WO2023176068A1 - マイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法 - Google Patents

マイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法 Download PDF

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武彦 山口
佳 岡田
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    • G02B3/00Simple or compound lenses

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  • An object of the present invention is to provide a method for manufacturing microlenses and microlens arrays in which chipping and cracking are less likely to occur during cutting, and cutting debris is not generated and attached to microlenses or microlens arrays. .
  • Cutting of the microlens array substrate 200 is performed in steps S1030 and S1040 described below.
  • FIG. 4 is a diagram showing a cross section of the microlens array substrate 200 where the laser filament 210 is formed.
  • the cross section shown in FIG. 4 includes the scribe line and is perpendicular to the flat portion of the surface of the microlens array substrate 200.
  • a series of laser filaments 210 are formed by irradiating a flat portion of the microlens array substrate 200 with a laser beam 150 from a laser scribing device (not shown).
  • the laser beam 150 needs to be irradiated onto a flat part of the surface of the microlens array substrate 200.
  • the above cross section may intersect with the lens surface on the side opposite to the side on which the laser beam 150 is irradiated.
  • the interval between the formed laser filaments 210 along the scribe line is called a laser filament pitch p.
  • the laser filament pitch p is 5 micrometers as an example.
  • the laser beam 150 is irradiated to the position where the microlens array substrate 200 is to be cut, for example along the dotted line in FIG. Also, before performing scribing with the laser beam 150 along the dotted line in FIG. 3, the laser beam 150 can be irradiated on a trial basis to confirm the irradiation position, and the irradiation position can be corrected as necessary. The position and the position of the scribe line can be matched with high precision.
  • FIG. 8 is an enlarged view of the circled part in FIG. 7 and shows the cutting edge of the braking bar 120.
  • the angle formed by the two surfaces forming the cutting edge in a cross section perpendicular to the longitudinal direction of the cutting edge is called the cutting edge angle.
  • the radius of curvature of the contour of the cutting edge in a cross section perpendicular to the longitudinal direction of the cutting edge is called the tip R.

Abstract

切断時にチッピング及びクラックが発生することが少なく、切断屑が発生しマイクロレンズまたはマイクロレンズアレイに付着することがないマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法を提供する。本発明はガラス製の基板上に複数のマイクロレンズ面を形成するステップと、該基板を切断するステップと、を含むマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法である。該基板を切断するステップは、該基板にレーザフィラメントによってスクライビングを実施するサブステップと、スクライビングを実施した位置にブレーキングバーによって力を掛けることによって該基板を切断するサブステップと、を含み、該基板の厚さと複数のスクライブライン間の最小間隔との比が4以下である。

Description

マイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法
 本発明は、マイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法に関する。
 近年、撮像装置、センサ及び計測機器の高精度化および小型化に伴って直径が数ミリメータ以下のマイクロレンズ及び複数個のマイクロレンズを配置したマイクロレンズアレイがより広く使用されている。マイクロレンズ及びマイクロレンズアレイは多数のマイクロレンズ面を配置したマイクロレンズアレイ基板を切断することによって効率的に製造することができる。従来、マイクロレンズアレイ基板の切断は回転するダイシングブレードによって実施されていた(たとえば、特許文献1及び特許文献2)。
 しかし、幅が数ミリメータ以下で厚さと幅との比が0.2以上、特に0.5以上のマイクロレンズまたはマイクロレンズアレイをダイシングブレードによって切断すると、切断時にチッピング及びクラックが発生しやすい。また、上記の比が上記の範囲以外の場合にも切断屑がマイクロレンズまたはマイクロレンズアレイに付着することが頻発する。このため歩留まりが低下し後処理が煩雑となる。
 そこで、切断時にチッピング及びクラックが発生することが少なく、切断屑が発生しマイクロレンズまたはマイクロレンズアレイに付着することがないマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法に対するニーズがある。
WO2019/004227 KR10-1812643
 本発明の課題は、切断時にチッピング及びクラックが発生することが少なく、切断屑が発生しマイクロレンズまたはマイクロレンズアレイに付着することがないマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法を提供することである。
 本発明のマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法は、ガラス製の基板上に複数のマイクロレンズ面を形成するステップと、該基板を切断するステップと、を含む。該基板を切断するステップは、該基板にレーザフィラメントによってスクライビングを実施するサブステップと、スクライビングを実施した位置にブレーキングバーによって力を掛けることによって該基板を切断するサブステップと、を含み、該基板の厚さと複数のスクライブライン間の最小間隔との比が4以下である。
 本発明のマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法によれば、切断時にチッピング及びクラックが発生することが少なく、切断屑が発生しマイクロレンズまたはマイクロレンズアレイに付着することはない。
 本発明の第1の実施形態のマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法において、該ブレーキングバーの基板表面を基準とした押し込み量が0.01ミリメータから0.03ミリメータの範囲である。
 本実施形態によれば、該ブレーキングバーの基板表面を基準とした押し込み量を適切に定めることにより切断時に発生するチッピング及びクラックをより少なくすることができる。
 本発明の第2の実施形態のマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法において、該ブレーキングバーによって該基板に力を掛ける際の該ブレーキングバーの移動速度が100ミリメータ毎秒未満である。
 本実施形態によれば、該ブレーキングバーの移動速度を適切に定めることにより切断時に発生するチッピング及びクラックをより少なくすることができる。
 本発明の第3の実施形態のマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法において、1または複数の基板をフィルムに貼り付けた状態でスクライブラインを実施するサブステップ及び該基板を切断するサブステップを実施する。
 本実施形態によれば、1または複数の基板をフィルムに貼り付けた状態でスクライブラインを実施するサブステップ及び該基板を切断するサブステップを実施するので該基板を切断するステップを効率的に実施することができる。
 本発明の第4の実施形態のマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法において、該基板を切断するサブステップにおいて、該基板のブレーキングバーの側をフィルムで覆い該フィルムが切断されないように該ブレーキングバーの移動速度及び基板表面を基準とした押し込み量を調整する。
 本実施形態によれば、該基板を切断するサブステップにおいて該フィルムが切断されないように該ブレーキングバーの移動速度及び基板表面を基準とした押し込み量を調整することにより切断時に発生するチッピング及びクラックをより少なくすることができる。
 本発明の第5の実施形態のマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法において、該ブレーキングバーの先端Rが0.01ミリメータから0.5ミリメータの範囲である。
 本実施形態によれば、該ブレーキングバーの先端Rを0.01ミリメータから0.5ミリメータの範囲とすることにより切断時に発生するチッピング及びクラックをより少なくすることができる。
本発明の一実施形態の、マイクロレンズまたはマイクロレンズアレイの製造方法を説明する流れ図である。 マイクロレンズアレイ基板を貼り付けた粘着フィルムをフレームに貼り付けた状態を示す図である。 マイクロレンズアレイ基板の平面図である。 マイクロレンズアレイ基板のレーザフィラメントが形成される断面を示す図である。 マイクロレンズアレイ基板の切断が実施される際のステージ、ブレーキングバー及びマイクロレンズアレイ基板を貼り付けた粘着フィルムを貼り付けたフレームを示す図である。 ステージ及びブレーキングバーを示す図である。 ブレーキングバーを示す図である。 図7の円で囲った部分の拡大図であり、ブレーキングバーの刃先を示す図である。 切断の際のブレーキングバーの動作を説明するための図である。 フィルムがある場合及びフィルムがない場合に切断後の切断面に発生したチッピング及びクラックを示す図である。 切断面に生じるチッピングを説明するための図である。 切断面に生じるクラックを説明するための図である。 切断後の製品及びトレーを示す図である。 他の実施形態において切断後のマイクロレンズアレイ基板を示す図である。
 図1は、本発明の一実施形態の、マイクロレンズまたはマイクロレンズアレイの製造方法を説明する流れ図である。
 図1のステップS1010において、ガラス製の基板上に複数のマイクロレンズ面を形成してマイクロレンズアレイ基板を作成する。マイクロレンズ面の形成は、プレス成形(たとえば特開2004-145058号公報参照)、エッチング(たとえば特開2001-242303号公報参照)などによって実施する。本発明はどのような方法によって形成されたマイクロレンズアレイ基板にも適用することができる。
 図1のステップS1020において、マイクロレンズアレイ基板を粘着フィルムに貼り付ける。さらに、マイクロレンズアレイ基板を貼り付けた粘着フィルムをフレームに貼り付ける。
 図2は、マイクロレンズアレイ基板200を貼り付けた粘着フィルム310をフレーム100に貼り付けた状態を示す図である。後で説明する図1のステップS1050の終了までマイクロレンズアレイ基板200は上記の状態で処理される。
 なお、粘着フィルム及びフレームを使用しない場合に、マイクロレンズアレイ基板200を、スクライブ動作時に動かないように、スクライブ装置のステージに固定用治具を使用するかまたは直接固定してもよい。また、この際に複数の基板もしくは治具を同時にステージ上に配置してもよい。
 図3は、マイクロレンズアレイ基板200の平面図である。図3の点線は切断が実施されるべき位置を示す。すなわち、図3の点線に沿って切断が実施される。図3の例では、マイクロレンズアレイ基板200の点線で示す位置の切断によって3個のマイクロレンズアレイ240が得られる。一般的にこのようにしてマイクロレンズアレイ基板からマイクロレンズまたはマイクロレンズアレイの製品を切り分ける。
 図3において4本の点線が水平方向であり、2本の点線が鉛直方向である。全ての点線はマイクロレンズアレイ基板200の面の平坦な領域に位置する。水平方向の点線の間隔をaとし鉛直方向の点線の間隔をbとする。切断される位置のマイクロレンズアレイ基板200の厚さをtとする。一般的に本発明は、tとaとの比及びtとbとの比が4以下の場合に適用できる。
 以下に説明するステップS1030及びS1040によってマイクロレンズアレイ基板200の切断が実施される。
 図1のステップS1030において、図示しないレーザスクライブ装置とフレーム100とを位置合わせし、マイクロレンズアレイ基板200の切断が実施されるべき位置に、具体的には、たとえば図3の点線に沿って、レーザフィラメント形成によるスクライビングを実施する。レーザスクライブ装置を使用したレーザフィラメント形成については特開2017-185547号公報に記載されている。本明細書において、図3に示す点線に沿ってレーザフィラメントによってスクライビングを実施した位置を示す線をスクライブラインと呼称する。
 図4は、マイクロレンズアレイ基板200のレーザフィラメント210が形成される断面を示す図である。図4に示す断面は、スクライブラインを含み、マイクロレンズアレイ基板200の面の平坦な部分に垂直な断面である。マイクロレンズアレイ基板200の平坦な部分に、図示しないレーザスクライブ装置のレーザビーム150を照射することによって一連のレーザフィラメント210が形成される。レーザビーム150はマイクロレンズアレイ基板200の面の平坦な部分に照射する必要がある。上記の断面は、レーザビーム150を照射する側と反対側においてレンズ面と交わってもよい。形成されるレーザフィラメント210のスクライブラインに沿った間隔をレーザフィラメントピッチpと呼称する。レーザフィラメントピッチpは一例として5マイクロメータである。
 マイクロレンズアレイ基板200の切断が実施されるべき位置に、具体的には、たとえば図3の点線に沿ってレーザビーム150を照射する。また、図3の点線に沿ってレーザビーム150によってスクライビングを実施する前にレーザビーム150をトライアルで照射して照射位置を確認し、必要に応じて照射位置を修正することにより図3の点線の位置とスクライブラインの位置を高精度で一致させることができる。
 図1のステップS1040において、マイクロレンズアレイ基板200の、粘着フィルム310に貼り付けられた面と反対側の面にフィルム320を貼り付ける。フィルム320の役割については後で説明する。
 図1のステップS1050において、マイクロレンズアレイ基板200の切断を実施する。
 図5は、マイクロレンズアレイ基板200の切断が実施される際のステージ110、ブレーキングバー120及びマイクロレンズアレイ基板200を貼り付けた粘着フィルム310を貼り付けたフレーム100を示す図である。図5において簡単化のためにフィルム320は記載していない。
 図6は、ステージ110及びブレーキングバー120を示す図である。ステージ110は線状のギャップGの調整機構を備える。ステージ110とブレーキングバー120との位置関係は、ブレーキングバー120が切断時に鉛直方向に移動する点及びギャップGの調整機構が水平方向に移動する点を除いて固定されている。ブレーキングバー120の刃先の長手方向とステージ110のギャップGの長手方向が平行となり、ブレーキングバー120の刃先を含みステージ110の上面に垂直な面がギャップの中央に位置するように構成されている。図5において、ブレーキングバー120の刃先の長手方向及びステージ110のギャップGの長手方向にx軸を規定する。ギャップGの間隔はy軸方向の長さである。ギャップGの調整機構の移動方向はy軸方向である。ブレーキングバー120の移動方向はx軸及びy軸に垂直な方向である。
 つぎに、マイクロレンズアレイ基板200を貼り付けた粘着フィルム310を貼り付けたフレーム100をステージ110上に設置し、フレーム100を互いに直交するx軸及びy軸の方向に移動させx軸及びy軸に垂直な軸の周りに回転させて、スクライブラインに沿って形成されたレーザフィラメントが、ブレーキングバー120の刃先を含みステージ110の上面に垂直な面に含まれるのようにフレーム100とステージ110との位置関係を調整する。
 図7は、ブレーキングバー120を示す図である。
 図8は、図7の円で囲った部分の拡大図であり、ブレーキングバー120の刃先を示す図である。刃先の長手方向に垂直な断面における刃先を形成する二面のなす角度を刃先角と呼称する。刃先の長手方向に垂直な断面における刃先の輪郭の曲率半径を先端Rと呼称する。
 図9は、切断の際のブレーキングバー120の動作を説明するための図である。図9において簡単化のためレンズ基板200のレンズ面は省略している。ブレーキングバー120はたとえばエアシリンダ130によって駆動される。
 図9の左側の図に示すように、スペーサ134を使用して、ブレーキングバー120の刃先からフィルムの320の表面までの距離d2に所定量d3を加えたストロークd1をシリンダ130に設定する。調整時はd3の厚さのスペーサ134を挟むことでブレーキングバー120が下降しても刃先はフィルム320の表面に接触しない。図9の右側の図に示すように、切断時はスペーサ134を除去することで、エアシリンダ130のロッドがストップエンドまで下降し、ブレーキングバー120の刃先が、マイクロレンズアレイ基板200切断位置の表面に接した状態のフィルム320の表面の初期位置を超えてさらにd3(=d1-d2)進行することによってマイクロレンズアレイ基板200及びフィルム320を押し込む。この結果、スクライビングに沿ってマイクロレンズアレイ基板200が切断される。上記のd3、すなわち、フィルム320の表面の初期の位置とブレーキングバー120の先端の切断後の位置との鉛直方向の距離を、フィルム表面を基準とした押し込み量と呼称する。また、上記のフィルム表面を基準とした押し込み量d3からフィルム320の厚さを引いた値、すなわち、基板200の表面の初期の位置とブレーキングバー120の先端の切断後の位置との鉛直方向の距離を、ブレーキングバー120の基板表面を基準とした押し込み量と呼称する。
 ブレーキングバー120の基板表面を基準とした押し込み量は0.01ミリメータから0.03ミリメータの範囲の値とするのが好ましい。
 ブレーキングバー120の下降速度はエアシリンダ130に供給するエア量によって制御する。ブレーキングバー120の下降速度は100ミリメータ毎秒未満であるのが好ましく50ミリメータ毎秒未満であるのがさらに好ましい。
 ブレーキングバー120の基板表面を基準とした押し込み量が上記の範囲の上限値よりも大きい場合、またはブレーキングバー120の下降速度が上記の上限値よりも大きな場合には、切断面にチッピング及びクラックが発生しうる。切断面のチッピング及びクラックについては後で説明する。また、フィルム320を使用する場合に刃先によってフィルム320が切断されると、刃先とガラス面との接触により傷が発生し得る。そこでブレーキングバー120の基板表面を基準とした押し込み量及びブレーキングバー120の下降速度はそれぞれ上記の範囲とし、さらにフィルム320を使用する場合には刃先によってフィルム320が切断されないように設定するのが好ましい。
 ブレーキングバー120の動作は、エアシリンダの他にたとえばサーボモータによって制御してもよい。
 基板のブレーキングバー120側に貼り付けるフィルム320の有効性を調査するために実施した実験について説明する。実験の条件は以下のとおりである。
 基板は両面が矩形で平面のガラス基板(住田光学ガラスK-VC79)であり、矩形の長辺の長さは28ミリメータ、矩形の短辺の長さは23ミリメータである。矩形の短辺の方向のスクライブラインは13本であり、矩形の長辺の方向のスクライブラインは5本である。矩形の短辺の方向のスクライブラインの間隔はa’、矩形の長辺の方向のスクライブラインの間隔b’、基板の厚さt’は以下のとおりである。長さの単位はミリメータである。
a’=2.0
b’=3.8
t’=2
t’/a’=1
t’/b’=0.52 
 ブレーキングバーの材料はステンレス鋼である。ブレーキングバーの先端の刃先角は14度、先端Rは0.011ミリメータである。ブレーキングバーの下降速度は12.2ミリメータ毎秒、基板表面を基準とした押し込み量は0.02~0.03ミリメータとした。また、ブレーキングバーの下降後の位置を3秒間維持した。
 図10は、フィルム320がある場合及びフィルム320がない場合に切断後の切断面に発生したチッピング及びクラックを示す図である。図10において、矩形の長辺の方向の縮尺及び矩形の短辺の方向の縮尺は同じではない。図10においてフィルム320を保護フィルムと記載した。フィルム320はPVCのUV硬化型粘着フィルム(デンカ社製 ダイシングテープUAV-80J)である。フィルム320の厚さは0.08ミリメータである。
 本実験においては、矩形の短辺の方向の10本のスクライブ線に沿って上記の条件で切断を実施した。図10においてa-kは10箇所の切断位置の20個の切断面を示す符号である。仮にaの側を上側、kの側を下側とする。たとえば、aとbとの間の3本の矩形の短辺の方向の線のうち上側の線と中央の線とに囲まれた領域は上側から1番目の切断位置の上側の切断面を示し、中央の線と下側の線とに囲まれた領域は上側から1番目の切断位置の下側の切断面を示す。本実験において矩形の長辺の方向の線に沿った切断は実施していない。矩形の短辺に沿って配置された1-6の数字はチッピング及びクラックの矩形の短辺の方向の位置を示す。
 図11は切断面に生じるチッピングを説明するための図である。チッピングは基板の材料の欠けである。図10に示したチッピングのサイズを示す数字は、図11に示す幅、すなわち光学面が存在する面において切断線から垂直な方向のチッピングの寸法である。
 図12は切断面に生じるクラックを説明するための図である。クラックは切断面に生じる亀裂である。
 図10によると、フィルム320がある場合にチッピングの発生した箇所の数は9であり、クラックの発生した切断面の数は0である。また、チッピングの寸法は0.02ミリメータ以下である。他方、フィルム320がない場合にチッピングまたはクラックの発生した箇所の数は35であり、0.1ミリメータ以上のチッピングまたはクラックの発生した箇所の数は3である。
 上記の実験によって基板のブレーキングバー120側に貼り付けるフィルム320は、切断面のチッピング及びクラックの発生を防止するために非常に有効であることが判明した。
 図1のステップS1060において、製品のトレー収納時に上側となる面のフィルムを剥離する。図9に示す場合には、製品であるマイクロレンズのトレー収納時に上側となる面のフィルムはフィルム320であるのでフィルム320を剥離する。
 図1のステップS1070において、製品のトレー収納時に下側となる面のフィルムを外側へ引き延ばす。図9に示す場合には、製品であるマイクロレンズのトレー収納時に下側となる面のフィルムはフィルム310であるのでフィルム310を外側へ引き延ばす。フィルム310を外側へ引き延ばすことによって切断によって生じた複数の製品250間の距離が大きくなる。
 図1のステップS1080において、製品をトレーに搬送する。
 図13は、切断後の製品250及びトレー400を示す図である。
 図14は、他の実施形態において切断後のマイクロレンズアレイ基板200を示す図である。図14に示す場合には、製品であるマイクロレンズのトレー収納時に上側となる面のフィルムはフィルム310である。したがって、図1のステップS1060において、フィルム310及びフィルム320を貼り付けたままの状態のマイクロレンズアレイ基板200を上下反転させ、その後フィルム310を剥離する。
 ステップS1030におけるスクライブラインの形成の順序及びステップS1050における切断の順序は、レンズの形状などにより任意に決めることができる。たとえば、図3において水平方向または鉛直方向のスクライブラインを先に形成する。切断の際には水平方向または鉛直方向のどちらのスクライブラインを先に切断してもよい。
 また、ステップS1050において、レーザビーム150を照射した側と反対側、すなわちフィルム310の側にブレーキングバー120が接触するように配置して切断を実施してもよい。
 以下に本発明の実施例について説明する。
実施例1
 マイクロレンズアレイ基板200は平凸マイクロレンズを備えたガラス基板(住田光学ガラスK-VC89)であり、長手方向を水平方向として水平方向の最大長さは8.65ミリメータ、鉛直方向の最大長さは6.3ミリメータである。凸レンズ面のサグ量は0.04ミリメータ、中心曲率半径は1.25~1.57ミリメータである。水平方向のスクライブラインは3本であり、鉛直方向のスクライブラインは3本である。凸レンズ面はその光軸が水平方向のスクライブライン及び鉛直方向のスクライブラインによって形成される矩形の中心(対角線の交点)を通るように配置される。水平方向のスクライブラインの間隔はa、鉛直方向のスクライブラインの間隔b、切断される位置のマイクロレンズアレイ基板の厚さtは以下のとおりである。長さの単位はミリメータである。
a=1.2
b=1.2
t=0.6
t/a= t/b=0.5
 図1のステップS1030にしたがって、基板の切断が実施されるべき位置に、すなわちスクライブラインに沿って、COHERENT社のレーザ(SmartCleave Hyper Rapid NXT1064-100:レーザ波長1064nm)によってレーザフィラメントを形成した。
 図1のステップS1020及びS1040にしたがって、基板の両面にフィルム(デンカ社製 ダイシングテープUAV-80J)を貼り付けた。フィルムの厚さは0.08リメータである。
 図1のステップS1050にしたがって、ブレーキングバーによる切断を実施した。切断の際はガラス基板のマイクロレンズの凸面が備わる側の面を下側(ブレーキングバーが接触しない側)とした。ブレーキングバーの材料はステンレス鋼である。ブレーキングバーの先端の刃先角は14度、先端Rは0.011ミリメータである。ブレーキングバーの下降速度は11ミリメータ毎秒、ブレーキングバーの基板表面を基準とした押し込み量は0.02ミリメータとした。
 切断面にチッピング、クラックなどは生じなかった。
実施例2
 マイクロレンズアレイ基板200は平凸マイクロレンズを備えたガラス基板(住田光学ガラスK-PG325)であり、長手方向を水水平方向として水平方向の最大長さは4.3ミリメータ、鉛直方向の最大長さは3.6ミリメータである。凸レンズ面のサグ量は0.023ミリメータ、中心曲率半径は0.34ミリメータである。水平方向のスクライブラインは2本であり、鉛直方向のスクライブラインは2本である。凸レンズ面はその光軸が水平方向のスクライブライン及び鉛直方向のスクライブラインによって形成される矩形の中心(対角線の交点)を通るように配置される。水平方向のスクライブラインの間隔a、鉛直方向のスクライブラインの間隔b、切断される位置のマイクロレンズアレイ基板の厚さtは以下のとおりである。長さの単位はミリメータである。
a=2.3
b=1.5
t=1.0
t/a=0.43
t/b=0.67
 図1のステップS1030にしたがって、基板の切断が実施されるべき位置に、すなわちスクライブラインに沿って、COHERENT社のレーザ(SmartCleave Hyper Rapid NXT1064-100:レーザ波長1064nm)によってレーザフィラメントを形成した。
 図1のステップS1020及びS1040にしたがって、基板の両面にPVCのUV硬化型粘着フィルム(デンカ社製 ダイシングテープUAV-80J)を貼り付けた。フィルムの厚さは0.08ミリメータである。
 図1のステップS1050にしたがって、ブレーキングバーによる切断を実施した。切断の際はガラス基板のマイクロレンズの凸面が備わる側の面を下側(ブレーキングバーが接触しない側)とした。ブレーキングバーの先端の刃先角は31度、先端Rは0.05ミリメータ、ブレーキングバーの下降速度は13ミリメータ毎秒、ブレーキングバーの基板表面を基準とした押し込み量は0.02ミリメータとした。ブレーキングバーの材料はステンレス鋼である。
 切断面にチッピング、クラックなどは生じなかった。
 上述のように本発明は、tとaとの比及びtとbとの比が4以下の場合に適用できるが、切断面のチッピング及びクラックを防止する観点からはtとaとの比及びtとbとの比が1.5以下の場合に有利である。
 また、基板の材料はシリコン、セラミックなどであってもよい。

Claims (6)

  1.  ガラス製の基板上に複数のマイクロレンズ面を形成するステップと、
     該基板を切断するステップと、を含むマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法であって、
     該基板を切断するステップは、
     該基板にレーザフィラメントによってスクライビングを実施するサブステップと、
     スクライビングを実施した位置にブレーキングバーによって力を掛けることによって該基板を切断するサブステップと、を含み、
     該基板の厚さと複数のスクライブライン間の最小間隔との比が4以下であるマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法。
  2.  該ブレーキングバーの基板表面を基準とした押し込み量が0.01ミリメータから0.03ミリメータの範囲である請求項1に記載のマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法。
  3.  該ブレーキングバーによって該基板に力を掛ける際の該ブレーキングバーの移動速度が100ミリメータ毎秒未満である請求項1に記載のマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法。
  4.  1または複数の基板をフィルムに貼り付けた状態でスクライビングを実施するサブステップ及び該基板を切断するサブステップを実施する請求項1に記載のマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法。
  5.  該基板を切断するサブステップにおいて、該基板のブレーキングバーの側をフィルムで覆い該フィルムが切断されないように該ブレーキングバーの移動速度及び基板表面を基準とした押し込み量を調整する請求項1に記載のマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法。
  6.  該ブレーキングバーの先端Rが0.01ミリメータから0.5ミリメータの範囲である請求項1に記載のマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法。
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