WO2024071026A1 - 導電膜付き基板、反射型マスクブランク、反射型マスク及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

導電膜付き基板、反射型マスクブランク、反射型マスク及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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    • G03F1/24Reflection masks; Preparation thereof

Abstract

導電膜を有するEUVリソグラフィ用の反射型マスクブランク及び反射型マスクにおいて、平坦度の変化を抑制することができる導電膜付き基板を提供する。 二つの主表面を有する基板と、前記基板の一方の前記主表面の上に配置される導電膜とを含む導電膜付き基板であって、前記導電膜は、前記導電膜の前記基板とは反対側の最表面に配置される最表層と、前記最表層と前記基板との間に配置される導電層とを含み、前記最表層は、金属(M)、ホウ素(B)及び酸素(O)を含み、前記最表層は、X線光電子分光法で分析して得られるB1sのナロースペクトルが190eV以上195eV以下の結合エネルギーで最大ピークを有することを特徴とする導電膜付き基板である。

Description

導電膜付き基板、反射型マスクブランク、反射型マスク及び半導体装置の製造方法
 本発明は、EUVリソグラフィに用いるための導電膜付き基板、反射型マスクブランク、反射型マスク及び半導体装置の製造方法に関する。
 近年、半導体産業において、半導体装置の高集積化に伴い、従来の紫外光を用いたフォトリソグラフィ法の転写限界を上回る微細パターンが必要とされてきている。このような微細パターン形成を可能とするため、極紫外(Extreme Ultra Violet:以下、「EUV」と呼ぶ。)光を用いた露光技術であるEUVリソグラフィが有望視されている。ここで、EUV光とは、軟X線領域又は真空紫外線領域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2~100nm程度の光のことである。このEUVリソグラフィにおいて用いられる転写用マスクとして反射型マスクが提案されている。このような反射型マスクは、基板上に露光光を反射する多層反射膜が形成され、該多層反射膜上に露光光を吸収する吸収体膜がパターン状に形成されたものである。
 当該反射型マスクは、基板と、当該基板上に形成された多層反射膜と、当該多層反射膜上に形成された吸収体膜とを有する反射型マスクブランクから、フォトリソグラフィ法等により吸収体膜パターンを形成することによって製造される。
 多層反射膜及び吸収層の成膜は、スパッタリング等の成膜方法を用いて成膜されることが一般的である。その成膜の際、反射型マスクブランク用基板は、成膜装置内に、支持手段によって支持される。基板の支持手段の一つとして、静電チャックが用いられている。また、EUV光による露光の際、露光装置内に反射型マスクを固定するために静電チャックが用いられている。そのため、ガラス基板等の絶縁性の反射型マスクブランク用基板の裏面(多層反射膜等が形成される表面とは反対側の面)には、静電チャックによる基板の固定を促進するために、導電膜(裏面導電膜)が形成される。導電膜が形成された基板のことを、導電膜付き基板という。
 導電膜付き基板の例として、特許文献1には、ガラス基板上に、EUV光を反射する多層反射膜が形成され、更に前記多層反射膜が設けられた面に対して、反対側の面に導電膜が形成されたEUVリソグラフィ用多層反射膜付き基板が記載されている。特許文献1には、導電膜が、タンタルを含有し、かつ水素を実質的に含有しない材料からなることが記載されている。また、特許文献1の多層反射膜付き基板は、ガラス基板と導電膜との間にガラス基板から導電膜へ水素が侵入することを抑制する水素侵入抑制膜を備えることが記載されている。
 特許文献2には、基板の後面上に堆積させたコーティングを含むフォトリソグラフィマスクのための基板が記載されている。特許文献2には、コーティングが、少なくとも1つの導電層を含み、前記少なくとも1つの層の厚みが、30nmよりも小さいことが記載されている。
特開2013-225662号公報 特表2014-532313号公報
 反射型マスクブランクや反射型マスクに対する欠陥品質の要求レベルが年々厳しくなっている。反射型マスクブランクの製造、及び反射型マスクを使用した半導体装置の製造の際には、静電チャックに対して反射型マスクブランク及び反射型マスクを繰り返して脱着を行う。このとき、反射型マスクブランク及び反射型マスクの導電膜と静電チャックとの間で擦れが発生する。そのため、静電チャックから反射型マスクブランクや反射型マスクを脱着した後、通常、導電膜表面を酸やアルカリを使用して薬液洗浄が行われる。導電膜の材料として、耐薬性、耐摩耗性が高いタンタル(Ta)を含有する材料が注目されてきている。
 また、近年、反射型マスク等の転写用マスクに対するパターン位置精度の要求レベルが特に厳しくなってきている。特に、EUVリソグラフィ用の反射型マスクの場合には、従来技術と比べて非常に微細なパターン形成を目的として用いられるため、パターン位置精度の要求レベルは更に厳しい。高いパターン位置精度を実現するための1つの要素として、反射型マスクを作製するための原版となる反射型マスクブランクの平坦度を向上させることが挙げられる。
 特許文献1では、導電膜が、タンタルを含有し、かつ水素を実質的に含有しない材料からなり、ガラス基板と前記導電膜との間に前記ガラス基板から前記導電膜へ水素が侵入することを抑制する水素侵入抑制膜を備えることにより、平坦度が経時的に変化することを抑制した反射型マスクブランクを得ることができる。
 ところで、反射型マスクに反射させたEUV光により半導体基板上に集積回路パターンを転写するEUV露光装置において、EUV光はガス分子により強く吸収されるため、一般には光学系容器内を高真空に保つ必要がある。しかし、高真空中であっても水分や炭化水素等の不純物を完全になくすことはできず、これらの不純物がEUV光に曝されると、照射光学系のミラー表面に炭素膜などが堆積し、反射率の低下をもたらす。EUV露光装置では、このようなコンタミネーションを抑制するために、EUV光の透過性が高い水素雰囲気中での露光が行われている。このような水素雰囲気中での露光環境において、半導体装置の製造のために反射型マスクを繰り返し使用すると、導電膜の表面からも水素が侵入し、反射型マスクの平坦度を変化させるという問題が生じる場合があることが明らかになった。
 本発明は、このような状況下になされたものであり、導電膜を有する反射型マスクブランク及び反射型マスクにおいて、平坦度の変化を抑制することができる反射型マスクブランク及び反射型マスクを提供することを目的とする。また、本発明は、上記問題を解決するための反射型マスクブランク及び反射型マスクを製造するための導電膜付き基板を提供することを目的とする。また、本発明は、上記反射型マスクを用いることにより、高精度の半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
 上記課題を解決するため、本実施形態は下記の構成を有する。
(構成1)
 構成1は、二つの主表面を有する基板と、
 前記基板の一方の前記主表面の上に配置される導電膜と
を含む導電膜付き基板であって、
 前記導電膜は、前記導電膜の前記基板とは反対側の最表面に配置される最表層と、前記最表層と前記基板との間に配置される導電層とを含み、
 前記最表層は、金属(M)、ホウ素(B)及び酸素(O)を含み、
 前記最表層は、X線光電子分光法で分析して得られるB1sのナロースペクトルが190eV以上195eV以下の結合エネルギーで最大ピークを有することを特徴とする導電膜付き基板である。
(構成2)
 構成2は、前記最表層におけるX線光電子分光法の検出深さは、約4~5nmであることを特徴とする、構成1の導電膜付き基板である。
(構成3)
 構成3は、前記最表層は、前記X線光電子分光法で分析して得られるB1sのナロースペクトルが185eV以上190eV未満の結合エネルギーでピークを有さないことを特徴とする、構成1又は2の導電膜付き基板である。
(構成4)
 構成4は、前記最表層のホウ素(B)含有量は、0.5~25原子%であることを特徴とする、構成1~3のいずれかの導電膜付き基板である。
(構成5)
 構成5は、前記導電層は、前記金属(M)と、ホウ素(B)とを含むことを特徴とする、構成1~4のいずれかの導電膜付き基板である。
(構成6)
 構成6は、前記導電層は、前記X線光電子分光法で分析して得られるB1sのナロースペクトルが185eV以上190eV未満の結合エネルギーで最大ピークを有することを特徴とする、構成1~5のいずれかの導電膜付き基板である。
(構成7)
 構成7は、前記金属(M)は、Ta、Cr、Pt、Au、Rh、Ru、Ir及びHfから選択される少なくとも1つである、構成1~6のいずれかの導電膜付き基板である。
(構成8)
 構成8は、構成1~7のいずれかの導電膜付き基板と、
 前記基板の他方の前記主表面の上に配置される多層反射膜と、
 前記多層反射膜の上に配置される吸収体膜と
を含む反射型マスクブランクである。
(構成9)
 構成9は、構成8の反射型マスクブランクにおける吸収体膜にパターンが形成された吸収体パターンを含む反射型マスクである。
(構成10)
 構成10は、構成9の反射型マスクを用いて、露光装置を使用したリソグラフィプロセスを行い、被転写体の上に転写パターンを形成する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法である。
 本発明により、導電膜を有するEUVリソグラフィ用の反射型マスクブランク及び反射型マスクにおいて、平坦度の変化を抑制することができる反射型マスクブランク及び反射型マスクを提供することができる。また、本発明により、上記問題を解決するための反射型マスクブランク及び反射型マスクを製造するための導電膜付き基板を提供することができる。また、本発明の反射型マスクを用いることにより、高精度の半導体装置の製造方法を提供することができる。
本実施形態の導電膜付き基板の構成の一例を示す断面模式図である。 本実施形態の導電膜付き基板(多層反射膜付き基板)の構成の一例を示す断面模式図である。 本実施形態の導電膜付き基板(多層反射膜付き基板)の構成の一例を示す断面模式図である。 本実施形態の反射型マスクブランクの構成の一例を示す断面模式図である。 本実施形態の反射型マスクブランクの構成の一例を示す断面模式図である。 本実施形態の反射型マスクの製造方法の一例を示す断面模式図である。 EUV露光装置の一例を示す模式図である。 本実施形態の実施例1及び比較例1の導電膜付き基板の導電膜の、X線光電子分光法で分析して得られるB1sのナロースペクトルを示す図である。
 以下、本発明の実施形態について、具体的に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化する際の形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。
 図1は、本実施形態の導電膜付き基板40の一例を示す断面模式図である。本実施形態の導電膜付き基板40は、基板10の一方の主表面(第2主表面、又は裏面)の上に、導電膜42が配置された構造を有する。なお、本明細書において、導電膜付き基板40とは、少なくとも基板10の一方の主表面(第2主表面、又は裏面)に導電膜42が形成されたものであり、他方の主表面(第1主表面、又は表面(front surface))の上に多層反射膜21が形成された多層反射膜付き基板20(図2及び3参照)、及び更に吸収体膜24が形成された反射型マスクブランク100(図4及び5参照)等も、導電膜付き基板40に含まれる。本明細書では、導電膜42を、裏面導電膜という場合がある。
 図2に、多層反射膜付き基板20の一例を示す。図2に示す多層反射膜付き基板20の基板10の第1主表面に多層反射膜21が形成されている。図2に示す多層反射膜付き基板20の基板10の第2主表面(裏面)には、導電膜42が形成されている。図2に示す多層反射膜付き基板20は、基板10の第2主表面(裏面)に導電膜42を含むので、導電膜付き基板40の一種である。
 図3に、多層反射膜付き基板20の別の一例を示す。図3に示す多層反射膜付き基板20の主表面に多層反射膜21及び保護膜22が形成されている。図3に示す多層反射膜付き基板20の基板10の第2主表面(裏面)には、導電膜42が形成されている。図3に示す多層反射膜付き基板20は、基板10の第2主表面(裏面)に導電膜42を含むので、導電膜付き基板40の一種である。
 図4は、本実施形態の反射型マスクブランク100の一例を示す断面模式図である。図4の反射型マスクブランク100は、多層反射膜21、保護膜22及び吸収体膜24を有している。また、図4に示す反射型マスクブランク100は、第2主表面(裏面)に導電膜42を有する。したがって、図4に示す反射型マスクブランク100は、導電膜付き基板40の一種である。
 図5は、本実施形態の反射型マスクブランク100の別の一例を示す断面模式図である。図5に示す反射型マスクブランク100は、吸収体膜24の上にエッチングマスク膜25を有する。エッチングマスク膜25を有する反射型マスクブランク100を用いる場合、後述のように、吸収体膜24に転写パターンを形成した後、エッチングマスク膜25を剥離してもよい。また、本実施形態の反射型マスクブランク100は、その裏面に、導電膜42を含む。したがって、図5に示す反射型マスクブランク100は、導電膜付き基板40の一種である。
 また、エッチングマスク膜25を形成しない図4に示す反射型マスクブランク100において、吸収体膜24を複数層の積層構造とし、この複数層を構成する材料が互いに異なるエッチング特性を有する材料にして、エッチングマスク機能を持った吸収体膜24とした反射型マスクブランク100としてもよい。
 本明細書において、「薄膜A(又は基板10)の上に薄膜Bを配置(形成)する」とは、薄膜Bが、薄膜A(又は基板10)の表面に接して配置(形成)されることを意味する場合の他、薄膜A(又は基板10)と、薄膜Bとの間に他の薄膜Cを有することを意味する場合も含む。また、本明細書において、例えば「薄膜Bが薄膜A(又は基板10)の表面に接して配置される」とは、薄膜A(又は基板10)と薄膜Bとの間に他の薄膜を介さずに、薄膜A(又は基板10)と薄膜Bとが直接、接するように配置されていることを意味する。また、本明細書において、「上に」とは、必ずしも鉛直方向における上側を意味するものではない。「上に」とは、薄膜及び基板10などの相対的な位置関係を示しているに過ぎない。
 本実施形態の導電膜付き基板40、多層反射膜付き基板20及び反射型マスクブランク100及び反射型マスク200について、具体的に説明する。
[基板10]
 まず、本実施形態の導電膜付き基板40等の製造に用いることのできる基板10について以下に説明する。
 基板10は、EUV光による露光時の熱による転写パターンの歪みを防止するため、0±5ppb/℃の範囲内の低熱膨張係数を有するものが好ましく用いられる。この範囲の低熱膨張係数を有する素材としては、例えば、SiO-TiO系ガラス、多成分系ガラスセラミックス等を用いることができる。
 基板10の転写パターン(後述の吸収体パターン24a)が形成される側の主表面(第1主表面)は、平坦度を高めるために加工されることが好ましい。基板10の主表面の平坦度を高めることによって、パターンの位置精度や転写精度を高めることができる。例えば、EUV露光の場合、第1主表面の132mm×132mmの領域において、平坦度が0.1μm以下であることが好ましく、更に好ましくは0.05μm以下、特に好ましくは0.03μm以下である。また、転写パターンが形成される側と反対側の第2主表面(裏面)は、露光装置に静電チャックによって固定される表面である。裏面の142mm×142mmの領域において、平坦度が0.1μm以下、更に好ましくは0.05μm以下、特に好ましくは0.03μm以下である。なお、本明細書において平坦度は、TIR(Total Indicated Reading)で示される表面の反り(変形量)を表す値である。平坦度(TIR)は、基板10の主表面の表面を基準として最小二乗法で定められる平面を焦平面とし、この焦平面より上にある基板10の表面の最も高い位置と、焦平面より下にある基板10の表面の最も低い位置との高低差の絶対値である。
 EUV露光の場合、基板10の転写パターンが形成される側の第1主表面の表面粗さは、二乗平均平方根粗さ(Rq)で0.1nm以下であることが好ましい。なお表面粗さは、原子間力顕微鏡で測定することができる。
 基板10は、その上に形成される薄膜(多層反射膜21など)の膜応力による変形を防止するために、高い剛性を有しているものが好ましい。特に、65GPa以上の高いヤング率を有しているものが好ましい。
[導電膜付き基板40]
 次に、本実施形態の導電膜付き基板40について、説明する。
<導電膜42>
 図1に示すように、本実施形態の導電膜付き基板40は、基板10の一方の主表面(第2主表面、裏面)に、所定の導電膜42が配置される構造を有する。導電膜42(裏面導電膜)は、静電チャックによる反射型マスク200の固定を促進するために配置される。図1に示すように、本実施形態の導電膜付き基板40の導電膜42は、最表層46と、導電層44とを含む。
<<最表層46>>
 図1に示すように、本実施形態の導電膜付き基板40の導電膜42に含まれる最表層46は、導電膜42の、基板10とは反対側の最表面に配置される。本実施形態の導電膜付き基板40の導電膜42が、所定の最表層46を含むことにより、外部に存在する水素が導電膜42に取り込まれることを抑制することができる。
 最表層46は、金属(M)、ホウ素(B)及び酸素(O)を含む。
 本発明者らは、金属(M)としてタンタルを含有する導電膜42に水素が取り込まれていくことで、導電膜42の膜応力が変化することを見出した。更に、本発明者らは、タンタル以外の金属(M)を含有する導電膜42の場合にも、導電膜42に水素が取り込まれていくことで、導電膜42の体積が変化し、そのため導電膜42の膜応力が変化する場合があることを見出した。導電膜42の膜応力が変化することにより、反射型マスクブランク100の平坦度が変化するという問題が生じる。更に、反射型マスク200の作製後に時間の経過とともに反射型マスク200のパターンの位置ずれが生じるという問題が生じる。
 本発明者らは、導電膜42に取り込まれる水素は、EUV露光環境において、反射型マスク200の外部に存在する水素であることを見出した。本実施形態の導電膜付き基板40の導電膜42が、所定の最表層46を含むことにより、EUV露光環境において、反射型マスク200の外部に存在する水素が反射型マスク200の導電膜42に取り込まれることを抑制することができることを見出し、本実施形態の導電膜付き基板40に至った。本実施形態の導電膜付き基板40を用いて反射型マスクブランク100及び反射型マスク200を製造することにより、反射型マスクブランク100及び反射型マスク200の導電膜42に水素が取り込まれることを抑制することができる。そのため、反射型マスクブランク100及び反射型マスク200の導電膜42の膜応力が変化することを抑制することができる。すなわち、本実施形態の導電膜付き基板40により、反射型マスクブランク100及び反射型マスク200の平坦度の変化を抑制することができる。その結果、反射型マスク200の作製後に時間の経過とともに反射型マスク200のパターンの位置ずれが生じることを抑制することができる。
 最表層46に含まれる金属(M)は、Ta、Cr、Pt、Au、Rh、Ru、Ir及びHfから選択される少なくとも1つであることが好ましい。最表層46に含まれる金属(M)は、Ta及びCrから選択される少なくとも1つであることがより好ましい。最表層46に含まれる金属(M)が所定の元素であることにより、外部に存在する水素が導電膜42に取り込まれることを、より確実に抑制することができる。
 本実施形態の導電膜付き基板40は、最表層46のホウ素(B)含有量は、0.5~25原子%であることが好ましく、1~15原子%であることがより好ましい。最表層46のホウ素(B)含有量が、所定の範囲であることにより、最表層46による水素の取り込み抑制機能を更に確実にすることができる。
 また、最表層46の金属(M)の含有量は、10~70原子%であることが好ましく、20~60原子%であることがより好ましい。最表層46のO含有量は、20~80原子%であることが好ましく、30~70原子%であることがより好ましい。
 なお、本発明者らの研究によると、金属(M)及び酸素(O)を含む膜(例えば、TaO膜)より、金属(M)、ホウ素(B)及び酸素(O)を含む膜(例えば、TaBO膜及びTaBON膜)の方が水素の取り込み抑制機能が高い。したがって、最表層46がホウ素(B)を含むことにより、導電膜42の水素の取り込み抑制機能を高くすることができる。最表層46のホウ素(B)と酸素(O)の比率は、B:O=1:20~1:70が好ましく、1:30~1:60がより好ましい。
 外部に存在する水素が導電膜42に取り込まれることを、更に確実に抑制するために、最表層46の材料は、TaBO又はTaBONであることが好ましい。
 最表層46の材料がTaBOの場合、タンタル(Ta)、ホウ素(B)及び酸素(O)の組成は、Taが15~60原子%、Bが0.5~25原子%、及びOが20~80原子%であることが好ましく、Taが25~50原子%、Bが1~15原子%、Oが30~70原子%であることがより好ましい。なお、本実施形態の効果に影響しない範囲で、最表層46の材料は、Ta、B及びO以外の他の元素を含むことができる。
 最表層46の材料がTaBONの場合、タンタル(Ta)、ホウ素(B)、酸素(O)及び窒素(N)の組成は、Taが20~55原子%、Bが0.5~25原子%、Oが25~75原子%、及びNが0.5~40原子%であることが好ましく、Taが25~50原子%、Bが1~15原子%、Oが30~70原子%、及びNが1~30原子%であることがより好ましい。なお、本実施形態の効果に影響しない範囲で、最表層46の材料は、Ta、B、O及びN以外の他の元素を含むことができる。
 最表層46の材料(TaBO又はTaBON)が上述の組成であることにより、外部に存在する水素が導電膜42に取り込まれることを、より好ましく抑制することができる。
 最表層46は、X線光電子分光法(X-Ray Photoelectron Spectroscopy、XPS法)で分析して得られるB1sのナロースペクトルが190eV以上195eV以下の結合エネルギーで最大ピークを有する。XPS法では、物質に含まれる原子の電子がX線により励起され、光電子として外部へ放出される。外部に放出された光電子のエネルギー(結合エネルギー)を測定することにより、光電子のエネルギー分布(スペクトル)を得ることができる。
 本実施形態の導電膜付き基板40の導電膜42に含まれる最表層46は、ホウ素(B)を含む。XPS法で結合エネルギーが180eVから205eVの範囲の光電子を検出することにより、最表層46のホウ素(B)のB1sのナロースペクトルを得ることができる。本発明者らは、最表層46のB1sのナロースペクトルが190eV以上195eV以下の結合エネルギーで最大ピークを有する場合に、外部に存在する水素が導電膜42に取り込まれることを抑制することができることを見出した。B1sのナロースペクトルの190eV以上195eV以下の結合エネルギーのピークは、最表層46の中のB-O間の結合に起因するピークと考えられる。したがって、最表層46にB-O間の結合が多く存在するときには、最表層46の水素抑制効果が高いことが推測される。
 本実施形態の導電膜付き基板40は、最表層46は、X線光電子分光法で分析して得られるB1sのナロースペクトルが185eV以上190eV未満の結合エネルギーでピークを有さないことが好ましい。B1sのナロースペクトルの185eV以上190eV未満の結合エネルギーのピークは、最表層46の中のB-M間の結合に起因するピークと考えられる。したがって、最表層46にB-M間の結合が多く存在しないか、又はまったく存在しないときには、最表層46の水素抑制効果が高いことが推測される。
 なお、XPS法において外部に放出された光電子のエネルギー(結合エネルギー)は、膜厚や成膜条件によって変わり、組成と一義的な関係ではないことが知られている。X線光電子分光法(XPS法)による分析方法の具体例については、後述する。
 本実施形態の導電膜付き基板40は、最表層46の膜厚を2nm~30nmとすることができ、2nm~20nmとすることができる。また、最表層46の膜厚は、2nm~10nmであることが好ましく、3nm~8nmであることがより好ましく、4nm~6nmであることが更に好ましい。最表層46の膜厚が所定の範囲であることにより、最表層46による水素の取り込み抑制機能をより確実にしつつ、導電膜42の静電チャックとしての機能を発揮することができる。
<<導電層44>>
 図1に示すように、本実施形態の導電膜付き基板40の導電膜42に含まれる導電層44は、最表層46と基板10との間に配置される。導電膜42が、所定の導電層44を含むことにより、導電膜42が、反射型マスク200の固定を促進するための静電チャックという機能を有することができる。
 本実施形態の導電膜付き基板40の導電層44は、金属(M)と、ホウ素(B)とを含むことが好ましい。導電層44が、ホウ素を含む材料からなることにより、耐摩耗性及び薬液耐性を有する導電膜42を得ることができる。また、導電層44は、窒素(N)を更に含むことができる。
 導電層44に含まれる金属(M)は、最表層46の場合と同様に、Ta、Cr、Pt、Au、Rh、Ru、Ir及びHfから選択される少なくとも1つであることが好ましい。また、金属(M)は、最表層46の場合と同様に、Ta及びCrから選択される少なくとも1つであることがより好ましい。導電層44に含まれる金属(M)は、最表層46に含まれる金属(M)とは異なる種類の元素であることができる。ただし、導電層44及び最表層46の成膜を容易にするために、導電層44に含まれる金属(M)は、最表層46に含まれる金属(M)と同じ種類の元素であることが好ましい。導電膜42が、所定の金属(M)を含む材料からなることにより、静電チャックが適性に動作するためシート抵抗とすることができる。
 導電層44の金属(M)の含有量は、60~95原子%であることが好ましく、70~90原子%であることがより好ましい。導電層44のホウ素(B)含有量は、2~40原子%であることが好ましく、5~30原子%であることがより好ましい。
 導電層44に含まれる金属(M)は、Taを含むことがより好ましい。導電層44のTaを含む材料として、具体的には、Ta、TaB、TaBO、TaBN、TaBON、TaO、TaON及びTaNを挙げることができる。導電層44のTaを含む材料として、TaBを用いることが好ましい。導電層44が、タンタル及びホウ素を含む材料からなることにより、耐摩耗性及び薬液耐性を有する導電膜42を得ることができる。また、同様の理由により、導電層44に含まれる酸素(O)及び窒素(N)の合計含有量は、30原子%以下が好ましく、20原子%以下であることがより好ましい。
 導電層44の材料がTaBの場合、タンタル(Ta)及びホウ素(B)の組成は、Taが75~95原子%、及びBが5~25原子%であることが好ましく、Taが80~90原子%、及びBが10~20原子%であることがより好ましい。なお、本実施形態の効果に影響しない範囲で、導電層44の材料は、Ta及びB以外の他の元素を含むことができる。
 導電層44の組成は、膜厚方向に同じ組成である必要はない。導電層44は、膜厚方向に組成が変化する組成傾斜膜とすることができる。また、最表層46を含む導電膜42も膜厚方向に組成が変化する組成傾斜膜とすることができる。
 また、導電層44は、2層以上の複数の層としてもよい。この場合、導電層44は、最表層46側の上層と、上層以外の下層とを含むことができる。下層は、上述の導電層44と同様の構成とすることができる。上層は、金属(M)及び窒素(N)を含むことができる。また、導電層44の連続成膜の観点から、上層の金属(M)は、下層及び最表層46のうち少なくとも一方と同じ金属であることが好ましい。また、上層は、更にホウ素(B)を含むことが好ましい。具体的には、上層の材料としてTaBN及びTaBONを挙げることができる。
 上層の材料がTaBNの場合の組成は、Taが15~90原子%、Bが0.5~25原子%、及びNが5~50原子%であることが好ましく、Taが25~80原子%、Bが1~15原子%、Nが10~40原子%であることがより好ましい。上層の材料がTaBONの場合の組成は、上述の最表層46と同様の組成とすることができる。また、上層の膜厚は、1~15nmが好ましく、2~10nmがより好ましい。
 導電層44の膜厚は、適切なシート抵抗を得ることができる範囲で、適宜、制御することができる。導電層44の膜厚は、10nm以上が好ましく、20nm以上がより好ましい。また、導電膜42の表面粗さを小さくするために、導電層44の膜厚は、200nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。
 本実施形態の導電膜付き基板40の導電層44は、X線光電子分光法(XPS法)で分析して得られるB1sのナロースペクトルが185eV以上190eV未満の結合エネルギーで最大ピークを有することが好ましい。B1sのナロースペクトルの185eV以上190eV未満の結合エネルギーのピークは、導電層44の中のB-M間の結合に起因するピークと考えられる。導電層44にB-M間の結合が多く存在するときには、導電膜42の表面に薄い最表層46が存在していたとしても、導電膜42の表面と、露光装置の静電チャックの吸着保持面との間の摩擦力(静摩擦係数)を大きくすることができる。そのため、パターン転写の際の反射型マスク200の位置ずれを抑制することができる。
 上述のX線光電子分光法(XPS法)による分析は、以下のように行うことができる。
 導電膜42に対するX線光電子分光法(XPS法)での分析では、表面分析及び内部分析の2種類の分析を行うことができる。表面分析では、導電膜付き基板40(導電膜42)の表面に向かってX線源からX線を照射して、導電膜42の最表層46から放出される光電子のエネルギー分布を測定することができる。内部分析では、Arガススパッタリングで導電膜42を導電層44が分析可能な程度まで(例えば10nm程度)掘り込み、掘り込んだ領域の導電膜42(導電層44)の表面に対してX線を照射して導電膜42の導電層44から放出される光電子のエネルギー分布を測定することができる。内部分析のための掘り込み深さは、最表層46の膜厚に応じて決めることができる。例えば、最表層46の膜厚が20nmの場合には、内部分析の掘り込みは30nm程度とすることができる。X線光電子分光法(XPS法)での分析のための測定は、下記の測定条件で行うことが好ましい。
(XPS法の測定条件)
 X線源:AlKα線(1486.6eV)
 光電子の検出領域:直径200μm
 光電子の結合エネルギーの測定範囲:180eVから205eV
 光電子の検出の取り出し角度:45度(検出深さが約4~5nm)
 測定の際のステップサイズ:0.25eV
 上述のXPS法の測定条件では、検出深さが約4~5nmなので、表面分析では、XPS法で分析される光電子は、ほとんどが最表層46から放出される光電子であると考えられる。したがって、表面分析により得られる情報は、最表層46の情報であると考えることができる。また、Arガススパッタリングで導電膜42を例えば10nm程度掘り込む内部分析では、XPS法で分析される光電子は、ほとんどが導電層44から放出される光電子であると考えられる。したがって、内部分析により得られる情報は、導電層44の情報であると考えることができる。
 本明細書において、X線光電子分光法(XPS法)で分析して得られるピークとは、上述のようにして測定した光電子の結合エネルギーのスペクトル(所定の範囲の結合エネルギーに対する信号強度)を図示したときのピークであって、測定されたスペクトルからバックグラウンドを差し引いた時のピークの信号強度が、ピーク付近のバックグラウンドのノイズの大きさ(ノイズの信号強度の振動の幅)と比べて2倍以上であるものとすることができる。ピークの結合エネルギーは、測定されたスペクトルからバックグラウンドを差し引いた時のピークの最大値を示す結合エネルギーとすることができる。また、公知のカーブフィッテイングの手法を用いて、ピークの信号強度及び結合エネルギーを決定することができる。
 静電チャックが適性に動作するために、導電膜42のシート抵抗は好ましくは200Ω/□(square)以下、より好ましくは100Ω/□以下、更に好ましくは75Ω/□以下、特に好ましくは50Ω/□以下であることができる。シート抵抗は、導電膜42(特に導電層44)の組成及び膜厚を調整することにより、適切なシート抵抗の導電膜42を得ることができる。
 導電膜42の膜厚は、上述のシート抵抗を得ることができる範囲で、適宜、制御することができる。導電膜42の膜厚は、10nm以上が好ましく、20nm以上がより好ましい。また、表面粗さを小さくするという観点から、導電膜42の膜厚は、210nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。
 導電膜42(導電層44及び最表層46)の形成方法は、導電膜42の材料である金属を含有するスパッタリングターゲットを用いてスパッタリング成膜することが好ましい。具体的には、導電膜42を形成するための基板10の被成膜面を上方に向けて、基板10を水平面上で回転させることが好ましい。また、基板10の中心軸と、スパッタリングターゲットの中心を通り基板10の中心軸とは平行な直線とがずれた位置に基板10を配置することが好ましい。また、被成膜面に対して所定の角度傾斜して対向したスパッタリングターゲットをスパッタリングすることによって導電膜42(導電層44及び最表層46)を成膜することが好ましい。所定の角度は、スパッタリングターゲットの傾斜角度が5度以上30度以下の角度であることが好ましい。またスパッタリング成膜中のガス圧は、0.03Pa以上0.5Pa以下であることが好ましい。このような方法によって導電膜42を成膜することにより、所望の導電膜42(導電層44及び最表層46)を得ることができる。
 スパッタリング成膜に用いるガスとして希ガスを用いる場合には、アルゴン(Ar)よりも原子量が大きいクリプトン(Kr)及びキセノン(Xe)を用いることにより、導電膜42の表面の真実接触面積を大きくすることができ、この結果、導電膜42の静摩擦係数を大きくすることができると考えられる。これにより、導電膜42の表面と、露光装置の静電チャックの吸着保持面との間の摩擦力(静摩擦係数)を大きくすることができ、パターン転写の際の反射型マスク200の位置ずれを抑制することができる。
<<その他の薄膜>>
 本実施形態の導電膜付き基板40の導電膜42は、導電層44及び最表層46以外の層(薄膜)を含むことができる。
 本実施形態の導電膜付き基板40、多層反射膜付き基板20及び反射型マスクブランク100は、基板10であるガラス基板と、導電層44との間に、基板10(ガラス基板)から導電層44へ水素が侵入することを抑制するための中間層としての水素侵入抑制膜を備えることが好ましい。水素侵入抑制膜の存在により、導電層44中に水素が取り込まれることを抑制でき、導電層44の圧縮応力の増大を抑制することができる。
 水素侵入抑制膜の材料は、水素が透過しにくく、基板10(ガラス基板)から導電膜42への水素の侵入を抑制することができる材料であればどのような種類であってもよい。水素侵入抑制膜は、上述の最表層46と同じ特性を有する薄膜であることができる。すなわち、水素侵入抑制膜は、最表層46と同様に、X線光電子分光法で分析して得られるB1sのナロースペクトルが190eV以上195eV以下の結合エネルギーで最大ピークを有する膜とすることができる。また、水素侵入抑制膜は、最表層46と同じ材料及び/又は同じ組成を有する薄膜であることができる。
 導電膜42への水素の侵入を確実に抑制するために、水素侵入抑制膜の材料は、タンタル及び酸素を含有する材料であることが好ましい。水素侵入抑制膜の材料として好ましい材料は、TaO、TaON、TaBO及びTaBONを挙げることができる。水素侵入抑制膜の材料は、TaO、TaON、TaBO及びTaBONから選択される材料であって、酸素含有量が50原子%以上の材料であることがより好ましい。水素侵入抑制膜は、これらの材料の単層であることができ、また、複数層からなる膜又は組成傾斜膜であってもよい。
 水素侵入抑制膜の厚さは、1nm以上であることが好ましく、5nm以上、更には10nm以上であるとより好ましい。水素侵入抑制膜の厚さが1nm未満の場合には、水素侵入抑制膜が薄すぎて水素侵入を阻止する効果が期待できない。また、水素侵入抑制膜の厚さが1nm未満の場合には、スパッタリング法であっても基板10(ガラス基板)の主表面上にほぼ均一な膜厚で、ほぼ均一な膜組成のものを形成することは容易ではない。
 導電膜42が基板10(ガラス基板)に接触しないように、基板10(ガラス基板)の主表面における導電膜42の形成領域と同じか、又は導電膜42の形成領域よりも広い領域に水素侵入抑制膜が形成されていることが好ましい。
[多層反射膜付き基板20]
 次に、本実施形態の多層反射膜付き基板20について説明する。図2及び図3に、多層反射膜付き基板20の例の断面模式図を示す。図2及び図3に示す多層反射膜付き基板20の第2主表面(裏面)には、上述の導電膜42が配置される。導電膜42を有する多層反射膜付き基板20は、本実施形態の導電膜付き基板40の一種である。
<多層反射膜21>
 実施形態の多層反射膜付き基板20は、基板10の第1主表面の上に多層反射膜21が配置される。多層反射膜21は、反射型マスク200において、EUV光を反射する機能を付与するものである。多層反射膜21は、屈折率の異なる元素を主成分とする各層が周期的に積層された多層膜である。
 一般的には、多層反射膜21として、高屈折率材料である軽元素又はその化合物の薄膜(高屈折率層)と、低屈折率材料である重元素又はその化合物の薄膜(低屈折率層)とが交互に40から60周期程度積層された多層膜が用いられる。
 多層反射膜21として用いられる多層膜は、基板10側から高屈折率層と低屈折率層をこの順に積層した高屈折率層/低屈折率層の積層構造を1周期として複数周期積層した構造であることができる。また、多層膜は、基板10側から低屈折率層と高屈折率層をこの順に積層した低屈折率層/高屈折率層の積層構造を1周期として複数周期積層した構造であることができる。なお、多層反射膜21の最表面の層、すなわち、基板10側と反対側の多層反射膜21の最上層は、高屈折率層であることが好ましい。上述の多層膜において、基板10側から高屈折率層と低屈折率層をこの順に積層した高屈折率層/低屈折率層の積層構造を1周期として複数周期積層する場合は、最上層が低屈折率層となる。この場合、低屈折率層が多層反射膜21の最表面を構成すると容易に酸化されてしまい反射型マスク200の反射率が減少する。そのため、最上層の低屈折率層上に高屈折率層を更に形成して多層反射膜21とすることが好ましい。一方、上述の多層膜において、基板10側から低屈折率層と高屈折率層をこの順に積層した低屈折率層/高屈折率層の積層構造を1周期として複数周期積層する場合は、最上層が高屈折率層となる。したがって、この場合には、更なる高屈折率層を形成する必要はない。
 高屈折率層としては、ケイ素(Si)を含む層を用いることができる。Siを含む材料としては、Si単体の他に、Siと、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)及び/又は水素(H)とを含むSi化合物を用いることができる。Siを含む高屈折率層を用いることによって、EUV光の反射率に優れた反射型マスク200が得られる。また、低屈折率層としては、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、及び白金(Pt)から選ばれる金属単体、又はこれらの合金を用いることができる。また、これらの金属単体又は合金に、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)及び/又は水素(H)を添加してしてもよい。本実施形態の多層反射膜付き基板20においては、低屈折率層がモリブデン(Mo)層であり、高屈折率層がケイ素(Si)層であることが好ましい。例えば波長13nmから14nm(例えば波長13.5nm)のEUV光を反射するための多層反射膜21としては、Mo層とSi層とを交互に40から60周期程度積層したMo/Si周期積層膜を好ましく用いることができる。また、本実施形態の多層反射膜付き基板20においては、低屈折率層がルテニウム(Ru)層であり、高屈折率層がケイ素(Si)層であることが好ましい。例えば波長13nmから14nm(例えば波長13.5nm)のEUV光を反射するための多層反射膜21としては、Ru層とSi層とを交互に30から40周期程度積層したRu/Si周期積層膜を好ましく用いることができる。
 多層反射膜21の単独での反射率は通常65%以上であり、上限は通常73%である。なお、多層反射膜21の各構成層の膜厚及び周期は、露光波長により適宜選択することができる。具体的には、多層反射膜21の各構成層の膜厚及び周期は、ブラッグ反射の法則を満たすように選択することができる。多層反射膜21において、高屈折率層及び低屈折率層はそれぞれ複数存在するが、高屈折率層同士の膜厚、又は低屈折率層同士の膜厚は、必ずしも同じでなくても良い。
 多層反射膜21の形成方法は当該技術分野において公知である。多層反射膜21は、例えばイオンビームスパッタリング法又はマグネトロンスパッタリング法により、各層を成膜することにより形成できる。上述したMo/Si周期多層膜の場合、例えばイオンビームスパッタリング法により、まずSiターゲットを用いて厚さ4nm程度のSi膜を基板10の上に成膜し、その後Moターゲットを用いて厚さ3nm程度のMo膜を成膜し、これを1周期として、40~60周期積層して、多層反射膜21を形成する(最表面の最上層はSi膜とする)。なお、60周期とした場合、40周期より工程数は増えるが、EUV光に対する反射率を高めることができる。
<保護膜22>
 本実施形態の多層反射膜付き基板20(導電膜付き基板40)は、多層反射膜21の表面のうち、基板10とは反対側の表面に接して配置される保護膜22を更に含むことが好ましい。
 上述のように形成された多層反射膜21の上に、反射型マスク200の製造工程におけるドライエッチングやウェット洗浄からの多層反射膜21の保護のため、保護膜22(図3を参照)を形成することができる。このように、基板10上に、多層反射膜21と、保護膜22とを有する形態も、本実施形態の多層反射膜付き基板20(導電膜付き基板40)とすることができる。
 本実施形態の多層反射膜付き基板20において、多層反射膜21上に保護膜22が形成されていることにより、多層反射膜付き基板20を用いて反射型マスク200(EUVマスク)を製造する際の多層反射膜21表面へのダメージを抑制することができる。そのため、得られる反射型マスク200のEUV光に対する反射率特性が良好となる。
 なお、上記保護膜22の材料としては、例えば、Ru、Rh、Ru-(Nb,Rh,Zr,Y,B,Ti,La,Mo)、Si-(Ru,Rh,Cr,B)、又はSi、Zr、Nb、La、B等の材料を使用することができる。これらのうち、ルテニウム(Ru)を含む材料を適用すると、多層反射膜21の反射率特性がより良好となる。具体的には、保護膜22の材料は、Ru、又はRu-(Nb,Rh,Zr,Y,B,Ti,La,Mo)であることが好ましい。このような保護膜22は、特に、吸収体膜24をTa系材料とし、Cl系ガスのドライエッチングで当該吸収体膜24をパターニングする場合に有効である。
 また、本実施形態の多層反射膜付き基板20(導電膜付き基板40)では、基板10と多層反射膜21との間に下地層を形成しても良い。下地層は、基板10の主表面の平滑性向上の目的、欠陥低減の目的、多層反射膜21の反射率増強効果の目的、並びに多層反射膜21の応力補正の目的で形成することができる。
[反射型マスクブランク100]
 次に、本実施形態の反射型マスクブランク100について説明する。図4は、本実施形態の反射型マスクブランク100の一例を示す断面模式図である。本実施形態の反射型マスクブランク100は、上述の多層反射膜付き基板20の多層反射膜21の上又は保護膜22の上に、吸収体膜24を形成した構造を有する。図4に示す反射型マスクブランク100の基板10の第2主表面(裏面)には、上述の導電膜42が配置される。
<吸収体膜24>
 本実施形態の反射型マスクブランク100の吸収体膜24は、保護膜22の上に形成される。吸収体膜24の基本的な機能は、EUV光を吸収することである。吸収体膜24は、EUV光の吸収を目的とした吸収体膜24であっても良いし、EUV光の位相差も考慮した位相シフト機能を有する吸収体膜24であっても良い。位相シフト機能を有する吸収体膜24とは、EUV光を吸収するとともに一部を反射させて位相をシフトさせるものである。すなわち、位相シフト機能を有する吸収体膜24がパターニングされた反射型マスク200において、吸収体膜24が形成されている部分では、EUV光を吸収して減光しつつパターン転写に悪影響がないレベルで一部の光を反射させる。また、吸収体膜24が形成されていない領域(フィールド部)では、EUV光は、保護膜22を介して多層反射膜21から反射する。そのため、位相シフト機能を有する吸収体膜24からの反射光と、フィールド部からの反射光との間に所望の位相差を有することになる。位相シフト機能を有する吸収体膜24は、吸収体膜24からの反射光と、多層反射膜21からの反射光との位相差が170度から260度となるように形成される。反転した位相差の光同士がパターンエッジ部で干渉し合うことにより、投影光学像の像コントラストが向上する。その像コントラストの向上に伴って解像度が上がり、露光量裕度、及び焦点裕度等の露光に関する各種裕度を大きくすることができる。
 吸収体膜24は単層の薄膜(単層膜)であっても良いし、複数の膜(例えば、下層吸収体膜及び上層吸収体膜)からなる多層膜であっても良い。単層膜の場合は、マスクブランク製造時の工程数を削減できて生産効率が上がるという特徴がある。多層膜の場合には、上層吸収体膜が、光を用いたマスクパターン欠陥検査時の反射防止膜になるように、その光学定数と膜厚を適当に設定することができる。このことにより、光を用いたマスクパターン欠陥検査時の検査感度が向上する。また、上層吸収体膜に酸化耐性が向上する酸素(O)及び窒素(N)等が添加された薄膜を用いると、経時安定性が向上する。このように、吸収体膜24を多層膜にすることによって様々な機能を付加させることが可能となる。吸収体膜24が位相シフト機能を有する吸収体膜24の場合には、多層膜にすることによって光学面での調整の範囲を大きくすることができるので、所望の反射率を得ることが容易になる。
 吸収体膜24の材料としては、EUV光を吸収する機能を有し、エッチング等により加工が可能(好ましくは塩素(Cl)系ガス及び/又はフッ素(F)系ガスのドライエッチングでエッチング可能)であり、保護膜22に対してエッチング選択比が高い材料である限り、特に限定されない。そのような機能を有するものとして、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、白金(Pt)、金(Au)、イリジウム(Ir)、タングステン(W)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、スズ(Sn)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、ニッケル(Ni)、ハフニウム(Hf)、鉄(Fe)、銅(Cu)、テルル(Te)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、ゲルマニウム(Ge)、アルミニウム(Al)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、及びケイ素(Si)から選ばれる少なくとも1つの金属、2以上の金属を含む合金又はこれらの化合物を好ましく用いることができる。化合物は、上記金属又は合金に、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)及び/又はホウ素(B)を更に含んでもよい。
 吸収体膜24は、DCスパッタリング法及びRFスパッタリング法などのマグネトロンスパッタリング法で形成することができる。例えば、タンタル化合物等の吸収体膜24の場合は、タンタル及びホウ素を含むターゲットを用い、酸素又は窒素を添加したアルゴンガスを用いた反応性スパッタリング法により、吸収体膜24を成膜することができる。
 また、平滑性及び平坦性の点から、吸収体膜24の結晶状態は、アモルファス状又は微結晶の構造であることが好ましい。吸収体膜24の表面が平滑・平坦でないと、吸収体パターン24aのエッジラフネスが大きくなり、パターンの寸法精度が悪くなることがある。吸収体膜24の好ましい表面粗さは、二乗平均平方根粗さ(Rms)で、0.5nm以下であり、より好ましくは0.4nm以下、更に好ましくは0.3nm以下である。
<エッチングマスク膜25>
 図5は、本実施形態の反射型マスクブランク100の別の一例を示す断面模式図である。図5に示す反射型マスクブランク100は、吸収体膜24の上に、エッチングマスク膜25を有することができる。エッチングマスク膜25の材料としては、エッチングマスク膜25に対する吸収体膜24のエッチング選択比(吸収体膜24のエッチング速度/エッチングマスク膜25のエッチング速度)が高い材料を用いることが好ましい。エッチングマスク膜25に対する吸収体膜24のエッチング選択比は、1.5以上が好ましく、3以上が更に好ましい。
 本実施形態の反射型マスクブランク100は、吸収体膜24の上に、エッチングマスク膜25を有することが好ましい。
 エッチングマスク膜25の材料としては、クロム又はクロム化合物を使用することが好ましい。クロム化合物の例としては、Crと、N、O、C及びHから選ばれる少なくとも一つの元素とを含む材料が挙げられる。エッチングマスク膜25は、CrN、CrO、CrC、CrON、CrOC、CrCN又はCrOCNを含むことがより好ましく、クロム及び酸素を含むCrO系膜(CrO膜、CrON膜、CrOC膜又はCrOCN膜)であることが更に好ましい。
 エッチングマスク膜25の材料としては、タンタル又はタンタル化合物を使用することが好ましい。タンタル化合物の例として、Taと、N、O、B及びHから選ばれる少なくとも一つの元素とを含む材料が挙げられる。エッチングマスク膜25は、TaN、TaO、TaON、TaBN、TaBO又はTaBONを含むことがより好ましい。
 エッチングマスク膜25の材料としては、ケイ素又はケイ素化合物を使用することが好ましい。ケイ素化合物の例として、Siと、N、O、C及びHから選ばれる少なくとも一つの元素とを含む材料、並びにケイ素及びケイ素化合物に金属を含む金属ケイ素(金属シリサイド)、及び金属ケイ素化合物(金属シリサイド化合物)などが挙げられる。金属ケイ素化合物の例としては、金属と、Siと、N、O、C及びHから選ばれる少なくとも一つの元素とを含む材料が挙げられる。
 エッチングマスク膜25の膜厚は、パターンを精度よく吸収体膜24に形成するために、3nm以上であることが好ましい。また、エッチングマスク膜25の膜厚は、レジスト膜32の膜厚を薄くするために、15nm以下であることが好ましい。
[反射型マスク200]
 図6(D)に示すように、本実施形態の反射型マスク200は、上述の反射型マスクブランク100の吸収体膜24をパターニングした吸収体パターン24aを備える。図6(D)に示す反射型マスク200は、基板10の第2主表面(裏面)に、上述の導電膜42を有する。
 図6(A)から図6(D)は、反射型マスク200の製造方法の一例を示す断面模式図である。上述の本実施形態の反射型マスクブランク100を使用して、本実施形態の反射型マスク200を製造することができる。以下、反射型マスク200の製造方法の例について説明する。
 まず、基板10と、基板10の上に形成された多層反射膜21と、多層反射膜21の上に形成された保護膜22と、保護膜22の上に形成された吸収体膜24とを有する反射型マスクブランク100を準備する。次に、吸収体膜24の上に、レジスト膜32を形成して、レジスト膜32付きの反射型マスクブランク100を得る(図6(A))。レジスト膜32に、電子線描画装置によってパターンを描画し、更に現像・リンス工程を経ることによって、レジストパターン32aを形成する(図6(B))。
 レジストパターン32aをマスクとして、吸収体膜24をドライエッチングする。これにより、吸収体膜24のレジストパターン32aによって被覆されていない部分がエッチングされ、吸収体パターン24aが形成される(図6(C))。
 吸収体膜24のエッチングガスとしては、例えば、フッ素系ガス及び/又は塩素系ガスを用いることができる。フッ素系ガスとしては、CF、CHF、C、C、C、C、CH、CHF、C、SF、及びF等を用いることができる。塩素系ガスとしては、Cl、SiCl、CHCl、CCl、及びBCl等を用いることができる。また、フッ素系ガス及び/又は塩素系ガスと、Oとを所定の割合で含む混合ガスを用いることができる。これらのエッチングガスは、必要に応じて、更に、He及び/又はArなどの不活性ガスを含むことができる。
 吸収体パターン24aが形成された後、レジスト剥離液によりレジストパターン32aを除去する。レジストパターン32aを除去した後、酸性やアルカリ性の水溶液を用いたウェット洗浄工程を経ることによって、本実施形態の反射型マスク200を得ることができる(図6(D))。
 なお、吸収体膜24の上にエッチングマスク膜25が形成された反射型マスクブランク100を用いた場合には、レジストパターン32aをマスクとして用いてエッチングマスク膜25にパターン(エッチングマスクパターン)を形成した後、エッチングマスクパターンをマスクとして用いて吸収体膜24にパターンを形成する工程が追加される。
 このようにして得られた反射型マスク200は、基板10の上に、多層反射膜21、保護膜22、及び吸収体パターン24aが積層された構造を有している。
 保護膜22に覆われた多層反射膜21が露出している領域(反射領域)は、EUV光を反射する機能を有している。多層反射膜21及び保護膜22が吸収体パターン24aによって覆われている領域は、EUV光を吸収する機能を有している。本実施形態の反射型マスク200を用いることにより、EUV光に対する高い反射率の反射領域を得ることができるので、EUVリソグラフィにおいて、より微細なパターンを被転写体に転写することができる。
 本実施形態の反射型マスク200は、基板10の第2主表面(裏面)に、上述の導電膜42を有する。本実施形態の反射型マスク200が所定の導電膜42を有することにより、EUV露光環境において、反射型マスク200の外部に存在する水素が反射型マスク200の導電膜42に取り込まれることを抑制することができる。そのため、本実施形態の反射型マスク200は、平坦度の変化を抑制することができる。また、本実施形態の反射型マスク200を用いることにより、反射型マスク200の作製後に時間の経過とともに反射型マスク200のパターンの位置ずれが生じることを抑制することができる。
[半導体装置の製造方法]
 本実施形態の半導体装置の製造方法は、上述の反射型マスク200を用いて、露光装置を使用したリソグラフィプロセスを行い、被転写体に転写パターンを形成する工程を有する。
 本実施形態の反射型マスク200を使用したリソグラフィにより、半導体基板60(被転写体)上に転写パターンを形成することができる。この転写パターンは、反射型マスク200のパターンが転写された形状を有している。半導体基板60上に反射型マスク200によって転写パターンを形成することによって、半導体装置を製造することができる。
 本実施形態によれば、パターンの位置ずれが生じることを抑制することができる反射型マスク200を用いて、半導体装置を製造することができる。そのため、本実施形態の反射型マスク200を用いることにより、半導体装置を、高密度化、高精度化することができる。
 図7を用いて、レジスト付き半導体基板60にEUV光によってパターンを転写する方法について説明する。
 図7は、半導体基板60上に形成されているレジスト膜に転写パターンを転写するための装置であるEUV露光装置50の概略構成を示している。EUV露光装置50は、EUV光生成部51、照射光学系56、レチクルステージ58、投影光学系57及びウェハステージ59が、EUV光の光路軸に沿って精密に配置されている。EUV露光装置50の容器内には、水素ガスが充填されている。
 EUV光生成部51は、レーザ光源52、スズ液滴生成部53、捕捉部54、及びコレクタ55を有している。スズ液滴生成部53から放出されたスズ液滴に、レーザ光源52からのハイパワーの炭酸ガスレーザが照射されると、液滴状態のスズがプラズマ化しEUV光が生成される。生成されたEUV光は、コレクタ55で集光され、照射光学系56を経てレチクルステージ58に設定された反射型マスク200に入射される。EUV光生成部51は、例えば、13.53nm波長のEUV光を生成する。
 反射型マスク200で反射されたEUV光は、投影光学系57により通常1/4程度にパターン像光に縮小されて半導体基板60(被転写基板)上に投影される。これにより、半導体基板60上のレジスト膜に所与の回路パターンが転写される。露光されたレジスト膜を現像することによって、半導体基板60上にレジストパターンを形成することができる。レジストパターンをマスクとして半導体基板60をエッチングすることにより、半導体基板60上に集積回路パターンを形成することができる。このような工程及びその他の必要な工程を経ることで、半導体装置が製造される。
 本実施形態の導電膜付き基板40を用いて製造された反射型マスク200を用いることにより、EUV露光環境において、反射型マスク200の外部に存在する水素が反射型マスク200の導電膜42に取り込まれることを抑制することができる。そのため、反射型マスク200の平坦度の変化を抑制することができる。そのため、本実施形態の導電膜付き基板40を用いて製造した反射型マスク200を用いることにより、高精度の半導体装置を製造方法することができる。
 以下、本実施形態の導電膜付き基板40、多層反射膜付き基板20、反射型マスクブランク100及び反射型マスク200を製造した例を実施例として説明する。
 まず、EUV露光用の基板10の第2主表面(裏面)に、導電膜42を以下に述べるように成膜して、実施例1及び2、並びに比較例1及び2の導電膜付き基板40を製造した。
<基板10の作製>
 実施例1及び2、並びに比較例1及び2の導電膜付き基板40の製造に用いる基板10は、次のようにして製造した。
 第1主表面及び第2主表面の両主表面が研磨された6025サイズ(約152mm×約152mm×6.35mm)の低熱膨張ガラス基板であるSiO-TiO系ガラス基板を準備した。基板10として、平坦で平滑な主表面となるように、粗研磨工程、精密研磨工程、局所加工工程、及びタッチ研磨工程よりなる研磨を行った。
<導電膜42の作製>
 上述した実施例1及び2、並びに比較例1及び2の基板10の第2主表面に、次のようにして、導電膜42(導電層44及び最表層46)を形成した。
 まず、実施例1及び2、並びに比較例1及び2の導電膜42の導電層44を成膜した。導電層44の成膜は、TaBターゲットを基板10の裏面(第2主表面)に対向させ、Xeガス雰囲気中でスパッタリング(又は反応性スパッタリング)を行った。導電層44の成膜時間を調節することにより、導電層44の膜厚を表1に示す膜厚とした。X線光電子分光法(XPS法)により後述の測定条件で分析した導電層44の組成比は、実施例1及び2、並びに比較例1及び2のいずれもTa:B=80:20であった。
 次に、実施例1及び2、並びに比較例2の導電膜42の最表層46を成膜した。最表層46の成膜は、表2に示すターゲットを基板10の裏面(第2主表面)に対向させ、スパッタリング(又は反応性スパッタリング)を行った。最表層46の成膜時間を調節することにより、最表層46の膜厚を表1に示す膜厚とした。X線光電子分光法(XPS法)により後述の測定条件で分析した最表層46の組成比(原子%)は、表2に示す通りであった。
 なお、比較例1の導電膜42では、導電層44のみを成膜し、最表層46を成膜しなかった。しかしながら、比較例1の導電層44の表面には、自然酸化膜が形成されているものと考えられる。本明細書では、比較例1の導電層44の表面の自然酸化膜を、最表層46に相当する薄膜とする。
 このようにして、図1に示す構造の導電膜付き基板40を作製した。
<X線光電子分光法(XPS法)の測定>
 実施例1及び2、並びに比較例1及び2の導電膜付き基板40の導電膜42を、X線光電子分光法(XPS法)により分析した。具体的には、XPS法により、実施例1及び2、並びに比較例1及び2の導電膜付き基板40の導電膜42に照射したX線により励起され外部に放出された光電子の180eVから205eVの範囲のエネルギー(結合エネルギー)を測定することにより、光電子のエネルギー分布(B1sのナロースペクトル)を得た。
 導電膜42に対するX線光電子分光法(XPS法)での分析では、表面分析及び内部分析の2種類の分析を行った。表面分析では、導電膜付き基板40の導電膜42の表面に向かってX線源からX線を照射して、導電膜42の最表層46から放出される光電子のエネルギー分布を測定した。内部分析では、Arガススパッタリングで導電膜42を10nm程度掘り込み、掘り込んだ領域の導電膜42の表面(最表層46)に対してX線を照射して導電膜42から放出される光電子のエネルギー分布を測定することで、導電膜42の導電層44の分析を行った。X線光電子分光法での分析の測定条件は、下記の通りである。
 X線源:AlKα線(1486.6eV)
 光電子の検出領域:直径200μm
 光電子の結合エネルギーの測定範囲:180eVから205eV
 光電子の検出の取り出し角度:45度(検出深さが約4~5nm)
 測定の際のステップサイズ:0.25eV
 XPS法による検出深さは約4~5nmである。したがって、上述のXPS法の表面分析では、最表層46の情報を得ることができる。また、上述のXPS法の内部分析では、導電膜42の情報を得ることができる。
 図8に、実施例1及び比較例1の導電膜付き基板40の導電膜42の、導電層44及び最表層46のB1sナロースペクトルを示す。図8の横軸は光電子の結合エネルギー(単位:eV)であり、縦軸は強度(信号カウント/秒)である。B1sナロースペクトルにおいて、B-O間の結合に相当するピークの結合エネルギーは、図8の左側の点線付近(約193eV)であり、B-Ta間の結合に相当するピークの結合エネルギーは、図8の右側の点線付近(約188eV)である。
 図8に示すように、実施例1の最表層46のB1sナロースペクトルでは、190eV以上195eV以下の結合エネルギーで最大ピークを有し、185eV以上190eV未満の結合エネルギーにはピークを有さない。これに対して、比較例1の最表層46のB1sナロースペクトルでは、185eV以上190eV未満の結合エネルギーで最大ピークを有する。比較例1の最表層46のB1sナロースペクトルでは、190eV以上195eV以下の結合エネルギーでピークを有するが、185eV以上190eV未満のピークより強度は小さい。
 また、図8に示すように、実施例1及び比較例1の導電層44のB1sナロースペクトルでは、185eV以上190eV未満の結合エネルギーで最大ピークを有する。実施例2及び比較例2の導電層44及び最表層46についても同様のXPS法による分析を行った。表1に、実施例1及び2、並びに比較例1及び2の導電膜付き基板40の導電膜42及び最表層46のB1sナロースペクトルにおけるピークの様子を示す。
<導電層44の水素含有量>
 実施例及び比較例の導電膜付き基板40に対し露光機の環境を想定した水素曝露処理を行い、処理後の導電層44中の水素含有量を二次イオン質量分析法((Secondary Ion Mass Spectrometry:SIMS)を用いて測定した。上述のXPS法による内部分析と同様に、Arガススパッタリングで導電膜42を10nm程度掘り込み、掘り込んだ領域の導電膜42(導電層44)に対してSIMS法により水素含有量を測定した。表1の「導電層の水素含有量(原子%)」欄に、水素含有量の測定結果を示す。導電層44の水素含有量が少ないほど、最表層46による、水素が導電膜42に取り込まれることの抑制効果が高いことを意味する。
 表1に示すように、実施例1及び2の導電層44の水素含有量は、比較例1及び2の導電層44の水素含有量より少なかった。したがって、実施例1及び2の最表層46による、水素が導電膜42に取り込まれることの抑制効果が高いといえる。
<導電膜42のシート抵抗>
 実施例及び比較例の導電膜付き基板40の導電膜42(導電層44及び最表層46)のシート抵抗は、4端子測定法によって、最表層46の表面に電極を接触させて測定した。表1にシート抵抗の測定結果を示す。
<多層反射膜付き基板20の作製>
 次に、実施例1及び2、並びに比較例1及び2の多層反射膜付き基板20を作製した。基板10として、上述の実施例1及び2、並びに比較例1及び2の導電膜付き基板40の製造に用いた基板10と同じものを用いた。基板10の第1主表面に、多層反射膜21を形成した。
 実施例及び比較例の多層反射膜付き基板20の多層反射膜21の成膜は次のようにして行った。すなわち、Moターゲット及びSiターゲットを使用して、イオンビームスパッタリング法によりMo層(低屈折率層、厚み2.8nm)及びSi層(高屈折率層、厚み4.2nm)を交互積層し(積層数40ペア)、多層反射膜21を上述の基板10上に形成した。
 多層反射膜21の成膜後、更に連続して多層反射膜21上にイオンビームスパッタリング法によりRuを材料とする保護膜22(膜厚2.5nm)を成膜して多層反射膜付き基板20とした。
 次に、多層反射膜付き基板20の多層反射膜21を形成していない裏面に、上述の実施例1及び2、並びに比較例1及び2の導電膜付き基板40の場合と同じ導電膜42を形成した。
 以上のようにして、実施例1及び2、並びに比較例1及び2の多層反射膜付き基板20を製造した。
<反射型マスクブランク100の作製>
 上述の実施例及び比較例の多層反射膜付き基板20の保護膜22の上に、吸収体膜24として膜厚55nmのTaBN膜を、マグネトロンスパッタリング(反応性スパッタリング)法により形成した。吸収体膜24の組成は、Ta:B:N=75:12:13(原子比)であり、膜厚は55nmであった。
 以上のようにして、実施例及び比較例の反射型マスクブランク100を製造した。
<反射型マスク200>
 次に、実施例及び比較例の反射型マスクブランク100を用いて、実施例及び比較例の反射型マスク200を製造した。図6を参照して反射型マスク200の製造を説明する。
 まず、図6(A)に示すように、反射型マスクブランク100の吸収体膜24の上に、レジスト膜32を形成した。そして、このレジスト膜32に回路パターン等の所望のパターンを描画(露光)し、更に現像、リンスすることによって所定のレジストパターン32aを形成した(図6(B))。次に、レジストパターン32aをマスクにして吸収体膜24(TaBN膜)を、Clガスを用いてドライエッチングすることで、吸収体パターン24aを形成した(図6(C))。その後、レジストパターン32aを除去した(図6(D))。
 最後に純水(DIW)を用いたウェット洗浄を行って、実施例1及び2、並びに比較例1及び2の反射型マスク200を製造した。
<半導体装置の製造>
 実施例1及び2、並びに比較例1及び2の反射型マスク200をEUVスキャナにセットし、被転写体である半導体基板60の上に被加工膜とレジスト膜が形成されたウェハに対して水素雰囲気中でEUV露光を行った。そして、この露光済レジスト膜を現像することによって、被加工膜が形成された半導体基板60の上にレジストパターンを形成した。
 実施例1及び2の反射型マスク200は、導電膜42が、所定の最表層46を含むため、導電層44への水素の拡散が抑制されたと考えられる。そのため、実施例1及び2の反射型マスク200を用いることにより、半導体基板60(被転写基板)の上に微細かつ高精度の転写パターン(レジストパターン)を形成することができた。一方、比較例1及び2の反射型マスク200の導電膜42の最表層46は、所定の最表層46ではない。そのため、比較例1及び2の反射型マスク200の場合には、導電層44への水素の拡散は抑制されず、平坦度を維持することできないという問題が生じた。そのため、比較例1及び2の反射型マスク200を用いた場合には、実施例1及び2の場合と比較して、半導体基板60(被転写基板)の上に微細かつ高精度の転写パターン(レジストパターン)を形成することができなかった。
 実施例1及び2の反射型マスク200を用いて半導体装置を製造した場合には、レジストパターンをエッチングにより被加工膜に転写し、また、絶縁膜、導電膜の形成、ドーパントの導入、あるいはアニールなど種々の工程を経ることで、所望の特性を有する半導体装置を高い歩留まりで製造することができた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 10 基板
 20 多層反射膜付き基板
 21 多層反射膜
 22 保護膜
 24 吸収体膜
 24a 吸収体パターン
 25 エッチングマスク膜
 32 レジスト膜
 32a レジストパターン
 40 導電膜付き基板
 42 導電膜
 44 導電層
 46 最表層
 50 EUV露光装置
 51 EUV光生成部
 52 レーザ光源
 53 スズ液滴生成部
 54 捕捉部
 55 コレクタ
 56 照射光学系
 57 投影光学系
 58 レチクルステージ
 59 ウェハステージ
 60 半導体基板
 100 反射型マスクブランク
 200 反射型マスク

Claims (22)

  1.  二つの主表面を有する基板と、
     前記基板の一方の前記主表面の上に配置される導電膜と
    を含む導電膜付き基板であって、
     前記導電膜は、前記導電膜の前記基板とは反対側の最表面に配置される最表層と、前記最表層と前記基板との間に配置される導電層とを含み、
     前記最表層は、金属(M)、ホウ素(B)及び酸素(O)を含み、
     前記最表層は、X線光電子分光法で分析して得られるB1sのナロースペクトルが190eV以上195eV以下の結合エネルギーで最大ピークを有することを特徴とする導電膜付き基板。
  2.  前記最表層におけるX線光電子分光法の検出深さは、約4~5nmであることを特徴とする、請求項1に記載の導電膜付き基板。
  3.  前記最表層は、前記X線光電子分光法で分析して得られるB1sのナロースペクトルが185eV以上190eV未満の結合エネルギーでピークを有さないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の導電膜付き基板。
  4.  前記最表層のホウ素(B)含有量は、0.5~25原子%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の導電膜付き基板。
  5.  前記導電層は、前記金属(M)と、ホウ素(B)とを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の導電膜付き基板。
  6.  前記導電層は、前記X線光電子分光法で分析して得られるB1sのナロースペクトルが185eV以上190eV未満の結合エネルギーで最大ピークを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の導電膜付き基板。
  7.  前記金属(M)は、Ta、Cr、Pt、Au、Rh、Ru、Ir及びHfから選択される少なくとも1つである、請求項1又は2に記載の導電膜付き基板。
  8.  二つの主表面を有する基板と、
     前記基板の一方の前記主表面の上に配置される導電膜と、
     前記基板の他方の前記主表面の上に配置される多層反射膜と、
     前記多層反射膜の上に配置される吸収体膜と
    を含む反射型マスクブランクであって、
     前記導電膜は、前記導電膜の前記基板とは反対側の最表面に配置される最表層と、前記最表層と前記基板との間に配置される導電層とを含み、
     前記最表層は、金属(M)、ホウ素(B)及び酸素(O)を含み、
     前記最表層は、X線光電子分光法で分析して得られるB1sのナロースペクトルが190eV以上195eV以下の結合エネルギーで最大ピークを有することを特徴とする反射型マスクブランク。
  9.  前記最表層におけるX線光電子分光法の検出深さは、約4~5nmであることを特徴とする、請求項8に記載の反射型マスクブランク。
  10.  前記最表層は、前記X線光電子分光法で分析して得られるB1sのナロースペクトルが185eV以上190eV未満の結合エネルギーでピークを有さないことを特徴とする、請求項8又は9に記載の反射型マスクブランク。
  11.  前記最表層のホウ素(B)含有量は、0.5~25原子%であることを特徴とする、請求項8又は9に記載の反射型マスクブランク。
  12.  前記導電層は、前記金属(M)と、ホウ素(B)とを含むことを特徴とする、請求項8又は9に記載の反射型マスクブランク。
  13.  前記導電層は、前記X線光電子分光法で分析して得られるB1sのナロースペクトルが185eV以上190eV未満の結合エネルギーで最大ピークを有することを特徴とする、請求項8又は9に記載の反射型マスクブランク。
  14.  前記金属(M)は、Ta、Cr、Pt、Au、Rh、Ru、Ir及びHfから選択される少なくとも1つである、請求項8又は9に記載の反射型マスクブランク。
  15.  二つの主表面を有する基板と、
     前記基板の一方の前記主表面の上に配置される導電膜と、
     前記基板の他方の前記主表面の上に配置される多層反射膜と、
     前記多層反射膜の上に配置される吸収体パターンと
    を含む反射型マスクであって、
     前記導電膜は、前記導電膜の前記基板とは反対側の最表面に配置される最表層と、前記最表層と前記基板との間に配置される導電層とを含み、
     前記最表層は、金属(M)、ホウ素(B)及び酸素(O)を含み、
     前記最表層は、X線光電子分光法で分析して得られるB1sのナロースペクトルが190eV以上195eV以下の結合エネルギーで最大ピークを有することを特徴とする反射型マスク。
  16.  前記最表層におけるX線光電子分光法の検出深さは、約4~5nmであることを特徴とする、請求項15に記載の反射型マスク。
  17.  前記最表層は、前記X線光電子分光法で分析して得られるB1sのナロースペクトルが185eV以上190eV未満の結合エネルギーでピークを有さないことを特徴とする、請求項15又は16に記載の反射型マスク。
  18.  前記最表層のホウ素(B)含有量は、0.5~25原子%であることを特徴とする、請求項15又は16に記載の反射型マスク。
  19.  前記導電層は、前記金属(M)と、ホウ素(B)とを含むことを特徴とする、請求項15又は16に記載の反射型マスク。
  20.  前記導電層は、前記X線光電子分光法で分析して得られるB1sのナロースペクトルが185eV以上190eV未満の結合エネルギーで最大ピークを有することを特徴とする、請求項15又は16に記載の反射型マスク。
  21.  前記金属(M)は、Ta、Cr、Pt、Au、Rh、Ru、Ir及びHfから選択される少なくとも1つである、請求項15又は16に記載の反射型マスク。
  22.  請求項15又は16に記載の反射型マスクを用いて、露光装置を使用したリソグラフィプロセスを行い、被転写体の上に転写パターンを形成する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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