WO2024069687A1 - 人検知装置、人検知システム、人検知方法、及び人検知プログラム - Google Patents
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Abstract
人検知装置(10)は、測定信号を生成する測定信号生成部(11)と、測定信号に基づく音がスピーカ(31)から対象空間に出力されている時に、対象空間における音を収音するマイク(32)から出力される応答信号に基づいてスピーカとマイクとの間の音響特性を測定する音響特性測定部(22)と、対象空間内が無人である時に音響特性測定部(22)で測定された音響特性又は予め計算によって取得された前記対象空間内の音響特性を基準音響特性として保持する基準音響特性保持部(24)と、対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する時に音響特性測定部(22)で測定された判定時の音響特性と基準音響特性とを比較した結果に基づいて、対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する人有無判定部(25)とを有する。
Description
本開示は、人検知装置、人検知システム、人検知方法、及び人検知プログラムに関する。
地震後に実施されるエレベータの自動復旧運転の前に、対象空間であるエレベータかごに設けられたマイクによって、エレベータかご内で発生する音(例えば、アナウンスに応答して搭乗者が発する声)を集音し、集音された音に基づいて、エレベータかご内の人の有無を判定し、エレベータかご内に人がいないと判定した場合に、自動復旧運転を開始するエレベータの制御方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、対象空間内にいる人が動くこと及び声を発することができない場合(例えば、人が意識を失った状態である場合)又は対象空間内にいる人がアナウンスの内容を理解できない人である場合(例えば、人が外国人である場合)には、対象空間内に人がいるにもかかわらず、人がいないと誤判定することがあるといった問題がある。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、対象空間内における人の有無を高い精度で判定することを目的とする。
本開示の人検知装置は、スピーカとマイクとを用いて対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する装置であって、測定信号を生成する測定信号生成部と、前記測定信号に基づく音が前記スピーカから前記対象空間に出力されている時に、前記対象空間における音を収音する前記マイクから出力される応答信号に基づいて、前記スピーカと前記マイクとの間の音響特性を測定する音響特性測定部と、前記対象空間内が無人である時に前記音響特性測定部で測定された音響特性又は予め計算によって取得された前記対象空間内の音響特性を基準音響特性として保持する基準音響特性保持部と、前記対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する時に前記音響特性測定部で測定された判定時の音響特性と前記基準音響特性とを比較した結果に基づいて、前記対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する人有無判定部と、を有することを特徴とする。
本開示の人検知方法は、スピーカとマイクとを用いて対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する人検知装置によって実行される方法であって、測定信号を生成するステップと、前記測定信号に基づく音が前記スピーカから前記対象空間に出力されている時に、前記対象空間における音を収音する前記マイクから出力される応答信号に基づいて、前記スピーカと前記マイクとの間の音響特性を測定するステップと、前記対象空間内が無人である時に測定された音響特性又は予め計算によって取得された前記対象空間内の音響特性を基準音響特性として保持するステップと、前記対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する時に前記音響特性を測定するステップで測定された判定時の音響特性と前記基準音響特性とを比較した結果に基づいて、前記対象空間内が無人であるか有人であるかを判定するステップと、を有することを特徴とする。
本開示によれば、対象空間内における人の有無を高い精度で判定することができる。
以下に、実施の形態に係る人検知装置、人検知システム、人検知方法、及び人検知プログラムを、図面を参照しながら説明する。以下の実施の形態は、例にすぎず、実施の形態を適宜変更することが可能である。
《1》人検知システム1及び人検知装置10の構成
図1は、実施の形態に係る人検知システム1及び人検知装置10の構成を概略的に示す機能ブロック図である。図1に示されるように、人検知システム1は、電気信号を音に変換する音響機器であるスピーカ31と、音を電気信号に変換する音響機器であるマイク32と、スピーカ31とマイク32とを用いて対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する人検知装置10とを有している。対象空間は、例えば、エレベータかご、などの閉空間であり、この場合の人は、エレベータの搭乗者である。ただし、対象空間は、エレベータかごに限定されず、建築物内、などのような構造物の内部空間であってもよい。人検知装置10は、情報処理機能を持つ電気回路で構成される。人検知装置10は、例えば、コンピュータによって構成される。
図1は、実施の形態に係る人検知システム1及び人検知装置10の構成を概略的に示す機能ブロック図である。図1に示されるように、人検知システム1は、電気信号を音に変換する音響機器であるスピーカ31と、音を電気信号に変換する音響機器であるマイク32と、スピーカ31とマイク32とを用いて対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する人検知装置10とを有している。対象空間は、例えば、エレベータかご、などの閉空間であり、この場合の人は、エレベータの搭乗者である。ただし、対象空間は、エレベータかごに限定されず、建築物内、などのような構造物の内部空間であってもよい。人検知装置10は、情報処理機能を持つ電気回路で構成される。人検知装置10は、例えば、コンピュータによって構成される。
人検知装置10は、測定信号を生成する測定信号生成部11と、測定信号に基づく音がスピーカ31から対象空間に出力されている時に、対象空間における音を収音するマイク32から出力される応答信号に基づいて、スピーカ31とマイク32との間の音響特性を測定する音響特性測定部22とを有している。測定信号生成部11で生成される測定信号は、例えば、TSP(Time Stretched Pulse)信号又はM系列(Maximum Length Sequence)である。音響特性は、例えば、スピーカ31とマイク32との間のインパルス応答の減衰の速さである。また、以下の説明では、測定信号が、TSP信号又はM系列である例を説明するが、測定信号はこれらに限定されない。また、TSP信号の振幅をスピーカ31とマイク32との間の周波数特性に応じて変えてもよい。また、音響特性測定部22は、適応フィルタで構成されてもよく、この場合には、TSP信号及びM系列以外の音(例えば、予め決められた音楽など)を用いて、音響特性を測定することが可能である。
人検知装置10は、対象空間内が無人である時に音響特性測定部22で測定された音響特性を基準音響特性として保持する記憶装置である基準音響特性保持部24を有している。基準音響特性保持部24は、基準音響特性を予め保持してもよい。また、人検知装置10は、対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する時に音響特性測定部22で測定された判定時の音響特性と基準音響特性とを比較した結果に基づいて、対象空間内が無人であるか有人であるか(すなわち、人の有無)を判定する人有無判定部25を有している。人有無判定部25は、測定信号が入力されてから予め定められた時間が経過した後から、予め定められた時間の間、基準音響特性である基準インパルス応答の減衰の速さと判定時の音響特性である判定時インパルス応答の減衰の速さとに基づいて、対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する。また、人有無判定部25は、インパルス応答の減衰の速さに基づいて対象空間内の人の数(例えば、1人であるか2人以上であるか、など)を判定することも可能である。また、音響特性測定部22は、音響特性の測定時に背景ノイズが予め定められたレベル以上である場合に、インパルス応答の測定を複数回行って、インパルス応答の複数の測定値の平均に基づいて基準音響特性を決定することが望ましい。
図1の人検知装置10では、測定信号生成部11で生成された測定信号はデジタル・アナログ(D/A)変換器12でD/A変換されて、スピーカ31に入力され、スピーカ31から測定信号に基づく音が出力される。スピーカ31から出力された音は、マイク32によって収音され、収音された音に基づく応答信号がマイク32から出力され、この応答信号は、アナログ・デジタル(A/D)変換器21でA/D変換されて、音響特性測定部22に出力される。スイッチ23は、基準音響特性の測定時には、無人の対象空間で測定された音響特性を基準音響特性として基準音響特性保持部24に出力し、人の有無の判定時には、対象空間で測定された音響特性を人有無判定部25に出力する。人有無判定部25は、音響特性測定部22で測定された判定時の音響特性と基準音響特性とを比較した結果に基づいて判定され、判定結果は、例えば、表示装置に表示される。
なお、基準音響特性保持部24によって保持される対象空間内の音響特性である基準音響特性は、予め計算によって取得されたものであってもよい。基準音響特性の計算に関しては、図9、図13、及び図14を用いて後述される。例えば、基準音響特性は、対象空間を囲う構造物の表面積及び材質、対象空間の容積、及びスピーカ31とマイク32との間の距離による音の伝搬遅延とを用いて予め計算される。あるいは、基準音響特性は、対象空間を囲う構造物の表面積及び材質、対象空間の容積、D/A変換器12、A/D変換器21、及びスピーカ31とマイク32との間の距離による音の伝搬遅延とを用いて予め計算される。
図2は、実施の形態に係る人検知システム1及び人検知装置10のハードウェア構成の例を示す図である。人検知装置10は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ101と、揮発性の記憶装置であるメモリ102と、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)などの不揮発性の記憶装置103と、インタフェース104とを有している。メモリ102は、例えば、RAM(Random Access Memory)などの半導体メモリである。記憶装置103は、図1の基準音響特性保持部24を含む。
人検知装置10の各機能は、例えば、処理回路により実現される。処理回路は、専用のハードウェアであってもよく、又はメモリ102に格納される人検知プログラムを実行するプロセッサ101であってもよい。プロセッサ101は、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、及びDSP(Digital Signal Processor)のいずれであってもよい。
処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらのうちのいずれかを組み合わせたものである。
処理回路がプロセッサ101である場合、人検知装置10によって実行される人検知プログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。人検知プログラムは、ネットワークを経由して又は記録媒体から人検知装置10にインストールされる。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ102に格納される。プロセッサ101は、メモリ102に記憶された人検知プログラムを読み出して実行することにより、図1に示される各部の機能を実現することができる。
なお、人検知装置10は、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらのうちのいずれかの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
本実施の形態によれば、対象空間内にいる人が動くこと及び声を発することができない場合又は対象空間内にいる人がアナウンスの内容を理解できない人である場合であっても、対象空間内に人がいるかいないかを判定することができ、対象空間内における人の有無を高い精度で判定することができる。
《2》インパルス応答の測定方法
《2-1》TSP信号による音響特性の測定
《2-1-1》TSP信号の生成
測定信号生成部11は、測定信号として時間と共に周波数が上昇するTSP信号を以下のように生成する。時間の経過に伴い周波数が上昇するTSP信号は、周波数軸上の信号upTsp(k)、(k=0,1,…,N-1)として、下記の式(1)で表される。
《2-1》TSP信号による音響特性の測定
《2-1-1》TSP信号の生成
測定信号生成部11は、測定信号として時間と共に周波数が上昇するTSP信号を以下のように生成する。時間の経過に伴い周波数が上昇するTSP信号は、周波数軸上の信号upTsp(k)、(k=0,1,…,N-1)として、下記の式(1)で表される。
ここで、kは、離散周波数番号を表し、x*は、xの複素共役を表す。また、Nは、DFT(Discrete Fourier Transform:離散フーリエ変換)ポイント数であり、TSP信号の信号長を表す。Jは、TSP信号の実行長を表し、J<Nである。
次に、周波数軸上の信号upTsp(k)を逆離散フーリエ変換(逆DFT)することにより、TSP信号は、時間軸上の信号upTspTim(n)、(n=0,1,…,N-1)になる。信号upTspTim(n)は、下記の式(2)で表される。
式(2)の信号upTspTim(n)は、-1から1までの値を取るが、測定信号生成部11は、信号upTspTim(n)をD/A変換器12へ出力するために、信号upTspTim(n)に予め定められたゲインA(すなわち、固定値A)を乗算する。この乗算によって得られた値は、下記の(3)で表される。
ゲインAとしては、D/A変換器12のビット数がi(iは正の整数)の場合には、最大2i-1-1までの整数を選び得る。iが16ビットである場合、選び得るゲインAの最大値は、215-1=32767である。インパルス応答の測定時のSN比(signal-to-noise ratio)を高くするためには、ゲインAは、できるだけ大きい値であることが望ましい。しかし、測定信号の出力時にマイク32の入力側のA/D変換器21が飽和しないように、ゲインAを選ぶ必要がある。さらに、信号upTspTim(n)を下記の式(4)に示すように、(N-J)/2だけ円状シフトして得られた信号upTspTimSft(n)を測定信号生成部11から出力される測定信号とする。
《2-1-2》インパルス応答の測定
測定信号生成部11から測定信号としてTSP信号を出力している時に、マイク32から入力した応答信号をA/D変換器21でA/D変換した信号をres(n)、(n=0,1,…,N-1)とすると、音響特性測定部22は、以下の手順でスピーカ31とマイク32との間の音響特性であるインパルス応答を求める。
測定信号生成部11から測定信号としてTSP信号を出力している時に、マイク32から入力した応答信号をA/D変換器21でA/D変換した信号をres(n)、(n=0,1,…,N-1)とすると、音響特性測定部22は、以下の手順でスピーカ31とマイク32との間の音響特性であるインパルス応答を求める。
まず、音響特性測定部22は、信号res(n)を逆円状シフトすることで、信号resSft(n)を求める。信号resSft(n)は、下記の式(5)で表される。
音響特性測定部22は、信号resSft(n)を離散フーリエ変換(DFT)することにより、下記の式(6)で表される信号resFreq(k)、(k=0,1,…,N-1)を求める。
次に、周波数領域のTSP信号の逆関数downTsp(k)、(k=0,1,…,N-1)を下記の式(7)により計算する。逆関数downTsp(k)は、時間の経過に伴い周波数が下降する信号を表す。
ここで、kは、離散周波数番号を表し、x*は、xの複素共役を表す。また、Nは、DFTポイント数であり、TSP信号の信号長を表す。Jは、TSP信号の実行長を表し、J<Nである。
下記の式(8)に示されるように、信号resFreq(k)とdownTsp(k)との積が、スピーカ31とマイク32との間のインパルス応答の周波数表現implsFreq(k)、(k=0,1,…,N-1)となる。
さらに、これを逆離散フーリエ変換することで、式(9)に示されるインパルス応答impls(n)、(n=0,1,…,N-1)が求められる。
なお、厳密なインパルス応答は、式(9)のimpls(n)を1/A倍した信号であるが、人の有無判定には、信号の形状が用いられるので、1/A倍は省略可能である。
《2-2》M系列による音響特性測定の例
《2-2-1》M系列の生成
測定信号生成部11は、測定信号としてM系列を生成してもよい。この場合、測定信号生成部11は、帰還多項式x16+x14+x13+x11+1による16ビットの線形帰還シフトレジスタを用いて、M系列mls(n)、(n=0,1,…,N-1)を生成する。なお、Nは、M系列の長さであり、16ビットの場合に、Nは、216-1=65535である。
《2-2-1》M系列の生成
測定信号生成部11は、測定信号としてM系列を生成してもよい。この場合、測定信号生成部11は、帰還多項式x16+x14+x13+x11+1による16ビットの線形帰還シフトレジスタを用いて、M系列mls(n)、(n=0,1,…,N-1)を生成する。なお、Nは、M系列の長さであり、16ビットの場合に、Nは、216-1=65535である。
16ビットの整数lfsrとして、初期値を下記のように設定する。初期値は、0以外の正の整数であれば任意である。この例では、初期値としてlsfr=1を用いる。
次に、以下の処理を65535回(n=0,1,…,65534)、繰り返す。まず、16ビットの整数lfsrの最下位ビットが1の場合、16ビットの整数lfsrを下記の式(10)ように更新する。
Polは、帰還多項式によって決まる定数である。帰還多項式がx16+x14+x13+x11+1の場合、Polは下記の式(11)となる。
また、16ビットの整数lfsrの最下位ビットが0の場合は、16ビットの整数lfsrを下記の式(12)ように更新する。
更新した16ビットの整数lfsrの最下位ビットが1の場合、M系列mls(n)=Aとし、最下位ビットが0の場合、M系列mls(n)=-Aとする。
なお、ゲインAとして、D/A変換器12のビット数がiの場合には最大2i-1-1までの整数を選び得る(iが16ビット場合には、A=32767)。測定時のSN比を高くするためにはゲインAはできるだけ大きい値であることが望ましいが、測定信号出力時にマイク32入力側のA/D変換器21が飽和しないように選ぶ必要がある。
測定信号生成部11は、上記手順で生成したM系列mls(n)、(n=0,1,…,N-1)を、例えば、2回出力する。
《2-2-2》インパルス応答の測定
測定信号生成部11から測定信号としてM系列を出力している時に、マイク32から入力した応答信号をA/D変換した信号をres(n)、(n=0,1,…,2N-1)とする。音響特性測定部22は、スピーカ31とマイク32との間の音響特性であるインパルス応答impls(n)、(n=0,1,…,N-1)を、後半Nサンプルの応答信号res(n)、(n=N,N+1,…,2N-1)を用いて下記の式(13)で求める。
測定信号生成部11から測定信号としてM系列を出力している時に、マイク32から入力した応答信号をA/D変換した信号をres(n)、(n=0,1,…,2N-1)とする。音響特性測定部22は、スピーカ31とマイク32との間の音響特性であるインパルス応答impls(n)、(n=0,1,…,N-1)を、後半Nサンプルの応答信号res(n)、(n=N,N+1,…,2N-1)を用いて下記の式(13)で求める。
ここで、jnは、0からN-1までの値を取る整数であり、j≧nの時にはjn=j-nであり、j<nの時にはjn=j-n+Nである。
最後に、インパルス応答impls(n)のオフセットを、下記の式(14)のように取り除く。
図3は、対象空間内が無人である時における、対象空間内のインパルス応答特性である基準音響特性(すなわち、無人時の音響特性)の例を示す図である。図4は、対象空間内が有人である時における、対象空間内のインパルス応答特性である音響特性(すなわち、有人時の音響特性)の例を示す図である。図3及び図4に示されるインパルス応答の測定例は、TSP法、8kHzサンプリング、N=32768、J=16384で行われた場合の例である。図3の無人時のインパルス応答の減衰に比べ、図4の有人時のインパルス応答の減衰が速い。つまり、例えば、エレベータかごに人(すなわち、搭乗者)がいる場合には、人がいない場合に比べて、TSP信号に基づく音の減衰が速い。
《3》人有無判定部25
人有無判定部25は、以上に説明したインパルス応答の減衰の速さに基づいて、対象空間内の人の有無を判定することができる。具体的な方法として、残響時間特性を用いる方法と、インパルス応答の短区間パワーを用いる方法とがある。
人有無判定部25は、以上に説明したインパルス応答の減衰の速さに基づいて、対象空間内の人の有無を判定することができる。具体的な方法として、残響時間特性を用いる方法と、インパルス応答の短区間パワーを用いる方法とがある。
《3-1》インパルス応答の減衰の速さの判定に残響減衰量を用いる方法
残響減衰量trev(n)は、下記の式(15)のように定義される。
残響減衰量trev(n)は、下記の式(15)のように定義される。
測定されたインパルス応答長は有限値Nであるため残響減衰量trev(n)、(n=0,1,…,N-1)は、下記の式(16)のようになる。
実際には、測定誤差及び暗騒音の影響を考慮し、Mサンプル分までのインパルス応答から残響減衰量trev(n)、(n=0,1,…,M-1)を、下記の式(17)で求める。
図5は、対象空間内が無人である時と対象空間内が有人である時におけるインパルス応答特性(背景ノイズが無い場合)を残響減衰量[dB]の時間変化で表す図である。図5は、対象空間が、エレベータかごであり、TSP法、8kHzサンプリング、N=32768、J=16384、M=8000の条件で残響減衰量[dB]の時間変化を、無人(破線)及び有人(実線)の場合に計測した結果を示す。
図6は、対象空間内が無人である時と対象空間内が有人である時におけるインパルス応答特性(背景ノイズが有る場合)を残響減衰量[dB]の時間変化で表す図である。図6は、対象空間が、エレベータかごであり、TSP法、8kHzサンプリング、N=32768、J=16384、M=8000の条件で残響減衰量[dB]の時間変化を、無人(破線)、有人(1人)でSN比10dB(実線)、及び無人でSN比10dB(一点鎖線)の場合に計測した結果を示す。
音量の大きい背景ノイズがある場合、残響減衰量[dB]が概ね-20dB以下から背景ノイズの影響を受けて減衰量が大きくなっている。有人又は無人の判定方法を以下の通りとする。例えば、人有無判定部25は、基準音響特性(すなわち、無人時の残響減衰量[dB])が-20dBとなる時点(図5及び図6においては測定信号の出力時点から0.2秒時点)において、測定された残響減衰量[dB]が基準値(=-20dB)と比較して5dB以上小さい場合には有人、そうでなければ無人と判定することができる。なお、有人又は無人の判定方法は、この方法に限定されない。図5及び図6からわかるように、測定信号の出力時点から0.1秒から0.25秒までの範囲では、残響減衰量[dB]が5dB以上小さい場合には有人、そうでなければ無人と判定することができる。
《3-2》インパルス応答の減衰の速さの判定にインパルス応答パワーを用いる方法
インパルス応答を短時間(Lサンプル)毎に区切り、そのパワーを求めたものをインパルス応答パワーimplsPow(n)を下記の式(18)のように定義する。
インパルス応答を短時間(Lサンプル)毎に区切り、そのパワーを求めたものをインパルス応答パワーimplsPow(n)を下記の式(18)のように定義する。
図7は、対象空間内が無人である時と対象空間内が有人である時におけるインパルス応答特性(背景ノイズが無い場合)をインパルス応答パワー[dB]の時間変化で表す図である。図7は、対象空間が、エレベータかごであり、TSP法、8kHzサンプリング、N=32768、J=16384、L=80の条件でインパルス応答パワー[dB]の時間変化を計測した結果を示す。図7からわかるように、有人の場合の方がインパルス応答パワー[dB]が速く減衰することから、減衰の速さの違いに基づいて対象空間内が有人であるか、無人であるかを判別することができる。
図8は、対象空間内が無人である時と対象空間内が有人である時におけるインパルス応答特性(背景ノイズが有る場合)をインパルス応答パワー[dB]の時間変化で表す図である。図7は、対象空間が、エレベータかごであり、有人・無人判定時(テスト信号出力時)に音量の大きい背景ノイズ(SN比10dB)があり、TSP法、8kHzサンプリング、N=32768、J=16384、L=80の条件でインパルス応答パワー[dB]の時間変化を計測した結果を示す。
音量の大きい背景ノイズがある場合、インパルス応答パワー[dB]が概ね60dB以下から背景ノイズの影響を受けている。有人又は無人判定方法を下記の通りとする。例えば、人有無判定部25は、無人時のインパルス応答パワー[dB]が60dBとなる時点(図7及び図8においては測定信号の出力時点から0.24秒時点)において、測定された残響減衰量[dB]が基準値(=60dB)と比較して5dB以上小さい場合には有人、そうでなければ無人と判定することができる。なお、有人又は無人の判定方法は、この方法に限定されない。図7及び図8からわかるように、測定信号の出力時点から0.1秒から0.35秒までの範囲では、インパルス応答パワー[dB]が5dB以上小さい場合には有人、そうでなければ無人と判定することができる。
《3-3》基準音響特性の計算法
図9は、対象空間内が無人である時の基準音響特性の定め方を示すグラフである。上記したように、基準音響特性は、対象空間内が無人の場合における残響減衰量[dB]となるので、例えば、エレベータ設置時などのように、確実に無人と分かっている状態で測定した残響減衰量が基準音響特性として保存される。
図9は、対象空間内が無人である時の基準音響特性の定め方を示すグラフである。上記したように、基準音響特性は、対象空間内が無人の場合における残響減衰量[dB]となるので、例えば、エレベータ設置時などのように、確実に無人と分かっている状態で測定した残響減衰量が基準音響特性として保存される。
しかし、基準音響特性保持部24によって保持される基準音響特性は、予め計算によって得られたものであってもよい。対象空間であるエレベータかごの内部の表面積がS[m2]、容積がV[m3]、及び材質によって、残響時間(音源が振動を停止した後、残響音のパワーが60dB減衰するまでの時間)T[sec]を計算してもよい。例えば、音場の容積V[m3]、表面積S[m2]、壁の平均吸音率αの場合、残響時間T[sec]は、セービン(Sabine)の式を用いて、T=0.162V/Sαと表わすことができる。A/D変換器21、D/A変換器12、及びスピーカ31とマイク32との間の距離による音の伝搬遅延Dを基に、基準の音響特性trev_b(n)を、下記の式(19)で定めることができる。
《4》インパルス応答測定の高精度化
《4-1》TSP信号波形の例
図10は、測定信号生成部11によって生成された、時間と共に周波数が上昇する信号であるTSP信号の波形の例を示す概略図である。図10は、8kHzサンプリング、N=32768、J=16384の場合のTSP信号波形を表している。
《4-1》TSP信号波形の例
図10は、測定信号生成部11によって生成された、時間と共に周波数が上昇する信号であるTSP信号の波形の例を示す概略図である。図10は、8kHzサンプリング、N=32768、J=16384の場合のTSP信号波形を表している。
上記式(3)に示した通り、TSP信号にはD/A変換器12に出力するため予め定められたゲインAをゲインとして乗算しており、図10では、A=8192と設定されている。図10のように、振幅が一定のTSP信号を用いるとすると、音響特性測定においてマイク32から入力される信号は、スピーカ31とマイク32との間の周波数特性に応じた振幅変化が生じる。
《4-2》マイク32からA/D変換器21に入力される応答信号波形の例
図11は、図10のTSP信号に基づいてスピーカ31から出力された音をマイク32で収音した時に、マイク32から出力される応答信号の波形の例を示す概略図である。図11では、マイク32の入力信号の最大振幅はA/D変換器21のフルスケール(16ビット、-32768~32767)以内に収まっている。音響特性であるインパルス応答の測定の精度を上げるためには、ゲインAが大きい方が有利であるが、TSP信号に乗算するゲインAを8192に抑えることで、マイク32の入力の飽和を抑制している。出力するTSP信号にマイク32とスピーカ31との間の周波数特性の逆特性を与えることで、ゲインAを大きく取ることが可能となり、インパルス応答測定の精度を上げることができる。その場合のインパルス応答の測定の手順は、以下の通りである。
図11は、図10のTSP信号に基づいてスピーカ31から出力された音をマイク32で収音した時に、マイク32から出力される応答信号の波形の例を示す概略図である。図11では、マイク32の入力信号の最大振幅はA/D変換器21のフルスケール(16ビット、-32768~32767)以内に収まっている。音響特性であるインパルス応答の測定の精度を上げるためには、ゲインAが大きい方が有利であるが、TSP信号に乗算するゲインAを8192に抑えることで、マイク32の入力の飽和を抑制している。出力するTSP信号にマイク32とスピーカ31との間の周波数特性の逆特性を与えることで、ゲインAを大きく取ることが可能となり、インパルス応答測定の精度を上げることができる。その場合のインパルス応答の測定の手順は、以下の通りである。
《5》TSP信号による音響特性の測定の他の例
《5-1》TSP信号の生成
測定信号生成部11は、時間と共に周波数が上昇するTSP信号を以下の通り生成する。まず、測定信号生成部11は、周波数軸上の信号upTsp(k)、(k=0,1,…,N-1)を生成する。
《5-1》TSP信号の生成
測定信号生成部11は、時間と共に周波数が上昇するTSP信号を以下の通り生成する。まず、測定信号生成部11は、周波数軸上の信号upTsp(k)、(k=0,1,…,N-1)を生成する。
ここで、kは、離散周波数番号を表し、x*は、xの複素共役を表す。また、Nは、DFTポイント数であり、TSP信号の信号長を表す。Jは、TSP信号の実行長を表し、J<Nである。
次に、測定信号生成部11は、TSP信号にマイク32とスピーカ31との間の周波数特性を補正する周波数特性ゲインg(k)、(k=0,1,…,N-1)を、式(20)のように与える。なお、g(k)、(k=0,1,…,N-1)は、0より大きく1以下の値を取る。
次に、周波数軸上の信号upTsp(k)を逆DFTすることにより、TSP信号は、時間軸上の信号upTspTim(n)、(n=0,1,…,N-1)として、下記の式(22)で求められる。
式(2)の信号upTspTim(n)は、-1から1までの値を取るが、測定信号生成部11は、信号upTspTim(n)をD/A変換器12へ出力するために、信号upTspTim(n)に予め定められたゲインであるゲインAを乗算する。乗算によって得られた値は、下記の(23)で表される。
さらに、信号upTspTim(n)を下記の式(24)に示すように、(N-J)/2だけ円状シフトして得られた信号upTspTimSft(n)を測定信号生成部11から出力される測定信号とする。
《5-2》インパルス応答の測定
測定信号生成部11から測定信号としてTSP信号を出力している時に、マイク32から入力した応答信号をA/D変換した信号をres(n)、(n=0,1,…,N-1)とすると、音響特性測定部22は、下記の手順でスピーカ31とマイク32との間の音響特性であるインパルス応答を求める。
測定信号生成部11から測定信号としてTSP信号を出力している時に、マイク32から入力した応答信号をA/D変換した信号をres(n)、(n=0,1,…,N-1)とすると、音響特性測定部22は、下記の手順でスピーカ31とマイク32との間の音響特性であるインパルス応答を求める。
まず、音響特性測定部22は、信号res(n)を逆円状シフトして得られた信号resSft(n)を、下記の式(25)で求める。
音響特性測定部22は、信号resSft(n)を離散フーリエ変換(DFT)することにより、下記の式(26)で表される信号resFreq(k)、(k=0,1,…,N-1)を求める。
次に、前記周波数領域のTSP信号の逆関数downTsp(k)、(k=0,1,…,N-1)を下記の式(27)により計算する。逆関数downTsp(k)は、時間の経過に伴い周波数が下降する信号を表す。
ここで、kは、離散周波数番号を表し、x*は、xの複素共役を表す。また、Nは、DFTポイント数でありTSP信号の信号長を表す。Jは、TSP信号の実行長を表し、J<Nである。
次に、測定信号生成部11は、TSP信号に与えたマイク32とスピーカ31との間の周波数特性を補正する周波数特性ゲインg(k)、(k=0,1,…,N-1)の逆特性をdownTsp(k)、(k=0,1,…,N-1)に与える。なお、g(k)、(k=0,1,…,N-1)は、0より大きく1以下の値を取る。
resFreq(k)とdownTsp(k)の積がスピーカ31とマイク32との間のインパルス応答の周波数表現implsFreq(k)、(k=0,1,…,N-1)となる。
下記の式(29)に示されるように、resFreq(k)とdownTsp(k)の積が、スピーカ31とマイク32との間のインパルス応答の周波数表現implsFreq(k)、(k=0,1,…,N-1)となる。
さらに、これを逆離散フーリエ変換することで、式(30)に示されるインパルス応答impls(n)、(n=0,1,…,N-1)が求められる。
《6》実施の形態に係る人検知装置10の動作
図12は、図1の人検知装置10の動作例を示すフローチャートである。まず、測定信号生成部11は、TSP信号として上記式(4)に示されるupTspTimShft(n)を出力する(ステップS1)。次に、音響特性測定部(22)は、res(n)を記憶装置に保存する(ステップS2)。これらの処理は、n=Nになるまで繰り返される(ステップS3、S4)。
図12は、図1の人検知装置10の動作例を示すフローチャートである。まず、測定信号生成部11は、TSP信号として上記式(4)に示されるupTspTimShft(n)を出力する(ステップS1)。次に、音響特性測定部(22)は、res(n)を記憶装置に保存する(ステップS2)。これらの処理は、n=Nになるまで繰り返される(ステップS3、S4)。
次に、音響特性測定部(22)は、上記式(9)に示されるようにインパルス応答impls(n)、(n=0,1,…,N-1)を算出し(ステップS5)、上記式(17)に示されるように残響減衰量trev(n)、(n=0,1,…,M-1)を算出する(ステップS6)。
基準音響特性の測定時には、残響減衰量を基準音響特性として基準音響特性保持部24に格納する(ステップS7、S8)。対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する時には、人有無判定部25は、音響特性測定部22で測定された判定時の音響特性と基準音響特性とを比較した結果に基づいて、対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する(ステップS9~S11)。
《7》実施の形態の変形例
図13は、実施の形態の変形例に係る人検知システム1a及び人検知装置10aの構成を概略的に示す機能ブロック図である。図13において、図1に示される構成と同一又は対応する構成には、図1に示される符号と同じ符号が付されている。図14は、図13の人検知装置10aの動作例を示すフローチャートである。図14において、図12に示されるステップと同一又は対応するステップには、図12に示される符号と同じ符号が付されている。図13の人検知装置10aでは、基準音響特性が、式(19)に示されるような計算によって予め算出され、保存されている点、及びスイッチ23を備えていない点が、図1の人検知装置10と異なる。この点以外に関し、図13の人検知システム1a及び人検知装置10aは、図1の人検知システム1及び人検知装置10と同じである。
図13は、実施の形態の変形例に係る人検知システム1a及び人検知装置10aの構成を概略的に示す機能ブロック図である。図13において、図1に示される構成と同一又は対応する構成には、図1に示される符号と同じ符号が付されている。図14は、図13の人検知装置10aの動作例を示すフローチャートである。図14において、図12に示されるステップと同一又は対応するステップには、図12に示される符号と同じ符号が付されている。図13の人検知装置10aでは、基準音響特性が、式(19)に示されるような計算によって予め算出され、保存されている点、及びスイッチ23を備えていない点が、図1の人検知装置10と異なる。この点以外に関し、図13の人検知システム1a及び人検知装置10aは、図1の人検知システム1及び人検知装置10と同じである。
1、1a 人検知システム、 10、10a 人検知装置、 11 測定信号生成部、 12 D/A変換器、 21 A/D変換器、 22 音響特性測定部、 23 スイッチ、 24 基準音響特性保持部、 25 人有無判定部、 31 スピーカ、 32 マイク。
Claims (15)
- スピーカとマイクとを用いて対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する人検知装置であって、
測定信号を生成する測定信号生成部と、
前記測定信号に基づく音が前記スピーカから前記対象空間に出力されている時に、前記対象空間における音を収音する前記マイクから出力される応答信号に基づいて、前記スピーカと前記マイクとの間の音響特性を測定する音響特性測定部と、
前記対象空間内が無人である時に前記音響特性測定部で測定された音響特性又は予め計算によって取得された前記対象空間内の音響特性を基準音響特性として保持する基準音響特性保持部と、
前記対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する時に前記音響特性測定部で測定された判定時の音響特性と前記基準音響特性とを比較した結果に基づいて、前記対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する人有無判定部と、
を有することを特徴とする人検知装置。 - 前記測定信号は、TSP信号であり、
前記音響特性測定部は、前記スピーカと前記マイクとの間の前記基準音響特性の測定時のインパルス応答である基準インパルス応答と前記判定時の音響特性としてのインパルス応答である判定時インパルス応答をそれぞれ測定し、
前記人有無判定部は、前記基準インパルス応答の減衰の速さと前記判定時インパルス応答の減衰の速さとに基づいて、前記対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の人検知装置。 - 前記測定信号は、M系列であり、
前記音響特性測定部は、前記スピーカと前記マイクとの間の前記基準音響特性の測定時のインパルス応答である基準インパルス応答と前記判定時の音響特性としてのインパルス応答である判定時インパルス応答をそれぞれ測定し、
前記人有無判定部は、前記基準インパルス応答の減衰の速さと前記判定時インパルス応答の減衰の速さとに基づいて、前記対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の人検知装置。 - 前記人有無判定部は、前記測定信号が入力されてから予め定められた時間が経過した後から、予め定められた時間の間、前記基準インパルス応答の減衰の速さと前記判定時インパルス応答の減衰の速さとに基づいて、前記対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の人検知装置。 - 前記基準音響特性保持部は、前記基準音響特性を予め保持する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の人検知装置。 - 前記基準音響特性は、前記対象空間を囲う構造物の表面積及び材質、前記対象空間の容積、及び前記スピーカと前記マイクとの間の距離による音の伝搬遅延とを用いて予め計算される
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の人検知装置。 - 前記測定信号をアナログ信号に変換して前記スピーカに出力するD/A変換器と、
前記応答信号をデジタル信号に変換して前記音響特性測定部に出力するA/D変換器と、
をさらに有し、
前記基準音響特性は、前記対象空間を囲う構造物の表面積及び材質、前記対象空間の容積、前記D/A変換器、前記A/D変換器、及び前記スピーカと前記マイクとの間の距離による音の伝搬遅延とを用いて予め計算される
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の人検知装置。 - 前記TSP信号の振幅を前記スピーカと前記マイクとの間の周波数特性に応じて変える
ことを特徴とする請求項2に記載の人検知装置。 - 前記音響特性測定部は、前記音響特性の測定時に背景ノイズが予め定められた値以上である場合に、前記インパルス応答の測定を複数回行って、前記インパルス応答の複数の測定値の平均に基づいて前記基準音響特性を決定する
ことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の人検知装置。 - 前記音響特性測定部は、適応フィルタを含む
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の人検知装置。 - 前記人有無判定部は、前記インパルス応答の減衰の速さに基づいて前記対象空間内の人の数を判定する
ことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の人検知装置。 - 前記対象空間は、エレベータかご内の空間である
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の人検知装置。 - 請求項1から12のいずれか1項に記載の人検知装置と、
前記スピーカと、
前記マイクと、
を有することを特徴とする人検知システム。 - スピーカとマイクとを用いて対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する人検知装置によって実行される人検知方法であって、
測定信号を生成するステップと、
前記測定信号に基づく音が前記スピーカから前記対象空間に出力されている時に、前記対象空間における音を収音する前記マイクから出力される応答信号に基づいて、前記スピーカと前記マイクとの間の音響特性を測定するステップと、
前記対象空間内が無人である時に測定された音響特性又は予め計算によって取得された前記対象空間内の音響特性を基準音響特性として保持するステップと、
前記対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する時に前記音響特性を測定するステップで測定された判定時の音響特性と前記基準音響特性とを比較した結果に基づいて、前記対象空間内が無人であるか有人であるかを判定するステップと、
を有することを特徴とする人検知方法。 - スピーカとマイクとを用いて対象空間内が無人であるか有人であるかを判定するコンピュータに、
測定信号を生成するステップと、
前記測定信号に基づく音が前記スピーカから前記対象空間に出力されている時に、前記対象空間における音を収音する前記マイクから出力される応答信号に基づいて、前記スピーカと前記マイクとの間の音響特性を測定するステップと、
前記対象空間内が無人である時に測定された音響特性又は予め計算によって取得された前記対象空間内の音響特性を基準音響特性として保持するステップと、
前記対象空間内が無人であるか有人であるかを判定する時に前記音響特性を測定するステップで測定された判定時の音響特性と前記基準音響特性とを比較した結果に基づいて、前記対象空間内が無人であるか有人であるかを判定するステップと、
を実行させることを特徴とする人検知プログラム。
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- 2022-09-26 WO PCT/JP2022/035663 patent/WO2024069687A1/ja unknown
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