WO2023233533A1

WO2023233533A1 - 荷物ステーション、および、運搬車両

Info

Publication number: WO2023233533A1
Application number: PCT/JP2022/022169
Authority: WO
Inventors: 史暁永幡; 盛展西浦; 貴章中野; 賢一渡邉
Original assignee: 新明和工業株式会社
Priority date: 2022-05-31
Filing date: 2022-05-31
Publication date: 2023-12-07

Abstract

荷物（２０）の運搬車両（３）との間で荷物を積み替える荷物ステーション（１）は、複数の荷物を収容可能な収容ユニット（２）を保管する保管部（７）と、運搬車両の積載部（３３）と保管部との間で収容ユニットの積み替えを行うために使用される積替装置（８）と、収容ユニットから荷物を選択的に取り出す、および／または、収容ユニットへ荷物を収容する選択移動装置（９）と、を備えている。

Description

荷物ステーション、および、運搬車両

　ここに開示する技術は、荷物ステーション、および、運搬車両に関する。

　近年、ＥＣ（Electronic Commerce）の利用者数増加に伴い、宅配便の取扱個数が年々増加している。また、少子高齢化や労働環境が悪いことにより、運搬車両のドライバーに成る若い人が年々減少している。そのため、運搬車両の人手不足が社会問題となっている。また、近年、少子高齢化対策や業務効率の改善のために、店舗内のレジ業務を省人化する無人店舗の設置が行われている。しかし、従来の無人店舗では、入荷した商品のバックヤードまでの運搬に人が必要であるという問題がある。

　特許文献１には、無人配送システムが記載されている。無人配送システムは、ドローンと、保管庫と、無人配送車とを備えている。ドローンは荷物を空輸する。保管庫は、ドローンから無人配送車へ荷物を積み替える。荷物を積んだ無人配送車は、保管庫から配送先へ自動運転する。無人配送システムは、無人で、配送先へ荷物を運搬することができる。このシステムは、荷物運搬の省人化を可能にする。

　特許文献１のドローン、保管庫、および、無人配送車はそれぞれ、荷物の積み替えを行う際に一度に一つの荷物しか取り扱うことができない。特許文献１の無人配送システムは、荷物の積み替え効率が悪い。

　特許文献２には、配送サイトが記載されている。配送サイトは、保管スペースと、スタッキングロボットとを有する建物を備えている。保管スペースは、複数の荷物を保管することができる。スタッキングロボットは、保管スペースに保管されている荷物を、選択的に取り出して、無人配送車へ積み込む。

　配送サイトに保管された荷物はまた、客によってセルフピックアップされ得る。配送サイトはさらに、自動販売装置を含み得る。客が操作インターフェースに特定の商品の購入指示を入力すると、スタッキングロボットは、保管スペース内の対応する商品を、商品搬出ポートに搬送する。客は、商品搬出ポートを通じて商品を受け取ることができる。

特開２０２２－４２３０２号公報特表２０２２－５１８０８７号公報

　特許文献２には、配送サイトの保管スペースへの荷物の補充が手動で行われると記載されている。つまり、従来の運搬システムは、配送サイトまで運搬された荷物を、無人で保管スペースに保管することができない。また、特許文献２には、スタッフが荷物を一つ一つ、保管スペースへ置くと記載されている。従来の運搬システムは、荷物の積み替え効率が高いとは言えない。

　ここに開示する技術は、荷物の運搬および荷物の積み替えの効率を高める。

　ここに開示する技術は、荷物の運搬車両との間で前記荷物を積み替える荷物ステーションに係る。荷物ステーションは、
　複数の荷物を収容可能な収容ユニットを保管する保管部と、
　前記運搬車両の積載部と前記保管部との間で前記収容ユニットの積み替えを行うために使用される積替装置と、
　前記保管部に保管されている前記収容ユニットから前記荷物を選択的に取り出す、および／または、前記保管部に保管されている前記収容ユニットへ前記荷物を収容する選択移動装置と、を備えている。

　積替装置は、運搬車両と保管部との間で収容ユニットを積み替えるために使用される。収容ユニットは、複数の荷物を収容できる。収容ユニットの積み替えによって、運搬車両と保管部との間で複数の荷物が一度に積み替えられる。この運搬システムの荷物の運搬および荷物の積み替えの効率は、高い。

　選択移動装置は、収容ユニットから荷物を選択的に取り出す。所望の荷物が収容ユニットから取り出されて、例えばユーザーの元へ届けられる。また、選択移動装置は、収容ユニットへ荷物を収容する。例えばユーザーから引き渡された荷物が、収容ユニットに収容される。当該荷物は、収容ユニットごと、積替装置を使用することによって荷物ステーションから運搬車両へ積載される。選択移動装置と積替装置との連携は、運搬車両から荷物を降ろすだけでなく、荷物を降ろした場所（保管部）から荷物ステーション内の最終的な荷物の届け場所まで、自動で荷物を運搬することを可能にする。

　前記選択移動装置は、前記収容ユニットと前記荷物を運搬する無人移動体との間で、前記荷物を移動可能に構成されていてもよい。

　運搬車両は、多数の荷物を、まとめて、荷物ステーションまで運搬する。荷物ステーションとユーザーとの間において、無人移動体は、荷物を個別に運搬する。荷物ステーションの選択移動装置が収容ユニットと無人移動体との間で荷物を積み替えるので、運搬車両と無人移動体との間で荷物を直接積み替える装置は、運搬車両または無人移動体に設ける必要がない。また、保管部に荷物を一時保管することによって、運搬車両と無人移動体とが荷物の積み替えのために同じ場所にいる必要がない。これにより、運搬車両は、多数の荷物をまとめて運搬する業務に集中できる。無人移動体は、荷物ステーションとユーザーとの間でラストワンマイルの荷物運搬に集中できる。荷物ステーションは、運搬車両と無人移動体との移動速度の差を吸収できる。運搬車両と無人移動体との組み合わせは、運搬システムの運搬効率を高める。

　無人移動体は、ユーザーから引き渡された荷物を、荷物ステーションへ運搬してもよい。

　前記荷物ステーションは、１以上の前記無人移動体を待機させるための待機場を備えている、としてもよい。

　荷物ステーションに１または複数の無人移動体が待機しているため、荷物ステーションとユーザーとの間で稼動する無人移動体を容易に増減できる。これにより、荷物ステーションとユーザーとの間における荷物の運搬需要の増減に容易に対応できる。また、運搬車両は、稼働する無人移動体を増やすために重量物である無人移動体を、荷物ステーションまで運搬する必要がない。運搬車両は、その分、荷物の積載量を増やすことができる。運搬車両は、消費エネルギを節約しながら、大量の荷物を運搬できる。運搬コストが低減する。

　前記無人移動体は、駆動用のバッテリを有し、
　前記荷物ステーションは、前記待機場に設置され、１以上の前記バッテリを前記無人移動体に搭載した状態、または取り外した状態で充電する充電装置を備えている、としてもよい。

　荷物ステーションは、無人移動体が稼動可能な状態を常時維持できるように無人移動体を管理および／または運用することができる。

　前記保管部は、複数の前記収容ユニットを保管可能であり、
　前記積替装置は、前記積載部と前記保管部との間で、複数の前記収容ユニットを同時に積み替え可能に構成されている、としてもよい。

　この構成は、複数の運搬車両分の収容ユニットを荷物ステーションの保管部に保管することができる。また、この構成は、１台の運搬車両に積載された複数の収容ユニットのうち、所望の収容ユニットのみを保管部に保管することができる。また、１台の運搬車両に積載されている複数の収容ユニットを同時に保管部へ積み替えることにより、運搬車両と荷物ステーションとの間の収容ユニットの積み替え時間が短縮される。この構成は、運搬効率および積み替え効率の向上に有利である。

　前記荷物ステーションは、ユーザーに対する前記荷物の受け渡しを行う荷物受渡部を備え、
　前記選択移動装置は、前記収容ユニットと前記荷物受渡部との間で、前記荷物を移動可能に構成されていてもよい。

　荷物ステーションは、荷物の運搬の中継だけでなく、ユーザーとの間の荷物の受け渡しの窓口機能を有するため、ユーザーの利便性が向上する。

　選択移動装置は、収容ユニットに対する荷物の取り出しおよび収容と、収容ユニットと荷物受渡部との間の荷物の移動との両方を行う。荷物ステーションの設備は簡略である。

　前記保管部は、商品としての前記荷物の荷物取出ケースを有する店舗に接しており、
　前記選択移動装置は、少なくとも、前記保管部に保管されている前記収容ユニットから取り出した前記荷物を、前記荷物取出ケースへ移動させる、としてもよい。

　選択移動装置は、荷物取出ケースへの商品の補充を自動化する。荷物ステーションに店舗を併設すれば、無人店舗が実現する。

　なお、選択移動装置は、前記荷物取出ケースから取り出した荷物を前記保管部に保管されている前記収容ユニットへ移動させて、前記収容ユニットに収容してもよい。

　ここに開示する技術は、前記荷物ステーションと連携する運搬車両に係る。この運搬車両は、
　前記荷物が積載される積載部と、
　前記積載部と前記荷物ステーションの前記保管部との間における前記収容ユニットの積み替えを、前記積替装置と連携して行う荷役装置と、を備えている。

　荷役装置と積替装置との連携によって、運搬車両と荷物ステーションとの間において、収容ユニットがスムースに積み替えられる。

　前記荷物ステーションの前記積替装置は、前記収容ユニットを前記運搬車両の車幅方向に移動させることにより、前記積載部と前記保管部との間で前記収容ユニットを積み替え、
　前記荷役装置は、前記運搬車両が前記積替装置に対し隣接して停車した状態で、車両前後方向、車幅方向、および、高さ方向のうち少なくとも一つの方向について前記積載部と前記積替装置との位置を合わせる位置合わせ機構を有している、としてもよい。

　位置合わせ機構が、積載部と積替装置との位置を合わせるため、収容ユニットの積み替えがスムースに行われる。また、運搬車両が、荷物ステーションに対して位置がずれて停車することが許容される。

　前記の荷物ステーションまたは運搬車両は、荷物の運搬および荷物の積み替えの効率を高めることができる。

図１は、荷物の運搬システム全体を示している。図２は、運搬車両と荷物ステーションとを示している。図３は、荷物ステーションの斜視図である。図４は、荷物ステーションの側面図である。図５は、荷物ステーションの平面図である。図６は、荷物ステーションの正面図である。図７は、荷室が閉じた運搬車両を示している。図８は、荷室が開いた運搬車両を示している。図９は、積載部を示している。図１０は、積載部の平面図である。図１１は、位置合わせ機構を示している。図１２（ａ）は位置合わせ機構の正面図であり、（ｂ）は位置合わせ機構の側面図である。図１３は、パレット同士の連結を解除した積載部を示している。図１４は、積替装置の正面図である。図１５は、積替装置の斜視図である。図１６は、積替装置のアームを拡大して示している。図１７は、積替装置のアームと、収容ユニットの係合部との係合状態を示している。図１８は、保管部のロックピンを示している。図１９は、選択移動装置と、無人移動体とを示している。図２０は、前から見た収容ユニットを示している。図２１は、収容ユニットの正面図である。図２２（ａ）は前から見た荷物パレットを示し、（ｂ）は後から見た荷物パレットを示している。図２３は、後から見た収容ユニットを示している。図２４は、前から見た無人移動体を示している。図２５（ａ）は後から見た無人移動体を示し、（ｂ）は荷物パレットが取り付けられた無人移動体を示している。図２６は、移載部を示している。図２７は、荷物パレットと収容ユニットとの係合、および、荷物パレットと移載部との係合を示している。図２８は、保管部から見た荷物受渡部を示している。図２９は、運搬車両のブロック図である。図３０は、荷物ステーションのブロック図である。図３１は、運搬システムの制御フローである。図３２は、店舗が併設された荷物ステーションの平面図である。図３３は、店舗が併設された荷物ステーションのブロック図である。図３４は、変形例に係る荷物ステーションを示している。図３５は、変形例に係る荷物ステーションを示している。

　以下、荷物ステーションおよび運搬車両の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ここで説明する荷物の運搬システム、荷物ステーションおよび運搬車両は例示である。

　（荷物の運搬システム）
　図１は、荷物の運搬システム１００の一例を示している。図１の実線の矢印は、後述する運搬車両３または無人移動体５の移動に伴う荷物の移動を示している。運搬システム１００は、荷物ステーション１、運搬車両３、無人移動体５、配送センター１０３、および、管理センター１０４を備えている。荷物ステーション１は、各所に設置されている。荷物ステーション１は、店舗１０２に併設される場合もある。

　運搬システム１００は、荷物をユーザー１０１に届ける。荷物は、運搬車両３および無人移動体５を使用して配送センター１０３からユーザー１０１に届けられる。また、荷物は、無人移動体５を使用して荷物ステーション１からユーザー１０に届けられる。より具体的に、荷物は、ユーザー１０１が指定した場所に届けられる。ユーザー１０１が指定する場所は、例えばユーザー１０１の自宅である。ユーザー１０１は、自宅以外の場所を運搬先に指定することもできる。なお、以下においては、荷物の運搬先を、単にユーザー１０１と記載する。荷物は、例えばユーザー１０１が、ＥＣサイトにおいて購入した商品である。但し、商品は、ＥＣサイトにおいて購入した商品に限らない。また、ユーザー１０１に届けられる荷物は、商品に限らない。

　運搬システム１００はまた、荷物を店舗１０２に届ける。荷物は、運搬車両３を使用して、配送センター１０３から店舗１０２に届けられる。また、荷物は、運搬車両３を使用して、店舗１０２から離れた別の荷物ステーション１から店舗１０２に届けられることもある。店舗１０２は、例えば補充のために届けられた荷物を商品として、客に販売する店舗である。店舗１０２の具体例としては、例えば、コンビニエンスストア、総合スーパーマーケット、アパレルショップ、飲食店、家電量販店、ホームセンター、ドラッグストア等が考えられる。但し、店舗１０２は、商品を主に販売する販売店舗に限らない。例えば、郵便局、調剤薬局、ホテル、鉄道駅、機械式立体駐車設備等も含まれる。また、店舗に届けられる荷物も、商品に限らない。例えば、荷物には、商品の素材、郵便物、ユーザー１０１の所有物等が含まれる。

　運搬システム１００はさらに、前記とは逆に、ユーザー１０１の荷物を、ユーザー１０１が指定した運搬先へ運搬する。この場合、運搬システム１００は、無人移動体５のみ、または、無人移動体５および運搬車両３を荷物の移動に使用する。例えば、ユーザー１０１は、店舗１０２としての機械式立体駐車設備に自家用車を駐車させ、駐車地点から遠く離れた場所における買い物によって商品を購入したとする。その場合、ユーザー１０１は、最も近くの無人移動体５にその商品をユーザー１０１所有の荷物として預ける。無人移動体５は、最寄りの荷物ステーション１にユーザー１０１の荷物を運搬する。運搬車両３は、最寄りの荷物ステーション１から、ユーザー１０１の荷物を、当該機械式立体駐車設備に併設した荷物ステーション１まで運搬する。ユーザー１０１は、手ぶらで自家用車が駐車された当該機械式立体駐車設備まで戻ることができる。

　配送センター１０３は荷物の運搬元である。図１の運搬システム１００において、配送センター１０３は荷物の運搬先の場合もある。つまり、ユーザー１０１から引き取った荷物は、配送センター１０３に集荷される。なお、当該荷物は、配送センター１０３からさらに、ユーザー１０１が指定した運搬先へ運搬される。

　荷物ステーション１は、荷物の運搬の中継機能を有している。荷物ステーション１は、荷物を一時的に保管する。より具体的に、荷物ステーション１は、ユーザー１０１へ届ける荷物を、一時的に保管する。荷物ステーション１はまた、ユーザー１０１から引き取った荷物を、一時的に保管する。

　運搬車両３は、配送センター１０３と荷物ステーション１との間において、荷物を運搬する。運搬車両３は、例えばスケジュールに従って、または、必要時に、配送センター１０３と荷物ステーション１との間を走行する。運搬車両３は、配送センター１０３において荷物を積載し、当該荷物を荷物ステーション１へ運搬する。荷物は運搬車両３から荷物ステーション１へ降ろされる。運搬車両３はまた、荷物ステーション１において荷物を積載し、当該荷物を配送センター１０３へ運搬する。運搬車両３は、複数の荷物ステーション１を巡回してもよい。運搬車両３は、荷物ステーション１のそれぞれにおいて、荷物を積み替える。

　運搬システム１００は、複数の無人移動体５を備えている。無人移動体５は、荷物ステーション１とユーザー１０１との間において、荷物を運搬する。より具体的に、無人移動体５は、ユーザー１０１へ届ける荷物を、荷物ステーション１からユーザー１０１まで運搬する。無人移動体５はまた、ユーザー１０１から引き取った荷物を、ユーザー１０１から荷物ステーション１へ運搬する。運搬車両３が無人移動体５を搭載している場合、無人移動体５は、運搬車両３とユーザー１０１との間において、荷物を運搬することもできる。運搬車両３は、荷物ステーション１の無人移動体５をメンテナンス交換する場合にも活用できる。

　無人移動体５は、例えば自律的にまたは無線遠隔操縦によって地上を走行するＵＧＶ（Unmanned Ground Vehicle）である。無人移動体５は、ドローンであってもよい。無人移動体５は、一つまたは複数の荷物を運搬する。

　管理センター１０４は、運搬システム１００全体の管理を行う。管理センター１０４は、広域通信網１０５に接続されている。広域通信網１０５は、例えばインターネットである。荷物ステーション１、店舗１０２および配送センター１０３も、広域通信網１０５に接続されている。運搬車両３および、ユーザー１０１が所有する端末１０６は、移動体通信を介して広域通信網１０５に接続されている。端末１０６は、例えばスマートフォンまたはタブレットである。管理センター１０４は、荷物の運搬に関して、配送センター１０３、店舗１０２、運搬車両３、荷物ステーション１、または端末１０６に対して、情報の送受を行う。

　荷物ステーション１、運搬車両３、無人移動体５、および、端末１０６はまた、相互に近距離無線通信を行うことができる。

　広域通信、移動体通信および近距離無線通信の利用は、荷物一つ一つの追跡を可能にする。

　運搬車両３は、配送センター１０３と荷物ステーション１との間において、多数の荷物を一度に運搬できる。複数の無人移動体５は、荷物ステーション１とユーザー１０１との間において、複数の荷物のそれぞれを、例えば同時並行に運搬できる。運搬車両３と無人移動体５との組み合わせは、運搬システム１００の運搬効率を高める。

　以下、運搬システム１００の各要素について、個別に説明をする。なお、以下の説明では、図２に例示するように、荷物ステーション１との間で荷物の積み替えを行うために停車している運搬車両３の向きを基準にして、便宜的に、前、後、右、左、上、および、下を定義する。以下の説明における前、後、右、左、上、および、下は、各要素において絶対的な意味での前、後、右、左、上、および、下ではない。

　（荷物ステーション全体）
　図２～６は、荷物ステーション１の全体を例示している。荷物ステーション１は、後述の構造を有していることにより、運搬車両３と荷物ステーション１との間の荷物の積み替えを、効率的に行い得る。また、荷物ステーション１は、後述の構造を有していることにより、無人移動体５への荷物の分配を、効率的に行い得る。

　荷物ステーション１は、保管部７、積替装置８、選択移動装置９および、待機場１０を有している。

　保管部７は、荷物２０（図９参照）を一時的に保管する。保管部７は、前壁７０１、後壁７０２、右壁、左壁、および、天井７０３を有しかつ、前後に長い四角い箱状である。なお、保管部７の内部を図示するため、右壁、左壁、および、天井の一部は図示されていない。

　図９に示すように、荷物２０は、収容ユニット２に収容されている。収容ユニット２は、ラックである。収容ユニット２は、複数の荷物２０を収容する。後述するように、運搬車両３は、荷物２０を収容ユニット２ごと運搬する。荷物ステーション１と運搬車両３との間において、収容ユニット２が積み替えられる。保管部７は、収容ユニット２を保管する。

　保管部７は、複数の収容ユニット２を保管できる。図例において、保管部７は、最大８個の収容ユニット２を保管できる。保管部７の中において、複数の収容ユニット２は、一方向に並んでいる。具体的に、複数の収容ユニット２は、前後に並んでいる。後述するように、収容ユニット２は、左右方向に移動する（図５の矢印を参照）。保管部７は、複数の収容ユニット２を、収容ユニット２の移動方向に直交する方向に並べて保管する。

　保管部７は、収容ユニット２を積み替えるための積替ゲート７４ａ（図３０参照）を有している。積替ゲート７４ａは、保管部７の側壁に設けられた開口部７４ｂを開閉する。図２に例示するように、運搬車両３は、保管部７の右側方に停車する。開口部７４ｂは、図３に示すように、保管部７の右壁に設けられている。なお、図３では、積替ゲート７４ａは図示省略している。積替ゲート７４ａは、運搬車両３と保管部７との間で収容ユニット２が積み替えられる時に開き、それ以外の時に閉まる。積替ゲート７４ａが閉まると、保管部７の内部は、外から遮断される。

　なお、図に示す運搬車両３は、左側通行の道路を走行する車両である。運搬車両３が右側通行の道路を走行する車両である場合、運搬車両３は、保管部７の左側方に停車する。この場合の荷物ステーションは、図例の荷物ステーション１に対して左右を反転させればよい。

　保管部７は、第１エリア７１と、第２エリア７２と、第３エリア７３とを有している。図５または６に示すように、第１エリア７１は、運搬車両３に隣接するエリアである。第１エリア７１は、保管部７における右側のエリアである。第２エリア７２は、運搬車両３から離れたエリアである。図例において第２エリア７２は、保管部７における左側のエリアである。第３エリア７３は、第１エリア７１と第２エリア７２との間のエリアである。第１エリア７１、第２エリア７２および第３エリア７３は、横に並んでいる。

　第１エリア７１は、運搬車両３に対して収容ユニット２の積み替えを行う場合に利用される。第１エリア７１には、積替装置８が位置している。積替装置８は、運搬車両３から保管部７へ収容ユニット２を積み替える、または、保管部７から運搬車両３へ収容ユニット２を積み替える。積替装置８の詳細は、後で説明する。第１エリア７１はまた、収容ユニット２を保管するためのエリアである。

　第３エリア７３には、後述する選択移動装置９が位置している。選択移動装置９は、収容ユニット２から無人移動体５へ荷物２０を選択的に積み替える、または、無人移動体５から収容ユニット２へ荷物２０を積み替える。選択移動装置９は、第３エリア７３において、前後方向に移動する。選択移動装置９の詳細は、後で説明する。

　第２エリア７２は、第３エリア７３とともに、選択移動装置９が、収容ユニット２と無人移動体５との間で荷物２０を積み替える場合に利用される。収容ユニット２の中央および右側に配置された収容スペースに対して荷物２０を積み替える際、左右に移動する収容ユニット２の少なくとも一部が第２エリア７２内に位置する（図２を参照）。

　待機場１０は、無人移動体５が待機するスペースである。待機場１０は、保管部７の下に位置している。より正確に、待機場１０は、保管部７の第２エリア７２および第３エリア７３の下に位置している。待機場１０は、第１エリア７１の下まで延在していてもよい。保管部７と待機場１０とが上下に重なるため、荷物ステーション１の設置面積が小さいという利点がある。なお、待機場１０の内部を図示するために、図２および４において、待機場１０の左壁は図示していない。

　待機場１０は、無人移動体５を収容可能な高さを有している。待機場１０の天井高は比較的低い。待機場１０の低い天井高は、保管部７の床の高さを、後述する運搬車両３の積載部３３の高さに一致させる上で有利である。

　待機場１０は、無人移動体５の出口１１および入口１２を有している。無人移動体５は、出口１１を通って待機場１０から出る。出口１１にはスロープ１１１が取り付けられている。出口１１は、待機場１０の前壁に位置している。出口１１は、第３エリア７３に対応する位置に位置している。例えばユーザー１０１へ荷物２０を運搬する無人移動体５は、出口１１を通って待機場１０から出る。無人移動体５は、入口１２を通って待機場１０に入る。入口１２にもスロープ１２１が取り付けられている。入口１２は、待機場１０の左壁の後部に位置している。例えばユーザー１０１への荷物２０の運搬を終えて荷物ステーション１へ戻った無人移動体５は、入口１２を通って待機場１０に入る。入口１２と出口１１とが分かれているため、待機場１０において、無人移動体５同士の対面通行が抑制される。なお、入口１２および出口１１にシャッターを取り付けてもよい。また、待機場１０は、一つの出入口を有してもよい。

　無人移動体５は、図２４に示すように、駆動用のバッテリ５１を有している。待機場１０には、１または複数の充電装置１４が設置されている。図４および３０の例において、待機場１０は、第１、第２、第３、および第４充電装置１４－１、１４－２、１４－３、１４－４を有している。充電装置１４は、無人移動体５のバッテリ５１を充電する。充電装置１４は、例えば非接触充電を行ってもよい。充電装置１４は、無人移動体５の給電口を通じてバッテリ５１を充電してもよい。荷物ステーション１がバッテリ交換装置を備え、無人移動体５のバッテリ５１を交換できるようにしてもよい。その場合、バッテリ交換装置が使用済みのバッテリ５１を充電済のバッテリ５１と交換する。そして、交換後の使用済みのバッテリ５１が、充電装置によって充電される。

　（運搬車両）
　図２、５～８は、運搬車両３を示している。運搬車両３は、後述の構造を有していることにより、荷物ステーション１と運搬車両３との間の荷物の積み替えを、スムースに行い得る。

　　（全体構造）
　運搬車両３は、キャビン３１と、荷室３２とを備えている。運搬車両３は、四輪の有蓋トラックである。運搬車両３は、ドライバーが運転を行う車両である。運搬車両３は、汎用トラックを改造してもよい。なお、運搬車両３は、自動運転が可能であってもよい。運搬車両３は、無人走行が可能な自動運転車両であってもよい。

　荷室３２は、四角い箱状である。図７～８に示すように、荷室３２の側面上部３２１は、上向きに回動する。荷室３２の側面下部３２２は、下向きに回動する。荷室３２の側面上部３２１および側面下部３２２がそれぞれ回動すると、荷室３２の内部が、運搬車両３の側方に大きく開放される。運搬車両３は、いわゆるウイングタイプのトラックである。荷室３２は、ドライバーの操作により開放される。なお、荷室３２の構造は、一例である。運搬車両３は、ウイングタイプのトラックに限定されない。荷室は、その後部扉が開閉する構造であってもよい。

　荷室３２には、積載部３３と荷役装置３４とが設置されている。

　積載部３３は、収容ユニット２を支持する。荷役装置３４は、積載部３３と保管部７との間における収容ユニット２の積み替えを、荷物ステーション１の積替装置８と連携して行う。

　　（積載部）
　図９に示すように、積載部３３は、複数のパレット３３０からなる。より具体的に、積載部３３は、第１、第２、第３、第４、および第５パレット３３０－１、３３０－２、３３０－３、３３０－４、３３０－５を有している。第１～第５パレット３３０－１～３３０－５は、前から後へ、この順に並んでいる。第１～第５パレット３３０－１～３３０－５は、互いに連結されることによって、一つの積載部３３を形成する。なお、積載部３３は、一つのパレットから構成されていてもよい。

　第１～第５パレット３３０－１～３３０－５は、実質的に同じである。第１～第５パレット３３０－１～３３０－５はそれぞれ、一つの収容ユニット２を支持する。運搬車両３は、最大５個の収容ユニット２を積載できる。なお、パレットの最大積載数は、任意である。以下において、第１～第５パレット３３０－１～３３０－５を総称する場合、パレット３３０と記す。

　各パレット３３０は、平板状の本体３３１を有している。本体３３１は、収容ユニット２の形状に対応する形状を有している。図９の例において、本体３３１は、前後方向よりも左右方向に長い、細長い形状を有している。本体３３１には、複数の支持ローラー３３２が取り付けられている。複数の支持ローラー３３２は、本体３３１の前部と後部とのそれぞれにおいて、左右方向に間隔を開けて位置している。各支持ローラー３３２は、本体３３１の上面から突出している。各支持ローラー３３２の軸は、前後方向に延びる。収容ユニット２は、支持ローラー３３２の上に載る。複数の支持ローラー３３２は、収容ユニット２を、左右方向に移動可能に支持する。支持ローラー３３２の摩擦低減効果によって、収容ユニット２は、パレット３３０に対し左右方向に相対移動できる。

　各パレット３３０は、ガイド３３３、３３３を有している。各ガイド３３３は、本体３３１の前端縁および後端縁のそれぞれに位置している。各ガイド３３３は、本体３３１から立ち上がっているとともに、左右方向に延びている。図９の下図に示すように、収容ユニット２の下端は、前後のガイド３３３に挟まれる。ガイド３３３は、左右に移動する収容ユニット２を左右方向に案内する。

　図１０に示すように、前後に向かい合うガイド３３３の間隔は、荷物ステーション１に近い側、つまり、左側において相対的に広く、荷物ステーション１から離れた側、つまり、右側において相対的に狭い（Ｗ１＜Ｗ２）。間隔Ｗ１は、収容ユニット２の前後長さに対応する。具体的には、間隔Ｗ１は、収容ユニット２の前後長さよりも僅かに大きい。また、間隔Ｗ２は、例えば、収容ユニット２の前後長さの１０５％～１３０％程度の大きさである。

　運搬車両３は、荷物ステーション１の側方に停車する。このときに、運搬車両３の向きが、荷物ステーション１に対してずれて、運搬車両３の前後軸が、荷物ステーション１に対し平行にならずに傾く場合がある。ドライバーが運搬車両３を運転する場合、運搬車両３の向きは、ずれる可能性がある。広い間隔Ｗ２は、左右方向に移動する収容ユニット２が前後に移動することを許容する。運搬車両３の前後軸が傾いていても、運搬車両３と荷物ステーション１との間における、収容ユニット２の積み替えが可能になる。

　　（位置合わせ機構）
　荷役装置３４は、積載部３３の位置を調整する位置合わせ機構３５を有している。位置合わせ機構３５は、停車した運搬車両３の車台に対して相対的に、積載部３３の位置を、収容ユニット２の並び方向（つまり、前後方向）、および、収容ユニット２の移動方向（つまり、左右方向）のそれぞれについて移動させる。位置合わせ機構３５は、図１１～１２に示すように、ベース３５１と、中間体３５２と、アクチュエータと、を有している。位置合わせ機構３５は、アクチュエータの一例として、第１アクチュエータ３５３と、第２アクチュエータ３５４と、を含む。位置合わせ機構３５はシンプルな構造を有している。シンプルな構造の位置合わせ機構３５は、運搬車両３の軽量化に有利である。

　なお、図１１～１２は、理解を容易にするために、第１パレット３３０－１のみを図示し、第２～第５パレット３３０－２～３３０－５の図示を省略している。

　ベース３５１は、荷室３２の床に固定されている。ベース３５１は、荷室３２の床部材そのものであってもよい。

　中間体３５２は平板状であって、ベース３５１よりも小さい。なお、中間体３５２の軽量化のために、中間体３５２には、二つの開口３５２１が形成されている。中間体３５２は、ベース３５１に重なるように、ベース３５１の上方に位置している。図例において中間体３５２は、ベース３５１に対し、左右方向に相対移動できる。なお、中間体３５２は、ベース３５１に対し、前後方向に相対移動できてもよい。

　中間体３５２の下面には、第１レール３５５が取り付けられている。第１レール３５５は、左右方向に延びる。第１レール３５５は、中間体３５２の前端部、後端部、および、中間部のそれぞれに取り付けられている。ベース３５１には、第１ローラー３５６が取り付けられている。第１ローラー３５６は、第１レール３５５に係合する。第１ローラー３５６は、中間体３５２が、ベース３５１に対して相対的に、左右方向に移動することを許容し、前後方向に移動することを抑制する。

　中間体３５２の上面には、第２レール３５７が取り付けられている。第２レール３５７は、前後方向に延びる。第２レール３５７は、中間体３５２の右端部、および、左端部のそれぞれに取り付けられている。第１～第５パレット３３０－１～３３０－５は、中間体３５２に重なるように、中間体３５２の上方に位置している。各パレット３３０の下面には、第２ローラー３５８が取り付けられている。第２ローラー３５８は、第２レール３５７に係合する。第２ローラー３５８は、第２レール３５７に沿って前後方向へ移動することが可能であり、左右方向に移動することができない。第２ローラー３５８と第２レール３５７との係合によって、積載部３３は、中間体３５２に対し相対的に、前後方向に移動できる。

　従って、積載部３３は、停車している運搬車両３の車台に対して、車体前後方向および車幅方向に相対移動することができる。

　第１アクチュエータ３５３は、シリンダチューブとロッドとを有する伸縮アクチュエータである。第１アクチュエータ３５３は、例えば電動アクチュエータとしてもよい。図１１に例示するように、第１アクチュエータ３５３は、パレット３３０と中間体３５２との間において、前後方向に伸縮するように配置されている。

　図１２（ｂ）に示すように、第１アクチュエータ３５３のシリンダチューブは、中間体３５２の上面に取り付けられている。第１アクチュエータ３５３のロッドは、第１パレット３３０－１の下面に取り付けられている。第１アクチュエータ３５３が伸縮すると、第１パレット３３０－１を含む積載部３３は、中間体３５２に対して相対的に、前後方向に移動する。

　第２アクチュエータ３５４も、シリンダチューブとロッドとを有する伸縮アクチュエータである。第２アクチュエータ３５４も、電動アクチュエータとしてもよい。第２アクチュエータ３５４は、中間体３５２とベース３５１との間において、左右方向に伸縮するように配置されている。

　図１２（ａ）に示すように、第２アクチュエータ３５４のシリンダチューブは、ベース３５１に取り付けられている。第２アクチュエータ３５４のロッドは、中間体３５２の下面に取り付けられている。第２アクチュエータ３５４が伸縮すると、中間体３５２および積載部３３は、ベース３５１に対して相対的に、左右方向に移動する。

　荷物ステーション１の側方に停車した運搬車両３の位置に応じて、運搬車両３の積載部３３の位置の調整が必要になる場合がある。例えば積載部３３と保管部７とが前後にずれている場合（図５のＧ１参照）、および／または、積載部３３が荷物ステーション１の右端から離れている場合（図６のＧ２参照）である。荷役装置３４の位置合わせ機構３５は、前述の通り、第１アクチュエータ３５３および第２アクチュエータ３５４を使って、ずれＧ１、Ｇ２が無くなるように、積載部３３の位置を調節する。積載部３３の位置調整は、収容ユニット１のスムースな積み替えを可能にする。

　また、運搬車両３の積載部３３の高さが、荷物ステーション１の保管部７の高さと一致するように、積載部３３の高さ調整が必要になる場合がある。積載部３３の高さは、例えば運搬車両３に予め搭載されているエアサスペンション３８（図６参照）が運搬車両３の車高を調整することにより、調整することができる。エアサスペンション３８も、位置合わせ機構３５に含まれる（図２９も参照）。

　なお、第１アクチュエータ３５３および第２アクチュエータ３５４はそれぞれ、伸縮アクチュエータに限らない。前後方向および／または左右方向について要求される位置調整代と、位置調整精度とを考慮して、第１アクチュエータ３５３および第２アクチュエータ３５４として、公知の、様々なアクチュエータが採用できる。

　　（パレットの分離）
　前述したように、第１～第５パレット３３０－１～３３０－５は、互いに連結されている。第１～第４パレット３３０－１～３３０－４はそれぞれ、図１０に示すように、連結具３３４を有している。第１パレット３３０－１の連結具３３４は、第１パレット３３０－１と第２パレット３３０－２とを連結する。第２パレット３３０－２の連結具３３４は、第２パレット３３０－２と第３パレット３３０－３とを連結する。第３パレット３３０－３の連結具３３４は、第３パレット３３０－３と第４パレット３３０－４とを連結する。第４パレット３３０－４の連結具３３４は、第４パレット３３０－４と第５パレット３３０－５とを連結する。

　連結具３３４は、第１～第４パレット３３０－１～３３０－４それぞれの本体３３１に取り付けられている。連結具３３４は、フック３３４１と、操作ロッド３３４２とからなるリンク機構を有している。フック３３４１は、本体３３１の左右方向の中央部に取り付けられている。フック３３４１は、突起３３４３に引っ掛かる。突起３３４３は、隣のパレット３３０の前端部に取り付けられている。フック３３４１が突起３３４３に引っ掛かると、隣合う二つのパレット３３０は、互いに連結される。フック３３４１は、図１０に一点鎖線で示すように、上下方向に延びる軸を中心に揺動する。フック３３４１は、突起３３４３に引っ掛かった状態と、突起３３４３から離れた状態とに切り替わる。

　操作ロッド３３４２は、フック３３４１の端に結合されている。操作ロッド３３４２は、本体３３１の中央部から、左端まで延びている。操作ロッド３３４２は、パレット３３０に載った収容ユニット２と、パレット３３０の本体３３１との隙間に位置する。荷室３２の左側に立ったドライバーまたはオペレーターが、図１０に矢印で示すように、操作ロッド３３４２を手で握って左右方向に押し引きすると、フック３３４１が揺動する。ドライバーまたはオペレーターは、パレット３３０に収容ユニット２が載っている状態であっても、隣合う任意の二つのパレット３３０が連結された状態と、連結が解除された状態とに切り替えることができる。

　なお、第５パレット３３０－５の後方にはパレットがないため、第５パレット３３０－５は連結具３３４を有していない。第５パレット３３０－５の前端部には、第４パレット３３０－４のフック３３４１が引っ掛かる突起３３４３が取り付けられている。

　図１０に示すように、第１～第５パレット３３０－１～３３０－５が互いに連結した積載部３３の前後長さは、中間体３５２の前後長さよりも短い。荷室３２には、収容ユニット２が位置しない空きスペースが設けられる。収容ユニット２の並び方向についての空きスペースは、前述した積載部３３の位置合わせにおいて、前後方向の調整代である。

　図９の下図に示すように、第１～第５パレット３３０－１～３３０－５が互いに連結した状態において、収容ユニット２同士の間隔は狭い。この状態では、オペレーターは、収容ユニット２に収容されている荷物２０にアクセスできない。

　隣合うパレット３３０の連結が解除されると、各パレット３３０は、前後方向に移動できる。より正確に、第２～第５パレット３３０－２～３３０－５には、第１アクチュエータ３５３が取り付けられていないため、連結が解除されれば、手動で前後方向に移動できる。図１３は、一例として、第２パレット３３０－２と第３パレット３３０－３との連結が解除されることによって、第３～第５パレット３３０－３～３３０－５を、後方へ移動させた状態を示している。これにより、第２パレット３３０－２と第３パレット３３０－３との間にスペースが設けられている。

　理解を容易にするために、図１３には収容ユニット２を描いていないが、オペレーターは、第２パレット３３０－２と第３パレット３３０－３との間のスペースに入って第３パレット３３０－３に載っている収容ユニット２の荷物２０にアクセスできる。オペレーターは、運搬車両３に収容ユニット２が積載された後においても、各収容ユニット２に収容されている各荷物２０にアクセスできる。荷物２０へのアクセスは、運搬システム１００の利便性を向上させる。

　なお、運搬車両３の走行中は、第１～第５パレット３３０－１～３３０－５を全て連結させ、第１アクチュエータ３５３および第２アクチュエータ３５４が動作を停止していることによって、積載部３３が前後方向および左右方向に移動することが抑制される。また、積載部３３に積載されている各収容ユニット２は、各パレット３３０のガイド３３３によって前後方向への移動が抑制されるとともに、荷室３２の左右の側壁（側面上部３２１および側面下部３２２を含む）によって、左右方向への移動が抑制される。また、積載部３３に積載されている各収容ユニット２は、荷室３２の天井壁によって、上下方向への移動が抑制される。

　　（無人移動体の搭載）
　図例の運搬車両３は、無人移動体５を搭載可能である。なお、運搬車両３は、無人移動体５を搭載できなくてもよい。

　運搬車両３は、図７～８に示すように、格納棚３６を有している。格納棚３６は、無人移動体５を格納する。格納棚３６は、互いに隔てられた複数の格納スペースを有している。図例の格納棚３６は、左右方向に三つの格納スペースが並びかつ、上下方向に二つの格納スペースが重なる。一つの格納スペースに、一台の無人移動体５が格納される。図例の運搬車両３は、最大６台の無人移動体５を搭載できる。なお、格納スペースの数は、図例に限定されない。

　格納棚３６は、荷室３２の後部に設置されている。各格納スペースは、運搬車両３の後方に向かって開放されている。

　運搬車両３の後端には、昇降装置３７が取り付けられている。昇降装置３７は、荷台３７１と、ポスト３７２とを有している。荷台３７１は、運搬車両３の車幅に対応する横幅と、少なくとも無人移動体５が載置できる前後長さを有している。荷台３７１はポスト３７２に支持されている。図８に矢印で示すように、ポスト３７２は、荷台３７１を昇降させる。

　荷台３７１は、図７に示すように、格納棚３６の後部の少なくとも一部を塞ぐ縦向きの状態と、図８に示すように、無人移動体５が載置される横向きの状態とに切り替わる。縦向きの状態は、荷台３７１の収納状態であり、横向きの状態は、荷台３７１の使用状態である。収納状態の荷台３７１は、運搬車両３の走行中に、無人移動体５が格納棚３６から落下することを抑制する。

　荷台３７１が格納スペースに対応する位置に位置づけられ、この状態で、無人移動体５が自走することにより、無人移動体５は、格納棚３６に出入りする（図８の矢印参照）。また、無人移動体５が載った荷台３７１が昇降することによって、無人移動体５は、地面と格納棚３６との間で移動できる（図８の矢印参照）。

　なお、停車中の運搬車両３から降ろされた無人移動体５は、例えばユーザー１０１へ荷物２０を運搬する。無人移動体５に予め荷物を積載しておいてもよい。無人移動体５はまた、ユーザー１０１から荷物２０を受け取るために、ユーザー１０１の元へ移動する。その後、無人移動体５は、運搬車両３へ戻ってきてもよいし、いずれかの荷物ステーション１へ行ってもよい。また、運搬車両３は、荷物ステーション１を出発してユーザー１０１へ荷物２０を渡した後の無人移動体５を搭載してもよい。また、運搬車両３は、荷物２０の運搬中に故障によって停止した無人移動体５をメンテナンスのためにピックアップしてもよい。

　（積替装置）
　図１４は、積替装置８の全体を示している。積替装置８は、後述の構造を有していることにより、運搬車両３と荷物ステーション１との間において、１または複数の収容ユニット２の積み替えを、効率的に行うことができる。

　保管部７の第１エリア７１および第２エリア７２は、複数の保管部に分かれている。第１エリア７１および第２エリア７２は、収容ユニット２の移動方向に直交する方向に、複数の保管部に分かれている。より具体的に、第１エリア７１および第２エリア７２は、図２、４～５に示すように、前後方向に、第１～第８保管部７－１～７－８に分かれている。第１～第８保管部７－１～７－８はそれぞれ、一つの収容ユニット２０を保管する。第１～第８保管部７－１～７－８はそれぞれ、一つの収容ユニット２０を、左右方向に移動可能に保管する。

　第１～第８保管部７－１～７－８は、運搬車両３の第１～第５パレット３３０－１～３３０－５に対応する。但し、第１～第８保管部７－１～７－８の方が、第１～第５パレット３３０－１～３３０－５よりも数が多い。保管部７は、予備の収容ユニット２を保管できる。予備の収容ユニット２には、例えば、ユーザー１０１から引き取った荷物２０が、収容される。

　第１エリア７１の第１～第８保管部７－１～７－８は、図１５に拡大して示すように、ガイド７０によって区切られている。第１エリア７１は、複数のガイド７０を有している。各ガイド７０は、保管部７の床面から立ち上がっているとともに、左右方向に延びている。収容ユニット２の下端部は、前後のガイド７０の間に挟まれる。保管部７のガイド７０も、積載部３３のガイド３３３と同様に、ガイド７０の前後間隔が一定ではない。ガイド７０の間隔は、右側において相対的に広く、左側において相対的に狭い（Ｗ３＞Ｗ４）。つまり、ガイド７０の間隔は、運搬車両３に近い側において広く、運搬車両３に遠い側において狭い。ガイド７０の間隔Ｗ４は、収容ユニット２の前後長さに対応する。具体的には、間隔Ｗ４は、収容ユニット２の前後長さよりも僅かに大きい。また、ガイド７０の間隔Ｗ３は、例えば、収容ユニット２の前後長さの１０５％～１３０％程度の大きさである。間隔Ｗ３は、積載部３３のガイド３３３の間隔Ｗ２に対応する（Ｗ３＝Ｗ２またはＷ３≒Ｗ２）。広い間隔Ｗ３は、左右方向に移動する収容ユニット２が前後に移動することを許容する。運搬車両３と荷物ステーション１との間において、収容ユニット２がスムースに積み替えられる。

　積替装置８は、第１～第８保管部７－１～７－８のそれぞれに、設置されている。従って、荷物ステーション１は、複数の積替装置８を有している。複数の積替装置８は、図３に示すように、前後方向に並んでいる。以下において、複数の積替装置８を区別する場合、前から後の順に、第１～第８の積替装置８－１～８－８と呼ぶ場合がある。第１～第８積替装置８－１～８－８は、全て同じである。

　積替装置８は、アーム８１と、駆動部８２とを有している。アーム８１は、荷物ステーション１の端、より詳細には、右端に設置されている。アーム８１は、運搬車両３と荷物ステーション１との間で、収容ユニット２を積み替える機能を有している。駆動部８２は、アーム８１の隣、より詳細には、アーム８１の左隣に設置されている。駆動部８２は、第１エリア７１において、左右方向に延びている。駆動部８２は、運搬車両３と荷物ステーション１との間で、収容ユニット２を積み替える際に、アーム８１と協働して、収容ユニット２を、左右に搬送する機能を有している。駆動部８２はまた、後述するように選択移動装置９を使って、収容ユニット２と無人移動体５との間で荷物２０を選択的に積み替える際に、収容ユニット２を、左右に搬送する機能も有している。

　図１５～１６は、アーム８１を拡大して示している。アーム８１は、複数のアームを含むリンク機構と、リンク機構の駆動源とを備えている。アーム８１は、具体的には、第１アーム８１１、第２アーム８１２、および、第１モータ８１３を備えている。アーム８１は、図１５に示すように、伸長状態と、折り畳み状態とに切り替わる。図１５において、第１～第３の積替装置８－１～８－３は、伸長状態であり、第４～第５の積替装置８－４～８－５は、折り畳み状態である。なお、図１６には、説明のために、状態が変化することに伴い向きを変えた第１アーム８１１、および、第２アーム８１２が、複数、描かれている。

　保管部７の第１エリア７１の右端には、図１６に矢印で示すように前後方向に移動可能なチャンネル７１１が設置されている。全てのアーム８１は、チャンネル７１１に取り付けられている。保管部７は、チャンネル７１１を前後に移動させる駆動装置を有している。チャンネル７１１を前後に移動させると、全てのアーム８１が同時に前後に移動する。各アーム８１が個別に前後移動できるようにしてもよい。

　第１モータ８１３は、チャンネル７１１に固定されている。第１モータ８１３は、減速機８１４を介して第１軸８１５に連結されている。第１軸８１５は、上下方向に延びているとともに、チャンネル７１１に対して回転可能に取り付けられている。第１モータ８１３が駆動すると、第１軸８１５は、正転方向および逆転方向に回転する。

　第１アーム８１１の第１端は、第１軸８１５に固定されている。第１軸８１５が回転すると、第１アーム８１１は、第１軸８１５とともに、正転方向および逆転方向に回転する。

　第１アーム８１１の第２端には、第２軸８１６が回転可能に取り付けられている。第２軸８１６は、第１アーム８１１に対して相対的に、正転方向および逆転方向に回転できる。第２アーム８１２の第１端は、第２軸８１６に固定されている。第２軸８１６が回転すると、第２アーム８１２は、第１アーム８１１に対して相対的に、正転方向および逆転方向に回転する。第２アーム８１２の第２端には、上向きに突出する搬送ピン８１７が取り付けられている。搬送ピン８１７は、収容ユニット２の下面に取り付けられている係合部２１に係合する。係合部２１は、下向きに開口した横断面逆Ｕ字状であり、その凹部は、前後それぞれに開口している（図１７も参照）。

　第１軸８１５と回転中心が一致するように、チャンネル７１１には固定側スプロケットが固定されている。第１モータ８１３を駆動することにより、第１アーム８１１は、減速機８１４および第１軸８１５を介して動力伝達され、チャンネル７１１に対して回転する。これにより、第１アーム８１１は、当該固定側スプロケットに対して相対的に回転する。第２軸には旋回スプロケットが固定されている。固定側スプロケットと旋回スプロケットとにはチェーン８１８が巻き掛けられている。

　固定側スプロケットと旋回スプロケットとの歯数比ｒ（＝固定側スプロケットの歯数／旋回スプロケットの歯数）は、１＜ｒ＜３になるように設定されている。ｒは、２に近い方が好ましい。第１モータ８１３が駆動した際、第１アーム８１１に対する旋回スプロケットの回転角は、第１アーム８１１に対する固定側スプロケットの回転角よりも大きい。

　図１６には、アーム８１の折り畳み状態（網かけを付して示す）と、アーム８１の伸長状態と、アーム８１の受け渡し状態と、の三つの状態が描かれている。アーム８１の折り畳み状態は、第１アーム８１１と第２アーム８１２とが上下に重なった状態である。この状態では、第１アーム８１１および第２アーム８１２はともに、前後方向に延びる向きである。アーム８１の伸長状態は、第１アーム８１１と第２アーム８１２とが実質的に重ならない状態である。この状態では、第１アーム８１１および第２アーム８１２はともに、保管部７から右方向へ延びる向きである。第１アーム８１１および第２アーム８１２は、運搬車両３へ向かって延びる。アーム８１の受け渡し状態は、アーム８１の折り畳み状態に類似している。アーム８１の受け渡し状態は、第１アーム８１１と第２アーム８１２とが実質的に上下に重なった状態である。この状態では、第２アーム８１２は、左方向へ傾く。第２アーム８１２は、駆動部８２へ近づく。

　次に、アーム８１が、運搬車両３から荷物ステーション１へ収容ユニット２を積み替える手順を説明する。

　アーム８１の折り畳み状態において、第１モータ８１３の駆動によって第１軸８１５が正転方向に回転する。すると、第１アーム８１１が正転方向に回転することによって、第１アーム８１１は右方向へ延びる向きとなる。第２アーム８１２は、第１アーム８１１の回転に伴い右方向へ移動しながら、チェーン８１８によって第１アーム８１１に対し相対的に回転する。第２アーム８１２も右方向へ延びる向きとなって、アーム８１は伸長する。アーム８１の伸長状態において、搬送ピン８１７は、左右方向について収容ユニット２の係合部２１に対応する位置に位置づけられる。なお、運搬車両３の荷役装置３４によって、各収容ユニット２の係合部２１は、所定の位置に位置づけられている。

　ここで、アーム８１が折り畳み状態から伸長状態へ移行する前に、チャンネル７１１は、前方（または後方）へ移動しており、これにより、アーム８１が伸長状態へ移行したときに、搬送ピン８１７と係合部２１とは前後方向に位置がずれている（図１６の一点鎖線参照）。この状態で、チャンネル７１１が後方（または前方）へ移動することにより、搬送ピン８１７が、係合部２１に対して前または後へ相対的に移動をして、搬送ピン８１７が係合部２１に係合する（図１６の実線および図１７参照）。

　搬送ピン８１７が係合部２１に係合すれば、前記とは逆の動作によって、アーム８１は伸長状態から折り畳み状態へ移行する。搬送ピン８１７は、右から左へ移動するため、運搬車両３の積載部３３に積載されている収容ユニット２が、右から左へ移動する。

　アーム８１が折り畳み状態になった後も、第１モータ８１３の駆動が継続される。第１アーム８１１は、前後方向に延びる向きから、左方向へ傾き、第２アーム８１２も、前後方向に延びる向きから、左方向へ傾く。搬送ピン８１７は、折り畳み状態よりもさらに左方向へ移動する。搬送ピン８１７は、駆動部８２へ、収容ユニット２を受け渡す位置に位置づけられる。より詳細に、搬送ピン８１７の位置は、後述する駆動部８２の二つのチェーン８２４の間の位置である。

　アーム８１が受け渡し状態になった後、チャンネル７１１が、前方（または後方）へ移動することによって、搬送ピン８１７と係合部２１との係合が解除される。その後、第１モータ８１３が駆動することにより、アーム８１は、受け渡し状態から折り畳み状態へ移行する。その後、後述するように、収容ユニット２はアーム８１から駆動部８２に受け渡され、駆動部８２は、収容ユニット２を左方向へ搬送する。運搬車両３から荷物ステーション１への収容ユニット２の積み替えが完了する。

　なお、アーム８１が、荷物ステーション１から運搬車両３へ収容ユニット２を積み替える手順は、前記とは逆になる。

　運搬車両３の荷役装置３４と、荷物ステーション１の積替装置８との連携によって、運搬車両３と荷物ステーション１との間において、収容ユニット２をスムースに積み替えることができる。

　第１～第８保管部７－１～７－８にはそれぞれ、図１４および１８に示すように、複数の支持ローラー７５が取り付けられている。複数の支持ローラー７５は、パレット３３０の支持ローラー３３２と同様に、収容ユニット２を、左右方向に移動可能に支持する。複数の支持ローラー７５は、各保管部７－１～７－８の第１エリア７１および第２エリア７２のそれぞれの前部および後部において、左右方向に間隔を開けて位置している。各支持ローラー７５は、各保管部７－１～７－８の床面から突出している。各支持ローラー７５の軸は、前後方向に延びる。

　駆動部８２は、チェーン搬送機構と、チェーン搬送機構の駆動源とを有している。より詳細に、駆動部８２は、図１４に示すように、第２モータ８２１と、駆動スプロケット８２２と、従動スプロケット８２３と、チェーン８２４とを有している。駆動部８２は、図１８に示すように、前後方向に隣り合う支持ローラー７５の間であって、収容ユニット２の下側に位置する。

　駆動スプロケット８２２は、保管部７の第１エリア７１における左端に設置されている。駆動スプロケット８２２の軸の向きは、前後方向である。駆動スプロケット８２２は、前後方向に間隔を空けて設置された一対のスプロケットからなる。一対のスプロケットは、一体に回転するよう互いに連結されている。第２モータ８２１は、チェーンを介して、駆動スプロケット８２２に連結されている。第２モータ８２１が駆動すると、駆動スプロケット８２２は、正転方向または逆転方向に回転する。

　従動スプロケット８２３は、第１エリア７１における右端に設置されている。従動スプロケット８２３の軸の向きは、前後方向である。図１６～１７に示すように、従動スプロケット８２３も、駆動スプロケット８２２と同様に、前後方向に間隔を空けて設置された一対のスプロケットからなる。一対のスプロケットは、一体に回転するよう互いに連結されている。

　チェーン８２４は、駆動スプロケット８２２および従動スプロケット８２３に巻き掛けられている。駆動スプロケット８２２および従動スプロケット８２３がそれぞれ一対のスプロケットからなるため、チェーン８２４は、一対のスプロケットのそれぞれに巻き掛けられる。従って、チェーン８２４は、一対のチェーンを含んでいる。一対のチェーンは、前後方向に間隔を空けて、それぞれ左右方向に延びている。駆動スプロケット８２２が正転方向または逆転方向に回転すると、チェーン８２４は、左右方向に走行する。

　一対のチェーンには、図１６または１７に示すように、搬送バー８２５が取り付けられている。搬送バー８２５は、一対のチェーン同士を架け渡すように配置され、一対のチェーンのそれぞれに固定されている。チェーン８２４が走行すると、搬送バー８２５は、左方向または右方向へ移動する。

　搬送バー８２５は、収容ユニット２の係合部２１に係合する。搬送バー８２５が係合部２１に係合している状態でチェーン８２４が走行すると、収容ユニット２が、左方向または右方向へ移動する。

　なお、一対のチェーンには、図１４に示すように、複数の搬送バー８２５が取り付けられている。複数の搬送バー８２５は、収容ユニット２の左右の長さに対応する間隔を空けて、チェーン８２４に取り付けられている。収容ユニット２の下面には、その右端と左端とのそれぞれに、係合部２１が取り付けられている（図２１も参照）。

　チェーン８２４と収容ユニット２のとの間において、（１）一つの搬送バー８２５が右の係合部２１にのみ係合する、（２）一つの搬送バー８２５が左の係合部２１にのみ係合する、または、（３）二つの搬送バー８２５が右の係合部２１と左の係合部２１との両方に係合する。図１４に示すように、搬送バー８２５が右の係合部２１に係合することによって、駆動部８２は、収容ユニット２を第２エリア７２にまで搬送できる。また、搬送バー８２５が左の係合部２１に係合することによって、駆動部８２は、収容ユニット２を運搬車両３にまで搬送できる。

　ここで、アーム８１と駆動部８２との間での、収容ユニット２の受け渡しについて、図１６を参照しながら説明する。前述したように、アーム８１が受け渡し状態になった後、搬送ピン８１７と係合部２１との係合が解除される。このときに、収容ユニット２の係合部２１は、一点鎖線で示すように、従動スプロケット８２３の近傍における、一対のチェーン８２４の間に位置している。この状態で、駆動部８２のチェーン８２４が、右から左へ走行すると、搬送バー８２５が、係合部２１に対して下から進入して、係合部２１に係合する。アーム８１から駆動部８２へ、収容ユニット２が受け渡される。アーム８１から駆動部８２へ収容ユニット２が受け渡されれば、チェーン８２４が左右方向に走行することに伴い、収容ユニット２は、第１エリア７１から第２エリア７２までの間を、左右方向に往復移動する。

　なお、駆動部８２からアーム８１への収容ユニット２の受け渡しは、前記とは逆の手順で行われる。

　図１９に示すように、第２エリア７２も、第１～第８保管部７－１～７－８に分割されている。第２エリア７２には、ガイド７６と支持ローラー７５とが設置されている。ガイド７６は、第２エリア７２において、第１～第８保管部７－１～７－８を区切っている。第２エリア７２も、複数のガイド７６を有している。各ガイド７６は、保管部７の床面から立ち上がっているとともに、左右方向に延びている。収容ユニット２の下端は、前後のガイド７６の間に挟まれる（図１４参照）。第２エリア７２のガイド７６と、第１エリア７１のガイド７０とは、連続していない。後述する選択移動装置９が、第３エリア７３において前後方向に移動するためである。なお、ガイド７６の前後間隔は一定である。ガイド７６の間隔は、収容ユニット２の前後長さよりも僅かに大きい。

　ここで、保管部７は、互いに独立した複数の積替装置８を有している。複数の積替装置８は、運搬車両３の積載部３３と保管部７との間において、複数の収容ユニット２を、個別に積み替えることができる。また、複数の積替装置８は、同時に駆動することにより、複数の収容ユニット２を、同時に積み替えることができる。運搬車両３の荷室３２の内部が、運搬車両３の側方に大きく開放されるため、複数の積替装置８は、多数の収容ユニット２を、同時に積み替えることができる。複数の収容ユニット２の同時積み替えは、運搬車両３と荷物ステーション１との間の、収容ユニット２の積み替え時間を短縮させる。運搬システム１００の積み替え効率が向上する。

　また、複数の積替装置８は、保管部７において、複数の収容ユニット２を、個別に移動させることができるとともに、複数の収容ユニット２を、同時に移動させることができる。

　図１８は、保管部７のロックピン７７を示している。ロックピン７７は、収容ユニット２に係合しかつ、収容ユニット２が左右方向へ移動しないように、収容ユニット２を拘束する。ロックピン７７は、収容ユニット２の拘束機構である。ロックピン７７は、保管部７の第１エリア７１において、第１～第８保管部７－１～７－８毎に設けられている。保管部７は複数のロックピン７７を有している。ロックピン７７は、第１エリア７１における左右方向の中央部に位置している。ロックピン７７は、前後方向に延びるとともに、矢印で示すように、前または後へ移動できる。図１４に示すように、収容ユニット２の下面における、左右の中央部には、ロック孔２２が設けられている。ロックピン７７は、ロック孔２２に進入した状態と、ロック孔２２から外れた状態と、に切り替わる。ロックピン７７がロック孔２２に進入すれば、ロックピン７７が収容ユニット２を拘束する。収容ユニット２が第１エリア７１において、移動しないようように保管される。複数のロックピン７７は、複数の収容ユニット２を個別に拘束できる。

　（収容ユニット）
　図２０～２１は、収容ユニット２を例示している。収容ユニット２は、後述の構造を有していることにより、複数の荷物２０を収容しつつ、運搬車両３と荷物ステーション１との間の効率的な荷物２０の積み替え、および、無人移動体５への効率的な荷物２０の分配を、実現する。

　収容ユニット２は、前述したように、ラックである。収容ユニット２は、複数の荷物２０を収容できる。図例において、収容ユニット２は、上下方向に四つに分割され、左右方向に三つに分割されている。収容ユニット２は、上から下の順に、第１段、第２段、第３段、および、第４段に分かれるとともに、右から左の順に、第１列、第２列、および、第３列に分かれる。収容ユニット２は、１２個の収容スペースを有していて、最大１２個の荷物を収容できる。なお、収容ユニット２の最大収容個数は、特定の数に限定されない。

　ここで、運搬システム１００において、収容ユニット２に収容される荷物２０は、荷物パレット２３に載せられている。また、後述するように、荷物２０は荷物パレット２３ごと、収容ユニット２と無人移動体５との間で積み替えられる。荷物パレット２３の利用は、荷物２０の形状および／または大きさに関わらず、収容ユニット２と無人移動体５との間において実際に積み替えられる対象物を、統一できるという利点がある。また、荷物パレット２３の利用は、荷物２０の積み替えの際、荷物２０に直接触れなくてもよいというメリットがある。

　図２２は、荷物パレット２３を例示している。荷物パレット２３は、本体２３１と、背板２３２とを有している。本体２３１には、荷物２０が載置される。本体２３１は、四角い平板である。本体２３１の周囲には、囲い２３３が取り付けられている。囲い２３３は、荷物パレット２３が移動する際（運搬車両３による荷物２０の運搬時、荷物２０の積み替え時、無人移動体５による荷物２０の運搬時）に、荷物２０が本体２３１から落下することを抑制する。背板２３２は、本体２３１の後部に取り付けられている。背板２３２は、上下および左右に広がる。図２５に示すように、背板２３２は、荷物パレット２３が無人移動体５に載せられた場合に、無人移動体５の荷室５２の後壁になる。なお、本体部２３１および囲い２３３は、図２２の構造に限らない。本体部は、天井壁を有する箱であってもよい。また、本体部は、上下の段付きにして上段と下段にそれぞれ荷物２０を搭載してもよい。

　背板２３２の後面には、フック２３４が取り付けられている。フック２３４は、図２６または２７に示すように、上下に揺動する。フック２３４は、図示省略のスプリングにより下方向に付勢される。フック２３４は、後述するように、収容ユニット２のパーチ２４に引っ掛かる（図２３参照）。フック２３４は、荷物パレット２３が収容ユニット２から落下することを抑制する。背板２３２の後面にはまた、係合バー２３５が取り付けられている。係合バー２３５は、後述するように、荷物パレット２３の積み替え時に利用される。

　収容ユニット２の各収容スペースは、前方に開放されている。収容ユニット２は、収容ユニット２の移動方向および上下方向に直交する方向に、荷物２０および荷物パレット２３が出し入れされる構造を有している。この構造の収容ユニット２と、後述する構造の選択移動装置９とが組み合わさることによって、荷物２０が選択的に出し入れされる。

　各収容スペースには、載置ローラー２５が取り付けられている。載置ローラー２５は、各収容スペースにおける左右の両側に配置されている。左右の載置ローラー２５の間には、スペース２６が設けられている（図２１参照）。

　載置ローラー２５は、図２７にも示すように、前後方向に並んだ複数のローラーによって構成されている。各ローラーの軸は左右方向に延びる。荷物パレット２３は、左右の載置ローラー２５の上に置かれる。載置ローラー２５は、荷物パレット２３を支持するとともに、荷物パレット２３が前後方向に移動する際の抵抗を低減する。

　収容ユニット２の後部には、複数のビーム２７が取り付けられている。ビーム２７は、収容ユニット２の左端と右端とを架け渡すように、左右に延びている。複数のビーム２７は、上下に間隔を空けて、収容ユニット２に取り付けられている。ビーム２７は、各収容スペースに収容された荷物パレット２３の背板２３２に干渉することによって、荷物パレット２３の落下を抑制する。

　各収容スペースの後部には、パーチ２４が取り付けられている。パーチ２４は、ビーム２７に固定されている。パーチ２４は、各収容スペースにおける左右方向の中央部に位置している。パーチ２４は、左右方向に延びている。図２３に拡大して示すように、パーチ２４には、荷物パレット２３のフック２３４が引っ掛かる。

　前述の通り、収容ユニット２の下面には、二つの係合部２１と、ロック孔２２とが設けられている。係合部２１は、収容ユニット２の右端と左端とのそれぞれに取り付けられている。係合部２１は、下向きに開放された凹部を有している。係合部２１には、搬送ピン８１７または搬送バー８２５が係合する。ロック孔２２は、収容ユニット２の左右の中央部に取り付けられている。ロック孔２２は、前後方向に開口する貫通孔である。ロック孔２２には、ロックピン７７が挿入される。

　（無人移動体）
　図２４～２５は、無人移動体５を例示している。無人移動体５は、後述の構造を有していることにより、運搬システム１００において荷物２０の運搬を効率化する。

　無人移動体５は、バッテリ５１が搭載された四輪の電動車両であって、地面の上を自律走行する。無人移動体５は、公知のＵＧＶを改造前のベース車両として利用することができる。

　無人移動体５は、箱状の荷室５２を有している。荷室５２は、後方に開口している。荷室５２の底面には、ローラー５３が設置されている。ローラー５３は、荷物パレット２３を載せ替える際の抵抗を低減する。前述の通り、荷物パレット２３が無人移動体５の荷室５２に積載されると、荷室５２の後部開口が、荷物パレット２３の背板２３２によって塞がれる。この構造は、無人移動体５に後部開閉扉と後部開閉扉の開閉機構を設ける必要がなくなるので、無人移動体５を軽量化する。無人移動体５の軽量化は、無人移動体５の電費性能を高めるから、走行距離が長くなる。運搬システム１００の運搬効率を高める。

　荷室５２内の前部には、ピン５４が設けられている。ピン５４は、荷室５２内に進退する。荷物パレット２３の前端には、図２２に示すように、ピン孔２３６が設けられている。ピン５４は、ピン孔２３６に挿入する。荷物パレット２３が荷室５２に積載されかつ、ピン５４が荷室５２内に突出すると、荷物パレット２３がピン５４によって拘束される。

　荷室５２の上部は、蓋５２１によって塞がれている。蓋５２１は、図２４に一点鎖線で示すように、上向きに開く。蓋５２１は、電磁的にロックされるとともに、機械的にもロックされる。ユーザー１０１は、無人移動体５の蓋５２１を開ける場合、端末１０６を使って、近距離無線通信を介して電磁ロックを解除するとともに、荷室５２の側面の解除ボタン５２２を操作することによって、機械ロックを解除する。二つのロックを解除することによって、無人移動体５とユーザー１０１との間における荷物の受け渡しを、安全に行うことができる。なお、蓋５２１は、荷室５２の上部に設けるものに限らず、荷室の側面に複数設けるものであってもよい。

　なお、無人移動体５の荷室５２の構造は例示である。無人移動体５の荷室には、様々な構造の荷室が採用できる。

　（選択移動装置）
　図１９、２６～２７は、選択移動装置９を示している。選択移動装置９は、収容ユニット２と無人移動体５との間の荷物２０の積み替えを、効率的に行う。

　選択移動装置９は、昇降部９１、水平移動部９２および移載部９３を有している。昇降部９１は、無人移動体５を昇降させる機能を有している。水平移動部９２は、無人移動体５を、収容ユニット２の並び方向である前後方向に搬送する機能を有している。移載部９３は、収容ユニット２と無人移動体５との間で、荷物パレット２３を積み替える機能を有している。

　昇降部９１は、昇降台９１１と、昇降ガイド９１２とを有している。昇降台９１１は、平板状の部材である。無人移動体５は、昇降台９１１に載る。昇降ガイド９１２は、昇降台９１１を、昇降可能に支持する。昇降ガイド９１２は、一対の縦レール９１２ａと、それぞれの縦レール９１２ａ内に摺動自在に挿入されたスライダ９１２ｂと、を有している。一対の縦レール９１２ａはそれぞれ、上下方向に延びている。一対の縦レールは、前後方向に間隔を空けて配置されている。スライダ９１２ｂは上下方向に延びている。スライダ９１２ｂの下端部には、昇降台９１１が取り付けられている。

　縦レール９１２ａの上端は、保管部７の天井付近に位置している。保管部７の第３エリア７３において、保管部７と待機場１０とを仕切る仕切壁７３ａには、連通口７３１が形成されている（図５および図１９参照）。連通口７３１は、保管部７と待機場１０とを連通させる。縦レール９１２ａの下端は、仕切壁７３ａ上面近傍まで延びている。昇降台９１１が仕切壁７３ａよりも上方に位置する場合、昇降ガイド９１２は、仕切壁７３ａに干渉することなく前後方向に移動できる。昇降台９１１を待機場１０に降ろす際には、スライダ９１２ｂの下端が、連通口７３１を通って縦レール９１２ａの下端よりも下方に下降する（図４参照）。昇降台９１１は、連通口７３１を通じて、保管部７と待機場１０との間を行き来できる。

　無人移動体５は、待機場１０において自走することにより、昇降台９１１に載る。昇降ガイド９１２は、無人移動体５が載った昇降台９１１を上昇させて、待機場１０から保管部７へ無人移動体５を移動させる。また、昇降ガイド９１２は、無人移動体５が載った昇降台９１１を下降させて、保管部７から待機場１０へ無人移動体５を移動させる。無人移動体５は、待機場１０において自走することにより、昇降台９１１から降りる。

　水平移動部９２は、第３エリア７３において、昇降部９１を前後方向に移動させる。水平移動部９２は、上下一対の前後レール９２１を有している（図４も参照）。前後レール９２１は保管部７に固定されている。前後レール９２１は、昇降部９１を、前後方向に移動可能に支持する。昇降部９１は、水平移動部９２によって、第３エリア７３における前端から後端まで移動できる。

　移載部９３は、荷物パレット２３を、移載方向に、収容ユニット２に対し相対的に移動させる機能を有している。移載方向は、収容ユニット２の移動方向および上下方向に直交する方向であって、図例の荷物ステーション１では、前後方向である。移載部９３は、図２６に示すように、昇降台９１１に固定されている。移載部９３は、昇降台９１１の後端から、後方へ延びている。移載部９３は、スライダ９３１と、ボールねじ機構９３２とを有している。ボールねじ機構９３２は、スライダ９３１を前後方向に移動させる。スライダ９３１は、ガイド９３３に支持されているとともに、ボールねじ機構９３２のナット９３４に固定されている。ガイド９３３は、ボールねじ機構９３２のねじ棒と平行である。ガイド９３３は、キー付の軸である。ボールねじ機構９３２の駆動によって、ナット９３４が前後方向に往復移動することに伴い、スライダ９３１は、ガイド９３３に沿って、前後方向に往復移動する。

　スライダ９３１は、回動係合部９３５を有している。回動係合部９３５は、一対の係合片９３５ａを有している。一対の係合片９３５ａは、前後方向に間隔を空けて設けられている。この間隔は、荷物パレット２３の係合バー２３５の大きさに対応する。一対の係合片９３５ａは、係合バー２３５を間に挟むことができる。回動係合部９３５はまた、ガイド９３３の軸心を中心にガイド９３３とともに回動できる。回動係合部９３５の回動に伴い、一対の係合片９３５ａは、図２６の上図に示す係合バー２３５との係合が解除された状態と、下図に示す係合バー２３５と係合した状態とに切り替わる。なお、ボールねじ機構９３２は図示省略の駆動モータによって駆動される。また、ガイド９３３は、図示省略のロータリソレノイドによって回転駆動される。これら図示省略の駆動モータ、ロータリソレノイドは、昇降台９１１に取り付けられている。

　ここで、図１９および図２７を参照しながら、収容ユニット２と無人移動体５との間の荷物２０の積み替えについて説明する。収容ユニット２に収容されている荷物パレット２３のフック２３４は、前述したように、パーチ２４に引っ掛かっている（図２７の拡大図２７１を参照）。

　先ず、積替装置８の駆動部８２が、積み替え対象の荷物パレット２３を収容している収容ユニット２を、左右方向に移動させる。収容ユニット２の第１列、第２列、または、第３列が、第３エリア７３に位置付けられる。図１９に例示されるように、積み替え対象の荷物パレット２３が、第３エリア７３に位置づけられる。

　選択移動装置９の昇降部９１は、昇降台９１１を昇降させる。昇降台９１１は、第１段、第２段、第３段、または、第４段の高さ位置に位置付けられる。昇降部９１は、積み替え対象の荷物パレット２３の高さに対応する高さに、昇降台９１１を位置づける。このときに、昇降部９１は、収容ユニット２の前方に位置している。そして、選択移動装置９の水平移動部９２は、昇降部９１を後方へ移動させる。移載部９３が、収容ユニット２のスペース２６（図２１参照）を通り、移載部９３の後端は、収容ユニット２の後端よりも後方に突出する。昇降台９１１に載った無人移動体５と積み替え対象の荷物パレット２３とが、前後に隣合う（図２７参照）。このときに、移載部９３のスライダ９３１は、移載部９３の後端部に位置しかつ、係合解除状態にある（図２６上図の一点鎖線参照）。

　移載部９３は、係合解除状態にあるスライダ９３１の回動係合部９３５を回動させて、一対の係合片９３５ａを、荷物パレット２３の係合バー２３５に係合させる。このときに、図２７の拡大図２７２に示すように、係合片９３５ａは、荷物パレット２３のフック２３４の下部に当たってフック２３４を上方に持ち上げる。この際、係合片９３５ａは、図示省略のスプリングの付勢力に抗してフック２３４を上方に持ち上げる。フック２３４がパーチ２４から外れる。

　一対の係合片９３５ａが係合バー２３５と係合した状態で、ボールねじ機構９３２の駆動によりスライダ９３１が前方へ移動する。これに伴い、荷物パレット２３が前方へ移動する。荷物パレット２３は、無人移動体５の荷室５２の後端開口から、荷室５２へ進入する。

　図２６の下図に示すように荷物パレット２３の進入が完了すれば、スライダ９３１の回動係合部９３５が回動することにより、一対の係合片９３５ａが係合バー２３５から外れる（図２６の上図参照）。また、無人移動体５のピン５４が荷物パレット２３のピン孔２３６に挿入される。こうして、収容ユニット２から無人移動体５への荷物パレット２３の積み替えが完了する。

　なお、無人移動体５から収容ユニット２への荷物パレット２３の積み替えは、前記とは逆の手順で行われる。

　収容ユニット２の移動方向に対し直交する２方向に、選択移動装置９は、無人移動体５を移動させることができる。荷物ステーション１は、一方向に並んだ複数の収容ユニット２のうちの任意の収容ユニット２について、任意の位置の荷物２０を、収容ユニット２と無人移動体５との間で積み替えることができる。荷物ステーション１における荷物２０の積み替えが、比較的簡易な構造で実現する。

　また、荷物ステーション１の保管部７における収容ユニット２の移動方向は、運搬車両３と荷物ステーション１との間の収容ユニット２の積替方向と一致している。荷物ステーション１の積替装置８は、運搬車両３と荷物ステーション１との間の収容ユニット２の積替と、保管部７における収容ユニット２の移動との両方を行う。荷物ステーション１の構造が簡略である。また、積替装置８が保管部７において収容ユニット２を左右方向に移動させることは、複数の収容ユニット２のそれぞれについて荷物の積み替えを可能にしながら、荷物ステーション１の設置面積を小さくすることを可能にする。

　ここで、移載部９３が収容ユニット２のスペース２６を通過する前に、移載部９３の後端は収容ユニット２よりも前方に位置しなければならない。移載部９３は、昇降台９１１の後端から後方に突出しているため、無人移動体５を乗せた昇降台９１１は、積み替え対象の収容ユニット２よりもさらに前方に位置づけられる。

　保管部７において最も前に位置する第１保管部７－１の収容ユニット２が積み替え対象である場合、昇降台９１１および移載部９３は、第１保管部７－１よりもさらに前方に位置づけられる必要がある。昇降台９１１および移載部９３と保管部７の前壁７０１との干渉を避けるために、前壁７０１は、図２～５に示すように、前方に膨出した膨出部７０４を有している。昇降部９１は、膨出部７０４内に位置することにより、第１保管部７－１の収容ユニット２に対して、移載部９３を貫通させることができる。

　（荷物受渡部）
　図２～５に示すように、保管部７の第３エリア７３には、荷物受渡部７０５が設けられている。荷物受渡部７０５は、ユーザー１０１と荷物ステーション１との間で、荷物２０を直接受け渡す際に利用される。ユーザー１０１が荷物ステーション１へ荷物２０を受け取りに来た場合、または、ユーザー１０１が荷物ステーション１へ運搬対象の荷物２０を預けに来た場合に、ユーザー１０１は、荷物受渡部７０５を利用する。荷物ステーション１は、荷物２０の運搬の中継だけでなく、ユーザー１０１との間の荷物２０の受け渡しの窓口機能を有する。荷物受渡部７０５は、ユーザー１０１の利便性を向上させる。

　荷物受渡部７０５は、荷物ステーション１の後壁７０２に設けられている。荷物受渡部７０５は、後壁７０２から後方へ突出している。保管部７の下側に待機場１０があるため、荷物受渡部７０５は、地上から離れている。ユーザー１０１が荷物受渡部７０５にアクセスできるよう、ステップ７０６が設けられている。

　前述したように、選択移動装置９は、昇降台９１１に無人移動体５を載せた状態で、前後方向に移動できる。選択移動装置９は、無人移動体５を使って、収容ユニット２と荷物受渡部７０５との間で、荷物２０を運搬する。

　荷物受渡部７０５の内部は、図２８に示すように、保管部７の第３エリア７３につながっている。荷物受渡部７０５の内部には、載置ローラー７０７と、パーチ７０８が設置されている。これらは、収容ユニット２の載置ローラー２５およびパーチ２４と同じである。前述した手順に従って、荷物受渡部７０５と無人移動体５との間で、荷物２０および荷物パレット２３が積み替えられる。

　保管部７の外側において、荷物受渡部７０５の上部には扉７０９が取り付けられている。荷物受渡部には、扉７０９をロックする電磁ロックが取り付けられている。電磁ロックが解除されて扉７０９が開くと、荷物受渡部７０５の内部が外に開放される。ユーザー１０１は、荷物受渡部７０５から荷物２０を取り出したり、荷物受渡部７０５の中へ荷物２０を置いたりできる。なお、荷物２０は、荷物受渡部７０５の中に置かれている空の荷物パレット２３に載せられる。

　荷物ステーション１の後壁７０２には、タッチパネル７１０が設置されている。タッチパネル７１０は、表示装置、兼、操作装置である。なお、表示装置と、操作装置とは、分かれていてもよい。荷物ステーション１に来たユーザー１０１は、タッチパネル７１０を使って所定の操作を行うことにより、荷物受渡部７０５を通じて、荷物２０の受け渡しを行うことができる。

　なお、ユーザー１０１が荷物２０を引き渡した場合、選択移動装置９は、荷物パレット２３を荷物受渡部７０５から無人移動体５へ積み替える。選択移動装置９はまた、所定の収容ユニット２に、ユーザー１０１が引き渡した荷物２０を収容する。無人移動体５が、ユーザー１０１から引き渡された荷物２０を、別の荷物ステーション１に直接運搬することもできる。

　（運搬システムの制御）
　図２９は、運搬車両３の制御構成を例示するブロック図である。運搬車両３は、少なくとも、ＧＮＳＳ（Global Navigation Satellite System）受信機３０１、移動通信部３０２、近距離無線通信部３０３、位置センサ３０４、位置合わせ機構３５、昇降装置３７、操作装置３０５、および、制御部３０６を有している。制御部３０６は、各デバイスに対して、信号の送受可能に接続されている。

　ＧＮＳＳ受信機３０１は、測位衛星からの測位用信号を受信する。制御部３０６は、受信した測位用信号に基づいて、運搬車両３の位置を判断する。

　移動通信部３０２は、広域通信網１０５を通じた通信を行う。制御部３０６は、例えば運搬車両３の位置を、移動通信部３０２を通じて管理センター１０４へ送る。また、制御部３０６は、例えば収容ユニット２の積み替えを行う荷物ステーション１の情報を、管理センター１０４から移動通信部３０２を通じて受ける。

　近距離無線通信部３０３は、荷物ステーション１との間において、近距離無線によって通信を行う。制御部３０６は、例えば運搬車両３と荷物ステーション１との間で収容ユニット２の積み替えを行う際に、近距離無線通信部３０３を通じて、荷物ステーション１との間で、情報のやり取りを行う。近距離無線通信部３０３はまた、無人移動体５との間において、近距離無線によって通信を行う。制御部３０６は、搭載している無人移動体５を使って荷物２０を運搬する場合、近距離無線により、当該無人移動体５と通信を行う。制御部３０６は、無人移動体５を運搬車両３から降ろす際、または、無人移動体５を運搬車両３へ積み込む際に、昇降装置３７を利用する。

　位置センサ３０４は、運搬車両３が荷物ステーション１の横に停車した後、積載部３３と荷物ステーション１との相対位置を計測する。位置センサ３０４は、例えば画像センサであってもよい。運搬車両３に搭載された画像センサは、例えば荷物ステーション１の特定箇所に取り付けられたターゲットを撮影し、運搬車両３と荷物ステーション１との間の距離等を計測する。なお、位置センサ３０４は画像センサに限らない。位置センサ３０４は、例えばレーザー、電波、または超音波を利用した測距センサであってもよい。

　制御部３０６は、位置センサ３０４の計測信号に基づいて、位置合わせ機構３５の、第１アクチュエータ３５３、第２アクチュエータ３５４、エアサスペンション３８のうち少なくとも一つを通じて積載部３３の位置を調整する。

　図３０は、荷物ステーション１の制御構成を例示するブロック図である。荷物ステーション１は、少なくとも、広域通信部１０７、近距離無線通信部１０８、タッチパネル７１０、積替ゲート７４ａ、選択移動装置９、荷物受渡部７０５、充電装置１４、積替装置８、ロックピン７７、および、制御部１０９を有している。制御部１０９は、各デバイスに対して、信号の送受可能に接続されている。

　広域通信部１０７は、広域通信網１０５を通じた通信を行う。制御部１０９は、例えば保管している荷物２０の情報を、広域通信部１０７を通じて管理センター１０４へ送る。また、制御部１０９は、例えば収容ユニット２の積み替えを行う運搬車両３の情報を、管理センター１０４から広域通信部１０７を通じて受ける。

　近距離無線通信部１０８は、運搬車両３との間において、近距離無線によって通信を行う。近距離無線通信部１０８はまた、無人移動体５との間において、近距離無線によって通信を行う。

　タッチパネル７１０は、前述の通りユーザー１０１が操作を行うためのデバイスである。制御部１０９は、例えばタッチパネル７１０からの操作信号に基づいて荷物受渡部７０５の扉７０９の電磁ロックを解除することによって、荷物２０を受け取りに来たユーザー１０１へ荷物を渡す。または、荷物２０の引き渡しに来たユーザー１０１が、荷物２０を荷物受渡部７０５の内部に投入することを許可する。

　制御部１０９はまた、運搬車両３が荷物ステーション１へ到着した際に、積替ゲート７４ａを開けて、運搬車両３と荷物ステーション１との間の収容ユニット２の積み替えを可能にする。

　選択移動装置９は、前述したように、昇降部９１、水平移動部９２、および、移載部９３によって、収容ユニット２と無人移動体５との間で、荷物パレット２３の積み替えを行う。

　充電装置１４は、待機場１０において無人移動体５のバッテリ５１を充電する。無人移動体５は、充電必要時に、充電装置１４まで自走する、
　積替装置８は、前述したように、運搬車両３と荷物ステーション１との間で収容ユニット２を積み替える。ロックピン７７は、保管部７に保管している収容ユニット２が動かないように、拘束する。

　図３１は、運搬システム１００における、運搬車両３と荷物ステーション１との間の収容ユニット２の積み替え、および、収容ユニット２と無人移動体５との間の荷物２０の積み替え手順を示す制御フローである。また、図３１は、運搬車両３に積載された荷物２０をユーザー１０１へ届ける場合の手順を示す。なお、この制御フローにおいて、ステップの順番を入れ替えたり、複数のステップを同時に実行したりすることが可能である。また、この制御フローにおける一部のステップを省略したり、別のステップを追加したりすることもできる。

　この制御フローは、ドライバーが、運搬車両３を荷物ステーション１の横に停車させかつ、荷室３２を開放させた後でスタートする。

　ステップＳ１において、運搬車両３の制御部３０６は、位置センサ３０４の計測信号を読み込み、続くステップＳ２において制御部３０６は、位置合わせ機構３５を使って、積載部３３の位置合わせを行う。ステップＳ３において制御部３０６は、位置合わせが完了したか否かを判断する。ステップＳ３の判断がＮｏの場合、プロセスはステップＳ２へ戻る。位置合わせ機構３５は、積載部３３の位置合わせを継続する。ステップＳ３の判断がＹｅｓの場合、プロセスはステップＳ４へ進む。

　ステップＳ４において、荷物ステーション１の制御部１０９は、運搬車両３から位置合わせの完了信号を受け、積替装置８を使って、収容ユニット２の積み替えを行う。荷物ステーション１の制御部１０９は、管理センター１０４からの情報に基づいて収容ユニット２の積み替えを行う。例えばユーザー１０１へ届けられる荷物２０を収容した収容ユニット２が、運搬車両３から荷物ステーション１へ積み替えられ、ユーザー１０１から引き渡された荷物２０を収容した収容ユニット２が、荷物ステーション１から運搬車両３へ積み替えられる。収容ユニット２の積み替えが完了すれば、運搬車両３は、荷物ステーション１を出発する。運搬車両３は、多数の荷物２０をまとめて運搬する業務に集中できる。

　続くステップＳ５において、荷物ステーション１の制御部１０９は、待機場１０で待機している無人移動体５を動かすとともに、続くステップＳ６において、制御部１０９は、選択移動装置９を使って、指定された荷物パレット２３を、収容ユニット２から無人移動体５へ積み替える。荷物パレット２３を載せた無人移動体５は、ステップＳ７において、荷物ステーション１からユーザー１０１の元へ出発する。無人移動体５は、荷物ステーション１とユーザー１０１との間でラストワンマイルの荷物運搬に集中できる。保管部７に荷物２０を一時保管することによって、運搬車両３と無人移動体５とが荷物２０の積み替えのために同じ場所にいる必要がない。これにより、荷物ステーション１は、運搬車両３と無人移動体５との移動速度（例えば、運搬車両３が平均速度３０ｋｍ／ｈ以上、無人移動体５が平均速度４ｋｍ／ｈ以下）の差を吸収できる。

　ステップＳ８において、無人移動体５による全ての配送が完了したか否かを、荷物ステーション１の制御部１０９は判断する。ステップＳ８の判断がＮｏの場合、プロセスはステップＳ５へ戻る。ステップＳ８の判断がＹｅｓの場合、プロセスは終了する。

　荷物ステーション１に、複数の無人移動体５が待機しているため、荷物ステーション１とユーザー１０１との間で稼動する無人移動体５を容易に増減できる。これにより、荷物ステーション１とユーザー１０１との間における荷物の運搬需要の増減に容易に対応できる。また、運搬車両３は、稼働する無人移動体５を増やすために重量物である無人移動体５を、荷物ステーション１まで運搬する必要がない。運搬車両３は、その分、荷物２０の積載量を増やすことができる。運搬車両３は、消費エネルギを節約しながら、大量の荷物２０を運搬できる。運搬システム１００の運搬コストが低減する。

　また、荷物ステーション１が充電装置１４を有しているため、荷物ステーション１は、単独で、無人移動体５が稼動可能な状態を常時維持できるように無人移動体５を管理および／または運用することができる。

　（店舗が併設された荷物ステーション）
　図３２は、店舗１０２が併設された荷物ステーション１を例示している。図３３は、店舗１０２が併設された荷物ステーション１の制御に係るブロック図である。前述したように、運搬システム１００は、例えば商品としての荷物２０を、荷物ステーション１を通じて店舗１０２に届ける。この荷物ステーション１では、荷物受渡部７０５が省略されている。荷物ステーション１と、店舗１０２とは、省略された荷物受渡部７０５の箇所において、つながっている。

　店舗１０２は、無人店舗である。店舗１０２では、決済が無人で行われるだけでなく、荷物取出ケース１０２１への商品２００の陳列も、無人で行われる。店舗１０２内には、荷物取出ケース１０２１と、無人店舗用の決済装置１０２２と、第２選択移動装置９０と、が設置されている。第２選択移動装置９０は、店舗１０２の内部に配置されているが、荷物ステーション１の一部である。客は、出入口１０２４を通って店舗１０２内の店舗スペース１０２３へ入る。

　決済装置１０２２は、店舗スペース１０２３に設置されている。客は、自らが決済装置１０２２を操作し、現金またはキャッシュレスによって決済できる。

　荷物取出ケース１０２１は、荷物パレット２３に載せられた商品２００を陳列する。荷物取出ケース１０２１は、商品２００を客に直接見せるように陳列するものでない構造であってもよい。例えば、荷物取出ケース１０２１は、商品２００の写真が映された商品選択用タッチパネルと、商品取出口とを有する自動販売機であってもよい。図３２の例において、荷物取出ケース１０２１は、左右方向に延びている。荷物取出ケース１０２１は、店舗１０２の内部を、客が入る店舗スペース１０２３と、客が入らないバックスペース１０２５とに仕切っている。バックスペース１０２５は、荷物ステーション１の第３エリア７３とつながっている。

　荷物取出ケース１０２１は、収容ユニット２に類似した構造を有していてもよい。図３２の例において、荷物取出ケース１０２１は、商品２００を左右に並べて陳列する。荷物取出ケース１０２１はまた、商品２００を上下に並べて陳列してもよい。店舗スペース１０２３にいる客は、荷物取出ケース１０２１から商品２００を取り出すことができる。

　第２選択移動装置９０は、保管部７に設置されている選択移動装置９と同様の構造を有している。第２選択移動装置９０は、バックスペース１０２５に設置されている。より詳細に、第２選択移動装置９０は、左右方向に延びる荷物取出ケース１０２１の隣に設置されている。

　第２選択移動装置９０は、図３３に示すように、昇降部９０１と、水平移動部９０２と、移載部９０３とを有している。昇降部９０１は、昇降台を有しかつ、昇降台に載った無人移動体５を昇降させる。水平移動部９０２は、昇降部９０１を、水平方向に移動させる（図３２の矢印参照）。図３２において、水平移動部９０２は、左右方向に、昇降部９０１を移動させる。移載部９０３は、無人移動体５と荷物取出ケース１０２１との間において、商品２００が載せられた荷物パレット２３を積み替える（図３２の矢印参照）。

　選択移動装置９と第２選択移動装置９０とは、第３エリア７３とバックスペース１０２５との接続箇所において、昇降台上の無人移動体５を相互に載せ替えることができる。例えば、無人移動体５が昇降台から一旦降りて、無人移動体５が、第２選択移動装置９０の昇降台、または、選択移動装置９の昇降台へ載ってもよい。

　次に、荷物取出ケース１０２１への商品２００の陳列手順について説明する。前述したように、荷物ステーション１の保管部７において、収容ユニット２から無人移動体５へ荷物パレット２３が積み替えられた後、選択移動装置９は、無人移動体５を、第３エリア７３の後方へ搬送する。第３エリア７３とバックスペース１０２５との接続箇所において、無人移動体５は、選択移動装置９から第２選択移動装置９０へ、載せ替えられる。

　第２選択移動装置９０は、昇降部９０１、および／または、水平移動部９０２によって、昇降台を、左右方向（および上下方向）に移動させ、無人移動体５を、荷物取出ケース１０２１における指定された位置に、対応する位置に位置づける。第２選択移動装置９０の移載部９０３は、無人移動体５から荷物取出ケース１０２１へ荷物パレット２３を積み替える。こうして、運搬車両３によって運搬された商品２００が、無人で、荷物取出ケース１０２１に陳列される。選択移動装置９および第２選択移動装置９０は、荷物取出ケース１０２１への商品２００の補充を自動化する。荷物ステーション１に店舗１０２を併設すれば、無人店舗が実現する。

　図３３は、前述したように、店舗１０２が併設された荷物ステーション１の制御構成を例示している。この荷物ステーション１には、図３０の荷物ステーション１と比較して、店舗１０２に関係する、決済装置１０２２、第２選択移動装置９０、および、在庫管理部１０２６が追加されている。

　制御部１０９は、決済装置１０２２等からの情報に基づいて、在庫管理部１０２６を通じて荷物取出ケース１０２１に陳列されている商品２００、および、荷物ステーション１の保管部７に保管されている商品２００を管理する。

　客によって商品２００が取り出されて空になった荷物パレット２３は、適宜のタイミングで、第２選択移動装置９０により、荷物取出ケース１０２１から無人移動体５へ積み替えられる。第２選択移動装置９０はその後、保管部７から取り出された新たな商品２００を、荷物取出ケース１０２１に陳列する。

　なお、第２選択移動装置は、上述したような無人移動体５を使用する構造でなくてもよい。例えば、第２選択移動装置は、荷物ステーション１の第３エリア７３と店舗１０２のバックスペース１０２５との接続箇所から、荷物取出ケース１０２１まで、荷役アームまたはベルトコンベヤによって商品２００搭載の荷物パレット２３または商品２００を移動させてもよい。

　また、制御部１０９は、在庫管理部１０２６の管理情報を、広域通信部１０７を通じて管理センター１０４へ送信する。無人の店舗１０２の商品の管理が、遠隔で行われる。

　なお、荷物ステーション１は、店舗スペース１０２３を有する店舗１０２を併設せずに、直接販売店舗としても構成できる。具体的には、図５等に示す荷物ステーション１の荷物受渡部７０５を利用することにより、荷物ステーション１は、客に商品を販売する販売店舗として機能できる。客は、タッチパネル７１０の操作を通じて、購入を希望する商品を選択する。商品が選択されれば、選択移動装置９は、保管部７に保管されている収容ユニット２から、指定された商品を取り出すとともに、当該商品を荷物受渡部７０５へ運ぶ。保管部７は、商品の在庫を保管している。客は、所定の決済操作を行った後、荷物受渡部７０５の扉７０９を開けて、購入した商品を荷物受渡部７０５から取り出すことができる。

　（荷物ステーションの変形例）
　図３４～３５は、荷物ステーションの変形例を示している。変形例に係る荷物ステーション６は、図３４に矢印で示すように、収容ユニット６１を昇降させる構造を有している。具体的に、荷物ステーション６は、エレベーター６２を有している。エレベーター６２は、積替装置の一例である。

　収容ユニット６１は、コンテナのような形状である。収容ユニット６１の内部は複数の空間に仕切られている。各空間内に荷物が収容される。収容ユニット６１の側面には、複数の扉６１１が取り付けられている。扉６１１が開くと空間が開放されて、収容ユニット６１と無人移動体５との間で荷物の積み替えができる。

　図３５に示すように、荷物ステーション６は、エレベーター６２の側方に、無人移動体５の通路６３を有している。無人移動体５は、通路６３を一方向に走行する。無人移動体５は、実質的に地上の高さにおいて、収容ユニット６１の側方で停止する。この状態で、収容ユニット６１の扉６１１が開く。次に、図示省略の選択移動装置により、収容ユニット６１と無人移動体５との間で荷物２０の積み替えが行われる。

　エレベーター６２は、複数の収容ユニット６１を、上下に重ねて設置可能である。具体的には、エレベーター６２は、上下に離れて設けられた２枚の収容ユニット載置用パレット６２１を有する。２枚の収容ユニット載置用パレット６２１のそれぞれに、１台ずつ収容ユニット６１が載置される。エレベーター６２は、２枚の収容ユニット載置用パレット６２１を同時に昇降させる。これにより、エレベーター６２は、２台の収容ユニット６１を同時に昇降させる。エレベーター６２が、各収容ユニット６１の各扉６１１を地上の高さに位置づけることができるよう、荷物ステーション６は地下ピット６４を有している（図３４の一点鎖線参照）。

　運搬車両３０と荷物ステーション６との間の収容ユニット６１の積み替えは、運搬車両３０の荷役アーム３０７によって行う。荷役アーム３０７は、荷役装置の一例である。運搬車両３０は、荷役アーム３０７を備えた汎用の車両であってもよい。運搬車両３０と荷物ステーション６との間の収容ユニット６１の積み替えを行う際、エレベーター６２は、収容ユニット載置用パレット６２１を、運搬車両３０の荷役アーム３０７が積み替えを行いやすくなる高さ位置に調整される。このように、変形例の荷物ステーション６では、荷役装置としての荷役アーム３０７と積替装置としてのエレベーター３０７とは、収容ユニット６１の積み替えの際に連携した動きをとる。一方で、変形例の荷物ステーション６では、積替装置としてのエレベーター３０７は、収容ユニット６１を直接移動させていない。エレベーター３０７は、収容ユニット６１の積み替えを行うために使用される。

　荷役アーム３０７は、フック３０８を有している。収容ユニット６の前面には、バー６１２が取り付けられている。フック３０８はバー６１２に引っ掛かる。運搬車両３０が荷物ステーション６の前方に停車している状態で、荷役アーム３０７は、運搬車両３０と荷物ステーション６との間において、収容ユニット６１を積み替えることができる。

　なお、無人移動体５は、運搬システムにおける必須の要素ではない。運搬システムは、無人移動体５を省略して構築することもできる。

　前述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本開示の範囲を限定的に解釈してはならない。本開示の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本開示の範囲内のものである。

１　荷物ステーション
１０　待機場
１４　充電装置
２　収容ユニット
２０　荷物
３　運搬車両
３０　運搬車両
３３　積載部
３４　荷役装置
３５　位置合わせ機構
３０７　荷役アーム（荷役装置）
５　無人移動体
５１　バッテリ
６　荷物ステーション
６１　収容ユニット
６２　エレベーター（積替装置）
７　保管部
７０５　荷物受渡部
８　積替装置
９　選択移動装置
９０　第２選択移動装置
１０２　店舗
１０２１　荷物取出ケース

Claims

　荷物の運搬車両との間で前記荷物を積み替える荷物ステーションであって、
　複数の荷物を収容可能な収容ユニットを保管する保管部と、
　前記運搬車両の積載部と前記保管部との間で前記収容ユニットの積み替えを行うために使用される積替装置と、
　前記保管部に保管されている前記収容ユニットから前記荷物を選択的に取り出す、および／または、前記保管部に保管されている前記収容ユニットへ前記荷物を収容する選択移動装置と、を備えている、
ことを特徴とする荷物ステーション。
　前記選択移動装置は、前記収容ユニットと前記荷物を運搬する無人移動体との間で、前記荷物を移動可能に構成されている、
ことを特徴とする請求項１記載の荷物ステーション。
　１以上の前記無人移動体を待機させるための待機場を備えている、
ことを特徴とする請求項２に記載の荷物ステーション。
　前記無人移動体は、駆動用のバッテリを有し、
　前記待機場に設置され、１以上の前記バッテリを前記無人移動体に搭載した状態、または取り外した状態で充電する充電装置を備えている、
ことを特徴とする請求項３に記載の荷物ステーション。
　前記保管部は、複数の前記収容ユニットを保管可能であり、
　前記積替装置は、前記積載部と前記保管部との間で、複数の前記収容ユニットを同時に積み替え可能に構成されている、
ことを特徴とする請求項１～４のいずれか１項に記載の荷物ステーション。
　ユーザーに対する前記荷物の受け渡しを行う荷物受渡部を備え、
　前記選択移動装置は、前記収容ユニットと前記荷物受渡部との間で、前記荷物を移動可能に構成されている、
ことを特徴とする請求項１～５のいずれか１項に記載の荷物ステーション。
　前記保管部は、商品としての前記荷物の荷物取出ケースを有する店舗に接しており、
　前記選択移動装置は、少なくとも、前記保管部に保管されている前記収容ユニットから取り出した前記荷物を、前記荷物取出ケースへ移動させる、
ことを特徴とする請求項１～６のいずれか１項に記載の荷物ステーション。
　請求項１～７のいずれか１項に記載の荷物ステーションと連携する運搬車両であって、
　前記荷物が積載される積載部と、
　前記積載部と前記荷物ステーションの前記保管部との間における前記収容ユニットの積み替えを、前記積替装置と連携して行う荷役装置と、を備えている、
ことを特徴とする運搬車両。
　前記荷物ステーションの前記積替装置は、前記収容ユニットを前記運搬車両の車幅方向に移動させることにより、前記積載部と前記保管部との間で前記収容ユニットを積み替え、
　前記荷役装置は、前記運搬車両が前記積替装置に対し隣接して停車した状態で、車両前後方向、車幅方向、および、高さ方向のうち少なくとも一つの方向について前記積載部と前記積替装置との位置を合わせる位置合わせ機構を有している、
ことを特徴とする請求項８に記載の運搬車両。