル孔の間隔のこのような好適な数値範囲は、基板1の辺の長さ及び、この辺が入る製膜チャンバー2のサイズが100mm程度でも2000mm程度となっても変わらない。製膜チャンバー2のサイズが変わる場合はガス導入口6のノズル孔の数が増えていく。ここで、製膜チャンバー2のサイズとは、例えば、製膜チャンバー2の幅のことである。上述した、隣り合う2つのノズル孔の間隔について説明する。当該間隔が10mm未満では、ガス導入口6を介して製膜チャンバー2に導入される膜原料を含有しないガスにより乱流領域8が形成されるようにするとき、隣り合うノズル孔間での気体のまじりあいが大きくノズル孔から離れた位置に乱流を生成することが困難になる。当該間隔が50mmを超える場合には、隣のノズル間の気体のまじりあいが十分に起きずに膜形成の際の均一膜厚化が困難となる。上記では、ガス導入口6の複数のノズル孔の並びの一例を説明したが、本実施形態はこれに限定されない。図4(B)は、ガス導入口6の複数のノズル孔の配置の別の例を示す。図4(A)の例と比較して、隣り合うノズル孔の間隔は同程度だが、一端から数えて奇数番目のノズル孔の高さと、偶数番目のノズル孔の高さが異なっている。
 製膜チャンバー2及び、基板1が大きい場合には複数のガス導入口6があってよい。すなわち、導入機構IM1が複数のガス導入口6を含み得る。この一例として、ガス導入口6が2つある例を図5に示す。複数のガス導入口6は互いに100mm以上離れていて、それぞれがノズル出口から概略数cmで乱流を発生する。複数のガス導入口6を用いることにより、乱流領域8において乱流をより均一に作ることが可能となり得る。また、広い領域に乱流を作りやすい。さらに、ガス導入口6の複数のノズル孔について、数センチ間隔のノズル孔から出る気流の向きを基板1の被成膜面と平行にすることで基板上に基板の被成膜面と平行な乱流領域を均一に作ることができる。このような目的のため、例えば、導入口6の複数のノズル孔の各々について、ノズル孔の筒状の内壁の中心線が、基板1の被成膜面と平行となるように設けられている、及び/又は、製膜チャンバー2の開口部9が含まれる2次元平面に平行となるように設けられている。
 ガス導入口6の複数のノズル孔は通常等間隔にあるが、製膜チャンバー2内の気体の流れを均一化するため、等間隔ではないことで調整することもあってよい。
 ガス導入口4の先端は、製膜チャンバー2内において、図2の(D)に示す乱流領域8の近傍にあることが望ましく、さらにはこの乱流領域8に差し込まれていることが望ましい。この場合、ガス導入口6の先端と比較して、ガス導入口4の先端は製膜チャンバー2内に、より差し込まれている。ガス導入口4を介して製膜チャンバー2に導入される膜原料含有ガス12により準層流領域7が形成され得る。
 ガス導入口4、ガス導入口6、及びガス排出口5は各々、少なくとも1つ以上のバルブを備えていることが好ましい。膜形成装置10は、1つ又は2つ以上のガス導入口4を備えていてもよく、また、1つ又は2つ以上のガス排出口5を備えていてもよい。
 ガス導入口6は、ガス供給配管中にフィルターが接続されていてパーティクル除去を行うことが望ましい。この配管には、気体流量制御器13が入っていて、流量がコントロールされていることが望ましい。気体流量制御器13は、例えば、導入機構IM1の上述した制御機構に含まれる。ガス導入口6が接続されるガス供給配管は、例えば、ガス導入口4について後述するのと異なり、膜原料液が溜められる膜原料液タンクには接続されない。
 ガス導入口4は、膜原料含有ガス供給ラインを介して、膜原料液(膜形成材料又は膜形成材料の前駆体を含む溶液)33が溜められる膜原料液タンク39と接続されていてもよい。膜原料液タンク39には、例えば、膜原料を膜原料含有ガスとする気化又は噴霧手段(例えば加熱手段、バブリング手段、超音波手段)が設けられていてもよい。図1では、水槽34及び超音波振動子35が設けられている場合の例が示される。具体的には、膜原料液タンク39は、例えば、不活性ガス導入ラインにより不活性ガスが供給され、さらに、膜原料液タンク39に充填される膜原料液33をバブリング又は超音波に供した結果の、膜原料含有ガス12を供給するものであってもよく、あるいは、不活性ガス導入ラインにより不活性ガスが供給され、膜原料液タンク39内の膜原料液33を加熱して膜原料含有ガス12を供給するものであってもよい。膜原料含有ガス12は、膜形成材料を気体又は液体(溶液)として含むことが好ましく、膜原料液33をミスト化したものを含むことがより好ましい。図1では、不活性ガス供給ラインに気体流量制御器11が備えられている場合の例が示されている。気体流量制御器11、水槽34、超音波振動子35、及び膜原料液タンク39は、例えば、導入機構IM2に含まれる。特に、気体流量制御器11及び超音波振動子35は、例えば、導入機構IM2の上述した制御機構に含まれる。
 ガス導入口4は、ノズルを備えていてもよい。ノズルは、振動エネルギーを使用するノズルであることが好ましく、超音波アトマイザーを使用するノズルであることがより好ましい。これにより、膜原料含有ガス12に含まれるミストの大きさをさらに小さくすることができ、膜原料含有ガス12を製膜チャンバー2内でより一層拡散させることができる。ガス導入口4は、例えば単一のノズル孔を有するものであってもよい。しかしながら、本実施形態はこれに限定されるものではなく、ガス導入口4が複数のノズル孔を有するものであってもよい。ガス導入口4のノズル孔は、例えば、ガス導入口6のノズル孔より太い。ガス導入口4のノズル孔の内径は、例えば6mm~50mmである。ガス導入口6のノズル孔の内径は、例えば1mm~2mmである。ガス導入口4のノズル孔の内径は、ガス導入口6のノズル孔の内径の2倍から50倍であることが好ましく、3倍から30倍であることがさらに好ましい。これにより、ガス導入口4のノズルから膜原料含有ガス12が噴出される際にノズル孔にミストが付着してパーティクルが発生することが抑えられ得る。
 保持具3は、基板1を例えば製膜チャンバー2に対向するように保持可能である。保持具3は、例えば基板1を載せる台、基板1を固定する器具(例えば真空チャック、位置決めピン、静電チャック、留め具、粘着シートなど、既存の固定法)を備えていることが好ましいが、製膜中に基板1の位置が動かなければ基板1を完全に固定するものでなくてもよい。
 膜形成装置10は、基板1を開口部9から搬入して保持具3に設置してもよく、さらに、基板1を保持具3から脱着して開口部9から搬出してもよい。
 制御部CTRは、保持具3及び/又は基板1と製膜チャンバー2とを、相対的に接近及び離間する第一軸方向に移動可能に制御する第一制御機構を備えてもよい。保持具3及び/又は基板1と製膜チャンバー2は、相対的に接近する第一軸方向に移動可能に制御されることにより、製膜チャンバー2の開口部9と、保持具3又は基板1との当接が可能となる。開口部9が保持具3に当接されるか、或いは、開口部9が基板1に当接されるかは、用いられる基板1の上面の面積に応じる。当該当接では、例えば、開口部9の全面が基板1の一方主面内に当接される。このような当接により、製膜チャンバー2と、製膜チャンバー2に当接される保持具3又は基板1とに囲まれた領域からなる成膜室Rが形成される。他方、保持具3と製膜チャンバー2は、相対的に離間する第一軸方向に移動可能に制御されることにより、開口部9と保持具3又は基板1との当接解除が可能となり、さらには、基板1と膜の取り出し等も可能となる。
 制御部CTRは、保持具3を上記第一軸方向とは異なる第二軸方向に移動可能に制御する第二制御機構をさらに備えてもよい。当該制御では、保持具3が、例えば、保持具3の第二軸方向に接続される基板洗浄装置に、移動可能に制御されることがより好ましい。当該制御によると、開口部9と基板1とが当接される場合、開口部9と基板1との当接を解除して開口部9と基板1の異なる位置とを当接させることも可能となり得、ゆえに、膜形成に要する時間を短縮でき、膜形成効率を改善することが可能となり得る。第一制御機構としては、ロボットアーム、ロボットハンド、基板ホルダ等が挙げられ、第二制御機構としては、上記第一制御機構で説明したものに加えて、搬送用コロ等が挙げられる。
 膜形成装置10は、開口部9と保持具3又は基板1の一方主面側とが当接する周囲部を製膜チャンバー2の外部から密閉するような弾性体をさらに備えていてもよい。当該弾性体で製膜チャンバー2の外周部を密閉することにより、製膜チャンバー2から膜原料含有ガス12の流出を防止することができる。
 膜形成装置10は、製膜チャンバー2内を陽圧とする機構をさらに備えていてもよい。製膜チャンバー2内を陽圧とすることで外気が製膜チャンバー2内部に外部から流入することを防止することができ、膜形成における酸素及び水の影響を低減することができる。また、上記弾性体と組み合わせることにより、膜20の形成を安定して行うことができる。製膜チャンバー2内を陽圧とする機構は、ガスの導入量と排出量の片方あるいは両方を制御することでコントロールできる。製膜チャンバー2外部よりも製膜チャンバー2内部の気圧が高い状態にできるものであればよく、不活性ガス(例えばアルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス、クリプトンガス等)を導入する機構であることが好ましい。
 制御部CTRは、製膜チャンバー2への膜原料含有ガス12の付着を防止するような電位を製膜チャンバー2に印加することが可能であってもよい。このような電位の印加については、後述する電位印加工程で説明する。
 開口部9と保持具3又は基板1の一方主面側との当接に用いられる部分はラビリンスを有していることも好ましい。ラビリンスは、例えば当接する部分において、開口部9と保持具3又は基板1との両方が、凹凸形状を有しており、凹凸形状が互い違いに噛み合っている構造であることが好ましい。当接する部分がラビリンスを有することで、当接する部分が安定して固定され、当接する部分からの膜原料含有ガスの流出を防止することができる。
 また、膜形成装置10は、基板洗浄装置に接続されていることも好ましい。膜形成装置10に設けられている保持具3は、膜形成装置10に固定されていて、基板の搬入搬出は例えばロボットハンドによって行う。別の形態として、保持具3が可動式でも本発明の範囲となる。
 制御部CTRは、例えば、膜形成装置10に含まれる各構成の動作を制御する。制御部CTR、導入機構IM1の制御機構、及び、導入機構IM2の制御機構、のうちの2つ以上が、少なくとも一部において物理的に単一の装置によって実現されていてもよい。制御部CTRは、例えば、超音波振動子35及び後述する加熱ステーション等を制御する。
 図1及び図2の例では単一の製膜チャンバー2のみが示されるが、2つ以上の製膜チャンバー2が用いられてもよい。この場合、2つ以上の製膜チャンバー2は、連結されていてもよく、所定の間隔を隔てて連結されていてもよい。かかる製膜チャンバー2を使用すれば、基板1上の異なる場所に複数の膜を並行して形成でき、膜形成に要する時間を短縮することができ、膜形成効率を改善することができる。
<膜形成方法の全体構成>
1.基板洗浄
 この工程は、装置としては一体化することが望ましいが、別装置であっても構わない。工程全体の説明として、記述している。基板上に膜を形成する前には基板表面の異物、付着物を除去することが望ましい。洗浄方式に制限はないが、水による洗浄にブラシ洗浄、高圧水吹付け、超音波洗浄など既知の方法を併用してよい。また、一部洗浄剤を使った洗浄も併用してよい。洗浄剤を使った場合には、その後に水を使った洗浄を行い洗浄剤成分を洗い流すことが望ましい。水を使った洗浄の後には乾燥工程が行われることが望ましい。既知のエアーナイフによる乾燥が主で良いが、乾燥炉による加熱乾燥も併用してよい。上記の水などの液を使った洗浄と併用或いは単独でのプラズマ洗浄、UV/O3洗浄などの乾式の洗浄を行ってもよい。この場合には乾燥工程は必要ない。
2.積層体の製造方法
 基板と当該基板上に形成される膜とを含む積層体の製造方法の基本構成を説明する。
 積層体の製造方法は、第一部材ME(以下、基板1である場合を例に挙げて説明する。)と第一部材ME上の膜とを含む積層体の製造方法であって、例えば、順次実行され得る次の(1)工程及び(2)工程を含む。
 (1)製膜チャンバー2の開口部9から基板1を搬入して、基板1を保持具3の規定の位置に固定する。
 (2)膜原料を含有しないガスをガス導入口6より製膜チャンバー2内に導入し、これと併せて、膜原料含有ガス12をガス導入口4より製膜チャンバー2内に導入することにより、基板1上に膜20を堆積させる。
 本発明によれば、(1)及び(2)工程後に、別種の膜原料含有ガスを使い(1)及び(2)工程を連続して行うことが可能である。適宜(1)工程は省略されてもよい。また、複数の製膜チャンバー2を用いて(1)及び(2)工程を順次行うことにより複数の層の膜を形成できる。したがって、膜形成効率を改善することができる。なお、後述する他の工程を入れることもあり得る。本発明において、積層体は、例えば、少なくとも1つの基板と、少なくとも1つの膜を積層してなるものであり、好ましくは、少なくとも1つの基板と、2つ以上の異なる膜を積層してなる。
 以下、本発明の積層体の製膜部分の製造方法を各工程に分けて、より詳細に説明する。
(1)工程(基板搬入工程)
 (1)工程は、基板1を製膜チャンバー2の開口部9から搬入して保持具3に固定させる工程である。これは、例えば、制御部CTRにより実現される。(1)工程を行う前に、基板1を洗浄する工程があってもよい。当該洗浄工程も制御部CTRにより実現されてもよい。基板の搬入は例えばロボットアームにて行うが、マテリアルハンドリング、など既知の手法で行われてもよい。製膜チャンバー2は、図1の手前方向あるいは奥側に開閉できる部分を有し、ここから基板1の搬入搬出が可能なものであってもよい。この場合、上述した第一軸方向での製膜チャンバー2と保持具3との相対移動は必要なく、ロボットやマテリアルハンドリングによって基板1を移動させる形態もあり得る。
 製膜チャンバー2の材質としては、有機材料又は無機材料のいずれが用いられてもよい。上述したように製膜チャンバー2の位置を変更することにより例えば(1)及び(2)工程を連続して行う観点から、製膜チャンバー2は軽量であることが好ましく、製膜チャンバー2の材質は、有機材料であることが好ましく、プラスチックであることがより好ましい。他方、製膜チャンバー2の材質は、無機材料である場合、金属であることがより好ましい。製膜チャンバー2への電位印加により膜原料含有ガスの製膜チャンバー2への付着を防止する観点からは、製膜チャンバー2は、導電性の部材を有し、当該部材と他の導電部材との間に設けられる絶縁部材を有することが好ましい。製膜チャンバー2は、膜原料含有ガス、水、酸素等に対して耐食性を有していてもよく、フッ素樹脂等でコーティングされていてもよい。
 基板1は、例えば、有機材料、金属材料、布帛材料、紙材料、セラミック材料、ガラス材料、又はこれらの組み合わせであり、使用されるデバイス(例えば太陽電池デバイス等の半導体デバイス)に応じて選択すればよい。基板1は、薄膜を堆積させる基板として使用される。基板1を構成する材料は、例えばSi、Ge、及びGaAs等の半導体材料、ガラス、金属(例えばSUS箔、銅箔、Al箔)、高分子フィルム(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、あるいはポリエステルエラストマー(好ましくはペルプレン(登録商標))、ナイロン、塩ビ、ポリオレフィン)であることが好ましい。また、基板1は、ガラスにワニス層が堆積したもの、金属がコーティングされたもの、多層のフィルム等のように、上述した材料が組み合わされた上部基板と下部基板とを含むものであってもよい。基板1の大きさは、膜形成効率を改善する観点から、半導体デバイス等を構成するセル単位を複数配置可能な大きさであることが好ましい。基板1の形状は、膜形成効率を改善する観点から、フィルム形状又はロール形状であることが好ましい。
 基板1に膜20が形成される場合について主に説明を行っているが、上述したように、膜20は、基板1と基板1上に積層された1以上の層とからなる積層体上に形成されるものであってもよい。基板1上に形成されているこのような層としては、透明導電層、電子輸送層、電極層、(p型半導体層及び/又はn型半導体層を含み得る)光起電力層、ホール輸送層、保護層、p型半導体層、n型半導体層、絶縁層、ガスバリア層、及び接着剤層等として機能するものが挙げられる。
 開口部9と保持具3又は基板1の一方主面側とが当接する周囲部を製膜チャンバー2の外部から密閉するような材料(好ましくは弾性体、より好ましくはゴム弾性体)を、製膜チャンバー2の外周部に嵌めてもよい。これにより、製膜チャンバー2の開口部9と保持具3又は基板1との間に隙間が発生することを防止でき、膜原料含有ガス12の製膜チャンバー2からの流出を防止することができる。
(1a)工程(電位印加工程)
 本発明の積層体の製造方法は、(1a)膜原料含有ガス12から原料ガス起因で製膜チャンバー2への膜原料物質起因の付着を防止するような電位を製膜チャンバー2に印加する工程をさらに含むことが好ましい。当該工程は制御部CTRにより実現される。(1a)工程は、どのタイミングで行ってもよい。具体的には、(1a)工程は、(1)工程の前、(1)工程の間、(1)工程の後に行ってもよく、(2)工程の前、(2)工程の間、(2)工程の後に行ってもよく、(3)工程の前、(3)工程の間、(3)工程の後に行ってもよく、膜20が形成されるまで連続して行ってもよい。なお、本明細書において、或る工程が別の工程の間に行われると説明される場合、当該2つの工程が部分的に並行して実行され得ることも意図されている。
 電位印加は、膜原料含有ガス12が有する電荷に応じて調整すればよく、膜原料含有ガス12が有する同極性電荷に帯電させるものであることが好ましく、製膜チャンバー2の側面に電源を接続して、電位を印加することがより好ましい。例えば、膜原料含有ガス12がプラスの電荷を有する場合、製膜チャンバー2の側面の内壁がプラスの電荷を帯びるように電位を印加することが好ましく、電源のプラス側を製膜チャンバー2の側面に接続し、電源のマイナス側をアース接続することがより好ましい。他方、膜原料含有ガス12がマイナスの電荷を有する場合、製膜チャンバー2の側面の内壁がマイナスの電荷を帯びるように電位を印加することが好ましく、電源のマイナス側を製膜チャンバー2の側面に接続し、電源のプラス側をアース接続することがより好ましい。
 他方、膜原料含有ガス12が有する電荷を調節してもよく、例えば膜原料含有ガス供給ライン上に電源を設けて電位を印加してもよい。例えば、膜原料含有ガス12が有する電荷をプラス側に帯電させる場合、電源のプラス側を膜原料含有ガス供給ラインに接続し、電源のマイナス側をアース接続することが好ましい。他方、膜原料含有ガス12が有する電荷をマイナス側に帯電させる場合、電源のマイナス側を膜原料含有ガス供給ラインに接続し、電源のプラス側をアース接続することが好ましい。
(1b)工程(膜原料を含有しないガス導入工程)
 (1b)工程は、製膜チャンバー2内に膜原料を含有しないガスを導入する工程であり、例えば、導入機構IM1により実現される。この膜原料を含有しないガスは、ガス導入口6から導入する。例えば、導入機構IM1は、ガス導入口6を介して製膜チャンバー2に当該ガスを導入するときのレイノルズ数を30以上3000以下に制御する。溶剤、水、酸素含有量が少ないことが望ましい。膜原料を含有しないガスの導入は、後には膜厚均一化効果が奏し得るが、この段階では基板1の乾燥にも寄与し得る。(1b)工程は、例えば、(1)工程で基板1が製膜チャンバー2内に搬入された後に行われる。
(2)工程(膜原料含有ガス導入工程)
 上述した(2)工程を次のように複数の工程に分けて説明する。
(2-1)工程(膜原料を含有しないガス導入工程)
 (2-1)工程は、製膜チャンバー2内に膜原料を含有しないガスを導入する工程であり、導入機構IM1により実現される。この膜原料を含有しないガスは、ガス導入口6から導入する。例えば、導入機構IM1は、ガス導入口6を介して製膜チャンバー2に当該ガスを導入するときのレイノルズ数を30以上3000以下に制御する。これにより、上述したように乱流領域8が形成され、膜厚均一化効果が奏され得る。なお、(1b)工程と(2-1)工程を便宜的に分けて記載したが、必ずしも別個に行われるものでなくてもよく、(1b)工程と(2-1)工程とが1つの工程として行われてもよい。このように膜原料を含有しないガスをガス導入口6から導入する工程では、成膜室Rの容積の1/2以上の容量の、膜原料を含有しないガスが導入されることが望ましく、成膜室Rの容積以上の容量の、膜原料を含有しないガスが導入されることがさらに望ましく、成膜室Rの容積の2倍以上の容量の、膜原料を含有しないガスが導入されることがさらに望ましい。
(2-2)工程(膜原料含有ガス導入工程)
 (2-2)工程は、製膜チャンバー2内に膜原料含有ガス12を導入することにより基板1上に膜20を形成する工程であり、導入機構IM2により実現される。ここでいう膜20の形成とは、後述する加熱の有無にかかわらず、結果として実現される膜の形成のことを指すもので、すなわち、ガス導入口4からの膜原料含有ガス12の導入が膜20の形成につながることを意味するものに過ぎない。製膜チャンバー2に膜原料含有ガス12をガス導入口4から導入するときには、(2-1)工程によりガス導入口6から膜原料を含有しないガスが安定して導入されていることが好ましい。すなわち、(2-1)工程の間に、(2-2)工程が開始されることが好適である。ガス導入口4を介して製膜チャンバー2に導入される膜原料含有ガス12の流速を、ガス導入口6を介して製膜チャンバー2に導入される膜原料を含有しないガスの流速の1/2以下に制御することにより、膜形成の際に、より均一な膜厚の膜20が形成され得る。なお、ガス導入口4を介して製膜チャンバー2に導入される膜原料含有ガス12の流速は導入機構IM2が制御し、ガス導入口6を介して製膜チャンバー2に導入される膜原料を含有しないガスの流速は導入機構IM1が制御する。(2-1)工程及び(2-2)工程は各々、(1)工程の前、(1)工程の間、(1)工程の後に行ってもよいが、膜原料含有ガス12を安定して導入する観点から、(1)工程により基板1が製膜チャンバー2内に搬入され、さらには、成膜室Rが形成されている間に行われることが好ましい。
 膜原料含有ガス12は、液体(溶液とも称され得る。)を含む気体、及び気体のいずれでもよく、液体が気化する事で膜原料が固体微粒子化したもの、液体中に固体が分散しているものを含むものであってもよい。膜原料含有ガス12に含まれる膜形成材料は気体、液体、及び固体のいずれであってもよい。膜形成材料が固体である場合は、溶剤に溶解又は分散させて液体として使用することが好ましく、膜形成材料が液体である場合は、溶剤をさらに加えた液体として使用することが好ましい。
 膜原料含有ガス12に含まれる膜形成材料は、無機材料、有機材料のいずれでもよく、所望される膜に応じて適宜選択すればよい。膜形成材料は、ナノ粒子で膜形成する材料、ゾルゲル等の反応で膜形成する材料、酸化処理で酸化物を形成して膜形成する材料、窒化処理で窒化物を形成して膜形成する材料等であることが好ましく、ZnOx、CdOx、TiOx、MoOx、InSbO4、CdSnO4、Zn2SnO4、In2O3-ZnO系、ITO、FTO、AZO,ATO, SnOx、酸化アルミニウム、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、PEIE(ポリエチレンイミンエトキシレイティド)、PEI(ポリエチレンイミン)であることがより好ましい。
 p型半導体材料としては、具体的には、例えば、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミン構造を含むポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、ポリベンゾビスチアゾール及びその誘導体等が挙げられる。
 n型半導体材料は低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。低分子化合物であるn型半導体材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8-ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、バソクプロインのようなフェナントレン誘導体、フラーレン誘導体、ナフタレンテトラカルボン酸イミド誘導体、ペリレンテトラカルボン酸誘導体、ペリレンジイミド誘導体等が挙げられる。高分子化合物であるn型半導体材料としては、例えば、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミン構造を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体等が挙げられる。
 膜原料含有ガス12に係る溶液に使用される溶媒は、膜形成材料の溶解又は分散が可能となるものであればよく、例えば、エステル溶剤、エーテル溶剤、エーテルエステル溶剤、ケトン溶剤、アルコール溶剤、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、水、及び上記の混合溶液等が挙げられる。溶液中の膜形成材料の濃度は、形成される膜や膜形成時間に応じて調整すればよく、10質量%以下0.1ppm以上の範囲が望ましい。
 膜原料含有ガス12は、キャリアガスとして不活性ガスを含むことが好ましい。膜原料を含有しないガスも、不活性ガスを含むことが好ましい。キャリアガスとして不活性ガスを使用することにより、膜原料含有ガス12に含まれる膜形成材料の濃度を調整することができる。また、不活性ガスは、酸素及び水が除去されていることが好ましいが、ゾルゲル反応を使用して膜を形成する場合、不活性ガスは、水をある程度含んでいてもよい。不活性ガスとしては窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等が挙げられるが、汎用性の観点から、不活性ガスは、好ましくは窒素、ヘリウム、アルゴンであり、より好ましくは窒素、アルゴンである。膜原料を含有しないガスは、水、酸素含有が少ないことが望ましい。また、本発明において、水と選択的に活性な膜原料に対してクリーンドライエアを使用してもよい。
 膜原料含有ガス12は、膜形成材料を気体又は液体(溶液)として含むことが好ましく、膜原料液33をミスト化したものを含むことがより好ましい。当該ミスト化は、導入機構IM2の例えば超音波振動子35等により実現される。
 ミスト化する方法としては、バブリング;単一噴孔ノズル、衝突型噴射弁、ファンスプレーノズル、渦巻き噴射弁等の圧力エネルギーを使用する方法;振動ノズル、超音波、音響等の振動エネルギーを使用する方法;エアーアシストアトマイザー、エアーブラストアトマイザー等の気体エネルギーを使用する方法;回転噴孔、回転円板、回転カップ、回転ホイール等の遠心力を使用する方法;静電等の電気エネルギーを使用する方法;蒸発凝縮法(液体を加熱して気化させて次いで冷却、凝集して微粒子を生成する方法)、減圧沸騰法(液体を急速に減圧して沸騰させ、蒸気泡が成長して液体を分裂させ微粒子を生成する方法)等の熱エネルギーを使用する方法;バブルの破裂に伴い微粒子を生成する方法等が挙げられる。ミスト化する方法としては、他の公知の手法が用いられてもよい。
 (2-2)工程において、膜原料含有ガス12は、ガス導入口4から導入すればよい。これにより、製膜チャンバー2は、ガス導入口4から導入された膜原料含有ガス12で充填されることが好ましい。膜原料含有ガス12の導入量は、形成される膜や膜形成時間に応じて調節可能である。例えば、膜原料含有ガス12の導入量は、製膜チャンバー2の開口部9と保持具3又は基板1の一方主面側の当接により形成される成膜室Rの体積の1/3~20倍の範囲であることが望ましい。
 (2-2)工程の好ましい態様として、膜原料液タンク39に充填された膜原料液(膜形成材料又はその前駆体を含む溶液)33を超音波に供して膜形成材料を含む溶液をミスト化したものを、膜原料液タンク39に供給される不活性ガスで圧送することにより、製膜チャンバー2内に膜原料含有ガス12を導入することが挙げられる。これにより、膜形成材料をミストとして含む膜原料含有ガス12を、ガス導入口4から製膜チャンバー2に導入することができる。
(2a)工程(膜原料含有ガス導入の停止工程)
 本発明の方法は、(2-2)工程の後、製膜チャンバー2内への膜原料含有ガス12の導入を停止することにより膜原料含有ガス12の導入停止時間を設ける(2a)工程をさらに含むことが好ましい。当該工程は、導入機構IM2により実現される。(2a)工程は、(1)工程により開口部9が閉じている状態で行われることが好ましい。
 膜原料含有ガス12の導入を停止して膜原料含有ガス12の導入停止時間を設けることにより、製膜チャンバー2内において膜原料含有ガス12をさらに拡散させ、均一な膜を形成することが可能となり、また、膜原料含有ガス12の使用量を低減することも可能となる。
 (膜原料含有ガス12の導入時間)/(膜原料含有ガス12の導入停止時間)の比が1/10~10であることが好ましく、1/5~1.5であることがより好ましく、1/3~1であることがさらに好ましい。(膜原料含有ガス12の導入時間)/(膜原料含有ガス12の導入停止時間)の比が1/4~2であることも好ましい。(膜原料含有ガス12の導入時間)/(膜原料含有ガス12の導入停止時間)の比が上記範囲を満たせば、製膜チャンバー2において膜原料含有ガス12をさらに拡散させ、均一な膜を形成することが可能となり、また、膜原料含有ガス12の使用量を低減することも可能となる。
 (2a)工程は、(2-2)工程の後に行われ、例えば、後述する(3)工程の前に行われる。膜原料含有ガスの導入停止は、1回又は2回以上行ってもよく、2回以上行う場合、(膜原料含有ガス12の導入時間の合計)/(膜原料含有ガス12の導入停止時間の合計)の比が上記数値範囲を満たせばよい。
 本発明の方法において、(2)工程((2)工程中に(2a)工程も行われている場合もある。)の操作により、膜原料含有ガス12を基板1の一方主面側に接触させて基板1の当該一方主面側に膜20が形成される。(2)工程において、膜原料含有ガス12と基板1の当該一方主面側との接触は、(1)工程により開口部9が閉じて成膜室Rが形成されている間に行われることが好ましい。
 (2)工程((2)工程中に(2a)工程も行われている場合もある。)において、加熱下で膜を形成してもよく、膜形成後に加熱する工程があってもよい。基板1を加熱して膜を形成することが好ましい。当該加熱には、膜形成装置10が備える(図示されていない)加熱ステーションが用いられ得る。(2)工程((2)工程中に(2a)工程も行われている場合もある。)において、加熱は、製膜チャンバー2を閉じたまま行ってもよいが、必要に応じて製膜チャンバー2から基板1を取り出して行ってもよく、製膜チャンバー2の開口部9を開けて行ってもよい。加熱には、基板1を加熱することに加え、又は、基板1を加熱する代わりに、膜原料含有ガス12を加熱すること、及び/又は、製膜チャンバー2を加熱すること等も含まれる。また、加熱は、(2)工程の前(膜原料含有ガスの加熱を除く)、(2)工程の間、(2)工程の後に行ってもよい。当該加熱により、基板1上に存在する、膜原料含有ガス12に含まれる溶剤を蒸発させること、膜20がゾルゲル反応を伴って基板1に形成される場合、製膜チャンバー2内部又は膜20の水分等によりゾルゲル反応を促進させること、膜20に含まれる有機材料を硬化させること、膜20に含まれる光起電力層がドナーとアクセプターを含む場合にはドナーとアクセプターの相分離を調節することが可能となる。
 膜20は、当該膜20がその上に形成される第一部材MEの構成に応じて、例えば、透明導電層21、電子輸送層22、光起電力層23、ホール輸送層24、電極層25、保護層、p型半導体層、n型半導体層、絶縁層、ガスバリア層、及び接着剤層のうちのいずれかとして機能する。透明導電層21と電極層25は、互いに異なる電極(正極、負極)として機能するものであることが好ましく、透明導電層21は、透明であってもよい。膜20は、p型半導体及び/又はn型半導体として機能するものであってもよい。
(3)工程(膜原料を含有しないガス導入工程)
 本発明の方法は、(3)工程として、製膜チャンバー2に膜原料を含有しないガスを、望ましくは不活性ガスを、ガス導入口6を介して導入する工程をさらに含むものであってもよい。当該工程は、導入機構IM1により実現される。使用する膜原料を含有しないガスは、前述したものと同じであってもよい。(3)工程では、膜形成後に不活性ガスを供給することより、ミスト及び溶剤の排出を促進することができ、形成した膜20から溶剤を揮発させて膜20中の溶剤濃度をコントロールすることができる。当該排出は、例えば、排出口5を介して行われる。
 (3)工程は、(1)工程の間、(1)工程の後かつ(2)工程の前、(2)工程の間、(2)工程の後に行ってもよく、これらの場合、当該工程により、膜原料含有ガス12導入後及び/又は加熱前に製膜チャンバー2に残った材料を排出すること、加熱後に製膜チャンバー2に発生したガス等を排除することが可能となる。前述したよう(2)工程において基板を加熱した後に行ってもよい。
 本発明の方法において、(1)及び(2)工程又は(1)~(3)工程を繰り返して行うことが好ましい。(1)及び(2)工程又は(1)~(3)工程を繰り返して行う場合、(2a)工程は、(2)工程において、膜厚の均一化が望まれる場合に行うことが好ましい。また、(1)及び(2)工程又は(1)~(3)工程を行なった後、(1)工程を省略して(2)工程、或いは、(2)及び(3)工程を行ってもよい。これらにより、異なる複数の膜を連続して形成することが可能となり、膜形成に要する時間を短縮でき、かつ膜形成効率を改善することができる。異なる膜を形成する際、膜原料含有ガス12に使用される膜形成材料や不活性ガスを変更してもよく、製膜チャンバー2の開口部9の形状を変更することにより凹凸形状を膜20に付与してもよい。
 本発明の方法において、製膜チャンバー2の開口部9と膜20との接触部分に均一でない膜が形成されている場合には、レーザー又はカッター等を用いて不要な部分を膜から切除してもよい。また溶剤を乾燥させる前に不要な部分をふき取る操作をしてもよい。また、基板1及び基板1上に形成された膜20は封止工程に供されてもよい。
 本発明において、基板1上に、透明導電層21、電子輸送層22、光起電力層23、ホール輸送層24、及び電極層25の順に積層することが好ましく、電極層25の上に保護層及びガスバリア層を積層することが好ましい。また、本発明において、基板1上に、透明導電層21、ホール輸送層24、光起電力層23、電子輸送層22、電極層25の順に積層することもあり得る、電極層25の上に保護層及びガスバリア層を積層することが好ましい。本発明の方法によれば、太陽電池デバイス(有機薄膜太陽電池デバイス)、表示デバイス、光センサー、及びタッチパネル等の半導体デバイスを製造することができる。
<太陽電池デバイス等の半導体デバイスの製造方法>
 図3を参照して、太陽電池デバイス等の半導体デバイスの製造方法を具体的に説明する。図3は、本発明の実施形態に係る積層体の製造方法を用いたデバイス製造工程を説明するための図である。以下、図3では、2つのセル単位が並行して製造される場合の例が示されるが、単一のセル単位のみが製造されるようにしてもよいし、3以上のセル単位が並行して製造されるようにしてもよい。
 <太陽電池デバイスの作製例>
 図3(a)~(g)は、太陽電池デバイス等の半導体デバイスを2つのセル単位で製造するデバイス製造工程例を時系列で順次示し、2つのセル単位は、基板1上に直列接続されるように配置されることになる。
 図3(a)は、基板1を準備する工程を示す。図3(b)は、直列接続されるセル単位の数に応じた数の、互いに分離している複数の透明導電層21を、基板1に形成する工程を示す。図3(b)に示される例では、透明導電層21が3つに分割されている。ここで分割の方法は、メタルマスクを基板にかぶせてITOスパッタリングを行う、一面全体にITO膜を形成させた後にITOエッチングを行う、一面全体にITO膜を形成させた後にレーザー照射によって照射部のITOを除去するなど既知の方法で良い。図3(c)は、透明導電層21上、及び、露出している基板1上に、透明導電層21が除去された部分も含めて一面に電子輸送層22を形成する工程を示す。図3(d)は、電子輸送層22上に光起電力層23を形成する工程を示す。図3(e)は、光起電力層23上にホール輸送層24を形成する工程を示す。図3(f)は、各セル単位に、電子輸送層22、光起電力層23、ホール輸送層24を一部除去する工程を示す。除去の仕方はレーザーによるアブレーション除去、メカニカル除去、など既知の方法を使えばよい。図3(f)の工程において、電極層21、電子輸送層22、光起電力層23、ホール輸送層24、及び電極層25から構成される各セル単位の積層体は、所定の間隔を空けて、他のセル単位の積層体と隣接して基板1上に形成される。図3(g)は、各セル単位に、ホール輸送層24上に電極層25を形成する工程を示す。直列接続のため、当該電極層25は、例えば、隣接するセル単位の透明導電層21上にも設けられるように形成される。
 図3において、上記で詳細に説明した膜形成方法は、図3(c)~(e)の工程で使用されることが好ましい。図3では、半導体デバイスが所謂逆型構造で製造される場合の例を示したが、上記で詳細に説明した膜形成方法は、下部電極層の上にホール輸送層、光起電力層、電子輸送層が登場順に積層される順型構造で半導体デバイスが製造される場合にも適用可能である。
 以上、本発明の膜形成装置、積層体製造方法、及び半導体デバイス製造方法を説明したが、本発明は、種々の膜を形成する分野、特に、太陽電池デバイス(有機薄膜太陽電池デバイス)、表示デバイス、光センサー、及びタッチパネル等の半導体デバイスの分野に好適に利用することが可能である。
 ME:第一部材
 R:成膜室
 CTR:制御部
 IM1,IM2:導入機構
 1:基板
 2:製膜チャンバー
 3:保持具
 4:ガス導入口
 5:ガス排出口
 6:ガス導入口
 7:準層流領域
 8:乱流領域
 9:開口部
 10:膜形成装置
 11:気体流量制御器
 12:膜原料含有ガス
 13:気体流量制御器
 20:膜
 21:導電層
 22:電子輸送層
 23:光起電力層
 24:ホール輸送層
 25:電極層
 33:膜原料液
 34:水槽
 35:超音波振動子
 39:膜原料液タンク

 

Claims (12)

  1.  製膜チャンバーと、
     複数のノズル孔を有し、膜原料を含有しないガスを前記複数のノズル孔から前記製膜チャンバーに導入するように構成される第一導入機構と、
     膜原料を含有するガスを前記製膜チャンバーに導入することにより第一部材上に膜を形成するように構成される第二導入機構と
     を備えることを特徴とする、膜形成装置。
  2.  前記膜原料を含有するガスは、膜形成材料又は膜形成材料の前駆体を含む溶液をミスト化したものを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の膜形成装置。
  3.  前記第一導入機構は、前記製膜チャンバーに前記膜原料を含有しないガスを導入するときのレイノルズ数を30以上3000以下にするように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の膜形成装置。
  4.  前記第二導入機構は、前記製膜チャンバーに導入する前記膜原料を含有するガスの流速を、前記第一導入機構が前記製膜チャンバーに導入する前記膜原料を含有しないガスの流速の1/2以下にするように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の膜形成装置。
  5.  前記第一導入機構の複数のノズル孔では、隣り合う2つのノズル孔の間隔が10mm以上である、ことを特徴とする請求項1に記載の膜形成装置。
  6.  前記膜の形成の際に前記第一部材を加熱する加熱ステーションをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の膜形成装置。
  7.  前記第一導入機構による前記膜原料を含有しないガスの前記導入の間に、前記第二導入機構は、前記膜原料を含有するガスの前記導入を開始するように構成される、ことを特徴とする、請求項1に記載の膜形成装置。
  8.  前記製膜チャンバーは開口部を有し、
     前記開口部を前記第一部材の一方主面内に当接させることにより、前記製膜チャンバーと前記第一部材とに囲まれた領域からなる成膜室を形成する、ように構成される制御部を
     さらに備えることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の膜形成装置。
  9.  第一部材と前記第一部材上の膜とを含む積層体の製造方法であって、
     複数のノズル孔を有する第一導入機構を用いて、前記第一部材の一方主面側の少なくとも一部が露出している製膜チャンバー内に、前記複数のノズル孔から膜原料を含有しないガスを導入する工程と、
     第二導入機構を用いて、膜原料を含有するガスを前記製膜チャンバー内に導入することにより前記第一部材上に前記膜を形成する工程と
     を備えることを特徴とする積層体製造方法。
  10.  前記膜原料を含有しないガスの前記導入の間に、前記膜原料を含有するガスの前記導入が開始される、ことを特徴とする、請求項9に記載の積層体製造方法。
  11.  前記製膜チャンバーは開口部を有し、
     前記開口部を前記第一部材の前記一方主面内に当接させることにより、前記製膜チャンバーと前記第一部材とに囲まれた領域からなる成膜室を形成する工程をさらに備え、
     前記膜原料を含有しないガスの前記導入、及び、前記膜原料を含有するガスの前記導入は、前記成膜室が形成されている間に行われる、
     ことを特徴とする、請求項9に記載の積層体製造方法。
  12.  請求項9~11のいずれか一項に記載の積層体製造方法を用いて半導体デバイスを製造することを特徴とする、半導体デバイス製造方法。
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