WO2023145880A1 - グルタミナーゼ阻害剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、がん、炎症性疾患、神経系疾患、老化および肥満の予防、改善又は治療に有効なグルタミナーゼ阻害剤の提供を目的とする。本発明は、ペプチド、L-カルニチン、N-(1-オキソプロピル)-L-グルタミン、N-(1-オキソブチル)-L-グルタミン、シアル酸、ユーコミン酸、(4)-イミダゾール酢酸塩酸塩からなる群より選択される少なくとも(1)またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、グルタミナーゼ阻害剤に関する。

Description

グルタミナーゼ阻害剤
 本発明は、グルタミナーゼ阻害剤に関する。
 グルタミナーゼ(グルタミナーゼI、L-グルタミナーゼ、グルタミンアミノヒドロラーゼ)は、グルタミンからグルタミン酸を生成させるアミド加水分解酵素である。グルタミナーゼには組織特異的アイソザイムが存在することが報告されている。
 哺乳類組織は、グルタミナーゼの2つの主なアイソザイムとして肝臓型グルタミナーゼ(LGA)と腎臓型グルタミナーゼ(KGA)を有する(非特許文献1)。非特許文献1には、LGAをコードする遺伝子の発現は肝臓、脳、膵臓、乳がん細胞などで見られ、増殖性の高い細胞で発現していることが示唆されている。また、KGAをコードする遺伝子の発現は肝臓を除くすべての組織で見られ、特に腎臓と脳で強く発現しており、分化した細胞や非増殖性の細胞で発現が増加することが示唆されている。
 グルタミナーゼ阻害剤はグルタミナーゼ活性を阻害する機能を有する化合物の総称である。グルタミンはがん細胞の重要なエネルギー源であり、グルタミナーゼはグルタミンの代謝で重要な役割を果たすことから、グルタミナーゼ阻害剤は主に抗がん剤としての開発が進められてきた(特許文献1)。
 近年ではグルタミナーゼ阻害剤は抗がん作用以外にも様々な機能を有することが明らかにされており、内臓脂肪及び皮下脂肪の増加抑制作用を有するグルタミナーゼ阻害剤(特許文献2)、炎症に由来する疾患の改善等の作用を有する抗炎症剤(特許文献3)、ミクログリアにおけるグルタミン酸の産生阻害作用を有する神経細胞の細胞死阻害剤(特許文献4)、老化細胞除去剤(特許文献5)など、様々な機能が報告されている。
 これまでに知られているグルタミナーゼ阻害剤としては、例えば、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン[(S)-2-アミノ-6-ジアゾ-5-オキソカプロン酸又はその塩(DON)]、CB-839、ビス-2-(5-フェニルアセトアミド-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)エチルスルフィド(BPTES)、エブセレン(Ebselen)、Compound 968、GlutaDON(登録商標)(PEG-PGA+DON)(New Medical Enzymes AG社製)、GlutaChemo(PEG-PGA+理想的候補)(New Medical Enzymes AG社製)などが挙げられる(特許文献2、3)。
日本国特開2019-163290号公報 日本国特開2020-28239号公報 日本国特開2020-29412号公報 国際公開第2007/088712号 国際公開第2020/095971号
Neurochem Int., 2009 Jul-Aug; 55(1-3):71-5. doi: 10.1016/j.neuint.2009.01.008. Epub 2009 Feb
 上述したように、グルタミナーゼ阻害剤の開発がなされているが、がん、炎症性疾患、神経系疾患、老化および肥満に関する疾患および症状の予防、改善及び/又は治療のために、優れたグルタミナーゼ阻害活性を示すグルタミナーゼ阻害剤が求められている。
 したがって、本発明は、優れたグルタミナーゼ阻害活性を示すグルタミナーゼ阻害剤の提供を目的とする。
 本発明者らは、優れたグルタミナーゼ阻害活性を示す物質を見出し、本発明を完成させた。
 本発明は、以下の通りである。
1.ペプチド、L-カルニチン、N-(1-オキソプロピル)-L-グルタミン、N-(1-オキソブチル)-L-グルタミン、シアル酸、ユーコミン酸、4-イミダゾール酢酸塩酸塩からなる群より選択される少なくとも1またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、グルタミナーゼ阻害剤。
2.前記ペプチドがオリゴペプチドである、前記1に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
3.前記ペプチドがトリペプチドまたはジペプチドである、前記1または2に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
4.前記ペプチドがグルタミン酸およびシステインを含むペプチドである、前記1または2に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
5.前記ペプチドがγ-グルタミルシステインを含むペプチドである、前記1または2に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
6.前記ペプチドがホモグルタチオン、N-アセチル酸化型グルタチオン、還元型グルタチオン、酸化型グルタチオンからなる群より選択される少なくとも1のペプチドである、前記1または2に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
7.前記グルタミナーゼ阻害剤が阻害作用を有するグルタミナーゼが、腎臓型グルタミナーゼおよび肝臓型グルタミナーゼの少なくとも一方である、前記1または2に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
8.前記グルタミナーゼ阻害剤が阻害作用を有するグルタミナーゼが、腎臓型グルタミナーゼである、前記1または2に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
 本発明のグルタミナーゼ阻害剤は、優れたグルタミナーゼ阻害活性を示し、グルタミナーゼが関与する疾患、障害または症状の予防、改善及び/又は治療において有用である。
図1は、腎臓型グルタミナーゼ阻害活性を評価するための、表2に示した各グルタミナーゼ阻害活性評価化合物のグルタミン転換率(%)を示す。 図2は、腎臓型グルタミナーゼ阻害活性を評価するための、表2に示した各グルタミナーゼ阻害活性評価化合物のグルタミン転換率(%)を示す。 図3は、肝臓型グルタミナーゼ阻害活性を評価するための、表2に示した各グルタミナーゼ阻害活性評価化合物のグルタミン転換率(%)を示す。
<有効成分>
 本発明のグルタミナーゼ阻害剤は、グルタミナーゼ阻害作用を有する有効成分を含有する。当該有効成分としては、ペプチド、L-カルニチン、N-(1-オキソプロピル)-L-グルタミン、N-(1-オキソブチル)-L-グルタミン、シアル酸、ユーコミン酸および4-イミダゾール酢酸塩酸塩からなる群より選択される少なくとも1またはその薬学的に許容される塩が挙げられる。これらの成分は単独で含有させてもよいし、複数種を組み合わせてもよい。
 薬学的に許容される塩としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、ハロゲン化物塩、金属塩、アンモニウム塩、有機酸塩、無機酸塩等が挙げられる。より具体的には例えば、塩化物塩;ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩等の金属塩;アンモニウム塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、トシル酸塩等の有機酸塩;塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩等が挙げられる。
 以下、各成分について詳述する。
<<ペプチド>>
 本発明において、「ペプチド」には、薬学的に許容されるペプチド誘導体が含まれるものとする。ペプチド誘導体とは、ペプチドのアミノ基が化学修飾されたものをいう。つまり、ペプチドのアミノ基の一部において、その水素原子が官能基で置換されたものが該当し、具体的には、例えば、アシル化ペプチド、グリセリル化ペプチド、第4級アンモニウム化ペプチド、シリル化ペプチド、アルキルグリセリル化ペプチド、2-ヒドロキシアルキル化ペプチドなどが挙げられる。
 ペプチドを構成するアミノ酸残基としては、例えば、グルタミン酸、システイン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アルギニン、グルタミン、リジン、アスパラギン酸、プロリン、スレオニン、メチオニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アスパラギン、グリシン、セリンが挙げられる。グルタミナーゼ阻害活性を向上する観点から、これらの中でも、グルタミン酸、システインおよびアラニンが好ましく、グルタミン酸およびシステインがより好ましい。
 ペプチドは、グルタミン酸、システイン、アラニン、グリシンから選ばれるアミノ酸残基の含有量が1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上である。
 ペプチドとしては、例えば、タンパク質(ポリペプチド)を酵素的または化学的に分解して得られるポリペプチド鎖(タンパク質加水分解物ともいう)、人工的に合成したポリペプチド鎖が挙げられる。タンパク質加水分解物は、タンパク質を酸、アルカリ若しくは酵素又はそれらの併用によって部分加水分解することで得られる。タンパク質加水分解物のタンパク質源としては、例えば、動物性タンパク質、植物性タンパク質および微生物由来のタンパク質などが挙げられる。
 動物性タンパク質としては、例えば、コラーゲン(その変性物であるゼラチンも含む)、ケラチン、フィブロイン、セリシン、カゼイン、コンキオリン、エラスチン、プロタミン、鶏などの卵黄タンパク質や卵白タンパク質などが挙げられる。
 植物性タンパク質としては、例えば、大豆、小麦、米(米糠)、ゴマ、エンドウ、トウモロコシ、イモ類などに含まれるタンパク質が挙げられる。微生物由来のタンパク質としては、例えば、サッカロミセス属、カンディダ属、エンドミコプシス属の酵母菌、ビール酵母や清酒酵母といわれる酵母菌より分離した酵母タンパク質、キノコ類(担子菌)やクロレラより分離したタンパク質、海藻由来のスピルリナタンパク質などが挙げられる。
 ペプチドは、オリゴペプチドであることが好ましい。オリゴペプチドとは、2~10個程度という比較的少数のアミノ酸からなるペプチドである。オリゴペプチドとしては、例えば、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチドが挙げられるが、水への溶解のし易さ及び製造の簡便さの観点から、ジペプチド又はトリペプチドが好ましい。
 ジペプチド又はトリペプチドの中でも、γ-グルタミルシステイン(gamma-Glutamyl-Cystein)を含むペプチドが好ましい。
 γ-グルタミルシステインを含有するペプチドとしては、例えば、ホモグルタチオン(gamma-L-Glutamyl-L-Cysteinyl-beta-Alanine、CAS番号18710-27-5)、N-アセチル酸化型グルタチオン(CAS番号59524-81-1)、還元型グルタチオン(CAS番号70-18-8)、酸化型グルタチオン(CAS番号27025-41-8)が挙げられる。
 グルタチオンは、グルタミン酸、システイン及びグリシンからなるトリペプチドである。CAS番号とは、アメリカ化学会が発行するケミカル・アブストラクツ誌で使用される化合物番号のことであり、CAS番号によって化合物が一意に特定される。
 ペプチドは、本発明の効果を奏する限り、用途に応じて種々の改変を施してもよい。ペプチドの改変としては、例えば、アミノ基修飾(例えば、ビオチン化、ミリストイル化、パルミトイル化、アセチル化、マレイミド化等)、カルボキシル基修飾(例えば、アミド化、エステル化等)、チオール基修飾(例えば、ファルネシル化、ゲラニル化、メチル化、パルミトイル化等)、水酸基修飾(例えば、リン酸化、硫酸化、オクタノイル化、パルミトイル化、パルミトレオイル化等)、各種蛍光標識(例えば、FITC、FAM、Rhodamine、BODIPY、NBD、MCA等)、PEG化、非天然アミノ酸、D-アミノ酸等の導入などの改変が挙げられる。
 グルタミナーゼ阻害作用は、例えば、腎臓または肝臓等をホモジナイズして得られた粗抽出液に阻害作用を評価する成分を混合してインキュベートした後、その混合液に反応基質としてグルタミンを添加し、反応後の溶液中のグルタミン酸濃度を測定することによって評価することができる。溶液中のグルタミン酸濃度は、公知のグルタミン酸の比色法やセンサ等にて測定することができる。
<<L-カルニチン>>
 カルニチンとは、リジンとメチオニンから合成されるビタミン様物質である。L-カルニチンは、CAS番号541-15-1により特定される物質である。L-カルニチンはその薬学的に許容される誘導体であってもよい。これらは市販品を使用できる。
 L-カルニチンの誘導体としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、アセチル-L-カルニチン、ブチリル-L-カルニチン、バレリル-L-カルニチン、イソバレリル-L-カルニチン、プロピル-L-カルニチン、プロプリオニル-L-カルニチン等のL-カルニチンのエステル体等が挙げられる。
<<N-(1-オキソプロピル)-L-グルタミン、N-(1-オキソブチル)-L-グルタミン>>
 N-(1-オキソプロピル)-L-グルタミンはCAS番号111726-88-6により、N-(1-オキソブチル)-L-グルタミンはCAS番号1308962-52-8により特定される物質である。これらは市販品を使用できる。
<<シアル酸>>
 シアル酸は、アミノ基やカルボキシル基を持つノイラミン酸のアミノ基やヒドロキシ基が置換された物質を総称するファミリー名である。シアル酸としては、N-アセチルノイラミン酸、N-グリコリルノイラミン酸またはそれらの水和物等が挙げられ、N-アセチルノイラミン酸またはN-アセチルノイラミン酸水和物(CAS番号131-48-6)が好ましく、特にN-アセチルノイラミン酸が好ましい。これらは市販品を使用できる。
<<ユーコミン酸>>
 ユーコミン酸〔(R)-2-Hydroxy-2-[(4-hydroxyphenyl)methyl]butanedioic acid〕は、ミヤコグサ等の植物中に含まれる化合物である。ユーコミン酸はCAS番号60449-48-1により特定されるものであり、市販品を使用できる。
<<4-イミダゾール酢酸塩酸塩>>
 4-イミダゾール酢酸塩酸塩(Imidazole-4-acetic Acid Hydrochloride)はCAS番号3251-69-2により特定される物質であり、市販品を使用できる。
<その他成分>
 本発明のグルタミナーゼ阻害剤には、その形態等に応じて、本発明の効果を損なわない範囲内で、薬学的に許容される賦形剤などその他成分を含有してもよい。その他の成分としては、例えば、水、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、植物抽出エキス類、水溶性高分子、界面活性剤、金属石鹸、アルコール、多価アルコール、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、防腐剤、香料、粉体、増粘剤、色素、キレート剤等の添加剤が挙げられる。
 本発明のグルタミナーゼ阻害剤が阻害作用を有するグルタミナーゼとしては、腎臓型グルタミナーゼと肝臓型グルタミナーゼの少なくとも一方であることが好ましく、より好ましくは腎臓型グルタミナーゼである。
 本発明のグルタミナーゼ阻害剤の一実施形態として、腎臓型グルタミナーゼ阻害剤である場合は、ペプチド、L-カルニチン、N-(1-オキソプロピル)-L-グルタミン、N-(1-オキソブチル)-L-グルタミン、シアル酸、ユーコミン酸および4-イミダゾール酢酸塩酸塩からなる群より選択される少なくとも1またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含むことが好ましい。前記ペプチドとしては、ホモグルタチオン、N-アセチル酸化型グルタチオン、還元型グルタチオン、酸化型グルタチオンが好ましい。
 本発明のグルタミナーゼ阻害剤の一実施形態として、肝臓型グルタミナーゼ阻害剤である場合は、ペプチド、4-イミダゾール酢酸塩酸塩およびユーコミン酸からなる群より選択される少なくとも1またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含むことが好ましい。前記ペプチドとしては、ホモグルタチオン、還元型グルタチオン、N-アセチル酸化型グルタチオンおよび酸化型グルタチオンが好ましく、より好ましくはN-アセチル酸化型グルタチオンおよび酸化型グルタチオンである。
<使用形態>
 本発明のグルタミナーゼ阻害剤は、グルタミナーゼ阻害用の各種剤または組成物[例えば、飲食品、医薬、健康増進剤、栄養補助剤(例えば、サプリメントなど)、食品添加剤など]の有効成分として、利用できる。また、本発明のグルタミナーゼ阻害剤は、これをそのまま、又は慣用の成分とともにグルタミナーゼ阻害剤となして、非ヒト動物及びヒトに適用(例えば、投与、摂取、接種など)できる。
 本発明のグルタミナーゼ阻害剤の適用形態については、特に制限されず、例えば、経口、経皮、経腸、経粘膜、経静脈、経動脈、皮下、筋肉内等が挙げられる。本発明のグルタミナーゼ阻害剤は、任意の適用形態で使用してグルタミナーゼ阻害作用を発揮できるので、飲食品、医薬、飼料、ペットフード等の各種製品に適用できる。本発明のグルタミナーゼ阻害剤は、サプリメント等としてそのまま摂取(投与)してもよいし、飲食品等の組成物にグルタミナーゼ阻害作用を付与するための添加剤として使用してもよい。
 また、本発明のグルタミナーゼ阻害剤の剤型は、製品の種類や用途に応じて適宜設定でき、例えば、固形状、半固形状、液状が挙げられる。当該製品の種類や用途に応じて適宜設定される。
 また、本発明のグルタミナーゼ阻害剤は、その形態や用途等に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、他のグルタミナーゼ阻害作用を有する成分を配合してもよい。当該成分としては、例えば、ニコチン酸又はその誘導体、コレステロール合成阻害剤、プロブコール、膨潤性食物繊維等の各種植物抽出物等、シブトラミン等の食欲抑制剤、サノレックス(一般名:マジンドール)等の中枢性摂食調整剤、セチリスタット等の消化吸収阻害剤、オルリスタット等のリパーゼ阻害剤、カプサイシン等の熱産生亢進剤、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン(CAS No:51481-10-8)[(S)-2-アミノ-6-ジアゾ-5-オキソカプロン酸又はその塩(DON)]、CB-839(CAS No:1439399-58-2)、ビス-2-(5-フェニルアセトアミド-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)エチルスルフィド(BPTES)(CAS No:314045-39-1)、エブセレン(Ebselen)、Compound 968(CAS No:311795-38-7)、GlutaDON(登録商標)(PEG-PGA+DON)(New Medical Enzymes AG社製)、GlutaChemo(PEG-PGA+理想的候補)(New Medical Enzymes AG社製)等が挙げられる。また、これら以外にも、KGAに対する中和抗体またはその断片などのタンパク質もしくはペプチド、KGAをコードする遺伝子(GLS1)をノックアウトするためのsiRNAやmiRNAなどの核酸も挙げられる。これらの配合量については、本発明の効果を損なわない限り限定されない。
 本発明のグルタミナーゼ阻害剤を飲食品に用いる場合、グルタミナーゼ阻害剤を、そのまま又は他の食品素材や添加成分と組み合わせて所望の形態に調製して、前記所望の効果を奏する飲食品として提供される。
 前記飲食品としては、一般の飲食品の他、例えば、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメントを包含し、疾病リスク低減表示を付した食品などの保健機能食品(例えば、特定保険用食品、栄養機能性食品及び機能性表示食品等)、病者用食品が挙げられる。
 前記飲食品の形態として、特に制限されないが、具体的にはドリンク類、スープ類、非アルコール飲料、アルコール飲料、ゼリー状飲料及び機能性飲料等の液状食品;ゼリー及びヨーグルト等の半固形状食品;みそ及び発酵飲料等の発酵食品;クッキー及びケーキ等の洋菓子類、饅頭及び羊羹等の和菓子類、キャンディー類、ガム類、グミ、冷菓並びに氷菓等の各種菓子類;食用油、ドレッシング、マヨネーズ及びマーガリンなどの油分を含む製品;飯類、餅類、麺類、パン類及びパスタ類等の炭水化物含有食品;ハム及びソーセージ等の畜産加工食品;かまぼこ、干物、塩辛等の水産加工食品;漬物等の野菜加工食品;カレー、あんかけ及び中華スープ等のレトルト製品;インスタントスープ及びインスタントみそ汁等のインスタント食品;電子レンジ対応食品;卵を用いた加工品、及び魚介類又は畜肉の加工品;調味料;等が挙げられる。さらには、粉末、穎粒、錠剤、カプセル剤、液状、ペースト状又はゼリー状に調製された健康食品も挙げられる。これらは、前述する用途に供することが出来る。また、前記病者用食品は、グルタミナーゼが関与する疾患及び/又は症状の予防、改善及び/又は治療が必要とされる患者用として提供される。
 本発明のグルタミナーゼ阻害剤を飲食品に使用する場合、飲食品に対するグルタミナーゼ阻害剤の配合量については、飲食品の形態等に応じて異なるが、当業者であれば使用するグルタミナーゼ阻害剤に応じて、既知情報や動物試験等に基づいて効果を予測しつつ、適切に設定することができる。そのようにして設定することのできるグルタミナーゼ阻害作用を有する有効成分の配合量としては、例えば、好ましくは0.00001~100質量%、より好ましくは0.0001~100質量%、更に好ましくは0.001~100質量%、特に好ましくは0.01~100質量%となる範囲が挙げられる。
 更に、本発明のグルタミナーゼ阻害剤を飲食品に使用する場合、本発明のグルタミナーゼ阻害剤を単独で、又は他の成分と組み合わせて、食品用添加剤として提供することもできる。本発明のグルタミナーゼ阻害剤を食品用添加剤として使用する場合、当該食品用添加剤中のグルタミナーゼ阻害作用を有する有効成分の含有量、飲食品に対する当該食品用添加剤の添加量等は、添加対象となる飲食品中でグルタミナーゼ阻害剤が前述する含有量を充足できるように適宜設定すればよい。
 また、本発明のグルタミナーゼ阻害剤を医薬に使用する場合、本発明のグルタミナーゼ阻害剤を単独で、又は他の薬理活性成分、薬学的に許容される基剤や添加成分等と組み合わせて所望の形態に調製して、前記所望の効果を奏する医薬組成物として提供される。
 このような医薬組成物の形態としては、特に制限されないが、具体的には、錠剤、顆粒剤、粉剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤、シロップ剤等の経口投与製剤;液剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、噴霧剤、貼付剤、吸入剤、坐剤等の経皮又は経粘膜投与製剤;注射剤等が挙げられる。
 本発明のグルタミナーゼ阻害剤を医薬組成物に使用する場合、医薬組成物に対するグルタミナーゼ阻害剤の配合割合は、医薬組成物の形態等に応じて異なるが、当業者であれば使用するグルタミナーゼ阻害剤に応じて、既知情報や動物試験等に基づいて効果を予測しつつ、適切に設定することができる。そのようにして設定することのできるグルタミナーゼ阻害作用を有する有効成分の配合量としては、例えば、好ましくは0.00001~100質量%、より好ましくは0.0001~100質量%、更に好ましくは0.001~100質量%、特に好ましくは0.01~100質量%となる範囲が挙げられる。
 本発明のグルタミナーゼ阻害剤の適用(例えば、投与、摂取、接種など)は、その効果を発現する有効量であれば特に制限されず、通常、グルタミナーゼ阻害作用を有する有効成分の質量として、一般に一日あたり好ましくは10mg~30g、より好ましくは50mg~10g、さらに好ましくは200mg~5gである。上記適用量は1日1回以上(例えば、1日1~3回)に分けて投与するのが好ましく、年齢、病態、症状により適宜増減することもできる。
<作用>
 本発明のグルタミナーゼ阻害剤は、優れたグルタミナーゼ阻害作用を有し、グルタミナーゼが関与する疾患、障害または症状の予防、改善及び/又は治療において有用である。本発明のグルタミナーゼ阻害剤を適用し得る対象としては、哺乳類が好ましく、より好ましくはヒトである。
 前記対象としては、具体的には例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマおよびヤギをはじめとする家畜;イヌおよびネコなどのペット;エキゾチックおよび/または動物園動物;マウス、ラット、ウサギ、モルモットおよびハムスターをはじめとする実験動物;ならびにニワトリ、シチメンチョウ、アヒルおよびガチョウなどの家禽が挙げられる。
 グルタミナーゼが関与する疾患及び/又は症状としては、例えば、がん、異常な細胞増殖を特徴とする疾患、炎症性または自己免疫疾患、皮膚炎、呼吸器系疾患、過剰増殖性障害、脈管形成または血管形成に関連する疾患、内臓脂肪または皮下脂肪の蓄積に伴う疾患、興奮性神経障害による神経細胞死が関連する神経系疾患および老化細胞の蓄積に起因する加齢または老化関連疾患及び/又はこれら疾患に伴う症状が挙げられる。
 以下、各作用について説明する。
(1)抗がん作用及び抗炎症作用
 本発明に係るグルタミナーゼ阻害剤の有する抗がん作用および抗炎症作用としては、がん、異常な細胞増殖を特徴とする疾患、炎症性または自己免疫疾患、皮膚炎、呼吸器系疾患、過剰増殖性障害、脈管形成または血管形成に関連する疾患などの疾患およびこれら疾患に伴う症状の予防、改善及び/又は治療が挙げられる。
 がんとしては、例えば、膀胱における移行上皮がん、尿路上皮がん(移行上皮がん)、膀胱の内側を覆う尿路上皮細胞における腫瘍、扁平上皮がん、腺がん、および小細胞がんなどの膀胱がん;乳腺における管組織の腺管がん、髄様がん、膠様がん、管状がん、および炎症性乳がんなどの乳がん;結腸がん;腎臓がん;肝臓がん;扁平上皮がん、腺がん、および未分化大細胞がんに分類される非小細胞肺がん(NSCLC)、ならびに小細胞肺がんなどの肺がん;食道がん;胆嚢がん;卵巣の腺がんおよび卵巣から腹腔へ移った腺がんなどの上皮卵巣腫瘍を含む卵巣がん;膵臓管組織における類上皮(epitheliod)がんおよび膵管における腺がんなどの膵臓がん;リンパ腫;胃間質腫瘍およびカルチノイド腫瘍などの胃がん;扁平上皮がんおよび腺がんを含む頚部上皮における腺がんなどの子宮頸がん、ヒトパピローマウイルス(HPV)による子宮頸がん;甲状腺乳頭がん、濾胞性甲状腺がん、甲状腺髄様がんおよび未分化甲状腺がんなどの甲状腺がん;腺がんまたは骨に移った腺がん(adenocarinoma)などの前立腺がん;基底細胞がん、黒色腫、扁平上皮がんおよび光線角化症などの皮膚がん;白血病、急性および慢性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、肥満細胞症、ヘアリーセル白血病、ヘアリーセルリンパ腫およびバーケットリンパ腫をはじめとするリンパ球系造血器腫瘍;急性および慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、骨髄異形成、骨髄増殖性疾患、骨髄異形成症候群ならびに骨髄球性白血病をはじめとする骨髄細胞系列の造血器腫瘍;ヒトリンパ向性ウイルス1型(HTLV-I)および成人T細胞白血病/リンパ腫;線維肉腫および横紋筋肉腫をはじめとする間葉起原の腫瘍;神経膠腫(星状細胞腫、未分化星状細胞腫、または多形性膠芽腫)、乏突起神経膠腫、上衣腫、髄膜腫、リンパ腫、シュワン細胞腫、および髄芽腫を含む原発性脳腫瘍などの中枢神経系(CNS)がん;聴神経腫瘍、神経線維腫およびシュワン細胞腫を含む悪性末梢神経鞘腫(MPNST)、悪性線維細胞腫、悪性線維性組織球腫、悪性髄膜腫、悪性中皮腫、および悪性混合型ミュレリアン腫瘍(Mullerian tumor)などの末梢神経系(PNS)がん;黒色腫;セミノーマ;奇形腫;骨肉腫;角化棘細胞腫(keratoctanthoma);甲状腺濾胞がん;カポジ肉腫;原発性肝がん;セミノーマおよび非セミノーマを含む、胚細胞腫(GCT)などの睾丸がん、ライディッヒ細胞腫およびセルトリ細胞腫を含む生殖腺間質腫;胸腺腫、胸腺がん、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫カルチノイドまたはカルチノイド腫瘍などの胸腺がん;直腸がん、および他の腫瘍が挙げられる。
 異常な細胞増殖を特徴とする疾患としては、例えば、良性前立腺肥大症、家族性腺腫症ポリポーシス、神経線維腫症、アテローム性動脈硬化症、肺線維症、関節炎疾患(例えば、関節炎)、乾癬、糸球体腎炎、血管形成術または血管手術後の再狭窄、肥厚性瘢痕形成、炎症性腸疾患、移植拒絶、内毒素性ショック、および真菌感染症が挙げられる。
 炎症性または自己免疫疾患としては、望ましくない免疫応答に関連する炎症性疾患、自己免疫疾患、または疾患に伴う炎症反応が挙げられる。具体的には例えば、喘息、気腫、アレルギー、皮膚炎、関節リウマチ、乾癬、紅斑性狼瘡、移植片対宿主病、2型糖尿病、高血糖、インスリン抵抗性、高血圧、アテローム性動脈硬化症、NAFLD、脂肪肝、脂質異常症、関節炎、アルツハイマー、炎症性大腸炎及び心疾患が挙げられる。
 皮膚炎としては、接触性またはアトピー性皮膚炎が挙げられる。接触性皮膚炎としては、刺激性皮膚炎、光毒性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、光アレルギー性皮膚炎、接触性蕁麻疹、全身性接触型皮膚炎などが挙げられる。刺激性皮膚炎は、皮膚がある物質に対して感受性である場合に皮膚上で非常に多くの物質を使用する場合に起こり得る。場合によって湿疹と呼ばれるアトピー性皮膚炎は、アトピー性皮膚疾患である皮膚炎の一種である。
 呼吸器系疾患としては、例えば、肺葉、胸膜腔、気管支、気管、上部気道、または呼吸のための神経および筋肉に影響を及ぼす疾患が挙げられる。具体的には例えば、閉塞性肺疾患、特に慢性閉塞性肺疾患(COPD)が挙げられる。慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、気流閉塞または制限によって特徴づけられる気道疾患の総称であり、具体的には慢性気管支炎、気腫、および気管支拡張症が挙げられる。
 過剰増殖性障害としては、例えば、急性骨髄性白血病;胸腺腫・胸腺がん;脳腫瘍;肺がん;扁平上皮細胞がん;皮膚がん;眼腫瘍;網膜芽細胞腫;眼内黒色腫;下咽頭がん、喉頭がん、鼻咽頭がん、および口腔咽頭がんなどの口腔および口腔咽頭がん;膀胱がん;胃(gastric,stomach)がん;膵臓がん;膀胱がん;乳がん;頭頸部がん;腎臓(renal,kidney)がん;肝臓がん;卵巣がん;前立腺がん;結腸がんおよび直腸がんなどの大腸がん;食道がん;精巣がん;婦人科がん;甲状腺がん;中枢神経系(CNS)がん;末梢神経系(PNS)がん;びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、B細胞免疫芽球性リンパ腫および小型非開裂細胞性リンパ腫などのAIDSに関連するがん(例えばリンパ腫およびカポジ肉腫);B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、および肝細胞がんなどのウイルス誘導性がんなどのがん、および皮膚の良性過形成(例えば乾癬)、再狭窄、または前立腺[例えば、良性前立腺肥大症(BPH)]などの非がん性過剰増殖性障害が挙げられる。
 脈管形成または血管形成に関連する疾患としては、例えば、腫瘍血管形成、関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、炎症性腸疾患などの慢性炎症性疾患、乾癬、湿疹、および強皮症などの皮膚疾患、糖尿病、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、加齢性黄斑変性症、血管腫、神経膠腫、黒色腫、カポジ肉腫ならびに卵巣がん、乳がん、肺がん、膵臓がん、前立腺がん、結腸がんおよび類表皮がんなどが挙げられる。
 その他の疾患として、内毒素血症、敗血症および色素性乾皮症(xenoderoma pigmentosum)などが挙げられる。
 本発明に係るグルタミナーゼ阻害剤は、白血球の機能を妨げるか、または破骨細胞の機能を妨げる作用を有する。炎症反応は、白血球の流入および/または白血球(例えば、好中球)化学走性と特に関連している。
 本発明に係るグルタミナーゼ阻害剤は、TNFαの発現抑制作用、脂肪炎症抑制作用、マクロファージ(例えば、マクロファージ-1、マクロファージ-2)抑制作用などの作用を有する。本発明に係るグルタミナーゼ阻害剤の作用としては、例えば、血糖値上昇、血圧上昇、血中中性脂肪上昇、動脈硬化、関節炎、慢性膝関節痛及び認知症(例えば、脳内異物又は脳内老廃物の蓄積を伴う認知症)から選ばれる少なくとも1の抑制、予防又は改善作用、脂質代謝の改善作用、並びに記憶学習機能及び認知機能の少なくとも一方の増強又は改善作用が挙げられる。前記脂質代謝の改善作用としては、例えば、血中中性脂肪値の低下作用、small dense LDLコレステロール値の低下作用、全LDLに占めるsmall dense LDLコレステロールの割合の低下作用が挙げられる。
(2)抗肥満作用
 本発明に係るグルタミナーゼ阻害剤の有する抗肥満作用としては、例えば、体重増加抑制作用、体重低減作用、内臓脂肪及び皮下脂肪の蓄積抑制作用、内臓脂肪及び皮下脂肪の低減作用などが挙げられる。特に内臓脂肪及び皮下脂肪の蓄積抑制作用、内臓脂肪及び皮下脂肪の低減作用などが挙げられる。
 内臓脂肪は特に制限されないが、例えば、腹部の臓器周辺の内臓脂肪、好ましくは臍周囲の腹部に一部又は全部が存在している臓器(例えば、腸、腎臓など)周囲の内臓脂肪などが挙げられる。また、皮下脂肪は特に制限されないが、例えば、腹部、腰部、臀部、大腿部などの皮下に存在する脂肪が挙げられる。
 本発明に係るグルタミナーゼ阻害剤は、例えば、内臓脂肪又は皮下脂肪の蓄積の予防、改善又は治療に有効な飲食品、医薬に用いることができる。内臓脂肪蓄積が伴う疾患、症状としては、例えば、高血圧、糖代謝異常、脂質代謝異常などが挙げられる。また、皮下脂肪蓄積が伴う疾患又は症状としては、例えば、肥満、セルライト、たるみ(例えば、皮膚老化、弾力低下)、浮腫(むくみ)などが挙げられる。本発明に係るグルタミナーゼ阻害剤は内臓脂肪又は皮下脂肪の蓄積を抑えることで、このような疾患又は症状の発症を予防、改善又は治療することができる。
 また、内臓脂肪型肥満又は皮下脂肪型肥満の症状を抱える場合、軽度から重篤に至る様々な疾患又は症候群に進行する場合がある。内臓脂肪型肥満が原因となる疾患又は症候群として、例えば、動脈硬化、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症が挙げられる。また、皮下脂肪型肥満が原因となる疾患又は症候群として、例えば、睡眠時無呼吸症候群、頻尿、無毛症、月経異常、ホルモン低下による発育不良、貧血、卵巣がん、子宮がん、乳がん、不妊症、肝硬変、痔、深部静脈血栓症、肺塞栓症、静脈血栓塞栓症などが挙げられる。本発明に係るグルタミナーゼ阻害剤はこのような疾患又は症候群の発症を予防、改善又は治療することもできる。
(3)細胞死阻害作用
 本発明に係るグルタミナーゼ阻害剤の有する細胞死阻害作用としては、例えば、興奮性神経障害による神経細胞死が関連する神経系疾患の予防/治療が挙げられる。神経系疾患としては、例えば、虚血障害、炎症性神経疾患及び神経変性疾患等が挙げられる。
 虚血障害としては、例えば、脳卒中、脳出血、脳梗塞及び脳血管性認知症が挙げられる。炎症性神経疾患としては、例えば、脳炎後遺症、急性散在性脳脊髄炎、細菌性髄膜炎、結核性髄膜炎、真菌性髄膜炎、ウイルス性髄膜炎、ワクチン性髄膜炎等の中枢神経系炎症性神経疾患が挙げられる。神経変性疾患としては、例えば、アルツハイマー、頭部外傷、脳性麻痺、ハンチントン病、ピック病、ダウン症、パーキンソン病、エイズ脳症、多系統萎縮症、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳失調症等が挙げられる。
(4)老化細胞除去作用
 本発明に係るグルタミナーゼ阻害剤の有する老化細胞除去作用としては、例えば、in vivoまたはin vitroにおいて老化細胞に細胞死を誘導し、老化細胞を含む細胞集団から、老化細胞を選択的に除去する作用が挙げられる。
 本明細書において、老化細胞とは、細胞増殖または細胞周期が不可逆的に停止した細胞のことである。細胞が老化細胞であるかどうかは、細胞老化の特徴を指標にして評価することができる。細胞老化の特徴としては、p16(CDKN2A)タンパク質の発現上昇、細胞老化特異的β-ガラクトシダーゼ(senescence-associated β-galactosidase:SA-β-gal)の活性化、p21(CDKN1A)タンパク質の発現上昇、p19タンパク質の発現上昇、細胞老化特異的ヘテロクロマチン形成(Senescence-associated heterochromatic foci:SAHF)、DNA損傷応答(DDR)および老化関連分泌表現型(senescence-associated secretory phenotype:SASP)などが挙げられる(細胞老化の特徴に関する、詳細については、例えば、Kuilmanら, Genes Dev 24:2463-2479, 2010などをご参照)。
 本発明に係るグルタミナーゼ阻害剤の有する老化細胞除去作用により、老化細胞の蓄積に起因する加齢または老化関連疾患、例えば、動脈硬化、骨粗鬆症、白内障、緑内障、認知症、パーキンソン病、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患、がん、2型糖尿病、慢性腎不全、心肥大、肝硬変、サルコペニアまたは羸痩などの予防または治療に効果を発揮し得る。
 以上説明したように、本明細書には以下の事項が開示されている。
<1>ペプチド、L-カルニチン、N-(1-オキソプロピル)-L-グルタミン、N-(1-オキソブチル)-L-グルタミン、シアル酸、ユーコミン酸、4-イミダゾール酢酸塩酸塩からなる群より選択される少なくとも1またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、グルタミナーゼ阻害剤。
<2>前記ペプチドがオリゴペプチドである、前記<1>に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
<3>前記ペプチドがトリペプチドまたはジペプチドである、前記<1>または<2>に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
<4>前記ペプチドがグルタミン酸およびシステインを含むペプチドである、前記<1>~<3>のいずれか1に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
<5>前記ペプチドがγ-グルタミルシステインを含むペプチドである、前記<1>~<4>のいずれか1に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
<6>前記ペプチドがホモグルタチオン、N-アセチル酸化型グルタチオン、還元型グルタチオン、酸化型グルタチオンからなる群より選択される少なくとも1のペプチドである、前記<1>~<5>のいずれか1に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
<7>前記グルタミナーゼ阻害剤が阻害作用を有するグルタミナーゼが、腎臓型グルタミナーゼおよび肝臓型グルタミナーゼの少なくとも一方である、前記<1>~<6>のいずれか1に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
<8>前記グルタミナーゼ阻害剤が阻害作用を有するグルタミナーゼが、腎臓型グルタミナーゼである、前記<1>~<7>のいずれか1に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
 以下に実施例を示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]腎臓型グルタミナーゼ阻害活性の評価
(評価用腎臓粗抽出液の調製)
 8週齢の雄マウスC57BL/6J(日本チャールスリバー株式会社および日本クレア株式会社)の腎臓を摘出し、試験に供するまで-80℃で冷凍保管した。試験実施日に腎臓を解凍してPBSバッファーで軽く洗浄した後に、ホモジネート用バッファーを加えてバイオマッシャーIII(ニッピ社製)でホモジナイズした。
 得られた粗抽出液のタンパク質濃度をPierce(商標) 660nm Protein Assay Reagent(Thermo Fisher Scientific社製)を用いて測定した。総タンパク質濃度がおよそ25mg/mLとなるようPBSバッファーで希釈し、評価用腎臓粗抽出液とした。ホモジネート用バッファーの組成を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
(評価用サンプルの調製)
 27種類のグルタミナーゼ阻害活性評価化合物をそれぞれ200mMの濃度でPBSバッファーに溶解又は懸濁させ、評価用サンプルを調製した。使用したグルタミナーゼ阻害活性評価化合物とそのCAS番号を表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
(腎臓型グルタミナーゼ阻害活性評価)
 上記評価用腎臓粗抽出液20μL、グルタミナーゼ阻害活性評価用サンプル5μLおよび腎臓用アッセイバッファー55μLを混合して得られた混合液を、37℃で20分間インキュベートした。腎臓用アッセイバッファーの組成を表3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 前記混合液に反応基質としてグルタミン20μL(終濃度40mM)を添加し、さらに37℃で10分間インキュベートして、グルタミナーゼによるグルタミンからグルタミン酸への転換反応を行った。反応終了後、3M HClを10μL添加して酵素反応を停止させ、L-グルタミン酸測定キット「ヤマサ」NEO(ヤマサ醤油社製)を用いて反応後の溶液中のグルタミン酸を定量した。各サンプルを3回測定し、その平均値をグルタミン酸濃度とした。なお、グルタミナーゼ阻害剤のポジティブコントロールとしては20mM DON、ネガティブコントロールとしてはPBSバッファーを使用した。
 グルタミン転換活性は、[反応後溶液のグルタミン酸濃度(g/L)]/147.13/0.04で算出した。さらに、グルタミン転換率(%)は、[各評価用サンプルのグルタミン転換活性]/[ネガティブコントロール(PBSバッファー)のグルタミン転換活性]×100で算出した。各評価用サンプルの阻害活性評価は2回ずつ実施した。
(評価結果)
 表2に示したグルタミナーゼ阻害活性評価化合物の腎臓型グルタミナーゼ阻害活性を上記方法で測定した。各化合物のグルタミン転換率(%)を図1および図2に示す。
 No.18~27の評価用サンプルでグルタミン転換率の低下が見られたことから、L-カルニチン、N-(1-オキソプロピル)-L-グルタミン、N-(1-オキソブチル)-L-グルタミン、ホモグルタチオン、N-アセチル酸化型グルタチオン、還元型グルタチオン、酸化型グルタチオン、N-アセチルノイラミン酸、ユーコミン酸、4-イミダゾール酢酸塩酸塩は腎臓型グルタミナーゼに対して阻害活性を示すことが分かった。
 これらの中でも特にNo.19~26の化合物群[N-(1-オキソプロピル)-L-グルタミン、N-(1-オキソブチル)-L-グルタミン、ホモグルタチオン、N-アセチル酸化型グルタチオン、還元型グルタチオン、酸化型グルタチオン、N-アセチルノイラミン酸、ユーコミン酸]はグルタミン転換率を50%以下にまで低下させたことから、顕著な腎臓型グルタミナーゼ阻害活性を示すことが分かった。
[実施例2]肝臓型グルタミナーゼ阻害活性の評価
(評価用肝臓粗抽出液の調製)
 8週齢の雄マウスC57BL/6J(日本チャールスリバー株式会社および日本クレア株式会社)の肝臓を摘出し、実施例1に記載の評価用腎臓粗抽出液の調製と同様の方法で評価用肝臓粗抽出液を調製した。
(肝臓型グルタミナーゼ阻害活性評価)
 グルタミナーゼ阻害活性評価用サンプルの調製は実施例1に記載の通り行った。表2に記載の化合物のうち、No.21~27を肝臓型グルタミナーゼ阻害活性評価に供した。上記評価用肝臓粗抽出液20μL、グルタミナーゼ阻害活性評価用サンプル5μLおよび肝臓用アッセイバッファー55μLを混合して得られた混合液を、37℃で20分間インキュベートした。肝臓用アッセイバッファーの組成を表4に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 前記混合液に反応基質としてグルタミン20μL(終濃度40mM)を添加し、さらに37℃で10分間インキュベートして、グルタミナーゼによるグルタミンからグルタミン酸への転換反応を行った。反応終了後、3M HClを10μL添加して酵素反応を停止させ、L-グルタミン酸測定キット「ヤマサ」NEO(ヤマサ醤油社製)を用いて反応後の溶液中のグルタミン酸を定量した。各サンプルを3回測定し、その平均値をグルタミン酸濃度とした。なお、グルタミナーゼ阻害剤のポジティブコントロールとしては20mM DON、ネガティブコントロールとしてはPBSバッファーを使用した。グルタミン転換率(%)は実施例1に記載した方法で算出した。各評価用サンプルの阻害活性評価は2回ずつ実施した。
(評価結果)
 表2のNo.21~27のグルタミナーゼ阻害活性評価化合物の肝臓型グルタミナーゼ阻害活性を上記方法で測定した。各化合物のグルタミン転換率(%)を図3に示す。
 ポジティブコントロールとして用いたDONのグルタミン転換率が低下していなかったことから、DONは肝臓型グルタミナーゼ阻害活性を示さないことが分かった。ホモグルタチオン(No.21)、還元型グルタチオン(No.23)、4-イミダゾール酢酸塩酸塩(No.27)ではグルタミン転換率が80%程度にまで低下していたことから、これらの化合物が肝臓型グルタミナーゼ阻害活性を示す可能性が示唆された。
 さらに、N-アセチル酸化型グルタチオン(No.22)、酸化型グルタチオン(No.24)、ユーコミン酸(No.26)ではグルタミン転換率が40%以下にまで低下していたことから、これらの化合物が肝臓型グルタミナーゼ阻害活性を示す可能性が強く示唆された。
 本発明を特定の態様を参照して詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を離れることなく様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。なお、本出願は、2022年1月28日出願の日本特許出願(特願2022-012061)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。また、ここに引用されるすべての参照は全体として取り込まれる。

Claims (8)

  1.  ペプチド、L-カルニチン、N-(1-オキソプロピル)-L-グルタミン、N-(1-オキソブチル)-L-グルタミン、シアル酸、ユーコミン酸、4-イミダゾール酢酸塩酸塩からなる群より選択される少なくとも1またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、グルタミナーゼ阻害剤。
  2.  前記ペプチドがオリゴペプチドである、請求項1に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
  3.  前記ペプチドがトリペプチドまたはジペプチドである、請求項1または2に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
  4.  前記ペプチドがグルタミン酸およびシステインを含むペプチドである、請求項1または2に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
  5.  前記ペプチドがγ-グルタミルシステインを含むペプチドである、請求項1または2に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
  6.  前記ペプチドがホモグルタチオン、N-アセチル酸化型グルタチオン、還元型グルタチオン、酸化型グルタチオンからなる群より選択される少なくとも1のペプチドである、請求項1または2に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
  7.  前記グルタミナーゼ阻害剤が阻害作用を有するグルタミナーゼが、腎臓型グルタミナーゼおよび肝臓型グルタミナーゼの少なくとも一方である、請求項1または2に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
  8.  前記グルタミナーゼ阻害剤が阻害作用を有するグルタミナーゼが、腎臓型グルタミナーゼである、請求項1または2に記載のグルタミナーゼ阻害剤。
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