WO2024042677A1 - 色表示制御装置および色表示制御方法 - Google Patents

Abstract

本開示は、色表示制御によって運転中のドライバの心理または生理状態を運転に適した状態に誘導することを目的とする。本開示に係る色表示制御装置（１０１）は、第１車両（Ｐ１）、および第１車両（Ｐ１）の周辺を第１車両（Ｐ１）と同一方向に走行する少なくとも１つの車両である第２車両（Ｐ２）の少なくともいずれかを含む対象車両のドライバである対象ドライバの心理状態または生理状態を含む対象ドライバ状態を検出するドライバ状態検出部（１１）と、対象ドライバ状態を運転に適した状態へ誘導する対象誘導色を決定する色決定部（１４）と、対象ドライバが注視するエリアを対象誘導エリアと特定するエリア特定部（１８）と、対象誘導エリアに対象誘導色を表示させる色表示制御部（２２）と、を備える。

Description

色表示制御装置および色表示制御方法

　本開示は、車両のドライバに視認させる色の表示制御に関する。

　特許文献１には、乗員の感情を示す乗員情報に応じて車室内の発光部の光色を変更する乗物用照明装置が開示されている。この乗物用照明装置は、光色を時間と共に変更することで、例えば乗員の感情を運転に適した状態に導くことを可能とする。

　特許文献２には、渋滞により運転者が苛ついていることをＣＰＵが認識した時、青色表示などのリラックスさせる表示を透過表示器に行うことが開示されている。

特開２０１８－１９９３９１号公報

　通常、運転者の注視エリアは前方の道路にあり、車室内またはウィンドウに設置された表示装置を常に見て運転しているわけではない。一方、人間は注視しているものに反応する性質がある。しかし、従来技術では、運転中のドライバの注視エリアに感情を制御するための色を表示することができないため、心理または生理状態の誘導効果が不十分であるという問題があった。

　本開示は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、色表示制御によって運転中のドライバの心理または生理状態を運転に適した状態に誘導することを目的とする。

　本開示の色表示制御装置は、第１車両、および第１車両の周辺を第１車両と同一方向に走行する少なくとも１つの車両である第２車両の少なくともいずれかを含む対象車両のドライバである対象ドライバの心理状態または生理状態を含む対象ドライバ状態を検出するドライバ状態検出部と、対象ドライバ状態を運転に適した状態へ誘導する対象誘導色を決定する色決定部と、対象ドライバが注視するエリアを対象誘導エリアと特定するエリア特定部と、対象誘導エリアに対象誘導色を表示させる色表示制御部と、を備える。

　本開示の色表示制御装置は、対象ドライバが注視する対象誘導エリアに対象誘導色を表示する。従って、対象ドライバに対象誘導色を視認させ、対象ドライバ状態を運転に適した状態へ誘導することが可能である。本開示の目的、特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。

実施の形態１に係る色表示制御装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態１に係る色表示制御装置の動作を示すフローチャートである。 第１車両からヘッドライトの光が照射される様子を示す図である。 前方の路面に第１誘導照射が行われる様子を例示する図である。 文字または図形として第１誘導照射が行われる様子を例示する図である。 照射領域が移動するアニメーションとして第１誘導照射が行われる様子を例示する図である。 直線の車線区画線に沿って第１誘導照射が行われる様子を例示する図である。 カーブの車線区画線に沿って第１誘導照射が行われる様子を例示する図である。 ＨＵＤの表示例を示す図である。 ＨＵＤにおける第１誘導色の表示例を示す図である。 実施の形態１の第１変形例に係る色表示制御装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態１の第２変形例に係る色表示制御装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態２に係る色表示制御装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態２に係る色表示制御装置の動作を示すフローチャートである。 煽られた場合の第２誘導照射の例を示す図である。 煽られた場合の第２誘導照射の例を示す図である。 煽られた場合の第１誘導照射および第２誘導照射の例を示す図である。 第１車両の後方外装に設けられたＬＥＤを第２誘導色で発光させた状態を示す図である。 第１車両のリアウィンドウに設けられたディスプレイに第２誘導色を表示させた例を示す図である。 実施の形態３に係る色表示制御装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態３に係る色表示制御装置の動作を示すフローチャートである。 第１誘導照射および通知照射の例を示す図である。 前方車両がいる場合の第１誘導照射および通知照射の例を示す図である。 色表示制御装置のハードウェア構成を示す図である。 色表示制御装置のハードウェア構成を示す図である。

　＜Ａ．実施の形態１＞
　＜Ａ－１．構成＞
　図１は、実施の形態１に係る色表示制御装置１０１とその周辺装置の構成を示すブロック図である。色表示制御装置１０１は、第１車両Ｐ１に搭載されたサブライト３５を用いて、第１車両Ｐ１のドライバが注視するエリアに第１誘導色の光を照射させることにより、第１車両Ｐ１のドライバに第１誘導色を視認させ、第１車両Ｐ１のドライバの心理状態または生理状態を運転に適した状態へ誘導する。第１車両Ｐ１のドライバを第１ドライバと称する。第１車両Ｐ１のドライバの心理状態または生理状態を第１ドライバ状態と称する。第１車両Ｐ１のドライバが注視するエリアであり、第１誘導色の光が照射されるエリアを第１誘導エリアと称する。

　色表示制御装置１０１が心理状態または生理状態を誘導する対象のドライバを対象ドライバと称する。対象ドライバが搭乗する車両を対象車両と称する。対象ドライバの心理状態または生理状態を対象ドライバ状態と称する。色表示制御装置１０１が対象ドライバ状態を誘導するために用いる色を対象誘導色と称する。色表示制御装置１０１が対象誘導色を表示するエリアを対象誘導エリアと称する。本実施の形態において、対象ドライバ、対象車両、対象ドライバ状態、対象誘導色および対象誘導エリアはそれぞれ、第１ドライバ、第１車両Ｐ１、第１ドライバ状態、第１誘導色および第１誘導エリアである。

　図１において、色表示制御装置１０１は第１車両Ｐ１に搭載されている。しかし、色表示制御装置１０１は、その一部の構成が第１車両Ｐ１の外部のサーバ、または第１車両Ｐ１に持ち込まれるスマートフォンなどの携帯端末に設けられていてもよい。

　第１車両Ｐ１には、色表示制御装置１０１の他、ドライバセンシング装置３１、車内ＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ　Ａｒｅａ　Ｎｅｔｗｏｒｋ）３２、および灯火装置３３が備えられている。

　ドライバセンシング装置３１は、色表示制御装置１０１が第１ドライバ状態を検出するために必要な情報を取得する。ドライバセンシング装置３１は、例えば、第１ドライバを撮影するカメラを備えて構成され、第１ドライバの画像から表情、視線、瞬きを検出するものであってもよい。また、ドライバセンシング装置３１は、ミリ波レーダを用いて第１ドライバの呼吸を検出するものであってもよい。また、ドライバセンシング装置３１は、ハンドルに設置された脈拍検出装置であってもよいし、第１ドライバの顔温度を検出する装置であってもよい。また、ドライバセンシング装置３１はスマートウォッチ等の身体に装着されるものであってもよい。

　車内ＬＡＮ３２は、第１車両Ｐ１の車両情報を色表示制御装置１０１に出力する。第１車両Ｐ１の車両情報は、第１車両Ｐ１に設けられた各種センサの測定情報、または第１車両Ｐ１の制御情報などを含む。

　灯火装置３３は、ヘッドライト３４およびサブライト３５を備える。ヘッドライト３４は、第１車両Ｐ１の前方に光を照射する主たる灯火装置である。サブライト３５は、従たる灯火装置であり、色表示制御装置１０１の制御によって光の照射方向および照射範囲を自由に変えることができる。サブライト３５は後述する第１誘導照射を実行する。

　色表示制御装置１０１は、ドライバ状態検出部１１、色決定部１４、エリア特定部１８および色表示制御部２２を備えて構成される。

　ドライバ状態検出部１１は、対象ドライバ状態を検出する。実施の形態１においてドライバ状態検出部１１は第１ドライバ状態検出部１２を備えている。第１ドライバ状態検出部１２は、ドライバセンシング装置３１が取得した情報を用いて第１ドライバ状態を検出する。ドライバ状態検出部１１で検出された第１ドライバ状態は、色決定部１４およびエリア特定部１８に出力される。

　色決定部１４は、対象誘導色を決定する。実施の形態１において色決定部１４は第１誘導色決定部１５を備えている。第１誘導色決定部１５は、第１ドライバ状態が運転に適していない状態である場合に、第１誘導色を決定する。第１誘導色とは、第１ドライバ状態を運転に適した状態に誘導する心理的または生理的効果を有する色である。

　エリア特定部１８は、対象誘導色を表示する対象誘導エリアを特定する。実施の形態１においてエリア特定部１８は、第１誘導エリア特定部１９を備えている。第１誘導エリア特定部１９は、第１誘導色を表示する第１誘導エリアを特定する。第１誘導エリア特定部１９は、車内ＬＡＮ３２から取得した第１車両Ｐ１の車両情報と、ドライバ状態検出部１１から取得した第１ドライバ状態とに基づき、第１誘導エリアを特定する。

　色表示制御部２２は、色決定部１４から第１誘導色の情報を取得し、エリア特定部１８から第１誘導エリアの情報を取得する。色表示制御部２２は、第１誘導エリアに第１誘導色の光が照射されるよう、サブライト３５の照射方向および照射色を制御する。第１誘導エリアへ第１誘導色の光を照射することを、第１誘導照射と称する。

　＜Ａ－２．第１誘導照射処理＞
　図２は、色表示制御装置１０１による第１誘導照射処理のフローチャートである。以下、図２のフローに沿って第１誘導照射処理を説明する。

　まず、第１車両Ｐ１が走行を開始すると、第１ドライバ状態検出部１２はドライバセンシング装置３１から第１ドライバ状態を検出するための情報を取得する。そして、ステップＳ１０１において第１ドライバ状態検出部１２は、ドライバセンシング装置３１から取得した情報から第１ドライバ状態を検出する。

　第１ドライバ状態は、第１ドライバの心理状態または生理状態を含む。第１ドライバの心理状態として、「怒り」、「恐怖」、「上の空」または「鬱」が挙げられる。第１ドライバが煽り運転を行っている場合、または同乗者と口喧嘩をしている場合に、第１ドライバの心理状態が「怒り」になることがある。第１ドライバが煽り運転を受けている場合、または同乗者から脅されている場合に、第１ドライバの心理状態が「恐怖」になることがある。第１ドライバの生理状態として、「低覚醒」が挙げられる。低覚醒とは、第１ドライバの覚醒度が運転に適さないとして予め定められた閾値より低い状態のことである。

　ステップＳ１０１の後、ステップＳ１０２において第１ドライバ状態検出部１２は、自身がステップＳ１０１で検出した第１ドライバ状態が運転に適した状態であるか否かを判断する。第１ドライバ状態検出部１２において、例えば「怒り」、「恐怖」、「上の空」、「鬱」および「低覚醒」が運転に適さないドライバ状態の例として予め定められている。第１ドライバ状態検出部１２は、第１ドライバ状態がこれらの例に該当しない場合に、第１ドライバ状態が運転に適した状態であると判断する。

　ステップＳ１０２において第１ドライバ状態が運転に適した状態ではないと判断されると、ステップＳ１０３において第１誘導色決定部１５が第１誘導色を決定する。第１誘導色は、第１ドライバに視認されることで、第１ドライバ状態を運転に適していない状態から適した状態へと誘導する効果を有する色である。従って、第１誘導色は、現在の第１ドライバ状態に応じて定められる。例えば、第１ドライバ状態が怒りである場合、第１誘導色は冷静さを取り戻す効果、すなわち怒り抑制効果を有する青色である。また、第１ドライバ状態が恐怖である場合、第１誘導色は恐怖鎮静効果を有する緑色である。また、第１ドライバ状態が低覚醒である場合、第１誘導色は注意喚起効果、すなわち覚醒度向上効果を有する白色である。ここでの白色は、昼白色（５０００Ｋ）または昼光色（６５００Ｋ）を指す。色温度が高いほど、高い覚醒効果が得られる。すなわち、第１誘導色は、第１ドライバ状態が第１ドライバの怒りを表す場合の青色、第１ドライバ状態が第１ドライバの恐怖を表す場合の緑色、第１ドライバ状態が第１ドライバの低覚醒を表す場合の白色、の少なくともいずれかである。その他、第１ドライバ状態に応じ、理解力、記憶力、および判断力を高める効果をもつ黄色、または心身のバランスを整える紫色なども第１誘導色の例として想定される。

　ステップＳ１０３の後、ステップＳ１０４において第１誘導エリア特定部１９が第１誘導エリアを特定する。第１誘導エリア特定部１９は、第１ドライバが注視しているエリア、または注視していると推測されるエリアを第１誘導エリアとして特定する。

　ステップＳ１０４の後、ステップＳ１０５において色表示制御部２２は、サブライト３５を制御し、第１誘導エリアに第１誘導色の光を照射させる。これにより、第１誘導照射が実行される。その後、色表示制御装置１０１の処理はステップＳ１０６に進む。

　ステップＳ１０２において第１ドライバ状態が運転に適した状態であると判断されると、ステップＳ１０７において色表示制御部２２は、第１誘導照射の実行中であるか否かを判断する。

　ステップＳ１０７において第１誘導照射が行われていなければ、色表示制御装置１０１の処理はステップＳ１０６に進む。ステップＳ１０７において第１誘導照射が行われていれば、ステップＳ１０８において色表示制御部２２は第１誘導照射を終了し、色表示制御装置１０１の処理はステップＳ１０６に進む。

　ステップＳ１０６において、色表示制御装置１０１は第１車両Ｐ１の走行が終了したか否かを判断する。この判断は、例えば色表示制御装置１０１が車内ＬＡＮ３２から取得した第１車両Ｐ１の速度、またはギアの情報等に基づき行われる。ステップＳ１０６において第１車両Ｐ１の走行が終了していなければ、色表示制御装置１０１の処理はステップＳ１０１に戻る。ステップＳ１０６において第１車両Ｐ１の走行が終了していれば、色表示制御装置１０１の処理は終了する。

　以上の処理により、色表示制御装置１０１は、第１ドライバ状態が運転に適した状態へと誘導されるまで、第１誘導照射を継続して実行する。

　＜Ａ－３．第１誘導照射の具体例＞
　図３は、第１誘導照射が行われていない状態を示している。第１車両Ｐ１は左車線４１Ｌおよび右車線４１Ｒからなる道路４１の左車線４１Ｌを走行している。第１車両Ｐ１のヘッドライト３４からは、道路４１のうち第１車両Ｐ１の前方の路面に光が照射されている。ヘッドライト３４の照射範囲が符号４２で示されている。

　図４は、第１誘導照射が行われている状態を示している。図４において、道路４１のうち第１車両Ｐ１の前方の路面を含む領域が第１誘導エリア４４である。第１車両Ｐ１のサブライト３５からは、第１車両Ｐ１から第１誘導エリア４４にかけて第１誘導色の光が照射される。サブライト３５の照射範囲が符号４３で示されている。図４に示されるように、ヘッドライト３４の照射範囲とサブライト３５の照射範囲は少なくとも一部が重なり得る。サブライト３５は、ヘッドライト３４の照射光と重なる範囲において、ヘッドライト３４の照射光と重なったときに第１誘導色となる色の光を照射し、ヘッドライト３４の照射光と重ならない範囲においては、第１誘導色の光を照射する。

　図４において、第１誘導エリア４４は第１車両Ｐ１の前方の路面に設定されている。これは、第１車両Ｐ１の走行中に第１ドライバは第１車両Ｐ１の前方の路面を注視することが多いためである。第１ドライバは、第１車両Ｐ１の前方の路面に視線を向けると第１誘導色を視認するため、第１ドライバ状態を運転に適した状態へ戻すことができる。

　第１ドライバは、第１車両Ｐ１の速度が高いほど第１車両Ｐ１より遠くの路面を注視する傾向がある。従って、第１誘導エリア４４は、第１車両Ｐ１の速度が高いほど第１車両Ｐ１より遠くに設定されることが望ましい。そのため、第１誘導エリア特定部１９は車内ＬＡＮ３２から第１車両Ｐ１の速度を取得し、所定時間経過後、例えば２秒後に第１車両Ｐ１が到達する距離を第１ドライバの注視距離Ｌとする。そして、第１誘導エリア特定部１９は、第１車両Ｐ１から注視距離Ｌだけ離れた位置に第１誘導エリア４４を設定してもよい。ここでの所定時間は、ドライバにより個人差があるため、手動で調整可能であってもよい。

　例えば、第１車両Ｐ１が時速４０ｋｍで走行している場合、注視距離Ｌは２２．２ｍとなる。第１誘導エリア特定部１９は、第１車両Ｐ１から２２．２ｍだけ前方に離れた、前後５ｍ左右１０ｍのエリアを第１誘導エリアとして特定する。第１車両Ｐ１が時速６０ｋｍで走行している場合、第１誘導エリアは第１車両Ｐ１から３３．３ｍ離れたエリアとなる。

　以上の内容は、第１車両Ｐ１の速度に基づき推定した第１ドライバの注視エリアを第１誘導エリア４４に設定するというものである。しかし、第１誘導エリア特定部１９は、第１ドライバの顔の向きまたは視線方向に基づき第１ドライバの実際の注視エリアを特定し、特定した第１ドライバの注視エリアを第１誘導エリアに設定してもよい。第１誘導エリア特定部１９は、ドライバセンシング装置３１から第１ドライバの顔の向きまたは視線方向を取得することが可能である。この場合、第１ドライバが第１誘導エリアの第１誘導色を視認する可能性が高まる。

　第１車両Ｐ１の前方に先行車両が存在する場合、第１ドライバは先行車両を注視する。従って、第１誘導エリア特定部１９は、先行車両の近傍、かつ先行車両を眩惑させる方向を除いたエリアを第１誘導エリアと特定してもよい。例えば、第１車両と先行車両との間の路面であって、先行車両に近い領域が第１誘導エリアと特定される。

　この場合、先行車両の位置は、図１に図示しない周辺検出装置、例えばＬｉｄａｒ（Ｌｉｇｈｔ　Ｄｅｔｅｃｔｉｏｎ　ａｎｄ　Ｒａｎｇｉｎｇ）または画像認識装置を用いて検出される。すなわち、先行車両が存在しない場合は、上記のとおり第１車両Ｐ１の速度に基づき第１誘導エリアが定められ、先行車両が存在する場合には、先行車両の近傍、に第１誘導エリアが定められる。

　例えば、第１ドライバは先行車両に急接近を繰り返す煽り運転を行う場合、その先行車両を注視している。このような場合、先行車両の近傍に第１誘導エリアが特定されることにより、誘導効果の高い第１誘導照射を実行することができる。

　第１誘導エリア特定部１９は、第１ドライバ状態に応じて異なる第１誘導エリアを特定してもよい。例えば、第１誘導エリア特定部１９は、第１ドライバ状態が恐怖の場合には、上記で説明した第１車両Ｐ１の速度に基づき第１誘導エリアを特定し、第１ドライバ状態が先行車両への怒りの場合には、先行車両の近傍を第１誘導エリアとしてもよい。また、第１ドライバ状態が低覚醒の場合に、第１ドライバはぼんやり遠くを見ると考えられるため、第１ドライバ状態が恐怖の場合に比べて注視距離Ｌを例えば１．５倍に大きくして、第１誘導エリアを設定してもよい。また、第１ドライバ状態が周辺車両に対する恐怖の場合、何か逃れる術はないかと左右を見回すため、第１誘導エリア特定部１９は第１誘導エリアの横幅を広く設定してもよい。

　図４は夜間の動作例である。しかし、レーザ光源により高輝度かつ視認効果の高いサブライト３５が用いられる場合には、昼間または薄暮の時間帯でも色表示制御装置１０１は有効に動作する。図５以降の表示例ではヘッドライト３４の照射を省略する。

　図４の例では、第１車両Ｐ１の直前から第１誘導エリア４４にかけて第１誘導照射が行われた。しかし、第１誘導照射では第１誘導エリア４４のみにスポット照射が行われてもよい。図５に示す例では、第１誘導エリア４４内に図形４５および文字４６がスポット照射される。第１ドライバ状態が「怒り」の場合に、「Ｃａｌｍ　Ｄｏｗｎ」という文字４６が表示されることで、第１ドライバを落ち着かせる効果が得られる。図５の図形４５は三角形状であるが、他の形状でもよい。例えば、犬または猫などのペットの形状をした図形が表示されることで、第１ドライバを落ち着かせる効果が高まる。

　なお、図５の例では対向車両の存在を考慮していないが、対向車両が存在する場合には、色表示制御部２２は対向車両に第１誘導照射が当たらないよう、サブライト３５の照射範囲を制御してもよい。

　色表示制御部２２は、第１ドライバ状態に応じて第１誘導照射における照射態様を変更してもよい。例えば、第１ドライバ状態が「低覚醒」の場合に、色表示制御部２２は、図６に示されるように、照射領域４７が第１誘導エリア４４内で移動するようなアニメーション効果を持つ照射を行ってもよいし、光を周期的に点滅照射してもよい。このような刺激のある照射態様によれば、低覚醒時に覚醒度を向上させる高い効果が得られる。一方、第１ドライバ状態が「怒り」の場合には、刺激のある照射態様は第１ドライバの怒りを高めることになるため、望ましくない。従って、第１ドライバ状態が「怒り」の場合には、色表示制御部２２はアニメーションまたは点滅照射を行わない通常の照射態様で第１誘導照射を行うことがよい。

　第１車両Ｐ１に、高精度測位装置と高精度地図データベースが備えられている場合、第１誘導エリア特定部１９は車線形状に応じて第１誘導エリアを特定してもよい。高精度測位装置は、ＧＮＳＳ（Ｇｌｏｂａｌ　Ｎａｖｉｇａｔｉｏｎ　Ｓａｔｅｌｌｉｔｅ　Ｓｙｓｔｅｍ）、車速センサおよび加速度センサを用いて第１車両Ｐ１の絶対位置を数１０ｃｍ精度で測位することが可能である。また、高精度地図データベースは、数１０ｃｍ精度の車線単位の道路形状情報を有する。第１誘導エリア特定部１９は、高精度測位装置が測定した第１車両Ｐ１の位置を基に、第１車両Ｐ１の走行車線および走行車線前方の車線形状を高精度地図データベースから取得する。

　図７は、第１車両Ｐ１の走行車線に沿った形状で行われる第１誘導照射の例を示している。第１車両Ｐ１の走行車線の車線区画線に沿って、サブライト３５から第１誘導色の光が照射される。図７において、サブライト３５の照射範囲は符号４８で示されている。これにより、第１ドライバにとっての視認性が高まる。

　図８は、第１車両Ｐ１の走行車線が屈曲している場合の第１誘導照射の例を示している。この場合にも、第１車両Ｐ１の走行車線の車線区画線に沿って、サブライト３５から第１誘導色の光が照射される。図８において、サブライト３５の照射範囲は符号４８で示されている。第１車両Ｐ１がカーブ、交差点、分流点、合流点などを走行し、車線が屈曲すると、第１ドライバの視線は屈曲する車線の外側縁部または内側縁部に移動する。従って、それらの場所がピンポイントで照射されることにより、第１ドライバ状態の誘導効果が高まる。なお、第１車両Ｐ１の走行車線の曲率が予め定められた閾値以上である場合に、第１誘導エリアが走行車線の縁部を含んでも良い。

　第１車両Ｐ１の走行予定経路が定められており、走行予定経路上に分岐路または右左折道路がある場合に、第１誘導エリア特定部１９は走行予定経路に沿って第１誘導エリアを特定してもよい。また、色表示制御装置１０１は、数ｍ精度の測位装置と、道路単位の道路形状の情報を有する通常精度の地図データベースとを用いて、車線形状ではなく道路形状に即した位置に第１誘導照射を行ってもよい。

　第１誘導エリア特定部１９は、地図データベースから道路勾配情報を取得できる場合、第１車両Ｐ１の走行車線の道路勾配に応じて第１誘導エリアを定めてもよい。具体的には、第１誘導エリア特定部１９は、第１車両Ｐ１の速度に応じて第１誘導エリアを特定した上で、第１車両Ｐ１と第１誘導エリアとの間に、走行道路の勾配変化点がある場合、第１誘導エリアの位置を走行道路の勾配に応じて補正する。第１誘導エリア特定部１９は、勾配変化点以降の勾配が下りである場合は、第１誘導エリアが第１車両Ｐ１から遠くなる方向に位置を補正し、勾配変化点以降の勾配が上りである場合は、第１誘導エリアが第１車両Ｐ１から近くなる方向に位置を補正する。

　また、上記のような第１誘導エリアの位置補正は、勾配変化点前後の勾配変化量が予め定められた値以上である場合に行われてもよい。

　第１誘導エリア特定部１９は、第１車両Ｐ１の走行車線形状に沿って第１誘導エリアを特定する際、地図データベースを用いて走行車線形状を認識しても良いし、画像認識等の周辺検出センサを用いて走行車線形状を認識しても良い。

　第１車両Ｐ１の周辺に、第１車両Ｐ１と同一方向に走行する第２車両Ｐ２が存在し、第１ドライバの視線方向が第２車両Ｐ２を見る方向である場合、第１誘導エリア特定部１９は第１車両Ｐ１と第２車両Ｐ２との間の路面のうち第２車両Ｐ２側の領域を含んでもよい。

　＜Ａ－４．照射以外の第１誘導色の表示例＞
　ここまでは、サブライト３５を用いて第１誘導エリアに第１誘導色の光を照射することについて説明した。しかし、第１誘導エリアの照度が高い場合、第１ドライバは第１誘導エリアに照射された第１誘導色の光を認識することができないことも考えられる。そのような場合、色表示制御部２２は、サブライト３５による光照射に代えて、第１車両Ｐ１に搭載されたＨＵＤ（図１に図示せず）に第１誘導色を表示してもよい。

　図９は、第１車両Ｐ１に搭載されたＨＵＤの表示領域５０を示している。第１車両Ｐ１の前方を第２車両Ｐ２が走行しており、第１ドライバは第２車両Ｐ２に対して煽り運転を行っているものとする。ここで、第２車両Ｐ２は、第１車両Ｐ１の周辺を第１車両Ｐ１と同一方向に走行する第２車両の例である。第１ドライバは、第２車両Ｐ２を注視していると考えられる。そこで、第１誘導エリア特定部１９は、ＨＵＤの表示領域５０のうち、第１ドライバから見て第２車両Ｐ２の近傍に重なるエリアを第１誘導エリアと特定する。そして、色表示制御部２２は、図１０に示されるように、第１誘導エリアと特定されたＨＵＤの表示領域５０に、「Ｃａｌｍ　Ｄｏｗｎ」という文字５１を第１誘導色である青色で表示する。文字５１の虚像距離は、第１車両Ｐ１に対する第１ドライバの注視エリアの距離に近いことが望ましい。このようにＨＵＤの表示領域５０を第１誘導エリアとすれば、第１車両Ｐ１の周辺の路面の照度が高い場合でも、第１誘導色を第１ドライバに視認可能に表示することができる。

　第１誘導エリアは、第１車両Ｐ１に搭載され、第１車両Ｐ１の周辺を走行する車両の映像を表示する周辺車両表示部であってもよい。すなわち、第１車両Ｐ１の後方に、第１車両Ｐ１と同一方向に走行する後方車両が存在し、かつ第１ドライバの視線が、後方車両の映像を表示する周辺車両表示部を見る方向である場合に、第１誘導エリア特定部１９は周辺車両表示部を第１誘導エリアと特定してもよい。この場合、周辺車両表示部は第１誘導色で発光する。ここで、後方車両は、第１車両Ｐ１の周辺を第１車両Ｐ１と同一方向に走行する第２車両の例である。周辺車両表示部は、第１車両Ｐ１に搭載され、後方車両の映像を表示するバックミラー、ルームミラーまたはサイドミラーを含む。また、ミラーは光学ミラーの他デジタルミラーを含む。

　第１誘導エリア特定部１９は、第１ドライバの視線方向が周辺車両表示部を見る方向である場合に、周辺車両表示部を第１誘導エリアに含めてもよい。第１誘導エリア特定部１９は、ドライバセンシング装置３１から第１ドライバの視線方向を取得可能である。

　＜Ａ－５．第１変形例＞
　図２のフローによれば、色表示制御装置１０１は、第１ドライバ状態が運転に適した状態へと誘導されるまで、第１誘導照射を継続する。これに対して、図１１に示す第１変形例のフローによれば、色表示制御装置１０１は、第１誘導照射、すなわち第１誘導表示色の表示を開始した後に予め定められた表示期間、第１ドライバ状態が運転に適した状態へ誘導されなければ、第１誘導照射を停止する。以下、図１１を参照して第１変形例のフローを説明する。

　図１１のフローは、図２のステップＳ１０２およびステップＳ１０３の間にステップＳ１０２ＡおよびステップＳ１０２Ｂを追加したものである。

　ステップＳ１０２において、第１ドライバ状態検出部１２が第１ドライバ状態を運転に適した状態でないと判断すると、ステップＳ１０２Ａにおいて色表示制御部２２は第１誘導照射の開始条件が満たされるか否かを判断する。以下の（１）から（３）のいずれかに該当する場合に、色表示制御部２２は第１誘導照射の開始条件が満たされると判断する。（１）第１車両Ｐ１の走行開始後、１度も第１誘導照射が行われていない。（２）第１車両Ｐ１の走行開始後、初めての第１誘導照射中である。（３）前回の第１誘導照射の終了後に、第１ドライバ状態が少なくとも一度は改善されている。

　ステップＳ１０２Ａにおいて第１誘導照射の開始条件が満たされる場合、ステップＳ１０２Ｂにおいて色表示制御部２２は第１誘導照射の継続条件が満たされるか否かを判断する。以下の（４）または（５）のいずれかに該当する場合に、色表示制御部２２は第１誘導照射の継続条件が満たされると判断する。（４）第１誘導照射が開始されていない。（５）第１誘導照射の開始後、予め定められた表示期間が経過していない。

　表示期間は、例えば６秒である。第１誘導照射の開始後、第１ドライバ状態が改善しないまま６秒が経過した場合、色表示制御部２２は第１誘導照射の継続条件が満たされていないと判断し、ステップＳ１０８において第１誘導照射を終了する。一度終了した第１誘導照射を再開するには、その後に第１ドライバ状態が少なくとも一度は改善される必要がある（ステップＳ１０２ＡでＹｅｓ）。

　一般的に、突発的な感情が持続するのは数秒であるため、第１誘導照射により第１ドライバ状態を誘導する効果が持続するのも数秒である。従って、第１変形例において、色表示制御装置１０１は、突発的な感情が持続する時間を表示期間とし、表示期間を経過しても第１ドライバ状態が改善しない場合には、一旦第１誘導照射を終了する。これにより、無意味な第１誘導照射が抑制される。

　なお、表示期間を経過しても第１ドライバ状態が改善せず、第１誘導照射を終了した後、さらに予め定められた停止期間が経過しても第１ドライバ状態が改善されない場合、色表示制御部２２は第１誘導照射を再開しても良い。すなわち、図１１のステップＳ１０２Ａにおいて、前回の第１誘導照射の終了後に、第１ドライバ状態が改善されないまま停止期間が経過した場合に、色表示制御部２２は第１誘導照射の開始条件を満たすと判断する。停止期間は、例えば３０秒である。

　これにより、第１ドライバ状態が改善しない場合には、３０秒の停止期間を挟んで６秒間の第１誘導照射が繰り返される。このように、第１誘導照射が間欠的に行われることにより、第１ドライバ状態を誘導する効果が向上する。

　なお、色表示制御部２２は、第１誘導照射の継続条件である表示期間を第１ドライバ状態に応じて変更しても良い。例えば、怒りの感情は数秒で収まるが、極端な覚醒度の低下は数分間継続する。従って、例えば色表示制御部２２は、第１ドライバ状態が怒りである場合に表示期間を６秒とし、第１ドライバ状態が低覚醒の場合に表示期間を３分としてもよい。このような構成によれば、第１誘導照射が第１ドライバ状態に応じて必要な時間だけ継続される。

　＜Ａ－６．第２変形例＞
　図１２は、第２変形例における色表示制御装置１０１の第１誘導照射処理を示すフローチャートである。第２変形例において色表示制御部２２は、第１誘導照射を行っても第１ドライバ状態が運転に適した状態へ誘導されない場合に、第１誘導照射の態様を変更する。

　図１２のフローは、図２のフローのステップＳ１０２およびステップＳ１０３の間にステップＳ１０２Ｃ，Ｓ１０２Ｄ，Ｓ１０２Ｅ，Ｓ１０２Ｆを追加したものである。以下、図１２を参照して第２変形例のフローを説明する。

　ステップＳ１０２において、第１ドライバ状態検出部１２が第１ドライバ状態を運転に適した状態でないと判断すると、ステップＳ１０２Ｃにおいて色表示制御部２２は第１誘導照射を開始済みであるか否かを判断する。ステップＳ１０２Ｃにおいて第１誘導照射が開始済みでなければ、色表示制御部２２はステップＳ１０２Ｆで第１誘導照射の初期態様を選択する。色表示制御部２２では、予め第１誘導照射の初期態様が定められている。例えば、第１誘導照射の初期態様は、第１誘導色の光を点滅させずに連続的に照射するというものである。ステップＳ１０２Ｆの後、色表示制御装置１０１の処理はステップＳ１０３へ移行する。

　ステップＳ１０２Ｃにおいて第１誘導照射が開始済みであれば、ステップＳ１０２Ｄにおいて第１ドライバ状態検出部１２は、第１ドライバ状態に改善あり、すなわち第１ドライバ状態が運転に適した状態へ誘導されたか否かを判断する。なお、ステップＳ１０２Ｄの判断は、今回の第１誘導照射の開始（ステップＳ１０５）から予め定められた態様継続期間の経過後に行われる。ここで、態様継続期間は例えば３秒である。また、態様継続期間は第１ドライバ状態の種別に応じて可変であってもよい。

　ステップＳ１０２Ｄにおいて第１ドライバ状態に改善がある場合、色表示制御装置１０１はステップＳ１０３の処理に移行し、現在の態様で第１誘導照射を継続する。

　ステップＳ１０２Ｄにおいて第１ドライバ状態に改善がない場合、色表示制御部２２はステップＳ１０２Ｅにおいて第１誘導照射の態様を変更する。ここで、変更後の態様は、例えば５秒ごとに第１誘導色の照射のオンオフが繰り返されるというものでもよい。その後、ステップＳ１０５で変更後の態様で第１誘導照射が行われる。第１誘導照射の態様を変更した後、態様継続時間が経過しても第１ドライバ状態に改善が無い場合、色表示制御部２２はさらに第１誘導照射の態様を変更してもよいし、効果なしと判断して第１誘導照射を終了してもよい。

　なお、第１誘導照射の態様変更は、第１誘導色の照射周期を変更する他、照射パターンの形状変更、アニメーション効果の有無、またはこれらの組み合わせなど、どのようなものであってもよい。

　第２変形例によれば、第１ドライバ状態に改善が見られない場合に第１誘導照射の態様を変更することで、第１誘導照射による第１ドライバ状態の誘導効果を高めることができる。

　なお、第１誘導照射の初期態様は、過去の第１誘導照射において高い誘導効果が得られた態様から色表示制御部２２が選択してもよい。これにより、第１ドライバの個々に特化した誘導効果の高い第１誘導照射が可能となる。

　＜Ａ－７．効果＞
　実施の形態１に係る色表示制御装置１０１は、第１車両Ｐ１、および第１車両Ｐ１の周辺を第１車両Ｐ１と同一方向に走行する少なくとも１つの車両である第２車両Ｐ２の少なくともいずれかを含む対象車両のドライバである対象ドライバの心理状態または生理状態を含む対象ドライバ状態を検出するドライバ状態検出部１１と、対象ドライバ状態を運転に適した状態へ誘導する対象誘導色を決定する色決定部１４と、対象ドライバが注視するエリアを対象誘導エリアと特定するエリア特定部１８と、対象誘導エリアに対象誘導色を表示させる色表示制御部２２と、を備える。従って、色表示制御装置１０１によれば、対象ドライバが注視する対象誘導エリアに対象誘導色が表示されるため、対象ドライバ状態を運転に適した状態へ誘導することができる。

　また、実施の形態１に係る色表示制御装置１０１において、対象誘導エリアは第１車両Ｐ１の周辺の路面を含み、第１車両Ｐ１に搭載された灯火装置３３が対象誘導エリアである第１車両Ｐ１の周辺の路面に対象誘導色の光を照射することにより、対象誘導エリアにおける対象誘導色の表示が行われてもよい。この場合、対象ドライバは第１車両Ｐ１の周辺の路面を見ることで対象誘導色を視認する。従って、対象ドライバ状態を運転に適した状態へ誘導することができる。

　＜Ｂ．実施の形態２＞
　＜Ｂ－１．構成＞
　図１３は、実施の形態２に係る色表示制御装置１０２とその周辺装置の構成を示すブロック図である。色表示制御装置１０２は、第１車両Ｐ１に搭載されたサブライト３５を用いて、第１誘導照射に加えて第２誘導照射を行う。第１誘導照射に関する色表示制御装置１０２の構成は色表示制御装置１０１と同様であるため、以下では第２誘導照射に関する色表示制御装置１０２の構成を主に説明する。

　色表示制御装置１０２は、第１車両Ｐ１に搭載されたサブライト３５を用いて、第２車両Ｐ２のドライバが注視するエリアに第２誘導色の光を照射させることにより、第２車両Ｐ２のドライバに第２誘導色を視認させ、第２車両Ｐ２のドライバの心理状態または生理状態を運転に適した状態へ誘導する。

　第２車両Ｐ２（図１５参照）は、第１車両Ｐ１の周辺を第１車両Ｐ１と同一方向に走行する周辺車両であり、例えば第１車両Ｐ１の前方を走行する前方車両、または第１車両Ｐ１の後方を走行する後方車両である。第２車両Ｐ２のドライバを第２ドライバと称する。第２ドライバの心理状態または生理状態を第２ドライバ状態と称する。第２ドライバが注視するエリアであり、第２誘導色の光が照射されるエリアを第２誘導エリアと称する。

　第１誘導照射において、対象ドライバ、対象車両、対象ドライバ状態、対象誘導色および対象誘導エリアはそれぞれ、第１ドライバ、第１車両Ｐ１、第１ドライバ状態、第１誘導色および第１誘導エリアである。また、第２誘導照射において、対象ドライバ、対象車両、対象ドライバ状態、対象誘導色および対象誘導エリアはそれぞれ、第２ドライバ、第２車両Ｐ２、第２ドライバ状態、第２誘導色および第２誘導エリアである。

　本実施の形態において、第１車両Ｐ１は色表示制御装置１０２、ドライバセンシング装置３１、車内ＬＡＮ３２、灯火装置３３および周辺検出装置３６を備える。周辺検出装置３６は、第２車両Ｐ２を検出する。周辺検出装置３６は、例えば第１車両Ｐ１の周辺を撮影するカメラ、またはＬｉｄａｒを備えて構成される。周辺検出装置３６は、少なくとも第２車両Ｐ２の位置を検出する。それに加えて、周辺検出装置３６は、第２車両Ｐ２の速度または第２ドライバの視線方向を検出するものであってもよい。

　色表示制御装置１０２において、ドライバ状態検出部１１は、第１ドライバ状態検出部１２に加えて第２ドライバ状態検出部１３を備える。第２ドライバ状態検出部１３は、周辺検出装置３６の検出情報に基づき第２ドライバ状態を検出する。例えば、第２ドライバ状態検出部１３は、周辺検出装置３６が検出した第２車両Ｐ２の位置情報に基づき、第１車両Ｐ１の後方を走る第２車両Ｐ２が第１車両Ｐ１への急接近、割り込み、急ブレーキなどを繰り返していることを検出すると、第２ドライバ状態検出部１３は第２車両Ｐ２が第１車両Ｐ１への煽り運転を行っていると判断し、第２ドライバ状態を怒りと判断してもよい。また、第２ドライバ状態検出部１３は、周辺検出装置３６が検出した第２車両Ｐ２の位置情報に基づき、第２車両Ｐ２が緩やかな蛇行または車線逸脱を繰り返していること、または第１車両Ｐ１がブレーキを踏んだ場合に第２車両Ｐ２が車間距離を保たず第１車両Ｐ１に近接することが多いことを検出すると、第２ドライバ状態を低覚醒と判断してもよい。

　色表示制御装置１０２において、色決定部１４は、第１誘導色決定部１５に加えて第２誘導色決定部１６を備える。第２誘導色決定部１６は、第２ドライバ状態を運転に適さない状態から適した状態へと誘導する効果を有する第２誘導色を決定する。第２誘導色と第２ドライバ状態との関係は、第１誘導色と第１ドライバ状態との関係と同様である。

　色表示制御装置１０２において、エリア特定部１８は、第１誘導エリア特定部１９に加えて第２誘導エリア特定部２０を備える。第２誘導エリア特定部２０は、第２ドライバの注視するエリアまたは注視すると推定されるエリアを第２誘導エリアとして特定する。

　第２車両Ｐ２が第１車両Ｐ１の後方を走行する場合、第２ドライバは第１車両Ｐ１を注視すると考えられる。そこで、第２誘導エリア特定部２０は、第２車両Ｐ２と第１車両Ｐ１との間の路面のうち第１車両Ｐ１側の領域を第２誘導エリアとして特定してもよい。あるいは、第２誘導エリア特定部２０は、第２車両Ｐ２から視認可能な第１車両Ｐ１の外装を第２誘導エリアとして特定してもよい。

　第２車両Ｐ２が第１車両Ｐ１の側方を走行する場合、第２ドライバは第２車両Ｐ２の前方の路面を注視すると考えられる。そこで、第２誘導エリア特定部２０は、第２車両Ｐ２の前方の路面を第２誘導エリアとして特定してもよい。この場合、第２誘導エリアと第２車両Ｐ２との距離は、実施の形態１で説明した第１誘導エリアと同様、第２車両Ｐ２の速度に応じて設定されてもよい。

　色表示制御部２２は、色決定部１４から第１誘導色および第２誘導色の情報を取得し、エリア特定部１８から第１誘導エリアおよび第２誘導エリアの情報を取得する。そして、色表示制御部２２は、サブライト３５を制御して、第１誘導エリアに第１誘導色の光を照射させる第１誘導照射を実行し、第２誘導エリアに第２誘導色の光を照射させる第２誘導照射を実行する。これにより、第１ドライバ状態が運転に適さない場合にはこれを運転に適した状態へ誘導し、第２ドライバ状態が運転に適さない場合にはこれを運転に適した状態へ誘導することができる。

　＜Ｂ－２．第２誘導照射処理＞
　図１４は、色表示制御装置１０２による第２誘導照射処理のフローチャートである。色表示制御装置１０２は第１誘導照射も行うが、これは実施の形態１と同様であるため説明を省略する。以下、図１４のフローに沿って第２誘導照射処理を説明する。

　まず、第１車両Ｐ１が走行を開始すると、第２ドライバ状態検出部１３は周辺検出装置３６から第２ドライバ状態を検出するための情報を取得する。そして、ステップＳ２０１において第２ドライバ状態検出部１３は、周辺検出装置３６から取得した情報から第２ドライバ状態を検出する。

　ステップＳ２０１の後、ステップＳ２０２において第２ドライバ状態検出部１３は、自身がステップＳ２０１で検出した第２ドライバ状態が運転に適した状態であるか否かを判断する。第２ドライバ状態検出部１３において、例えば「怒り」、「恐怖」、「上の空」、「鬱」および「低覚醒」が運転に適さないドライバ状態の例として予め定められている。第２ドライバ状態検出部１３は、第２ドライバ状態がこれらの例に該当しない場合に、第２ドライバ状態が運転に適した状態であると判断する。

　ステップＳ２０２において第２ドライバ状態が運転に適した状態ではないと判断されると、ステップＳ２０３において第２誘導色決定部１６が第２誘導色を決定する。第２誘導色は、第２ドライバに視認されることで、第２ドライバ状態を運転に適していない状態から適した状態へと誘導する効果を有する色である。従って、第２誘導色は、現在の第２ドライバ状態に応じて定められる。例えば、第２ドライバ状態が怒りである場合、第２誘導色は冷静さを取り戻す効果、すなわち怒り抑制効果を有する青色である。また、第２ドライバ状態が恐怖である場合、第２誘導色は恐怖鎮静効果を有する緑色である。また、第２ドライバ状態が低覚醒である場合、第２誘導色は注意喚起効果、すなわち覚醒度向上効果を有する白色である。

　ステップＳ２０３の後、ステップＳ２０４において第２誘導エリア特定部２０が第２誘導エリアを特定する。第２誘導エリア特定部２０は、第２ドライバが注視しているエリア、または注視していると推測されるエリアを第２誘導エリアとして特定する。

　ステップＳ２０４の後、ステップＳ２０５において色表示制御部２２は、サブライト３５を制御し、第２誘導エリアに第２誘導色の光を照射させる。これにより、第２誘導照射が実行される。その後、色表示制御装置１０２の処理はステップＳ２０６に進む。

　ステップＳ２０２において第２ドライバ状態が運転に適した状態であると判断されると、ステップＳ２０７において色表示制御部２２は、第２誘導照射の実行中であるか否かを判断する。

　ステップＳ２０７において第２誘導照射が行われていなければ、色表示制御装置１０２の処理はステップＳ２０６に進む。ステップＳ２０７において第２誘導照射が行われていれば、ステップＳ２０８において色表示制御部２２は第２誘導照射を終了し、色表示制御装置１０１の処理はステップＳ２０６に進む。

　ステップＳ２０６において、色表示制御装置１０１は第１車両Ｐ１の走行が終了したか否かを判断する。この判断は、例えば色表示制御装置１０２が車内ＬＡＮ３２から取得した第１車両Ｐ１の速度、またはギアの情報等に基づき行われる。ステップＳ２０６において第１車両Ｐ１の走行が終了していなければ、色表示制御装置１０２の処理はステップＳ２０１に戻る。ステップＳ２０６において第１車両Ｐ１の走行が終了していれば、色表示制御装置１０２の処理は終了する。

　以上の処理により、色表示制御装置１０２は、第２ドライバ状態が運転に適した状態へと誘導されるまで、第２誘導照射を継続して実行する。

　なお、実施の形態１の＜Ａ－５＞および＜Ａ－６＞で説明した第１誘導照射に関する変形例は、第２誘導照射にも同様に適用可能である。

　＜Ｂ－３．第２誘導照射の具体例＞
　図１５から図２０は、第２誘導照射の具体例を示すための図である。図１５から図１７は、第２車両Ｐ２が第１車両Ｐ１の後方を第１車両Ｐ１と同一方向に走行している状況を示している。

　図１５の例では、第２車両Ｐ２は第１車両Ｐ１と同一の車線４１Ｌを走行している。第１車両Ｐ１を囲む環状の路面領域が第２誘導エリア５２と特定され、第２誘導エリア５２に第２誘導色の光が照射されている。第２誘導エリア５２が第１車両Ｐ１の全周囲に設定されることで、第２車両Ｐ２が第１車両Ｐ１に対してどの方向に位置していても、第２ドライバは第２誘導エリア５２の第２誘導色を視認することができるため、第２ドライバ状態を運転に適した状態へ誘導することが可能となる。

　第２ドライバが第１車両Ｐ１に対して煽り運転を行っており、第２ドライバ状態が怒りの場合、第２誘導エリア５２には怒り抑制効果のある青色の光が照射される。また、第２ドライバが居眠り運転を行っており、第２ドライバ状態が低覚醒の場合、第２誘導エリア５２には覚醒度向上効果のある白色の光が照射される。

　図１６の例では、第２車両Ｐ２は第１車両Ｐ１と異なる車線４１Ｒを走行しており、第１車両Ｐ１の右後方に位置する。第２誘導エリア特定部２０は、周辺検出装置３６から取得した第２車両Ｐ２の位置に基づき、第１車両Ｐ１の周辺の路面のうち第２車両Ｐ２に対向する方向の領域のみを第２誘導エリア５２と特定する。これにより、第２ドライバが視認する領域にのみピンポイントで第２誘導色を表示することができる。

　第１ドライバ状態と第２ドライバ状態が共に運転に適さない状態である場合、図１７に示すように第２誘導照射は第１誘導照射と同時に行われてもよい。図１７では、図１６と同様に第１車両Ｐ１の右後方の路面の第２誘導エリア５２に第２誘導色が照射されると共に、第１車両Ｐ１の前方の路面の第１誘導エリアに第１誘導色が照射される。図１７において、第１誘導色の照射領域が符号５３で示されている。

　第２ドライバが第１車両Ｐ１に煽り運転を行っており、第２ドライバ状態が怒りであり、第１ドライバ状態が恐怖である場合が図１７の例に該当する。この場合、第１誘導エリアに恐怖鎮静効果を有する緑色の光が照射され、第２誘導エリア５２に怒り抑制効果のある青色の光が照射される。

　＜Ｂ－４．照射以外の第２誘導色の表示例＞
　ここまでは、サブライト３５を用いて第２誘導エリアに第２誘導色の光を照射することについて説明した。しかし、第２誘導エリアへの第２誘導色の表示は光照射以外の態様で行われても良い。

　図１８は、第１車両Ｐ１の後方外装を第２誘導エリアとした例を示している。第１車両Ｐ１の後方外装にＬＥＤ５４が設けられており、ＬＥＤ５４が第２誘導エリアとなる。ＬＥＤ５４が第２誘導色で発光することにより、第１車両Ｐ１の後方を走行する第２車両Ｐ２の第２ドライバは第２誘導色を視認することができる。

　図１９は、第１車両Ｐ１のリアウィンドウ５５を第２誘導エリアとした例を示している。リアウィンドウ５５が第２誘導色で発光することにより、第１車両Ｐ１の後方を走行する第２車両Ｐ２の第２ドライバは第２誘導色を視認することができる。

　＜Ｂ－５．変形例＞
　図１３では、色表示制御装置１０２が第１誘導照射と第２誘導照射の両方を行う構成について説明した。しかし、色表示制御装置１０２は第２誘導照射のみを行う構成であってもよい。この場合、第１ドライバ状態検出部１２、第１誘導色決定部１５および第１誘導エリア特定部１９は色表示制御装置１０２に不要の構成である。

　＜Ｂ－６．効果＞
　実施の形態２に係る色表示制御装置１０２において、対象ドライバは第２車両Ｐ２のドライバである第２ドライバを含み、対象誘導エリアは、第２ドライバが注視するエリアである第２誘導エリアを含み、対象誘導色は、第２ドライバの心理状態または生理状態を含む第２ドライバ状態を運転に適した状態へ誘導する第２誘導色を含み、第２誘導色は第２誘導エリアに表示される。これにより、色表示制御装置１０２によれば、第２ドライバに第２誘導色を視認させ、第２ドライバ状態を運転に適した状態へ誘導することができる。これにより、第２車両Ｐ２の周辺を走行する第１車両Ｐ１の安全が確保される。

　＜Ｃ．実施の形態３＞
　＜Ｃ－１．構成＞
　図２０は、実施の形態３に係る色表示制御装置１０３とその周辺装置の構成を示すブロック図である。色表示制御装置１０３は、第１ドライバ状態が運転に適さない場合に、第１車両Ｐ１に搭載されたサブライト３５を用いて、第１誘導照射に加えて通知照射を行う。通知照射とは、第１車両Ｐ１の周辺の路面の第１誘導エリアとは異なる領域に、第１ドライバ状態を表す表現色の光を照射することである。第１誘導照射に関する色表示制御装置１０３の構成は色表示制御装置１０１と同様であるため、以下では通知照射に関する色表示制御装置１０３の構成を主に説明する。

　色表示制御装置１０３において、色決定部１４は第１誘導色決定部１５に加えて表現色決定部１７を備える。表現色決定部１７は、第１ドライバ状態が運転に適さない場合に第１ドライバ状態を表す表現色を決定する。例えば、表現色は、第１ドライバ状態が怒りの場合には、怒りを表現する赤色である。また、表現色は、第１ドライバ状態が恐怖の場合には、恐怖を表現する青色である。表現色は、怒りを表す第１ドライバ状態に対する赤色、および恐怖を表す第１ドライバ状態に対する青色の少なくともいずれかであればよい。また、表現色は、第１ドライバ状態が恐怖の場合には、黄色と黒色の縞模様であってもよい。また、表現色は、第１ドライバ状態が低覚醒である場合には、危険であることを表す赤色または黄色と黒色の縞模様であってもよい。

　色表示制御装置１０３において、エリア特定部１８は第１誘導エリア特定部１９に加えて通知エリア特定部２１を備える。通知エリア特定部２１は、表現色を表示するエリアである通知エリアを特定する。通知エリアは、典型的には第１車両Ｐ１の周辺の路面のうち、第１誘導エリアと異なる領域である。

　色表示制御部２２は、色決定部１４から第１誘導色および表現色の情報を取得し、エリア特定部１８から第１誘導エリアおよび通知エリアの情報を取得する。そして、色表示制御部２２は、サブライト３５を制御して、第１誘導エリアに第１誘導色の光を照射させる第１誘導照射を実行し、通知エリアに表現色の光を照射させる通知照射を実行する。これにより、第１ドライバ状態が運転に適さない場合に、これを運転に適した状態へ誘導すると共に、周辺車両のドライバに第１ドライバ状態が運転に適さない状態にあり、第１車両Ｐ１に近づくべきではないことを通知することができる。

　＜Ｃ－２．動作＞
　図２１は、色表示制御装置１０３による第１誘導照射処理および通知照射処理のフローチャートである。以下、図２１のフローを参照して色表示制御装置１０３による第１誘導照射処理および通知照射処理を説明する。

　図２１のフローは、図２のステップＳ１０３およびステップＳ１０４の間にステップＳ１０３Ａを追加し、ステップＳ１０５に代えてステップＳ１０４ＡおよびステップＳ１０５Ａを設け、ステップＳ１０７，Ｓ１０８に代えてステップＳ１０７Ａ，Ｓ１０８Ａを設けたものである。

　ステップＳ１０２において第１ドライバ状態検出部１２が第１ドライバ状態を運転に適していないと判断し、ステップＳ１０３において第１誘導色決定部１５が第１誘導色を決定した後、ステップＳ１０３Ａにおいて表現色決定部１７が表現色を決定する。

　ステップＳ１０４において第１誘導エリア特定部１９が第１誘導エリアを特定した後、ステップＳ１０４Ａにおいて通知エリア特定部２１が通知エリアを特定する。その後、ステップＳ１０５Ａにおいて色表示制御部２２はサブライト３５を制御し、第１誘導照射および通知照射を実行する。その後、色表示制御装置１０３の処理はステップＳ１０６に進む。

　ステップＳ１０２において第１ドライバ状態が運転に適した状態であると判断されると、ステップＳ１０７Ａにおいて色表示制御部２２は、第１誘導照射および通知照射の実行中であるか否かを判断する。

　ステップＳ１０７Ａにおいて第１誘導照射および通知照射が行われていなければ、色表示制御装置１０３の処理はステップＳ１０６に進む。ステップＳ１０７Ａにおいて第１誘導照射および通知照射が行われていれば、ステップＳ１０８Ａにおいて色表示制御部２２は第１誘導照射および通知照射を終了し、色表示制御装置１０３の処理はステップＳ１０６に進む。

　以上の処理により、色表示制御装置１０３は、第１ドライバ状態が運転に適した状態へと誘導されるまで、第１誘導照射および通知照射を継続して実行する。

　＜Ｃ－３．第１誘導照射および通知照射の具体例＞
　図２２および図２３は、第１誘導照射および通知照射の具体例を示すための図である。

　図２２は、第２車両Ｐ２が第１車両Ｐ１の後方を第１車両Ｐ１と同一方向に走行している状況を示している。図２２の例では、第１車両Ｐ１の前方の路面の第１誘導エリアに第１誘導色が照射されると共に、第１車両Ｐ１を囲む環状の路面領域が通知エリア５６と特定され、通知エリア５６に表現色の光が照射されている。言い換えれば、通知エリア５６は、第１車両Ｐ１と第２車両Ｐ２との間の路面のうち第１車両Ｐ１側の領域を含む。図２２において、第１誘導色の照射領域が符号５３で示されている。通知エリア５６が第１車両Ｐ１の全周囲に設定されることで、第２車両Ｐ２が第１車両Ｐ１に対してどの方向に位置していても、第２ドライバは通知エリア５６の表現色を視認することができるため、第１ドライバ状態が運転に適した状態にないことを把握することができる。

　例えば、第１ドライバ状態が怒りである場合、第１車両Ｐ１の前方の路面の第１誘導エリアに、怒り抑制効果を有する青色の光が照射されると共に、第１車両Ｐ１の周囲の路面の通知エリア５６に、第１ドライバ状態が怒りであることを表す赤色の光が照射される。これにより、第１ドライバは青色の光を見て怒りを抑制することができる。また、第２ドライバは第１ドライバが怒っていることを把握し、第１車両Ｐ１に近づかないようにすることができる。

　図２３は、第２車両Ｐ２が第１車両Ｐ１の後方を第１車両Ｐ１と同一方向に走行し、第２車両Ｐ２１が第１車両Ｐ１の前方を第１車両Ｐ１と同一方向に走行している状況を示している。第１ドライバは第２車両Ｐ２１に対して煽り運転を行っているものとする。この場合、第１車両Ｐ１と第２車両Ｐ２１との間の路面の第２車両Ｐ２１側の領域である第１誘導エリア５７に、怒り抑制効果を有する青色の光が照射されると共に、第１車両Ｐ１の周囲の路面の通知エリア５６に、第１ドライバ状態が怒りであることを表す赤色の光が照射される。これにより、第１ドライバは青色の光を見て怒りを抑制することができる。また、第２車両Ｐ２のドライバは第１ドライバが怒っていることを把握し、第１車両Ｐ１に近づかないようにすることができる。

　なお、色表示制御部２２は、第１車両Ｐ１の周辺に他の車両がいるか否かに関わらず通知照射を行っても良い。

　＜Ｃ－４．効果＞
　実施の形態３に係る色表示制御装置１０３において、色決定部１４は、第１ドライバ状態が運転に適さない場合に第１ドライバ状態を表す表現色を決定し、エリア特定部１８は、第１車両Ｐ１の周辺の路面の第１誘導エリアと異なる領域、または第１車両Ｐ１の外装を通知エリアと特定し、色表示制御部２２は、第１車両Ｐ１に搭載された灯火装置３３により通知エリアに表現色の光を照射させ、または通知エリアである外装を表現色で発行させる。これにより、色表示制御装置１０３によれば、第１車両Ｐ１の周辺を走行する周辺車両のドライバに表現色を視認させることにより、第１ドライバ状態が運転に適していないことを通知することができる。従って、周辺車両は第１車両Ｐ１を避けることができる。

　＜Ｄ．ハードウェア構成＞
　上記した色表示制御装置１０１－１０３における、ドライバ状態検出部１１、色決定部１４、エリア特定部１８および色表示制御部２２は、図２４に示す処理回路８１により実現される。すなわち、処理回路８１は、ドライバ状態検出部１１、色決定部１４、エリア特定部１８および色表示制御部２２（以下、「ドライバ状態検出部１１」と称する）を備える。処理回路８１には、専用のハードウェアが適用されても良いし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサが適用されても良い。プロセッサは、例えば中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ＤＳＰ（Digital Signal Processor）等である。

　処理回路８１が専用のハードウェアである場合、処理回路８１は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）、ＦＰＧＡ（Field-Programmable Gate Array）、またはこれらを組み合わせたものが該当する。ドライバ状態検出部１１等の各部の機能それぞれは、複数の処理回路８１で実現されてもよいし、各部の機能をまとめて一つの処理回路で実現されてもよい。

　処理回路８１がプロセッサである場合、ドライバ状態検出部１１等の機能は、ソフトウェア等（ソフトウェア、ファームウェアまたはソフトウェアとファームウェア）との組み合わせにより実現される。ソフトウェア等はプログラムとして記述され、メモリに格納される。図２５に示すように、処理回路８１に適用されるプロセッサ８２は、メモリ８３に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、色表示制御装置１０１－１０３は、処理回路８１により実行されるときに、対象ドライバ状態を検出するステップと、対象誘導色を決定するステップと、前記対象ドライバが注視するエリアを対象誘導エリアと特定するステップと、対象誘導エリアに対象誘導色を表示させるステップと、が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ８３を備える。換言すれば、このプログラムは、ドライバ状態検出部１１等の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ８３は、例えば、ＲＡＭ（Random Access Memory）、ＲＯＭ（Read Only Memory）、フラッシュメモリ、ＥＰＲＯＭ（Erasable Programmable Read Only Memory）、ＥＥＰＲＯＭ（Electrically Erasable Programmable Read Only Memory）などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、ＨＤＤ（Hard Disk Drive）、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、ＤＶＤ（Digital Versatile Disk）およびそのドライブ装置等、または、今後使用されるあらゆる記憶媒体であってもよい。

　以上、ドライバ状態検出部１１等の各機能が、ハードウェアおよびソフトウェア等のいずれか一方で実現される構成について説明した。しかしこれに限ったものではなく、ドライバ状態検出部１１等の一部を専用のハードウェアで実現し、別の一部をソフトウェア等で実現する構成であってもよい。例えばドライバ状態検出部１１については専用のハードウェアとしての処理回路でその機能を実現し、それ以外についてはプロセッサ８２としての処理回路８１がメモリ８３に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。

　以上のように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア等、またはこれらの組み合わせによって、上記の各機能を実現することができる。

　また、上記では色表示制御装置１０１－１０３を車載装置として説明したが、ＰＮＤ（Portable Navigation Device）、通信端末（例えば携帯電話、スマートフォン、およびタブレットなどの携帯端末）、およびこれらにインストールされるアプリケーションの機能、並びにサーバなどを適宜に組み合わせてシステムとして構築されるシステムにも適用することができる。この場合、以上で説明した色表示制御装置１０１－１０３の各機能または各構成要素は、システムを構築する各機器に分散して配置されてもよいし、いずれかの機器に集中して配置されてもよい。

　なお、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。上記の説明は、すべての態様において、例示である。例示されていない無数の変形例が想定され得るものと解される。

　１１　ドライバ状態検出部、１２　第１ドライバ状態検出部、１３　第２ドライバ状態検出部、１４　色決定部、１５　第１誘導色決定部、１６　第２誘導色決定部、１７　表現色決定部、１８　エリア特定部、１９　第１誘導エリア特定部、２０　第２誘導エリア特定部、２１　通知エリア特定部、２２　色表示制御部、３１　ドライバセンシング装置、３２　車内ＬＡＮ、３３　灯火装置、３４　ヘッドライト、３５　サブライト、３６　周辺検出装置、４４，５７　第１誘導エリア、５２　第２誘導エリア、５６　通知エリア、８１　処理回路、８２　プロセッサ、８３　メモリ、１０１－１０３　色表示制御装置、Ｐ１　第１車両、Ｐ２，Ｐ２１　第２車両。

Claims (20)

1. 　第１車両、および前記第１車両の周辺を前記第１車両と同一方向に走行する少なくとも１つの車両である第２車両の少なくともいずれかを含む対象車両のドライバである対象ドライバの心理状態または生理状態を含む対象ドライバ状態を検出するドライバ状態検出部と、
   　前記対象ドライバ状態を運転に適した状態へ誘導する対象誘導色を決定する色決定部と、
   　前記対象ドライバが注視するエリアを対象誘導エリアと特定するエリア特定部と、
   　前記対象誘導エリアに前記対象誘導色を表示させる色表示制御部と、を備える、
   色表示制御装置。
2. 　前記対象誘導エリアは前記第１車両の周辺の路面を含み、
   　前記第１車両に搭載された灯火装置が前記対象誘導エリアである前記第１車両の周辺の路面に前記対象誘導色の光を照射することにより、前記対象誘導エリアにおける前記対象誘導色の表示が行われる、
   請求項１に記載の色表示制御装置。
3. 　前記対象誘導エリアは前記対象車両の前方の路面の領域であり、
   　前記対象誘導エリアと前記対象車両との距離は、前記対象車両の速度が大きくなるほど大きくなる、
   請求項２に記載の色表示制御装置。
4. 　前記対象車両の走行道路の勾配変化点が、前記対象車両の速度に基づき定められた前記対象誘導エリアと前記対象車両との間にある場合に、前記エリア特定部は、前記対象車両の速度に基づき定められた前記対象誘導エリアの位置を前記対象車両の走行道路の勾配に応じて補正する、
   請求項３に記載の色表示制御装置。
5. 　前記対象車両の走行車線の曲率が予め定められた閾値以上である場合、前記対象誘導エリアは前記走行車線の縁部を含む、
   請求項３に記載の色表示制御装置。
6. 　前記エリア特定部は、前記対象ドライバ状態に応じて前記対象誘導エリアを変更する、
   請求項１に記載の色表示制御装置。
7. 　前記色表示制御部は、前記対象誘導エリアへの前記対象誘導色の表示開始から予め定められた表示期間が経過しても前記対象ドライバ状態が運転に適した状態へ変化しない場合、前記対象誘導エリアへの前記対象誘導色の表示を停止する、
   請求項１に記載の色表示制御装置。
8. 　前記色表示制御部は、前記対象誘導エリアへの前記対象誘導色の表示を停止してから予め定められた停止期間が経過しても前記対象ドライバ状態が運転に適した状態へ変化しない場合、前記対象誘導エリアへの前記対象誘導色の表示を再開する、
   請求項７に記載の色表示制御装置。
9. 　前記色表示制御部は、前記対象誘導エリアへの前記対象誘導色の表示開始から予め定められた態様継続期間が経過しても前記対象ドライバ状態が運転に適した状態へ変化しない場合、前記対象誘導エリアへの前記対象誘導色の表示態様を変更する、
   請求項１に記載の色表示制御装置。
10. 　前記対象誘導色は、前記対象ドライバ状態が前記対象ドライバの怒りを表す場合の青色、前記対象ドライバ状態が前記対象ドライバの恐怖を表す場合の緑色、および前記対象ドライバ状態が前記対象ドライバの覚醒度が予め定められた閾値より低いことを表す場合の白色、の少なくともいずれかである、
    請求項１に記載の色表示制御装置。
11. 　前記対象ドライバは、前記第１車両のドライバである第１ドライバを含み、
    　前記対象誘導エリアは、前記第１ドライバが注視するエリアである第１誘導エリアを含み、
    　前記対象誘導色は、前記第１ドライバの心理状態または生理状態を含む第１ドライバ状態を運転に適した状態へ誘導する第１誘導色を含み、
    　前記第１誘導色は前記第１誘導エリアに表示される、
    請求項１に記載の色表示制御装置。
12. 　前記第１誘導エリアは、前記第１車両に搭載され前記第２車両の映像を表示する周辺車両表示部を含む、
    　前記第１誘導エリアである前記周辺車両表示部は前記第１誘導色で発光する、
    請求項１１に記載の色表示制御装置。
13. 　前記第１ドライバの視線方向が前記第２車両を見る方向である場合に、前記第１誘導エリアは前記第１車両と前記第２車両との間の路面のうち前記第２車両側の領域を含み、前記第１車両に搭載された灯火装置が前記第１誘導エリアに前記第１誘導色の光を照射する、
    請求項１１に記載の色表示制御装置。
14. 　前記第１ドライバの視線方向が前記周辺車両表示部を見る方向である場合に、前記第１誘導エリアは前記周辺車両表示部を含む、
    請求項１２に記載の色表示制御装置。
15. 　前記対象ドライバは前記第２車両のドライバである第２ドライバを含み、
    　前記対象誘導エリアは、前記第２ドライバが注視するエリアである第２誘導エリアを含み、
    　前記対象誘導色は、前記第２ドライバの心理状態または生理状態を含む第２ドライバ状態を運転に適した状態へ誘導する第２誘導色を含み、
    　前記第２誘導色は前記第２誘導エリアに表示される、
    請求項１に記載の色表示制御装置。
16. 　前記第２誘導エリアは、前記第２車両から視認可能な、前記第１車両の周囲の路面または前記第１車両の外装であり、
    　前記色表示制御部は、前記第１車両に搭載された灯火装置により前記第２誘導エリアである路面に前記第２誘導色の光を照射させ、または前記第２誘導エリアである前記外装を前記第２誘導色で発光させることにより、前記第２誘導エリアに前記第２誘導色を表示させる、
    請求項１５に記載の色表示制御装置。
17. 　前記色決定部は、前記第１ドライバ状態が運転に適さない場合に前記第１ドライバ状態を表す表現色を決定し、
    　前記エリア特定部は、前記第１車両の周辺の路面の前記第１誘導エリアと異なる領域、または前記第１車両の外装を通知エリアと特定し、
    　前記色表示制御部は、前記第１車両に搭載された灯火装置により前記通知エリアに前記表現色の光を照射させ、または前記通知エリアである前記外装を前記表現色で発光させる、
    請求項１１に記載の色表示制御装置。
18. 　前記表現色は、前記第１ドライバ状態が前記第１ドライバの怒りを表す場合に対する赤色、および前記第１ドライバ状態が前記第１ドライバの恐怖を表す場合に対する青色、の少なくともいずれかである、
    請求項１７に記載の色表示制御装置。
19. 　前記通知エリアは、前記第１車両と前記第２車両との間の路面のうち前記第１車両側の領域を含む、
    請求項１７に記載の色表示制御装置。
20. 　ドライバ状態検出部により、第１車両、および前記第１車両の周辺を前記第１車両と同一方向に走行する少なくとも１つの車両である第２車両の少なくともいずれかを含む対象車両のドライバである対象ドライバの心理状態または生理状態を含む対象ドライバ状態を検出し、
    　色決定部により、前記対象ドライバ状態を運転に適した状態へ誘導する対象誘導色を決定し、
    　エリア特定部により、前記対象ドライバが注視するエリアを対象誘導エリアと特定し、
    　色表示制御部により、前記対象誘導エリアに前記対象誘導色を表示させる、
    色表示制御方法。

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