WO2024009449A1

WO2024009449A1 - 包装体及び包装体の製造方法

Info

Publication number: WO2024009449A1
Application number: PCT/JP2022/026919
Authority: WO
Inventors: 博之遠藤
Original assignee: 日本たばこ産業株式会社
Priority date: 2022-07-07
Filing date: 2022-07-07
Publication date: 2024-01-11

Abstract

たばこ商品を収容し、表面の少なくとも一部に、抗菌性及び抗ウイルス性の少なくとも一方を有する領域を有する包装体。

Description

包装体及び包装体の製造方法

　本発明は、包装体及び包装体の製造方法に関する。

　特許文献１には、たばこ商品等のパッケージに関するものであり、パッケージ本体を構成する原紙と、原紙に塗布した色インキ層と、色インキ層に光沢感を付与する平滑な光沢層と、光沢層の上に、透明なニスを所定条件で凸状に印刷した凸層を備えることが記載されている。

特許第５８１５７１９号公報

　たばこ商品の多くは、内包紙（アルミニウム層を内側に有する紙）で包んだたばこ２０本を、厚紙でできた箱からなるハードパッケージ又は薄紙でできた箱からなるソフトパッケージにより包装し、いずれかのパッケージを更にシュリンクフィルム等のフィルムにより包装している（特許文献１の図２等の従来技術参照）。
　近年、消費者の間で様々な製品に対する清潔志向や安全志向が高まっている。殊に、近年、ウイルス感染が世界的脅威となっており、食品に分類されるたばこ商品の包装においても、今後、抗菌・抗ウイルス対策が求められる可能性がある。
　本発明は、抗菌性能、抗ウイルス性能を有するたばこ商品の包装体を提供することを目的とする。

　かかる目的のもと完成させた本発明の第１の特徴は、たばこ商品を収容し、表面の少なくとも一部に、抗菌性及び抗ウイルス性の少なくとも一方を有する領域を有する包装体である。
　第２の特徴は、厚紙からなるハードパッケージ又は薄紙から構成されるソフトパッケージであってもよい。
　第３の特徴は、前記表面に抗菌性能及び抗ウイルス性能の少なくとも一方を有する添加剤を含有する層が存在してもよい。
　第４の特徴は、前記添加剤が、銀イオン系、酸化チタン系、水酸化カルシウム系、ハロゲン系、銅イオン系、過酸化物・オゾン系、第四級アンモニウム系、アミン系、アルコール系、アルデヒド系、フェノール系、カルボン酸系、イソチオシアネート系、イソチアゾリン系、ピグアナイド系、ピリジン系、エポキシド系、及び界面活性剤系からなる群から選択された１種以上であってもよい。
　第５の特徴は、前記添加剤が、前記表面の６０％以上に塗布されていてもよい。
　第６の特徴は、たばこ商品を収容し、表面の少なくとも一部に、抗菌性及び抗ウイルス性の少なくとも一方を有する領域を有する包装体の製造方法であって、前記包装体の基材上に、前記抗菌性及び抗ウイルス性の少なくとも一方を有する印刷インク、又は、前記抗菌性及び抗ウイルス性の少なくとも一方を有するワニスを塗布する包装体の製造方法である。

　第１の特徴によれば、抗菌性能、抗ウイルス性能が付与されたたばこ商品を収容する包装体を提供することができる。
　第２の特徴によれば、パッケージを鞄、ポケット等に入れて持ち歩く際に、抗菌性能、抗ウイルス性能の恩恵を受けることができる。
　第３、第４及び第５の特徴によれば、包装体に抗菌性能、抗ウイルス性能を付与することができる。
　第６の特徴によれば、抗菌性能、抗ウイルス性能が付与されたたばこ商品を収容する包装体を製造することができる。

第１実施形態に係る閉蓋状態のハードパッケージの一例を示す斜視図である。第１実施形態に係る開蓋状態のハードパッケージの一例を示す斜視図である。第２実施形態に係る正面側斜め上から見たソフトパッケージの一例を示す斜視図である。第２実施形態に係る背面側斜め上から見たソフトパッケージの一例を示す斜視図である。

　以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施の形態について詳細に説明する。以下に示す実施形態は例示であり、本発明の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。各図面には、同一の部分に同一の符号を付して示す。
　本開示において、数値範囲を表す「〇〇以上〇〇以下」や「〇〇～〇〇」の記載は、特に断りのない限り、記載された上限及び下限を含む数値範囲を意味する。

＜たばこ商品＞
　本発明の各実施形態において収容されるたばこ商品は特に限定されない。たばこ商品の例として、紙巻たばこ（フィルタシガレット、両切たばこ（フィルタ無し））、シガー（葉巻）、シガリロ、電子たばこ、無煙たばこ（かみたばこ、かぎたばこ）等が挙げられる。

＜第１実施形態：ハードパッケージ＞
　第１の実施形態における包装体１は、たばこ商品を収容し、表面の少なくとも一部に、抗菌性及び抗ウイルス性の少なくとも一方を有する領域を含む。
　図１及び図２は、第１実施形態に係るハードパッケージの一例を示す斜視図である。図１は、蓋を閉じた状態を示しており、図２は、蓋を開けた状態を示している。ハードパッケージは、パッケージ本体２と蓋部３とからなるほぼ直方体形状である。パッケージ本体２の背面上部にあるヒンジ４を軸として、蓋部３が開閉自在な構造に形成されている。
　なお、図１にも方向を示すように、パッケージ本体２と蓋部３とが接続されているヒンジ４の設けられた面を包装体１の背面とし、背面が向く方向を後とする。背面の反対側の面を正面（前面）とし、正面が向く方向を前とする。また、蓋部３が設けられ、開蓋時に現れるパッケージ本体２の開口部から収容物を取り出す方向の面を上面（天面）、その反対側の面を底面とし、上面及び底面が向く方向をそれぞれ上及び下とする。包装体１を正面から見たときの左右の面を、それぞれ左側面、右側面とする。

　また、図１に示すように、ハードパッケージは、開封前の状態において、全体がフィルム５で覆われて包装体１を形成している。フィルム５には、ハードパッケージの前面、左側面、背面及び右側面を１周するように開封テープ（テアテープ）６が貼付されている。開封テープ６は、フィルム５を開封する際に引き裂く位置を規定し、フィルム５の開封性を向上させるものである。使用者は開封テープ６の一端を摘まみ、開封テープ６に沿ってフィルム５を引き裂くことができる。
　図２は、フィルム５を開封した後の包装体１を表しており、フィルム５の上部側部分が除去され、蓋部３とその周辺のパッケージ本体２が露出している。図２に示すように、蓋部３の下から被収容物７が現れる。本実施態様では、被収容物７は、ハードパッケージ内部に紙巻たばこ等のたばこ商品２０本（図省略）を内包紙により包装した状態で収容されている。内包紙の例としては、繊維質セルロース系材料を含む紙基材層に、アルミニウム層を内側に積層したものが挙げられる。前記アルミニウム層としてはアルミニウム箔から構成される層、アルミニウムを紙基材上に蒸着して形成した層、等が挙げられる。

　ハードパッケージは、ハードパック、ボックス、ハードボックス型パッケージ等とも呼ばれ、原紙を図１、図２に示すようにパッケージ本体２と蓋部３からなる箱型に組み立てて形成したものである。
　ハードパッケージの材料となる原紙には、片面コート紙、アートポスト紙、キャストコート紙等の厚紙を用いることができる。ハードパッケージの輝度感を高めることができるため、原紙は表面が平滑な紙が好ましい。原紙の厚さは特に限定されない。原紙の坪量は、箱型に組み立てるための強度と成形性の観点から、１００ｇｓｍ以上であることが好ましく、１８０ｇｓｍ以上であることがより好ましく、４００ｇｓｍ以下であることがより好ましく、２４０ｇｓｍ以下であることがさらに好ましい。

　ハードパッケージの表面に、抗菌性及び抗ウイルス性の少なくとも一方を有する。図１及び図２では、抗菌性及び抗ウイルス性の少なくとも一方を有する領域８に斜線（ハッチング）を付している。この領域８が、後述のワニス又はインクの塗工部位である。
　抗菌性及び抗ウイルス性の少なくとも一方を有する領域８は、抗菌性能及び抗ウイルス性能の少なくとも一方を有する添加剤を含有する層として存在する。前記添加剤は、印刷インク又はワニスの形態で、前記包装体の基材上に塗布される。具体的には、抗菌性及び抗ウイルス性の少なくとも一方を有するように前記添加剤を含む印刷インク、又は、抗菌性及び抗ウイルス性の少なくとも一方を有するように前記添加剤を含むワニスを使用する。これらの印刷インク、ワニスはともに水溶性が好ましい。
　抗菌性及び抗ウイルス性の少なくとも一方を有する領域８は、ハードパッケージの表面の少なくとも一部であるが、抗菌性、抗ウイルス性を有する包装を提供する観点からは、ハードパッケージの表面全体の６０％以上の面積が抗菌性、抗ウイルス性を有することが好ましく、更には全体の７０％以上、特には８０％以上が好ましい。ブランクとしては９５％以下が望ましく、成型後の外表面としては実質的全てのハードパッケージ表面に、本実施形態に用いられる印刷インク又はワニスが塗布されていることが最も好ましい。
　前記印刷インク及び前記ワニスは、例えば印刷によって塗布することができる。ハードパッケージ表面の部分に塗布する場合は、任意の箇所を選択できるが、例えば、ハードパッケージの前面全体、背面全体等を選択することができる。
　印刷インク、ワニス塗布後、乾燥した状態における塗布量は、抗菌、抗ウイルス性能を付与するため、１ｇ／ｍ^２以上２０ｇ／ｍ^２以下が好ましく、更に２ｇ／ｍ^２以上１０ｇ／ｍ^２以下が好ましく、特には４ｇ／ｍ^２以上８ｇ／ｍ^２以下が好ましい。

　なお、「抗菌」とは、製品の表面における細菌の増殖を抑制することをいう。また、「抗ウイルス」とは、製品の表面におけるウイルスの数を減少させることをいう。
　抗菌性評価は、ＪＩＳ　Ｚ　２８０１：２０１０（抗菌加工製品－抗菌性試験方法・抗菌効果）に基づく試験によって行われる。この試験において、所定の耐久性試験（耐水試験及び耐光試験）による前処理後の、抗菌加工された製品の表面における細菌（通常、大腸菌及び黄色ブドウ球菌）の生菌数が、抗菌加工されていない製品の表面と比較して１００分の１以下（抗菌活性値２．０以上）の場合に抗菌効果を有すると判断できる。
　また、抗ウイルス性評価は、ＩＳＯ　２１７０２：２０１９（プラスチック及びその他の非多孔質表面の抗ウイルス活性の測定）に基づく試験によって行われる。この試験において、所定の耐久性試験（耐水試験及び耐光試験）による前処理後の、抗ウイルス加工された製品の表面におけるウイルス（インフルエンザウイルス及びネコカリシウイルス）の数が、抗ウイルス加工されていない製品の表面と比較して１００分の１以下（抗ウイルス性値２．０以上）の場合に抗ウイルス効果を有すると判断できる。
　抗菌性評価及び抗ウイルス性評価の双方において、一般社団法人抗菌製品技術協議会に製品を自主登録する際に耐久性試験が必要とされている。耐久性試験は耐水性試験と耐光性試験とがある。
　耐水性試験では、抗菌、抗ウイルス機能を付与された加工製品が、水（または温水）との接触により、製品表面から機能が失われ、その性能が低下することを想定し、耐水性試験区分で決めた試験条件（水温と浸漬時間）で試験片を処理した後、加工製品の性能に応じた試験（抗菌性試験又は抗ウイルス性試験）を行う。
　耐光性試験では、抗菌、抗ウイルス機能を付与された加工製品が、光（特に紫外線）に曝されることで、その性能が低下することを想定し、耐光性試験区分で決めた試験条件（試験装置と照射時間）で試験片を処理した後、加工製品の性能に応じた試験（抗菌性試験又は抗ウイルス性試験）を行う。

　本実施形態に用いられる抗菌性能及び抗ウイルス性能の少なくとも一方を有する添加剤は、通常、当該添加剤を含有する印刷インク又はワニスが使用される。そして、前記添加剤は抗菌効果又は抗ウイルス効果を有するものが好適に使用される。抗菌効果及び抗ウイルス効果は同時に有する物が多いため、抗菌性能及び抗ウイルス性能の双方を有する添加剤を使用することがより好ましい。
　抗菌性能、抗ウイルス性能を有する添加剤の有効成分の例は、無機系物質としては、銀イオン系、酸化チタン系、水酸化カルシウム系（主に貝殻焼成粉末）、ハロゲン系、銅イオン系、過酸化物・オゾン系等が挙げられる。また、有機系物質としては、第四級アンモニウム系、アミン系、アルコール系、アルデヒド系、フェノール系、カルボン酸系、イソチオシアネート系、イソチアゾリン系、ピグアナイド系、ピリジン系、エポキシド系、界面活性剤系等が挙げられる。これらの中で銀系は多数用いられており、銀イオン単独の場合の他に、銀ゼオライト、銀亜鉛系、銀リン酸複合物等として使用されることもある。
　本実施形態にて使用可能なインキ、ワニスの例を、商品名、抗菌活性値、抗ウイルス活性値、実際の抗菌剤、抗ウイルス剤と共に下記表１に記載する。

　表１中、耐久性試験区分の欄の意味は、前処理としての耐久試験の区分と内容であり、耐水性区分中の「０」は、通常水に触れることが無い製品のため、水に浸漬させる浸漬試験を実施しないこと、「２」は、水温４５～５５℃にて１６～１８時間浸漬させたことを示す。また、耐光性区分中の「１」は、光照射の機会が少ない製品のため、キセノンランプにて９．５時間～１０．５時間、又は日光に７．６時間～８．４時間照射させたことを示す。
　表中の抗ウイルス活性値の「―」は未測定であることを示す。
　これらのインク、ワニスはいずれも、抗菌活性値及び抗ウイルス活性値が２以上であるため、通常のワニス、インクとしての使用方法を行えば、本実施形態の包装体１が必要な抗菌性及び抗ウイルス性を有することが理解される。

　本実施形態のインク又はワニスを塗布した下（インキ又はワニスとハードパッケージとの間）又はインク、ワニス上には、通常、たばこ商品の銘柄、社名、内容表示等が色インキ等によって印刷される（図では省略）。パッケージデザインに応じて、インキの種類、印刷パターン、インキの印刷回数等を適宜変更できる。これらの変更によって外観を変化させることができ、例えばブランドイメージの表現の幅が広がる。
　好ましい形態では、銘柄、社名、内容表示等の色インキ印刷は、ハードパッケージの材料である原紙の上に直接塗布（印刷）される。
　また、従来のハードパッケージと同様に、色インキが塗布された領域および塗布されない領域にＯＰ（Ｏｖｅｒ　Ｐｒｉｎｔ）ニスを塗布し、ＯＰニス加工を施してもよい。色インキが塗布された領域上に、ＯＰニス加工を行うことが好ましい。
　ＯＰニス加工により、ＯＰニス加工の下の層を傷や汚れから保護でき、色インキ印刷上にＯＰニスを塗布した場合は、色インキを保護し、色インキの表面に光沢を付与することができる。ＯＰニスは、油性、水性、ＵＶの３種類に大別される。前記３種類のＯＰニスは、それぞれがグロスタイプとマットタイプに更に区別される。表面をより平滑化するためにはグロスタイプが望ましい。ハードパッケージにおけるＯＰニスに求められる特性としては、滑り性、耐摩擦性、耐熱性、耐光性などが例示される。望まれる特性を有するＯＰニスを選択して使用することが好ましい。
　また、特性の異なるＯＰニスを複数同時に用いてもよく、また、特性の異なるＯＰニスを領域毎にわけてニス加工することも可能である。

　ＯＰニスに代えて、本実施形態の抗菌、抗ウイルス性のインク又はワニスを使用することが特に好ましい。本実施形態のインク、ワニスは、ハードパッケージのより多くの面に塗布することが好ましいため、色インキ印刷がある場合は、本実施形態のインク、ワニスが、色インキの傷つき、剥がれ等から保護することができる。
　ＯＰニス加工を行わず、本実施形態のインク、ワニスを使用することにより、パッケージ本体２の製造工程において、ＯＰニス加工の工程の本実施形態のインク、ワニス塗布（印刷）工程への変更のみにより、全体の工程数を変更させずにハードパッケージを含む包装体１を製造することができる。従って、製造設備の追加投資が不要であり、製造工程数、製造に要する時間等を変化させずに本実施形態のパッケージを得ることができる。
　本実施形態の包装体１の製造方法としては、ハードパッケージの材料となる原紙に予め色インキ、本実施形態のインク、ワニス等を印刷し、その原紙を包装機により包装体１を組み立てることが好ましい。
　本実施形態のインク、ワニスは無色であってもよく、顔料を含有させることにより、有色としてもよい。

＜第２実施形態：ソフトパッケージ＞
　第２の実施形態における包装体１Ａにおいても、第１実施形態の包装体１と同様に、たばこ商品を収容し、表面の少なくとも一部に、抗菌性及び抗ウイルス性の少なくとも一方を有する領域を含む。
　図３及び図４は、第２実施形態に係るソフトパッケージとした場合の一例を包装体１Ａとして示す。図３は、一方（便宜上、正面側とする）から見た斜視図である。図４は、その反対側（便宜上、背面側とする）から見た斜視図である。図３及び図４ともに、フィルム５を開封した後の形態を示す。
　包装体１Ａには、内部に紙巻たばこ等のたばこ商品２０本（図省略）を内包紙により包み込んで包装し、たばこ商品の一方の端部側に内包紙の一部を折り込むことで形成される閉塞面を有する被収容物７が収容されている。内包紙は第１実施形態のハードパッケージにおける内包紙と同様に、繊維質セルロース系材料を含む紙基材層に、アルミニウム層を内側に積層したものが例として挙げられる。
　ソフトパッケージはパッケージ本体２から形成され、ほぼ直方体形状である。ハードパッケージと異なり、ソフトパッケージには蓋に相当する部分はなく、直方体の上面に相当する部分からは前記被収容物７の閉塞面が露出している。そして、包装体１Ａは、被収容物７の閉塞面上を横切るようにパッケージ本体２に張り付けられた封緘紙９を含む。
　パッケージ１Ａを開封する際、使用者は被収容物７のうち、閉塞面に対応する部位の少なくとも一部を切り取る場合が多い。

　ソフトパッケージは、ソフトパックとも呼ばれ、薄紙を図３、図４の包装体１Ａに示すように、上面を欠いたほぼ直方体形状に形成したものである。ソフトパッケージの材料となる原紙には、通常の紙を制限なく使用することができる。ソフトパッケージの輝度感を高めることができるため、原紙は表面が平滑な紙が好ましい。原紙の厚さは特に限定されない。原紙の坪量は、箱型に組み立てるための強度と成形性の観点から、５０ｇｓｍ以上であることが好ましく、７０ｇｓｍ以上であることがより好ましく、１５０ｇｓｍ以下であることがより好ましく、１２０ｇｓｍ以下であることがさらに好ましい。
　本実施形態では、ソフトパッケージの表面に、本実施形態のインク、ワニスが塗布されている。
　図３、４に示すようにインク、ワニスが塗布された領域８は、正面及び背面の上下方向中央にわたっている。パッケージ上に抗菌効果、抗ウイルス効果を十分に提供する観点からは、パッケージ１Ａのパッケージ本体２の表面全体の６０％以上の面積に塗布されていることが好ましく、更には全体の７０％以上、特には８０％以上が好ましい。実質的全てのパッケージ本体２表面に、本実施形態のインク、ワニスが塗布されていることが最も好ましい。更に、被収容物７の露出している面、封緘紙９の少なくとも一方、特には双方ともワニスが塗布されていてもよい。

　本実施形態のインク、ワニスは、例えば印刷によって塗布することができる。ソフトパッケージ表面の部分に塗布する場合は、任意の箇所を選択できるが、例えば、ソフトパッケージの前面全体、背面全体等を選択可能である。第２実施形態のインク、ワニスも第１実施形態と同様に抗菌性能及び抗ウイルス性能の少なくとも一方を有する添加剤を含有する印刷インク又はワニスであり、特には、抗菌性能及び抗ウイルス性能双方を有するインク又はワニスが適している。使用可能な添加剤、インク、ワニス等は前記第１実施形態と同様である。
　本実施形態のインク、ワニスにおいても、インクやワニス塗布量は第１実施形態のインク、ワニスと同様の範囲等が好ましい。

　また、本実施形態においても、色インキ印刷、ＯＰニス加工等が行われる。好ましくは、色インキ印刷の上に、本実施形態のインク、ワニスをパッケージ本体２の全体上に塗布する。
　本実施形態においても、従来のＯＰニス加工に代えて本実施形態のインク、ワニスを塗布することにより、製造工程数、製造に要する時間等を変化させず、抗菌性、抗ウイルス性を付与できる。
　本実施形態のパッケージの製造方法としては、パッケージの材料となる原紙に予め色インキ、本実施形態のインク、ワニス等を印刷し、その原紙を包装機によりパッケージを組み立てることが好ましい。

＜その他の変形＞
　上記実施形態では主にハードパッケージ、ソフトパッケージに、抗菌性、抗ウイルス性を付与する例を挙げて説明した。フィルムを開き、これらのパッケージを鞄、ポケット等に入れて持ち歩くことが多いからである。しかし、フィルム５に対しても、抗菌性、抗ウイルス性を付与することもできる。
　使用する抗菌性、抗ウイルス性を有するインク、ワニスは、前記したものに限られず、抗菌性及び抗ウイルス性の少なくとも一方を有するものであれば、所望のものを選択することが可能である。また、複数のインク、ワニスを組合せること、複数の層として塗布すること等も可能である。
　上記第１実施形態では、上側が開くハードパッケージを例に挙げて説明したが、例えば、右側あるいは左側が開くパッケージも適用することができる。第１及び第２実施形態で、角が面取りされているパッケージ本体２等に対しても適用することができる。
　また、パッケージの表面には色インキ等による印刷の他、エンボス加工、型押し加工等を施してもよい。また、本実施形態の抗菌、抗ウイルス性のインキ、ワニスの視感を、高光沢とすること、逆に低光沢とすること、等も可能である。

１、１Ａ：包装体、２：パッケージ本体、３：蓋部、４：ヒンジ、５：フィルム、６：開封テープ（テアテープ）、７：被収容物、８：ニス又はインクの塗工部位、９：封緘紙

Claims

　たばこ商品を収容し、
　表面の少なくとも一部に、抗菌性及び抗ウイルス性の少なくとも一方を有する領域を有する
包装体。
　厚紙からなるハードパッケージ又は薄紙から構成されるソフトパッケージである
請求項１に記載の包装体。
　前記表面に抗菌性能及び抗ウイルス性能の少なくとも一方を有する添加剤を含有する層が存在する
請求項１又は２に記載の包装体。
　前記添加剤が、銀イオン系、酸化チタン系、水酸化カルシウム系、ハロゲン系、銅イオン系、過酸化物・オゾン系、第四級アンモニウム系、アミン系、アルコール系、アルデヒド系、フェノール系、カルボン酸系、イソチオシアネート系、イソチアゾリン系、ピグアナイド系、ピリジン系、エポキシド系、及び界面活性剤系からなる群から選択された１種以上である
請求項３に記載の包装体。
　前記添加剤が、前記表面の６０％以上に塗布されている
請求項３又は４に記載の包装体。
　たばこ商品を収容し、表面の少なくとも一部に、抗菌性及び抗ウイルス性の少なくとも一方を有する領域を有する包装体の製造方法であって、
　前記包装体の基材上に、前記抗菌性及び抗ウイルス性の少なくとも一方を有する印刷インク、又は、前記抗菌性及び抗ウイルス性の少なくとも一方を有するワニスを塗布する
包装体の製造方法。