WO2023277022A1 - 音響処理方法、音響処理システムおよびプログラム - Google Patents

音響処理方法、音響処理システムおよびプログラム Download PDF

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    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R3/00Circuits for transducers, loudspeakers or microphones
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    • H04R3/00Circuits for transducers, loudspeakers or microphones

Definitions

  • the present disclosure relates to technology for processing acoustic signals.
  • FIG. 1 is a block diagram illustrating the configuration of an acoustic processing system according to a first embodiment
  • FIG. 1 is a block diagram illustrating the functional configuration of an acoustic processing system
  • FIG. FIG. 4 is an explanatory diagram of phase shift processing
  • 3 is a block diagram illustrating a specific configuration of an acoustic processing unit
  • FIG. 5 is a flowchart illustrating a specific procedure of phase shift processing
  • FIG. 11 is a block diagram illustrating a specific configuration of an acoustic processing unit in a modified example
  • It is a block diagram of the acoustic processing part in a modification.
  • the storage device 32 is a single or multiple memories that store programs executed by the control device 31 and data used by the control device 31 .
  • the storage device 32 is composed of a known recording medium such as a magnetic recording medium or a semiconductor recording medium. Note that the storage device 32 may be configured by combining multiple types of recording media. Alternatively, a portable recording medium detachable from the signal processing device 30 or an external recording medium (for example, online storage) with which the signal processing device 30 can communicate may be used as the storage device 32 .
  • the phase difference of the acoustic signal Z with respect to the acoustic signal X1 is kept equal over the entire frequency band. Therefore, the phase difference of the acoustic signal Z with respect to the acoustic signal X1 is equal within the audible band B.
  • FIG. According to the above configuration, since the group delay does not change between the acoustic signal X1 before the phase shift processing and the acoustic signal Z after the phase shift processing, the waveform of the acoustic signal Z (for example, the envelope on the time axis) is , does not substantially change from the acoustic signal X1 before the phase shift processing. Therefore, howling can be suppressed without changing the audibly perceptible characteristics (for example, pitch or sound quality) of the sound reproduced by the sound emitting device 20 .
  • the configuration of the acoustic processing unit 50 is not limited to the configuration illustrated in FIG.
  • the acoustic signal Z may be generated from the acoustic signal X1 by the acoustic processing unit 50 illustrated in FIG.
  • the acoustic processing section 50 of FIG. 6 includes a phase shifting section 54 in addition to the same elements as in the first embodiment (the phase shifting section 51, the synthesizing section 52, and the setting section 53).
  • the phase of the first acoustic signal is changed to generate a third acoustic signal, and the first An intermediate signal having a predetermined phase difference with respect to the third acoustic signal is generated by changing the phase of the acoustic signal, and a fourth acoustic signal is generated by multiplying the intermediate signal by a first weight value. and a fifth acoustic signal generated by multiplying the third acoustic signal by a second weight value to generate the second acoustic signal, and the first weight value and the second weight value is changed over time to rotate the phase of the first acoustic signal.
  • howling can be effectively suppressed by a simple configuration and process for changing each of the first weighted value and the second weighted value.

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Abstract

音響処理システムは、収音装置により収音された音響を表す第1音響信号を取得する信号取得部と、第1音響信号の位相を、当該収音に並行して時間の経過とともに一方向に回転することで、第2音響信号を生成する音響処理部とを具備する。

Description

音響処理方法、音響処理システムおよびプログラム
 本開示は、音響信号を処理する技術に関する。
 収音装置と放音装置とを含む音響系で発生するハウリングを抑制する技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、音響信号のうち阻止帯域内の音響成分を抑制するノッチフィルタを利用してハウリングを抑制する技術が開示されている。特許文献1の技術においては、音響信号の解析によりハウリングの原因となる周波数(以下「ハウリング周波数」という)が推定され、当該周波数を含む周波数帯域がノッチフィルタの阻止帯域として設定される。また、特許文献2には、音響信号のピッチを変化させることでハウリングを抑制する技術が開示されている。
特開2013-138329号公報 特開2012-124826号公報
 しかし、特許文献1の技術においては、音響信号の解析によりハウリング周波数を特定する必要がある。したがって、ハウリングを抑制するための構成および処理が複雑化するという課題がある。以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様は、ハウリング周波数の特定を必要とせず、かつ、音響信号に関する聴感的に知覚可能な特性(例えば音高)を変化させることなく、ハウリングを抑制することを目的とする。
 以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様に係る音響処理方法は、収音装置により収音された音響を表す第1音響信号を取得し、前記第1音響信号の位相を、当該収音に並行して時間の経過とともに一方向に回転することで、第2音響信号を生成する。
 本開示のひとつの態様に係る音響処理システムは、収音装置により収音された音響を表す第1音響信号を取得する信号取得部と、前記第1音響信号の位相を、当該収音に並行して時間の経過とともに一方向に回転することで、第2音響信号を生成する音響処理部を具備する。
 本開示のひとつの態様に係るプログラムは、収音装置により収音された音響を表す第1音響信号を取得する信号取得部、および、前記第1音響信号の位相を、当該収音に並行して時間の経過とともに一方向に回転することで、第2音響信号を生成する音響処理部、としてコンピュータを機能させる。
第1実施形態における音響処理システムの構成を例示するブロック図である。 音響処理システムの機能的な構成を例示するブロック図である。 移相処理の説明図である。 音響処理部の具体的な構成を例示するブロック図である。 移相処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。 変形例における音響処理部の具体的な構成を例示するブロック図である。 変形例における音響処理部のブロック図である。
A:第1実施形態
 図1は、本開示の第1実施形態に係る音響処理システム100の構成を例示するブロック図である。音響処理システム100は、特定の発音源が発音する音響(以下「目的音」という)を収音し、当該目的音の音量を調整したうえで再生する拡声システムである。目的音は、例えば音声または楽音等の任意の音である。音響処理システム100は、収音装置10と放音装置20と信号処理装置30とを具備する。
 収音装置10は、周囲の音響を収音することで音響信号xを生成するマイクロホンである。音響信号xは、収音装置10により収音された音響の波形を表す時間領域の信号である。信号処理装置30は、収音装置10が生成する音響信号xから音響信号zを生成する。信号処理装置30による音響信号zの生成は、収音装置10による収音に並行して実行される。放音装置20(例えばスピーカ)は、信号処理装置30が生成する音響信号zが表す音響を再生する。なお、信号処理装置30と収音装置10との間の通信、または信号処理装置30と放音装置20との間の通信は、有線通信および無線通信の何れでもよい。また、収音装置10および放音装置20の一方または双方が信号処理装置30に搭載されてもよい。
 収音装置10と放音装置20とはひとつの音響空間に設置される。したがって、放音装置20が再生する音響(以下「再生音」という)の一部は、例えば音響空間の壁面等による反射後に収音装置10に到達する。すなわち、音響信号xは、本来的な収音の目的である目的音の音響成分のほかに、放音装置20から直接的または間接的に収音装置10に到来する音響(以下「帰還音」という)の音響成分を含む。以上のように放音装置20からの帰還音が収音装置10に到達する閉ループ状の音響系においては、音響系全体のゲインが1を上回り、かつ、目的音の音響成分と帰還音の音響成分との間で位相が一致または近似する場合に、ハウリングが発生する可能性がある。信号処理装置30は、ハウリングを防止するための処理を音響信号xに対して実行することで音響信号zを生成するハウリング抑制装置として機能する。
 信号処理装置30は、制御装置31と記憶装置32と操作装置33とA/D変換器34とD/A変換器35と増幅器36とを具備する。信号処理装置30は、例えばスマートフォンまたはタブレット端末等の可搬型の情報装置、またはパーソナルコンピュータ等の可搬型または据置型の情報装置により実現される。なお、信号処理装置30は、単体の装置で実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
 制御装置31は、信号処理装置30の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、SPU(Sound Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置31が構成される。
 記憶装置32は、制御装置31が実行するプログラムと制御装置31が使用するデータとを記憶する単数または複数のメモリである。記憶装置32は、例えば磁気記録媒体または半導体記録媒体等の公知の記録媒体で構成される。なお、複数種の記録媒体の組合せにより記憶装置32を構成してもよい。また、信号処理装置30に着脱可能な可搬型の記録媒体、または、信号処理装置30が通信可能な外部記録媒体(例えばオンラインストレージ)を、記憶装置32として利用してもよい。
 操作装置33は、音響処理システム100の利用者による操作を受付ける入力機器である。例えば、利用者が操作可能な複数の操作子、または、表示装置(図示略)の表示面に対するプレイヤの接触を検知するタッチパネルが、操作装置33として利用される。
 A/D変換器34は、収音装置10から供給されるアナログの音響信号xをデジタルの音響信号X1に変換する。音響信号X1は、時間軸上に配列されたサンプルの時系列で表現される。制御装置31は、音響信号X1からデジタルの音響信号Zを生成する。音響信号X1は「第1音響信号」の一例である。
 D/A変換器35は、音響信号Zをアナログの音響信号zに変換する。増幅器36は、音響信号zを増幅する。増幅器36のゲインは、例えば操作装置33に対する利用者からの指示に応じて設定される。増幅器36による増幅後の音響信号zが放音装置20に供給されることで、放音装置20は、音響信号zが表す音響を再生する。なお、D/A変換器35の前段に設置された増幅器36(デジタルアンプ)がデジタルの音響信号Zを増幅してもよい。音響信号Zは「第2音響信号」の一例である。
 図2は、信号処理装置30の機能的な構成を例示するブロック図である。制御装置31は、記憶装置32に記憶されたプログラムを実行することで音響処理部50として機能する。音響処理部50は、音響信号X1を処理することで音響信号Zを生成する。音響処理部50による処理(以下「移相処理」という)は、収音装置10による収音と放音装置20による再生とに並行して実行される。
 図3は、音響処理部50が実行する移相処理の説明図である。音響処理部50は、音響信号X1の位相を時間の経過とともに一方向に回転する移相処理により音響信号Zを生成する。すなわち、音響信号X1に対する音響信号Zの位相差は経時的に刻々と変化する。音響信号Zの位相差は、音響信号X1の位相と音響信号Zの位相との差分である。具体的には、音響信号X1に対する音響信号Zの位相差を0°から360°まで経時的に増加させるサイクルが反復される。音響処理部50は、移相処理後の音響信号ZをD/A変換器35に供給する。以上の説明から理解される通り、音響処理部50は、収音装置10による収音に並行して音響信号X1の位相を経時的に一方向に回転することで音響信号Zを生成し、当該音響信号Zが表す音響を放音装置20に再生させる。
 音響処理システム100の閉ループ系を反復的に循環する音響成分について、当該閉ループ系における遅延量が当該音響成分の周期の整数倍に近似または一致する場合に、ハウリングの発生条件が成立する。第1実施形態によれば、ハウリングの発生条件が成立した場合でも、閉ループ系を循環する音響成分の位相が分散され、結果的に定在波の発生が抑制される。すなわち、移相処理は、音響信号X1にける目的音の音響成分と、当該音響成分と同位相で帰還する帰還音の音響成分との間に、経時的に変化する位相差を付与する。したがって、ハウリング周波数を特定する構成および処理を必要とせずに、放音装置20から収音装置10への帰還音に起因したハウリングを抑制できる。また、音響信号X1の周波数を変化させる必要はないから、放音装置20による再生音について聴感的に知覚可能な特性(例えば音高または音質)を変化させることなく、ハウリングを抑制できる。
 図3から理解される通り、第1実施形態の音響処理部50は、周波数帯域の全域にわたる音響信号X1の位相を一定の速度(以下「回転速度」という)Rで回転する。具体的には、例えば、20Hz以上かつ20kHz以下の可聴帯域Bの全域にわたり、音響信号Zの位相が一定の回転速度Rで変化する。
 また、周波数帯域の全域にわたり音響信号X1に対する音響信号Zの位相差は相等しい状態に維持される。したがって、音響信号X1に対する音響信号Zの位相差は可聴帯域B内において相等しい。以上の構成によれば、移相処理前の音響信号X1と移相処理後の音響信号Zとの間で群遅延が変化しないから、音響信号Zの波形(例えば時間軸上の包絡線)は、移相処理前の音響信号X1から実質的には変化しない。したがって、放音装置20による再生音について聴感的に知覚可能な特性(例えば音高または音質)を変化させることなくハウリングを抑制できる。
 ところで、音響信号X1の位相を過度に早い速度で回転させた場合、音響信号Zの波形には、移相処理前の音響信号X1と比較して、聴感的に知覚され得る程度の顕著な歪(以下「波形歪」という)が発生し得る。発明者による試験の結果、位相の回転速度Rを毎秒2回転(720°/秒)以下に設定した場合、位相の回転に起因した波形歪が聴感的に知覚され難いという傾向が確認された。以上の知見を背景として、第1実施形態においては、音響処理部50による位相の回転速度Rが毎秒2回転以下に設定され、さらに好適には毎秒1.5回転以下に設定される。以上の構成によれば、位相の回転に起因した波形歪の顕在化を抑制しながらハウリングを抑制できる。
 他方、音響信号X1の位相を過度に遅い速度で回転させた場合、閉ループ系を循環する音響成分の間における位相の分散が抑制される。したがって、帰還音に起因したハウリングを有効に抑制できない可能性がある。発明者による試験の結果、位相の回転速度Rを毎秒0.01回転(3.6°/秒)以上に設定することで、ハウリングを有効に抑制できるという傾向が確認された。以上の知見を背景として、第1実施形態においては、音響処理部50による位相の回転速度Rが毎秒0.01回転以上に設定され、さらに好適には毎秒0.1回転以上に設定される。以上の構成によれば、放音装置20から収音装置10への帰還音に起因したハウリングを有効に抑制できる。
 以上の説明から理解される通り、第1実施形態においては、回転速度Rが毎秒0.01回転以上かつ毎秒2回転以下に設定される。より好適な態様において、回転速度Rは毎秒0.1回転以上かつ毎秒1.5回転以下に設定される。さらに好適な態様において、回転速度Rは毎秒1回転(360°/秒)に設定される。
 図4は、音響処理部50の具体的な構成を例示するブロック図である。第1実施形態の音響処理部50は、移相部51と合成部52と設定部53とを具備する。なお、図4に図示された構成は、音響処理部50の構成の一例である。また、以下の説明においては、時間領域の移相処理を例示するが、移相処理は周波数領域の信号処理でもよい。
 移相部51は、音響信号X1に対する処理により音響信号Y1を生成する。音響信号Y1は、音響信号X1とは位相が相違する信号である。具体的には、移相部51は、音響信号X1に対するヒルベルト変換により音響信号Y1を生成する。したがって、音響信号Y1は、音響信号X1に対して位相が90°だけ遅延した信号である。音響信号X1に対するヒルベルト変換は、例えばFIR(Finite Impulse Response)フィルタにより実現される。以上の説明から理解される通り、相異なる位相の2系統の音響信号(X1,Y1)が、合成部52に供給される。音響信号Y1は「第3音響信号」の一例である。
 合成部52は、音響信号X1と音響信号Y1との合成により音響信号Zを生成する。具体的には、合成部52は、音響信号X1と音響信号Y1との加重和により音響信号Zを生成する。第1実施形態の合成部52は、調整部521と調整部522と加算部523とを具備する。調整部521は、音響信号X1に加重値αxを乗算することで音響信号X2を生成する乗算器である。調整部522は、音響信号Y1に加重値αyを乗算することで音響信号Y2を生成する乗算器である。加算部523は、音響信号X2と音響信号Y2とを加算することで音響信号Zを生成する。以上の説明から理解される通り、加重値αxおよび加重値αyは、音響信号X1と音響信号Y1との混合比である。音響信号X2は「第4音響信号」の一例であり、音響信号Y2は「第5音響信号」の一例である。
 設定部53は、加重値αxおよび加重値αyを制御する。具体的には、設定部53は、加重値αxおよび加重値αyの各々を、-1以上かつ+1以下の範囲内の数値に設定する。位相が相違する2系統の音響信号(X1,Y1)の混合比(αx,αy)を適宜に設定することで、合成部52は、音響信号X1に対して任意の位相差の音響信号Zを生成可能である。例えば、加重値αxを0以上かつ+1以下の範囲内の数値に設定し、かつ、加重値αyを-1以上かつ0以下の範囲内の数値に設定することで、音響信号X1に対する位相差が0°以上かつ90°以下に設定された音響信号Zが生成される。また、加重値αxを-1以上かつ0以下の数値に設定し、かつ、加重値αyを-1以上かつ0以下の範囲内の数値に設定することで、音響信号X1に対する位相差が90°以上かつ180°以下に設定された音響信号Zが生成される。加重値αxを-1以上かつ0以下の数値に設定し、かつ、加重値αyを0以上かつ+1以下の範囲内の数値に設定することで、音響信号X1に対する位相差が180°以上かつ270°以下に設定された音響信号Zが生成される。加重値αxを0以上かつ+1以下の数値に設定し、かつ、加重値αyを0以上かつ+1以下の範囲内の数値に設定することで、音響信号X1に対する位相差が270°から360°以下に設定された音響信号Zが生成される。なお、音響信号X1と音響信号Y1との位相差は90°に限定されない。
 設定部53は、収音装置10による収音に並行して、加重値αxおよび加重値αyの各々を経時的に変化させる。音響信号Zにおける位相の回転速度Rは、加重値αxおよび加重値αyの変化速度に依存する。具体的には、加重値αxおよび加重値αyの変化速度が増加するほど位相の回転速度Rは増加する。第1実施形態の設定部53は、前述の通り、毎秒0.01回転以上かつ毎秒2回転以下の範囲内の回転速度Rで音響信号Zの位相が回転するように、加重値αxおよび加重値αyの各々を経時的に変化させる。以上の説明の通り、音響信号X1と音響信号Y1との混合比(αx,αy)を制御することで音響信号X1に対する音響信号Zの位相差が変化するから、第1実施形態によれば、簡便な構成および処理によりハウリングを抑制できる。
 図5は、制御装置31が実行する移相処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。例えば操作装置33に対する利用者からの指示を契機として移相処理が開始される。移相処理は、収音装置10による収音に並行して継続される。
 移相処理が開始されると、制御装置31、A/D変換器34から音響信号X1を取得する(S1)。すなわち、制御装置31は、音響信号X1を取得する信号取得部として機能する。制御装置31(音響処理部50)は、以下の手順により音響信号X1から音響信号Xを生成する(S2~S6)。
 移相部51は、音響信号X1とは位相が相違する音響信号Y1を当該音響信号X1から生成する(S2)。また、設定部53は、加重値αxおよび加重値αyを更新する(S3)。具体的には、設定部53は、音響信号Zにおける位相の回転速度Rが目標値(0.01≦R≦2)となるように設定された変化量だけ、加重値αxおよび加重値αyを変化させる。調整部521は、更新後の加重値αxを音響信号X1に乗算することで音響信号X2を生成し(S4)、調整部522は、更新後の加重値αyを音響信号Y1に乗算することで音響信号Y2を生成する(S5)。合成部52は、音響信号Y1と音響信号Y2とを加算することで音響信号Zを生成する(S6)。合成部52は、音響信号ZをD/A変換器35に出力する(S7)。
 制御装置31は、所定の終了条件が成立したか否かを判定する(S8)。終了条件は、例えば操作装置33に対する操作で利用者から終了が指示されること、または、収音装置10からの音響信号X1の供給が停止することである。終了条件が成立しない場合(S8:NO)、制御装置31は処理をステップS1に移行する。すなわち、音響信号X1の取得(S1)と音響信号Zの生成(S2-S6)と当該音響信号Zの出力(S7)とが、収音装置10による収音に並行して反復される。他方、終了条件が成立した場合(S8:YES)、制御装置31は移相処理を終了する。
B:第2実施形態
 第2実施形態を以下に説明する。第1実施形態においては、位相の回転速度Rが所定値に固定された形態を例示した。第2実施形態においては、回転速度Rが可変に制御される。なお、以下に例示する各構成において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
 利用者は、操作装置33を操作することで回転速度Rを信号処理装置30に指示する。具体的には、利用者は、収音装置10による収音に並行して、放音装置20による再生音を聴取しながら操作装置33を操作することで、回転速度Rを調整する。例えば、放音装置20による再生音に波形歪が顕在化せず、かつ、ハウリングが発生しないように、回転速度Rが調整される。
 設定部53は、回転速度Rの指示を利用者から受付ける。設定部53は、利用者から指示された回転速度Rで音響信号Zの位相が回転するように、加重値αxおよび加重値αyの各々の変化速度を制御する。例えば、設定部53は、図5のステップS3における加重値αxおよび加重値αyの変化量を、利用者が指示した回転速度Rに応じて設定する。
 第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態においては、音響信号Zにおける位相の回転速度Rが変更されるから、反射特性等の音響特性が相違する多様な環境においてハウリングを有効に抑制できる。
C:変形例
 以上に例示した各態様に付加される具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合してもよい。
(1)音響処理部50の構成は、図4に例示した構成に限定されない。例えば、図6に例示された音響処理部50により、音響信号X1から音響信号Zを生成してもよい。図6の音響処理部50は、第1実施形態と同様の要素(移相部51、合成部52および設定部53)に加えて移相部54を具備する。
 図6の移相部51は、音響信号X1の位相を変化させることで音響信号Y1を生成する。音響信号Y1は、音響信号X1の位相を所定量δyだけ変化(例えば遅延)させた信号である。音響信号Y1は「第3音響信号」の一例である。
 移相部54は、音響信号X1を処理することで中間信号Wを生成する。中間信号Wは、音響信号X1の位相を所定量δxだけ変化(例えば遅延)させた音響信号である。具体的には、音響信号Y1と中間信号Wとの位相差が90°となるように、移相部51による移相量δyと移相部54による移相量δxとが設定される。以上の説明から理解される通り、移相部54は、音響信号X1の位相を変化させることで、音響信号Y1に対して所定の位相差を有する中間信号Wを生成する。なお、移相量δyが90°に設定され、移相量δxが0°に設定された構成が、図4の構成に相当する。
 合成部52は、中間信号Wと音響信号Y1との合成により音響信号Zを生成する。具体的には、合成部52は、中間信号Wと音響信号Y1との加重和により音響信号Zを生成する。第1実施形態の合成部52は、調整部521と調整部522と加算部523とを具備する。調整部521は、中間信号Wに加重値αxを乗算することで音響信号X2を生成する乗算器である。調整部522は、音響信号Y1に加重値αyを乗算することで音響信号Y2を生成する乗算器である。加算部523は、音響信号X2と音響信号Y2とを加算することで音響信号Zを生成する。以上の説明から理解される通り、加重値αxおよび加重値αyは、中間信号Wと音響信号Y1との混合比である。音響信号X2は「第4音響信号」の一例であり、音響信号Y2は「第5音響信号」の一例である。
 設定部53は、第1実施形態と同様に、収音装置10による収音に並行して、加重値αxおよび加重値αyの各々を経時的に変化させる。具体的には、設定部53は、毎秒0.01回転以上かつ毎秒2回転以下の範囲内の回転速度Rで音響信号Zの位相が回転するように、加重値αxおよび加重値αyの各々を経時的に変化させる。したがって、本変形例においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、図6の構成によれば、加重値αxおよび加重値αyの各々を変化させる簡便な構成および処理により、ハウリングを有効に抑制できる。
(2)前述の各形態においては、可聴帯域Bの全域にわたり音響信号Zの位相が一定の回転速度Rで変化する形態を例示したが、周波数軸上の複数の周波数帯域の各々において回転速度Rを相違させてもよい。
 図7は、本変形例における音響処理部50Aのブロック図である。前述の各形態における音響処理部50が図7の音響処理部50Aに置換される。音響処理部50Aは、帯域分割部55とN個(Nは2以上の自然数)の信号処理部U-1~U-Nと信号混合部56と設定部53とを具備する。
 帯域分割部55は、音響信号X1からN個の帯域信号X1-1~X1-Nを生成する。各帯域信号X1-n(n=1~N)は、音響信号X1のうち周波数帯域B-n内の音響成分を表す音響信号である。周波数帯域B-nは、可聴帯域B内の相異なるN個の周波数帯域B-1~B-Nの何れかである。
 各信号処理部U-nは、前述の各形態における音響処理部50と同様に、帯域信号X1-nの位相を時間の経過とともに一方向に回転する移相処理により音響信号Z-nを生成する。具体的には、信号処理部U-nは、帯域信号X-nから帯域信号Y1-nを生成する移相部51と、帯域信号X1-nと帯域信号Y1-nとの加重和により音響信号Z-nを生成する合成部52とを具備する。信号処理部U-nの合成部52は、加重値αx-nで加重された帯域信号X1-nと、加重値αy-nで加重された帯域信号Y1-nとを加算することで、音響信号Z1-nを生成する。なお、図6に例示した音響処理部50が各信号処理部U-nとして採用されてもよい。
 設定部53は、N個の信号処理部U-1~U-Nの各々について、加重値αx-nおよび加重値αy-nを設定する。具体的には、設定部53は、N個の音響信号Z-1~Z-Nの位相が相異なる回転速度Rで回転するように、各加重値αx-nおよび各加重値αy-nを経時的に変化させる。各信号処理部U-nにおける回転速度Rは、毎秒0.01回転以上かつ毎秒2回転以下の範囲内の数値に設定される。
 信号混合部56は、相異なる信号処理部U-nが生成するN個の音響信号Z-1~Z-Nを混合(例えば加算)することで音響信号Zを生成する。図7の構成によれば、各音響信号Z-nにおける回転速度Rが相違するから、ハウリングを抑制できるという効果は特に顕著である。
 なお、可聴帯域Bの全域にわたり回転速度Rが一定である前述の各形態によれば、周波数帯域B-n毎に回転速度Rが相違する図7の構成と比較して、音響処理部50の構成および処理が簡素化されるという利点がある。また、周波数帯域B-n毎に回転速度Rが相違する図7の構成では、周波数軸上で相互に隣合う各周波数帯域B-nの境界の付近において位相差が不連続となるから、放音装置20による再生音の音質が低下する可能性がある。前述の各形態においては、可聴帯域Bの全域にわたり同等の位相差であり、かつ、回転速度Rも一定であるから、位相差の不連続に起因した再生音の音質の低下を抑制できるという利点がある。
(3)前述の各形態においては、音響信号X1の位相を一方向に回転することで音響信号Zを生成したが、音響信号X1の位相を回転する方向は特定の方向(例えば増加方向)に限定されない。例えば、音響処理部50は、時間軸上の第1期間では音響信号X1の位相を増加させ、第1期間とは相違する第2期間では音響信号X1の位相を減少させることで、音響信号Zを生成してもよい。また、音響信号X1の位相を1回転する必要は必ずしもない。例えば、所定の範囲内で位相を往復させてもよい。
(4)前述の各形態においては、可聴帯域B内の全域にわたり音響信号X1の位相を回転させたが、特定の周波数帯域については位相を回転させない形態も想定される。例えば、ハウリングが発生する可能性が低い周波数帯域については位相を回転させない形態が想定される。
 例えば、図7の構成において、可聴帯域B内のN個の周波数帯域B-1~B-Nのうちハウリングが発生する可能性が低い周波数帯域B-nに対応する信号処理部U-nは、移相処理を実行しない。すなわち、当該信号処理部U-nは、音響信号X1-nを処理せずに音響信号Z-nとして出力する。以上の構成によれば、ハウリングが問題となる周波数帯域B-nについてのみ限定的に移相処理が実行されるから、可聴帯域B内の全域にわたり音響信号X1の位相を回転させる形態と比較して、再生音の波形歪を抑制できる。
(5)前述の各形態においては、位相の回転が定常的に持続される形態を例示したが、音響信号X1の位相を回転する処理は、時間軸上の特定の期間(以下「処理期間」という)内において限定的に実行されてもよい。処理期間以外の期間においては、音響信号X1が音響信号Zとして音響処理部50から出力されてもよい。
(6)例えばスマートフォンまたはタブレット端末等の情報装置と通信するサーバ装置により信号処理装置30が実現されてもよい。例えば、収音装置10が収音した音響を表す音響信号X1が端末装置から情報処理装置に送信される。信号処理装置30の音響処理部50は、前述の各形態と同様の移相処理により音響信号X1から音響信号Zを生成し、当該音響信号Zを情報装置に送信する。情報装置は、信号処理装置30から受信した音響信号Zが表す音響を再生する。以上の構成においても、前述の各形態と同様の効果が実現される。
(7)前述の各形態に係る信号処理装置30の機能(音響処理部50)は、前述の通り、制御装置31を構成する単数または複数のプロセッサと、記憶装置32に記憶されたプログラムとの協働により実現される。本開示に係るプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記録媒体が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
D:付記
 以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。
 本開示のひとつの態様(態様1)に係る音響処理方法は、収音装置により収音された音響を表す第1音響信号を取得し、前記第1音響信号の位相を、当該収音に並行して時間の経過とともに一方向に回転することで、第2音響信号を生成する。以上の態様によれば、収音装置が収音した音響を表す第1音響信号の位相を時間の経過とともに一方向に回転することで第2音響信号が生成される。すなわち、放音装置と当該放音装置からの帰還音が到達する収音装置とを含む閉ループ系を反復的に循環する音響成分の間で位相が分散される。したがって、ハウリング周波数を特定する構成および処理を必要とせずに、放音装置から収音装置への帰還音に起因したハウリングを抑制できる。また、音響信号の周波数を変化させる必要はないから、放音装置による再生音について聴感的に知覚可能な特性(例えば音高または音質)を変化させることなく、ハウリングを抑制できる。
 第1音響信号の位相を回転する条件は任意である。例えば、位相の回転の方向は、位相が増加する方向および位相が減少する方向の何れでもよい。また、位相の回転速度は、固定値または変動値の何れでもよい。例えば、第2音響信号の位相は、段階的または連続的(例えば直線的または曲線的)に変化する。
 周波数軸上の可聴帯域内の全域にわたり第2音響信号の位相が同等の条件で回転する必要は必ずしもない。例えば、可聴帯域内において相等しい位相差を維持した状態で第1音響信号の位相を回転する形態(態様6)のほか、周波数軸上に設定された周波数帯域毎に音響信号の位相が相違する形態も想定される。また、可聴帯域内において音響信号の位相が相等しい速度で回転する形態(態様5)のほか、周波数軸上に設定された周波数帯域毎に音響信号の位相が相異なる速度で回転する形態も想定される。
 態様1の具体例(態様2)において、さらに、前記第2音響信号が表す音響を放音装置に再生させる。第2音響信号が表す音響の一部が放音装置から収音装置に帰還する構成では、ハウリングが顕在化し易い。したがって、本開示によるハウリングの抑制が有効である。
 態様1または態様2の具体例(態様3)において、前記位相の回転速度は、毎秒2回転以下である。音響信号の位相を過度に速い速度で回転させた場合、聴感的に知覚され得る程度の顕著な波形歪が音響信号に発生し得る。位相の回転速度が毎秒2回転(720°/秒)以下に設定された形態によれば、位相の回転に起因した波形歪の顕在化を抑制しながらハウリングを抑制できる。
 態様1から態様3の何れかの具体例(態様4)において、前記位相の回転速度は、毎秒0.01回転以上である。音響信号の位相を過度に遅い速度で回転する形態では、ハウリングを有効に抑制できない可能性がある。位相の回転速度が毎秒0.01回転(3.6°/秒)以上に設定された形態によれば、ハウリングを有効に抑制できる。
 態様1から態様4の何れかの具体例(態様5)において、前記第2音響信号の生成においては、前記第1音響信号の位相を変化させることで第3音響信号を生成し、前記第1音響信号に第1加重値を乗算することで生成される第4音響信号と、前記第3音響信号に第2加重値を乗算することで生成される第5音響信号とを加算することで前記第2音響信号を生成し、前記第1加重値および前記第2加重値の各々を時間の経過とともに変化させることで前記第1音響信号の位相を回転する。以上の態様によれば、第1加重値および第2加重値の各々を変化させる簡便な構成および処理により、ハウリングを有効に抑制できる。
 態様1から態様4の何れかの具体例(態様6)において、前記第2音響信号の生成においては、前記第1音響信号の位相を変化させることで第3音響信号を生成し、前記第1音響信号の位相を変化させることで、前記第3音響信号に対して所定の位相差を有する中間信号を生成し、前記中間信号に第1加重値を乗算することで生成される第4音響信号と、前記第3音響信号に第2加重値を乗算することで生成される第5音響信号とを加算することで前記第2音響信号を生成し、前記第1加重値および前記第2加重値の各々を時間の経過とともに変化させることで前記第1音響信号の位相を回転する。以上の態様によれば、第1加重値および第2加重値の各々を変化させる簡便な構成および処理により、ハウリングを有効に抑制できる。
 態様1から態様6の何れかの具体例(態様7)において、可聴帯域内において前記第1音響信号の位相を一定の速度で回転する。以上の態様においては、可聴帯域内において第1音響信号の位相を一定の速度で回転するから、例えば周波数軸上の周波数帯域毎に相異なる速度で位相を回転する構成と比較して構成および処理が簡素化される。なお、可聴帯域は、例えば20Hz以上かつ20kHz以下の周波数帯域である。
 態様7の具体例(態様8)において、前記可聴帯域内において前記第1音響信号に対する前記第2音響信号の位相差は相等しい。以上の態様においては、位相の回転の前後で音響信号の群遅延が変化しないから、音響信号の波形(例えば包絡波形)は処理の前後で実質的に変化しない。したがって、放音装置による再生音について聴感的に知覚可能な特性(例えば音高または音質)を変化させることなくハウリングを抑制できる。
 態様1から態様4の何れかの具体例(態様9)において、前記第2音響信号の生成においては、周波数帯域が相違する複数の帯域信号を前記第1音響信号から生成し、前記複数の帯域信号の各々を相異なる回転速度で回転し、前記回転後の複数の帯域信号を混合することで前記第2音響信号を生成する。以上の態様によれば、周波数帯域毎に回転角度が相違するから、可聴帯域内の全帯域にわたり回転角度が一定である構成と比較してハウリングを有効に抑制できる。
 態様1から態様9の何れかの具体例において、前記第2音響信号の生成においては、前記第1音響信号の位相を変化させることで第3音響信号を生成し、前記第1音響信号と前記第3音響信号との混合により前記第2音響信号を生成し、前記第1音響信号と前記第3音響信号との混合比を変化させることで前記位相を回転する。以上の態様においては、位相が相違する第1音響信号と第3音響信号との混合比を変化させる簡便な構成および処理により、第2音響信号の位相を回転することができる。
 本開示のひとつの態様(態様10)に係る音響処理システムは、収音装置により収音された音響を表す第1音響信号を取得する信号取得部と、前記第1音響信号の位相を、当該収音に並行して時間の経過とともに一方向に回転することで、第2音響信号を生成する音響処理部を具備する。
 本開示のひとつの態様(態様11)に係るプログラムは、収音装置により収音された音響を表す第1音響信号を取得する信号取得部と、前記第1音響信号の位相を、当該収音に並行して時間の経過とともに一方向に回転することで、第2音響信号を生成する音響処理部、としてコンピュータを機能させる。
100…音響処理システム、10…収音装置、20…放音装置、30…信号処理装置、31…制御装置、32…記憶装置、33…操作装置、34…A/D変換器、35…D/A変換器、36…増幅器、50…音響処理部、51…移相部、52…合成部、521…調整部、522…調整部、523…加算部、53…設定部、55…帯域分割部、56…信号混合部、U-1~U-N…信号処理部。

Claims (11)

  1.  収音装置により収音された音響を表す第1音響信号を取得し、
     前記第1音響信号の位相を、当該収音に並行して時間の経過とともに一方向に回転することで、第2音響信号を生成する
     コンピュータにより実現される音響処理方法。
  2.  さらに、前記第2音響信号が表す音響を放音装置に再生させる
     請求項1の音響処理方法。
  3.  前記位相の回転速度は、毎秒2回転以下である
     請求項1または請求項2の音響処理方法。
  4.  前記位相の回転速度は、毎秒0.01回転以上である
     請求項1から請求項3の何れかの音響処理方法。
  5.  前記第2音響信号の生成においては、
     前記第1音響信号の位相を変化させることで第3音響信号を生成し、
     前記第1音響信号に第1加重値を乗算することで生成される第4音響信号と、前記第3音響信号に第2加重値を乗算することで生成される第5音響信号とを加算することで前記第2音響信号を生成し、
     前記第1加重値および前記第2加重値の各々を時間の経過とともに変化させることで前記第1音響信号の位相を回転する
     請求項1から請求項4の何れかの音響処理方法。
  6.  前記第2音響信号の生成においては、
     前記第1音響信号の位相を変化させることで第3音響信号を生成し、
     前記第1音響信号の位相を変化させることで、前記第3音響信号に対して所定の位相差を有する中間信号を生成し、
     前記中間信号に第1加重値を乗算することで生成される第4音響信号と、前記第3音響信号に第2加重値を乗算することで生成される第5音響信号とを加算することで前記第2音響信号を生成し、
     前記第1加重値および前記第2加重値の各々を時間の経過とともに変化させることで前記第1音響信号の位相を回転する
     請求項1から請求項4の何れかの音響処理方法。
  7.  前記第2音響信号の生成においては、可聴帯域内において前記第1音響信号の位相を一定の速度で回転する
     請求項1から請求項6の何れかの音響処理方法。
  8.  前記可聴帯域内において前記第1音響信号に対する前記第2音響信号の位相差は相等しい
     請求項7の音響処理方法。
  9.  前記第2音響信号の生成においては、
     周波数帯域が相違する複数の帯域信号を前記第1音響信号から生成し、
     前記複数の帯域信号の各々を相異なる回転速度で回転し、
     前記回転後の複数の帯域信号を混合することで前記第2音響信号を生成する
     請求項1から請求項4の何れかの音響処理方法。
  10.  収音装置により収音された音響を表す第1音響信号を取得する信号取得部と、
     前記第1音響信号の位相を、当該収音に並行して時間の経過とともに一方向に回転することで、第2音響信号を生成する音響処理部と
     を具備する音響処理システム。
  11.  収音装置により収音された音響を表す第1音響信号を取得する信号取得部、および、
     前記第1音響信号の位相を、当該収音に並行して時間の経過とともに一方向に回転することで、第2音響信号を生成する音響処理部、
     としてコンピュータを機能させるプログラム。
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