WO2023282170A1 - 非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート及びその製造方法、非燃焼加熱型香味吸引器、並びに非燃焼加熱型香味吸引システム - Google Patents

非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート及びその製造方法、非燃焼加熱型香味吸引器、並びに非燃焼加熱型香味吸引システム Download PDF

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Abstract

膨嵩性の高い非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシートを提供する。ファイバー状材料を含む非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート。

Description

非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート及びその製造方法、非燃焼加熱型香味吸引器、並びに非燃焼加熱型香味吸引システム
 本発明は、非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート及びその製造方法、非燃焼加熱型香味吸引器、並びに非燃焼加熱型香味吸引システムに関する。
 燃焼型香味吸引器(シガレット)では、葉たばこやたばこシートを含むたばこ充填物を燃焼して香味を得る。例えば特許文献1には、燃焼型香味吸引器に使用されるたばこシートが開示されている。該燃焼型香味吸引器の代替として、たばこシート等の香味源を燃焼する代わりに加熱して香味を得る非燃焼加熱型香味吸引器が提案されている。非燃焼加熱型香味吸引器の加熱温度は、燃焼型香味吸引器の燃焼温度より低く、例えば約400℃以下である。このように、非燃焼加熱型香味吸引器の加熱温度は低いため、煙量を増加させる観点から、非燃焼加熱型香味吸引器では香味源にエアロゾル発生剤を添加することができる。エアロゾル発生剤は加熱により気化し、エアロゾルを発生する。該エアロゾルはたばこ成分等の香味成分を伴い使用者に供給されるため、使用者は十分な香味を得ることができる。
 非燃焼加熱型香味吸引器は、例えば、たばこシート等が充填されたたばこ含有セグメントと、冷却セグメントと、フィルターセグメントとを備えることができる。非燃焼加熱型香味吸引器のたばこ含有セグメントの軸方向の長さは、加熱ヒーターとの関係で、通常燃焼型香味吸引器のたばこ含有セグメントの軸方向の長さよりも短い。そのため、非燃焼加熱型香味吸引器では、加熱時のエアロゾル生成量を担保するために、短いたばこ含有セグメントの区間内に多量のたばこシートが充填されている。短い区間内に多量のたばこシートを充填するために、非燃焼加熱型香味吸引器では、通常膨嵩性の低い、すなわち高密度のたばこシートが使用されている。なお、膨嵩性とは、所定質量のたばこシートの刻みを一定圧力で一定時間圧縮したときの体積を示す値である。例えば特許文献2には、非燃焼加熱型香味吸引器に使用されるたばこシートが開示されている。
特公昭60-45914号公報 特許第5969923号
 しかし、本発明者等は、加熱方式やヒーターの加熱能力とエアロゾルの生成を考えた場合、膨嵩性の低い(高密度の)たばこシートを用いるとたばこ含有セグメントの総熱容量が高くなるため、加熱方法やヒーターの能力によっては、たばこ含有セグメントに充填されたたばこシートがエアロゾル生成に十分に寄与しないことを見出した。当該課題を解決するためには、たばこ含有セグメントの総熱容量を低減することが考えられる。
 本発明者等は、たばこ含有セグメントの総熱容量を低減するために、(1)たばこシートに含まれるたばこ原料の比熱を低減する、(2)膨嵩性の高い(低密度の)たばこシートを用いる、ことを検討した。しかし、(1)についてはたばこ原料自体の比熱の低減は困難であるため、(2)によりたばこ含有セグメントの総熱容量を低減することが有効と考えられた。そのため、非燃焼加熱型香味吸引器に好適に用いられる膨嵩性の高い(低密度の)たばこシートの開発が望まれる。
 本発明は、膨嵩性の高い非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート、該たばこシートを含む非燃焼加熱型香味吸引器、及び非燃焼加熱型香味吸引システムを提供することを目的とする。
 本発明は以下の実施態様を含む。
[1]ファイバー状材料を含む非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート。
[2][1]に記載の非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシートを含むたばこ含有セグメントを備える非燃焼加熱型香味吸引器。
[3][2]に記載の非燃焼加熱型香味吸引器と、
 前記たばこ含有セグメントを加熱する加熱装置と、
を備える非燃焼加熱型香味吸引システム。
[4][1]に記載の非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシートの製造方法であって、
 紙層を有する基材シートを準備する工程と、
 結合剤及び前記ファイバー状材料を含む原料をシート状に形成する形成工程と、
 前記基材シートの前記紙層上に、前記シート状に形成された前記原料を積層する積層工程と、を含む非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシートの製造方法。
[5]前記形成工程は、前記原料をローラで展延する工程を含む、[4]に記載の非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシートの製造方法。
 本発明によれば、膨嵩性の高い非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート、該たばこシートを含む非燃焼加熱型香味吸引器、及び非燃焼加熱型香味吸引システムを提供することができる。
本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器の一例を示す断面図である。 本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引システムの一例であって、(a)非燃焼加熱型香味吸引器を加熱装置に挿入する前の状態、(b)非燃焼加熱型香味吸引器を加熱装置に挿入して加熱する状態、を示す断面図である。 本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシートの概略拡大断面図である。 本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシートの製造方法を示す概略図である。 原料が積層された基材シートを切断装置において切断するプロセスを示す概略図である。
 本実施形態は以下の態様を含む。
[1]ファイバー状材料を含む非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート。
[2]前記たばこシート100質量%に含まれる前記ファイバー状材料の割合が5~50質量%である、[1]に記載の非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート。
[3]前記ファイバー状材料が、ファイバー状パルプ、ファイバー状たばこ材料及びファイバー状合成セルロースからなる群から選択される少なくとも一つである、[1]又は[2]に記載の非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート。
[4]前記ファイバー状材料がファイバー状パルプである、[3]に記載の非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート。
[5]前記たばこシートがさらにたばこ原料を含む、[4]に記載の非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート。
[6]前記たばこ原料が、葉たばこ、中骨及び残幹からなる群から選択される少なくとも一種のたばこ粉末である、[5]に記載の非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシートの製造方法。
[7]前記たばこシート100質量%に含まれる前記たばこ原料の割合が30~91質量%である、[5]又は[6]に記載の非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート。
[8]前記たばこシートが成型剤をさらに含む、[4]から[7]のいずれかに記載の非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート。
[9]前記成型剤が、多糖類、タンパク及び合成ポリマーからなる群から選択される少なくとも一つである、[8]に記載の非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート。
[10]前記たばこシート100質量%に含まれる前記成型剤の割合が0.1~15質量%である、[8]又は[9]に記載の非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート。
[11]前記たばこシートがさらにエアロゾル発生剤を含む、[1]から[10]のいずれかに記載の非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート。
[12]前記エアロゾル発生剤が、グリセリン、プロピレングリコール及び1,3-ブタンジオールからなる群から選択される少なくとも一つである、[11]に記載の非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート。
[13]前記たばこシート100質量%に含まれる前記エアロゾル発生剤の割合が5~50質量%である、[11]又は[12]に記載の非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート。
[14][1]から[13]のいずれかに記載の非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシートを含むたばこ含有セグメントを備える非燃焼加熱型香味吸引器。
[15][14]に記載の非燃焼加熱型香味吸引器と、
 前記たばこ含有セグメントを加熱する加熱装置と、
を備える非燃焼加熱型香味吸引システム。
 [非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート]
 本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート(以下、「たばこシート」ともいう。)はファイバー状材料を含む。本実施形態に係るたばこシートはファイバー状材料を含むため、嵩高く、高い膨嵩性を有する。そのため、本実施形態に係るたばこシートを用いることでたばこ含有セグメントの総熱容量を低減することができ、たばこ含有セグメントに充填されたたばこシートをエアロゾル生成に十分に寄与させることができる。また、本実施形態に係るたばこシートはたばこ原料やエアロゾル発生剤、成型剤をさらに含むことが好ましく、これらの配合割合を所定の範囲内とすることで、たばこシートの膨嵩性がより向上する。
 (ファイバー状材料)
 本実施形態に係るたばこシートに含まれるファイバー状材料としては、繊維のようなファイバー形状を有する材料であれば特に限定されない。ファイバー状材料としては、例えば、ファイバー状パルプ、ファイバー状たばこ材料、ファイバー状合成セルロース等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、繊維剛性の観点から、ファイバー状材料としてはファイバー状パルプが好ましい。
 たばこシート100質量%に含まれるファイバー状材料の割合は、5~50質量%であることが好ましい。前記ファイバー状材料の割合が5質量%以上であることにより、機能を担保できる嵩高さが実現できる。また、前記ファイバー状材料の割合が50質量%以下であることにより、加熱時に十分なたばこ香気、エアロゾルを発生させることができる。前記ファイバー状材料の割合は、5~47質量%であることがより好ましく、5~45質量%であることがさらに好ましく、5~40質量%であることが特に好ましい。
 (たばこ原料)
 前記ファイバー状材料がファイバー状たばこ材料以外である場合、本実施形態に係るたばこシートは、さらにたばこ原料を含むことができる。たばこ原料としてはたばこ成分が含まれるものであれば特に限定されないが、例えばたばこ粉末やたばこ抽出物が挙げられる。たばこ粉末としては、例えば葉たばこ、中骨、残幹等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらを所定の大きさに裁刻することで、たばこ粉末として使用することができる。たばこ粉末の大きさとしては、乾式レーザー回折法により測定される体積基準の粒度分布における累積90%粒子径(D90)が200μm以上であることが、更なる膨嵩性向上の観点から好ましい。たばこ抽出物としては、例えば葉たばこを粗砕し、これを水等の溶媒と混合・攪拌することで葉たばこから水溶性成分を抽出し、得られた水抽出物を減圧乾燥して濃縮することで得られるたばこ抽出物が挙げられる。
 たばこシート100質量%に含まれるたばこ原料の割合は、30~91質量%であることが好ましい。前記たばこ原料の割合が30質量%以上であることにより、加熱時にたばこ香気を十分に発生させることができる。また、前記たばこ原料の割合が91質量%以下であることにより、エアロゾル発生剤や成型剤を十分な量含ませることができる。前記たばこ原料の割合は、50~90質量%であることがより好ましく、55~85質量%であることがさらに好ましく、60~80質量%であることが特に好ましい。
 (成型剤)
 前記ファイバー状材料がファイバー状合成セルロース等のファイバー状成型剤以外である場合、本実施形態に係るたばこシートは、形状担保の観点から、さらに成型剤を含むことが好ましい。成型剤としては、例えば多糖類、タンパク、合成ポリマー等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。多糖類としては、例えばセルロース誘導体、天然由来の多糖類が挙げられる。
 セルロース誘導体としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ベンジルセルロース、トリチルセルロース、シアノエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、アミノエチルセルロース等のセルロースエーテル類;酢酸セルロース、ギ酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、安息香酸セルロース、フタル酸セルロース、トシルセルロース等の有機酸エステル;硝酸セルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロース、セルロースキサントゲン酸塩等の無機酸エステル等が挙げられる。
 天然由来の多糖類としては、例えば、グアーガム、タラガム、ローストビーンガム、タマリンド種子ガム、ペクチン、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、ガッティガム、アラビノガラクタン、アマシードガム、カッシャガム、サイリウムシードガム、サバクヨモギシードガム等の植物由来の多糖類;カラギーナン、寒天、アルギン酸、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ファーセレラン、フクロノリ抽出物等の藻類由来の多糖類;キサンタンガム、ジェランガム、カードラン、プルラン、アグロバクテリウムスクシノグリカン、ウェランガム、マクロホモプシスガム、ラムザンガム等の微生物由来の多糖類;キチン、キトサン、グルコサミン等の甲殻類由来の多糖類;デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、α化デンプン、デキストリン等のデンプン等が挙げられる。
 タンパクとしては、例えば、小麦グルテン、ライ麦グルテン等の穀物タンパクが挙げられる。合成ポリマーとしては、例えば、ポリリン酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
 たばこシートに成型剤が含まれる場合、たばこシート100質量%に含まれる成型剤の割合は、0.1~15質量%であることが好ましい。前記成型剤の割合が0.1質量%以上であることにより、原料の混合体をシート状に容易に成型可能となる。また、前記成型剤の割合が15質量%以下であることにより、非燃焼加熱型香味吸引器のたばこ含有セグメントに求められる機能を担保するための他原料を十分に用いることができる。前記成型剤の割合は、0.2~13質量%であることがより好ましく、0.5~12質量%であることがさらに好ましく、1~10質量%であることが特に好ましい。
 (エアロゾル発生剤)
 本実施形態に係るたばこシートは、加熱時の煙量増加の観点から、さらにエアロゾル発生剤を含むことが好ましい。エアロゾル発生剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
 たばこシートにエアロゾル発生剤が含まれる場合、たばこシート100質量%に含まれるエアロゾル発生剤の割合は、5~50質量%であることが好ましい。前記エアロゾル発生剤の割合が5質量%以上であることにより、量の観点から加熱時に十分なエアロゾルを発生させることができる。また、前記エアロゾル発生剤の割合が50質量%以下であることにより、熱容量の観点から加熱時に十分なエアロゾルを発生させることができる。前記エアロゾル発生剤の割合は、6~45質量%であることがより好ましく、8~40質量%であることがさらに好ましく、10~30質量%であることが特に好ましい。
 (補強剤)
 前記ファイバー状材料がファイバー状パルプ等のファイバー状補強剤以外である場合、本実施形態に係るたばこシートは、更なる物性向上の観点から、さらに補強剤を含むことができる。補強剤としては、例えばパルプ、ペクチン懸濁水など乾燥すると膜を形成する表面コーティング機能をもった液状物質等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
 たばこシートに補強剤が含まれる場合、たばこシート100質量%に含まれる補強剤の割合は、0.1~20質量%であることが好ましい。前記補強剤の割合が本範囲内の場合、非燃焼加熱型香味吸引器のたばこ含有セグメントに求められる機能を担保するための他原料を十分に用いることができる。前記補強剤の割合は、0.2~18質量%であることがより好ましく、0.5~15質量%であることがさらに好ましい。
 (保湿剤)
 本実施形態に係るたばこシートは、品質保持の観点から、さらに保湿剤を含むことができる。保湿剤としては、例えばソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、マンニトール、還元麦芽糖水飴等の糖アルコール等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
 たばこシートに保湿剤が含まれる場合、たばこシート100質量%に含まれる保湿剤の割合は、1~15質量%であることが好ましい。本範囲内の場合、非燃焼加熱型香味吸引器のたばこ含有セグメントに求められる機能を担保するための他原料を十分に用いることができる。前記保湿剤の割合は、2~12質量%であることがより好ましく、3~10質量%であることがさらに好ましい。
 (その他の成分)
 本実施形態に係るたばこシートは、前記ファイバー状材料、前記たばこ原料、前記成型剤、前記エアロゾル発生剤、前記補強剤、前記保湿剤以外にも、必要に応じて香料、呈味料等の香味料、着色剤、湿潤剤、保存料、無機物質等の希釈剤等を含むことができる。
 (膨嵩性)
 本実施形態に係るたばこシートの膨嵩性は、190cc/100g以上であることが好ましい。該膨嵩性が190cc/100g以上であることにより、非燃焼加熱型香味吸引器のたばこ含有セグメントの総熱容量を十分に低減することができ、たばこ含有セグメントに充填されたたばこシートがエアロゾル生成により寄与できるようになる。該膨嵩性は210cc/100g以上であることがより好ましく、230cc/100g以上であることがさらに好ましい。該膨嵩性の範囲の上限は特に限定されないが、例えば800cc/100g以下であることができる。なお、該膨嵩性は、たばこシートを0.8mm×9.5mmのサイズに裁刻し、22℃、60%の調和室内で48時間存置した後、DD-60A(商品名、ボルグワルド社製)にて測定される値である。測定は、裁刻されたたばこシート15gを内径60mmの円筒形容器に入れ、3kg荷重で30秒圧縮した時の容積を求めることで行われる。
 (たばこシートの構成)
 本実施形態において「たばこシート」とは、たばこシートを構成する成分がシート形状に成形されたものである。ここで「シート」とは、略平行な1対の主面、及び側面を有する形状をいう。たばこシートの長さ及び幅は、特段制限されることはなく、充填する態様に合わせて適宜調整できる。たばこシートの厚さは、特に限定されないが、伝熱効率と強度の兼ね合いから、100~1000μmが好ましく、150~600μmがより好ましい。
 (たばこシートの製造方法)
 本実施形態に係るたばこシートは、例えば圧延法、キャスト法等の公知の方法で製造することができる。このような方法で製造された各種たばこシートについては、「たばこの事典、たばこ総合研究センター、2009.3.31」に詳細が開示されている。
 <圧延法>
 圧延法によりたばこシートを製造する方法としては、例えば、以下の工程を含む方法を挙げることができる。
 (1)水、たばこ粉末、エアロゾル発生剤、成型剤、及びファイバー状パルプを混合して混合物を得る工程。
 (2)当該混合物を圧延ローラーに投入して圧延する工程。
 (3)圧延ローラー上の圧延成形品をドクターナイフで剥離し、ネットコンベアーに移送し、乾燥機で乾燥する工程。
 この方法でたばこシートを製造する場合、目的に応じて、各圧延ローラーの表面を加温又は冷却してもよく、各圧延ローラーの回転数を調整してもよい。また、各圧延ローラーの間隔を調整することで、所望の坪量のたばこシートを得ることができる。
 <キャスト法>
 キャスト法によりたばこシートを製造する方法としては、例えば、以下の工程を含む方法を挙げることができる。
 (1)水、たばこ粉末、エアロゾル発生剤、成型剤、及びファイバー状パルプを混合して混合物を得る工程。
 (2)当該混合物を薄く延ばして(キャストして)乾燥し、たばこシートとする工程。
 この方法でたばこシートを製造する場合、水、たばこ粉末、エアロゾル発生剤、成型剤、及びファイバー状パルプを混合したスラリーに対して紫外線照射もしくはX線照射することで、ニトロソアミン等の一部の成分を除去する工程を加えてもよい。
 [非燃焼加熱型香味吸引器]
 本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器は、本実施形態に係るたばこシートを含むたばこ含有セグメントを備える。本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器は、本実施形態に係る膨嵩性の高いたばこシートが充填されたたばこ含有セグメントを備えるため、たばこ含有セグメントの総熱容量を十分に低減することができ、たばこ含有セグメントに充填されたたばこシートがエアロゾル生成により寄与できるようになる。
 本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器の一例を図1に示す。図1に示される非燃焼加熱型香味吸引器1は、本実施形態に係るたばこシートが充填されたたばこ含有セグメント2と、周上に穿孔8を有する筒状の冷却セグメント3と、センターホールセグメント4と、フィルターセグメント5と、を備える。本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器は、たばこ含有セグメント、冷却セグメント、センターホールセグメント及びフィルターセグメント以外にも、他のセグメントを有していてもよい。
 本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器の軸方向の長さは特に限定されないが、40mm以上、90mm以下であることが好ましく、50mm以上、75mm以下であることがより好ましく、50mm以上、60mm以下であることがさらに好ましい。また、非燃焼加熱型香味吸引器の周の長さは16mm以上、25mm以下であることが好ましく、20mm以上、24mm以下であることがより好ましく、21mm以上、23mm以下であることがさらに好ましい。例えば、たばこ含有セグメントの長さは20mm、冷却セグメントの長さは20mm、センターホールセグメントの長さは8mm、フィルターセグメントの長さは7mmである態様を挙げることができる。なお、フィルターセグメントの長さは4mm以上、10mm以下の範囲内で選択可能である。また、その際のフィルターセグメントの通気抵抗は、セグメント当たり15mmHO/seg以上、60mmHO/seg以下であるように選択される。これら個々のセグメント長さは、製造適性、要求品質等に応じて、適宜変更できる。さらには、センターホールセグメントを用いずに、冷却セグメントの下流側にフィルターセグメントのみを配置しても、非燃焼加熱型香味吸引器として機能させることができる。
 (たばこ含有セグメント)
 たばこ含有セグメント2は、本実施形態に係るたばこシートが巻紙(以下、「ラッパー」ともいう)内に充填されている。たばこシートを巻紙内に充填する方法は特に限定されないが、例えばたばこシートをラッパーで包んでもよく、筒状のラッパー内にたばこシートを充填してもよい。たばこシートの形状が矩形状のように長手方向を有する場合、たばこシートは該長手方向がラッパー内でそれぞれ不特定の方向となるように充填されていてもよく、たばこ含有セグメント2の軸方向又は該軸方向に対して垂直な方向となるように整列させて充填されていてもよい。
 (冷却セグメント)
 図1に示されるように、冷却セグメント3は筒状部材7で構成される態様を挙げることができる。筒状部材7は例えば厚紙を円筒状に加工した紙管であってもよい。
 筒状部材7及び後述するマウスピースライニングペーパー12には、両者を貫通する穿孔8が設けられている。穿孔8の存在により、吸引時に外気が冷却セグメント3内に導入される。これにより、たばこ含有セグメント2が加熱されることで生成したエアロゾル気化成分が外気と接触し、その温度が低下するため液化し、エアロゾルが形成される。穿孔8の径(差し渡し長さ)は特に限定されないが、例えば0.5mm以上、1.5mm以下であってもよい。穿孔8の数は特に限定されず、1つでも2つ以上でもよい。例えば穿孔8は冷却セグメント3の周上に複数設けられていてもよい。
 穿孔8から導入される外気量は、使用者により吸引される気体全体の体積に対して85体積%以下が好ましく、80体積%以下がより好ましい。前記外気量の割合が85体積%以下であることにより、外気によって希釈されることによる香味の低減を十分に抑制することができる。なお、これを別の言い方ではベンチレーション割合ともいう。ベンチレーション割合の範囲の下限は、冷却性の観点から、55体積%以上が好ましく、60体積%以上がより好ましい。
 また、冷却セグメントは、しわ付けされた、ひだ付けされた、ギャザー加工された、又は折り畳まれた適切な構成材料のシートを含むセグメントであってもよい。そのような要素の断面プロフィールは、ランダムに向いたチャネルを示す場合がある。また、冷却セグメントは、縦方向延在チューブの束を含んでいてもよい。このような冷却セグメントは、例えば、ひだ付け、ギャザー付け、又は折り畳まれたシート材料を巻紙で巻装して形成することができる。
 冷却セグメントの軸方向の長さは、例えば7mm以上、28mm以下であることができ、例えば18mmであることができる。また、冷却セグメントは、その軸方向断面形状として実質的に円形であることができ、その直径は例えば5mm以上、10mm以下であることができ、例えば約7mmであることができる。
 (センターホールセグメント)
 センターホールセグメントは1つまたは複数の中空部を有する充填層と、該充填層を覆うインナープラグラッパー(内側巻紙)とで構成される。例えば、図1に示されるように、センターホールセグメント4は、中空部を有する第二の充填層9と、第二の充填層9を覆う第二のインナープラグラッパー10とで構成される。センターホールセグメント4は、マウスピースセグメント6の強度を高める機能を有する。第二の充填層9は、例えば酢酸セルロース繊維が高密度で充填されトリアセチンを含む可塑剤が酢酸セルロース質量に対して、6質量%以上、20質量%以下添加されて硬化された内径φ1.0mm以上、φ5.0mm以下のロッドとすることができる。第二の充填層9は繊維の充填密度が高いため、吸引時は、空気やエアロゾルは中空部のみを流れることになり、第二の充填層9内はほとんど流れない。センターホールセグメント4内部の第二の充填層9が繊維充填層であることから、使用時の外側からの触り心地は、使用者に違和感を生じさせることが少ない。なお、センターホールセグメント4が第二のインナープラグラッパー10を持たず、熱成型によってその形が保たれていてもよい。
 (フィルターセグメント)
 フィルターセグメント5の構成は特に限定されないが、単数または複数の充填層から構成されてよい。充填層の外側は一枚または複数枚の巻紙で巻装されてよい。フィルターセグメント5のセグメント当たりの通気抵抗は、フィルターセグメント5に充填される充填物の量、材料等により適宜変更することができる。例えば、充填物が酢酸セルロース繊維である場合、フィルターセグメント5に充填される酢酸セルロース繊維の量を増加させれば、通気抵抗を増加させることができる。充填物が酢酸セルロース繊維である場合、酢酸セルロース繊維の充填密度は0.13~0.18g/cmであることができる。なお、通気抵抗は通気抵抗測定器(商品名:SODIMAX、SODIM製)により測定される値である。
 フィルターセグメント5の周の長さは特に限定されないが、16~25mmであることが好ましく、20~24mmであることがより好ましく、21~23mmであることがさらに好ましい。フィルターセグメント5の軸方向の長さは4~10mmを選択可能であり、その通気抵抗が15~60mmHO/segとなるように選択される。フィルターセグメント5の軸方向の長さは5~9mmが好ましく、6~8mmがより好ましい。フィルターセグメント5の断面の形状は特に限定されないが、例えば円形、楕円形、多角形等であることができる。また、フィルターセグメント5には香料を含んだ破壊性カプセル、香料ビーズ、香料を直接添加していてもよい。
 図1に示されるように、センターホールセグメント4と、フィルターセグメント5とはアウタープラグラッパー(外側巻紙)11で接続できる。アウタープラグラッパー11は、例えば円筒状の紙であることができる。また、たばこ含有セグメント2と、冷却セグメント3と、接続済みのセンターホールセグメント4及びフィルターセグメント5とは、マウスピースライニングペーパー12により接続できる。これらの接続は、例えばマウスピースライニングペーパー12の内側面に酢酸ビニル系糊等の糊を塗り、前記3つのセグメントを入れて巻くことで接続することができる。なお、これらのセグメントは複数のライニングペーパーで複数回に分けて接続されていてもよい。
 [非燃焼加熱型香味吸引システム]
 本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引システムは、本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器と、該非燃焼加熱型香味吸引器のたばこ含有セグメントを加熱する加熱装置と、を備える。本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引システムは、本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器及び前記加熱装置以外に、他の構成を有していてもよい。
 本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引システムの一例を図2に示す。図2に示される非燃焼加熱型香味吸引システムは、本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器1と、非燃焼加熱型香味吸引器1のたばこ含有セグメントを外側から加熱する加熱装置13とを備える。
 図2(a)は非燃焼加熱型香味吸引器1を加熱装置13に挿入する前の状態を示し、図2(b)は非燃焼加熱型香味吸引器1を加熱装置13に挿入して加熱する状態を示す。図2に示される加熱装置13は、ボディ14と、ヒーター15と、金属管16と、電池ユニット17と、制御ユニット18とを備える。ボディ14は筒状の凹部19を有し、凹部19の内側側面であって、凹部19に挿入される非燃焼加熱型香味吸引器1のたばこ含有セグメントと対応する位置に、ヒーター15及び金属管16が配置されている。ヒーター15は電気抵抗によるヒーターであることができ、温度制御を行う制御ユニット18からの指示により電池ユニット17より電力が供給され、ヒーター15の加熱が行われる。ヒーター15から発せられた熱は、熱伝導度の高い金属管16を通じて非燃焼加熱型香味吸引器1のたばこ含有セグメントへ伝えられる。
 図2(b)においては、模式的に図示しているため、非燃焼加熱型香味吸引器1の外周と金属管16の内周との間に隙間があるが、実際は、熱を効率的に伝達する目的で非燃焼加熱型香味吸引器1の外周と金属管16の内周との間に隙間は無い方が望ましい。なお、加熱装置13は非燃焼加熱型香味吸引器1のたばこ含有セグメントを外側から加熱するが、内側から加熱するものであってもよい。
 加熱装置による加熱温度は特に限定されないが、400℃以下であることが好ましく、150℃以上400℃以下であることがより好ましく、200℃以上350℃以下であることがさらに好ましい。なお、加熱温度とは加熱装置のヒーターの温度を示す。
 さらに非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシートには、強度の改善が求められている。以下、強度を改善させた非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシートについて説明する。
 本実施態様は、以下の第1態様~第21態様を含む。
 第1態様によれば、本実施形態に係る非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシートの製造方法が提供される。この方法は、紙層を有する基材シートを準備する工程と、結合剤及び前記ファイバー状材料を含む原料をシート状に形成する形成工程と、前記基材シートの前記紙層上に、前記シート状に形成された前記原料を積層する積層工程と、を含む。
 シート状に形成されたたばこ原料は、それ単独では十分な強度を有することが困難である。たばこ原料中のパルプ繊維を増加させて強度を向上させることも考えられるが、その場合、たばこ原料中のたばこ成分の割合が減り、喫味が低下し得る。また、紙層を有する基材にシート状に形成されたたばこ原料を貼り合わせたものを製造するときは、たばこシートは香味吸引器で加熱されてたばこシートからの気化成分がユーザに供給されるので、喫味への影響を抑制するために接着剤を使用しないことが好ましい。
 第1態様によれば、紙層上に、結合剤を含むシート状の原料が積層されるので、原料に含まれる結合剤が紙層に染み込む。その後、原料に含まれる水分が蒸発すると、結合剤によって原料を紙層に接着させることができる。したがって、原料接着のための接着剤を使用することなく、たばこシートの強度を向上させることができる。また、原料に高い圧力を加える必要もないので、所望の密度の原料を有するたばこシートを製造することができる。
 第2態様は、第1態様において、前記形成工程は、前記原料をローラで展延する工程を含む、ことを要旨とする。
 第2態様によれば、原料を所定の厚さのシート状に形成することができる。また、原料をローラで展延することで、原料の表面の平滑度を向上させることができるので、製造過程における破損、又は加熱デバイスとのこすれによるシート表面の破損を抑制でき、原料のロスやデバイス内の汚れ(破損部分の付着)を抑制することができる。
 第3態様は、第1態様又は第2態様において、前記積層工程は、前記基材シートの前記紙層上に、前記シート状に形成された前記原料をローラで押し付ける工程を含む、ことを要旨とする。
 第3態様によれば、原料を基材シートの紙層により接触させることができるので、原料に含まれる水分が蒸発したときに原料を紙層により強く接着させることができる。なお、原料は、結合剤によって基材シートに接着するので、原料を基材シートに圧着させるほどの強さで基材シートに原料を押し付ける必要はない。
 第4態様は、第1態様から第3態様のいずれかにおいて、前記基材シートを搬送する工程を有し、前記原料を積層する工程は、搬送されている前記基材シートの前記紙層上に、前記原料を積層することを含む、ことを要旨とする。
 第4態様によれば、基材シートに原料を連続的に積層することができるので、たばこシートを量産することができる。
 第5態様は、第1態様から第4態様のいずれかにおいて、前記基材シートに積層された前記原料を乾燥する乾燥工程を含む、ことを要旨とする。
 第5態様によれば、原料が乾燥して紙層に接着するまでの時間を短縮することができ、たばこシートの生産性を向上させることができる。
 第6態様は、第5態様において、前記乾燥工程は、前記基材シートに積層された前記原料を加熱する工程を含む、ことを要旨とする。
 第6態様によれば、原料が加熱されることで、原料に含まれる水分の蒸発を促進することができるので、原料が紙層に接着するまでの時間を短縮することができ、たばこシートの生産性を向上させることができる。
 第7態様は、第1態様から第6態様のいずれかにおいて、前記原料又は前記基材シートに多価アルコール、酸、又は香料を添加する工程を含む、ことを要旨とする。
 第7態様によれば、たばこシートの香味又は喫味を増加又は調整することができる。
 第8態様は、第5態様又は第6態様を引用する第5態様において、前記乾燥工程の後に、前記原料が積層された前記基材シートに多価アルコール、酸、又は香料を添加する工程を含む、ことを要旨とする。
 第8態様によれば、積層された原料が乾燥された後に多価アルコール等が添加されるので、シート表面に添加された多価アルコール等が、原料の水分と共に乾燥することが抑制され得る。
 第9態様は、第1態様から第8態様のいずれかにおいて、前記基材シートに複数の貫通孔を形成する工程を含む、ことを要旨とする。
 第9態様によれば、たばこシートの表面積を増加させることができるので、たばこシートから生じる蒸気又はエアロゾル量を増加させることができる。また、たばこシートに貫通孔が形成されることで、たばこシートの内部に染み込んだ原料が効率よく蒸発することができる。
 第10態様は、第9態様において、前記基材シートにレーザ光又はニードルにより複数の貫通孔を形成する工程を含む、ことを要旨とする。
 第10態様によれば、たばこシートに貫通孔を形成する工程を自動化プロセスに組み込むことができる。
 第11態様は、第1態様から第10態様のいずれかにおいて、前記基材シートに表面積を増加させる表面処理を施す表面処理工程を含む、ことを要旨とする。
 第11態様によれば、たばこシートの表面積が増加するので、たばこシートを加熱したときに生じる蒸気又はエアロゾルを増加させることができる。
 第12態様は、第11態様において、前記表面処理工程は、前記基材シートにエンボス加工を施す工程を含む、ことを要旨とする。
 第12態様によれば、たばこシートの表面積をエンボス加工により増加させることができる。
 第13態様は、第1態様から第12態様のいずれかにおいて、前記原料が積層された前記基材シートを切断する工程を含む、ことを要旨とする。
 第13態様によれば、所定サイズのたばこシートを製造することができる。
 第14態様は、第13態様において、前記切断する工程は、前記原料が積層された前記基材シートを搬送しながら、搬送方向に沿って前記基材シートを切断する工程を含む、ことを要旨とする。
 第14態様によれば、原料が積層された基材シートを搬送方向に沿って連続的に切断することができる。したがって、搬送方向に沿った長尺のたばこシートを製造することができるので、例えば長尺のたばこシートをロール状に巻き取ることができる。
 第15態様は、第14態様において、前記搬送方向と直交する方向における前記基材シートの両端部を、前記搬送方向に沿って切断して除去する工程を含む、ことを要旨とする。
 第15態様によれば、基材シートの両端部が、原料が積層されていない領域を含む場合に、この領域を除去することができる。
 第16態様は、第13態様から第15態様のいずれかにおいて、前記切断された前記基材シートを巻き取る工程を含む、ことを要旨とする。
 第16態様によれば、ロール状のたばこシートを製造することができるので、後段の工程において連続した加工プロセスを実行することができる。
 第17態様は、第1態様から第16態様のいずれかにおいて、前記原料は、パルプ繊維を含む、ことを要旨とする。
 第17態様によれば、原料に含まれる水分の一部が蒸発したときに、原料のパルプ繊維と紙層の繊維とが絡み合い、原料を紙層により確実に接着させることができる。また、たばこシートの強度を向上させることができる。
 第18態様は、第1態様から第17態様のいずれかにおいて、前記紙層の厚さは、0.03mm以上0.15mm以下である、ことを要旨とする。
 第18態様によれば、たばこシートの強度を確保しながら、香味吸引器において効率よく原料を加熱することができる。紙層の厚さが0.03mm未満であると、たばこシートの強度が低下し、たばこシートが破れやすくなり得る。また、紙層の厚さが0.15mm超であると、紙層が厚くなりすぎるので、香味吸引器のヒータの熱が紙層の加熱に利用され、原料の加熱効率が低下し得る。
 第19態様は、第1態様から第18態様のいずれかにおいて、前記紙層の坪量は、20g/m以上100g/m以下である、ことを要旨とする。
 第19態様によれば、たばこシートの強度を確保しながら、香味吸引器において効率よく原料を加熱することができる。紙層の坪量が20g/m未満であると、たばこシートの強度が低下し、たばこシートが破れやすくなり得る。また、紙層の坪量が100g/m超であると、香味吸引器のヒータの熱が紙層の加熱に利用され、原料の加熱効率が低下し得る。
 第20態様によれば、第1態様から第19態様のいずれかにおいて、前記基材シートは、前記紙層に積層される、導電性を有する材料を含む導電層を有する、ことを要旨とする。
 シート状の原料の強度を向上させるために、アルミニウム箔にたばこシートを貼り合わせることが考えられる。しかし、アルミニウム箔は、たばこシートとの貼り合わせの際、しわになりやすく、破れやすいので、取扱いが困難である。また、たばこシートに高い圧力を加えることでアルミニウム箔にたばこシートを貼り付けることも考えられる。しかし、この場合たばこシートの密度が上昇するので、所望の密度のたばこシートを製造することが困難になる。第20態様によれば、基材シートが導電層を有するものの、紙層上に結合剤を含む原料が積層されるので、結合剤によって原料を紙層に接着させることができる。したがって、原料接着のための接着剤を使用することなく、たばこシートの強度を向上させることができる。また、原料に圧力を加える必要もないので、所望の密度の原料を有するたばこシートを製造することができる。さらに、基材シートが導電層を有するので、たばこシートが香味吸引器で使用されるときの熱伝導効率(加熱効率)を向上させることができる。その結果、たばこシートの使用時に原料からの蒸気又はエアロゾルのデリバリ効率が向上するので、原料使用量を低減することができる。また、香味吸引器が誘導コイルを備える場合には、誘導コイルによってたばこシートを誘導加熱することができる。また、導電層により、たばこシートの強度を向上させることもできる。なお、導電性を有する材料としては、例えばアルミニウム、SUS、カーボン等を含むことができる。
 第21態様は、第20態様において、前記導電層の厚さは、5μm以上20μm以下である、ことを要旨とする。
 第21態様によれば、導電材料の使用量を抑えながら適切な熱伝達を発揮することができる。また、香味吸引器においてインダクションコイルによって誘導加熱されるときに適切なサセプタとして機能し得る。さらに、たばこシートの裁断又は曲げの際の抵抗が大きくなりすぎるのが抑制され得る。
 以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一の又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。図3は、本実施形態にかかるたばこシート100の概略拡大断面図である。図示のように、たばこシート100は、基材シート110と、原料120とを有する。本実施形態では、基材シート110は、導電性を有する材料を含む導電層112と、導電層112に積層される紙層114と、を有する。具体的には、基材シート110は、導電層112と紙層114とを貼り合わせて形成される金属貼合紙であり得る。導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、クロム、ケイ素、カーボン、又はそれらを組み合わせた合金等、公知の材料を使用することができる。基材シート110が導電層112を有することにより、香味吸引器のヒータの熱を効率よく原料120に伝達することができる。また、基材シート110が導電層112を有することで、導電層112を誘導加熱用のサセプタとして利用することもできる。図示のように、本実施形態のたばこシート100では、基材シート110の紙層114上に原料120が設けられる。本実施形態では、基材シート110が導電層112を有するが、これに限らず、基材シート110は導電層112を備えなくてもよい。
 紙層114は、例えばパルプ紙などの紙であり得る。また、本実施形態において、紙層114には、たばこ繊維を含まない、不織布等の繊維層が含まれ得る。紙層114の厚さは任意であるが、0.03mm以上0.15mm以下であることが好ましい。紙層114の厚さがこの範囲であれば、たばこシート100の強度を確保しながら、香味吸引器において効率よく原料120を加熱することができる。紙層114の厚さが0.03mm未満であると、たばこシート100の強度が低下し、たばこシート100が破れやすくなり得る。また、紙層114の厚さが0.15mm超であると、紙層114が厚くなりすぎるので、香味吸引器のヒータの熱が紙層114の加熱に利用され、原料120の加熱効率が低下し得る。
 また、紙層114の坪量は任意であるが、20g/m以上100g/m以下であることが好ましい。紙層114の坪量がこの範囲であれば、たばこシート100の強度を確保しながら、香味吸引器において効率よく原料120を加熱することができる。紙層114の坪量が20g/m未満であると、たばこシート100の強度が低下し、たばこシート100が破れやすくなり得る。また、紙層114の坪量が100g/m超であると、香味吸引器のヒータの熱が紙層114の加熱に利用され、原料120の加熱効率が低下し得る。紙層114の坪量は、30g/m以上50g/m以下であることがより好ましい。
 導電層112の厚さは、好ましくは5μm以上20μm以下である。導電層112の厚さがこの範囲であると、導電材料の使用量を抑えながら適切な熱伝達を発揮することができる。また、香味吸引器においてインダクションコイルによって誘導加熱されるときに適切なサセプタとして機能し得る。さらに、たばこシート100の裁断又は曲げの際の抵抗が大きくなりすぎるのが抑制され得る。導電層112の厚さは、より好ましくは5μm以上15μm以下であり、具体的には10μm程度であり得る。
 たばこシート100は、図3に示す状態で香味吸引器のヒータによって、片面又は両面が加熱され得る。また、たばこシート100は、折りたたまれた状態で香味吸引器のヒータによって加熱されてもよい。たばこシート100は、香味吸引器のインダクションコイルによって導電層112が誘導加熱されることで加熱されてもよい。たばこシート100の原料120が加熱されることで、たばこ成分の蒸気及びエアロゾルを発生し得る。
 次に、図3に示したたばこシート100の製造方法について説明する。図4は、たばこシート100の製造方法を示す概略図である。たばこシート100を製造するには、まず、結合剤及び前記ファイバー状材料を含む原料120をシート状に形成する。具体的には、図4に示す例では、結合剤及び前記ファイバー状材料を含む原料120を押出機130で連続して所定量押し出す。続いて、原料120は、搬送コンベア131によって搬送されながら、展延用ローラ133によって展延される。これにより、原料120を所定の厚さのシート状に形成することができる。また、原料120を展延用ローラ133で展延することで、原料120の表面の平滑度を向上させることができるので、製造過程における破損、又は加熱デバイスとのこすれによるシート表面の破損を抑制でき、原料120のロスやデバイス内の汚れ(破損部分の付着)を抑制することができる。
 原料120は、複数の展延用ローラ133によって複数回展延されることが好ましい。図4に示す例では、展延用ローラ133は3つの展延用ローラ133a,133b,133cを有し、原料120は、搬送コンベア131で搬送されながら展延用ローラ133a,133b,133cによって段階的に展延される。
 結合剤としては、例えば、グアーガム、キサンタンガム、CMC(カルボキシメチルセルロース)、CMC-Na(カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩)、プルランおよびヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース、ヒドロキシルメチルセルロース等を使用することができる。原料120に添加され得る結合剤の重量%は、例えば、原料120の重量に対して、好ましくは0%超60%以下、より好ましくは0%超10%以下である。
 原料120には、多価アルコール、酸、又は香料が添加されていてもよい。これにより、たばこシート100の香味又は喫味を増加又は調整することができる。具体的には、原料120に多価アルコールが添加される場合、たばこシート100を香味吸引器において加熱したときに原料120から発生する蒸気又はエアロゾルの量を増加させることができる。多価アルコールには、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、キシリトール及びエリスリトールが含まれ得る。これらの多価アルコールは、単独で、または2種以上を組み合わせて、原料120に使用することができる。
 原料120は、少なくとも結合剤と前記ファイバー状材料を含む。原料120は、さらに、粘度を調節するために水を含んでいてもよい。展延される前の原料120の含水率は、例えば、40%以下であることが好ましい。これにより、原料120が、展延用ローラ133によって適切に展延することができる程度の粘度を有し得る。
 また、図4に示す製造方法では、基材シート110が準備される。図4に示すように、ロール状に巻かれた基材シート110を準備することが好ましい。これにより、基材シート110への後述する原料120の積層を連続的に行うことができるので、たばこシート100を量産することができる。
 続いて、基材シート110の紙層114(図3参照)上に、シート状に形成された原料120が積層される。これにより、紙層114上に、結合剤を含むシート状の原料120が積層されるので、原料120に含まれる結合剤が紙層114に染み込む。その後、原料120に含まれる水分が蒸発すると、結合剤によって原料120を紙層114に接着させることができる。したがって、原料120の接着のための接着剤を使用することなく、たばこシート100の強度を向上させることができる。また、原料120に高い圧力を加える必要もないので、所望の密度の原料120を有するたばこシート100を製造することができる。さらに、基材シート110が導電層112を有するので、たばこシート100が香味吸引器で使用されるときの熱伝導効率(加熱効率)を向上させることができる。その結果、たばこシート100の使用時に原料120からの蒸気又はエアロゾルのデリバリ効率が向上するので、原料120の使用量を低減することができる。また、香味吸引器が誘導コイルを備える場合には、誘導コイルによってたばこシート100を誘導加熱することができる。また、導電層112により、たばこシート100の強度を向上させることもできる。なお、導電性を有する材料としては、例えばアルミニウム、SUS、カーボン等を含むことができる。
 図4に示す例では、展延用ローラ133bを通過し、展延用ローラ133cを通過する前の原料120が基材シート110の紙層114上に積層される。シート状に形成された原料120は、基材シート110の紙層114上に、ローラで押し付けられることが好ましい。これにより、原料120を基材シート110の紙層114により接触させることができるので、原料120に含まれる水分が蒸発したときに原料120を紙層114により強く接着させることができる。なお、原料120は、結合剤によって基材シート110に接着するので、原料120を基材シート110に圧着させるほどの強さで基材シート110に原料120を押し付ける必要はない。図4に示す例では、シート状に形成された原料120は、紙層114に展延用ローラ133cによって押し付けられ得る。
 また、基材シート110が搬送されることが好ましい。図4に示す例では、基材シート110は、図示しないローラによって展延用ローラ133cに繰り出され、展延用ローラ133c及び搬送コンベア131によって所定の方向に搬送され得る。図4に示すように、原料120は、搬送されている基材シート110の紙層114上に積層されることが好ましい。これにより、基材シート110に原料120を連続的に積層することができるので、たばこシート100を量産することができる。
 基材シート110に積層された原料120は乾燥されることが好ましい。具体的には、基材シート110に積層された原料120が加熱され得る。原料120が加熱されることで、原料120に含まれる水分の蒸発を促進することができるので、原料120が紙層114に接着するまでの時間を短縮することができ、たばこシート100の生産性を向上させることができる。
 図4に示す例では、展延用ローラ133の下流側に、第1加熱装置135と、第2加熱装置136とが設けられる。第1加熱装置135は、メタルベルト135aと、ヒータ135bとを有し得る。第2加熱装置136は、メッシュベルト136aと、ヒータ136bとを有し得る。図4に示す例では、第1加熱装置135は複数のヒータ135bを有し、第2加熱装置136は複数のヒータ136bを有する。メタルベルト135a及びメッシュベルト136aは、展延用ローラ133cを通過した原料120及び基材シート110を所定方向に搬送することができる。第1加熱装置135において、ヒータ135bは原料120を片側(上方)から加熱するように構成される。第2加熱装置136において、ヒータ136bは、メッシュベルト136a上を搬送される原料120を挟み込むように配置されて、原料120を両側から加熱するように構成される。
 ヒータ135b,136bとして、例えば赤外線ヒータ等の任意の加熱装置が採用され得る。原料120は、基材シート110の紙層114側から加熱されてもよいし、基材シート110の導電層112側から加熱されてもよいし、基材シート110の紙層114側及び導電層112側の両側から原料120が加熱されてもよい。また、ヒータ135b,136bに限らず、送風器が原料120に送風して、乾燥を促進してもよい。即ち、第1加熱装置135及び第2加熱装置136に限らず、原料120の乾燥を促進し得る任意の装置が使用され得る。基材シート110の原料120が乾燥されるとき、基材シート110に引っ張り応力を加えることが好ましい。これにより、原料120が乾燥したときに基材シート110が収縮してカールすることが抑制され得る。
 基材シート110には、多価アルコール、酸、又は香料が添加されてもよい。これにより、たばこシート100の香味又は喫味を増加又は調整することができる。具体的には、基材シート110に多価アルコールが添加される場合、たばこシート100を香味吸引器において加熱したときに原料120から発生する蒸気又はエアロゾルの量を増加させることができる。また、上記乾燥工程の後に、原料120が積層された基材シート110に、多価アルコール、酸、又は香料が添加されることが好ましい。この場合、積層された原料120が乾燥された後に多価アルコール等が添加されるので、シート表面に添加された多価アルコール等が、原料120の水分と共に乾燥することが抑制され得る。
 基材シート110には、複数の貫通孔を形成してもよい。これにより、たばこシート100の表面積を増加させることができるので、たばこシート100から生じる蒸気又はエアロゾル量を増加させることができる。また、たばこシート100に貫通孔が形成されることで、たばこシート100の内部に染み込んだ原料120が効率よく蒸発することができる。この貫通孔は、基材シート110に原料120が積層される前に形成されてもよいし、原料120が積層された後に形成されてもよい。また、複数の貫通孔は、具体的には、基材シート10にレーザ孔又はニードルにより形成され得る。これにより、図4に示すような製造プロセスにおいてたばこシート100に貫通孔を形成する工程を組み込むことができ、当該工程を自動化することができる。
 また、基材シート110には、表面積を増加させる表面処理を施してもよい。これにより、たばこシート100の表面積が増加するので、たばこシート100を加熱したときに生じる蒸気又はエアロゾルを増加させることができる。この表面処理は、基材シート110に原料120が積層される前に行われてもよいし、原料120が積層された後に行われてもよい。また、基材シート110には、エンボス加工が施されてもよい。これにより、たばこシート100の表面積をエンボス加工により増加させることができる。
 原料120には、パルプ繊維が含まれてもよい。これにより、原料120に含まれる水分が蒸発したときに、原料120のパルプ繊維と紙層114の繊維とが絡み合い、原料120を紙層114により確実に接着させることができる。また、たばこシート100の強度を向上させることができる。他方、原料120にはパルプ繊維が含まれなくてもよい。また、原料120には、乳酸、パルミチン酸、又は安息香酸等の酸を加えてもよい。なお、該パルプ繊維は、ファイバー状材料とは異なる材料である。
 原料120が積層された基材シート110は、切断されることが好ましい。これにより、所定サイズのたばこシート100を製造することができる。具体的には、図4に示すように、乾燥して原料120が接着した基材シート110、即ちたばこシート100が、切断装置200において切断され得る。
 図5は、原料120が積層された基材シート110を切断装置200において切断するプロセスを示す概略図である。図5に示す例では、原料120が積層された基材シート110(たばこシート100)は、ロール状に巻き取られている。このように、原料120が積層された基材シート110は、ロール状に巻き取られることが好ましい。これにより、たばこシート100をコンパクトにすることができ、保管スペースを縮小することができる。また、後段の工程、例えば図5に示すような切断工程において、ロール状のたばこシート100を繰り出すことで、連続した加工プロセスを実行することができる。なお、図5に示すたばこシート100は、その搬送方向と直交する両端部に原料120が積層されていない領域100aを有する。
 図5に示すように、原料120が積層された基材シート110が繰り出されて所定方向に搬送されながら、搬送方向に沿って切断され得る。具体的には、ロール状に巻かれたたばこシート100が繰り出されて所定方向に搬送され、搬送経路に1つ以上のスリットカッタ137が配置され得る。原料120が積層された基材シート110は、搬送されながらスリットカッタ137によって搬送方向に沿って切断され得る。これにより、原料120が積層された基材シート110を搬送方向に沿って連続的に切断することができる。したがって、搬送方向に沿った長尺のたばこシート100を製造することができるので、例えば長尺のたばこシート100をロール状に巻き取ることができる。
 図5に示すようにスリットカッタ137が複数設けられる場合には、複数のスリットカッタ137は、搬送方向に直交する、基材シート110の幅方向に隣接して配置され得る。図5に示すように、基材シート110の搬送方向と直交する方向における基材シート110の両端部は、搬送方向に沿って切断されて除去されることが好ましい。これにより、図5に示すように、この両端部が原料120が積層されていない領域100aを含む場合に、この領域100aを除去することができる。
 図5に示すように、切断された基材シート110は巻き取られることが好ましい。これにより、ロール状のたばこシート100を製造することができるので、後段の工程において連続した加工プロセスを実行することができる。具体的には、例えば、たばこシート100を所定長さに切断する場合に、ロール状のたばこシート100を繰り出しながら、搬送方向において等間隔にたばこシート100を連続的に切断することができる。
 以下、本実施形態の具体例について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
 [実施例1]
 たばこラミナ(葉たばこ)をホソカワミクロンACM機にて乾式粉砕し、たばこ粉末を得た。該たばこ粉末について、マスターサイザー(商品名、スペクトリス株式会社マルバーン・パナリティカル事業部製)を用いて、乾式レーザー回折法により測定される体積基準の粒度分布における累積90%粒子径(D90)を測定したところ、200μmであった。
 前記たばこ粉末をたばこ原料として用いて、圧延法にてたばこシートを製造した。具体的には、前記たばこ原料77質量部と、エアロゾル発生剤としてのグリセリン12質量部と、成型剤としてのカルボキシメチルセルロース1質量部と、ファイバー状材料としてのファイバー状パルプ(キャンフォー社製パルプの乾式解繊品)10質量部とを混合し、押出成形機にて混練した。混練物を2対の金属製ロールにてシート状に成型し、80℃の熱風循環式オーブンにて乾燥してたばこシートを得た。該たばこシートをシュレッダーにて0.8mm×9.5mmのサイズに裁刻した。
 裁刻されたたばこシートについて、膨嵩性を測定した。具体的には、裁刻されたたばこシートを22℃、60%の調和室内で48時間存置した後、DD-60A(商品名、ボルグワルド社製)にて膨嵩性を測定した。測定は、裁刻されたたばこシート15gを内径60mmの円筒形容器に入れ、3kg荷重で30秒圧縮した時の容積を求めることで行った。結果を表1に示す。なお、表1において膨嵩性は、後述する比較例1の膨嵩性の値を基準として、該基準値に対する膨嵩性の増加率(%)で示した。
 [比較例1]
 実施例1と同様にたばこ粉末を調製した。該たばこ粉末をたばこ原料として用いて、圧延法にてたばこシートを製造した。具体的には、前記たばこ原料87質量部と、エアロゾル発生剤としてのグリセリン12質量部と、成型剤としてのカルボキシメチルセルロース1質量部とを混合し、押出成形機にて混練した。混練物を2対の金属製ロールにてシート状に成型し、80℃の熱風循環式オーブンにて乾燥してたばこシートを得た。該たばこシートをシュレッダーにて0.8mm×9.5mmのサイズに裁刻した。裁刻されたたばこシートについて、実施例1と同様に膨嵩性を測定した。結果を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1より、本実施形態に係るたばこシートである実施例1のたばこシートでは、ファイバー状材料を含まない比較例1のたばこシートと比較して膨嵩性が向上した。なお、実施例1では圧延法にてたばこシートを製造したが、キャスト法にて同様にたばこシートを製造した場合にも、膨嵩性が向上した。
1  非燃焼加熱型香味吸引器
2  たばこ含有セグメント
3  冷却セグメント
4  センターホールセグメント
5  フィルターセグメント
6  マウスピースセグメント
7  筒状部材
8  穿孔
9  第二の充填層
10 第二のインナープラグラッパー
11 アウタープラグラッパー
12 マウスピースライニングペーパー
13 加熱装置
14 ボディ
15 ヒーター
16 金属管
17 電池ユニット
18 制御ユニット
19 凹部

Claims (5)

  1.  ファイバー状材料を含む非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート。
  2.  請求項1に記載の非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシートを含むたばこ含有セグメントを備える非燃焼加熱型香味吸引器。
  3.  請求項2に記載の非燃焼加熱型香味吸引器と、
     前記たばこ含有セグメントを加熱する加熱装置と、
    を備える非燃焼加熱型香味吸引システム。
  4.  請求項1に記載の非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシートの製造方法であって、
     紙層を有する基材シートを準備する工程と、
     結合剤及び前記ファイバー状材料を含む原料をシート状に形成する形成工程と、
     前記基材シートの前記紙層上に、前記シート状に形成された前記原料を積層する積層工程と、を含む非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシートの製造方法。
  5.  前記形成工程は、前記原料をローラで展延する工程を含む、請求項4に記載の非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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