WO2024053260A1 - パティキュレートフィルタ - Google Patents

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Abstract

本開示によると、PM捕集性能と圧損抑制性能を高いレベルで両立できるパティキュレートフィルタが提供される。ここに開示されるパティキュレートフィルタ1は、排ガス中の粒子状物質PMを捕集する。パティキュレートフィルタ1は、排ガス流入側の端部12aのみが開口した入側セル12、排ガス流出側の端部14bのみが開口した出側セル14、並びに入側セル12と出側セル14とを仕切る多孔質の隔壁16を有する基材10と、隔壁16の入側面16aに形成されている外部コート層20とを備えている。そして、外部コート層20の細孔22のD90細孔径は1μm以上10μm以下である。また、外部コート層20の細孔22の厚みt1が20μm以上80μm以下であり、かつ、気孔率Pcoatが30%以上70%以下である。かかる構成の外部コート層20によると、圧損増大を適切に抑制した上で、粒子状物質PMを好適に捕集できる。

Description

パティキュレートフィルタ
 ここに開示される技術は、パティキュレートフィルタに関する。なお、本国際出願は2022年9月6日に出願された日本国特許出願第2022-141708号に基づく優先権を主張しており、その出願の全内容は本明細書中に参照として組み入れられている。
 自動車用エンジンなどの内燃機関から排出される排ガスには、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NO)などの有害ガス成分の他に、炭素を主成分とする粒子状物質(PM:Particulate Matter)が含まれている。この粒子状物質も、有害ガス成分と同様に人体や環境への影響が懸念されている。このため、内燃機関の排気系には、粒子状物質を除去するパティキュレートフィルタが配置される。
 パティキュレートフィルタには、例えば、ウォールフロー型の基材が用いられる。ウォールフロー型の基材は、排ガス流入側の端部のみが開口した入側セルと、排ガス流出側の端部のみが開口した出側セルと、両セルを仕切る多孔質の隔壁とを備えている。このウォールフロー型の基材に供給された排ガスは、入側セルに流入して隔壁を通過した後に出側セルから排出される。このとき、排ガス中の粒子状物質が隔壁に捕集される。
 また、この種のパティキュレートフィルタでは、基材の隔壁にコート層が形成されることがある。これによって、PM捕集性能を向上することができる。例えば、特許文献1に記載のフィルタでは、隔壁の表面を覆うウォッシュコート層(外部コート層)が形成されている。この外部コート層には、排ガスが通過可能な細孔が複数形成されている。この細孔を排ガスが通過する際に、排ガス中の粒子状物質が外部コート層に捕集される。例えば、特許文献1の外部コート層には、平均粒子間ポアサイズ(平均細孔径)が5.0nm~5.0μmの細孔が形成されている。
日本国公表特許公報第2012-518753号
 ところで、近年では、環境への配慮のさらなる高まりに応じて、より優れたPM捕集性能を有するパティキュレートフィルタが求められている。一方で、PM捕集性能の向上のために外部コート層の平均細孔径を小さくすると、ガス流通性の低下による圧損増大が生じる可能性がある。すなわち、従来のパティキュレートフィルタでは、PM捕集性能と圧損抑制性能を高いレベルで両立させることが困難であった。
 ここに開示される技術は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、PM捕集性能と圧損抑制性能を高いレベルで両立できるパティキュレートフィルタを提供することである。
 上記目的を実現するべく、以下の構成のパティキュレートフィルタが提供される。
 ここに開示されるパティキュレートフィルタ(1)は、内燃機関から排出される排ガス中の粒子状物質を捕集する。このパティキュレートフィルタは、排ガス流入側の端部のみが開口した入側セル、排ガス流出側の端部のみが開口した出側セル、並びに入側セルと出側セルとを仕切る多孔質の隔壁を有するウォールフロー型の基材と、複数の粒状体で形成された多孔質層であり、隔壁の入側セルと接する表面に形成されている外部コート層とを少なくとも備えている。そして、ここに開示されるパティキュレートフィルタでは、水銀圧入法に基づく容積基準の細孔径分布における外部コート層の細孔のD90細孔径が1μm以上10μm以下である。さらに、断面SEM観察において、外部コート層は、厚みが20μm以上80μm以下であり、かつ、気孔率が30%以上70%以下である。
 まず、上述の特許文献1のように、外部コート層の細孔の大きさは、一般に、平均細孔径やD50細孔径などで規定される。しかし、外部コート層に形成された複数の細孔の中でも、細孔径が大きい細孔(大細孔)は、排ガスの透過抵抗が低いため、他の細孔よりもガス流量が大きくなる。このため、大細孔では、粒子状物質が細孔の壁面と接触せずに外部コート層を通過するすり抜けが極度に増大する。このため、大細孔の細孔径(D90細孔径)を一定以下に制限することによって、外部コート層におけるPMのすり抜けを特に好適に防止できる。かかる観点から、上記構成のパティキュレートフィルタでは、外部コート層の細孔のD90細孔径が10μm以下に制限されている。一方、平均細孔径やD50細孔径ほど顕著ではないが、外部コート層のD90細孔径が小さくなると、PM堆積時の圧損上昇が生じやすくなる傾向がある。このため、上記構成のパティキュレートフィルタでは、外部コート層の細孔のD90細孔径が1μm以上に定められている。
 次に、外部コート層内における粒子状物質の流通距離を長くすると、粒子状物質が細孔の壁面と接触する機会が増大する。これによって、外部コート層の内部で粒子状物質が捕集されやすくなる。かかる観点から、上記構成のパティキュレートフィルタでは、外部コート層の厚みが20μm以上に定められている。一方で、外部コート層が厚くなりすぎると、外部コート層の通気性が低下する可能性がある。このため、上記構成のパティキュレートフィルタでは、外部コート層の厚みが80μm以下に定められている。
 さらに、外部コート層の気孔率が低くなりすぎると、粒子状物質の堆積によって外部コート層の細孔が閉塞しやすくなる。また、気孔率が低い(細孔の形成数が少ない)外部コート層は、細孔の壁面の有効面積が狭くなるため、PM捕集性能が低下する。さらに、外部コート層の気孔率が低くなると、細孔を通過する排ガスの線速度が増大するため、粒子状物質が外部コート層をすり抜ける可能性が高くなる。これらの観点から、上記構成のパティキュレートフィルタでは、外部コート層の気孔率が30%以上に定められている。一方、気孔率が高くなりすぎると、外部コート層の機械的強度が低下するため、排ガスの流入による破損や剥離が生じる可能性がある。このため、上記構成のパティキュレートフィルタでは、外部コート層の気孔率が70%以下に定められている。
 以上の通り、ここに開示されるパティキュレートフィルタによると、PM捕集性能と圧損抑制性能を高いレベルで両立することができる。
 ここに開示されるパティキュレートフィルタ(2)では、上記パティキュレートフィルタ(1)において、外部コート層の延伸方向に沿った100μmの測定領域における細孔の流路長が200μm以上である。これによって、外部コート層の内部におけるPM捕集性能をさらに向上することができる。
 ここに開示されるパティキュレートフィルタ(3)では、上記パティキュレートフィルタ(1)又は(2)において、外部コート層は、水銀圧入法に基づく容積基準の細孔径分布におけるD50細孔径が0.8μm以上3μm以下である。これによって、PM捕集性能と圧損抑制性能をさらに高いレベルで両立できる。
 ここに開示されるパティキュレートフィルタ(4)では、上記パティキュレートフィルタ(1)~(3)のいずれかにおいて、レーザー回折光散乱法に基づいた外部コート層中の粒状体の個数基準の粒度分布におけるD50粒子径をXとし、水銀圧入法に基づいた隔壁の空隙の容積基準の細孔分布におけるD50細孔径をYとしたとき、下記の式(1)を満たす。これによって、隔壁の入側面に外部コートを容易に形成することができる。
   0.1≦X/Y≦3  (1)
 ここに開示されるパティキュレートフィルタ(5)では、上記パティキュレートフィルタ(1)~(4)のいずれかにおいて、粒状体は、アルミナ、セリア、ジルコニア、シリカ、マグネシア、カルシアからなる群から選択される少なくとも一種を含有する。これによって、外部コート層の耐熱性を向上できる。
 ここに開示されるパティキュレートフィルタ(6)では、上記パティキュレートフィルタ(1)~(5)のいずれかにおいて、粒状体は、排ガス中の有害ガス成分を浄化する貴金属触媒を含有する。これによって、NOx等の有害ガス成分に対する浄化性能を有するパティキュレートフィルタを実現できる。
 ここに開示されるパティキュレートフィルタ(7)では、上記パティキュレートフィルタ(1)~(6)のいずれかにおいて、隔壁の出側セルと接する表面から入側セルに向かう所定の領域における空隙の壁面に形成されており、排ガス中の有害ガス成分を浄化する貴金属触媒を含む内部コート層をさらに備えている。これによって、優れたガス浄化性能を有するパティキュレートフィルタを実現できる。
 ここに開示されるパティキュレートフィルタ(8)では、上記パティキュレートフィルタ(7)において、隔壁の厚み方向における外部コート層と内部コート層との間に、コート層が実質的に存在していない未コート領域が設けられている。これによって、ガス浄化性能と圧損抑制性能を高いレベルで両立できる。
 ここに開示されるパティキュレートフィルタ(9)では、上記パティキュレートフィルタ(8)において、隔壁の厚み方向における未コート領域の寸法が10μm以上である。これによって、ガス浄化性能と圧損抑制性能をさらに高いレベルで両立できる。
 ここに開示されるパティキュレートフィルタ(10)では、上記パティキュレートフィルタ(1)~(9)のいずれかにおいて、内燃機関は、ガソリンエンジンである。ガソリンエンジンで生じる排ガスは、他のエンジン(ディーゼルエンジン等)から排出される排ガスよりも高温であるため、外部コート層や隔壁で捕集された粒子状物質を容易に燃焼できる。かかる観点から、ここに開示されるパティキュレートフィルタは、ガソリンエンジン用のパティキュレートフィルタ(GPF:Gasoline Particulate Filter)に特に好適に使用できる。
図1は、パティキュレートフィルタが配置される排気系を模式的に示す図である。 図2は、第1の実施形態に係るパティキュレートフィルタを模式的に示す斜視図である。 図3は、第1の実施形態に係るパティキュレートフィルタの軸方向に沿った断面を模式的に示す図である。 図4は、第1の実施形態に係るパティキュレートフィルタの隔壁の断面を模式的に示す拡大断面図である。 図5は、コート層剥離サンプルAとコート層残留サンプルBの水銀圧入法に基づく細孔径分布を示すグラフである。 図6は、第2の実施形態に係るパティキュレートフィルタの軸方向に沿った断面を模式的に示す図である。 図7は、第2の実施形態に係るパティキュレートフィルタの隔壁の断面を模式的に示す拡大断面図である。
 以下、ここに開示される技術の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって、ここに開示される技術の実施に必要な事柄(例えば、排気経路の詳細な構造など)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。ここに開示される技術は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、本明細書において数値範囲を示す「A~B」との表記は、「A以上B以下」を意味し、「A超B未満」を包含するものとする。
[内燃機関の排気系]
 先ず、ここに開示されるパティキュレートフィルタの用途について説明する。図1はパティキュレートフィルタが配置される排気系を模式的に示す図である。
 図1中の符号2は、内燃機関である。内燃機関2は、酸素と燃料ガスを含む混合気を燃焼して運動エネルギーを発生させる。そして、混合気の燃焼で生じた排ガスには、有害ガス成分(HC、CO、NOなど)と、粒子状物質が含まれる。この排ガスは、エキゾーストマニホールド3と排気管4とで構成された排気系に排出される。なお、本明細書では、内燃機関2から排出された排ガスが流通する方向を「排ガス流通方向D」という。そして、排ガス流通方向Dにおける内燃機関2に近い方を「上流」といい、内燃機関2から遠い方を「下流」という。
 次に、排気管4には、センサ8が取り付けられている。このセンサ8は、排ガスの成分や温度に関する情報を検知する。また、センサ8は、エンジンコントロールユニット(ECU:Engine Control Unit)7と接続されている。センサ8が検知した情報は、ECU7に送信される。ECU7は、内燃機関2の運転を制御する際に、センサ8の検知結果を適宜参照する。
 そして、内燃機関2の排気系(図1では排気管4)には、パティキュレートフィルタ1と、排ガス浄化用触媒5と、アンダーフロア触媒9とが配置されている。排ガス浄化用触媒5とアンダーフロア触媒9は、排ガス中の有害ガス成分を浄化する。なお、排ガス浄化用触媒5やアンダーフロア触媒9の詳細な構造は、ここに開示される技術を特徴付けるものではないため詳細な説明を省略する。
 一方、パティキュレートフィルタ1は、内燃機関2から排出される排ガス中の粒子状物質を捕集する。かかるパティキュレートフィルタ1の詳細な構造は後述する。なお、ここに開示されるパティキュレートフィルタは、様々な種類の内燃機関に使用することができる。すなわち、パティキュレートフィルタは、ガソリンエンジンから排出される排ガスを対象としたGPF(Gasoline Particulate Filter)でもよいし、ディーゼルエンジンから排出される排ガスを対象としたDPF(Disel Particulate Filter)でもよい。なお、ガソリンエンジンから排出される排ガスは、他の種類の内燃機関から排出される排ガスよりも高温である。このため、パティキュレートフィルタの内部で捕集された粒子状物質を容易に燃焼できる。ここに開示されるパティキュレートフィルタは、優れたPM捕集性能を有しているため、捕集後の粒子状物質を容易に除去できるGPFに特に好適に使用できる。
 また、図1に示すパティキュレートフィルタ1は、排ガス浄化用触媒5とアンダーフロア触媒9よりも上流側に配置されている。しかし、排気系におけるパティキュレートフィルタ1の配置位置は、ここに開示される技術を限定するものではない。例えば、パティキュレートフィルタは、排ガス浄化用触媒とアンダーフロア触媒との間に配置してもよい。
[第1の実施形態]
 次に、ここに開示されるパティキュレートフィルタの第1の実施形態について説明する。図2は、第1の実施形態に係るパティキュレートフィルタを模式的に示す斜視図である。図3は、第1の実施形態に係るパティキュレートフィルタの軸方向に沿った断面を模式的に示す図である。また、図4は、第1の実施形態に係るパティキュレートフィルタの隔壁の断面を模式的に示す拡大断面図である。なお、各図における符号Xは「隔壁の延伸方向」を示し、符号Yは「隔壁の厚み方向」を示す。
A.パティキュレートフィルタの構造
 図2~図4に示すように、本実施形態に係るパティキュレートフィルタ1は、基材10と、外部コート層20とを備えている。以下、各構成について説明する。
1.基材
 基材10は、パティキュレートフィルタ1の骨格となる部材である。図2に示す基材10は、排ガス流通方向Dに沿って延びる円筒形の部材である。なお、基材の外形は、円筒形に限定されず、楕円筒形、多角筒形などであってもよい。また、基材10の全長や容量も、特に限定されず、内燃機関2の性能や排気管4の寸法等に応じて適宜変更できる。また、基材10には、従来公知の材料を特に制限なく使用できる。例えば、基材10には、セラミックや合金などの高耐熱性素材を使用できる。高耐熱性のセラミックとしては、コージェライト、炭化ケイ素(SiC)、チタン酸アルミニウムなどが挙げられる。また、高耐熱性の合金としては、ステンレス鋼などが挙げられる。上記の材料の中でもコージェライトは、熱衝撃に対する耐久性に優れているため、高温の排ガスが供給されやすいGPF用の基材10に好適に使用できる。
 また、本実施形態における基材10は、ウォールフロー型の基材である。図3に示すように、このウォールフロー型の基材10は、排ガス流入側の端部12aのみが開口した入側セル12と、排ガス流出側の端部14bのみが開口した出側セル14と、入側セル12と出側セル14を仕切る多孔質の隔壁16とを有している。なお、入側セル12の排ガス流出側の端部は、封止部12bで塞がれている。一方、出側セル14の排ガス流入側の端部は、封止部14aで塞がれている。そして、入側セル12と出側セル14は、隔壁16を挟んで隣接するように交互に形成されている。なお、図2に示すように、本実施形態における入側セル12と出側セル14は、正面視(隔壁16の延伸方向Xに沿った視点)における形状が略正方形である。しかし、正面視における入側セルや出側セルの形状は、平行四辺形、長方形、台形などの矩形状、三角形、その他の多角形(例えば、六角形、八角形)、円形など種々の幾何学形状を特に制限なく採用できる。
 多孔質部材である隔壁16には、複数の空隙18が形成されている(図4参照)。入側セル12と出側セル14は、この空隙18を介して連通している。なお、隔壁16の空隙18のD50細孔径は、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。これによって、隔壁16の通気性を確保し、圧損増大を抑制できる。一方、空隙18のD50細孔径の上限は、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、40μm以下がさらに好ましく、30μm以下が特に好ましい。これによって、隔壁16の内部におけるPM捕集性能を向上できる。また、空隙18のD50細孔径が小さくなると、後述の外部コート層20の形成が容易になる傾向もある。また、隔壁16の気孔率は、30%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、50%以上が特に好ましい。これによって、パティキュレートフィルタ1の圧損増大を抑制できる。一方、隔壁16の気孔率の上限は、90%以下が好ましく、80%以下がより好ましく、70%以下がさらに好ましい。これによって、基材10の機械的強度を十分に確保できる。なお、空隙18のD50細孔径や隔壁16の気孔率は、後述するコート層剥離サンプルの細孔径分布(図5中のA参照)に基づいて測定することができる。
 また、隔壁16の厚みt2は、0.01mm以上が好ましく、0.05mm以上がより好ましく、0.1mm以上が特に好ましい。これによって、基材10の機械的強度を十分に確保できる。一方、隔壁16の厚みt2は、2mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましい。これによって、隔壁16の通気性を確保し、圧損増大を抑制できる。
2.外部コート層
 外部コート層20は、複数の粒状体で形成された多孔質層である。図3に示すように、外部コート層20は、隔壁16の入側セル12と接する表面(入側面16a)に形成されている。そして、図4に示すように、外部コート層20は、隔壁16の空隙18の入口(入側セル12と接する端面)を覆っている。なお、本明細書における「入側面16aに形成されている」とは、一定以上の外部コート層20が隔壁16の入側面16aに付着していることを意味しており、外部コート層20の一部が隔壁16内部(空隙18内)に入り込むことを禁止することを意図したものではない。典型的には、後述する断面SEM画像に基づいた分析において、外部コート層20の20%以上(典型的には30%以上、例えば40%以上)が隔壁16の入側面16aに付着していれば、「外部コート層20が隔壁16の入側面16aに形成されている」ということができる。なお、多量の外部コート層20が隔壁16内部に入り込むと、空隙18の閉塞による圧損増大が生じやすくなる。このため、隔壁16の入側面16aに付着する外部コート層20は、外部コート層20全体に対して80%以上が好ましく、82%以上がより好ましく、86%以上がさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
(1)外部コート層の材料
 次に、外部コート層20を形成する粒状体について説明する。この外部コート層20の粒状体は、JIS R2001で規定される耐熱材料を主成分として含有していることが好ましい。この耐熱材料の一例として、アルミナ(Al)、セリア(CeO)、ジルコニア(ZrO)、シリカ(SiO)、マグネシア(MgO)、カルシア(CaO)等が挙げられる。これらの耐熱材料の中でもアルミナ、セリア、ジルコニアがより好ましい。なお、上記「主成分として含有」するとは、外部コート層20の総重量を100質量%としたとき、耐熱材料が50質量%以上(好適には60質量%以上、より好適には70質量%以上、特に好適には80質量%以上)含まれていることを指す。これによって、高温の排ガスによる外部コート層20のシンタリング(焼結)を防止できる。この結果、外部コート層20の通気性を高い状態に維持できる。
 また、外部コート層20の粒状体は、貴金属触媒を含有していてもよい。これによって、パティキュレートフィルタ1に、有害ガス成分(HC、CO、NO)に対する浄化機能を付与することができる。また、貴金属触媒は、粒子状物質PMの燃焼を促進するという機能も有しているため、圧損増大の抑制にも貢献できる。なお、貴金属触媒の種類は、従来公知の材料を特に制限なく使用できる。貴金属触媒の具体例として、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)等が挙げられる。なお、パティキュレートフィルタ1内における貴金属触媒の総量は、基材10の容積に対して、0.1g/L以上が好ましく、0.5g/L以上がより好ましく、1.0g/L以上が特に好ましい。これによって、有害ガス成分に対する浄化機能を好適に発揮できる。一方、材料コストの観点から、貴金属触媒の総量は、10g/L以下が好ましく、8g/L以下がより好ましく、7g/L以下が特に好ましい。
 また、貴金属触媒を含む粒状体を使用する場合、外部コート層20は、貴金属触媒の触媒活性を高める添加剤を含有していることが好ましい。かかる添加剤の一例として、OSC材が挙げられる。OSC材は、酸素を吸蔵・放出する酸素ストレージ能(OSC:Oxygen Storage Capacity)を有している。これによって、排ガスをストイキ(理論空燃比)近傍に維持し、貴金属触媒の触媒作用を安定化させることができる。なお、OSC材の一例として、ジルコニア-セリア複合酸化物(ZC複合酸化物)などが挙げられる。
 また、外部コート層20は、OSC材以外に、パティキュレートフィルタのコート層に添加され得る従来公知の添加剤を含んでいていてもよい。かかる添加剤としては、NH吸着剤(ゼオライト等)、NOx吸着剤、安定化剤などが挙げられる。さらに、外部コート層20は、原料や製造工程に由来する微量成分を含有していてもよい。例えば、外部コート層20は、アルカリ土類金属元素(Be、Mg、Ca、Baなど)、希土類元素(Y、La、Ceなど)、アルカリ金属元素(Li、Na、Kなど)、遷移金属元素(Mn、Fe、Co、Niなど)等を含む化合物(酸化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、塩化物)を1種または2種以上含んでいてもよい。
 なお、外部コート層20を形成する粒状体のD50粒子径は、2μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、4μm以上がさらに好ましく、5μm以上が特に好ましい。これによって、粒状体が隔壁16の空隙18に入り込むことを抑制し、隔壁16の通気性を確保することができる。一方、粒状体のD50粒子径が大きくなりすぎると、外部コート層20(粒状体)と隔壁16との接点が少なくなるため、外部コート層20が剥離しやすくなる。かかる観点から、粒状体のD50粒子径は、30μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましく、15μm以下が特に好ましい。
 なお、本明細書における「粒状体のD50粒子径」は、レーザ回折・散乱法に基づいて測定される。具体的には、ブラシ等で掻き取ることによって、隔壁表面から外部コート層20の粉末を分離する。この外部コート層20の粉末をレーザ回折・散乱式の粒度分布測定装置(HORIBA製のLA-960)に投入する。そして、当該測定装置内で粉末を純水中に分散させ、超音波分離された懸濁液の散乱光に基づいて、外部コート層を構成する粒子の個数基準の粒度分布を取得する。そして、かかる粒度分布において、粒径の小さい方から累積50%に相当する粒子径を「粒状体のD50粒子径」とみなす。
(2)外部コート層の構造
 図4に示すように、多孔質層である外部コート層20には、複数の細孔22が形成される。そして、入側セル12に供給された排ガスは、外部コート層20の細孔22と隔壁16の空隙18とを通過して出側セル14側に排出される。このときに、排ガス中の粒子状物質PMは、外部コート層20の内部で捕集される。具体的には、一般的な内燃機関から排出される粒子状物質PMは、非常に微小(粒子径が300nm以下)であるため、排ガスの流線に沿って均一的に流動せずに、ブラウン拡散によって不規則に振動する。この振動しながら流動する粒子状物質PMが細孔22の壁面と接触すると、当該細孔22の壁面に捕集される。
 ここで、本実施形態における外部コート層20は、上述した粒子状物質PMの捕集メカニズムを考慮し、粒子状物質PMを好適に捕集できるように構成されている。以下、外部コート層20の具体的な構造を説明する。
(a)外部コート層の細孔のD90細孔径
 第1に、本実施形態における外部コート層20は、細孔22のD90細孔径が10μm以下である。上述の通り、外部コート層20に侵入した粒子状物質PMは、ブラウン拡散によって振動しながら流動する。このとき、粒子状物質PMが細孔22の壁面と接触すると、当該細孔22の壁面に捕集される。これに対して、細孔22の細孔径を小さくすると、細孔22の壁面の有効面積が広くなる。また、小さな細孔22に侵入した粒子状物質PMは、ブラウン拡散による移動量(振動幅)が小さい場合でも細孔22の壁面と接触できる。これらの観点から、細孔22の細孔径を小さくすれば、PM捕集性能が向上する傾向がある。加えて、外部コート層20に形成された複数の細孔22の中でも、細孔径が大きい細孔22(大細孔)は、排ガスの透過抵抗が低いため、他の細孔よりもガス流量が大きくなる。この場合、ブラウン拡散による振動が生じても、粒子状物質PMが細孔22の壁面と接触せずに外部コート層20を通過する可能性が高くなる。これらの観点から、本実施形態では、細孔径を規定する一般的なパラメータである平均細孔径やD50細孔径ではなく、大細孔の細孔径を示すD90細孔径を10μm以下に設定している。これによって、外部コート層20における粒子状物質PMのすり抜けが大幅に抑制されるため、PM捕集性能が顕著に向上することが確認されている。なお、外部コート層20におけるPM捕集性能をさらに向上させるという観点から、細孔22のD90細孔径は、5μm以下が好ましく、4.5μm以下がより好ましく、4μm以下がさらに好ましく、3.5μm以下が特に好ましい。
 一方、細孔22のD90細孔径は、形成数が少ない大細孔の細孔径である。このため、細孔22のD90細孔径を小さくしても、平均細孔径やD50細孔径を小さくしたときほど顕著な圧損上昇が生じない。但し、細孔22のD90細孔径を小さくし過ぎると、PM堆積時に圧損上昇が若干上昇する可能性がある。このため、本実施形態では、細孔22のD90細孔径が1μm以上に設定されている。なお、細孔の閉塞による圧損上昇をより好適に抑制するという観点から、細孔22のD90細孔径は、1.2μm以上が好ましく、1.4μm以上がより好ましく、1.6μm以上がさらに好ましく、1.9μm以上が特に好ましい。
 なお、上記「外部コート層の細孔のD90細孔径」は、以下の手順に従って測定される。まず、パティキュレートフィルタ1から立方体の試験片(一辺:10mm)を2つ切り出す。そして、一方の試験片に対して、出側セル14から入側12セルに向かう(すなわち、図4中の排ガス流通方向Dとは逆方向の)エアブローを実施する。次に、エアブロー後の試験片を水中で超音波洗浄(周波数:45kHz、洗浄時間:10分間)する。その後、試験片を乾燥させて、排ガス流通方向Dとは逆方向のエアブローを再度実施する。そして、SEM観察において外部コート層20の完全な剥離が確認されるまで、上述の剥離処理を繰り返す。これによって、外部コート層20を剥離した隔壁16のサンプル(コート層剥離サンプル)を得ることができる。
 次に、水銀圧入法を実施し、コート層剥離サンプルと未処理の試験片(コート層残留サンプル)の各々の細孔径分布を取得する。取得した細孔径分布の一例を図5に示す。なお、図5中の「A」はコート層剥離サンプルの細孔径分布であり、「B」はコート層残留サンプルの細孔径分布である。図5に示すように、コート層剥離サンプルAでは、10μm以上(例えば30μm付近)の位置に細孔径ピークAが確認される。一方、コート層残留サンプルBにおいても、コート層剥離サンプルAの細孔径ピークAと同様の位置に細孔径ピークBが確認される。これらの細孔径ピークA、Bは、コート層剥離サンプルAとコート層残留サンプルBの両方に共通する構造である隔壁16の空隙18に由来すると解される。このことに基づいて、コート層残留サンプルBの細孔径分布から細孔径ピークBを除外することによって、外部コート層20に由来する細孔径分布を取得できる。
 次に、コート層残留サンプルBの細孔径分布では、0.01μm以上0.1μm未満における細孔径ピークBと、0.1μm以上1μm未満における細孔径ピークBとが確認される。これらのうち、小径側の細孔径ピークBは、非常に微細なものであるため、粒状体表面の凹部(微細細孔)に由来すると解される。このことに基づいて細孔径ピークBを除外することによって、外部コート層20の細孔22に由来する細孔径分布(細孔径ピークB)を分離することができる。そして、この細孔22に由来する細孔径分布における総容積を100%としたときに、累積容積が90%になる細孔径を求めることによって「細孔のD90細孔径」を測定することができる。
(b)外部コート層の厚みt1
 第2に、本実施形態における外部コート層20は、厚みt1が20μm以上である。上述した通り、細孔22内に侵入した粒子状物質PMは、細孔22の壁面と接触した場合に、当該細孔22の壁面に捕集される。これに対して、外部コート層20内における粒子状物質PMの流通距離を長くすることによって、粒子状物質PMが細孔22の壁面と接触する機会を増大させることができる。かかる観点から、本実施形態では、外部コート層20の厚みt1を20μm以上に設定している。なお、外部コート層20の厚みt1は、25μm以上でもよく、28μm以上でもよく、30μm以上でもよい。さらに、外部コート層20内部におけるPM捕集性能をさらに向上するという観点から、外部コート層20の厚みt1は、33μm以上が好ましく、35μm以上がより好ましく、38μm以上がさらに好ましく、43μm以上が特に好ましい。
 一方、外部コート層20の厚みt1が厚くなりすぎると、外部コート層20の通気性が低下する可能性がある。このため、本実施形態では、外部コート層の厚みt1が80μm以下に設定されている。これによって、外部コート層20による圧損増大を抑制できる。なお、圧損増大をより好適に抑制するという観点から、外部コート層の厚みt1は、70μm以下が好ましく、65μm以下がより好ましく、60μm以下がさらに好ましく、56μm以下が特に好ましい。
 なお、「外部コート層の厚みt1」は、以下の手順に従って測定される。まず、検査対象のパティキュレートフィルタ1を分解し、基材10を樹脂で包埋した試料片を準備する。次に、試料片を削り隔壁16の断面を露出させる。そして、露出した隔壁16の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、断面SEM写真(反射電子像、観察倍率200倍)を取得する。次に、二次元画像解析ソフト(製品名:ImageJ(登録商標))を使用し、隔壁16の断面SEM写真に自動2値化処理を行う。この自動2値化処理では、コート層(外部コート層20と、後述の内部コート層30)を黒色化し、他の構造(細孔22、隔壁16、空隙18)を白色化する。この2値化処理の前後の画像を比較し、隔壁16の入側面16a上に存在しているコート層(黒色部分)を「外部コート層20」とみなす。そして、処理後の画像の横方向(例えば、隔壁16の延伸方向X)において50μmの間隔を空けて、複数箇所(例えば3箇所)の外部コート層20の厚みを測定する。そして、複数の測定結果の平均値を「外部コート層の厚みt1」とする。
(c)外部コート層の気孔率Pcoat
 第3に、本実施形態における外部コート層20は、気孔率Pcoatが30%以上である。外部コート層20の気孔率Pcoatが低くなると、細孔22を通過する排ガスの流速(線速度)が増大するため、粒子状物質PMが外部コート層20をすり抜ける可能性が高くなる。また、気孔率Pcoatが低い外部コート層20は、細孔22の形成数が少なく、粒子状物質PMを捕集する細孔22の壁面の有効面積が狭くなる。かかる観点でも、PM捕集率が低下する可能性がある。さらに、外部コート層20の気孔率Pcoatが低くなった場合、粒子状物質PMの堆積によって細孔22が閉塞しやすくなるという弊害もある。このため、本実施形態に係るパティキュレートフィルタ1では、外部コート層20の気孔率Pcoatを30%以上に設定している。これによって、外部コート層20内部におけるPM捕集性能を向上できると共に、急激な圧損上昇を防止できる。なお、PM捕集性能と圧損抑制性能の両方をより好適に改善するという観点から、外部コート層20の気孔率Pcoatは、35%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、43%以上が特に好ましい。
 一方、外部コート層20の気孔率Pcoatが高くなりすぎると、外部コート層20の機械的強度が低下する。これによって、排ガスの流量が急激に増大した際に外部コート層20の破損や剥離が生じる可能性がある。このため、本実施形態における外部コート層20の気孔率Pcoatは70%以下に設定されている。なお、より優れた機械的強度を有する外部コート層20を形成するという観点から、外部コート層20の気孔率Pcoatは、65%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、55%以下が特に好ましい。
 なお、「外部コート層の気孔率Pcoat」は、断面SEM観察に基づいて測定される。具体的には、上述した「外部コート層の厚みt1」の測定手段と同様に、隔壁16の断面SEM写真に自動2値化処理を行う。そして、2値化後の画像の外部コート層20(黒色部分)の中で所定の測定領域を任意に設定する。この測定領域は、2値化画像の横方向に沿った長さ100μmの一辺と、上記外部コート層の厚みt1と同じ長さの他辺とを有する四角形の領域である。次に、設定した測定領域の総ピクセル数をカウントすることによって「測定領域の総面積ARall」を取得する。また、測定領域における外部コート層20(黒色部分)のピクセル数をカウントすることによって「外部コート層の面積ARcoat」を取得する。そして、測定領域の総面積ARallと外部コート層の面積ARcoatとの差分を求めることによって「細孔の面積ARpore」を取得する。そして、「外部コート層の気孔率Pcoat」は、以下の式(2)の通り、測定領域の総面積ARallと細孔の面積ARporeに基づいて算出できる。
  Pcoat(%)=(ARpore/ARall)×100  (2)
(d)まとめ
 以上の通り、本実施形態における外部コート層20は、細孔22のD90細孔径が1μm以上10μm以下であり、厚みt1が20μm以上80μm以下であり、かつ、気孔率Pcoatが30%以上70%以下である。これによって、粒子状物質PMを外部コート層20の内部(細孔22の壁面)で適切に捕集できる。さらに、上述の各構成は、急激な圧損上昇が生じないように設定されている。このため、本実施形態に係るパティキュレートフィルタ1によると、PM捕集性能と圧損抑制性能を高いレベルで両立することができる。
(e)他の構造
 なお、細孔22のD50細孔径は、1.8μm以下が好ましく、1.75μm以下がより好ましく、1.7μm以下が特に好ましい。上述したD90細孔径に加えて、D50細孔径の上限値を一定以下にすることによって、外部コート層20の内部におけるPM捕集性能をさらに向上できる。一方、細孔22のD50細孔径は、0.5μm以上が好ましく、0.7μm以上がより好ましく、1μm以上がさらに好ましく、1.3μm以上が特に好ましい。これによって、細孔22の閉塞による急激な圧損上昇をより好適に防止できる。なお、細孔22のD50細孔径は、細孔22の細孔径分布における累積容積が50%になる細孔径である。この「細孔22の細孔径分布」は、上記D90細孔径の測定と同様に、コート層残留サンプルBの細孔径分布から、細孔22に由来する細孔径分布(図5中の細孔径ピークB)を分離することによって取得できる。
 また、外部コート層20における細孔22の流路長は、200μm以上が好ましく、300μm以上がより好ましく、400μm以上がさらに好ましく、430μm以上が特に好ましい。本明細書における「細孔22の流路長」は、外部コート層20の延伸方向Xに沿った100μmの測定領域における細孔22の総長さである。図4に示すように、細孔22は、外部コート層20の内部で分岐や蛇行する。このため、細孔22の流路長を一定以上にすることによって、外部コート層20内部におけるPM捕集性能をさらに向上できる。一方、細孔22の流路長が長くなりすぎると、パティキュレートフィルタ1の通気性が大きく低下する。かかる観点から、細孔22の流路長は、2000μm以下がより好ましく、1600μm以下がさらに好ましく、1400μm以下が特に好ましい。なお、「外部コート層の延伸方向に沿った100μmの測定領域」は、以下の式(3)に基づいて算出することができる。
  流路長=細孔の面積ARpore/((細孔のD50細孔径/2)×π)  (3)
 また、隔壁16の延伸方向Xにおける外部コート層20の長さは、隔壁16の全長(100%)に対して、85%以上が好ましく、90%以上が好ましく、95%以上が好ましく、97.5%以上が好ましい。これによって、外部コート層20が形成されていない部分から粒子状物質PMがすり抜けることを防止できる。一方、外部コート層20のコート長さの上限は、特に限定されず、100%以下でもよく、99.5%以下でもよく、99%以下でもよい。
 なお、基材10の容量に対する外部コート層20のコート量は、10g/L以上が好ましく、20g/L以上がより好ましく、30g/L以上が特に好ましい。これによって、外部コート層20が十分に形成されるため、より好適なPM捕集性能を発揮できる。一方、外部コート層20のコート量が多くなりすぎると、入側セル12の閉塞による圧損上昇が生じる可能性がある。かかる観点から、外部コート層20のコート量は、100g/L以下が好ましく、70g/L以下がより好ましく、50g/L以下がさらに好ましく、40g/L以下が特に好ましい。
B.パティキュレートフィルタの製造方法
 次に、本実施形態に係るパティキュレートフィルタ1の製造方法について説明する。この製造方法は、基材準備工程と、スラリー付与工程と、焼成工程とを備えている。
1.基材準備工程
 基材準備工程では、ウォールフロー型の基材10を準備する。なお、基材10の詳細な構造は、既に説明したため、重複した説明を省略する。
2.スラリー付与工程
 スラリー付与工程では、外部コート用スラリーを基材10の隔壁16の入側面16aに付与する。外部コート用スラリーは、少なくとも、上述した粒状体と、有機造孔材と、分散媒とを含む。なお、有機造孔材は、焼成工程において焼失する樹脂製の粉体を特に制限なく使用できる。かかる有機造孔材の一例として、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、メラミン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)などが挙げられる。この外部コート用スラリーを焼成すると、粒状体が焼結して外部コート層20が形成されると共に、有機造孔材が焼失して細孔22が形成される。なお、外部コート用スラリーを付与する際には、従来公知の塗布手段を特に制限なく使用できる。例えば、基材10の入側セル12に外部コート用スラリーを供給した後に出側セル14から吸引する。このときの吸引速度を調節することによって、入側セル12に沿って外部コート用スラリーが流動し、隔壁16の入側面16aに外部コート用スラリーが付与される。
 なお、焼成後の外部コート層20における細孔22のD90細孔径は、有機造孔材の粒子径やアスペクト比の影響を受けやすい。例えば、有機造孔材のD50粒子径は、3μm以上(好適には4μm以上、より好適には5μm以上)に設定され得る。一方、有機造孔材のD50粒子径の上限は、20μm以下(好適には15μm以下、より好適には10μm以下)に設定され得る。また、有機造孔材のアスペクト比は、1以上(好適には1.5以上、より好適には2以上)に設定され得る。一方、有機造孔材のアスペクト比の上限は、5以下(好適には4以下、より好適には3以下)に設定され得る。なお、細孔22のD90細孔径は、有機造孔材の粒子径やアスペクト比以外の要素(焼成温度、焼成中のガス発生量、有機造孔材の分散性など)の影響も受け得る。従って、有機造孔材の粒子径やアスペクト比は、ここに開示される技術を限定するものではない。所望のD90細孔径を得るための条件は、有機造孔材の粒子径やアスペクト比を含む種々の条件を調節する予備試験に基づいて取得することが好ましい。
 また、焼成後の外部コート層20の気孔率Pcoatは、有機造孔材の含有量や粒状体の粒子径などの影響を受けやすい。例えば、有機造孔材の含有量は、スラリー中の固形分(粒状体など)の総重量に対して10wt%以上(好適には20wt%以上、より好適には30wt%以上)に設定され得る。一方、有機造孔材の含有量の上限は、60wt%以下(好適には55wt%以下、より好適には50wt%以下)に設定され得る。一方、粒状体のD50粒子径は、既に説明したため、重複した説明を省略する。なお、外部コート層20の気孔率Pcoatも、有機造孔材や粒状体以外の要素(焼成温度、焼成時間など)によって変化し得る。このため、有機造孔材の含有量や粒状体のD50粒子径も、ここに開示される技術を限定するものではない。すなわち、所望の気孔率Pcoatを得るための条件は、有機造孔材の含有量や粒状体の粒子径を含む種々の条件を調節する予備試験に基づいて取得することが好ましい。
 次に、焼成後の外部コート層20の厚みt1は、スラリー粘度や供給量などの影響を受けやすい。例えば、外部コート用スラリーの粘度は、100rpmに設定したE型粘度計において、40mPa・s以上(好適には60mPa・s以上、より好適には80mPa・s以上)に設定され得る。一方、スラリー粘度の上限は、300mPa・s以下(好適には200mPa・s以下、より好適には150mPa・s以下)に設定され得る。なお、外部コート用スラリーは、粘度の調節のために増粘剤を含有していてもよい。増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)などのセルロース系ポリマーが挙げられる。また、スラリー供給量は、分散媒中の固形分率に応じて適宜設定される。例えば、スラリーの固形分率が16%程度の場合のスラリー供給量は、基材10の容量に対して、200g/L以上(好適には250g/L以上、より好適には300g/L以上)に設定され得る。また、スラリー供給量の上限は、500g/L以下(好適には450g/L以下、より好適には400g/L以下)に設定され得る。また、外部コート層20の厚みt1も、スラリー粘度や供給量以外の要素(吸引速度、吸引時間など)によって変化し得る。このため、スラリー粘度や供給量も、ここに開示される技術を限定するものではない。すなわち、所望の外部コート層20の厚みt1を得るための条件は、スラリー粘度や供給量を含む種々の条件を調節する予備試験に基づいて取得することが好ましい。
 なお、隔壁16の表面に外部コート層を適切に形成するという観点から、スラリー中の粒状体のD50粒子径は、隔壁16の空隙18のD50細孔径との関係を考慮して調整されていると好ましい。具体的には、空隙18のD50細孔径に対して、スラリー中の粒状体のD50粒子径が小さすぎると、粒状体が隔壁16内部に入り込むため、隔壁16の入側面16aに外部コート層20を形成することが難しくなる。一方、粒状体のD50粒子径が大きすぎると、隔壁16と粒状体(外部コート層20)との接点が少なくなり、外部コート層20が剥離しやすくなる。このため、粒状体のD50粒子径を「X」とし、空隙18のD50細孔径を「Y」とした場合、以下の式(1)を満たしていることが好ましい。
   0.1≦X/Y≦3  (1)
 また、隔壁16内への粒状体の侵入をより確実に防止するという観点から、上記X/Yは、0.5以上がより好ましく、1以上が特に好ましい。また、外部コート層20の剥離をより確実に防止するという観点から、上記X/Yの上限は、2.5以下が好ましく、2以下が好ましい。なお、上記X/Yの調節は、好適な外部コート層20を形成する手段の一例であり、ここに開示される技術を限定するものではない。例えば、スラリー供給前に、隔壁16の空隙18内に有機固形分を充填していれば、上記X/Yが0.1を大きく下回る場合でも、隔壁16の内部への粒状体の侵入を防止できる。そして、空隙18内に充填した有機固形分は、後述する焼成工程で焼失する。かかる手段を使用することによって、非常に微細な粒状体を使用した場合でも、隔壁16の入側面16aに外部コート層20を適切に形成できる。
3.焼成工程
 焼成工程では、外部コート用スラリーが付与された基材10を焼成する。これによって、粒状体が焼結して外部コート層20が形成されると共に、有機造孔材が焼失して細孔22が形成される。これによって、本実施形態に係るパティキュレートフィルタ1を製造することができる。
 なお、本工程における焼成温度は、400℃以上が好ましく、500℃以上がより好ましく、600℃以上がさらに好ましい。これによって、有機造孔材を適切に焼失させることができるため、所望の構造の細孔22を確実に形成することができる。なお、粒状体の過焼結を抑制するという観点から、焼成温度は、1000℃以下が好ましく、900℃以下がより好ましく、800℃以下がさらに好ましい。また、焼成時間は2~4時間程度であることが好ましい。
[第2の実施形態]
 ここに開示されるパティキュレートフィルタは、上述した第1の実施形態に限定されるものではなく、種々の形態を採用することができる。以下、第2の実施形態に係るパティキュレートフィルタについて説明する。図6は、第2の実施形態に係るパティキュレートフィルタの筒軸方向に沿った断面を模式的に示す図である。また、図7は、第2の実施形態に係るパティキュレートフィルタの隔壁の断面を模式的に示す拡大断面図である。
A.パティキュレートフィルタの構造
 図6に示すように、第2の実施形態に係るパティキュレートフィルタ1Aは、内部コート層30と、未コート領域40とを備えている点において、第1の実施形態に係るパティキュレートフィルタ1(図3参照)と相違する。以下、各構成について説明する。
1.内部コート層
 図6および図7に示すように、内部コート層30は、隔壁16の出側セル14と接する表面(出側面16b)から入側セル12に向かう所定の領域における空隙18の壁面18bに形成されている。また、内部コート層30には、排ガス中の有害ガス成分を浄化する貴金属触媒が含まれている。このため、内部コート層30は、排ガス中の有害ガス成分(HC、CO、NOなど)を浄化する触媒層として機能する。ここで、このパティキュレートフィルタ1Aでは、隔壁16の入側面16aが外部コート層20で被覆されているため、排ガス中の粒子状物質PMの大部分が内部コート層30に到達する前に捕集される。これによって、内部コート層30の貴金属触媒に粒子状物質PMが付着することによる触媒活性の低下を抑制できる。このため、第2の実施形態に係るパティキュレートフィルタ1Aは、高い排ガス浄化性能を発揮することができる。
 内部コート層30を形成する粒状体には、外部コート層20と同種の耐熱材料を使用できる。また、内部コート層30に添加する貴金属触媒は、特に限定されず、従来公知の材料を特に制限なく使用できる。また、内部コート層30は、外部コート層20と同様に、種々の添加剤(OSC材、NOx吸着剤、安定化剤など)が添加されていてもよい。これらのコート層の材料は、既に説明したため重複した記載を省略する。
 なお、本実施形態に係るパティキュレートフィルタ1Aに対して水銀圧入法に基づく細孔径分布の測定を行うと、外部コート層20に由来する細孔径ピーク(図5中のB、B)や、隔壁16の空隙18に由来する細孔径ピーク(図5中のB)だけでなく、内部コート層30に由来する細孔径ピークも含まれる。このような細孔径分布に基づいて細孔22のD90細孔径を測定する場合には以下の手順を行うことが好ましい。
 まず、パティキュレートフィルタ1Aから複数の試験片を切り出し、各々の試験片に対して外部コート層20の剥離処理を実施する。なお、外部コート層20の剥離処理の手順は、既に説明したため、重複する記載を省略する。そして、剥離処理後の複数の試験片に断面SEM観察を実施し、外部コート層20が剥離しており、かつ、内部コート層30が残留している試験片を選択する。以下、選択した試験片を「外部コート層剥離サンプル」と称する。そして、水銀圧入法によって、外部コート層剥離サンプルと、剥離処理を行っていない試験片(コート層残留サンプル)の各々の細孔径分布を取得する。ここで、コート層残留サンプルの細孔径分布では、外部コート層20由来の細孔径ピークが確認される。一方、外部コート層剥離サンプルの細孔径分布では、外部コート層20由来の細孔径ピークが消失している。このため、取得した2つの細孔径分布の比較検討を行うことによって、外部コート層20由来の細孔径ピークを特定することができる。そして、コート層残留サンプルの細孔径分布から外部コート層20由来の細孔径ピークを分離することによって、外部コート層20の細孔22のD90細孔径を測定できる。
 なお、内部コート層30の粒状体は、外部コート層20の粒状体よりも小さいことが好ましい。これによって、空隙18内に粒状体を容易に導入できるため、内部コート層30を容易に形成できる。具体的には、内部コート層30の粒状体のD50粒子径は、2.0μm以下が好ましく、1.5μm以下がより好ましく、1.0μm以下が特に好ましい。
 また、パティキュレートフィルタ内における貴金属触媒の総量は、上記第1の実施形態において説明した通りである。なお、本実施形態のように、貴金属触媒を含む内部コート層30を形成した場合、貴金属触媒の総量に対する内部コート層30における貴金属触媒の含有比率を20%以上(より好適には40%以上、さらに好適には60%以上)にすることが好ましい。これによって、より好適な排ガス浄化性能を発揮することができる。一方、内部コート層30における貴金属触媒の含有比率の上限は、特に限定されず、100%(内部コート層30のみに貴金属触媒が存在している)でもよい。なお、外部コート層20に一定の排ガス浄化性能を付与するという観点から、内部コート層30における貴金属触媒の含有比率の上限は、90%以下が好ましく、80%以下がより好ましく、70%以下が特に好ましい。
 また、基材10の容量に対する内部コート層30のコート量は、5g/L以上が好ましく、10g/L以上がより好ましく、20g/L以上が特に好ましい。これによって、有害ガス成分に対する浄化性能をさらに向上できる。一方、内部コート層30のコート量が多くなりすぎると、隔壁16の空隙18の閉塞による圧損上昇が生じやすくなる。かかる観点から、内部コート層30のコート量は、100g/L以下が好ましく、70g/L以下がより好ましく、40g/L以下が特に好ましい。
 また、隔壁16の厚み方向Yにおける内部コート層30の寸法t4は、20μm以上が好ましく、60μm以上がより好ましく、100μm以上が特に好ましい。これによって、有害ガス成分に対する浄化性能をさらに向上できる。一方、内部コート層30の寸法t4の上限は、190μm以下が好ましく、170μm以下がより好ましく、150μm以下が特に好ましい。これによって、隔壁16の空隙18の閉塞による圧損上昇を好適に防止できる。
2.未コート領域
 また、第2の実施形態に係るパティキュレートフィルタ1Aでは、隔壁16の厚み方向Yにおける外部コート層20と内部コート層30との間に、コート層が実質的に存在していない未コート領域40が設けられている。換言すると、未コート領域40は、隔壁16内部の入側面16aと接する領域に設けられている。
 この未コート領域40を形成することによって、内部コート層30における有害ガス成分浄化性能を高い状態に維持することができる。具体的には、本実施形態に係るパティキュレートフィルタ1Aにおいても、細孔22のD90細孔径と厚みt1と気孔率Pcoatが適切に設定された外部コート層20が形成されている。このため、粒子状物質PMを外部コート層20の内部(細孔22の壁面)で適切に捕集できる(図7参照)。しかし、排ガス中の粒子状物質PMの中には、外部コート層20で捕集されずに、隔壁16の空隙18にすり抜ける粒子(以下「すり抜け粒子PM」という。)も存在する。このすり抜け粒子PMが内部コート層30まで到達すると、貴金属触媒に粒子状物質PMが付着し、触媒活性を低下させる可能性がある。しかし、本実施形態では、外部コート層20と内部コート層30との間に未コート領域40が設けられているため、内部コート層30よりも上流側の未コート領域40ですり抜け粒子PMを捕集できる。これによって、内部コート層30における排ガス浄化性能の低下を抑制できる。加えて、内部コート層30を形成した領域は、空隙18が狭くなるため、すり抜け粒子PMが多量に堆積した際に閉塞するおそれがある。これに対して、未コート領域40では、空隙18が広い状態に維持されているため、すり抜け粒子PMの堆積による急激な圧損上昇が生じにくいという利点もある。
 なお、本明細書において「コート層や触媒層が実質的に形成されていない」とは、コート層が細孔の壁面に意図的に形成されていないことを指す。したがって、製造時の誤差などによって、外部コート層20と内部コート層30との間の領域に微量なコート層が存在している場合は、本明細書における「コート層や触媒層が実質的に形成されていない」の概念に包含される。なお、未コート領域が形成されているか否か(すなわち、外部コート層と内部コート層との間の領域において、意図的なコート層の形成が行われているか否か)は、後述する「各領域の判定」にて説明する手順に従って判断することができる。
 また、隔壁16の厚み方向Yにおける未コート領域40の寸法t3は、10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましく、20μm以上が特に好ましい。これによって、すり抜け粒子PMが内部コート層30に付着することをより好適に防止できる。一方、上述の未コート領域40の寸法t3の上限は、内部コート層30が形成される領域が確保されていれば特に限定されず、500μm以下でもよく、400μm以下でもよく、300μm以下でもよい。
B.パティキュレートフィルタの製造方法
 以下、第2の実施形態に係るパティキュレートフィルタ1Aを製造する方法の一例を説明する。この製造方法では、上述したスラリー付与工程を実施する前に、隔壁16の空隙18内に有機固形分を充填する空隙充填工程を実施する。具体的には、空隙充填工程では、所定の有機固形分を含む空隙充填用スラリーを基材10の入側セル12に導入する。そして、基材10の出側セル14から吸引を行う。これによって、入側セル12から隔壁16の内部に空隙充填用スラリーが浸透する。このときの吸引力を調節することによって、隔壁16の厚み方向Yにおけるスラリーの浸透領域の長さを制御できる。そして、乾燥処理を実施することによって、未コート領域40を形成する予定の領域に有機固形分を充填することができる。
 次に、上記第1の実施形態と同様に、隔壁16の入側面16aに外部コート用スラリーを付与するスラリー付与工程を実施する。その後、乾燥処理を実施することによって、外部コート層20の前駆体が隔壁16の入側面16aに形成される。なお、乾燥処理は、外部コート用スラリーの分散媒が蒸発し、かつ、隔壁16内に充填された有機固形分が焼失しない程度の温度で実施することが好ましい。
 次に、隔壁16の出側面16bから隔壁16内へ内部コート用スラリーを浸透させる内部スラリー浸透工程を実施する。この内部コート用スラリーは、内部コート層30を形成する粒状体と、粒状体を分散させる分散媒とを含む。なお、上述の通り、内部コート層20の粒状体は、外部コート層20と同種の耐熱材料と、貴金属触媒を含む。
 そして、内部スラリー浸透工程では、基材10の出側セル14に内部コート用スラリーを供給し、入側セル12から吸引する。これによって、出側セル14側から隔壁16の内部(空隙18)に内部コート用スラリーが浸透する。この状態で焼成工程を行うことによって、隔壁16の入側面16aに外部コート層20が形成されると共に、隔壁16内に内部コート層30が形成される。また、隔壁16内部に充填された有機固形分は、焼成工程中に焼失するため、当該有機固形分が充填されていた領域が未コート領域40となる。これによって、外部コート層20と、内部コート層30と、未コート領域40とを備えたパティキュレートフィルタ1Aを製造することができる。
 なお、有機固形分は、焼成工程にて焼失するものであればよく、従来公知の材料を特に制限なく使用できる。有機固形分の一例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、メラミン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂などを主体として構成された樹脂ビーズが挙げられる。また、他の例として、セルロースマイクロファイバーなどの樹脂繊維を使用することもできる。なお、空隙充填用スラリーにおける有機固形分の濃度は、基材10の隔壁16の気孔率等を考慮して適宜調節することが好ましい。また、分散媒は、上述した有機固形分を溶解しない液体材料であれば、特に制限なく使用できる。かかる分散媒の一例として、水、アルコールなどが挙げられる。また、細孔充填用スラリーは、この種の分散媒に可溶な樹脂成分(セルロース系樹脂)などを含有していてもよい。また、有機固形分は、隔壁16の空隙18内に好適に充填できるように粒子径が調節されていることが好ましい。例えば、有機固形分として樹脂ビーズを使用する場合、当該樹脂ビーズのD50粒子径を、空隙18のD50細孔径よりも小さくすることが好ましい。
 なお、第2の実施形態に係るパティキュレートフィルタ1Aを製造する方法は、上述した空隙充填工程を実施する方法に限定されない。例えば、内部スラリー浸透工程における内部コート用スラリーの供給量や吸引力などを調節すれば、隔壁16の空隙18内に有機固形分を充填しなくても未コート領域40を形成することができる。具体的には、内部コート用スラリーの供給量を少なくし、入側セル12を吸引する吸引力を弱くすれば、内部コート用スラリーが隔壁16の入側面16aまで到達しなくなるため、空隙充填工程を実施しなくても未コート領域40を形成できる。
[各領域の判定]
 上述した外部コート層20と内部コート層30と未コート領域40は、以下の(a)~(k)の判定手順に基づいて特定することができる。すなわち、所定のパティキュレートフィルタにおいて、外部コート層、内部コート層、未コート領域等が設けられているか否かは、以下の判定手順に基づいて判断できる。
 (a)検査対象のパティキュレートフィルタを分解し、基材の隔壁を樹脂で包埋した試料片を10個準備する。
 (b)試料片を削って隔壁の断面を露出させる。そして、露出した隔壁の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、断面SEM観察画像(反射電子像、観察倍率200倍)を得る。
 (c)二次元画像解析ソフト(製品名:ImageJ(登録商標))を使用し、上記断面SEM観察画像に自動2値化処理を行い、コート層だけを映した2値画像を得る。
 (d)上記自動2値化処理前後の画像を比較し、隔壁の入側面上に確認されたコート層を「外部コート層」とみなす。
 (e)上記2値画像において確認された「コート層の総ピクセル数」と「2値画像全体のピクセル数」をカウントする。そして、「コート層の総ピクセル数」を「2値画像全体のピクセル数」で除した値を算出し、これを「隔壁全体のコート層存在率」とする。
 (f)自動2値化処理前後の画像を比較して隔壁の出側面から入側セルに向かう任意の領域を設定し、「設定領域におけるコート層のピクセル数」を「設定領域の総ピクセル数」で除した値を算出し、これを「設定領域におけるコート層存在率」とする。
 (g)「設定領域におけるコート層存在率」を「隔壁全体のコート層存在率」で除した値を算出し、この値が第1閾値以上であるか否かの判定を行う。なお、本処理での第1閾値は例えば、1.05(好ましくは1.1、より好ましくは1.15、さらに好ましくは1.2、特に好ましくは1.25)に設定される。
 (h)上記(f)に記載の「隔壁の出側面から入側セルに向かう任意の領域」を入側セルに向かって少しずつ拡大し、その都度、「設定領域におけるコート層存在率」を算出し、「設定領域におけるコート層存在率」を「隔壁全体のコート層存在率」で除した値を算出する。そして、この値が第1閾値を下回るまで設定領域の拡大を行う。
 (i)上記(h)の処理の結果、第1閾値を下回る領域が確認された場合、一つ前の判定を行った領域を「内部コート層」とみなす。そして、「外部コート層」と「内部コート層」との間の領域を「第3の領域」とする。
 (j)「第3の領域におけるコート層のピクセル数」を「第3の領域の総ピクセル数」で除した値を算出し、これを「第3の領域におけるコート層存在率」とする。さらに、「第3の領域におけるコート層存在率」を「画像全体におけるコート層存在率」で除した値を算出する。そして、この値が第2閾値以下である場合、「第3の領域」が「未コート領域」である(すなわち、外部コート層と内部コート層との間に未コート領域が設けられている)と判定する。なお、本処理での第2閾値は、例えば、0.65(好ましくは0.5、より好ましくは0.4、さらに好ましくは0.3、特に好ましくは0.25)に設定される。
 (k)10個の試料片の全てに対して(b)~(j)の処理を実施し、50%以上の試料片において、外部コート層と内部コート層との未コート領域が確認された場合、検査対象のパティキュレートフィルタは、「外部コート層と内部コート層との間に未コート領域が設けられている」と判定する。
 なお、上述した「厚み(厚さ方向Yにおける寸法)t1~t4」は、何れも上述の判定手順において認定された各領域の境界に基づいて測定することができる。具体的には、本明細書における「厚み(厚さ方向Yにおける寸法)t1~t4」は、何れも、10個の試料片の各々で確認された各領域の寸法の平均値である。
[試験例]
 以下、ここに開示される技術に関する試験例を説明するが、ここに開示される技術をかかる試験例に示すものに限定することを意図したものではない。
 本試験では、7種類のパティキュレートフィルタ(サンプル1~7)を準備し、外部コート層の構造がPM捕集性能と圧損抑制性能に与える影響を調べた。
1.試験用サンプルの作製
 先ず、基材として、基材容積1.4L、長さ101.6mmの円筒状のハニカム基材(コージェライト製、セル数:300cpsi、隔壁厚み:8ミル、平均細孔径:20μm、気孔率:63%)を準備した。
 次に、50%のAl粉末と、50%のZC複合酸化物粉末とを分散媒(水)に分散させた混合液を調製した。そして、この混合液に、所定量の有機造孔材(セルロース粒子)を添加することによって、外部コート用スラリーを調製した。そして、40g/Lのコート量で外部コート用スラリーを基材の入側セルに供給し、出側セルから吸引した。その後、乾燥処理(100℃、30分間)を実施することによって、隔壁の入側面に乾燥膜(外部コート層の前駆体)を形成した。
 なお、本試験例では、有機造孔材のD50粒子径と添加量(有機造孔材以外の固形分の総量を100wt%としたときの添加量)をサンプル1~7で異ならせた。各サンプルの有機造孔材のD50粒子径と添加量を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 次に、50%のAl粉末と、50%のZC複合酸化物粉末とを分散媒(水)に分散させた内部コート用スラリーを調製した。そして、30g/Lのコート量で内部コート用スラリーを基材の出側セルに供給し、入側セルから吸引した。その後、乾燥処理(100℃、30分間)と焼成処理(500℃、60分間)とを実施することによって、サンプル1~7のパティキュレートフィルタを作製した。このパティキュレートフィルタでは、隔壁の入側面に外部コート層が形成され、出側面に隣接した隔壁の内部に内部コート層が形成されていた。
2.外部コート層の構造分析
 本試験では、サンプル1~7の外部コート層の構造を分析した。具体的には、細孔のD90細孔径と、外部コート層の厚さと、外部コート層の気孔率と、細孔のD50細孔径と、細孔の流路長の5つの項目を測定した。なお、各項目の測定は、上述した手順に従って行った。各項目の測定結果を表2に示す。
3.評価試験
(1)PM捕集性能の評価
 各サンプルのパティキュレートフィルタをスス発生装置(DPG、Cambustion製)に設置し、軽油を燃焼させることによって、粒子状物質を含む排ガスをパティキュレートフィルタに供給した。本試験では、パティキュレートフィルタの上流側と下流側の各々において、排ガス中のPM含有量(個)を測定した。そして、上流側のPM含有量に対する下流側のPM含有量の割合をPM捕集率(%)として算出した。なお、本評価では、パティキュレートフィルタに0.02g/Lの粒子状物質を供給した後に、PM含有量の測定を開始した。測定結果を表2に示す。
(2)圧損抑制性能の評価
 また、本試験では、上述したPM捕集性能の評価を行っている間にPM堆積圧損を測定した。具体的には、PM含有量の測定中、パティキュレートフィルタの上流側の圧力と、下流側の圧力を測定した。そして、上流側と下流側との差圧に基づいて圧損を算出した。なお、本試験では、PM捕集率の測定開始直後の圧損(開始時圧損)と、1g/LのPM供給後の圧損(PM堆積圧損)とを測定した。測定結果を表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表2に示すように、サンプル1~3は、サンプル4と比較してPM捕集率が顕著に向上していた。このことから、外部コート層の細孔のD90細孔径を一定以下に制御すると、パティキュレートフィルタのPM捕集性能が大幅に向上することが分かった。これは、ガス流量が大きくて粒子状物質のすり抜けが生じやすい大細孔が減少したためと解される。さらに、サンプル1~3とサンプル4とを比較すると、開始時圧損やPM堆積圧損に大きな違いが確認されなかった。このことから、D90細孔径を小さくすると、PM捕集性能を大幅に向上する一方で、過剰な圧損上昇が生じないことが分かった。
 次に、サンプル1~3は、サンプル5~7と比べてPM捕集率がさらに向上していた。このことから、厚みが厚く、かつ、気孔率が高い外部コート層を形成すると、PM捕集性能と圧損抑制性能とをさらに高いレベルで両立できることが分かった。これは、外部コート層の内部における粒子状物質の流通距離が長くなるとともに、外部コート層におけるガス流路が多くなったためと解される。また、サンプル1~3の中では、サンプル2のPM捕集性能が最も優れていた。これは、サンプル2は、外部コート層における細孔の流路長が長いためと予想される。
 以上の試験結果から、細孔のD90細孔径と、外部コート層の厚さと、外部コート層の気孔率を適切な範囲に規定することによって、PM捕集性能と圧損抑制性能を高いレベルで両立できることが分かった。
 以上、ここに開示される技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
 本発明によれば、PM捕集性能と圧損抑制性能を高いレベルで両立できるパティキュレートフィルタを提供することができる。
 

Claims (10)

  1.  内燃機関から排出される排ガス中の粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタであって、
     排ガス流入側の端部のみが開口した入側セル、排ガス流出側の端部のみが開口した出側セル、並びに前記入側セルと前記出側セルとを仕切る多孔質の隔壁を有するウォールフロー型の基材と、
     複数の粒状体で形成された多孔質層であり、前記隔壁の前記入側セルと接する表面に形成されている外部コート層と
    を少なくとも備え、
     水銀圧入法に基づく容積基準の細孔径分布における前記外部コート層の細孔のD90細孔径が1μm以上10μm以下であり、
     断面SEM観察において、前記外部コート層は、厚みが20μm以上80μm以下であり、かつ、気孔率が30%以上70%以下である、パティキュレートフィルタ。
  2.  前記外部コート層の延伸方向に沿った100μmの測定領域における細孔の流路長が200μm以上である、請求項1に記載のパティキュレートフィルタ。
  3.  前記外部コート層は、水銀圧入法に基づく容積基準の細孔径分布におけるD50細孔径が0.8μm以上3μm以下である、請求項1または2に記載のパティキュレートフィルタ。
  4.  レーザー回折光散乱法に基づいた前記外部コート層中の前記粒状体の個数基準の粒度分布におけるD50粒子径をXとし、水銀圧入法に基づいた前記隔壁の空隙の容積基準の細孔分布におけるD50細孔径をYとしたとき、下記の式(1)を満たす、請求項1~3のいずれか一項に記載のパティキュレートフィルタ。
       0.1≦X/Y≦3  (1)
  5.  前記粒状体は、アルミナ、セリア、ジルコニア、シリカ、マグネシア、カルシアからなる群から選択される少なくとも一種を含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のパティキュレートフィルタ。
  6.  前記粒状体は、前記排ガス中の有害ガス成分を浄化する貴金属触媒を含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のパティキュレートフィルタ。
  7.  前記隔壁の前記出側セルと接する表面から前記入側セルに向かう所定の領域における空隙の壁面に形成されており、前記排ガス中の有害ガス成分を浄化する貴金属触媒を含む内部コート層をさらに備えている、請求項1~6のいずれか一項に記載のパティキュレートフィルタ。
  8.  前記隔壁の厚み方向における前記外部コート層と前記内部コート層との間に、コート層が実質的に存在していない未コート領域が設けられている、請求項7に記載のパティキュレートフィルタ。
  9.  前記隔壁の厚み方向における前記未コート領域の寸法が10μm以上である、請求項8に記載のパティキュレートフィルタ。
  10.  前記内燃機関は、ガソリンエンジンである、請求項1~9のいずれか一項に記載のパティキュレートフィルタ。
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