WO2022269765A1

WO2022269765A1 - 可搬型洗浄機

Info

Publication number: WO2022269765A1
Application number: PCT/JP2021/023641
Authority: WO
Inventors: 杉村健太郎
Original assignee: 本田技研工業株式会社
Priority date: 2021-06-22
Filing date: 2021-06-22
Publication date: 2022-12-29

Abstract

可搬型洗浄機（１０）は、一組の車輪（２６Ｌ、２６Ｒ）とハンドル（３０）とが設けられた荷台部（１２）を有する。この荷台部には、モータ（３８）及びポンプ（４０）が積載される。また、該荷台部には、前記一組の車輪よりも前方に設けられ、地面（Ｅ）に対して当接又は離間する支持部（２４Ｌ、２４Ｒ）が設けられる。前記一組の車輪の回転中心同士に仮想的に引いた仮想直線を車軸（ＬＳ）とするとき、該車軸は、荷台部の進行方向に対して直交する。可搬型洗浄機の重心（Ｇ）は、荷台部の上方であり且つ車軸よりも前方に位置する。

Description

可搬型洗浄機

　本発明は、運搬が可能な可搬型洗浄機に関する。一層詳細には、本発明は、バッテリからモータに電力を供給する電動式の可搬型洗浄機に関する。

　周知の通り、高圧洗浄機は、建築物又は車体等の洗浄対象物に高圧の洗浄液を噴射する。この種の高圧洗浄機として、作業者の人力で運搬可能な可搬型洗浄機が広く用いられている。例えば、特開２０１５－１２０１１４号公報に記載の高圧洗浄機は、該特開２０１５－１２０１１４号公報の図１に示される把持部５２と、可動式把持部５２ａとを有する。使用者は、前記把持部又は前記可動式把持部を把持して、筐体をタイヤ５３に向けて傾ける。この状態で、使用者が筐体をタイヤに向かって移動させることで、高圧洗浄機が運搬される。

　可搬型洗浄機は、洗浄液に圧力を付与するポンプと、該ポンプを駆動するポンプ駆動源とを備える。特開２０１５－１２０１１４号公報に記載されるように、近時、多くの場合で、ポンプ駆動源としてモータが採用される。この場合、モータを駆動するために、該モータに対して電力が供給される。特開２０１５－１２０１１４号公報に記載の高圧洗浄機では、段落［００１８］に示されるように、外部電源を電力供給源としている。

　外部電源が商用電源である場合、可搬型洗浄機の使用可能範囲が、給電ケーブルをコンセントに接続することが可能な範囲に制限される。また、特開２０１５－１２０１１４号公報の図１～図５に示されるような形状の洗浄機では、使用中に筐体が車輪に向かって倒れる懸念がある。

　そこで、国際公開第２０２０／０４４９３９号に記載されるように、バッテリからモータに電力を供給することが考えられる。この場合、バッテリが高圧洗浄機に搭載される。この高圧洗浄機では、筐体の底面全体が接地される。このため、使用中に筐体が倒れる懸念がない。

　モータ及びバッテリ等を搭載した高圧洗浄機において、洗浄液の吐出圧力を大きくすると、モータ及びバッテリ等が大型となる。吐出の持続時間を長くするときも同様に、モータ及びバッテリ等が大型となる。この場合、高圧洗浄機はかなりの重量物である。このように重量が大きな高圧洗浄機を作業者が抱えて運搬することは、作業者にとって負担である。

　そこで、車輪が設けられた運搬車を用意し、該運搬車にて高圧洗浄機を搬送することが考えられる。しかしながら、この場合においても、作業者は、高圧洗浄機を運搬車に載置するとき、又は高圧洗浄機を運搬車に収納するとき、該高圧洗浄機を人力で持ち上げる必要がある。しかも、高圧洗浄機を持ち上げるとき、作業者は、膝及び腰等を折り曲げて一旦屈む。作業者は、その後、重量が大きな高圧洗浄機を抱えて膝及び腰等を伸ばす。この動作も、作業者にとって負担である。

　本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。

　本発明の一実施形態によれば、少なくとも一組の車輪とハンドルとが設けられた荷台部と、前記荷台部に積載されたモータと、前記荷台部に積載され且つ前記モータによって駆動されるポンプとを備え、前記ポンプで洗浄液に圧力を付与する可搬型洗浄機であって、
　前記モータに対して電力を供給するバッテリと、
　前記荷台部の、前記一組の車輪よりも前方に設けられ、地面に対し当接又は離間し、且つ地面に当接したときに前記一組の車輪とともに前記荷台部を支持する支持部と、
　を備え、
　前記一組の車輪の回転中心同士に仮想的に引いた仮想直線を車軸とするとき、該可搬型洗浄機の重心が、前記荷台部の上方であり且つ前記車軸よりも前方に位置する可搬型洗浄機が提供される。

　また、本発明の別の一実施形態によれば、少なくとも一組の車輪とハンドルとが設けられた荷台部と、前記荷台部に積載されたモータと、前記荷台部に積載され且つ前記モータによって駆動されるポンプとを備え、前記ポンプで洗浄液に圧力を付与する可搬型洗浄機であって、
　前記モータに対して電力を供給するバッテリと、
　前記荷台部の、前記一組の車輪よりも前方に設けられ、地面に対し当接又は離間し、且つ地面に当接したときに前記一組の車輪とともに前記荷台部を支持する支持部と、
　を備え、
　前記一組の車輪の前端同士に仮想的に引いた仮想直線を仮想前端直線、前記一組の車輪の後端同士に仮想的に引いた仮想直線を仮想後端直線とするとき、前記モータの少なくとも一部が、平面視で、前記仮想前端直線と前記仮想後端直線との間に設けられ、
　且つ前記バッテリの少なくとも一部が前記仮想前端直線よりも前方に設けられる可搬型洗浄機が提供される。

　なお、「前」は、可搬型洗浄機を運搬する作業者が前進する方向を指す。すなわち、「前」は作業者の胸側である。「後」は、「前」の反対方向であり、前方を向いた作業者の背中側である。

　本発明においては、モータ及びバッテリが荷台部の適切な位置に積載される。その結果、可搬型洗浄機の重心が、一組の車輪の回転中心同士に仮想的に引いた車軸よりも前方（支持部の方向）に寄る。これにより、支持部と車輪との接地状態が良好に保たれる。このため、可搬型洗浄機が後方に向かって転倒することを抑制することができる。また、可搬型洗浄機の運搬時には、作業者が車軸を中心として荷台部を回動することが容易となる。従って、可搬型洗浄機の自立安定性と、可搬型洗浄機の可搬性とを両立することができる。

　しかも、可搬型洗浄機を運搬するときには、車輪を回転させればよい。すなわち、作業者が可搬型洗浄機を抱えて運搬する必要はない。このため、作業者の負担が軽減する。

図１は、本発明の実施形態に係る可搬式洗浄機の左前方からの全体概略斜視図である。図２は、可搬式洗浄機の上方からの全体概略平面図である。図３は、可搬式洗浄機の左側方からの全体概略左側面図である。図４は、着脱式バッテリをバッテリケースに装着し、且つバッテリケースに設けたロックレバーを取出不可位置としたときの要部概略斜視図である。図５は、ロックレバーを取出可能位置としたときの要部概略斜視図である。図６は、別のバッテリケースの概略側面断面図である。

　以下における「前」、「後」、「左」及び「右」は、それぞれ、図１に示すハンドル３０を握持した作業者ＷＫの前方（胸側）、後方（背中側）、左方及び右方を指す。可搬式洗浄機１０は、ハンドル３０を握持した作業者ＷＫによって前方に押し出されることで前進する一方、後方に引き戻されることで後退する。すなわち、「前後方向」は「進行方向」を意味する。「左右方向」は進行方向に直交する方向であり、幅方向と同義である。

　また、「高位」は、地面（路面）からの直線距離が相対的に大である高さ位置を表す。「低位」は、地面（路面）からの直線距離が相対的に小である高さ位置を表す。高位と低位とは、必ずしも鉛直方向に沿って上下に並んでいることを意味しない。

　各図面に示される構成要素は模式的に表現されており、必ずしも実際の形状及び縮尺を表しているとは限らない。

　図１は、本実施形態に係る可搬式洗浄機１０を左前方から視認した全体概略斜視図である。この可搬式洗浄機１０は、荷台部１２を有する。該荷台部１２は、メインフレーム１４と、天板１６とを有する。天板１６は、メインフレーム１４の上面に取り付けられている。

　メインフレーム１４は、中空の丸管が略Ｕ字形状に折曲されることで構成されている。従って、メインフレーム１４の前端は閉塞端であり、メインフレーム１４の後端は開口端である。このため、メインフレーム１４は、最前方に位置する前管部１８と、左方に位置する左管部２０Ｌと、右方に位置する右管部２０Ｒとを有する。左管部２０Ｌの前端は、前管部１８の左端に連なる、右管部２０Ｒの前端は、前管部１８の右端に連なる。左管部２０Ｌ及び右管部２０Ｒは、後方に向かって延在する。図示は省略しているが、左管部２０Ｌと右管部２０Ｒとの間に１個以上の補強管部を設けてもよい。

　前管部１８の下面には、地面Ｅ（下方）に向かって突出する左突出管部及び右突出管部が設けられる。左突出管部は、前管部１８の左右方向中間部から左端に至るまでの所定の箇所に位置する。左突出管部には、ゴム材からなる左支持部２４Ｌが被せられる。同様に、右突出管部は、前管部１８の左右方向中間部から右端に至るまでの所定の箇所に位置する。右突出管部には、ゴム材からなる右支持部２４Ｒが被せられる。可搬式洗浄機１０が使用される最中、又は、可搬式洗浄機１０が停止されて一時的に据置されるとき、左支持部２４Ｌ及び右支持部２４Ｒが地面Ｅに当接する。

　左管部２０Ｌの後端近傍の左側方には、左車輪２６Ｌが設けられる。また、右管部２０Ｒの後端近傍の右側方には、右車輪２６Ｒが設けられる。すなわち、可搬式洗浄機１０は、左車輪２６Ｌ及び右車輪２６Ｒからなる一組の車輪を有する。左支持部２４Ｌは、左車輪２６Ｌよりも前方に位置する。右支持部２４Ｒは、右車輪２６Ｒよりも前方に位置する。なお、左車輪２６Ｌ及び右車輪２６Ｒは、可搬式洗浄機１０が進行中であるか停止中であるかに拘わらず、地面Ｅに常時接する。

　図２に示すように、左車輪２６Ｌ及び右車輪２６Ｒは、荷台部１２の左右方向（幅方向）において互いに平行に位置する。すなわち、左車輪２６Ｌの回転中心と、右車輪２６Ｒの回転中心とを結ぶ仮想直線を車軸ＬＳとするとき、車軸ＬＳは進行方向に対して直交する。なお、参照符号ＬＦは、左車輪２６Ｌ及び右車輪２６Ｒの前端同士に仮想的に引いた仮想前端直線を示す。仮想前端直線ＬＦは、車軸ＬＳよりも前方に位置する。参照符号ＬＲは、左車輪２６Ｌ及び右車輪２６Ｒの後端同士に仮想的に引いた仮想後端直線を示す。仮想後端直線ＬＲは、車軸ＬＳよりも後方に位置する。

　図１に示すように、メインフレーム１４の後端には、ハンドルフレーム２８が該メインフレーム１４と一体的に設けられる。ハンドルフレーム２８は、鉛直方向及び水平方向に対して所定角度で傾斜している。ハンドルフレーム２８の上端は、幅方向に沿って延在するハンドル３０となっている。すなわち、ハンドル３０は荷台部１２に設けられている。作業者ＷＫがハンドル３０を握持して前進又は後退することにより、可搬式洗浄機１０が前進又は後退する。

　天板１６には、図示しないボルト等を介してハウジング３６が位置決め固定される。ハウジング３６内には、モータ３８の全部と、ポンプ４０の大部分とが収納される。このように、モータ３８及びポンプ４０は荷台部１２に積載されている。なお、ポンプ４０はモータ３８によって駆動される。ポンプ４０は、洗浄液に圧力を付与する。この構成は公知であることから、詳細な図示及び説明を省略する。洗浄液の典型例は、図２に示す水４２である。又は、洗浄液は、水４２と洗浄薬品との混合液であってもよい。

　本実施形態において、ポンプ４０はモータ３８の前面（前方を向いた一側方の面）の下部に配置される。ここで、ハウジング３６には、切欠４４が形成されている。ポンプ４０の一部は、該切欠４４を介してハウジング３６の外部に露呈する。露呈したポンプ４０の一部の前端面には、給水管４６が設けられる。図２に示すように、給水管４６には給水ホース４８の一端が接続される。該給水ホース４８の他端は、貯留槽５０に貯留された水４２中に浸漬される。水４２に洗浄剤が添加されていてもよい。

　また、ポンプ４０の前記一部の前端面には、吐出管５２が設けられる。吐出管５２は、給水管４６と略同じ高さである。又は、吐出管５２を、例えば給水管４６に対して右斜め上の高位としてもよい。吐出管５２には、吐出ホース５４を介して洗浄ガン５６が接続される。水４２は、給水ホース４８及び給水管４６を介して汲み上げられる。水４２は、吐出管５２及び吐出ホース５４を介して、洗浄ガン５６から洗浄対象物に吐出される。

　図２に示すように、吐出管５２の後端５２ｒは、後述するバッテリケース６０の前端６０ｆよりも前方に位置する。従って、吐出管５２に被せられる吐出ホース５４が吐出管５２の後端５２ｒまで到達した場合、吐出ホース５４の後端の位置は、吐出管５２の後端５２ｒである。吐出ホース５４の後端が、吐出管５２の後端５２ｒよりも後方となることはない。従って、吐出ホース５４の後端は、バッテリケース６０の前端６０ｆよりも前方である。

　モータ３８は、ハウジング３６の内部において、該ハウジング３６の後部壁に近接する位置に配置される。モータ３８は、ポンプ４０よりも大型であり、且つ大重量である。

　図１に示すように、ハウジング３６の上面（上方を向いた一側方の面）には、バッテリケース６０が、ハンドル３０よりも低位で設けられる。バッテリケース６０は、着脱式バッテリ収納部である。該バッテリケース６０には、着脱式バッテリ６２が離脱可能に収納される。この点につき説明する。

　この場合、着脱式バッテリ６２は、特開２０１９－６８７２０号公報の図１と同様に略直方体形状をなしている。また、着脱式バッテリ６２の長手方向一端には、取っ手部６４が設けられる。作業者ＷＫは、着脱式バッテリ６２をバッテリケース６０に収納するとき、又は、着脱式バッテリ６２を運搬するとき等で、取っ手部６４を把持する。取っ手部６４が設けられていない長手方向他端は、略平坦な底面６６である。該底面６６には、雌型の第１コネクタ６８が設けられる。

　バッテリケース６０には、前方及び上方が開口した開空間が形成される。この開空間が、着脱式バッテリ６２を収納する収納空間７０である。図３に示すように、収納空間７０を形成する下方内壁７２の前端７２ｆは、該下方内壁７２の後端７２ｒよりも高位である。すなわち、下方内壁７２は、前方から後方となるにつれて低位に向かうように傾斜している。水平方向に対する下方内壁７２の傾斜角度θは、１０°～１５°であることが好ましい。この場合、着脱式バッテリ６２の荷重の一部を下方内壁７２が受ける（負担する）。この状態で、着脱式バッテリ６２を収納空間７０に押し入れることができる。又は、着脱式バッテリ６２を収納空間７０から引き出すことができる。なお、下方内壁７２の前端７２ｆには、作業者ＷＫが手を差し入れることが可能な差入口７３（図１参照）が形成されている。

　収納空間７０の後方内壁７４（図３参照）には、雄型の第２コネクタ７６が設けられる。第２コネクタ７６は、第１コネクタ６８に対して離脱可能に係合する。具体的には、ロックレバー７８が図４に示す上方の取出不可位置であるとき、第２コネクタ７６は、後方内壁７４から露呈して第１コネクタ６８に係合する。逆に、ロックレバー７８が図５に示す下方の取出可能位置に向かって回動されたとき、第２コネクタ７６は、前方高位から後方低位に向かって後退及び下降する。第２コネクタ７６は、この動作に伴って第１コネクタ６８から離脱した後、後方内壁７４の内部に埋入する。

　収納空間７０に収納された着脱式バッテリ６２は、取っ手部６４が前方を向き且つ底面６６が後方を向く。また、収納空間７０内の着脱式バッテリ６２は、若干傾斜した姿勢となる。すなわち、前方の取っ手部６４が高位、後方の底面６６が低位となる。着脱式バッテリ６２を収納空間７０に収納するとき、又は着脱式バッテリ６２を収納空間７０から取り出すときには、着脱式バッテリ６２は、下方内壁７２に沿って滑動する。下方内壁７２が上記したように傾斜しているので、着脱式バッテリ６２の滑動（移動）方向は、鉛直方向及び水平方向の双方に対して所定の傾斜角度で交差する。以下、着脱式バッテリ６２の移動方向を「挿抜方向」ともいう。

　一層具体的には、前方高位から後方低位に向かう傾斜が着脱式バッテリ６２の挿入方向である。逆に、後方低位から前方高位に向かう傾斜が着脱式バッテリ６２の離脱方向である。挿抜方向と水平方向（前後方向）とがなす角度は、水平方向に対する下方内壁７２の傾斜角度θと同等である。

　バッテリケース６０の前部には、前記ロックレバー７８が回動可能に設けられる。ロックレバー７８が図４に示す取出不可位置であるとき、ロックレバー７８は着脱式バッテリ６２の前方に位置する。すなわち、ロックレバー７８は、挿抜方向で着脱式バッテリ６２と干渉する位置である。このため、着脱式バッテリ６２を収納空間７０から取り出そうとすると、ロックレバー７８が着脱式バッテリ６２に干渉する。従って、収納空間７０から着脱式バッテリ６２を取り出すことはできない。

　逆に、ロックレバー７８が図５に示す取出可能位置であるとき、ロックレバー７８は、挿抜方向から外れて着脱式バッテリ６２に干渉しない位置となる。詳細には、ロックレバー７８は、下方内壁７２の前端７２ｆと略面一となる。この位置では、ロックレバー７８が着脱式バッテリ６２に干渉することはない。従って、収納空間７０から着脱式バッテリ６２を容易に取り出すことができる。

　バッテリケース６０の前端６０ｆは、図２に示すように、仮想前端直線ＬＦよりも前方の左支持部２４Ｌ及び右支持部２４Ｒに向かって延出する。また、前端６０ｆは、上記したように吐出管５２の後端５２ｒよりも後方に位置する。従って、収納空間７０に収納された着脱式バッテリ６２は、全体にわたって吐出管５２よりも後方である。換言すれば、吐出管５２がポンプ４０から突出する距離は、バッテリケース６０の前端６０ｆと、着脱式バッテリ６２の前端とが、モータ３８から突出する距離よりも大きい。

　ハウジング３６の後部壁とバッテリケース６０の後部壁（後端部）とは、左車輪２６Ｌ、右車輪２６Ｒの前端と後端との間に位置する。すなわち、ハウジング３６の後部壁とバッテリケース６０の後部壁（後端部）とは、進行方向において、仮想前端直線ＬＦと仮想後端直線ＬＲの間に位置する。モータ３８は、上記したようにハウジング３６の後部壁近傍に配置されている。従って、モータ３８の少なくとも一部は、平面視において車軸ＬＳに重なる（図２参照）。

　図２に示すように可搬式洗浄機１０を平面視したとき、収納空間７０に収納された着脱式バッテリ６２は、モータ３８に重なる。

　ハンドルフレーム２８の左側部には、下ガンホルダ８０Ｄ及び上ガンホルダ８０Ｕが設けられる。洗浄ガン５６は、下ガンホルダ８０Ｄ及び上ガンホルダ８０Ｕに保持される。このとき、吐出先端８２が下方となり、且つグリップ８４及びオン／オフレバー８６が上方となる。また、ハンドルフレーム２８には、幅方向に沿って延在するプレート８８が設けられる。プレート８８は、ハンドル３０よりも下方に位置する。プレート８８の後端面には、左フック９０Ｌ及び右フック９０Ｒが設けられている。吐出ホース５４は、左フック９０Ｌ及び右フック９０Ｒに掛止される。吐出ホース５４の一端は、グリップ８４に接続されている。吐出ホース５４の他端は、洗浄液を吐出するときには吐出管５２に接続される。ただし、洗浄液を吐出しないときには、吐出ホース５４の他端を吐出管５２に接続する必要は特にない。なお、左フック９０Ｌ及び右フック９０Ｒには、給水ホース４８を掛止してもよい。

　可搬式洗浄機１０の重心Ｇの位置は、バッテリケース６０の収納空間７０に着脱式バッテリ６２が収納されているか否かに応じて多少変化する。ただし、収納空間７０に着脱式バッテリ６２が収納されているか否かに拘わらず、重心Ｇは、荷台部１２の一部である天板１６の上方であり、且つ車軸ＬＳよりも前方である。

　重心Ｇの位置は、下ガンホルダ８０Ｄ及び上ガンホルダ８０Ｕに洗浄ガン５６が保持されているか否かに応じても多少変化する。ただし、下ガンホルダ８０Ｄ及び上ガンホルダ８０Ｕに洗浄ガン５６が保持されているか否かに拘わらず、重心Ｇは、天板１６の上方であり且つ車軸ＬＳよりも前方である。

　収納空間７０から着脱式バッテリ６２が取り外され、且つ下ガンホルダ８０Ｄ及び上ガンホルダ８０Ｕから洗浄ガン５６が取り外されている状態において、好ましい重心Ｇの位置は、車軸ＬＳと仮想前端直線ＬＦとの間である。図２及び図３には、重心Ｇの好適位置の典型例を示している。

　本実施形態に係る可搬式洗浄機１０は、基本的には以上のように構成される。次に、可搬式洗浄機１０の作用効果について説明する。なお、以下では、バッテリケース６０から着脱式バッテリ６２が取り外され、且つ下ガンホルダ８０Ｄ及び上ガンホルダ８０Ｕから洗浄ガン５６が取り外されている場合を例示する。

　可搬式洗浄機１０を洗浄対象物の近傍まで運搬するとき、作業者ＷＫは、ハンドル３０を把持し、車軸ＬＳを中心として荷台部１２を回動させる。この回動に伴って、荷台部１２の前方が上昇する。また、左支持部２４Ｌ及び右支持部２４Ｒが地面Ｅから離間する。この状態で作業者ＷＫが前進することにより、左車輪２６Ｌ及び右車輪２６Ｒが後方から前方に向かって回転する。その結果、可搬式洗浄機１０が前進する。

　上記したように、可搬式洗浄機１０の重心Ｇは、天板１６の上方で且つ車軸ＬＳと仮想前端直線ＬＦとの間である。この場合、重心Ｇが仮想前端直線ＬＦよりも前方に位置する場合に比べて、荷台部１２を回動させることが容易となる。また、左支持部２４Ｌ及び右支持部２４Ｒを地面Ｅから離間させることも容易となる。加えて、左車輪２６Ｌ及び右車輪２６Ｒを回転させることで、作業者ＷＫが可搬式洗浄機１０を運搬することができる。すなわち、作業者ＷＫが可搬式洗浄機１０を持ち上げる必要はない。以上の理由から、可搬式洗浄機１０の重量が大きいときであっても、該可搬式洗浄機１０を容易に運搬することができる。すなわち、可搬式洗浄機１０の可搬性が向上する。従って、作業者ＷＫの負担が軽減する。

　また、着脱式バッテリ６２及び洗浄ガン５６を取り外しているので、可搬式洗浄機１０の重量が小さい。従って、作業者ＷＫが可搬式洗浄機１０を押し進めることが容易となる。すなわち、作業者ＷＫが可搬式洗浄機１０に付与する押出力を小さくすることができる。これにより、作業者ＷＫの負担を一層軽減することが可能となる。

　可搬式洗浄機１０を洗浄対象物の近傍まで運搬した後、作業者ＷＫは、荷台部１２を、車軸ＬＳを中心として前方が下降する方向に回動させる。この回動に伴って、左支持部２４Ｌ及び右支持部２４Ｒが地面Ｅに当接する。この当接（接地）により、可搬式洗浄機１０が、左支持部２４Ｌ、右支持部２４Ｒ、左車輪２６Ｌ及び右車輪２６Ｒを介して地面Ｅに支持される。すなわち、いわゆる４点支持が形成される。

　ここで、可搬式洗浄機１０の重心Ｇは、着脱式バッテリ６２及び洗浄ガン５６等の有無に拘わらず、車軸ＬＳよりも前方（左支持部２４Ｌ及び右支持部２４Ｒの方向）に寄っている。好ましくは、重心Ｇは車軸ＬＳと仮想前端直線ＬＦとの間に位置する。特に、本実施形態では、左車輪２６Ｌ及び右車輪２６Ｒの上部にモータ３８が位置する。詳細には、モータ３８の少なくとも一部が、平面視で仮想前端直線ＬＦと仮想後端直線ＬＲとの間に位置する。しかも、バッテリケース６０がモータ３８の上部に設けられる。

　このため、モータ３８及びバッテリケース６０の荷重が車軸ＬＳに付加される。しかも、モータ３８及びバッテリケース６０の少なくとも一部が車軸ＬＳよりも前方に突出するので、可搬式洗浄機１０の重心Ｇが車軸ＬＳよりも前方に寄り易くなる。バッテリケース６０に着脱式バッテリ６２が挿入されたときには、着脱式バッテリ６２の荷重も車軸ＬＳに付加されるので、重心Ｇが車軸ＬＳよりも前方に一層寄り易くなる。従って、可搬式洗浄機１０が４点支持を保ち易くなる。

　すなわち、この場合、重心Ｇが車軸ＬＳ上に位置する場合に比べて、又は、重心Ｇが車軸ＬＳよりも後方に寄っている場合に比べて、可搬式洗浄機１０が自立状態を保つことが容易となる。従って、作業者ＷＫがハンドル３０から手を離したとき、ハンドルフレーム２８が地面Ｅに向かって回動することが回避される。これにより、可搬式洗浄機１０が転倒することが回避される。

　作業者ＷＫは、次に、バッテリケース６０の収納空間７０に着脱式バッテリ６２を収納する。具体的には、作業者ＷＫは、一方の手で着脱式バッテリ６２の取っ手部６４を把持して該着脱式バッテリ６２を持ち上げる。さらに、他方の手を着脱式バッテリ６２の一側面に添えて、底面６６が若干低位、取っ手部６４が若干高位となった傾斜姿勢とする。

　その後、作業者ＷＫは、着脱式バッテリ６２の前記一側面を下方内壁７２に当接させる。このとき、作業者ＷＫは、前記一側面に添えた手を差入口７３に差し込んでもよい。これにより、下方内壁７２と着脱式バッテリ６２との間に作業者ＷＫの手が挟まれることが回避される。さらに、作業者ＷＫは、この状態から着脱式バッテリ６２を下方内壁７２に沿って滑動させる。滑動した着脱式バッテリ６２の底面６６は、収納空間７０の後方内壁７４に当接する。この当接に伴い、着脱式バッテリ６２がバッテリケース６０に支持される。

　なお、バッテリケース６０に着脱式バッテリ６２を装着するとき、作業者ＷＫは、可搬式洗浄機１０の前方に回り込む。バッテリケース６０の前方及び上方が開口しているからである。その後、作業者ＷＫは、バッテリケース６０の前方から収納空間７０に着脱式バッテリ６２を挿入する。これにより、収納空間７０に着脱式バッテリ６２を挿入するとき、ハンドル３０及びプレート８８を含むハンドルフレーム２８に着脱式バッテリ６２が干渉することが回避される。このように、本実施形態では、バッテリケース６０をハンドル３０よりも低位とし、且つハンドル３０を、着脱式バッテリ６２の挿抜方向（移動方向）に交差しない位置としている。このため、着脱式バッテリ６２を収納空間７０に円滑に挿入することができる。

　しかも、下方内壁７２が、後方内壁７４に向かうにつれて低位となるように傾斜している。このため、着脱式バッテリ６２が自重によって下方内壁７２を容易に滑動する。従って、作業者ＷＫが着脱式バッテリ６２を収納空間７０に押し入れるときの力を、収納空間７０が水平方向に沿って延在する場合に比して小さくすることができる。

　加えて、バッテリケース６０がハウジング３６の上方に設けられているので、作業者ＷＫが腰及び膝等を過度に折り曲げる必要がない。このため、作業者ＷＫの負担が軽減する。また、作業性が向上する。

　なお、バッテリケース６０に着脱式バッテリ６２を装着した直後では、ロックレバー７８が取出可能位置となっている（図５参照）。作業者ＷＫは、差入口７３に手を差し入れてロックレバー７８を握持し、該ロックレバー７８を上昇する方向に回動させる。これによりロックレバー７８が取っ手部６４の前方となるように上昇し、取出不可位置となる。このため、収納空間７０から着脱式バッテリ６２を取り出すことができなくなる。着脱式バッテリ６２を収納空間７０から取り出そうとしても、ロックレバー７８に着脱式バッテリ６２が干渉するからである。

　また、ロックレバー７８の回動と同時に、第２コネクタ７６が、収納空間７０の後方内壁７４から前方高位に向かって前進及び上昇する。すなわち、第２コネクタ７６が後方内壁７４から露呈し、第１コネクタ６８に係合する。これにより、第１コネクタ６８と第２コネクタ７６が電気的に接続される。その結果、着脱式バッテリ６２からモータ３８等の機器に電力を供給することが可能となる。

　また、バッテリケース６０に装着される着脱式バッテリ６２の少なくとも一部が、車軸ＬＳよりも前方に突出する。このため、可搬式洗浄機１０の重心Ｇが車軸ＬＳよりも前方に寄り易くなる。

　このようにして着脱式バッテリ６２がバッテリケース６０に装着された後も、可搬式洗浄機１０の重心Ｇは、着脱式バッテリ６２がバッテリケース６０に装着される前と同様に、車軸ＬＳよりも前方に寄っている。好ましくは、重心Ｇは、車軸ＬＳと仮想前端直線ＬＦとの間に位置する。すなわち、着脱式バッテリ６２等の重量が後方（ハンドルフレーム２８の方向）に過度に付加されることはない。このため、この場合においても可搬式洗浄機１０が４点支持を保ち易くなる。すなわち、可搬式洗浄機１０が転倒することが回避されて自立状態が保たれる。以上のようにして、可搬式洗浄機１０が据え置かれる。

　作業者ＷＫは、給水ホース４８の一端を給水管４６に接続し、他端を貯留槽５０の水４２中に浸漬する。作業者ＷＫは、吐出ホース５４の一端を吐出管５２に接続する。吐出ホース５４の他端が洗浄ガン５６に接続されていないときには、洗浄ガン５６のグリップ８４近傍に吐出ホース５４を接続する。なお、給水ホース４８及び吐出ホース５４の接続と、着脱式バッテリ６２のバッテリケース６０への装着は、順不同に実施することができる。

　作業者ＷＫは、次に、スイッチを入れる。これにより、着脱式バッテリ６２からモータ３８に電力が供給され、ポンプ４０が貯留槽５０の水４２を汲み上げる。その後、作業者ＷＫは、洗浄ガン５６を下ガンホルダ８０Ｄ、上ガンホルダ８０Ｕから取り外し、グリップ８４を握持して洗浄ガン５６の吐出先端８２を洗浄対象物に向ける。作業者ＷＫは、オン／オフレバー８６を指でグリップ８４に接近する方向に引き寄せる。これにより洗浄ガン５６内の図示しないバルブが開き、洗浄ガン５６の吐出先端８２から洗浄対象物に向かって高圧の水４２が吐出される。その結果、洗浄対象物が洗浄される。

　水４２が吐出される間、ポンプ４０の振動が荷台部１２に伝わる。この振動により、可搬式洗浄機１０が転倒する懸念がある。しかしながら、本実施形態では、可搬式洗浄機１０の重心Ｇが、上記したように車軸ＬＳよりも前方（左支持部２４Ｌ及び右支持部２４Ｒの方向）に寄っている。このため、荷台部１２が左支持部２４Ｌ及び右支持部２４Ｒによって十分に支持される。従って、可搬式洗浄機１０がハンドルフレーム２８に向かって転倒する懸念が払拭される。

　また、重心Ｇは、好ましくは車軸ＬＳと仮想前端直線ＬＦとの間に位置する。このため、重心Ｇが過度に前方に寄ることが回避されている。従って、可搬式洗浄機１０が前方に向かって転倒する懸念も払拭される。

　作業者ＷＫがオン／オフレバー８６から指を離すと、該オン／オフレバー８６がグリップ８４から離間して元の位置に戻る。これに伴って前記バルブが閉止することにより、水４２の吐出が一旦停止される。

　洗浄が終了した後、作業者ＷＫは、洗浄ガン５６ないしドレンコックから排水を行う。これにより、吐出管５２及び吐出ホース５４内の水４２が排出される。作業者ＷＫは、その後、吐出管５２から吐出ホース５４を取り外して巻回し、さらに、左フック９０Ｌ及び右フック９０Ｒに吐出ホース５４を掛止すればよい。必要であれば、下ガンホルダ８０Ｄ及び上ガンホルダ８０Ｕで洗浄ガン５６を保持することも可能である。

　ここで、作業者ＷＫが排水を失念して吐出ホース５４を吐出管５２から取り外すことが想定される。吐出管５２及び吐出ホース５４内の水４２は高圧であるので、取り外しによって水４２が噴出することが起こり得る。

　しかしながら、本実施形態では、吐出管５２の後端５２ｒがバッテリケース６０の前端６０ｆ（及び着脱式バッテリ６２の前端）よりも前方に位置している。このため、吐出管５２と吐出ホース５４との接続部が、バッテリケース６０の前端６０ｆよりも前方となる。すなわち、図２に示すように、平面視において、バッテリケース６０及び着脱式バッテリ６２と、前記接続部とが重なることはない。しかも、ポンプ４０がモータ３８の前方に配置される。また、バッテリケース６０及び着脱式バッテリ６２がモータ３８の上方に位置する。このため、前記接続部と、バッテリケース６０及び着脱式バッテリ６２とが十分な距離で離間する。

　従って、吐出管５２及び吐出ホース５４から水４２が噴出した場合であっても、該水４２がバッテリケース６０及び着脱式バッテリ６２に到達することが回避される。また、水４２がバッテリケース６０に到達したと仮定しても、該水４２はバッテリケース６０の下面で堰き止められる。以上のようにして、着脱式バッテリ６２が被水することが防止される。その結果、例えば、短絡又は漏電等が起こることが回避される。

　バッテリケース６０に対する着脱式バッテリ６２の着脱を容易にする目的で、図１～図５に示すように、着脱式バッテリ６２の少なくとも一部をバッテリケース６０の外部に露出させることがあり得る。この場合であっても、上記の構造を採用することにより、着脱式バッテリ６２が被水することを防止し得る。すなわち、上記の構造は、着脱式バッテリ６２の着脱を容易にする構造として有用である。また、上記の構造は、着脱式バッテリ６２の被水を抑制する構造としても有用である。

　着脱式バッテリ６２の充電残容量（ＳＯＣ）が低下したときには、該着脱式バッテリ６２を、充電済みの新たな着脱式バッテリ６２に交換すればよい。例えば、可搬式洗浄機１０を据え置いた場所に新たな着脱式バッテリ６２を運搬して交換を行ってもよい。又は、新たな着脱式バッテリ６２が据え置かれた場所まで可搬式洗浄機１０を運搬して交換を行ってもよい。

　交換を行うとき、作業者ＷＫは、バッテリケース６０の前方に回り込み、ロックレバー７８を押し下げて図４に示す取出不可位置から図５に示す取出可能位置まで回動させる。この回動と同時に、第２コネクタ７６が前方高位から後方低位に向かって後退及び下降する。これに伴って第２コネクタ７６が第１コネクタ６８から離脱し、さらに、後方内壁７４の内部に埋入する。

　作業者ＷＫは、次に、収納空間７０内の着脱式バッテリ６２の取っ手部６４を把持し、前方高位に向かって引き上げる。収納空間７０を形成する下方内壁７２が傾斜しているので、該下方内壁７２が着脱式バッテリ６２の重量の一部を受けている。従って、作業者ＷＫが収納空間７０から着脱式バッテリ６２を引き上げるときには、下方内壁７２が着脱式バッテリ６２の荷重を負担する。このため、作業者ＷＫが着脱式バッテリ６２を収納空間７０から引き上げるときの力を、収納空間７０が鉛直方向に沿って延在する場合よりも小さくすることができる。このように、下方内壁７２を傾斜させたことにより、バッテリケース６０からの着脱式バッテリ６２の取り出し時においても、着脱式バッテリ６２を下方内壁７２に沿って滑動させることが容易となる。

　また、この取り外しにおいても、着脱式バッテリ６２の移動方向がハンドルフレーム２８と反対である。このため、収納空間７０から抜き取られる着脱式バッテリ６２がハンドルフレーム２８に交差することがない。これにより、着脱式バッテリ６２が、ハンドル３０を含むハンドルフレーム２８に干渉することが回避される。従って、着脱式バッテリ６２をバッテリケース６０から容易に取り外すことができる。

　作業者ＷＫは、以降は上記と同様にして、充電済みの新たな着脱式バッテリ６２を収納空間７０に収納し、バッテリケース６０に装着する。これにより、上述した洗浄を再開することが可能となる。

　以上説明したように、本実施形態は、少なくとも一組の車輪（２６Ｌ、２６Ｒ）とハンドル（３０）とが設けられた荷台部（１２）と、前記荷台部に積載されたモータ（３８）と、前記荷台部に積載され且つ前記モータによって駆動されるポンプ（４０）とを備え、前記ポンプで洗浄液（４２）に圧力を付与する可搬型洗浄機（１０）であって、
　前記モータに対して電力を供給するバッテリ（６２）と、
　前記荷台部の、前記一組の車輪よりも前方に設けられ、地面（Ｅ）に対し当接又は離間し、且つ地面に当接したときに前記一組の車輪とともに前記荷台部を支持する支持部（２４Ｌ、２４Ｒ）と、
　を備え、
　前記一組の車輪の回転中心同士に仮想的に引いた仮想直線を車軸（ＬＳ）とするとき、該可搬型洗浄機の重心（Ｇ）が、前記荷台部の上方であり且つ前記車軸よりも前方に位置する可搬型洗浄機を開示する。

　この可搬型洗浄機では、モータ及びバッテリが荷台部の適切な位置に積載される。その結果、該可搬型洗浄機の重心が、一組の車輪の回転中心同士に仮想的に引いた車軸よりも前方（支持部の方向）に寄る。これにより、支持部と車輪との接地状態が良好に保たれる。このため、可搬型洗浄機が後方に向かって転倒することを抑制することができる。すなわち、可搬型洗浄機が安定して自立する。

　また、重心が上記の位置となることに基づき、可搬型洗浄機の運搬時に、作業者（ＷＫ）が車軸を中心として荷台部を回動することが容易となる。従って、可搬型洗浄機の自立安定性と、可搬型洗浄機の可搬性とを両立することができる。

　一組の車輪の前端同士に仮想的に引いた仮想直線を仮想前端直線（ＬＦ）とするとき、車軸と仮想前端直線との間に重心が位置することが好ましい。この場合、可搬型洗浄機が進行方向における前方に向かって転倒することを抑制することもできる。従って、可搬型洗浄機が一層安定して自立する。

　典型例では、バッテリは、荷台部に対して着脱可能な着脱式バッテリである。この場合、着脱式バッテリを取り外したときの重心が、車軸よりも前方に位置することが好ましい。これにより、バッテリが取り付けられていない場合においても、支持部と車輪との接地状態が良好に保たれる。このため、可搬型洗浄機が後方に向かって転倒することが抑制される。

　また、本実施形態は、少なくとも一組の車輪（２６Ｌ、２６Ｒ）とハンドル（３０）とが設けられた荷台部（１２）と、前記荷台部に積載されたモータ（３８）と、前記荷台部に積載され且つ前記モータによって駆動されるポンプ（４０）とを備え、前記ポンプで洗浄液（４２）に圧力を付与する可搬型洗浄機（１０）であって、
　前記モータに対して電力を供給するバッテリ（６２）と、
　前記荷台部の、前記一組の車輪よりも前方に設けられ、地面（Ｅ）に対し当接又は離間し、且つ地面に当接したときに前記一組の車輪とともに前記荷台部を支持する支持部（２４Ｌ、２４Ｒ）と、
　を備え、
　前記一組の車輪の前端同士に仮想的に引いた仮想直線を仮想前端直線（ＬＦ）、前記一組の車輪の後端同士に仮想的に引いた仮想直線を仮想後端直線（ＬＲ）とするとき、前記モータの少なくとも一部が、平面視で、前記仮想前端直線と前記仮想後端直線との間に設けられ、
　且つ前記バッテリの少なくとも一部が前記仮想前端直線よりも前方に設けられる可搬型洗浄機を開示する。

　この可搬型洗浄機においても、モータ及びバッテリが荷台部の適切な位置に積載される。従って、上記と同様に、該可搬型洗浄機の重心（Ｇ）が、一組の車輪の回転中心同士に仮想的に引いた車軸よりも前方（支持部の方向）に寄る。これにより、支持部と車輪との接地状態が良好に保たれる。すなわち、可搬型洗浄機が安定して自立する。

　また、重心が上記の位置となるので、作業者が車軸を中心として荷台部を回動することが容易となる。従って、可搬型洗浄機の運搬が容易となる。このように、この構成においても、可搬型洗浄機の自立安定性と、可搬型洗浄機の可搬性とを両立することができる。

　バッテリがモータの下方又は上方に設けられ、荷台部を鉛直方向から平面視したとき、バッテリとモータが重なることが好ましい。この構成では、モータ及びバッテリの荷重が車軸に付加される。しかも、モータ及びバッテリの少なくとも一部が車軸よりも前方に突出するので、可搬型洗浄機の重心が車軸よりも前方に寄り易くなる。従って、可搬型洗浄機が一層安定して自立する。

　ポンプがモータの一側方に配置されるとともに、バッテリがモータの別の一側方に配置されることが好ましい。この場合、バッテリとポンプとの間にモータが介在する。従って、仮にポンプから洗浄液が漏洩しても、バッテリが洗浄液で濡れることが回避される。換言すれば、ポンプによってバッテリが保護される。

　ポンプによって圧力を付与された洗浄液が流通する吐出管（５２）が、ポンプに設けられる場合がある。この構成では、吐出管がポンプから突出した距離が、バッテリの吐出管を向いた端部の、モータから突出した距離よりも大きいことが好ましい。この場合、吐出管の先端と、バッテリの先端とが離間する。従って、仮に吐出管から洗浄液が漏洩しても、バッテリが洗浄液で濡れることが回避される。

　典型例では、バッテリは、荷台部に対して着脱可能な着脱式バッテリである。この場合、モータの一側方を向いた面の下部にポンプを設け、且つモータの上面にバッテリを設けることが好ましい。この構成では、仮にポンプから洗浄液が漏洩しても、該洗浄液がバッテリを濡らすことは困難である。また、バッテリを挿抜するとき、該バッテリにポンプが干渉することが回避される。

　着脱式バッテリは、ハンドルよりも下方に位置することが好ましい。着脱式バッテリがこのような位置であると、着脱式バッテリを荷台部に装着するとき、作業者が着脱式バッテリを地面から高く持ち上げる必要がない。

　着脱式バッテリを荷台部に装着するとき、着脱式バッテリの移動方向が、高位から低位に向かう方向であることが好ましい。また、着脱式バッテリを荷台部から離脱させるとき、着脱式バッテリの移動方向が、低位から高位に向かう方向であることが好ましい。この場合、荷台部が着脱式バッテリの重量の一部を負担する。従って、着脱式バッテリを水平方向に沿って移動させる場合に比べて、作業者が着脱式バッテリに付与する力が小さくなる。このため、作業者の負担が軽減される。

　ハンドルは、移動するバッテリに交差しない位置に設けられていることが好ましい。これにより、バッテリにハンドルが干渉することが回避される。従って、バッテリを荷台部に円滑に装着することができる。また、バッテリを荷台部から円滑に離脱させることができる。

　なお、本発明は、上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を取り得る。

　例えば、着脱式バッテリ６２の挿抜方向は前方に限定されず、左方であってもよいし右方であってもよい。挿抜される着脱式バッテリ６２がハンドルフレーム２８に干渉しない場合、挿抜方向を後方としてもよい。

　図３～図５に例示したバッテリケース６０に代替し、図６に示されるバッテリケース１００を採用することが可能である。なお、このバッテリケース１００は、収納空間１０２が形成されたケース本体１０４と、該ケース本体１０４に回動可能に設けられた蓋体１０６とを備える。蓋体１０６は、着脱式バッテリ６２が収納空間１０２に収納された後、ケース本体１０４に覆い被さる方向に回動され、収納空間１０２を閉塞する。

　バッテリケース６０、１００の各々を、モータ３８の左方又は右方に配置することが可能である。バッテリケース１００の場合、長手方向が鉛直方向に沿う、いわゆる縦置きとしてもよい。蓋体１０６を設けることは必須ではなく、ケース本体１０４のみでバッテリケースを構成してもよい。

　着脱式バッテリ６２に代替し、着脱不能なバッテリパックを採用することも可能である。

１０…可搬式洗浄機　　　　　　　　　　　１２…荷台部
１４…メインフレーム　　　　　　　　　　１６…天板
２４Ｌ…左支持部　　　　　　　　　　　　２４Ｒ…右支持部
２６Ｌ…左車輪　　　　　　　　　　　　　２６Ｒ…右車輪
３０…ハンドル　　　　　　　　　　　　　３６…ハウジング
３８…モータ　　　　　　　　　　　　　　４０…ポンプ
４２…水　　　　　　　　　　　　　　　　４６…給水管
４８…給水ホース　　　　　　　　　　　　５０…貯留槽
５２…吐出管　　　　　　　　　　　　　　５４…吐出ホース
５６…洗浄ガン　　　　　　　　　　　　　６０、１００…バッテリケース
６２…着脱式バッテリ　　　　　　　　　　６４…取っ手部
６８…第１コネクタ　　　　　　　　　　　７０、１０２…収納空間
７２…下方内壁　　　　　　　　　　　　　７４…後方内壁
７６…第２コネクタ　　　　　　　　　　　７８…ロックレバー
Ｅ…地面　　　　　　　　　　　　　　　　Ｇ…重心
ＬＦ…仮想前端直線　　　　　　　　　　　ＬＳ…車軸
ＷＫ…作業者

Claims

　少なくとも一組の車輪（２６Ｌ、２６Ｒ）とハンドル（３０）とが設けられた荷台部（１２）と、前記荷台部に積載されたモータ（３８）と、前記荷台部に積載され且つ前記モータによって駆動されるポンプ（４０）とを備え、前記ポンプで洗浄液（４２）に圧力を付与する可搬型洗浄機（１０）であって、
　前記モータに対して電力を供給するバッテリ（６２）と、
　前記荷台部の、前記一組の車輪よりも前方に設けられ、地面（Ｅ）に対し当接又は離間し、且つ地面に当接したときに前記一組の車輪とともに前記荷台部を支持する支持部（２４Ｌ、２４Ｒ）と、
　を備え、
　前記一組の車輪の回転中心同士に仮想的に引いた仮想直線を車軸（ＬＳ）とするとき、該可搬型洗浄機の重心（Ｇ）が、前記荷台部の上方であり且つ前記車軸よりも前方に位置する可搬型洗浄機。
　請求項１記載の可搬型洗浄機において、前記一組の車輪の前端同士に仮想的に引いた仮想直線を仮想前端直線（ＬＦ）とするとき、前記重心が、前記車軸と前記仮想前端直線との間に位置する可搬型洗浄機。
　請求項１又は２記載の可搬型洗浄機において、前記バッテリが前記荷台部に対して着脱可能な着脱式バッテリであり、前記着脱式バッテリを取り外したときの重心が、前記車軸よりも前方に位置する可搬型洗浄機。
　少なくとも一組の車輪（２６Ｌ、２６Ｒ）とハンドル（３０）とが設けられた荷台部（１２）と、前記荷台部に積載されたモータ（３８）と、前記荷台部に積載され且つ前記モータによって駆動されるポンプ（４０）とを備え、前記ポンプで洗浄液（４２）に圧力を付与する可搬型洗浄機（１０）であって、
　前記モータに対して電力を供給するバッテリ（６２）と、
　前記荷台部の、前記一組の車輪よりも前方に設けられ、地面（Ｅ）に対し当接又は離間し、且つ地面に当接したときに前記一組の車輪とともに前記荷台部を支持する支持部（２４Ｌ、２４Ｒ）と、
　を備え、
　前記一組の車輪の前端同士に仮想的に引いた仮想直線を仮想前端直線（ＬＦ）、前記一組の車輪の後端同士に仮想的に引いた仮想直線を仮想後端直線（ＬＲ）とするとき、前記モータの少なくとも一部が、平面視で、前記仮想前端直線と前記仮想後端直線との間に設けられ、
　且つ前記バッテリの少なくとも一部が前記仮想前端直線よりも前方に設けられる可搬型洗浄機。
　請求項４記載の可搬型洗浄機において、前記バッテリが前記モータの下方又は上方に設けられ、前記荷台部を鉛直方向から平面視したとき、前記バッテリと前記モータが重なる可搬型洗浄機。
　請求項１～５のいずれか１項に記載の可搬型洗浄機において、前記ポンプが前記モータの一側方に配置されるとともに、前記バッテリが前記モータの別の一側方に配置される可搬型洗浄機。
　請求項６記載の可搬型洗浄機において、前記ポンプに、該ポンプによって圧力を付与された前記洗浄液が流通する吐出管（５２）が設けられ、前記吐出管の前記ポンプからの突出距離が、前記バッテリの前記吐出管を向いた端部の、前記モータからの突出距離よりも大きい可搬型洗浄機。
　請求項６又は７記載の可搬型洗浄機において、前記バッテリが前記荷台部に対して着脱可能な着脱式バッテリであり、前記ポンプが前記モータの一側方を向いた面の下部に配置され、且つ前記バッテリが前記モータの上面に設けられた可搬型洗浄機。
　請求項８記載の可搬型洗浄機において、前記バッテリが前記ハンドルよりも下方に位置するとともに、装着のときの前記バッテリの移動方向が高位から低位に向かう方向であり、且つ離脱のときの前記バッテリの移動方向が低位から高位に向かう方向である可搬型洗浄機。
　請求項９記載の可搬型洗浄機において、前記ハンドルが、移動する前記バッテリに交差しない位置に設けられている可搬型洗浄機。