WO2023062819A1 - 撮影制御システムおよび撮影制御方法 - Google Patents

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    • A61B6/02Devices for diagnosis sequentially in different planes; Stereoscopic radiation diagnosis
    • A61B6/03Computerised tomographs

Abstract

実施形態によれば、撮影制御システム(1)は、X線撮影装置(18)と、呼吸監視装置(15)と、制御計算装置(16)と、を備え、制御計算装置(16)は、回転ガントリ(12)を制御するガントリ制御装置(20)から回転ガントリ(12)の回転位置を示す回転角度値(θ)を取得し、X線撮影装置(18)から画像データを取得し、呼吸監視装置(15)から呼吸データを取得し、呼吸データに含まれる呼吸運動の呼吸波形(26,30)における周期(S)および振幅(L)の少なくとも一方を複数の特定範囲(α,β)ごとに分割し、画像データに含まれるX線画像(29)を特定範囲(α,β)ごとに分類し、特定範囲(α,β)ごとに分類された複数のX線画像(29)を撮影時の回転ガントリ(12)の回転角度値(θ)に基づいて再構成して3次元的な再構成画像を生成する。

Description

撮影制御システムおよび撮影制御方法
 本発明の実施形態は、撮影制御技術に関する。
 放射線治療は、放射線を患者の患部に照射し、その病巣の細胞に損傷を与えるものである。しかし、患部への正確な照射が行われないと正常組織も損傷しかねない。そのため、予めコンピュータ断層撮影(Computed Tomography:CT)を行って患部の位置を3次元的に把握し、正常組織を避けて患部に最も効果的に放射線を照射する治療計画を立てる。この治療計画に従って放射線を照射できるように、治療計画時の患者の体位と治療時の患者の体位とを互いに位置合わせする必要がある。そこで、治療計画時にCT撮影装置から出力される3次元的な再構成画像を断層化してCT画像を求め、このCT画像と治療直前に治療室内で撮影するX線撮影装置からのX線画像とを照合させて、患部の位置合わせが行われている。ただし、X線撮影装置は、患者の2次元画像を得るものであり、CT撮影装置により得られる再構成画像に対して高い精度の照合を行うことが困難である。
 従来技術として、CT撮影時に捉えられた患部の3次元位置を認識し、放射線照射の条件を満たす画像を選択して画像再構成を行ってCT画像を生成するものがある。これにより、呼吸などの動きが生じても、治療計画の通りに放射線を患部に照射できる。しかし、この技術では、放射線照射の条件を満たす画像のみを選択するため、患部の位置の変化を正確に把握できない。例えば、治療計画時の骨格および臓器の位置関係が治療直前にずれている場合、その位置ずれは、その日の患者の状態の違いによるものか、正常な呼吸運動によるものかの区別をすることが困難であるからである。
 また、呼吸波形の振幅を複数の範囲に分割し、或る範囲に対応する投影画像のみを用いて断層画像(CT画像)を生成する技術が知られている。例えば、最小の振幅の範囲に対応する投影画像のみを用いることで、最大呼気の状態に対応する断層画像を生成することができる。しかし、この技術は、断層画像のアーチファクトを低減するためのものであり、最大吸気と最大呼気の間で変動する呼吸運動の全体に亘って患者の状態を把握するためのものではない。
特開2015-29793号公報 特表2010-505562号公報 特開2021-45459号公報
 本発明が解決しようとする課題は、放射線治療用のコンピュータ断層撮影において、呼吸運動に伴い変動する患者の状態を正確に把握することができる撮影制御技術を提供することである。
 本発明の実施形態に係る撮影制御システムは、患者の周囲を回転する回転ガントリが設けられ、前記回転ガントリとともに回転してかつ前記患者にX線を照射して撮影された複数の2次元的なX線画像を含む画像データを出力するX線撮影装置と、前記患者の呼吸運動を監視して前記呼吸運動を示す呼吸データを出力する呼吸監視装置と、制御計算装置と、を備え、前記制御計算装置は、前記回転ガントリを制御するガントリ制御装置から前記回転ガントリの回転位置を示す回転角度値を取得し、前記X線撮影装置から前記画像データを取得し、前記呼吸監視装置から前記呼吸データを取得し、前記呼吸データに含まれる前記呼吸運動の呼吸波形における周期および振幅の少なくとも一方を複数の特定範囲ごとに分割し、前記画像データに含まれる前記X線画像を前記特定範囲ごとに分類し、前記特定範囲ごとに分類された複数の前記X線画像を撮影時の前記回転ガントリの前記回転角度値に基づいて再構成して3次元的な再構成画像を生成する。
 本発明の実施形態により、放射線治療用のコンピュータ断層撮影において、呼吸運動に伴い変動する患者の状態を正確に把握することができる撮影制御技術が提供される。
第1実施形態の撮影制御システムが適用された回転ガントリを示す断面図。 X線発生部およびX線撮影部の構成を示す説明図。 撮影制御システムを示すブロック図。 制御計算装置を示すブロック図。 患者の座標からX線撮影部の座標へ座標変換する概念を示す説明図。 呼吸波形の周期を複数の位相範囲に分割する態様を示す説明図。 撮影制御方法を示すフローチャート。 第2実施形態の呼吸波形を複数の振幅範囲に分割する態様を示す説明図。 第3実施形態の制御計算装置を示すブロック図。 X線撮影部の撮影範囲と回転ガントリの回転角度の関係を示す説明図。 X線撮影部の撮影タイミングと回転ガントリの回転角度の関係を示す説明図。 X線画像の撮影タイミングと回転ガントリの回転速度の関係を示す説明図。 患部が写る動画の再生態様を示す画面図。
 (第1実施形態)
 以下、図面を参照しながら、撮影制御システムおよび撮影制御方法の実施形態について詳細に説明する。まず、第1実施形態について図1から図7を用いて説明する。
 図1の符号1は、第1実施形態の撮影制御システム(放射線治療用のCT撮影システム)である。この撮影制御システム1は、患者10の患部へ放射線を照射する際に、患者10の患部および臓器などをX線(撮影用放射線)により撮影し、得られた画像データを用いて3次元的な再構成画像を生成するものである。この再構成画像は、患者10のコンピュータ断層画像(CT画像)となっている。
 撮影制御システム1は、粒子線治療装置(図示略)に適用される。この粒子線治療装置では、例えば、粒子線ビーム(治療用放射線)を患者10の病巣組織(がん)に照射して治療を行う。なお、粒子線とは、放射線のなかでも電子より重いものと定義され、陽子線、重粒子線などが含まれる。このうち重粒子線は、ヘリウム原子より重いものと定義される。
 粒子線治療装置を用いた放射線治療技術には、重粒子線がん治療技術などがある。この技術は、がん病巣(患部)を炭素イオンがピンポイントで狙い撃ちし、がん病巣にダメージを与えながら、正常細胞へのダメージを最小限に抑えることが可能とされる。
 重粒子線を用いるがん治療では、従来のエックス線、ガンマ線、陽子線を用いたがん治療と比較してがん病巣を殺傷する能力が高く、患者10の体の表面では放射線量が弱く、がん病巣において放射線量がピークになる特性を有している。そのため、照射回数と副作用を少なくすることができ、治療期間をより短くすることができる。
 図示は省略するが、粒子線治療装置は、イオン発生器と加速器とビーム輸送ラインとを備える。ここで、イオン発生器は、荷電粒子である炭素イオンのイオン源を有し、この炭素イオンによって粒子線ビームを生成する。加速器は、平面視でリング状を成し、ビーム発生器で生成された粒子線ビームを加速する。ビーム輸送ラインは、加速器で加速された粒子線ビームを輸送する。
 また、粒子線治療装置は、回転ガントリ12(図1)を備える。この回転ガントリ12には、ビーム輸送ラインで導かれた粒子線ビームが照射される患者10が配置される。
 図1に示すように、回転ガントリ12は、円筒形状を成す大型の装置である。この回転ガントリ12は、その円筒の中心の回転軸Qが水平方向を向くように設置される。この回転軸Qを中心として回転ガントリ12が周方向に回転可能となっている。
 また、回転ガントリ12の辺縁部には、粒子線ビーム(治療用放射線)を患者10に向けて照射する放射線照射部17が設置される。この放射線照射部17は、回転ガントリ12の内周面に固定されている。なお、粒子線ビームは、放射線照射部17から回転軸Qに対して直交する方向に照射される。
 回転ガントリ12の内部には、治療台11が設けられている。この治療台11は、患者10を横臥させて載置させるものである。また、回転ガントリ12は、治療台11を取り囲んでこの治療台11の周囲を回転するものである。
 治療台11は、静止している治療室の床(図示略)に固定されている。つまり、回転ガントリ12および放射線照射部17が回転されても、治療台11の位置は変化しないようになっている。
 回転ガントリ12の回転軸Qは、治療台11に横臥した患者10の位置と一致するように設定されている。この治療台11は、患者10を載置した状態で移動可能となっている。この治療台11の移動によって患者10を粒子線ビームの照射位置に移動させて位置合わせを行うことができる。そのため、患者10の病巣組織など、適切な部位に粒子線ビームを照射することができる。位置合わせの後、放射線照射部17は、治療台11に横臥した患者10へ放射線を照射する。
 回転ガントリ12を回転させることで、静止している患者10(回転軸Q)を中心として放射線照射部17を回転させることができる。例えば、患者10を中心として放射線照射部17を、時計回り(右回り)または反時計回り(左回り)に約180度ずつ回転させることができる。そして、患者10の周囲(360度)のいずれの方向からも粒子線ビームを照射させることができる。つまり、回転ガントリ12は、粒子線ビームの患者10に対する照射方向を変更可能な装置である。そのため、患者10の負担を軽減しつつ、適切な方向から粒子線ビームをより高い精度で患部に照射することができる。
 粒子線ビームは、患者10の体内を通過する際に運動エネルギーを失って速度が低下するとともに、速度の二乗にほぼ反比例する抵抗を受け、ある一定の速度まで低下すると急激に停止する。この粒子線ビームの停止点はブラッグピークと呼ばれ、高エネルギーが放出される。粒子線治療装置は、このブラッグピークを患者10の病巣組織(患部)の位置に合わせることにより、正常組織のダメージを抑えつつ、病巣組織のみを死滅させることができる。
 回転ガントリ12には、X線発生部13とX線撮影部14とが固定されている。X線発生部13とX線撮影部14とは、回転ガントリ12とともに回転し、患者10にX線を照射して透過画像としてのX線画像29の撮影を行う。
 ここで、図5を参照して断層撮影(CT撮影)について説明する。断層撮影に使用するX線には、扇状に拡散するファンビームと円錐状に拡散するコーンビームとがある。回転ガントリ12では、コーンビーム状のX線を使用した断層撮影が行われる。このコーンビーム状のX線を使用する場合、患者10の座標V(x,y,z)からX線撮影部14(X線検出器)の座標V(x,y,z)へ座標変換を行う際に、以下の一連の行列式を用いた計算を行う。
         E×P×T×R×V=V
 ここで、各行列は、以下の数式1として書き表せる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 
 回転行列Rは、ボリューム(患者10)座標系を角度φでy軸周りに反時計方向に回転させる。また、平行移動行列Tは、ボリューム座標系をX線の照射方向(z軸)に沿って負側に距離dだけ移動させる。これらの2つの回転行列RおよびTは、ボリューム座標系からX線源座標系へ写像する。また、透視投射行列Pは、X線発生部13(X線源)の位置DならびにX線撮影部14(X線検出器)のサイズwおよびhにより決定される。この透視投射行列Pは、コーンビーム状のX線の投影範囲が切頭体の形状であることを定義する。この透視投射行列Pのパラメータnおよびfは、X線源から切頭体の遠近それぞれのクリッピング平面までの距離を表す。さらに、座標変換行列Eは、患者10の座標Vに対するX線撮影部14の座標Vをなす。
 前述の行列式による演算に基づき、回転ガントリ12に設置されたX線発生部13とX線撮影部14とが、患者10の周辺を回転しながらX線画像を撮影することで、画像データが取得される。この画像データに基づいて、3次元的な再構成画像(CT画像)が生成される。
 しかし、回転ガントリ12の回転速度は、1周が約1~2分であり、患者10の呼吸周期である約3~4秒に対して長すぎる。そのため、回転ガントリ12が1回転して撮影する間に患者10の呼吸によって撮影対象(患部および臓器)が動いてしまう。従来技術では、精度の高い再構成画像が得られないという課題がある。本実施形態は、このような課題を解決することができる。特に、治療計画時に所定のCT撮影装置(図示略)で取得した基準画像と、治療直前に回転ガントリ12で取得した再構成画像とを互いに比較して行う患者10の位置合わせの精度を高めることができる。
 治療計画を立てるときには、まず、患者10のCT画像を撮影する。そして、画像にある患部のパターンから、照射する範囲、照射の方向、照射線量が設定される。この治療計画の策定には、日数を要する。そのため、患者10に対して粒子線ビームの照射を行う日は、治療計画時にCT画像の撮影をしてから数日後になる。この数日の期間が空くため、治療直前に患者10の位置合わせをするときに、患部の位置がずれている場合がある。この位置ずれが、その日の患者10の状態の違いによるものか、正常な呼吸運動によるものかの区別をする必要がある。そこで、本実施形態の撮影制御システム1を用いる。
 図1から図2に示すように、撮影制御システム1は、治療台11と回転ガントリ12とX線発生部13とX線撮影部14とを有して構成されている。
 X線発生部13は、第1X線発生部13Aと第2X線発生部13Bを有してなる。これら第1X線発生部13Aと第2X線発生部13Bは、回転ガントリ12の辺縁部に、回転ガントリ12の回転軸Qを中心として90度離反した位置に設けられる。
 第1X線発生部13Aと第2X線発生部13Bは、例えば、X線管であり、回転ガントリ12の回転時に治療台11に載置されている患者10へ向かってX線(撮影用放射線)を照射する。
 X線撮影部14は、第1X線撮影部14Aと第2X線撮影部14Bを有してなる。第1X線撮影部14Aは、第1X線発生部13Aに対して回転ガントリ12の回転軸Qを中心として180度の変化した位置に設けられている。この第1X線撮影部14Aは、第1X線発生部13Aと対をなし、放射線照射部17に隣接して配置される。また、第2X線撮影部14Bは、第2X線発生部13Bに対して回転ガントリ12の回転軸Qを中心として180度の変化した位置に設けられている。この第2X線撮影部14Bは、第2X線発生部13Bと対をなし、放射線照射部17に隣接して配置される。
 回転ガントリ12の回転時に、第1X線発生部13Aから照射されたX線が患者10を透過する。第1X線撮影部14Aは、この透過X線により撮影された複数の2次元的なX線画像を含む画像データを出力する。さらに、回転ガントリ12の回転時に、第2X線発生部13Bから照射されたX線が患者10を透過する。第2X線撮影部14Bは、この透過X線により撮影された複数の2次元的なX線画像を含む画像データを出力する。
 撮影制御システム1は、呼吸監視装置15(図3)を有して構成されている。この呼吸監視装置15は、例えば、治療台11に設置されたセンサ9を備える。このセンサ9は、治療台11に横臥した患者10の体表面に表れる呼吸運動の移動量を測定する。例えば、センサ9は、赤外線、レーザー、超音波、ミリ波などを患者10の胸部または腹部などに照射し、その反射に基づいて呼吸運動の移動量を測定する。また、センサ9は、X線、超音波、磁気などを患者10に照射し、その体内の構造の位置の変化を測定するものでも良い。
 呼吸監視装置15は、センサ9から患者10の呼吸運動を示す呼吸データを取得することで、患者10の呼吸運動を監視する。つまり、呼吸による周期的な患者10の体の変動を示す情報を取得する。
 次に、撮影制御システム1のシステム構成を図3から図4に示すブロック図を参照して説明する。この撮影制御システム1は、呼吸監視装置15と制御計算装置16とX線撮影装置18とガントリ制御装置20を備える。
 なお、X線発生部13とX線撮影部14は、第1実施形態のX線撮影装置18に含まれる。つまり、X線撮影装置18の少なくとも一部の構成は、回転ガントリ12とともに回転してかつ患者10にX線を照射してX線画像の撮影を行う。さらに、第1X線発生部13Aに高電圧を発生させる第1高電圧発生装置19Aと、第2X線発生部13Bに高電圧を発生させる第2高電圧発生装置19BもX線撮影装置18に含まれる。
 本実施形態の制御計算装置16は、CPU、ROM、RAM、HDDなどのハードウェア資源を有し、CPUが各種プログラムを実行することで、ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて実現されるコンピュータで構成される。本実施形態の制御計算装置16は、プロセッサおよびメモリなどのハードウェア資源を有し、CPUが各種プログラムを実行することで、ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて実現されるコンピュータで構成される。
 制御計算装置16の構成は、必ずしも1つのコンピュータに設ける必要はない。例えば、ネットワークで互いに接続された複数のコンピュータを用いて1つの制御計算装置16を実現しても良い。
 制御計算装置16は、特に図示はしないが、所定の記憶部を備える。この記憶部には、撮影制御方法を実行するときに必要な各種情報が記憶される。
 制御計算装置16は、X線発生部13によるX線の発生、およびX線撮影部14からの画像データの取得などの処理を制御する。さらに、制御計算装置16は、X線撮影部14から取得した画像データを用いて、3次元的な再構成画像を生成する。
 つまり、制御計算装置16は、第1高電圧発生装置19Aおよび第2高電圧発生装置19Bを制御する。そして、制御計算装置16は、第1X線発生部13Aおよび第2X線発生部13Bから患者10に照射されるX線の発生タイミングおよび強度を調整する。
 制御計算装置16は、第1X線撮影部14Aと第2X線撮影部14Bで撮影されたX線画像を含む画像データを取得する。この画像データには、複数のX線画像とともに、これらが撮影されたときのX線の発生タイミング、つまりX線画像の撮影タイミングを示す情報が含まれる。
 制御計算装置16は、回転ガントリ12の回転を制御するガントリ制御装置20から、回転ガントリ12の回転角度値θを逐次取得する。さらに、制御計算装置16は、センサ9が測定した患者10の呼吸運動を示す呼吸波形(患部または臓器の移動量)を含む呼吸データを、呼吸監視装置15を介して取得する。なお、呼吸波形は、グラフの形態で取得しても良いし、時系列順に並ぶ数値の形態で取得しても良い。
 制御計算装置16は、再構成画像およびアニメーション化された動画(立体画像)を生成する機能を有する。この機能を実現するために、制御計算装置16は、前段処理部21と呼吸波形分割部22と画像データ分類部23と3次元再構成部24と動画生成部25とを備える。これらは、メモリまたはHDDに記憶されたプログラムがCPUによって実行されることで実現される。
 前段処理部21は、X線撮影部14から取得した画像データに対して画像前段処理を行なう。この画像前段処理は、例えば、画像フィルタリングによるノイズ除去を行う処理である。
 図6に示すように、第1実施形態では、特定範囲として位相範囲αを例示する。呼吸波形分割部22は、呼吸監視装置15により監視された患者10の呼吸運動の移動量である呼吸波形26における周期Sを、複数(例えば、10個)の位相範囲αに分割する。つまり、呼吸データに含まれる呼吸運動の呼吸波形26における周期Sを複数の位相範囲αごとに分割する。
 図6の例では、それぞれのX線画像29に対して、対応する位相範囲αごとに「1」から「10」の番号を付しており、同一の番号は、同一の位相範囲αであることを示している。これら「1」から「10」の番号が、特定範囲を識別可能な範囲識別情報であるとして説明する。
 ここで、撮影制御システム1における回転ガントリ12は、一般的なCT撮影装置(図示略)と異なり、1回転に1~2分を要する。一方、患者10の呼吸運動における呼吸波形26の周期Sは、3~4秒程度である。従って、回転ガントリ12の1回転中に複数回の呼吸が行われることになる。なお、1つの周期Sは、最大吸気から最大呼気を経て最大吸気に戻るまでの時間である。
 患者10の呼吸運動に伴い変動する患部および臓器などは、この呼吸運動の呼吸波形26における同一の位相範囲α、例えば、「1」番目の位相範囲α同士、「2」番目の位相範囲α同士などにおいて、ほぼ同一位置にあることになる。
 画像データ分類部23は、X線撮影部14で時系列順に撮影された複数のX線画像29を、呼吸波形分割部22で設定された位相範囲α(特定範囲)ごとに分類する。なお、画像データ分類部23は、これらX線画像29のそれぞれの撮影時の回転ガントリ12の回転角度値θとともにX線画像29を分類する。
 従って、呼吸波形26のそれぞれの位相範囲αに、X線撮影部14により撮影されたX線画像29と、それぞれのX線画像29の撮影時の回転ガントリ12の回転角度値θとを対応付けたデータセットが生成される。
 このデータセットには、特定範囲を識別可能な範囲識別情報と撮影時の回転ガントリ12の回転角度値θとが対応付けられたX線画像29が含まれている。このようにすれば、X線画像29の管理が行い易くなり、かつ、その後に再構成画像を生成する処理が行い易くなる。なお、制御計算装置16は、複数のデータセットを管理する画像管理テーブルを備えている。
 3次元再構成部24は、呼吸波形26の同一の位相範囲αごとに画像データ分類部23により分類された複数のデータセットを再構成して、3次元的な再構成画像を位相範囲αごとに生成する。
 動画生成部25は、データセットに含まれている位相範囲αごとに分類された複数のX線画像29(X線画像群)を撮影時の回転ガントリ12の回転角度値θに基づいて再構成して3次元的な再構成画像を生成する。
 具体的には、3次元再構成部24により呼吸波形26の位相範囲αごとに生成された3次元的な複数の再構成画像を、呼吸波形26の位相の時系列に沿って順次並べて統合することで、時間軸を有する動画を生成する。つまり、アニメーション化された立体画像を生成する。
 このように、制御計算装置16は、呼吸波形分割部22と画像データ分類部23と3次元再構成部24と動画生成部25において、前述の処理を順次実施して、再構成画像およびアニメーション化された立体画像である動画を生成する。
 この制御計算装置16は、複数の再構成画像を呼吸波形26の時間軸に沿って再生可能な動画を出力する。このようにすれば、呼吸に応じて時系列順に変化する患者10の状態を動画で把握することができる。
 なお、動画は、呼吸の平均的な1つの周期Sに対応して再生されるものであるまた、時系列順に再生されるもののみならず、時系列と逆方向に再生(逆再生)されるものを含む。
 制御計算装置16で生成された画像は、外部出力部27(図4)へ出力される。この外部出力部27は、例えば、画像を表示可能なディスプレイで構成されている。外部出力部27は、制御計算装置16と別体であっても良いし、一体であっても良い。さらに、ネットワークを介して接続される他のコンピュータが備えるディスプレイが外部出力部27であっても良い。また、外部出力部27は、紙媒体に情報を印字するプリンタで構成されていても良い。
 また、制御計算装置16は、所定のユーザインタフェース28に接続されても良い。このユーザインタフェース28は、例えば、制御計算装置16と同一の計算機内部で同時に動作するプログラムという形態であっても良い。または、ユーザインタフェース28は、制御計算装置16とは別の計算機内部で動作し、ネットワークを通して制御計算装置16との情報の送受信を行なう形態であっても良い。
 次に、撮影制御システム1が実行する処理である撮影制御方法について図7のフローチャートを用いて説明する。
 まず、ステップS1において、制御計算装置16の画像データ分類部23(図4)が、患者10の周囲を回転する回転ガントリ12(図1)を制御するガントリ制御装置20から、回転ガントリ12の回転位置を示す回転角度値θを取得する。
 次のステップS2において、制御計算装置16の前段処理部21(図4)が、回転ガントリ12とともに回転してかつ患者10にX線を照射して撮影された複数の2次元的なX線画像29を含む画像データを出力するX線撮影装置18から、画像データを取得する。
 次のステップS3において、制御計算装置16の呼吸波形分割部22(図4)および動画生成部25(図4)が、患者10の呼吸運動を監視して呼吸運動を示す呼吸データを出力する呼吸監視装置15から、呼吸データを取得する。
 次のステップS4において、制御計算装置16の呼吸波形分割部22(図4)が、呼吸データに含まれる呼吸運動の呼吸波形26(図6)における周期Sを複数の位相範囲αごとに分割する。
 次のステップS5において、制御計算装置16の画像データ分類部23(図4)が、画像データに含まれるX線画像29(図6)を位相範囲αごとに分類する。
 次のステップS6において、制御計算装置16の動画生成部25(図4)が、位相範囲αごとに分類された複数のX線画像29(図6)を撮影時の回転ガントリ12の回転角度値θに基づいて再構成して3次元的な再構成画像を生成する。
 そして、撮影制御システム1が撮影制御方法を終了する。以上のステップは、撮影制御方法に含まれる少なくとも一部の処理であり、他のステップが撮影制御方法に含まれていても良い。
 第1実施形態では、患者10の呼吸運動の呼吸波形26(図6)が規則的である場合、呼吸波形26における同一の位相位置では、患者10の患部および臓器などが同一位置にある。そのため、制御計算装置16が、X線撮影部14で撮影されたX線画像29を、患者10の呼吸運動の呼吸波形26における同一の位相範囲αごとに再構成して再構成画像を生成することで、患者10の呼吸運動に伴い変動する患部および臓器などの位置を、再構成画像により正確に把握することができる。この結果、放射線治療を行なう際に、患者10の呼吸波形26のいずれの位相位置で粒子線ビーム(治療用放射線)を照射すべきかが、明確になるので、精度の高い放射線治療を行なうことができる。
 また、制御計算装置16は、X線撮影部14で撮影されたX線画像29を、患者10の呼吸運動の呼吸波形26における同一の位相範囲αごとに再構成して再構成画像を生成し、この位相範囲αごとの複数の再構成画像を呼吸波形26の位相の時系列に沿って順次並べて統合することで、アニメーション化された時間軸を有する立体画像(動画)を出力している。そのため、患者10の呼吸運動によって変動する患部および臓器などの変動の様子を立体的に確認できるので、患者10の呼吸運動に伴い変動する患部および臓器などの位置を、より一層正確に把握することができる。この結果、放射線治療を行う際に、患者10の呼吸波形26のいずれの位相位置で粒子線ビームを照射すべきかが、より一層明確になるので、より精度の高い放射線治療を行なうことができる。
 また、制御計算装置16は、呼吸波形分割部22が患者10の呼吸運動の呼吸波形26における周期Sを複数に分割して複数の位相範囲αを設定し、画像データ分類部23および3次元再構成部24が位相範囲αごとに再構成画像を生成する。さらに、これら複数の再構成画像から動画生成部25が、アニメーション化された時間軸を有する立体画像(動画)を生成するので、制御計算装置16のアルゴリズムがシンプルになる。そのため、この制御計算装置16を実装した撮影制御システム1を容易に構築することができる。
 また、X線撮影装置18は、患者10に粒子線ビーム(治療用放射線)を照射する前に撮影を行うものであり、制御計算装置16は、事前に取得した治療計画用の基準画像と照合するために用いる再構成画像を生成する。このようにすれば、患者10に粒子線ビームを照射する直前に患者10の位置決めを行うときに、再構成画像を用いて患者10の状態を正確に把握することができる。
 (第2実施形態)
 次に、第2実施形態について図8を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。なお、第2実施形態の撮影制御システム1のハードウェア的な構成は、前述の第1実施形態と同様のため、図1から図4を適宜参照する。さらに、図7のフローチャートを適宜参照する。
 前述の第1実施形態と同様に、第2実施形態の制御計算装置16(図4)は、X線発生部13(図3)によるX線の発生、X線撮影部14(図3)からの画像データの取得、ガントリ制御装置20(図4)からの回転角度値θの取得、および呼吸監視装置15(図4)からの呼吸データの取得などの処理を制御する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と異なり、特定範囲として振幅範囲βを例示する。
 図8に示すように、患者10の呼吸運動の呼吸波形30は、最大吸気または最大呼気などが呼吸ごとに異なって不規則になる場合がある。このような場合でも、同一の振幅範囲βにあるときには、患部および臓器などが同一位置にあることになる。
 このような事実を前提として、第2実施形態の呼吸波形分割部22は、呼吸監視装置15により監視された患者10の呼吸運動の移動量である呼吸波形30における振幅Lを、複数(例えば、10個)の振幅範囲βに分割する。つまり、呼吸データに含まれる呼吸運動の呼吸波形30における振幅Lを複数の振幅範囲βごとに分割する。
 図8の例では、それぞれのX線画像29に対して、対応する振幅範囲βごとに「1」から「10」の番号を付しており、同一の番号は、同一の振幅範囲βであることを示している。これら「1」から「10」の番号が、特定範囲を識別可能な範囲識別情報であるとして説明する。
 患者10の呼吸運動に伴い変動する患部および臓器などは、この呼吸運動の呼吸波形30における同一の振幅範囲β、例えば、「1」番目の振幅範囲β同士、「2」番目の振幅範囲β同士などにおいて、ほぼ同一位置にあることになる。
 ここで、制御計算装置16は、振幅Lを複数の振幅範囲β(特定範囲)ごとに分割するための分割領域と分割数に関する情報を予め記憶している。このようにすれば、回転ガントリ12の回転中に画像データを取得しながら、これらの画像データを振幅範囲βごとに分類することができる。
 例えば、呼吸波形分割部22は、患者10の呼吸運動の呼吸波形30における振幅Lを複数の振幅範囲βに分割するために、振幅Lについて分割すべき分割領域である最大吸気から最大呼気までの領域と、分割数に関する情報とを、予め記憶している。つまり、回転ガントリ12が1回転し終わった後に、患者10の呼吸運動の呼吸波形30の分布から、振幅Lを分割すべき分割領域および分割数を初めて決定するのではなく、分割領域と分割数が事前に決定される。
 画像データ分類部23は、X線撮影部14で時系列順に撮影された複数のX線画像29を、呼吸波形分割部22により分割された複数の振幅範囲β(特定範囲)ごとに分類する。なお、画像データ分類部23は、これらX線画像29のそれぞれの撮影時の回転ガントリ12の回転角度値θとともにX線画像29を分類する。
 従って、呼吸波形30のそれぞれの振幅範囲βに、X線撮影部14により撮影されたX線画像29と、それぞれのX線画像29の撮影時の回転ガントリ12の回転角度値θとを対応付けたデータセットが生成される。
 3次元再構成部24は、呼吸波形30の同一の振幅範囲βごとに画像データ分類部23により分類された複数のデータセットを再構成して、3次元的な再構成画像を振幅範囲βごとに生成する。
 ここで、制御計算装置16は、取得した画像データが再構成画像の生成に適切であるか否かを判定し、不適切であると判定された画像データの少なくとも一部を棄却する。このようにすれば、振幅範囲β(特定範囲)ごとに作成される再構成画像の精度を確保することができる。
 例えば、3次元再構成部24は、再構成画像を生成する際に、振幅範囲βごとに分類されたX線画像29(X線画像群)が、不適切であるか否かを判定する。ここで、不適切な場合とは、再構成画像を生成するために、画像データに含まれているX線画像29の枚数が不充分である場合などである。そして、不適切であると判定された場合には、画像データの少なくとも一部を棄却する。この棄却により、振幅範囲βごとに生成される再構成画像の精度が確保される。
 呼吸波形30の振幅Lを分割した振幅範囲βごとにX線画像29を分類する場合には、特に、最大吸気や最大呼気に近い振幅範囲βでX線画像29を取得できないことがある。従って、このような振幅範囲βでは、回転ガントリ12が1回転する間に再構成画像の生成のためのX線画像29の枚数が不充分になってしまう。
 また、回転ガントリ12が1回転する間に呼吸波形30の中心位置がずれていく場合がある。このような場合に、呼吸波形30の最大振幅に近い振幅範囲βにおいて、撮影開始時には、X線画像29が取得(分類)されていたが、その後に取得できなくなり、再構成画像の生成に必要な枚数のX線画像29の取得が不充分になることがある。
 そこで、3次元再構成部24は、回転ガントリ12が1回転する間に、所定の振幅範囲βに分類されるX線画像29の枚数が、再構成画像を生成するために必要な最低枚数に至らない場合に、その振幅範囲βの再構成画像の生成を行なわないようにする。なお、最低枚数は、3次元再構成部24に予め設定される。
 また、3次元再構成部24は、それぞれの振幅範囲βに分類されたX線画像29の枚数が最低枚数を満たす場合であっても、それぞれの振幅範囲βの間で、X線画像29の枚数に偏りがあるときには、再構成画像の生成を行わないようにしても良い。例えば、回転ガントリ12の1回転の間に取得された画像データに基づいて、再構成画像の生成を行なわず、そのときに取得した画像データを全て棄却するようにしても良い。
 また、回転ガントリ12の1回転の角度範囲(360度)を、複数の等分された角度範囲に区分けする。そして、それぞれに区分けされた角度範囲で、振幅範囲βごとにX線画像29を分類する。ここで、それぞれに分類されたX線画像29の枚数が、均等の枚数となっていない場合、例えば、枚数のばらつきが20%以内に納まっていない場合には、その回転ガントリ12の1回転中に取得された画像データから、全ての振幅範囲βで再構成画像の生成を行なわず、そのときに取得した画像データを全て棄却するようにしても良い。
 動画生成部25は、3次元再構成部24により呼吸波形30の振幅範囲βごとに生成された複数の再構成画像を、呼吸波形30の最大吸気から最大呼気へ向かって順次並べて統合して、呼吸波形30の最大吸気と最大呼気との間で順次変化するアニメーション化された立体画像(動画)を生成する。なお、複数の再構成画像を、呼吸波形30の最大呼気から最大吸気へ向かって順次並べて統合して、立体画像(動画)を生成しても良い。
 このように、制御計算装置16は、呼吸波形分割部22と画像データ分類部23と3次元再構成部24と動画生成部25において、前述の処理を順次実施して、再構成画像およびアニメーション化された立体画像である動画を生成する。
 また、制御計算装置16は、複数の再構成画像を呼吸波形30の最大吸気と最大呼気の一方から他方へ向って再生可能な動画を出力する。このようにすれば、最大吸気と最大呼気との間で順次変化する患者10の状態を動画で把握することができる。
 なお、第2実施形態の撮影制御方法は、図7のフローチャートにおいて、ステップS4からステップS6が、第1実施形態と異なり、ステップS1からステップS3は、第1実施形態と同様である。
 例えば、ステップS4において、制御計算装置16の呼吸波形分割部22(図4)が、呼吸データに含まれる呼吸運動の呼吸波形30(図8)における振幅Lを複数の振幅範囲βごとに分割する。
 次のステップS5において、制御計算装置16の画像データ分類部23(図4)が、画像データに含まれるX線画像29(図8)を振幅範囲βごとに分類する。
 次のステップS6において、制御計算装置16の動画生成部25(図4)が、振幅範囲βごとに分類された複数のX線画像29(図8)を撮影時の回転ガントリ12の回転角度値θに基づいて再構成して3次元的な再構成画像を生成する。
 以上のように、患者10の呼吸運動の呼吸波形30(図8)が不規則的であっても、この呼吸波形30の振幅Lにおける同一の振幅範囲βで患者10の患部および臓器などが同一位置にある。そのため、制御計算装置16は、呼吸波形30が特に不規則的である場合に、X線撮影部14で撮影されたX線画像29を含む画像データを、患者10の呼吸運動の呼吸波形30における同一の振幅範囲βごとに再構成して、3次元的な再構成画像を生成する。
 第2実施形態では、再構成画像に影が生じるなどのアーチファクトの発生を低減できる。この結果、患者10の呼吸運動に伴い変動する患部および臓器などの位置を、再構成画像により正確に把握することができる。また、放射線治療を行う際に、患者10の呼吸波形30のいずれの位相位置で粒子線ビーム(治療用放射線)を照射すべきかが、明確になるので、精度の高い放射線治療を行なうことができる。
 また、制御計算装置16は、X線撮影部14で撮影されたX線画像29を、患者10の呼吸運動の呼吸波形30における同一の振幅範囲βごとに再構成して再構成画像を生成し、この振幅範囲βごとの複数の再構成画像を呼吸波形30の最大吸気と最大呼気の一方から他方へ向って順次並べて統合することで、最大吸気と最大呼気との間で順次変化するアニメーション化された立体画像(動画)を出力している。そのため、患者10の呼吸運動によって変動する患部および臓器などの変動の様子を立体的に確認できるので、患者10の呼吸運動に伴い変動する患部および臓器などの位置を、より一層正確に把握できる。この結果、放射線治療を行う際に、患者10の呼吸波形26のいずれの位相位置で粒子線ビームを照射すべきかが、より一層明確になるので、より精度の高い放射線治療を行なうことができる。
 また、制御計算装置16の3次元再構成部24は、患者10の呼吸運動の呼吸波形30における振幅範囲βごとに分類されたX線画像29が、再構成画像を生成するのに不適切であると判定した場合には、そのX線画像29を用いて再構成画像を生成せず、画像データの少なくとも一部を棄却する。この結果、3次元再構成部24が、不必要なデータ処理を行う時間を削減できるので、他の振幅範囲βにおいて、再構成画像の生成を迅速に行うことができる。
 また、制御計算装置16の呼吸波形分割部22は、患者10の呼吸運動の呼吸波形30における振幅Lを複数の振幅範囲βに分割するために、振幅Lについて分割すべき分割領域と分割数に関する情報を、予め記憶している。そのため、制御計算装置16は、回転ガントリ12の回転中にX線撮影部14から画像データを取得しながら、呼吸波形分割部22により画像データに含まれるX線画像29を、撮影時の回転ガントリ12の回転角度値θとともに振幅範囲βごとに分類できる。この結果、回転ガントリ12の回転中にX線画像29の分類が行われることになるので、X線撮影部14からの画像データの取得後に速やかに再構成画像を生成することができる。
 (第3実施形態)
 次に、第3実施形態について図9から図13を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。なお、前述の図1、図2、図3、図6、図8を適宜参照する。
 この第3実施形態は、特定範囲を位相範囲α(図6)として例示した第1実施形態、特定範囲を振幅範囲β(図8)として例示した第2実施形態のいずれにも組み合わせることができる。以下の説明では、特定範囲が位相範囲αである形態を例示して説明する。
 また、第3実施形態のX線撮影装置18は、第1実施形態と同様に、回転ガントリ12(図1)の回転とともに複数の撮影角度でX線画像29(図6)を撮影する少なくとも2つのX線撮影部14(図3)を備えている。
 なお、撮影角度とは、X線画像29を撮影したときの回転ガントリ12の回転角度値θに対応する角度であり、患者10を中心として、第1X線撮影部14Aおよび第2X線撮影部14Bが回転したときに、これら第1X線撮影部14Aおよび第2X線撮影部14Bが存在する角度位置を示す。
 また、第1X線撮影部14Aおよび第2X線撮影部14Bは、回転ガントリ12の回転軸Q、つまり患者10を中心として周方向に90度離反した位置に設けられている。そのため、第1X線撮影部14Aおよび第2X線撮影部14Bのそれぞれの撮影方向のなす角は、90度となっている。このなす角は、固定された値である。
 なお、撮影方向とは、第1X線発生部13Aから第1X線撮影部14Aまで延びる直線の向きであり、かつ第2X線発生部13Bから第2X線撮影部14Bまで延びる直線の向きである。
 図9に示すように、第3実施形態の制御計算装置16Aは、前述した前段処理部21と呼吸波形分割部22と画像データ分類部23と3次元再構成部24と動画生成部25の構成に加えて、回転設定部31と撮影設定部32とを備える。
 回転設定部31は、ガントリ制御装置20に接続され、回転ガントリ12の回転角度と回転速度の設定を行う。また、撮影設定部32は、X線撮影装置18に接続され、X線画像29の撮影条件の設定を行う。
 回転ガントリ12の回転速度の制御には、患者10の呼吸に合わせて回転ガントリ12の回転速度を制御する態様を含む。なお、患者10の呼吸に合わせずに回転ガントリ12の回転速度を制御しても良い。例えば、回転ガントリ12の回転速度を毎回一定にし、患者10の呼吸に合わせてX線の撮影のタイミングを調整しても良い。また、回転ガントリ12の回転速度の高低の変化を含む回転速度のパターンを毎回一定にし、患者10の呼吸に合わせてX線の撮影のタイミングを調整しても良い。また、患者10ごとに特有の呼吸態様に合わせる必要はなく、例えば、複数の(一般的な)患者10の単位時間当たりの呼吸数(平均的な呼吸のタイミング)に合わせて回転ガントリ12の回転速度を制御しても良い。
 回転設定部31および撮影設定部32による設定は、画像データ分類部23におけるX線画像29の分類態様に応じて設定される。これらの設定は、X線画像29の取得前に予め設定されても良いし、X線画像29の取得中に適宜設定しても良い。
 第3実施形態のX線撮影装置18には、呼吸波形26(図6)と回転ガントリ12の回転速度に応じてX線画像29の撮影タイミング37(図12)が設定される。このようにすれば、同じ方向から重複してX線画像29の撮影がなされないように適切な制御を行うことができ、撮影効率を高めることができる。
 また、X線撮影装置18には、回転ガントリ12の回転の加速期間と定速期間と減速期間のそれぞれに応じてX線画像29の撮影タイミング37(図12)が設定される。このようにすれば、回転ガントリ12が定速で動作するときのみならず、加速するときと減速するときにも撮影を行うことで、総撮影時間を短縮することができる。
 また、制御計算装置16Aは、患者10における患部40(図13)の位置と回転角度値θとの関係を示す情報を記憶している。ここで、X線撮影装置18には、回転角度値θに応じてX線画像29の撮影タイミング33,34,35,36,37(図10から図12)が設定される。このようにすれば、患部40の位置に応じて適切な方向からX線画像29の撮影を行うことができる。
 また、一方の第1X線撮影部14Aで撮影したX線画像29と他方の第2X線撮影部14Bで撮影したX線画像29とが互いの撮影角度の間を補うように撮影条件が設定される。例えば、同じ位相範囲αに分類される複数のX線画像29が互いの撮影角度の間を補うように撮影条件が設定される。このようにすれば、再構成画像のアーチファクトを低減することができる。
 また、撮影条件の設定には、回転ガントリ12の回転速度の設定が含まれており、一方の第1X線発生部13Aおよび他方の第2X線発生部13Bのそれぞれの撮影方向のなす角と周期S(図6)に基づいて、回転ガントリ12の回転速度が設定される。このようにすれば、回転ガントリ12の回転速度をX線画像29の撮影に対応させることができ、適切な撮影角度で撮影を行うことができる。
 また、同一の位相範囲α(特定範囲)に対応する複数のX線画像29におけるそれぞれの撮影時の撮影角度が等間隔になるように撮影条件が設定される。このようにすれば、同一の位相範囲αに対応する複数のX線画像29の撮影角度を均一にし、これらのX線画像29から生成される再構成画像のアーチファクトを低減することができる。
 次に、図10から図12を用いて、回転設定部31および撮影設定部32による設定の具体的な態様について説明する。なお、理解を助けるために、図10から図12をそれぞれ個別に説明するが、これらの設定は、互いに組み合わせて用いることができる。
 図10では、横軸にX線画像29の撮影時の回転ガントリ12の回転角度値θ(撮影角度)を示し、縦軸の棒がそれぞれのX線画像29の撮影タイミング33,34を示している。この図10では、第1X線撮影部14Aの撮影タイミング33が実線の棒で、第2X線撮影部14Bの撮影タイミング34が点線の棒で示されている。ここで、第1X線撮影部14Aの撮影範囲と第2X線撮影部14Bの撮影範囲は、互いに重複している。
 撮影設定部32は、第1X線撮影部14Aの撮影タイミング33の間に、第2X線撮影部14Bの撮影タイミング34が生じるように、撮影条件を設定する。このようにすれば、第1X線撮影部14Aで撮影したX線画像29と第2X線撮影部14Bで撮影したX線画像29とで、互いの撮影角度の間が補われる。これらのX線画像29に基づいて、再構成画像を生成することでアーチファクトが軽減される。
 なお、それぞれの撮影タイミング33,34で撮影を行う際に、回転ガントリ12の回転速度は、第1X線撮影部14Aおよび第2X線撮影部14Bのそれぞれの撮影方向のなす角と、患者10の呼吸波形26の周期S(図6)に基づいて設定される。回転設定部31は、設定された撮影条件に基づいて回転ガントリ12の回転速度を設定する。また、回転ガントリ12の回転角度値θに基づいてそれぞれの撮影タイミング33,34を設定しても良い。例えば、回転ガントリ12の回転速度に関わらず、所定の回転角度値θになったときに撮影するようにしても良い。
 また、撮影設定部32は、同じ位相範囲αに分類される複数のX線画像29が、等間隔または互いの撮影角度の間を満たすように、撮像条件を設定することが好ましい。
 図11では、横軸にX線画像29の撮影時の回転ガントリ12の回転角度値θ(撮影角度)を示し、縦軸の棒がそれぞれのX線画像29の撮影タイミング35,36を示している。この図11では、第1X線撮影部14Aの撮影タイミング35が実線の棒で、第2X線撮影部14Bの撮影タイミング36が点線の棒で示されている。また、それぞれの撮影タイミング35,36に対して、対応する位相範囲αごとに「1」から「10」の番号を付しており、同一の番号は、同一の位相範囲αであることを示している。
 ここで、「1」番目の位相範囲αに分類される第1X線撮影部14Aの所定のタイミングT1がある場合に、同じ「1」番目の位相範囲αに分類される第1X線撮影部14Aの次のタイミングT2があるとする。この場合に、同じ「1」番目の位相範囲αに分類される第2X線撮影部14BのタイミングT3は、タイミングT1,T2の間隔K1のほぼ中間位置になるように、撮影条件が設定される。つまり、同一の位相範囲α(特定範囲)に対応する複数のX線画像29におけるそれぞれの撮影時の撮影角度が、ほぼ同じ間隔になるように撮影条件が設定される。
 なお、タイミングT1からタイミングT3までの間隔K2と、タイミングT3からタイミングT2までの間隔K3とが、ほぼ同じになるか、その差分が最も小さくなるように、撮影条件が設定されることが好ましい。これらのタイミングT1,T2,T3において、「1」番目の位相範囲αに分類されるX線画像29を撮影し、再構成画像を生成することでアーチファクトが軽減される。また、他の位相範囲αに分類されるX線画像29についても同様に撮影を行う。そして、これらのX線画像29から得られた再構成画像で動画を生成することで、アーチファクトが軽減された動画を得ることができる。
 図12では、横軸に時間を示し、縦軸の棒がそれぞれのX線画像29の撮影タイミング37を示している。この図12は、回転ガントリ12が停止している状態から回転を始め、一定速度で回転し、その後に減速をして再び停止するまでの撮影タイミング37を示している。なお、撮影タイミング37は、第1X線撮影部14Aと第2X線撮影部14Bのいずれか一方でも良いし、第1X線撮影部14Aと第2X線撮影部14Bとのそれぞれが撮影するものでも良い。以下の説明では、単にX線撮影部14の撮影タイミング37として説明する。
 X線撮影部14のそれぞれの撮影タイミング37は、それぞれの撮影時の撮影角度が等間隔になるように撮影条件が設定される。例えば、回転ガントリ12の回転の加速期間では、撮影タイミング37同士の間隔が徐々に短くなる。また、回転ガントリ12の回転の定速期間では、撮影タイミング37同士の間隔が等しくなる。さらに、回転ガントリ12の回転の減速期間では、撮影タイミング37同士の間隔が徐々に長くなる。回転ガントリ12は、大型の装置であり、その回転速度は比較的低速である。そのため、定速期間のみならず、加速期間と減速期間を利用して撮影を行うことで、撮影効率を高めることができる。さらに、回転ガントリ12の全周囲(360度)に亘って、撮影タイミング33,34(図10)を確保することができる。つまり、患者10の全周囲に亘って互いに等間隔な撮影角度で撮影されたX線画像29を得ることができる。
 次に、図13を用いて、再構成画像で構成された動画の再生態様について説明する。制御計算装置16Aで生成された画像は、外部出力部27(図9)へ出力される。図13は、この外部出力部27に表示された画面の一例を示す。なお、この画面は、ユーザインタフェース28(図9)の一部を構成するものでもある。
 この画面には、患部40が写る動画を表示する動画表示部41が設けられている。動画を再生すると、患部40が呼吸に応じて移動する様子がアニメーションとして表示される。例えば、最大呼気から最大吸気の間で患部40が移動する様子が分かる。
 また、この画面には、各種の選択入力部42とインジケータ43とが表示される。なお、インジケータ43は、左右方向に延びており、このインジケータ43に沿って移動するポインタ44が表示されている。
 選択入力部42には、例えば、「再生」、「スロー再生」、「一時停止」などの項目が設けられている。また、所定の「設定」を行う画面に切り換えるための項目も設けられている。ユーザは、所定の選択入力部42をマウスカーソル45でクリックすると、対応する項目の操作を行うことができる。
 例えば、ユーザが、「再生」の選択入力部42をクリックすると、動画が再生される。また、「スロー再生」の選択入力部42をクリックすると、動画がスローモーションで再生される。「一時停止」の選択入力部42をクリックすると、動画の再生が一時的に停止される。
 なお、「設定」の選択入力部42をクリックすると、設定用の画面に切り換わり、所定の設定が行える。例えば、動画を逆再生したり、画面を拡大または縮小したり、コントラストを変化させたり、コマ送りで再生させることができる。
 また、インジケータ43は、表示されている動画が、呼吸の周期Sのいずれの状態であるかを示す。例えば、ユーザは、インジケータ43におけるポインタ44の位置で、動画が最大呼気から最大吸気までの間のいずれの状態であるかが把握できる。例えば、動画を再生すると、呼吸の周期Sに応じて、インジケータ43上でポインタ44が最大呼気から最大吸気の間で行ったり来たりを繰り返す。
 また、ユーザは、動画の一時停止中にインジケータ43上のポインタ44をマウスカーソル45で左右にドラッグすると、そのドラッグの速度に対応させた状態で、動画をコマ送りで再生させることができる。また、任意の部分で動画を一時停止させることができる。このようにすれば、ユーザは、最大呼気から最大吸気の間の任意の位置の患部40の状態を確認することができる。
 撮影制御システム1および撮影制御方法を第1実施形態から第3実施形態に基づいて説明したが、いずれか1の実施形態において適用された構成を他の実施形態に適用しても良いし、各実施形態において適用された構成を組み合わせても良い。
 なお、前述の実施形態のフローチャートにおいて、各ステップが直列に実行される形態を例示しているが、必ずしも各ステップの前後関係が固定されるものでなく、一部のステップの前後関係が入れ替わっても良い。また、一部のステップが他のステップと並列に実行されても良い。
 前述の実施形態のシステムは、専用のチップ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、またはCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを高集積化させた制御装置と、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)などの外部記憶装置と、ディスプレイなどの表示装置と、マウスまたはキーボードなどの入力装置と、通信インターフェースとを備える。このシステムは、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成で実現できる。
 なお、前述の実施形態のシステムで実行されるプログラムは、ROMなどに予め組み込んで提供される。もしくは、このプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD、フレキシブルディスク(FD)などのコンピュータで読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記憶されて提供するようにしても良い。
 また、このシステムで実行されるプログラムは、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供するようにしても良い。また、このシステムは、構成要素の各機能を独立して発揮する別々のモジュールを、ネットワークまたは専用線で相互に接続し、組み合わせて構成することもできる。
 なお、前述の実施形態では、制御計算装置16が呼吸波形26,30における周期Sおよび振幅Lの少なくとも一方を複数の特定範囲ごとに分割しているが、その他の態様であっても良い。例えば、制御計算装置16が呼吸波形26,30における周期Sおよび振幅Lの双方を複数の特定範囲ごとに分割しても良い。そして、複数のX線画像を位相範囲αおよび振幅範囲βの双方で分類しても良い。
 なお、前述の実施形態では、範囲識別情報として、「1」から「10」の番号を例示しているが、その他の態様であっても良い。例えば、患部の移動量を範囲識別情報として用いても良い。また、撮影時間を範囲識別情報として用いても良い。
 なお、前述の実施形態では、X線撮影装置18が2つのX線撮影部14を備えているが、その他の態様であっても良い。例えば、X線撮影装置18が3つ以上のX線撮影部14を備えていても良い。
 なお、前述の実施形態では、重粒子線がん治療を行う施設を例示しているが、その他の施設にも前述の実施形態を適用できる。例えば、陽子線がん治療を行う施設に前述の実施形態を適用しても良い。
 以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、特定範囲ごとに分類された複数のX線画像を撮影時の回転ガントリの回転角度値に基づいて再構成して3次元的な再構成画像を生成することにより、放射線治療用のコンピュータ断層撮影において、呼吸運動に伴い変動する患者の状態を正確に把握することができる。
 本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態またはその変形は、発明の範囲と要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
 1…撮影制御システム、9…センサ、10…患者、11…治療台、12…回転ガントリ、13…X線発生部、13A…第1X線発生部、13B…第2X線発生部、14…X線撮影部、14A…第1X線撮影部、14B…第2X線撮影部、15…呼吸監視装置、16(16A)…制御計算装置、17…放射線照射部、18…X線撮影装置、19A…第1高電圧発生装置、19B…第2高電圧発生装置、20…ガントリ制御装置、21…前段処理部、22…呼吸波形分割部、23…画像データ分類部、24…3次元再構成部、25…動画生成部、26…呼吸波形、27…外部出力部、28…ユーザインタフェース、29…X線画像、30…呼吸波形、31…回転設定部、32…撮影設定部、33,34,35,36,37…撮影タイミング、40…患部、41…動画表示部、42…選択入力部、43…インジケータ、44…ポインタ、45…マウスカーソル、L…振幅、Q…回転軸、S…周期、α…位相範囲、β…振幅範囲、θ…回転角度値。

Claims (14)

  1.  患者の周囲を回転する回転ガントリが設けられ、前記回転ガントリとともに回転してかつ前記患者にX線を照射して撮影された複数の2次元的なX線画像を含む画像データを出力するX線撮影装置と、
     前記患者の呼吸運動を監視して前記呼吸運動を示す呼吸データを出力する呼吸監視装置と、
     制御計算装置と、
     を備え、
     前記制御計算装置は、
     前記回転ガントリを制御するガントリ制御装置から前記回転ガントリの回転位置を示す回転角度値を取得し、
     前記X線撮影装置から前記画像データを取得し、
     前記呼吸監視装置から前記呼吸データを取得し、
     前記呼吸データに含まれる前記呼吸運動の呼吸波形における周期および振幅の少なくとも一方を複数の特定範囲ごとに分割し、
     前記画像データに含まれる前記X線画像を前記特定範囲ごとに分類し、
     前記特定範囲ごとに分類された複数の前記X線画像を撮影時の前記回転ガントリの前記回転角度値に基づいて再構成して3次元的な再構成画像を生成する、
     撮影制御システム。
  2.  前記制御計算装置は、複数の前記再構成画像を前記呼吸波形の時間軸に沿って再生可能な動画を出力する、
     請求項1に記載の撮影制御システム。
  3.  前記制御計算装置は、複数の前記再構成画像を前記呼吸波形の最大吸気と最大呼気の一方から他方へ向って再生可能な動画を出力する、
     請求項1または請求項2に記載の撮影制御システム。
  4.  前記制御計算装置は、取得した前記画像データが前記再構成画像の生成に適切であるか否かを判定し、不適切であると判定された前記画像データの少なくとも一部を棄却する、
     請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の撮影制御システム。
  5.  前記制御計算装置は、前記振幅を複数の前記特定範囲ごとに分割するための分割領域と分割数に関する情報を予め記憶している、
     請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の撮影制御システム。
  6.  前記X線撮影装置は、前記患者に治療用放射線を照射する前に撮影を行うものであり、
     前記制御計算装置は、事前に取得した治療計画用の基準画像と照合するために用いる前記再構成画像を生成する、
     請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の撮影制御システム。
  7.  前記X線撮影装置には、前記呼吸波形と前記回転ガントリの回転速度に応じて前記X線画像の撮影タイミングが設定される、
     請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の撮影制御システム。
  8.  前記X線撮影装置には、前記回転ガントリの回転の加速期間と定速期間と減速期間のそれぞれに応じて前記X線画像の撮影タイミングが設定される、
     請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の撮影制御システム。
  9.  前記制御計算装置は、前記患者における患部の位置と前記回転角度値との関係を示す情報を記憶しており、
     前記X線撮影装置には、前記回転角度値に応じて前記X線画像の撮影タイミングが設定される、
     請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の撮影制御システム。
  10.  前記制御計算装置は、前記特定範囲を識別可能な範囲識別情報と撮影時の前記回転角度値に対応付けて前記X線画像を管理する、
     請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の撮影制御システム。
  11.  前記X線撮影装置は、前記回転ガントリの回転とともに複数の撮影角度で前記X線画像を撮影する少なくとも2つのX線撮影部を備え、
     一方の前記X線撮影部で撮影した前記X線画像と他方の前記X線撮影部で撮影した前記X線画像とが互いの前記撮影角度の間を補うように撮影条件が設定される、
     請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の撮影制御システム。
  12.  前記撮影条件の設定には、前記回転ガントリの回転速度の設定が含まれており、
     一方の前記X線撮影部および他方の前記X線撮影部のそれぞれの撮影方向のなす角と前記周期に基づいて、前記回転ガントリの回転速度が設定される、
     請求項11に記載の撮影制御システム。
  13.  同一の前記特定範囲に対応する複数の前記X線画像におけるそれぞれの撮影時の前記撮影角度が等間隔になるように前記撮影条件が設定される、
     請求項11または請求項12に記載の撮影制御システム。
  14.  制御計算装置が、患者の周囲を回転する回転ガントリを制御するガントリ制御装置から、前記回転ガントリの回転位置を示す回転角度値を取得するステップと、
     前記制御計算装置が、前記回転ガントリとともに回転してかつ前記患者にX線を照射して撮影された複数の2次元的なX線画像を含む画像データを出力するX線撮影装置から、前記画像データを取得するステップと、
     前記制御計算装置が、前記患者の呼吸運動を監視して前記呼吸運動を示す呼吸データを出力する呼吸監視装置から、前記呼吸データを取得するステップと、
     前記制御計算装置が、前記呼吸データに含まれる前記呼吸運動の呼吸波形における周期および振幅の少なくとも一方を複数の特定範囲ごとに分割するステップと、
     前記制御計算装置が、前記画像データに含まれる前記X線画像を前記特定範囲ごとに分類するステップと、
     前記制御計算装置が、前記特定範囲ごとに分類された複数の前記X線画像を撮影時の前記回転ガントリの前記回転角度値に基づいて再構成して3次元的な再構成画像を生成するステップと、
     を含む、
     撮影制御方法。
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