WO2024070352A1 - 造形物の製造方法及び造形物の製造装置 - Google Patents

造形物の製造方法及び造形物の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】造形物の製造において、手間とコストを低減する。 【解決手段】立体的な造形物7を造形する造形物7の製造方法であって、ヘッド部2から液体貯留部5に貯留された液体6にインクを吐出する吐出工程と、液体6に吐出されたインクを紫外線硬化部4により硬化させる硬化工程と、を有する。

Description

造形物の製造方法及び造形物の製造装置
 本発明は、造形物の製造方法及び造形物の製造装置に関する。
 特許文献1は、モデル材とサポート材を造形台上に積層して造形物を造形する造形物の製造方法を開示する。モデル材で形成される複数の層において、上層側が下層側よりもオーバーハングする部分があると、重力による影響を受けやすい。特許文献1では、このオーバーハングする部分を、サポート材で支持している。
 特許文献2は、サポート材除去液を用いて、3Dプリンタで造形された造形物から、サポート材を除去する方法を開示する。
特開2021-146641号公報 特開2018-83869号公報
 造形物の製造において、サポート材の除去にかかる時間はロスとなる。サポート材を除去した廃液は、産業廃棄物処理が必要となり、手間とコストがかかる。
 そこで、造形物の製造において、手間とコストを低減することが求められている。
 本発明は、
 立体的な造形物を造形する造形物の製造方法であって、
 液体貯留部に貯留された液体にインクを吐出する吐出工程と、
 前記液体に吐出された前記インクを硬化させる硬化工程と、を有する。
 本発明によれば、サポート材を用いることなく、立体物の造形が可能である。そのため、造形物の製造において、サポート材の除去や、サポート材を除去した廃液の処理に関する手間やコストが低減される。また、モデル材のオーバーハング部分に掛かる重力の影響を低減できる。また、造形物の表面がサポート材の影響を受けないため、造形物の表面品質及び造形精度が向上する。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記吐出工程と前記硬化工程を繰り返して、前記液体内でインク層を積層する積層工程を有する。
 本発明によれば、上層側のインク層において、下層側のインク層よりもオーバーハングした部分に浮力が作用する。これにより、サポート材を用いることなく、モデル材のオーバーハング部分に掛かる重力の影響を低減できる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記インク層が形成される毎に、前記インク層と同じ体積分の前記液体を排出する排出工程を有する。
 本発明によれば、液体に到達するまでのインクの距離を一定に保つことができるので、液体に対するインクの着弾精度を維持できる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記インク層が形成される毎に、前記インク層の厚みと同じ高さ分の前記液体を供給する供給工程を有する。
 本発明によれば、予め液体貯留部に液体を溜めておく作業を省略できるため、段取り作業を少なくすることができる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記インクは、紫外線硬化性のインクである。
 本発明によれば、速やかにインクを硬化させることができるので、造形物の製造時間を短縮することができる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記インクは主剤となる材料を含有し、前記液体は硬化剤となる材料を含有し、前記インクに前記液体が混合することで前記インクが硬化する。
 本発明によれば、主剤となる材料と、硬化剤となる材料との組み合わせを変えることで、造形物に様々な性能を付加させることができる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記インクは、金属触媒成分を含有し、
 前記液体は、過酸化物成分を含有する。
 本発明によれば、透明性の高いアクリル系の樹脂から成る造形物を製造することができる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記インクは、エポキシ樹脂であり、
 前記液体は、アミン系硬化剤である。
 本発明によれば、耐食性、耐傷性の高いエポキシ系の樹脂から成る造形物を製造することができる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記インクは、白金触媒成分を含有し、
 前記液体は、ヒドロシリル基を有する架橋剤である。
 本発明によれば、人体への安全性の高いシリコーン系の樹脂から成る造形物を製造することができる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記インクは、光開始剤を含有し、
 前記液体は、反応基を含有し、
 前記液体が混合した前記インクに紫外線を照射することで前記インクが硬化する。
 本発明によれば、速やかにインクを硬化させることができるので、造形物の製造時間を短縮することができる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記インクは、熱硬化性のインクである。
 本発明によれば、耐熱性の高い造形物を製造することができる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記インクは、熱可塑性のインクである。
 本発明によれば、熱可塑性のインクは粘度が高いため安定して吐出できると共に、インクが液体内において広がることを低減できる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記インクを吐出する方法は、インクジェット法である。
 本発明によれば、造形物の表面がサポート材の影響を受けないため、インクジェット法の利点である細かな色彩表現、微細な造形表現を生かすことができる。
 本発明は、
 立体的な造形物を造形する造形物の製造装置であって、
 液体を保持する液体貯留部と、
 前記液体にインクを吐出する吐出部と、
 前記液体に吐出された前記インクを硬化させる硬化部と、を有する。
 本発明によれば、サポート材を用いることなく、モデル材のオーバーハング部分に掛かる重力の影響を低減できる。また、造形物の表面がサポート材の影響を受けないため、造形物の表面品質及び造形精度が向上する。
 本発明の一態様に係る造形物の製造装置において、
 前記液体貯留部から溢れた前記液体を回収する回収部を有する。
 本発明によれば、液体の液面と吐出部との距離を一定に保つことができるので、液体に対するインクの着弾精度を維持できる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造装置において、
 前記液体貯留部は、前記吐出部の下方に設けられた台の上面が開口する凹部を有し、前記液体は、前記凹部に貯留されている。
 本発明によれば、凹部が台に直接設けられているため、液体貯留部の位置は固定である。液体貯留部の位置決めをする必要がない分、段取り作業を少なくすることができる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造装置において、
 前記液体貯留部の振動を抑制する振動抑制機構を有する、
 本発明によれば、液体貯留部内の液体が振動することでインクの着弾位置がズレることを低減できる。また、造形物が振動することも低減できる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造装置において、
 前記吐出部はインクジェットヘッドである。
 本発明によれば、インクジェットヘッドからインクを吐出することで、細かな色彩表現、微細な造形が可能となる。
 本発明は、
 立体的な造形物を造形する造形物の製造方法であって、
 液体貯留部に貯留された液体にインクを吐出する吐出工程と、
 前記液体に吐出された前記インクを硬化させる硬化工程と、を有し、
 前記インクを、硬化前の比重が前記液体よりも軽く、硬化後の比重が前記液体よりも重くなる組成物で構成した。
 本発明によれば、硬化後のインクは自重により液体内に沈む。そのため、次に吐出されるインクは、液体の液面と同一平面上に着弾する。これにより、サポート材を用いることなく、モデル材の各層においてオーバーハング部分とオーバーラップ部分の積層方向の位置を揃えることができる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記硬化前のインクは、粘度が15mPa・s以上、30mPa・s以下である。
 本発明によれば、吐出されたインクが液体の液面上で広がることを低減できる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記液体は、チクソ性を発揮する材料を含む。
 本発明によれば、液面に着弾したインクの位置がズレることを低減できる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記造形物の造形に先立って、前記造形物を載置する台を、前記インクで形成する台形成工程を有する。
 本発明によれば、水平が確保された状態でインク層の積層ができる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記インクを吐出する方法は、インクジェット法である。
 本発明によれば、造形物の表面がサポート材の影響を受けないため、インクジェット法の利点である細かな色彩表現、微細な造形表現を生かすことができる。
 本発明は、
 立体的な造形物を造形する造形物の製造装置であって、
 液体を保持する液体貯留部と、
 前記液体にインクを吐出する吐出部と、
 前記液体に吐出された前記インクを硬化させる硬化部と、を有し、
 前記インクは、未硬化の状態における比重が前記液体よりも軽く、硬化した状態における比重が前記液体よりも重い組成物で構成される。
 本発明によれば、硬化後のインクは自重により液体内に沈む。そのため、次に吐出されるインクは、全面に亘って液体の液面と同一平面上に着弾する。これにより、サポート材を用いることなく、モデル材の各層においてオーバーハング部分とオーバーラップ部分の積層方向の位置を揃えることができる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造装置において、
 前記吐出部はインクジェットヘッドである。
 本発明によれば、インクジェットヘッドからインクを吐出することで、細かな色彩表現、微細な造形が可能となる。
 本発明は、
 液体貯留部に貯留された液体にインクを吐出する吐出工程と、前記液体に吐出された前記インクを硬化させてインク層を形成する硬化工程とを繰り返して、前記インク層を積層した造形物の製造方法であって、
 前記吐出工程は、
 前記吐出工程で吐出したインクの保持領域を形成する補助工程を、含み、
 前記保持領域は、硬化済みのインクから離れた位置に着弾したインクを着弾位置に保持する。
 本発明によれば、複数の領域に吐出されたインク同士の間隔がバラつくことを低減できるので、造形物の造形品質に及ぶ影響を抑えることができる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記支持領域は、前記造形物におけるオーバーハング領域である。
 本発明によれば、オーバーハング領域の造形精度が向上する。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記インクを吐出する方法は、インクジェット法である。
 本発明によれば、造形物の表面がサポート材の影響を受けないため、インクジェット法の利点である細かな色彩表現、微細な造形表現を生かすことができる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記保持領域は、前記液体貯留部の内周面に接続する。
 本発明によれば、液体貯留部内で造形物が動いたり、倒れたりすることを低減できる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記保持領域は、前記硬化済みのインクに接続する。
 本発明によれば、保持領域そのものの造形位置がバラつくことを低減できるので、複数の領域に吐出されたインク同士の間隔がバラつくことをより好適に低減できる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記補助工程は、硬化済みのインクから離れた位置にインクを吐出する吐出工程の一回前の吐出工程に含まれる。
 本発明によれば、硬化済みのインクから離れた位置に吐出されるインクは、一回前の吐出工程で形成された保持領域に積層されることで保持される。これにより、複数の領域に吐出されたインク同士の間隔がバラつくことを低減できる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造方法において、
 前記補助工程は、硬化済みのインクから離れた位置にインクを吐出する吐出工程に含まれる。
 本発明によれば、硬化済みのインクから離れた位置にインクは、保持領域と一体に形成されることで保持される。これにより、複数の領域に吐出されたインク同士の間隔がバラつくことを低減できる
 本発明は、
 液体を貯留する液体貯留部と、
 前記液体への吐出部からのインクの吐出と、吐出されたインクの硬化部による硬化を制御する制御部と、を有し、
 前記液体へのインクの吐出と、前記液体に吐出された前記インクの硬化を繰り返して、
硬化したインクの積層体である造形物を造形する造形物の製造装置であって、
 前記制御部は、
 硬化済みのインクから離れた位置に着弾したインクを着弾位置に保持する保持領域を、前記吐出部から吐出したインクの硬化により形成する。
 本発明によれば、複数の領域に吐出されたインク同士の間隔がバラつくことを低減できるので、造形物の造形品質に及ぶ影響を抑えることができる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造装置において、
 前記制御部は、前記保持領域を、前記液体貯留部の内周面に接続して形成する。
 本発明によれば、液体貯留部内で造形物が動いたり、倒れたりすることを低減できる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造装置において、
 前記制御部は、前記保持領域を、前記硬化済みのインクに接続して形成する。
 本発明によれば、保持領域そのものの造形位置がバラつくことを低減できるので、複数の領域に吐出されたインク同士の間隔がバラつくことをより好適に低減できる。
 本発明の一態様に係る造形物の製造装置において、
 前記吐出部はインクジェットヘッドである。
 本発明によれば、インクジェットヘッドからインクを吐出することで、細かな色彩表現、微細な造形が可能となる。
 本発明によれば、造形物の造形において、手間とコストを低減することができる。
造形物の製造装置を説明する図である。 液体貯留部を説明する図である。 液体貯留部を説明する図である。 造形物のスライスデータを説明する図である。 造形物の製造方法を説明する図である。 造形物の製造方法を説明する図である。 造形物の製造方法を説明する図である。 変形例1に係る造形物の製造装置を説明する図である。 変形例2に係る造形物の製造装置を説明する図である。 変形例3に係る造形物の製造装置を説明する図である。 変形例4に係る造形物の製造装置を説明する図である。 変形例4に係る造形物のスライスデータを説明する図である。 変形例4に係る造形物の製造方法を説明する図である。 変形例4に係る造形物の製造方法を説明する図である。 変形例5に係る造形物の製造方法を説明する図である。 変形例6に係る造形物を説明する図である。 変形例6に係る造形物のスライスデータを説明する図である。 変形例6に係る造形物の製造方法を説明する図である。 変形例7に係る造形物の製造方法を説明する図である。 変形例8に係る造形物の製造方法を説明する図である。
 以下、立体的な造形物7をインクジェット法により製造する製造装置1を例に挙げて説明する。
 図1は、製造装置1を説明する図である。図1の(a)は、製造装置1の概略構成図である。図1の(b)は、ローラユニット3を説明する図である。図1の(b)は、図1の(a)のA領域の拡大図である。
 図2は、液体貯留部5を説明する図である。図2は、図1の(a)のB-B矢視図である。
 図3は、液体貯留部5を説明する斜視図である。
 なお、以降の説明において、「Y方向」は、製造装置1の主走査方向を意味する。主走査方向は、製造装置1を正面から見た左右方向である。「X方向」は、副走査方向を意味する。副走査方向は、主走査方向に直交する方向であり、製造装置1の正面側から奥側に向かう方向である。「Z方向」は、製造装置1を水平面に置いた場合の鉛直線方向を意味する。また、「Y1側」は、製造装置1を正面から見て、Y方向における一方側(図1の(a)の左側)を意味し、「Y2側」は他方側(図1の(a)の右側)を意味する。「X1側」は、製造装置1の正面側(図2の下側)を意味し、「X2側」は奥側(図2の上側)を意味する。
 図1の(a)に示すように、製造装置1は、テーブル11と、テーブル11の上方でY方向に移動可能に配置されたキャリッジ12と、製造装置1を制御する制御装置13と、を有している。テーブル11には、造形物7の製造を行う際に用いられる液体貯留部5が載置されている。
 テーブル11の上方には、Y方向に沿って配置されたガイドレール15が設けられている。ガイドレール15は、キャリッジ12のY方向の移動をガイドする。
 Y方向におけるガイドレール15の両端は、ガイドレール16、16で支持されている。ガイドレール16、16は、X方向に沿って配置されている。ガイドレール16、16は、製造装置1の本体フレーム10、10にそれぞれ固定されている。ガイドレール16、16は、ガイドレール15及びキャリッジ12のX方向の移動をガイドする。
 製造装置1は、キャリッジ12をY方向に移動させる移動機構を有している。図示は省略するが、移動機構は、Y方向に沿う向きに設けられたベルトと、ベルトが掛けまわされた駆動プーリおよび従動プーリと、駆動プーリを回転させるモータと、を備える。キャリッジ12はベルトに固定されている。制御装置13からの指令に基づいて、モータを駆動させてベルトを周回させることで、キャリッジ12はガイドレール15に沿ってY方向に移動する。
 また、製造装置1は、ガイドレール15をX方向に移動させる送り機構を有している。図示は省略するが、送り機構は、X方向に沿う向きに設けられたベルトと、ベルトが掛けまわされた駆動プーリおよび従動プーリと、駆動プーリを回転させるモータと、を備える。ガイドレール15はベルトに固定されている。制御装置13からの指令に基づいて、モータを駆動させてベルトを周回させることで、ガイドレール15は、ガイドレール16、16に沿って、キャリッジ12と共にX方向に移動する。
 キャリッジ12には、ヘッド部2(吐出部)と、ローラユニット3と、紫外線照射部4(硬化部)と、が搭載されている。
 ヘッド部2は、インクジェットヘッドでありインクを吐出する。本実施形態では、紫外線硬化性のインクを用いる場合を例示する。ローラユニット3は、ヘッド部2から吐出されたインクを平坦化する。紫外線照射部4は、紫外線UVを照射してインクを硬化させる。
 ローラユニット3と紫外線照射部4は、Y方向においてヘッド部2の一方側と他方側にそれぞれ設けられている。Y方向において、ローラユニット3、3は、紫外線照射部4、4よりもヘッド部2に近い位置に配置されている。
 ヘッド部2は、モデル材用のインクとして、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)のインクをそれぞれ吐出する着色用のヘッド21Y、21M、21C、21Kと、W(ホワイト)のインクを吐出する白色用のヘッド21Wと、着色成分を含まない透明なインクを吐出するクリア用のヘッド21Tと、を有している。キャリッジ12には、これらヘッド21(21Y、21M、21C、21K、21W、21T)と、ローラユニット3、3と、紫外線照射部4、4とが、Y方向に並んで設けられている。図面では、符号21Y、21M、21C、21K、21W、21Tについては、末尾の「Y、M、C、K、W、T」のみを図示している。
 なお、本実施形態では、インクの粘度は、インクの温度が45℃において、15mPa・s以上、30mPa・s以下に設定されている。また、インクは、後記する液体6との比重が、硬化前は1.04g/cm3以上、1.12g/cm3以下となるように設定されることが好ましく、硬化後は1.12g/cm3以上、1.20g/cm3以下となるように設定されることが好ましい。
 なお、図示は省略するが、ヘッド21(21Y、21M、21C、21K、21W、21T)の各ノズル面は、キャリッジ12の底面12aからキャリッジ12の外部に露出している。各ノズル面にはX方向に沿って複数のノズル孔が設けられている。各色のインクは、ノズル孔からテーブル11に向けて吐出される。
 紫外線照射部4は、ヘッド部2から吐出されたインクに紫外線UVを照射する。紫外線UVの光源としてはメタルハライドランプや紫外線LEDが用いられる。
 図1の(b)に示すように、ローラユニット3は、ローラ部30と、調整部31(調整機構)と、クリーニング部35と、を有する。ローラ部30は、吐出されたインクの高さを揃えて平坦化する。調整部31は、ローラ部30とインクとの接触圧を調整する。クリーニング部35は、ローラ部30に付着したインクを除去する。
 ローラ部30は、X方向に沿う向きに設けられたシャフト302と、シャフト302に外嵌されて、シャフト302と一体に回転するローラ301と、を有する。ローラ301の外周面301aは、軸線Xaに平行である。ローラ301の外周面301aは、軸線Xaよりも下側の領域が、キャリッジ12の底面12aに設けられた開口部12bから、テーブル11側に突出している。シャフト302には、図示しないモータが接続されており、制御装置13からの指令に基づいてモータが動作すると、ローラ301と共に軸線Xa回りに回転する(図中、矢印a方向または矢印b方向)。
 調整部31は、キャリッジ12の紙面奥側の壁部に固定されたモータMと、モータMとシャフト302とに跨って設けられたアーム部32と、を有する。
 モータMの駆動軸Maは、X方向に沿う向きに設けられている。シャフト302から見て、モータMの駆動軸Maは、ローラ301よりも上側に設けられている。また、シャフト302から見て、モータMの駆動軸Maは、ヘッド部2と反対側に設けられている。
 アーム部32は、他端32b側でモータMの駆動軸Maに相対回転不能に連結されている。また、アーム部32は、一端32a側でシャフト302を相対回転可能に支持している。
 調整部31は、アーム部32の一端32a側でローラ部30を支持しつつ、制御装置13からの指令に基づいてモータMを駆動して、アーム部32を軸線Xb回りに回動する(図中、矢印U方向または矢印D方向)。これにより、ローラ301のキャリッジ12の底面12aからの突出量haが調整される。
 クリーニング部35は、ワイパ351と、トレイ352と、を有している。ワイパ351とトレイ352は、軸線Xaの径方向に沿う向きに設けられている。軸線Xaの径方向内側から外側に向かって、ローラ301、ワイパ351及びトレイ352は、この順番で並んでいる。
 クリーニング部35は、ワイパ351でローラ301の外周面301aに付着したインクを除去すると共に、除去したインクをトレイ352で回収する。トレイ352には図示しないドレンホースが接続されている。トレイ352で回収されたインクはドレンホースから排出される。
 図1の(a)に示すように、キャリッジ12の下方には、液体貯留部5が設けられている。液体貯留部5は、テーブル11に載置されている。液体貯留部5は、上部が開口した槽体であり、内部が液体6で満たされている。液体貯留部5内において、造形物7は、液体6に浸漬されている。
 図1の(a)に示すように、液体貯留部5は、テーブル11の上面11aと接する底壁部50と、底壁部50の外周を囲む周壁部55と、を有する。周壁部55は、底壁部50からZ方向上向きに延びている。
 図2に示すように、周壁部55は、平面視において矩形形状を成している。
 具体的には、周壁部55は、造形物7を囲む第1周壁部51と、第1周壁部51を囲む第2周壁部52と、から構成される。図2では見やすくするために、第1周壁部51と第2周壁部52にクロスハッチングを付してある。
 第1周壁部51は、X方向に沿う向きに設けられた壁部511、512と、Y方向に沿う向きに設けられると共に、壁部511、512の端部同士を接続する壁部513、514とから構成される。
 第2周壁部51は、X方向に沿う向きに設けられた壁部521、522と、Y方向に沿う向きに設けられると共に、壁部521、522の端部同士を接続する壁部523、524とから構成される。第2周壁部52の壁部521~524は、第1周壁部51の壁部511~514と隙間CLを空けてそれぞれ平行に設けられている。
 図1の(a)に示すように、液体貯留部5は、第1周壁部51の内側の空間Raと、第1周壁部51と第2周壁部52との間の空間Rbと、を有する。空間Raには、液体6が貯留される。空間Rbは、空間Raから溢れた液体6を回収する。
 図2、図3に示すように、第2周壁部52の壁部521には、当該壁部521をY方向に貫通するドレンホース53が接続されている。ドレンホース53は、空間Rbに連絡している。空間Raから溢れた液体6は、空間Rbで回収されたのちドレンホース53から外部へ排出される。すなわち、空間Rb及びドレンホース53は、空間Raから溢れた液体6を回収する回収部を構成する。
 図2に示すように、テーブル11には、位置決めピンPx、Pyが設けられている。位置決めピンPx、Pyは、テーブル11の上面11aからZ方向上向きに突出している(図1の(a)参照)。
 図2に示すように、液体貯留部5は、第2周壁部52の壁部522をY2方向で位置決めピンPyに当接させ、壁部524をX2方向で位置決めピンPxに当接させることで、テーブル11上の所定の位置に液体貯留部5を配置できるようになっている。
 これにより、Z方向から見て、予め設定されたインクの吐出領域(造形物7が形成される領域)に、液体貯留部5の空間Raが位置するようになっている。
 図3に示すように、液体貯留部5の第1周壁部51の内側は、液体6で満たされている。図1の(a)に示すように、液体6の液面60は、第1周壁部51の上面51aと面一である。この状態において、造形物7は、第1周壁部51の内側の空間Ra内で液体6内に浸漬している。
 液体6は、当該液体6内の造形物7がインクの着弾直後など短期的には動かない一方で、インク層を積層するために最終的にはZ方向に動く(沈む)粘度を有することが好ましい。
 具体的には、液体6の粘度は、0Pa・sより大きく、100Pa・s以下が好ましく、とくに、0Pa・sより大きく、1Pa・s以下の範囲が好ましい。
 そこで、本実施形態に係る液体6は、ポリビニルアルコール(PVA)と、ホウ砂と、水とを有するものとしており、上記の範囲に含まれる所定の粘度を有している。また、液体6は、水と小麦粉や大豆粉、片栗粉とを混ぜたものや、樹脂材料(モノマーやオリゴマー)に充填材を混ぜたものでもよい。
 図4は、造形物7のスライスデータを説明する図である。図4の(a)は、図3のY方向に沿う面Aで造形物7を切断した断面の模式図である。図4の(b)は、製造装置1で造形物7を作成する際の3次元データであって、図4の(a)に示す断面に対応するスライスデータである。
 図4の(a)に示すように、造形物7は、中実部70と、中実部70を覆う着色部71と、を有する。また、造形物7と液体貯留部5の底壁部50との間には、吐出台72が介在している。吐出台72は、製造途中の造形物7に浮力を均一に作用させるための平板である。吐出台72は、造形物7の一部としても良いし、造形物7の製造後にカットしてもよい。
 中実部70は、造形物7の中心領域であり、造形物7の形状に対応した外形で形成される。中実部70は、例えばホワイト(W)のインクで形成される。
 着色部71及び吐出台72は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)などの着色されたインクの硬化により形成される領域である。着色部71は、中実部70の表面を全面に亘って覆っている。着色部71には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)などのインクが、実現したい色に応じて決まる所定の割合で含まれており、造形物7の表面には、この着色部71が呈する色が現れる。
 なお、着色部71に用いるインクは、上記したY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)などのインクに限定されるものではない。クリア(T)のインクや、ホワイト(W)のインクが含まれていても良い。また、R(レッド)のインク、G(グリーン)のインク及びB(ブルー)のインクが含まれていても良い。
 図4の(a)に示すように、製造装置1では、造形物7をZ方向に等間隔でスライス(区画)して、N個のインク層(L1~Ln:nは任意の整数)を設定する。液体貯留部5の底壁部50側のインク層L1から、液体6の液面60側のインク層Lnまで順番にインク層を積層することで、造形物7を作成する。
 図4の(b)に示すように、インク層L1には、吐出台72が形成される。インク層L2及びインク層Lnには、着色部71が形成される。インク層L3~インク層Ln-1には、中実部70及び着色部71が形成される。
 図4の(a)に示すように、本実施形態に係る造形物7は、造形物7の中心Cを通る水平線HLよりも下側の領域のインク層(L1~La)において、Z方向下側から上側に向かうにつれてX方向及びY方向に広がりを持って形成されている(例えばインク層L1から見たインク層L2、またはインク層L2から見たインク層L3)。そのため、造形物7は、上層側が下層側よりもオーバーハングする部分を有している。本実施形態に係る造形物7は、オーバーハングした部分に、液体6の浮力Fを作用させることで、従来のサポート材を用いることなく、重力による影響を低減している。
 以下、製造装置1による造形物7の製造方法を説明する。
 以下、造形物7の製造方法として、図4の(b)に示すインク層L1~インク層L3を形成する場合を例に挙げて説明する。
 図5~図7は、図4の(b)に示すスライスデータに基づいて、インク層L1~インク層L3の形成を順番に説明する図である。なお、図5~図7では、インク層L1~インク層L3のうち、未硬化領域にクロスハッチングを付し、硬化領域にハッチングを付している。また、造形物7の各部における未硬化領域は、符号に「’」をつけて表記する。
 インク層の積層は、液体6の浮力を均一に作用させるために、水平面上で行うことが好ましい。本実施形態では、水平面を確保するために、最下層であるインク層L1として吐出台72を設けている(図4の(b)参照)。すなわち、吐出台72の形成は、造形物7の造形に先立って行われる(台形成工程)。なお、本実施形態では、オーバーハングを説明するために、吐出台72の面積をインク層L2の面積よりも小さくしているが、吐出台72の面積はインク層L2と同じ面積であっても良いし、大きくてもよい。
<インク層L1の形成>
 図5は、インク層L1の形成を説明する図である。図5の(a)は、ローラユニット3によるインクの平坦化を説明する図である。図5の(b)は、硬化後のインク層L1を説明する図である。
 図5の(a)に示すように、造形物7の製造は、予め液体貯留部5の空間Raを液体6で満たした状態で行われる。液体6の液面60は、液体貯留部5の第1周壁部51の上面51aと面一である。なお、液体6の供給は、作業者が手動で行ってもよいし、後記する供給部8(図11参照)などを用いても良い。
 図5の(a)に示すように、製造装置1は、キャリッジ12をY1方向(図中、黒矢印方向)に移動させながら、ヘッド部2から液体6に向けてインクを吐出する(吐出工程)。液体6の液面60には、未硬化のインクが着弾する。
 前記した通り、液体6の粘度は、0Pa・sより大きく、100Pa・s以下に設定されている。具体的には、インクの粘度は、インクの温度が45℃において、15mPa・s以上、30mPa・s以下となるように設定されている。そして、インクと液体6との比重は、インク硬化前は1.04g/cm3以上、1.12g/cm3以下に設定され、インク硬化後は1.12g/cm3以上、1.20g/cm3以下となるように設定されている。
 従って、液面60に着弾したインクは、液面60上で拡散することなく、X、Y方向における所定の着弾位置で保持される。また、未硬化のインクは、液体6のよりも比重が軽い。そのため、未硬化のインクで構成される吐出台72’の下面72b’には液体6から浮力Fが作用する(図中、ハッチング矢印)。従って、吐出台72’は、液面60上で浮かんだ状態となる。
 また、製造装置1は、キャリッジ12をY1方向に移動させながら、ローラユニット3で吐出台72’の平坦化を行う(平坦化工程)。
 具体的には、図5の拡大領域に示すように、ローラ301を軸線Xa回りに回転させながら、外周面301aを吐出台72’に接触させて、吐出台72’の上部をかき取る。これにより、ローラ部30の通過後の吐出台72’の上面72a’は、X、Y方向に沿う水平面となる。
 本実施形態では、ローラ301の回転方向を、キャリッジ12の移動方向(Y1方向)に沿った向きになるように回転させている(矢印a方向)。これにより、吐出台72’の上面72a’の平滑性を向上させることができる。
 なお、ローラ301の回転方向を、キャリッジ12の移動方向(Y1方向)と反対向きになるように回転させてもよい(矢印b方向;図1の(b)参照)。この場合、吐出台72’を構成するインクの混ざりは少ないものとなる。
 ここで、液面60上に浮かんだ吐出台72’は、ローラ301との接触により押されて、位置がズレてしまうことが起こりうる。そこで、調整部31を操作して、Z方向におけるローラ301の吐出台72’への食い込み量Δhを調整することで、ローラ301と吐出台72’との接触圧を調整できるようになっている。
 なお、接触圧は、ローラ部30を駆動するモータにセンサを設けて、ローラ301でインクをかき取る際に、モータにかかる負荷トルクを測定する方法などが挙げられる。
 例えば、ローラ部30によって吐出台72’が液面60上を動いてしまう場合、接触圧を下げて対応することが考えられる。この場合、食い込み量Δhを少なくすればよい。具体的には、調整部31のモータMを駆動して、アーム部32を軸線Xb回りの上側(矢印U方向)に回動させることで、キャリッジ12の底面12aからのローラ301の突出量haを少なくする。これにより、食い込み量Δhが少なくなって、接触圧を下げた状態でインクをかき取ることができるため、液面60上で吐出台72’が動いてしまうことを低減できる。
 なお、食い込み量Δhを減らした分だけ、吐出台72’が所定の厚みとなるまでパス数を増やしてインクをかき取ればよい。この場合、パスごとにアーム部32を軸線Xb回りの下側(矢印D方向)に少しずつ変位させればよい。
 一方、液体6の粘度を高めて、吐出台72’を液面60上で動きにくくした場合、食い込み量Δhを増やして、接触圧を上げることができる。具体的には、モータMを駆動して、アーム部32を軸線Xb回りの下側(矢印D方向)に回動させることで、ローラ部30のキャリッジ12の底面12aからの突出量haが多くなる。これにより、食い込み量Δhが増すため、吐出台72’の平坦化にかかる時間を短縮できる。
 ローラ301でかき取られたインクは、外周面301aに付着した状態で、ローラ301の回転に合わせて軸線Xa周りの周方向に移動する。外周面301aは、軸線Xa周りの周方向において、吐出台72’より下流側に、クリーニング部35のワイパ351が当接している。そのため、ローラ301の外周面301aに付着したインクは、ワイパ351によってローラ301から分離されたのち、トレイ352に回収される。
 また、製造装置1は、キャリッジ12をY1方向に移動させながら、平坦化が完了した吐出台72’に紫外線照射部4から紫外線UVを照射する(硬化工程)。これにより、インク層L1として、硬化後のインクで構成される吐出台72が形成される。
 そして、硬化後のインクは液体6よりも比重が大きくなるように設定されている。従って、硬化後のインクは、液体6内に沈む。
 具体的には、図5の(b)に示すように、硬化後の吐出台72は、X、Y方向の位置が保持された状態で、自重によりZ方向下側に沈む(図中、白抜き矢印)。この場合において、吐出台72は、上面72aが液面60と面一(同一平面)となる位置で、浮力Fと釣り合うようになっている。
 なお、吐出台72の形成後に、キャリッジ12をY2方向に移動させて、ローラユニット3で吐出台72を液体6に押し込むことで上面72aと液面60とを面一としてもよい。
 これにより、吐出台72の自重では沈みにくい高粘度の液体6を用いることができ、吐出台72は、より位置ズレしにくくなる。また、液面60も平坦化されるため、次のインク層L2の形成する精度も向上する。
 そして、インク層L1(吐出台72)が液体6内に沈んだ体積分だけ、液体貯留部5の空間Ra内からは、液体61が溢れる。これにより、液体6の液面60は、液体貯留部5の第1周壁部51の上面51aと面一の状態が維持される。これにより、Z方向におけるヘッド部2と液体6の液面60との距離tを一定に保つことができるので、吐出工程によるインクの着弾精度を維持できる。
 図1の(a)に示すように、空間Raから溢れた液体61は、液体貯留部5の空間Rbに貯留され、最終的にドレンホース53を通って、外部に排出される(排出工程)。
 なお、排出された液体6は、廃棄しても良いし、再利用しても良い。
<インク層L2の形成>
 図6は、インク層L2の形成を説明する図である。図6の(a)は、インクの吐出を説明する図である。図6の(b)は、インク層L2を説明する図である。
 図6の(a)に示すように、製造装置1は、キャリッジ12をY2方向に移動させながら、ヘッド部2から液体6に向けてインクを吐出する(図中、黒矢印)。
 図4の(b)に示すように、インク層L2の着色部71は、吐出台72よりも広い面積を有しており、Y方向で吐出台72を横切る範囲に設けられている。よって、図6の(a)に示すように、ヘッド部2から吐出されたインクは、同一平面上に設けられた吐出台72の上面72aと液体6の液面60とを跨ぐ範囲に着弾する。
 そのため、図6の(a)に示すように、着色部71’は、吐出台72よりもY方向に張り出したオーバーハング領域W1、W1と、吐出台72と重なるオーバーラップ領域W2と、を有している。着色部71’の下面71b’は、オーバーハング領域W1、W1が液体6の液面60に接し、オーバーラップ領域W2が吐出台72の上面72aに接している。
 すなわち、着色部71’のオーバーハング領域W1、W1は、オーバーラップ領域W2とZ方向の位置が揃ったものとなる。
 着色部71’の下面71b’のうちのオーバーハング領域W1、W1には液体6から浮力Fが作用する(図中、ハッチング矢印)。着色部71’の下面71b’のオーバーラップ領域W2は、吐出台72で支持される。従って、着色部71’は、Y方向における全長に亘って、液面60に平行な状態(水平状態)が維持される。
 そして、製造装置1は、オーバーハング領域W1、W1に浮力が作用した状態で、さらにキャリッジ12をY2方向に移動させて、ローラユニット3による着色部71’の平坦化と、紫外線照射部4による着色部71’の硬化を行う。これにより、インク層L2として、硬化後のインクで形成される着色部71が形成される。
 図6の(b)に示すように、硬化後の着色部71は、X、Y方向の位置が保持された状態で、自重によりZ方向下側に沈む(図中、白抜き矢印)。この場合において、着色部71及び吐出台72は、上面71aが液面60と面一となる位置で、浮力Fと釣り合うようになっている。インク層L1とインク層L2は、液体6内で水平を保った状態で積層される(積層工程)。
 そして、インク層L2(着色部71)が液体6内に沈んだ体積分だけ、液体貯留部5の空間Ra内からは、液体61が溢れる。これにより、液体6の液面60は、液体貯留部5の第1周壁部51の上面51aと面一の状態が維持される。
<インク層L3の形成>
 図7は、インク層L3の形成を説明する図である。図7の(a)は、インクの吐出を説明する図である。図7の(b)は、インク層L3を説明する図である。
 図7の(a)に示すように、製造装置1は、キャリッジ12をY1方向に移動させながら、ヘッド部2から液体6に向けてインクを吐出する(図中、黒矢印)。
 図4の(b)に示すように、インク層L3は、インク層L2よりも広い面積を有しており、Y方向でインク層L2を横切る範囲に設けられている。具体的には、インク層L3の中実部70はインク層L2の着色部31と略整合する面積を有する。インク層L3の着色部71は中実部70の外周に設けられており、インク層L2の着色部71よりもY方向に張り出している。
 よって、図7の(a)に示すように、ヘッド部2から吐出されたインクは、インク層L2の着色部71の上面71aと、液体6の液面60とを跨ぐ範囲に着弾する。そのため、着色部71’がインク層L2の着色部71よりもY方向にオーバーハングする。着色部71’の下面71b’は、液体6の液面60に接している。中実部70’の下面70b’は、インク層L2の着色部71の上面71aに接している。
 着色部71’の下面71b’には液体6から浮力Fが作用する(図中、ハッチング矢印)。中実部70’の下面70b’は、インク層L2の着色部71で支持される。従って、中実部70’及び着色部71’は、Y方向における全長に亘って、液面60に平行な状態が維持される。
 そして、製造装置1は、さらにキャリッジ12をY2方向に移動させて、ローラユニット3による中実部70’及び着色部71’の平坦化と、紫外線照射部4による中実部70’及び着色部71’の硬化を行う。これにより、インク層L3として、硬化後のインクで形成される中実部70及び着色部71が形成される。
 図7の(b)に示すように、硬化後の中実部70及び着色部71は、X、Y方向の位置が保持された状態で、自重によりZ方向下側に沈む(図中、白抜き矢印)。この場合において、中実部70及び着色部71は、上面70a、71aが液面60と面一となる位置で、浮力Fと釣り合うようになっている。インク層L1~L3は、液体6内で水平を保った状態で積層される。
 そして、インク層L3(中実部70及び着色部71)が液体6内に沈んだ体積分だけ、液体貯留部5の空間Ra内からは、液体61が溢れる。これにより、液体6の液面60は、液体貯留部5の第1周壁部51の上面51aと面一の状態が維持される。
 以下同様にして、ヘッド部2から液体6に向けてインクを吐出する吐出工程と、ローラユニット3でインクを平坦化する平坦化工程と、紫外線照射部4でインクを硬化させる硬化工程と、を繰り返して、インク層L4~Lnを形成する。これにより、液体6内でインク層が順番に積層されて、造形物7が製造される(図4の(b)参照)。
 このように、本実施形態に係る造形物7の製造方法では、液体6に向けてインクを吐出することで、サポート材に代えて液体6の浮力を利用することができる。
 ここで、従来のサポート材を用いて造形物7を製造する場合、インクが硬化する前に、サポート材用のインクと着色部71用のインクとが、界面で混ざり合う。これにより、着色部71の表面がざらついて、造形物7の表面の品質、造形精度が悪化することがある。
 これに対して、本実施形態に係る造形物7の製造方法では、造形物7の着色部71の表面が液体6に接している(図4の(b)参照)。前記した通り、液体6はポリビニルアルコール(PVA)と、ホウ砂と、水とを有する。そのため、液体6は、着色部71との界面での混ざり合いは生じにくい。そのため、従来のサポート材を用いる場合よりも着色部71の表面の品質、造形精度に影響を及ぼしにくい。
 よって、インクジェット法の利点である造形物の細かな色彩表現、微細な造形表現を生かすことができる。
 以上の通り、本実施形態に係る造形物7の製造方法は、以下の工程を有している。
(1)造形物7の製造方法は、立体的な造形物7を造形する。
 造形物7の製造方法は、
 ヘッド部2から液体貯留部5に貯留された液体6にインクを吐出する吐出工程と、
 液体6に吐出されたインクを紫外線硬化部4により硬化させる硬化工程と、を有する。
 本実施形態の製造方法では、サポート材を用いることなく、立体物の造形が可能である。よって、造形物7の製造において、サポート材の除去や、サポート材を除去した廃液の処理に関する手間やコストが低減される。また、造形物7のオーバーハング部分に掛かる重力の影響を低減することができる。さらに、従来のサポート材を用いる場合と比較して、液体6は、着色部71との界面での混ざり合いは生じにくい。そのため、サポート材よりも造形物7の表面に影響を及ぼしにくいため、造形物7の着色部71の表面品質及び造形精度が向上する。
(2)造形物7の製造方法は、吐出工程と硬化工程を繰り返して、液体6内でインク層L1~Lnを積層する積層工程を有する。
 このように造形物7を製造すると、例えばインク層L1、L2の関係において、上層側のインク層L2は、下層側のインク層L1から張り出したオーバーハング領域W1、W1を有する。
 インク層L2におけるオーバーハング領域W1、W1には、液体6から浮力Fが作用する。これにより、オーバーハング領域W1、W1に掛かる重力の影響を低減できる。
(3)造形物7の製造方法は、インク層L1~Lnが形成される毎に、形成されたインク層と同じ体積分の液体61を排出する排出工程を有する。
 本実施形態の製造方法では、ヘッド部2と液体6の液面60との距離tを一定に保つことができるので、吐出工程によるインクの着弾精度を維持できる。
(5)インクは、紫外線硬化性のインクを用いることができる。
 紫外線硬化性のインクを用いることで、、インクを速やかに硬化させることができるので、造形物7の製造時間を短縮することができる。
(13)インクを吐出する方法は、インクジェット法とすることができる。
 インク層を液体6内で積層することで、造形物7の着色部1の表面は、サポート材を用いたものよりも表面品質及び造形精度が向上している。そのため、インクジェット法を用いることで、インクジェット法の利点である細かな色彩表現、微細な造形表現を生かすことができる。
 本実施形態に係る造形物7の製造装置1は、以下の構成を有している。
(14)製造装置1は、立体的な造形物7を造形する。
 製造装置1は、液体6を保持する液体貯留部5と、
 液体6にインクを吐出するヘッド部2(吐出部)と、
 液体6に吐出されたインクを硬化させる紫外線照射部4(硬化部)と、を有する。
 このように構成すると、サポート材を用いることなく、造形物7のオーバーハング部分に掛かる重力の影響を低減することができる。また、液体6は、サポート材よりも造形物7の表面に影響を及ぼしにくいため、造形物7の着色部71の表面品質及び造形精度が向
上する。
(15)製造装置1は、液体貯留部5の空間Raから溢れた液体61を回収する第2周壁部52及びドレンホース53(回収部)を有する。
 このように構成すると、ヘッド部2と、液体6の液面60との距離tを一定に保つことができるので、液体6に対するインクの着弾精度を維持できる。
(18)ヘッド部2はインクジェットヘッドとすることができる。
 インクジェットヘッドからインクを吐出することで、細かな色彩表現、微細な造形が可能となる。
 また、本実施形態に係る造形物7の製造方法は、以下の工程を有している。
(I)造形物7の製造方法は、立体的な造形物7を造形する。
 造形物7の製造方法は、
 ヘッド部2から液体貯留部5に貯留された液体6にインクを吐出する吐出工程と、
 液体6に吐出されたインクを紫外線硬化部4により硬化させる硬化工程と、を有し、
 インクを、硬化前の比重が液体6よりも軽く、硬化後の比重が液体6よりも重くなる組成物で構成した。
 このように造形物7を製造すると、例えば図5の(b)に示すように、硬化後のインク(吐出台72)は、自重により液体6内に沈む。そのため、図6の(a)に示すように、次に吐出されるインク(着色部71’)では、オーバーハング領域W1、W1及びオーバーラップ領域W2が、同一平面である液体6の液面60と吐出台72の上面72aに着弾する。
 よって、サポート材を用いることなく、インク層L2において、着色部71のオーバーハング領域W1、W1とオーバーラップ領域W2のZ方向(積層方向)の位置を揃えることができる。インク層L3~Lnも同様である。
(II)硬化前のインクは、粘度が15mPa・s以上、30mPa・s以下とすることができる。
 インクをこのように構成すると、吐出されたインクが液体6の液面60上で広がることを低減できる。
(IV)造形物7の製造方法は、造形物7の造形に先立って、造形物7を載置する台である吐出台72を、インクで形成する台形成工程を有する。
 インク層L1として吐出台72を形成することで、水平が確保された状態で、造形物7を構成するインク層L2~Lnの積層ができる。
(V)インクを吐出する方法は、インクジェット法とすることができる。
 インク層を液体6内で積層することで、造形物7の着色部1の表面は、サポート材を用いたものよりも表面品質及び造形精度が向上している。そのため、インクジェット法を用いることで、インクジェット法の利点である細かな色彩表現、微細な造形表現を生かすことができる。
 本実施形態に係る造形物7の製造装置1は、以下の構成を有している。
(VI)製造装置1は、立体的な造形物7を造形する。
 製造装置1は、液体6を保持する液体貯留部5と、
 液体6にインクを吐出するヘッド部2(吐出部)と、
 液体6に吐出されたインクを硬化させる紫外線照射部4(硬化部)と、を有し、
 インクは、未硬化の状態における比重が液体6よりも軽く、硬化した状態における比重が液体6よりも重い組成物で構成される。
 このように構成すると、例えば図5の(b)に示すように、硬化後のインク(吐出台72)は、自重により液体6内に沈む。そのため、図6の(a)に示すように、次に吐出されるインク(着色部71’)では、オーバーハング領域W1、W1及びオーバーラップ領域W2が、同一平面である液体6の液面60と吐出台72の上面72aに着弾する。
 よって、サポート材を用いることなく、インク層L2において、着色部71のオーバーハング領域W1、W1とオーバーラップ領域W2のZ方向(積層方向)の位置を揃えることができる。インク層L3~Lnも同様である。
(VII)ヘッド部2はインクジェットヘッドとすることができる。
 インクジェットヘッドからインクを吐出することで、細かな色彩表現、微細な造形が可能となる。
 なお、本実施形態では、吐出工程と、平坦化工程と、硬化工程とを1回のパスの中で行う場合を例示したが、これに限定されない。これらの工程は、複数回のパスに分けてもよい。例えば、1パス目を吐出工程とし、2パス目を平坦化工程とし、3パス目を硬化工程としてもよい。
 また、本実施形態では、造形物7の造形に先立って、水平を確保するために吐出台72を形成しているが、本発明は、この態様に限定されない。例えば、造形物7の造形に先立って、ローラユニット3で液体6の液面60を平坦化することで水平を確保してもよい。この場合、吐出台72を形成することなく、水平となった液面60上に直接インク層L2の着色部71(図4の(b)参照)を形成することができる。また、ローラユニット3とは別のローラ、またはスクレーパをキャリッジ12に設けて、これらローラまたはスクレーパで液体6の液面60を水平にしてもよい。
 また、図5の(a)に示すように、本実施形態では、ローラユニット3による平坦化において、ローラ部30の突出量haを変化させることで、食い込み量Δhを調整する方法を例示したが、本発明は、この態様に限定されない。ヘッド部2側でインクの吐出量を調整して、食い込み量Δhを調整してもよい。この場合、形成済みの下層側インク層の厚みをレーザー又は光で測定し、測定結果に基づいてインクの吐出量を調整する。または、AI、機械学習を利用してローラ301の突出量ha、回転速度を調整してもよい。例えば、造形物7の断面積(スライスデータ)、造形物7の材質、インクの物性及び液体6の物性(粘度、チクソ性または比重)などを学習させる。
 また、本実施形態では、所定の粘度を有する液体6として、ポリビニルアルコール(PVA)と、ホウ砂と、水とを有するものを例示したが、本発明は、この態様に限定されない。液体6は、チクソ性を発揮する材料を含むことで所定の粘度を有するものとしてもよい。例えば、水と小麦粉や大豆粉、片栗粉とを混ぜたものや、樹脂材料(モノマーやオリゴマー)に充填材を混ぜたものでもよい。
(III)液体6は、チクソ性を発揮する材料を含むことができる。
 このように構成すると、液体6の液面60に着弾したインクの位置がズレることを低減できる。
 また、液体6に粘着性を付与することで、液体6の液面60に着弾したインクがX、Y方向に動かないようにしてもよい。粘着性の付与方法としては、粘着性のある材料を揮発しやすい溶剤(アルコール、水、またはアセトン等)に溶かし、造形時の熱(インクと液体6との反応熱、製造装置1の排熱、後記する加熱冷却装置9等)によって溶剤を揮発させることで粘着性を付与してもよい。または、紫外線に反応する粘着性の材料を液体6の中に入れ、紫外線UVを照射することで粘着性を付与してもよい。または、天然ゴムと石油樹脂を混ぜたものやアクリルやウレタン、シリコーン系樹脂を混ぜて分子量や架橋密度を調整したものを用いて、粘着性を付与してもよい。
 (変形例1)
 前記した実施形態では、液体貯留部5を別部品として、テーブル11に載置されているものを例示したが、本発明は、この態様に限定されない。例えば、図8に示すように、テーブル11Aそのものに液体貯留部5Aが設けられた製造装置1Aとしてもよい。以下の変形例1では、前記した実施形態と異なる部分のみを説明する。
 図8は、変形例1に係る製造装置1Aを説明する図である。図8の(a)は、製造装置1Aの概略構成図である。図8の(b)は、液体貯留部5Aを説明する図である。図8の(b)は、図8の(a)のA-A矢視図である。図8の(c)は、製造装置1Aの他の使用態様を説明する図である。
 図8の(a)に示すように、液体貯留部5Aは、テーブル11A(台)の上面11aに開口する凹部57と、当該凹部57の外周を囲む凹溝58と、有する。凹部57と凹溝58は、テーブル11の上面11aからZ方向下側に窪んでいる。凹部57の底面570は、テーブル11の上面11aと平行な平坦面である。凹部57の内部は、液体6で満たされている。凹部57内において、造形物7は液体6に浸漬されている。
 図8の(b)に示すように、凹部57は、平面視において矩形形状を成している。
 凹部57は、X方向に沿う向きに設けられた壁部571、572と、Y方向に沿う向きに設けられると共に、壁部571、572の端部同士を接続する壁部573、574とから構成される。
 凹溝58は、X方向に沿う向きに設けられた溝部581、582と、Y方向に沿う向きに設けられると共に、溝部581、582の端部同士を接続する溝部583、584とから構成される。凹溝58の溝部581~584は、凹部57の壁部571~574とそれぞれ平行に設けられている。
 図8の(b)に示すように、凹溝58の溝部571には、Y方向において凹部57から離れる向きに延びる排出溝59が連絡している。凹部57内から溢れた液体6は、溝部581~584を通って、排出溝59から外部へ排出される。
 ここで、液体貯留部5Aは、テーブル11Aに直接形成されている。そのため、X、Y方向における位置は固定である。これにより、前記した実施形態のように、テーブル11に位置決めピンPx、Pyを設けて液体貯留部5の位置決め作業をする必要はない(図2参照)。そのため、造形物7の製造における段取り作業を少なくすることができる。
 製造装置1Aを用いて造形物7を製造する場合、予め凹部57内を液体6で満たした状態で、液体6の液面60にヘッド部2からインクを吐出する。そして、吐出工程と硬化工程を繰り返して、造形物7を造形する。
 図8の(a)に示すように、溢れた液体61は凹溝58と排出溝59で回収される。これにより、液体貯留部5Aを有する製造装置1Aで造形物7を製造することができる。
 ここで、図8の(b)に示すように、変形例1に係る製造装置1Aは、液体貯留部5Aの開口を塞ぐカバー56を備えていてもよい。
 カバー56は、テーブル11Aの上面11aを全面に亘って覆うプレート部560と、プレート部560の厚み方向における他方の面560bから突出する厚肉部561と、を有する。
 プレート部560の厚み方向における一方の面560aと他方の面560bは、互いに平行な平坦面である。
 厚肉部56は、平面視において矩形形状を成している。厚肉部561は、凹部57の壁部571~574(図8の(b)参照)で囲まれた領域の面積よりも僅かに小さい面積を有している。厚肉部561の外周には、全周に亘ってシール材SLが設けられている。
 液体貯留部5Aをカバー56で塞ぐ場合、厚肉部561を凹部57に挿入しつつ、プレート部560の他方の面560bが、テーブル11Aの上面11aに当接するまで押し込む。これにより、液体貯留部5Aの開口はカバー56で塞がれる。この場合、プレート部560の一方の面560aが、ヘッド部2(図8の(a)参照)との対向面となる。これにより、カバー56が従来の造形台としても機能する。厚肉部561と凹部57との間にシール材SLが介在しているので、造形中にカバー56ががたつくことも低減できる。
 変形例1に係る製造装置1Aは、以下の構成を有する。
(16)液体貯留部5Aは、ヘッド部2の下方に設けられたテーブル11A(台)の上面11aが開口する凹部57を有する。
 液体6は、凹部57に貯留されている。
 製造装置1Aは、凹部57の開口を塞ぐカバー56を有する。
 このように構成すると、テーブル11A上における凹部57の位置は固定であるため、前記した実施形態のように位置決めピンPx、Py(図2参照)を設けて液体貯留部5の位置決め作業をする必要がない分、段取り作業を少なくすることができる。また、カバー56で凹部57の開口を塞ぐことで、カバー56を従来の造形台として使用することもできる。
 (変形例2)
 図9は、変形例2に係る製造装置1Bを説明する図である。
 図9に示すように、キャリッジ12を支持するガイドレール15、16及び本体フレーム10は、キャリッジ12がX、Y方向に加減速する際に、キャリッジ12の慣性力を受けて振動する。この振動Vはテーブル11に伝搬され、最終的に液体6の液面60及び液体貯留部5内の造形物7を振動させる。液体6の液面60及び液体貯留部5内の造形物7が振動すると、インクの着弾位置がズレる可能性がある。また、この振動によって、液体貯留部5内で造形物7が動いてしまう可能性がある。そこで、変形例2に係る製造装置1Bは、振動Vを減衰する振動抑制機構17を有している。
 図9に示すように、変形例2に係る製造装置1Bでは、Z方向における液体貯留部5と、テーブル11Aの上面11aとの間に、振動抑制機構17を設けている。
 振動抑制機構17は、振動Vを減衰できるものであればよく、例えば、防振ゴム、空気ばね、コイルスプリング、またはダンパ機構などが挙げられる。
 これにより、キャリッジ12の加減速によってテーブル11が振動しても、テーブル11の振動Vは、振動抑制機構17によって液体貯留部5及び液体6へ伝搬される前に減衰される。よって、液体6の液面60及び液体貯留部5内の造形物7が揺れて、インクの着弾位置がズレることを低減できる。また、液体貯留部5内で造形物7が動いてしまうことを低減できる。
 変形例2に係る製造装置1Bは、以下の構成を有する。
(17)製造装置1Bは、液体貯留部5内の液体6の振動を抑制する振動抑制機構17を有する。
 振動抑制機構17は、テーブル11と液体貯留部5の間に設けられている。
 このように構成すると、テーブル11の振動Vは、振動抑制機構17によって液体貯留部5及び液体6へ伝搬される前に減衰される。よって、液体6の液面60及び液体貯留部5内の造形物7が揺れて、インクの着弾位置がズレることを低減できる。また、液体貯留部5内で造形物7が動いてしまうことを低減できる。
 なお、変形例2に係る製造装置1Bは、振動抑制機構17がテーブル11と液体貯留部5の間に設けられたものを例示したが、本発明は、この態様に限定されない。例えば、テーブル11自体に振動Vを抑制する機能を持たせてもよい。
 (変形例3)
 前記した実施形態では、紫外線照射部4から紫外線UVを照射する製造装置1を例示したが、本発明は、この態様に限定されない。例えば、加熱冷却装置9でインク又は液体6を加熱/冷却する製造装置1Cとしてもよい。以下の変形例3では、前記した実施形態と異なる部分のみを説明する。
 図10は、変形例3に係る製造装置1Cを説明する図である。図10では、加熱冷却装置9が設けられた領域にクロスハッチングを付してある。
 図10に示すように、製造装置1Cは、前記した実施形態の紫外線照射部4に代えて、加熱冷却装置9を有する。加熱冷却装置9の一例としては、ペルチェ素子を用いて加熱/冷却を行う装置などが挙げられる。
 加熱冷却装置9は、第1加熱冷却部90と、第2加熱冷却部91とを有する。第1加熱冷却部90は、ヘッド部2に設けられており、ヘッド21(21Y~21T)内のインクを加熱/冷却する。第2加熱冷却部91は、テーブル11と液体貯留部5の間に設けられており、液体6を加熱/冷却する。
 例えば、熱硬化性のインクを用いて造形物7を製造する場合、第2加熱冷却部91のみを駆動して、液体6を加熱する。ヘッド21内のインクは常温である。そのため、液体6の温度は、ヘッド21内のインクよりも高温になっている。
 ヘッド部2から液体6に向けてインクを吐出すると、液面60に着弾したインクは、液体6によって加熱されて硬化する。硬化したインクは液体6内に沈む。これを繰り返すことにより、液体6内でインク層L1~Lnが積層されて、造形物7が製造される。熱硬化性のインクを用いることで、耐熱性の高い造形物7を製造することができる。
 変形例3に係る造形物7の製造方法は、以下の工程を有する。
(1、11)造形物7の製造方法は、立体的な造形物7を造形する。
 造形物7の製造方法は、
 ヘッド部2から液体貯留部5に貯留された液体6に熱硬化性のインクを吐出する吐出工程と、
 加熱冷却装置9の第2加熱冷却部91を駆動して液体6を加熱して、液体6に吐出されたインクを加熱することでインクを硬化させる硬化工程と、を有する。
 本実施形態の製造方法は、耐熱性の高い造形物7を製造することができる。
 また、熱可塑性のインクを用いて造形物7を製造する場合、第1加熱冷却部90を駆動してヘッド21内のインクを加熱すると共に、第2加熱冷却部91を駆動して液体6を冷却する。そのため、ヘッド21内のインクの温度は、液体6よりも高温になっている。
 ヘッド部2から液体6に向けてインクを吐出すると、液面60に着弾したインクは、液体6によって冷却されて硬化する。硬化したインクは液体6内に沈む。これを繰り返すことにより、液体6内でインク層L1~Lnが積層されて、造形物7が製造される。熱可塑性のインクは粘度が高いため安定して吐出できると共に、インクが液体6内において広がることを低減できる。
 (変形例4)
 前記した実施形態及び変形例1~3では、テーブル11に予め液体貯留部5を配置し、液体貯留部5内を液体6で満たした状態で造形を行うものを例示したが、本発明は、この態様に限定されない。変形例4では、テーブル11上に液体貯留部5Bをインクで造形しながら、造形物7の造形を並行して行う例を説明する。以下の変形例4では、前記した実施形態と異なる部分のみを説明する。
 図11は、変形例4に係る製造装置1Dを説明する図である。図11では、製造装置1Dで製造される造形物7及び液体貯留部5Bを仮想線で示してある。
 図12は、液体貯留部5Bを含めた造形物7のスライスデータを示す図である。
 なお、変形例4に係る液体貯留部5Bでは、前記した第2周壁部52を備えていないものを例示する。
 変形例4に係る製造装置1Dは、テーブル11の一側に、Z方向に延びる連結アーム114が接続されている。連結アーム12の上部に設けた連結部115は、Z方向に平行な鉛直線VLに沿って配置されたガイドレール116に連結されている。
 この状態において、連結部115は、ガイドレール116のZ方向に沿って移動可能に設けられている。連結部115の内部に設けた駆動機構(図示せず)が、制御装置13からの指令に基づいて動作すると、連結部115に連結アーム114を介して接続されたテーブル11が、上下方向に移動するようになっている(図中、白抜き矢印)。
 図11に示すように、製造装置1Dは、液体貯留部5B内に液体6を供給する供給部8を有している。供給部8は、液体6を貯留するタンク80と、タンク80と液体貯留部5Bとに跨って設けられるホース81と、を有する。図示は省略するが、供給部8は、タンク80およびホース81をY方向およびZ方向に移動させる移動機構を有する。また、図示は省略するが、ホース81には、タンク80からの液体6の流通および遮断を切り替えるためのバルブが設けられている。移動機構とバルブは、制御装置13によって制御される。
 供給部8は、液体貯留部5B内に液体6を供給する際、制御装置13からの指令に基づいて、タンク80を液体貯留部5Bの液面60よりも上側にオフセットした位置に移動させる。これによって、サイフォンの原理によりタンク80側から液体貯留部5B側に液体6が所定量だけ移動するようになっている。また、供給部8は、液体貯留部5Bをインクで造形する際には、Y方向に移動してキャリッジ12との干渉を回避する。
 なお、移動機構は、タンク80およびホース81をX方向に移動してキャリッジ12との干渉を回避するものとしてもよい。
 図12に示すように、製造装置1Dでは、造形物7及び液体貯留部5Bを、Z方向に等間隔でスライス(区画)して、N個のインク層(L1~Ln:nは任意の整数)を設定する。
 インク層L1には、前記した吐出台72(図4の(b)参照)に代えて、液体貯留部5Bの底壁部50が形成される。インク層L2、Lnには、着色部71及び第1周壁部51が形成される。インク層L3~インク層Ln-1には、中実部70、着色部71及び第1周壁部51が形成される。すなわち、造形物7に対応するインク層は、インク層L2~Lnである。底壁部50及び第1周壁部51の形成には、例えばホワイト(W)のインクを用いることができる。
 以下、変形例4に係る製造装置1Dを用いた造形物7の製造方法について説明する。
 図13~図14は、液体貯留部5B及び造形物7の製造を順番に説明する図である。
 図13は、変形例4に係る造形物7の製造を説明する図である。図13の(a)は、インク層L1の形成を説明する図である。図13の(b)は、インク層L2の形成を説明する図である。図13の(c)は、液体6の供給を説明する図である。
 図14は、変形例4に係る造形物7の製造を説明する図である。図14の(a)は、インク層L3の形成を説明する図である。図14の(b)は、液体6の供給を説明する図である。
<インク層L1の形成>
 図13の(a)に示すように、製造装置1Dは、キャリッジ12をY1方向に移動させながら、ヘッド部2からテーブル11の上面11aに向けてインクを吐出する(図中、黒矢印)。また、製造装置1Dは、キャリッジ12をY1方向に移動させながら、ローラユニット3で底壁部50’の平坦化と、紫外線照射部4による硬化を行う。これにより、インク層L1として底壁部50が形成される。底壁部50の上面50aは、X、Y方向に沿う水平面となる。
<インク層L2の形成>
 図13の(b)に示すように、底壁部50の形成が完了すると、テーブル11は、ガイドレール116(図11参照)に沿って、インク層L1の厚みΔL分だけZ方向下側にオフセットする(図13の(b)における白抜き矢印)。
 次に、製造装置1Dは、キャリッジ12をY2方向に移動させながら、ヘッド部2から底壁部50の上面50aに向けてインクを吐出する(図中、黒矢印)。具体的には、ヘッド部2は、Y方向における底壁部50の両端部に、第1周壁部51’となるインクを吐出し、Y方向における底壁部50の略中間位置に、着色部71’となるインクを吐出する。
 また、製造装置1Dは、キャリッジ12をY2方向に移動させながら、ローラユニット3で第1周壁部51’および着色部71’の平坦化と、紫外線照射部4による硬化を行う。これにより、底壁部50の上面50aには、インク層L2として、第1周壁部51、51と、着色部71が形成される。底壁部50と第1周壁部51、51の一部が形成されることで、液体貯留部5Bの一部が形成される。
 なお、インク層L1、L2を形成する際は、供給部8はキャリッジ12との干渉を避けて退避している。また、ホース81のバルブは閉じられており、タンク80からの液体6の流通が遮断されている。
<液体6の供給>
 図13の(c)に示すように、供給部8は、液体貯留部5Bの上方に移動し、ホース81のバルブを開放することで、液体貯留部5B内に液体6を供給する。供給部8は、タンク80(図11参照)をZ方向上側に所定量オフセットさせることで、インク層L2の厚みΔL分と同じ高さ分の液体6を供給する(供給工程)。タンク80のオフセット量は、予め制御装置13などで設定しておくことができる。
 これにより、インク層L2における第1周壁部51の上面51aと、着色部71の上面71aと、液体6の液面60とは面一になっている。
 なお、液体6の供給後に、さらにキャリッジ12をY1方向に移動させて、ローラユニット3で液面60を平坦化してもよい。これにより、供給部8による液体6の供給量にばらつきがあった場合にも対応できる。
 液体6の供給が完了すると、テーブル11は、ガイドレール116(図11参照)に沿って、インク層L2の厚みΔL分だけZ方向下側にオフセットする(図13の(c)における白抜き矢印)。また、供給部8はホース81のバルブを遮断した後、第1周壁部51との干渉を避けるため、上方に移動して退避し、続いてキャリッジ12との干渉を避けるために、Y方向に移動して退避する。
<インク層L3の形成>
 図14の(a)に示すように、製造装置1Dは、キャリッジ12をY1方向に移動させながら、ヘッド部2からインク層L2の第1周壁部51と着色部71に向けてインクを吐出する(図中、黒矢印)。
 図14の(a)に示すように、インク層L3の着色部71は、インク層L2の着色部71よりもY方向に張り出している。
 よって、インク層L3では、ヘッド部2から吐出されたインクのうち、着色部71’を構成するインクはインク層L2からオーバーハングして積層される。また、ヘッド部2から吐出されたインクのうち、第1周壁部51’を構成するインクはインク層L2からオーバーハングすることなく積層される。
 図14の(a)の拡大領域に示すように、着色部71’の下面71b’は、液体6の液面60に接している。中実部70’の下面70b’は、インク層L2の着色部71の上面71aに接している。
 着色部71’の下面71b’には液体6から浮力Fが作用する(図中、ハッチング矢印)。中実部70’の下面70b’は、インク層L2の着色部71で支持される。従って、中実部70’及び着色部71’は、Y方向における全長に亘って、液面60に平行な状態が維持される。
 そして、製造装置1Dは、さらにキャリッジ12をY1方向に移動させて、ローラユニット3による平坦化と、紫外線照射部4による硬化を行う。これにより、インク層L3として、第1周壁部51、51、中実部70及び着色部71が形成される。
<液体6の供給>
 図14の(b)に示すように、供給部8は、液体貯留部5Bの上方に移動し、ホース81のバルブを開放することで、液体貯留部5B内に液体6を供給する。供給部8は、インク層L3の厚みΔLと同じ高さ分の液体6を供給する。これにより、インク層L3における第1周壁部51の上面51aと、中実部70の上面70aと、着色部71の上面71aと、液体6の液面60とは面一になっている。
 液体6の供給が完了すると、テーブル11は、ガイドレール116(図11参照)に沿って、インク層L3の厚みΔL分だけZ方向下側にオフセットする(図14の(b)における白抜き矢印)。
 以下同様にして、ヘッド部2から液体6に向けてインクを吐出する吐出工程と、ローラユニット3でインクを平坦化する平坦化工程と、紫外線照射部4でインクを硬化させる硬化工程と、液体6を供給する供給工程を繰り返して、インク層L4~Lnを形成する。これにより、インク層が順番に積層されて、液体貯留部5B及び造形物7が製造される(図12参照)。
 なお、造形物7は、当該造形物7の中心Cを通る水平線HLより上側は、オーバーハング領域を有していないため、第1周壁部51の造形及び液体6の供給は、Z方向におけるインク層Laを構成する領域までとしてもよい。造形物7の形状に応じて適宜変更可能である。
 これにより、前記した実施形態のように液体貯留部5及び液体6を事前に準備する必要がなく、段取り作業を減らして、ほぼ全自動で造形物7を製造できる。
 変形例4に係る造形物7の製造方法は、以下の工程を有する。
(4)造形物7に対応するインク層L2~Lnが形成される毎に、各インク層L2~Lnの厚みΔLと同じ高さ分の液体6を供給する供給工程を有する。
 変形例4の製造方法は、テーブル11に液体貯留部を配置し、予め液体貯留部内に液体6を溜めておく作業を省略できるため、段取り作業を少なくすることができる。
(変形例5)
 前記した実施形態及び変形例3では、紫外線照射部4による紫外線UVの照射(図5参照)、加熱冷却装置9(図10参照)によるインク又は液体6の加熱など、外部からエネルギーを与えてインクを硬化させる方法を例示したが、この態様に限定されるものではない。例えば、主剤となる材料を含有するインクと、硬化剤となる材料を含有する液体6Aとを用いて、インクが液体6Aと混合することで、自然に硬化するものとしてもよい。さらに、主剤となる材料と、硬化剤となる材料との組み合わせを変えることで、造形物7に様々な性能を付加させることができる。
 以下の説明では、エポキシ樹脂からなるインクと、アミン系硬化剤から成る液体6Aを用いた場合を例に挙げて説明する。
 図15は、変形例5に係る造形物7Aの製造を説明する図である。図15の(a)は、インク層L1の形成を説明する図である。図15の(b)は、液体6A中のインク層L1を説明する図である。図15の(c)は、造形物7Aを説明する図である。
 図15の(a)に示すように、インク層L1を構成する吐出台72Aを形成する場合、キャリッジ12をY1方向(図中、黒矢印方向)に移動させながら、ヘッド部2から液体6Aに向けてインクを吐出する。未硬化のインクで構成される吐出台72A’は、液体6Aの液面60に浮かんだ状態となる。
 吐出台72A’は、液体6と接している。そのため、吐出台72A’は、界面となる下面72Ab側から硬化する。吐出台72A’は、下面72Ab側で硬化しつつ、ローラユニット3で平坦化される。
 図15の(b)に示すように、硬化した吐出台72Aは、液体6A内に沈む。
 ここで、インクはエポキシ樹脂であり、液体6Aはアミン系硬化剤である。そのため、硬化した吐出台72のうち、特に液体6Aと接する部分となる表面72sは、硬度が高くなる。さらに、インク層L2~Lnを順番に積層することで、造形物7Aは、液体6Aと接する表面7sの硬度が高いものとなる(図15の(c)参照)。これにより、耐食性、耐傷性の高い造形物7Aを製造することができる。
 なお、インク層Lnを構成する着色部71の表面71sを硬化させるために、液体貯留部5の深さは、造形物7Aを液体6A内に水没させることができる深さとすればよい。
 変形例5に係る造形物7Aの製造方法において、
(6、8)インクは主剤となる材料としてエポキシ樹脂を含有するものを用いることができる。
 液体6Aは硬化剤となる材料としてアミン系硬化剤を含有するものを用いることができる。
 インクに液体6Aが混合することで、インクが硬化する。
 このように、主剤となる材料と、硬化剤となる材料との組み合わせを変えることで、造形物に様々な性能を付加させることができる。具体的には、エポキシ系の樹脂とすることで、造形物7Aの表面7sの硬度が高められ、耐食性、耐傷性の高い造形物7Aを製造することができる。
(その他の変形例)
 以下、その他の変形例として、図15を参照して説明する。
 主剤となる材料と硬化剤となる材料の組み合わせは、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤に限られない。
 例えば、インクが金属触媒成分を含有し、液体6Aが過酸化物成分を含有するものとしてもよい。これにより、アクリル系の樹脂から成る造形物7Aが製造される。アクリル系の樹脂とすることで、透明度の高い造形物7Aを製造することができる。
(7)インクは、金属触媒成分を含有するものを用いることができる。
 液体6Aは、過酸化物成分を含有するものを用いることができる。
 インクおよび液体6Aをこのように構成すると、透明度の高いアクリル系の樹脂から成る造形物7Aを製造することができる。
 また、インクが白金触媒成分を含有し、液体6Aがヒドロシリル基を有する架橋剤としてもよい。これにより、シリコーン系の樹脂から成る造形物7Aが製造される。シリコーン系の樹脂は人体への安全性が高い。また、造形物7Aの表面7sが柔らかくなり、触感に特徴を持たせることができる。
(9)インクは、白金触媒成分を含有するものを用いることができる。
 液体6Aは、ヒドロシリル基を有する架橋剤とすることができる。
 インクおよび液体6Aをこのように構成すると、人体への安全性の高いシリコーン系の樹脂から成る造形物7Aを製造することができる。また、造形物7Aの表面7sが柔らかくなり、触感に特徴を持たせることができる。
 また、インクが光開始剤を含有し、液体6Aが反応基を有するものを用いてもよい。この場合において、インクが液体6Aの液面60に着弾した状態で、紫外線照射部4により紫外線UVを照射する。そうすると、インクと液体6Aとの界面側から硬化する。この際の硬化速度は、前記したエポキシ系の樹脂、アクリル系の樹脂及びシリコーン系の樹脂を用いる場合よりも早い。従って、造形物7Aの製造時間を短縮することができる。
(10)インクは、光開始剤を含有するものを用いることができる。
 液体6Aは、反応基を含有するものを用いることができる。
 液体6Aが混合したインクに、紫外線照射部4から紫外線UVを照射することで、インクが硬化する。
 インクおよび液体6Aをこのように構成すると、インクを速やかに硬化させることができるので、造形物7Aの製造時間を短縮することができる。
(変形例6)
 また、本発明に係る造形物の製造方法及び製造装置は、例示した造形物7よりも複雑な形状を有する造形物7Bの製造にも応用できる。以下、変形例6として、人型の造形物7Bを製造する場合を例に挙げて説明する。
 図16は、変形例6に係る造形物7Bを説明する斜視図である。
 図17は、変形例6に係る造形物7Bのスライスデータを説明する図である。
 図18は、変形例6に係る造形物7Bの製造方法を説明する図である。図18の(a)は、インク層Lbの形成を説明する図である。図18の(b)は、インク層Lb+1の形成を説明する図である。
 なお、変形例6では、製造装置1D(図11参照)を用いて、造形物7Bの造形と液体貯留部5Bの造形とを並行して行う場合を例に挙げて説明する。
 図16に示すように、人型の造形物7Bは、頭部73と、頭部73の下側に接続された胴部74と、胴部74からそれぞれ延びる一対の腕部75L、75R、及び一対の脚部76L、76Rと、を有する。一対の腕部75L、75Rは、それぞれ後記する保持部78、79によって液体貯留部5Bと胴部74に支持されている。
 図17に示すように、人型の造形物7Bもまた、中実部70と、中実部70を覆う着色部71と、を有する。
 図16に示すように、液体貯留部5B内において、造形物7Bの頭部73は、Z方向における液面60側(上側)に位置し、脚部76L、76RはZ方向における底壁部50側(下側)に位置している。また、造形物7Bの腕部75L、75Rは、Y方向において胴部74を挟んだ一方側と他方側に位置している。
 図17に示すように、インク層L1には、液体貯留部5Bの底壁部50が形成される。インク層L2には、第1周壁部51と、脚部76L、76Rの下端部76La、76Raとが形成される。以下インク層L3~インク層Lnまで、第1周壁部51と、脚部76L、76Rと、胴部74と、腕部75L、75Rと、頭部73を構成するインクが順番に積層される。
 胴部74及び頭部73は、底壁部50に固定された脚部76L、76RとZ方向にオーバーラップしている。従って、インク層の積層において、ローラユニット3による平坦化の際に位置ズレは起きにくい。
 腕部75L、75Rは、胴部74からY方向にオーバーハングしていると共に、胴部74から離れるにつれて底壁部50に近づく向きに延びている。腕部75L、75Rの先端部75La、75Raは、胴部74との接続部よりも下側に位置している。Y方向における胴部74と先端部75La、75Raとの間隔は、Ka、Kbに設定されている。
 腕部75L、75Rの先端部75La、75Raが形成されるインク層Lb+1は、胴部74との接続部が形成されるインク層Lcよりも下層側に位置している。従って、インク層の積層においては、腕部75L、75Rは、先端部75La、75Ra側から形成される。インク層Lb+1において、胴部74及び先端部75La、75Raは、Y方向に互いに分離した位置に形成される。
 造形物7Bを構成する各部位のうち、腕部75L、75Rが最も細い形状になっている。特にインク層Lb+1において、先端部75La、75Raを構成するインクは、頭部73、胴部74及び脚部76L、76Rを構成するインクと比べて吐出される量が少なく、液体6との接触面積も小さい。
 そのため、先端部75La、75Raを構成するインクは、液体6の粘性だけでは保持しきれず、ローラユニット3による平坦化の際に位置ズレが起きやすい。
 そうすると、Y方向における胴部74と先端部75La、75Raとの距離Ka、Kbにバラつきが生じることがある。なお、先端部75La、75Raが動かないようにローラ301の食い込み量Δh(図5参照)を少なくすることもできるが、パス数が増えて造形時間が長くなる。
 そこで、変形例6に係る造形物7Bは、腕部75L、75Rの先端部75La、75Raを支持する保持部78、79を有している。
 図17に示すように、変形例6に係る造形物7Bのスライスデータは、保持部78、79の形状データを含んだものとなる。前記した制御装置13は、保持部78、79を含む造形物7Bのスライスデータに基づいて、製造装置1Dを制御する。そして、造形物7Bに対応する領域と、保持部78、79に対応する領域(保持領域)を形成する。
 図17に示すように、保持部78、79は、インク層Lbに形成されている。インク層Lbは、先端部75La、75Raが形成されるインク層Lb+1の下層である。保持部78、79は、例えばホワイト(W)のインクで形成される。保持部78、79は、造形物7Bの製造後にカットする。
 保持部78は、Y方向に沿う向きに延びて腕部75Lの先端部75Laと第1周壁部51とを接続する柱部材である。保持部78は、Y方向における一端部781で第1周壁部51の内周面510に接続し、他端部782で腕部75Lの先端部75Laに接続している。
 保持部79は、Y方向に沿う向きに延びて腕部75Rの先端部75Raと胴部74とを接続する柱部材である。保持部79は、Y方向における一端部791で胴部74に接続し、他端部792で腕部75Rの先端部75Raに接続している。
 図17に示すように、液体貯留部5B内は、造形物7Bが造形される領域と、造形物7Bを支持する保持部78、79が形成される領域(支持領域)と、を有する。
 以下、製造装置1Dによる造形物7Bの製造方法を説明する。以下の説明では、インク層Lb、Lb+1の形成を例に挙げて説明する。
<インク層Lbの形成>
 図18の(a)に示すように、製造装置1Dは、制御部13の指令により、キャリッジ12をY2方向に移動させながら、インク層Lb-1における第1周壁部51の上面51a、51aと、胴部74の上面74aと、液面60に向けてヘッド部2からインクを吐出する(図中、黒矢印)。
 インク層Lbでは、ヘッド部2は、第1周壁部51、保持部78、胴部74、保持部79、及び第1周壁部51をそれぞれ構成するインクを、Y2方向に順番に吐出する。
 インクの吐出工程の内、保持部78、79を構成するインクを吐出する工程が、補助工程に対応する。
 また、製造装置1Dは、キャリッジ12をY2方向に移動させながら、ローラユニット3で第1周壁部51、保持部78、胴部74、保持部79及び第1周壁部51を順番に平坦化し、紫外線照射部4で硬化を行う。その後、供給部8(図12参照)から液体6を供給する。
 この場合において、保持部78は、一端部781が第1周壁部51から連続していると共に、液面60から浮力Fが作用している。これにより、ローラユニット3で平坦化を行っても、保持部78は液面60上の所定の位置に保持される。
 また、保持部79は、一端部791が胴部74から連続していると共に、液面60から浮力Fが作用している。これにより、ローラユニット3で平坦化を行っても、保持部79は液面60上の所定の位置に保持される。
 なお、インク層Lbにおける胴部74は、下層側(インク層L1~インク層Lb-1)に形成された底壁部50及び脚部76L、76Rから連続して積層されている。また、インク層Lbにおける第1周壁部51は、下層側(インク層L1~インク層Lb-1)に形成された底壁部50及び第1周壁部51から連続して積層されている。そのため、ローラユニット3で平坦化を行っても、胴部74、第1周壁部51は所定の位置に保持される。
<インク層Lb+1の形成>
 図18の(b)に示すように、製造装置1Dは、キャリッジ12をY1方向に移動させながら、インク層Lbにおける第1周壁部51の上面51a、51aと、保持部79の上面79aと、胴部74の上面74aと、保持部78の上面78aに向けてヘッド部2からインクを吐出する(図中、黒矢印)。
 インク層Lb+1では、ヘッド部2は、第1周壁部51、先端部75Ra、胴部74、先端部75La及び第1周壁部51をそれぞれ構成するインクをY1方向に順番に吐出する。この場合において、胴部74及び先端部75Ra、75Laを構成するインクは、Y方向で互いに分離した複数の領域(3箇所)に吐出される。
 また、製造装置1Dは、キャリッジ12をY1方向に移動させながら、ローラユニット3で第1周壁部51、先端部75Ra、胴部74、先端部75La及び第1周壁部51を順番に平坦化し、紫外線照射部4で硬化を行う。その後、供給部8(図12参照)から液体6を供給する。
 この場合において、先端部75Raを構成するインクは、保持部79の他端部792側の上面79aに着弾する。そのため、先端部75Raは、保持部79に積層されることになる。また、先端部75Laを構成するインクは、保持部78の他端部782側の上面78aに着弾する。そのため、先端部75Laは、保持部78に積層されることになる。従って、先端部75La、75Raを構成するインクは、下層側(インク層L1~インク層Lb)から連続して積層されていることになる。
 これにより、平坦化の際に先端部75La、75Raにかかる接触圧は、保持部78、79を介して、下層側で受けることができ、先端部75La、75Raの位置がズレにくくなっている。そのため、Y方向における胴部74と先端部75La、75Raとの距離Ka、Kbにバラつきが生じにくくなる。
 これにより、先端部75La、75Ra上にさらにインク層を積層することで、造形物7Bのうちのオーバーハング領域である腕部75L、75R全体の造形精度が向上する。
 よって、造形物7Bを覆うようなサポート材を用いることなく、Y方向において分離した複数の領域(胴部74及び先端部75La、75Ra)に吐出されたインク同士の距離Ka、Kbがバラつくことを低減することができる。
 また、保持部78、79はY方向に沿う向きに設けられている。そのため、ローラユニット3から先端部75La、75RaにかかるY方向の押圧力に抗することができ、造形時の剛性を高めて、よりバラつきにくくしている。
 ここで、造形物7Bは、Z方向において底壁部50(支点)から離れる(例えば、頭部73)ほど、ローラユニット3(力点)で平坦化する際に造形物7Bに発生する曲げモーメントが大きくなる。この場合、平坦化の際に、液体6の粘性だけでは造形物7Bを保持しきれず、液体貯留部5B内で造形物7Bが動いたり、倒れたりすることがある。
 そこで、図17に示すように、造形物7Bには、腕部75Lの先端部75Laと液体貯留部5Bの内周面510とを接続する保持部78が設けられている。これにより、頭部73側を平坦化する際に、造形物7Bに発生する曲げモーメントは、保持部78を支点としたものとなる(図17における矢印p、q)。支点と力点の距離が短くなるため、保持部78を支点とした曲げモーメントは、底壁部50を支点とした曲げモーメントよりも小さい。従って、平坦化の際に液体貯留部5B内で造形物7Bが動いたり、倒れたりすることを低減できる。
 以上の通り、変形例6に係る造形物7Bの製造方法は、以下の工程を有している。
(i)造形物7Aの製造方法は、液体貯留部5Bに貯留された液体6にインクを吐出する吐出工程と、液体6に吐出されたインクを硬化させてインク層を形成する硬化工程を繰り返して、インク層L1~Lnを積層することで、造形物7Aを製造するものである。
 吐出工程は、
 吐出工程で吐出したインクを保持する保持部78、79(保持領域)を形成する補助工程を含む。
 腕部75L、75Rの先端部75La、75Raを構成するインクは、胴部74(硬化済みのインク)から離れた位置に吐出されるインクである。
 保持部78、79は、腕部75L、75Rの先端部75La、75Raを構成するインクの着弾位置を保持する。
 このように製造すると、Y方向において分離した複数の領域(胴部74及び先端部75La、75Ra)に吐出されたインク同士の距離Ka、Kbがバラつくことを低減することができる。よって、造形物7Bの造形品質に及ぶ影響を抑えることができる。
(ii)保持部78、79は、造形物7Bにおけるオーバーハング領域である腕部75L、75Rを支持する。
 このように製造すると、腕部75L、75Rの造形精度が向上する。
(iii)インクを吐出する方法は、インクジェット法とすることができる。
 インク層を液体6内で積層することで、造形物7の着色部1の表面は、サポート材で覆われたものよりも表面品質及び造形精度が向上している。そのため、インクジェット法を用いることで、インクジェット法の利点である細かな色彩表現、微細な造形表現を生かすことができる。
(iv)保持部78は、液体貯留部5Bの内周面510に接続する。
 このように製造すると、平坦化の際に造形物7Bに発生する曲げモーメントを小さくできる。よって、液体貯留部5B内で造形物7Bが動いたり、倒れたりすることを低減できる。
(v)保持部78は、液体貯留部5Bの第1周壁部51に接続する。
 保持部79は、胴部74に接続する。
 第1周壁部51と胴部74は、硬化済みのインクである。
 このように製造すると、保持部78、79そのものの造形位置がバラつくことを低減できる。よって、Y方向において分離した複数の領域(胴部74及び先端部75La、75Ra)に吐出されたインク同士の距離Ka、Kbがバラつくことをより好適に低減することができる。
(vi)補助工程は、腕部75L、75Rの先端部75La、75Raを構成するインクを吐出する吐出工程(インク層Lb+1)の一回前の吐出工程(インク層Lb)に含まれる。
 このように製造すると、インク層Lb+1の形成において、腕部75L、75Rの先端部75La、75Raを構成するインクは、一回前の吐出工程(インク層Lb)で形成された保持部78、79に積層されることで保持される。よって、Y方向において分離した複数の領域(胴部74及び先端部75La、75Ra)に吐出されたインク同士の距離Ka、Kbがバラつくことを低減することができる。
 変形例6に係る造形物7Bの製造装置1Dは、以下の構成を有する。
(viii)造形物7Bの製造装置1Dは、
 液体6を貯留する液体貯留部5Bと、
 液体6へのヘッド部2(吐出部)からのインクの吐出と、吐出されたインクの紫外線照射部4(硬化部)による硬化を制御する制御部13と、を有する。
 造形物7Bの製造装置1Dは、液体6へのインクの吐出と、液体6に吐出されたインクの硬化を繰り返して、硬化したインクの積層体である造形物7Bを造形する。
 腕部75L、75Rの先端部75La、75Raを構成するインクは、胴部74(硬化済みのインク)から離れた位置に吐出されるインクである。
 制御部13は、
 腕部75L、75Rの先端部75La、75Raの着弾位置を保持する保持部78、79(保持領域)を、ヘッド部2から吐出したインクの硬化により形成する。
 このように構成すると、Y方向において分離した複数の領域(胴部74及び先端部75La、75Ra)に吐出されたインク同士の距離Ka、Kbがバラつくことを低減することができる。よって、造形物7Bの造形品質に及ぶ影響を抑えることができる。
(ix)制御部13は、保持部78を、液体貯留部5Bの内周面510に接続して形成する。
 このように構成すると、平坦化の際に造形物7Bに発生する曲げモーメントを小さくできる。よって、液体貯留部5B内で造形物7Bが動いたり、倒れたりすることを低減できる。
(x)保持部78は、液体貯留部5Bの第1周壁部51に接続して形成する。
 保持部79は、胴部74に接続して形成する。
 第1周壁部51と胴部74は、硬化済みのインクである。
 このように構成すると、保持部78、79そのものの造形位置がバラつくことを低減できる。よって、Y方向において分離した複数の領域(胴部74及び先端部75La、75Ra)に吐出されたインク同士の距離Ka、Kbがバラつくことをより好適に低減することができる。
(xi)ヘッド部2は、インクジェットヘッドとすることができる。
 インクジェットヘッドからインクを吐出することで、細かな色彩表現、微細な造形が可能となる。
(変形例7)
 図19は、変形例7に係る造形物7Bの製造方法を説明する図である。
 前記した変形例6では、インク層Lbに形成した保持部78、79に、インク層Lb+1の腕部75L、75Rの先端部75La、75Raを積層する場合を例示したが、本発明は、この態様に限定されない。図19に示すように、インク層Lb+1に保持部78、79を形成し、保持部78、79の他端部781、792にそれぞれ先端部75La、75Raを接続してもよい。
 この場合、インク層Lb+1の形成において、先端部75La、75Raのインクを吐出する工程(吐出工程)に、保持部78、79のインクを吐出する工程(補助工程)が含まれることになる。
 これにより、先端部75Laは、Y方向に保持部78と一体に形成されることで保持される。先端部75Raは、Y方向に保持部79と一体に形成されることで保持される。先端部75La、75Raは、保持部78、79を介して、それぞれ液体貯留部5Bと胴部74に接続されることになる。
 よって、先端部75La、75Raの位置はズレにくくなる。そのため、Y方向における胴部74と先端部75La、75Raとの距離Ka、Kbにバラつきが生じにくくなる。
 変形例7に係る造形物7Bの製造方法は、以下の構成を有する。
 (vii)補助工程は、腕部75L、75Rの先端部75La、75Raを構成するインクを吐出する吐出工程(インク層Lb+1)に含まれる。
 このように構成すると、腕部75L、75Rの先端部75La、75Raを構成するインクは、それぞれ保持部78、79と一体に形成されることで保持される。よって、Y方向において分離した複数の領域(胴部74及び先端部75La、75Ra)に吐出されたインク同士の距離Ka、Kbがバラつくことを低減することができる。
 なお、変形例6、7では、保持部78が腕部75Lと液体貯留部5Bの内周面510とを接続し、保持部79が腕部75Rと胴部74とを接続するものを例示した(図16~図19参照)が、本願発明は、この態様に限定されない。保持部78、79がそれぞれ腕部75L、75Rと液体貯留部5Bの内周面510を接続してもよい。また、保持部78、79がそれぞれ腕部75L、75Rと胴部74をそれぞれ接続してもよい。保持部の数及び接続方向は、造形物の重量、体積、形状及び液体6の粘度等に基づいて適宜変更可能である。
(変形例8)
 また、図20に示すように、製造装置1(図1参照)を用いて、予め液体6で満たされた液体貯留部5内で、造形物7Bを製造してもよい。
 図20は、変形例8に係る造形物7Bの製造方法を説明する図である。
 図20に示すように、造形物7Bは、吐出台72A上に設けられている。造形物7Bは、脚部76L、76Rの下端部76La、76Raが吐出台72Aと接続している。
 吐出台72Aは、Y方向において脚部76L、76Rを横断して、腕部75L、75Rの先端部75La、75Raとオーバーラップする範囲に設けられている。
 Z方向における吐出台72Aと腕部75L、75Rの先端部75La、75Raとの間には、保持部78A、79Aが設けられている。これら保持部78A、79Aは、Z方向に沿う向きに設けられている。保持部78A、79Aは、ホワイト(W)のインクで形成しても良いし、吐出台72Aと同じインクで形成しても良い。
 変形例8に係る造形物7Bの製造方法では、まずインク層L1として吐出台72Aを形成する。次にインク層L2として、吐出台72A上に保持部78A、79A及び脚部76L、76Rを形成する。以下、インク層Lnまで、順番にインク層を積層する。
 図20に示すように、保持部78A、79Aは、Y方向において、腕部75L、76Rの先端部75La、75Raと略整合する面積を有している。保持部78A、79Aは、インク層L2~インク層Lbの範囲に積層されている。
 これにより、インク層Lb+1の形成において、先端部75La、75Raを構成するインクは、保持部78A、79Aの上面に着弾する。先端部75La、75Raは、保持部78A、79Aに積層されることになる。そのため、先端部75La、75Raを構成するインクは、下層側(インク層L1~インク層Lb)から連続して積層されていることになる。
 これにより、インク層Lb+1の形成において、平坦化の際に先端部75La、75Raにかかる接触圧は、保持部78A、79Aを介して、下層側で受けることができ、先端部75La、75Raの位置がズレにくくなっている。そのため、Y方向における胴部74と先端部75La、75Raとの距離Ka、Kbがバラつくことが低減される。
 前記した実施形態及び変形例では、ヘッド部2がインクジェットヘッドである場合を例示したが、本発明は、この態様に限定されない。例えば、ヘッド部2は、ディスペンサーまたはスプレーガン等でも良い。
 以上の通り、本発明の実施形態と変形例を説明した。本発明は、これら実施形態と変形例の態様にのみ限定されるものではない。上記した実施形態と変形例を任意に組み合わせても良い。
 以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。発明の技術的な思想の範囲内で、適宜変更可能である。
 1、1A~1D   :製造装置
 2     :ヘッド部(吐出部)
 3     :ローラユニット
 4     :紫外線照射部(硬化部)
 5、5A、5B   :液体貯留部
 6、6A   :液体
 7、7A、7B   :造形物
 8     :供給部
 9     :加熱冷却装置
 11、11A   :テーブル
 11a   :上面
 17    :振動抑制機構
 30    :ローラ部
 301   :ローラ
 31    :調整部(調整機構)
 35    :クリーニング部
 51    :第1周壁部
 510   :内周面
 52    :第2周壁部
 53    :ドレンホース(回収部)
 57    :凹部
 58    :凹溝
 59    :排出溝
 60    :液面
 70    :中実部
 71    :着色部
 72、72A、72B   :吐出台
 74    :胴部
 75L、75R   :腕部
 75La、75Ra  :先端部(硬化済みのインクから離れた位置に着弾したインク)
 78    :保持部(保持領域)
 79    :保持部(保持領域)
 F     :浮力
 L1~Ln   :インク層
 Rb    :第1周壁部と第2周壁部の間の空間(回収部)
 W1    :オーバーハング領域
 W2    :オーバーラップ領域
 X     :副走査方向
 Y     :主走査方向
 Z     :上下方向

Claims (36)

  1.  立体的な造形物を造形する造形物の製造方法であって、
     液体貯留部に貯留された液体にインクを吐出する吐出工程と、
     前記液体に吐出された前記インクを硬化させる硬化工程と、を有する、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  2.  請求項1において、
     前記吐出工程と前記硬化工程を繰り返して、前記液体内でインク層を積層する積層工程を有する、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  3.  請求項2において、
     前記インク層が形成される毎に、前記インク層と同じ体積分の前記液体を排出する排出工程を有する、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  4.  請求項2において、
     前記インク層が形成される毎に、前記インク層の厚みと同じ高さ分の前記液体を供給する供給工程を有する、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  5.  請求項1において、
     前記インクは、紫外線硬化性のインクである、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  6.  請求項1において、
     前記インクは主剤となる材料を含有し、前記液体は硬化剤となる材料を含有し、前記インクに前記液体が混合することで前記インクが硬化する、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  7.  請求項6において、
     前記インクは、金属触媒成分を含有し、
     前記液体は、過酸化物成分を含有する、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  8.  請求項6において、
     前記インクは、エポキシ樹脂であり、
     前記液体は、アミン系硬化剤である、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  9.  請求項6において、
     前記インクは、白金触媒成分を含有し、
     前記液体は、ヒドロシリル基を有する架橋剤である、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  10.  請求項6において、
     前記インクは、光開始剤を含有し、
     前記液体は、反応基を含有し、
     前記液体が混合した前記インクに紫外線を照射することで前記インクが硬化する、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  11.  請求項1において、
     前記インクは、熱硬化性のインクである、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  12.  請求項1において、
     前記インクは、熱可塑性のインクである、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  13.  請求項1から12のいずれか一項において、
     前記インクを吐出する方法は、インクジェット法である、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  14.  立体的な造形物を造形する造形物の製造装置であって、
     液体を保持する液体貯留部と、
     前記液体にインクを吐出する吐出部と、
     前記液体に吐出された前記インクを硬化させる硬化部と、を有することを特徴とする造形物の製造装置。
  15.  請求項14において、
     前記液体貯留部から溢れた前記液体を回収する回収部を有する、ことを特徴とする造形物の製造装置。
  16.  請求項14において、
     前記液体貯留部は、前記吐出部の下方に設けられた台の上面が開口する凹部を有し、前記液体は、前記凹部に貯留されている、ことを特徴とする造形物の製造装置。
  17.  請求項14において、
     前記液体貯留部の振動を抑制する振動抑制機構を有する、ことを特徴とする造形物の製造装置。
  18.  請求項14から17のいずれか一項において、
     前記吐出部はインクジェットヘッドである、ことを特徴とする造形物の製造装置。
  19.  立体的な造形物を造形する造形物の製造方法であって、
     液体貯留部に貯留された液体にインクを吐出する吐出工程と、
     前記液体に吐出された前記インクを硬化させる硬化工程と、を有し、
     前記インクを、硬化前の比重が前記液体よりも軽く、硬化後の比重が前記液体よりも重くなる組成物で構成した、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  20.  請求項19において、
     前記硬化前のインクは、粘度が15mPa・s以上、30mPa・s以下である、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  21.  請求項19において、
     前記液体は、チクソ性を発揮する材料を含む、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  22.  請求項19において、
     前記造形物の造形に先立って、前記造形物を載置する台を、前記インクで形成する台形成工程を有する、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  23.  請求項19から22のいずれか一項において、
     前記インクを吐出する方法は、インクジェット法である、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  24.  立体的な造形物を造形する造形物の製造装置であって、
     液体を保持する液体貯留部と、
     前記液体にインクを吐出する吐出部と、
     前記液体に吐出された前記インクを硬化させる硬化部と、有し、
     前記インクは、未硬化の状態における比重が前記液体よりも軽く、硬化した状態における比重が前記液体よりも重い組成物で構成される、ことを特徴とする造形物の製造装置。
  25.  請求項24において、
     前記吐出部はインクジェットヘッドである、ことを特徴とする造形物の製造装置。
  26.  液体貯留部に貯留された液体にインクを吐出する吐出工程と、前記液体に吐出された前記インクを硬化させてインク層を形成する硬化工程とを繰り返して、前記インク層を積層した造形物の製造方法であって、
     前記吐出工程は、
     前記吐出工程で吐出したインクの保持領域を形成する補助工程を含み、
     前記保持領域は、硬化済みのインクから離れた位置に着弾したインクを着弾位置に保持する、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  27.  請求項26において、
     前記保持領域は、前記造形物におけるオーバーハング領域である、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  28.  請求項26において、
     前記インクを吐出する方法は、インクジェット法である、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  29.  請求項26において、
     前記保持領域は、前記液体貯留部の内周面に接続する、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  30.  請求項27において、
     前記保持領域は、前記硬化済みのインクに接続する、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  31.  請求項26から請求項30の何れか一項において、
     前記補助工程は、硬化済みのインクから離れた位置にインクを吐出する吐出工程の一回前の吐出工程に含まれる、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  32.  請求項26から請求項30の何れか一項において、
     前記補助工程は、硬化済みのインクから離れた位置にインクを吐出する吐出工程に含まれる、ことを特徴とする造形物の製造方法。
  33.  液体を貯留する液体貯留部と、
     前記液体への吐出部からのインクの吐出と、吐出されたインクの硬化部による硬化を制御する制御部と、を有し、
     前記液体へのインクの吐出と、前記液体に吐出された前記インクの硬化を繰り返して、硬化したインクの積層体である造形物を造形する造形物の製造装置であって、
     前記制御部は、
     硬化済みのインクから離れた位置に着弾したインクを着弾位置に保持する保持領域を、前記吐出部から吐出したインクの硬化により形成する、ことを特徴とする造形物の製造装置。
  34.  請求項33において、
     前記制御部は、前記保持領域を、前記液体貯留部の内周面に接続して形成する、ことを特徴とする造形物の製造装置。
  35.  請求項33において、
     前記制御部は、前記保持領域を、前記硬化済みのインクに接続して形成する、ことを特徴とする造形物の製造装置。
  36.  請求項33において、
     前記吐出部は、インクジェットヘッドである、ことを特徴とする造形物の製造装置。
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