WO2023074012A1 - 接続端子及びアンテナ装置 - Google Patents

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剛 小森
俊輔 鈴木
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    • H01Q1/00Details of, or arrangements associated with, antennas
    • H01Q1/12Supports; Mounting means

Abstract

アンテナ素子を基板に接続する接続端子であって、前記基板に形成された貫通孔に、前記基板の一方の面側から挿入された前記アンテナ素子の被保持部を前記基板の前記一方の面とは反対側の他方の面側の位置で保持する保持部と、前記保持部を前記基板に支持する支持部と、を備える、接続端子を提供する。

Description

接続端子及びアンテナ装置
 本発明は、接続端子及びアンテナ装置に関する。
 特許文献1には、アンテナ基板を本体基板の上方で保持するアンテナ装置が開示されている。
特開2021-034750号公報
 本発明の目的の一例は、アンテナ装置の低背化を図ることにある。
 上記課題を解決するために、本発明の一態様では、アンテナ素子を基板に接続する接続端子であって、前記基板に形成された貫通孔に、前記基板の一方の面側から挿入された前記アンテナ素子の被保持部を前記基板の前記一方の面とは反対側の他方の面側の位置で保持する保持部と、前記保持部を前記基板に支持する支持部と、を備える、接続端子を提供する。
 本発明の一態様では、前記接続端子と、前記接続端子が取り付けられた前記基板と、前記接続端子を介して前記基板に接続された前記アンテナ素子と、前記アンテナ素子のグランドとして機能するグランド部と、を備えるアンテナ装置を提供する。
 本発明の一態様によれば、アンテナ装置を低背化することができる。
アンテナ装置100の斜視図の一例を示す。 アンテナ装置100において、ケース14を除いた上面図の一例を示す。 基板12、接続端子15a、及びアンテナ素子13の給電部31の分解斜視図の一例を示す。 基板12の上面図(A)と、給電部31が挿入されるとともに、基板12に係合した接続端子15aの側断面図(B)と、を示す。 基板12、接続端子101、及びアンテナ素子13の給電部31の分解斜視図の一例を示す。 接続端子101を介してアンテナ素子13を基板12に接続した場合と、接続端子15aを介してアンテナ素子13を基板12に接続した場合とを比較した側面図の一例を示す。 基板12、接続端子15b、及びアンテナ素子13の給電部31の分解斜視図の一例を示す。 基板12、接続端子15c、及びアンテナ素子13の給電部31の分解斜視図(A)及び側断面図(B)の一例を示す。 基板12、接続端子15d、及びアンテナ素子13の給電部31の分解斜視図(A)並びに側断面図(B)の一例を示す。 基板12、接続端子15e、及びアンテナ素子13の給電部31の分解斜視図(A)並びに側断面図(B)の一例を示す。 接触部71から保持部51の少なくとも一部及び支持部52の少なくとも一部を介して接触部72へ至るまでの第1長さd1を示した接続端子15aの側断面図の一例を示す。 第1長さd1を変えた場合のアンテナ装置100のVSWRの一例を示す。 接触部71から保持部51の少なくとも一部及び支持部52を介して開放端へ至るまでの第2長さd2及び第3長さd3を示した接続端子15aの側断面図の一例を示す。 第2長さd2及び第3長さd3を変えた場合のアンテナ装置100のVSWRの一例を示す。 基板12に取り付けられた接続端子15aの斜視図(A)、アンテナ素子13を保持した接続端子15aの斜視図(B)、及び第5長さd5の概念図(C)を示す。 第5長さd5を変えた場合のアンテナ装置100のVSWRの一例を示す。 基板12、接続端子101、及びアンテナ素子13の給電部31の側断面図の一例を示す。 接続端子15a及び接続端子101のVSWRの一例を示す。 接続端子15cの支持部58を展開した場合の斜視図(A)及び接続端子15cの側断面図(B)の一例を示す。 接続端子15dの斜視図(A)、上面図(B)、及び側断面図(C)の一例を示す。 接続端子15eの斜視図(A)、上面図(B)、及び側断面図(C)の一例を示す。 アンテナ素子13の斜視図の一例を示す。 基板12の角部に給電部31を配置した上面図のうち、基板12の長辺にアンテナ素子13の長辺が沿う配置例(A)、及び基板12の短辺にアンテナ素子13の長辺が沿う配置例(B)を示す。 図23に示した各配置におけるアンテナ装置100のVSWRの一例を示す。 基板12の長辺の中点近傍に給電部31を配置した上面図のうち、基板12の長辺にアンテナ素子13の長辺が沿う配置例(A)、及び基板12の長辺にアンテナ素子の短辺が沿う配置例(B)を示す。 図25に示した各配置におけるアンテナ装置100のVSWRの一例を示す。 基板12の長辺にアンテナ素子13の長辺が沿う配置であって、基板12の上面図のうち、給電部31を、基板12の角部に配置した配置例(A)、基板12の長辺の中点近傍に配置した配置例(B)、基板12の短辺の中点近傍に配置した配置例(C)、及び基板12の中央近傍に配置した配置例(D)を示す。 図27に示した各配置におけるアンテナ装置100のVSWRの一例を示す。 グランド部11上方にアンテナ素子13を配置した上面図のうち、アンテナ素子13の少なくとも一部と基板12の切欠部20とが重複するように配置された配置例(A)と、アンテナ素子13全体を基板12と重複するように配置した配置例(B)と、を示す。 図29に示した各配置におけるアンテナ装置100のVSWRの一例を示す。
 本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
 以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を説明する。各図面に示される同一又は同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。なお、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
 図1は、アンテナ装置100の斜視図の一例を示す。図2は、アンテナ装置100において、ケース14を除いた上面図である。アンテナ装置100は、グランド部11、基板12、アンテナ素子13、ケース14、及び図3-図4で後述する接続端子15aを備える。
 <<方向等の定義>>
 図1において、略長方形状を有する板状のグランド部11の最も長い一辺に沿う方向、又は長辺に平行な方向にx軸を定める。本実施形態では、x軸において、後述する給電部31から短絡部32に向かう方向を、+x方向(又は、「右方向」)とし、短絡部32から給電部31に向かう方向を、-x方向(又は、「左方向」)と称する。また、x軸と、グランド部11の-x側の短辺(又は短辺を延長した直線)と、が横断する点を原点とする。
 ここでは、原点から給電部31(後述)の方向に延びるグランド部11の辺に沿った方向、又はその辺に平行な方向の軸をy軸とし、+y方向を「後方」、-y方向を「前方」と称する。
 さらに、z軸を、x-y平面に対して垂直な方向に定める。このように定めた場合に、+z方向を「上方向」、-z方向を「下方向」と称することがある。
 グランド部11等の板状の部材において、上方(+z側)の面を「おもて面」、おもて面とは反対側の下方(-z側)の面を「裏面」と称することがある。さらに、各部材に対し、x方向又はy方向の寸法を「幅」、z方向の寸法を「高さ」と称することがある。
 なお、上述した方向等の定義については、特記した場合を除き、本明細書の他の実施形態においても共通である。
<<アンテナ装置100の概要>>
 次に、図1及び図2を参照しつつ、アンテナ装置100の概要を説明する。
 アンテナ装置100は、車両用のアンテナ装置である。本実施形態のアンテナ装置100は、例えば、車両のルーフに形成された開口部に設けられた電磁波透過性の樹脂又はガラスと、シャーシとの間に配置される、Hiddenアンテナ又はフラットアンテナと称されるアンテナ装置である。ただし、アンテナ装置100は、車両以外の移動体において使用されるアンテナ装置であってもよい。
 グランド部11は、アンテナ装置100の底面となる金属製の板状部材である。なお、本実施形態では、アンテナ装置100の底面にグランド部11が設けられることとしたが、グランド部11を設けず、車両の金属製のボディをアンテナ装置100のグランドとしても良い。この場合、車両と、アンテナ装置100の基板12(後述)との間には、樹脂製のベース部材が設けられていても良い。
 また、グランド部11として、図示しない樹脂ベースと、樹脂ベースの上方(+z側)に配置される金属ベースと、を含むこととしても良い。なお、金属ベースとは、例えば、種々の部品が取り付けられるように加工された金属製の部材である。
 本実施形態では、グランド部11は、略長方形状を有する。なお、グランド部11の形状は、略長方形状に限定されず、略四辺形状であってよい。ここで、「四辺形」には、正方形、長方形、平行四辺形、台形、又は菱形等の様々な形状が含まれる。
 なお、「略長方形状」又は「略四辺形状」には、少なくとも一部の角が辺に対して斜めに切り欠かれた形状や、角において丸みを帯びた面取りを有する形状や、辺の一部に切り込みや出っ張りが設けられた形状も含む。さらに、グランド部11の形状は、設計に応じて円形、楕円形、半円形、半楕円形、扇形、又は多角形等の異なる形状であってもよい。
 基板12は、アンテナ素子13等が実装される板状部材であり、グランド部11の上方に配置される。
 本実施形態の基板12は、基板12の平面視において、グランド部11と重なり、かつグランド部11より小さなサイズを有する。特に、本実施形態の基板12は、図2中の左上部側の角部分において、略四辺形状の切欠部20を有する。ただし、基板12は、基板12の平面視において、グランド部11と同じ形状及びサイズを有してもよい。
 なお、基板12の「平面視」とは、+z方向から基板のおもて面(x-y平面)を見た視点を指す。また、以下において、基板12の「平面視」を、単に「平面視」と記載する。
 アンテナ素子13は、例えば、5G等のテレマティクス用のアンテナ素子であって、600MHz~960MHz,1400~6000MHzの周波数帯に対応する。ただし、アンテナ素子13は、V2X(Vehicle to Everything)、AM/FMラジオ、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、キーレスエントリー、スマートエントリー用等の異なる目的に使用されるアンテナであってもよく、直線偏波用のアンテナであってもよい。ここで、アンテナ素子13は、基板12に、後述する接続端子15aを介して電気的に接続される。
 以下において、「接続」するという用語を用いるが、特段断りのない限り、「物理的に接続」することに限定されず、「物理的に接続」することと、「電気的に接続」することとの何れの意味をも含むものとする。
 また、図1及び図2には、アンテナ素子13が、基板12の上方に1つのみ設けられた形態を示しているが、アンテナ素子13は、MIMO(Multi input Multi Output)方式に対応すべく、基板12上に複数設けられてもよい。あるいは、異なる周波数帯に対応するアンテナ素子、又はV2X、AM/FMラジオ用等の異なる目的に使用されるアンテナ素子が、複数のアンテナ素子13として設けられていてもよい。
 なお、アンテナ素子13の構成及び配置については、後に詳細に説明する。
 ケース14は、グランド部11の上方を覆うことにより、グランド部11とともに、基板12及びアンテナ素子13等が収容される収容空間を形成する。ケース14は、電磁波透過性の合成樹脂(例えば、ABS樹脂)製であり、アンテナ素子13の上方を覆う。アンテナ装置100がケース14を備えることにより、アンテナ装置100の運搬性が向上し、アンテナ装置100の車両への取り付けが簡便となる。ただし、ケース14は、アンテナ装置100の設計条件等に基づいて、省略可能である。
 本実施形態では、ケース14は略直方体形状(箱形状)を有する。ただし、ケース14の形状は略直方体形状に限定されるものでなく、アンテナ装置100を搭載する車両への設置箇所の条件(スペース等)によって異なる形状を有するものが使用されてよい。特に、本実施形態では、ケース14の高さは、アンテナ装置100を車両のルーフとシャーシとの間に配置できる高さに設計される。
 ケース14は、スナップフィット、ネジ止め、溶着、又は接着等の種々の接合方式により、グランド部11及びアンテナ素子13に対して固定される。ただし、ケース14は、グランド部11又はアンテナ素子13の何れか一方のみに固定されていてもよい。
 また、本実施形態のケース14は、電磁波透過性の合成樹脂(例えば、ABS樹脂)製であり、アンテナ素子13の上方を覆う。ただし、アンテナ素子13がケース14を介して、車両の外部と通信が可能であればよく、ケース14は、一部が金属で設けられてもよい。このようなケース14の金属部分は、アンテナ装置100の指向性を制御する無給電素子として機能する。
 ==給電部31及び短絡部32==
 アンテナ素子13は、天板部21、及び側板部22,23を含む。側板部22には、給電部31、及び短絡部32が設けられている。なお、アンテナ素子13の詳細な構成については後述するものとし、ここでは、給電部31及び短絡部32について簡単に説明する。
 給電部31及び短絡部32は、それぞれ、基板12に取り付けられた接続端子15aにより保持されている。給電部31は、基板12から給電され、短絡部32は、グランド部11に接続される。これにより、短絡部32の電位は、グランド電位と等しくなる。なお、短絡部32が設けられることにより、アンテナ素子13は、折返しダイポールアンテナとして動作できる。
 このように、アンテナ素子13は、給電部31及び短絡部32が、接続端子15aに保持されることにより、基板12に接続される。詳細は後述するが、給電部31及び短絡部32は、接続端子15aの保持部51に保持される「被保持部」に対応する。
 <<接続端子15aの概要>>
 次に、図3及び図4を参照して、アンテナ素子13を基板12に接続する接続端子15aについて説明する。なお、以下においては、給電部31を保持する接続端子15aについて説明するが、短絡部32を保持する接続端子15aの構成も同様である。
 図3は、基板12、接続端子15a、及びアンテナ素子13の給電部31の分解斜視図の一例であり、図4は、基板12の上面図(同図(A))、及び給電部31が挿入されるとともに、基板12に取り付けられた状態の接続端子15aの側断面図(同図(B))を示す。なお、図4(B)は、図4(A)のC-C’断面図に相当する。
 図4に示すように、基板12には貫通孔41と孔42a~42dが形成されている。接続端子15aは、貫通孔41と孔42a~42dを用いて基板12に取り付けられる。
 接続端子15aは、保持部51及び支持部52を有する。保持部51は、アンテナ素子13の給電部31を、基板12のおもて面91より裏面92側の位置において保持する。支持部52は保持部51を基板12に対して支持する。
 ==保持部51の説明==
 保持部51は、給電部31を弾性的に挟持することにより、給電部31を保持する。
 なお、アンテナ素子13の給電部31は、下端部が上方に折り返された構造を有し、この折り返し部分が保持部51に保持される。これにより、保持部51が給電部31を保持するための保持強度を十分に出来る。ただし、給電部31の板金を厚くすることによって、保持強度を高めることとしてもよい。
 保持部51は、一対の挟持部61a,61b、及び連結部62を有する。
 一対の挟持部61a,61bは、給電部31を左右から(図中y方向の正負方向に)弾性的に挟持する。挟持部61a,61bの互いに対向する面にそれぞれには、図4(B)に示すよう、給電部31に接触する突起状の接触部71,72が形成されている。
 このような接触部71,72が形成されることで、接触部71,72は、給電部31を左右から(図中y方向の正負方向に)強く挟持できる。また、接触部71,72の給電部31に対する圧力が高くなるので、接続端子15aと、給電部31との電気的な接続をより確実にし、かつ、良好にすることが出来る。なお、接触部71と接触部72との最短距離(図中y方向における距離)が、給電部31における接触部71と接触する位置と接触部72と接触する位置との最短距離(図中y方向における距離)と同等以下であることが好ましい。
 連結部62は、一対の挟持部61a,61bを、貫通孔41の下方(基板12の裏面側)に突出した位置で連結する。本実施形態においては、連結部62は基板12の裏面92よりも下方(-z方向)の位置で一対の挟持部61a,61bを連結している。
 挟持部61a,61bには、保持部51の剛性を低くする役割を有する切欠部63が形成されている。保持部51の剛性が高過ぎると、挟持部61a,61bの間にアンテナ素子13の給電部31を挿入しにくくなる。しかしながら、切欠部63は、保持部51の剛性を低下させるため、本実施形態では、挟持部61a,61bの間に給電部31を円滑に挿入することが可能になる。なお、切欠部63の寸法(幅や長さ)によって保持部51の剛性を適度に調整することができる。
 切欠部63は、挟持部61aから、連結部62を通って、挟持部62bに至るようにスリット状に形成される。本実施形態の接続端子15aは、切欠部63を2つ含むが、切欠部63は、1つだけ設けられていてもよいし、3以上設けられていてもよく、また、切欠部63の形状はスリット状に限らない。なお、切欠部63を設けなくても、保持部51が適度な剛性を有する場合には、切欠部63は設けられなくてもよい。
 切欠部63は、「第1切欠部」に相当する。また、接触部71は、「第1接触部」に相当し、接触部72は、「第2接触部」に相当する。
 ==支持部52の説明==
 支持部52は、保持部51を基板12に対して支持し、面接触部73、及び被挿入部74を有する。
 面接触部73は、保持部51の挟持部61a,61bの上端に連続して設けられた、平板状の部分であって、下面が基板12のおもて面91に当接する。なお、面接触部73は、下面の少なくとも一部が基板12のおもて面91に当接すればよい。
 被挿入部74は、面接触部73の端部に連続して下方に折り曲げられるように設けられ、孔42c,42dに挿入される部分である。なお、被挿入部74は、孔42c,42dのみに対応して設けられ、孔42a,42bに対応する被挿入部74は省略されている。
 孔42c,42dには予めはんだが充填固化されており、接続端子15aを基板12に取り付ける際には、はんだを溶解した状態で被挿入部74を挿入した後、はんだを再度固化させることにより、被挿入部74を孔42c,42d内に固定する。また、上記のように、面接触部73が基板12のおもて面91に面接触することにより、接続端子15aの姿勢を安定させた状態で、被挿入部74を孔42c,42d内に挿入し固定することができる。
 ここでは、被挿入部74を孔42c,42d側で、充填固化したはんだで固定しているが、被挿入部74が省略される孔42a,42b側では、孔内でのはんだ固定を行っていない。これは、面接触部73が、以下で説明するはんだ接続部121a,121bを介して、はんだ接合されることにより、接触部71,72より-x側で、基板12に対する十分な接合強度を確保できるためである。ただし、孔42a,42b側にも被挿入部74を設けるとともに、被挿入部74を孔42a,42b内ではんだ接合してもよい。
 本実施形態の接続端子15aと、基板12のおもて面91との間においては、はんだ接合による接続部121a,121bが設けられる。また、基板12のおもて面91には、接続部121a,121bから基板12のポート123a,123bへと接合するパターニング122a,122bが設けられる。
 なお、支持部52の少なくとも一部と、基板12のおもて面との間が接続されればよく、アンテナ装置100の設計上の条件により、支持部52の異なる箇所において接続部121a,121bが設けられていてもよい。例えば、支持部52は、基板12の裏面92側に接続部121a,121bを有してよく、基板12の裏面92側において基板と接続されていてもよい。
 <<比較例の接続端子101の概要>>
 図5は、基板12、接続端子101、及びアンテナ素子13の給電部31の分解斜視図の一例を示す。接続端子101は、側断面形状においてM字型を呈しており、アンテナ素子13の給電部31を挟み込んで保持する保持部53と、保持部53を基板12に対して支持する支持部54と、を有する。
 接続端子101は、基板12のおもて面91から上方に突出した状態で基板12に取り付けられ、保持部53は、基板12のおもて面91より上方でアンテナ素子13の給電部31を保持する。保持部53は、接触部71,72を有し、接触部71,72においてアンテナ素子13の給電部31と接触する。
 このように、アンテナ素子13の給電部31は、接触部71,72を介して、接続端子101に接続される。
 支持部54は下端部に被挿入部76を有する。被挿入部76は、基板12に形成された孔43a,43bに挿入される。被挿入部76は、係止部81a,81b、折曲部82a,82b、及び接続部83a,83bを有する。折曲部82a,82bは係止部81a,81bの先端側に隣接して設けられ、接続部83a,83bは係止部81a,81bのさらに先端側に隣接して設けられる。
 係止部81a,81bは、被挿入部76が、孔43a,43bに挿入される場合に、基板12のおもて面91において、孔43a,43bの外縁に係合することで、接続端子101を孔43a,43bに対して保持する。
 折曲部82a,82bは、被挿入部76が孔43aに挿入された後、接続部83a,83bが基板12の裏面92に当接するように折り曲げられる。
 接続部83a,83bは、基板12の裏面92に当接した状態で、はんだ接合等により、裏面92のパターニングと電気的に接続される。これにより、アンテナ素子13は、接続端子101を介して、基板12の裏面92のパターニングと電気的に接続される。
 ===接続端子15aと接続端子101との比較===
 図6は、接続端子101を介してアンテナ素子13を基板12に接続した場合と、接続端子15aを介してアンテナ素子13を基板12に接続した場合とを比較して示す側面図である。
 上述のとおり、接続端子15aは、アンテナ素子13の給電部31を基板12のおもて面91より下方で保持し、一方、接続端子101は、アンテナ素子13の給電部31を基板12のおもて面91より上方で保持する。
 このため、接続端子15aが保持するアンテナ素子13の基板12からの高さは、接続端子101が保持するアンテナ素子13よりも、図6に示すΔHだけ低くなる。なお、接続端子15aにおいて、基板12の裏面92より突出している部分は、基板12とグランド部11との間に位置する。従って、本実施形態の接続端子15aを用いることにより、アンテナ装置100をΔHだけ、低背化することができる。また、アンテナ素子13の基板12からの高さが低くなることで、振動等に対し、アンテナ素子13を基板12により安定に保持することができる。
 以下に本発明に係る接続端子の変形例を示す。以下の変形例では、主に、上記した接続端子15aとの相違点を説明する。なお、各変形例では、接続端子の保持部に切欠部が形成されない形態を示すが、上述した接続端子15aと同様に保持部の剛性を低下させるべく切欠部が形成されてもよい。
 ==接続端子15の変形例1(接続端子15b)==
 図7は、基板12、接続端子15b、及びアンテナ素子13の給電部31の分解斜視図の一例を示す。接続端子15bは、保持部55及び支持部56を含む。保持部55及び支持部56は、接続端子15aと同様に基板12に接続される。
 接続端子15aでは、孔42a,42bに対応する被挿入部74が省略されていたが、本変形例では、孔42a,42bに挿入される被挿入部74が設けられている。
 なお、以下の図8-図10の変形例2~4の説明においては、接続部121a,121b、パターニング122a,122b、及びポート123a,123bの図示は省略し、接続関係についての詳細は後述する。
 ==接続端子15の変形例2(接続端子15c)==
 図8は、基板12、接続端子15c、及びアンテナ素子13の給電部31の分解斜視図(A)及び側断面図(B)の一例を示す。
 接続端子15cは、保持部57及び支持部58を有する。保持部57は、挟持部から突起する形態の接触部71,72を有しない。保持部57においては、給電部31を挟持した場合に、給電部31と接する領域が接触部71,72に相当する。ただし、挟持部から突起する接触部71,72を設けてもよく、この点は以下の変形例3及び4についても同様である。
 支持部58は、孔44a,44bに挿入される被挿入部76を有する。被挿入部76は、孔44a,44bに挿入された場合に、基板12の裏面92から突出する捻り部111a,111b、及び、つまみ部112a,112bを有する。
 まず、支持部58の被挿入部76は、孔44a,44bに挿入される。次に、支持部58の捻り部111aは、z軸を回転軸として、+z方向に対する右ねじの方向に(すなわち、平面視において、反時計周りに)約1/4回転するように捻られる。この際、つまみ部112aを摘んで捻り部111aが捻られてよい。具体的には、つまみ部112aの+x方向に向かう先端部を+y方向に向かうように、つまみ部112aを回転させる。
 同様に、捻り部111bは、z軸を回転軸として、+z方向に対する左ねじの方向に(すなわち、平面視において、時計回りに)約1/4回転するように捻られる。この際、つまみ部112bを摘んで捻り部111aが捻られてよい。具体的には、つまみ部112bの+x方向に向かう先端部を-y方向に向かうように、つまみ部112bを回転させる。これにより、接続端子15cは、基板12に対し、クリンチ固定される。
 さらに、つまみ部112a,112bは、基板12の裏面92に対し、手はんだによるはんだ接合によって接続される。なお、支持部58のつまみ部112a,112bとは異なる部分が基板12に対してはんだ接合されてもよい。支持部58のつまみ部112a,112bとは異なる部分が基板12に対してはんだ接合される場合、支持部58の基板12へのクリンチ固定の前に、はんだ接合が行われてもよい。
 ==接続端子15の変形例3(接続端子15d)==
 図9は、基板12、接続端子15d、及びアンテナ素子13の給電部31の分解斜視図(A)並びに側断面図(B)の一例を示す。接続端子15dは、保持部59a及び支持部60を有する。
 保持部59は、保持部51,53,55,57と同様、基板12のおもて面91より裏面92側において連結されている。
 一方、支持部60は、径方向の内側に四辺形の開口を有する枠状の平板である。支持部60は、貫通孔41の周囲を囲むように、基板12のおもて面91に当接する。
 また、支持部60は、基板12側の表面において、例えばはんだ接合により、基板12に対して固定される。従って、支持部60は、支持部52の孔41a~41dに挿入される被挿入部74のような被挿入部を有しない。このため、基板12側においても、被挿入部を挿入するための孔も形成されない。保持部59aは、支持部60の四辺形開口の対向辺に連続して設けられ、貫通孔41内に挿入される。
 なお、接続端子15dは、一枚の平板材から製造することもできる。例えば、図9に示す一点鎖線に沿って支持部60を切断すると共に、保持部59aを伸張した状態の平板材を製作し、伸張した保持部59aを屈曲させて切断した支持部60を付き合わせて接合することで、接続端子15dを製造することができる。
 ==接続端子15の変形例4(接続端子15e)==
 図10は、基板12、接続端子15e、及びアンテナ素子13の給電部31の分解斜視図(A)並びに側断面図(B)の一例を示す。
 接続端子15eは、保持部59b及び支持部60を有する。接続端子15eは、接続端子15dと同様の構造の支持部60を有する。一方、保持部59bの構造は、保持部57の構造と相違する。従って、以下では主に保持部59bに説明する。
 保持部59bは、基板12のおもて面91より裏面92側において、相互に分離した構造を有し、連結部62を有しない。従って、保持部59bは、端部が互いに分離した構造を有する挟持部により、基板12のおもて面91より裏面92側において、給電部31を挟持する。
 以上のように、変形例である接続端子15b~15eによっても、各保持部により、給電部31が基板12のおもて面91より裏面92側において保持される。従って、接続端子15b~15eによっても、アンテナ装置100を低背化することができ、また、基板12に対するアンテナ素子13の姿勢を安定化することができる。
 <<接続端子15aの電気的特徴>>
 ==第1長さについて==
 図11は、接触部71から保持部51の少なくとも一部及び支持部52の少なくとも一部を介して接触部72へ至るまでの第1長さd1を示した接続端子15aの側断面図の一例を示す。
 第1長さは、接触部71から、挟持部61の接触部71より下方の部分と、連結部62とを介して、接触部72へと至る最短距離である。なお、接触部71,72は点ではなく、広がりを持った領域となるため、第1長さd1は、以下のように定められる。
 接触部71のうち、給電部31と接触する領域の下方側の境界と、接触部72のうち、給電部31と接触する領域の下方側の境界と、において、接続端子15aの給電部31側の表面を介した距離が、最も短くなるように、2点を選択する。この2点を接続端子15aの給電部31側の表面を介して、最短距離で結んだ距離が第1長さd1となる。
 第1長さd1は、以下で説明するようにアンテナ装置100のVSWR(Voltage Standing Wave Ratio)に影響を与える。
 図12は、横軸を周波数(MHz)とし、縦軸を、第1長さd1を変えた場合のアンテナ装置100のVSWRの変化を示す。以下、他のVSWRを示す図においても同様である。
 VSWRの値が低いほど、アンテナ装置100のインピーダンスマッチングが良好となり、特にVSWRが2以下の場合には、アンテナ装置100は、十分に良好なアンテナ特性を示す。
 本実施形態のアンテナ素子13が対応する周波数帯において、例えば6GHzの周波数では、波長λは約50mmであり、λ/8=6.2mmとなる。図中、実線で第1長さd1を5.2mm(すなわち、d1<λ/8)とした場合の例が示され、破線で第1長さd1を7.2mm(すなわち、d1>λ/8)とした場合の例が示される。
 図中、第1長さd1がd1≦λ/8を満たす場合、4500MHz~6GHzの周波数帯において、VSWRの値が2以下の値となっている。従って、第1長さd1をd1≦λ/8とすると、4500MHz~6GHzでのアンテナ装置100のアンテナ特性を向上出来る。
 ところで、第1長さd1を短くするほど、接続端子15aは小型化し、それに伴い剛性が高くなることがある。d1≦λ/8の範囲で、保持部51の剛性が高くなり過ぎる場合には、接続端子15aのように、挟持部61から連結部62に、切欠部63を形成して、剛性を低下させることができる。
 ==第2,第3長さについて==
 図13は、接触部71から保持部51の少なくとも一部及び支持部52を介して、支持部52の開放端に至るまでの第2長さd2及び第3長さd3を示した接続端子15aの側断面図の一例を示す。
 接続端子15aにおいて、接触部71から、被挿入部74の基板12の裏面から突出する開放端までの距離が第2長さd2である。同様に、接触部71から、被挿入部74の基板12の裏面から突出する開放端までの距離が第3長さd3である。
 接続端子15aにおいて、「開放端」とは、孔42c,42dに挿入された被挿入部74のうち、基板12の裏面92から下方に突出する端部であって、最も下方に突出する部分となる。本実施形態では、接続端子15aの開放端は、基板12の裏面から突出するよう形成されているが、これに限られず、例えば基板12の貫通孔41に位置するよう、形成されても良い。
 図14は、第2長さd2及び第3長さd3を変えた場合のアンテナ装置100のVSWRの一例を示す。
 図中、実線で第2長さd2を5.0mm(すなわち、d2<λ/8)とした場合の例が示され、破線で第2長さd2を7.0mm(すなわち、d2>λ/8)とした場合の例が示される。なお、第3長さd3について同様の長さに設定した場合にも、VSWRの図は同様となる。
 図中、第2長さd2がd2≦λ/8を満たす場合、4500MHz~6GHzの周波数帯において、VSWRの値が2以下の値となっている。従って、第2長さd2(及び第3長さd3)をd2≦λ/8(及びd3≦λ/8)とすることにより、4500MHz~6GHzでのアンテナ素子13のアンテナ特性を向上出来る。
 ==第4,第5長さについて==
 図15は、基板12に取り付けられた接続端子15aの斜視図(A)、アンテナ素子13を保持した接続端子15aの斜視図(B)、及び第5長さd5の概念図(C)を示す。図15の(A)は、基板12の貫通孔41及び孔42a~42dに係合した接続端子15aを示す。図15の(B)では、さらに、アンテナ素子13の給電部31が接続端子15aに保持されている図が示される。
 支持部52の接続部121a,121bは、基板12のおもて面91のパターニング122a,122bを介して、ポート123a,123bに接続される。
 第4長さd4は、接続部121aと、接触部71とを、保持部51の少なくとも一部及び支持部52の少なくとも一部を介して最短距離で接続する距離である。同様に、第5長さd5は、接続部121bと、接触部71とを、保持部51の少なくとも一部及び支持部52の少なくとも一部を介して最短距離で接続する距離である。
 図15(C)は第5長さd5の概念図である。第5長さd5を定めるためには、第1に接触部71の接続部121b側の境界のうち、接続部121b側に近い点で、第5長さd5を最短にする点を選択する。次に、接続部121bの接触部71側の境界のうち、接触部71側に近い点で、第5長さd5を最短にする点を選択する。これらの2点を基板12の平面視における直線で結ぶ距離であって、保持部51の少なくとも一部及び支持部52の少なくとも一部の有する構造内において、最短となる距離が第5長さd5として定められる。第4長さd4も同様に定められる。
 なお、第5長さd5(又は第4長さd4)をλ/8以下に設定すべく、支持部52のx方向の幅と、接続部121b(又は接続部121a)のx座標と、を調整する場合、孔41b(又は孔41a)に挿入される被挿入部74が設けられていると、開口端までの第3長さd3(又は第2長さd2)も大きく変動する。
 ところで、例えば、接続端子15aと、接続部121aとの接合部の領域がより広くなるよう、接続端子15aの形状を変更することがある。そのような場合、孔41a側にも被挿入部74が設けられていると、接触部71から、被挿入部74の開放端までの距離が長くなる。この結果、接触部71から、被挿入部74の開放端で定められる第2長さd2が、λ/8を超えてしまうことがある。
 接合部の領域を広くとるよう、接続端子15aの形状を変更した場合であっても、孔41a側の被挿入部74を省略することで、第2長さd2がλ/8を超えることを防ぐことができる。なお、ここでは、接続端子15aと、接続部121aとの接合部の領域が広くなるよう、接続端子15aの形状を変更することを説明したが、接続端子15aと、接続部121bとの接合部の領域を広くする場合も同様である。これにより、第2長さd2~第5長さd5の条件を満たす接続端子15aを設計することが容易になる。
 なお、接続端子15bにおいても、同様に第1長さd1~第5長さd5は定められる。
 図16は、第5長さd5を変えた場合のアンテナ装置100のVSWRの一例を示す。
 本実施形態のアンテナ素子13の対応する周波数帯において、例えば6GHzの周波数では、λ/16=3.1mmとなる。図中、実線で第5長さd5を3.3mm(すなわち、d5>λ/16)とした場合の例が示される。また、破線で第5長さd5を2.5mm(すなわち、d5<λ/16)とした場合の例が示され、一点鎖線で第5長さd5を2.1mm(すなわち、d5<λ/16)とした場合の例が示される。なお、第4長さについて同様に設定した場合にも、VSWRは同様の図となる。
 第5長さd5がd5≦λ/16(及びd4≦λ/16)を満たす場合、4500MHz~6GHzの周波数帯において、VSWRの値が2以下の値となっている。従って、第5長さd5をd5≦λ/16(及びd4≦λ/16)とすることにより4500MHz~6GHzでのアンテナ素子13のアンテナ特性を向上出来る。
 なお、接続部121a,121bは、基板12のパターニング122a,122b及びポート123a,123bと接続されており、第4長さd4及び第5長さd5がアンテナ装置100のVSWRに与える影響は、第1長さd1~第3長さd3が与える影響より大きい。この結果、第1長さd1~第3長さd3については、λ/8以下とすればVSWRへの影響を十分に小さくできるが、第4長さd4及び第5長さd5については、λ/16以下とすることにより、VSWRへの影響を十分に小さくできる。
 ==接続端子101における第1長さd1~第5長さd5==
 図17は、基板12、接続端子101、及びアンテナ素子13の給電部31の側断面図の一例を示す。接続端子101においても、第1長さd1~第5長さd5を図中に示したように定義することができる。
 第1長さd1を定めるために、接触部71のうち、給電部31と接する下方側の境界と、接触部72のうち、給電部31と接する下方側の境界と、において、接続端子15cの給電部31側の表面を介した距離が、最も短くなるように、2点を選択する。この2点を、保持部53における、接続端子15aの給電部31側の表面を介して、最短距離で結んだ距離が第1長さd1となる。
 第2長さd2を定めるために、接触部71のうち、給電部31と接する上方側の境界と、支持部54において、貫通孔41から最も遠位の端部(すなわち、開放端)における点と、の間の保持部53の一部及び支持部54を介した距離が、最も短くなるように境界の点を定める。この2点を、保持部53の一部及び支持部54を介して、最短距離で結んだ距離が第2長さd2となる。接触部72から同様に、第3長さd3を定められる。
 第4長さd4を定めるために、接触部71のうち、給電部31と接する上方側の境界と、接続部83aのうち、接触部71側の境界と、において、保持部53の一部及び支持部54の一部を介した距離が最も短くなるように、2点を選択する。この2点を保持部53の一部及び支持部54の一部を介して、最短距離で結んだ距離が第4長さd4となる。接触部72から同様に、第5長さd5を定められる。
 ===接続端子15aと接続端子101との比較===
 図18は、接続端子15a及び接続端子101のVSWRの一例を示す。図中に示されるVSWRは、第1長さd1~第3長さd3をλ/8以下、第4長さd4及び第5長さd5をλ/16以下とした接続端子15aのVSWRと、第1長さd1~第3長さd3をλ/8より長く、第4長さd4及び第5長さd5をλ/16より長く設計した場合の接続端子101のVSWRと、である。
 接続端子15aでは、全体的に接続端子101よりVSWRが低くなる。図中、特に3500MHz~6GHzの周波数帯域においては、顕著にVSWRへの影響が現れ、接続端子101では、VSWRが2を大きく超えてしまう一方で、接続端子15aでは、VSWRが2以下に維持される。
 以上の通り、接続端子15aでは、第1長さd1~第3長さd3をλ/8以下とし、かつ、第4長さd4及び第5長さd5をλ/16以下とすることにより、VSWRを低減し、アンテナ装置100のアンテナ性能を良好にできる。なお、接続端子101においても、第1長さd1~第3長さd3をλ/8以下とし、かつ、第4長さd4及び第5長さd5をλ/16以下とすることにより、VSWRを低減し、アンテナ装置100のアンテナ性能を良好にできる。
 ===接続端子15cにおける第1長さd1~第5長さd5===
 図19は、接続端子15cを展開した場合の斜視図(A)及び接続端子15cの側断面図(B)の一例を示す。図19(A)については、第2長さd2及び第4長さd4の説明のために、支持部58について被挿入部76を折り曲げず、x-y平面に平行な平面上に広げた場合の斜視図を示している。
 接続端子15cは、つまみ部112aにおいて、接続部121aを有し、つまみ部112bにおいて、接続部121bを有する。接続部121a,121bは、つまみ部112a,112bがはんだ接合によって基板12の裏面92と接続される箇所である。
 接続端子15cにおいては、突起状の接触部を有しない。接続端子15cは、保持部57において、給電部31と面接触する部分である、平面状の接触部71,72を有する。接続端子15cにおいても、以下のように第1長さd1~第5長さd5を定められる。
 第1長さd1を定めるために、接触部71のうち、給電部31と接する下方側の境界と、接触部72のうち、給電部31と接する下方側の境界と、において、接続端子15cの給電部31側の表面を介した距離が、最も短くなるように、2点を選択する。この2点を、保持部57における、接続端子15aの給電部31側の表面を介して、最短距離で結んだ距離が第1長さd1となる。
 第2長さd2を定めるために、接触部71のうち、給電部31と接する上方側の境界と、支持部58において、貫通孔41から最も遠位の開放端における点と、の間の保持部57の一部及び支持部58を介した距離が、最も短くなるように境界の点を設定する。この2点を、保持部57の一部及び支持部58を介して、最短距離で結んだ距離が第2長さd2となる。接触部72から同様に、第3長さd3を定められる。
 第4長さd4を定めるために、接触部71のうち、給電部31と接する上方側の境界と、接続部121aのうち、接触部71側の境界と、において、保持部57の一部及び支持部58の一部を介した距離が最も短くなるように、2点を選択する。この2点を保持部57の一部及び支持部58の一部を介して、最短距離で結んだ距離が第4長さd4となる。接触部72から同様に、第5長さd5を定められる。
 ===接続端子15dにおける第1長さd1~第5長さd5===
 図20は、接続端子15dの斜視図(A)、上面図(B)、及び側断面図(C)の一例を示す。
 接続端子15dにおいても、接続端子15cと同様、突起状の接触部を有しない。接続端子15cは、接続端子15cと同様に、保持部59aにおいて、給電部31と面接触する部分である、平面状の接触部71,72を有する。接続端子15cにおいても、以下のように第1長さd1~第5長さd5が定められる。
 接続端子15dは、支持部52の基板12側の表面と、基板12のおもて面との間において、接続部121a,121bを有する。
 接続端子15dにおいての第1長さd1は、接続端子15cにおける第1長さd1と同様に設定できる。接触部71のうち、給電部31と接する下方側の境界と、接触部72のうち、給電部31と接する下方側の境界と、において、接続端子15cの給電部31側の表面を介した最短距離となる2点を選択する。この2点を、保持部59aにおける、接続端子15cの給電部31側の表面を介した最短距離で結んだ距離が第1長さd1となる。
 第2長さd2を定めるために、接触部71のうち、給電部31と接する上方側の境界と、支持部60において、貫通孔41から最も遠位の端部(すなわち、開放端)における点と、の間の保持部59aの一部及び支持部60を介した距離が、最も短くなるように境界の点を設定する。この2点を、保持部59aの一部及び支持部60を介して、最短距離で結んだ距離が第2長さd2となる。接触部72から同様に、第3長さd3を定められる。
 第4長さd4を定めるために、接触部71のうち、給電部31と接する上方側の境界と、接続部121aのうち、接触部71側の境界と、において、保持部59aの一部及び支持部60の一部を介した距離が最も短くなるように、2点を選択する。この2点を保持部59aの一部及び支持部60の一部を介して、最短距離で結んだ距離が第4長さd4となる。接触部72から同様に、第5長さd5を定められる。
 ===接続端子15eにおける第1長さd1~第5長さd5===
 図21は、接続端子15eの斜視図(A)、上面図(B)、及び側断面図(C)の一例を示す。
 接続端子15eは、接続端子15dと異なり、保持部59bにおいて、連結部62を有しない。従って、接続端子15eにおいて第1長さd1は定められず、代わりに、接触部71,72のそれぞれから基板12の裏面92へ突出する開放端へと向かう第2長さd2b及び第3長さd3bが定められる。
 接続端子15eに対して、接触部71から開口端までの長さである第2長さd2a,d2bと、接触部72から開口端までの長さである第3長さd3a,d3bとは、以下のように定められる。
 接続端子15eの第2長さd2aは、接続端子15dの第2長さd2と同様に定められる。また、接続端子15eにおける第3長さd3aは、接続端子15dの第3長さd3と同様に定められる。
 一方、接続端子15eでは、接触部71から、基板12の裏面に突出する開放端へ向かう第2長さd2bも定めることができる。第2長さd2bは、接触部71のうち、給電部31と接する下方側の境界から、保持部59bの下端までの距離として定められる。同様に、第3長さd3bは、接触部72のうち、給電部31と接する下方側の境界から、保持部59bの下端までの距離として定められる。
 第2長さd2a,d2bの両方が、接続端子15eの対応する電磁波の波長λ/8以下であり、第3長さd3a,d3bの両方が、接続端子15eの対応する電磁波の波長λ/8以下である場合に、アンテナ装置100のVSWRが2以下となる。
 また、接続端子15eにおいての第4長さd4、第5長さd5については、接続端子15dと同様に設定できる。
 接続端子15c~15eにおいても、第1長さd1~第3長さd3を、アンテナ素子13が対応する波長λに対し、λ/8以下に設計し、かつ、第4長さd4,第5長さd5をλ/16以下に設計することにより、VSWRを低減できる。従って、接続端子15c~15eを用いた場合であっても、アンテナ装置100のアンテナ性能を良好にできる。
 <<アンテナ素子13の構造>>
 図22は、アンテナ素子13の斜視図の一例を示す。アンテナ素子13は、天板部21、側板部22,23、給電部31、及び短絡部32を有する。また、アンテナ素子13は、天板部21及び側板部23の間に隙間131及び切欠部132を含む。また、天板部21は、辺211を介して接続され、側板部22,23は、辺221を介して接続される。また、天板部21は、辺211に隣接する辺212を有する。
 本実施形態のアンテナ素子13は、一枚の板金からの一体成型により設けられる。従って、天板部21、側板部22,23、給電部31、及び短絡部32は、一枚の板金を折り曲げ、切断加工することにより形成される。これにより、天板部21、側板部22,23は、互いに電気的に接続される。また、本実施形態のアンテナ素子13は、金属により構成されるが、アンテナ素子13は導電性部材で構成されればよく、材料は金属に限定されない。
 天板部21は、グランド部11に対向した平板状エレメントである。本実施形態では、接続端子15aによって、アンテナ素子13が基板12に保持される場合、天板部21は、グランド部11と略平行に(従って、x-y平面と略平行に)、なるように設けられる。天板部21は、4つの孔133a~133dを含む。ただし、天板部21が含む孔133の数は、4つに限定されず、アンテナ素子13の形状、ケース14の固定条件などの設計上の要求により、異なった数に設計されてよい。
 孔133a~133dは、ケース14に対し、アンテナ素子13を固定するための孔である。孔133a~133dには、ケース14に形成した突起状部分が挿入され、ケース14の突起状部分を加熱して溶着する。アンテナ素子13のケース14に対する固定手段はこれに限定されず、既述の通り、スナップフィット、ネジ止め、又は接着等の種々の接合方式でであってもよい。
 側板部22は、天板部21の辺211からグランド部11に向かう向きに設けられた平板状エレメントである。なお、本実施形態の側板部22は、天板部21に対して垂直な角度をなしてグランド部11に向かう向き(z-x平面と略平行な向き)に設けられるが、天板部21に対して斜めの角度をなしてグランド部11に向かう向きであってもよい。本実施形態の給電部31及び短絡部32は、側板部22に設けられる。
 また、側板部22は、グランド部11側の辺が、曲線となる形状を有し、側板部23から遠ざかるにつれて、側板部22の幅が狭くなる、テーパー状の形状を有する。このような形状とすることにより、アンテナ素子13の対応周波数帯を広帯域化することができる。ただし、側板部22の形状は、この形状に限定されず、グランド部11側の辺は、グランド部11及び天板部21と略平行であってもよい。
 側板部23は、天板部21の辺211に隣接する辺212からグランド部11に向かう向きに設けられた平板状エレメントである。なお、本実施形態の側板部23は、天板部21と垂直な角度をなし、側板部22とも垂直な角度をなす。ただし、側板部23は、側板部22と同様、天板部21に対して斜めの角度をなしてグランド部11に向かってもよい。側板部23は、y-z平面と略平行な向きに設けられる。
 側板部23も、側板部22から遠ざかるにつれて、天板部21と、グランド部11との間に設けられる側板部23の幅が狭くなる、テーパー状の形状を有する。このような形状とすることにより、アンテナ素子13の対応周波数帯を広帯域化することができる。ただし、側板部23の形状は、この形状に限定されず、グランド部11側の辺は、グランド部11及び天板部21と略平行であってもよい。
 なお、側板部23は、グランド部11の状態や、アンテナ装置100が対応する電磁波の中高域の特性において十分なアンテナ性能が確保される場合等の電気的条件に応じて、省略可能である。これにより、アンテナ装置100の製造コストを削減できる。
 隙間131は、天板部21と側板部23との間に設けられる。この隙間131が設けられることで、アンテナ素子13は、平板材を折り曲げて簡易に製造することが可能となる。天板部21と側板部22とを接続する辺211、及び側板部22と側板部23とを接続する辺221において平板材を折り曲げて、側板部23の上辺と天板部21の辺221とを隙間131を隔てて付き合わせるように平板材が加工される。これにより、一枚の平板材を折り曲げてアンテナ素子13を製造することができる。
 切欠部132は、側板部23において、天板部21、及び側板部22,23の3つの板状エレメントによって形成される角部付近に、隙間131に連続して設けられる。本実施形態の切欠部132は、略四辺形状を有するが、切欠部132の形状は、略四辺形状に限定されない。
 隙間131が設けられると、隙間131は、天板部21及び側板部23の間の容量性要素として機能し、天板部21及び側板部23の間に意図しない共振が生じる。切欠部132を設けない場合には、例えば、隙間131によって1.5GHzの共振周波数を有する共振が生じる。これを対策しない場合には、アンテナ素子13としてのインピーダンスマッチングが取り辛くなり、アンテナ装置100のVSWRが悪化する。
 これに対して、切欠部132を設けた場合には、隙間131及び切欠部132による共振の共振周波数は、例えば1.2GHzに変化する。アンテナ装置100が5G用のテレマティクスアンテナである場合には、対応する周波数は、例えば600MHz~960MHz、及び1400~6000MHzとなる。従って、この場合には、1.2GHzの周波数の共振は、対応周波数外の範囲の共振となる。このように、切欠部132は、隙間131による意図しない共振周波数をアンテナ装置100の対応する周波数外の共振へとシフトする。
 特に、隙間131及び切欠部132を設ける位置を給電部31から近い位置に設けることにより、隙間131及び切欠部132がアンテナ装置100の低周波数帯域に影響しづらくなる。すなわち、広帯域に対応し易く、性能の高いアンテナ装置100を設計し易くなる。なお、アンテナ素子13において、給電部31に近い位置に設けられた素子は、高周波数帯域に対応し、給電部31から遠い位置に位置する素子は、低周波数帯域に対応する。
 ここで、隙間131が出来ないように、側板部22,23は、溶接、半田付け、又は側板部22,23を重複させてネジで固定することにより接続することもできる。この場合には、切欠部132も省略できる。本実施形態では、平板材からアンテナ素子13をより簡易に製造するために、隙間131及び切欠部132が設けられる。
 なお、本実施形態のアンテナ素子13では、側板部23を側板部22に対して折り曲げ易い構造とすべく、側板部22の切欠部132の下端に連続する部分に丸型の曲げ用孔(省略可)が設けられている。
 接続端子15aにおいては、給電部31及び短絡部32は、共通の側板部22に設けられる。ただし、給電部31及び短絡部32は、一方が側板部22に設けられ、他方が側板部23等のアンテナ素子13の異なる部材に設けられてもよい。
 給電部31から、アンテナ素子13の内部及び短絡部32を介してグランド部11に至る電気長が長いほど、アンテナ素子13は低い周波数に対応し、電気長が短いほど高い周波数に対応する。従って、本実施形態のように、アンテナ素子13を、線状部材ではなく複数の板状部材で構成することにより、給電部31からグランド部11に至る経路が取り得る範囲が広くなる。これにより、経路の電気長の範囲も広がるため、アンテナ素子13を、幅広い周波数帯域に対応可能にできる。
 また、短絡部32の位置が給電部31の位置に近いほど、低周波数帯域におけるVSWRが低減し、高周波数帯域におけるVSWRが増大する。一方、短絡部32の位置が給電部31の位置から離れるほど、低周波数帯域におけるVSWRが低減し、高周波数帯域におけるVSWRが増大する。そこで、短絡部32と給電部31とは、所望の周波数帯域で低いVSWRが得られるような距離だけ離間して設けられる。
 従って、給電部31は、側板部22,23の何れに設けられていてもよいが、短絡部32は、側板部22,23のうち、平面視における長さが長い方に設けることで、給電部31からの距離をより離すことができる。これにより、低周波数帯域におけるVSWRが低減し易くなる。
 本実施形態の短絡部32は、その先端の接続端子に挿入される部分が折り返され、さらに、折り返し部分の先端がほぼ直角に折り曲げられて、折り曲げられた部分に孔134が設けられている。孔134には、孔133a~133dと同様、ケース14に形成した突起状部分が挿入され、ケース14の突起状部分を加熱して溶着するための孔である。なお、孔134は、アンテナ装置100におけるケース14の固定条件等により省略可能である。
 天板部21は、「第1平板部」に対応し、側板部22は、「第2平板部」に対応し、側板部23は、「第3平板部」に対応する。また、切欠部132は、「第2切欠部」に対応する。
 <<アンテナ素子13の基板12の上方における配置>>
 図23は、基板12の角部にアンテナ素子13の給電部31を配置した、基板12の上面図の一例を示す。図中、グランド部11及び基板12は、同一形状をしたものが示される。図中、基板12の平面視におけるアンテナ素子13の長辺L、短辺Sとして参照される。
 配置例(A)は、アンテナ素子13の給電部31を基板12の図中右上角部に配置するとともに、アンテナ素子13の長辺Lをグランド部11及び基板12の長辺に沿うように配置した例である。一方、配置例(B)は、アンテナ素子13の給電部31を基板12の図中右下角部(に配置するとともに、アンテナ素子13の長辺Lをグランド部11及び基板12の短辺に沿うように配置した例である。
 図24を参照して、図23の配置例(A)及び配置例(B)のVSWRを説明する。図24は、図23に示した各配置におけるアンテナ装置100のVSWRの一例を示す。
 図に示した通り、配置例(A)のVSWRは、配置例(B)のVSWRより低くなる。従って、アンテナ素子13を基板12の角部に配置する場合には、配置例(A)のように、アンテナ素子13の長辺Lをグランド部11及び基板12の長辺に沿うように配置するとアンテナ性能がより良好になる。
 図25は、基板12の長辺の中点近傍にアンテナ素子13の給電部31を配置した、基板12の上面図の一例を示す。なお、「近傍」とは、ある点に対し、所定の半径(例えば5mm)の円の範囲内にあることをいう。
 図中、配置例(A)は、アンテナ素子13の給電部31をグランド部11及び基板12の長辺の中点近傍に配置するとともに、アンテナ素子13の長辺Lをグランド部11及び基板12の長辺に沿うように配置した例である。
 一方、配置例(B)は、アンテナ素子13の給電部31をグランド部11及び基板12の長辺の中点近傍に配置するとともに、アンテナ素子13の短辺Sをグランド部11及び基板12の長辺に沿うように配置した例である。
 図26は、図25に示した各配置におけるアンテナ装置100のVSWRの一例を示す。図に示した通り、配置例(A)のVSWRは、配置例(B)のVSWRより低くなる。
 給電部31をグランド部11及び基板12に対して配置した場合、電流は、基板12から給電部31に流れるとともに、グランド部11側にも、電流が流れる。
 アンテナ素子13の長辺Lに沿って流れる電流は、電気長が長くなるので、アンテナ装置100の低周波数帯のVSWRに関係する。アンテナ素子13の長辺Lと、グランド部11の長辺を添わせると、グランド部11の長辺にアンテナ素子13の長辺L方向に沿った電流が流れ易くなり、アンテナ装置100の低周波数帯域のVSWRが低減される。これにより、配置例(A)では、アンテナ装置100の低周波数帯域でのVSWRが改善する。
 図27は、基板12の上方にアンテナ素子13を配置した、基板12の上面図の一例を示す。図中、アンテナ素子13は、基板12の長辺に対して、アンテナ素子13の長辺Lが沿うように配置される。この場合に以下の4つの配置例が示される。
 配置例(A)は、アンテナ素子13の給電部31を、基板12の角部に配置した例である。配置例(B)は、基板12の長辺の中点近傍に配置した例である。配置例(C)は、基板12の短辺の中点近傍に配置した例である。配置例(D)は、基板12の中央(幾何中心)近傍に配置した例である。
 図28は、図27に示した各配置におけるアンテナ装置100のVSWRの一例を示す。
 図28に示すように、VSWRの大きさは、配置例(A)<配置例(B)<配置例(C)<配置例(D)となっている。以下、その理由を説明する。
 給電部31をグランド部11及び基板12に対して配置した場合、電流は、基板12から給電部31に流れるとともに、グランド部11側にも、グランド部11及び基板12の平面視において、給電部31を中心とした放射状の電流が流れる。
 給電部31を中心とした一方向の電流に対し、給電部31を中心として点対称な方向へと流れる電流は、相互に打ち消し合う。この打ち消し合う電流が多いほど、グランドに電流が流れにくくなる。これは、対応する周波数帯域において、特に低周波数帯域のVSWRの悪化につながる。
 給電部31を基板12のより中心に近い位置に配置すると、グランド部11及び基板12の平面視において、給電部31を中心とした放射状の電流がより点対称に流れ易くなる。従って、アンテナ装置100では、給電部31は、より基板の外縁に、さらに、外縁の中でもより角部に近い位置に配置すると、VSWRがより低く、アンテナ特性がより良好となる。
 従って、配置例(A)のVSWRは、配置例(D)に対して、顕著に低くなり、配置例(B),(C)と比較しても、基板の辺に沿った電流の相殺が低減できる分、低下する。
 さらに、配置例(B)と配置例(C)とを比較する。配置例(B)においては、アンテナ素子13は、基板12の外縁において、基板12の長辺の中点近傍に配置されるとともに、アンテナ素子13の長辺Lが基板12の長辺に沿って配置される。このように、配置例(B)では、アンテナ素子13の長辺Lが配置される基板12の外縁に沿っている。
 一方で、配置例(C)においては、アンテナ素子13は、基板12の外縁において、基板12の短辺の中点近傍に配置されるとともに、アンテナ素子13の短辺Sが基板12の短辺に沿って配置される。
 図25の配置例(A),(B)について、図26で既に説明した通り、アンテナ素子13の長辺Lをグランド部11及び基板12の外縁に沿って配置する方が、VSWRが低くなる。従って、配置例(C)より配置例(B)は、顕著にVSWRが低くなる。
 図23-図28までの基板12の上方に、アンテナ素子13を以下のように配置する場合に、アンテナ装置100のアンテナ特性が良好となる。従って、基板12の上方にアンテナ素子13を配置する場合、なるべく基板12の角部に給電部31を配置し、設計上角部に配置できない場合には、基板12の外縁部に配置する。さらに、アンテナ素子13の長辺Lは、基板12の外縁に沿って配置し、特に基板12の長辺に沿って配置する。
 図29は、基板12の上方にアンテナ素子13を配置した、基板12の上面図の一例を示す。
 基板12は、グランド部11の上方に設けられ、平面視において、グランド部11と重なる。基板12のサイズは、平面視において、グランド部11のサイズ以下である。このうち、基板12のサイズを、グランド部11のサイズに対して出来るだけ小さく設けることにより、アンテナ装置100のコストを低減できる。
 従って、本実施形態においては、基板12は、図中左上の角部分において、略四辺形状の切欠部20を有する。図29の配置例(A)及び配置例(B)では、アンテナ素子13の給電部31を基板12の左上の角部に近い位置に配置する。
 ここで、配置例(A)は、給電部31を基板12の左上角部に配置しつつ、アンテナ素子13の長辺Lを基板12の長辺に沿って配置した例である。さらに、アンテナ素子13の一部をグランド部11の上方であって、平面視において、切欠部20と重なる領域、すなわち基板12の外部に位置するように配置する。なお、基板12の「外部」とは、平面視において基板12と重ならない領域を指す。
 一方、配置例(B)では、アンテナ素子13がグランド部11及び基板12の上方に配置される(アンテナ素子13の全体が平面視において基板12と重なる)よう、給電部31をy方向負側にスライドして配置した例である。これらのVSWRを比較する。
 図30は、図29に示した各配置におけるアンテナ装置100のVSWRの一例を示す。図に示した通り、配置例(A)のVSWRは、配置例(B)のVSWRより低くなる。
 従って、グランド部11に対し、平面視における、基板12のサイズができるだけ狭くなるように基板12を設ける場合には、配置例(A)の配置の方が、配置例(B)よりアンテナ性能を良好にすることが読み取れる。配置例(A)では、配置例(B)に対し、アンテナ装置100の全高を維持しつつ、アンテナ素子13の天板部21から、アンテナ素子13の下方に設けられたグランド部11又は基板12への見かけ上の高さを増大させている。これが、配置例(A)と配置例(B)とにおけるアンテナ性能の差の一因である。
 このように、アンテナ素子13の給電部31を基板12の外縁部に取り付け、アンテナ素子13の一部が基板12の外部に位置するように取り付けることにより、基板12のサイズを節約しつつ、アンテナ装置100アンテナ性能を良好にできる。
 ===まとめ====
 アンテナ素子13を基板12に接続する接続端子15a~15eを提供する。このうち、接続端子15aは、基板12のおもて面91より裏面92側の位置でアンテナ素子13を保持する保持部51を有する。
 これにより、アンテナ装置100の高さを低背化することができる。
 また、接続端子15aの基板12の貫通孔41に対して支持する支持部52は、基板12のおもて面91に面接触する面接触部73を有する。
 これにより、アンテナ素子13が、接続端子15aを介して基板12に接続された際に、アンテナ素子13の姿勢を安定化できる。
 また、保持部51は、アンテナ素子13の給電部31を挟む挟持部61a,61bと、連結部62と、を有する。
 これにより、はんだ接合などによってではなく、接続端子15aの弾性力により、給電部31を基板12に対して固定できる。
 また、接続端子15aの保持部51は、2つの切欠部63を有する。
 これにより、保持部51の剛性を低下させ、保持部51に給電部31を円滑に挿入することが可能になる。
 また、切欠部63は、挟持部61aから連結部62を通って挟持部61bに至るように形成されている。
 これにより、接続端子15aの構造を維持しつつ、挟持部61aの挟持力の方向に働く剛性を低下させ易くなる。
 また、第1長さd1~第3長さd3のうち少なくとも1つがλ/8以下であるか、又は、第4長さd4及び第5長さd5のうち少なくとも1つがλ/16である接続端子15a~15e若しくは接続端子101が提供される。
 これにより、接続端子15a~15e又は接続端子101のVSWRを用いるアンテナ装置100のVSWRを低減できる。従って、これらの接続端子を用いたアンテナ装置100のアンテナ特性を良好にすることができる。
 また、接続端子15a~15e、及び第1長さd1~第5長さについて条件を満たす接続端子101の何れかが取り付けられた基板12と、接続端子を介して基板12に接続されたアンテナ素子13と、グランド部11と、を備えるアンテナ装置100が提供される。
 これにより、アンテナ装置100の高さを低背化しつつ、アンテナ装置100のアンテナ特性を良好に設定できる。
 また、アンテナ素子13は、天板部21と、側板部22及び側板部23と、を備え、給電部31は、側板部22及び側板部23の少なくとも一方に設けられ、天板部21、側板部22及び側板部23は互いに電気的に接続され、天板部21及び側板部23の間には、隙間131が設けられ、側板部23は、隙間131と連続する切欠部132を含む。
 このような、アンテナ素子13は、一枚の平板材から簡易に製造できる。さらに、隙間131が意図しない共振を発生させる場合にあっても、隙間131及び切欠部132による共振の周波数をアンテナ装置100の対応しない周波数にシフトできる。
 また、アンテナ素子13は、基板12の平面視において、少なくとも一部が、基板12の外部に位置し、平面視において、基板12の外部に位置するアンテナ素子13の少なくとも一部が、グランド部11と重複している。
 これにより、グランド部11のサイズに対し、基板12のサイズを縮小してコストを低減しつつ、良好なアンテナ特性を有するアンテナ装置100を提供できる。
 アンテナ素子13の給電部31を挟む挟持部61a,61bは、基板12の貫通孔41の内部に位置する。
 これにより、アンテナ装置100の高さを低背化することができる。
 上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
11 グランド部
12 基板
13 アンテナ素子
14 ケース
15 接続端子
20 切欠部
21 天板部
22 側板部
23 側板部
31 給電部
32 短絡部
41 貫通孔
42,43,44,133,134 孔
51,53,55,57,59 保持部
52,54,56,58,60 支持部
61 挟持部
62 連結部
63 切欠部
71,72 接触部
73 面接触部
74,76 被挿入部
81 係止部
82 折曲部
83 接続部
91 おもて面
92 裏面
100 アンテナ装置
101 接続端子
111 捻り部
112 つまみ部
121 接続部
122 パターニング
123 ポート
131 隙間
132 切欠部
211,212,221 辺

Claims (10)

  1.  アンテナ素子を基板に接続する接続端子であって、
     前記基板に形成された貫通孔に、前記基板の一方の面側から挿入された前記アンテナ素子の被保持部を、前記基板の前記一方の面とは反対側の他方の面側の位置で保持する保持部と、
     前記保持部を前記基板に支持する支持部と、
     を備える、
     接続端子。
  2.  請求項1に記載の接続端子であって、
     前記支持部は、前記基板の前記一方の面に面接触する面接触部を有する、
     接続端子。
  3.  請求項1又は2に記載の接続端子であって、
     前記保持部は、
     前記被保持部を挟む一対の挟持部と、
     前記一対の挟持部を、前記他方の面から前記一方の面とは反対側に突出した位置で連結する連結部と、
     を有する、
     接続端子。
  4.  請求項3に記載の接続端子であって、
     前記保持部は、少なくとも1つの第1切欠部を有する、
     接続端子。
  5.  請求項4に記載の接続端子であって、
     前記第1切欠部は、前記一対の挟持部の一方から前記連結部を通って前記一対の挟持部の他方に至るように形成されている、
     接続端子。
  6.  請求項3~5の何れか一項に記載の接続端子であって、
     前記一対の挟持部は、それぞれ、前記被保持部と接触する第1接触部及び第2接触部を備え、
     前記支持部は、前記基板に接続される接続部を含み、
     前記第1接触部から前記挟持部の少なくとも一部及び前記連結部を介して前記第2接触部に至るまでの第1長さ、前記第1接触部から前記挟持部の少なくとも一部及び前記支持部を介して前記支持部の開放端に至るまでの第2長さ、若しくは前記第2接触部から前記挟持部の少なくとも一部及び前記支持部を介して前記開放端に至るまでの第3長さのうち少なくとも1つが、前記アンテナ素子が対応する周波数の波長の8分の1以下であるか、又は前記第1接触部から前記挟持部の少なくとも一部及び前記支持部の少なくとも一部を介して前記接続部に至るまでの最短距離である第4長さ、若しくは前記第2接触部から前記挟持部の少なくとも一部及び前記支持部の少なくとも一部を介して前記接続部に至るまでの最短距離である第5長さのうち少なくとも一方が、前記アンテナ素子が対応する周波数の波長の16分の1以下である、
     接続端子。
  7.  アンテナ素子を基板に接続する接続端子であって、
     前記アンテナ素子の被保持部を挟んで接触する第1接触部及び第2接触部を有する保持部と、
     前記保持部を前記基板に支持する支持部と、
     を備え、
     前記支持部は、前記基板に接続される接続部を含み、
     前記第1接触部から前記保持部の少なくとも一部及び前記支持部の少なくとも一部を介して前記第2接触部に至るまでの第1長さ、前記第1接触部から前記保持部の少なくとも一部及び前記支持部を介して前記支持部の開放端に至るまでの第2長さ、若しくは前記第2接触部から前記開放端に至るまでの第3長さのうち少なくとも1つが、前記アンテナ素子が対応する周波数の波長の8分の1以下であるか、又は前記第1接触部から前記保持部の少なくとも一部及び前記支持部の少なくとも一部を介して前記接続部に至るまでの第4長さ、若しくは前記第2接触部から前記保持部の少なくとも一部及び前記支持部の少なくとも一部を介して前記接続部に至るまでの第5長さのうち少なくとも一方が、前記アンテナ素子が対応する周波数の波長の16分の1以下である、
     接続端子。
  8.  請求項1~7のうち何れか1項に記載の接続端子と、
     前記接続端子が取り付けられた前記基板と、
     前記接続端子を介して前記基板に接続された前記アンテナ素子と、
     前記アンテナ素子のグランドとして機能するグランド部と、
     を備える
     アンテナ装置。
  9.  請求項8に記載のアンテナ装置であって、
     前記アンテナ素子は、
     前記グランド部に対向して設けられた第1平板部と、
     前記第1平板部から前記グランド部に向かう向きに設けられた第2平板部及び第3平板部と、
     を備え、
     前記被保持部は、前記第2平板部及び前記第3平板部の少なくとも一方に設けられ、
     前記第1平板部、前記第2平板部、及び前記第3平板部は、互いに接続され、
     前記第1平板部及び前記第2平板部の間には、隙間が設けられ、
     前記第2平板部は、前記隙間と連続する第2切欠部を含む、
     アンテナ装置。
  10.  請求項8又は9に記載のアンテナ装置であって、
     前記アンテナ素子は、前記基板の平面視において、少なくとも一部が、前記基板の外部に位置し、
     前記平面視において、前記基板の外部に位置する前記アンテナ素子の少なくとも一部が、前記グランド部と重複している、
     アンテナ装置。
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